企業会計審議会第52回監査部会議事録

 

1.日時:2021年(令和3年)6月16日(水)13時30分~15時30分

2.場所:中央合同庁舎第7号館 9階 金融庁共用会議室3




○西山開示業務室長

 では、定刻より少々早いのですが、皆様、お集まりいただけましたので、よろしければ、これより企業会計審議会第52回監査部会を開催いたします。
 
 私は事務局の企業開示課開示業務室長の西山でございます。皆様には御多忙の中、御参加いただき、誠にありがとうございます。
 
 本日の会議でございますが、新型コロナウイルス感染症対策の観点から、企業会計審議会議事規則にのっとり、オンライン開催とさせていただきます。議事録はこれまでどおり作成し、金融庁のホームページで公開させていただく予定ですので、よろしくお願いいたします。
 
 オンライン開催に関して2点、注意事項がございます。まず、御発言されない間は、恐縮ですが、マイクをミュートの設定にしていただきますようにお願いいたします。また、御発言をされるときは、マイクをオンにしてミュート解除で御発言していただき、御発言が終わりましたら、またミュートにしていただくということでよろしくお願いいたします。また、支障のない範囲で結構ですが、会議中はお顔が見えるように、カメラの設定をオンにしていただきますようお願いいたします。
 
 2点目として、御発言を希望されるときですが、チャット機能を使って全員宛てに、発言希望である旨とお名前をともに入れてお送りください。お名前については、協会名などの組織名でも結構ですので御入力ください。それらを我々で確認させていただいた上で、部会長から指名させていただきたいと思います。なお、御発言に際しては、念のため御自身のお名前をおっしゃっていただいた上で御発言いただければと思います。
 
 それでは、堀江部会長、よろしくお願いいたします。

○堀江部会長
 
 西山室長、どうもありがとうございました。
 
 それでは、まず会議の公開についてお諮りいたします。企業会計審議会議事規則にのっとり、監査部会の審議につきまして公開することとしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(異議なし)

○堀江部会長
 
 どうもありがとうございました。御了解いただきましたので、本日の会議の模様はウェブ上でライブ中継させていただきます。
 
 それでは、早速審議に入りたいと思います。本日は、事務局におきまして、これまでの当部会での議論を踏まえ、監査に関する品質管理基準改訂の公開草案の原案を準備させていただきました。まず事務局から、その内容について説明いたします。その後、皆様から御質問、御意見を頂きたいと思います。
 
 それでは、事務局から説明をお願いします。

○西山開示業務室長

 では、お配りしております、基準の新旧対照表を説明させていただき、前文を説明させていただく流れとしたいと思います。表示されております新旧対照表は、左側が現行基準、右側が改訂案となっております。
 
 改訂案につきまして、ポイントを絞って説明させていただきます。まず、「第一 目的」のところに、目的を従前の形で記載させていただきつつ、注の3番に、新しく監査チームの定義を入れております。「監査実施の責任者及び監査業務に従事する補助者をいう。補助者には、監査事務所及び監査事務所が所属するネットワーク内外の者で、個々の監査業務において、監査手続を実施する者が含まれる」としております。
 
 次に、「第二 品質管理システムの整備及び運用」でございます。第1項に、監査事務所は、監査業務の質を主体的に管理し、合理的に確保するために、品質管理システムを整備、運用することを記載しております。この中の「監査事務所が実施する業務の内容及び状況並びに監査事務所の性質及び状況を考慮した上で」という箇所は、いわゆるスケーラビリティ、柔軟性の概念を記載しているところです。第2項には最高責任者の責任を、第3項には品質管理システムの運用責任者、モニタリング及び改善プロセスの責任者を明確にすることを定めております。
 
 第三は「品質管理システムの構成」について定めております。この章では、品質管理システムの構成要素を記載しております。「(1)監査事務所のリスク評価プロセス」は左の旧と比べて新設となっておりまして、それから「(7)情報と伝達」につきましても新設で、こちらはISQM1でも新しく追加された構成要素でございます。「(9)監査事務所間の引継」は、現行の品質管理基準でも、我が国独自の項目として現行基準の第十に規定されているところ、改訂品質管理基準でも我が国独自の構成要素として記載したいと考えております。
 
 「第四 監査事務所のリスク評価プロセス」に進めさせていただきます。第1項では、リスク評価プロセスの流れ、つまり、品質目標を設定し、リスクを識別・評価して、対処するプロセスを整備・運用するということを書いております。
 
 続きまして、「第五 ガバナンス及びリーダーシップ」については、監査事務所に、健全な組織風土の醸成でありますとか、最高責任者の責任の明確化など、部会でも御指摘いただいたようなことを目標として設定すると記載しております。
 
 第六は、「職業倫理及び独立性」でございます。第1項では、監査事務所の職業倫理の遵守を規定しています。下の(注)1に「専門要員」の定義を、(注)3に「外部の業務提供者」の定義を置いています。この「外部の業務提供者」は、ISQM1における「サービスプロバイダー」の概念を日本語にしたものでございます。
 
 それから、「二 独立性」でございます。こちらは、独立性の保持を品質目標として設定することを求めております。第1項後段の「当該品質目標については、」から始まる文は、我が国独自の規定になります。独立性の品質目標については、「監査事務所が所属するネットワークに属する他の事務所が提供する非監査業務が独立性に与える影響を考慮」することを求めております。
 
 進みまして、「第七 監査契約の新規の締結及び更新」でございます。こちらは、契約に際して、監査業務の内容、経営者の誠実性、監査事務所の能力等を考慮するとともに、監査事務所の財務上及び業務上の目的を優先することなく、適切に判断することに関する目標を含めることを求めております。
 
 第八は、「監査業務の実施」でございまして、こちらは、国際基準の改訂内容などを織り込みつつ、第1項で「監査実施の責任者及び監査業務に従事する補助者による責任ある業務遂行」でありますとか、続きまして「補助者に対する適切な指揮、監督及び監査調書の査閲」、「職業的専門家としての適切な判断並びに懐疑心の保持及び発揮」、「文書の適切な記録及び保存」に関する品質目標を設定することを求めるとしております。
 
 また、専門的な見解の問合せの検討及び監査上の判断の相違の適切な解決に関する品質目標を設定することを求めることとしております。
 
 また、四の「監査業務に係る審査」でございます。こちらは、ISQM2では審査担当者にクーリング・オフ期間が導入されております。今回の品質管理基準改訂案では、第2項において審査担当者の要件の大枠を規定しまして、具体的なクーリング・オフ期間は、協会の実務指針で規定することを考えております。
 
 続きまして、「第九 監査事務所の業務運営に関する資源」でございます。こちらは、これまでの議論では、「リソース」という言葉を使って議論させていただいておりました。監査事務所の業務運営に関する資源、リソースとして、これまでの人的資源に、テクノロジー資源、知的資源を追加しております。テクノロジー資源については、その活用だけではなくて、IT統制、ITへの対応ということも記載しております。
 
 それから、「第十 情報と伝達」でございます。こちら、監査事務所の情報の収集、内外の伝達を定めているところですが、第5項が我が国独自の規定でございまして、監査事務所が品質管理システムの状況について開示することを規定しております。開示の具体的内容や対象となる事務所につきましては、今後、内閣府令などを検討するところで議論していければと思っております。
 
 「第十一 品質管理システムのモニタリング及び改善プロセス」に進みます。こちらは、監査事務所が品質管理システムの整備・運用状況を評価し、識別された不備の根本原因を調査して改善することを規定しております。いわゆるPDCAサイクルの観点から重要な規定と承知しております。
 
 次、「十二 監査事務所が所属するネットワークへの対応」でございます。今回の改訂では、ネットワークの要求事項を適用したり、業務運営に関する資源などを利用したりする場合に、事務所としての責任を理解した上で利用することを求めております。
 
 続きまして、「十三 品質管理システムの評価」では、監査事務所の品質管理システムに関する最高責任者に対して、少なくとも年に1度、特定の基準日において品質管理システムを評価し、当該システムの目的が達成されているという合理的な保証を事務所に提供しているか結論付けることを求めるとしております。
 
 第十四の引継の規定につきましては、2013年(平成25年)の不正リスク対応基準で、上場企業などの監査について具体的な手続が強化されているという経緯がありまして、こちらは我が国の独自の構成要素として品質管理基準でも規定し、不正リスク対応基準で求められていたような引継に関する手続、例えば後任の監査事務所に対して虚偽表示などに関する情報を伝達するといったことを、全ての監査に対して求めることとしております。
 
 第十五の「共同監査」については、現行の章立てを尊重しつつ、引き続き掲載しております。
 
 第十六では、本基準は、中間監査、四半期レビュー及び内部統制監査について準用すると書いております。
 
 続きまして、よろしければ前文に移りたいと思います。前文につきましては、御議論いただいた中で、改正の趣旨や、特に重要だと思われる点などを記載させていただいております。
 
 「一 経緯」では、公認会計士の監査の役割に言及しつつ、品質管理基準が2005年(平成17年)に制定されて以降、社会経済の環境変化が生じ、監査事務所の品質管理も見直しが求められているといったことを第1段落で書きつつ、また第2段落では、監査事務所の最高責任者のリーダーシップの発揮や組織的監査体制の構築といったことが課題と言及し、審査会検査では必ずしもそれらが十分ではないといった指摘もなされていること、それから、続く段落では、こういった課題が国際的にも共有されるところであって、国際的な基準では、中小事務所による基準の柔軟な適用やリスク・アプローチの導入などといったことが取り入れられているということに言及しております。
 
 これらを踏まえ、我が国においてもより積極的に品質管理上のリスクを捉えて、当該リスクに対処し、品質管理体制を改善するサイクルを組織内に有効に展開する品質管理へと変えていく必要があるとした上で、当部会が品質管理基準の改訂を行うため公開草案を作成することに至った旨を述べさせていただいておちます。また、この草案について、公表し、広く意見を求めることとした旨、書いております。
 
 続きまして、「二 主な改訂点とその考え方」でございますが、「1 リスク・アプローチに基づく品質管理システムの導入」では、リスク・アプローチの考え方について解説するとともに、リスク・アプローチに基づく品質管理は、当該監査事務所が実施する業務の内容や監査事務所の状況によって変化し得るということを書いております。また、監査部会で御指摘があった事項として、上場会社などの公益上重要な監査を行う監査事務所については、その業務の公益性に鑑み、充実した品質管理システムの整備・運用が求められる旨を明記しております。
 
 続きまして、「2 品質管理システムの構成」でございます。こちらは、基準本文の構成要素ごとの内容を概説しておりますので、ポイントを絞って御説明させていただきます。特に記入がされているところは、「(8)情報と伝達」のところでございます。こちらは、品質管理において、内外から適時に情報を収集し、伝達を行うことが重要であるといったことを書きつつ、一番下の段落において、我が国独自の基準として、監査事務所の品質管理システムの状況に関する開示を求めております。具体的には、「加えて、監査事務所は、品質管理システムの状況等について、監査報告の利用者が適切に評価できるよう、監査事務所の品質管理に関する積極的な情報発信を行うなど、十分な透明性を確保することが求められる。」と表現しておりまして、具体的な開示の内容や対象となる事務所などにつきましては、この後に書いてあります「五 実施時期等」で、関係法令等の整備の必要性というのが書いてありまして、そうしたことも受けて、今後、内閣府令などを整備する作業において検討していく方針でございます。
 
 続きまして、「(9)品質管理システムのモニタリング及び改善プロセス」でございます。こちらは、識別した不備に対応する改善プロセスが重要であるということを冒頭で改めて強調しつつ、2段落目の最後の文において、部会で御意見をいただきました、「品質管理システムの不断の改善のためには、積極的に不備を識別することが求められる」旨についても掲載しておりまして、こうした不備を見つけるということが次の改善につながるということを改めて解説しております。
 
 また、「(10)監査事務所間の引継」では、不正リスク対応基準で上場会社などの監査で求めていた引継の手続を、全ての監査に対して求めることとした旨を記載しております。こちらも我が国独自の対応となります。
 
 続きまして、「4 品質管理システムの評価」においては、少なくとも年に1度、品質管理システムの評価を行うことに加えて、監査事務所による開示について、「品質管理システムの状況等については、監査報告の利用者が監査事務所の監査品質を適切に評価できるよう、各監査事務所において公表することが望ましい。」と表現しております。
 
 また、「三 品質管理基準の準用等」では、「品質管理基準は、中間監査、四半期レビュー及び内部統制監査について準用される。それ以外の監査事務所の業務については、参照されることが望ましい。」と記載しております。
 
 「四 改訂品質管理基準の実施に当たっての留意事項」。こちらは、品質管理基準の改訂内容について円滑な導入が図られるように、特に中小規模監査事務所に対して周知が必要なこと、それから支援が適切に行われることが重要である旨を記載しております。その際、協会においては、監査事務所に対する支援や、品質管理レビューによる指導的な役割を果たすべきであるとしております。また、今回、リスク・アプローチが導入されますので、そのリスク・アプローチに基づく品質管理システムの整備・運用が適切に行われるためには、監査事務所における主体的なモニタリングと改善に加えて、協会の品質管理レビューや審査会検査などの第三者によるチェックを通じた改善が実施されるべきである旨などを記載しております。そのほか、より質の高い監査を実現可能とする環境整備、監査業務の魅力向上についても書いております。
 
 「五 実施時期等」に移りたいと思います。今回御議論いただいた基準につきましては、今後、完成いたしましたら、2023年(令和5年)7月1日以後に開始する事業年度または会計期間に係る財務諸表の監査から実施するとしまして、同時に、公認会計士法上の大規模監査法人以外の監査事務所におきましては、2024年(令和6年)7月1日以後に開始する事業年度または会計期間から実施としております。また、この実施時期は、体制の整備などについて開始が求められるものですが、特に品質管理システムの評価については、次の続く文章で規定してありますとおり、実施以後に開始する監査事務所の会計年度の末日から実施可能とするとしておりまして、ただし全体について早期適用可能と、早期に実施することを妨げないとしております。続く2と3では、これらの基準の実施に当たって、関係法令の整備、また実務指針が協会において適切に作成されることが要請される旨を書いております。
 
 以上、事務局から改訂案の内容について御説明させていただきました。

○堀江部会長
 
 どうもありがとうございました。それでは、これから、ただいまの説明に関する御質問、御意見を頂戴したいと思います。本日は、品質管理基準の新旧対照表と、その前文を御用意させていただいております。この2つは一体のものでございますので、両者を区別しないで、あわせて御質問、御意見を頂戴したいと思います。したがいまして、前文、それから基準本文について、両者にまたがるような内容につきましては、その点も併せて御指摘いただけますと大変助かります。それでは、これから御意見、御質問を受けさせていただきたいと思います。
 
 それでは、まず金子委員、御発言をお願いいたします。

○金子委員
 
 ありがとうございます。
 
 今回の部会ではいろいろな観点から皆さんが多様な御意見を出されたわけですけれども、それを適切に取りまとめていただいたと思います。事務局の皆様に感謝を申し上げます。
 
 私は、監査品質を向上させるということは非常に重要だと思います。ただルールを厳しくするだけでは効果が上がらないのではないかと思いました。厳しくすることだけでは、真面目で優秀な会計士が息苦しさを感じて監査現場を去ってしまう危険もあるので、今回の改訂基準の中では「監査事務所の業務運営に関する資源」という項目が設けられていますが、優秀な人材の確保や様々な投資が重要であるとともに、監査時間の確保や、監査報酬など、監査を取り巻く環境の整備が非常に重要ではないかということを申し上げさせていただきました。このことは、今回の前文の四、留意事項の最後の段落に、「質の高い監査の実施を可能とする環境の整備や監査業務の魅力向上について、検討が行われることが期待される。」という形で書いていただきました。今後もぜひ、こういう環境整備と魅力向上のために、皆様のお力を向けていただければ大変ありがたいなと思っております。
 
 2つ目のコメントとしては、今回、品質管理基準の対象となる監査チームの中に、ネットワーク外の人々、外部の業務提供者が入ることが明記されたというのは、品質を高めるという観点では非常に意義のあることではないかと思っております。御存じのとおり、企業はグローバル化・多角化して、連結財務諸表が中心になっていますので、これまでもグループ監査の指針の中では、子会社の監査人の品質管理の状況を確かめるということは求められておりましたけれども、子会社・関連会社の監査を担うネットワーク外の監査事務所の監査従事者が対象として明記されたというのは、非常に意義のあることであると感じております。ただ事務局も御苦労されたのではないかと思うのですが、新旧表ですと4ページの注に、「専門要員」とか「監査事務所が所属するネットワーク等」あるいは「外部の業務提供者」の定義が入っておりますけれども、用語の理解がなかなか難しくて、これを読むだけではなかなかイメージしにくいというところがあろうかと思います。この定義につきましては、会計士協会の実務指針等で、あるいはそのほかのところでも結構ですが、解説をお願いできるとよいのではないかと思っております。
 
 それから、3点ほど質問がございます。まずは、前文の6ページに、「品質管理システムの評価」というのがございます。この中の第2段落では、「監査報告の利用者が監査事務所の監査品質を適切に評価できるよう、各監査事務所において公表することが望ましい。」とあります。一方で、4ページの「情報と伝達」の中で、4ページの一番下のところなのですが、我が国独自ということで、「監査事務所は、品質管理システムの状況等について、監査報告の利用者が適切に評価できるよう、(中略)十分な透明性を確保することが求められる。」ということで、ここは部会の中でも、事務所の品質管理の評価等について、体制について、ぜひ分かりやすい開示をお願いしたいという御意見が出て、こうした形になっており、新旧表の10ページにも、「十分な透明性を確保しなければならない。」とございますが、この「十分な透明性を確保しなければならない。」ということと、評価について「公表することが望ましい。」ということの関係性について、少し御説明いただけますとありがたいなと思っております。
 
 それから2つ目の質問なのですけれども、前文の6ページの「三 品質管理基準の準用等」というところがございます。ここでは、「改訂品質管理基準は、中間監査、四半期レビュー、内部統制監査について準用される。それ以外の監査事務所の業務については、参照されることが望ましい。」となっておりますけれども、ここの「望ましい」のレベル感は、先ほどの「品質管理システムの評価」の「望ましい」ということと併せて、どういうふうに考えればよいのか、これは監査事務所の判断と考えてよいのか、どうなのかということをお聞きしたいと思っております。といいますのは、監査事務所が実施する業務の中には、保証以外のアドバイザリー等があって、口頭で相談を受けるというような業務もあると思いますので、この品質管理基準を参照するまでもないというようなケースもあるのではないかと思います。ISQMにおいては、監査、レビューその他の保証及び関連サービスとなっており、保証業務が対象ではないかと思いますので、その辺りの関係を教えていただけますとありがたいと思っております。
 
 最後の質問ですが、新旧表の5ページに、「第七 監査契約の新規の締結及び更新」というのがございます。ここでは、「財務上及び業務上の目的を優先することなく」という言葉が入っておりまして、これは、財務上の目的を優先して、十分な監査ができないような監査契約は、監査品質の確保の観点から難しいということを意味していると理解しております。ただ、ISQMの中には収益性という言葉が出ておりますので、これを逆の観点から収益性が悪くても、監査難民を避けるために監査契約を受けろというような読み方をしてしまうとすると、監査品質の低下をもたらす危険もあるのではないかとも感じました。ここにおける「財務上の目的を優先することなく」という意味合いは、監査事務所の売上を上げるために無理な受注をしないという読み方でよいのか、念のため確認させていただければありがたいと思っております。
 
 以上でございます。

○堀江部会長
 
 どうもありがとうございました。冒頭、極めて大局的な視点から、基準の運用に関する御助言を頂きまして、大変ありがとうございました。また、「専門要員」等の用語につきましては、実は厳密さと分かりやすさのはざまの中で、何度もキャッチボールしながら、一応このような形で固まりましたが、まだ分かりにくいということであれば、検討させていただきます。
 
 それでは、御質問を3点頂きましたので、この3点につきまして、事務局から回答をお願いします。

○西山開示業務室長

 事務局でございます。まず、1つ目の質問は、監査事務所による品質管理システムの開示関連の記述について、新旧では、監査事務所は「十分な透明性を確保しなければならない」とあることと、前文において、「公表することが望ましい」としているところの理解に関する御質問と承知しております。
 
 まず、基準案の方でございますが、全ての監査事務所に対し、品質管理システムの状況について、透明性を確保することを求めているものでございます。前文におきましては、十分な透明性確保のための具体的な取り組み方として、御議論いただいた内容を記述しておりまして、監査事務所の自己評価の結論や、結論に至った経緯、体制などについて、広く公表することが望ましいとしております。こちら、議論の中で御意見を頂いた内容を受けて、「望ましい」という形で書かせていただいております。説明の中でも言及しましたが、こうした前文での「望ましい」とした書きぶりを受けて、基準の最終化後に、内閣府令など所要の改正を行いまして、監査事務所に対して自己評価の結論や品質管理システムの状況などの開示を求めていくということを念頭に置いて、ここでは部会の考えとして、「望ましい」とさせていただいております。繰り返しになりますが、この表現を受けまして、今後、府令など、所要のルール整備を行っていくということを考えております。それが1点目です。
 
 2つ目は、前文の準用関係のところについての御質問と理解しております。中間監査、四半期レビュー及び内部統制監査に関しては「準用」としつつ、それ以外の業務については「参照されることが望ましい」としている部分の読み方についての御質問だと承知しております。こちら、以前の議論でも、中間監査、四半期レビュー、内部統制監査以外の監査事務所の業務に対しては、まず前提として、それら以外の業務に関する一般に公正妥当な基準というのはないところですけれども、国際的な基準は監査事務所の業務全体を対象としていて、我が国の監査事務所でも、中間監査、四半期レビューや内部統制監査以外の広い保証業務であるとか、その他のサービスの広がりがあるということも踏まえつつ、とはいえ監査事務所のトップがいて、品質管理部門や審査部門があるという体制は1つであるので、参照されると考えられるかどうかということをお諮りした経緯のものでございます。
 
 この整理で申し上げますと、それ以外の業務というものが具体的に何を指す文章なのかということになりますけれども、近年、監査事務所の業務が広がっていることを踏まえ、各監査事務所において、メインの一般に公正妥当な基準がある業務については品質管理基準を準用し、それ以外の業務については品質確保を図るために品質管理基準を参照していくということを求めております。「それ以外の監査事務所の業務」というのは何ですかという御質問も重ねてあったと承知しておりますけれども、監査、中間監査、四半期レビュー、内部統制監査以外の保証業務が、「それ以外の」という部分に含まれるほかに、監査事務所が提供されている、合意された手続などのサービス、アドバイザリー的なサービスも念頭に置いて、事務局案のような記載としている次第でございます。
 
 それから3つ目の御質問が、新規の契約受嘱の部分で、財務上の目的を優先せずというパーツだと理解しております。こちら、御理解のとおり、監査事務所の契約において「財務上及び業務上の目的を優先することなく」というのが、監査報酬が低い依頼についても無理に受けて、品質を低下させるということを含めるという趣旨では決してございません。我々としても、監査の契約に当たっては、報酬がいいからといって、相手の誠実性が十分ではない疑いがあるといったときには、きちんと品質が確保できるように慎重に検討してくださいという趣旨で記載しております。
 
 以上でございます。

○堀江部会長
 
 金子委員、よろしゅうございましょうか。
 
 それでは引き続きまして、水口委員、お願いいたします。

○水口委員
 
 ありがとうございます。水口でございます。私からは2つの意見があります。
 
 まず1つ目の意見、事務局案全般についてです。当部会における様々な議論を踏まえて、このような形で改訂案を取りまとめていただいて、大変感謝しております。事務局に御提案いただいた品質管理基準の改訂案に賛同いたします。
 
 コロナウイルス感染症の影響も含めて、企業を取り巻く事業環境の不確実性の高まりに加えて、経営・経済取引の国際化や、財務諸表作成における基礎となる会計基準の複雑化など、大きな変化が見受けられるということは、しっかり直視しなければいけないと思います。このような様々な変化も見据えて、公益に資するという観点から、会計監査へのコミットメントを再確認する形で、基準改訂及び、当該基準改訂を受けた関連細則策定などの諸施策が、会計監査の根本的な課題や、課題に対する実効的な改善策などに関する考察の継続的な深化へのモメンタムとなって、よりよいPDCAサイクルの定着につながることを大いに期待しております。
 
 監査業務の質の合理的な確保に向けて、品質マネジメント体制を構築するために、最終責任者がリーダーシップを発揮することや、監査リスクに見合った組織的監査を実施する体制を構築することが重要であるということは、言うまでもないと思っております。審査会の検査結果事例集での指摘では、監査事務所間で相当の差異があるということが確認される中で、最高責任者のリーダーシップの在り方に根差す看過し難い課題があるケースも見受けられることも重く受け止めて、諸施策を講じることが肝要であると考えております。また、基準改訂を視野に入れるに当たって、審査会検査、協会レビューなどの果たし得る役割に大いに期待しております。例えば、基準の改訂が監査事務所の自己評価に焦点を当てている中で、各監査事務所の自己評価の適切性の検証も含めた諸観点から、協会レビューや審査会検査などの第三者チェックを通じた監査品質改善の重要性を、ここで強調させていただきたいと思います。
 
 2つ目の意見は、基準改訂後の、基準改訂を受けた、各監査事務所自らによる品質管理システムの状況などに関する情報を含む情報開示に関する期待についてです。
 
 1点目は、監査事務所が提供する情報のアクセシビリティの向上についてです。前回の監査部会で事務局から御紹介いただいた、本来ならば外部の人間も入手できるはずの監査事務所の品質管理に関わる既存の開示情報については、有用であるにもかかわらず、残念ながらその存在が広く知られていないことも含めて、情報のアクセシビリティに課題があると思っております。監査事務所には、品質管理の状況などに関する情報に加えて、既存の有用な対外向けの情報に、より多くのステークホルダーが容易にアクセスできるように創意工夫していただけるとありがたいと思っております。
 
 2点目、監査事務所のトップの姿勢についての開示についてです。品質マネジメントシステムの運用に際しては、監査品質に大きな影響を与えるのが監査事務所のトップの姿勢、リーダーシップ発揮の在り方です。そこで、仮に監査法人のガバナンス・コードを自発的に適用していないとしても、上場企業を監査する監査事務所には、ぜひトップの考えを開示していただければと思っております。
 
 3点目、監査事務所の品質マネジメントシステムに関する自己評価と第三者チェックとに乖離が生じた場合の開示についてです。品質管理システムに関する情報を提供するに際して、監査事務所の自己評価の適切性の観点から、自己評価と、審査会検査、協会レビューなどの第三者評価とに相応の乖離があった場合には、相応の乖離があった旨を開示することに加えて、こうした乖離も背景とした改善施策及び改善施策を受けた実際の改善状況といった、ポイントを捉えた、PDCAの実施を反映した情報の開示を期待いたします。
 
 4点目、やや重複するところもあるのですけれども、品質管理システムにおけるPDCAの実施を反映した開示内容の時系列の変化への期待です。例えば、監査事務所自らの品質マネジメントシステムに関する自己評価と第三者評価とに乖離がある場合、PDCAサイクルを介して、監査事務所による開示内容が時の経過とともに変化しないということがあったとしたら、課題に対応する改善が進んでいないというメッセージと受け止めざるを得ないかもしれないところです。改善施策が実行されたことによる改善状況の進展に関する情報なども開示され続けることで、開示情報の内容が固定化しない、つまりボイラープレート化しないことも期待いたします。
 
 最後となりますが5点目、前述したような品質マネジメントシステムの状況などに関する情報、トップの姿勢などの開示を求める対象は、一義的には監査業務の公益性を重視する観点から、上場会社やそれに準ずる監査先を有する監査事務所とすることも考察に値すると考えております。
 
 以上です。

○堀江部会長
 
 どうもありがとうございました。本基準の趣旨を生かしながら、どうやってこれから運用していくべきかということについて、極めて重要な御提言を5つ頂きました。本基準の趣旨が間違った方向に行かないように、きちんとした対応をしてゆく必要があると思っておりますので、水口委員から頂きました御提言を十分に尊重させていただいて、これからの運用へと、うまくつなげるように努力していきたいと考えております。どうもありがとうございました。
 
 それでは、引き続きまして大野委員、御発言をお願いいたします。

○大野委員
 
 監査役協会の大野でございます。ありがとうございます。
 
 御説明いただきました公開草案の前文と品質管理基準の改訂案につきましては、全体として、これまでの監査部会での御議論が反映されておりまして、良いものが出来上がったと思います。事務局の皆様の御尽力に感謝申し上げます。
 
 私より、簡単ですが2点コメントさせていただきます。これまでの議論の中でも、中小規模の監査事務所にどういう適用をしていくのかという様々な議論がございました。それについては、今回の品質管理基準の改訂案の「第二 品質管理システムの整備及び運用」の第1項で「監査事務所の性質及び状況を考慮した上で」とあって、「適切に整備し、運用しなければならない。」とありますので、ここでスケーラビリティのところが反映されているのかなと理解しております。一方、前文の方を見ますと、2ページ目にあります「二 主な改訂点とその考え方」の「1 リスク・アプローチに基づく品質管理システムの導入」の最後のところで、「上場会社等の監査を行う監査事務所については、監査業務の公益性に鑑み、充実した品質管理システムの整備及び運用が求められる。」とありますので、上場企業を監査する場合には、それが中小規模の監査事務所であっても、高いレベルの品質管理システムが求められるのだと理解いたしました。私は、ここはやはり非常に重要なポイントだと思っております。それを実現するために、前文の最後の四「改訂品質管理基準の実施に当たっての留意事項」というところで、2行目、3行目辺りから、中小規模監査事務所に対しては日本公認会計士協会様の方で、実践的で有益な支援を行ってほしいという記載があり、ぜひここは大いに期待させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 
 もう一点でございますが、品質管理基準の改訂案の、新設の「第十 情報と伝達」の第3項で、「監査事務所は、監査役等との品質管理システムに関する協議について」と書いていただいておりますので、私ども監査役協会としましても、これが成立しましたら、今後、会員の監査役等に対しまして、改訂された品質管理システムについての情報提供や周知をしっかり行ってまいりたいと思います。
 
 以上でございます。ありがとうございました。

○堀江部会長
 
 どうもありがとうございました。大変具体的なコメントをありがとうございました。
 
 それでは、御質問をたくさん頂いておりますので、引き続き、次々と御発言を頂きたいと思います。それでは、今給黎委員、お願いいたします。

○今給黎委員
 
 日立製作所の今給黎でございます。御説明ありがとうございます。若干のお願いも含めて、2点コメントさせていただきます。
 
 監査事務所の品質管理ということで、国際的整合性の枠組みと、これまでの我が国の取組の経緯を踏まえまして、改訂内容の大枠につきましては特段の異論はございません。
 
 ただ、企業といたしましては、重ねてのコメントになりますけれども、今後の対応の実質的な運用面で、品質管理の過剰なプロセス設計あるいは形式的なチェック工数増加による監査現場の混乱影響を危惧するところでございます。今回の改訂では、監査報酬の値上げといった話には直結しないと認識しておりますけれども、実施に当たりましては、国内の監査事務所全体として工数を吸収いただいて、効率的な運用をお願いしたいと思います。
 
 それと、今回の改訂で、品質管理の評価という点で、透明性の確保や利用者の適切な評価についても改めて言及されておりまして、これは私どもも非常に共感のあるところで、企業もガバナンスの透明性を高めることで、外部との積極的な対話による経営管理上のメリットを認識しております。手法はいろいろとあるかと思いますけれども、特に上場企業の監査を行う監査事務所の品質管理状況の公表と併せて、ぜひ利用者の方々からの積極的なフィードバックがなされますよう、今後のルール整備におかれましては、コンセンサス醸成をよろしくお願いいたします。
 
 以上でございます。

○堀江部会長
 
 どうもありがとうございました。様々有益なコメントを頂いて大変ありがたく思います。それでは、引き続きまして小畑委員、御発言をお願いいたします。

○小畑委員
 
 経団連の小畑でございます。発言の機会を頂戴しまして誠にありがとうございます。今回、御提示いただいた改訂案につきましては、監査の品質管理の質の向上につながるという観点から、非常に有益な改訂だと受け止めておりまして、この方向に私どもとしても賛同いたしたいと思っております。
 
 特に、今回の改訂の中の前文のところでありますけれども、リスク・アプローチに基づく品質管理の考え方をしっかりと書いていただいておりまして、今後この趣旨を徹底して、運用を図っていただきたいと考えています。決して、メリハリのないチェックリスト型の形式的な運用というのがなされないように、よくよく注意して進めていただければと思っております。
 
 その上で、前文並びに新旧について、1点ずつ申し上げさせていただきます。まず前文のところでありますけれども、二の1番「リスク・アプローチに基づく品質管理システムの導入」という部分で、2ページ目の上から7行目辺りに、「主体的にリスクを管理することで、質の高い品質管理を可能とすることとしている。」とあります。これ自体は全く異議のないところでありますけれども、先ほど今給黎委員からも御発言がありましたけれども、できれば、このリスク・アプローチに基づく品質管理をやると、質が高まるとともに効率性も高まるということを、しっかりと書いていただければと思います。質の高いということと併せて、効率的な品質管理と書いていただくと、より趣旨が徹底すると思っているところでございます。実際、私どもの会員企業からいろいろなお話を伺っているところでございますけれども、ISQM1に基づく品質管理を行うために監査報酬を値上げしたいというお話が来ているという会社もあるということです。決して、ISQM1の品質管理が監査報酬に直結するという話ではないのではないかと、私どもとしては考えておりますので、この点、効率性についても明記いただければと思っているところでございます。
 
 2点目は新旧の方でございますけれども、本日御提示いただいている新旧の4ページ目のところで、外部の業務提供者に関する記述が注3に書かれているところでございますけれども、この点、しっかりと書き込んでいただいて、ありがたいと思っております。一方で、これは前回も御質問したと思っておりまして、確認ということでありますけれども、監査業務を行っていない外部の専門人材、例えば保険数理人の方とか、あるいは品質管理システムの構築を行っているITベンダーの方など、監査業務を行っていない外部人材については、外部の業務提供者には該当しないと理解しているわけですけれども、そういう理解でよろしいかどうか確認させていただければと思います。
 
 以上、2点でございました。ありがとうございます。

○堀江部会長
 
 どうもありがとうございました。
 
 1点目、効率性の問題について御指摘いただきました。この点につきましては、事務局としても、これまで様々議論を重ねてきたところでございます。御趣旨は十分理解させていただきましたので、検討させていただければと思います。
 
 なお、外部の業務提供者の該当範囲などについては、事務局の方から回答をお願いします。

○加藤専門官
 
 加藤です。外部の専門家が、外部の業務提供者に該当するかという点について、回答させていただきます。
 
 外部の専門家につきましては、監査事務所が所属するネットワーク以外のネットワークの監査事務所と、外部の専門家と、その他の外部の業務提供者という、3つの区分で基本的に構成されております。この点を踏まえますと、例えばアクチュアリーですとか不動産鑑定士等の専門家の方は、外部の専門家にまず該当いたします。また、ITベンダーの方については、通常特に専門家ではないので、その他の外部の業務提供者に該当すると考えております。これらの専門家の方やITベンダーの方は外部の業務提供者に該当すると考えております。
 
 一方で、これらの方が監査チームに該当するかという点について述べさせていただきます。例えば、アクチュアリーや不動産鑑定士等については、専門家として監査手続を実施しておりますので、これらの方に関しては、外部の専門家の方は監査チームには含まれないという形に整理されます。これにつきましては、国際基準でありますISQM1でも同様の整理を行っております。一方で、ITベンダーの方については、ITベンダーの方が監査手続を行うというような形になった場合については、これらの方は監査チームに含まれることはあるのではないかと考えております。ただ一方で、ITベンダーの方が監査手続を実施するかということに関しては、各監査の様態によって検討されると考えております。
 
 以上、回答となります。

○堀江部会長
 
 今の回答でよろしゅうございましょうか。

○小畑委員
 
 大変よく分かりました。ありがとうございます。

○堀江部会長
 
 それでは、引き続きまして林田委員、御発言をお願いいたします。

○林田委員
 
 ありがとうございます。読売新聞の林田です。よろしくお願いします。全体的評価と、3点ほどコメントないし質問をしたいと思います。
 
 全体の評価としては、皆さんおっしゃられているように、ISQM1の要請について、非常に的確に対応しているほか、我が国独自の観点からの改善・改訂も盛り込まれていて、品質管理基準は大きくグレードアップしたものと評価できると思います。特筆すると、監査事務所間の、あるいは不正リスク対応基準と軌を一にした形で規定が設けられた。あるいは、積年の懸念として課題になっていた、非監査業務と監査の独立の体制の課題。この辺も明確に整理されていると思います。
 
 これを踏まえていくつかコメントしますが、まず品質管理基準の新旧対照表の8ページの、下から2つ目の枠の新の方ですけれども、ここで書いてあるのは要するに、審査の担当者が適性や能力、適切な権限を有すること、それから客観性や独立性を保持していること、それから職業倫理を遵守することの3点について、確かめねばならないということを書いているのだと思います。「~し」でつないでいて、それぞれが独立した概念であるということが、文章表現上、分かりにくいのかなと。「有すること」、「保持すること」、「していること」、「遵守すること」というふうに表現した方が分かりやすいかなと思います。これは文章上の問題です。
 
 それから、「確かめなければならない」という表現なのですが、これは多分、クーリング・オフのことを言っているのではないかと思うのですけれども、クーリング・オフのことをずばり言っているのであれば、例えば、「一定の期間を設けて確かめねばならない」といった具合に一般化すれば、これはクーリング・オフのことなんだなということが誰にでも分かるのではないかと感じました。
 
 それから次、11ページ、上から3つ目の枠のところで、一番上に、「識別された不備の根本原因を調査し、」とありますが、この根本原因というのは、どういうものを指して根本原因と言うかというのが明確ではないような気がいたしました。根本原因はこういうものという解釈が、各監査事務所で異なっていると、出てくるものもずれてきてしまうということになってしまうので、こういうものが例えば根本原因だというようなことが分かればよい気がいたしました。
 
 最後は公開草案の方です。4ページ目の一番下のところです。「加えて」からのパラグラフですけれども、「積極的な情報発信を行うなど、十分な透明性を確保することに努められる」と。これはそのとおりであると思います。ただ、前回、白川委員、金子委員からも御指摘がありましたけれども、一般投資家などのユーザが企業の経営情報を分析しようと。さて、どこの監査法人がどのような監査体制で、どのような監査品質で行ったのかを確認したいと思ったとき、そもそも情報公開するといっても、公表書類の知名度は、私のような新聞記者でも知らないようなものがあって、知名度としてはかなり低いのかなと。どこに情報があるのか分からず、アクセスできない。あるいは、物によっては、出向いてみなければならないなどの手間がかかる。あるいは、情報は見たけれども、アクセスしたけれども、専門的かつ膨大で、会計の専門家でなければ理解できないというのでは、公開草案が言うところの十分な透明性を確保したということにはならないのだと思います。
 
 かつて株式投資家は、会社四季報のような情報を見て投資判断したわけですけれども、デジタル化した現在では、東証の適時開示サイトなどで簡単にアクセスできる。最新の情報が得られます。あと、開示情報検索を行えば、同一業種の企業の情報を比較検討することも簡単にできます。あと、有報も、EDINETを使えば、いつでも見ることができる。こうしたIRに関する情報は、非常に平明になり、かつアクセスが簡単になってきております。監査法人に関する情報開示というものも、アクセス性を考えて充実させてはいかがなものか。監査法人というのは、正しい企業情報を投資家に提供するための守護神でもあり、偽情報の流布を阻止する防波堤でもありますので、監査法人自身の情報開示が不十分というのでは、お話にならないわけでありまして、ぜひその辺り、質的に改善していただきたいと思います。

○堀江部会長
 
 どうもありがとうございました。表現上の問題につきまして、いくつか御指摘をいただきました。趣旨は十分理解いたしましたので、どこまでうまく取り込めるか分かりませんけれども、ひとまず預からせていただき、事務局と相談の上、御指摘の方向で文章を若干修正させていただければと考えております。どうもありがとうございました。
 
 事務局から何かコメントはありますか。

○西山開示業務室長

 根本原因につきましては、前文5ページ目、「(9)品質管理プロセスのモニタリング及び改善プロセス」において、「根本原因」という言葉が初出のところで、括弧を付して説明しております。前文も基準を構成する文章でございますので、こちらで根本原因につきまして、「特定の不備に関する直接的な原因や、複数の不備に共通した原因について、原因が生じた原因を検討・分析することで究明される、不備の本質的な原因」と書いておりますが、こうした表現などにつきましても、理解を徹底していければと思っております。
 
 透明性に関する御指摘も承りました。

○林田委員
 
 分かりました。よろしくお願いします。ありがとうございました。

○堀江部会長
 
 それでは、続きまして引頭委員、御発言をお願いいたします。

○引頭委員
 
 部会長、ありがとうございます。引頭でございます。
 
 2005年(平成17年)に品質管理基準が設定されまして、今回、実に16年ぶりの改訂となりますが、この16年間、世の中を見ていますと、国内外ともに様々な監査をめぐる問題がございました。そうしたことを考えますと、まさに時節を得た改訂と思っております。取りまとめをされました部会長、事務局の方々、そして関係者の方々に、本当に感謝しております。
 
 そうした中で大きく2点、申し上げたいことがございます。1点目ですが、私もずっと、監査の品質とは何か、ということを考え、議論を見てきた立場の者として、今回の品質管理基準の中で、品質を高めるために様々な良い内容が盛り込まれたと思っております。この中で、個人的に大変良いと思った点を5つ、簡単に申し上げたいと思います。
 
 1つは、基準の第二のところに書いてありますリスク・アプローチについてです。品質管理システムにリスク・アプローチが取り入れられたことについて、大野様も小畑様も指摘されていましたが、各事務所が必要と考える品質管理システムを構築していく上で、大変重要だと思っております。また、公開草案に、上場会社にはさらに充実した品質管理システムが求められているということで、非常に分かりやすくなっていると思います。
  
 2点目は、同じ第二の2項に書いてあります、監査事務所の最高責任者が、品質管理に対する責任、あるいはアカウンタビリティも負うということが明確に定義されたことも、品質管理を進める上で大変重要だと思います。
 
 3点目は、第七の第2項、新規の契約の受嘱とか更新時についてですが、新規の契約を受嘱した後、または更新の契約をした後に、契約解除につながる可能性のあるような事実や問題を把握したときに、どのように対処するかについての手順をあらかじめ決めること、とされています。やはり問題が起きてから、あらためて対応を考えるとなると、対応がばらつく可能性が高くなりますが、あらかじめ規定していれば、この部分について高い監査品質が保たれるのではないかと思っております。
 
 4点目は、第九の1項に書いてありますリソースについてですが、特にテクノロジー資源に関して、品質管理目標を立てる旨が記載されています。これから監査のIT化が進んでいく中で、IT統制あるいはITへの対応といったものが明確にされたことも、監査品質を高めるための大変重要な一歩だと思っております。
 
 最後、5点目ですが、先ほどの林田委員のお話で触れられていましたが、第十一の3項、品質管理のモニタリングにおいて根本原因を調査するということで、「根本原因」という言葉が入ったことが、逆に私は大変よかったと思っております。私が林田委員の御質問に答える立場ではないことは百も承知で申し上げますが、根本原因という言葉について、明確に定義することは難しいと思います。ですが、何か事案が生じた際に、表層的な原因究明で片付けてしまわず、なぜそれが起こったかについて、より深く考えて根本的な原因を解明していかないと、本当の意味での解決には至りません。もちろん、調査した根本原因が必ずしも正確ではないかもしれません。ある意味では仮説です。その仮説に基づいて、問題事案が再発しないように品質管理システムを再構築していくわけですが、また問題が生じた場合には、再度根本原因を調査する、そういったPDCAを回していくためのキーワードであると考えております。金融庁全体でも、金融業界の監督において、様々な不祥事における根本原因を見ていくという姿勢になっておりますので、それとも平仄が合っていると考えました。このほか良い点は多くありますが、以上5点が、今回大変よかったなと思う点ということでございます。
 
 大きい2点目なのですけれども、これは公開草案の四の項目でございます。実際、基準ができた後、社会にどのように実装していくかということが、四に書いてあると思います。ここを拝見いたしますと、公認会計士協会には、かなり大きな宿題が投げかけられたなと勝手に思っているわけですが、ぜひ、会員となっている各監査事務所のいわゆる監査の実態と、そして監査報告を使う利用者、そして資本市場からの期待、こうしたものも加味しながら、この基準が社会実装できるような仕組みづくりに取り組んでいただければ、大変ありがたいと思いました。
 
 以上でございます。

○堀江部会長
 
 どうもありがとうございました。とても前向きで有益なコメントを頂きまして、ありがとうございます。励みになります。
 
 それでは、引き続きまして紙谷委員、御発言をお願いいたします。

○紙谷委員
 
 紙谷でございます。御指名ありがとうございます。
 
 これまでの議論をこのような形で取りまとめていただきまして、事務局の皆様には大変感謝しております。私としましては、公開草案の公表に賛同したいと考えております。
 
 前回の審議会におきまして、基準にはキーワード的なものをしっかり入れていただいて実務指針に詳細を記載していただきたいとか、適用時期に関しまして十分な準備期間を取っていただきたいという発言をさせていただきましたが、今回の資料はこれらを反映したものとなっておりまして、大変ありがたいと思っております。
 
 前文の方で、より積極的に品質管理上のリスクを捉えて、当該リスクに対処し、品質管理体制を改善するサイクルを組織内に有効に展開する品質管理へ変えていく必要があると書かれておりまして、監査事務所の経営陣の一員として、この改善するサイクルをしっかり回していくというところを引き受けて、社会からの監査品質に関する期待に応えていくように努めていきたいと考えております。
 
 以上でございます。

○堀江部会長
 
 どうもありがとうございました。それでは、引き続きまして手塚委員、御発言をお願いいたします。

○手塚委員
 
 どうもありがとうございます。会計士協会、手塚です。
 
 品質管理基準の公開草案の取りまとめ、どうもありがとうございました。大変よくまとめていただいたと思っております。
 
 当初私が話そうと思っていたことは、そんな時間はかからないのですけれども、いろいろな御意見を頂いて、私の立場からお伝えしたいことがいくつか出てきたので、少しお時間を頂いてもよろしいでしょうか。
 
 まず、最初に話そうと思っていたことについてお話をします。上場会社の監査が重要なことは言うまでもないのですけれども、近年は、経済社会で重要な役割を担う事業体については、財務情報の開示と会計監査を義務付けるということが政策として広く行われるようになってきています。典型的なのは、医療法人や社会福祉法人、農協の監査ですけれども、こうした動きは今後も恐らく長く続いていくのだろうと思っています。それだけ監査人が社会において果たす役割が重要になっているのだと、重く受け止めています。したがって、特に公益性の高い事業体を監査する監査事務所は、質の高い監査を持続的に提供できる経営の仕組みを確保して運用しなければならないということでありまして、それは、ISQM1が監査事務所の品質確保に関して、経営の視点を従来よりも強く入れたということに現れている。これは必然だと受け止めています。したがって、監査事務所がそれぞれの特性に応じて、監査の品質管理に主体的に取り組んでいくことを、会長としても期待しております。当協会も、監査事務所の支援と指導監督には全力を尽くしてまいる所存です。
 
 上場会社に関して申しますと、日本の上場会社は3,900近くになっていまして、もうすぐ間違いなく4,000になります。その上場会社は、例えばグローバルに事業展開する超大企業もあれば、そうではないベンチャー企業もあり、特性は様々です。こういったマーケットにおいて、監査に対する量的・質的ニーズを全て満たすためには、中小監査法人が果たす役割は極めて大きいと考えています。したがって、私どもとしては、品質管理基準の改訂を契機として、こうした重要な役割を担っている中小監査法人の品質管理基盤の強化に支援を惜しまない所存です。
 
 私の方でも質問が2つあります。まずは、品質管理基準の準用規定で、金子先生にお話しいただいたことと同様なのですが、例えば監査及び監査以外の保証業務、あるいはその周辺業務としての、例えばコンフォートレターですね。そういったところに関しては、既に品質管理基準に従って、品質管理の仕組みを構築し運用しているというのが一般的な理解でありまして、これはISQMとも相通じるところです。一方で、例えばここに、今言ったような関連業務ではないコンサルティング業務やアドバイザリー業務が入ったときに、品質管理基準と合致する仕組みを整えているかというと、そうではないところが多いのではないかと推測します。ですから、「望ましい」規定なので、それは義務ではないということですから、監査事務所それぞれが適切だと考えるものを、この品質管理基準を参考にしながら、アドバイザリー業務に組み込んでいくということでいいのかどうか、そういう意図なのかどうかということです。当然、監査と関連する独立性のチェックなどはアドバイザリーに関わる人もやらないといけません。これは確認でございます。
 
 もう一つは、適用時期です。評価の基準時点を監査事務所の会計年度の末日以降とすることができると書いていただきましたので、要するに会計年度の末日に限定するのではなくて、例えば6月の決算の会計事務所であれば、7月1日以降に基準日を設けて、毎年、定点観測していくということでいいのか。この2つが質問です。
 
 それから、いろいろ御意見を頂きまして、最初に、第三者のレビューと、品質管理システムの自己評価に乖離があった場合の公表・開示ということに関してです。これは改善を促す重要な施策だと思う一方で、本当に監査法人の経営ということに対して焦点が当たったときに、その結果を公表するというのであればレビューする側も相当な覚悟が要るということだと考えています。個別の監査業務に加えて監査法人の品質マネジメントを経営の視点からチェックするということ、その結果について監査法人に公表させるということを意図しているのであれば、レビューをする側も、今よりも次元の異なる覚悟は持ってやらなければならないということだと思っています。
 
 それからまた、高いレベルの品質管理の仕組みを、中小法人に対しても適用するといことについて。これは当然のことですが、先ほど申し上げたように、中小法人が仕事をしている相手先企業は、特性が大企業とは違うケースが多いので、高いレベルの品質管理の仕組みというのは画一的ではないということを、ぜひ御理解いただきたいと思います。全ての監査法人が、大手監査法人のように高度なIT基盤とAI等を活用した高度な分析技術を駆使しなければならないか、グローバルのネットワークを具備しなければならないかというと、必ずしもそうではないということです。
 
 次に、コスト、効率性の問題です。当然、監査法人は、品質管理システムを新しく更新していくに当たって、そのコストを吸収する努力は継続すべきだと思います。ただ一方で、監査の効率性が向上するかしないかというのは、監査法人の努力だけではなくて、企業側との協働体制がうまくいって初めて成り立つものです。これも、先ほど申し上げたこととつながるのですけれども、企業側の体制整備の状況も、4,000社に近い上場会社では様々です。中には、海外進出をしていても、グローバルに出す人材がいないという会社もあるわけです。そこに対しては、特にBIG6のグローバルネットワークは、日本の監査法人も含めて多大な投資をしています。また、グローバルで共通のツール、あるいは共通の手法で仕事ができる状況、あるいは、世界のどこで監査クライアント等に業務を提供するとしても、この独立性のチェックができるような、ITを使った仕組みの構築、その他、多大な投資をしています。ですから、ISQMということに限定するのではなくて、監査法人も努力をするとともに、企業側との協働関係で効率性を上げていくのだと。そういうふうに私は考えています。
 
 あと、情報開示の観点では、私ども日本公認会計士協会のウェブサイト上に、上場会社監査事務所名簿というのを設けていて、そこには上場会社監査事務所として認定された事務所全部の情報が入っています。その中に、毎年提出する業務報告書も掲載されていて、誰でも御覧いただけるようにしています。中には、監査事務所のウェブサイトへのリンクも付しているのですが、こういったものを周知するという努力が私どもも十分ではなかったのだなと反省をした次第です。このような情報窓口の周知とともに、個々の監査法人の開示の充実というのは今後の大きな課題であると、大変貴重な御指摘として受け止めました。
 
 以上でございます。長くなってすみませんでした。

○堀江部会長
 
 御発言の中で、恐らく確認を兼ねました御質問を2点、頂いております。1点目はこの基準の準用、参照問題。金子委員に対する御回答と重複するところもあるかと思いますが事務局から回答させていただきます。もう1点は実施時期の御確認だったと思いますので、これについても事務局より回答をお願いします。

○西山開示業務室長

 事務局でございます。御質問のあった、監査以外の業務、例えばコンサルとおっしゃっていました、非監査のアドバイザリーや財務諸表等の調整業務というのも監査法人においてはあると承知しておりますが、これらの基準との対象関係ということの御質問かと理解しております。
 
 まず、一般に公正妥当とされている基準に対しては、適用関係を「準用」としたことで、監査に関する基準というのは直に読み替えて適用されるという理解でございます。それ以外の「参照」というものは、我々としては、非監査については基準が現行存在しないという理解でございます。ただ、監査法人の業務の運営においては、トップが1人いてリーダーシップを発揮していたり、教育や人材などのリソースを共有していたりする部分も多いので、そうした意味で参考にしつつ、全体としての監査品質の向上などにも資するような形で、参照という形で取り組んでいただけたらという文章の位置付けでございます。
 
 もう一つの施行時期につきまして、末日からとしている点について、御理解のとおり、7月1日以降を基準日として評価していくということは可能でございます。
 
 以上です。

○手塚委員
 
 どうもありがとうございました。よく分かりました。参照に関しては、品質管理基準の趣旨をよく酌んで、しっかりとしたマネジメントシステムを、監査・保証以外の業務でも構築すべきだと。そういう意図だと理解いたします。ありがとうございました。

○堀江部会長
 
 それでは、引き続きまして井口委員、御発言をお願いいたします。

○井口委員
 
 ありがとうございます。
 
 まず、部会長、それから事務局には、取りまとめいただきありがとうございます。今回の品質管理基準改訂で、より的確な監査業務が実施されることを、利用者としても期待しております。改訂案については賛同いたします。
 
 何人かの委員の方が既にコメントされていることではあるのですが、2点コメントさせていただければと思います。最初は、前文の2ページのリスク・アプローチの最後の部分にあります「上場会社等の監査を行う」というところです。監査事務所については、充実した品質管理システムの整備が求められるところですが、この箇所は、何人かの方もおっしゃっておりましたが、利用者から見ると非常に重要なところと思っております。品質目標などを自ら設定し、実効的な監査体制を構築できるということや、あるいは品質管理の施策が中小監査法人まで浸透するように、スケーラビリティへの配慮を行うということは重要だとは思っておるのですが、ただ、上場企業の監査というところになりますと、監査法人の規模や事情などにかかわらず、投資家保護の観点からも、高い品質管理体制が求められると理解しております。こういった監査法人において、品質目標の設定やリスク認識ということが適切に実施されているかについては、6ページに記載されております、監督される関係団体の方には、しっかり監督していただくことを希望しております。
 
 もう一点は、4ページにある「情報と伝達」になります。こちらに、「監査報告の利用者が適切に評価できるよう、監査事務所の品質管理に関する積極的な情報発信を行うなど、十分な透明性を確保することが求められる。」という文章がありましたので、そこについてコメントさせていただければと思います。今給黎委員からも御発言がありましたが、企業の開示と同様に、利用者が監査法人の評価を行うには適切な開示は欠かせないと思っております。ただ、例えば大手監査法人などは、すばらしい透明性報告書というのを出されておりまして、それを見ると、どういう方向性や態勢で監査をやられようとしているのかがよく分かるのですが、例えば、上場企業を監査している監査法人でも、中小規模の監査法人にあのレベルの開示を求めるのは厳しいのではないか、と懸念しております。一方で、ボイラープレート的な開示をされても利用者の評価には役に立たないということで、情報の出し方は非常に重要になってくると思います。評価をするに当たって有用な情報開示は何か、ということは重要になってくるのだろうと思います。
 
 例えば、上場企業の監査を行っている中小監査法人などの場合に、負担を軽減しつつ、有用な情報開示をしていただくということを考えますと、前に見せていただいたことがあるのですが、企業の監査役とかに見せていらっしゃる資料、全て開示するということはできないとは思いますが、非常に分かりやすい資料を作っていらっしゃると思いますので、その中から、どうしても開示できない部分は取って、それを開示していただくというのも1つのやり方ではないか、と思っています。
 
 あと、林田委員からも御指摘がありましたが、有用な開示資料があったとしても、どこにあるか分からないとなってくると、利用者としても使いようがありませんので、分かるようなところに開示していただくというのが大事と思っています。この点につきましては、今、手塚委員がおっしゃっていましたが、例えば協会さんのホームページで、まとめてリンクをつけていただいて、そこから各監査法人の開示資料を見に行けるようにしていただくといいのではないかと思います。そうすると、資料の開示場所が分かり、そして、有用な資料があるということになると、ここに書いていらっしゃるような、利用者が適切に評価できる情報開示資料の活用ができるようになるのではないかなと思っております。以上でございます。ありがとうございました。

○堀江部会長
 
 情報開示の在り方をはじめとして有益なコメントをありがとうございました。
 
 それでは、引き続きまして住田委員、御発言をお願いいたします。

○住田委員
 
 ありがとうございます。まず、品質管理のシステムというのは、一回構築したら、ずっとそのままでいいということではなくて、時代時代で、監査事務所に対する要請とか社会の期待が変わってきているので、そういう流れをとらまえて、きちっと品質管理の仕組みを整えるということを促すという意味では、今回まとめていただいたこの品質管理基準は全体として、非常に有意義なものになるのではないかと思っております。
 
 先ほど来、何人かの方から、御指摘や御意見があった、品質管理基準の適用範囲なのですけれども、品質管理基準は、監査基準、中間監査基準、内部統制監査基準、四半期レビュー基準と一体となって適用されるということで、中間監査、四半期レビュー、内部統制監査のそれぞれの基準の側で品質管理基準を遵守する、従わないといけないということが書かれています。ですので、個人的な意見、少数派かもしれないのですけれども、「準用」というのをやめて、基準の名称から「監査に関する」というのは取ってしまって、「品質管理基準」とした方が、中間監査、内部統制監査、四半期レビューの基準と一緒に適用しないといけないということがより明確になっていいのではないかと思いました。
 
 また、今回の改訂の趣旨が、監査事務所が行っている業務の内容に即して、品質管理の目標とか対応を考えようというリスク・アプローチの考え、概念を入れるということですので、そういう意味でも、「監査に関する」というような限定的な語句はない方がいいのではないかと思っております。それが、適用範囲に関する1点目です。
 
 適用範囲に関する2点目としましては、中間監査、内部統制監査、四半期レビュー以外の業務を多々行っている監査事務所がありますけれども、先ほど、そういうものに対しては、一般に公正妥当と認められる基準がないので、参照というレベルで適用を推奨するというようなお話だったと思います。一般に公正妥当と認められる基準はこの審議会で定めた基準しかないというところが1つ論点としてあると承知しておりますが、現在、公認会計士協会で定めております実務指針の中には、例えば一般企業の皆様の中でも広く利用されている、受託業務に係る内部統制の保証業務というのがございます。年金の制度に関する業務を外部に委託している場合、そういう業務を委託された場合も、受託会社が内部統制をきちっと構築しているかどうかということを第三者として保証するという業務は、現在広く日本でも利用されており、これは協会の実務指針がベースになっております。
 
 また、金融庁の関連でもいろいろと制度上利用されている業務、例えば金融商品取引業者における顧客資産の分別管理ですとか、仮想通貨交換業者の利用者財産分別管理に関する保証業務ですとか、合意された手続業務がありますが、これら社会の要請に応じて行われている業務についても既に実務指針がつくられていて、実務指針側で、品質管理の方針及び手続を事務所として定めて行わなければならないということが既に義務付けられております。それらの業務に対しては、参照レベルというよりは、既に行われているということを、まずお伝えした方がいいのかなと思いました。
 
 前文の方で、その他の業務にも参照されることが望ましいと書いていただいたこと自体は、非常に、品質管理基準の拡張性が示されたということで、歓迎すべきことだと感じております。監査事務所の中にはアドバイザリー業務もいっぱい行っている事務所もあり、そういうものに品質管理のシステムがそぐわないかというと、そんなことはないと私自身は感じております。というのも、契約の受嘱のところですとか、自分の能力に合わないことはやらないとか、そういうことが品質管理基準では求められてくるわけです。アドバイザリー業務は監査と違い自由度の高い業務ですので、細かい業務実施の方針及び手続を一律に定めよということではないので、そういうところは十分、柔軟性を持った構築ができるということと思います。したがって、アドバイザリー業務に対して品質管理はやらなくていいと、はっきりと切り離してしまうというのは、ちょっと間違った方向に行ってしまいかねないと感じているところです。ですので、前文で、「望ましい」レベルであったとしても書いていただいたということは、非常に歓迎すべきことと思っています。
 
 2点目、これは表現の問題なのですけれども、新旧対照表の「業務の実施」のところに、「より質の高い監査の実施を目指すために、業務の実施に関する品質目標を設定しなければならない。」ということが書かれています。この「より質の高い監査の実施を目指す」ということは、もとのISQM1の中では、「the performance of quality engagement」とあって、この「quality engagement」を日本語に当てていただいたのだと思いますが、ちょっとニュアンスが違うのではないかと感じております。ISQM1では、QMシステムの目的について、各チームが職業専門家としての基準や関連法令に準拠して業務を行って、適切な報告を行うということを合理的に確保するということが目的として示されていて、その文脈において「quality engagement」という言葉が使われています。今回のISQM1の改訂は、チームによってばらつくqualityではなくて、consistentなperformanceを目指せ、そこを再確認しろということをかなり強調していると理解しておりまして、そういう意味の「quality engagement」ですので、「より質の高い監査の実施」というと、何か青天井でいいものを目指せというような、努力目標のようなニュアンスになってしまわないかなと感じているところです。あるいは逆に、より高いものを目指しているんだということがデモンストレートできるのであれば、そういうことは普通ないかもしれないんですけど、職業専門家としての基準に満たないような品質の目標の立て方とかリスク対応をしたとしても許容されるというような読み方もできなくはないので、そういうことではなくて、言葉は適切ではないかもしれないんですけど、もっと確実なラインの品質が、品質管理システムでは求められているということが明確になるような書き方の方が適切なのではないかと思います。日本の品質管理基準の目的は、今回は特に改正の対象にはなっておらず、「第一 目的」の個所では、「監査実施者」が「監査チーム」になったのみで、表現の変更はありません。ということであれば、QMシステムの目的として掲げられている、「業務の質を合理的に確保するために」というような表現の方が、「業務の実施」のところの導入の語句としては適切なレベル感を示しているのではないかと思っております。
 
 それから3点目、用語の問題で、先ほど来から「監査チーム」とか「専門要員」の話が出てきていましたけれども、まず、「監査チーム」の定義に関してです。監査人が利用する専門家の中には、例えばアクチュアリーですとか、あるいはITの専門家、資産評価の専門家も入ると思いますが、外部の専門家は、監査手続を実施していたとしても、監査チームには入らないということは、明確に基準でも書いていただいた方がいいのではないかと思います。ここは結構、混乱を招きかねないところと思っております。
 
 それから「専門要員」ですが、この「専門要員」という言葉は、実務指針レベルで既に定義がありますが、今回の案では、「監査事務所の監査業務に従事するその他の者」とされています。監査事務所には、監査業務に従事しない、いわゆるアドバイザリー業務などに従事する専門スタッフもいます。そもそも、「専門要員」の用語というのは、監査人の独立性などを考えるときの重要な用語として定義付けられているので、そのときに、監査業務に従事する者だけというふうにしてしまいますと、ISQM1や今の実務指針と離れてしまいますので、ここは監査業務に限らず、「監査事務所の専門的業務に従事するその他の者」というような言い方の方が適切なのかなと思っています。
 
 最後に、適用時期について、これは感想なのですけれども、2005年(平成17年)の品質管理基準の適用時期についても、被監査会社の決算期で適用時期を決めるという決め方なのですけれども、品質管理基準というのは、監査事務所の品質管理システムのカットオフの話なので、こういう決め方でいいのかなと思います。同じ日付を取るにしても、2023年(令和5年)7月1日までに監査事務所の品質管理の整備は終了するという決め方もあるのではないかと。そちらの方がすっきりするような気もいたしますので、この点は、実務的な部分がかなり関係すると思いますので、御検討いただければと思います。
 
 すみません。以上、長くなりました。

○堀江部会長
 
 どうもありがとうございました。ただいま、4点、御指摘をいただきました。前半の2点につきましては、極めて重い修正提案となりますので、私の方で回答させていただければと思います。
 
 1点目、基準の名称でございます。住田委員の御発言の趣旨は十分理解できるところではございますけれども、この基準の「第一 目的」でも、監査基準と一体となって適用されると。こういった立てつけから始まって、基準本文は、全て、監査あるいは監査業務といった言葉が使われております。基準のタイトルは別だという議論もあり得ないわけではないかと思いますけれども、この段階におきましては、基準の中身等への跳ね返りも心配されるところでございますので、できましたら、「監査に関する品質管理基準」という形で御了解いただければ幸いでございます。
 
 なお、この基準の名称につきましては、実はコントロールからマネジメントに変わったので、品質マネジメント基準とすべきかどうかということも、事務局内では長い時間をかけて議論させていただいたところでございます。様々、関係者からも御意見を集約しましたところ、これまでの名称のとおり「品質管理基準」とした方が、かえって混乱もなく、うまく着地できるのではないかという判断に至ったわけでございます。
 
 それから2点目でございますけれども、「業務の実施」のところだけ、「より質の高い監査の実施を目指すために」というフレーズが入っております。住田委員が御指摘になられましたとおり、この点につきましても事務局内で原文と照らし合わせながら、この表現をどういうふうにするかという議論をいたしました。確かにISQM1の趣旨は十分に理解できるところではございますけれども、業務の実施につきましてはやはり、改善を繰り返し、スパイラルアップしてゆくようなイメージを何とかうまく出せないかというところにウェイトを置いて、このような表記とさせていただきました。
繰り返しになりますが、第1点目でございますけれども、本日も御議論いただきました、準用か参照かということで、前文にその点は明記させていただいておりますので、基準のタイトルにつきましては、「監査に関するという」文言を残す形で、御理解いただけますと幸いでございます。
 
 引き続きまして、後半の3つ目、4つ目の御質問につきましては、事務局から回答させていただきますので、よろしくお願いいたします。

○加藤専門官
 
 質問の3点目について回答させていただきます。質問3点目ですが、監査チームの定義の中に、外部の専門家は含まないということを明記してはいかがかという御提案と承っております。これについて回答させていただきます。
 
 事務局といたしましても、外部の専門家を含まないということを記載するかどうかについて検討いたしました。外部の専門家を含まないという点については、IAASBの議論等も踏まえた上で検討したのですが、これについては、今後、国際監査基準が変更する可能性があることも踏まえまして、基準には記載しないという形で整理させていただきました。協会の実務指針等では、この点が明記されることにはなるかと思います。これをもって、この点明らかにしたいと考えています。

○堀江部会長
 
 住田委員、いかがでございましょうか。

○住田委員
 
 ありがとうございます。すみません。1点目のところ、基準の名称を変えるということは、「目的」のところも「監査基準と一体として」というところを、「監査基準、中間監査基準、内部統制監査基準、四半期レビュー基準と一体として」という文言に変わるということを想定していました。四半期レビューにしても、中間監査、内部統制監査にしても、年度の財務諸表の監査チームと同一の監査チームが行うことが想定されていますので、用語の問題としては、監査チームという言葉で、以後の品質管理基準の中を書いたとしても、それほどの混乱はないのかなとは思っていたところです。ちょっと補足させていただきました。
 
 「監査チーム」の定義については、協会の実務指針側で補うということと理解いたしました。ISQM1の現行の規定等を変える意図ではないということが確認できたのでよかったと思っております。
 
 あとは、「専門委員」の定義についても、また引き続き御検討いただければと思っております。以上です。

○堀江部会長
 
 どうもありがとうございました。冒頭の御意見につきましては、最終的な落としどころとして、前文の準用等の箇所でうまく表現できないかということで、落ち着いております。また、専門委員の定義につきましても、私に預からせていただき、再度、確認と検討をさせていただくということでお許しいただければと思います。
 
 それでは松元委員、御発言をお願い申し上げます。

○松元委員
 
 ありがとうございます。まず、今回の案につきまして、大変充実した内容になっているものと思います。様々な意見を反映していただきまして、部会長、事務局に心より御礼を申し上げたいと思います。全体としてとても良いものになっているのではないかと思いました。
 
 その上で、1点だけ確認というか、御質問をさせていただきたいのですけれども、新旧対照表で言うところの、8ページの「四 監査業務に係る審査」というところの、縦2番ということになるかと思います。これは、先ほど林田委員からも御指摘があったかと思いますが、この部分は、以前の審議会の際には、クーリング・オフ期間、インターバル期間を設けるというような書き方が、当初、御提案されていたところだったかと理解しております。その際に、上場会社を対象とする監査ではない場合で、小規模な事務所が上場会社監査をしているわけでもないといった場合にまで、クーリング・オフとかインターバルを要求するのはいかがなものかということを問題提起させていただきました。それに対して、品質管理基準というのは全ての監査を対象にしているものなので、全ての監査を対象にした条文の書きぶりでないと恐らく難しいということで、こういった書き方になったのかなと、「客観性及び独立性を保持し」というところまでしか書かないということになったのかなと理解しています。
 
 前文4ページの上から10行目辺りを拝見すると、「審査の担当者に就任する際には適切なインターバルを設けることが必要である」というようなことが書かれていて、恐らくこれは、公認会計士協会の実務指針に、落とすという言い方が正しいのか分かりませんが、実務指針で詳細に規定するという趣旨なのではないかと理解しております。
 
 そこで、結論が一体どうなるのかというところがちょっと気になっておりまして、と申しますのは、少なくとも上場会社の監査につきましては、やはり確実に国際的に要求されることになるクーリング・オフあるいはインターバルというのを要求することが必要であろうと思っておりまして、今回の品質管理基準の中に明記されないということであれば、公認会計士協会の方の実務指針では、少なくとも上場会社監査についての審査については、インターバルの要求あるいはクーリング・オフの要求というものが入る見込みであるのかどうかということについて、ちょっとここでお伺いして、ここは公認会計士協会ではないので、どういうお答えになるのか難しいところかとは思いますが、この辺りの見通しを御教示いただければと思います。よろしくお願いいたします。

○堀江部会長
 
 どうもありがとうございました。では、事務局から簡単にコメントさせていただきます。

○西山開示業務室長

 基準での書きぶりと、前文で「インターバル」と記載した書き方の工夫と、委員のおっしゃいました、全ての監査事務所に適用するわけではないということの関係、御理解のとおりかと思います。具体的な考え方としましては、今後、協会の実務指針の中で、クーリング・オフの期間でありますとか、クーリング・オフの対象となる事務所の範囲を定めていくことを考えておりまして、御指摘のありました、市場の公益の観点から重要な上場会社や、これに類するような会社を含む、例えば大会社等を対象とした監査業務を行う監査事務所ということが考えられると思いますが委員からも頂いた御意見や部会の議論を踏まえて、実務指針の中で検討していくということを考えております。

○松元委員
 
 ありがとうございました。それであれば、ぜひ上場会社監査については国際基準に沿ったものを入れていただきたいということを、要望としてお伝えさせていただければと思います。大変ありがとうございました。

○堀江部会長
 
 どうもありがとうございました。それでは林委員、御発言をお願いいたします。

○林委員
 
 ありがとうございます。林です。前文と、それから改訂基準案について、1つずつ意見を申し上げます。
 
 前文に書かれている改訂の必要性と趣旨につきましては、本部会でのこれまでの議論を踏まえて、簡潔に必要なことが書き込まれていると思いますが、これに関連しまして確認しておきたいことがございます。それは、今回の改訂により、品質管理の水準は高まることが想定されているということです。今回の改訂審議において1つの参考としました国際会計士連盟の品質管理に関するウェブサイトを見ますと、品質管理基準の見直しは、raise the bar、つまり品質管理の水準を高めるものであるという説明がなされております。本部会でも、これまでに何度か同様の御発言があったと思いますけれども、品質管理基準の改訂では、リスク・アプローチの導入により、スケーラブルな、つまり事務所の実態に応じた品質管理システムを整備・運用することが可能になること、また従来よりも主体的・積極的な品質管理の取組が求められていることなどを通じて、品質管理の水準を高めるという理解ないし目標を、この場で共有することが肝要だろうと考えております。これが1つ目です。
 
 もう一つは基準本文の改正内容についてですが、日本公認会計士協会がIAASBによる国際基準を原則としてそのまま実務指針等に落とし込むことを念頭に置いて、本品質管理基準に何をどこまで書き込むかということが論点だったと思います。資料2に示されている改訂案は、国際的な動向を踏まえ、それから現行の基準も踏まえて、日本の事情も勘案して作成されております。リスク・アプローチ、スケーラビリティ、それから品質管理システムの構成内容などについて基本原則が書き込まれておりまして、先ほど申し上げた論点・観点に照らして過不足のない、適切なものであると考えますので、これを公開草案として広く意見を求めることに賛成いたします。
 
 以上、2点が私の意見です。どうもありがとうございました。

○堀江部会長
 
 どうもありがとうございました。
 
 それでは、時間も迫ってまいりました。本日は、多数の貴重な御意見を賜りました。そろそろ定刻となりますので、本日の審議はこれで終了させていただきたいと考えております。
 
 本日、重めの御意見も頂きましたけれども、今回の草案の中身につきましては、概ね皆様の合意が得られたのではないかと考えております。そこで、部会長といたしましては、本日頂きました修正提案等を踏まえ、所要の修正を行った上で、早急にパブリックコメントに付すことにしたいと思っております。具体的な文言の修正等につきましては私に御一任いただくということで、御異議ございませんでしょうか。

(異議なし)

○堀江部会長
 
 大変ありがとうございます。
 
 やはり、管理それ自体が目的になってはいけません。文書化することが管理でもありません。本日、改訂の趣旨をこれから生かす方策について、委員の皆様から大変貴重な御意見を頂戴いたしました。御意見を踏まえまして、きちっとした品質管理の体制が我が国に定着することを祈っております。
 
 最後に今後のスケジュール等につきまして、事務局から説明をしていただきます。

○西山開示業務室長

 本日御審議いただきました公開草案原案につきまして、部会長と御相談の上、所要の修正を行い、委員の皆様にメールで送付させていただくとともに、速やかにパブリックコメントに付させていただき、約1か月間、コメントを募集していきたいと思っております。
 
 今後の日程に関しましては、後日、事務局から改めて御連絡をさせていただきたいと思います。
 
 よろしければ、これにて本日の監査部会を終了いたします。ありがとうございました。

 

以上
お問い合わせ先

企画市場局企業開示課

金融庁Tel 03-3506-6000(代表)(内線3655、3844)

サイトマップ

ページの先頭に戻る