企業会計審議会第28回監査部会議事録

1.日時:平成24年7月25日(水曜日)10時00分~12時00分

2.場所:中央合同庁舎第7号館 12階 金融庁共用第二特別会議室

○脇田部会長

おはようございます。定刻になりましたので、これより第28回監査部会を開催いたします。皆様にはお忙しいところ、早朝よりご参集いただきましてありがとうございました。

まず、会議の公開についてお諮りいたします。本日の監査部会も企業会計審議会の議事規則にのっとりまして公開することといたしたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。

(「異議なし」の声あり)

○脇田部会長

ご了解をいただきましたので、そのように取り扱わせていただきます。

それでは、議事に入ります。前回、前々回と委員の方々などから説明をいただきました。その上で、不正に対応するための公認会計士監査のあり方について皆様にご意見をいただいてまいりました。本日は議事次第にございますように、最初に金融庁事務局及び公認会計士・監査審査会から最近の事例等を踏まえた課題につきまして説明をしていただき、その上でご意見等を伺ってまいりたいと存じます。

それでは、初めに金融庁事務局より説明をお願いいたします。

○中澤開示検査課長

それでは、事務局のほうから説明をさせていただきます。金融庁の名義で最近の事例等を踏まえた課題についてという横長のパワーポイントがございますので、これに沿って説明させていただきます。

最近の不正会計、あるいはそれに対する監査についてさまざまな批判がございますが、それにつきまして、目についたところを素材として提供し、今後の議論に資するようにしたいと思っていますのでよろしくお願いします。

それでは、お手元の資料1ページをおめくりいただいて目次ですが、大きく分けまして最近大きな話がありましたオリンパスのケース、これについて持ち時間の約半分強ぐらい説明させていただきます。その後、それ以外の不正会計事案に関し監査上の問題点が目についたものについてご説明をさせていただきます。

まず3ページ、オリンパス事案からご説明を申し上げます。オリンパス事案につきまして、皆さん、報道等でもご案内のとおりだと思いますが、一応確認までに、まずオリンパス社の不正会計の手口について説明させていただきます。

事案の概要でございますが、大きく分けて3つほどオリンパス社は不正会計の手口をやってございました。まず最初が、簿外ファンドの連結外しによる含み損・負債の簿外処理ということでございます。この会社は、90年代に有価証券投資等の失敗によりまして多額の含み損を抱えてございました。これが、時価会計の導入ということで表面に出るということが懸念されましたので、その計上を先送りするために、平成10年ごろから海外の複数のファンドにこの含み損を移転するというような処理をしてございました。

2のところですが、それを平成19年3月期までの10年間、不正実行者の協力者といいまして外資系金融機関の担当者でございますが、そういう人たちの協力を得まして、海外のファンドに飛ばしていたこの簿外処理が発覚しないように隠ぺい工作をずっと続けていたということでございます。

3番目でございますが、オリンパス社は損失隠しの解消スキームということで、平成20年3月期以降、企業買収を使ってこの簿外ファンドに資金を流して、海外の簿外ファンドに隠していた損失を処理することを考えました。すなわち企業買収に伴う買収資金あるいは企業買収に伴うアドバイザーへの報酬等として支出した資金を簿外ファンドに還流してこの損失を処理しました。

他方、結構過大な額の買収資金あるいは報酬等を連結財務諸表上、のれんとして計上しまして、長期的に処理するというような形で最終的な処理を図るということをしてございました。

このオリンパス社に対する監査のあり方についてですが、担当していた監査法人は大手の2法人でございますが、その監査の状況を見たところ、業務管理体制に問題があるということで、今月6日にそれぞれ業務改善命令を発出いたしましたが、それぞれの監査の状況についてどんな論点があったかを簡単にご紹介させていただきます。

4ページでございます。まず、長く担当していた前任のA監査法人に対する指摘でございますが、そこに書かれているとおりですけれども、過去に問題があった、これは有価証券投資に問題があり、有価証券投資で抱えた損についてはこれを海外簿外ファンドに飛ばしていたわけですが、こうした一連の損失先送りスキームを担当していた者が引き続きこの会社では金融資産の運用業務に従事していたという事実がございました。

しかしながら、監査チームは、有価証券投資等に起因する不正リスクの評価を引き上げるということもしておりませんし、過去のこういう不正取引を踏まえた監査対応も実際は行われていなかったということで、不正リスクに対する感応度が、監査チームもそれからそれを監督する立場にある法人本部もしっかりできていなかったという点を指摘をさせていただいております。

ここで出てくる論点は繰り返しになりますけれども、監査チームによる会計不正リスクのリスク評価あるいは法人本部による適切なモニタリングをどのように確保していくかということが今後の課題ではないかと思っているところでございます。

続きまして5ページでございます。同じA監査法人に対する指摘ですが、これは先ほどの事案の説明のところで申しました3ページのマル3ですが、オリンパス社が最後企業買収を使って損失先送りスキームを解消するということを行っていますが、その際に行った企業買収の中身が、取引の内容から見ると経済合理性に疑問を抱かせるような特異な取引だったということでございます。事業実績がない国内企業3社の買収であって、しかも多額の投資であったということですので、ちょっと普通に考えればおかしいなということだと思うのですが、この監査法人は上級審査の対象事項になるということを規定していませんでしたので、法人本部として監査現場の状況を的確に把握するための体制が十分ではありませんでした。この結果、2008年、平成20年3月期に企業買収を使った解消スキームが始まるわけですけれども、その時点では専門家を入れる、あるいはフォレンジックみたいなものを使うといったことができなかったということが問題であったのではないかとして指摘をさせていただきました。

論点としましては、監査法人本部が現場の状況を的確に把握するための体制をどういうふうに確保するか。それから、実効性ある本部審査のルール整備をはじめとする審査の適切な実施をどういうふうに確保していくか。それから、専門部署の機動的な活用というものをどう考えるか。この法人は次の年に実は専門家を入れてやっておりまして、もう1年早くそういうことができたのではないかという問題提起でございます。

6ページでございます。A監査法人に対する指摘の3つ目でございますが、これは引き継ぎの問題でございます。平成21年3月期にA法人が最後に担当した監査の際に、さまざまなやりとりがオリンパス社との間でありました。しかしながら、この辺のやりとりについて、後任監査人にちゃんと引き継ぎが行われていなかったのではないかという点がございます。それから、引き継ぎに対しても、法人本部としてもチームに対して適切なフォローを行わなかったという問題点を指摘させていただいております。

論点としましては、監査人の交代時に実効性のある引き継ぎをどうやって図るかということでございまして、監査人の交代のルールは公認会計士協会の実務指針である程度定められていますけれども、それで果たして十分であろうかということがここでの問題提起でございます。

それから、監査事務所交代時における開示の強化。監査人には守秘義務があるとして、後任の方に自らの担当していた時の情報を出せないというようなことがよく言われているんですけれども、どこまで守秘義務の守備範囲があるべきなのか。問題提起をする観点から今日の処分理由の一つとして挙げさせていただいたところです。

続きまして、今度引き継いだB監査法人に対する指摘ですが、7ページから9ページまででございますが、1つは受嘱審査の問題であります。引き継いだ法人は、引き継ぐタイミングがちょっと異例だった、あるいは、前任の監査人が激しいやりとりをオリンパス社との間で行ったことによって多額の特損を計上していたという事情を考えますと、契約の受嘱を検討するに当たってはこうした経緯を含め様々な情報を前任監査人からちゃんと聞くべきであって、それを踏まえた上で受嘱の決定をすべきであったと思います。しかしながら現実には、前任監査人に事情を聞くようにというふうな指示は法人本部からチームにしていたんですけれども、実際はちゃんと聞いていなかったし法人本部もそのフォローをしていなかったということでございまして、こういうような会計不正リスクが高い場合の適切な受任手続及び受嘱審査をどのように確保するかというのが論点として挙げられると思っております。

8ページですが、これは引き継ぎの中身の問題でございます。先ほどのA監査法人の裏返しの問題でございますが、結果的には、前の監査人がきちっと把握していた問題点を引き継ぐことなくそのものを監査したということでございますので、実効性ある引き継ぎの徹底をどうやって図るか。それから、監査事務所交代時における情報のやりとりの開示の強化をどうやって図るかというのが問題点として挙げられると思います。

9ページでございますが、B監査法人に対しては、もう1点指摘をさせていただいております。B監査法人の監査チームは前任監査人からちゃんと聞いていなかったという問題もあるのですけれども、前任監査人が基本的に問題のある事柄について全部処理したのだろうと安易に理解してしまいまして、監査上のリスクを的確に認識することができていなかったということでございます。法人本部も受嘱時にある程度リスクがあると思っていたのですけれども、自前の分析、あるいは監査チームから状況についてしっかり聞かなかったということなので、組織的な監査が十分機能していなかったのではないかという問題提起でございます。

論点としましては、先ほどA監査法人のところでもございましたが、やはりチームによる会計不正のリスクの評価あるいは法人本部による適切なモニタリングをどうやって確保していくかという点、それから、審査上、審査のあり方もここでの論点ではないかと思っているところでございます。

以上、A監査法人、B監査法人に対して問題点を指摘した上で、業務改善命令を出しているところでございますが、その両監査法人に対する業務改善以外の論点としまして、オリンパス事案で2点ほど問題点があるのではないかと考えているところでございます。

まず残高確認手続でございます。資料の10ページでございます。先ほどオリンパスの事案を説明するときに、長期にわたって外部協力者がいて隠ぺい工作をしていたという話を申し上げましたが、その1つとして、オリンパス社が持っていた預金とか国債を担保にして簿外ファンドは外部協力者が勤めていた金融機関より融資を受けていたわけですが、担保となっていた預金等の残高確認につきまして、監査人は担保等の払い戻しを制限する契約がある場合には、その内容を記入することを求めた書式を用いて照会をしているのですけれども、照会を受けた方の外国の金融機関は送られてきた書式ではなくて、金融機関の書式を利用して残高だけを回答してきたという事実がございます。

外国金融機関に対する残高確認手続においては、残高以外の事項の回答を得られないことがよくあるということがありまして、また、担保等が付されている場合は、その事実が普通は会社側の帳簿に記録されているのですけれども、本件につきましては、そこも隠ぺいされていたというかそういうことがなかったので、追加の確認手続は不要と判断したということで、ここで長期的に会社側と協力者の間の隠ぺい工作を結果的には見逃してしまったというか、なかなか難しいんですけれども、そういう実態がございます。

論点としましては、残高確認状の内容が今のままでいいのか。それから、担保設定状況等に係る記載の徹底をどうやって図っていくべきなのかということがあろうかと思います。

もう1つの論点は、11ページですが、企業価値評価等における専門家の活用ということでございます。これもオリンパス事案のマル3の最後、企業買収を使った損失解消スキームのところに出てくる話なのですが、国内企業3社の買収に際しまして、とある公認会計士さんに株主価値算定報告書の作成を依頼しています。オリンパス社が設置しました第三者委員会報告書によりますと、この公認会計士さんは、価値算定に当たって、オリンパスから事業計画の数字は動かさないでほしいという強い依頼を受けたので、オリンパスから提示された事業計画の数字を一部の修正を除いてほぼそのまま用いて価値算定をしたということでございます。

同じく、オリンパス社第三者委員会の報告書では、事業計画の数値が非常に楽観的なものであるのに、その妥当性を検討し修正する手続を行わなかったことが、評価対象企業の企業価値を過大に評価することにつながったと考えられるとされています。金融商品の評価あるいは企業価値評価等における専門家の活用のあり方についてどうやって考えるべきなのかという論点があろうかと思います。

12ページに、企業価値評価ガイドライン、日本公認会計士協会さんの研究報告で出ているものがございますが、一般にこのガイドラインに沿ってやっておられる方が多いと思うのですが、よくこのガイドラインを見ると、そもそも真実性とか正確性とか網羅性を検証するための手続を別途行うことはまれであるとか、それから、公認会計士がその責任を全部負えるものではないというようなことが書かれておりまして、これに沿った形で実際に公認会計士さんも、たくさんのディスクレーマーをつけた企業価値算定書を作成されているわけですけれども、このガイドラインが取っかかりになって、そのような一種、ちょっと言葉は適当かわかりませんが、いいかげんな価値算定が広く行われてしまっているのではないかという問題があるのではないかと思っているところでございます。

以上、オリンパス社の関係を説明しましたが、残りの時間でオリンパス事案以外の不正会計事案、それに対する監査の問題点を若干説明させていただきます。

資料の13ページでございますが、不正会計の端緒が発見されたけれども、結果として看過されてしまったケースとしまして、ケースを2つご紹介させていただきます。

まず、最初のケースとして、被監査会社が海外向け製品を売り上げ計上することについて、監査人に対して、出荷を開始しており問題ないという説明をしたのですけれども、監査人は出荷の事実が確認できないということと、それから、会社が提示した内部証憑のみでは監査証拠とはならないことを指摘して、より直接的な証拠の提示を要求したという事実があります。

結果的に、この被監査会社は偽造された外部証憑を監査人に提示し、それで監査人はこれを有効な証憑と認めて、最初、おかしいなと思ったんですけれども、結果的に不正会計を見逃してしまったというケースです。

14ページのもう1つのケースですが、今度は被監査会社の売り上げ先から、その売り上げは実際に存在していないという通報を監査人が受けました。そこで、深度ある監査手続をやってみたのですが、被監査会社が偽造された証拠の提示あるいは虚偽の説明を繰り返して、結果として、十分かつ適切な証拠を入手しないまま架空売り上げであったものを実在する取引と認めるに至ってしまったというようなケースでございます。

両ケースを図解したものが15ページにございまして、それぞれケース I 、ケース II と絵をかいてございます。それぞれの絵のところにバツと書いてあるのは、これは監査要点だとご理解いただければと思います。ケース I はこれはおかしいなという端緒がありまして、監査人がいろいろと監査証拠を出せというふうに詰めていくわけですが、それぞれやはり言い逃れでこれはおかしいなという証拠が積み重なっていく。ところが最後になって捏造された白い証拠が出てきて、これで全体をオーケーとするわけなんですが、これは会計監査人のマインドセットの問題として、証拠収集は何のために行われるべきなのかという問題を提起しています。要は、経営者の主張が白になるように何か物を探しているんじゃないかということで、 I のケースでは、経営者の主張の矛盾をつく姿勢に欠けていたんじゃないかと言えるかなと思っているところであります。

ケース II ですが、これは最初おかしいなと思ったのですけれども、結果として、会社と取引先の通謀によって出てくる捏造された白い証拠が積み上がってくるので全体として白としてしまったというケースです。こういうケースを見ると、証拠の収集手段として現状のままで十分なのだろうかという問題が提起されます。会社や取引先を通じない、より直接的な手段が必要なのではないか、というようなケースとして紹介させていただきました。

資料16ページでございますが、最近よくある循環取引の事例でございます。ちょっと単純化しておりますので、実際の循環取引は全部が製品販売ではなくて、一部匿名組合の出資みたいな形となっているケースもあってこんなに単純ではないのですが、要は、協力会社が複数いまして、みんな偽造された白の証拠を出してくるものですから、全体として見て特に問題がないと適正意見を表明してしまう。しかし、それは架空の売り上げだったので、本当は不正な取引だったということがよくあるケースであります。

こういう場合に、現行の監査手続でどこまで見つけられるのか。なかなか困難であると思いますが、難しいとしてこれをあきらめるのは簡単ですけれども、それでいいのかという問題があろうかと思います。循環取引の特性を踏まえた監査手続のあり方についてどう考えるかということが1つの論点、循環取引の関係ではあろうかと思います。

もう1つ、連携のあり方ということですが、あまり詳しくは申し上げられないのですけれども、16ページのケースで片方の監査法人は、これは不正な取引の疑いがあると感じ、追加手段を行っていくのですが、循環取引の場合相手先がいて、相手先の監査人のほうでは適正意見を出している。そうなると当初疑いを持った監査人の方も大丈夫かなと思って、その段階で追及の手続をやめてしまうというようなことがあります。

先ほどちょっとオリンパスのところで出ましたけれども、守秘義務の問題とか、あるいは監査人の協力が、競争していますのでなかなかそんな協力なんかできませんよ、ということをよく言われるのですけれども、果たしてそれで本当にいいのかという論点があろうかと思います。これは法人が違う場合もありますし、法人が同じでチームが違うというケースもありますけれども、取引先の監査人との連携のあり方をどのように考えていくべきなのかという論点があろうかと思っています。

資料の17ページですが、今度は、会計不正の態様等に応じた監査手続が実施されなかったケースということで1つご紹介させていただきます。これは実地棚卸し手続の未実施ということでございまして、監査人は被監査会社の売り上げの計上について過去に問題が生じて発生したことを把握していたので売り上げに係る監査手続において、被監査会社に対して外部証憑の提出を求めたのですけれども、提出がされなかったというケースであります。ここで、仮に棚卸し立会を行っていれば、売り上げの実在性を否定できた、売り上げが実在しないことが確認できたにもかかわらず、監査人はこれを行わなくて、結果として売り上げの前倒し計上あるいは架空売り上げの計上を看過するに至ったというケースが最近ございました。

こういう売り上げの前倒し計上が想定される場合の実地棚卸し手続の実施など、疑われる会計不正の態様等に応じた監査手続の実施をどのように図っていくかというのが、このケースからの課題と考えております。

最後、ちょっと毛並みの違う話ですが18ページです。監査法人における情報収集体制ということで、やはり外部からの情報をしっかり活用していくことも重要ではないかと思います。大手監査法人の情報受付窓口みたいなものの状況を見させていただきましたが、監査ホットラインという形でトップページに設けているのは1法人だけというような状況にあります。設けられていても、ちょっと手繰っていかないとどこにそれがあるかわからないという状況になっていたりしますが、これでは情報を受け付けるという姿勢が余りないのではないかという感じを受けないわけではありません。

それから、別の監査法人では、自分では受け付けないけれども、監視委員会には出して下さいという形なのですか、そういう姿勢は果たして良いのであろうか、という感じを受けております。

ちょっと駆け足になりましたけれども、最近の事例等を踏まえた課題として金融庁で考えているのは以上でございます。ありがとうございます。

○脇田部会長

ありがとうございました。ただいまの説明へのご意見、ご質問は、公認会計士・監査審査会からの説明の後にあわせてお願いしたいと存じます。

それでは、公認会計士・監査審査会から審査会検査を通じて把握した監査法人の問題等ということでご説明をお願いします。

まず、公認会計士・監査審査会、友杉会長、お願いいたします。

○友杉公認会計士・監査審査会会長

公認会計士・監査審査会の友杉でございます。当審査会が実施しております監査事務所に対する検査等を通じて把握いたしました監査の品質管理上の諸問題につきまして、事務局において要点を取りまとめさせていただきましたので、まず事務局長の佐々木から説明をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○佐々木公認会計士・監査審査会事務局長

公認会計士・監査審査会、事務局長の佐々木でございます。

お手元の資料2-1のパワーポイントのプレゼン資料に沿ってご説明をさせていただきたいと思います。公認会計士・監査審査会は、監査法人、監査事務所におけます品質管理、この体制の検証を行っております。年間大体10程度の監査事務所、監査法人の検査を行っております。

プレゼン資料の中では5点についてお話をさせていただきます。まず職業的懐疑心。2番目に監査人の交代。3番目に監査人と監査役のコミュニケーション。4番目にファンドに対する監査。5番目、監査法人業界との連携ということでございます。

まず1つ目の職業的懐疑心についてでございますが、この点は既に企業開示課からも説明がございましたが、簡単に申し上げますと、不正を疑わせる情報、端緒があるにもかかわらず、それに対応した慎重な監査手続をとっていないといったことでございます。審査会の検査の中におきまして、こうした問題を把握いたしますけれども、ストレートに職業的懐疑心が不足している、欠けているという指摘は実は必ずしも多くはございません。ただ、職業的懐疑心との関係でいろいろ問題があるのではないかということを認識しました分野が1ページのスライドに書いてございます。

大きく3つの分野でございまして、1つはリスクアプローチに基づく監査計画の策定及びリスク対応手続。

2番目が会計上の見積もりの監査。

3番目に、その他の個別の監査手続におきまして、職業的懐疑心が不十分だったのではないかと思われる事象が検査を通じて把握されております。

そのうち、ごく簡単にご紹介をさせていただきますと、1つ目のリスクアプローチに基づく監査計画の策定、そのうち重要な虚偽表示リスクの識別と評価ということについてですけれども、例えば被監査会社の業務の特性、業種の特性から考えますと、不正会計、不正虚偽表示のリスクがあるという認識を持っているにもかかわらず、十分な監査手続をとっていない、リスク評価の手続をとっていないといった事例が把握されております。

それから2番目の会計上の見積もりの監査のうち、例えば有価証券の評価についてでございますけれども、具体的事例といたしまして、債務超過となっている子会社の株式の減損処理の要否の検討に当たりまして、その子会社が設立から一貫して損失を計上しているなど、問題がある状況を把握していながら、その子会社の事業計画の合理性を裏づける十分な監査証拠を入手していないと。こういった事例も把握されております。

それから、その他の監査手続のうち、先ほど企業開示課のほうでもご説明がございましたけれども、確認手続につきましては、例えば、海外の連結子会社の預金残高について、その一部の確認状が未回収であったにもかかわらず代替手続を実施していないといった事例が見られております。

なお、ちょっと余談でございますけれども、この確認手続は監査法人が金融機関、証券会社などに対して行うものでありますが、我々審査会の検査を通じて見ておりますと、仮に監査法人側が手続を十分踏んだとしても、その回答をいたします金融機関、証券会社などからの回答が不十分というケースが見られます。

例えば、先ほど、担保の有無についての回答がなかったという紹介がございましたけれども、監査法人側が正確に照会をしたにもかかわらず、金融機関の例えば事務処理上の手続あるいはシステム対応の差などによりまして、返ってきます回答の形式とか内容、あるいはその品質について差があるという実例が見られております。それから、これは監査法人検査では必ずしもわからない部分ではございますけれども、私が兼職しております金融庁検査局の金融機関の検査を通じて見ておりますと、一部の金融機関においては、こうした確認手続に対して、直接監査法人側に対して回答を返す必要があるわけですが、中には、金融機関にとってのクライアントであります監査法人側にとっての被監査企業からの依頼に応じて、クライアント、被監査企業に対して回答を返し、そこから監査法人側に返すといったケースも見られます。ただ、監査法人側から見ておりますと、外観上は直接金融機関から回答が返されたような外観をとっておりますので、監査法人から見ている限りでは、クライアント、被監査企業経由になっているということはわからない状況といったケースもございます。

したがいまして、この確認手続の問題といいますのは監査法人側の問題もございますけれども、その回答をいたします金融機関側などの対応の問題もあるのではないかというのが金融検査などを通じてわかっているところでございます。ちなみにこの点については、既に幾つか訴訟の事例があるとも承知をしております。

続きまして、監査人の交代の問題でございますけれども、これにつきましては、資料で2-3という資料、監査基準委員会報告書の900号というものとあわせてごらんいただきたいと思います。

先ほどもオリンパスの事例を中心に監査人の交代についての問題がご紹介ありましたけれども、我々審査会の観点としては4点の問題をここでご説明したいと思います。

1つは交代に当たりましての監査業務の引き継ぎでございますけれども、特に最初の丸の前任監査人による後任監査人の閲覧に供する監査調書の範囲の制限という問題がございます。これは具体的に申し上げますと、監査基準委員会報告書の900号の15という項目でございます。

2ページの一番下の項目15では、前任監査人は、監査意見に影響を及ぼした、または監査意見に影響を及ぼす可能性のある財務諸表における重要な虚偽表示にかかわる情報または状況を把握していた場合には、監査人予定者及び監査人に、後任監査法人ですね、それを伝達しなければならない。こういうことになっております。

しかしながら他方で、同じ資料の4ページをごらんいただきますと、下から2段目にAの7というものがございます。ここにおきまして、Aの7では、ちょっと省きますけれども、後任監査人の閲覧に供する監査調書には、例えばリスク評価手続及びリスク対応手続の実施結果(最終的な意見形成の判断過程を除く)と、その他会計や監査に関する重要な書類に関する監査調書が含まれるという記述がございます。

我々の検査を通じて見ておりますと、前任監査人は後任監査人に引き継ぐ必要があるわけですが、Aの7の括弧書き、すなわち最終的な意見形成の判断過程を除くという記述、これはむしろ例外としてこういう括弧が設けられていると認識しておりますが、実務慣行としては、この括弧内の例外がむしろ常態化しているのではないかという認識を我々は持っております。その結果、前任監査人は後任監査人に具体的な情報、明確な情報提供を行っていないという状況が認識されております。

それから、スライドのほうに戻っていただきますと、2番目の丸でございますが、監査業務の引き継ぎに関する前任監査人の文書化という問題も認識をされております。これは引き継ぎに関連いたしまして、後任監査人はその引き継ぎの内容を当然文書化することが求められております。他方、前任監査人の引き継ぎにおける文書化、記録については、必ずしもこの900号からも明確ではないと認識しておりまして、検査の中ではその結果、前任監査人において必ずしも十分な記録が保存されていない。その結果として後任監査人と前任監査人の主張に一部不整合が見られると、こういう事例も把握されております。

それから、3番目の丸はやや技術的な話ですけれども、期首残高の評価の妥当性等に関する手続の文書化ということで、前任監査人に対しまして、重要な含み損の有無を質問しているものの、実施した監査手続及び結論が後任監査人の監査調書に記録されていないといった問題も把握されております。

以上が引き継ぎに関連する問題でございます。

2番目に監査契約の新規の締結及び更新の問題でございますが、1つ目としましては監査契約に係るリスクの評価。具体的な事例といたしまして、被監査会社について、例えば契約締結に係る検討の段階で、営業キャッシュフローも連続してマイナスになっているというディスクロージャーされた公開情報がある。

また、当期監査についての受嘱の依頼が前任監査人による期末監査実施中に行われているといったことにかんがみますと、監査契約の新規締結に当たっては、慎重かつ詳細な検討、リスクの評価を行う必要があるにもかかわらず、十分なリスク評価を行っていないという事例が認められております。

また受嘱に当たりまして、2番目の丸の内部手続でございますけれども、監査法人におきまして、この受嘱についての内部規定で例えば社員総会決議事項とされているにもかかわらず、社員会を開催されることなく行われているという事例も把握されております。

次の3ページでございますけれども、3番目の問題としては監査人交代時の開示のあり方。これも先ほど企業開示課のほうで多少説明がございましたが、監査人の交代はディスクロージャー、適時開示の対象になっております。ただ、我々見ておりますと、ほとんどのケースでは任期の満了という形で開示されております。期中の交代ということもございますが、期中の交代はかなり例外であると考えております。

ただ、任期の満了といいましても、先ほどのオリンパスの事例、あるいは我々見ておりますと、ほんとうに任期の満了だけかと。いろいろな事例があると思います。監査報酬の水準の問題であるとか、いろいろな事例、理由があるかと思いますけれども、前任監査人と被監査企業との間で意見が合わない、いろいろな問題があったということが開示されていないという問題があろうかと思います。

それから4番目は、監査基準の問題とはやや異なる観点でございますけれども、特定の監査法人による受嘱の問題でございます。先ほどの企業開示課の紹介の事例では、大手監査法人の間での交代でございますけれども、我々の検査を通じて見ておりますと、むしろ大手の監査法人から特定の中小の監査法人に交代すると。また、交代する被監査企業自体も、証券取引所あるいは監視委員会の観点から見て注意を要すると思われる企業であって、このような企業の監査法人が、特定の監査法人、一部の中小監査法人に集中するという傾向が見られております。

我々審査会におきまして、こうした特定の企業を安易に受嘱するような一部の中小監査法人については、情報を把握し、検査の中でも重点的に検証することとしております。

特にこうした一部の中小監査法人の中には、新設の監査法人のケースも少なくございません。ご存じかと思いますけれども、現在の制度では会計士が5名集まれば監査法人が設立できるということもございまして、例えば審査会の検査、または金融庁の処分を受けてその監査法人が解散をする。しかしながら、当該監査法人のメンバーあるいは他の会計士と合わせて、また別の名前で監査法人を新設する。そうした新設監査法人がまた前に述べたような企業を引き継ぐといった、特定の企業そして特定の会計士の離合集散が把握されております。

この点は別途、これも資料でお配りしております2-4でございますけれども、この4月に公表いたしました今事務年度の審査会の検査計画の中でも、重点的に検証するということとしております。

続きまして資料の4ページ、監査人と監査役のコミュニケーションでございますが、この点についてはスライドにございますとおり2つの会社計算規則がございます。

これは資料2-2で会社計算規則をつけておりますが、1つは会社計算規則の127条の4号でございまして、ここでは監査役が主語になっております。監査役は、監査人の適正な職務遂行を確保するための体制に関する事項を内容とする報告書を作成する義務がある。

2つ目は、会社計算規則の131条でございますけれども、主語は監査人でございまして、監査人は、独立性、監査人の適正な職務遂行を確保する体制に関するその他の事項を監査役に通知する義務がございます。

この2つの条文によりまして、監査人と監査役が双方向でコミュニケーションをとるということが制度上求められているわけでございます。こうした制度をもとに、このスライドの下につけております日本監査役協会が作成されております監査報告書のひな形では、各監査役は、会計監査人が独立の立場を保持し、かつ適正な監査を実施しているかを監視及び検証するとともに、会計監査人からその職務の執行状況について報告を受け、必要に応じて説明を求め、監査役は監査報告書を作成するということになっておるわけですが、我々審査会の監査法人に対する検査を通じて見ておりますと、監査法人から監査役に対するこうした説明、あるいは監査役と監査法人の間のコミュニケーションが必ずしも十分に行われていない、形骸化しているという事例が把握されております。

それから、スライドの5ページでございますけれども、ファンドに対する監査という新しい問題でございますけれども、当審査会の検査の中では基本的に監査法人が監査されております大会社、上場企業の監査事例をピックアップいたしまして、その監査に関する品質管理体制を検証させていただいておりますけれども、最近のAIJなどの問題を踏まえて、実はファンド、具体的にはそこに書いてあります証券投資信託、不動産ファンド、特に投資事業有限責任組合、こういったファンドに対する監査に問題意識を持っております。このファンドと言われるものは今申し上げましたとおりいろいろございますけれども、現状は、公認会計士協会のレビューの対象外でございます。協会レビューは大会社が前提で、審査会検査も協会のレビューを前提としておりますので、従来はこうしたファンドの監査は検査の中で検証してきておりません。

ただ、既に幾つかの、特に投資事業有限責任組合を悪用したと思われるようなスキームが把握されておりまして、こうしたスキームの中でも、投資事業有限責任組合は法律上、監査法人監査が義務づけられております。法定監査になっております。こうした事例を見ておりますと、先ほど申し上げました特定の監査法人がこうした有限責任組合の監査をしている事例が散見されておりまして、こうした問題について、現在いろいろな実態把握、勉強をしておるところでございますけれども、現時点までにわかりましたところでは、こうしたファンドの監査に関しまして、監査法人間での対応に差があるということでございます。

特に有限責任組合につきましては、これは未公開企業に対して投資するものでございますけれども、未公開企業の実在性、それからその株の評価、これが重要なポイントになりますけれども、未公開企業の株をどうやって評価するのか。一番下に書いてございます公認会計士協会が出されております実務指針の中では、これを時価で評価するということになっておりますが、実際、この実務指針の中では、有限責任組合の定めました会計準則に定めた価格を時価とみなすというような扱いになっておりまして、本当の時価とは違うものでございます。こういったことから、有限責任組合についての時価の入手可能性についてかなり困難性が伴うということで、大手の監査法人などは非常に慎重に考えられているというのが我々の認識でございます。

他方で、先ほど申し上げた一部の中小の監査法人、特定の監査法人などは、こうした有限責任組合を含めたファンドの監査を引き受けている傾向も見られておりまして、先ほど申し上げました監査人の交代と関連いたします同様の問題が見られるんではないかということでございます。

最後、スライドの6ページでございますけれども、監査法人業界との連携についてご紹介いたしますが、我々審査会の検査は公認会計士協会のレビューを前提に行っております。検査の結果については、当然個別監査法人に通知をして改善を求めるわけですが、今申し上げましたとおり公認会計士協会のレビュー、これが前提ということもございますので、公認会計士協会のレビューの一層の向上を図っていただくことは非常に重要になっております。

この点でも、公認会計士協会と定期的な意見交換、あるいはレビュー後に意見交換を実施しておりますし、今申し上げているようなさまざまな検査を通じて発覚しております問題につきましても、公認会計士協会との間での認識共有をさせていただいております。

また、審査・検査基本計画、それから別途検査結果事例集というものを公表しておりますけれども、こういったものを公認会計士協会、各地域会も含めましてご紹介させていただきまして、我々の検査はどうしても事後チェックということでございますけれども、その事後チェックの前の未然予防、あるいは各監査法人自身における自己規律の強化につなげたいということで取り組んでいるところでございます。以上でございます。

○脇田部会長

ありがとうございました。

それでは、金融庁事務局からの説明、公認会計士・監査審査会の説明につきまして、委員の皆様からご意見、ご質問等を伺ってまいりたいと思います。どうぞ、ご自由にご発言いただきたいと思います。いかがでございますか。

林田委員、どうぞ。

○林田委員

前回、私、ちょっと想定しなかった仕事が飛び込んでしまいまして、欠席させていただいて、まずそのおわびをいたします。前々回私が申し上げたご質問に泉本委員、それから布施委員がご丁寧にお答えいただいたのを議事録で拝見しまして、会計士の方々が使命感を持って仕事に当たられているということは一応わかりまして、敬意を表したいと思います。

ただ、泉本委員もご指摘だったように、若干感想を申しますと、経営者が確信犯的に不正をしている場合には、なかなか報酬の増加要求とか深掘りした監査は難しいという実情のお話がございました。やはり、監査法人の努力あるいは個人の能力に依存しているのがちょっと限界があるのかなということで、少なくとも意欲と使命感を持って不正を発見しようと努めている監査人の方々が不利にならないような報酬の決定方法、あるいは不正を発見しやくするような監査手順の整理、あるいはそういった基準の明示、できることをしっかり決めていかなきゃなと感じました。せっかくお答えいただいたので、まずお礼かたがた申し上げます。

本日のご説明の中で、監査審査会のほうから職業的懐疑心などに関してご指摘がいろいろございました。積極的に進んで不正を発見するという気持ちが大切なんだということだと思います。それに関連して、私は新聞記者をやっておりますので、私の経験上とも絡めながらしますと、やはりたくさんいろいろな案件が持ち込まれると、どうしても1つ1つにすべてしつこくやるということがなかなか難しくなるという面があろうかと思います。

前回のこちらの会議でも、不正というのは非常にレアケースが多いんだというお話もたしかあったかと思います。そのぐらいレアケースということになりますと、どうしてもまさかという、まさかの坂を転げ落ちるということがありまして、見過ごされてしまうと。

先ほどの金融庁のご説明でも、後から不正がわかった後に行っていろいろほじくり出せば、ここにも問題がある、あそこにも問題があるということはわかるわけでありますが、実際にオリンパスというような一般に優良企業と思われているところがまさかこんなことはしていないだろうという先入観があると、なかなかそれを見つけ出すのは実際には難しいのかなという気がいたしています。

ただ、例えば、小さい交通事故の発表があって、その記事を書く場合に、匿名でAさん、加害者がAさんとなっていた場合に、普通だったら記事にならないわけでありますけれども、私が新人、駆け出しのころによく言われたのは、じゃあこのAさんというのはどういう人なのかと。まさか有名人じゃないよね、あるいは政治家とか地方の議員とかそういう人じゃないよねと。そういうことはしつこく聞けということをよく言われました。ですから、そうなれば大きなニュースになるわけでありまして、先ほど言ったことと矛盾するかもしれませんが、監査に当たる方々が一人一人、レアケースのわなにはまらないようにやるということ。それをきちんとトレーニングをするという体制をとるということが非常に重要なのではないかということを感じました。

あともう1つ、よく新聞記者は体制の発表をうのみにしていて役に立たないという批判を受けたりすることもあるんですが、我々も人間でして、ネタがないとなかなか物にならない。そもそも端緒がないと物にならない。だから、その端緒をどうつかむのかということも懐疑心と同様に重要なのかなと思っています。

その場合、先ほどご説明がありました監査人と監査役とのコミュニケーションのあり方、それをどう強化していくか、あるいは、監査人も重要ですけれども、監査役自身の機能の強化をどう図っていくのか。そのあたりは監査役協会の方にもお伺いしたいと思いますが、そのあたりの話。

あるいは、監査人と監査役のコミュニケーションが十分ではないというお話がありましたが、何も監査役だけが端緒ではないはずですので、その監査人に対して社内の心ある人からの通報を受けやすくするような窓口というか手だてをとると。内部通報にも通じるかもしれませんけれども、そうした対応がしっかりとられているかどうなのか。そういったこともちょっと考えてみてはどうかなと、お話を聞いていて思いました。

1回目として、大体そんなことを印象として持ちました。以上です。

○脇田部会長

ありがとうございました。先ほど監査役の方からということでございましたので、ご発言ございますか。宮本委員。

○宮本委員

先ほど、監査人と監査役のコミュニケーションが一言で言うと形骸化しているとの指摘がございました。私ども協会でも、コミュニケーションが非常にスムーズに、あるいは必要十分に行われているかどうかという点については、全く問題なく行われていると申し上げることは現状では難しいかと思いますけれども、一方で、少し事例としてご紹介させていただきたいのですが、私どもでは、自主的なソフトローと呼んでいいかと思いますけれども監査役監査基準、あるいはその監査役監査基準をもっと具体化した監査実施要領というものを定めており、多くの監査役は基本的にはそれらの基準に準拠して監査を行っております。例えば会計監査人との連携という条文も監査役監査基準に入っておりますが、それらをベースに、そして実施要領に基づいて会計監査人とのコミュニケーションも実施しております。

私ども協会会員の会社というのは約6,000社でございますから、6,000社、8,000人の会員の方が全部その内容に従って完璧にコミュニケーションをしているとは申し上げることはできませんが、一方で、かなりの会社で、監査人の事務所を訪問して監査品質の問題ですとか、あるいは監査計画の段階からかなりの頻度で打ち合わせをして、このコミュニケーションに不足がないようにされておられる会社もございます。全くこのコミュニケーションができていないとご理解をいただかないで、中には、特に中小規模であったり監査役のスタッフがいない、そういうケースではコミュニケーションが不足しているケースもあると見ているところでございます。

それからもう1点、今後この点についてどう考えているのかといった趣旨も含めたお話が先ほどございましたけれども、この点については、先般来申し上げておりますように、公認会計士協会様との間でいわゆる連携を強化していくお話をしております。これはコミュニケーションということだけではございませんが、これも含めて連携を強化し、あるいはそのことを8,000人の会員によく周知徹底し、より必要な手続を実施するようにこれからも指導していきたいと考えているところでございます。以上でございます。

○脇田部会長

ありがとうございました。それでは、先ほどから事務局、審査会からご説明がございましたけれども、どうぞ、ご質問、ご意見をご発言いただきたいと思いますがいかがでございますか。

八木委員、どうぞ。

○八木委員

今回のこの監査部会のテーマは、不正会計をいかに防ぐかということだと思います。そこで一番重要なことは、いかに抑止力を高めるかです。もちろん不正が起こった後発見するということも重要ですが、不正会計を起こさないという抑止力がきくということが一番重要です。本部会の趣旨は監査基準をどうするかということになると思いますが、やはり重要なことは企業が不正会計を起こさないということです。

1番目は企業のインテグリティーであり、それから内部統制をいかに強化していくかということです。私は、不正会計抑止の99%がこのことに尽きると思っております。

2番目は、これはやや残念な手段かもしれませんが、前回も申し上げましたように、不正会計が故意の場合には厳罰に処することかと思います。オリンパスのケースをみて、世の経営者の方は不正会計に関与することは大変なことだということがよく理解できたと思いますけれども、いずれにしても厳罰ということが、故意の場合には重要だと考えます。

そして3番目が、この部会の議論の対象だと思いますけれども、不正会計の行為者に対して、それが発見されてしまうリスクを高めることだと思います。これが一番抑止力が効くと思います。不正をしても発見されなければまあいいかということになりますので、発見されるリスクをいかに高めるかということになると、やはりこれは監査の方法・プロセスがポイントになると思います。前回、八田先生からSASの基準の経緯についてご報告がありました。職業的懐疑心を持って通常の監査をしながら、もしそこに異常とか何かおかしなことがあった場合には、すぐにリスク発見型の監査に切りかえること。監査のモードを切りかえるということが極めて重要になると思います。会計監査人は、何かおかしなときには通常の監査と違う不正発見型のモードに変わって帳票を調べていくということによってかなり探求できる力をお持ちですので、ぜひ、監査のモード切りかえをしていただきたい。監査モードを切りかえれば、間違いなく不正会計発見の度合いは深まると思っています。

それから、監査役の役割の問題もあります。結局この議論をしているとほとんどのプレッシャーが会計監査人にかかってしまいますので、できればそれをサポートする仕組みがいろいろあってもいいと思っています。私は不正会計発見のためには、監査役との連携が極めて重要かなと感じております。通常の会社ですと常勤監査役、この方々は会社の業務にも精通されておりますし、内部から見て、どれだけどこにリスクがあるということもそれなりにご存じの方だと思いますし、社内の情報も過去のご経験からいろいろと入ってくるチャネルも極めて強いのだろうと思います。いわゆる非執行の常勤役員というのは、監査役制度が主流の日本では常勤監査役ということになりますので、この方々と今回独立性が強化される社外監査役とが連携された監査役会というのが極めて重要な位置づけを持つだろうと思います。監査役制度は、欧米の投資家からは、コーポレートガバナンス上なかなか何をやっているかよくわからないと言われますけれども、間違いなく適法性な監査をされるということからすれば、コーポレートガバナンスというような大きな概念で捉えるのではなく、企業会計・ビジネスアカウンティングのガバナンスという視点でみれば、監査役制度というのは極めて有効な機能であるということを、この部会の方向付けの中で証明できるぐらいのことをしてみたらと考えています。

ただ、監査役のレベルというのは協会のセミナーでパネラーになられるような方はヘビー級なんですけれども、実態としてはフライ級の監査役の方もたくさんいらっしゃると思います。この為、監査役の役割に期待するにあたっては、監査役のレベルのボトムラインを上げるということがこれから極めて重要になってくるのではないかなと思っております。

私が前回会計監査人に監査役を巻き込めと言いましたのは、これは仲よくやれという意味だけではありません。平時はそれでいいと思います。一番問題なのは戦時です。戦時というのは別に3・11ではなくて、これは企業のトップが不正ないしは不適切な会計をしたときに、経営陣と対立する必要が出てきた時が戦時だと思います。この場合、会計監査人は監査役を巻き込めということです。会計監査人は監査役に不正会計の疑いがあれば報告する。監査役が報告に対してどのように対処するか、みずから判断して構わないと思います。結果として一緒になってやる場合には監査役には大きな調査権がありますので、ここと連携すればかなりの調査ができると思います。もし監査役が自らの判断としてそういった調査をするに及ばずということであれば、それを意見表明して、意見表明に対する責任は監査役が負うということにすべきです。監査役はこれからどんどん権限が強くなりますので、強くなる権限に対しては明確な責任を持つということがこれからのガバナンスでは必要ではないかと思います。以上です。

○脇田部会長

ありがとうございました。続きましてどうぞ、ご発言ください。

荻原委員どうぞ。

○荻原委員

荻原でございます。

まずお話をさせていただきたいんですけれども、職業的懐疑心というのが一番の問題でございまして、私、オリンパス事件は起きるんじゃないかと実は思っていました。といいますのは、今から10年前に日商岩井系のITXというファンド会社をオリンパスが買っていますよね。これは、オリンパスというのはもともと世界に有数たる精密機械メーカーでございますけれども、その会社がなぜファンドを買う必然性があったのかという問題がありまして。そのファンドを買う必然性がどこにあるのかと、私も新聞や人に聞いたりしていろいろ聞いたんですけれども、すとんと腹に落ちてこなかった。それはやはり職業的懐疑心というもので、おかしいというふうにまず思うということ自体が大前提であったんじゃないかなと思います。

結果的にこういう事件になりましたけれども、やはりほんとうに会社のビジネスというか経営戦略というものをちゃんと理解した上で納得して監査されていたのかどうかということが非常に私は重要だと思っています。

それとあともう1つ、監査法人という企業体の立場からすると、多分監査先が増えてくるわけですから収入増になるということで、逆にそこのチェックそのものが甘かったのではないかと思います。

1つは、確かにそうなったときに私は最近思うんですけれども、1つのグループであっても監査法人が大体統一されますけれども、ほんとうにそれがいいのかなという観点も実は持っています。もともと他の監査人を利用するときに当たっての、いろいろ監査人同士の情報のやりとりがあるわけでございますけれども、必ずしもタイムリーに、かつ非常に懇切丁寧な関係があるわけではないと思っておりますので、そこの他の監査法人及び監査人を利用した場合の情報提供についてもはっきり決めるべきではないかと思っています。以上でございます。

○脇田部会長

ありがとうございました。続きましてどうぞ。

吉見委員、どうぞ。

○吉見委員

職業的懐疑心の問題が提示されたわけでございますけれども、これは1つのキーワードになると考えております。

その際に、職業的懐疑心は、本来は各監査人がみずからの常識や経験に基づいて臨機応変に発揮されるべきものであろうと思います。これを具体的に規定していくというのはなかなか難しいことではあると思いますし、それが本来適切かどうかということについては、多少疑問を持っております。ただ、この不正の問題を考えていくときには、どういう場面でどういう懐疑心が発揮されたのか、あるいはうまくいかなかったのかということを、基準の形にするか、あるいは事例集のような形にするかは別として、いわば職業的懐疑心の具体化とも申しましょうか、そういったことが必要なのかなと考えているところでございます。

特にそれは、今日のご説明の中にも幾つかあったわけでございますけれども、クライアントである監査対象企業に対しての懐疑心ということもありますし、それから残念ながら、公認会計士にとっては、同業の公認会計士に対する懐疑心を持って臨まねばならないというケースも出てきてしまっているわけですね。

例えば公認会計士・監査審査会からは、問題のある監査法人が現にあるということも指摘されておりますし、あるいは、例えば、ここでご説明の中にありました企業価値評価を行う場合に、公認会計士が企業価値評価を行い、その評価が、結果として例えばオリンパスの事例において不正を幇助するような結果を持ったということは、同業の公認会計士が行った評価を必ずしも監査の際に信頼できないという状況が出てきているということになりますから、こういうところも含めて、同業の公認会計士に対する対応ということも、この懐疑心の中にもしかすると入れる必要がある面もあるのかなと思います。

また、引き継ぎの問題というのも今回お話があったわけでございますが、引き継ぎの問題も広く言えば懐疑心の問題に入ってくるわけであります。ただしこの場合、過去の例を見ますと、先任監査人のほうに問題があるケースや後任監査人のほうに問題があるケース、さまざまあるわけですけれども、基本的にはやはり先任監査人のほうに、きちんと後任監査人に対して情報を提供して引き継ぎできているのかどうかというところに、やはり問題点が多いように思います。

守秘義務というお話もありましたけれども、守秘義務というよりも、あるいは自分の監査法人が持っているさまざまなノウハウとでもいいましょうか、そういったことを同業他社である他の監査法人に対してつまびらかにしてしまっていいのかどうかということは、やはり別の法人ですので、かなり躊躇のあるところであろうと思います。

ただ、この引き継ぎ問題について言えば、そのちゅうちょを超えてつまびらかにして後任監査人に示していかないと、引き継ぎはスムーズにいかない。したがいまして、その引き継ぎに関しては、先任監査人に対してやはりかなり重い引き継ぎをさせるような、促進させるような力といいましょうか、そういったようなものが加わる必要があるのかなと思います。

場合によりましては、これも実際、問題もいろいろとあろうかと思いますけれども、どのような情報が少なくとも引き継がれなければいけないのかといったことも、この懐疑心の、最初に申しました、ある種の具体化といったようなことも中に含めて提示していく必要があるのかもしれないと考えているところであります。以上でございます。

○脇田部会長

ありがとうございました。続きまして、どうぞご発言ください。

後藤委員、どうぞ。

○後藤委員

後藤でございます。

今の引き継ぎの点で私も非常に思うことがありまして、この監査法人の引き継ぎに当たって、本当に十分に時間、人数をかけているかどうか、非常に疑問に思っております。1年の、その該当となる年の監査にかかった時間、それに相応する時間を使えとは言いませんが、普通に考えれば、同じ情報量を伝達、吸収するに当たって、引き継ぐ監査人も相当な時間を要するはずだと思います。それなりの時間をかけてやっているのか、同じような人数をかけて引き継ぎをしているのかというのは非常に疑問を感じずにいられません。ですから、引き継ぎについての手続の厳格化といったところは私も必要だと考えております。

それと、先ほどまでお話しいただいたところで私も少し思うところがありまして、正当な懐疑心の話なのですが、どうも入手しやすい証拠をもとに監査をしていないかといったところは常々感じるところでございます。

例えばこれは監査をするに当たって、通常はまず本体の監査をして、その後連結子会社というような流れに多くはなっているのかと思いますが、まず単体の監査でついつい手近に入手しやすい証拠集めに注力して、例えば海外子会社とか地方の営業所などの棚卸商品とか、資産の実在性の確認が後回しになっていないかということを非常に感じずにはいられません。

基本なのですが、実査、立ち会い、確認といったような実物を押さえにいくような監査の手続きについて軽視していないかというのを危惧しております。例えば海外子会社への監査に行くということになりますと費用もかかりますので、被監査会社の理解、コスト負担も必要かと思いますが、そういったものにもっと応ずる意欲が企業側に必要かと考えております。

監査法人では地方事務所などの活用が有効な手だてとなりますが、これは監査法人側の問題もあるかと思うんですが、地方の監査事務所というのはこれまで吸収、合併の歴史をたどっていますので、レベルが東京の事務所と同じかどうかということにも疑問を持っております。そこについても、全国レベルでの品質の統一、引き上げといったところも努力も必要かと思います。

あと最後になりますが、確認状なのですが、空欄で返ってきてそのままというのは、私も昔監査をやっていたのですが、確かに多かったと思いますが、そのまま放置するというのは、正直言うと、それが本当にメジャーだったかは非常に疑問を持っております。少なくとも私が実務をやっていたときは返信して、何度もトライしましたし、それが回収できないと監査を終わりにしてくれなかった。最低でも翌年は回収という感じだったんじゃないでしょうか。ここら辺の認識については、より厳しい認識で監査人の方も監査に臨んでいただきたいと思っております。以上です。

○脇田部会長

ありがとうございました。

それでは熊谷委員、そして清原委員とお願いいたします。

まず、熊谷委員、どうぞ。

○熊谷委員

この監査人交代時の開示のあり方というのが、監査審査会のほうから論点として挙がってございましたけれども、ある意味ユーザーといいますか投資家とかアナリストという視点で考えましたときに、やはり今回の監査人の交代というのは投資家とかアナリスト、市場参加者に対して、ある種の情報を発信するよい機会を提供していたんじゃないかと思います。

この監査人間の交代のあり方でも重要だと思うんですけれども、(佐々木公認会計士・監査審査会事務局長より)そこでの真の交代の理由かというご指摘がございました。もし「任期満了に伴う交代である」という今回のような開示でなかったとすれば、多分普通の投資家なりアナリストも、それこそ職業的懐疑心を持って、この監査会社の財務諸表のチェックに入ったのではないかと思います。それがやはりこういう形でさっと流されてしまいますと、あまり疑問も持たずに受けとめてしまう。

実際、オリンパスの場合には交代の前に、第三者委員会、監査役、前A監査法人から監査人に対してM&Aに関する適切性に関して内部調査が行われているわけでありますね。普通に考えますと、やはりそういう監査人の交代が何か異常なものであった場合に、投資家なりアナリストなら、それをきっかけに、監査人交代の前に第三者委員会が開かれておったという事実、あるいはその報告書にも気がついたと思います。そうすれば今度は、監査報告書の価格の鑑定の問題が出てくるわけでありますけれども、ここの異常にも気がついたかもしれない。このように、監査人からのメッセージはともかくとして、投資家なりアナリストとして不正に気づくきっかけが幾つかあったかと思うんですけれども、制度的にそういう気づきのきっかけが担保されていない。こういった問題意識も今回の部会の議論を通じてやっていっていただけると、投資家とかアナリストの立場として非常にありがたいと考えております。以上です。

○脇田部会長

ありがとうございました。

それでは、次、清原委員どうぞ。

○清原委員

時間がちょっと短くなってきているので、2点だけ申し上げたいのですけれども、まず監査人の交代と引き継ぎのところについて、やはり引き継ぎが十分じゃないというところをよく考えてみると、前任の方は結局どこまでやったら自分達が締結している監査契約の義務を果たしたことになるのか、この観点から考えたときに、おざなりの引き継ぎだけをやって監査契約上の義務が果たされたというふうにはおそらく言えないという点を考えていかないと議論が次に続かないんじゃないか。

すなわち委任の本旨、受嘱している監査契約における委任の本旨というのは結局何かというところから、もう少しここは法的に考える余地があるんじゃないかと。自分たちだけが引いてしまったらそれで監査上の契約、これを終わりにしていいということではなくて、やはりもともと受けていた契約は監査法人、資格を持った者が監査意見を出すわけで、自分たちが表にはなかなか出せないけれども気がついたものがあったとすると、その情報を保持したままで後任に伝達しないで終えてしまっていい、ということはやはり社会的には認められないだろうし、法的な義務としてもそこをきちんと引き継ぐことが必要というように、やはり法的な義務の問題を考えていかないといけないのではないか。

また、開示についても、自分たちが辞める理由を会社に通知する義務があるということをきちっと、通知義務として法的にもとらえていかないとこの議論はちょっと前に進まないのではないかと。そういう目で見ると、監査契約の中において監査人が負っている義務は単に監査意見を出したりすることだけではなくて、こういった義務を含むものとして、やはりもう一度見直すことができるのではないかということを漠然となんですけれども、皆様の議論を聞きながら考えております。

もう1点は、職業的懐疑心のところですけれども、これが非常に重要だというのは皆さんと同じですが、もう少し具体的に考える必要があって、私はやはりまずスタート時点だけで懐疑心を持っているだけじゃもちろんだめで、監査意見を出して終わりというのもだめで、やはり監査契約が続いている間は常に持ち続けていなければいけないだろうと。すなわち、ある証拠が出てきたときに、これでよしと軽々に判断してしまうということがあったら、それはいけないので、やはり懐疑心というのは常に持ち続けて執拗に考えていかなきゃいけないと。証拠の評価についても軽々に判断するのではなくて、やはり監査人が監査意見を出すに当たって、そもそも監査人がだまされたら話にならないので、確信犯的な人が証拠を偽造、捏造することも常にあり得るし、1回監査意見を出したとしても、後日疑問を持って然るべきことはあるので、やはりそれは心の中に疑う心を持続して監査業務を続けていかなければならない、そうでなければやはりこういった問題はまた起こってしまうのではないか。やはりだまされないという心構えと、それから懐疑心というのは常に持っていて、監査開始時点だけではないし監査意見を出してもそれで終わりではなくて、その前期のものに関しても必要に応じてもう一度疑う心を持ち続けない限りは、これは解決にならないんじゃないかなと考えています。

○脇田部会長

ありがとうございました。続きまして、どうぞご発言ください。

引頭委員どうぞ。その後、泉本委員。

○引頭委員

ありがとうございます。もう随分さまざまな論点やご意見が出たので、少し違う観点で1点だけ申し上げさせていただきたいと思います。

先ほど、中澤課長様からの最近の事例のご説明で、循環取引のお話があったかと思います。そこでは、他の監査人との連携のあり方について問題提起されていました。その事例として、先ほどの課長様のお話のとおり、非常に単純化されたものが挙げられていましたが、実際はその取引の広がりがさらにあって、なかなか全貌がつかみにくいというのが循環取引の実態であると認識しております。

取引全体と見渡した場合に、1つのみならず、複数の監査法人・監査事務所との連携が必要となることも想定されます。そうした場合の連携、ある意味で外部との連携をどのように考えるか。

さらに、佐々木事務局長様から先ほどお話のあった例で、残高確認の際に、外国の金融機関から日本の書式ではないもので返答されてしまい、結果として証拠が掴めなかったというお話があったわけですが、この話につきましても、外部機関との連携のあり方ということで整理できるかと思います。

本日のご説明では、私は2つしか気がつきませんでしたが、ほかにも監査人が監査証拠を集める際に、外部の方たちの御協力を得なければならないものが多々あると思います。そうした他の監査人および外部機関との連携による監査証拠の収集について、少し踏み込んで、証拠が集めやすくするにはどのようにしたら良いのかといった議論も必要ではないかと思った次第です。以上でございます。

○脇田部会長

ありがとうございました。

どうぞ、泉本委員。

○泉本委員

ありがとうございます。ただ今の引頭委員が言われました循環取引と、資料1の15ページの事例のところですが、何か監査人が発言すると、ただの防戦のようになるので言いにくいところはありますが。ケース I は端緒があった次が黒、黒ですが、多分、監査人は黒とは思わず灰色だったのではないかなという、少し言いわけをしておきます。

多分、黒と明確にわかれば、先ほど八木委員が言われましたように、監査のスイッチモードを切りかえて、監査人は、前回も私は申し上げましたけれども、コストのことを顧みず、監査時間を増やして徹底的に監査時間を増やすだろうと思います。黒と確信できずグレーなので、会社にいろいろ追求していくうちに、最後にはだまされた白いものが出てきてしまったということかと思います。

また、右のケース II では、最初に確認状の回答がゼロとなって当社はそのような債務は知らないと言われたときに、「え、これ、どういうことなんですか」と会社に詰め寄っていったら、次々とだまされたものが出てきたというものです。やっぱりおかしかったという端緒は、確かに、後から不正事例を見ると、それが端緒だったのかということがたくさんあると思いますが、監査の途上で、グレーの段階で不正発見モードに切りかえるのは難しいのではないかというのが感想です。

今回のお話の中で不正の手続ということを考えると、不正モードへの切りかえは早くしろということが1つのポイントかなと思いましたが、グレーが見えてきたときに直ちに不正モードに切りかえられるかというと、常にコストを顧みないで監査手続を増大させると会社も監査人も大変なことになるだろうと、この辺のところも考えていかなくてはならないのだろうと思いました。

次に、16ページの循環の絵ですが、単純過ぎて5億円が5億円で戻ってくると循環にならず回転しているだけでは。多分、これは5億円がぐるっと回るって帰ってくると8億円とか10億円になって戻ってくるので、輪の関係者のどこかにだんだん不良債権や不良在庫がたまり、だれかが支払えなくなって輪から抜けると、不正循環が顕在化してくるというのが、循環の構造だと思います。

そのときに、仮に、私がこの被監査会社を監査していて、協力会社1への売上5億円、協力会社3からの仕入5億円。5億円と5億円が同じものだったら、単に、売上5億と仕入5億が売・仕入を膨らましているだけなら、売上、仕入はネットしてくださいというところで終わってしまうかも知れません。

このような循環の輪の全体像が見えていない段階で、取引先の監査人であるY監査法人や、被監査会社に対しての情報収集は難しい。どこの段階でグレーな循環があるかも知れないとわかるかというと、やはりどこかの輪が切れて誰かが悲鳴を上げてくれないと、なかなか循環の場合には難しいですね。逆に言えばグレーの段階のままでは、不正モードに切りかえるべき時が出てこないというのが実情で、循環取引というのは明らかになってふたをあけてみたら不良在庫が大きくなってしまったというものが多く、先方の監査法人との協力、仕入れ先の監査人との協力というのは、いいアイデアかと思いますが、協力していただきましょうと、不正モードへの切りかえが、まず難しいというのが感想です。

それから、先ほど資料1のご説明のときに、取引先の先方が適正意見を出してしまっているから、疑うのをやめてしまったということがございましたように、多分、何となく変だなと思って先方のY監査法人の監査人に協力を求めても、「いや、うちはそんな不正をやっていないよ」というところで、なかなか一緒になっておかしいなという疑いを持ってくれないのではないか、というもどかしさもあるだろうと思います。循環事例ではもっと複雑な絵も多く、必ずしも間の協力会社は監査していないところもたくさんあるのではないかなと思いました。それでも、何か仕組みができれば一歩前進はあるかも知れませんが、大前提として先ほど申し上げましたように、「グレー」をいち早く見つける段階が難しいということです。とにかく、グレーだとか黒になりつつあったら、早く監査のモードを切りかえるべきなのだろうというのが、皆様のご発言から感じたところでございます。

最後にもう1点、引継ぎに十分な時間をかけているかという後藤委員のご発言がありましたが、前任監査人は、はっきり申し上げて、引継ぎに関してのコストはほとんど回収できません。昨今の監査人交代事例は、監査報酬が安くなるために監査人交代する例もございます。そうなると、前任監査人がここまで時間をかけて監査意見を出したあとで、さらに時間をかけて、回収できないコストのために後任に十分な引継をせよというのは、ただ、今後、この監査人交代の引継ぎというのは、重要な手続ですので、被監査会社はコストの安い監査法人に移るのですから、交代のコストは見てくださいねという交渉がやりやすくなるような環境をつくっていっていただけたらいいなと感じました。

○脇田部会長

ありがとうございました。それでは、まだご意見もご質問もあるかと思いますけれども、もう1つの議題がございますので、ここで次の議題に移らせていただきます。

これまで、3回にわたりまして会計不正に対応するための公認会計士監査のあり方につきましてご意見を伺ってまいりました。そこで、これまでのご議論等を踏まえまして、事務局で今後より詳細な検討を行う必要があると考えられる事項を主な検討事項として整理いたしましたので、事務局よりご説明をお願いいたします。

○栗田企業開示課長

それでは、資料3、主な検討項目(案)についてご説明をさせていただきます。この資料は、これまでの審議においていただきました意見などを踏まえまして、部会長とも相談させていただいて、今後の審議において検討を深めていくべき事項についてまとめたものでございます。

この資料をちょっと見ていただければわかりますように、あちこちに「等」という言葉がついておりまして、そういうことからもおわかりいただけるように、これが検討項目のすべてということではなくて、今後の審議の過程において、当然追加とかがあり得ると考えているものでございます。

簡単に内容をご説明させていただきます。まず(1)会計不正リスクへの対応のあり方ということで、検討事項として、職業的懐疑心のより積極的な発揮。それから、被監査企業及び業種を取り巻く環境、会計不正等についての精通。さらに、監査人が不正に起因する財務諸表の虚偽記載を発見できるようにするため、監査人が行うべき監査手続を包括的に整理し、1つの基準(「不正対応基準(仮称)」)として示すことが一法として考えられるのではないか、というようなことを挙げさせていただいております。

それから、2番目の会計不正リスクに対応するための実効性ある監査計画の策定、それから、会計不正の端緒が発見された場合の監査計画の見直しということで、ここでは検討項目といたしまして、代表的な会計不正リスク、先ほどの説明にもありましたが、SPCの利用等を基準上列挙して、これを踏まえて会計不正リスクが高いと考えられる事項に係る監査計画の策定をしていただくということ。あるいは、さまざまな階層の関係者、ここでは従業員等と書いておりますが、そういう方々への聞き取りの実施。それから、企業が想定しない要素の取り組みということで、抜き打ち監査手続の実施ですとか、往査先や監査実施時期の変更などを例に挙げております。それから、会計不正の端緒が発見された場合の所要の監査計画の見直しということを挙げております。

それから、3番目の会計不正リスクが高い場合や会計不正の端緒が発見された場合の監査手続ということで、まず、残高確認状の内容等の見直しということで、先ほど来議論になっております点についてまず書いております。それから、疑われる会計不正の態様等に応じた監査手続の実施ということで、売り上げの前倒し計上が想定される場合の実地棚卸し手続の実施というようなことを例に挙げております。さらに、矛盾した監査証拠があった場合ですとか、監査証拠の偽造が疑われるような場合などにおける適切な職業的懐疑心の発揮ということ。それから、金融商品等の評価や企業価値評価等における専門家の活用のあり方ということを挙げさせていただいております。

それから4番目でございますが、会計不正に関する監査事務所の体制ということでございまして、会計不正リスクが高い場合の適切な受任手続及び受嘱審査ということ。それから、監査チームによる会計不正リスクの評価及び監査実施に対する適切なモニタリングということ。それから、監査事務所における通報窓口の設置など情報収集体制の強化。フォレンジックチーム(不正調査の専門家)の活用のあり方。不正事例研究など、会計不正等に関する教育・研修、訓練の徹底。さらに、監査事務所内の審査の適切な実施として、実効性ある本部審査ルールの整備等ということで。監査の現場だけではなくて、その監査法人自体がいろいろ取り組む必要があるのではないかということを挙げさせていただいております。

それから5番目といたしまして、監査人間や監査役等との連携ということで、幾つか挙げさせていただいておりますが、まず監査チーム内の協議・情報共有ということ。それから2番目に、取引先の監査人、すなわちその監査人の同一法人の他のチームあるいは他の監査法人との連携のあり方ということで、これは先ほど来議論になっております循環取引に対応する際などに有効ではないかということで検討項目に挙げさせていただいております。さらに、これも先ほど来議論になっております監査役等との連携の強化ということも検討項目に挙げさせていただいております。

それから6番目といたしまして、監査事務所間または監査事務所内監査人間の引き継ぎ、監査事務所交代時の開示ということで、監査人交代時の実効性ある引き継ぎの徹底、それから、監査事務所交代時における開示の強化ということを検討項目に挙げさせていただいております。

それから7番目は監査報告書の記載内容ということで、強調事項の活用の可能性、それから、義務的記載事項(監査の過程で把握した被監査会社の会計処理に係るリスクなど)の拡充の是非の検討ということを掲げさせていただいております。

この論点につきましては、欧米やさらにIOSCOなどでも現在議論が行われているところであると承知しております。そういう場でも基本的な考え方はわりあい一致を見ておるんですが、具体的にどうするんだというところではなかなか議論が収束しておらないと承知しておりまして、この点につきましては、我々のほうでも諸外国での検討なども踏まえて、なかなか容易でない課題ですので、十分な検討をしていただきたいと考えております。

それから8番目、これは直接監査基準の改定につながるというものではないんでございますけれども、この部会において今まで出された論点ということで掲げさせていただいております。上場廃止ルールのあり方(不適正意見や意見不表明の取り扱い)ということ。それから、監査契約書のあり方(会計不正の端緒が発見された場合の弾力的対応)。それから、監査人の守秘義務解除の要件の明確化ということを挙げさせていただいております。

それからその他といたしまして、公認会計士と依頼者との契約に基づいて行われる非監査業務(株価算定等)のあり方ということで、これは本日の事務局からの説明にもあったものでございます。それから、多様な監査業務(学校法人監査等)に応じた審査のあり方ということでございまして、これまで、企業に対する監査業務を主としてご議論いただいてきたわけでございますけれども、監査業務の中には学校法人監査とかほかの監査もございまして、そういうものについて、そのリスクの度合いに応じた審査の軽重があっていいのではないかということで論点として挙げさせていただいております。私からは以上でございます。

○脇田部会長

ありがとうございました。ただいま説明がございました主な検討事項の案につきまして、どうぞご自由にご意見、ご質問等を承りたいと思います。どうぞ、ご発言ください。

逆瀬委員、どうぞ。

○逆瀬委員

日立製作所の逆瀬でございます。ただいまご説明いただきました主な検討項目(案)について、確認とお願い事項を幾つか申し上げます。

(1)に、不正について基準として示すことが一法とありますが、その内容が必ずしも明確でありません。監査の基準と品管の基準に加えもう1本立てて鼎立するような位置づけとして考えるのかどうか。もしそうだとしますと、うまくおさまるのか、しっくりいくのか懸念がございます。

(4)のフォレンジックチームは、既に新しい日本の実務指針でも言及があります。先般の部会でも話が出た公認不正検査士は日本の監査法人も含めてたくさんおられると思います。公認不正検査士の資格を持っているような人が、その法人内の不正調査の専門家チームに入るというようなことなのだろうとは思うのです。ただ、資格さえあれば適格なのかどうか、実態がよくわからないこともありまして、この辺はよく検討いただきたい。

それから、不正対応チームがかかわる局面に入ったときに、通常の経常的な監査とはいささかモードは変わり、通常の監査手続とは違う手続を行う。その手続がどういうものか、実は実務指針でもはっきりしていないので、私どもにはよくわからないところがあります。どういう手続を新たに行い、そしてそれが有効か否かという議論が必要ではないか。有資格者ということでゆだねてしまうと抜けが出るのではないかという気がいたしております。

特に、今は海外子会社を含め連結で事業をやっておりますから、海外にも対応できる能力が備わっているものとして理解していいのかどうかというのも1つございます。

続きまして(7)の監査報告書の記載内容の話であります。これにつきましては、開示されたときのインパクトが大きいということがあります。今、お話にもあったように米・欧でも検討中ということですので、この点については慎重に判断いただきたいと考えております。

それから(8)の守秘義務解除の議論であります。これは法人間の連携の話とも絡むと思いますけれども、海外のケースも含めまして、守秘義務解除が果たしてうまくいくかどうか懸念があります。うまくいくケースも十分想定されるとは思うんですけれども、いかないケースもあるかもしれないというようなこともありますので、解除したときの有効性とセットで解除の要件を吟味いただきたいと思います。

それから、先般の部会でちょっとご紹介がありましたアメリカのPCAOBのAS8番から15番が昨年度から初度適用になっていて、たまたま当社もSECの登録企業であったものですから、その経験をしております。もともとのベースが米国監査基準ですから、そこからの追加でどれぐらいの工数が会計士さんサイドにかかったかというと約375時間でありました。監査時間全体への影響はコンマ1%程度であります。

もともと私どもは報酬を支払う立場ということで、考え方もはっきりしているわけですけれども、不正、誤謬の早期発見はもとより、その潜在的なリスクの段階であってもピックアップしていただくといったようなことを期待いたします。実務的な話を申し上げますと、今はクオーターの連結公表もありますから、当社の場合は、会計士さんは盆暮れ、正月は別ですけれども、大体常駐でおられるというぐらい、本社においては監査人さんとは物理的に緊密な関係にまずあります。

多くの企業はそんな体制をとっていると思います。そのほうが効率的だということもあると思いますけれども、監査報告書もクオーターで3回出されますし、期末では会社法、それから金商法、連と単で4枚出されるから合計7枚も意見書を出されるわけですから、監査人さんへの期待というのは非常に大きいわけであります。

企業側もJ-SOXも5年で、財務情報の信頼性の確保に対して対応に努めてきているという事情もありますし、また今年は新起草方針による監査実務指針がいよいよ適用されるという時期であることも念頭に置いていただきまして、監査の有効性は無論ですけれども、あわせて効率性の視点から、不正にターゲットを絞ってポイントを的確に据えて検討をお願いしたいということでございます。

申し上げた事項を酌んでいただいて検討が行われれば幸いでございます。以上です。

○脇田部会長

ありがとうございました。

井上委員、どうぞ。

○井上委員

ただいまの逆瀬さんのご発言とダブるところもありますけれども、主な検討項目(案)につきまして何点か申し上げたいと思います。

まず、主な検討項目の一番最初に示されていますとおり、また、皆様から多くのご意見がありますとおり、会計不正の対応で最も重要なことはやはり職業的な懐疑心を向上させるということであろうかと思います。それによってその後の端緒が発見された場合には、監査手続の重点化をモードを切りかえていくという仕組みになるのかなと思っております。

こういう枠組み自体は現行の監査基準でもほぼカバーされていると考えておりますので、今回の監査基準の見直しにおきましても、大枠自体には変更はないという理解のもとで、端緒が発見された場合の不正への対応ということころを重点的に考えていこうかなと思っております。

その関係で、検討項目の最初のところで、不正対応基準として整理し直すということも一法として示されておりますけれども、今、逆瀬さんからもご発言がございましたけれども、現行の基準とどのような関係になっていくのかというところについて検討しなければならないなと思います。

この審議会の議論でも、期待ギャップの話が随分1回目、2回目と出ましたけれども、この不正対応基準というのは何かひとり歩きして、かえって期待ギャップが高まってしまうというようなことのないように注意する必要というのはあるのかなと思います。

2点目でございますけれども、オリンパスの事案につきまして、これはもう経営トップみずからの関与ということで極めて特殊な例だと思います。こういう特殊な例につきましては、ルールを幾ら強化しても、形式を整えても、あるいはコストを幾らかけても、その行為自体を完全に排除するということはやはり不可能だということは言わざるを得ないと思います。その前提で検討していかなくてはならないと思います。

むしろ、すべての企業に対して、もしそういう不正が起きるという前提で検討を進めていきますと、入り口からそういう検討をしてしまいますと、かえって監査の効率性とかいうものが低下しまして、市場全体のコストというものにも大きな影響が出てきてしまうんではないかという点も、若干懸念をするところでございます。

企業では、既にその内部統制報告制度も含めて相当なコストも費やしているわけでございまして、今回の監査基準の見直しにおきましても、監査の効率性という点につきましては十分なご配慮を願いたいと思います。

それとあと、出口の話ですけれども、先ほど監査報告書の記載内容も検討項目として挙げられておりましたけれども、やはり監査報告書の記載内容につきましては、国際的な動向を十分に踏まえた上で慎重に対応すべきではないかなと思います。むしろ、やはり黒とわかる前のグレーの部分をどうやって出口を考えるかというところが非常に難しい論点かと思います。個人的な意見としては、やはりそこにつきましては監査役との連携を強化していく。特に経営者絡みの不正の場合には社外監査役との連携というのが重要になってくるんじゃないかなと考えております。以上でございます。

○脇田部会長

ありがとうございました。

引き続きまして、住田委員、そして八田委員とお願いいたします。

○住田委員

不正対応の有効性を高めるための検討項目案が今日お示しいただいたものと思いますけれども、今後具体的に議論を進めるに当たって考慮いただきたい点を2つほど述べさせていただきたいと思います。

まず、監査報告書ですけれども、今、井上さんからもお話がありましたように、監査報告書の抜本的な見直しについては中期的な課題として、この部会において検討いただくと理解しております。そのこと自体は非常に有益なことでありまして、大きな変革点になるかもしれないと考えているところであります。

一方、このような中期的な変革ということとは別に、現行制度の枠内においても、運用面に関する議論も今後していくことになるだろうと考えております。この検討項目案の中にも、強調事項というところが取りあげられていましたが、現行の監査基準でも無限定適正意見以外にも除外事項を付した限定付適正意見、不適正意見と意見不表明という類型が用意されています。ただし、現行の実務においては、特に上場会社の監査においては上場廃止に直結する可能性が高く、無限定適正意見以外の意見が非常に出しにくい状況であるということも事実かと思います。

したがって、除外事項を付した限定意見や強調事項、あるいはその他事項の活用をするためには、監査人側の認識の変革ももちろん必要だと思っているところですけれども、同時にそういう除外事項付き限定意見が出たときに冷静に受けとめていただけるような市場環境の醸成ですとか、あるいは財務諸表や財務諸表以外のセクションのところにリスク情報を積極的に書くというような開示の姿勢といいますか、そういうところの手当も非常に重要になるだろうと考えております。ですから、そのような観点からも、できましたらこの部会で検討いただきたいと思っているところです。

それから2つ目としまして、監査基準のあり方というようなものが論点になってくるのかなと考えております。不正対応のための基準を見直すに当たっては、何を基準として織り込んでいくべきかということを考えていくことになろうかと思います。その際に、監査基準というものがどういう位置づけにあるべきなのかということも同時に検討いただきたいと思っております。

平成14年の監査基準の改定において、監査の目的というものが監査基準に織り込まれました。現行の監査基準に記載されている監査の目的は、当時の証取法を前提に、財務諸表が一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、企業の財政状態等を適正に表示しているかどうかについて意見を述べると定められております。

ただ、14年の改正のときに、その前文において、証取法の監査だけではなく当時の商法監査にも適用するということを前提に証取法の監査のみならず、財務諸表の種類や意見として表明すべき事柄が異なっている場合も含めて、公認会計士が行うすべての監査に適用するという位置づけが明確にされております。先ほど、ファンド監査のお話もありましたけれども、監査は、金商法監査だけではなく、非常に広がりを持っておりますので、そういう色々な監査も踏まえた上で不正対応等も議論いただきたいと思っております。

監査のニーズといいますのは、社会的な動きとともにいろいろ変化してまいります。独立の第三者の立場から報告するという監査に対するニーズは、資金が拠出されるところには必ずついてくるといいますか、必要性が生まれるようなところもありますので、適正性意見だけでは十分対応できないような局面も、現在としても既に発生しているかと思います。

それから、特定の利用者の特定のニーズのためにつくられる財務報告というものも現在存在しておりまして、そういうものにも適用することを視野に入れて、監査基準の立ち位置というものを議論いただきたいと考えております。以上です。

○脇田部会長

ありがとうございました。

続きまして八田委員、そして田中委員にお願いいたします。

○八田委員

ありがとうございます。先程ご説明のありました主な検討項目につきましては、今後どうやって作業が進められるのかということでしょうが、それについては、今日示されたのが1つの基準として示すことも一法だということでした。

私が、前回プレゼンをさせていただいたときにも、これが具体的に何か文章化されて基準化されるときには、どういう位置づけ、ないしは形式のものが考えられるのかと自分の中で考えたときに、1つは現行の監査基準を全面的に見直すという話。もう1つは、品質管理基準のように監査の実を高めるために、その分、特に強調しながら留意的項目を基準とすると、そんな話があったと思います。

おそらく今日示されたのも一法としてということで、私も示された具体的な項目を今日拝見しまして、ほぼ全面的に違和感がない感じがします。ただ思い起こすのは、かつて存在していた、監査実施準則とかいったレベルのものをもう1回当局で考えているのかなといった感想を持ったということを申し添えます。

実は、この不正の問題を検討するに当たっては、皆さん異口同音に、そして今日の各委員の発言の中でもほぼ全員がご指摘になっているのは、この職業的懐疑心を保持すべきだということです。しかし、この懐疑心の意味内容については実はよくわからないわけであります。私の理解では、それは単なる懐疑心ではなくて、会計士として、あるいは監査人としての職業的な懐疑心ですから、会計及び監査の十全な知識と、それから企業監査を行う場合の企業を取り巻くリスク状況、これを十分に理解した上で懐疑心を保持しなくてはならないということだということです。そうした姿勢が貫かれていれば、監査人として、おそらくいろいろな局面で、不正の端緒に出会うだろうということです。つまり感度が高まることによって、監査上、気がついたこと、ないしは発見なしは認識した端緒を手繰りながら、いろいろな手続を実施して、証拠固めのための検証を行うであろうということです。

この検討事項で示されている内容というのは、おそらく端緒をつかんだ後に行うであろう、あるいは行ったほうがいい、さらには行うべきと考えられる、ある程度特徴的な手続き、あるいは実際の事例に即して書いているわけであって、これらはすべて、問題なく受け入れることができると思います。ただ、いずれの場合でも、まず前提として、どうやって懐疑心を高めるんだということに行き詰まるんじゃないかと思います。これは教育の現場の者から言うとやはり研修や教育しかないと思っているし、あるいは実務トレーニング、オン・ザ・ジョブ・トレーニングに頼らざるを得ない。

ところが、これは申し上げるのをやめようかと思ったんですけれども、やはりどうしても私の中で解決できないといいますか疑念に思っている課題が1つあります。実は日本の公認会計士の現行の試験、現行といっても何回か改正されていますので、少なくとも短答式試験が入ったころと言ってもいいですので、もう20年ぐらい前になりますが、そのときから解答用紙の記入に際して、堂々と修正テープや修正液の使用が認められているということです。私はこれをもって、国家試験が国を挙げて粉飾に加担ないしは黙認しているのかと、指摘したことがあります。

これは私などが受験していた頃の税理士試験や会計士試験では、解答を修正する場合には見え消しという形で、現データ、現記録は必ず見えるように残しなさいということになっています。これが証拠の信頼性を担保するんだということです。税理士試験や他の国家試験等については、私も調べてみましたが、すべて万年筆によるインク並びにボールペンを使用した場合には、それを修正する場合に、修正テープ等による改ざんは一切認めていません。したがって、容易に修正可能な試験を受けてきた合格者の場合、おそらくもう20年ぐらいたっていますから、彼らはこういった修正テープで直されているものに対して何ら違和感を持たないということです。

実は、私自身、大学院での自分の授業の中で学生に必ず質問します。修正テープの使用によって訂正が施されている答案を見て何か疑念に思わないかと。驚くことに、だれひとり疑問を抱きません。つまり、懐疑心の保持という以前の問題で、そのような常識的な日本の伝統というのか、あるいはビジネス上の常識ですよね、これが既に残念ながら公認会計士試験の場合には守られていないということです。だから、試験実行主体のほうに懐疑心がないのかなと思わざるを得ないような状況が実はあるわけです。

私自身、これまでに公認会計士試験の試験委員を5年間させていただきましたが、そのときに意見交換会などがあって、5年間、私は言い続けました。修正テープ等の使用を禁止して、何とかしてこれをもう1回あるべき形の試験制度に戻してもらいたいと。でも、いまだに直っていません。

今回の議論とはちょっと関係ないですけれども、今日たまたま公認会計士・監査審査会の方々もおられますので、もう1回公の場で申し上げることで、信頼しうる制度に修正していただきたいと思います。できれば直ちに、来年以降からでも。今の受験生のほとんどは、もう全員、筆箱の中に修正テープを持っています。修正テープであればまだよい方でして、修正液というべたべたくっつくやつは、答案がくっついちゃいますから処置悪い。したがって、このように、全体的に会計士の養成に際しての取り組み、研修の方法、教育の方法、これをもう1回全面的に見直す必要があるだろうと思います。特に公認会計士協会は、補習所でも多分同じことをしているんじゃないかと思いますので、十分な見直しをする必要があると思います。

そこをまずとっかかりとしていかないと、この懐疑心の議論は着地しないんじゃないかと思っています。ちょっと余分なことを申し上げましたが、ちょうどいい機会でしたので申し上げて、私の懸念事項を解消していただきたいと思います。

○脇田部会長

貴重な意見をありがとうございました。

続きまして、田中委員どうぞ。

○田中委員

ご提示いただいた検討項目の中で、私は特に(8)の、関連して検討が必要と指摘された事項というのが非常に重要であると思っております。といいますのは、今後、この部会の議論が深まっていくと、部会の守備範囲ということもあって、どうしても、監査人にあれをしろ、これをしろといういろいろな義務を課すという話がやはり中心になっていくのではないかと思いますが、一方で、(8)に書いてあることも非常に重要であると思いますから、私としてはそこを強調したいわけです。

ハーバード大学の会社法学者でレイニア・クラークマンという人がいますが、その人が、特に今、社外取締役に対して適切なインセンティブを与えるレジームとは何かという理論的な論文を書いていまして、彼は、社外取締役が過失を犯したときに損害賠償責任を課すというようなレジームよりも、努力したときにたくさん報酬を与えるというレジームのほうがいいんだということを主張しているわけです。それは、数学モデルなんかを使っていて難しいのですけれども、要は、そちらのほうが、損害賠償責任レジームと同じぐらいのインセンティブを取締役に与えることができて、かつ、取締役を責任リスクから守ることができるので、社外取締役のなり手がいなくなるといったそういった問題がなくなるからいいんだということなんですね。

今ご紹介した論文は社外取締役に関してのことですけれども、同じことは監査人にも言えることで、あまり素人考えでこういうことを言うのも怒られるかもしれませんが、あまり義務を課して責任を厳しく追及するということだと、どうしてもなり手がいなくなって、あまり責任の怖くない一部の中小監査法人にバトンタッチするということにどうしてもなってしまう。そこで、やはり努力に報いると、そういうこともとても大事なのではないかと。

例えば、会計不正の端緒が発見されたときに監査法人が余計に仕事をしたら、それはもうすばらしいことをしているわけですから報酬を上げて当然なわけですね。これについては、部会の最初の日に、取引所が監査法人と契約を結べばいいではないかというご意見もあったかと思いますが、全面的に監査契約を取引所との間で結ぶというのは、少しドラスチック過ぎるかもしれませんが、不正の端緒を発見して一生懸命働いた監査法人に取引所がボーナスをあげるということであれば、十分現実性もあるのではないかと。

これは半分冗談まじりですけれども、そういう努力に報いるということと、それから、不正の警告を発した監査人に余計な責任リスクを負わせないということも大変大事ではないかと思っております。無限定適正意見以外の意見を書いてしまうと上場廃止が念頭に置かれるため、そのようなことに対する監査人の責任リスクというのがあり得るとしますと、そういった限定つきの意見を書くとかあるいは意見不表明というものを書いても、責任リスクを負うようなものではないのだということを明確にする必要があると思います。あるいは、監査人同士で協力をし合ったときには守秘義務違反の責任が問われるというような、そういう常識的に考えておかしいことが起こらないようにするということも大事ではないかと思います。

今述べた話は、この部会の管轄事項以外のところとの調整も必要になるわけですから、部会だけで議論することもできないかもしれませんが、こういったことの必要性というのを部会で確認するというだけでも重要ではないかと思いますので、ぜひ、今後の議論の中でも、つい、監査人に義務とかいろいろな行為規範を課すということに目が向きがちですけれども、努力した監査人に報いるという視点も入れて頂きたいと思います。以上です。

○脇田部会長

ありがとうございました。まだご発言いただいていない委員もいらっしゃいますけれども、そろそろ終了の時間が近づいてまいりました。

主な検討事項につきまして、今後審議会において検討していく過程で配慮すべき諸事項につきましてご発言をいただき、貴重なご意見を賜ったと思います。

ただ、特段、この検討事項につきましてご異論もないようでございますので、この主な検討事項(案)をご了解いただいたということで、今後、当部会におきまして、具体的に監査基準の改定を検討するベースにいたしたいと存じます。

ありがとうございました。では、次回の日程につきましてお願いいたします。

○栗田企業開示課長

次回の日程につきましては、8月は夏休みということで開催は基本的に予定しておりませんので、9月以降になるかと思いますけれども、改めて事務局からご連絡を差し上げたいと存じます。よろしくお願いいたします。

○脇田部会長

それでは、本日の監査部会を終了いたします。お忙しいところご参集いただきましてまことにありがとうございました。閉会いたします。

※事務局注:当日ご発言できなかった関根委員から予定されていた発言内容を記した書面の提出がありましたので、以下に掲載します。

○関根委員

今後の具体的な検討にあたって、日本公認会計士協会として現在考えていることを述べさせていただきたいと思います。

私共は、今般の企業不祥事に関し、自主規制団体として、当該企業にかかる監査業務について調査し、また、現在の財務諸表監査と企業統治の在り方についての検討を行っております。今般の企業不祥事は、企業統治上の欠陥が日本の企業に広く存在していることによるものではなく、また多くの会計監査が十分に行われていないということを示すものではないと考えておりますが、同時に、本日ご説明を頂きました最近の事例等を踏まえた課題等があること、私共の監査人側も必ずしも十分でないところがあることについても十分認識しており、監査がより有効に機能するための検討を行っているところです。

資本市場に提供される情報の信頼性を揺るがす不正にどのように対応するかは、財務諸表監査の根本にかかわる、重要な課題と認識しております。財務諸表の重要な虚偽表示につながる経営者不正への対応は、監査人の重要な役割でありますが、財務諸表監査は、その対象となる企業における有効な企業統治(企業ガバナンス)を前提に、資本市場のそれぞれの担い手と連携して初めて、その有効性が維持されるものと考えております。

したがって、企業不祥事への対応も、資本市場の信頼性維持の仕組み全体の問題として検討する必要があると考えており、これまでの部会においても、それを前提にした議論がなされていたのではないかと思います。今後の議論に当たっては、監査基準や開示制度の規制のあり方、財務諸表の作成者である経営者を含む、資本市場の各担い手の責任と役割を再確認したうえで、監査にどこまで求めるかのコンセンサスを確立し、そのうえで、どのようにしたら監査をより有効に機能させることができるのかを検討し、開示制度全体としてバランスのとれたものとしていく必要があると考えております。

次に、監査と不正の関係について述べさせて頂きます。現在の監査基準において、監査人は不正によるか誤謬によるのかを問わず、全体として財務諸表に重要な虚偽表示がないことについて、合理的な保証を得る責任があり、監査基準に照らして職業的専門家としての正当な注意を払って監査を実施することが求められています。しかしながら、経営者の意図的な重要な虚偽表示については、その発見の難易度は高く、監査人が職業的懐疑心を発揮して適切に監査を実施したとしても発見できないことがあります。それが財務諸表監査の性質であり、監査の限界と言われている側面と考えています。

監査部会では、この財務諸表監査の性質の変更を伴うような議論も行われることになるのかもしれませんが、監査は、不正が発生した場合または不正の疑いが濃い場合にその内容を解明する不正調査とは本質的に異なります。現在の財務諸表監査の枠組みを超えるような不正対応が社会全体として本当に監査に必要とされるのかどうか等を慎重に見極めたうえで、検討する必要があると考えています。

なお、現在の財務諸表監査の枠内においても、不正対応をどこまで求めるかは、基本的な立ち位置に関連する、職業的懐疑心の有りように帰結する問題だと考えています。監査人の心構えとして、経営者の主張に対して中立的なスタンスで監査を行うという現在の考え方を踏襲するのか、もっと踏み込んで、財務諸表における経営者の主張に疑いを持って監査を実施すべきということにするのか、この職業的懐疑心の内容についても十分に議論を頂ければと考えています。

私共はまた、基準の改正強化以上に個々の監査現場における監査人の対応力を高める方策が必要と認識しております。

監査において経営者不正への対応を強化するには、監査人自身が職業的懐疑心をもって、不正の端緒を見過ごさないようにすることが監査基準等の改正以上に重要ではないかと考えています。職業的懐疑心の発揮には、OJTを含む実務的な研修や教育が非常に重要であり、現在でもそうした研修等は行われています。しかしながら、実際の現場の力については、いろいろと指摘されるところであり、どのような形で対応していくのが効果的であるのか、監査手続実施上の問題として日本公認会計士協会としても議論しているところです。

なお、検討項目(案)で、「不正対応基準(仮称)」として示すことも一法と考えられるのではないかとされていますが、現行の監査基準においても、原因が誤謬であれ、不正であれ、重要な虚偽表示の発生可能性を評価して監査を実施しなければならないとされており、不正対応については、既に監査基準委員会報告書240等で詳細に示されています。そのため、不正対応基準として別建ての基準を設定することは、現行の監査基準で求めているものとは別の不正対応作業を要請することが意図されているようにもとられ、そうした対応は現実的には困難ではないかと思っております。

また、そうではなく、現在の財務諸表監査の枠内であれば、具体的な検討はこれからではありますが、このような別立ての基準は必要ないのではないかと思います。重要な基本的部分を監査基準に加筆し、細かい例示等は既にある実務指針で工夫することでも対応できるのではないかと考えています。不正対応を強調する手立ては、他にもあろうかと思いますので、部会において十分議論していただければと思います。

世界的にみても、監査報告書のあり方が議論される等、監査に対するニーズは、社会の発展とともに、今大きな転換点に差し掛かっているのかもしれません。日本公認会計士協会としても、監査部会における議論等も踏まえ、私どもの作成している監査の実務指針の見直しも含め、自主規制機能の充実、発揮といった側面でも適切な対応を図っていきたいと考えております。我が国においても、公認会計士による監査が社会からの要望に応えていくために、より良いものとなるよう、皆様のご指導をいただければと存じますので、よろしくお願い申し上げます。

以上

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総務企画局企業開示課(内線3672、3656)

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