平成13年7月24日
金融庁

企業会計審議会第12回固定資産部会議事録について

企業会計審議会第12回固定資産部会(平成13年6月22日(金)開催)の議事録は、別紙のとおり。

(問い合わせ・連絡先)

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総務企画局企業開示参事官室
企業会計審議会事務局


企業会計審議会第12回固定資産部会議事録

日時:平成13年6月22日(金)午後4時00分~午後6時13分

場所:中央合同庁舎第4号館9階金融庁特別会議室

○辻山部会長

定刻になりましたので、ただいまから、第12回固定資産部会を開催させていただきます。本日は、皆様方にはお忙しいところをご参集いただき、ありがとうございました。

それでは早速ですが、議事に入りたいと思います。

当部会では、前々回、前回と、固定資産の減損会計及び投資不動産の問題全体について、委員の皆様方にご報告をいただきながら、主な論点を中心に、意見の集約に向けて、意見交換を行ってまいりました。

本日は、審議を始める前に、当部会の当面の進め方につきましてお諮りしたいと思います。

当審議会第一部会は、昨年6月に「固定資産の会計処理に関する論点の整理」を公表いたしました。それを受けまして、当部会は、第一部会から固定資産の会計処理について審議を引き継ぎまして、昨年9月から固定資産の減損会計及び投資不動産の取扱いについて検討を進めてまいりました。

前回まで、論点整理で明らかにされた各論点について、その方向性を明らかにすべくご議論をちょうだいしてまいりました。その結果、論点が煮詰まってきているもの、さらに議論を深めることが必要なものなど、各論点ごとに意見の調整が進みつつあるところかと思います。

また、固定資産の減損会計は、将来キャッシュ・フローの見積もりなど、新しい会計手法を用いることが見込まれますが、実務的、技術的な面で、十分対応可能な会計手法を基準化すべく議論を尽くすべきではないかとのご意見もございました。さらに、当部会において審議内容についての正確な情報を発信するために、何か公表した方がいいのではないかという趣旨のご発言もあったかと思います。

一方で、昨年の論点整理は、主要な論点は明らかになっておりますけれども、それぞれの論点についてその方向性まで十分に示したものではなかったのではないかと思います。

そのようなことを勘案いたしますと、意見の集約に向けてあと数回ご審議いただいた上で、主要な論点について今までの議論を経過的に取りまとめた何か中間的な文章を夏前までに公表し、各界の意見を踏まえた上で、具体的な会計基準策定の審議に移行してはどうかと考えております。

このような方向で今後の審議を進めたいと思いますが、審議の進め方につきましてまずお諮りしたいと思います。ご異議のある方がいらっしゃいましたら、ご発言いただきたいと思います。

ご異議がございませんようですので、それでは、今後、そのような方向で審議を進めていきたいと思います。

繰り返しになりますけれども、前々回、前回と、固定資産の減損会計及び投資不動産の問題全体について、委員の方々からご報告をいただき、意見の集約に向けてご議論をいただきました。ご報告いただきました内容や部会において出されましたご意見をもとに、私の方で委員の方々にご協力をいただきながら、ご審議いただいた主要な論点について文章化したたたき台を作成しております。本日はこのたたき台をもとに議論を進めてまいりたいと思います。

皆様のお手元に委員限りということで、たたき台、「固定資産部会報告資料」というものが用意されております。それでは、このたたき台につきまして、事務局からまずご説明をいただきたいと思います。それをもとにさらに意見交換を行いたいと思います。

それでは、事務局からご報告をお願いします。

○平松課長補佐

それでは、簡単にご説明したいと思います。

全体の構成でございますが、 I として「固定資産の減損」の問題、 II として「投資不動産」の問題というふうに、全体として大きく2つに分けられております。

まず減損の方でございますが、1として「減損会計の意義」の問題でございます。このあたりでございますが、前々回になりますでしょうか、秋葉委員の方からご報告をいただいたわけですが、そのご報告内容をもとにして文章を作成させていただいております。

読み上げさせていただきます。

固定資産の減損処理(減損会計)とは、資産又は資産グループの収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合に、一定の条件の下で回収可能性を反映させるように帳簿価額を減額する会計処理である。

減損処理とは、本来、投資期間全体を通じた投資額の回収可能性を評価し、投資額の回収が見込めなくなった時点で、将来に損失を繰り返さないために帳簿価額を減額する会計処理であるから、期末の帳簿価額を将来の回収可能性に照らして見直すだけでは、収益性の低下による減損を正しく認識することはできない。帳簿価額の回収が見込めない場合であっても、過年度の回収額を考慮して減価償却などを修正したときには、修正後の帳簿価額の回収が見込める場合もあり得るからである。

しかし、減価償却などを修正して帳簿価額を回収可能な水準まで減額させる過年度修正は、我が国では修正年度の損益とされている。遡及修正が行われなければ、過年度修正による損失も、減損による損失も、認識された年度の損失とされる点では同じである。そのため、この部分を減損と区分しなくても、我が国の実務に大きな支障は生じない。さしあたり両者を一纏めにすることで、回収を見込めない帳簿価額の切下げを、単一の会計基準で処理することができると考えられる――これが基本的な考え方でございます。

2ページでございます。「減損損失の認識と測定」ということで、まず基本的な考え方を示している部分でございます。

減損の測定は、帳簿価額を回収する将来キャッシュ・フローの見積りに大きく依存する。キャッシュ・フローが約定されている場合の金融商品と異なり、成果の不確定な事業用資産の減損は、測定が主観的にならざるを得ない。その点を考慮すると、減損損失の認識に当たっては、まず、減損の蓋然性を識別する基準を設け、減損の存在が相当程度に確実な場合に限って減損損失を認識し、帳簿価額を減額することが適当と考えられる。

そのためには、まず、減損の兆候を識別し、減損の兆候があると判断された資産又は資産グループについて、定量的な基準を用いて減損の調査を実施することが適当である。その調査の結果、資産又は資産グループについて減損損失を認識することが適当と判断された場合には、減損損失を測定することになると考えられる。

この場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失は期間費用に算入することが適当と考えられる。資産又は資産グループの企業にとっての経済価値は、処分予定のものであれば正味売却価額(資産又は資産グループの売却見込額から処分費用見込額を控除して算出される金額)、使用目的のものであれば使用価値(資産又は資産グループの継続的使用と使用後の処分によって生じると見積もられる将来キャッシュ・フローの現在価値)であるが、企業は、通常、そのうち高い方の金額で回収することを選択するはずである。従って、回収可能価額とは、正味売却価額と使用価値のうちのいずれか高い方の金額を指すことになると考えられる――以上が基本的な考え方でございます。

具体的な話でございます。

まず(1)としまして、「減損の兆候」でございます。

減損の兆候が認められる資産又は資産グループについて、減損の調査を実施する。減損の兆候とは、資産価格の著しい下落、資産価値を低下させるような使用範囲又は使用方法の著しい変化(事業の再構築や予定されていた時期よりも早く資産を処分すること等)等を指す。

この「等」というところでございますが、前回、前々回、議論があったかと思いますけれども、どの程度この例示を掲げるかについては過去に議論があったわけですが、具体的にどのような例示にしていくのかということにつきましては今後十分に議論をする必要があると思われますので、現段階では「等」という表現にとどめているということではないかと思います。

3ページ目でございますが、(2)の「減損損失の認識」でございます。

減損の兆候が認められた資産又は資産グループについては、将来にわたって得られるキャッシュ・フローを見積もり、見積もられた将来キャッシュ・フローの総額(割引前)が帳簿価額を下回っている場合には、減損損失を認識する。

この部分につきましては前々回ご説明があったわけなんですが、投資期間全体の回収でもって減損を考えるというのが基本的な考え方ということなんですけれども、なかなか実務的には難しい面があるというようなこと等から、相当程度減損の存在が確実な場合の方法として、割引前キャッシュ・フローのテストをすることが考えられたというような説明が行われております。

(3)の「減損損失の測定」でございます。

減損損失を認識する必要があると判断された資産又は資産グループについては、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減額した金額を減損損失として期間費用に算入する。

この点に関しましては、減損会計の意義というのを冒頭で紹介させていただきましたが、意義に照らせば、回収可能価額まで下げるのが妥当なという考え方ではないかというような説明が行われたわけでございます。

次に、(4)の「将来キャッシュ・フロー」でございます。この部分は、前々回、川村委員の方からご説明があった部分でございます。

減損損失を認識するか否かの判断に際して見積もるべき将来キャッシュ・フローは、当該企業に固有の事情に照らして、合理的で説明可能な仮定及び予測に基づいて見積もられなければならない。また、資産又は資産グループの使用価値の算定に際しても、同様の方法で将来キャッシュ・フローを見積もらなければならない――認識及び使用価値の算定に際してのキャッシュ・フロー見積もり方法に言及しているということです。

将来キャッシュ・フローの金額は、原則として最も生起する可能性の高い単一の数値とするが、生起し得る金額をその確率で加重平均した期待値を用いることもできる。また、将来キャッシュ・フローには、利息の支払額並びに法人税等の支払額及び還付額を含めないことが適当である。

将来キャッシュ・フローの見積もりは、資産又は資産グループの現在の使用状況等に基づき、合理的で説明可能な仮定及び予測に従って行わなければならない。例えば、資産又は資産グループの計画されていない将来の設備投資や事業再編の結果として生じるキャッシュ・フローを含めてはならない。また、将来の用途が定まっていない遊休資産についても、現在の状況等に基づきキャッシュ・フローを見積もることとなると考えられる。

それから、(5)の「割引率」の問題でございます。

使用価値の算定において用いられる割引率は、貨幣の時間価値を反映した税引前の利率でなければならない。

使用価値の算定において、資産又は資産グループに係る将来キャッシュ・フローがその見積値から乖離するリスクを将来キャッシュ・フローに反映させていない場合には、貨幣の時間価値に加えて、当該リスクを割引率に反映させる必要がある。

見積値から乖離するリスクというものを将来キャッシュ・フローの見積り、あるいは割引率のいずれかに反映させる必要があるということで、逆に、両方の方法を認めるという趣旨ではないかというふうに思われます。

(6)の「資産のグルーピング」でございます。

減損損失の認識及び回収可能価額の算定に当たっては、通常、資産のグルーピングが行われることになる。グルーピングは、ある資産グループのキャッシュ・フローが他の資産又は資産グループのキャッシュ・フローからおおむね独立している最小の単位で行うことを原則とし、管理会計上の区分、投資の意思決定(資産や事業の処分・廃止に関する意思決定を含む)を行う際の単位等を考慮して定めることが適当である。また、一つの資産グループが連結の範囲に含まれる複数の会社に跨る場合の取り扱いについては、引き続き検討することとなる――この部分については部会でご議論があったところでございます。

資産グループについて減損損失が認識される場合には、減損損失を帳簿価額その他に基づいた比例配分等の合理的な方法により、資産グループの各構成資産に配分することとなる。

残存使用期間が異なる資産を含む資産グループの将来キャッシュ・フローを見積もる場合の見積期間については、資産グループ中の主要な資産の残存使用期間を上限とする方法等が考えられるが、資産グループに土地を含む場合の取扱いなどについて、さらに検討を行う必要がある。

5ページ目でございます。(7)の「共用資産の取扱い」でございます。

共用資産(複数の資産グループの将来キャッシュ・フローの生成に寄与する資産)がある場合には、減損損失の認識及び測定に当たり、原則として、共用資産が将来キャッシュ・フローの生成に寄与する複数の資産グループを一つの資産グループとし、この資産グループに共用資産を含めることが適当と考えられる。ただし、共用資産の帳簿価額を合理的な方法により各資産グループに配分することができる場合には、各資産グループにおいて、共用資産を配分した後の帳簿価額について減損損失の認識及び測定を行うことになる。

合理的な方法により配分することができるかどうかという1つのメルクマールによりまして方法が2種類考えられるわけですけれども、さらに詳細の部分については今後検討していく必要があるということではないかと思います。

次、(8)の「のれんの取扱い」でございます。

のれんの減損については、個別財務諸表上で計上されている営業権と連結財務諸表上で計上されている連結調整勘定の双方が対象となる。のれんの問題を減損会計において取扱うのは、のれんが単独では回収可能価額を算定できない資産であり、他の資産の減損損失の認識及び測定においても、のれんを考慮する必要があるからである。

のれん又はのれんが関連する資産グループの減損損失の認識及び回収可能価額の算定に当たり、のれんが複数の資産グループに関わる場合には、のれんの帳簿価額を、原則として、取得時の資産グループの公正価値の比率により、各資産グループに配分することが適当と考えられる。公正価値の比率による配分が適当と認められない場合には、その他の合理的な方法の採用も認められる。のれんが関連する複数の資産グループを識別できない場合には、のれんの配分を行わず、取得された資産グループ全体にのれんを含めた上で減損の判定を行うこととなる。

のれんを含む資産グループについて生じた減損損失は、まず、のれんに配分し、残額は資産の帳簿価額その他に基づいた比例配分等の合理的な方法により、資産グループの各構成資産に配分する。

このようなのれんの取扱いは、現行の会計制度において、のれんが資産計上され、一定の期間で償却される場合を前提としている。当審議会の第一部会では、企業結合に係る会計基準の審議が行われており――これにはのれんに係る会計処理も検討の対象に含まれております――したがって、企業結合に係る会計基準の設定に際し、減損の兆候、減損の判定単位、回収可能価額の算定等について、別途の検討を行う必要性が生ずる場合がある。

この部分につきましては、前回、小宮山委員の方からご報告があったものをベースにして文章にさせていただいております。

次、3の「対象資産」でございます。これにつきましては、前回、荒木委員の方からご報告があった部分でございます。

有形固定資産、無形固定資産、投資その他の資産を減損会計の対象資産とするが、無形固定資産のうち「研究開発費等に係る会計基準」に定められている市場販売目的のソフトウェア、投資その他の資産のうち「金融商品に係る会計基準」に定められている金融資産、「税効果会計に係る会計基準」に定められている繰延税金資産、「退職給付に係る会計基準」に定められている前払年金費用については、各基準に減損や評価に関する定めがあるため、対象資産から除くことが適当である。

次に、4、「減損処理後の会計処理」でございます。

まず、(1)の「減価償却」でございます。

減損損失認識後は、減損損失を控除した帳簿価額に基づき減価償却を行う。

次に、(2)の「減損損失の戻し入れ」でございます。これは、前々回、秋葉委員の方からご報告があったと思います。

減損損失の戻し入れは、資産の帳簿価額の修正を伴うが、これは回収可能価額の過去の見積もり誤りを修正する手続きと考えられる。すなわち、減損損失の戻し入れを行うことは、将来に損失を繰り越さないために行った臨時的な減額が、必ずしもその時の損失ではなかったことを意味する。減損の戻し入れは、減損の存在が相当程度に確実な場合に減損損失を認識したに止まり、絶対的に減損したわけではないという意味で正当化される余地はある。特に、土地については、永久に使用可能で減耗しないという特性があるため、減損損失を認識していたとしても、長期の保有の間に収益性が回復することも考えられる。

しかしながら、収益性が回復したとはいっても、減損損失の認識と同様に、いかなる場合に減損損失の戻し入れが認められるべきか、利益の実現を待たずに期待の変化だけで収益となる戻し入れを認識するのが適当か、という点で問題がある。また、実務上の適用を考慮する場合、減損損失の戻し入れは帳簿価額を再度修正する必要があるため、事務的負担を増大させるとの懸念もある。このような観点からは、減損損失の戻し入れを行わないことが適当であると考えられる。

次に、5番目の「財務諸表における開示」の問題でございます。これは、前回、荒木委員の方からご説明のあった部分でございます。

まず、(1)の「貸借対照表における減損損失累計額の表示」の問題でございます。前回の部会でご意見を賜ったところでございます。

減損損失累計額は、減価償却累計額と同様に、固定資産の取得原価から控除される。貸借対照表におけるその表示方法には、直接控除方式、間接控除方式、注記方式等が考えられるが、減価償却累計額の表示方法との整合性等も踏まえ、どの方法が適当か今後検討する必要がある。

それから、(2)の「損益計算書における減損損失の計上区分」でございます。

減損損失は、固定資産に関する臨時的な損失であるため、原則として特別損失とする。

(3)の「注記事項」でございます。

重要な減損損失を計上した場合には、減損損失の計上に至った経緯、資産のグルーピングの方法、回収可能価額の算定方法について注記を行う。

次、6の「その他」の問題でございます。

まず、(1)の「ファイナンス・リース取引の取扱い」でございます。これは、前回、小宮山委員の方からご説明があったかと思います。

我が国では、ファイナンス・リース取引について、通常の売買取引に係る方法に準じて会計処理を行うこと(売買処理)を原則としつつ、一定の事項の注記を行うことを条件として通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行うこと(賃貸借処理)も認められている。

売買処理を採用している場合の取扱いは、他の資産の減損の場合と異なる点はない。他方、借手が、賃貸借処理を採用している場合には、ファイナンス・リースに係る資産は借手の貸借対照表には計上されないため、資産の減損の問題ではない。しかし、借手が将来の収益によって回収できない債務をファイナンス・リース取引により負担することになる場合には、資産の減損処理に準じて、回収できない部分を損失として認識する必要がある。この場合には、未経過リース料の現在価値額を基準として、回収不能額を引当金等に計上することにより減損に相当する金額を損失に計上することが適当と考えられる。

次は、中間財務諸表の問題でございます。(2)、「中間財務諸表において減損損失を計上した場合の年度決算における取扱い」。

中間財務諸表において減損損失を計上した場合、年度決算においては、中間財務諸表における減損処理後の帳簿価額から、下半期に生じた減価償却費等を控除した残高について、減損会計を適用することが適当と考えられる。

(3)の「再評価を行った土地の取扱い」でございます。

「土地の再評価に関する法律」(以下「土地再評価法」という。)に基づく土地の再評価は、資産の帳簿価額と時価の乖離を継続的に是正することを目的とする会計処理ではなく、取得原価基準の下で例外的に一回限り行われる取得原価の修正であると考えられる。したがって、土地再評価法により再評価を行った土地については、再評価後の帳簿価額に基づいて減損会計を適用し、その結果認識される減損損失は損益計算書に計上されることとなると考えられる。

前回の部会でもご議論があったと思うんですが、その再評価算金の処理につきましては今後十分に検討する必要があるというふうなことでございますので、今回はその部分については記載をしておりません。

それから、 II 「投資不動産」の問題でございます。

1の「投資不動産の会計処理」。

国際会計基準は、企業が自ら使用するもの及び棚卸資産を除いた、賃貸収益又は資本増価を目的として保有する不動産を投資不動産としている。このような投資不動産については、時価が把握可能で、当該時価により売買・換金等を行うことが可能ではないかという観点から、投資者にとっての有用な情報及び企業にとっての財務活動の成果は時価によって求められるため、時価評価が適当という考え方がある。

しかし、金融資産に比べ、投資不動産の時価を客観的に把握することは困難ではないかという懸念がある。また、工場、本社建物のみならず外形的には賃貸収益を目的として保有されるような不動産であっても、直ちに売買・換金を行うことに事業遂行上等の制約がある場合があり、このような事業投資では、一般に、時価の変動を企業活動の成果とはとらえないという考え方が妥当である。

投資不動産の時価が投資者にとって有用な投資情報になる可能性は否定できないが、外形的には投資不動産と見られるものでも、時価の変動により利益を得ることを目的として保有するものから、事実上、事業投資と考えられるものまで存在するため、その保有目的等を全く考慮せずに時価評価を行うことは、必ずしも、企業の財政状態及び経営成績を適当に財務諸表に反映させることにならないと考えられる。

むろん、個々の保有目的等に応じてそれぞれの会計処理を定める方法も考えられるが、現状では、その客観的な基準を設けることは困難であると考えられる。したがって、投資不動産についても、時価の変動をそのまま損益に導入せず、他の有形固定資産と同様に取得原価基準による会計処理を行うことが妥当ではないかと考えられる――ということでございます。

2の「投資不動産の時価情報の注記」でございます。

前述のように、投資不動産については、取得原価基準による会計処理を行うのが適当であるが、原価モデルの場合には公正価値(時価)の注記を求める国際会計基準との調和や、事業用不動産に比べ相対的に換金性が高い投資不動産の性格に鑑み、時価を注記することが投資情報として有用ではないかという考え方から、投資不動産の時価を注記することが適当であるという意見がある。

しかしながら、投資不動産について、客観的な時価を把握することは困難であり、また、事業遂行上等の制約がある投資不動産について時価を注記することは、投資者にかえって誤解を与えるのではないかなどの理由から、投資情報として開示することに積極的な意味はないという意見がある。

この投資不動産の部分につきましては、前回の秋葉委員のご報告をベースにして取りまとめてみたものでございます。

以上でございます。

○辻山部会長

どうもありがとうございました。

それでは、ただいまから意見交換を行いたいと思いますが、先ほど冒頭でご説明しましたように、このたたき台は前回までの議論を踏まえまして、これまである程度方向性が出たもの、さらに今後検討を要するもの、これらについてこれまでの議論をとりあえず取りまとめたものでございます。ご自由にご意見をお出しいただきたいと思います。どうぞ、どなたからでも結構でございます。

逆瀬委員、お願いいたします。

○逆瀬委員

二、三あります。

ちょっと今まで言わなかったんですけれども、2ページ目の「減損の兆候」のところなんですが、ここでは、下段に「兆候とは」とありまして、「資産価格の著しい下落、資産価値を低下させるような使用範囲又は使用方法の著しい変化」というのがあるんですけれども、この「使用範囲又は使用方法の著しい変化等」と「等」がありますが、いろいろなことが入っているよということだとは思いますけれども、この使用範囲の変更とか使用方法の著しい変化が代表選手として挙げられていますが、基本的にはあらゆる事業投資資産に関してこういう事象が常時起きているわけですね。

こういう場合ももちろん減損の結果が出る場合には妥当なものだとは思うんですけれども、我々の実務の経験からいくと、ある一定の事業ラインの収益性が最も端的に資産の需要をあらわしているわけで、継続的な赤字とか、事業のラインの収益力がどうかというのが実務の上で1つの尺度として念頭に置かれているのであればここで改めて発言する必要はないんですけれども、そういうメルクマールで整理していく必要があると思います。

赤字というのは収入と支出の差額でありますから、それを1つ大きな兆候として、それで実務的な処理をするというような兆候のとらえ方も認めてもらうようなことにしていただければいいなと思います。使用範囲の変更と使用方法の著しい変化だけで兆候を見極めろというのでは、相当なことになるんですね。あらゆる資産がそのような変化を受けている――著しいとは言いませんけれども、ありますので、実務は非常に難しいというようなことで、P/Lサイドの兆候なんかも、それで継続的な実務をやっていればよろしいといったような、結果として全部見たことになるというふうな実務にできればいいなとは思っています。これはお願いです。

それから、6ページ目のところで「対象資産」というのが3番に挙がっていまして、ここでの定義の仕方は、有形・無形・投資その他の資産をまず対象にして、そこから研究開発費の中に挙がっています市場販売のソフト等の除外するものが書いてありますが、2点ほどお願いなんですが、この市場販売目的のソフトウェアのみならず、自社利用目的のソフトウェアも実務指針ではたしか減損の対象に既にされているのではないかという気がしているんですけれども、単なるソフトウェアという言葉でいいのではないかというのが1点です。

それから、投資その他の資産のうち、金融商品の方で対象になっているもの、税効果の分、年金の退職給付会計基準のもの、それ以外は全部対象だというふうに読めるんですが、ここの場所は、実務上のことで恐縮ですが、いろいろな長期性の投資が入っているということになっていて、例えば、場合によっては組合に対する出資だとか、あるいは、流動化に伴って受益権の劣後ポーションの計上だとか、いろいろなものがぐちゃぐちゃっと入っていまして、こういうものをすべて洗い出して減損の中で料理していくのかなというのがありまして、そういうのはもうよろしいんじゃないかと、うまく除外できればいいんじゃないかという気はしているんですけれども、ちょっとこの辺はお考えをお伺いしたいと思います。

それから、8ページですが、ファイナンス・リースの扱いのところで、考え方に余り異論はありませんが、下から4行目の「未経過リース料の現在価値額を基準として損失を認識」しましょうとなっておりますが、現在価値額だけでいくと実務も大変だということもあって、現在価値額で損失認識をすると、計上された貸方の負債の金額を今度は支払うリース料等で消し込んでいくときに、利息法なんかも頭に入れてやるのかどうかよくわからないんですが、現在価値額も理屈ではありますし、金額も少なくていいんですけれども、グロスの数字で見ても許されるような幅のある規準にしていただければいいなと思っております。これはお願いです。

以上です。

○辻山部会長

どうもありがとうございました。

それでは、まず2ページ目の「減損の兆候」でございますが、逆瀬委員の今のご質問というかお願いというのは、継続的な赤字がなければ、資産価格の著しい下落があっても、これは兆候とはみない減損調査にも入らないというご趣旨のご発言なのか、あるいは、継続的な赤字も兆候の1つに入れたらどうかという、ご発言の趣旨はどちらというふうに解釈したらよろしいですか。

○逆瀬委員

資産の種類によりますね。1つは事業に直接使っている資産の場合と、共用資産のように本社の設備のようなものがありますので、2通りあるとは思うんです。事業の用に直接供しているようなものの場合に、資産価値の著しい下落とか使用方法の変更という資産側の情報からその兆候を見極めろというのは、現実的には非常に難しいことだと思うんですよ。

○辻山部会長

資産価額の著しい下落があった場合に、将来キャッシュ・フロー割引前の額で一応調査を行って認識の判定を行い、その段階で測定までは進まないこともありうるという、そういう枠組みでは調査も面倒臭いということでしょうか。

○逆瀬委員

資産価値の著しい下落という、これはFASBのルールにもありますけれども、それは毎期毎期、今は半期の制度ですから、半期ごとに時価を補足しないさいということを言っておられるわけですよね。そうすると、時価を把握しなければだめですね、ブックと比較をする、時価の著しい下落と言うんですから。おおむねこんなものでいいんだろうというふうなルールになるのかよくわかりませんが、議論の席上でもいっぱい出ていますけれども、何が時価かというのがあるわけですけれども。ですから、それを毎期強制するような実務になるのは困るということですね。

だから、事業用の資産については、継続的に黒字を計上している場合に、著しい資産価格の下落が直ちに兆候にはならないような切り口のやり方も1つの方法として認めていただいてもよろしいんじゃないかということで、ちょっと新しいことを申し上げているんですけれども。

○辻山部会長

わかりました。それでは、その点は、実務的な負担も勘案して、今後、基準あるいは実務指針に進む段階で、その辺が実務的に著しい負担にならないようなことを措置するという、そういうご意見として伺いますが、よろしいでしょうか。

それから、対象資産のところでございますが、これは前に荒木委員のご説明にもあったところでございますが、今の逆瀬委員のご指摘の自社利用目的のソフトウェアというのは、今書かれている段階では、減損会計の対象資産とするという意味で書かれているということでございます。ですから、自社利用目的のものも除いたらいいんじゃないかというのは新たなご意見ということになるわけですけれども、これまでの議論では、一応、自社利用目的のものは減損の対象にしたらどうかというのがこれまでの意見であったというふうに理解しております。

それから、もう1つ、例えば組合に対する出資とかそういったことは、もし金融資産ではないということであれば個々に判定するのではなくて、あくまでもグルーピングの中で判定されますので、それをわざわざ除くというふうにここで限定する必要があるのか。ですから、ここの書かれ方としては、除かれているもの以外は対象資産に入っているという書かれ方ということなんですが。

これは荒木委員の方から追加的なご説明をお願いします。

○荒木委員

まず自社利用のソフトについてですけれども、確かに逆瀬委員のおっしゃるように、研究開発費等に係る会計基準の中では、市場販売目的のソフトウェアも自社利用のソフトウェアも同じ減価償却の議論の中で減損評価の問題が出てきているんですが、ここで市場販売目的のソフトウェアだけを除いたというのは、会計士協会の実務指針で、市場販売目的のソフトウェアについては将来の収益を限度として評価するというような減損に非常に似た規定があるということからです。

それから、自社利用のソフトウェアについては、確かに実務指針でいろいろ決まっているんですが、中身を見てみますと、どちらかというと臨時償却的な考え方で会計処理がされているということです。

また、自社利用のソフトについては、ハードの方と一緒に使われるというケースがほとんどなのではないかと思われますので、そうしますと、ハードの方は対象資産、ソフトの方は対象資産から除くということになりますと、キャッシュ・フローを見積もるというのは非常に難しいのではないか、やはり同じ目的で使われているというケースが多いと思いますので、ハードもソフトも自社利用のものについては減損の対象資産として見るべきではないかというふうに思われます。

それ以外の、組合への出資とか、いろいろな流動化の劣後部分については、確かに、金融商品に入るのか入らないのかというような、非常に難しいボーダーラインのものが実務的には恐らく出てくるんだとは思いますが、ただ、金融商品に入るものは金融商品の会計基準で決まっていますので、そちらで評価減を見るということだと思うんですが、それ以外のものをここで議論している減損の会計基準からも対象資産から除くということになりますと、減損をどこで見るんだということになると思いますので、やはり対象資産に入れるというのが適当ではないかと思います。

実際的には、そういう組合への出資とかそういうものについては、グルーピングではなくて、実際に基準を適用するときにはそれ自体で減損を見るというようなことになると思いますけれども、対象資産としてはやはり含めておくことが適当ではないかというふうに思っています。

以上です。

○辻山部会長

今の、組合への出資というのは、この基準になりますと、キャッシュフローを見積る単独の資産ということになるんでしょうか。

○荒木委員

それはケース・バイ・ケースだと思いますけれども、投資目的で出資から得られる収益それ自体を期待している場合と、もう少し大きなグルーピングで見る場合ももちろんあるかと思いますけれども。

○辻山部会長

わかりました。今の点について、逆瀬委員、何かご発言はございますか。

○逆瀬委員

あります。ソフトウェアに関しては、日本のルールの立て方が市場販売目的というくくりと自社利用ソフトと大きく2つに分かれて滞留させましょうというふうになっているんですよ。自社利用ソフトの中には、アウトソーシングのサービスをするために、収入を仰ぐために利用するものも入っているんですね。そういうものはどうするんですかという話なんです。そういうものはちょっと違うんじゃないかという気もしてて、積極的な発言をしているつもりでおるんですけれども。

逆に、投資その他の資産の方につきましては、いろいろと中身がありまして、無形資産、有形資産というふうにある程度明確にくくられるような、一種の費用性資産でないやつが当然投資だから入っているんですけれども、その中には、例えば先ほど申し上げたものもありますし、役員の団体生命の保険料とか、税の関係でそれは滞留させますよとか、つまらないものがいっぱい入っているわけです、性格の少しずつ違うものが。流動化によって発生した信託の受益権の劣後部分なんていうのはどうやって会計処理をするんだろうかと、下手に決めちゃったら流動化でオーケーになっていますよというようなオフバランスの処理が認められなくなるかもわからないといったようなかなり微妙な問題も入ってくるから、そういうものはこの際いかがなものでしょうかと言っているだけなんです。

だから、信託会計に絡むようなものもありますし、単純なものであればいいんですが、私の経験ではいろいろな色合いのものがこの借方の長期性資産の中に入っているんですね。そういうものが全部カバーされるようなことになっているんですけれども、それは議論しきれるのかなということでありまして、純粋にFASBとか何かが減損のルールとして言っているようなものとは違うものを内包していることになるのではないかという危惧があっただけです。

○辻山部会長

今の後者の方につきましては、もう少し具体的な基準あるいは実務指針の段階で検討を要する部分も出てくるのかと思いますけれども、個別にこの段階で除外すべきもの、除外すべきでないものというのをここでは書き分けていないということでございます。

それから、自社利用目的のアウトソーシングの問題につきましては、かねて逆瀬委員からもご指摘がございましたけれども、それも含めてここでは減損の対象としたらどうかという書き方なわけですけれども、それについては逆瀬委員は一応反対であると、そういうご意見というふうに承ってよろしいでしょうか。

○逆瀬委員

この研究開発費の方で、市場販売目的のソフトウェアについては除きましょうとここに書いてあるわけですが、それも含めて見直されたらいかがですかと申し上げているんです。自社利用で滞留させているソフトウェアも、この販売目的のソフトウェアも、同じルールでやればいいんじゃないかと思っておりますけれども。今は、この市場販売目的のソフトウェアについては外しましょうと言っているわけですね。

○平松課長補佐

今のソフトウェアの実務指針がおかしいということですか。

○逆瀬委員

おかしいというか、私はそこまで言っているわけではないんですけれども、同じじゃないかと思っただけです。そこはちょっと、私は実務指針の細かいところまで今理解せずにしゃべっていますけれども、同じく営業収入を上げるためのものであるには違いないんですね。それは、それだけの話ですけれども。

○辻山部会長

その点はちょっと検討させていただくということで承っておきます。

それから、8ページの未経過リース料の現在価値額でございますが、これは、こういうふうに「等」というのが入っていないと実務的にもかなり手間が大変ですよといったご指摘というふうに承ったんですけれども、この点については、小宮山委員、何かご発言はございますか。

○小宮山委員

「等」を入れた方がいいかもしれませんね。これは、回収可能額自体が現在割引価値ですので、あわせるとこういうふうな考え方になるんでしょうというふうに書いたわけですけれども、実際にリースの注記のところでも利子込み法と利子抜き法と2つ重要性によって分けていますので、実務的には両方とも受け入れられる範囲内だと思いますので、「等」とつけておいた方がいいかなというのはご指摘のとおりかと思います。

○辻山部会長

そのほかご指摘があれば。

奥田委員。

○奥田委員

3ページの「減損損失の認識」のところなんですが、見積もられた将来キャッシュ・フローの総額(割引前)で判断するということで、これはアメリカの考え方に従っているのかなというふうに思うわけですが、例えば土地のように半永久的に収益が出てくるようなそういったものについて、もし割引前ということであれば、金額の把握がほとんど不可能ということになってしまうのかなと。

例えば土地については、減損の測定まで行かないためにわざとこうしているのであればそれでもいいと思うんですが、もし土地もキャッシュ・フローを見積もって考えるということであれば、例えば土地などキャッシュ・フローの総額(割引前)では把握が困難なものは割引後の総額で減損損失を認識するとか、そういった形の方がいいのではないかなというふうに思うんですが、ちょっとこのあたりについてご意見をお伺いしたいと思います。

先ほどのご説明の中で、この部分について、投資期間全体について把握することは困難なのでというご説明があったんですが、困難なゆえにどういうことを考えていらっしゃるのか、ちょっとその辺がよくわからなかったので、そこをご説明していただきたいと思います。

あと、4ページの(5)の「割引率」の適用のところなんですが、「使用価値の算定において用いられる割引率は」というふうに書かれておりますが、正味売却価額の算定におきましても、売却価額を算定する場合には、特に事業用不動産のような場合であれば、将来の収益から現在価額を出して売却価額を出すということで割引率を使うケースもございますので、これは必ずしも使用価値だけではなく、正味売却価額の算定の場合においても使われる割引率ではないのかなというふうに思います。

あと、3つ目として、最後の10ページのところなんですが、「投資不動産の時価情報の注記」のところの最後の段落で、投資不動産については客観的な時価を把握することが困難であるということなんですが、時価というものの定義にもよると思うんですが、この時価を例えば国際会計基準や国際評価基準に出ている公正価値や市場価値と同じものということで定義するのであれば、それは現在鑑定評価で行っております正常価格と全く同じものでございますので、正常価格を求めることをしております私どもの立場からしては、投資不動産についてそういった価格を出すことが困難であるというような表現はちょっと受け入れがたいものがあります。

また、固定資産の方で、正味売却価額の算定に当たっては、当然、市場で売れる価格の把握が前提になって正味売却価額というものが出てまいりますので、固定資産の方ができて投資不動産の方ができないという理由づけがわかりにくいのではないかというふうに思います。

○辻山部会長

どうもありがとうございました。

それでは、今の件でございますが、私からお答えする前に、川村委員に特にこの部分を、最初の2点について、今の奥田委員のご質問に対してご意見がございましたらお願いいたします。

○川村委員

まずは、土地が含まれているときに割引前キャッシュ・フローの総額で認識のテストは可能なのかという問題ですけれども、土地の上に有形の建物などが建っている状態で考えた場合には、土地付建物で1つのプロジェクトと考えてキャッシュ・フローを見積もるということになると思いますので、恐らくは、土地の上に乗っかっている建物の耐用年数というのを1つの期間と見てキャッシュ・フローを見積もるという形にできるのではないかというのが1つです。

ただ、もちろん土地の需要性が極めて高い物件についてどうするのかとか、あるいは、更地で考えているときにどうするのかというような問題も起こりますが、この点についてはまだ何か特定の方向が出ているわけではなくて、今後の検討課題の中に含まれてくるのかなと思います。4ページの一番最後のところで、残存使用期間の問題が述べられておりますが、土地についてもそこで触れられておりますので、その問題は重々あると認識しているつもりです。

あと、もう1点も私の関係だと思うんですが、割引率の問題で、使用価値以外にも正味売却可能価額の算定においても割引率を使う可能性があると、まさにそのとおりだと私も思いますので、この文章に多少その点を簡単につけ加える必要があるのではないかと思っております。

○辻山部会長

今の2点でございますが、まず土地の減損損失の認識のところには、土地の問題、特にキャッシュ・フロー割引期間のことは書いていないんですけれども、4ページの資産のグルーピングのところで、将来キャッシュ・フローの見積期間について、土地について特に今後検討が必要であるということは書いております。確かに奥田委員のご指摘のとおり、認識の判定に用いるキャッシュ・フローの見積り期間のところにこれが書かれていない、書く必要があるのかどうか、その辺はまた少し検討させていただきます。ただ、全体としては、当然、土地については無限というふうには考えていないという考え方がとられているということでございます。

それから、割引率のところでございますが、これは、前回、川村委員が報告されたときに、奥田委員から、公正価値の方はどうなっているんですかというご質問があったところです。それを除いたということではなくて、ここでは、公正価値を算定する場合の割引率の問題と、使用価値の算定の場合の割引率の問題というのは異なるものであるということで、通常言われている正味売却価額等については、市場価格といいますか、場合によっては鑑定価格があるのかもしれませんけれども、そういったことをイメージしていて、その両方を書き分けているわけです。ここで触れるかどうかというのはちょっとまた検討させていただきたいと思うんですけれども。

○品川委員

今の点でよろしいですか。

先ほどからのお話も含めて疑問に思う点は、このペーパーの中でいわゆる時価に関する類似概念というのが幾つか使われているわけですね。回収可能価額、正味売却価額、使用価値、時価、10ページには公正価値(時価)、そして5ページには括弧のない公正価値、その中で定義がされているのは2ページの正味売却価額と使用価値と回収可能価額ですが、ほかの私が申し上げた他の時価概念については定義がないんですね。この減損会計において、そもそも時価とは何かとか、そういうのものについて定義をきちんと厳格にしておかないと、それぞれ同床異夢的な議論になって収拾がつかなくなる可能性があると思うので、国際会計基準の概念を持ってくるなら持ってくるで、ペーパーの中できちんとされたらいかがでしょうかということが1点です。

先ほどの割引率の問題も、2ページの正味売却価額の定義、すなわち、「資産又は資産グループの売却見込額から処分費用を控除する」という定義であると、これは別に割引率を使わなくても、この売却見込額というのは現時点の売却見込額だというふうに考えれば先ほどの4ページもつながってくるわけで、そういう問題も、結局は、全体においてこの減損会計の中の測定の基準になる時価とか公正価値とか正味売却可能価額であるとか、そういうことをもう少しきちんと定義づけて、そして共通の認識を持つ必要があると思うんですけれども、いかがでしょうか。

○辻山部会長

どうもありがとうございました。その点につきましては、本日の委員会は12回目でございまして、委員の中で共通の理解があるものというふうに私は理解しておりました。

改めてご説明するまでもなく、ここで回収可能価額というふうに言っておりますのは、ここに実際に書いておりますように、理論的に申しますと、2ページでございますけれども、正味売却価額と使用価値のうちいずれか高い方、企業が合理的に意思決定をするとすると、高い方が企業にとっての経済価値ということ、そこまで下げればよろしいというのが今回までずっと減損会計について議論されてきたここの部会での合意だったかと思います。

その場合に、正味売却価額の処分費用控除前というふうにここで言っておりますのは、現在の売却見込額、売却見込額が実際に広い意味での公正価値(時価)と言っているものと同義でございます。それと使用価値というのがあるわけですけれども、使用価値というのは、キャッシュ・フローの見積もりから割引率のところまでで触れられておりますように、企業の合理的な期待といいますか、説明可能な期待ということに基づいて算出されるものが使用価値というふうに書かれているわけでございます。

○品川委員

もし同義であれば同じ言葉を使うべきで、私も毎日法律の条文ばっかり読んでいるものですから違う用語が出てくると当然別の概念が導入されているというふうに、読む人にそういう認識を与えるので、もし同義であれば、全部のペーパーを通じて同じような用語を使わないと誤解を与えるのではないかと思いますが。

○辻山部会長

同義というのは、使用価値のところですね。使用価値はよろしいわけですね。

○品川委員

私は、2ページで定義しているものであれば定義どおりに理解すればよろしいかと思いますが、であれば、5ページ、9ページ、10ページに、公正価値、時価、あるいは10ページのように公正価値(時価)というように用語を使い分ける必要はないと思うし、2ページで定義されたその定義を全部通して書かないと、別々の概念を導入したのかというふうに要らぬ誤解を与えるのではないかということです。

先ほどのように、正味売却価額というふうに、2ページで「売却見込額から」とこういうふうに書かれていたら、現在の売却見込価額というふうに想定できますから、そもそも割引率という概念、すなわち4ページで先ほどのような議論は出てこないのではないかと思います。そこがちょっと混乱していたものですからそういうふうに申し上げたんです。

○辻山部会長

わかりました。もう一度確認しますと「売却見込額」をもう少し広義にとった場合には、公正価値(時価)ということになろうかと思いますが。

奥田委員。

○奥田委員

確認なんですが、普通、公正価値なり市場価値等で定義されるものについては、売却費用というのは控除されていないんですね。だから、例えば、ここで言えば、正味売却価額が時価ではなくて、売却見込額の方が時価ということだと思います。

あと、売却見込額の算定に当たって割引という概念が入らないんじゃないかということなんですが、売却見込額を出すためには、市場の購入者の方で、割引現在価値で価額を算定する考え方もございますので、その方法が市場で一般的であれば、やはり市場価額は同じような方法で出すことになりますので、割引率というのはそこでは使われます。

○辻山部会長

もう一度確認いたしますけれども、公正価値(時価)と言っておりますのはここのペーパーで言っております売却見込額、そのとおりでございます。この公正価値というのと市場価額というものがどのような関係になるのかというと、観察可能な市場価額がある場合にはそれを持ってくる、それがない場合には、奥田委員がご指摘のとおり、キャッシュ・フローを見積もって割引、その場合に市場の平均的な期待をいずれも用いるということで、その点は奥田委員のご指摘のとおりだと思います。ここで言っております割引率のところは、使用価値に関する割引率ということで、その辺では一貫しているわけです。

○奥田委員

ただ、4ページの「割引率」のところに書いてあります使用価値の考え方についての文章の書き方は、実際、市場価値の算定において使う割引率にも当てはまる書き方になっているんですね。必ずしも違いが明確に出ていない表現になっていますので、もし分けるのであればもう少し使用価値の特性を書き込む必要があると思います。

○辻山部会長

もう一度確認しますが、この割引率はその前の将来キャッシュ・フローの見積もりとペアになっておりまして、それを受けてこの割引率のところは書かれておりますのでこのような表現になっているということですけれども、ご指摘のとおり、紛らわしいということであれば少しまた検討させていただきます。

斎藤委員、どうぞ。

○斎藤委員

今の問題については特にコメントするつもりはありませんが、1点、今の奥田委員のご質問の中に、3ページの減損損失の認識のところで、これに関連して、投資期間全体を通して減損を見込むのが実務的に困難であるから割引前キャッシュ・フローで減損を判断するという議論になっているけれども、その趣旨をきちんと説明しろという、そういうご質問でしたでしょうか。

○奥田委員

その質問も、先ほどの質問には入れたつもりだったんですけれども。

○斎藤委員

これについては私が答える立場ではなくて、むしろ私は論点整理の段階で担当していた当時の第一部会長として多少気になることがございますので、奥田委員のご質問に直接お答えすることにはならないと思うんですけれども、1点コメントをさせてください。

先ほど平松さんの方からこの3ページの該当部分を説明されるときに、確かに奥田委員が指摘されたようなご発言がございました。しかし、このペーパーも多分そうだと思いますし、論点整理ペーパーがそうであったんですけれども、基本的な概念として、投資期間を通じた収益性の低下による回収不能性という議論をしていて、それが実務的に困難だから現在の簿価の回収を考えようというのでは決してない、そこは繰り返し繰り返し議論をしたことなんですけれども、どうしてもうまく伝わらないんですね。平松さんは、わかっていないのではなくて、よくわかっていて、多分四方に気を遣っていらしてそういう議論になっていると思うんですけれども、念のためにその点はちょっと確認をさせてほしいと思います。

この議論は、決して実務的とかそういう問題ではないのでして、焦点は、今なぜ減損を持ち込むのかという、その問題に答えるということだったはずなんですね。つまり、なぜ減損かということは非常に簡単なように見えますけれども、実際には企業会計のロジックから非常に出てきにくい議論なんですね。最近はやりの資産負債アプローチみたいな概念を使って、資産や負債のストックの価値を開示してバランスシートのリアリティーを高めるという議論はあるいは出てくるかもしれませんけれども、もしそれですと切り上げも必要になるわけでありまして、減損の説明にはなっていないわけであります。含み益と含み損の両方がある会社に対して、益は無視して含み損だけを出せと言うためにはもっとまともな理屈が必要だというのが当初の出発点でありました。

また、これは、もし受験予備校ならば、減損というのは保守主義だよというふうに教えるでしょうけれども、ではなぜ保守主義かと言われたら、これは答えようがないわけであります。在庫品の低価評価を持ち出して、それが会計の慣行だというふうに言ってみても、それならばなぜ減損をやってこなかったのか、海外でも在庫の切り下げは古い歴史があるんだけれども、固定資産の減損というのは最近のことじゃないかと、日本でなぜ今それが必要なのかというふうに問い詰められたときに、一体何と答えるかというのが大問題だったわけであります。

人によっては、会計基準の国際的調和といったような議論を持ち出して、資本市場が国際化している今、海外でやっていることを日本だけやっていないというのは資金調達が不利になって困るということをおっしゃるかもしれませんけれども、しかし、会計基準というのは少なくとも証取法適用会社全体に及ぶものでありまして、そのすべてがすべて海外で資金調達をしているわけではないわけです。そのときに、本当に海外での資金調達が必要な会社はSEC基準を使えばいいし、現にそうしているじゃないかと、そういうふうに頑張られたときに一体どう説得するか、これも大変難しい問題であります。

この該当部分の記述は、これは企業会計の底流になる概念を使って減損の必要性を何とか説明しようとしたものであります。ご承知のように、アメリカの基準を含めて海外の基準は、もともと不況期につくられたものではないんですね。減損の基準というのはもうちょっと景気のいいときにつくられておりまして、この不況期に制度化しようとしている日本にとって、そういう点の説得性ではほとんど頼りにならないわけであります。理屈を突き詰めていけば、海外の基準の議論には概念として間違っているところも多々あったわけであります。それを何とか整理して減損の基準に持ち込もうというのが論点整理の段階の私どもの努力であったわけでありまして、当時から針の穴を通すような際どい作業だということを繰り返し申し上げたはずであります。

そういう経緯といいますか、そういう背景を持って、投資期間、全体を通した投資の回収可能性という議論をしていたわけでありまして、ただ、そうは言っても日本の場合には、今度のペーパーの1ページに書いてありますように、過年度修正に該当する部分というものを分けて処理する必要はないわけですね。言ってみれば、減損であれ過年度修正であれその期の損失にすればいいわけですから、ですからそれは差し当たってまとめて処理することができるだろうということでそれをまとめた減損の基準になっているわけでありまして、考え方として、投資期間を通じた回収というものが実務的にとらえがたいから、だから現在の簿価を将来の回収可能性に照らして評価するという議論にはなっていなかったはずだと、それは特に申し上げておきたいと思います。

○辻山部会長

どうもありがとうございました。

それでは、奥田委員のご指摘のうちもう1つ大きな部分がございましたので、そちらの問題に移らせていただきます。10ページでございますが、「投資不動産について客観的な時価を把握することは困難であり」という表現は受け入れがたいというご指摘で、これも、前回、前々回と議論をしてまいりました。

ここで言っている意味は、技術的に困難である、あるいは、鑑定士の方がいらっしゃるのにできないということではなくて、コストの面も考えた実務的なことであるということで議論が出たかと思いますけれども、そのことも含めてやはりこの表現に抵抗があるということですと、もう一度少し表現を変えるという工夫が必要かもしれません。ただ、ここでの趣旨は前回議論に出たとおりでございまして、評価することができない、不可能であるという意味ではないということです。

この点について、何か岩田委員の方から、前回と同じご発言を求めるような形になりますが、ひと言お願いします。

○岩田委員

この間ちょっとお話しさせていただいたのは、不動産鑑定をとったときに、同じ土地でありながら、例えば売る方と買う方で、鑑定士の方でかなり意見がお分かれになる。ある程度いろいろな、時点修正とか、同じような方法を恐らくとっていらっしゃるんですが、やはり考え方によって相当の開きがあって、それは売買する当事者間である程度話し合いをしながらある意味その辺の中間点に落ち着いたりするわけです。

そういったこともありますので、実際それは客観的な時価という意味合いとしてはなかなか把握するのは困難ではないか、これは実務の観点からちょっと申し述べさせていただきました。

○辻山部会長

どうもありがとうございました。

品川委員、どうぞ。

○品川委員

この10ページの問題で、私も税の実務の中でかなりこの財産評価の問題を取扱ってきたので、その実務に照らすと奥田委員のご発言というのはよく理解できるんですね。投資不動産の時価が把握できなければ、他の固定資産の時価がどうやって把握できるのかというのは同じようにできるわけで、時価の把握が困難だからという理由をあえてつける必要はないのではないかと思うんですけれども。

○辻山部会長

ちょっと検討させていただきます。

そのほかご発言ございますでしょうか。

どうぞ、清水委員。

○清水委員

3ページの損失の認識のところで、「将来キャッシュ・フローの総額(割引前)」となっているんですけれども、この支払い利息の方は控除するのかしないのか、あるいはそこまでは今まだ決めていないのか。米国基準の場合は、「割引前かつ支払い利息控除前」という記載になっているかと思うんですが。

○辻山部会長

それは3ページの下の方の将来キャッシュ・フローについて具体的に書かれたところで書かれておりますように、下から6行目でございますけれども、「利息の支払額並びに法人税等の支払額及び還付額を含めないことが適当である」というのが、この段階での一応決定です。

○清水委員

そうすると、米国基準と同じ考え方ということですね。

それから、ちょっと細かいことなんですが、損失の測定のところで、測定した結果減損が発生したときに、対象資産が土地・建物の両方ある場合に、正味売却価額を用いた場合には土地と建物の売却価額は恐らくそれぞれ出てくるんだと思うんですが、使用価値の方が高いとして、使用価値を用いた場合には土地・建物の価額というのがそれぞれ出てこない場合に、減損額を土地と建物にどう、単純に按分するのか、あるいはそれは今後の検討なのか、それによって今後の減価償却費等が変わってくる可能性がありますので、その辺はどうでしょうか。

○辻山部会長

ちょっと書く場所があちこち飛んでおりまして、少しその点も整理させていただきたいと思いますが、4ページの資産のグルーピングのところを見ていただきますと、現段階では、今のご発言に対する今までの議論の一応の検討結果というのは下から2つ目のパラグラフに書いてあるところでございます。減損損失が認識された場合でございますが、ここに書いてあるとおりでございます。

○清水委員

なるほど。合理的な方法ということで考えているんですね。わかりました。

○辻山部会長

どうぞ、品川委員。

○品川委員

ちょっと3点ほど質問したいんですけれども、最初の1ページのところで――これは私の理解不足かもわかりませんが、減価償却、臨時償却等々、減損を単一の会計基準で処理することができるというふうに読めるんですが。

減損の場合はこのグルーピングの取り方によって、臨時償却とはどちらかというと個別の資産ごとに判定して陳腐化していればそれは臨時償却の対象になるでしょうけれども、グルーピングの取り方いかんによっては、個別の資産の帳簿価額が高すぎるという問題があってもグループ全体で減損が生じていないという認識が生ずれば、そこは減損の生ずる余地がなくなる、そうすると、この単一の会計基準だけではちょっとフォローできないのではないかというふうに考えられるんですが、それは私が誤解しているかどうか、そこが1点。

もう1つはグルーピングの問題で、これはかねてから含み損と含み益の調整でどういう議論をするかということとの兼ね合いで、グループをかなり大きくすると、そのグループの中に含み益を持っている資産がある、また、含み損がある資産があって、全体で減損の兆候を見て、あるいは認識する場合に、含み益のあるものと含み損のあるものを全部総合して判断することになるかどうか。これは先ほどの斎藤委員のご説明を伺いながら、私自身がこの審議に途中で加わっているものですから、論点整理の段階でそういうことがどういうふうに整理されていたのかというのをちょっと教えていただければと思います。

もう1点、3ページの先ほどからのいろいろな議論の中にもちょっと関連するんですが、認識は帳簿価額を下回っている場合、測定は回収可能価額まで、ここでは著しいとか相当とかそういう乖離をあらわす概念はなくて、とにかく1円でも下回っていればというふうにも厳格に読めるんですけれども、ある程度のアローアンスがあるのかないのか、その3点についてお伺いできればと思いますが。

○辻山部会長

一番最初のご質問をもう一度お願いします。

○品川委員

これは、臨時償却の問題と減損会計の問題を単一の会計基準で処理できるのかどうか、そこが個人的にはちょっと疑問で。ただ、私は、今、臨時償却という言い方をしましたけれども、ここで言う減価償却などの修正ということがどういうことを意味しているかによっても違ってくると思うんですが。

○辻山部会長

今のご質問で、単一の会計基準という意味がちょっとよくわからないものですから。

○品川委員

ここで「単一の会計基準」と言っているものですから、全く同じ会計基準でやるのかどうかということです。

○辻山部会長

わかりました。ここで言っている「単一の会計基準」というのは、臨時償却の問題を含めて単一の会計基準で処理するという表現ではなくて、本来の減損の部分と減価償却の修正の部分が減損の中に含まれても特に不都合は生じないという、それはなぜかというと、減価償却の修正部分も日本の現行基準では遡及修正を行わないので、当期の減損というふうに考えても特にそこで重大な問題は生じないということです。

○品川委員

わかりました。単一の会計基準と言いましたから、それに関わるものもすべてそこの中でフォローするのかと思いましたけれども、今のご説明でしたらわかりました。

○辻山部会長

斎藤委員、追加的にご説明はございますか。

○斎藤委員

特に追加することはございません。確かに品川委員がおっしゃるように、単一という言葉がもしミスリーディングであれば検討した方がいいと思いますが、いずれにしても、減損と臨時償却というのは、かなりオーバーラップすると思いますけれども、同じではありませんので、その違いが出てくる可能性は当然あり得ると思っております。

それから、品川委員がおっしゃられた第2点のご質問で、私の方から申し上げていいでしょうか。

○辻山部会長

私がご説明しようと思っていましたが、どうぞ。

○斎藤委員

それでは、部会長からお願いします。

○辻山部会長

そもそも減損のこれまでの議論は、第一部会長は論点整理をされておりますが、含み損、含み益の問題を取り上げて議論をするというものではないということなんですね。

○品川委員

私が申し上げたいのは、グルーピングすることによって、グルーピングの中の資産によって売却可能価額を計算するにしても、あるいは公正価値と申し上げてもいいですし、AとBとCがあれば、Aは結果的には売却可能価額は高くて、Cが帳簿価額より低くて、ツーペイになって、結局、含み益と含み損は調整できるのではないかという……。

○辻山部会長

そういう意味でのご指摘でございましたら、ご指摘のとおりなんですけれども。

○品川委員

そうすると、今、経済界や何かでこの減損会計について異常に抵抗というか警戒感を持っているわけで、場合によっては――こういうのは余り理論的ではないのかもわかりませんが、グルーピングを大きくするために、この間は連結まで広げてグルーピングをするという話をしましたから、そうするとこの減損会計をもっと受け入れやすくする理論づけができないのかなというふうに感じたものですから。そこまでやったら身もふたもないのかもわかりませんが。

○辻山部会長

そういう意味ではこの4ページに書かれているとおりでございまして、グルーピングというのは、基本的には、「他の資産又は資産グループのキャッシュ・フローからおおむね独立した最小の単位」、そういうところが最小の単位ということでございまして、それを超えて大きくすることはできないというのがここでの基本的な考え方でございます。

○品川委員

そうすると、連結する子会社も含めてという発想はどういうところから出てくるんですか。

○辻山部会長

それは逆瀬委員からたびたびご指摘がございましたけれども、その場合であっても、資産グループ、キャッシュ・フローの生成のメカニズムが1つのグループとしてとらえられる、それが会社の単位を超えていた場合にはいかがなものかという、そういうご指摘でございますので、この元に書いてある資産グループの取り方と矛盾する考え方ではないということなんでございますが。

この点、逆瀬委員、特にご発言はございますか。

○逆瀬委員

ここに記載されているとおりです。

○品川委員

わかりました。

○辻山部会長

それから、第3点目でございますが、これは少し前を、順を追って読んでいただきますと、そもそも減損の損失の測定まで進むその段階でフィルターにかけられておりますので、測定をするということになったら回収可能価額との比較になるということなんですね。ですから、1円だけ低下しているようなものがそもそも減損の測定まで進むということはちょっと考えられないんですけれども。

○品川委員

2ページのところでも、そういうアローアンスの範囲が示せるような言葉が必ずしもあるようには思えないんですけれども、この兆候、識別、減損のうんぬんということで、ほかの会計基準では、著しく低下したとか、そういう類似の表現が今までの会計制度にありましたけれども、その辺の使い方をする必要があるのかないのか。

○辻山部会長

ですから、減損の兆候のところで先ほど逆瀬委員からご指摘がありましたような、継続的な赤字であるとか、著しい下落、著しい変化、ここでまず兆候をとらえまして、それからキャッシュ・フローの割引前のものとの比較、それに引っかかったものについて初めて帳簿価額を回収可能価額まで減額するということですから、もともと帳簿価額と回収価額を比べて、帳簿価額より回収可能価額が1円でも低下している場合にここまで進むというのは余り現実的な仮定ではないと思います。

○品川委員

それは極端な話ですけれども、2ページの下の方に書いてある「著しい下落」とか「資産価値の低下」というのは、兆候を認識する場合の原因ですよね。実際、3ページに行って、帳簿価額を下回っているかどうか、キャッシュ・フローの総額は帳簿価額を下回っているかどうか、あるいは、測定のときには帳簿価額を回収可能価額まで減額するとかということですが、こちらの方は、具体的な、帳簿価額とキャッシュ・フロー総額、帳簿価額と回収可能価額と、ここは金額でもって差額概念をあらわしているものですから、こちらの抽象的な意味合いとこちらの具体的な差額概念がどうもはっきりしないというか、こちらに来たら1円でもというのは極端ですけれども、アローアンスがほとんど読めないというふうに見えるんです。

いつも用語の厳密性をチェックしているものですから、私だけちょっと異常な考えなのかもわかりませんけれども、その辺を理解させていただければ大変ありがたい。

○辻山部会長

3ページでございますけれども、認識のところに、そもそも兆候が認められた資産について、次にそれを認識するかどうかのフィルターとして比較をする。そして、減損損失の測定のところの前段を読んでいただきますと、「減損損失を認識する必要があると判断された資産又は資産グループについて測定をする」ということですから、この前段の部分を読みますとそのようには読めないんじゃないかと思いますけれども。

○品川委員

では、前段のところではどのぐらいのアローアンスを考えているんですか、著しいとかそういうのは。

○辻山部会長

それがまさにこれからの――兆候のところはこれからの話ですけれども、兆候が認められたものについて、次に、さらに将来キャッシュ・フローの割引前のものと比較をし、そこで引っかかったものについて測定の手続きに入るということですけれども。

○品川委員

では、兆候を認識するところにどのぐらいの幅があるかということについてはこれから議論するということですか。わかりました。

○辻山部会長

そのとおりでございます。

秋葉委員、どうぞ。

○秋葉委員

今のお話は、多分、3ページ目のところの減損の認識のところの読み方で、全然アローアンスがないじゃないかというご指摘なのかなと思いますけれども。

そもそもここの文章にございますように「見積もられた将来キャッシュ・フロー」とありますので、この見積もりの中に相当程度のアローアンスが実際は多分入ってしまわざるを得ないのではないかというふうに思いますので、そこで実務的には相当入っているというふうに思われます。

また、割引前ということと帳簿価額を比べるということをここではうたっていますけれども、これをもし割引後で考えた場合に、もちろん将来キャッシュ・フローをどのぐらい見積もるか、期間をどのぐらい見積もるか、割引率をどのぐらい使うかということにもよりますけれども、ざっくりと七、八年とかで割引率の方もやや高めの率を使えば、現在価値ベース、割引後のベースというのはキャッシュ・フロー総額の半分ぐらいになるのではないかという試算ができますので、そうすると、現行、一般的に、他の資産について行っている強制評価減と考え方としてはなじむのではないかというふうなこともこの部会では話された経緯があったと思いますので、そういう意味では実務的に、強制評価減の場合も――確定的ではないですけれども、50%程度みたいなところでアローアンスがあるのと私自身はそれほど違いはないんじゃないかというふうに読んでおります。

○辻山部会長

どうもありがとうございました。

そのほか。

○品川委員

しつこいようで申しわけないですが、今のご説明に関連して、兆候で大体5割ぐらい値下がりするだろうということで今度は認識をするわけですが、これは将来キャッシュ・フローの期間の取り方が、先ほどから土地を含んでいたらどうなのかという議論がありますから、割引前であるがゆえに、この兆候のときは5割ぐらいは下がっても、キャッシュ・フロー総額はまた10割に戻るというか、とり方によってそういうふうな場面というのは幾らでもあると思うんですね、これはキャッシュ・フローの見込み期間によってどうにでもなる話ですから。となると、なかなかきちんと理解できるのには難しいかなという感じはするんですけれども。

○辻山部会長

ただいまのケースでございますが、あくまでも兆候ですから、減損とは何ぞやというところに戻るわけですね。キャッシュ・フローでカバーできる、しかも最終的に測定に行く場合には、回収可能価額が帳簿価額を上回っているということであれば、減損は認識されない、測定されないという仕組みになっているわけでございます。

○品川委員

兆候が認められても割引前キャッシュ・フローであるがゆえに、期間が長くて、キャッシュ・フローが多くなって、結果的にはもう測定する必要がないということが往々にしてあるということですね。

○辻山部会長

往々かどうかはわかりませんけれども、そういう場合もあるということです。

都委員、どうぞ。

○都委員

私の方からは、土地についてなんですが、我々がここで議論をしているときに、当然、固定資産の中に土地も含めることを前提にしてずっとこれまで話してきておりました。多くの外部の受け止めもそうでありますが、一方で、土地は永久に使用可能で減耗しないというコメントがここにもありますとおり、やはり土地についてはずっと減耗しないのであるから、そもそも減損の対象にはならないのではないかというような受け止めをする人も中にはおります。

したがって、当然我々はこれを入れることを前提して議論をしてきておるわけでありますが、土地についてはここにあるとおり、永久に使用可能で減耗しないという特性はあるけれども、やはり減損はここで考えるんだということについて、対象資産の中で何か、こうこうこうだからそれも入れるんだというような言及があればよいのではないかと思っておりますけれども。

○辻山部会長

この点はちょっと難しい問題でございまして、減耗しないからというのは、戻し入れのところで書かれている7ページの表現でございますが、とりあえずの減損の認識の段階では、キャッシュ・フローで現在のプロジェクトの投資額を回収できないという判定がなされる、それによって減損が認識されるという、これはこのまま土地についてもあてはめられているわけです。しかし、そのあるプロジェクト終了後も土地がまだ残っていて再使用が可能だというケースが往々にして考えられるわけですね、土地についてはそのようなことだと思いますけれども。その場合に、土地については別途戻し入れの措置といいますか、戻し入れをするような仕組みを考えたらどうかということはたびたび何人かの委員からご指摘がございましたので、ここではそれを指摘しているわけでございます。

○都委員

ここのところを私はお願いしているのではなくて、そういう特性があるということをここではっきり言ってるわけですから、であれば、なおかつそれを減損の対象にするんだということについて何か理由というか、そういうものが……。

例えばほかの資産というのはすべて有形のものですから、投資回収期間がはっきりわかるから、その中での将来キャッシュ・フローというのも当然計算しなくてはならないというのはわかるんですが、土地というのは永久に残って、かつ、その残存の価額がいつまでたっても残る、そうすると、場合によっては減損を認識しなくてもいいのではないかという考え方もなくはないわけですよね。あるけれど、これは入れるということを前提として我々も議論をしてきたし、そう受け止めているんですけれども、理屈の上では、こうだから入れるんですよという何か一言ある方がいいのではないか。しかも、土地については別途個別に今後の取扱いも考えていかなければいけないという意見も一部にありましたし、そういうことがあった方がよいのではないかということであります。

○辻山部会長

ご意見として承りますけれども、減損とはそもそも何かというときに、投資額の中に土地が含まれておりますので、そのプロジェクトの中で、逆にキャッシュ・フローの見込みの中にも土地のターミナル・バリューというものも反映されますので、そういう意味では、減損の認識の中で、土地について、とりわけ土地も含めなければいけないんだよということを書く必要があるのかないのかというのは、ちょっとまた検討させていただきたいと思います。ご意見として承っておきます。

笠間委員、どうぞ。

○笠間委員

一番最初の問題に戻るんですけれども、部会長のご説明のとおり、これはいわゆる枠組み、コンセプトのまとめで方向性を出しているわけですけれども、例えば投資不動産とか土地の話がございましたけれども、そういうキャッシュ・フローの現在価値の手法と具体的な中身とか実務的な検討の道筋が見えないということが当然あります。

そういう中で論点整理のコンセプトから方向性を出したというものを公表するということでございますので、このまま公表するということはやはり……、導入時期とか経過措置の内容について言及しないと、先ほど導入のための環境整備のアナウンスという話がございましたけれども、逆に世間とか企業の不安をあおるのではないかというふうに考えます。

以上です。

○辻山部会長

どうもありがとうございました。

小宮山委員、どうぞ。

○小宮山委員

1点だけ確認ですけれども、中間のところの取扱いがたしかあったと思うんですけれども、9ページです。これが意味するところは、前回の荒木委員の報告からの流れでいくと、要するに、中間でやったら戻しはしないでそこでおしまいにするよという意味で書かれている文章ですかね。

○辻山部会長

荒木委員、ご発言をどうそ。

○荒木委員

そのとおりです。

○小宮山委員

前回の話を聞いているとそういう意味じゃないかなと思うんですが、この文章をよく読むと、中間でそうやった場合、「年度決算においては、減損会計を適用することが適当と考えられる」と書いてあると、年度でもう一回やれと言っているように読めるような気がちょっとしたんですけれども。

要は、中間の期末の時点と年度末決算と減損の兆候に著しく変化が生じていない限りは、もうやらなくていいですよという意味だろうと思うので、何かここのところに少し入れた方が趣旨が伝わるような気がちょっとしたんですけれども。

○辻山部会長

荒木委員、特にご発言はありますか。

○荒木委員

確かに小宮山委員のおっしゃるとおりだと思いますけれども、少し検討させていただきたいと思います。

○辻山部会長

ここに書いてあることの趣旨は今小宮山委員に確認していただいたとおりなんですが、中間でやっているのに、そこで落とした後のものに減損会計を適用しても恐らく引っかからないだろうという含意があってこういう書き方になっております。

○小宮山委員

頭から読むか、お尻から読むかによってちょっと読み方が違ってきちゃうような気がしたので。

○辻山部会長

ただ、中間で一度、兆候、認識と進んで、落として、それからさらに期末までに著しい変化があった場合にはなおかつ適用するという意味も含まれている。ただ、恐らくはほとんど引っかからないだろうということだと思います。どうですか。

○荒木委員

今の部会長のご発言の中で、ほとんどそういう例はないんじゃないかというご趣旨のご発言だったのですが、実際にはかなりあるんじゃないかなと思います。上半期で減損の兆候があって、例えば工場を閉鎖するという意思決定にはまだ至っていないけれども、使用継続するという前提で減損会計を適用して、下半期で、例えば工場を閉鎖するなり、そういうリストラを行うということで、さらに減損の兆候だということで減損会計を適用するということは非常にあり得るのではないかと思うんですけれども。

○辻山部会長

あればやはりこの表現でないといけないということですね。

○荒木委員

そうですね。そういう場合もあるということでこうしたんですが、確かに小宮山先生のおっしゃるとおりですので、少し検討したいと思います。

○辻山部会長

そのほか。

どうぞ、参事官。

○大藤参事官

先ほど笠間委員の方からご発言がございましたけれども、いずれにしても、全体的に中間的な報告をするというのは、かえって無用な不安とか混乱を避けるという意味で、正確な情報発信をするということが必要だという趣旨にも沿うものだと思いますので、笠間委員の方でむしろ具体的な、こういうふうにすればいいのではないかとか、こういうことをむしろ盛り込むべきではないかというようなことがもしあれば、この場でご検討していただいた方がいいんじゃないかと思いますけれども。

○笠間委員

そういう意味では、第9回の意見整理のところで導入時期とか経過措置の内容が若干示されておりますけれども、それはそのまま書けるものとか書けないものとかあろうかと思いますけれども、やはりそれをベースにして検討すべきものではないかというふうには思っていますけれども。

○辻山部会長

部会の中で経過措置についてもかなりまとめて議論したことがございますので、もし方向性を出すのであればそれもあわせて盛り込んでもらいたいという、そういうご意見というふうに承りました。どうもありがとうございました。

そのほか。

伊藤委員。

○伊藤委員

幾つか質問させていただきたいのですが。

3ページの書きぶりの問題なんですが、下から2行目の「例えば」のところで、「資産又は資産グループの計画されていない将来の」ということになっていまして、これは計画されていればある程度の確実性は要るんでしょうけれども、計画されていればキャッシュ・フローを含めることができるというふうに読めるんですが、次のページに遊休資産がありまして、これは実務界では大分気にしてまして、そのときの修飾語は「将来の用途が定まっていない」ということになっていまして、計画されているとかされていないとは書きぶりが違うんですが、何か意味があるんでしょうかというのが1つです。

それからもう1つ、そのページの一番下のパラグラフなんですが、要は、将来キャッシュ・フローの見積もりにおいて、確かに項目立てから言うと私が今から言うのは細かなことなんですが、実務的には相当キャッシュ・フローに大きな影響を与えるのが2つあるように思います。

何回か話題になりましたが、土地は無期限とは考えないというのはわかるんですが、例えば定期借地権法でいうと50年とか、海外においては10年とか、そういうのがあると思いますが、特に上物のない更地あるいは駐車場用地については、何年を限度にキャッシュ・フローを見積もることも考えられるとか、そういうのを1つ出した方が読者としてはわかりやすいのかなと、特に不動産業の場合はイメージがつかめるのかなという気がします。

もう1つは、「残存使用期間」という書き方になっていまして、実は耐用年数というのは今ほとんどの会社は税法の年数を使っていまして、半導体以外はほとんど税法の年数だと思うんですが、税法の年数で、残りが残存使用期間なのか、それとも、本来使用価値でやるのなら会社が使えると考えられている年数がその残存年数なのかというのは整理があるような気がしまして、私は会社が考えられている年数でいいと思うんですが、そういう使い分けがどうなるのかというのを教えていただければと思います。

それから4つ目は、減損の戻し入れの件なんですが、私もはっきり結論が出ているわけではないんですが、7ページの第2パラグラフの「しかしながら」という記載がございます。理由としては3つお書きになっています。

まず、「減損損失の認識と同様に、いかなる場合に減損損失の戻し入れが認められるべきか」、これは兆候の峻別といいますか、識別が難しいということだと思います。それから、「利益の実現を待たずに期待の変化だけで収益となる戻し入れ」というのがありますが、最初のものというのはおおむね兆候の反対のもの、反対に回復している側面があれば戻し入れと認識してもいいのではないかという気がしますし、「利益の実現を待たず」というのは、そういう側面から見るとそうなんですが、私から見ますと、取得価額までの費用の修正である、既に落とした費用を戻しているんだということにすれば、未実現利益という認識でなくてもいいのではないかと思います。

ただ、3番目にあります「実務上の適用」というのがありますので、実務上の要請と、国際会計基準とアメリカの基準の、将来、世界がどういうふうな会計処理の方向性になるかということも考えて――難しいとは思いますが、それをご検討いただければと思います。

最後は9ページなんですが、今、中間の取り崩しの件がありまして、ここに書かれておりますのは『中間財務諸表作成基準』とは異なる提案をされておりまして、私は、上期に発生したものは上期に減損処理をし、下期に当該事由が発生したものは下期で減損処理することでいいと思うんですが、減価償却の修正までする必要があるのかなという、商法の相当の償却とか何かの関係かもしれないんですが。ちょっと前回欠席しましたのでダブるかもしれないんですが、私は減価償却の修正まではしなくても実務的にはいいのではないかと思うんですが、それについてお考えを教えていただければと思います。

○辻山部会長

それでは、ちょっと順不同でございますが、一番最後の減価償却の修正をする必要があるやなしやということなんですが、この点についてはそこまでは考えていないんじゃないかと思いますが、荒木委員、特にここでご発言はございますか。

○荒木委員

これは、上期で減損処理を行って、それに基づいて減価償却を行うということを前提としていまして、伊藤委員のご趣旨は、下期の減価償却費も減損処理前の帳簿価額でやるのでいいのではないかというご趣旨なんでしょうか。

○辻山部会長

ご質問のご趣旨はどうでしょうか。

○伊藤委員

わかりました。失礼しました。例えば、上期10億の減損だったらそれでフィックスをして、後は通常に減価償却をしてという意味ですね。済みません、勘違いをしていました、失礼しました。

○辻山部会長

それでは、ご質問が5点で、あと4点ございますけれども。

第1点目は3ページ目で、「計画されていない」という修飾詞がついているので、計画されていればよろしいのかということでございますけれども、それは読まれたとおりでございます。それと、「将来の用途が定まっていない」という別の表現ですけれども、遊休資産について「計画されていない」という修飾詞はつかないわけでございまして、中身については同じというふうにお読みいただいてもいいのではないかと思います。

それから、更地のキャッシュ・フローの見積もり期間であるとか、3点目の残存使用期間の問題ですね。特に更地の見積もり期間等につきましては、この段階で盛り込むほど具体的な年限はまだ意見がまとまっていないということと、中間段階でも、どのレベルでそれを入れるのかということについてはまだ今後検討の余地があろうかと思います。

それから、残存使用期間については、伊藤委員のご意見はごもっともだと思いまして、これについては会社の、特に税法で定められた残存使用期間に企業会計が縛られるというふうには考えないのではないかというふうに解釈しております。

戻し入れにつきましてですけれども、この7ページの書き方については、ご意見というか、そういうことで承ってよろしいのでしょうか。書き方が、実務上の適用だけならいいけれども、その2つのことが入っていると矛盾しているということですか。ちょっとご発言の意図がよくわからなかったんですけれども。

○伊藤委員

理由としまして、2つの理由だけですと個別に議論が起きるのではないかという気がしまして、じゃあ本当に戻し入れをしないのがいいのかというときの理由としては弱いのではないかという私のイメージがあるんですが。

○辻山部会長

この点につきまして、特に秋葉委員、ご発言ございますか。

○秋葉委員

私の理解ですと、この部会での議論は、結論的には戻し入れを行わないというのが多数的な意見ではなかったのかなというふうに理解しておりまして、その大きな理由は、一番最後にありますように、実務上の適用の問題だと、事務的負担の増大だという意見が多かったというふうに理解しております。ですから、その理由だけでももしかするといいのかもしれませんが、逆に、若干でも少し違う理由を入れた方がいいのではないかということで前の2つは入れたような経緯と理解しておりますので、弱いというふうにおっしゃられると、3つ目だけがあれば強いのかという話にも逆になるような気がいたしまして、私としては、3本の矢じゃないですけれども、3つ集まって少しは力強さが出たのではないかなというふうには思っています。

○辻山部会長

この点につきまして、高野委員、何かご発言はございますか。戻し入れにつきましてはどういうご意見でしょうか。

○高野委員

私は、一回減損したものは一回切り離してありますので、特に戻しいれる必要はないのではないかと思います。

○辻山部会長

田辺委員はいかがでしょうか。

○田辺委員

1つだけご質問があるんですけれども、9ページの土地の再評価を行った土地の取扱いのところなんですが。

平松補佐のご説明の中で、再評価差額金の取り崩しについては今後も検討される必要があるので書かれていませんというお話があったのですが、そこには再評価差額金を取り崩すべきかという問題と、取り崩す場合に、差額金の取り崩し益と減損損失を相殺することを認めるかどうかという、両方が含まれているという理解でよろしいんでしょうか。

○平松課長補佐

これは私の理解なんですが、取り崩すということについては基本的にはそういう方向かなと思っているんですが、それ以後の処理についてはご意見が分かれていたのではないかなという認識をしているんですが。

○田辺委員

わかりました。

○辻山部会長

田辺委員、戻し入れにつきましてはいかがでしょうか。ご意見はございますか。

○田辺委員

戻しいれのところにつきましては、もちろん実務的には戻し入れをしない方が簡便だとは思うんですけれども、あとは、減損をそもそも認識する時点でどの程度厳しく認識するかということとの関連で考えるべきだと思いますので、そこのところでそれほど頻繁に減損が発生しないというようなことなのであれば、戻し入れはしないということもリーズナブルなのではないかというふうに思います。

○辻山部会長

伊藤委員、よろしゅうございますか。

それでは、奥田委員、どうぞ。

○奥田委員

済みません、キャッシュ・フローというものの考え方なんですけれども、もしかしたらこれは過去の委員会の中でキャッシュ・フローというものの定義がなされているのかもしれないんですが。

例えば3ページのところに(4)として「将来キャッシュ・フロー」ということが書かれているんですが、下から2番目のパラグラフに、「将来キャッシュ・フローには利息の支払額並びに法人税等の支払額及び還付額を含めないことが適当である」というふうに書かれているんですが、ここに書いてある趣旨というのは、利息の支払額や法人税等の支払額及び還付額というのは控除しないという意味かと思うんですけれども。

それで、例えばもし控除しないということであれば、ほかに控除しないものはどういうものがあるのかとか、キャッシュ・フローというふうに言った場合に、人によって何を控除するというのは特に不動産の場合にはかなり差がありますので、もし可能であれば、例えばどういうものが控除されて控除しないのかというようなものを定義なりで明示した方がわかりやすいと思います。例えば、借入金の元本は控除しないということだと思うんですけれども、そういうようなことも含めて説明を加えた方がわかりやすいのではないかと思います。

○辻山部会長

川村委員、特にご発言はございますか。これはそこまで書く必要があるのかというのはちょっと疑問がございますけれども、何かご発言はございますか。

そこまでは厳密に書かなくても、通常、ここまで書けば大体共通の認識があるのかなという理解でございますが。

○奥田委員

もしそういうことで特に問題がなければ、この形でもよろしいかと思うんですが、ちょっと私の方でわかりにくかったので質問しました。

○品川委員

関連質問でよろしいですか。

この「法人税等」の「等」の中に、いわゆる所得に対する税金、すなわち事業税とか住民税を含んで考えているのか、あるいは、物税である固定資産税等は除くのか、さらに、将来に外形標準課税みたいなのが出てきた場合にそれはどういうふうに考えるのか、そういうところはまだ考えていないんでしょうね。

当然、キャッシュ・フローとは何かという今の奥田委員の関連では、その辺を整理しておかないと、ただ「等」だけではちょっと理解しがたい場合が出てくるのではないかと思いますけれども。

○辻山部会長

ご発言の趣旨は理解しましたけれども、ここで言っている「等」というのは、通常、利益に課税される法人税等という意味で使っているんですが。

○品川委員

ただ、外形標準課税みたいなのが入ってきたら、あれは極めてヌエな税金になって利益とも物税とも言えない場合が出てくるわけですよね。

○辻山部会長

今後検討させていただきます。

そのほかご意見はございますでしょうか。

平松委員。

○平松委員

表現についての簡単なコメントを1つだけなんですが。

10ページの2の「投資不動産の時価情報の注記」の説明文の2行目、ここに「原価モデル」というのが出てまいりますが、この文章では、国際会計基準の公正価値モデルと原価モデルについての説明はほかには特にないので、この「原価モデル」という用語を使わずに表現した方がいいのかなという気が今いたしましたので、意見として申し上げました。

○辻山部会長

ありがとうございます。そのほか。

都委員。

○都委員

5ページの共用資産のところで、「複数の資産グループの将来キャッシュ・フローの生成に寄与する資産」というふうに定義されているわけですが、どうしても一般実務で受け止めたときに、「将来キャッシュ・フローの生成に寄与する資産」と書いておると、じゃあ将来キャッシュ・フローをそもそも期待しておらない資産、例えば福利厚生とか、あるいはもっと地域への貢献のためにスポーツ施設を持っているものとか、こういうものは入らないのかという受け止めをしないわけではない。広い意味では、企業は将来キャッシュ・フローを返すための一助になっているという意味では入るんでしょうけれども、念のためその確認ということで内容のご質問をさせていただきました。

○辻山部会長

川村委員、ご発言はございますか。

○川村委員

やはり直接的にキャッシュ・フローの生成に寄与するというふうにかなり限定して考えてしまいますと、今おっしゃられたような福利厚生施設などで問題が生じてしましますので、ここの「寄与する」というのはかなり間接的なものも含んでおりますので、その辺を明確にする必要があれば検討していただきたいというふうに思っております。

○辻山部会長

そのほかございますでしょうか。

増田委員。

○増田委員

先ほどの奥田委員の質問にもあった、9ページ目から10ページ目、「投資不動産の会計処理」及び「投資不動産の時価情報の注記」、この2つの項目全体について私はよくわからないところがあるんですが。

というのは、先ほど来何度か話題に出ましたけれども、減損会計の導入の話をしているのであって、時価会計の導入の話ではないということであれば、こういう議論をここに含めること自体が適当かどうかという疑問があります。

もう少し細かく具体的に言うと、投資不動産の時価情報については注記だけでもした方がいいんではないかという議論が2の第1パラグラフに出て、その反対意見としての第2パラグラフの方に「投資家にかえって誤解を与えるのではないか」というような文章が出ていて、これは投資家を代表する立場としてはちょっと問題のある表現かなという気がします。

つまり、実務的に把握するのが容易な情報か困難な情報かということはあれ、もし把握することができる情報であれば、それを公開すること自体が投資家に誤解を与えるというような理由で公開しないというのはどう考えてもおかしな考え方でして、もし誤解を与えるような情報であれば、それは誤解を与えないように企業会計を担当している側が説明するのが責任の範囲内の話だと思います。

こういうような反論をするというようなことはそもそも必要があるのかという疑問がありまして、さっきも申し上げましたけれども、時価会計の導入ではなくて、減損会計の導入の話をしているんだから、時価会計は注記であれ財務諸表に本則で載せることであれ、それはやらないということを一言だけ言えばいいのではないかという気がしますが。

○辻山部会長

ご質問の第1点目でございますけれども、この部会は固定資産部会でございまして、減損会計の問題だけを取扱っているわけではございません。ですから、本日のこのペーパーも、まず1つは固定資産の減損の問題、それと、2番目の大きな問題として投資不動産の問題を扱っているわけでございます。投資不動産の問題のところでは、時価会計を導入することが妥当かどうかということを書いておりますので、この点でちょっと誤解があるのかなというのが第1点目でございます。

第2点目でございますが、ここで言っている「誤解を招く」あるいは「混乱させる」ということについては、情報として多ければ多いほどいいということは一方でありますけれども、ここで言っているのは、会計情報、とりわけ時価の変動を損益に算入することが誤解を与えているという趣旨の表現でございます。ですから、時価があれば何らかの役に立つでしょうということのご発言であれば、それはおっしゃるとおりでございますが、ここでは時価の変動を損益に算入することによって与える誤解について述べているということでございます。

○増田委員

そういうことなんですか。この文章を読んで、時価を損益に算入するということがどこに書いてあるのかよくわからないのですが。

○斎藤委員

多分それは損益の問題ではなくて、ストックの時価の話だと思いますけれども、ここの「かえって誤解を与えるのではないか」という表現は多分お役所が慣行的に使う表現ではないかと思うんですね。恐らく言いたい意味は、誤解を与えるというか、事業上に使っている資産でありますから、時価というものが投資家にとってレリバントな情報ではないという趣旨をこういう表現で言っているということではないかと思うんですけれども。

○辻山部会長

失礼しました。ちょっと私はご指摘が注記のところだというのを見落としていました。注記のところであれば、時価としても売却する意図がない、今売却しない情報として有用なのかどうかということであります。「誤解を与えるのではないか」という表現についてはちょっと検討させていただきます。

そのほかありますか。

時間が少し超過いたしましたので、本日の部会はこれで終了させていただきたいと思います。

次回は、本日いただいた意見を踏まえまして、固定資産の減損会計、投資不動産の取扱い、この2点につきまして公表文の内容を固めていきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

なお、次回の当部会の日程でございますが、6月29日4時からを予定しております。詳細につきましては、改めて事務局から皆様方にご連絡をさせていただきたいと思います。

本日は、皆様方には、大変お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。これにて散会とさせていただきます。

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