平成12年8月23日
金融庁

企業会計審議会第1回企画調整部会議事録について

企業会計審議会第1回企画調整部会(平成12年7月28日(金)開催)の議事録は、別紙のとおり。

(問い合わせ・連絡先)

金融庁(TEL 03-3506-6000)
総務企画部企業開示参事官室
企業会計審議会事務局


企業会計審議会第1回企画調整部会議事録

日時:平成12年7月28日(金)午後4時15分~午後5時21分

場所:中央合同庁舎第4号館4階共用第一特別会議室

○若杉会長

それでは、総会に引き続きまして恐縮でございますが、定刻になりましたので、これより第1回の企画調整部会を開催いたします。

早速議事に入りたいと思いますので、本日は、最初にJWGの状況につきまして、山田委員から御報告をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○山田委員

それでは、お手元の資料1に基づきまして御説明申し上げたいと思います。

以前に一度ここの部会でお話をさせていただいたものに少し、その後の状況を反映して、今日は、日本文としては4枚、それから、英文として4枚のものをお付けしてございます。

それで、既に皆様御存じかと思いますが、「JWGの目的と概要」というところから、この資料1に沿いましてお話をさせていただきたいと思います。

現在、JWGのもともとの目的でございますが、主要国の会計基準設定主体が協力し合って、すべての金融資産及び金融負債を公正価値で測定し、その公正価値の変動を損益計算書で認識するということを基本原則とする会計基準を作成しようというプロジェクトとしてスタートしております。

現在、ジョイント・ワーキング・グループに参加しています国は9カ国と1機関ということで、ここに、アメリカ、英国、カナダ、オーストラリア等々とございますが、基本的には、次のところですが、参加メンバーは、各国の事情を反映して、会計基準設定主体のボードメンバーやスタッフである場合と、それから、各国の会計基準設定主体の委託を受けた会計士ないしは民間企業の上級実務担当者、CFOといったようなレベルの方ないしは学者というような方がそれぞれ出てきておりまして、大体1カ国から2人ないし3人出てきております。

その次の・でございますけれども、JWGメンバーで検討項目を分担し、各国の会計基準設定主体のスタッフを活用して分担部分の研究・基準案作りというのを行っております。従いまして、分担部分にかかる調査研究費、スタッフの費用も含めまして、これはそれぞれの分担している基準設定主体が自分で負担している。それから、JWGに出席のための宿泊費とか航空機代等々も各国それぞれの設定主体が負担している。日本の場合は、今まで日本公認会計士協会が人を出している関係で、この費用を負担しております。

それから、各国の会計基準設定主体は、JWGの作成する会計基準を参考に自国の会計基準を作成することに基本的に合意をして、このプロジェクトをスタートしている。ただし、義務を負っているわけではないということでございます。それで、JWG会計基準と同じものを各国が導入する必要はなく、各国が独自にある項目に留保を付すことや変更を行うことは一応可能でございます。各国は、自国のデュー・プロセスに従って通常の自国の会計基準と同様な手続で金融商品の会計基準を作成することが予定されていまして、あくまでもJWGの基準というのは、そのための参考だというような位置付けになっております。

そこの点をちょっと見ていただきたいのは、後ろの方、英文で恐縮でございますが、英文の3ページ目のところのパラグラフ8というところがございまして、これ、実は見え消しになっておりますけれども、この見え消しのところは日本から基本的な、今付けている英文というのは、JWGが作った――恐縮ですが、この説明をしなきゃいけない。英文の1ページをちょっと見ていただきますと、プレフィス(序文)という形になっておりまして、JWGが作る会計基準の冒頭に置かれる文章の予定でございます。まだこれは議論の途中でございまして、今後変わる予定がございますけれども、この中の、今3ページのパラグラフ8というところで、日本から意見を言いまして、それが反映されているんですが、「Each participating standard setting body intends to take into acocunt the JWG document,and comments received,in developing standards that would be applicable in its jurisdiction.」となっていまして、各国がJWGが作るものを一応「take into acocunt 」という英語にしていただきました。もともと「to use」になっていたんですけれども、この辺は少しトーンを下げていただいていまして、次回、オスロで8月の下旬に開かれるところで、このあたりのところを徹底的に議論しようということになっておりますけれども、今のところ、直接使うというのではくて、考慮するというような形で位置付けを図っております。

それから、また日本文の1ページへ戻っていただきまして、1.の一番最後の・ですが、日本は戦略投資(持合株式)を分担していましたけれども、基本的にこれに対して公正価値測定をすると。その変動を損益計算書で認識するということに決まりましたので、現在、日本は、担当の分野を持っておりません。

あと、JWGでの決議のルールでございますけれども、個別項目の採決というのは単純過半数、従って6カ国以上の賛成で決まると。それから、基準案の承認というのは3分の2、これは7カ国以上ということでございます。特に、議論の多い負債の時価評価、特に自分の信用リスクの変動に伴う評価損益をPLで認識するかどうかについては、日本とドイツと、それからフランスが反対しているんですけれども、他の7カ国が賛成しているために、それも通ってしまっているという形になっております。

次に、2ページへ行きまして、検討中の基準の概要でございますけれども、細かい中身というのは、4ページに表を付けてございますけれども、その中の主なものだけちょっと、この3.というところで申し上げたいんですが、「すべての金融資産・金融負債を公正価値で測定し、その変動を損益計算書で認識する」これが大原則でございます。

公正価値としては、exit value(出口価値)を用いることを前提にしております。従いまして、ディーラーマーケットのような場合には、資産に対してはビッド、負債に対してはアースクトを用いるという形をとっております。ここのところは、日本の金融商品の実務指針のところでも、基本的には出口価値をとっていますので、日本とは大きな差にはならないのではないかというふうに考えております。ただ、IASCでの議論では、この出口価値という概念は問題ではないかというのが、IASCの理事会では前回かなり大きな問題になりました。

それから、3番目のところで、すべての金融資産・金融負債を公正価値で測定するため、ヘッジ会計は基本的に認めないということになっておりまして、そうすると、先物取引、将来起こるであろう取引のヘッジを行ったような場合には、ヘッジ手段側の損益だけが、ヘッジ手段側が先に時価評価されてしまいますので、ある意味ではいびつな形になりかねない要素を持っておりますが、基本的にはヘッジ会計は認めない。

それから、4番目が、先ほど申し上げました、「負債の公正価値測定に関連して、自社発行社債や借入金に含まれる自らの信用リスクの変動も公正価値で測定し損益計算書で認識する。」。従いまして、かなり信用力が落ちてきて、倒産直前の企業というのは、PLに非常に大きな利益が出るというような形になってまいります。詳しいことは、もしもあれでしたら、後ほど御説明しますけれども、一応そういう論理になる。

それから、損益計算書では、金利リスク、信用リスクといった財務リスクごとの情報を開示することを考えておりまして、現在の損益計算書とはかなり様相が異なる。特に、金利が変動しますと、それ以降のキャッシュ・フローに影響している金利の影響度というのは、金利の変動を先に全部一気に認識してしまうという形になりますので、損益計算書の変動性というのはかなり大きくなる可能性がございます。

それから、金融資産の認識の中止に関しては、ピュア・コンポーネント・アプローチが採用されて、まだこれは今議論の最中でございますけれども、基本的に期末において資産を所有している人が基本的にその資産をオンバランスするというような考え方にのっとって会計基準を考えようというようなことをしております。ここも、現行のアメリカやイギリス等々とはちょっと異なった結論に多分なると思います。

それから、4番目の「これまでの検討経過及び今後のスケジュール」でございますが、検討は97年の10月にプロジェクトが設置されまして、2000年の7月までに11回の会合が開催されておりまして、あと、8月の下旬に1回予定されていまして、そこで最終的な基準案を決めようというふうに現在考えています。

最終的に、二つ目の・ですが、今年の10月末をめどに公開草案を公表して、来年の4月までに公開する予定でございます。それ以降、受け取ったコメントを検討することになっています。

IASCもJWGの1メンバーでございますけれども、IASCでは、デュー・プロセスを経ていないため、公開草案という形では公表はしないということが決定しておりまして、多分ディスカッション・ペーパーのような形のものとして公開はするというスタンスをとっております。これは、10月に東京でIASCの理事会が開催されますが、そこでのメインテーマの一つになる予定でございます。

受領したコメントを、これはJWGで一応共有しまして、これらを反映した最終案を作る予定にしておりますけれども、ところが、IASCの組織改革というのが今、別途進んでおりますが、新しい理事会、14人の理事が選任されますと、IASCがこのプロジェクトを引き継ぐという可能性もございまして、まだ、IASCの新しい組織の立ち上げと、そこがこれをどう取り扱うかによって少し流動的な面がございますけれども、一応各国は、IASCがどういう態度をとろうとも、自国で金融商品の会計基準を作っていく方向性は変えておりません。

それから、我が国における対応上の問題点ということでございますが、今後、JWGが作成する会計基準が公開された場合には、我が国も一応同時に公表し、コメントを集める必要がございます。その際、企業会計審議会がどのように関与するかが問題でございまして、公表を企業会計審議会の名前で行うのか、日本公認会計士協会、又は両者の連名で行うのかを決めなければいけないという状況でございます。

それから、その次の3ページでございますけれども、公開を行う際、日本では既にIAS39号に類似した金融商品が世界に先駆けて導入されているわけでございますけれども、どういうスタンスで我が国は公表するのかというのを少し考えなければいけないかと思います。つまり、将来JWG基準案に移行するということですが、表明した上で公開するのか、あくまでもJWGの案の意見を国内で求めるだけだというのか、その辺のところのスタンスを決める必要があるかと思います。

それから、公開するに当たりまして、企業会計審議会としてコメントを付すのか、付すとした場合、どのようなコメントを付す必要があるのかということを検討する必要がございます。

それから、更に、その次でございますけれども、企業会計審議会において、今後JWGの基準案をどのように検討するのかも決定する必要があるかと思います。また、その結果として、例えば、来年の4月までの間に、審議会としてコメントを出すのか、ないしは審議会のスタッフの個人的意見として何らかのコメントを出すか、それともサイレントでいるか、その辺、この基準案についての審議会における検討というのをどういう形で進めるかというのも、もう一つございます。

それから、若干事務的な話でございまが、かなりのボリュームになる基準案の英文を日本語に翻訳して、それで今の予定では12月末か上旬ぐらいまでは翻訳にかかるんですが、400万円ぐらいの費用がかかる予定でございますが、この辺の費用負担の問題とか、どういう体制で翻訳をやるのかということも対応する必要がございます。

それから、6番目、これが今日の一番重要な点の一つなんですが、8月の下旬のオスロの会議で、最終的にこの基準案に対してイエス・オア・ノーということを言う必要がございまして、現在、JWGが作成する基準案に対しては、少なくとも次の二つの問題点だけは指摘できると思うんですが、一つは、金融負債の公正価値測定に関連して、先ほど申し上げました、自らの信用リスクの変動も公正価値で測定して損益計算書で認識するという取扱い。日本とドイツとフランスは反対しておりますが、この取扱いというのは、負債側は自分のすべての要素を考慮するんですが、資産側において、自己創設の暖簾を現在認めていないということからいきますと、非常に評価としては片手落ちの評価になっております。ところが、自己創設の暖簾は金融商品ではないために本プロジェクトの対象ではないという考え方から、実はJWGでは検討しないということになっておりまして、平仄が合っていないという面がございます。これは大きな問題ということが言えるかと思います。

それから、もう一つの問題点は、市場価値のない貸出金を含むすべての金融資産を公正価値で測定するということにしておりまして、現在、市場性のない株式だけは例外にしようと。つまり、立ち上がったばかりのベンチャーのようなものは時価評価は不可能であろうと。しかし、それ以外はすべてキャッシュ・フローが見込める以上、自己評価ができるというスタンスをとっておりまして、この辺、理屈はそのとおりなんですが、実際にこういう基準でワークするのかどうかというところに問題がございます。しかも、公正価値が信頼を持って測定できるのかという問題点があろうかと思います。

これらの問題があるわけですが、一応、私どもとしましては、今度の8月のときにはJWGが作成する会計基準案の公開に一応賛成しようというふうに考えております。その理由は、既にこれまで3年間議論してきておりまして、ここで公開に反対しても、今後もJWGの議論を継続することになるわけですが、それをやったとしても、公正価値測定という方向性が大きく変わるわけではないと。まるで信じている宗教が違うようなところがございまして、従いまして、ある意味では純粋な公正価値評価という案を世の中に出して、世の中の反応を問うた方がいいのではないかと。その方が将来に向けての見極めというか、展望が開けるのではないかというのが一つの理由でございます。

それから、金融負債において、自らの信用リスクの変動を公正価値で測定し損益計算書で認識するという取扱いについては、何度も議論してきているんですが、先ほども言いましたように、7対3ということで、これを覆すことは基本的に不可能な状況になっておりまして、これを理由に、もちろん反対することも可能なんですが、多分、今の段階で基準案全体に賛否を問うても、多分フランスは反対するのは間違いございません。ドイツがちょっと見えないんですね。ドイツの方に聞くと、うーんという感じでございまして、どうも全体は、日本がどっちにつくかですけれども、7対3か、日本が賛成すれば8対2ぐらいの感じになる可能性がございまして、私としては、もうこれ以上、公正価値の議論をしても道は開けないと思うので、一応公開してはどうかというふうに考えております。

次の4ページでございますけれども、4ページは、何回もお見せしている、これが検討しているものの一覧表でございまして、これについては特に今追加で御説明する必要はないかと思いますので、一応、以上で終わらせていただきたいと思います。

○若杉会長

どうもありがとうございました。

続きまして、会計実務におきまして問題となりますような事柄について、経団連の方から説明をお願いしたいと思います。本日は、角田委員と参考人として逆瀬幹事から御報告をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○逆瀬参考人

それでは、お手元に1枚、A4サイズの資料2というものを配付してあると思いますけれども、それに従いまして、簡単に申し上げます。

まず1番目ですけれども、この12年9月の中間から退職給付会計がスタートしたわけでありますけれども、まだ、退職給付会計の意見書、あるいはそれを受けた公認会計士協会で策定された実務指針、この中で触れられていないといいますか、まだ未検討の分野が若干あるんじゃないかということで提案を申し上げます。

それは、1番に書きましたように、退職給付の制度、各企業が今いろいろと対応している最中なんですけど、制度を変える、あるいは小さくする、こういったような動きが今ありますが、この辺の分野が未検討ではないかという意味です。

(1)の趣旨でありますけれども、今現在、日本の企業は大半のところがいろいろと一連の制度改革をやっておりますが、そのうちの一つとして退職給付制度の見直しといいますか、これも盛んに今取り組んでいる最中でありますが、その際に、制度を削減するといったようなことを考えたときの会計処理自体が決まっていないということでありまして、会計上のインパクトが測れないわけでありまして、なかなか意思決定もちょっとという、できないというようなところがございまして、この辺を何とかしていただきたいという話です。

それから、マル2ですけれども、日本版401Kといいますか、確定拠出制度の話も法律上の手当てがされようとしているわけですけれども、この前の国会ではずれたわけですけれども、会計的には検討のスタートができるのではないかというふうな思いもありまして、このあたりを趣旨にいたしまして、テーマアップをお願いできないかというわけであります。

2番が、細かなことをちょっと掲げておりますが、日本の場合は一時金制度であるとか、税制適格年金、厚生年金基金、あるいは、今度認められました退職給付信託といったようなものがありますけれども、これらのそれぞれについて議論をする必要があるだろうと思います。もちろん、これらが組み合わされている場合もあるわけでありまして、このあたりも含めて検討をいただきたいということです。

それから、マル2ですけれども、制度の変更という意味では、通常は組合との契約、約束事で、支給水準を変えたり、いろんな変更、改訂が行われているわけですが、通常の制度変更と、いわゆる削減とかといった大きな変更との境目がどのように設けられるかと。会計処理が変わるのであれば、その辺の定義もしっかりしておかなければだめだろうなというような気がいたします。

マル3ですけれども、新しく今年から適用されます退職給付会計では、未認識で、ほうっておくという言い方はおかしいですけれども、一定の期間繰り延べて、負債に計上しない過去勤務費用、あるいは会計基準の変更時差異だとか、あるいは数理差異だとか、こういう未認識の負債を会計処理の実務として定めているわけですけれども、このあたりをどうするかといったような話。あるいは、資産の時価が、PBOと書きましたが、退職給与引当金を上回っているような場合の制度削減があったときの取扱いをどうするか。

それから、マル4ですけれども、法律上、制度削減が規定される場合。例えば、ここで頭に置いておりますのは、まだ先の話かもわかりませんが、厚生年金基金の代行部分がどのようになるかという、法律上の大きな問題もございますけれども、これが民間が引き受けている部分から返上されるといったようなことが決まったときにどうすればいいのかと。巨額の数字でありまして、このあたりもはっきりさせておく必要があると。

それから、細かくなりますけれども、マル5に書きました、簡便法も認められておりますけれども、例えば、要支給額ベースで負債を認識してもよろしいですよと。規模が小さな場合ですけれども、こういった場合もどのように扱えばいいのか。

それから、マル6ですけれども、会計処理をどのように決めるかによりますけれども、一気に例えば削減の影響を認識するとなればインパクトが大きいわけですけれども、この辺の緩和措置を設けるのかどうか。

それから、マル7ですけれども、制度を拡張する場合は、大体常識的に頭の中にあるんですけれども、この場合の処理と、それから、削減の場合との均衡といいますか、この辺をどう考えるか。

それから、マル8に書きましたのは、国際調和といいますか、FASあたりではこの辺のルールは一応決まっているところもありまして、こういう調和の面も考えておく必要があるのではないかということです。

それから、ちょっとこのメモには入れなかったんですけれども、退職給付会計が制度化されて以降、いろいろ会社の合併だとか、企業結合といいますか、こういうことが行われる場合に、オフバランスの数字がどうであるかと。未認識の負債がどうかといったようなものが、合併比率の計算の中に時価評価の過程の一つとして、もう既に組み込まれるような実務が行われているわけですけど、こういうときに、企業結合会計は一部会の方での議論ということになると思うんですけれども、とりあえずの問題としては、連結の方で、すぐに影響が出てくるようなことがございます。投資と資本の消去を連結ではやりますけれども、そのときに、退職給付会計で計算されるオフバランスの負債というのはどのように取り扱えばいいのかと。原則パーチェス法に基本的に買収の場合は変わっておりますけれども、そのときにオフバランスというのはどう考えればいいのかと。投資と消去の差額の評価の問題の中で、数字が大きいものですから、はっきりしておく必要があるのではないかという点。ちょっと、これは連結の観点からのチェックもお願いしたいという意味であります。

それから、(3)に移りまして、見直しをすべき時期なんですけれども、これはできるだけ早い方がありがたいということであります。それから、制度上の法改正というのも視野に置くべきかとは思うんですけれども、スケジュールの関係で、どうしても無理だということであれば、会計上はこのように扱うといったような別枠の議論を先行してできないものかなというお願いを、ここへ掲げております。

いずれにしましても、退職給付会計と申しますのは、今まで日本の会計実務の中でも大変実務的にもインパクトが大きいし、かつ、事務工数もかかる大作業を今、日本全国でやっている最中だと思いますが、その中でこういう、未だ手をつけていなかったこの辺の分野の実務上の基準を早急に検討していただく必要があるだろうという意味で、御提言申し上げました。

それから、次は2番目でありますけれども、これは、今議論がありました国際会計基準、あるいはSEC基準といいますか、アメリカの会計慣行ですが、これを一定の要件のもとに日本企業が連結決算を作成するに際して準拠を認める一つの基準としての扱いができないかというお願いであります。既に昨年11月に経団連の方からも書面でもって、こういう国際的な会計処理基準を日本企業が国内において連結において採用することについての認知を提言いたしておりますところです。

(1)の趣旨でありますけれども、基本的にIASというものが一つの国際証券市場における基準という形で導入しようという動きが、今現在行われているわけであります。私ども、発行体あるいは作成者の立場から申し上げますと、マル2に書きましたような、発行開示にしろ、継続開示にしろ、決算書を二重に作成するということを何としても避けたいという思いも一つあるわけです。日本の会計基準と国際会計基準とアメリカの会計基準と必ずしも合致しているわけじゃないわけですけれども、日本基準の方が急速に国際調和の方向で今姿を変えているわけでありまして、実質的な意味での投資情報としての問題点というのが、こういう形で制度化したときに、にわかに発生するという可能性は基本的には少ないということもあるということであります。

私どもは、当社の場合はたまたまアメリカSEC基準の特例措置をずっと、日本の連結制度がスタートして以来受けているわけでありますけれども、目下、この特例が2年半後ぐらいですか、廃止ということになっておりまして、現在の省令の形から申し上げますと、日本基準の準備をスタートしないと、そろそろ間に合わなくなるというタイミングにも引っかかってきているところでありまして、この辺の方針も早目に明らかにしていただければありがたいという話であります。大体2年ぐらいを準備に、今までSEC基準で連結精算表をつくっておりますけれども、これを日本基準にがらっと入れ替えるということでありますので、大きな集団では2年ぐらいの準備期間が必要だと考えております。

(2)ポイントしか書いておりませんけれども、財務情報と非財務情報というふうな大きな開示項目の括りがあると思いますけれども、単に財務諸表の部分だけではなくて、非財務情報といいますか、有価証券報告書の経理の状況以外のところですね、こういうところもどのように開示すればいいのかという話が一つあると思いますが、これはIOSCOの方の開示標準もありますし、日本の開示省令ももちろんあるわけですけれども、この辺が日本基準を使わないとした場合に、どのように影響を受けるのかというのも若干あると考えております。

それから、もう一つは、マル2に書きましたけれども、監査の話でありまして、どの監査基準といいますか、日本の監査手続によるのか、国際監査基準というものによるのか、それとも、SEC基準を採用する場合には、SECによってやればいいのかといったような、そういう問題も関係してまいると思います。それから、監査の担当者がどうなるのかと。それから、日本ではこの9月中間期から中間連結財務諸表がスタートしますけれども、たまたまIASの方では、中間という意味では、期間をクオーターなのかセミアニュアルなのか特定していないわけでありますけれども、特定しないで中間の決算書のルールがIASで出ているという、ちょっとよく分からないところがあるんですけれども、そういう状況にある。アメリカの方は、御存じのようにクオータリー、四半期制度という意味での中間制度ということでありまして、監査の仕方も違うわけでありまして、この辺をどのように整合性を持つように整理すればいいかという問題があると思います。

それから、(3)に書きましたのは、この切替え時があるわけですけれども、この切替え時における経過措置といいますか、このあたりをどのように扱えばいいかといったような、ちょっと細かな点は漏れていると思うんですけれども、大きな意味でこういったような議論が、大枠がまず検討された上での議論だろうと考えております。

国際的な意味での資金調達活動をしている企業といいますか、国境をまたいで出ていっている会社については、この辺の問題がもうそろそろ、日本基準がここまで変わってまいりますと、一つの資金調達のツールとして、こういったような形でやっていただければ非常にありがたいという意味であります。

経団連の方でも、申し上げましたとおり、こういうお願いを要望書の形で既に公表しているところでありまして、よろしくお願いいたします。

以上であります。

○若杉会長

どうもありがとうございました。

角田委員、お願いします。

○角田委員

この資料2は、日立製作所の逆瀬さんの名前になっておりますけれども、ここに書かれておることにつきましては、経団連でも別途御意見を求めたところ、皆さん、こうした御意見を頂戴しております。逆瀬さんが申し上げられたとおり、その2点でございますけれども、第1点は、日本の会計基準が一連の新会計基準導入によって、ほぼ国際水準に近づいたというふうに言われているということであれば、これはぜひSEC基準とかIASC基準で作成した連結財務諸表を、とにかく日本の財務諸表と会計基準と同じレベルでもって受け入れてほしい、あるいは、その調整を図ってほしいという御意見が多く出ております。それが第1。それから、もう一つは、退職給付会計の制度変更、あるいは削減に伴う会計処理をぜひ急いで検討してほしいという2点が出ておりますので、経団連としても、この2点をぜひお願い申し上げたいということでございます。

○若杉会長

どうもありがとうございました。

それでは、ただいま山田委員及び経団連の方からの御報告につきまして、いろいろ御意見、御質問等をお願いしたいと思います。

どうぞ、お願いします。

○斎藤委員

先にJWGの方からちょっと申し上げたいと思いますが、ここで議論することにどのくらいの意味があるかということが私は分からなくて、もう十分、山田さんが苦労されて、なおかつ、ほとんど事態は動かないということでありますから、議論することの実益については多少疑問を感じますが、やはりおかしいなと思うところがございますので、一、二点お伺いをしたいと思います。

一つは、いわゆる全面時価ということで、ヘッジ会計が必要ないということでありましたけれども、まず一つは、先ほど山田さんがおっしゃられたように、予定取引についてもヘッジ会計を必要としないという理解であったと、それは間違いないわけですね。

○山田委員

はい。

○斎藤委員

それが第1点です。ちょっとそれは大丈夫かなという気がしますけれども、まず第1点確認。

もう一つは、全部金融商品を時価で評価して、時価差額を損益計算書に持っていくということはいいとして、損益計算書の中で、例えば、従来から情報価値が問われてきた純利益とその他の包括利益との間の、そういう区分、分類のたぐいは一切議論されていないということでしょうか。

○山田委員

はい。

○斎藤委員

もし、純利益に情報価値があるという通常のアメリカの実証研究なんかで確認されている常識からしますと、仮に全部を損益計算書に持っていくにしても、どのレベルの情報かということで、当然、ヘッジ会計の可能性が検討されるだろうと思うんですが、それは検討しないという方針なわけですね。

○山田委員

はい。

○斎藤委員

はい、分かりました。それが一つ確認です。

それから、もう一つは、これは私は別の機会に短いコラムを書いたので、ここで特に申し上げるのは余り意味がないかもしれませんが、確かに先ほどおっしゃられたように、仮に金融商品、金融資産を全部時価評価したときに、負債の側が時価評価されていなければ、当然、その平仄が合わないわけであって、負債も時価評価しましょうということになります。それは一つの議論だと思うんですね。そのときに、負債がすべて金融資産に投下されていれば、それで話は済むわけですけれども、当然、通常の事業会社であれば、大半の負債は事業資産に投下されている。そこでまた平仄が合わなくなるわけですね。それは先ほど山田さんがおっしゃられた論点だと思うんです。その場合に、たまたまJWGでは金融商品以外は扱わないということだから矛盾が表面化していないわけですが、もしそれを全部一括して議論いたしますと、事業資産も時価評価しようという話に当然なるわけですね。事業資産の場合、時価が情報価値を持ちませんから、最近の議論ですと、それは現在価値評価しようという話になってくる。そういきますと、それは、結局、すべての金融商品、つまり金融資産、金融負債を時価評価して、そして事業資産を現在価値評価した結果というのは、最終的には株主持分の部分を株価の理論価値で評価していることになりますね。ですから、それは、恐らく基本的にはこういうことだと思うんです。つまり、問題は、投資家が企業を評価するときに、その企業の資産や負債をどう評価したらいいかという問題と、それに必要な情報を開示するときに、開示する側が資産、負債をどう評価したらいいかという問題とが完全に混同されているということでありまして、すべての金融商品を時価評価し、かつ、事業資産を仮に現在価値評価した場合には、それは会計上のディスクロージャー、つまり、投資家が企業価値を評価するのに役に立ちそうな情報提供をするというレベルの問題ではなくて、むしろ、投資家が企業価値を評価した結果、その局面を議論しているということになるだろうと思うんですね。その辺の議論が、我々少し離れて見ていますと、非常に気になるんですけれども、どうもこれはさんざん山田さんもこれだけ御苦労されて、ほとんど意見が変わらないということは、もうそこは議論し尽くされたと、あるいは、議論しても、そういう話には論調が傾いていかないというふうに我々は理解していいわけですね。

○山田委員

だと思います。

今の点で一つだけ違うのは、実物資産の評価については、現在価値でなければいけないというような議論は一切していませんで、論点の中に一つあるのは、実物資産を購入するために借入金で資金調達した場合に、借入金だけ時価評価すると、例えば、工場設備を造るに当たって借入金で資金調達する。そうすると、金利が動くと、借入金だけ時価評価されて、有形固定資産は現在のルールのもとでは時価評価いたしませんので、そうすると、そこにずれが生じて、いびつな形になるのではないかという論点が一つございますが、これに関して、今JWGの中で言われている議論は、金利の変動が直接的に影響を与えるのは、借入金は直接影響を与える。しかし、工場設備が造り出した製品、そのキャッシュ・フローを目指して企業は活動するわけですが、こちらの方には金利の変動は直接的に影響は何らかの影響はあると思うんですが、借入金に与えるのと同じ程度の直接度をもって影響はしないので、そういうようなものを切り離していいんだという議論をしておりまして、従いまして、有形固定資産、実物資産の評価に関しては、現状のルールに何も手を加えないで、そういう理解のもとに切り捨てて議論を進めているということでございます。

○斎藤委員

非常に大事なことをおっしゃられたので、念のために確認ですが、そういたしますと、実物資産、事業資産に投下されている負債に関しては、金融商品の全面時価評価の枠の外に考えるということですね。そうじゃないんですか。

○山田委員

枠の中でございます。つまり、そういう実物資産の調達に使われた金融負債だからといって時価評価の例外にはしないということで、一律、負債側は、すべて時価評価をして損益を出してしまう。

○斎藤委員

ということは、今、山田さんがおっしゃられたように、金利が変動すれば、負債の側に評価差額が出ますが、事業資産の方は、結局、年々のキャッシュ・フローの回収を待って成果が認識されるわけですから、そこは完全にずれるわけで、ずれたのはほうっておけということですね。

○山田委員

はい。

○斎藤委員

分かりました。

○若杉会長

ほかに何か御質問、御意見等ございませんか。

○脇田委員

よろしいでしょうか。

○若杉会長

はい、どうぞ。

○脇田委員

今、最後のIASの日本企業の連結財務諸表への導入のところで御指摘いただいた(2)の「議論の要点」ですか、そのマル2の「拠るべき監査基準」、その次の「監査担当者」のところについて、どういう意味か、もう一度ちょっと御説明いただけるとありがたいんですが。

○逆瀬参考人

今現在、証取法上、連結をSEC基準による特例という形で開示している会社は、基本的には2種類あるといいますか、ちょっとこういう言い方はまずいんですけれども、一つは、今現在SECのレジストレーションを継続して行っている会社が一つのグループです。もう一つは、特例を、スタートしたときにはそういう状況にあったかもしれません。その後、米国マーケットから撤退していて、レジストレーションの対象になっていない会社、二つがあります。後者の方は、アメリカ基準で決算書は作るけれども、実際にSEC当局にはファイルはしていないような会社であります。ただ、ヨーロッパのマーケットの方では、そういう決算書で資金調達をやっておりますといったようなことはもちろんあるわけですけれども、ヨーロッパの場合は行政の関与の仕方が随分、アメリカあるいは日本ほど直接的ではないといいますか、マーケットに委ねているというところがありますので、少しルースと言っては表現が悪いですけれども、このような形になっているということです。

もう少し広げて言いますと、今現在、日本基準で作っておられる会社が、今度、それではIASでやろうとか、アメリカ基準でやろうとやったときに、実際に監査法人は、SECにレジストレーションしている場合は、いわゆるビッグ5といいますか、そういうところがサイナーの資格を持って受理されるわけですけれども、そうではない場合には受理されないというような、一定の行政サイドからの緊張関係があるわけですが、ただ、会計基準だけをIASによる、あるいはSEC基準による、こういうふうに言って、それで監査法人の方も、どこでもよろしいと。それでサインすれば、それが日本の行政当局によって、そのままストレートにオーケーと、こういう形になるものかどうかといった、そういうたぐいの話です。

○脇田委員

あ、そうですか。分かりました。どうもありがとうございました。

○若杉会長

ほかに御質問、御意見、いかがでしょうか。

どうぞ。

○中島委員

金融商品、JWGの方なんですけれども、これは、3ページの最後のところで、山田さんがJWGが作成する会計基準の公開に賛成することにするということを書いてありまして、私もJWGができたときの経緯とか、日本がどういう形で入っていったかということについて余り承知していないので、よく分からないんですけれども、このことについて、企業会計審議会としてどうこうというようなことを言う立場に余りないんじゃないかなという気がしまして、どちらかと言えば、山田さんの、このJWGの作業にずっと参加されてきたわけですから、その判断で、公開やむを得ないということであれば、そういうことで仕方がないのかなと思うんですけれども、むしろその後ですね。この中身について、今の斎藤先生のお話なんかでも、いろいろまだ問題があるようですし、それから、恐らくすべての金融資産、負債を時価評価というようなことになりますと、やっぱり実務の世界からも相当いろいろ意見があると思うんですね。ただ、こういう国際的な作業をやって、それをぶつけて、それについていろいろ各国の意見を求めるというようなやり方というのは、これから、今までのG4プラス1とかなんかのを見てても、かなりいろいろ、こういうやり方が出てくるのではないかなと思うんですね。そういう点からすると、どういう、公開草案じゃなくて討議資料とか何とかという形にしても、それに対してやっぱり問題があれば、いろんなところからそれについての問題点を指摘していくとかというようなことが大事なんじゃないかなという気がいたしますけれども。

○若杉会長

どうぞ、何か。

○山田委員

まず、意見の性格でございますけれども、一応、JWGのメンバーとして出ている人が、個人として賛成か反対かを言うということになっておりまして、その出身母体の会計基準設定主体がそれにコミットしているということにはならないという理解になっております。あくまでも、意見は個人の資格として、賛成か反対かを述べるという形になっております。

あと、もう一つは、各国の事情なんですけれども、例えばFASBはちょうど今、彼らも全面公正価値の議論をしておりますので、彼らのボードで似たような議論をかなりやっております。それ以外のオーストラリアとかイギリス、フランス等々ですと、ほとんどボードのレベルでは議論しておりません。従いまして、各国も意見を出すに当たって自国の会計基準設定主体がそれに賛成しているというような形での意見は多分付しようがないと。それだけJWGが実はかなりのスピードで議論をしてきておりまして、従いまして各国も、先ほど私が申し上げましたように「take into acocunt 」という言葉がありましたけれども、JWG案を各国で公開するというスタンスに多分なるのではないかと。まだ、次回の議論を待たないと分からない部分がございますけれども、ボードのレベルで議論していると思えるのは、アメリカだけでございます。

○若杉会長

ほかに何か。はい、どうぞ。

○斎藤委員

もう1点。今度は逆瀬委員の方から御発言があったことで、なるほどというふうに非常に強い印象を受けたんですが、お書きになっていなくて、口頭でおっしゃった部分ですね。オフバランスの退職給付債務があって、それは合併のときに、合併対価に影響するというお話ですね。そうしますと、恐らくおっしゃっている意味は、オフバランスの退職給付債務があるために、オンバランスで測った価値に比べて、交付する株式数が減るわけですよね。ということは、その分が、もしかするとネガティブ・グッドウィルになる可能性があるということでありまして、それは、要するにオフバランスの退職給付債務が、連結といいますか、企業買収をしますと、それはネガティブ・グッドウィルとして顕在化するという、そういう論点をおっしゃっているんだと思うんですね。これは意外に深刻な問題でして、単に退職給付債務がマイナスの暖簾に振り替えるだけなら割に簡単なんですけれども、仮に現在の日本の商法の制度とリンクさせますと、これは合併差益になっちゃう可能性があるんですね。それが大問題だと思うんです。

それから、もし今度は、それを避けるためにはオンバランスにしなきゃいいわけですから、そうしますと、買収によって承継する資産と相殺するという方法をとると思うんですね。そうしますと、結局それは、オフバランスの退職給付債務の分だけ、合併をしたときに承継する資産が減らされるという格好になってくる。非常に、何といいますか、妙な影響を与えかねない議論でありまして、私も伺っていて、非常に重要な問題を御指摘になられたんじゃないかと思うんです。問題は、これをどこでどうやって扱うのかということでありまして、なるべくなら私は一部会に持ってきてほしくないという(笑)、非常に面倒な問題をお出しいただいたという実感でございます。ただ、やっぱりそれはどこかで検討しなきゃまずいんだろうと思いますね。

○逆瀬参考人

よろしくお願いいたします。(笑)

○若杉会長

御質問、御意見の真意がよく分かりましたけど。

ほかに何か御意見、御質問ございませんでしょうか。はい、どうぞ。

○中島委員

逆瀬さんからお話がありました、もう一つのIASの取扱いですかね、IAS、SEC基準の日本企業連結財務諸表の導入という点ですけれども、これは実は、私どもの財団でも、これからの日本の財務報告の制度の中で、こういうグローバルスタンダードをどういうふうに扱っていくかというのは、かなりというか、非常に重要な問題じゃないかと思っています。それから、現実にヨーロッパやなんかでは既にそういう動きが出ていますので、実はつい最近、研究会を立ち上げて勉強しようということにしているわけなんです。ただ、作成者の立場、あるいは利用者の立場、それから、規制当局から見てどうかとか、いろんな問題点がありますし、それから、ここに逆瀬さんが御指摘になっているような監査の問題とか、かなり幅広い観点から検討をしていく必要があるので、相当難しい問題だと思いますけれども、とにかくまず勉強することから始めてみようということで、9月ぐらいから議論していこうかなと思っています。

○若杉会長

はい、どうぞ。

○山田委員

先ほどのネガティブ・グッドウィルの関係、斎藤先生と、それから逆瀬さんがおっしゃった件なんですけれども、一応IASの22号の企業結合のところのネガティブ・グッドウィルのところで、実はそれを取り扱っておりまして、どういうことをコンテクストで取り扱っているかというと、企業買収をして、買収した後、ある一部の事業部門を畳んでしまう。畳んでしまうときにかかるコストの分だけ、合併の対価を減らしてくるというような場合があるんですね。そうしますと、実はネガティブ・グッドウィルが出てきまして、そのネガティブ・グッドウィルを実は三つに分けて、そのうちのそういう事業を畳むときの費用見合いの分としてもらった分は、通常のネガティブ・グッドウィルとしての償却をしないで、その事態が起こったときに取り崩すというような、一種ひも付きのような議論を実はちょっとしております。IASの方で、一応そういう、ある種の解決、いいかどうかは別として、そういうものが諮られているということをちょっと付言したいと思います。

○斎藤委員

それは引当金でいいんでしょう。

○山田委員

引当金はちょっと非常に、IASの引当金の概念が、移転時点で、過去の事象に基づいた債務でなければ、債務性がなければいけないので、そういうものに当たらないので、引当金を積めないという議論なんですね。ですから、IASの37号でしょうか、引当金の概念がかなり厳しく狭いものですから、それがネガティブ・グッドウィルに実ははね返って、今のようなおかしな区分けをネガティブ・グッドウィルにしなきゃいけないというのが、一応IASの論理です。

○若杉会長

いろいろ問題が深まってきたと同時に、また、いろいろな問題があることがはっきりしてまいりましたけれども、ほかに何か御質問、御意見等はございませんか。

○多賀谷課長補佐

会長、よろしいですか。

○若杉会長

どうぞ。

○多賀谷課長補佐

逆瀬参考人の方から御提案いただいた退職給付会計についてでございますが、いずれも検討するということは、いずれかの段階で必要になると思いますけれども、一つ枠組みといたしまして、縮小等の場合でも、制度の変更で現行の会計基準の枠内で読める部分もかなりあるのではないかということ。もう一つ、そういう意味では、実務指針レベル等で見直す、あるいはQ&A等で対応するということも可能ではないかと考えております。

それから、もう一つ、確定拠出制度の問題、これは厚生省等が法案を出しているところでございます。また、それに併せまして、経団連の方から、これは関係当局の方にかねがね御要望があるということも承っておりますが、代行部分の返上の問題、この辺につきましては、御趣旨は大変よく分かるんでございますけれども、やはり法律的に、ここで問題になるのは、PBOの増減というのは会計的に捉えられると思うんですが、制度資産の移転なり、払戻しというものが法律的にどのように規制されるかということともかかわってくると思いますので、やはりある程度法律的な枠組みなり、制度の変更の枠組みというのが見えないと、なかなか具体的には難しいかなと。見えた段階では、早急にしかるべき検討をする必要が出てくると思います。ただ、その前提となっております確定拠出型制度の会計処理につきましては、現行の退職給付会計基準におきましても、基本的には拠出時の費用である、要拠出額を費用とするということとなっておりますので、大枠としてはそこで押さえられる。移動のときの取扱いというのは、やはり制度を少し見ないと、現段階では少しまだ検討を、どの場にするにしても、ちょっと難しい段階ではないかと。ただ、そういう御意見というのがあるということは十分承っておりますし、また、公認会計士協会にも、しかるべく、きょうは西川委員が御欠席でございますので、お伝えをさせていただきたいと考えております。

○若杉会長

ほかに何かございますでしょうか。

ほかに特に御発言がないようでしたら、時間も大分たってまいりましたので、本日の企画調整部会はこのあたりで終了させていただきたいと思います。

なお、次回の部会の日程につきましては、改めて事務局の方から御連絡させていただきます。

今日は、どうもありがとうございました。

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