平成16年4月21日
金融庁

企業会計審議会企画調整部会議事録について

企業会計審議会企画調整部会(平成16年3月9日(火)開催)の議事録は、以下のとおり。

(連絡・問い合わせ先)

企業会計審議会 事務局
(金融庁総務企画局内)
金融庁 (TEL 03-3506-6000)
(内線 3657 、3669)
総務企画局企業開示参事官室


企業会計審議会 第8回企画調整部会議事録

於 金融庁特別会議室
(中央合同庁舎第4号館9階)

午後 2時00分 開会

○加古部会長

それでは、まだ1、2名の方がお見えになっていないようでございますが、定刻になりましたので、ただいまから第8回の企画調整部会を開催したいと思います。委員の皆様にはお忙しいところをご参集頂きまして、誠にありがとうございます。

初めに皆さんにお諮りしたいのでありますが、今回のテーマであります国際的な動向との関係を論ずるこの企画調整部会でございますが、これは格別個別の会計基準について議論するということではございません。そういう意味ではむしろ幅広く皆様にご理解を頂く、こういう意味で本日のこの企画調整部会から原則として公開ということにしたいと思いますが、いかがでございましょうか。

よろしゅうございますか。

〔「異議なし」と言う者あり〕

ご賛同頂けましたので、以後、当部会は原則として公開ということにさせて頂きますのでよろしくお願いいたします。

さて、ご承知のとおり去る2月20日でありますが、開催いたしました企業会計審議会の総会におきまして企画調整部会及び第二部会での審議事項が決定されたわけでございます。その際、当部会、企画調整部会でありますが、その部会長には私が兼任することになりまして、安藤委員、本日はご欠席でございますが、安藤委員が部会長代理となっておりまして、委員の皆様の所属につきましては後日ご連絡するということにいたしておりました。

本日は、ご欠席の方もいらっしゃいますが、お手元に企画調整部会の名簿を配布してございますのでご覧頂ければと思います。

本日の議事に入ります前に、当部会の審議事項につきまして確認をしておきたいと思います。当部会の審議事項は国際会計基準に関する我が国の制度上の対応ということになってございます。内容につきましては総会の折に一応のご説明をいたしましたので、ここでは省略させて頂きますが、お手元の黒表紙の資料集に総会の時に配布しました資料がございます。その中に「『2005年問題』の論点と考え方」、こういう資料を配布してございます。本日からこの資料の論点に沿いまして議論を進めて参りたいと考えております。

それでは、本日の議事に入りたいと思いますが、初めにその2005年問題の発端でもありますEUの最近の動向について、まずは事務局からご説明を頂ければと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

○松尾企画官

国際課の企画官をしております松尾と申します。よろしくお願いいたします。

お手元に最初の資料といたしまして資料1の番号をふってある資料がございます。この資料に沿って最近のEUにおける動きについてご説明をさせて頂きます。

EUの中における有力な国であるイギリスについても最近動きがございますので、併せましてご説明をさせて頂きます。

まず、1ページ目の最初でございますが、最近のEUにおける基本的な展開ということでございます。

まず、EUはご承知のとおり2005年までに域内金融市場の統合を目指しておりまして、99年5月に発表しました「金融サービス行動計画(FSAP)」と呼んでおりますが、これを実施することが目標になっております。

最近の動きとしまして、EUメンバーが今年の5月1日に25か国へ拡大する、欧州議会の選挙が6月中旬にございまして、選挙前の欧州議会の最後の会合が5月上旬にあるということから、この「金融サービス行動計画(FSAP)」実施のための立法措置、これは拘束力のある規則と、メンバー国がこれに従って自国で必要な法制度を整備する義務を負う指令の両方を含むわけでございますけれども、その採用期限はこの関係で今年の4月が目標になっております。

一般的に域内市場統合のためには、EU域内、今15か国のメンバーの規制をそろえる必要がある、規制を調和させる必要があるわけでございますが、この調和のさせ方につきましては2001年2月のラムファルシー報告におきまして4段階のアプローチがとられております。まず、第1のレベルが先程申し上げました立法措置を決める段階でございまして、これはブラッセルの欧州委員会が提案をする立法措置案につきまして、欧州理事会、具体的には金融の場合は財務相理事会に該当していますが、及び欧州議会の共同決定により採択をするという仕組みでございます。ここで原則とその下位のレベルにおいて実施権限をどの範囲で認めるかということについて合意をいたします。

レベル2はレベル1の立法措置をベースに具体的に細かな実施措置を決定するレベルでございます。

やや複雑でございますが、最終的には欧州委員会が採択するのでございますが、2つの関係ある委員会がございまして、1つは証券の規制当局から構成されます「ヨーロッパ証券規制当局委員会(CESR)」と申しておりますが、これが専門的、技術的な観点から助言を行いまして、これを受けて各国の財務省等から構成されますヨーロッパ証券委員会が投票して、その上で最終的に欧州委員会が採択するということでございます。

現在は、主にレベル1が最終段階に入っておりまして、その関連でレベル2が進められている段階でございます。今後、レベル2が決まって参りますと、さらに運用上のガイドライン等の策定を先程申し上げました証券規制当局委員会が策定をするということになっております。

さらにそれを超えます最後の段階、レベル4といたしまして欧州委員会がメンバー国の遵守状況をチェックするという段階になっております。

こうした基本的な枠組みの中で最近の動向でございますが、FSAPには当初42の措置が含まれていたわけでございますが、四半期に一度定期的にフォローアップを行っておりまして、2003年11月現在ですと36の措置を実施済み。直近ですと37を実施済みと聞いております。

会計・監査に関わる措置を以下に掲げましたが、ご承知のとおり以下のとおりでございます。一昨年7月に国際会計基準に関する規則を採択しておりまして、2005年から域内上場企業の連結財務諸表につきまして原則として国際会計基準の使用を義務づけるというものでございました。

昨年5月に欧州委員会が「EUにおける法定監査の強化」を発表しております。これは会計事務所に対する監督の強化等を含んでいるものでございますが、その中に国際会計士連盟の国際監査保証審議会が決めております国際監査基準につきまして2005年からの義務的使用が目標とされております。従いまして、監査基準の義務的使用につきましては会計基準と違いまして、まだ正式に採択をしている段階ではございませんので、欧州委員会の目標という段階でございます。

2003年、去年の7月でございますが、「目論見書に関する指令」を採択しております。これは2005年7月に施行ということで、内容につきましては後程ご説明させて頂きます。

1枚めくって頂きまして、昨年の9月でございますが2002年7月のIASの適用に関する規則に基づきまして、昨年9月14日現在で、すべてのIAS、金融商品時価会計に関わります32号、39号を除き採択をするということをしております。

昨年の11月には財務相理事会が後程ご説明しますが、透明性指令に関して政治的合意をしているということでございます。

ブラッセルの欧州委員会の域内市場担当のボルケシュタイン委員の公表されましたスピーチ等を拝見しておりますと、3月の中旬にも、来週あたりに第8会社法指令の改正案を提案するという予定のようでございます。これは先程申し上げました欧州委員会の提案に基づきまして、監査人監督の強化とか高品質の監査基準の使用義務付け等が入っているようでございまして、具体的には発表されるものを拝見しないといけませんが、国際監査基準の2005年での使用について入っている可能性があるかと存じます。

この改正案につきましては、最近のイタリアの大手食品会社のパルマラット社の破綻に関連いたしまして、特に監査人の監督をEU全体で強化するための提案として欧州委員会が最近強調しているものでございます。

以上が最近の会計・監査に関わる動きでございまして、次に先程簡単にご説明した目論見書指令と透明性指令案についてご説明したいと思います。この2つが2005年の域内統合された金融市場における外国会計基準の取扱いについて触れているものでございます。

まず、第1の目論見書指令は、簡単にいいますと発行開示に関わるものでございまして、証券の公募、または域内への新規上場に適用される。ただし、適格投資家への募集でありますとか、100名未満への投資とか、発行単位5万ユーロ以上の証券の募集等が適用除外になっております。

この目論見書を公表する義務が例外に当たらない場合は、EU域内で証券公募を行う発行者は原則としてIASに従った連結財務諸表を作成する義務がございます。ただし、EU域外の証券発行者、これはサード・カントリー・イシュアと言っているんですが、第3国の証券発表者については以下の場合には母国の基準に従って作成した目論見書の使用が可能とされます。

1つ目は、証券監督者国際機構等の国際的な証券組織が定める国際的基準に従って作成されている。

2つ目は、財務情報を含む情報に関する義務が目論見書指令の下での義務と同等であることでございまして、ここから会計基準につきましてはIASと同等のものであるということが書いてあるわけでございます。

では、このIASの同等とはどういうことかということでございますが、先程申しました証券当局の集まりであるCESRの助言を踏まえまして欧州委員会が先月13日にこの目論見書を実施するための規則案を提案しております。

域外の証券発行者の取扱いに関するポイントといたしましては、まず第1にIAS又はIASと同等の会計基準でないといけないという義務は2007年1月1日までは適用されないということで、ある意味で経過措置、2007年1月1日までは例えば我が国の会計基準も使用可能という経過措置が設けられているわけでございます。

この場合、目論見書に含まれる財務諸表が資産・負債とか、真実かつ公正な概観true and fair viewを示していないならばより詳細、かつ追加的な情報を伴うという規定がございます。ただこの場合、true and fairというのがどういう意味か、あるいはより詳細、追加的な情報がどの程度のものかということにつきましては、必ずしも明らかになっておりません。

問題は、IAS以外の米国基準、日本基準を含みます外国の会計基準がIASと同等かどうかについて誰がどのように決めるかということでございますが、それについてはECが定めるメカニズムに沿って同等性が確立されることしか書いておりませんので、今後、ECが定めるわけでございますが、誰がどうやって定めるかにつきましては、この規則案には書いてありません。今後、欧州委員会がそれについての提案をすることと聞いておりますので、それを注視しているところでございます。

以上が目論見書指令でございまして、次に透明性指令でございますが、こちらの方は継続開示でございますので、年次報告書、半期報告書、四半期声明ということで、財務諸表につきましては年次報告書、半期報告書ということでございます。

5万ユーロ以上の発行単位の債券のみの上場などの場合は適用除外とされていますが、株絡みの新株予約権付社債は除外されていないということで、5万ユーロ以上の普通社債につきましては適用除外でございますが、転換社債型と新株引受権付社債型につきましては除外されていないということでございます。

EU域外の証券発行者の取扱いについては、目論見書指令と概ね同様でございます。

問題は継続開示でございますので、過去に発行されたものについての開示義務はどうなるかということでございますが、一般的な適用除外条項が設けられていないということでございます。この透明性指令につきましては、今、欧州議会の方で検討が最終段階になっているという状況でございまして、その結論がどうなるか。それに対しまして欧州委員会の意見がどうであるかということでございます。

仮に欧州委員会と欧州議会の意見が違う場合には財務相理事会に諮られて、そこで決定がなされるか、欧州委員会と欧州議会との間で調停委員会なるものが設けられるかのどちらかの扱いだと聞いております。

以上がEUの動きでございまして、英国については基本的にはEUのメンバーでございますので、欧州における法規制に従うべき立場でございますので、独自のことをする余地はないのでございますが、英国の金融サービス機構が昨年10月に上場規則の改正案を提案しております。英国におきましては我が国と異なりまして上場規則につきましては英国のFSAが設定しております。

パブリックコメントの内容は4ページ目の下の2つにございまして、英国で主に上場しているprimary listingsのEU域外企業については、IASか米国GAAP基準の使用を義務づけることを提案しております。

英国以外で主に上場しているものにsecondary listings、株式を英国に上場にしている日本企業はここに当たるわけでございますが、IASか米国GAAPの使用を義務づけることを提案はしていないんですが、そうすることについての市場の見解を知りたいということで意見を求められているということです。

最後になりますが、また1枚めくって頂きまして、この英国金融サービス機構の提案につきましては金融庁としてパブリックコメント・レターを発出しております。日本勢といたしましては金融庁以外にも日本経団連、東京証券取引所あるいは全銀協がコメントレターを出されたと承知しております。

考え方といたしまして、ここの3ポツにございますように、英国の資本市場、特にシティー・オブ・ロンドンでは日本企業などによる活発な財務活動が行われています折に、世界の主要市場の1つである英国資本市場が、引き続き開放的かつグローバルな性格を維持することが重要である。

加えまして会計ビッグバンなどを通じて我が国の会計基準が国際的整合性のあるものとなっています。

4でございますが、金融庁としてはこのような観点から英国資本市場において我が国会計基準を引き続き受け入れることを要請するパブリックコメント・レターを発出することにしたものという考え方から出したものでございます。

参考1以下に、まず英国の上場規則の見直し提案の概要と、参考2で私どもが出しましたパブリックコメント・レターの概要を添付しておりますが、これにつきましては省略をさせて頂きます。以上でございます。

○加古部会長

どうもありがとうございました。ただいまのご説明につきましてご質問なりご意見がございましたら、ご発言頂きたいと思います。

ございませんようですので、次に外国会社のIFRSによる開示について、事務局より説明をお願いいたします。

○羽藤参事官

お手元にいくつかの資料を用意させていますが、まず参考資料として有価証券報告書の実物を用意させて頂いています。これは参考1、参考2と右肩上に書いてあります。例えば「ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー」という、これはアメリカのデラウェア州の法律に準拠されて作られているご案内のとおりの会社でありますけれども、この会社が我が国において有価証券報告書をこのような形で実際に財務局を通じてということですが、提出をしております。これをめくって頂きますと「目次」とありまして、そこにございますように「企業の情報」として本国における法制等の概要、それから企業の概況、事業の状況、設備の状況、提出会社の状況、そして経理の状況ということで、具体的な財務情報にたどりつく前提として、この企業が一体どのような国のどのような法制度の下で、いわば証券発行者のベースがどういうふうなリーガルなベースの中で位置づけられているのかということも含めまして、「企業の情報」をこのような形で出して頂いているわけであります。

それから、連結財務書類が99ページ以下ございまして、これらは日本語としてこのような形で提出されております。

そして、209ページをご覧頂きたいと思うのですが、日本と米国との会計原則の相違ということを記載する箇所がございます。この連結財務諸表がどのような会計原則の下で作成されているものであるかということが書かれてありまして、ここは「米国において一般に公正妥当と認められた会計原則に準拠して作成されている」と同時に、「日本において一般に認められた会計原則とは、いくつかの点で異なる。主な相違点は以下の通りである。」ということで、具体的にどういうところがどのように相違しているのかということが書かれているわけであります。これをざっとご覧頂いてお分かり頂けますように、具体的な制度として、例えば包括利益計算書について、どういうふうな書類として作成が求められているかということや、あるいは株式を基礎とした報酬についてのストックオプションを中心とした取扱い、それから、企業結合の会計、デリバティブの金融商品及びヘッジ会計、それから長期性資産の減損という点について、それから211ページということになって参りますが、「(6)営業権及びその他の無形資産」それから、「資産除却債務」、あるいは「撤退または処分活動に伴う費用」、そして「保証」「変動持分事業体の連結」、こういったことで一般的に制度としての会計原則がどういうふうに違うのかということがよく抽象的な議論として提示されるわけですけれども、こういうふうな形でそれぞれの個別の証券発行者にとっては違いが認識され、そして日本においてそういう違いがあるということが併せて開示されているということであります。

なお、ページ数としては戻りますけれども、78ページまで戻って頂きまして、それを1ページ進めて頂きますと「独立監査人の同意書」というのがございまして、「独立監査人の監査報告書」というところがございます。「ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー、株主及び取締役 御中」として署名として1ページ飛んでおりますが、「デロイト・アンド・トゥシュLLP」が署名をした形になっていまして、この左のところの「独立監査人の監査報告書」ということをご覧頂きますと、「私どもは」というのが2つの目の段落のところにありますが、「米国において一般に認められた監査基準に準拠して監査を実施した。」とあります。

つまり会計基準については、アメリカでは一般に公正だと認められたところに従った会計基準というふうに先程ご紹介しましたけれども、監査についてもアメリカにおいて一般に認められた監査基準に準拠して行われているということで、監査もアメリカによって行われているというものがこのような形で日本において開示をされているということを我が国では認めているということであります。

しからば、どのような法制度の中でどのようにこれを認めているのかという点についてご説明をさせて頂くわけですが、お手元の資料では資料2-6ということで、右上をホチキスで綴じておりますが、条文がございます。もとよりこれは証取法という体系の中で、投資家をどのように保護するのか、それから、投資家を保護するに当たって直接に開示をする、あるいは間接的に開示をする財務諸表、財務書類がどのような要件を満たしたものとして開示をされるべきであるかということを証取法は定めているわけでもありまして、193条で「内閣総理大臣が一般に公正妥当であると認められるところに従って内閣府令で定める用語、様式及び作成方法」によって、証取法上提出されるべき書類が作成されなければならないということを義務づけております。

この「一般に公正妥当であると認められるところ」の解釈の関係で、その左側にございます「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」とありますけれども、その第1条で基本的に適用の一般原則が書いてあり、それから、第2項では「金融庁組織令第24条に規定する企業会計審議会により公表された企業会計の基準は、前項に規定する一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に該当するものとする」とあり、それから、「金融庁長官が、」ということで第3項ですけれども、特定のものがある場合にはその特定の事項について優先的に適用されるという、こういった具体的な用語や様式や作成方法についての原則がここに掲げられています。

この解釈としてさらに次のページをめくって頂きますけれども、この規則の127条という条文がございまして、127条の第1項では「外国会社がその本国において開示している財務計算に関する書類を財務書類として提出することを、金融庁長官が公益又は投資家保護に欠けることがないものして認める場合には、・・・その本国における用語、様式及び作成方法によるものとする。」ということで、会計基準が何によって準拠されるということなのかということも含めまして、127条第1項は本国で開示されているものが公益又は投資家保護に欠けることがないのであれば、それを個別に認めようということで定めているわけでございます。

そして、さらに第2項でありますが、この外国会社が本国以外の地域において開示されている財務書類を公益又は投資家保護に欠けることがないものとして認める場合には、それをまた個別に認めようということであります。

つまり、その本国において認められないというケースがある場合であっても、第三国において開示している場合については、それを認めようということであります。そして、この第2項の条文に基づいた形で、アメリカにおいて開示をしているという例が中心になりまして、我が国における外国会社の開示がかなり普及しているという実情でございます。

しからば、その監査はどういうことになっているかということをご説明申し上げるわけでありますけれども、監査についても同じような条文があるわけでありまして、今の条文の3ページ目をご覧頂きますと、193条の2第1項とありまして、ここで「公認会計士又は監査法人の監査証明を受けなければならない。」ということが規定されています。そして、第193条の2の第3項ですが、「第1項の監査証明は、内閣府令で定める基準及び手続きによって、これを行わなければならない。」というふうに定めてあります。これは、「監査証明に関する内閣府令」ということで、一般に公正妥当と認められるところに従って監査の基準というものがありまして、それに基づいて監査が行われるということが同じように規定されているということであります。

しからば、こういうことに則って現状ではどうなっているのかということでございますけれども、資料2-5をご覧頂きたいと思います。資料2-5をご覧頂きますと、「外国会社の会計基準一覧」と書いてありますが、先程の証取法の193条に書いてある「一般に公正妥当であると認められるところに従って」ということに関する財務諸表等規則の127条の第1項に基づく提出として、公益又は投資家保護に欠けることはないものとして認める場合ということで出されているものがそこにございますように134社、そのうち、実は、国際会計基準というものもそこに6社あり、計140社あります。それから、同じく先程の財務諸表等規則第127条の第2項で第三国の基準に基づいて出されているものがここにございますように5社と5社でありまして、合わせて150社が外国会社として我が国において有価証券報告書を出しているということであります。

先程の「ダウ・ケミカル・カンパニー」のケースはまさしくアメリカで73社とありますが、そのうちの1つであります。

お手元に参考2としてお配り申し上げておりますのは、「フォルクスワーゲン・アクチエンゲゼルシャフト」というドイツの会社の有価証券報告書でございます。これをご覧頂きますと、やはり同じような内容で書いてあるわけでありますが、めくって頂きまして「本国における法制等の概要」というころをご覧頂きますと、「提出会社の属する国・州等における会計制度」とございまして、そこでドイツ法においてこの会社が設立されているということが書いてあるわけであります。

この有価証券報告書をずっと先へ進めて頂き、193ページをご覧頂きたいと思います。後ろの方でありますが、大変字が小さくて申し訳ありませんが、この193ページのところではそこに「4.ドイツ連邦共和国と日本における会計原則及び会計慣行の主要な相違」と書いてあるところに、「フォルクスワーゲングループの連結財務書類は、国際会計基準に準拠して作成されている。」というふうに書いてございます。

これは、ドイツにおいて連結財務諸表を作成するに当たって準拠して、国際会計基準がドイツ商法の中で認められているということを前提として、このような記載があるということでございます。

そして、監査報告書ではどのように書かれているのかということでありますが、監査につきましては45ページをご覧頂きたいと思います。ここで「私どもは、フォルクスワーゲン・アクチエンゲゼルシャフトの連結財務諸表を監査した。国際会計基準に準拠した連結財務諸類の作成とその内容については、・・・・」とございまして、監査につきましても、まず1つには会計基準が国際会計基準に準拠しているということを前提として、その上で2段落目ですが、「私どもは、ドイツの監査規則及びドイツ監査人協会の定めた一般に公正妥当と認められている財務諸表監査の基準に準拠して、連結財務書類の監査を実施した。」ということで、ドイツにおける一般に公正妥当と認められている監査の基準に従って監査をしているということがここで書かれてあります。

このように、国際会計基準が本国において取り入れられているということを前提として出されているものがあるわけでありまして、先程の資料2-5をご覧頂きますとドイツの中で国際会計基準に準拠している会社が5つあるとそこに書いてありますが、そのうちの1つがこういったフォルクスワーゲンのケースであります。

このようなことを一体どのように理解していくのかということでありますが、お手元の資料の2-1をご覧頂きたいと思います。これは我が国における上場の推移を大ざっぱにまとめたものでございまして、また、その下にはそれぞれのエポックとなるような事項を、ちょっと字が細うございまして申し訳ありませんけれどもまとめたものであります。

ざっと申しますと、昭和40年代でありますけれども、大きく2つの流れの国際化対応ということで具体的な制度改正が行われてきたと言えようかと思います。その2つと申しますのは、1つは我が国の証券投資がボーダレスあるいは国際化に対応していくということと、それからもう1つは我が国の市場において外国証券が進出してくるということにおいて国際化ということが進展するということ、この2つでございます。

まず、我が国の証券投資が国際化していくということとの関係で申しますと、ここにございますように、昭和45年の4月に外国株式の取得が自由化され、まず投資信託、それから生損保会社に対し各1億ドルの枠内で外国証券投資が認められ、そして、昭和46年7月には一般投資家の外国証券取引所に上場されている株式あるいは債券への投資というものが自由化され、また45年4月に設けられていた1億ドルの枠が廃止されたということであります。このようにして、1つには我が国の証券投資の自由化が進展したということであります。

もう1つは、我が国の市場における外国証券の進出であります。実はここにはスペースの関係で書いてございませんけれども、最初は外国の民間企業の証券ということよりは、我が国が加盟している国際機関が発行する債券が日本で起債されるということで、昭和45年12月に「アジア開発銀行債」の第1回の起債が行われ、そして、それに続いて世界銀行が我が国において起債したという、そういった外国の公的機関、しかも我が国が加盟をしているということで、そういう非常に言い方はあるいは適切でないかもしれませんけれども、発行者の正体がきちんと分かっている証券を日本で発行することについては、これを認めていこうというところからまず入っていったようでございます。

それに続きまして、今度は外国政府、地方公共団体が発行する債券の発行ということで、オーストラリア国債であるとか、あるいはカナダのケベック州債を、昭和47年ですけれども、発行を認めていったということがあり、同時にそういった中で我が国における外国の証券の発行について、どのような制度整備をするのかということが企業会計審議会でもご議論を頂いたということが背景にあるようでございます。

そういうことを経て、我が国において、ここにございますように昭和47年8月でありますが、初めて外国会社が株式公募のために有価証券届出書を提出したということがあるわけであります。これが資料2-2でございますが、米国の「ゼネラル・テレフォン・アンド・エレクトロニクス社」が公募したというところにつながっていくわけであります。

そして、その後、こういったことへの対応という観点から、当時は3つの点を企業会計審議会でご議論を頂いてございます。1つめは外国会社が証券を発行するということであれば、その発行者が財務諸表を作るに当たって準拠する会計基準が一体どのような会計基準なのかということが1つめの議論。

それから、2つめは、具体的に財務諸表をどういうふうに表示をするのかということについて、それまでには我が国で財務諸表規則というのがあって、先程ありますように様式とか用語というものを既に定めていたわけですから、そういった表示を強制することが適切であるかどうかということについての議論。

3つ目は監査証明の取扱いでありまして、それぞれ外国において監査されているけれども、我が国においてそれを開示するに当たって、さらにまた我が国の制度としての監査をするのかどうかということについての議論。こういった3つの観点から制度的にどのように受け止めるべきかという議論があったようであります。

そして、企業会計審議会での結論としては、ここにございますような形で大蔵省の発表が昭和47年12月という形でまとめられているわけであります。当時は外国の会社も連結財務諸表で作成するというのがアメリカを中心として一般的であったようであります。そういうものが拠って立っているところは当然のことながらそれぞれの国の企業会計原則に従っているということでありますが、当時の企業会計審議会の整理として、基本的には我が国の開示制度の下では我が国の企業会計の基準を基礎として考えるべきであるけれども、決算の組み換えなどというものを外国会社に対して負担を求めることは必ずしも適切ではないのではないかといったような議論があったようであります。

要するに、有価証券の市場価格というものについて、外国会社では既に財務書類が開示されることによって価格が形成されている。我が国の企業会計の基準によって仮に決算を組み換えた時に、果たして的確な投資情報を我が国において提供することになるのかどうかということが、もっぱらマーケットにおける市場価格形成との関係において、必ずしもそのような強制をすることは適切ではないのかといった議論が当時行われたようであります。

そこで、投資者の判断を誤らしめない範囲においては本国の企業会計の基準によることを認めるということにしていいのではないかとの判断があり、ちなみにアメリカにおいて一般に行われている会計基準は我が国の会計基準よりも進んだものと考えられるので、そのまま認めてもいいのではないかといったような議論もあったようであります。

そういう意味で本国の企業会計の基準を認め、そしてその際に投資者の理解を容易ならしめるためには我が国の会計基準による会計処理との差異や、その影響というものを財務諸表に注記をして表していただこうということで会計基準の取扱いという観点で考え方を整理して頂いたようであります。

なお詳細の資料というものは実は必ずしも正確なものは残っておりませんものですから口頭でご紹介させて頂くことにいたしておりますが、以上のようなことが、まず第1点の企業会計基準の取扱いについてであります。

第2点の財務諸表の表示の形式ということでありますが、当時の企業会計審議会でのご議論としては、確かに表示を組み換えてもらえればそれはありがたい、しかし、表示を組み換えるというのは単に表示を組み換えるだけではなくて、決算の組み換えにもつながりかねないことでもある。決算の組み換えに比べれば表示の組み換え容易ではあり、我が国の財務諸表規則が定めている表示形式に組み換えて表示して頂くことは、これは適当でありますけれども、しかし必ずしも表示形式として我が国の投資家が誤らしめないようなことであれば、それは一部認めてもいいのではないかということではございました。ここは原則としては表示形式は財務諸表規則による形式にしていただこうということでありました。

3点目の監査証明の取扱いでありますが、これは既に外国会社の本国で監査人が監査をしているということで出来上がっているわけでありますから、そういうふうに出来上がったものをさらにまた監査するということにするのかどうかということでありました。

当時はむしろ我が国で監査を求めよう、しかし、求めるに当たっては既に本国で形成された監査意見というのはあくまでも日本において監査意見を形成するに当たっての1つの指標であって、他の監査意見を利用するということで位置づければいいのではないかということで、実は我が国の監査を義務づけたわけであります。

以上のように、昭和47年当時は整理が行われ、そして我が国における外国会社の開示というものが行われていったわけでありますが、その後、連結財務諸表をそのまま用いて開示していくことの取扱いを議論して頂いたりしまして、お手元の資料2-3でありますが、これは先程も触れましたように、本国ではそれぞれ連結財務諸表で開示しているケースが多かったということもあって、我が国では個別財務諸表を中心にして開示して頂いたということでありますが、むしろ本国で個別の財務諸表を開示しないということであれば、それは個別の財務諸表を敢えて求める必要はないのではないかということにして、いわば連結財務諸表を中心的に考えていったというのがこの当時の議論の整理であります。

そして、昭和48年12月ですが、資料2-2をご覧頂きたいと思いますが、東京証券取引所に6つの銘柄が上場していったということで、その後も制度改正は、もっぱら1つには我が国における投資家保護ということについて、現行の制度との関わりにおいて必ずしも誤認をあるいは誤解を生ぜしめなければ広く認めていこうという発想が片方にあり、もう片方は国際化という観点で、特に上場を期待して進出してくる外国証券サイドのコストの問題を重視し、そして取引所をはじめとする我が国の証券取引における国際化の進展ということでの間接的な効果も期待しながら広く認めていくという制度改正が行われたということであります。

なお、監査については、一部の企業からは二重監査の負担がコスト的にも相当高いものであるという議論が昭和57年、8年当時あり、最終的には58年12月に二重監査を不要とするという形で施行令、それから省令ということを改正したわけであります。

このように振り返ってみますと、証取法については一般に公正妥当であると認めるところに従って提出するという規定、監査基準についてもほぼ同種の規定がある中で、その解釈として外国会社の開示というものを広く認めていく、それは、冒頭申し上げましたように、我が国の資本市場の国際化という1つの流れの中で、一方海外からも最初は公的な機関が中心であったわけですが、民間の会社を中心として我が国において開示をしていこうという動きがあり、その結果が資料2-1に戻って頂きますが、外国会社による有価証券の報告書の数は平成になりましてからも増えて参りまして、一時期には平成7年に351社ありました。これは便宜上5年間毎の折れ線グラフということでプロットしておりますが、このようになったわけであります。

もっとも、その後は不況ということもあり、また我が国で上場するということも必ずしも公募を伴わないような単純な上場ということもあったようでもございまして、その後は外国の撤退ということがあって、今では150という、先程触れました資料の2-5にあるような形でございます。

資料2-5とお手元の資料2-4をご覧頂きたいと思います。資料2-4は54年2月末での有価証券報告書又は有価証券届出書を出している会社でありまして、ここに16、7の企業の名前が書いてあるわけであります。ご覧頂きますと、これら古いところがアメリカとフランス、一部オランダもございますけれども、48年から49年にかけて、いわば先駆的に外国会社が我が国で資金調達を証券発行という形でしたということでありまして、こういった会社が制度の改革を導いた会社でございます。

資料2-5をご覧頂きますと、その後、個別個別に投資家保護に欠けるところがないという判断の中で、国籍とでも申し上げるというのでしょうか、それぞれ本拠地をどこに置くかという意味での外国会社の幅が国としてもずっと広がって参りました。中国もございますれば、また台湾もあるということでありまして、これらはSECの基準に則って我が国でも開示をしているという企業でありますが、こういう形で150社に至っている。その背景となっているのは積極的に外国会社の開示を進めていこうという観点と、それから国際化に対応した制度にしていこうという背景もあったわけでありますが、お気づきのように、アジア諸国からの上場というものが最近増えているというところが特徴的かと思います。

したがって、今後の議論を考えていくに当たりましても、個別の財務諸表の具体的な開示を個別に承認するという形がこれまでの制度の運営あるいは解釈論として定着していることを一方で評価あるいは検証をして頂きながら、他方、アジアの各国あるいは国際会計基準が、これからご説明を頂くことになると思いますが、どのような形でそれぞれの各資本市場の下で導入されていこうとしているのかといったようなことを踏まえた上でご議論を頂ければと思います。

まだ今日のところはファクトを中心としてご説明を申し上げたわけでございますので、その背景となっている考え方等々について、資料の関係もございまして、必ずしもその辺が整理できていない形でのご説明になりましたことをお詫びいたします。事務局からは以上でございます。

○加古部会長

ありがとうございました。質問などもあろうかと思いますが、今日は勉強会で内容を確認しようという意味もございますので、先に進ませて頂きまして、後程一括して質問なりご意見等をお受けするという仕方で検討を進めさせて頂きたいと思います。

そこで、次にただいまお話もありましたように、諸外国でIFRSがどのように普及しているのか。あるいは、そこではどのような問題があるのかといった点につきましては、企業会計基準委員会の副委員長でもございます西川委員からご報告を頂戴したいと思います。西川委員、よろしくお願いいたします。

○西川委員

私の方は資料3でございますけれども、ここで本日用意いたしましたのは、まずIFRSの国際的な利用状況ということで、現在、それから2005年以降どうなるかということを資料の上で分かっている範囲で書いてございます。

それから、適用上の問題点につきましてはIFRSというのは既にあるわけで、また今後2005年に向けてどういう問題点があるかということをIASB自身、それからリエゾン国会議の中で今まで話題になったことはどういうことがあるかといったようなことを書いております。それに若干その他を付けてご説明いたしますけれども、ご参考になることとならないことといろいろ混ざっているという感じかと思います。

最初のページのIFRSの利用状況ですが、今現在、IFRSを採用している国又は地域ということで、国内企業に対してIFRSを強制している、完全にIFRSをそのまま受け入れているという形ですが、ロシアが2004年からということで、そのほかに中南米、中近東の国々ということで、ここら辺は比較的小国かと思います。

それから、国内企業に対してIFRSとほぼ同一の国内基準採用強制ということでシンガポールなどがある。それから、一部の国内企業に対してIFRS採用を強制しているというので、中国がある。これは海外投資家向け銘柄の部分についてIFRSを採用、強制しているということのようでございます。

国内企業に対してIFRS採用を容認するというので、先程来出ておりますドイツを含め、オランダ、スイス、フィンランド、香港、南アフリカなどがあるということでございます。

これが2005年以降にどういうふうになっていくかということで、現在の状況ということですが、アメリカでは調整表の要求というのがありますので、それが引き続き求められるということだろうと思います。

それから、EU加盟国につきましては、域内企業はIFRS強制です。域外企業についても可ということですが、可ということはほかに何があるかというのが今回の2005年問題であるということになるだろうと思いますが、IFRSが可であることだけは間違いがない。

それから、カナダは域外企業についてIFRSを認めるという検討をしているということのようです。

オーストラリア、シンガポールのあたりは国内基準がIFRSとほぼ同一内容になるために、域内企業については事実上IFRS強制と同じようなことになるのではないか。域外企業についてもIFRS容認なんですが、そのほかの選択肢が自国基準ということになりますと、結局、内容的には同じものということになるかもしれません。そのほかにUS基準も認められるということもあるかもしれませんということで、香港も含めて大体似たような形だろうと思われております。

中国ですが、これは銘柄が分かれておりまして一部がIFRS強制、一部が中国基準というのが国内企業の扱いだと思います。域外企業については不明ということで書かせて頂いております。

韓国につきましては内容的にはIFRSに非常に似たものを作っていくということで動いているわけですけれども、一応IFRSそのものの適用は認めていないという形のようでございます。

日本は省略しまして、次のIFRSの適用上の問題点ですが、今までIFRSを採用するという国又は地域が少なかったということもあり、適用上の具体的な問題点は把握しておりません。今後ですが、新たな解釈指針の公表で対応するというようなことですが、2005年以降につきましていくつか今までの議論の中で出ていることをご紹介させて頂きます。

最初に各国地域におけるIFRSの承認ということですが、まずEUにおいては域内基準としてIFRSを直接導入するということがございますので、個々のIFRSの基準について欧州委員会が承認する手続きを採用するということでございまして、IFRSの32号と39号をまだ承認していないといったようなことはここで起きてきております。

それから、それ以外の国で例えばオーストラリアなどでは特段承認というのは手続き的にとっていないと思いますが、国内基準をIFRSに合わせるという過程が承認プロセスと同じようなことになるのかなと考えられます。

次が解釈指針の問題ですけれども、これからヨーロッパで適用される範囲が急拡大するという時に、このようなものが急速に必要になるということが想定されますが、IFRSは基本的に原則主義の会計基準であって、そもそもの解釈が必要になってくる部分が多いんですが、解釈指針を作る組織であるIFRICというのは作業量的に限界があるだろうということで、次のような考え方が出ております。ここら辺は、山田委員に確認して頂ければと思いますが、IFRICは各国から提起される問題のうち、国際的な問題を扱うということで、IFRICがカバーしないものについて指針としての公表に至らなくても問い合わせの多いような事項については教育研修資料として公表するというようなことが考えられております。各国固有の問題についてどのように取り扱うかについては現在検討中ということでございます。

それから、非上場企業への適用ですが、EUでは非上場企業へのIFRSの適用は加盟国の任意にしている。それから、IASBは中小企業向けのプロジェクト、簡易版のIFRSを作成する方針でそのプロジェクトを進めているということです。そこでは中小企業の定義についてはしないで、各国で判断を行うとする方向ということでございます。

その次に資料のその他でございますが、我が国で外国会社のIFRS、財務諸表を受け入れるにあたり、検討を要するかもしれないというものについて思いつくままに書いてあるというところでございまして、1つ目がまず外国企業が自国の証券市場へ上場することなく、直接上場を行う場合にどういうふうに取り扱うかということでございます。

それから、2番目は日本基準との差異の説明について、要求する場合にはどのようにしていくか。説明書きなのか、数値の調整か、重要なものに限るか。今まで求めていなかった数値の調整のような話というのは厳しくする話ですからありえなさそうですが、ヨーロッパにおける日本への対応ということの次第ではもしかしたらそういう考え方もあるかもしれないということでございます。

その次がこれはマイナーな論点かもしれませんが、外国企業が自国の証券市場でIFRS連結財務諸表だけではなくて個別も自国基準でつけているという場合に、それをそのまま日本でも求めるということにするとした時に、それをそのまま現状どおりするのか、そんなのは要らないとするのか、つけさせて追加の情報を要求するかといった選択肢があるかもしれない。

最後に、直接関係のない話ではありますが、英文のままで受け入れるというような選択肢があるのかどうかというようなこともあり得るということでございます。以上でございます。

○加古部会長

ありがとうございました。問題点も含めてご説明頂いたわけでありますが、それではただいまの事務局からのご説明あるいは西川委員からのご説明を踏まえまして、ご質問あるいはご意見を一括して頂戴したいと思います。

どなたからでも、どこからでも結構ですので、ご質問、ご意見がございましたらご発言頂きたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○辻山委員

いろいろな貴重な資料で大変参考になったんですが1つだけ、本題とは関係がないんですが簡単な質問をさせて頂きます。今日本においては一般に認められた会計原則ということについて資料2-6のご説明があったんですが、ASBJのその後のものについてはどうなっているのかということについてご説明をお願いします。

○羽藤参事官

今のご質問はASBJが作成をされた、開発された会計基準が証取法の193条にいう一般の公正妥当であると認められるところなのかどうかという、そういうことでしょうか。

○辻山委員

おそらくこれは設立前の規定だったと思うですが、その後若干動いていると思うんですが。

○羽藤参事官

これは現行の証取法でもあり、現行の財務諸表等規則の規定でもあります。それでは企業会計基準委員会、ASBJが公表した企業会計の基準はこの193条との関係でどのような位置づけなのか、というご質問と思いますが、この193条にいう「一般に公正妥当であると認められるところ」として企業会計基準がいわば複数認められるかという議論と、それからその主体がどのようなものであるのかという議論としてよくご指摘の点が取り上げられると思います。

財務諸表等規則には確かに第1条の第2項で「企業会計審議会により公表された」と書いてありますが、これは企業会計審議会だけが一般に公正妥当と認められる会計基準を開発する ということではなく、一般に公正妥当であると認められる形を企業会計基準委員会の場で策定されれば、当然その中身としてそれが一般に公正妥当であるという位置づけであれば証取法上の193条に言う一般の公正妥当であると認められると解釈されるものであり、つまり193条の理解の上では、企業会計審議会で公表された企業会計の基準でなければ、それは一般に公正妥当であると認められたと言えないという解釈はとっておりません。

それは解釈論であり、ここに特に規範化はされていないということではありますが、往々にしてその点については規範の上にむしろ書くべきではないかといった議論があることも併せて付言しておきたいと思います。解釈論としては今申しましたとおりであります。

○平松調整官

事務的なことだけ触れさせて頂きますが、ASBJの方で開発されました基準につきましては内容を吟味した上で証取法上の解釈を明らかにするためにガイドラインというのを出しております。そのガイドラインを出すことによりまして会計基準が財規の第1条の第1項に該当することが明らかにされるという仕組みになっております。

○羽藤参事官

誤解を招きかねませんので、補足いたします。ガイドラインというのはあくまでも我々内部の話でありますので、一般に公正妥当であると認められるかどうかということは、これは自とそのように中身としてそれが形成されるかどうかという点が大事なわけであります。むしろ大事なことは証取法上、それをどう受け止めるのかという点でありますが、それは我々が法律を運用する上で今申しましたように解釈としてそのように判断しているということであります。

○加古部会長

辻山委員、いかかでしょうか。

よろしゅうございますか。斎藤委員、お願いします。

○斎藤委員

念のための確認ですが、そういたしますと金融庁のガイドラインで承認したといいますか、オーソライズしたということが一般に規範性を持つ根拠になるというふうにこれまで言われ、かつ私どもはそういうふうに対外的に説明をしてきたわけですけれども、そこでいう規範性ということと、ここで言われている証取法における一般に公正妥当だと認められるということは概念が違うということでしょうか。

○羽藤参事官

ご質問の意味は、企業会計基準委員会で作成された企業会計基準が一般に公正妥当であると認められるものとして形成されるということは、その形成過程においてそのような参加者あるいは形成の場としてそういう状況にあるということで出来上がったものが、仮に否定されるようなケースがあるとすれば、それはそういう物差しを金融庁が一般に公正妥当であると認められないという解釈の下で否定をすることがあり得るのかというご質問ですね。

○斎藤委員

いえ、ASBJで開発した会計基準というものについて現在のシステムでは金融庁が1件毎に承認をする。ガイドラインで承認をするという体制をとっているわけでありますが、その承認というのは通常はこれまで規範性を持つという意味で捉えてきたのですが、規範性を持つということと、今ご説明のあった証取法における一般に公正妥当だと認められた会計の基準であるということとが果たしてどういう関係にあるかがご説明を伺っていてよく分からなかったということです。

○羽藤参事官

規範性を付与するというのは、金融庁に与えられている権限としては証取法の運用でありますから、証取法を運用する上で一般に公正妥当であると認められるものというふうに規範性を金融庁が認めているということです。したがって、企業会計基準委員会で策定されたもの、そして1件毎に規範性が認められるかについては、証取法の運用との関係で確認をしているということにおいては、今までの解釈にも何らか変更があったとは私は申し上げていないつもりです。

ただ、敢えて今のご質問との関係で申し上げるとすると、商法上の公正なる会計慣行との理解との関係でどうなるのかとか、あるいはそういったご議論はあるいはあるのかもしれません。一般に公正妥当であると認められたところということについては、我々としては証取法の運用を行っているわけでありますから、ここの下で規範性を与えている、そこの理解あるいは解釈においては変わりはないと申し上げております。ちょっと私の説明がもどかしいのかもしれません、申し訳ありません。

○斎藤委員

念のために確認いたしますが、そうしますと金融庁がガイドラインにおいて承認したということは、別段、法の条文において特段の根拠を明示しているわけではないけれども、金融庁においてそれは証取法上の一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に該当すると解釈をしている、そういう理解でよろしゅうございますか。

○羽藤参事官

そういうふうに解釈して頂いていいと思います。つまり1つひとつのことについて規範性を認めるというのは、我々が与えられている権限として、証取法に基づいてこの証取法を適格に運用することであり、その証取法において求められていることは一般に公正妥当であると認められたことに従っているものがどうかという解釈である、企業会計基準委員会、ASBJにおいて策定されたものがそういうものであるということを確認をしているということを内部でも徹底しているし、またそれがおそらくマーケット関係者に見えることによって規範性が認められているのだという評価になるという理解をいたしております。

○加古部会長

遠藤委員、お願いします。

○遠藤委員

資料2-5について若干ご質問させて頂きたいんですが、この表でかなりの国の基準を認めてきているということだと思いますけれども、これは適格かどうかの判断基準のようなものがあって認められてきているのかどうかということが第1点です。

それから、国際会計基準につきましてはドイツ等で何社か認められているわけですが、今回、ここで国際会計基準の日本における承認、アクセプトなのかアドホックなのか分かりませんが、を議論することの意味なんですけれども、既に国際会計基準を認めているわけですね。今回、この場でどういうことをさらに議論することになるのかというのが2番目の質問で、おそらくIOSCOの決議でIASを承認するということになったわけですが、その後、IASの内容はIFRSに移り変わるという段階でかなり変わってきているということで、改めて検討しようということなのかどうか。それが2番目の問題になるわけです。

それから、所謂2005年問題と言われるわけですが、IASの32号、39号というのはかなり難航していて、なかなか承認までいかないのではないかといった問題とか、EUの域内企業がIASへの対応に苦労するのではないかと言われておりまして、本当に2005年に導入される見込みがあるのかどうかといった最近の状況について、もしお分かりになれば教えて頂きたい。以上でございます。

○羽藤参事官

資料2-5の中で、特に国際会計基準が認められているという点でありますが、まず、個々の財務諸表毎にその内容を財務局において見ているということでありまして、その下で受理をしているということであります。しからばその時には、例えば、先程ダウ・ケミカルのケースをご紹介いたしましたけれども、このフォルクスワーゲンのケースにおいても具体的にどういう点が異なっているのかという点がクリアになっているかどうかということ、そして、昭和40年代当初から外国の会社の財務書類をどのような形で受け入れるかという視点として、投資家を誤認させるようなことはないだろうかということ、すなわち、上場をしたいという外国会社のニーズとの関係において、投資家を誤認させるような恐れがないのであればそれは認めてもいいだろうということを個別に認めているということで、この積み重ねが資料2-5に至っているわけであります。その基本的な考え方の中で、本件についても投資家を誤認させる恐れがないのではないかという個別の受理をするに当たってのチェックをしているということであります。

国際会計基準がドイツの商法の中で位置づけられているということであるがために、国際会計基準を我が国で認めた形にはなっておりますけれども、この審議会がご議論を頂くこととの関係で申し上げますと、ご議論頂く上での課題は2つあると考えております。

1つは外国会社が我が国において開示する場合に、国際会計基準に基づく書類を開示するということをどのように制度上受け止めるべきかという点が1つ。

もう1つは我が国の会社が開示をすることについてはどう受け止めるべきかという、この2つでもあります。

その両者について、これまでの制度上の取扱いを今事実としてご紹介を申し上げ、それからその基にある考え方をご紹介をしているわけです。どのような条件下で適切であるかどうかということを、まず、今日は外国会社についてお話をさせて頂いております。

我が国の会社については、また改めてご説明をさせて頂きたいと思いますが、これらの点についての制度対応のあり方をご議論をお願いしたいということであります。したがって、そ の際に、繰り返しですけれども、これまでのような形で本国で認めているものであり、かつその中で国際会計基準が位置づけられ、個々に投資家保護あるいは投資家保護上、それがないということであればそれは認めてもいいのではないかという結論があるのではないかということであります。あるいは、さらには別のような形でそれを何らかの形で監視するような仕組みが必要であるとか、あるいは全くそのようなものは認めるべきではないかということであります。それぞれご意見を頂きたいという点でございます。

それから、32号と39号の話は松尾企画官の方から補足をお願いできますでしょうか。

○松尾企画官

これはむしろ、後程、山田先生に補足を頂きたいのですが、確かに非常に大詰めの協議を迎えていると聞いておりまして、ただ、問題解決に向けて先月でしょうか、ヨーロッパ協議グループというのを作りまして、そこにヨーロッパの銀行、証券、保険当局者と銀行業界、証券業界、保険業界の代表が入って欧州委員会のオブザーバー、IASB側の問題解決に向けた話し合いをする場ができたと聞いておりますので、元々の目標は今月末までにということでございましたから予断は許さないと思いますけれども、現在、大詰めの協議を迎えているということだろうと思っております。

○加古部会長

遠藤委員、いかがでしょうか。

では、その前に山田委員から補足説明さして頂きます。

○山田委員

最近の状況だけ申し上げます。結論的にいいますと、EUがIAS32号、39号に対して支持表明を出すかどうかは五分五分です。非常に分からないというのが現在の認識です。

ここ2、3か月の間にIASBが何をしてきたかといいますと、1つはヨーロッパ中央銀行から、IAS39号が認めているフェアバリュー・オプションという取引毎に公正価値で測定し、その測定した損益をP/Lで認識することができるという選択肢に対して、これは非常に乱用される恐れがあるという指摘があって、これに対応してIASBは、今回3月までに、できれば、改定のための、つまり適用を厳しくするという意味の対応の公開草案を出す予定にしております。

それ以外にヨーロッパの保険会社から出されているものには、保険の負債と保険会社が持っている資産との間の測定のミスマッチという問題があります。これに対しては部分的な対応、すなわち保険負債の方の金利を直近のものに組み換えることによって、いわば時価評価的なことを負債の方ですることによって、ミスマッチを解消できるという選択肢を導入する等々の対応をとっております。

それ以外に問題となっているのは、マクロヘッジの対象としてコアデポジットをヘッジ対象に入れるべきかどうかです。これについては明確にノーという答えを出しております。

それから、マクロヘッジの中でオーバーヘッジ、アンダーヘッジの場合、特にアンダーヘッジになった場合にもヘッジが有効でない部分が生じるべきではないという銀行界からの提案については、これもノーという回答を出しております。

もう1つ共同組織体、生協とかコーポラティブと言われるものでは、現在の32号ですと、資本金とされているものが全部負債に区分しなければならなくなってしまう。これは2003年12月に改訂された32号の問題ではなくて従来の32号にもともとある問題ですが、そういう問題で5つほど論点がございます。この中で今ご説明しましたように概念フレームワークに抵触しないものについてはIASBとして対応しておりますけれども、抵触するものについてはノーという答えを出しておりまして、今後、先程松尾企画官の方からご指摘があったある種の協議機関で協議は続けていきますが、この3月という期限においてはすべてに対応できているわけではありませんし、また要求の中にヨーロッパだけのために今IASBは活動しているわけではないので、できないものについてはできないと明言しています。したがって、その後、ヨーロッパがIASの承認をどういうふうにするかについては、我々としてはできるところまでやって、後は彼らの判断に任せようとしているというのが現状でございます。

○加古部会長

遠藤委員、どうぞ。

○遠藤委員

前段の質問で羽藤さんからお答え頂いたのですが、日本企業がIASを採用できるようにするかどうかという問題があるので、併せて外国企業がIASで作成した財務書類を受理するかどうか。その条件はどうかというのも改めて検討するという理解でよろしいのでしょうか。

○羽藤参事官

はい。外国企業であっても先程西川委員からご提示がありましたように我が国においてプライマリーで例えば開示をしようといった時の国際会計基準に準拠しているケースについてはどう取り扱うかといったような問題もありますから、2005年問題として一括りにはなるわけですが、その場を我が国の証券市場、それからEUという1つのマーケットと分け、財務諸表の作成の地を母国としての外国あるいは我が国ということでいきますとマトリックスは4つになるわけです。したがって、2005年問題としてそういうふうに言われているものがあるわけですから、その1つひとつを確認しながらいこうということです。

ただ、確認するといってもEUがまさしく監督当局として決めていく問題について、企業会計審議会においてその制度のあり方を議論して頂くといっても限界がありますから、先程来 ご説明しているEUの動向がどうなっているかをご紹介しながら、必要なアクションなりあるいは委員の皆様方から心得るべき点などについて、我々がアクションするに当たって教えて頂きたい、出して頂きたいということであります。

また、ご関係をしているそれぞれの委員のサイドの方々の下で、またアクションをとられるということがあるわけですから、その際のご参考にもして頂ければということで、こういった形で全体を広げまして2005年問題ということでご議論を頂いているということであります。

○加古部会長

島崎委員、お願いします。

○島崎委員

今の議論に関連するんですが、今現在、日本の企業が有価証券報告書の提出について、例えば国際会計基準で作成したものを日本として認めるかどうか。今現在、米国会計基準での有価証券報告書の作成、届出が限定的に認められている。この国際会計基準をこれから採用しようとする企業がどの程度増えてくるのか。あるいは、今現在どの程度いるのかということですが、これも2005年問題に関連してくるのかなと。日本の会計基準が例えば2005年問題で一応妥当なものとして受け入れられれば、国際会計基準を採用するという行動はあまり出てこないと思いますが、そうでなければおそらくそういう方に向かうだろうな。そうした時にどうするんだという議論は当然しなければいけないと思います。今現在、米国基準で届けている会社は分かるわけですが、日本の先程の2500社という上場会社の中でそういう問題が出てきているところはあるのでしょうか。その辺の実態を。

○羽藤参事官

上場会社の中では今1社もないと認識しております。

○島崎委員

日本の会計基準がこれから国際的にどういうようにアクセプトされるかにかなりかかってくるだろうなと思うんです。そういう意味で議論しなければいけないテーマだと思います。

○加古部会長

引頭委員、お願いします。

○引頭委員

今の点にも関連しまして、私から3点ございます。まず、第一点は証券会社としての立場からですが、今日のお話ではIASを海外の企業の基準として認めるかということでしたが、今後は日本の企業について適用をどのように考えるのかという点についても是非ご議論いただきたいと考えております。

といいますのも、例えば企業が上場する際にどの会計基準を選択するのかは非常に重要な問題となっております。もちろん、一般的には日本基準を選択する企業が大半です。しかし、US-GAAPを採用したいという企業ニーズも一方であり、その場合には米国で上場していないと採用できないという原理原則になっております。また、一度ある会計基準を選択すると簡単には変えられないという事情もあります。そうしたなかで、日本企業がIASを選択しても良いと正式に認められた場合には、例えば一度日本基準を使って上場した企業が、EU等での状況も踏まえ、IASを選択したいと思った場合、IASに変更できる、そういったオプションが事業会社に残されることになると思います。グローバル化が進むなかで、海外企業との比較可能性を考えた場合、そうしたニーズが出てくる可能性があると思うわけです。

二点目は質問と確認なのですが、質問の方は事務局の松尾企画官がご説明された2005年問題のなかの透明性指令についてですが、ここではEU域外の証券発行者の取扱いも目論見書指令と同様と書いてありますが、目論見書指令の方は猶予期間として2007年1月まであるということですが、透明性指令の方でも猶予期間があるということで良いのでしょうか。ここで区切らせていただきます。

○松尾企画官

ご指摘のとおり2007年1月1日までというのは、EU規則案は目論見書指令に関するものでございます。透明性指令でなぜないかというのはまだ最終的なものが決まっていないということによるものです。

透明性指令につきましては遅れがちになっておりまして、先程申し上げましたように欧州議会に欧州委員会の提案が違う場合、調整が必要になりまして、一体最終的にいつになるのか。それが遅れると施行時期も併せて遅れますので、仮に3月末までに合意したとしても、一般的な施行は目論見書指令は2005年7月でございまして、それより1年ぐらい遅れるだろう。

後は予想ですが、そうしますと当然2007年1月1日に近いわけでございますので、おそらく発行体のことを考えますと両指令は時期が合わせられるのかなと個人的には予想はしております。ただ、まだ指令自体を議論中でございますので、正式にそういうことが決まっているわけではございません。

○引頭委員

そういう意味では不透明ということでございますね。分かりました。

西川委員に質問ですが、一番最後のその他のご提案ごもっともだと思いますが、このうち2番目のポチのところで日本基準の差異についての説明で、数値の調整化というところで、私が聞き間違えていたら申し訳ないんですが、2005年のEU問題と関係があるかのようにご指摘されていたように私は聞こえてしまったんですが、例えば、EUの方で調整表を要求されるようなことであれば日本も要求すべきかもしれない、そんなようなイメージですか。

○西川委員

そういう意見もあり得るのではないかということです。

○加古部会長

ほかにいかがでしょうか。

山田委員、お願いします。

○山田委員

先程のEUにおけるIASの承認との絡みもちょっとあるですが、ここで議論されようとしている、今回のテーマは、特にIASに基づく財務諸表を外国企業が作っている場合に日本でどう受け入れるかという場合のIASに基づく財務諸表ですが、これはもしもヨーロッパが32、39を例えば受け入れないでヨーロッパバージョンのIASができた時、そういうバージョンのものについては論外というか議論しないということでしょうか。

つまりIASに基づく財務諸表という以上、IASBが作成し、国際監査基準で監査された財務諸表ということで、例えば、EUが32、39を採用しない場合にはそのEUの企業の財務諸表はそれには該当しないということなのかどうかという点です。

これについてはアメリカのSECがいわばヨーロッパがヨーロッパバージョンを作れば、これはIASではないので、SECが考えているものとは違うということを多分考えておられると思いますが、ここでの議論の場合はその点はどういうお考えでしょうか。

○加古部会長

すみません、これから議論をするところかと思いますが、もし見解があれば。

○羽藤参事官

考え方は2つあるのではないかと思います。

1つは今おっしゃられたように、今IASBで策定されたIASをどうするかということで、比較的リジッドに捉えるという考え方があるのではと思っています。

ただ、そのIASも具体的にはEUとの関わり合いにおいて会計基準自身を改善調整しているというプロセスにあるわけです。したがって、どの時点における会計基準として捉えるのかは厳密に詰めていくと、そこには当然会計基準自身の内在する性質といいますか性格がそこにあるのではないかと私は理解するわけです。ただ、その時にセットとして何かが必要だという議論は別途あるのかもしれません。セットでそろっていなければ、それは1国のマーケットあるいはある特定の広がりを持った資本市場の中で認められた会計とは言えないのではないかという、例えば、今の32号や39号に代替される部分はヨーロッパではどう作られようとするのかを見ないと簡単に判断ができないのではないかという、そういう議論はあるのではないかと思います。

ですから、これからの議論としては基本的にはIASBで作成され、あるいは調整改善を行っているIASということで、しかもそれはある程度マーケットとの広い意味での対話を経ながら調整されているものだということではあるのでしょうけれども、全くそこから32や39号が除外された形で規範力を与えられようとする、そういう会計基準を日本において受け止めることが適切なのかどうかという点について、ご議論頂いて、それは必ずしも適切では ないという議論があれば、それはそういうことで私どもも整理をしていきたいと思いますし、むしろ、その上で、そういうものであっても、それは1つのセットとしてEUで認められた規範として、むしろをそれを前提にどう考えるかという議論はあってもいいということであれば、それはそういう観点で、逆に問題点なりも含めて、ご議論頂ければと思います。

○山田委員

ちょっと明確ではないんですが、なぜかというと、今既に127条の中に本国基準と第三国基準と金融庁長官指示基準と3つあるわけで、そうするとヨーロッパバージョンのIASが出来上がりますと、これは本国基準というルートを通って現状でもそのまま日本に来る道があるように私は理解しているんです。ここでの議論の立て方というのは現在、どこにも上場していなくて、本国もIASを使っていなくて、単にIASに基づく財務諸表を私は作りましたという企業が日本に来ようとした時に、金融庁長官指示基準というか、それが個別に判断していいということであればIASを受け入れるということの道は今あると思いますが、ここで議論しているのはそういうことではなくて新たなルートとしてIASに基づいている財務諸表であれば、いわば127条の第4の基準のような形で、それを受け入れるという議論の立て方なのかなと。少なくとも外国会社については。そういう議論の立て方をされているのかと思っていたものですから、私が期待していた答えはIASだけです。ヨーロッパバージョンができれば、それは本国基準というルートかと理解したんですが、ちょっと違いますでしょうか。

○羽藤参事官

審議会でご議論頂くというのは、まさしく今のようなご意見を出して頂いて、その上で、例えば今の財務諸表等規則を前提とし、それは証取法によって与えられた権限として金融庁の解釈の規範を作っているわけです。その規範や解釈自体に微調整あるいは調整が必要ではないかというご議論もあり得ると思います。

あるいは、このまま維持すべきであるし、むしろ今の実情では外国会社の会計基準という資料2-5でご説明しているように、これは今の制度として、繰り返し何回も申し上げるのですが、現状はこうなっているということをまず申し上げているわけです。その上で、審議会でご議論頂くということは、現状をむしろ維持すべきであるということで問題がないのか、あるいは、それを変えるということであれば、その前提として、今まさしく山田委員がご指摘になったように、本国基準といっても必ずしも適切ではないものがあるのではないか、微修正あるいは修正を行うべきではないかというご意見もあってもいいと思います。ですから、そういうご意見を出して頂き、我々の方で整理をし、考え方をとりまとめさせて頂きたいと思っているわけです。

○池上委員

国際監査基準の観点から、IAS32、39に関して部分適用した場合等にどうするかという実務指針を出しました。IAPS1014という実務指針ですが、それは基本的にこういう過渡的においてとか、まさしく32、39不適用の時に監査上どう対応するかというもので、IASCからIAPCの方に何か考えてくれと言われて最近出された指針なんです。部分適用に関してはIAS1号のパラグラフ11で、IASに準拠したというためには全部準拠しなければいけないというのがあります。だから、結局、ヨーロッパ基準だとか何とかではなくて、IAS、国際会計基準に準拠して意見を述べる場合は、後はレベルによると思いますが、限定意見だとか。とにかく監査報告書はそのままクリーンでは出ないというのが全体にあります。

それから、これは切り口が違うので、こういうのがあるということだけご紹介したいんですが、自国基準で作成して注記するパターンを考えています。注記を付すことで、監査意見が限定されるかの判断は、読者をかなりミスリードするかどうかということでして、抽象的なんです。ミスリードする場合の例として、IFRSと差異の注記内容はこういうふうにあるのはだめであるというふうにしているんですが、明らかに財務諸表の注記の下の方に持ってきて未監査と書いて差異を説明しているとか、読者がミスリードされないような書き方だと自国会計基準でやって、国際監査基準で監査し、監査報告書はアンクオリファイドとするとかそういうこともできる。監査報告書に注意喚起をするということも考えている。

あとは明らかにミスリードするような説明だけであったら、財務諸表本体に入れない方向で考えるとしております。

そんなことを言っておりまして、今いよいよ2005年をにらんで監査報告書の統一の公開草案が今出ています。そこの中でも結局その辺を受けて同じような記載がございます。ですから、切り口は違うんですが、32、39を入れない場合に、国際監査基準で監査するというパックでやったら、監査報告書が汚れて入ってきてしまうということがありえると考えられます。

○羽藤参事官

私がご質問を申し上げるのは変なんですが、仮定の議論なのですが、EUで仮にIAS32、39号が認められなくなった時に、一方でEUでまだ正式な機関等での決定には至っていないんでしょうが、国際監査基準の取扱いの問題がもう既に議論されていますが、そうすると、国際監査基準ではそれはオーディットできないということもいわばセットとして導かれ、結論となっていく、そういうことになるのでしょうか。

○池上委員

なると私は解釈しております。IFRS準拠と国際監査基準の関係はヨーロッパであろうが全然関係ありませんので。IFRSの準拠に関する実務指針ということと、元々の監査基準の700番というのが存在しますので。監査報告書の意見が、限定意見などになるということです。基本的に重要性があるという前提ですが。

○加古部会長

山田委員、どうぞ。

○山田委員

池上委員への質問ですが、それはIASに基づいて作成された財務諸表だという監査はできないわけでしょうが、いわばヨーロッパバージョンの会計基準に基づいてということであればクリーンオピニオンが出せるのではないですか。違いますか。

○池上委員

ゼネラリィ・アクセプテッド・イン・EUとかECとかそういう書き方になるんでしょうか。それは私はよく分からないんですが、単純にIFRSというのは山田委員が作られているところの基準のセットですが、そのセットではない基準をヨーロッパギャップとして、市場が認めるのでしょうが、そういうことになることになっているんでしょうか。

○山田委員

私はヨーロッパの法律的な構成について最終的には詰めていないんですが、あくまでもヨーロッパの中でエンドースメントメカニズムを通った後でEC委員会なりで承認されたものがヨーロッパで法律としての強制力を持つわけで、そうするとヨーロッパの法制の中ではそのスクーリングプロセスの中で承認されなかったものについては準拠していなくても違法性はないということになるわけです。

ただし、先程ご指摘のようにIASの1号の規定の中からいくとそういうものはIAS1号からいうとIASに基づいた財務諸表とは言えない。ただし、ヨーロッパの法律の何号の何に基づいた財務諸表だという分には違法性はない。したがって、それはIASとは同じものではないという、ただそういうことだけだろうと理解しています。

○池上委員

国際監査基準の監査報告書の構成は、まず、フレームワークがしっかりとしていればいいというのがありまして、だからもしヨーロッパの32と39を除くIFRSがフレームワークとして正式に認められることになれば、違うフレームワークを適用したという考え方でグリーン・オピニオンが出せると思うんです。

○関委員

今までお話を聞いていた上での若干感想めいたことですが、間違っているかも分かりません。今までお話を聞いていた限りでは外国企業が日本で開示する場合に2005年でEUが32号とか39号の問題がありますが、どういう形でやるにしても1つの考え方でやろうということを決めた場合、日本に開示する場合には今までの経緯からいって、これを認めないということには全くならないのではないか。

それはおっしゃられた本国基準であるとか、あるいは金融庁の指示基準ということに照らしても、それをだめだと言うわけには私は現実の問題としていかないと思いますし、それはそれでいいんだと思っているんです。若干議論しなければいけないことはあると思いますけれど。

そうなると我が国の企業が我が国資本市場であるとか、あるいは世界のどこでもそうですが、IASの基準でいくか、2005年にEUが決める基準でやるかはともかくとして、それが開示をやっていくということを我が国として特に我が国の市場に上場する時、それで認めるのかということが本質的な問題なのではないか。

先程島崎委員がおっしゃったようにEUが日本企業を認めてくれれば、誰もそんなものを採用するところはないから、それはあまり真面目な議論をしなくてもいいのではないかという議論も現実論としてはあると思いますが、やはり我が国として我が国資本市場に我が国企業がIAS基準で上場する、あるいは財務諸表を作っていくということを本当にどう考えるかということが本質論で、そのことを議論しなければいけないのではないかというのが私の感想であります。

その時に、技術的なことはともかく、本質的な会計議論というか、所謂IASで考えている会計のモデルと日本基準と言われている会計のモデル、確かに基準をそのまま横に並べますとそう違っていないではないかということでありまして、そういうことを論拠に今EUに働きかけておられるわけですが、そういうことであれば国際基準にコンバージェンスしていけばいいわけでありまして、やはり我々が多少こだわっているということがあるとすれば、それは日本の会計モデルと国際会計基準が予定している会計モデルの基本的な考え方、これは経営実態と関わり合いがあると思います。あるいは、日本がこれからどういう産業構造なり経済構造をとっていくかということと強くリンクしていると思いますが、そういうところまで入った議論を一変してくぐり抜けないと、この問題は解けないのではないかと思うんです。間違っているかも分かりませんが。そういう議論をどこかでぜひやって頂きたいなというのが、せっかく今日初めての会議ですから申し上げたいなと思って発言した、こういう次第であります。

○加古部会長

これに関連してでも結構です。関連しなくても結構ですが、ほかに。

○弥永委員

質問を1つ。現在の財務諸表等規則127条第2項依拠して、国際会計基準を使っているところはないようですが、現在でも127条第2項の下では国際会計基準は使える可能性があるのでしょうか。第1項によって認められるということは2項によっても国際会計基準によることは可能という状態と理解してよろしいのでしょうか。

○羽藤参事官

論理的には第2項は第三国でということですから、例えば、ドイツの基準ですということで出てくれば、現行法の解釈としてはおそらくフォルクスワーゲンを認めて、他のドイツのX社という会社を認めないとは原則としてならないのではないかと思います。

ただ、問題は、会計基準で判断しているということよりも、個々の財務諸表における開示内容において判断をしているということですから、そういった企業の財務諸表が一体どういう開示になっているのかということで、これは判断をしているということですので、そこのところは私自身言い方を気をつけなければいけないなと思いながら、今申し上げた次第です。

○辻山委員

先程の関委員のご発言に全く同感でして、先程出ました今ヨーロッパでもめている32号、39号というのが個別の会計基準の諾否ということ以上に結構大きな問題を抱えていると思います。つまり、こういう国際的な情勢の中でなぜヨーロッパが敢えてその2つの基準に対して拒否というか、最終的な調整の段階に至っているのかということは結構大きな問題だと思うんです。

たまたま一部だけが除外されたということではなく、今後この問題は結構大きな問題になっていくと思われますので、先程の関委員のご発言にあるようにその辺のところを、枠組み問題とともに会計基準の中身の問題も併せてご議論頂ければと思います。これは要望でございますけれども。

○加古部会長

ありがとうございます。ほかにいかかでしょうか。

それでは、どうもありがとうございます。まだまだご意見はあろうかと思いますが、今日は結論を出すというよりはむしろ問題点をえぐり出すところに課題があったように思います。とりわけ外国会社のIFRSによる開示について議論をして参りましたが、なお関連する諸問題も出て参りましたので、次回までに事務局の方で議論を整理して頂き、さらに論点を指摘して頂きたいと思っております。

次回の部会では外国企業のみならず、我が国の企業のIFRSによる開示についても併せて議論して頂く予定でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。

次回の会合の日程でございますが、これはいつもどおり事務局を通じてご連絡をさせて頂きますので、どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、本日はこれを持って終了とさせて頂きます。どうもありがとうございました。

午後 3時58分 閉会

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