企業会計審議会第35回監査部会議事録

1.日時:平成25年6月24日(月曜日)13時30分~15時30分

2.場所:中央合同庁舎第7号館 13階 金融庁共用第一特別会議室

○脇田部会長

定刻になりましたので、これより第35回監査部会を開催いたします。皆様にはお忙しいところをご参集いただきまして、ありがとうございました。

まず、会議の公開についてお諮りいたしたいと思います。本日の監査部会も、企業会計審議会の議事規則にのっとりまして公開することにいたしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

○脇田部会長

ありがとうございました。ご了解いただきましたので、そのように取り扱わせていただきます。

それでは早速議事に入ります。前回の部会、3月13日におきまして、監査基準の改訂及び監査における不正リスク対応基準の設定に関する意見書(案)につきまして、監査部会としてご了承いただきました。その後、意見書(案)につきまして、3月26日に開催されました企業会計審議会総会におきまして承認いただき、本日も配付させていただいておりますけれども、同日付で意見書が公表されております。

本日は、議事次第にもございますように、最初に、監査における不正リスク対応基準に関連するその後の検討状況をご報告いただきたいと思います。

次に、意見書にも記載されておりますけれども、当審議会で引き続き検討を行うこととしております論点、循環取引等への対応、監査報告書の記載内容の見直し、特別目的の財務報告に対する監査の位置づけを監査基準上明確にするかどうかの3つのうち、本日は特別目的の財務報告に対する監査の位置づけにつきまして、ご審議いただきたいと存じます。

それでは、まず不正リスク対応基準に関連する検討の状況報告といたしまして、最初に不正リスク対応基準関連の内閣府令等につきまして、事務局から説明をお願いします。

○栗田企業開示課長

お手元に配付させていただいております資料1-2、不正リスク対応基準関連の内閣府令等という資料に基づいてご説明をさせていただきます。

表紙をめくっていただきまして1ページ目でございますが、財務諸表等の監査証明に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令ということで、この内閣府令は不正リスク対応基準の適用範囲、それから適用時期を定めるものでございまして、5月24日付で公布されております。

中身は意見書に書いてあるとおりでございますけれども、不正リスク対応基準の適用時期といたしましては、そこの1ページ目の2ポツの下のほうに書いてありますように、財務諸表及び連結財務諸表の監査については、平成26年3月31日以後終了する事業年度及び連結会計年度から適用し、中間財務諸表及び中間連結財務諸表の監査については、平成26年9月30日以後終了する中間会計期間及び中間連結会計期間から適用するということにさせていただいております。

それから、適用範囲となる企業につきましては、これも意見書にありますとおり、上場企業及び上場企業ではないけれども有価証券報告書を提出しなければならない会社のうち、資本金5億円未満または売上高10億円未満であり、かつ最終事業年度の貸借対照表の負債の額が200億円未満という会社は除くということにさせていただいております。

それからもう一点、ページが打ってなくて恐縮ですが、めくっていただきまして、企業内容等の開示に関する留意事項についてということで、開示ガイドラインの改正でございます。こちらのほうは6月11日から適用されてございます。中身につきましては、これも一度ご説明させていただいておりますけれども、有価証券報告書等の提出期限の延長承認の取り扱いを明記するものでございます。延長が認められるやむを得ない理由ということで、おおむね5つ挙げておりますけれども、今回の不正リスク対応基準の関連では特に3番目、4番目が重要になってまいります。3番目は過去に提出した有価証券報告書等のうちに重要な事項について虚偽の記載が発見され、過年度の財務諸表もしくは連結財務諸表の訂正が提出期限までに完了せず、または監査報告書を受領できない場合です。4番目は、監査法人等による監査により当該発行者の財務諸表または連結財務諸表に重要な虚偽の表示を生じる可能性のある誤謬または不正による重要な虚偽の表示の疑義が識別されるなど、当該監査法人等による追加的な監査手続が必要なため、提出期限までに監査報告書を受領できない場合ということでございます。こういう場合には延長の承認が認められるということで、あとは承認に必要な手続等が定められております。

私からは以上でございます。

○脇田部会長

ありがとうございました。

なお、ご質問等につきましては、後ほどまとめてお伺いしたいと思います。

続きまして、公認会計士協会の実務指針等の改訂状況につきまして、関根委員からご説明をお願いしたいと思います。

○関根委員

それでは、私のほうから資料2に沿いまして、日本公認会計士協会の対応について、概略を説明させていただきます。具体的には、資料2の表紙をめくっていただきまして、目次にある3点をご報告させていただきます。

1点目は実務指針の改正についてです。そして2点目は、法規委員会研究報告第14号「監査及び四半期レビュー契約書の作成例」の改正についてですけれども、こちらは、昨年11月の監査部会での議論を受けて改正を行ったものでございます。また3点目の経営研究調査会研究報告32号「企業価値評価ガイドライン」の改正につきましては、3月の監査部会で、このような改正を予定しているということを説明させていただきましたけれども、このたび公開草案を公表しておりますので具体的なところを少し追加で説明させていただきます。

それではおめくりいただきまして、まず、実務指針の改正でございます。こちらにつきましては、改正の基本方針等々は以前お話ししたかと思いますが、改正した報告書はこれだけございます。これらは、1月、2月そして3月の監査部会の時点ではまだでしたが、3月29日に公開草案を公表し、先週6月17日に改正版をまとめて公表しております。

公開草案から改正版への変更点につきましては、基本的には、皆様からいただいたご意見を踏まえて、文章がわかりづらいといった点の明確化のための加筆修正が主となっております。詳細につきましては、公表時の常務理事の前文にも記載し、私どものウエブサイトにアップしていますので、ご参照いただければと思います。今回は、こちらの中で、3月の監査部会の時点では公開草案が公表されていなかったため内容についての説明を省かせていただきました品質管理系のものにつきまして、若干説明させていただきます。

3ページ目をごらんいただきますでしょうか。こちらは基本的に不正リスク対応基準の「第三 不正リスクに対応した監査事務所の品質管理」に基づきまして、各項に対応する要求事項及び適用指針を新設しております。そしてそれ以外には、監査基準の一部改訂がなされている審査にかかわるところに対応する指針等をつくらせていただいております。なお、適用時期でございますけれども、こちらも基本的には、監査基準の改正及び不正リスク対応基準の設定に合わせた形としております。

具体的にもう少し記載したのが4ページ目でございます。こちら、項目だけ並べておりますけれども、不正リスク対応基準で品質管理に関して記載がある部分につきまして、今の品質管理基準委員会報告書では不正リスクということを際立たせては記載がありませんでしたので、それを踏まえた形のものを1つ1つ記載しております。これが10項目ございます。

そして5ページ目でございますけれども、こちらについてはもう少し具体的にご説明させていただきます。こちらは、監査基準の改正で、審査を受けないことができるということが明記され、そうしたことができるための他の方法については実務指針で具体的に定めるとなっておりますので、品質管理基準委員会報告書と監査基準委員会報告書220、監査基準委員会報告書220は監査を実施する業務の側から見た品質管理という意味で書かれていますけれども、そちらを改正しているというものです。その中で、審査を要しないとすることができる監査業務の範囲というのは、基本は各事務所で方針及び手続を定めるということですが、今回、具体的に挙げておりますのは、幼稚園のみを設置している知事所轄学校法人の監査又は任意監査のうち、財務諸表の社会的影響が小さく、かつ、監査報告の利用者が限定されている業務という形にさせていただいております。

ただし、こちらにも要件がございまして、一定の要件に該当する場合には審査の必要性を慎重に検討するようにということも書かせていただいています。一定の要件というのは、ここに挙げられているようなものを幾つか記載する形になっています。

なお、実際に審査を実施しない場合においても、意見が適切に形成されていることはやはり必要です。それを確認できる他の方法というのがあればというのが監査基準に書かれていることですから、そちらを具体的にどのようにするかということになりますけれども、これは、監査責任者が意見表明前に行い、文書化し自己点検をするということが基本となっております。

自己点検の具体的な方法は、品質管理基準委員会報告書等には具体的には書いておりませんけれども、これは書いていないというのは、基準委員会報告書のレベル感からであり、記載されているほかの内容と合わせた形で、さらにその下のレベルで指針としてつくっていくという予定です。現在、審査を実施しない監査業務について自己点検の状況をモニタリングする仕組み、これは指針だけではなくて具体的な仕組みを検討しています。幼稚園のみを設置している知事所轄学校法人の監査といってもかなりの数がありますので、そのあたりを検討しているところでございます。

以上が実務指針の改正についてです。

次に2番目の法規委員会研究報告についての説明に移らせていただきます。こちらについては、先ほど少しお話ししましたように、11月の監査部会で指摘を受けておりまして、それを踏まえて改正をしております。改正の目的としましては、不正リスク対応基準の設定の趣旨に鑑み、監査人は職業的懐疑心をもって監査を実施することが必要であり、特に不正による重要な虚偽表示を示唆する状況に臨むに際しては、従来以上に厳格な監査を行うよう求められており、そのような場合に必要な追加手続に伴う報酬への対応についても指摘を受けたところでございますので、監査契約書のひな型を改善することによって対応をしていったというものでございます。

こちら、資料の下半分にどういうふうに変更したかというのを箇条書きに書かせていただいていますが、その次のページ、少し小さな字になりますけれども、新旧比較して明示的に書かせていただいているページがありますので、こちらでごらんいただいたほうがわかりやすいかと思います。

まず、旧の契約書の作成例ですけれども、こちらにつきましては、監査及び四半期レビューの予定時間というふうに、予定とは書かれていますが、項目を分けて記載された報酬の額のところには特に予定ということが書かれていません。それから、こちらには四角囲みで書かせていただいていますけれども、監査約款という、契約書とは一緒にとじるものの別の場所に書かれているものとして、報酬の改定の申し出というのが書かれています。

このような形ですので、ともすれば、この予定時間と報酬とその改定の申し出の関係性がわかりづらかったのではないかということがございます。そうしたことから、右側の現行の契約書の作成例においては、予定というのを見積、その他若干細かい字句修正もありますけれども、見積時間数としまして、この見積時間数に基づき算出した報酬の額はこうであるというふうにさせていただいております。

そして、参考の旧約款に書かれている内容を契約書の本文のほうに移しまして、その他少し文章を書かせていただいています。具体的には、8(1)の報酬の額の2段落目のところにありますように、不正による重要な虚偽の表示を示唆する状況を識別した場合ということを、不正リスク対応基準に対応するものとして、今まであったものに加えて追加報酬が発生する理由の一つとして挙げさせていただきました。そして、少しつなぎの文章を入れ、それを受嘱者は委嘱者に遅滞なく通知し、当該原因となった事由、それによる受嘱者が実施すべき手続への影響等について説明するとした上で、このような場合には、必要となる業務実施者の経験や能力及び増加した執務時間数に基づき、報酬の改定について双方誠意をもって協議を行うものとするとしています。なお、約款のほうは本体に織り込んだため削除しております。このような形で改正をしております。

それから最後に企業価値評価ガイドラインの改正でございますけれども、こちらは3月にご説明したものと基本的な方向性は変わっておりませんが、具体的にどのような形になったのかということの説明でございます。

企業価値評価ガイドラインはその重要性に鑑み、5月に公開草案として公表させていただいております。そして7月に最終版を公表予定で、現在、まだ最終版は公表されておりません。ポイントとしては、8ページのマル1、次のページのマル2、そしてマル3とございますけれども、それらについて少し説明させていただきます。

マル1は企業価値評価業務の性格の明確化・周知が必要ではないかということで、ガイドラインには現在はこのような形のことは書かれていないですけれども、企業価値評価における算定業務の性格を明確にし、算定結果を批判的に検討する検討人が存在することを強く意識して業務を行う必要がある旨を記載しております。

それから2番目でございますけれども、次のページに行きまして、評価業務に際して提供される情報の有用性及び利用可能性の検討・分析ということでございます。こちらは11月の監査部会の資料において、基本的には、会社からの情報をそのまま利用できることになっているが、有用性の観点からの検討分析の結果、職業的専門家としての公認会計士が不適切と判断した場合には適切な対応をとることを明確にする必要はないかというご指摘を受けておりましたので、注意喚起を充実しております。

具体的には不正に利用されないよう留意し、紛争の予防または回避に配慮し、倫理規則を遵守する必要性や、また、場合によっては、業務を受嘱しない。あるいは業務委託契約の途中解約などの対応が必要である旨といったことを書いております。専門性とか全体観、慎重さ、批判性、総合性といったことの具体内容は省略させていただいておりますけれども、こういったことを書き込んだ公開草案となっております。

そして最後に、評価業務に際して提供された情報の有用性及び利用可能性の検討・分析でございます。こちらでは、企業価値評価における専門家としての判断が必要である旨を明確にしています。これは言いかえれば、無批判に使用せず、慎重さや批判性等を発揮して、検討・分析が必要であることを明記しております。

現在のガイドラインの真ん中の段落の最後のところ、ここが前回も議論になったところですけれども、「評価は・・真実性・正確性・網羅性を検証するための手続を別途行うことは稀である。」と記載されていました。この記載は、稀であるから全く無批判ではないかというような誤解も生じるということから、記載を変更しました。左側の公開草案のほうでごらんいただけますように、まず、「評価は、依頼人との一定の契約や双方の協議を前提に実施される。業務に際しては、業務委託契約にも記載することになるが、会社から入手する資料に関して、真実性・正確性・網羅性について原則として検証する義務を負うものではない。」としています。検証とか監査に近いような義務まで負うものではないが、実際には留意が必要だということを記載しています、この部分は少々長いので途中略しておりますが、「実務上は依頼人との協議の上で提供された情報が真実・正確・網羅的であることの前提に基づいて業務を遂行することになるのである。そういった場合であっても提供された情報については、上記のような留意が必要となる。」ということを言っております。

これは前のページの慎重さとか、場合によっては業務を受託しない、受嘱しないということとも関連して、全体として慎重な対応をしていくというようなことと説明とさせていただいております。

私のほうからは以上です。

○脇田部会長

ありがとうございました。

続きまして、証券取引所の上場制度の見直しにつきまして、本日は参考人として東京証券取引所上場部、安井上場部長、林統括課長にご出席をいただいておりますので、お2人からご説明をお願いいたします。

○安井参考人

では資料3に沿いましてご説明させていただきます。

東証では一昨年発覚いたしました虚偽記載の事案を契機といたしまして、上場制度において虚偽記載ですとか関連する諸問題にどのように対処すべきか、慎重に検討を行ってまいりました。それで、先週、お手元の資料にあるとおり、制度の見直し案を取りまとめ、対外公表を行ったところでございます。

見直し案に含まれている内容は全体として4点ございますが、詳細には立ち入らずに、資料の2ページ以降ですね、Ⅱの概要というところの記載された項目に沿って簡単にご紹介させていただければと思います。

まず1つ目が、虚偽記載または不適正意見等に起因する上場廃止基準の取扱いの明確化でございまして、従来、東証では上場会社が虚偽記載を行った場合や、監査人が不適正意見を表明した場合に、その影響の重大性に応じて上場廃止の要否を判断してまいりましたが、昨今の事案においてこの運用が不透明ではないかというご指摘がございました。そこで今回、見直しにより規定の趣旨を明確化し、上場廃止のリスクについて投資者その他の関係者の不安感を軽減したいと考えております。

おめくりいただきまして、2つ目が4ページになりますが、特設注意市場銘柄の見直しでございます。東証では将来の上場廃止の可能性を留保しつつ、問題のある上場会社に内部管理体制等の改善を求める手段として、特設注意市場銘柄の制度を平成19年から設けております。制度導入後の適用実績を踏まえ、(1)にございます指定対象の拡張や、(2)にございます改善期間の短縮などの制度の強化・改善を行う予定でございます。

おめくりいただきまして、3つ目が有価証券報告書または四半期報告書の提出遅延に係る上場廃止基準の見直しですが、この点につきましては前回の3月の監査部会におきまして言及いただいておりますので、別紙を用いて後ほどご説明させていただきたいと思います。

4点目が6ページになりますが、上場契約違約金の額の見直しというものでございまして、東証では重大な上場規則違反を行った上場会社に対するある種の罰金としまして、平成20年に上場契約違約金制度を設けております。こちらも、これまでの適用実績を踏まえ、実効性を高めるための見直しを行う予定でございます。

先ほど説明を飛ばしました有価証券報告書等の提出遅延に係る上場廃止基準の見直しについて、一番最後のページ、補足というところでご説明をさせていただきます。

まず図の上半分でございますが、東証では現在、有報等の法定開示書類につきまして、上場会社が所定の期限までに提出できない場合には、原則として1カ月間の猶予期間を置き、それでも提出ができなかった場合には上場廃止にするという規定を設けてございます。また、現行制度では期限に遅延する見込みが開示された場合には、該当の銘柄をその時点から監理銘柄(確認中)に指定して、上場廃止となるおそれがある旨を投資者に注意喚起しております。

一方、監査における不正リスク対応基準に係る検討が行われる中で、不正による重要な虚偽の表示を示唆する状況が識別され、追加的な監査手続が要求される場合に、法定提出期限から1カ月以内に手続を完了しなければクライアントである上場会社が廃止になってしまうということがあり、十分な手続、心証形成ができていない場合でも意見表明を迫られるリスクがあるという指摘をいただいたかと認識しております。

これに関して、先般、金融庁より企業内容等開示ガイドラインの改正が行われ、やむを得ない理由が存在する場合には、法定開示書類の提出期限の延長が柔軟に認められる方針が明らかにされておりますが、これを受けて東証でも法定開示書類の提出遅延に係る上場廃止基準の取扱いにつきまして所定の見直しを行うことといたしました。

資料の下半分が見直し後のイメージでございます。今後は、実務上、提出期限に間に合わない事情がある場合には、延長申請が行われるということがスタンダードになると想定してはございますが、引き続き延長申請が行われないケースや認められないケースが存在するとも考えられますので、こうしたケースにつきましては従前どおり、改正後の真ん中の段になりますが、1カ月間の改善期間を設けて上場廃止の判断を行うということとしております。

他方で、改正後のガイドラインのもとで、必要な改善期間を考慮して新たな提出期限が定められた場合には、東証の制度におきまして屋上屋を架す形で改善期間は設けず、ただ極めて事務的な要因によって提出できないケースを想定し、延長後の提出期限から8営業日の観察期間を設ける予定としております。

なお、投資者には監査済みの財務諸表が通常の時期までに開示されないことを周知する必要があるため、延長申請を行うこととした場合については、その適時開示を上場会社のほうに求めてまいるという予定をしております。

また提出期限の延長承認を得た場合ですが、延長後の期限までの間は通常のポストで取引を行います。その後、延長後の期限までに提出できなかった場合には監理銘柄に指定し、8営業日の観察期間が経過した時点で提出されなかった場合が上場廃止になると考えてございます。

改正の規定につきましては、本年の7月17日までの予定でパブリックコメント手続を現在実施しております。その後、金融庁の認可取得が要件となりますが、本年8月の実施を予定しているところでございます。

説明は以上でございます。

○脇田部会長

ありがとうございました。

それでは、ただいまの事務局、関根委員、東京証券取引所からのご説明につきましてご質問等がございましたらならば、順不同で伺ってまいりたいと存じます。いかがでございましょうか。どうぞご発言ください。

特によろしゅうございますか。

どうぞ、ご自由にご発言いただきたいと思いますが、よろしいですか。

それでは、以上でご質問等は締め切らせていただきますが、よろしゅうございますね。ありがとうございました。

安井参考人、林参考人におかれましてはご多忙のところご出席いただきまして、ありがとうございました。ご退席いただいて結構でございます。

では、特別目的の財務報告に対する監査の位置づけについて、ご審議をいただきたいと存じます。昨年11月16日に開催されました第31回当部会におきまして、この論点につきまして問題点等をご審議いただきました。その際、ご了承いただきました論点としましては、当時の資料を見ますとその論点でこうなっております。特別目的の財務報告に対する監査の位置づけを監査基準上、明確にする必要があるか。その検討を行う前提として、特別目的の財務報告についてどの程度のニーズがあるか等の調査を行う必要があるのではないかという論点をご了承いただいております。

つきましては、まず多様化する財務報告に対する監査ニーズに関しまして、関根委員、住田委員よりご説明をお願いいたします。続きまして、我が国の監査基準における監査の目的の規定にかかわる経緯や背景などにつきまして、町田委員よりご説明をいただきたいと思います。それでは関根委員、住田委員、お願いいたします。

○関根委員

ありがとうございます。それでは、まず私からお話しさせていただきます。

冒頭に脇田部会長からお話がありましたように、不正リスク対応基準の前文におきまして、こちらの特別目的の財務報告に対する監査の位置づけを監査基準上明確にするかどうかについては、引き続き検討を行うこととなっていました。そのほか検討を行うとして挙げられています監査報告書の記載内容の見直し及び循環取引等への対応につきましても、協会としてただいま検討しているところでございますけれども、まずは特別目的の財務報告に対する監査について説明させて頂くものです。監査基準上の取り扱いにつきましてはこれからご議論いただくところかと思いますけれども、私どもは実務家としましては、こういったニーズがあるということをまずはご説明させていただきまして、このニーズを国際監査基準ではこのような形で整理しているということを若干ご説明させていただきたいと思っております。

それでは具体的な内容につきましては、住田委員から説明させていただきます。

○脇田部会長

ではお願いいたします。

○住田委員

それでは資料4を使いまして、多様化する財務報告に対する監査ニーズについて説明させていただきます。

資料4、1枚おめくりいただきましてまずスライドの1番ですけれども、このスライドの上半分で監査の基本的な役割について図示させていただいております。監査は資金の提供が行われる場合に、資金の受領者は提供者に対して資金をどのように使用したかについて報告することが必要になってきますが、資金提供者の立場からすると、その報告が信頼できるかどうかということを受領者以外のほかの誰かにチェックしてもらいたいというニーズが生じます。

この図では、資金を受領した者が財務情報を作成して、資金の提供者はその財務情報を利用する者として表示していますけれども、この独立の第三者としてのチェック役を担うのが監査人ということになります。

このような財務情報に第三者として信頼性を付与する監査の機能は、監査対象の財務情報がどんなものであっても本質的に変わることはないと考えております。監査対象の財務情報は、想定される利用者のニーズを反映してさまざまな内容や様式で作成されるものと考えられます。この監査対象の財務情報ですが、作成目的の観点からは2つに分類して整理することができると考えております。

まず1つ目ですけれども、不特定多数の利用者のニーズに対応するために作成される汎用的な財務情報で、例えば日本では金商法で求められる財務諸表や、会社法で求められる計算書類がこれに該当すると考えられます。この一般目的の財務諸表は、広範囲の利用者が利用するために作成されるものですので、そのような利用に耐えられるように作成基準そのものはきちんと確立されて、誰でも知ることができるものである必要があります。つまり、誰もがつくれるということではなくて、権限が付与された、認知された基準設定主体により、広くニーズや意見を吸い上げるようなデュープロセスを経て、確立された枠組みである必要があります。

それに対して2つ目ですけれども、特定の利用者の個々のニーズに応じていわばテーラーメードで作成される財務情報で、これを特別目的の財務情報と呼んでいます。このような財務情報の作成基準は、もともと閉じられた世界で利用することを前提にしておりますので、認知された基準設定主体によって広範な意見を吸い上げてつくる必要は必ずしもなく、利用者の情報ニーズに合致しているかどうかということがキーポイントになってまいります。

このテーラーメードで作成される財務情報は、一般目的の完全な一組の財務諸表をベースにして、利用者のニーズに合わせてこれは要らない、これは要るというふうに変形させる。結果、変形した完全な一組の財務諸表であることもあれば、例えば収支計算書などの、単独といいますか単一の計算書のみを作成することを求めるケースもあります。あるいは、販管費のみ、売上高のみというような特定の財務情報についてだけの計算書類の作成を求めることもあり得ます。特定の利用者が必要とする財務情報の内容は実にさまざまで、簡単なものから複合的なものまでバリエーションはかなり広いと考えています。また、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準とは異なる作成基準を用いて、この特別目的の枠組みを設計することも可能ということになります。

日本においては、監査は証券取引法監査に始まって、商法特例法監査が加わったという経緯があります。この二大法定監査を中心に発達してきましたので、それ以外のいわばイレギュラーとも言えるような領域の監査については、これまで十分な整理を行ってきていないという状態にあります。日本公認会計士協会としては、このような領域の監査に対するニーズがあるにもかかわらず、十分理論的な整理ができていないという状況にあるため、何とかしたいと考えているところでございます。

では次のスライドに移ります。次のスライドでは特別目的の財務諸表、あるいは特定項目に係る財務情報の監査として、どういうニーズが現在認識されているかということについてお話ししたいと思います。

スライドの2番ですけれども、まず1つ目に書いてあるのは、震災等のときに多数の人から寄せられる義援金の使用状況を示した収支計算書の例です。多数の人の善意で拠出される義援金ですので、その収支計算書がきちんと作成されているかどうかについては、第三者のチェック、つまり、監査人による監査を実施してほしいというニーズが生じてまいります。

このような収支計算書は、義援金を扱う法人全体の財政状態や経営成績をあらわす年次の計算書類とは別に、任意でその都度作成する特別の計算書ですので、この作成基準があらかじめ何らかの認知された団体により確立されているというわけではありません。こういう場合、義援金拠出者の知りたいであろう情報ニーズに応えられるように、義援金を預かった者が作成方針を決定して、それに基づいて作成された収支計算書を監査人が監査するという仕組みが必要になってまいります。

2年前の大震災の際には、この特別目的の枠組みが十分整理されていませんでしたので、残念ながら日本基準による監査を実施することができなかったということがあります。

2つ目の例として掲げさせていただいているのは、年金基金に対する監査です。年金資産の消失事案が報道されておりましたけれども、日本では年金基金の作成する財務諸表に対して監査が求められていない、あるいは年金基金の投資先のファンドも監査を受けていないものが含まれているということが広く認識されるようになっております。年金基金の決算報告は、法令の目的に適合した貸借対照表や損益計算書を作成するため、法令等に記載のない資産あるいは負債の認識・測定についての包括的な会計規定が含まれておらず、財務諸表の作成基準が不完全な状態にあると言うことができます。

したがって、一般目的の財務諸表として監査を実施するためには、財務諸表の作成基準を確立していく必要があるわけですが、そういう基準を策定するには一定の時間が必要ということになってまいります。したがって緊急のニーズには対応できない。イギリスとかアメリカでは年金の監査というものが義務づけられているようですが、日本で今後そういう方向になるかどうかは今のところわかりませんけれども、個々の年金が任意で監査を受けようと考えた場合に、今の日本の監査基準で監査できるかどうかというのがちょっと曖昧になってしまっています。監査をできるようにするには、特別目的の財務諸表として位置づけて監査をする道を開いてはどうかと考えているところです。

3つ目は各種の補助金が支給される場合です。これは法令によるものが代表的な例になりますが、民間契約においても補助金という言い方が適切かどうかわかりませんが、他者を援助するためにお金を出すときに、その収支決算にかかわる監査が要請されるということがあります。この場合も確立された財務情報の作成基準が用意されていることは少ないと思いますので、それぞれの情報ニーズに即した情報を提供できるように、枠組みをその都度考えていく必要があります。

4つ目は、規摸の比較的小さな会社の作成する財務諸表に対する監査のニーズで、これは従来からかなり認識していたところであります。例えば、会社法監査を受けている会社が銀行やその他の取引先から、契約に基づいて、例えばキャッシュフロー計算書を任意で作成してくれないか。それについて監査人の監査報告をつけてくれないかという要請を受けることがあります。キャッシュフロー計算書は、現在、日本においては金商法の財規等で作成基準が規定されておりますので、まずキャッシュフロー計算書の作成基準を任意でつくる場合、ゼロから作成基準をつくるということではなくて、財規で求められている要件に従って任意でつくって、それに監査をしてもらうという建て付けをとるのが手っ取り早いということになります。

こういう場合、金商法や会社法の法定監査とは仕様が異なりますので、1枚の監査報告書で会社計算規則に基づくB/SやP/Lと、それから財規に基づいて作成されたキャッシュフロー計算書を完全な一組の財務諸表として監査意見を述べるには、この枠組みを特定利用者の情報ニーズに基づいてつくったという整理をしていく必要があります。あるいは、B/S、P/Lは会社法に基づく監査済みのものが既にあるので、キャッシュフロー計算書だけ任意で監査するという場合もあります。他にも、先ほどもちょっと触れましたけれども、契約書ベースで取引先に監査済みの売上高だけとか販管費だけの計算書の提出を求める場合の監査報告というようなケースもございます。

特別目的の財務報告の枠組みは、作成者がひとりよがりに自分の都合のいいように、作成基準をつくればいいというものではありません。それに基づいて作成される財務情報が利用者のニーズを満たしていないということになりますと、監査が成立しないということになりますので、監査人としては監査契約を締結する際に、作成の方針が利用者のニーズを本当に反映したものであるかどうかということ、これを受け入れ可能性と呼んでおりますけれども、受け入れ可能性を判断することが求められています。

次のスライドの3番に移りまして、今、お話しした内容ですけれども、現状の金商法とか会社法で定める確立された財務報告の枠組みに当てはまらないような財務情報に対する監査が、日本の監査基準において認められるかどうかについて、理論的な整理が未整備の段階にあると思います。したがって、そういう任意の監査要請に十分に応えられないという状況が生じております。

仮に日本の監査基準で、今、申し上げたような特別目的の財務報告に基づく財務諸表や財務諸表の一部を構成する特定項目の監査は認めていないという立場に立ったとすると、例えばさきのスライドでご説明したようなケースの監査は、国際監査基準では行うことができるため国際監査基準に基づく監査契約を締結する。あるいはそれ以外の方法としては、情報の利用者は特に要求していないけれども、金商法とか会社法の財務報告の枠組みに合わせて、必要のない財務情報もつくってもらった上で、日本の監査基準に基づく監査を行うという選択をするか。あるいは監査を諦めて、合意された手続のみを実施して、その結果を報告するにとどめるか。あるいは最悪の場合は、そういうことであるならば「結構です」と契約不成立ということになってしまうことも考えられます。

こういう監査ニーズに適宜、的確に対応できないということは経済活動の阻害要因になるおそれもあると協会としては考えているところであります。

また、協会の実務指針を作成する立場からいたしますと、財務報告の枠組みが確立されていない財務情報の監査に対応するには、個々の業務について各委員会で個別に実務指針を作成していく必要があり、機動性に乏しい、緊急対応できないという支障が生じています。それから、一般目的の完全な一組の財務諸表以外の財務情報の監査に共通する注意事項が、監査人側にも監査を利用する側にもなかなか浸透しないという弊害があると思っているところです。

続いて、スライドの4番、5番は、現在実施している業務の中で監査報告書の扱いが整理されていないものがありますので、その辺をちょっとご説明したいと思います。

まず、財産目録の扱いについて、2つほど例示させていただいております。財産目録は一般的には、一定時点で法人が所有する資産と負債を、帳簿記録からではなくて実施棚卸しによって数量と金額等を調べて一表にしたものと考えられますけれども、日本の商法では、1974年の改正で決算報告書としての作成は要求されないことになりました。学校法人会計においては、寄附行為等の認可申請時に財産目録を作成し、この財産目録だけを対象に監査が求められております。その場合の監査意見ですけれども、このスライドに記載しているとおり、何々に準拠して財産の状態を全ての重要な点において正しく示しているものと認めるという意見を表明しております。

同じ財産目録ですけれども、公益法人については、財産目録は財務諸表には含まれないと整理しておりまして、公益社団・財団法人の作成する財産目録に対する意見は、貸借対照表や損益計算書等の財務諸表に対する監査意見とは別に、財産目録は我が国において一般に公正妥当と認められる公益法人会計の基準に準拠しており、公益認定関係書類と整合して作成されているものと認めるという意見を述べております。

それから、続くこのスライドの3つ目に例示しておりますのは、農業信用基金協会の監査報告書の例でございます。これはご覧いただくとおわかりになるとおり、かつての商法特例法時代の監査報告の様式をそのまま踏襲しておりまして、ここに記載されているとおり、4つの個別意見、当時、適法意見と述べておりましたけれども、それを現在も表明しております。

それから、続くスライドの5番ですけれど、今度は金銭の分配にかかわる計算書とか剰余金処分案に対する意見のところになります。これは法令で、貸借対照表や損益計算書とともに金銭の分配に係る計算書等も監査対象に指定されている場合がありますが、監査意見としては、法令で財産及び損益の状況に対する意見を述べよということが求められているにとどまるため、監査対象には含まれていますが、意見のパラグラフにおいては、金銭の分配に係る計算書がどうであるということは特段言及していないという結果になっております。

こういう監査対象の部分と監査意見の部分を不整合と考えるかどうかというのは議論があるかもしれませんが、この不整合を解消するには、こういう計算書については、おそらく法令とか定款とか規約に準拠して作成されているかどうかということについて監査人の意見が求められているのではないかとも考えられますので、財務諸表とは別に、何か意見を述べるという方法もあってもいいのかなと考えているところです。

その次の投資事業有限責任組合の監査の例ですけれども、これは有責組合法によって、有責組合会計規則に準拠して財務諸表を作成するということが求められていますが、その場合、投資は、各組合の組合契約の定める評価基準に従って時価評価を行うこととされています。つまり時価評価の基準は組合契約ごとに定められているものであるため、監査報告書は組合契約で定められた投資の評価基準に準拠しているか否かについての意見が表明されるほうが適切だと考えられます。現在はここに記載しているとおり、法令で用いられている用語に基づいて、法律、会計規則及び組合契約に従い適正に作成されているものと認めるという文言で監査意見を表明しています。

それから最後の例ですけれども、ガスとか電気とか電気通信事業者という規制料金業種とでもいいましょうか、そういう業者に対しては金商法や会社法に基づく財務諸表とは別に、それぞれの業法によって部門別収支計算書等を監督官庁に提出するということが求められ、その際に監査人の報告書を添付するということも要求されております。

協会ではそれぞれ個別に実務指針を公表していますけれども、いわゆるそれぞれの事業者の財政状態や経営成績をあらわす一般目的の財務諸表ではない計算書ということになりますので、監査報告書という名称ではなくて検証報告書という名称を付して、実質的には監査意見と同じ意見を述べているという取り扱いになっております。

次のスライド6は、これまでお話ししたような例のまとめということになります。いろいろな過去の経緯から、現在の実務指針では監査報告についての取り扱いが必ずしも統一的に整理されていないというのが現状でございます。各業法に基づいて監査対象とされている文書、例えば先ほど見ていただいた剰余金処分案や金銭の分配にかかわる計算書、あるいは財産目録は、本来は法令、定款、規約等に準拠して作成されているか否かということがポイントではなかったかとも考えられます。

また、完全な一組の一般目的の財務諸表以外の財務情報の監査への対応は、業務ごとに各委員会で実務指針を作成して対応してきているので、どうもばらつきが生じていると。ここに何か統一的な共通の概念整理ができたら、もう少しすっきりするのではないかと考えております。

その結果、現在の監査意見の表現がいろいろ異なるということがどういう意味合いを持つのかということも、監査人の側も理論的に説明するのが難しく、利用者の側からしてもどういう相違があるのかということを必ずしもご理解いただけていないのではないか、誤解が生じている懸念もあるかと考えています。

次のスライド7は、これまでの話の総括です。多様化する財務報告に対する監査ニーズに適切に対応する必要があるということが、まず我々としては強く認識しているということでございます。繰り返しになりますけれども、企業の一般目的の完全な一組の財務諸表は、企業活動が複雑化してくるに伴って今後ますます内容も複雑化もしていくでしょうし、見積もりの要素も増大していくでしょうし、肥大化していく傾向にあると思います。したがってそういう汎用的な財務情報とは別に、さまざまな局面で財務情報に対する個別ニーズが発生してくると考えられます。その個別ニーズに基づく財務情報の監査をどうするかということを、今、考えて整理しておく必要があると考えます。

こういう多様な財務情報に対する監査ニーズというものをどう整理していくかということについては、国際監査基準では、適用される財務報告の枠組みの概念によって整理をしたらどうかということで、既にそういう道筋が立っておりますので、日本においてもそういうことを参考にしながら整理ができたらどうかと考えているところでございます。

スライドの8番以降は、今、申し上げた国際監査基準で、財務報告の枠組みをどういうふうに整理しているかということについて説明した部分でございます。簡単に、なるべくご紹介したいと思います。スライドの8番は、整理前、現在と書いておりますが、国際監査基準では、基準の設定主体であるIAASBでは2000年代の中ごろから監査報告書の記載内容を見直しをしております。ISAに基づく監査報告書の整合性を保つという観点から記載内容の見直しを行い、従前は一般目的の完全な一組の財務諸表の監査とそれ以外の特別な目的の監査というふうに二分しておりまして、後者の部分も含めて意見の様式はほとんど適正に表示しているかどうかという表現になっておりました。一部、契約条項を遵守している財務情報の場合は、準拠しているかどうかという意見を表明しているということもありましたけれども、ほとんどが適正に表示しているという文言の意見様式のみでございました。

それが今、現在のISAではどうなっているかというと、表の右列に書いてありますけれども、財務報告の枠組みは、一般目的の財務報告と特別目的の枠組みというふうに作成目的から分ける区分と、適正表示の枠組みと準拠性の枠組みという財務報告に求められる要求事項の相違からくる区分が示されています。この枠組みの2つの側面からの区分に監査対象が完全な一組の財務諸表か、あるいは部分情報かということを組み合わせて、それぞれに適した監査意見の表現をしてください、あるいは監査報告書で追加の何か注意喚起の文言を入れてくださいという整理がなされています。

このクラリティー版ISAに基づいて、各国の監査基準のコンバージェンスがほぼ完了しているという段階にあり、従来あった監査業務をこのISAに従った整理を今、各国で行っている状況と認識しております。

続くスライドの9番では、一般目的と特別目的の枠組みの相違は、一般目的は広範囲の利用者に共通する財務情報に対するニーズを満たすように策定された財務報告の枠組みということで、特別目的は特定の利用者の特定のニーズに合わせてつくる枠組みということになります。それぞれの作成目的から、デュープロセスの相違が生まれてきているということになります。

特別目的のほうは、汎用的に使うことを想定しない枠組みということになりますので、監査報告書上、その旨の注意喚起が必要ということになりますし、契約を受ける段階でも、本当にこれは監査に耐え得るような枠組みなのかどうかということを監査人は検討する必要があります。

続いてスライドの10番ですけれども、財務報告の枠組みの2つ目の切り口、つまり、財務報告の枠組みの要求事項の相違による分類で、これが適正表示の枠組みと準拠性の枠組みと呼んでいるものであります。違いは何かということですが、適正表示の枠組みというのは、枠組みの中で定められた事項の遵守に加えて、ここのスライドに書いてありますが、aかbかいずれかの規定がある枠組みを言うと定義されています。

aというのは適正表示を達成するために枠組みにおいて具体的に要求されている以上の開示を行うことが必要な場合は、追加の開示を行う旨の明示的あるいは黙示的な規定があるということ。あるいは、適正表示を達成するために財務報告の枠組みからの離脱が必要な場合、離脱しなければならないという規定が明示的にある。このいずれかがあれば、適正表示の枠組みと分類されています。

それに対して準拠性の枠組みというのは、枠組みで定められた事項を遵守することが求められているということであります。したがって、今、左のボックスに入っているような追加開示規程とか離脱規定がない枠組みを準拠性の枠組みと呼んでいます。

日本の一般に公正妥当と認められる企業会計の基準というのは金商法の財規で定義されていますが、aの追加開示の要求事項はありますが、bの離脱規定というものはありません。離脱規定というのは一般的にはちょっとわかりにくいかもしれませんので、ご参考までに、スライドの13番にIFRSのIASの第1号の部分を抜粋しております。IAS1号では、IFRSに基づいて作成される財務諸表は一般目的の財務諸表ですということを示し、それから15項に追加開示の規程、適正な表示を達成するために求められている以上の注記が必要だと思った場合は、注記しなければならないということが記載されています。また、19項は、IFRSに基づいて作成することによって、かえって誤解を生じるような場合、極めてまれとは書いてありますけれども、フレームワークに示されている財務諸表の目的に反するほどの誤解を招くと経営者が判断する場合は、このIFRSの要求事項から離脱しなければならないという規定が設けられています。

IFRSは、さっき見ていただいたa、b両方の要求事項を持った財務報告の枠組みということなので適正表示の枠組みと分類されています。日本の企業会計の基準は、追加開示の要求事項のみで適正表示を達成していると考えられます。

ISAでは、財務報告の枠組みの要求事項の相違による分類に基づいて、監査意見の文言を変えましょうということが言われております。適正表示の枠組みに分類される場合は、意見としては財務諸表が適用される財務報告の枠組みに準拠して、何々をというところは財政状態とか経営成績とかいう言葉が入りますが、何々を適正に表示しているものと認めるという意見になっています。それに対して準拠性の枠組みでは、財務諸表が適用される財務報告の枠組みに準拠して作成されているものと認めるという表現で整理されているということになります。

続くスライドの11番ですけれども、これは今まで申し上げたような適用される財務報告の枠組みの分類がどういう組み合わせになっているかということを要約したものです。この2つの側面からの枠組みの区分は、1対1の関係ということではなくて、一般目的と特別目的それぞれに適正表示、準拠性の組み合わせが理論的にはあり得るということになります。ただ、この太い線と点線で示しているように、それぞれの親和性という観点からいうと結びつきやすい関係というのがあると考えられます。

例えば、一般目的の枠組みの場合は広範囲の利用者のニーズの最大公約数的な要求事項が織り込まれてきますので、基準設定は実際の取引形態の発展を後追いして開発するというタイムラグが生じる可能性がありますので、要求事項のみを遵守していたとしても常に適正表示が達成できるとは限りませんので、追加開示の要求事項等を置くことがいわば必然となってくるとも言えるかと思います。ということで、結果として一般目的と適正表示の親和性は高いのではないかと考えらます。

一方、特別目的の場合は、特定の利用者の特定ニーズに即してつくる枠組みですので、一般目的に比べて機動性が高い、その分、追加開示のバスケット条項を設けておく必要もない。結果、何か財務情報が欲しいのであれば要求事項として枠組みに織り込んでいけばいいということになりますので、準拠性の枠組みと親和性が高いということになろうかと思います。

それから、完全な一組の財務諸表と部分情報ということですけれども、完全な一組の財務諸表は企業の財政状態や経営成績など財務的な全体像をあらわすということを意図して策定していることが多いため、追加開示の条項を付して適正表示となるということが多いのに対して、財務諸表の一部を構成する財務情報は、もともと部分的な情報のみが必要ということから生まれてきているものですので、追加開示の条項を付さない準拠性の枠組みとしてつくられることが多いと考えられます。このような枠組みの整理に応じて監査意見の表明の仕方、用語、文言が変わると考えていただければいいのではないかと思います。

最後、まとめになりますが、スライドの12番で、こういう枠組みの整理が監査プロセスや保証水準にどう影響しているかということについてまとめたものです。協会としては、この財務報告の枠組みによってリスクアプローチに基づく監査手法は何ら影響を受けないと考えています。監査対象の財務情報に重要な虚偽表示が行われているリスクを評価して、その評価したリスクに対応して手続を立案・実施して、入手した証拠を評価して意見を形成するという、この監査の基本的なプロセスは枠組みによって変わることはないと考えています。

またこの枠組みの違いによるということが保証水準にどう影響するかということですけれども、もともと監査という合理的保証を提供する業務としての話でありますので、合理的な保証水準そのものも枠組みの相違によって変わることはないと考えています。

このスライドの真ん中ぐらいに矢印が5つほど切ってありますけれども、これは監査の基本的なフェーズを図示したものです。枠組みの分類が監査プロセスにどういう影響を与えるかというと、基本は変わらないけれども、特別目的の場合は、監査契約の締結時に、枠組みが監査可能な受け入れ可能であるかどうかということを判断することが求められるということ。それから最後の監査報告書を作成する段階で、この財務報告は、財務諸表は特定利用者の特定ニーズのために作成したものであるため、汎用的なほかのニーズには合致しないかもしれないという注意喚起をする必要があるということ。あるいは一般に公正妥当と認められる企業会計の基準と違う作成基準を用いることもあり得ますので、そういう場合は誤認されないように利用制限、配付制限等を付すことも必要になるかもしれませんので、その辺の注意事項を注意喚起をしていく必要があろうかと思います。

それから、準拠性と適正意見の場合に何が違うかということですが、これも枠組みで、準拠性の場合は適正表示を達成するために追加開示が必要なのかどうかということはもともと求められていませんので、そこは検討しなくてよいという相違が生まれます。ただ準拠性の場合も、枠組みに準拠しているかどうかということは、取引の実態等に基づいて判断することが必要になりますし、どんな場合でも監査人はただこの財務報告の枠組みに準拠さえしていれば無限定意見を述べていいかというと、必ずしもそうではない。注書きを下に書かせていただいておりますけれども、倫理規則上、誤解を招く情報に公認会計士は関与してはならないという規定を置いておりますので、財務報告の枠組みに準拠してはいるものの、財務諸表の利用者の誤解を招くと監査人が判断する場合は、準拠性の枠組みであったとしても、経営者と協議してその改善を図るということが求められています。

以上、ちょっと長くなりましたけれども、多様な財務報告の監査ニーズと監査報告書における取り扱いの明確化の必要性、それから国際監査基準で行われている整理について説明させていただきました。以上です。

○脇田部会長

ありがとうございました。

それでは引き続きまして、町田委員にお願いしたいと思います。

○町田委員

青山学院大学の町田です。宜しくお願い致します。

ただいま日本公認会計士協会から、特別目的の財務報告に対する監査のニーズとその枠組みについてご説明があったところですが、その後になぜ監査基準における監査の目的の話が出てくるんだと思われるかもしれません。その点について最初に申し上げておきたいと思います。本日の資料13ページを最初にご覧いただけますでしょうか。

これが、釈迦に説法ですけれども、現在の監査基準の一番最初に出てくる「監査の目的」という基準です。この監査の目的の基準では、全て読みませんけれども下線を引いているところをご覧いただくと、「すべての重要な点において適正に表示しているかどうかについて、監査人が自ら入手した監査証拠に基づいて判断した結果を意見として表明することにある」とされています。

この「監査の目的」の基準は、今から10年ほど前、2002年の監査基準の改訂のときに日本で導入されました。それ以前は、1950年の監査基準の前文では「制度監査」という表現で若干、監査の目的に類する記述があったんですけれども、いわゆる監査の目的という形で明示されたのはそのときが初めてでした。この規定は、経営者が財務諸表を作成する責任を有し、監査人は監査の意見を表明する責任を負うという二重責任の原則や、あるいは第2段落目のところにあるように、不正に関して監査人は一定の責任を負っているのだということを明示するために導入されたと言われています。

次のページ、14ページをご覧いただけますでしょうか。そのときの監査基準の改訂の前文にこのような記載があります。下線のところ、1つ目のところですが、「改訂基準における監査の目的が示す枠組み及びこれから引き出されたそれぞれの基準は、証券取引法に基づく監査のみならず、株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律に基づく監査など、財務諸表の種類や意見として表明すべき事項を異にする監査も含め、公認会計士監査のすべてに共通するものである。」

当時はまだ会社法がありませんで、商法特例法の下で会計監査人による外部監査が行われていたわけですが、その商法特例法の監査の場合、当時は適正に表示しているという意見表明は行われておりませんでした。どんなふうに意見表明されていたかといいますと、16ページですが、例えば(1)のところ、「貸借対照表及び損益計算書は、法令及び定款に従い会社の財産及び損益の状態を正しく示しているものと認める。」と。こういった意見表明が行われていたわけです。

したがって、このことを想定して商法特例法ではこういう意見表明をしているので、14ページの先ほどの箇所に戻りますが、監査基準では、監査の目的として適正に表示しているかどうかに関する意見表明を目的とするけれども、これは、財務諸表の種類や意見として表明すべき事項を異にする場合も含めて、公認会計士の監査の全てに共通する考え方であると。つまり法令が変われば状況が変わりますよ、ということを説明しているわけです。

そして、資料の最初に戻っていただきたいわけですが、3ページをご覧ください。マル1のところです。商法特例法監査を前提にして、今、申し上げたような2002年改訂の監査基準の前文の説明があったわけですが、実はその後、会社法が制定されまして、会社計算規則の中で、会社法の下での会計監査人の意見表明も、今は、「適正に表示されている」という言い方に変わってしまっています。会社法の文言については17ページに載っていますけれども、「財産及び損益の状況をすべての重要な点において適正に表示しているものと認める」と。つまり、企業会計審議会の公表する監査基準において、「監査の目的」基準ができたことを受けて、会社法の側でも適正表示という言い方に揃えてしまったということになるかと思います。

このように、当時2002年の監査基準の前文というのは、商法特例法の下での会計監査人監査を想定していたわけですが、今や会社法が適正性意見の表明に足並みを揃えてしまっていますので、当時の前文の意味というのは薄れているかなと思います。そうすると、この「監査の目的」の基準の下で、本日、公認会計士協会からお話のあった準拠性意見というのは一体どういう位置づけになるのだろうか、と。2002年のときに前文で想定していたのはあくまで商法特例法の問題ですので、今の段階になって、そこを使って準拠性も使えるよと読んでしまうというのは、後付けの解釈でいささか乱暴かなとも思えますので、現時点では、何らかの形で整理が必要なのではないかと思うわけです。

4ページをご覧ください。同じく2002年の監査基準の前文に基づいて適正性の要件、適正意見が表明される要件というものを整理したのがこの4ページ目のスライドです。会計基準に従っているかどうか、また表示の規則に従っているかどうかというのは当然なんですが、その2番目のところにありますように、会計方針の選択及び適用方法が会計事象や取引を適切に反映するものであるかどうか、さらには、会計事象や取引について適用すべき会計基準が明確でない場合には、経営者が採用した会計方針が当該会計事象や取引の実態を適切に反映するものであるかどうかについて、監査人が自己の判断で評価することが求められています。この自己の判断で評価という部分を「実質的判断」と2002年の監査基準では言っています。

ですから、こういった実質的判断も含めて、適正意見が定義されている以上、準拠性意見の表明を監査証明業務とする場合には、もう少し検討すべきことが残っているのではないかということで、私に監査の目的の経緯と準拠性意見について報告せよとの指名がありました。実は、本日の審議会のメンバーの先生方の中で、私も含めて2002年の監査基準の改訂に関わっていたのは部会長の脇田先生だけですので、部会長の脇田先生に報告をさせるわけにはいかないからということで私に依頼が来た次第です。

5ページをごらんください。かぎ括弧をつけている「監査基準」の意味は、この企業会計審議会が公表している監査基準という意味です。まず1点目として、この「監査基準」は、ご存じのとおり金融商品取引法以下、監査証明府令等々を経て、法的な根拠を与えられている金融商品取引法監査の規範です。金商法以下の法的権限の流れについては、詳しくはスライドの17ページ、18ページをごらんいただきたいと思います。

ところが、実は先ほど申し上げた商法特例法のときも、また現行の会社法に関しても、会計監査人の監査にはよって立つ監査基準というのは特段ありません。この企業会計審議会が出している「監査基準」、そして「監査基準」と一体のものとして、わが国の監査の規範を形成する日本公認会計士協会の実務指針に依拠して監査が行われています。さらに、会社法以外の法律のほとんどは、会社法の規定に乗っかる形でいろいろな規定を作っているといえます。したがって、5ページの第2点目ですが、会社法を含め、各種の法律の下で実施される種々の監査に関しては、この企業会計審議会の「監査基準」が大もとの基準であり、非常に汎用性を持った監査の基準として位置づけられているということは言えます。

また、第3点目は、今、申し上げた日本公認会計士協会の実務指針、例えば監査基準委員会報告書ですけれども、それらを監査の基準、わが国における監査の規範として位置づけているのも、実は「監査基準」の規定です。企業会計審議会の監査基準が権限を付与することによって、「監査基準」と一緒になってわが国の監査の規範を形成するものとして位置づけられているのです。ですから、そういう意味では、「監査基準」で原則的なことを規定して、それを受けて具体的な実務の指針を公認会計士協会の監査基準委員会報告書が規定しているということになります。

そして、最後に、これは私が大学の教員であるという立場から申し上げますが、「監査基準」は、教育とかあるいは公認会計士試験等々の試験でも問われるような、会計プロフェッショナンとなるためにあるいは監査を理解するために勉強しておくべき内容、そういったものを備えた教育・啓発上の基本基準という位置づけも持っているかと思います。つまり、社会一般に対して、監査とはこういうものだということの理解を得るための基準という位置づけがあるかと思います。

そのような意味で、特別目的の財務報告に関する監査ということで、準拠性意見を表明することにニーズがあるんだということで、単に、ではやってもらいましょう、という話にはなかなかいかない部分もあるということで、話を続けさせていただきます。

6ページ目以下をごらんください。6ページ目以下では、適正性意見と準拠性意見のことについて話をさせていただきます。それに先立って、これ以下の前提となる点を申し上げておきたいのですが、7ページをご覧ください。まず今、公認会計士協会の方からのお話にありましたように、経営者からは特別目的の財務報告等に関して、その信頼性を保証してほしいというニーズがあるんだというお話でした。

本来ここでは、一体いかなる水準の保証を行うべきかとか、いかなる内容の保証をするかという議論が本当は必要になります。そして実際に各国では異なる対応がとられています。例えば、一番最後の24ページのところに少し書いておきましたが、アメリカでは準拠性意見の表明ということは行っておりません。またイギリスでは、業種別の会計監査ということで全て対応している。イギリスとかアメリカはそれぞれに歴史的な経緯、あるいはずっと積み上げてきた実務、経験というものがあるんだと思います。ただし、それ以外の国では国際監査基準を受け入れて準拠性意見の表明というのを国内化しているということになるかと思います。

再び7ページですが、したがって、国際監査基準で特別目的の財務報告、あるいは準拠性意見ということが監査業務として位置づけられていること、そして我が国では財務諸表監査を担当している公認会計士や監査法人といったものが、この特別目的の財務報告に対する保証のニーズに直面していて、特に監査をしてほしい、監査意見を表明してほしいということが期待されていること、さらに、法律の枠組みとしても、公認会計士法の中に規定されている監査証明業務として実施されることを前提としてこの審議会での議論が持たれているということがありますので、以下では、公認会計士または監査法人が監査証明業務としてこの特別目的の財務報告に対する意見を表明する場合について、現行の監査基準の枠組みと、特に準拠性意見というものの関係について少し述べさせていただきたいと思います。

8ページをご覧ください。本日から、監査部会で審議が始まるということなんですけれども、実はもうすでに、この準拠性意見の枠組みというのが公認会計士協会の実務指針に記載されているのです。というのは、監査基準委員会報告書の200、さらには700においても、準拠性意見の表明ということが示されていまして、それに基づいて、例えば労働組合法の監査では、意見表明の文例としてその下にありますように、「計算書類が、すべての重要な点において、労働組合会計基準に準拠して作成されているものと認める」という形で、すでに準拠性意見の規定が始まってしまっています。これは厳密に言いますと、先ほどからの議論の文脈で言いますと、「監査基準」の「監査の目的」の基準からちょっとはみ出ているように思われるわけです。したがって、そこら辺を整理しなければいけないのではないかということになります。

なお、適正性意見と準拠性意見の比較のために、9ページの表を用意しておきました。先ほど公認会計士協会からの説明がありましたので基本的なところは省略しますが、2点だけ申し上げますと、一つは、右側の列の三角になっているところ。つまり実質的判断というところですが、単に会計基準や規則を当てはめればいいというのを形式的判断、そうではなくて企業の実態を見なければいけないというのを実質的判断というのであればここは○になるのだと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、2002年改訂の監査基準の前文では、実質的判断というのは会計基準が不十分な場合には監査人自らが判断するということになりますので、その意味では×といえる部分もあるかなということで△にしてあります。

また、2点目としては、左上のところに、「通常、対象となる財務諸表等」と書きました。先ほどの公認会計士協会の説明では、適正意見と特別目的、あるいは準拠性意見と一般目的という結びつきもあるというお話だったわけですが、一般的な、あるいは、通常の形として、一般目的の財務諸表については適正意見、特別目的の財務諸表については準拠性意見が親和性が高いということで、一応「通常」という言葉を補っているところです。

最後に、10ページ、11ページをご覧いただきたいのですが、これは、論点整理というか、準拠性意見の枠組みを導入する場合には、このような点を明らかにした上でスタートを切らなくてはいけないのではないかということで、疑問点というわけではなくて、明らかにすべき点という意味で挙げてあるものです。特に、私がここで、これらについて何か主張や意見を申し上げようというわけではありません。

まずマル1ですが、準拠性意見については、その「対象」が問題です。特別目的の財務報告というものについて明確に定義をする必要があるだろうということ。そしてその中で準拠性意見が表明される場合、その要件としては追加的な開示が求められないということであるとのことでしたので、では会計基準以上の開示が求められる場合以外の場合というのはどういう場合なのかということを整理しておく必要があるだろう、と。また、特別目的の財務報告に対する監査というテーマで説明が行われてきていますが、また監査証明業務の対象となるのは、法令上は財務情報なわけですけれども、財務報告以外にも、準拠性意見の表明、たとえば、法令、定款あるいは規則に従っているという意味での準拠性意見表明の可能性というのはあるわけで、それについても検討すべきではないか、とも考えられます。

次に、マル2ですけれども、これは「業務」の問題です。つまり、公認会計士または監査法人が業務をするとして、その業務内容ですが、先ほど申し上げた実質的判断というのをどこまで行うのかということです。単に形式的に法規、規則に従っていればいいというだけではないにしても、現行の監査基準における実質的判断、つまり、会計基準が不十分な場合には、監査人がそれを自主的に判断して意見を表明しなさい、という規定はどういうふうに適用するのかということを考える必要があるかと思います。

また、そもそもですけれども、日本には離脱規定はないわけですから、例えばアメリカのように全て適正意見で通すということはできないのか、ということについても回答を備えておく必要があるかもしれません。

そして、これが一番大事な点かもしれませんが、マル3の「利用者」がきちんと理解できるのかどうかという点です。つまり監査業務を提供してほしいという経営者等のニーズはあるのはわかるのですが、財務報告を受け取る側、監査報告書を読む側が、準拠性意見というまだ国際監査基準においても歴史の浅いものについて、十分に適正意見と準拠性意見の相違を理解して、あるいは理解可能な形で基準の中に取り入れることができるのだろうかということ。

そしてマル4の「準拠性意見の枠組み」のところですが、特別目的の財務報告の話で、国際監査基準の話がありましたが、国際監査基準の800というのは特別目的の財務報告を対象としているわけですが、805というのがありまして、こちらは個別の財務表とかその構成要素を対象としているのですが、現行の日本の監査基準はそういったパーツの部分を対象にするということが考えられるのかということ。そもそも現行監査基準は一般目的の財務報告だけのための監査基準としてつくられているのであるから、そうした枠組みは馴染まないという考え方もできるかもしれません。

また最後のところの会社法の財務報告ですが、これは今日の議論から少し脇にそれますので話としては外しましたけれども、18ページに少し書いておいたものです。当時、会社計算規則が適正意見にそろえられたときに、監査研究者の間では、会社法が適正意見というのはちょっと違和感があると。もしくは、例えば、会計監査人から不適正意見が表明されたときに、株主総会の決議でそれを覆すことができるというのは、そもそも「適正」の概念と整合するのかどうかといったことも含めて、いろいろ議論があったところです。したがって、そういった会社法の財務報告についても、仮に「監査基準」に準拠性意見の枠組みが導入されたときには、会社法における会計監査人監査の意見表明についても、改めて検討していただいて、例えば、一般目的の財務報告だけれども準拠性意見の表明の一つの形態として位置づけることも必要ではないかな、と。

以上のような点が、準拠性意見の枠組みの導入を考える上で、予め検討すべき論点として考えられるように思われます。

以上、簡単ではありますけれども、私から監査の目的と準拠性意見の位置づけについて報告させていただきました。

○脇田部会長

ありがとうございました。それでは関根委員、住田委員、町田委員のご説明に基づきまして、皆様からご質問、ご意見を伺ってまいりたいと思います。どなたからでも結構でございますから、どうぞご質問、ご意見等をお述べいただきたいと思います。いかがでございましょうか。水口委員、どうぞ。

○水口委員

ありがとうございます。いろいろご説明いただき、いろいろなニーズがあるということを認識させていただきました。また、の町田委員からのご説明で、監査基準にどのような形で基準が規定されているかということも理解させていただきました。

監査基準で現在では適正意見の位置づけということにはそれなりに明確な記述がある中で、準拠性意見についての記述というものが特段まだ整理されていないと今の説明で理解しておりまして、何らかの対応する余地もあるとの考え方もあると思います。

また、質問ですが、年金のところでAIJの話などがありますが、実務はどのように行われているのかというのは興味があるところであります。公認会計士協会さんからのご説明の中では、年金基金に対する監査について、資産・負債の認定や測定についての会計規定がないなどといったことをご指摘していただいているところでありますが、現状、我が国においてどのような対応がされているのか。それからアメリカにおいては適正表明の枠組みで全てが対応されているとご説明がありましたが、アメリカにおいては例えばこうした年金、ファンド等への対応というのはどのような対応がされているのか、実態についてご存じの範囲で教えていただければと思います。以上です。

○脇田部会長

2点ございましたけれども、泉本委員、お願いいたします。

○泉本委員

年金基金のほうですけれども、今年の3月30日に、日本公認会計士協会は業種別委員会報告研究報告第10号というのをつくりました。これは今、議論していただいている特別目的という枠組みが現状にはまだないので、なくてもニーズはあるだろうということで、年金基金を監査するのだったらこういう手続が必要だろうということで作成しました。先ほど、住田委員のほうから、特別目的の場合には監査受入可能性をまず評価したり、監査報告書上において誤解を招くようなことがないように注意喚起をするとか、利用者が限定されているので利用や配付制限を記載するとかという説明がありましたが、そういうことを注意した上での年金基金の監査の枠組みということで研究報告いたしました。

その中で、私たちが年金資産の監査手続を調べていくとか、基金へのヒアリングも行ったわけですけれども、そもそもの現行の年金基金というのは、年金基金が将来に亘って長く年金を給付できるという枠組みに基づいていますので、厚生年金保険法や確定給付企業年金法に基づき作成される決算報告書は、評価基準そのものは財政運営基準や決算事務取扱基準などそういう法令等の枠組みはいろいろございます。ただその中で、この財政運営基準の中ですと、少し古い平成8年のものが残っていまして、例えば公開していない株式に投資した場合には、必ずしも時価で評価するとか減損の処理をするとかということになっていません。そうは言いながら、平成16年の厚生労働省年金局長通知では、日本公認会計士協会の「金融商品会計に関する実務指針に準拠することができる」という通達もございます。

ということで、例えばAIJが投資運用していたような未公開の株式を、全ての年金基金が簿価のままであるということを言っているわけではありませんが、そういう評価のものも入っている可能性もあるが、財務諸表には注記がなくよくわからない状態になっています。ただし、たとえ未公開株であっても、年金基金は20年、30年の単位で運用し年金を給付していけばよいので、いつか公開してくれればよいわけです。そういう枠組みであれば、そのような枠組みであることを財務諸表にしっかり書いていただきたいというのが、今回、日本公認会計士協会でつくった研究報告で、例えば未公開株についてはどういう基準で評価をしていますということを、時価が大幅に下落していても簿価で計上する場合にはそのような状況であることを財務諸表に開示していただこうという枠組みです。

もう一つつけ加えますと、この厚生年金保険法や確定給付企業年金法で求められている決算事務取扱要領というのは、貸借対照表、損益計算書以外にいろいろな計算表がありますが、通常、私たちが一般目的で見ている財務諸表というのは、財務諸表がどのようにつくられているか、これはどういうことなのかと注記事項が必ずありますが、年金基金の座決算報告書では、注記事項は何もないんです。その年金基金に携わっている理事長や事務方、それから厚生労働省の方ですと、この年金基金はこうだなという財政状態が読めるのだと思いますが、それに加入している加入者である私たちは、なかなか今までこのような状況であることに気がつかなくて、年金基金の財務諸表にはあまり興味がなく見なかったと思いますが、見ていく限りにおいては注記事項も何もない、説明もないのでわかりにくいものになっています。

それで今回は特別目的ということで、どのような評価基準で作成するのか、そういうこともまずは理事者に理解していただき、財務諸表に注記していただいて、注記したその基準に準拠して財務諸表が作成されているという、そういう準拠性の監査意見を形成しましょうという形にいたしました。

また研究報告10号を作成するときに若干調べましたが、米国では年金基金(ほとんどファンドをつくります)が一定規模以上の加入者がいる場合には公認会計士の監査が必要となっています。英国では、すべての年金基金は監査が要るということになっていますが、その監査報告書が適正意見なのか準拠性意見なのかということは、申しわけありませんが、そこまでは調査していません。よろしいでしょうか。

○水口委員

ありがとうございます。

○脇田部会長

よろしゅうございますか。

それではほかに、どうぞ。はい、引頭委員、どうぞ。

○引頭委員

ありがとうございます。

今、泉本委員が御説明くださいました、年金基金の監査の手続きについてもそうなのですが、必ずしも金商法の枠組みではない、様々な活動の財務報告に対する監査のニーズは非常に多様化しているという点は非常に理解できましたし、またそのとおりかと思います。

ただ、現状のように、監査意見として、準拠している、とか適正である、ということが示されていても、プロではない最終利用者にとっては、注記がないと、その監査意見の真の意味を誤解してしまうようなケースが多いのではと思います。

特に、年金基金に関して、先ほど住田委員がおっしゃっていた年金基金がファンドに投資するという、ファンド・オブ・ファンズのケースを考えたいと思います。投資先のファンドが監査を受けていなかったり、またそのファンドが採用している時価の基準を組合員の合意で決められるという規定になっているようなことがあったりしています。そうした際に、実際の最終的な年金基金の加盟者というのはそういう事情に対する情報を果たして持っているのか、という点について少し不安になったところでございます。つまり、仮に一般的に利用者が慣れ親しんでいる会計基準によって財務報告がなされていないのであれば、そうした点について、利用者が情報を得られるような方法が必要ではないかと思いました。当該年金が監査を受けているというだけでは、最終利用者にとって情報が不足しているのではと思った次第です。

最後になりますけれども、町田先生がおっしゃった、利用者が果たしてこうした状況を理解できるのかという点については、ご指摘のとおりだと思います。やはり監査というと事情をよく知らない最終利用者は先ほど述べたように、財務諸表規則にのっとったものだというように、受け取ってしまうと思います。企業会計審議会の枠組みではないかもしれませんが、金商法の枠組みの外の経済活動についての財務報告について、各関係者間において、例えば年金だったら年金関係の方々が、学校だったら学校の方々が、その活動においての標準的な財務報告の基準、といったようなものについて、是非、議論を進めていただき、その結果を広く最終利用者に告知する仕組みのようなものを、考えていかなえればならないのではないかと思いました。もちろん、最終利用者である私どもも、監査の結果のみに関心を持つのではなく、その意味するところを理解する努力をしなければいけないと思いました。以上です。

○脇田部会長

貴重なご意見として承っておきます。

どうぞご発言いただきたいと思います。いかがでございましょうか。吉見委員、どうぞ。

○吉見委員

ありがとうございます。質問ではなく、意見だけ、2点ございます。

まず、本日お話にありました特別目的の財務諸表について、監査基準において対応を図る必要があるという点は全くそのように考えるところであります。その場合、この特別目的の財務諸表の監査においては、準拠性との親和性が高いというご意見もお話もありまして、私もそのとおりだと思うのですけれども、その際に、それらが監査という名称で行われるとすれば保証との関係も考えなければならないかと。今、財務諸表の監査については例えばレビューのように保証水準の異なるものもあるということで行われているわけですけれども、理論的に言えば準拠性の枠組みの中でも保証水準の異なるものというのはあり得るのかなと思います。ただし、実際に実務上そういうことが起こり得るのかは別です。

あるいはこの特別目的の財務諸表には非常にたくさんのいろいろな種類のものを含みますので、そういうさまざまな財務諸表がある中で、それらに対して保証水準の違いが認識されるのかどうかについては少し検討する必要があるのかな、特に我が国で現在行われているさまざまな監査実務に照らして検討される必要があるかなと考えたところでありました。

それから、原点に立ち返って考えると、本来は財務諸表の作成基準がある一貫性を持ってつくられていなければならないと思うわけでありますけれども、残念ながらそういう意味では我が国ではさまざまな財務諸表が一貫性ある作成基準のもとで作成されるということなく、さまざまな作成基準のもとでさまざまな財務諸表が作成されているという状況にあるかと思います。

ですので、本来であればそういう作成基準の一貫性がどこかで図られるべきなのかなと思いまして。もちろん、これは当監査部会の責任の範囲を超えることだということは重々認識しているところではありますけれども。今回、こういう形で監査基準のほうを考えるということになれば、監査基準において例えばISAを意識しながら、特別目的の財務諸表に対する監査を考える中では、そういう監査基準をつくるところから、もしかすると逆のルートになるかもしれませんけれども、財務諸表の作成基準に対してのある種の刺激といいますか影響を与えるということがあってもいいのかなと考えたところでございました。

以上でございます。

○脇田部会長

ありがとうございました。これからの審議の中でも、またご発言いただきたいと思います。

いかがでございましょうか。八田委員、どうぞ。

○八田委員

ありがとうございます。

そもそもこの特別目的の財務報告に対する監査はどういう扱いをすべきなのかという問いかけだと思うんですね。結論から申し上げると、会計士協会の住田先生がご報告になった現状ないし課題というのを踏まえたときに、まさに今言うところの適正表示という一本の非常にシンプルな枠組みではもはや対応できない現実があるということ。そして当然、公認会計士監査はそれに応えていかなければならない社会的役割ないしは要請があるということを考えたときに、こうした監査をある程度社会に対してわかる形、信頼し得る形で位置づけるということのためには、おそらく現行の監査基準のどこかに施しを入れる必要があるのだろうということです。

では、どこに入れるのかと考えると、例えば最初の監査の目的基準、一般基準、それから実施基準、報告基準とこの4つの柱があるわけですけれども、この住田報告によると監査の実施のところはあまり変わらないと、こう言っているわけですね。そうすると目的基準と一般基準と報告基準のどこなのかと。そうすると一般基準というのは監査人の適格性とか監査業務全般に関する話ですから、これはいわゆる公認会計士、監査人が行う監査に対して同品質の監査を担保するということを考えれば、これはそのまま共通に適用されることになるはずです。そうなると、目的のところと報告だろうということになります。そこで、目的のところについては、私自身疑念を抱いている者の一人ですが、先ほどの町田報告にもあったように2002年の監査基準の制定のときに、全て適正表示という一本のもので財務諸表の監査を位置づけてしまったということです。それまでは商法特例法の会計監査人の監査はいわゆる個別意見方式ということで、これはどうなのかといった議論がありました。

今、求められている準拠性の枠組みというのは非常にそれに近い枠組みを持っていると思われます。商法の監査というのは何を考えていたのかというと、当時、我々は2つの視点で監査上も考えていたと思います。要するに商法特例法での監査意見表明に際して、4項目、5項目を個々に判断して結論を言うという形での個別意見表明方式ということで、個々の会計に関する報告書等が法令定款等に合致しているかどうかということを個別に意見として記載していました。

ところが証取法監査、すなわち現行の監査基準がそもそも考えているところは、そういう個別の事柄について四の五の言わないで、何しろ一括して適正であるという総合意見表明方式だけに決めたということです。これが正しいのかどうかということで、先ほど適正表示という言葉を使っていれば一般の人はよくわかるけれども、それ以外の準拠性云々を言うとわからなくなってしまうのではないかという疑問が発せられていますけれど、私は全く逆だと思っているんですね。そもそも、適正表示ってどういう意味なのか。私も監査論の勉強を長年していますが、正直なところ、いまだによくわからないわけです。何をもって適正表示と言っているのかという。自分の中では考えは持っていますが、果たして誰もが同じ理解をしているのかどうか…。

ちょうど今日、公認会計士・監査審査会の会長、千代田先生もおられますけれども、先生のご研究の中にもありますけれども、例のアメリカ公認会計士協会の1974年のコーエン委員会で有名な監査人の責任委員会の報告書では、当初、公開草案で出たときには、この適正表示というわけのわからない言葉は削除しようという考えがあったのですが、結果的には、また残ることになったのですね。

したがって、実はわが国の監査基準についてもそういった議論なくして、何しろ監査は最初に適正表示ありきという議論でずっと進められているために、商法監査までもそっちの方向に引っ張ってしまったという訳です。そのために変な感じが起きちゃっていると思うんですね。

当時の商法監査は経営者のいわゆる受託責任を解除してやるという、言うならば業務の適切性、行為の妥当性の監査が主眼とされたものの、情報の一般的信頼性を監査するという性格の監査とはかなり違うというものを一緒くたにしてしまって、今の総合意見表明方式にしてしまったという経緯があります。したがつて、そうした性格の異なる2つのものがやっぱりあるんだということを目的基準の中へちゃんと明確に位置づけることが必要だと思います。

そしてそれを踏まえて、報告基準のところでは、監査意見の表明方式として、形式をどのようにするのか、つまりGAAPに従って表示されていると見るのか、個々の業種別基準とかあるいは特別目的の枠組み、これに従っていると書くのか。ここのところを書きかえて、あとその具体的な中身の部分についてはこれを全部公認会計士協会の実務指針に委ねるという方向があるのかなというふうに感じています。最初のときにもう結論めいたことを申し上げていますけれど、私はそんな感じを持っています。

以上です。

○脇田部会長

ありがとうございました。大変貴重な、重いご発言をいただきました。

続きまして、どうぞ。ご発言いただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。

よろしいでしょうか。

この監査の目的を改めて読みながら、少なくとも先ほど八田委員の言われたように、当時、私自身も適正であるというのはそもそも何なのだということにとても疑問を持っておりました。

今、監査人が監査意見を表明する様式として、適正であるという意見を述べておりますけれども、この特別目的の枠組みの財務報告に関しての監査意見について多くの混乱が見られる。そのことは、ひいては一般目的の財務報告の枠組みにおいて公認会計士の方々が適正であるという意見を述べる、その監査意見と特別目的の枠組みの財務報告に関するその監査意見との十分なすみ分けといいますか、明瞭な区分が監査報告書を利用する側にも理解できない、混乱が起きるということを私は危惧しておりまして、この辺で一つの権威ある見解が示される必要があるのではないかと私は考えて、今ここに臨んでおります。

本日はこの辺で審議を、ご意見がなければ終了させていただきますけれども、引き続きまして特別目的の財務報告に対する監査の位置づけ等につきまして十分にご審議をいただいて、より公認会計士の表明する監査意見に対する信頼性を確保できるように、皆様方のお知恵をお貸しいただきたいと思います。

それでは、次回の予定につきましては事務局からお願いいたします。

○栗田企業開示課長

次回の日程につきましては、改めて事務局からご連絡をさせていただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。

○脇田部会長

それでは、本日の監査部会を終了いたします。委員の皆様には精力的にご審議をいただきまして大変ありがとうございました。これで閉会いたします。

以上

お問い合わせ先

金融庁Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局企業開示課(内線3672、3656)

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