企業会計審議会第33回監査部会議事録

1.日時:平成25年2月28日(木曜日)16時00分~18時00分

2.場所:中央合同庁舎第7号館 13階 金融庁共用第一特別会議室

○脇田部会長

定刻になりましたので、これより第33回監査部会を開催いたします。皆様には、お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。

まず会議の公開についてお諮りいたします。本日の監査部会も、企業会計審議会の議事規則にのっとりまして、公開することといたしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

○脇田部会長

ご了解いただきましたので、そのように取り扱わせていただきます。

審議に入ります前に、新たに1名の方に審議にご参加いただくことになっておりますので、ご紹介いたします。水口委員でございます。

○水口委員

水口でございます。よろしくお願いいたします。

○脇田部会長

どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、議事に入ります。当部会で審議いただいてまいりました「不正リスク対応基準(案)」及び「監査基準改訂(案)」につきまして、昨年の12月21日にパブリック・コメントに付させていただき、本年の1月25日に締め切らせていただきました。

本日は、パブリック・コメントに寄せられましたコメントの概要をご紹介するとともに、その対応などについてご審議をいただきたいと考えております。

それでは、早速でございますけれども、寄せられましたコメントの概要及びコメントに対する考え方、それらを踏まえての「監査基準の改訂及び不正リスク対応基準の設定について」に関し、事務局より説明をお願いします。

○栗田企業開示課長

お手元に資料1から3までを配付させていただいております。資料3は、前回の会議でも配付させていただきました概念図でございます。変更はございません。それから、資料2でございますけれども、これは昨年12月21日から今年1月25日までのパブリック・コメント期間にいただいたコメントをまとめたものでございます。右上のほうに書いてございますように、11団体、13個人、合わせて24の方からコメントをいただきました。この表の左側のコメントの概要というところがいただいたコメントでございますけれども、いただいたコメント全てが書いてあるわけではございませんで、重複しているようなコメントは省略をさせていただいております。また、コメントが長文にわたるようなものにつきましては、できるだけ原文を生かすようにしておりますけれども、適宜こちらのほうで要約をさせていただいております。それを公開草案の順序を踏まえて並べかえてございます。右側がコメントに対する考え方を記載させていただいたものでございます。このいただいたコメント等を踏まえまして、本体の公開草案につきまして幾つか修正をさせていただいております。それが資料1でございます。本日は、時間の関係もございますので、まず資料1についてご説明をさせていただきたいと存じます。

まず、変更になった点について順次説明をさせていただきます。

まず表題のところでございますけれども、「監査基準の改訂及び監査における不正リスク対応基準の設定について」ということで、公開草案のときから「監査基準」と「不正リスク対応基準」をひっくり返しております。これは、やはり監査の基準ということであれば、監査基準が基本になるということでございますので、そちらを前に持ってきたということでございます。品質管理基準を設定した際もこの順序になっていたという前例もございますので、このような取り扱いにさせていただいております。

それから、中段のあたりにございます「重要な虚偽の表示の原因となる不正(以下単に『不正』という。)」というところでございますが、これは下にあったところを上に持ってきたということでございますけれども、不正につきましては、後ほど定義が出てまいりますので、ここは定義ではなくて、単に略称という趣旨を出すために「単に」という言葉を入れさせていただいております。

それから、その下のところ、「職業的専門家としての懐疑心(以下『職業的懐疑心』という。)」ということで、監査基準には「職業的専門家としての懐疑心」という用語が使用されておりますので、それにならって、「職業的専門家としての懐疑心」として、ただ、以下、省略して「職業的懐疑心」とさせていただいております。

それから、その下、「なお」のところでございますけれども、「一義的に財務諸表作成者である経営者に責任がある」というところでございますが、「一義的に」と書くと、二義的にはどうなのだというようにも読めるというコメントがありました。ここは不正に関しては経営者に責任があるということでございますので、「一義的に」という言葉は削除させていただいております。

それから、その下、「また」という言葉を追加させていただいておりますけれども、これは、この段落の最後の「したがって」が、1文目と2文目をあわせて受けた形になっておりますので、それを明確にするために「また」という言葉を追加させていただいております。

それから、その下の「財務報告に係る内部統制報告制度」という用語ですけれども、内部統制報告制度は財務報告に係るものというのは自明のことでございますので、「財務報告に係る」というのはとらせていただいております。

それから、その下の「内部監査部門等を中心に適正な財務報告を作成するための取組みが」と書いてありますけれども、適正な財務報告を作成するというのは企業全体の取り組みでございまして、内部監査部門だけが特に重要ということでもないので、ここは「内部監査部門等を中心に」というところをとらせていただいております。

それから、最後のところ、「監査人は、企業における内部統制の取組みを考慮するとともに、」「監査役等と適切に連携を図っていくことが期待される」としておりましたけれども、監査役等との連携は要求事項にもなっているわけでございますので、「期待される」というよりは、一段強い、「重要である」という言葉にかえさせていただいております。

それから、2ページ目は、監査基準の文言を正確に引用したというだけの修正でございます。

それから、3ページ目の2の(2)のところでございます。これは順序を変更しまして、「本基準は、財務諸表監査の目的を変えるものではなく、不正摘発自体を意図するものでもない」というのを前に持ってきております。

それから、(3)の中段のところでございますけれども、「本基準は、過重な監査手続を求めるものではなく」ということで、これも後ろにあったものを前に持ってきております。その後は、「現行の監査基準において既に採用されているリスク・アプローチの考え方を前提として、公認会計士監査の有効性を確保するため、不正リスクを適切に評価し、評価した不正リスクに対応した適切な監査手続が実施されるように監査手続の明確化を図ったものである」ということで、本基準の意図を明確化するために少し修文をさせていただいております。

それから、続きまして、4ページでございます。4ページの上から4行目の監査人が「正当な注意を払って監査を行った場合には、責任は問われることはない」というところですが、「基本的には」という言葉が入っていますと、正当な注意を払ってもなお責任を問われることを想定しているように読めるというコメントを幾つかいただいておりまして、ここはそういう趣旨ではございませんので、「基本的には」という言葉は削除させていただいております。

それから、その下、3の(1)のところで、「以下『上場企業等』という。」というのを入れさせていただいておりますが、これは、この後に適用対象について言及するところがありますので、そこで範囲を明確にしておくために一度「上場企業等」というふうにくくらせていただいております。

なお、この適用範囲に関しましては、パブリック・コメントの中で1つ質問をいただいておりまして、特定有価証券の発行者としての企業はここにいう企業に含まれるのかということでございます。その点につきましては、今回の不正リスク対応基準の趣旨に鑑みますと、特定有価証券の発行者としての企業の財務報告についてまで不正リスク対応基準を適用する必要はないと考えられますので、その点は、修正という形ではなく、コメントに対する考え方という形で明確にさせていただきたいと考えております。

それから、その下、(2)でございますけれども、「上場企業等」と「不正リスク」の2つは前で定義済みになっておりますので、言葉を変えさせていただいております。

それから、その下でございます。「なお、本基準は、上場企業等の不正リスクへの対応に関し監査基準及び品質管理基準に追加して準拠すべき基準であり、法令により準拠が求められている場合は、監査基準及び品質管理基準とともに、一般に公正妥当と認められる監査の基準を構成し」というふうに文章を変えさせていただいております。ここは幾つかコメントをいただいておるんですけれども、本基準の位置づけを明確化すべきであるというコメントをいただいております。

それに関連いたしまして、例えば監査報告書に記載する場合に、本基準が適用されないような企業の監査報告書において、「一般に公正妥当と認められる監査の基準(不正リスク対応基準を除く)」みたいな書き方にしないといけないのかというご質問もいただいておりますけれども、「法令により準拠が求められる場合は、一般に公正妥当と認められる監査の基準を構成し」という書き方にさせていただいておりますように、当然法令により準拠が求められていない場合は監査の基準を構成しませんので、そのような括弧書きのようなものは不要であり、監査報告書の文言は今までどおりになると考えております。

それから、その下でございますけれども、「一般に公正妥当と認められる監査の基準を構成する日本公認会計士協会の作成する実務の指針」ということで、一般に公正妥当と認められる監査の基準には日本公認会計士協会が作成する監査実務指針が入るということを明確にさせていただいております。

それから、その下、(3)の「不正リスク対応基準と中間監査及び四半期レビューとの関係」でございます。ここは新たに追加して記載をさせていただいておるところでございますけれども、この点についても幾つかご質問をいただいております。中間監査、それから四半期レビューにおいてこの基準は適用されるのかどうかということでございまして、その点を明確にするために文章を追加させていただいております。

ちょっと読ませていただきますと、「本基準は、年度監査のみではなく、年度監査の一環として行われるものと位置づけられている中間監査にも準用される。また、四半期レビューについては、年度監査と同様の合理的保証を得ることを目的としているものではないことから、本基準は四半期レビューには適用されない。なお、四半期レビューの過程において、四半期財務諸表に本基準に規定している不正による重要な虚偽の表示の疑義に相当するものがあると判断した場合など、四半期財務諸表に重要な点において適正に表示していない事項が存在する可能性が高い場合には、監査人は、四半期レビュー基準にしたがって、追加的手続を実施することになる」とさせていただいております。四半期レビューについては本基準は適用されないということでございますけれども、四半期レビュー基準において既に、重要な点において適正に表示していない事項が存在する可能性が高い場合には追加的手続を要求しておりますので、当然のことながら、本基準にいうところの重要な虚偽の表示の疑義のようなものがあれば、追加的な手続が必要になります。それは今の四半期レビュー基準でそういうことになっているという認識を書かせていただいております。

それから、その下、4の(2)のところでございますが、一番初めのところは、これも監査基準を正確に引用するというための修正でございます。

それから、次の段落、「この職業的懐疑心の保持は、正当な注意義務の行使に含まれる要件」とさせていただいておりましたけれども、まず、「注意義務の行使」という言い方がおかしいのではないかという意見をいただいております。権利の行使というのはわかりますけれども、義務の行使というのはおかしいのではないかということでございます。それから、「要件」という言い方もややおかしいのではないかというご意見をいただいております。

それを踏まえまして、ここは、「職業的懐疑心の保持は、正当な注意義務の重要な要素であり」というふうに修正させていただいております。

それから、その下のところ、「監査人が職業的懐疑心を持って」は、「常に保持して」ということで、常に保持するというのはある意味当然のことではございますので、その点を明確にするような記載にしております。

それから、その下の段落の「監査人としての職業的懐疑心の保持及びその発揮が特に重要である」としておりますけれども、ここは内容の明確化のために言葉を追加させていただいたということでございます。

それから、その下、5ページの最後のパラグラフのところでございますけれども、もともと「職業的懐疑心の程度は」という言い方にしていたんですけれども、「懐疑心の程度」という言い方が、これもおかしいのではないかというご意見をいただいております。

したがいまして、そこのところは、もう少しわかりやすく書くという観点から、「職業的懐疑心の保持や発揮が適切であったかは、具体的な状況において監査人の行った監査手続の内容で判断される」というふうにさせていただいております。

それから、最後のところは、「職業的懐疑心を保持又は発揮し、具体的な監査手続を実施することが求められる」ということで、ここも本基準上要求事項になっていますので、「期待される」ではなく、「求められる」というふうに修正をさせていただいております。

それから、その下の「なお」のパラグラフでございます。ここのところのポイントは、今まで「経営者が誠実であるとも不誠実であるとも想定してはならないという中立的な観点」という言い方をしておりますが、これは正確に言うと、誠実であるとも不誠実であるとも想定しないというのが中立的観点だということなので、ここは正確を期して文言を修正させていただいております。

それから、その下の(3)のマル1のところでございます。17年監査基準の改訂の文書を引っ張っておるところで、「会計上の見積りや収益認識等の重要な会計上の判断に関して財務諸表に重要な虚偽の表示をもたらす可能性のある事項、不正の疑いのある取引、関連当事者間で行われる通常でない取引等」の後に、「の不正リスクを把握した場合」とありますけれども、17年の監査基準の改訂の際の文章では、「不正リスクを把握した場合」というのは入っておりませんので、正確に引用をするという観点から、ここは落とさせていただいております。

それから、その下のパラグラフのところで、「現行の重要な虚偽表示のリスクの検討に加え」というのを、「際し」にしておりますけれども、これは何か追加的な手続を規定しているものではないということを明確にするため、「加え」ではなく、「際し」という言葉にかえさせていただいています。

それからその下の「監査人は、入手した情報が不正リスク要因の存在を示しているかどうかを評価し」のところですけれども、付録1の文言では「検討し」となっております。評価か検討かどちらがいいかということなんですけれども、評価というのは一般的には識別した不正リスクについていろいろ考慮する際に使用する用語のようでございますので、ここは「検討し」というふうにさせていただいております。

それから、6ページの最後のパラグラフでございます。ここは抜き打ち監査について書いていたところですけれども、ここもたくさんコメントをいただいておりまして、「抜き打ちの監査手続」という用語は、これまで実務指針、監査基準では使用されていない用語であって、その内容が明確ではないというご批判が何件かありました。それを踏まえまして、ここのところは、基本的に監査実務指針を引っ張るような形で文章を修正させていただいておりまして、「監査人は、財務諸表全体に関連する不正リスクが識別された場合には、実施する監査手続の種類、時期及び範囲の選択に当たり、評価した不正リスクに応じて、監査手続の種類、時期若しくは範囲の変更、往査先の選択方法の変更又は予告なしに往査することなど、企業が想定しない要素を監査計画に組み込むことが必要になる」ということで、「予告なしに往査すること」という言葉を使わせていただいております。その後に、「特に」というのを入れておりまして、「特に、不正による重要な虚偽の表示の疑義があると判断した場合において、その状況によっては、修正する監査計画に企業が想定しない要素を組み込むこと(予告なしに往査する、いわゆる抜き打ちの監査手続を含む。)が有効なことがあると考えられる」という文章を加えさせていただいております。これはコメントの中にもあるのでございますけれども、企業が想定しない要素の組み込みについては、実際問題としては、当初の監査計画に組み込んでやるということはまれであって、こういう手続が必要になってくるのは、相当問題が深刻であるというような場合であるということでございますので、そういうところを明確にする観点からつけ加えさせていただいております。

続きまして、7ページでございますが、ここの確認のところも幾つかコメントをいただいております。「安易に代替的な手続に移行してはならない」というときの「安易に」という言葉が不明確である、どういう状況を指して「安易に」と言うのかということが明確でないという意見をいただいております。その点を明確にするため、ここは、「代替的な手続により十分かつ適切な監査証拠を入手できるか否か慎重に判断しなければならない」という言い方に変えさせていただいております。

それから、その下のマル3のところでございます。ここは、「不正リスクに関連する監査要点に対しては、不正リスクを識別していない他の監査要点に対するものに比べ」てこうこうと書いていたんですけれども、あくまで同一の監査要点について不正リスクを識別している場合と識別していない場合が比較されるべきなので、その点が明確になるように、「不正リスクを識別している監査要点に対しては、当該監査要点について不正リスクを識別していない場合に比べ」というふうに直させていただいております。

それから、続きまして、8ページでございます。8ページのマル7の「不正リスクに関連する審査」のところでございますけれども、ここは「不正による重要な虚偽の表示の疑義があると判断した場合には」としております。これは基準本体の文言、基準の第2の16の文言に合わせるということで、前文のほうを直すという趣旨でございます。

それから、その下のマル9のところの「について」を落とすのは、その後ろにもう一度「ついては」と出てきますので、文章を整えたというだけでございます。

それから、9ページ目でございます。(4)監査事務所の品質管理のところでございますが、ここのところは、「新たな品質管理のシステムの導入を求めているものではなく、監査事務所が整備すべ品質管理のシステムにおいて、不正リスクに対応する観点から特に留意すべき点を明記したものである」ということで、内容を明確にするという趣旨から入れさせていただいております。

それから、マル1のところで、「の」が入っているのは、これは用語の統一の観点から「の」を入れさせていただいております。

その下、マル2でございますが、ここは監査契約の新規の締結及び更新の際に、事務所としての検討を求めているところでございます。新規契約の締結の場合には、監査事務所として検討するのは当然かもしれないけれども、更新の場合まで一々全て監査事務所として検討を求める必要はないのではないかというご意見をいただいております。その点を明確にするために、「更新時はその程度に応じ」という言葉を入れて、重要な更新については事務所としての検討をしていただきますけれども、軽微なものについてはその必要はないということを明確にさせていただいております。

それから、10ページでございます。これは現行の監査基準の改訂のところでございますが、一番上のところは、引用誤りがあったので、修正をさせていただいております。

それから、その下のところ、「監査報告の対象となる財務諸表の社会的影響が小さく」ということで、「社会的影響が小さく」というのは、財務諸表の社会的影響が小さいということで、監査の社会的影響ではないということを明確にするため、言葉を加えさせていただいております。

それから、11ページに行っていただきまして、ここは「審査に代わる他の方法」というところで、「審査に代わる」というのをとっております。「審査に代わる」という言葉が入っていると、審査と同等の他の方法が求められるという趣旨に読めて、そうであれば、実質的に今回この審査を省略する場面を認める意味がないというご意見をいただいておりますので、「審査に代わる」というのをとって、求められる他の方法というのは、要するに審査よりも一段落ちるといいますか、そういう手続、方法が求められるということを明確にしております。

それから、四の実施時期のところで、「改訂監査基準」を先に持ってきておりますのは、冒頭に説明した趣旨でございます。

それから、「不正リスク対応基準は、中間監査に準用し、平成26年9月30日以後終了する中間会計期間に係る中間財務諸表の中間監査から実施する」ということで、先ほどご説明いたしましたように、中間監査にはこの新基準が準用されるということなので、その時期を明確にしております。

以上が前文でございまして、続きまして、12ページから新基準の具体的な内容でございますが、まず第一の4のところは、これは上とワーディングをそろえるという観点で、「発揮して」というふうにさせていただいております。

それから、12ページの第二の3のところは、先ほどご説明いたしましたように、「評価」という言葉ではなく、「検討」という言葉のほうが適切であるということで直しております。

それから、13ページの4の「監査チーム内の討議・情報共有」のところでございまして、そこの2段落目、「監査実施の責任者は、監査の過程で発見した経済合理性等に疑問を抱かせる特異な取引」という言い方をしておったんですけれども、ここは「事業上の合理性に疑問を抱かせる特異な取引」ということで、他のところでも、「経済合理性」という言葉ではなく、「事業上の合理性」という言葉を使っておりますので、そこに合わせるということでございます。

それから、その後、これは、監査実施の責任者等に報告することを求める内容について、「会計及び監査上の問題」ではなく、「問題となる可能性のある事項」ということで、より正確に書くという観点で言葉を補わさせていただいております。

それから、5のところは先ほど説明いたしました改訂でございます。

それから、7でございます。これも先ほどご説明したところでございます。なお、そこの7の第2パラグラフで、「やむを得ず」と書いておりますけれども、ここのところは、「やむを得ず代替的な手続を実施する場合」に限られるものではないので、「やむを得ず」という言葉はとっております。

それから、14ページでございます。9のところは、「監査の過程」という言葉を使っておりますけれども、これは「監査実施の過程」ということで、ほかと用語をそろえるという観点で言葉を補っております。

それから、15ページの14の「専門家の業務の利用」ということで、「監査人は、不正リスクの評価、監査手続の実施、監査結果の評価において」と書いていたんですけれども、「監査結果の評価」と言うと、何か監査意見の形成過程においても専門家の利用を検討しないといけないようにも読めます。そこは監査人のある意味では専管領域みたいなところでございますので、言葉を修正いたしまして、「監査証拠の評価及びその他の監査実施の段階において」というふうにさせていただいております。

それから、最後の19のところ、職業的の「的」が抜けていたというので、修正しております。

それから、16ページでございますが、この第三の2のところ、これも先ほどご説明させていただきましたように、監査事務所における検討の対象になるのは、「新規の締結時、及び更新時はその程度に応じて」ということにさせていただいております。

3のところは、「教育・訓練に関する方針及び手続を定め」ということで、文章を整えるための修正でございます。

それから、4のところでございます。ここは「監査事務所は、監査業務に係る監督及び査閲に関する方針及び手続を定め、適切に実施しなければならない」としておったんですけれども、監督及び査閲を行うのは事務所ではなくて監査責任者であるということもありますので、「適切に実施」するというところは省いております。

それから、5でございますが、ここの表題を変えさせていただいておりますのは、全体の平仄をとるという観点でございます。

その内容のところで、「不正リスクに関連して監査事務所に寄せられた情報」というところは、不正リスクと関係しないような情報はここには含まれないということで、範囲を明確にしておるということでございます。

それから最後のところは、「監査事務所の適切な部署又は者」ということで、個人である者には限らないということを明確にしております。

続きまして、17ページの7でございますが、ここは「見直し後の監査計画」ではなくて、全体の用語からいって「修正後の監査計画」になるということでございます。

それから、9の「監査事務所間の引継」のところでは、「前任の監査事務所に対して」と、これは明確化を図るために言葉を補っておるところでございます。

それから、10のところの「監査事務所の品質管理の方針及び手続」というところも、誤解のないように明確化を図るという観点で言葉を補わさせていただいております。

続きまして、18ページ、付録1でございますけれども、ここのところでは、19ページのところで少し修正を入れさせていただいております。例として4つあるうちの4番目に、「業界の慣行として、契約書に押印がなされない段階で取引を開始する、正式な書面による受発注が行われる前に担当者間の口頭による交渉で取引を開始・変更する等が行われうる」と書いてあったんですけれども、この例示2つだけで「等」で受けているのでは、どういう状況を念頭に置いているのか、その状況のレベル感がよくわからないというご意見をいただきましたので、「等」の後に言葉を補いまして、「取引先との間で正当な取引等の開始・変更であることを示す文書が取り交わされることなく取引が行われうる」というふうにさせていただいております。

それから、そのページの一番最後のところでございます。「監査人に対して、従業員等から情報を得ること、監査役等とコミュニケーションをとること又は仕入れ先や得意先等と接触することを不当に制限しようと」するというところでございますけれども、仕入れ先や得意先との接触というのは、監査人が行うのは限られたケースでございますので、ほかの2つと完全に並列に並べるのはいかがかというご意見がございまして、ここでは「監査人が必要と判断した仕入れ先や得意先」ということで、少し限定をかけさせていただいております。

それから、20ページに行きまして、付録2でございます。そこの2の(1)は、「企業の通常の取引過程から外れた重要な取引」、「企業及び当該企業が属する産業を取り巻く環境に対する監査人の理解に照らして通例ではない重要な取引」、「企業が関与する事業上の合理性が不明瞭な取引」ということで、3つ並列で並べていたんですが、ここのところは、3つ目にあります「企業が関与する事業上の合理性が不明瞭な」というところがキーポイントになるのだというご指摘がございましたので、少し言葉をかえさせていただきまして、前の2つ「のうち、企業が関与する事業上の合理性が不明瞭な取引」とさせていただいております。

それから、その下の「明らかではない」という言葉を「不明瞭な」にかえております。これは用語の統一でございます。(3)のところで、「担保提供」を入れさせていただいておりまして、これは債務保証と担保提供というのは経済的に類似するものであるということで追加をさせていただいております。

それから、21ページの6でございます。そこの1つ目のポツのところで、「合理的な理由がないにもかかわらず、監査人が」これこれと「接することを企業が拒否する」「又は、変更を主張する」としておりましたが、拒否する場合と妨げる場合が同等に問題であるというご意見をいただいておりまして、ここでは「妨げる」という言葉を追加させていただいております。

それから、少し飛んでいただきまして、26ページになります。ここのところは、監査基準の改訂のところで、「審査に代わる」というのをとらせていただいておりますが、これは先ほどご説明したとおりでございます。

以上が公開草案の文章の変更点でございます。

それからあと、資料2のほうでございますけれども、これはちょっと時間の関係がありますので、一々ご説明するのは省略させていただきます。1つ見解の確認を求められているところがありまして、それは44ページでございまして、一番上のご意見ですけれども、今回の規定による監査役等への報告及び経営者への是正要求と金融商品取引法193条の3との関係はどうなのかということをご質問いただいております。その理由のところに書いてありますけれども、「金融商品取引法第193条の3は『法令違反等事実を発見した場合』の監査人の対応について定めたものである」。一方、「本規定は『経営者の関与が疑われる不正を発見した場合』の監査人の対応を定めたものである」。「本規定第二、18による監査役等への報告及び経営者への是正要求と、金融商品取引法第193条の3による特定発行者への通知制度は、それぞれ独立した制度であり」、「別の手続である」。それから、「並びに」のところですが、「本規定第二、18による監査役等への報告及び経営者への是正要求の対象となる場合は通常金融商品取引法第193条の3で規定されている特定発行者への通知に至る前の段階で当該報告及び是正要求が行われることを想定していると理解」しているがどうかというご質問でございまして、まさにこのお考えのとおりだと考えておりまして、今回の不正リスク対応基準における監査役等への報告ということと金商法193条の3は別の制度でございまして、独立した別々のものというふうに理解しております。

実際の適用場面を考えた場合は、不正リスク対応基準における監査役等への報告のほうが先に来て、それでもどうしようもないような場合には金商法193条の3の報告というようなことになってくるのかと考えております。

私からは以上です。

○脇田部会長

ありがとうございました。それでは、ただいまの事務局の説明に基づきまして、皆様からコメントに対する考え方及びそれらを踏まえましての「監査基準の改訂及び不正リスク対応基準の設定について」に関しまして、ご質問、ご意見を伺ってまいりたいと思います。順は結構でございますので、どうぞご発言をよろしくお願いいたします。いかがでございましょうか。水口委員、どうぞ。

○水口委員

ありがとうございます。初めて参加させていただく者といたしまして、当該基準の詳細についてではありませんが、意見を述べさせていただきたいと思います。資本市場を揺るがすような不正にかかわる事例においては、監査人が経営者の不正による重要な虚偽の表示の可能性を相応に認識しながらも、決定的な認識を得られなかったままになっているようなケースも考えられるのではないかと思います。不正リスク対応基準の導入によって、企業の不正による重要な虚偽の表示のリスクに対して、より有効な対応が可能となって、我が国の資本市場の透明性とか公平性の確保につながることを期待するところであります。

不正リスク対応基準は、不正による重要な虚偽表示を示唆する状況を識別した監査人による監査調書への記載と、監査人交代があった場合に、その内容を確実に引き継ぐことを求めるといった対応手段を明確化することによって、経営陣に対する警告を発して、不正を牽制する仕組みとなり得るということで、監査人が現行制度のみでは得られない実効性のあるリスク対応手段を持つことが可能となるといった観点から意義が大きいのではないかと考えております。

以上です。

○脇田部会長

ありがとうございました。続きまして、どなたでもご発言ください。どうぞご自由に。逆瀬委員、どうぞ。

○逆瀬委員

今ご説明いただいた内容ですけれども、四半期レビューでの取り扱いなど、作成者の立場からお願いした内容が基本的に本日の案では反映されていると理解いたしました。その上で二、三申し上げたいと思います。

1つ目は、以前、本部会でお話があったと思いますが、取引所の上場規則や制度開示の提出期限の問題は、目下どういう状況であるのか、教示をお願いしたいと思います。

2つ目は、今般、前文に追加された箇所の抜き打ち監査という表現であります。括弧書きで、予告なしに往査する、いわゆる抜き打ちの監査手続を含むというような表現ぶりですが、基準本文の表現は、企業が想定しない要素を組み込むという表現であります。また、ご案内のとおりですけれども、現行のJICPAの実務指針でも、抜き打ちという表現ではないのであります。一方、抜き打ちと言っても、予告しない往査と言っても、意味内容は同じであるという理解と思います。よって、あえていわゆる抜き打ちの監査手続と言及する実質的な意味がそれほどないのではないかという気もいたします。

それから、3つ目は、本基準の適用対象にかかわる点でございます。JICPAでは、目下実務指針の検討も行われており、本日公開草案の一部が公表されました。その中に、現行の実務指針の240、財務諸表監査における不正の実務指針があります。その改正案にはちょっと違和感のある表現が入っていまして、これはまさに基準の実践の局面の話でありますので、あえてこの場で申し上げさせていただきます。その改正案では、不正リスク対応基準に準拠して監査を実施する際に遵守が求められる要求事項と適用指針は、不正リスク対応基準が適用されない監査業務においても、業務の状況に応じて参考となることがあるというパラグラフが新たに新設されています。この表現自体、大変曖昧であります。本日公表された実務指針案、幾つかありますけれども、そこでは、本基準の趣旨がほぼ忠実に写されていると思います。しかし、この240に新たにつけ加えられた、項目番号でいうと1-2は申し上げたような表現となっています。作成者サイドからすると、本基準の対象となる監査業務は何かといういろはの「い」のところの議論なものですから、ぜひこの点に関してはJICPAからお考えを伺いたいし、実務指針の改正に当たっては、本基準に忠実に丁寧な線引きをお願いしたいということでございます。

以上でございます。

○脇田部会長

ありがとうございました。まず、第1番目の上場規則や開示規則等については、後ほど申し上げる予定でございましたけれども、栗田課長、お願いします。

○栗田企業開示課長

取引所の上場規則、それから、有価証券報告書等の提出期限につきましては、当監査部会でも検討項目に挙げられておりまして、現在金融庁及び取引所で議論をさせていただいておるところでございます。まだ最終的な案がまとまっている段階ではないので、ご報告するに至ってはおらないんですけれども、提出期限に関しましては、金商法で、例えば有価証券報告書であれば、年度が終わってから3カ月という規定があって、一定の場合には、その延長が認められる規定があるわけでございます。この延長がどういう場合に認められるのか、どういう手続で認められるかが、そこはガイドラインがなく、明確になっていないので、その点を明確にしようということを金融庁のほうでは検討させていただいております。

それから、有価証券報告書は提出されたけれども、過年度において不正なり何なりで虚偽の表示があった場合とか、あるいは、不適正意見とかがついていた場合の上場の取り扱いをどうするかということについては、今、取引所のほうでご検討をいただいているところです。検討がまとまれば、この部会でも改めてご報告をさせていただきたいと考えております。

○脇田部会長

2番につきましては、抜き打ち監査という表現についてのご発言でございました。3番目は、今回出ました実務指針240改正の公開草案の問題でございます。ただ、この問題は、本日公開草案が出た段階でございますので、逆瀬委員よりご発言があったということに止めさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。

○逆瀬委員

はい。

○脇田部会長

それから、抜き打ち監査につきましては、今ご指摘がございました。承っておきたいと思います。

続きまして、どうぞご発言ください。どうぞ、林田委員。

○林田委員

全体の評価としては、かなり細かく修正をされて、うまくまとまっていると思います。今回のこの基準というのは、新たに過重な負担を会計士の方にかけるものではないけれども、うっかりと不正を見過ごすようなことのないよう、やるべきことはきちんとやっていただくということを整理した形で示したものであって、まとめた意義は大きいのではないかと思っています。

また、不正防止というのは、摘発を確実にするということが最も有効な手段ではありますけれども、チェックの手続をこうしてしっかり示すということで、不届きな気持ちを起こさせない、起こしにくくなるといったような牽制効果もあるのかなと前向きにとらえています。

それから、今ちょっと話題になった「抜き打ちの監査」ですけれども、プロの方はどうだかわかりませんが、私のようなものからすると、前文のところに、単に「予告なしに往査する」という言葉で表現しているよりも、「抜き打ち」のという、やや砕けた表現があったほうが、どういうことなのかというのがピンとくるので、私としては、この「抜き打ち」という言葉が大きな誤解を招くのでなければ、残しておいていいと思っております。

以上です。

○脇田部会長

ありがとうございました。引き続きまして、どうぞご発言ください。布施委員、どうぞ。

○布施委員

私からは、資料1の17ページ、8番のところで、「監査事務所内における監査実施責任者間の引継」という項目、それに関連して資料2のコメント対応表では、47ページについて意見を述べます。先ほど栗田課長のご説明では、修正箇所がなかったということで、特段のご説明はなかったかと思うんですけれども、17ページの8番では、監査事務所は、品質管理方針及び手続において、監査実施の責任者が交代した場合、不正リスクを含む監査上の重要な事項は適切に伝達されるように定めなければならないとされています。そして意見書のほうも踏まえると、責任者全員が一遍にかわったときを想定していることになります。監査上の重要な事項の伝達という部分については重要なことであることは間違いないんですけれども、我々、既に監査の実務指針や不正リスク対応基準においても、監査調書への記録・保存や、監査チーム内のディスカッション、協議なども通じて、こういった重要事項は伝達されるような仕組みになっていると理解しておりますので、事実上、この目的は達成されているのではないかと思っております。

また、資料2のコメントに対する考え方を見ますと、コメントに対する考え方の最後ですね、こういった伝達をしなければならないけれども、「伝達の手法はさまざまであると考えられますことから何らかの証拠を残すことを求めるものではありません」と書いてあるわけで、このような方向性を踏まえれば、監査実施の責任者が交代した場合の規定を残す意味があまりないのかなと思いますので、規定の趣旨は大事なことだとは思いますけれども、規定そのものは削除していただいたほうがいいのかなと考えております。

以上でございます。

○脇田部会長

ありがとうございました。今の点でございますけれども、ほかにご発言ございますでしょうか。

今、ちょっと伺いましたけれども、このコメントのほうでも書かれておりますけれども、実際に実務指針に反映しているということもありますし、このような点について一応慣習化といいますか、慣行化、監査実務の上でも慣行化しているということであれば、むしろここに明記したほうが意味があるのではないかと私は思っておりますけれども、どうぞご発言いただきたいと思います。八田委員、どうぞ。

○八田委員

今の引き継ぎの件について申しあげたいのですが、先に形式的な点について、3つ確認させていただきます。前文のご説明をいただいたんですけれども、まず1番目が、表題が入れかわって、監査基準が先に来たということですが、私もそれがいいと思います。ただ、それをもし踏まえるならば、この本文のほうの中身の10ページにある漢数字の三番目の監査基準の改訂にというのが先に来るのではないかという気がするんですけれども、それでいいのかどうか。そして、実施時期の記載箇所についても、やはり改訂監査基準が先に出ていますから、並べ方として、それで全体が整合性とれるかどうかわかりませんけれども、そのほうが読者にとってはわかりやすいというのが第1点です。

それから2つ目、9ページですけれども、ご説明いただいたマル2、中ほどの(4)のマル2のところで、新規の締結、更新ですけれども、あえて括弧して「更新時はその程度に応じ」というふうにお入れになっていますが、「その程度」の「その」って何を指すのか、よくわからないのです。リスクなのか、評価の程度なのか、判断の程度なのか、それをはっきりさせていただきたいと思います。

それから3つ目、13ページ、「経済合理性」という言葉にかえて、「事業上の合理性」というのにおかえになっています。これらの用語が実質的に同じだとお考えになっているのか、あるいは、立場が違うのか。実務指針等のどこかで使われているからだというご理解をされていますけれども、私は、個人的には経済合理性のほうがいいと思っているわけです。なぜならば、会計マター、つまり経済的な行為、これがいわゆる経済合理性にかかわる問題であって、例えば事業上の合理性といった場合には、会計マター以外のかなりいろんなものが入ってくる可能性がある。例えば今回の人事異動とか、配置転換、こういったのがどうなのかと。そこまでほんとうに監査人の先生方はかかわる必要があるのかどうかと、ちょっとその辺が疑念に思いますので、まず3つだけ、用語上の確認をさせていただきたいと思います。

それから、実質的な点ですけれども、先ほどの抜き打ち監査の件、これは要するにメディアが好きで使っている言葉のようでありますし、一般の人にとっても日常的な言葉として理解できるのではないでしょうか。確かに、今回も新聞報道で使われてはおりますが、私自身、必要があって調べてみたところ、公認会計士協会の実務指針の240になる前の監査基準委員会報告書の第35号、かなり前に公表されたものですが、これが公表になったときに既に日経金融新聞では「抜き打ち監査」という大きいテーマでの記事が示されているんですね。したがって、今更別に何も違和感がないという気がしていますし、逆に、メディアが取り上げて、読者がそれをある程度読み切っているということであるならば、さっきの林田委員じゃないですけれども、わかりやすいから、括弧の中に入れておくのはかえっていいんじゃないかなという気がするわけです。

それから2つ目の引き継ぎの問題ですが、これは今回の基準全部に言えると思うのですけれども、規定内容において目新しいものは何もないような気がしているんですね、何度も言うように。新たな追加があるわけじゃない。つまり、経営サイドをはじめとして、全ての関係者、つまりディスクロージャーにかかわる全ての関係者にとってあるべき姿の監査、あるいは果たすべき役割を持った監査がどうなのかということを見える化しているんじゃないかという気がするんです。したがって、先ほど部会長がおっしゃったように、実際の監査ではこうした引継ぎ等はちゃんとやっていますということ。仮にやっていなければ、これはおかしいわけであって、ただ、これを明確にして、例えば監査調書の冒頭のところに1行、ちゃんと確認をしたとか、それを記すことは何も監査人に対しての規制強化を図るものではないと思います。つまり、これだけを削除するというのであれば、全部削除していいんじゃないかなというぐらいの気がしますので、この規定は残しておいたほうがよいと思います。

以上です。

○脇田部会長

ありがとうございました。1番の点につきましては、おっしゃるとおりだと思います。ただ、この点はどうするか、ちょっと考えさせていただきますけれども。

それから、2番、3番についての用語の問題については、今、栗田課長からお話しさせていただきます。

○栗田企業開示課長

まず1番目の3を先に持ってくるというところでございますけれども、全体の構成として、不正リスク対応の話が圧倒的に重い中で、3を前に持ってくることがうまくできるかどうかというのは、検討はさせていただきますが、ちょっとどうかなと正直思っているところでございます。

それから、2番目の9ページ目にあります「更新時はその程度に応じ」というときの「その程度」というのは、私の認識では、更新に伴うリスクの程度に応じということだと思います。これは必要があれば、文章をもう少し工夫させていただきたいと思っております。

それから、3番目にいただきました経済合理性か、事業上の合理性かということでございまして、まさに今八田先生がおっしゃったように、おそらく事業上の合理性という言葉のほうが、経済的合理性よりもやや広い範囲をカバーする言葉ではないかと思っております。ここのところも、経済合理性等という言い方になっていて、やや含みを持たせているということでございまして、どちらがいいかというのはなかなか難しい問題かと思います。監査人がリスクとして考える際には、確かに経済的合理性がないということも大事なんですけれども、例えば企業取引の中には、経済的合理性はすぐにはなさそうに見えるんだけれども、長い目で見たときの事業上の合理性があるような取引もあり得るというふうなこともありますので、そういう意味では、ここは広く事業上の合理性と構えておいたほうがいいのではないかと今のところは考えております。ただ、ここはまたご意見があればちょうだいしたいと考えております。

○脇田部会長

引き続きまして、どうぞご発言いただきたいと思います。清原委員、どうぞ。

○清原委員

細かいところも含めて何点かあるんですが、最初のほうから順にコメントさせていただきたいと思います。まず1ページ目のところで、2段落目に「不正」という言葉が残っていて、次の第3段で不正の定義はされているんですが、定義の前に、「近時、金商法上のディスクロージャーをめぐり、不正による有価証券報告書の虚偽記載等の不適切な事例が相次いでおり」というところで使われています。この文章で、「不正による」ということをあえて書かなくても、不適切な事例が相次いでいるということを記述するだけでもよいのではないかとも思われます。「不正」の定義がその後ろに来るものですから、できるならば定義の前にこの語を使用することは避ける意味で、この段落としては「不正による」という部分がなくてもよいのではないのかなというのが第1点目でございます。

第2点目は、3ページから4ページにかけて、「監査人の責任は」というところで始まる段落で、二重責任の原則の後に、法的責任について書いてあるところがございます。この企業会計審議会の監査部会で取りまとめるものの中で、法的責任が問われる、問われないという帰結について意見を述べておくことが果たして適当なのかどうかというところについて、やや疑問がございまして、どのような表現であればこの監査部会の議論として適当なのかを考え、できればここでは、あまり踏み込まず、また断定的な表現とみられることがないように、この部会としての思いといいますか、考え方について、表現の仕方についてちょっとご検討いただいたほうがいいのかなというところが1つございます。

次に、細かいところになりますが、5ページ目のところの一番下のところで、変更があった「職業的懐疑心の保持や発揮が適切であったかは」というところは、「あったかは」というのはちょっと日本語が読みにくいところなので、他の箇所の表現の仕方がどうなっているかを見てみると、「否か」もしくは「かどうか」という表現があわせて使われているので、細かいところですが、ここでも同様の表現を使うように見直していただければよいのではないかと思っているところでございます。

その先、15ページになります。パブリック・コメントで意見があった箇所なんですけれども、パブコメのほうの資料、43ページのところの15のところのコメントで言及されている審査のところですが、ここはよく考えたところ、「監査の適切な段階で適時に審査を」という表現について、適切な段階の審査であれば、適切な段階と言えばもういいのであって、「適切な段階で適時に」というふうにあえて「適時に」と言わなくてもいいのではないかと、そのように考える次第でございます。

次に、17のところですが、パブコメの資料の43ページの下のほうのコメントで言及されているところですが、よく考えると、現在の案のように、監査計画の修正に相当する部分について、監査人が監査役等と「協議しなければならない」というところについて、ほんとうに常に必要なものなのかどうか。本来必要なのは、もしかすると、監査役等との協議その他適切な連携なのではないかなというところもありますので、これは「協議をしなければならない」というふうに一義的に義務付けてしまうのか、それとも、監査計画の修正については、それは監査人の判断ということがあるので、監査役等と適切な連携をすることは要求するけれども、協議するかどうかについて、そのような適切な連携のあり方のうちの1つ、ワン・オブ・ゼムだととらえてもいいのかどうか、という点について、ここについては、お考えも含めて確認をしたいなと思うところでございます。

以上です。

○脇田部会長

ありがとうございました。以上の点について、栗田課長からお願いします。

○栗田企業開示課長

まず、1ページ目のところでございます。「金融商品取引法上のディスクロージャーをめぐり、不正による有価証券報告書の虚偽記載等の不適切な事例が相次いでおり」というところで、「不正による」というのはなくても意味が通るのではないかというご指摘だったかと思いますけれども、もともとが不正によるそういう虚偽記載事案が続いているということを問題視して今回の監査部会の議論が始まったということもございますので、ここをとったほうがいいのかどうかというのはさらに検討させていただきたいと存じます。

それから、4ページ目の監査人の法的責任について審議会が言及するのはどうかということでございますけれども、確かに最終的に監査人の責任がどうかということは、これは裁判所でご判断いただくべき事項になると考えております。そういう意味で、ここも監査人は責任を問われることはないものと考えられるということで、「基本的に」はとりましたけれども、断定はしておりません。おっしゃるとおり、ここで決められる話ではないということなので、「考えられる」という言葉を入れて、やわらかくしているということでございます。

それから、5ページ目の「職業的懐疑心の保持や発揮が適切であったかは」というところで、あったか否かということは、まさにおっしゃるとおりだと思いますので、修正をさせていただきたいと思います。

それから、15ページの審査のところでございます。「監査の適切な段階で適時に審査を受けなければならない」。確かに「適切な段階で」という言葉と「適時に」というのはダブっていると考えますので、ここもちょっとワーディングを検討させていただきたいと思います。

それから、監査役等の連携で、監査計画の修正についての協議でございますけれども、ここのところは、監査の各段階において監査役と連携を図っていただくというのが基本の命題でございます。その中に協議というものが入ってくるという意味では、協議というのはワン・オブ・ゼムということだと考えておりますけれども、特に疑義があると判断した場合に、その後どうするかというのは極めて重要な局面でございますので、監査役の役割は非常に重要になってくるということもあって、あえて明示的に書かせていただいているということでございます。

○脇田部会長

ただいまご説明したところですが、清原委員、よろしゅうございますか。

特に最後の監査役等と連携しなければならないと、これは、監査人である公認会計士さんたちに強調した規定と私は解釈しております。

続きまして、どうぞ。後藤委員、どうぞ。

○後藤委員

後藤でございます。私からは2点ございます。まず1点は、簡単なところからですが、資料1の9ページ、前文のところなのですが、こちらの(4)「不正リスクに対応した監査事務所の品質管理」の第3パラグラフ3行目のところで、「品質管理のシステムの方針と手続が求められているものではない」という文言がありますが、ここの「システムの」という言葉は不要と考えております。これは17ページにある不正対応基準の第三、10の「不正リスクへの対応状況の定期的な検証」の2行目にあります「品質管理の方針及び手続」といったところとの整合性からいっても不要だと思います。そもそも「システムの方針と手続き」というのも日本語としてはあまりよくはないと私は感じます。

そして、もう1点、これは資料1の5ページですが、逆瀬委員からもご指摘があった、この不正対応基準の適用範囲にかかわるところで、上から3行目、四半期レビューについては適用されないと書かれている部分です。その後の文言は「なお、四半期レビューの過程において、四半期財務諸表に本基準に規定している不正による重要な虚偽の表示の疑義に相当するものがあると判断した場合など」となっており、最後まで読んでも、一言も間違いはないのですが、あまりに当たり前というか、四半期レビューでなくても、これだったら変える前の監査基準でも、不正の虚偽の疑義に相当するものがあると判断したら、追加的な手続するのは当たり前であり、適用されないと言っている四半期にここまで書くのはちょっと違和感があります。また、「四半期レビュー基準にしたがって、追加手続を実施する」というと、あたかも四半期レビュー基準に、何か不正についての追加手続のようなものが書いてあるかの印象を与えます。四半期レビュー基準を見ると、四半期レビューの中では、第1、4.質問のところで、「経営者や従業員等による不正や不正の兆候の有無等について、経営者、財務及び会計に関する事項に責任を有する者その他の適切な者に質問を実施しなければならない」という文言があるにとどまりまして、不正による重要な虚偽の表示の疑義を確認する前段階での追加手続について実際踏み込んで書かれてないようです。もちろんここは、わざわざ疑義に相当するものがあると判断した場合など、四半期財務諸表に重要な点において適正に表示していない事項がある場合はということで書かれているので、問題はないのですが、読み手とすると、四半期レビュー基準に何か追加的な不正への対応や手続が書いてあるのかなというような期待も持ってしまいます。

こういう文章がついたのは、資料2の10ページでしょうか、コメントに対する考え方としてご回答されていた文章があるのですが、その中で「追加的な手続の実施に際しては、不正リスク対応基準を考慮していただく必要があると考えられます。」という記載があります。要は、四半期レビューあたって適用ではないけれど、不正リスクの対応基準を考慮してやるようにという、その心がここに出たのかなとも考えております。先ほどの逆瀬委員からご指摘のあった実務指針240の改正案にある「参考となることがある」という記述も、そういった気持ちから出たものと考えます。

ただ、こういった記載があると、妙に四半期レビューでも、不正に対して監査基準のような手続が実際されるのではないかと期待してしまいます。また、四半期レビューにおいて、不正対応監査基準を考慮するというような文章を書いても、その考慮ってどういう程度なんだという議論に必ずなりますので、やっぱり期待ギャップを生んでしまうような文章なのかなと思っています。

私は「なお」以下はなくてもいいと思っています。不正対応監査基準が四半期レビューの際に考慮されるとか、参考になるとかということは、ユーザーサイドとしては、こういうことを意識して監査するという点で歓迎できる点もあるのですが、半面、厳密に範囲を決めることが大事であれば、「なお」以下というのは、逆に誤解を生むのかなと私個人的には思います。

以上です。

○脇田部会長

ありがとうございました。

○栗田企業開示課長

まず1点目の9ページの表現ぶりにつきましては、品質管理のシステムというのは1つのワードになっているという面もあるんですけれども、ほかとの平仄も含めて、文言は検討させていただきたいと思います。

それから、四半期レビューのところは、いろいろご意見があるところだとは存じますけれども、このなお書きをばっさり落としてしまいますと、四半期レビューというときに、何かおかしな話があっても何にもしなくていいというふうに逆に誤解されても困りますので、今の四半期レビュー基準においても、必要な場合は追加的手続というのはちゃんと規定されているんですよということを一応メンションしておきたかったということで、書かせていただいている次第でございます。

○脇田部会長

続きまして、五十嵐委員、どうぞ。

○五十嵐委員

どうもありがとうございます。幾つかコメントさせていただきます。1つは、不正監査基準は、不正の内容を最初に明確に記述することが必要に思います。例えば、国際監査基準やアメリカの監査基準でも、不正の概念が一番最初に述べられております。例えば、アメリカ基準では、不正は幅広い法律上の概念であるため、監査人は不正が発生したかどうかの法律的な判定はしない。むしろ監査人の関心事は、不正による財務諸表の重要な虚偽表示をもたらす行為に関係するということを述べております。つまり、財務諸表監査における不正は法律的な判定をしないという事ですので、財務諸表監査における不正監査基準に不正に関する法律的な判定はしないというような文章を入れられる事を含められる事を検討されてたらいかがかなと思いました。

第2番目でございますが、13ページの4のところの4行目に記述されている事業上の合理性の表現方法です。財務諸表監査は、金額で評価される取引に対して監査を行いますので、事業上の合理性の表現は、こうした定量的に表現された内容を超える事象を不正監査基準の対象になると考える余地もあります。つまり、不正監査をより広範囲に考える可能性があります。こうした事を勘案すると、不正監査の場合にも、経済的実質合理性に疑問を抱かせる取引に焦点を当てることを基本とすべきであると思いました。

こうした考え方を基盤としますと、会計の考え方と監査の考え方が表裏一体となって、資本市場におけるインフラとしての規範性を持つ監査基準が、監査実務においてより実行可能性を持ってくると思いました。

第3番目ですが、5ページの4.(2)のパラグラフでついて、「本来、この職業的懐疑心の保持は、正当な注意義務の重要な要素であり」と記述されておりますが、正当な注意義務の重要な要素の1つが職業的懐疑心の保持と想定されて基準が作成されておられると見受けました。この表現は、監査を行う人たちが、正当な注意義務の要素の内容について、関心を持たれることになると考えられます。他国で採用している一般的な表現では、職業専門家としての正当な注意は、監査人に職業専門家として懐疑心を働かせることを要求していると記述されております。現行の案ですと、正当な注意義務の内容について、さらに詳細に記述する必要性、また、この重要な要素の「重要」と考えた論理及び「その他」の正当な注意義務の内容をもう少し明確にされたほうがよろしいかなと思いました。

最後、もう1点だけ述べさせていただきます。15ページの専門家の業務の利用ですが、監査人は、不正リスクの評価、監査手続の実施、監査証拠の評価となっておりますが、不正リスクの評価は、一般的に、監査計画の段階で行われると同時に、監査手続の実施段階でも行われますので、継続的かつ柔軟な監査の実施が必要になります。財務諸表監査では、計画、監査手続の実施、そして、その結果得られた監査結果を総合的に評価することが一般的だと思いますので、その3つの要素を総合的に勘案して、十分にして適切な監査証拠の入手となると理解しています。現在の案では、最後の段階での監査証拠の評価と記述されておりまので、不正リスク、監査手続、監査証拠が並行的な個別の事項と読まれる可能性もあり、監査証拠の評価は、監査のすべての過程を含めて収集したことに基づき、十分にして適切な監査証拠の評価が行われる状況を勘案できる表現のほうがわかりやすいと思いました。

以上でございます。

○脇田部会長

ありがとうございました。ただいまの点について課長からお願いします。

○栗田企業開示課長

まず1点目でございますが、不正について法律的な判断はしないんだということでございまして、そういうことを記載してはどうかというご意見でございました。ある意味当然のことではございますけれども、どこに織り込むといいのかというのは、ちょっとにわかに思いつきませんので、少し検討させていただければと存じます。

それから、2点目は、事業上の合理性がいいか、経済合理性がいいかということでございまして、これは先ほどご説明させていただきましたけれども、ここはいろいろなご意見があると思いますので、ほかの方のご意見もお伺いさせていただきたいと存じます。

それから、正当な注意義務の重要な要素の中身の明確化ということでございますけれども、どういうような書き方をすればうまく書けるのかということは検討させていただきたいと思います。

それから、最後のところ、15ページの「監査結果の評価」という言葉がいいのか、「監査証拠の評価」がいいのかということで、先ほどご説明させていただきましたように、監査結果の評価というと、監査意見の形成まで入ってくるように読めてしまわないかというご意見がありまして、さすがに監査意見の形成は、専門家を利用する局面ではなくて、職業的専門家としての監査人のお仕事であろうということで、修正したものでございます。

○脇田部会長

ただいまの五十嵐委員からのご指摘の中の、懐疑心が要素、重要な要素という表現は、確かにほかに要素があるのかという疑念を持たれると、どう反論といいますか、どう説明すべきなのか、検討させていただきたいとは思っております。

引き続きまして、どうぞご発言いただきたいと思います。伊豫田委員。

○伊豫田委員

不正リスク対応基準と中間監査及び四半期レビューとの関係についてお尋ねします。5ページの上から1行目、2行目の中で、「本基準は、年度監査のみではなく、年度監査の一環として行われるものと位置づけられている中間監査にも準用される」と書いてありますが、ご存じのように、中間監査は中間財務諸表の有用性に関する意見表明を目的とするもので、手続的には財務諸表監査に比べて簡素化されています。にもかかわらず、特定の状況下ではこの基準が適用されるということになると、逆に、通常の監査の場合に比べて厳しい手続が実施されるということになる可能性があるわけで、その点に違和感を感じます。むしろ、ここに書いてあるように、中間監査が年度監査の一環として行われるということ、あるいはレビューが年度監査と一体化して行われるということを考えれば、例えば、中間監査あるいは四半期レビューの実施中に、不正リスク対応基準が想定しているような状況や要因が識別された場合には、年度監査手続の中でこの基準を適用していくという考え方の方が自然な感じがするのですが、この点はいかがですか。

○脇田部会長

今、伊豫田委員からご発言ありましたけれども、どうぞ引き続いて、町田委員、どうぞ。

○町田委員

今の伊豫田先生のご発言について、私も同意する部分と、それからつけ足したい部分とがあります。

まず、付け足したい部分ですが、それは、先ほど後藤委員と栗田課長のやりとりの中で、ちょっと噛み合っていないところがあったと思うんです。後藤委員が読まれた四半期レビューの手続は、今、机上の資料に四半期レビューの基準が含まれていないものですから記憶の範囲で申し上げますが、「質問」の項ではなくて、その後に続く「追加的な手続」という項に、基準案の前文の5ページなお書き以下のところの内容があるわけですね。つまり、何か適正でない事項を見つけた場合には、追加的な手続をとりなさいと、四半期レビュー基準にも書かれている。ですから、ここのところを何か考慮するとかに変えるよりは、四半期レビュー基準の文言どおりなので、このままの方がいいんじゃないかなと私は思っております。

その上で、中間監査についても申し上げますと、私も中間監査についてのみ適用するというのはおかしいんじゃないかなと思っています。中間監査は、これは中間監査基準をおつくりになった脇田先生が部会長でいらっしゃるのに申し上げるのは甚だ恐縮なんですが、何か不思議なものができ上がっておりまして、年度監査と年度監査に結ばれてつり橋のようにぶら下がっている、年度監査があるからこそ成立する監査が中間監査だというような説明がされておりまして、先ほどのご説明の中では、合理的な保証業務だということでしたけれども、監査というのに、それをあまり声高に言うには、いささか気が引ける立てつけになっているかなと思っております。

そして、一番気になるのは、今般の不正リスク基準の中では、一つの柱として、証拠が見つからない限り、どんどんどんどん追加的な監査計画を修正していって、ひたすら証拠を集めるまで頑張るんだという規定になっているはずなんですけれども、それが、手続の省略さえ認めている中間監査の枠内でほんとうにできるんだろうかということも懸念の1つです。

さらももう一つ申し上げますと、中間監査も四半期レビューも、当然それぞれの保証水準は違いますけれども、年度監査を前提としていて、何かあったら、四半期レビューであれば追加的な手続、中間監査であっても、結論は出しますけれども、年度監査で見ているからある程度簡素化された手続というのであれば、両方変わらないんじゃないかと。

ですから、私が申し上げたいことは、中間監査に適用するんだったら、それは四半期レビューであっても、見つけたら年度監査のレベルに移行してやるべきだし、ここで中間監査のみをあえて取り上げて、準用というのはおかしいんじゃないかということを申し上げたいと思います。

それからもう1点だけ。発言させていただいたついでなので、もう1点、先ほど来議論のありました正当な注意について申し上げたいんですが、私は、法律的な責任云々という議論を監査基準に、前文であっても書き込むのはどうかなという気がちょっとしています。どういうことかといいますと、たしかに、最終的な法的責任は裁判でどうなるかわかりませんけれども、あくまでも我々監査理論の立場から申し上げるならば、正当な注意を行使していれば監査人はそれで監査を履行したということになるわけです。あとは、その正当な注意の水準というのは何なのかということは裁判で争ってもらえばいいわけであって、もしも正当な注意を果たしていても責任が問われるとなったら、一体どこまでやればいいのかわからなくなってしまうんですね。これは監査基準本体の一般基準に示されている正当な注意の規範にかかる問題なので、もしもそこに法的責任の注釈を持ち込む必要があるということであれば、監査基準の一般基準の正当な注意のところにさえ、「これは法律的な議論ではない」と書き込まなくてはならなくなって、これはちょっと、と思ってしまいます。

ですから、私は、監査人は、正当な注意を果たせば責任は問われない。これは法的責任であっても、行政処分であっても、自主規制の問題であってもそうだと思います。問題は、その正当な注意とは何かということは、それぞれのレベルで争ってもらえばいいのであって、ただしその議論というのは、一般には監査基準、一般に公正妥当と認められた監査の基準に準拠して監査を行えば、正当な注意を履行したというふうに整理されている。実際、我々はそのように授業で教えるわけです。したがって、正当な注意の問題は、監査理論的にはそのように整理されているということで、この前文の記述のままでよいのではないかと考えております。

○脇田部会長

ありがとうございました。後者の正当な注意については、お聞きしておくことにいたしまして、前者については、最初に私、中間監査基準設定のときの部会長だったということで、何も発言できなくなってしまいましたので、これは栗田課長から対応して下さい。

○栗田企業開示課長

中間監査に適用すべきかどうかということについては、いろいろなご意見があるかと思います。理屈の上では中間監査と四半期レビューでは位置づけが違うといいますか、今のお話にもありましたけれども、中間監査は年度監査と一緒で合理的保証業務であって、四半期レビューは限定的保証業務でございます。ただ、合理的保証と言うにはどうかというご意見が出されると、それもあるのかなとは思っておりますけれども、やはり今のところは、中間監査と四半期レビューでは位置づけも違いますし、実際の手続を見ても、四半期レビューでは、一定の場合に追加的な手続を求めているという程度にすぎないわけでございますけれども、中間監査では、発見リスクの水準を高くすることができないような場合には、実証的手続も実施することが求められているということで、中間監査と四半期レビューとではレベル感に違いがあるのかなと考えております。ただ、そこはいろいろご議論があるところでございますので、さらに意見をお伺いしていきたいと考えております。

○脇田部会長

引き続いてご意見伺いますけれども、一言、当時の中間監査をつくったときに、あくまでも監査の枠内で中間報告書についての監査を行うということで、ちょっと奇妙なと言われましたけれども、苦心の策でありまして、有用性とかいうのも、先に与えられた概念で、その枠内で監査手続をつくらなければならないというところで、皆さん方にいろいろとご批判を受けながらつくった。しかし、監査の枠の中でつくったということだけは、そのときの部会長としてつけ加えさせていただきます。

それでは、住田委員からどうぞ。

○住田委員

2点ほど、今お話があった点について、意見を述べさせていただきたいと思います。

まず1点目は、中間監査への準用の話です。中間監査は、立てつけとしましては、前文において、基本的に監査基準を準用するということが前提として書かれています。特に一般基準は中間監査でも当然準拠すべき規範であると書かれています。公認会計士協会としては、不正リスク対応基準が年度監査に適用される企業の中間監査においては、不正リスク対応基準が準用されることになるだろうと考えていました。それは監査基準と中間監査基準との関係からそういう関係になるものとまず考えていました。

それから、中間監査に準用されるであろうと考えていた2つ目の理由は、発見リスクを年度に比べて中間監査の場合は高くしてよいということにはなっていますが、先ほどの四半期レビューの追加手続の条件と似ていると言えば似ていますが、中間監査にかかる発見リスクの水準を年度の発見リスクよりも高くすることができないと判断した場合は、必要な実証手続をやらなければいけないと書かかれている点です。中間監査で、不正による重要な虚偽表示を示唆する状況があった場合は、年度の発見リスクよりも高くすることができない場合に、引っかかってくるのだろうと考えておりました。

また、中間監査の監査計画は、年度監査の計画の一環として計画するということが基準で書かれており、実務的な観点から申し上げましても、中間監査の計画というのは年度と別に立てるということではなくて、年度監査の計画を立てて、それを中間監査用に発見リスクをどこまで高くできるかを考えますので、準用しなくていいというふうに言っていただいたとしても、実務的にはリスク評価に関して実施することは変わらないのかなというのが実感でございます。

それから、当初のリスク評価に基づいて手続を実施して、十分かつ適切な監査証拠が一定の監査要点について入手できていないと思えば、リスク評価を見直して、手続のやり直しをするという、リスク・アプローチの根幹とでもいうべき循環が中間監査でも求められています。不正リスク対応基準を中間監査に準用すると、不正による重要な虚偽表示の疑義に該当する場合は、中間監査が終わらないのではないかというご意見もありましたが、それは中間監査に限らず、年度監査も終わらないということになってしまいます。今回の不正リスク対応基準では、監査人として十分納得できるまで監査手続を実施すべしというメッセージが込められていると考えておりましたので、そういう状況があれば、中間監査でも年度と同じ発見リスクのレベルに基づいて、手続をやらざるを得ないと思っていました。

したがって、協会としては、中間監査にも当然準用されるのだろうという前提のもとに準備を進めてきたので、もし準用しなくてよいということであれば、それは監査人の立場からすると、事後的に責任を追及される可能性という面から言えば、ありがたいことと受けとめればよいのかもしれません。ただ、実務的にはその意味をどう解釈していいのかよくわからないという戸惑いみたいな気持ちも正直持っております。これが中間監査に関する感想といいますか、意見でございます。

それから、2つ目の点は、経済的合理性と事業上の合理性についてです。経済的合理性のほうがかえって監査の目的に照らすと良いのではないかというような趣旨のご意見がありました。事業上の合理性というのは、ここでは、あくまでも特定の取引についてということで、会社が行っている行為全般について事業上の合理性があるかどうかということを監査人が評価するということを求めているわけではないと考えています。

特異な取引ですとか、通例でない取引、企業の通常の取引過程から外れた取引について、事業上の合理性を監査人に考えることを求める趣旨は、例えば表面的には一定の利益が出ていたとしても、その取引に会社がかかわる理由が本当にあるのだろうかということをしっかり考えなさいと。そう考えることによって不正の徴候を見つけることができるかもしれないというところに大きな意味があるのではないかと考えています。

循環取引もこれまで部会で話題になっておりましたが、この事業上の合理性というのは、循環取引を見抜くときのある意味でキーワードにもなってくるのではないかと考えております。表面的な経済合理性というだけではなくて、なぜその取引を会社がやらなければならないのか、この利幅で何故この取引をやらなければいけないのかということをしっかりと考えるべきというメッセージが「事業上の合理性」に込められていると理解しておりました。

以上です。

○脇田部会長

ありがとうございました。続きまして、荻原委員、どうぞ。

○荻原委員

現実問題、不正リスクというものに直面した場合は、私の経験から申し上げますと、すごいそれを暴いていくプロセスって怖いんですよね。やっぱりそれは妨害にも遭いますし、私なんかも、ホームの一番前に立たないようにしたりとか、すごい注意を要するわけですね。私、今回この文書を読んでいて、1つ欲しいなと思ったのは、根本的な思想が1つ抜けていて、不正リスクに直面した場合に、不正を許さない真実を求める強い気持ちを持って臨むという一文を入れていただけたら、会計士の先生方を支える勇気になるのではないかなと思いますので、ひとつお願いしたいなと思っております。

以上でございます。

○脇田部会長

ありがとうございました。続きまして、関根委員、どうぞ。

○関根委員

ありがとうございます。非常に高尚な話から少々実務的な話になり恐縮ですけれども、3点ほどございます。そのうち2点は、前半の部分で既に話が出ているもので、話の流れがまた戻ってしまい恐縮ですけれども、1つ目は、「抜き打ち監査」という言葉の問題です。こちらにつきまして、要らないのではないかという意見と、マスコミ等で取り上げられて定着しているのではないかという議論と両方があったかと思います。

先ほど来話が出ていましたように、ここで記載されている内容といいますのは、監査基準委員会報告書に記載されている、企業が想定しない要素の組み込みについて、基準レベルで記載すべき重要な手続として不正リスク対応基準で明記することとしたものであり、これは意義があることかと思っております。

ただ、抜き打ちの監査手続と書いてあるのは、やはり私としては少々気になります。と申しますのは、抜き打ちの監査手続の実施というのは、その前に記載の予告なしに往査することを意味するのではないか、これはコメント対応で書かれていますのでそのように理解はできます。予告なしに往査するということばは、一般的にはもしかしたらわかりづらいのかとも思いますけれども、今申しましたように、監査基準委員会報告書の中で明記されておりまして、監査人としては、これで理解はできていると思っています。結局これは、予告なしに往査する、いわゆる抜き打ちの監査手続とすると言いかえているにすぎないということですが、言いかえているにすぎないとほんとうに理解されるかどうか、いろいろな理解が出てくるのではないかということを気にしております。

と申しますのは、抜き打ちの監査というのは、過去に私どもの監査基準委員会報告書を公表したときにも、言葉としては出てきたということでございますけれども、今回の公開草案が公表された後、私自身、監査人や、監査人以外も含めて、この抜き打ちの監査手続というのは何をするのですかという質問を多く受けました。多分、イメージにあったのは、不正リスク対応ということについていろいろ議論が出ておりましたので、監査において査察や検査のような強制権のあるものが行われるのではないかともとらえられて、そのようなことが入るんですかというふうに聞かれました。この解釈は全くの誤解であり、公開草案からは文章も変わっていますので、このようには考えられないとおっしゃる方もいらっしゃるかと思いますけれども、私は、実際これは監査基準委員会報告書と同じですよということでずっと説明していますが、こういった誤解が起きないかということを懸念しております。

そういう意味で、先ほど、もう退席されてしまいましたけれども、林田委員が、誤解がないようであれば入れておいてよいのではないかということをおっしゃっていましたけれども、私のほうは誤解が生じることを気にしており、このことばはなくても、予告なしに往査するということも場合によっては行うということが十分に理解されるよう書き込まれているのではないかと思っております。

それから、2点目でございますけれども、これも先ほど出ておりました監査責任者の交代のことでございます。確かに、監査責任者が交代した場合もきちんと情報が伝達されていることは当たり前のことで、当たり前のことを書くのが基準だというのも理解はできます。ただ、基準ができますと、この基準をどう守るか、また、それに対してどのような形で指針をつくって、どのように対応していくかということを、監査人は非常に真摯に考えております。

そうした中で、コメントに対する考え方の47ページにございますように、何らかの証拠を残す必要はないとされると、では、これを実施したということをどういうふうに示すのかというのが監査人の間でも話題になっております。結局これは、既に監査基準委員会報告書や品質管理基準等の中で書かれている監査調書の記録や保存、監査チームの選任、そうしたことを一つ一つ守っていくことと二重規定になっているのではないか、そうであれば追加で規定することは必要ないのではないかと考えております。邪魔にならないのではという話もあるかもしれませんけれども、なぜここに書くかというのが、ほかの規定は、それぞれ一つ一つ意味があるのかとは思っておりますので、もし残すのであれば、その点の明記が必要ではないかなと思っております。

それから、最後に、これは、きょうは話が出ていなかったので、この場で少し確認をさせていただきたいということでございます。それは、不正による重要な虚偽の表示の疑義があると判断された場合の審査についてです。これも実務で非常によく聞かれることなので、確認をさせていただきたいというものです。

こちらは、コメントの概要の33ページ、あるいは46ページあたりにコメントに対する考え方が記載されておりまして、きちんと答えていただいているのですけれども、公開草案が公表されてから、私ども、実際に実務を担う者は、この基準をどうやって理解していくかということを議論して、意見交換をしております。その中で必ず出てくるのが、この審査の件で、これは具体的にどういうふうに行うのかということを聞かれていますので、あえて確認をさせていただきたいと思っています。

具体的には、当該疑義に対する十分かつ適切な経験者や資格を有する審査の担当者、会議体を含むとされていますけれども、を監査事務所として選任しなければならないとされているのですが、これは具体的に言うと、何かあったときには必ずほかの人を選ばなければいけないのかとか、人数が少ない事務所の場合にはどのように対応したらいいのかとか、会議体というのはどういうような位置づけになるのか、会議体と従来の審査員との関係はどうなるのか、といったことです。

また、監査事務所としての審査というのは、苦心して書かれた言葉だとは思うのですけれども、もともと監査事務所として審査をしているのだから、監査事務所としての審査というのは当たり前のことしか言っていないのではないか、特別なものではないのではないかという意見もありました。

ただ、ここでも書かれておりますように、私どもは、ここで言いたいことは、不正リスクを考えて、何か起こったときに、ほんとうにこれでいいのかというのをきちんと見直して、事務所として責任を持つための審査をきちんとするということであると理解しています。従って、やり方としては、従来から決まっていた審査員で、この方であれば十分できるということであればそれでよいし、そうでなければ、追加で選任するし、いやいや、そんなことも言っていられない、全員で一丸となって考えていかなきゃいけないという場合には、全員で一丸とやっていくのだと、そういったことではないかと思っておりまして、こういったことを確認させていただこうと思っております。既に書いていただいているところですけれども、確認として発言させていただきました。

以上でございます。

○脇田部会長

それでは、最後の審査についてのところについて。

○栗田企業開示課長

不正による重要な虚偽の表示の疑義があると判断された場合の審査ということで、今関根先生からもお話がありましたように、こういう疑義があるという場合については、極めて重要な局面になっているということですので、審査についても慎重にやっていただきたいという趣旨でございます。

でございますので、その監査事務所の審査担当者が既に十分な経験を持っておられる方であれば、当然その方がそのままやっていただいたほうがいいという考え方もできるわけでございます。ここのところはあえて別に新しい方を選任してくれという趣旨ではなくて、きちんとした方が対応されているのであれば、それでやっていただければいいということでございます。

○脇田部会長

引き続いてご発言ございますか。八田委員、どうぞ。

○八田委員

5ページの上の四半期レビューには適用しないということ、しかし中間監査は適用するということですが、これにつきましては、いわゆる学術的な議論と我が国のこれまでの所与の制度との間にかなりギャップがありますので、どうしても神学論争みたいになっちゃうんですね。私は、中間監査に準用するという考え方をもしも基本的に踏まえるならば、当然四半期レビューにも適用があってしかるべきだと思います。あるいは、そうじゃなくて、これは年度監査を基本とした基準であるが、中間監査レベル、あるいは四半期レビューレベルであっても、そのような不実開示のリスクが高いということが、簡単な手続であっても出てくる場合、それは当然虚偽表示は排除しなくてはならないという監査人の使命がありますから、それが年度監査レベルとか、何とかレベルと言っている話じゃなくて、必ずやらなくてはならないと思っています。

現実問題として、ちょっとデータですけれども、私の記憶によるならば、不正というのは、いつごろ企業経営者は考え始めるだろうかというときに、やはり四半期の早い段階、つまり第1四半期ないしは第2四半期ぐらいで芽が出てくるということです。そして、期中でカバーできるならば、年度末までにそれを修復してしまう。しかし、それができない場合に、やっと年度で出てくるんだというわけですから、やはり鉄は熱いうちに打てということで、四半期レビューにおいても適用することはあっていいと思います。

これが制度上の問題を考えると、実はいつも申し上げるんですけれども、中間監査は監査だということで位置づけています。これも実は学術的にはおかしな話であって、世界標準ではレビューなんですね。ただ、つくられた時期が昔なので、今、それは問いませんけども。

じゃあ、逆に四半期レビューは監査じゃないのかというと、財務諸表等の監査証明に関する内閣府令では、正式に四半期財務諸表等の監査と書いているわけです。だから我が国の場合は、実務対応上は監査なんですね。

したがって、中間監査と四半期レビューについては、同じ扱いにすべきではないかというのが、さっき町田委員もおっしゃっていましたけれども、本当にそれがいいかどうかはちょっとわかりませんけれども、私は、この基準はまず年度監査をベースにつくったけれども、そういったリスクが顕在化した場合には、中間監査及び四半期レビューにも当然に準用されてしかるべきだというような文章のほうがいいんじゃないかなと思います。

以上です。

○脇田部会長

ありがとうございました。よろしいですか。町田委員、どうぞ。

○町田委員

今の点ともう1点、併せて2つのことを申し上げたいと思います。1つは、このなお書き以下のところなんですね。つまり、どんな状況でも、不正を見つけたらとことん調べていくということになるのでしょう。例えば今、中間監査とおっしゃいますけれども、中間監査を適用しているのは、金融機関の個別の第2四半期だけなんですね。そこに準用しました、やりましたと言われても、それだったら、そこだけやりたいんだったら、金融検査をもっと厳しくやったほうがいいんじゃないかというぐらいの話であると思います。先ほどのご意見にもありましたけれども、たしかに中間監査は年度監査と一体となって計画を立てるんでしょうが、四半期も一体となって計画を立てているし、例えば日本の監査法人の中には、四半期レビューの段階でも年度の実証手続の一部をやっているというところもあるわけです。そうしますと、このなお書き以下のことは中間監査でもいえるわけで、中間であっても、もしも見つけたならば、すべからくゴーイングコンサーンと同じように、年度の手続に移行して、とことん追及すると。場合によっては、先ほど順番の話が出てきましたけれども、193条の3の話に行く場合さえあるわけです。ですから、この基準の適用の問題は、基本的に年度監査のほうに引きつけて、中間でも、それから四半期でも、もしも気づいたなら、そのときは年度監査に移行しますよという書きぶりでいいんじゃないかなと。私は、中間監査をあまり過大評価しちゃいけないんじゃないかな、と思っているというのが1点目です。

あと、もう1点申し上げたいんですけれども、先ほど五十嵐先生がおっしゃった点に私も同意するんですが、正当な注意と懐疑心の関係のところですけれども、国際監査基準でも、それから、これはもともとはアメリカの監査基準に上がっているわけですが、正当な注意との関係で職業的懐疑心というのは定義されていて、定義のことをとやかく言うなというお話かもしれませんが、基本的に国際監査基準でも、それから米国基準でも、職業的懐疑心というのは、クエスチョニングマインドとそれから批判的な見方をするという、2つの観点がセットとして言われているわけなので、ぜひそこの部分を取り入れて、正当な注意との関係も含めて、国際的な基準との平仄、あるいは整合性をとっていただきたいということをぜひお願いしたいということです。

○脇田部会長

ありがとうございました。それでは、吉見委員、どうぞ。

○吉見委員

ありがとうございます。先ほど来お話がありましたように、今回の不正リスク対応基準については、監査手続上、従前の監査の基準の範囲から大きく変わるということはないということは、ここでも共通に理解をされているところであろうかと思います。

しかしながら、一方で、それであれば、こういう形で新たに基準をなぜつくるのかということを、もともとのところから考えてみますと、これはやはり不正ないし不正リスクといったものに監査が対応することに対する期待が社会に大きくあることが大きな要因であろうと思っているわけであります。

そういう意味では、まさに不正と不正リスクを強調するということがこの基準の意義であります。今町田委員の言われた国際基準との平仄を合わせるということ、これは非常に大事なことであると思いますし、あるいは、もともとこの基準が従前の基準と、大きな手続上の変更がないということからしますと、重要な概念についてその平仄を合わせることも大事だと思うのですが、一方で、そもそも今回この基準をつくる意義という観点からしますと、不正ないし不正リスクに対する監査上の対応を、どこで一歩進めるのか、あるいは半歩でもいいんですが、進めていくということが重要なことではないかなと思っております。それは、この中できょう議論になっておりました抜き打ち監査でありますとか、あるいは、事業上の合理性でありますとか、そういったような用語等に対する考え方にもあらわれてくるのではないかと思っているところです。

そういう中では、先ほど住田委員には、事業上の合理性についての考え方を開陳していただきましたけれども、そのように、実際にどういう理解をしていくのかということがもし必要であれば、それは実務指針のほうで対応いただければいいのであって、ここで事業上の合理性についての概念をそろえるというよりも、例えば実務上それが監査の現場において対応できるということであれば、それは必要に応じて実務指針で対応されるということがよいのではないかなと考えているところであります。

以上です。

○脇田部会長

ありがとうございました。そろそろ終了の時間が、近づいているのではなくて、もう過ぎておりますけれども、コメント対応等につきまして、ご意見、ご質問いただきました。もうよろしゅうございましょうか。

それでは、「監査基準の改訂及び不正リスク対応基準の設定について」、及びコメントに対する考え方につきましては、いただいたご意見等を踏まえまして、部会長におきまして事務局と相談の上、所要の修正をさせていただきたいと考えております。次回の部会におきましては、その修正についてご確認いただきたいと考えております。

では、今後のスケジュール等につきまして、事務局から説明をさせていただきます。

○栗田企業開示課長

次回会合は、3月13日、水曜日、16時からを予定しておりますので、ご出席のほう、よろしくお願いしたいと存じます。

なお、次回の会合では、今部会長からお話がありました「監査基準の改訂及び不正リスク対応基準の設定について」の修正についてご確認をいただくほか、監査基準に関係すること以外で検討課題になっておりました事項の進捗状況につきましても、できるものについてご報告をさせていただきたいと存じます。よろしくお願いします。

○脇田部会長

それでは、本日の監査部会を終了いたします。お忙しいところ、お集まりいただきまして大変ありがとうございました。閉会いたします。

以上

お問い合わせ先

金融庁Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局企業開示課(内線3672、3656)

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