平成13年8月10日
金融庁

企業会計審議会第5回企画調整部会議事録について

企業会計審議会第5回企画調整部会(平成13年7月27日(金)開催)の議事録は、別紙のとおり。

(問い合わせ・連絡先)

金融庁(TEL 03-3506-6000)
総務企画局企業開示参事官室
企業会計審議会事務局


企業会計審議会第5回企画調整部会議事録

日時:平成13年7月27日(金)午後2時00分~午後3時43分

場所:中央合同庁舎第4号館9階金融庁特別会議室

○若杉会長

時間がまいりましたので、ただいまから第5回の企画調整部会を開催いたします。

本日は、お忙しいところご参集いただきまして、まことにありがとうございます。

まず初めに、日本公認会計士協会の会計制度担当の常務理事となられました加藤委員に当部会にも所属していただくことになりましたので、ご報告申し上げます。

また、7月10日付で事務局に異動がございまして、細田隆氏が企業開示参事官となられましたので、ご紹介いたします。

○細田参事官

細田でございます。よろしくお願いいたします。

○若杉会長

本日は、先般の国会におきまして、自己株式の取得等に関しまして商法が改正されましたことから、その会計処理について検討することにいたしたいと思います。

自己株式の会計処理に関しましては、いろいろ関連する事柄も出てくることと思いますので、この検討に当たりましては、金融商品部会長でありました大塚委員、商法の観点から宮島委員及び神田委員、実務者といたしまして都幹事及び逆瀬幹事にも加わっていただくことにいたしましたので、よろしくお願い申し上げます。なお、きょうは、大塚、神田、両委員及び都幹事は欠席となっております。

それでは、これより議事に入ります。

本日は、法務省から、原田民事法制管理官に参考人として出席していただいておりますので、最初に、まず商法改正の概要につきましてご説明をお願いしたいと思います。

それでは、よろしくお願いいたします。

○原田参考人

法務省の民事法制管理官の原田でございます。

きょうは自己株式の会計処理をご議論いただくということでございまして、先の通常国会で、これは議員提出の法案ということでございましたが、商法が改正され自己株式の取得保有規制についての見直しがされたということで、まずその制度趣旨を私の方からご説明をするという役目を仰せつかっているんだろうと思います。ただ、形式的には議員立法でされた話でございますので、当時の議論等も踏まえてご紹介をするという形になろうかと思います。

まず、今回の商法改正でございますが、マスコミ等で取り上げられ、大きな話題となったのは、自己株式の取得保有制限の見直し、いわゆる金庫株の解禁ということでございました。中身的にはもう1つ大きな改正がございまして、株式の大きさに関する商法上の規制をこの機会に一切撤廃をしたということが入っております。それに伴って額面株式制度が廃止され、過渡的な制度として昭和56年改正で導入された単位株制度というのも廃止されたということでございます。これは本日の議論とは直接関係ありませんので、本日は自己株式取得保有規制に限定してご説明を申し上げたいと思います。

今回、いわゆる金庫株の解禁ということでこのテーマが取り上げられました背景でございますが、これはいわゆる証券市場の活性化対策ということで、与党3党にプロジェクトチームが結成され、その中で特に経済界の強い要望を受けて与党が金庫株を解禁するという方向を打ち出したと、ここが出発点でございました。一方、政府としても、無用な規制、過剰な規制をなるべく撤廃し、証券市場の活性化につながるということであればということで、緊急経済対策というのを同じころに打ち出しまして、この金庫株の解禁については政府としても協力をすると。法案としては議員提出の法案となっておりますが、政府も、金融庁と法務省が中心になりましたけれども、側面から協力をしたという経緯がございます。

今回、金庫株解禁ということが実現したわけですが、この改正法自体は6月22日に国会で成立し、6月29日に公布されておりますが、施行日は、現在我々の方で準備を進めておりますけれども、今年の10月1日を目途としております。

自己株式の取得保有規制の見直しの内容について、ご説明したいと思います。

まず簡単に概要を申し上げますと、改正前の商法は、会社が自己株式を取得することを原則として禁止し、例外的に一定の目的がある場合に限って財源規制等をした上で取得を認めると、しかし例外的に取得した自己株式については、これの長期保有を認めない、相当の時期に処分すべきであると、こういう原則をとっていたわけでございます。

これに対して、今回の改正は、まず目的規制、一定の目的のもとに自己株式の取得を認めるという目的規制を廃止しております。ただ、財源規制とかこういうものは従来どおり規制をかけているところでございます。それから、保有につきましては、自己株式取得を原則禁止するという旧法の立場から、旧法は取得した自己株式を相当な時期に処分しなければならないとしておりましたが、今回は保有につきましても期間・数量の制限なく保有を認めるということに商法はなっております。

お手元に、「商法等の一部を改正する等の法律案の新旧対照条文」がございますが、これは先ほど申し上げました株式の大きさ規制とか額面株式の廃止も含めた新旧でございまして、非常に量が多くなっております。ただ、自己株式のところは、この新旧でいきますと、基本的には、4ページの210条、9ページの210条の2、10ページの211条、このあたりが基本的には自己株式の取得保有制限に関する見直し規定の主なものでございますので、そのあたりを参照していただきながらご説明を申し上げたいと思います。

まず、最初に申し上げました自己株式の取得ですが、ご承知のとおり、これまで自己株式の取得が原則として禁止されていた理由は、一般的には4点ほど挙げられておりまして、自己株式の有償取得は、実質的に株主に対する出資の払い戻しとなる、会社債権者を害するおそれがある、いわゆる資本維持ということが1つ。

会社が恣意的に一部の株主から株式を買い受けたりすると、これは株主間に不平等を生じさせる。また、保有する自己株式を特定の者に時価より低い価格で売り渡すことにより、株主間に不平等を生じさせる。したがって、入り口のところで禁止をするということにしていたようでございます。

それから、例えば、保有する自己株式を特定の者に譲渡することにより、その者の支配力を強める、支配の公正にも影響すると。これは旧法の規制では必ずしも徹底はしていないのですが──というのは後に述べますが、処分についての規制がないものですから、ただ、これは取得の段階で原則規制することによりこういう支配の公正を確保しようということにしていたと。

4点目は、株価の人為的な操作とかインサイダー取引が行われるおそれがあるということで、これも、それに対応する前に自己株式自体の取得を禁止してしまうという、徹底した規制をしていたということでございます。

今回、金庫株を改正したのは、大きく言うと規制の緩和という観点からです。金庫株、すなわち保有している自己株式を企業再編、例えば合併において、消滅会社の株主に存続会社が有する自己株式を割り当てるようなことができることになりますが、そのような自己株式の利用や、ストックオプションとしての利用について、一定のニーズがあるということであれば、それは生かしてあげたらどうだろうかと、先ほど申し上げました自己株式の取得保有に伴う弊害については、個別に対応したらどうだろうかと、こういう観点から見直しをしたということでございます。

それで、210条が今回の改正の最も基本となる条文でございますが、旧210条は原則禁止ということをはっきりと書いておりますが、新しい210条は、定時株主総会の決議をもって、その決議後、最初の決算期に関する定時総会の終結のときまでに買い受けることができる株式の種類、総数、取得価格の総額を決議すれば、これに基づいて、その間、自己株式の取得が目的規制なしにできるということにしております。定時総会の決議とするとしたのは、基本的には、自己株式の取得財源が配当可能利益でございますので、利益処分の権限を有する定時総会の決議に委ねたと、こういうことでございます。

それから、取得財源は基本的には配当可能利益ということになりますが、これは210条の3項ですが、第4項に規定がございまして、資本もしくは資本準備金、利益準備金について一定の減少手続をとりますと、その減少の結果生じた差額、これも自己株式取得財源に加えることができるということにしております。これは株主総会の決議を経て、しかも、債権者保護手続きも経て取り崩しを認めると、これまで資本についてはそういう手続きがございました、新たに法定準備金についてもそういう手続きを認め、その結果生じた差額金を財源にすることを認めるということにしたものでございます。これはいずれも財源規制ということで、先ほど弊害として申し上げました資本維持の観点から、その資本維持に反することがないような手続き、もしくは財源の規制というものが残っているということでございます。

それから、自己株式の取得の方法でございますが、これは先ほども申し上げましたとおり、株主平等原則に反するといけないということで、この210条でいきますと8項というのがございますが、市場においてする取引、市場売買もしくは証取法の公開買付という方法によるということで、株主に平等に売却の機会を与えております。ただ、ここに但書きがありますが、「第2項2号に掲げる事項につき決議を得る」。この第2項2号というのは、特定の者から買い受けるという相対の取引も認めております。その際は、そのかわり、株主平等に反することがないような手続き規制がございまして、まず株主総会の特別決議という重い要件ですが、これで売主を特定してください、決議で承認してください、しかもその際、相対の売主とされた人以外の株主で、自分からも買ってほしいという申し出があるときは、それも買い受けるという手続きを用意しております。これによって株主平等の原則に反することもないという手当てをしたと。基本的に210条はそういう趣旨でございます。

財源規制等によって資本維持を図っておるわけですが、210条の2でさらに手当てをしておりまして、これは、定時総会で配当可能利益の範囲内で取得価格の総額を決めますけれども、現実に自己株式を取得するのが次の決算期に関する定時総会までということで、一定の期間がございます。その間、会社の経営状況にいろいろな変化があるために、当初は配当可能利益があったものが、期中において経営状況が悪化するような場合もありますので、そういう場合は取締役が善管注意義務を尽くして、期末に資本の欠損が生じるおそれがないかということを判断し、もし期末に資本の欠損が生じるおそれがある場合には、自己株式を取得してはいけないという規定を置いたのが210条の2でございます。ただ、会社に損失が生じるのは、自己株式取得と関係なく、例えば工場が火事で焼けたために営業活動ができなくなるとかそういうこともございますので、取締役において期末に欠損が生じるおそれがないものと認めるにつき注意を怠らなかったということを証明すれば、すなわち立証責任を転換しまして取締役がそういうことを証明すれば取締役は責任を免れると、こういう規定を210条の2の2項に置いております。今のが取得のところです。

それから次に、保有については、旧211条で「相当な時期に処分する」と10ページの下にありますが、この規定がなくなりまして、これにかわって10ページの上にある「処分に関する原則規定」が置かれたと。これまでは、自己株式は、原則、取得を認めなかったということで、非常に例外的にしか会社は取得しないと。したがって、処分について規制が全くございませんでした。ところが現実には、相互に持ち合いをしている会社同士が合併をするなどしますと、存続会社が消滅会社の有していた自己株式を大量に取得するということもあったわけでございます。それについての処分規制がなかったということで、取締役としては、処分については、特に善管注意義務に反しない限り自由にできたということで、ある意味では、ここは、建前上は入り口を非常に厳しくしているからという理由で規制が抜けていたということでございます。

今回は、取得した自己株式の処分については、やはりその処分価格が適正に決定されるかとか、払込がきちんとされるかとか、譲渡制限会社において既存の株主の持分割合に対する保護、こういうことをいろいろ考えまして、新株発行の場合と同じ利益対立状況がそこに生じているのだろうということで、211条は、3項で個別に書き出しておりますが、これは会社設立時もしくは会社設立後の新株発行に関する個別の規定を準用するということにしたわけでございます。

本日の議論に関係するんだろうと思いますが、実はこの211条につきましては、これには付則がございますけれども、付則の5条1項というのがございまして、211条による自己株式の処分については平成14年の4月1日からできると、3月31日まではそれはできないという形にしております。それは、その間に自己株式の処分によって生じる差損益の会計処理とか、または税務処理等につき、この間に検討するということが予定されているということでございます。

あとは、派生的にいろいろ設けておりますが、法律の本体としては今申し上げましたような取得・保有・処分という基本的な構造になっております。

それで、本日ご議論になるということで、金庫株に関して法務省でも計算書類規則についての見直しをしないといけないということで、どういうことを考えているかということを簡単に申し上げますと、まず、期末に保有する自己株式の取り扱いでございますが、現在の計算書類規則は、期末に保有する自己株式については流動資産の部に計上すると。例外的にストックオプション目的で長期保有するものについては投資等の部に計上すべきということにしております。

今回の改正法ですが、提案者、議員の方からも、保有する自己株式を資本の部の控除項目として取り扱うべきであるとの指摘がございました。それで、商法上も、旧商法、改正前の商法290条1項5号とか、これは配当可能利益の算定の際の純資産額からの控除項目を定めたものでございますが、そこでは自己株式の帳簿記載額が控除項目になっていましたけれども、これは自己株式を資産の部に計上するとした上で、それが配当可能利益に入ってきてさらに自己株式の取得財源になるというようなことを防ぐために、配当可能利益から控除するという規定でございました。これは資産の部に計上しないということを前提に、今申し上げました控除項目の規定を削除したということにしております。

そういう議員の方のお考えだったということですが、法務省としましても、自己株式の取得が実質的には会社財産の払い戻しと見ることができる、それから、今回の改正によって会社が相当数の自己株式を長期間にわたって保有することが可能になるということからしますと、これを資産の部に計上するということはやはり情報提供の観点から見ても問題があるのではないかということで、法務省令である計算書類規則につきましても、資本の部からの控除項目とする改正を行うための検討を行っているというところでございます。

それから、先ほど自己株式の取得財源に関して、法定準備金を減少した差額金を自己株式の取得財源とすることができるということを申し上げましたが、その前提として、法定準備金についてこれまでなかった減少手続が導入されることとなりました。この減少手続により取り崩された法定準備金につきましては、商法上、法定準備金としての拘束が外されることになります。配当計算上は配当可能利益に組み入れることができることになります。この取り崩された法定準備金をどのように取り扱うのかというのもここでご議論されるんだろうと思います。

法務省としては、現時点では、取り崩されたものが利益準備金の場合には、これはそもそも利益準備金が未処分利益の中から利益処分によって積み立てられたものであるということから、減少差益については、期末において未処分利益として扱うということにしたらどうかということを考えております。

それから、取り崩されたのが資本準備金の場合は、これはその原資が利益ではなくて株主の払込剰余金等でございますので、これを未処分利益とか任意積立金として取り扱うことは適当ではないのではないかと。この点については、計算書類規則で剰余金の部に記載すべき類型の1つとして、新たに「その他の剰余金」という科目を設けまして、それに該当するものについて適当な名称を付した科目で記載したらどうかということを検討しております。

それから、減資差益については、従前は資本準備金として積み立てるということにされていたわけですが、改正法は、資本減少手続で株主総会の特別決議を経て、債権者保護手続きも経ているものを、さらに資本準備金として配当拘束をかけるということは適当ではないということで、これを資本準備金の積み立て項目から外すということにしております。資本準備金を減少した場合の差益と同様の取り扱い、先ほど申し上げましたような取り扱いにしたらどうかということを考えております。

法務省の省令についての改正ですが、こちらの審議等も十分に踏まえながら、あわせて進めていきたいと思いますが、施行日としては、先ほど申し上げました、改正法の施行日、10月1日をめどとして考えておりますが、それと同じ日にしたらどうかということで検討を進めているということでございます。

私の方からは以上でございます。

○若杉会長

どうもありがとうございました。

それでは、ただいまご説明いただきました商法の改正に関しまして、何かご質問がありましたらお願いしたいと思います。

○斎藤委員

今おっしゃられた中で、資本準備金の減少手続によって取り崩された法定準備金の扱いでありますけれども、特に資本準備金を減少させた場合と減資をした場合については、「その他の剰余金」というカテゴリーを設けてそこに吸収するというお話でありましたけれども、この概念がちょっとまだわからないんですけれども。

従来は、多分、商法上資本があって、資本を超える株主持分は恐らく広い意味では剰余金だったと思うんですね。ただ、その剰余金のうち、資本準備金と利益準備金がありますから、それを除いたものがその他の剰余金だというふうに理解していたんですが、ここで言う「その他の剰余金」とは、ちょっとそれとは違って、やや新しいカテゴリーなんですけれども、従来の言われてきたような未処分利益に代表されるようなその他の剰余金とどういう関係にあるのかということがちょっとまだわからないんですけれども。

○原田参考人

このあたりはこれからもう少し議論していきたいと思っておりますけれども、計算書類規則は、財務諸表規則と違って、資本の部を資本金、法定準備金、剰余金の3つの部に分けております。今回の計算書類規則の改正案では、その剰余金の部の中に新たに「その他の剰余金」という類型を設けようとするものですので、財務諸表規則でいうところの「その他の剰余金」とは概念がちょっと違っております。

○斎藤委員

今おっしゃられた「その他の剰余金」というのは、別に「その他の資本剰余金」とは違うんですね。

○原田参考人

当初は「その他の資本剰余金」というようなことも考えていたんですけれども、資本という言葉を入れる必要がないのではないかということで、今は「その他の剰余金」ということで名前をつけたらどうかと思っておりますが。

○若杉会長

また後でご議論いただきますけれども、とりあえず今のご説明につきましての簡単なご質問だけいただきました。

それでは、さらに先に進ませていただきたいと思います。

次に、「米国における自己株式の会計処理」につきまして、西川委員から概要のご説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○西川委員

1枚紙で資料がつけてあるかと思いますけれども、これに沿ってご説明させていただきたいと思います。

アメリカにおける自己株式の会計処理に関しましては、ARB43号にありまして、それをAPBオピニオン6号が引っ張っているという内容になっております。これはカレントテキストを要約しただけの内容ですけれども、まず会計処理といたしましては、消却を目的とした取得と消却以外の目的による取得に大別するということで、消却をまだ決定していないというのはすべて消却以外、その他の目的ということで処理をすることになります。

消却を目的とした取得の場合においては、まずアメリカの場合は、資本金の金額が額面掛ける株数、あるいは、無額面株式のときは、表示価格と言っていますけれども、ステイテッド・バリュー掛ける株数が資本金に一致するということになっておりますので、そこら辺は日本と違います関係で、消却をするということになると自動的に減資みたいに資本金を減らす状態が発生するわけですけれども、額面相当額はまず資本金から控除されるということでございます。

単純な方から先に言いますと、下の方で、額面価額が買戻金額を超える場合ということは、資本金を減らしすぎている部分があるわけですけれども、その超過額は資本剰余金に加算するということにしております。

そうではなくて、買戻金額の方が額面価額を超える場合というと、さらにその超過額をどこかから控除するということになるわけですけれども、そこで2つの方法を言っておりまして、資本剰余金と利益剰余金に配分してそれぞれ控除するか、あるいは、利益剰余金から控除するということにしております。ここで資本剰余金というのはadditional paid in capitalを略したもので、利益剰余金の方はretained earnings です。

この配分する方はどういうふうにして配分するかということなんですけれども、資本剰余金の方に配分限度額というものを持ってきておりまして、つまり、資本剰余金から控除する限度額ということになるんですけれども、同時発行──これはsame issueというのを訳してみたんですが、に関する過去の消却からなる資本剰余金、及び、自己株式売却益からなる資本剰余金、及び、same issueにかかる資本剰余金と、利益剰余金から、または、株式配当によって資本剰余金に振り返られた金額の合計額、これが資本剰余金から控除する額の限度額だと。要するに、資本剰余金に見合って過去に膨らんでいる分と、あるいは、基になっている部分があるとすると、そこからは控除できるけれども、それを超えた分は利益剰余金から控除するという方法と、あるいは、全額を利益剰余金から控除するということが示されております。

それから、消却以外の目的、その他の目的による場合には自己株式というのは残っておりますので、取得原価は資本勘定から別表示による控除形式で表示されるということになります。その後に処分して自己株式に売却益が出てきたら、資本剰余金に加算すると。売却損については、今度は同一種類と言っているんですが、これはsame classというのを訳したものなんですが、これの株式の過去の消却及び自己株式売却益からなる資本剰余金がある場合は、その範囲内で資本剰余金から控除し、残りは利益剰余金から控除するというようなことにしております。

それから、自己株式に対する受取配当金は損益に含めない。これは、日本の場合はそもそもこういうのはないということで考えなくていいのかもしれませんけれども、当然のことが言われていると思われます。

このほかに、州法の中で、会社法はアメリカの場合は州法の規定だと思いますけれども、自己株式の会計処理を規定している場合があるということで、その場合は州法に従うというようなことがありますけれども、具体例は示されておりませんので、ちょっとどういう州でどういう特別な会計処理があるかはわかりません。

以上が基本的な内容なんですけれども、このほか、FASBのテクニカルブリテンというところで、自己株式の取得価額が市場価格を著しく上回る場合の会計というものが示されておりまして、特定の株主あるいは株主グループから自己株式を買い戻す場合、その取得価額は市場価格を著しく上回るというような場合があって、その場合に他の要因が含まれるということであれば、それについては別の対価として処理をするというようなことが示されております。

他の要素というのはどういうことかというと、括弧の中に幾つか書いてありますけれども、わかりやすいのは訴訟の解決とか、雇用問題の解決といったような、要するに、解決金を払うということを自己株式を高く買い取ることによって行うというような場合は、完全に別の対価ということが言えると思いますので、その分は別のものとして処理をしろということを言っております。

ただし、最後の2行ですけれども、市場価格と異なるという売買価格が、市場があって、その市場価格と異なるということが直ちに別の対価があるということではなくて、支配権の獲得ということが関連する場合には、市場価格より高く買うということもあるでしょうし、逆に、買い手側の方が強い立場であれば安く買うということもあり得るわけで、必ずしも市場価格と異なる部分を別の対価があるというふうに見るわけではないというようなことが記されております。

あと、自己株式の取得原価ですけれども、恐らく移動平均法で取得原価を決めているということが考えられております。

私の方からは以上でございます。

○若杉会長

どうもありがとうございました。

続きまして、今般の商法改正に関係する証券取引法関係の規則等の改正につきまして、事務局の方から説明させていただきます。

○細田参事官

それでは、お手元に、右肩に「参考」と明記しまして、「財務諸表の用語規則」と「連結規則」と2つ現行の規則を並べたものがありますので、それをごらんいただきながらご説明したいと思います。

先ほど法務省の方から今般の商法改正の概要及びそれに対応する計算書類規則の改正の方向につきましてご説明いただきましたが、私の方からは、証券取引法上の財務諸表等につきましても基本的には同様の改正が必要になるものということで、考え方をお話しさせていただきたいと思います。

まず初めに、現行の証取法の取り扱いということでございますが、今ご紹介しましたこの参考資料に、現在の財務諸表規則と連結財務諸表規則を切り張りでお示しさせていただきました。ご承知のとおり、証券取引法におきましては、年度決算に関しましては、個別の財務諸表に関する規則と連結財務諸表に関する規則がございます。あわせて、それぞれ、中間決算につきまして中間財務諸表及び中間連結財務諸表というものがございます。

現在の規則におきましては、自己株式の取得は、商法に基づきまして、非常に例外的であるとか、あるいは、限定的に認められているということでありまして、かつ、また、その取得事由によりまして、それぞれ売却あるいは消却することが義務づけられているということでございました。このような商法の趣旨を踏まえまして、証券取引法上もまずその個別の財務諸表につきましては、この財務諸表規則の第18条、お手元の資料の右側のところでございますが、その18条におきまして、「自己株式は流動資産に自己株式の科目をもって別に掲記しなければならない」ということで、流動資産として計上するということにしてございます。

他方、連結財務諸表、2つ目の○でございますが、これは商法上の個別決算には関係いたさないということでありまして、第43条に書いてございますように、「自己株式は資本に対する控除項目として連結貸借対照表の資本の部の末尾に記載しなければならない」ということで、その資本に対する控除項目という格好で規定しているというように、取り扱いが分かれてございます。

また、自己株式の売却や消却に関する会計処理につきましては、日本公認会計士協会から「自己株式の会計処理及び表示」という会計制度委員会報告が公表されておりまして、この報告書も現在の商法規定を前提としてつくってございます。

以上が現在の規制でございますが、今後の取り扱いにつきまして、今回の商法改正への対応につきまして、基本的な考え方をご説明させていただきたいと存じます。

先ほど法務省の説明にもありましたとおり、今般の商法改正に関する国会におけるご審議の中では、基本的には、自己株式は資本から控除するという趣旨が提案者の方から示されてございます。また、諸外国におけます取り扱いもそういうものが多いようですし、また、今ご披露しましたように、連結財務諸表規則も資本に対する控除項目ということになってございます。したがいまして、基本的には、商法の計算書類規則と同様に、貸借対照表におきまして、自己株式は資本の部から控除するという形式で表示するという方向で財務諸表規則の改正について検討いたしたいと考えております。具体的に言えば、今参考資料でお見せしたような、個別の財務諸表規則の18条と、連結の43条と書き方は違っているわけでございますが、個別の財務諸表規則の方も連結の方の43条に沿った格好に直すということかと考えてございます。こういう方向で今考えているというようなわけでございます。

この点につきまして、こういう改正の方向につきましては、商法の施行が迫っておりますので、このような方向でいいのかということにつきまして、本日、皆様方からご意見をちょうだいできればというふうに考えてございます。

なお、これに関連しまして、自己株式をこの資本から控除するということにした場合におきましても、あと、自己株式の処分に対する会計処理をどうするかということも見直しする必要が考えられると思います。また、先ほど法務省の方からご紹介がありましたとおり、今般の商法改正におきまして、この自己株式に関する事項のほかにも資本準備金あるいは利益準備金の減少手続に関する改正もありましたので、その際の資本の部の表示や剰余金の表示につきましても改めて検討する余地が出てくるのではないかと考えておりますので、これらの点につきましては私どもの方からはきょうは具体的な案というものは出しておらないわけですが、本日も含めまして、この後の機会も含めまして、引き続きご検討いただければというふうに考えてございます。

以上でございます。

○若杉会長

どうもありがとうございました。

それでは、ただいまから、皆様からご意見をいただきたいと思いますが、ただいま事務局からご説明がありましたように、自己株式の取得及び保有に関する貸借対照表の表示の問題は、改正商法の施行にあわせて対応することが必要となってきております。また、自己株式の処分等につきましては、明年3月末まではできないとされており、この点に関しましては今後も検討が必要ではないかと考えております。

そこで、本日は、論点を分けまして、ご意見をちょうだいすることにいたしたいと思います。

まず最初に、貸借対照表における表示に関して、自己株式を資本の部から控除するという点について、ご意見を伺いたいと考えております。

いかがでしょうか。

今、参事官からご説明いただきましたように、この参考の1枚紙のところで、財務諸表等規則では、18条で、流動資産に自己株式の科目をもって別に掲記すると、連結の方では、資本に対する控除項目として資本の部の末尾に掲載しなければならないと、このようになっております。

かつては、連結財務諸表規則がないころは、財務諸表等規則では、資本の部の資本に対する控除項目という扱いをしていたと思うんですよね。それが38年の11月27日付の改正では、流動資産に自己株式の科目をもって掲揚するということになっております。

どうぞ、加藤委員、お願いします。

○加藤委員

表示に関して、資本の部から控除するということについては、非常にいい方向だと思っておりますので、ぜひそうしていただきたいと思います。

といいますのは、今まで個別が流動資産に計上されていて、連結では資本から控除という、いわゆる泣き別れ方式をしていたわけで、この辺は過去にいきさつがありますからこういう形になったと思うんですが。今いろいろと、資本の部のROEとか、資本の効率性ということが注目されているわけですから、やはり個別においても資本から控除するということで、連結との整合性を保つという必要性があると思います。

ただ、今後検討しなければいけないことだと思うんですが、これが単なる表示だけの問題なのか、あるいは会計処理にも結びついて、自己株式を処分したときの処分損益の計算の原価の計算をどうするかとか、あるいは、現在は個別では流動資産に載っているわけですから、いわゆる金融商品の一種というか、そういう範疇に入ってきていたわけで、今後、金融商品会計基準との関係をどうするかとか、その辺の会計処理との観点も検討する必要があると思うんですが、とりあえずは、資本の部から控除するということについては、私は賛成したいと思います。

○若杉会長

ありがとうございました。

どうぞ。

○宮島委員

かつては商法学者と会計学者の間で争いのあったところだと思うんですが、それは、結局、自己株式の原則禁止という形の上での議論だったような気がして、それは僕は余り賛成ではないんですけれども、こういう形でどんどんどんどん緩和の傾向ができて、そして、とうとう解禁にまで至ったというこの流れの中で考えていくと、これはやはり資産としてこれを考えていくということは恐らくできない時代になったのかなということで、そうすると、資本の控除項目という形で考えていくことについて、恐らく商法学者の方も大方は賛成の意見になってくるのではないかという感触はあります。それだけ1つ。

○若杉会長

ありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。

井上参考人、お願いします。

○井上参考人

産業界の方もこの金庫株にはいろいろな経緯がありまして解禁になったわけですけれども、求めてきた側からいたしますと、当初の要望の段階から、この資本の控除ということになるだろうなという前提で考えてきておりました。したがいまして、今回の資本の部の控除ということにつきましては、我々としても賛成いたします。

ただ、今後、処分をしたときの処理につきましては、またいろいろ──我々は資本取引だというふうに考えておりますけれども、税制との関係も出てきそうだということもありますので、また引き続きここは慎重に検討していただきたいというふうに思っております。

○若杉会長

ありがとうございました。

この点、つまり、金庫株を資本の部からの控除項目として処理するという取り扱いにつきまして、ほかに何かご意見はございませんでしょうか。皆様からただいままでいただきましたご意見では賛成ということですけれども。

○安藤部会長代理

今、井上参考人から出されましたことですが、私はやはり資本取引だというふうに割り切った方が説明が楽だと思いますけどね。自己株式の取得あるいは処分は資本取引であるというふうにした方が、表示と処理──したがってこれは会計処理にも影響してくると思いますけれども、そういうスタンスで行くんだということで、私はそれしかないと考えますが。

○若杉会長

ありがとうございます。

貸借対照表における表示に関しましては、資本の部からの控除形式で表示するというご意見をほぼ皆さんからいただきましたので、当審議会といたしましてもそのような考え方をとってまいりたいと思いますけれども、何かご異論はございませんか。

よろしいでしょうか。

それでは、ご賛同いただいたものとして処理させていただきます。

そういうことで、事務局ではそのような方向でもって、今後、関係規則を整備していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

次に、自己株式の処分、その他の点につきまして、ご意見をいただきたいと思います。なお、この点につきましては、本日に限らず、今後も引き続きまして検討してまいりたいと存じますので、いろいろな観点から自由に発言のほどをお願いしたいと思います。

○安藤部会長代理

これは、剰余金の表示にかかわってくる問題だと思うんですけれども、従来、減資差益となっていたものをどうするのか、あるいは、利益準備金あるいは資本準備金となったために法定準備金を取り崩したそれをどうするのかということなんですけれども。

こうなると、逆に企業会計原則の昔を思い出すんですが。今、企業会計原則の注解に資本剰余金、利益剰余金という概念がまだ残っているんですが、あれは本来は本体にあったのがだんだん後退して今は注記のところに残っていますけれども、あれをまた方向としては復活して、資本剰余金、利益剰余金というのを中心に据えて表示を考えたらどうかなというように、私は個人的には考えております。

ですから、利益準備金を取り崩したやつは、例えば利益剰余金の中で利益準備金とその他の剰余金、あるいは、資本準備金を取り崩したのであれば、資本剰余金の中で資本準備金とその他の剰余金と、例えばこうような分類で、大枠は、資本金、資本剰余金、利益剰余金というふうにして、その中で法定準備金ですよ、その他の剰余金ですよという考え方も考えられるのではないかというようなことをちょっと考えているところでありまして、それであればこれは企業会計原則の先祖帰りと言えるのではないかと思っております。1つの意見ではありますけれども。

○若杉会長

ありがとうございます。

ご案内のように、1949年に企業会計原則ができましたとき以来、資本取引、損益取引という概念が企業会計原則の中ではっきりととられ、そして、資本剰余金、利益剰余金という概念がとられてきたんですけれども、その後、ご案内のように、商法と企業会計、つまり証取法会計との経理の一元化という要請に従いまして、両会計制度の食い違いをいろいろな形で調整してまいりまして、今ほぼ一本化してきておりますけれども。そのある段階までは、商法側が企業会計原則側に歩み寄るといいますか、企業会計原則側の提案を受け入れる形でもって改正してまいりましたけれども、ある段階からは、企業会計原則側が逆に商法側に譲って、そして一元化を図ってきたという面がありました。

それで、企業会計原則の中におけるひずみがいろいろと生じてきておりましたけれども、今般のこの商法改正などはひずみがまた元に、安藤部会長代理が申しておりましたように、先祖帰りですか、要するに、元の企業会計原則の形によじれが戻ってきているような感じがいたしますけれども。大きな時代の流れを感ずるんですけれども、そういう面からもう一度企業会計原則が規定しております現在の注記など、これをもっと見直してみる、見直しながら今回の改正に対応していくという必要があるのではないかと思います。

当時の審議会、当時の会長など、非常に悩みを持ちながら一元化を図ってきたことは私などはよく知っているんですけれども、今また新しい動きが生じてきたということは非常に感慨無量です。

どうぞ、ご自由にご意見をいただきたいと思います。

質問される方は手を高く挙げていただけますか、よくわからないものですから。

○加藤委員

今の自己株式の処分の会計処理なんですが、実は先ほど若杉会長がちょっと触れられましたように、会計制度委員会の方で第2号が今出ているんですけれども、その中では、自己株式を売却した場合の帳簿価額と売却価額との差額ですとか、あるいは、ストックオプションで与えた場合には、ストックオプションの公示価格との帳簿価額の差額は譲渡したときに自己株式売却損または売却益ということで、営業外損益の部に表示するということになっているわけですね。

ですから、実は私ども会計士協会では、この委員会報告2号を見直すべく専門部会もつくりまして、まだ全然作業は始まっていないのですが、これから作業を始めるつもりなんですね。この作業した結果をどうするのかとか位置づけとかは、新しい基準設定主体もできたわけですから、それはいろいろとこれから関係者と話し合った上で公表の方法とかを検討しなければいけないのですが。

今こういうふうに、要するに損益取引になっているものを資本取引にするということになると、今までの会計処理を大幅に180度変えるということになるわけですから、そういうフレームワークというか、基礎概念というものが決まらないとこの会計制度委員会報告の方は変えられないということになりますので、その辺は今までと180度変わるということについての、何か、単なる1つの会計基準の問題だけではなくて、フレームワーク的なものの存在、設定とか、あるいは何か概念の変更まで考えられるのかということが1つ。

それから、実は会計制度委員会報告の中には、このストックオプションの会計処理について将来の一種の提言みたいなことをしておりまして、今のこのストックオプションの会計処理は非常に単純なものでして、ただ単に実際に譲渡したときにストックオプションの公示価格と帳簿価額との差を損益に計上するというだけなんですね。この委員会報告の中で提言しているのは、将来的にこのストックオプションが社会で普及して、あるいは、当時はまだ金融商品の会計基準はできていなかったものですから、金融商品の会計基準の作成内容等を踏まえた上で、将来的にはストックオプションの会計処理というものをきちんと検討すべきではないかというような提案をしているんですね。

実際にストックオプションがどんどんふえてきているということと、それからもう1つ、国際的な動きとして、IASBの方で取り上げるべきアジェンダの中の1つにこのストックオプションの会計というのがあるんですね。これから国際的にこれを検討しようということになっておりまして、日本もこれからはIASBと歩調を合わせていろいろやっていくというようなことを考えると、タイミング的にはこのストックオプションの会計まで踏み込むのがいいのかなという気が何となくするんですが、そういう2つの関心事を持っておりますので申し上げます。

○若杉会長

ありがとうございます。

特に新しい方向を基礎づける原理原則あるいは概念というものが変わってくるわけなんですけれども、部分的な手直し、修正に、あるいは改正に終わってしまうのか、それとも、根本的な概念や原理原則にまで及ぶのかというのは第1の問題ですね。国際会計基準との関係といいますか、これからのアジェンダとして処理していく問題との関係だと思いますけれども、こちらも非常に重要な問題だと思います。

どうぞ、ほかにご意見はございませんでしょうか。

○安藤部会長代理

今の加藤委員のご発言で、例えば概念フレームワークがあれば一番いいということだと思うんですけれども、そうすると、資産とは、何とか、負債とか、持分あるいは資本とはと言うと、これまた大変時間がかかることでしょう。ですけれども、資本取引というのはある程度コンセンサスが得られればいける話だと思うんですね、今のお話は。それで、資本取引については、例えばSFACあるいはIASCのフレームワーク、あと、イギリスとかを加えても、大体あの資本取引というんですか、要するに株主との資本をめぐるやり取りですよね、これについては日本でも比較的合意が得られるのではないかと私は思いますけれども。資産とか負債とやり始めるとちょっと時間がかかるかもしれないけれども、我々が言っている資本取引とはというのは、比較的合意に達するのが容易ではないかというような私は感想を持っているんですけれども。

○若杉会長

この資本取引の概念につきましては、企業会計原則の立場では、会計主体観として企業実態論をとっておりますから、株主と企業との間の取引関係だけを資本取引と見るのではなくて、その他のステイクホルダーとの関係も含めて考えておりますけれども。商法は資本主論的な立場をとっている関係上、株主との資金の拠出あるいは拠出した資金の後のいろいろな変化、変更だけを資本取引と見ておりますね。それはちょうど法人税法の行き方とその点は符丁が合いますけれども、この証取法会計と商法との資本取引についての見方というのは、会計主体観の違いに呼応して違っているわけですよね。それを企業会計原則は企業実体論の上に立ちながら、先ほども申しましたように、商法に歩み寄る形の修正をかつてしてきておりましたために、資本主論と企業実体論の境界がはっきりしない、むしろ企業実体論の中に資本主論的なものが入ってきた形でもって現在に推移しているというのが現状だと思うんですね。その辺はやはり会計制度の根幹にかかわる問題ですので、我々としてもはっきりとした態度をとっておいた方がいいのではないかと考えます。

安藤部会長代理のご意見がそんな感じですか。

○安藤部会長代理

いや、ちょっとそれは違う。

今の企業会計原則というのはちょっと世界からずれているんで。

○若杉会長

全く同じというのではなくて、方向としてという意味でね。

○安藤部会長代理

というと、これは二人でやっていてもしようがないんですけれども、その他の資本剰余金というのを認めることになってしまうんですよね。はっきり言って、かつて広がったときは、例えば国庫補助金と工事負担金とか、保険差益、物価変動の部分とか、非常に広がってしまっているという、確かに企業会計原則はそのスタンスなんですね。

ですから、テキストによっては、昔そのころに本を書かれた先生は今でも頑固にそれを──先生もそうかもしれないけれども、守られているという先生と、比較的商法的な、あるいは、世界的な資本取引という筋で書かれているテキストが、今ははっきり言って2つに分かれてしまっているという。私は後者でいいのではないかということで、これは若杉先生にちょっと失礼かもしれませんけれども、国際常識でいっていいのではないかなと。はっきり言えばこれは商法なんですけれども、商法の資本取引ということになると思いますけれども、それがグローバルスタンダードになりつつあるのではないかなと。ちょっと語弊があるかもしれませんけれども、私はそう思います。よろしくお願いします。

○若杉会長

私は別に今までのものにこだわるというのではなくて、商法が新しい姿勢を見せたところで、我々も新しい方向で考え直してもいいのではないかと。そのときに、前にそういうものがあったということは一応念頭に置いてという、こういう趣旨ですよ。

西川委員が報告してくださったことなども、そういう新しい方向での、あるいは、現代の国際的な見方というものであったと思いますけれども、何か補足的に説明していただけますか。

○西川委員

補足は特段ないんですけれども、資本準備金からその他に持っていくというので、安藤委員がおっしゃるように、やはりそれを含めて資本剰余金という概念というのが、特に連結ではそういうふうにしないとまずいのかなという感じはするんですけれども。商法では連結の開示まで単体と同じように踏み込むことはないということを前提にして言っているわけですけれども、単体では配当という問題がありますので、当然、法定準備金というのは重要な概念ですけれども、連結ではもう既に利益準備金も消えていますので、資本準備金という概念を連結で残す必要はないのかなというのは直感的に感じております。

○若杉会長

ありがとうございます。

いろいろご意見をいただいておりますが、どうでしょうか、産業界の方々で、逆瀬さん、何か。例えば自己株式の処分とかそういうような問題についてご意見はございませんか。

○逆瀬委員

今行われている議論の話としてですか。

○若杉会長

何でもよろしいです。

○逆瀬委員

このようなお話にもなるのではないかと薄々予感はしておりましたが、今の冒頭の原田参考人のお話からちょっと踏み込んだような議論になっていって、資本剰余というのを堂々とした1つのアイデアとしてBSの大科目に議論した上で持ってこようじゃないかという議論、それをやるといろいろな議論がありますように、話が一気に広がってくると。どの範囲の議論になるかと。加藤先生が言われたストックオプション、FASの123号そのものじゃないかと、かなり大胆な会計処理になるなといったような、大きなインパクトのあるような議論も内包して議論が進むことになるなと。

そういう議論はすべきだとは思うんですが、もう一方で、金庫株の話がもうすぐ目の前に来て、当座の事務処理もあるということで、一気に今言われたような議論を全部包括して一定の時間の中で料理できるのかなという懸念がちょっとあります。今言われているような議論についての議論を深めることについては私は賛成なのですが。

○若杉会長

ありがとうございます。

ほかに、ご意見はございませんですか。

○斎藤委員

当面何を決めなければいけないのか、ちょっと論点を絞っていただけませんでしょうか。

○若杉会長

結局、今、原田参考人から説明していただきました問題、これは法律の改正という厳然たる事実がございますので、それを前提にして、当審議会でもって、財務諸表等規則などを改正するに当たっての我々の受け止め方を。これはもう既に、去年、一昨年でしたか、規則の改正に当たって審議会でもって問題を審議するという先例がもう既にあるんですけれども、今回もそういう趣旨で、結局、規則改正に当たっても審議会でもって一応検討してみて当審議会としての意見をはっきりさせて、それを前提にしまして規則改正を行うと、そのような趣旨であると思います。

では、補足的に説明してください。

○多賀谷課長補佐

簡単にご説明させていただきますが。

まず、自己株式の取得、そして保有している部分につきましては、先ほど参事官からご説明させていただきましたように、改正商法の施行の10月1日に合わせて、それ以後終了する事業年度の財務諸表からどのように表示をするか、資本から控除する方向でということで、それをまずご検討というか、ご意見をちょうだいしたいと。

それからもう1つは、あわせて、資本準備金等の取り崩し、減少手続に伴って、資本準備金でなくなってくるもの、それから、現在、資本準備金として表示しております減資差益、これらの表示をどこでするのか。それは、その区分なり表示科目を考えるに当たって、財務諸表の資本の部における剰余金の区分、その区分方法もあわせて見直す必要があるのかどうか、というのが基本的な府令の問題でございます。

それに加えまして、中心的には、この自己株式の処分につきまして、処分したときの処理をどうするか。その差額が、あるいはその取引が損益取引か資本取引かによってその差額の処理をどうするか、そしてその差額をどこに表示するか。また、その表示をすることにあわせまして、表示科目なり表示の区分、剰余金の区分ということに関係が出てくるとすれば、それをどのような区分にするか。ですから、処理と表示という意味では、そこはいずれの場合も最終的には財務諸表の区分形式にかかわるところでございますが、そこまでが基本的な見直しが必要となっている事項でございます。

これに加えまして、そういうような修正なり改訂なりを今後した場合におきまして、現在ある、例えば先ほど加藤委員からおっしゃられましたストックオプションですとか、関連が出てくるようなものもあるとすれば、それは引き続きまたご意見をいただきながらどうするのかと。それを一遍にやるということではなくて、それは、直さなければならないものがあればまたいろいろ意見を出していただいて、それでまたどういうふうに対応していくかをご検討いただければというふうに考えております。当面は自己株式並びに剰余金、法定準備金の取り崩し等にかかわる部分について、及び、その表示区分について、ご検討いただければと考えております。

○若杉会長

斎藤委員、よろしいですか。

○斎藤委員

そうしますと、問題は、第1点の、自己株式をいわばどう表示するかという問題と、第3点の、処分に伴う差損益をどういう性格のものとして扱うかということが1セットの問題であって、もう1つ、第2の論点である、法定準備金や減資に伴って生ずる取り崩し分の表示の問題があって、そして第1点と第3点との検討の結果を第2の検討の結果にどうはめ込むかという議論ですね。そう考えていいですね。

そうすると、先ほど来、自己株式の取得ないし処分というものを資本取引と見て、したがって、保有している自己株式は自己資本、株主持分から控除するというところまでは了解されているわけで、そのこと自体については何の問題もないというふうに私は思いますね。

問題は、それは処分したというときに、資本取引であるから自動的に結果が決まるというわけのものでもないので、そこをちゃんと検討しなければまずいと思うんですね。つまり、処分したときに差益が出れば、これはもう資本取引の結果ですから、利益には入りませんから、一種の資本準備金なり資本剰余金なり、そういうところに入っていくことは間違いないのですが、差損が出た場合、これはもう自動的に資本剰余金なり資本準備金の減少とは決まらないわけですよね。つまり、ご承知のように配当も資本取引ですから、配当した場合には資本準備金なり資本剰余金が減るということはないわけであって、まず留保利益が減るわけですよね。

ですから、自社株の処分に伴う損失についても、その問題との関係をどう考えるかということを議論して決めてしまわないと、第2の論点にはめ込むことはできないだろうというふうに思います。

○多賀谷課長補佐

まさに今斎藤委員からおっしゃられましたところが、アメリカの実務は先ほどご紹介いただきましたが、日本の方では長らくそもそもこういうことが行われていなかったものですから、余り我々の方では特に最近の文献等というのが十分にございませんので、ぜひご意見をいただければというふうに考えております。

○若杉会長

きょう、すべてはっきり決めてしまうということではないんですね。ですから、また9月になってからさらに深めて議論するということも考えているところです。そういうことですので、まだ時間は十分ありますので、きょうのところでいただけるご意見はそれなりにちょうだいしておいて、またさらに9月にはそれを発展させる方向で、深める方向でご議論いただきたいと、こんなところです。

どうぞ、お願いします。

○西川委員

議論していく中で、経過措置的なものが必要かどうかというのをちょっと検討して、たたき台みたいなものがあればというふうに思うんですけれども。10月1日から施行されるんですけれども、4月にならないとできないというのは、恐らく税法なのかなという気はしているんですけれども、10月1日というのは同時スタートで、税法だと4月1日と言っても決算期の関係でずれるかもしれないというようなことがありますので、そこら辺はよく経過措置を考えてやらないと。まずその経過措置が選択適用なのか、もう今までの処理をある一定期間までやれというふうにするのかというチョイスもあるでしょうし、ちょっとそこら辺が実務的には考えなければいけないのではないかなと、そういう気がしております。

○若杉会長

きょうご審議いただくことは、我々が直接基準づくりという問題ではなくて、規則を改正するという上でもっていろいろ参考になるご意見をいただきたいという趣旨ですので。それをご了解いただきまして、さらにご質問をいただきたいと思います。

○多賀谷課長補佐

先ほどのアメリカの例等も踏まえてちょっとご質問させていただきたいのですが。

最終的な差損益相当額、自己株式を処分した場合、これをどうするかということなのですが、そこに行く前に、例えば期中で多数の処分、何回か処分があって益が出たり損が出たりした場合とかは個別に見るのかとか、あるいは、全体でバスケット的にというんでしょうか、通期で見るのか、あるいは、例えば資本剰余なりが残っている場合……、先ほどのアメリカの例ですと、発行した株式の種類株があるからだと思うんですが、種類株に対応して出てきた資本剰余なり、自己株式の過去の売買処分による利益相当額がある場合には、そこに対応させて引いていってというような感じだと思うんですけれども、その辺の取引との関係というのがもしわかりましたらば、もう少しご説明いただければと思うんですが。

○西川委員

そこら辺は余り詳しくわかりませんけれども、アメリカの場合は四半期報告をしなければいけないということもありますので、そんなにまとめてということには恐らくならないんだろうと思いますので、取引ごとに完結しているかどうかはわかりませんが、移動平均的に完結するということだろうと思いますけれども。

○多賀谷課長補佐

その点につきまして、我が国の感覚的な……、例えば産業界の方はどのようにお考えが、損益相当額とか処分の部分についてもしお考えがあればお伺いしたいのですが。

○逆瀬委員

まだそこまで考えを詰めておりませんので、今しばらくお待ちください。

○若杉会長

9月になりましてからまたこの会は開かれることになると思いますが、それまでに各委員もお考えを深めておいていただければ幸いです。

○三國谷取引所監理官

今度の商法改正につきましては、原田さんのところと私の方の証取法ということで事務方としては原田さんと二人でやってきて、商法のこの部分は、本体自体は原田さんのご担当でずっとやってきておられるわけですけれども、国会におきましてもこの会計上の取り扱いはどうなるのかということについてのご質問は結構ございました。

そこで、一般的に取得の段階では資本の部、そこまでは大体の議論が出ているんですが、そこから先につきましてはまだこれから検討という形でございますし、実際にそれぐらいの現に難しい問題が一方であるのかと思います。

ただこれをいろいろ考えてみますと、大変難しいというか、考えなければならない問題が結構あるなと思っておりまして、本日はそういった問題点というのを指摘する場とすれば、途中から参加して恐縮でございますが、何点か考えなければならない点があるかと思うんですが。

1つは、私は個人戦か団体戦かという言葉を使うんですけれども、1つのものを取得と売却の関係までを全部ひもつきと考えるのかどうかと。例えば、ものによりましては途中で消却する場合もあるわけでしょうし、代用証券で出る場合もあるでしょうし、そういったときにそういったものを個別個別でひもつけるという形なのかどうか、そこはこの辺はアメリカでは相当実例があるかと思いますのでどう処理をしておられるのか、あるいは諸外国ではどうなのか。

それから、100というものが一たんゼロになった場合に、70に復活した場合に、その30を損と見るのかどうかという議論というのは税法の問題なのかどうか、その辺も含めていろいろな考え方があるのかなという気がしております。

それから、既存のものはどうするかとか、これも本当に考え始めますと結構問題があるかと考えておりまして、当面、決めなければいけないことにつきましても考えてみると多々論点があると思っております。

大変短い期間で恐縮でございますけれども、ぜひそういった、実際上どういったことがあるのかどうか、さらにいろいろご検討いただければ幸いかと思っております。

大変この問題につきましては、国会でも、随分、五、六回質問があったところでございますが、提案されている先生方からも今後いろいろ検討していかなければならない議題があるという旨はいろいろお答えしているということだけはご紹介させていただきたいと思います。

○若杉会長

ありがとうございます。

まだ時間は十分ございますので、いろいろご意見、ご希望、その他をおっしゃっていただければ幸いです。

税法も、当然、商法改正に対応して改正すべき点があると思うんですけれども、税法の決まりを我々が受けると我々の面子がたたないような見方がなきにしもあらずなんですけれども、税法というのは非常にしっかりとしたものの考え方をとっておりますので、それなりに参考にすべきことが多いのではないかと思うんですね。

例えば、税法上、資本等取引という概念があって、「資本取引」とは言っていなくて、「等」が入っているわけですね。これは例えば、利益処分とかそういうような、本来の資本取引以外のものだけれども、しかし、損益取引的なものとして、損金とか、あるいは益に入れるべきではないもの、それを資本取引に準ずるものとしまして、資本等取引という形でもってくくって同じ扱いをしておりますよね。それなども我々がものを考えるときに参考になるのではないかと考えております。

○三國谷取引所監理官

その問題に関連しまして、例えば税との関係につきましても、やはり企業会計の方での考え方というのが、少なくとも我々の発信としては、それがしっかり税の方に反映されるようにという形で考えていっていろいろな理論とか物事を整理していきませんと、逆にまた別な形での弊害が生ずるということを恐れておりまして、また税の議論はことしの秋にも行われるものでございますから、それまでに我々としても、しっかりとした、きちんとした考え方をこしらえて臨みたいという形になろうかと思います。

やはり、産業界の方々の実際上のお考え、もう1つは我々の議論、それから、参考になりますのは、ある程度そういったものの実務をこなしてきた、金庫株というのを既にやってきたところの米国の取り扱いというのをきっちり調べた上で、きちんとしたものをつくって、きちんとした結論を早く出していただければと思っておるところでございます。

○若杉会長

よくわかりました。

我々の審議会に対する、宿題といいますか、要望といいますか、それを今監理官に述べていただいたわけです。そういうことで、我々としましても、この問題について、9月段階ではかなりはっきりとした線を出していく必要があるかと思いますので、ひとつよろしくご検討のほどをお願いしたいと思います。

まだ時間がありますので、無理に時間が終わるまで粘る必要はないんですけれども、もし何かいろいろご意見、その他、申し述べたいことがございましたら、どうぞおっしゃっていただきたいと思います。

○安藤部会長代理

一言で言えば、企業会計原則、いわゆる括弧付の企業会計原則をどうするのかということに尽きるかと思うんですけれども。それは恐らく今回のこの自己株式に絡む商法改正に伴う、例えばさっきの貸借対照表の表示とか、会計処理の変更については、企業会計審議会としての個別の基準は恐らく出せないというか、出さないんだと僕は状況判断をしているんですね。

恐らくこれは財務諸表規則、要するにこれは今度は内閣府令なんでしょうか、その改正ということでやっていくと、例えば『会計法規集』や『会計全書』で構成を考えますと、企業会計原則あるいは会計基準、その次に、商法とか証取法系統でまとまっているわけですね。今でも既に企業会計原則は個別の基準で随分矛盾したところが出てくるわけですけれども、一応先発の原則に対して後発の基準が並んでいますから、一応理屈としては後発基準が先行している企業会計原則に矛盾しているときは、原則は、個別の基準の方を優先するという形で説明がつくんですけれども、今度は個別の基準なしで企業会計原則をあのままにしてしまいますと、会計基準とか原則のところがめちゃくちゃになってしまうんですよね。ちょっと私は教育の現場にいる者としては、これは非常に困るというふうに感じますね。つまり、体系ががたがたになってしまって、企業会計原則はあそこに会計全書とか会計法規集が先頭にあることの意味が全くなくなってしまうという、そういう危機感を持っているということを意見として申し述べます。

○若杉会長

時間が十分ありますので、30分も、そういうことも含めていろいろご意見をいただければ幸いです。

○平松課長補佐

ちょっとご質問したいんですが。

ちょっと産業界の方に実感をお聞きしたいんですけれども。今お話がありました経過期間、経過的な措置のことなんですけれども、例えば1つ考えられるのは、事業年度を会計期間で切って、以降は資本の部に持ってくるということが普通考えられると思うんですけれども、そのような場合に過去のものが問題になるんですけれども、それについて、例えば一律にあるときから資本の部に持ってくるというふうにした場合に、弊害というか、問題点というか、そういうのがあれば教えていただきたいと思います。

○若杉会長

ただいま産業界はお二人代表がいらっしゃるんですけれども、何かもし今お話しいただけれることがありましたら、お願いしたいと思います。

○西川委員

詳しいデータは持っていませんのでわかりませんけれども、恐らくまだ自己株の金額的なものはそれほど大きくないと思うんですね。ですから、恐らくそこを見てみないと何とも判断のしようがないと思いますけれども、私の感覚では、さほどバランスシートに継続性に非常に問題が出るような形の金額ではないのではないかなと思います。

○平松課長補佐

ちょっと法務省の方にお聞きしたいんですけれども。

今、資本の部の区分につきまして、資本金、資本剰余金、利益剰余金というような話も出たんですけれども、それについての法務省としての感触というんでしょうか、感覚的にどうなのか──今は違う構成をとっているわけですけれども、ちょっとそれを教えていただきたいと思います。

○原田参考人

済みません、もう一回お願いします。

○平松課長補佐

資本の部の大きな構成につきまして、資本金、資本剰余金、利益剰余金というお話が出たと思うんですけれども、そういう旧に復するというんでしょうか、昔の企業会計原則みたいな表示の仕方について、法務省としてはどうでしょうか。

○原田参考人

昔の企業会計原則のことはよくわからないので、今の質問に対するお答えになるかどうかわかりませんが、先ほど申し上げましたように、法務省で現時点で考えているのは、資本があり、法定準備金があり、剰余金があると、そして、剰余金の中に任意積立金、未処分利益とその他の剰余金ということで、従前のその他の資本剰余金とかそういうものも含めてこういうところに入ってくるということを考えています。それが、昔の企業会計原則とどこまで一致してどこが違うのかというのはよくわかりません。

どうしてそういうふうに考えるかということも、これも先ほども斎藤先生から言われて申し上げたとおりで、実際上の差というのはないんですね。結局、いずれも配当原資になってしまうんだろうと思いますし。先ほど申し上げたように、結局は利益性のものか資本性のものかということだけを明らかにすると、それが果たして商法上どれぐらい意味があるかということを言われると、そういうことを明らかにすること以上の意味はないのかもしれません。

答えになっているかどうかわかりませんが、今我々がとりあえず考えているのはそういう状況で、なお、ここでの議論もよく伺って考えていきたいと思います。もちろん財務諸表規則と計算書類規則の関係はいつも金融庁と法務省の方で連絡を取り合って、なるべくお互いに共通性の高いものというのをつくり上げていきたいと思っておりますので、今我々が考えていることを申し上げ、また、こちらでの議論の結果も我々に教えていただいて対応していきたいということです。

○多賀谷課長補佐

時間があるようなので、もう1点、原田管理官にお伺いしたいんですが。

商法の今回の289条の、資本準備金及び利益準備金の減少手続のところなんですが、それ自体というよりも、手続き、段取りといいましょうか、これは恐らく減少させた分をすべて配当するかどうかというのはまた別の事柄に属するんだと思います。そうしますと、まず段取りとして、ここで言う株主総会の決議というのは、例えば定時株主総会で、同時にというんでしょうか、減少手続をして、それによって減少して未処分利益に入ったものを同時にその総会で処分ができるというふうな段取りで考えてよろしいのでしょうか。それとも、これはこれで決議をした後に何らかの取り崩しをしてやるということになるんでしょうか。それによって財務諸表で、剰余金計算でやるのか、未処分利益計算でやるのかちょっとわからないものですから。

○原田参考人

この289条、要するに資本減少も同じなんですけれども、いわゆる実質減資と呼ばれる場面を考えていただければよろしいかと思うんですが、いわゆる払い戻しをすると、減資をしたものをそのまま株主に払い戻すという減資の仕方、あれと同じような形で法定準備金の減資をして、それを払い戻すということももちろんできるわけですね。ただし、その場で、実質的な減資、もしくは実質的な準備金の減少というんでしょうか、そういう形はやらないでおいて、それが次の決算期に、先ほど申し上げましたその他の剰余金という形で確定して、それを今度は配当という形で配当していくということになるんだろうと思うんですね。

○若杉会長

ほかに何かご質問等はございませんか。

安藤部会長代理が先ほど提案されました件は、斎藤委員はどんなふうにお考えですか。

気楽に。

○斎藤委員

剰余金のところの表示ですか。

○若杉会長

いや、一般的なこと、企業会計原則のこと。

○安藤部会長代理

あれは意見ですから。提案じゃないですよ。

○若杉会長

提案というか、問題提起的な……。

○斎藤委員

企業会計原則が現状のままで放置されているということが会計基準全体としての体系を損なっていることになって、少なくとも教育上の観点からは大変困惑しておられるという、そういう観点です。

○安藤部会長代理

それから、今回のこれがとどめを刺すということなんですよ。

○斎藤委員

つまり、会計基準が、これは次々と出てきますから、かつての企業会計原則と矛盾する部分が出てくるというのはやむを得ない面があると思うんですね。そういう企業会計原則が会計法規集の中に残っていても、これは歴史的文書でありますから、それは別に差し支えないと私は思っているんですね。ただ、その問題と、これから日本でいろいろな個々の基準を検討していく際のよりどころとなるような体系というものが欠落したままでいいかということになると、それはそれでまた別の問題で、十分に議論しなければいけないとはもちろん思っております。

○若杉会長

それは、会計法規集の中で企業会計原則が、かつてこういうものがあったという形で載っているというのはちょっと現実的ではなくて、あれはまだ生きているわけですよね。ですから……。

○斎藤委員

もちろん、オーバールールされなければ生きていますから、それは結構ですよ。

○若杉会長

済みません、失礼しました。あれはあれでまだ制度上も生きておりますよね。ですから、あれがもし新たにできてくるピースミール方式による原則基準と抵触する部分があって、そのまま放っておきますといろいろな新しい問題が起こるし、それはさらに教育上の観点からも問題になると思いますよね。ですから、そこで、じゃあどうするかというと、企業会計原則をあのまま放置していいのかという問題になると思いまして、それが安藤部長代理の問題意識だったと思うんですけどね。

いろいろご意見はあるかと存じますけれども、時間は若干まだあるんですけれども、一応用意しました問題につきましての議論はほぼ十分に出ているのではないかと考えられます。

○多賀谷課長補佐

先ほど安藤部会長代理から、今回のこの処理をどのようにするかという形については、省令ではいわゆる表示の部分というのを定めておりますので、それ以外の会計処理につきましては、先ほど加藤委員からもありましたように、会計士協会でつくっている部分もございますし、今後どのような形でルールとしての位置づけをするかということについては、今後またいろいろご相談をさせていただきながら、それはまた別途考えさせていただきたいと思います。

○若杉会長

そろそろ予定の時間になりますので、本日の審議はこの辺で終了いたしたいと思います。

なお、次回は9月になろうかと思いますが、引き続き、自己株式の会計処理についてご検討をいただくことを考えております。日程の詳細につきましては、事務局から改めてご連絡いたします。

それでは、これにて本日の部会は閉会いたします。

皆様には、お忙しいところ、ありがとうございました。

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