平成13年7月30日
金融庁

企業会計審議会第13回固定資産部会議事録について

企業会計審議会第13回固定資産部会(平成13年6月29日(金)開催)の議事録は、別紙のとおり。

(問い合わせ・連絡先)

金融庁(TEL 03-3506-6000)
総務企画局企業開示参事官室
企業会計審議会事務局


企業会計審議会第13回固定資産部会議事録

日時:平成13年6月29日(金)午後4時00分~午後6時03分

場所:中央合同庁舎第4号館9階金融庁特別会議室

○辻山部会長

定刻になりましたので、ただいまから第13回固定資産部会を開催させていただきます。本日は皆様方にはお忙しいところご参集いただき、ありがとうございました。

それでは早速ですが、議事に入りたいと思います。

本日は、前回と同様、固定資産の減損会計及び投資不動産の問題全体につきまして、主要な論点を中心に、意見の集約に向けて、意見交換を行ってまいりたいと思います。

前回のご指摘、ご議論等を踏まえまして、前回使用しましたたたき台を修文いたしました。「経緯」や減損会計の「適用関係」の項目を加えました資料を、私の方で、委員の皆様方のご協力を得ながら準備させていただきましたので、本日はそれをもとに議論を進めてまいりたいと思います。

皆様のお手元に、委員限りということで、「固定資産の会計処理に関する審議の経過報告(案)」というものがございます。これに沿って本日は議論を進めてまいりたいと思います。

それでは、事務局からたたき台の修正点等につきまして、ご説明をいただきたいと思います。では、事務局、よろしくお願いいたします。

○平松課長補佐

それでは、簡単にご説明させていただきたいと思います。

まず「経緯」のところ、これは新しくつけ加わったところですので、読まさせていただきます。

『当審議会は、昨年7月に開催された総会において、第一部会で審議されていた固定資産の会計処理の問題を同部会から引き継いで検討するために、固定資産部会を設置した。

固定資産部会は、昨年6月に当審議会により公表された「固定資産の会計処理に関する論点の整理」(以下「論点整理」という。)において最優先の課題とされた固定資産の減損会計及び国際会計基準との対比から検討課題とされた投資不動産の取扱いについて、昨年9月以降、○○回にわたり部会を開催し、審議を続けてきている。

これまでの部会の審議においては、論点整理に対する各界のコメントを踏まえ、部会の所属委員や参考人からのヒアリングを行うなど、理論と実務の両面から幅広く検討が行われた。

現在、部会では、論点整理で明らかにされた各論点について、その方向性を明らかにすべく意見の集約を行っているが、論点は広範多岐に亘っており、投資不動産の取扱いなど意見が十分に集約されていない項目もある。また、固定資産の減損会計は、固定資産を事業活動の実態に応じてグルーピングし、将来キャッシュ・フローを見積もるなど、我が国においては、従来の会計基準では例のない新しい会計手法を用いることが見込まれることなどから、我が国企業の事業活動、経済取引の実態を踏まえた、実務的・技術的な面で十分対応可能な会計手法を基準化すべく議論を尽くし、明確にすべきではないか、との意見も出されている。さらに、新たな会計基準の検討に当たっては、基準の検討段階から、その審議内容等について適宜情報の発信に努めつつ検討を進めることが望ましいとの指摘もある。

当審議会としては、以上のような点を踏まえ、論点整理に則し、これまでの議論の概要や考え方等を明らかにすることとした。今後、当審議会は、広く各界から寄せられる意見を参考とし、固定資産の減損会計等について、審議を続けていくこととする。』

続きまして、「固定資産の減損」でございます。

まず、一の「減損の意義」のところでございますが、ここのところはタイトルを文章の中身に合わせるといいましょうか、より正確にするために、「減損の概念及び意義」というふうに変えております。

それから、一番下のところでございますが、前回、品川委員の方からご指摘があったと思うんですけれども、「単一の会計基準」という文言が使われていたわけですが、そこを少しわかりやすくということで、「このため、他の基準を適用しなければならないものを除いて、回収を見込めない帳簿価額の切下げを一纏めにして、減損の会計処理を適用することとした」というふうに修文をしております。

3ページ目でございますが、「減損の認識及び測定」というところでございます。

まず真ん中あたりのところですが、3つ目のパラグラフ、「当期の費用として処理」、これは文言の修正でございますが、従前は「期間費用に算入する」というような表現が使われておりましたが、表現を改めております。

それから、ここのところは品川委員、奥田委員から時価の問題についていろいろご指摘があったところでございますが、「売却見込額」というところを「時価」に改めるとともに、時価について注記を設けまして、そこで定義をしております。その下の部分ですが、「時価とは、公正な評価額をいう。通常、それは観察可能な市場価格をいい、市場価格がない場合には合理的に算定された価額をいう」ということでございます。ということで、「売却見込額」「時価」「公正価値」といった言葉が使われてきたわけですけれども、以後はすべて「時価」という言葉に統一しております。

それから、この「注」の言い方なんですが、これはとりあえず金融商品に係る会計基準の時価の定義を参考にして書かれたものでございます。市場価格がない場合には合理的に算定された価額をいうということでございますので、その中には、キャッシュ・フローの割引現在価値を使った方法も含まれるのではないかと思われます。

次の4ページ目の「減損の兆候」のところでございますが、これも品川委員の方からご指摘があったかと思いますけれども、従前の「資産価額」あるいは「資産価値」というようなところをより正確に、「資産の市場価格」あるいは「資産の使用価値」というふうに改めております。

それから、「認識」のところでございますが、減損の概念との関係で、少しこういったことを検討してもよろしいのではないかということで入れておりますけれども、「見積もられた将来キャッシュ・フローの総額(割引前)が帳簿価額を下回っていても、過去のキャッシュ・フローを考慮すれば当初投資額の回収が見込まれる場合の取扱いについては、今後検討する」という1つの提案が入っております。

それから、「測定」のところは「当期の費用として処理する」というのは前のところと同じで、「期間費用に算入する」という文言の訂正でございます。

5ページ目でございます。

キャッシュ・フローのところの最後のパラグラフ、「残存使用期間」の前に「経済的に見込まれる」という文言を挿入しております。これは伊藤委員からご指摘のあったところでございますが、必ずしも耐用年数を使わなければいけないというようなものでもないということで、少し明らかにしようということではないかと思います。

6ページ目でございます。

「共用資産の取扱い」のところですが、他の部分との比較におきまして、この部分だけ共用資産についての減損損失の配分方法についての記述がなかったものですから、それを追加しております。

まず、共用資産ですが、1つの大きなグループにくくるという方の、上の方のやり方についてなんですが、これは全体を読んだ方が分り易いと思うので、読まさせていただきます。

『共用資産については、原則として、共用資産が将来キャッシュ・フローの生成に寄与する複数の資産グループを一つの資産グループとし、この資産グループに共用資産を含めて、減損損失の認識及び測定を行うことが適当と考えられる。この場合に認識される減損損失については、共用資産を含まない個々の資産グループについて認識された減損損失を控除し、残額を共用資産に配分する。』

ただし書きの方は、共用資産を各資産グループに配分する方法でございます。

『共用資産の帳簿価額を合理的な方法により各資産グループに配分することができる場合には、各資産グループにおいて、共用資産を配分した後の帳簿価額について減損損失の認識及び測定を行う。この場合に認識される減損損失は、帳簿価額その他に基づいた比例配分等の合理的な方法により、資産グループに配分された共用資産を含む資産グループの各構成資産に配分することになる。』

それから、「のれん」のところは文章の整理を行ったということでございます。内容的には変わっておりません。

それから、7ページの下の「戻し入れ」のところなんですが、これも文章の整理をして意味を明確化したということでございます。中身は変わっていないと思いますけれども、一応読まさせていただきます。

『固定資産の収益性の低下による減損処理は、前述のように減損の存在が相当程度に確実な場合に、回収可能価額の見積りに基づいて行われる。このため、減損処理後の年度において、回収可能価額の見積り誤りが判明した場合には、減損損失の戻し入れを行うべきであるとする考え方がある。特に土地については物理的に減耗しないという特性があるため、長期の保有の間に収益性が回復することも考えられる。』

ここのところは、前回、都委員からご指摘があったところですが、「物理的に減耗しない」というこの文章の意図をはっきりさせております。

次のページでございます。

『しかしながら、収益性が回復したとはいっても、減損損失の認識と同様に、いかなる場合に減損損失の戻し入れが認められるべきか必ずしも明らかでなく、また、取得原価の範囲内であっても利益の実現を待たずに期待の変化だけで収益となる戻し入れを認識するのが適当かなど、減損損失の戻し入れにはさまざまな問題点が指摘されている。』

このように訂正をしております。

それから、漢数字の三で、「対象資産」でございますが、前回、逆瀬委員から、自社利用ソフトの問題とか、投資その他の資産で、組合に対する出資とか、やや細かい話なんですけれども、対象資産になるかどうかというのが問題になるようなものがあるのではないかというご指摘がございました。この書き方は例示的に記載しているということをはっきりさせるために若干修文を行っております。

「他の基準に減損や評価に関する定めがある資産、例えば」ということで、以下の内容は変わっておりませんけれども、例示的であるということを明らかにして、前回指摘されたようなものについてはさらに検討をするというふうになろうかと思います。

次の9ページでございますが、漢数字の五の「適用関係」については新しく入りましたので、読まさせていただきます。

『減損会計においては、事業用の固定資産について将来キャッシュ・フローを見積もるなど従来の会計処理では必ずしも一般的でない手法が用いられること等から、適用時期の決定に当たっては、会計基準を実務に適用する場合の具体的な指針等が明らかにされた上で、企業等の関係者が実務に習熟し、新しい会計基準に対応するための体制を整備する準備期間を確保できるようにするなど、基準の策定から実務への適用までに十分な期間を置く必要がある。また、経過措置については、減損会計導入の趣旨等を踏まえつつ、今後検討する。』

それから、「リース」のところでございますが、10ページ目でございます。ここのところも少し言葉の整理をしておりますが、下から3行目の「現在価値等」というところなんですが、ここにつきましては、前回、逆瀬委員から、現在価値だけではなくて、グロスの数字も使えるようにしてくれないかというご意見がございました。その意見を踏まえまして、「現在価値等」として一応「等」を入れております。この点についても、今後さらに検討されるのではないかと思います。

次の「中間財務諸表」の点でございますが、前回、小宮山委員から、文章の読み方なんですけれども、年度決算には必ず減損を適用しなければいけないように読めるのではないかというご指摘がございました。そこで「必要があれば」という文言を挿入しております。

それから、「再評価」のところでございますが、この文章の後に、減損損失は損益計算書に計上するというような趣旨のことが記載されていたんですけれども、減損損失が損益計算書に計上されていることにつきましては再評価の場合に限らない全体的な問題でございますので、あえてわざわざここで書くというのも不自然なことですので、その部分は削除いたしました。

11ページ目の「投資不動産」でございますが、ここは文章上もかなり修文をしておりますが、中身はそう変わっていないのではないかと思います。

それから、時価の把握が可能とか不可能とかそういったところは、前回はやや単純な比較としていたんですけれども、少し比較の対象を入れてわかりやすくするといったような修文をしております。例えば3行目のところ、「他の有形固定資産と比べて、比較的容易に時価が把握可能であり」というような、より正確な表現にしているということでございます。

12ページ目も同じように、例えば、「他の有形固定資産と比べ相対的に換金性が高い」とか、あるいは「活発な市場を有する一部の金融資産に比べ、時価を把握することが比較的困難であり」とかというような修文をしております。

以上でございます。

○辻山部会長

ありがとうございました。

それでは、ただいまから本日のこの「経過報告(案)」をもとに、意見交換を始めたいと思います。

本日は、とりあえず全体を幾つかに区切って、議論を進めてまいりたいと思います。

まず最初に、3ページ目の「減損の兆候」の前まででございます。ここまでの経緯、減損会計の総論部分について、ご意見をまず伺いたいと思います。

それでは、どなたからでも結構ですので、ご意見を伺いたいと思います。

どうぞ、品川委員。

○品川委員

ご説明いただいてよく理解しましたが、3ページの最後の「注」のところで、「市場価格がない場合に合理的に算定された価額をいう」ということでくくられているわけでありますが、恐らくこの減損会計の導入のところで一番関心があるのは、時価の測定をどうするか、特に市場価格がない場合に合理的に算定された価額とは何を言うのかということが相当実務の簡便性との絡みでも非常に大きな関心を呼ぶと思うんですけれども、この辺についてある程度整理をして、こういうことが合理的な算定方法であるということをこのペーパーの中に織り込む余地はあるんですか、あるいは、それはもう全くまた別の機会に議論をするというふうに考えているのか。

○辻山部会長

どうもありがとうございました。

これはこれまでの議論の中でもたびたび出てまいりましたけれども、基本的には、時価というのは市場価格、市場価格が観察不可能な場合にはより広義の公正価値で考える、公正価値の中には市場価格以外にも合理的に算定された価値が含まれているということでございまして、それ以上にこの段階で詰めるということはまだ考えていないのですが。品川委員のご指摘は、この段階でそこまで細かく書き込むというご意見ですか。

○品川委員

恐らく実務家にとっては最大の関心事だと思いますので、そこまで踏み込んだプレゼンテーションをするかどうかという質問です。

○辻山部会長

この後の方にも書いてありますように、実際の適用までにはそこまで踏み込んだ整理が必要だと思いますけれども、とりあえずこれまでの議論の段階で固まっている経過報告としてはこのような表現ではいかがかというご提案でございます。

○品川委員

わかりました。

奥田委員、どうぞ。

○奥田委員

今の取扱いで特に私の方からは異論はないんですが、1点、「市場価格がない場合には」という表現になっているんですが、すべての資産において市場価格がないというのは、実際、特に固定資産の場合には余り考えられないと思うんですね。いかなる方法でも市場価格というのは算定できますので、むしろ、例えばここは、前半が「観察可能な市場価格」と言っているのであれば、後半は「観察が難しい困難な場合には合理的に算定された価額をいう」とか、そういうような表現に変えた方がよろしいのではないかというふうに思いますが。

○辻山部会長

ご指摘ありがとうございます。

そのところは検討させていただきます。趣旨は、観察可能な市場価格があるかどうか、市場価格が観察できない場合にはという、ご指摘のとおりでございます。

ほかにございますでしょうか。

この総論の部分は前回のたたき台と特に大きく内容が変わっているというところではございませんので、それでは、その先に進ませていただきます。

次に、「減損損失の認識」及び各論でございます「兆候」から「のれんの取扱い」までの部分でございます。ページで申しますと、7ページの前まででございます。3ページの終わりの方から7ページの「減損処理後の会計処理」の前まででございますが、ここの部分につきまして、特にご意見、ご質問がございましたらお出しいただきたいと思います。

高野委員、どうぞ。

○高野委員

ご質問なんですけれども、5ページの「割引率」のところですけれども、5ページの上の方で、キャッシュ・フローについては最も生起する可能性の高い単一の数値とするということを受けて、5番目の「割引率」のところで、将来キャッシュ・フローがその見積値から乖離するリスクがあった場合には当該リスクを時間の価値に加えるということですけれども、上の方で、単一の数値ではなくて、生起し得る金額をその確率で加重平均した期待値を用いることもできると。この場合には乖離するリスクというのはもともとありませんので、貨幣の時間価値で割り引くというふうに考えてよろしいんでしょうか。

○辻山部会長

そのように考えてよろしいかと思います。

○斎藤委員

仮に期待値を取って、分散があればその期待値から乖離するリスクを持っているわけで、分散の大きい場合にはそのリスクを加えて考慮しなければいけない、という趣旨ではないのでしょうか。

○辻山部会長

わかりました。

今の斎藤委員のご説明ですけれども、高野委員からは特にご発言はありますか。

○高野委員

私自身は、生起し得る金額を何種類かシナリオをつくった上で加重平均するのであれば、その中にリスクはすべて織り込まれているのかなという意味合いで、したがって割引率はこの場合には単一の、5の「割引率」の最初の2行にある方に行くのではないかなというふうに考えたんですけれども。

○斎藤委員

それでは、平均の周りに非常に近く分散しているケースと、期待値は全く同じでも非常に幅広く分散しているキャッシュ・フローがあったときに、それは区別つけないという意味でしょうか。

○辻山部会長

川村委員、どうぞ。

○川村委員

たたき台の前に書いたのがご報告した経緯で、ご説明申し上げますと、今斎藤先生がおっしゃったとおりの意味合いで当初は私の方もまとめさせたつもりです。今先生がおっしゃったように、幅広く分散しているケースでは、もしそれをキャッシュ・フローに反映させるのであれば、大きな金額をその期待値から控除してから時間価値分だけ割り引くという形になるでしょうし、もうほとんど分散がないような期待値から余り離れていないというケースであれば、もうほとんど確実性等価と考えて全然調整する必要はなくて、それは単純にリスクフリーで割り引くという形になってくるのかなと思います。

○辻山部会長

そうすると、川村委員のご理解は斎藤委員の理解と同じということでございますか。

失礼しました、ではそういうことで、申しわけございません。

高野委員は特にそのことについて、意見があるご質問でしょうか。

○高野委員

特にコメントするというつもりではなくて、どういうことかということでございました。

○辻山部会長

どうも失礼しました。

太田委員、どうぞ。

○太田委員

私の方も確認の意味なんですけれども、5ページ目のキャッシュ・フローの見積りに関係しまして、計画されていない設備投資ですとか事業再編の計画というのはキャッシュ・フローの見積りに含めないというふうにあるかと思います。

これは実務上結構もめそうかなというふうに思いますので確認させていただきたいのですが、計画されていない例えば事業の再編計画の影響は含めないということは、すなわち、計画の決定が減損を認識する期末までに行われていなければその影響は考慮せずに、逆に、期末までに計画が決定されていれば影響を考慮するという意味でよろしいんでしょうかということです。

と申しますのは、実務上、例えば計画決定が期末の前なのか後なのかというのが割と想定されるかなというふうに思いまして、それが期末前なのか後なのかということによってかなり認識する減損の金額が大きく違ってくるようなケースも想定されますので、そこのところをもう少しわかりやすくしていただけたらというふうに思いますけれども。

○辻山部会長

ここで「計画されていない」という表現を用いて基本的に考えられておりますのは、当然、期末時点ということですけれども。太田委員のご質問は、期末後、決算までの間に計画が明らかになったといったことも考慮に入るのかどうかというご質問でしょうか。

○太田委員

はい。結局、会社の場合、再編計画や再建計画の検討を始めて、会社としてこれをやるとある時点で決定を下して、そこからが会社の正式な計画として生きてくるようになるのかなと思うんですけれども、その時点が期末の前なのか後なのかということで減損の金額もかなり大きく影響を受けてしまうことがあるのかなというふうに思いまして、その辺を少しクリアにした方がいいのではないかと思うんですけれども。

○辻山部会長

基本的には期末時点の現況ということが、前にも書いてあるとおりでございます。期末時点でどの程度の確実さかというのはまだこれからの議論になると思いますけれども、基本的に期末時点で計画されているかいないかということでの判定になろうかと思います。

○太田委員

わかりました。

○辻山部会長

大塚委員、どうぞ。

○大塚委員

またよくわからなくなってきたので一応確認をさせてもらいますけれども。

先ほどの川村委員と斎藤委員のところなんですが、5ページの一番上のところに、「原則として最も生起する可能性の高い単一の数値とする」と書いてありますね。このときにも、当然、割引率の第2パラグラフも適用になるというふうに考えてよろしいんですね。

すなわち、言いかえると、最も生起する可能性が、例えば100万なら100万とか、100億なら100億という数字が、かなり高い、90%ぐらいの可能性で出るならその数値を使ってという場合には貨幣の時間価値が出ていいけれども、その可能性が5割以下なんだけれども、恐らくこれはその中で一番高いでしょうというような数字を使った場合には、そのリスクファクターをプラスしますよと、そういうふうに理解してよろしいんですね。そう理解しないと実はまずいだろうと思うんですけれども、一応念のために、よろしいですか。

○辻山部会長

はい。

そのほかございますでしょうか。

今、5ページ目に質問が集中しておりましたけれども、その前に、4ページ目のところでございますが、「減損損失の認識」のところで下線部分が追加されております。この部分について特にご意見、ご質問はございますでしょうか。

伊藤委員、どうぞ。

○伊藤委員

ちょっと勉強不足で確認なんですが、将来キャッシュ・フローが簿価を下回っていても過去のトータルで上回れば今後検討するというのは、具体的にはこれは、例えば臨時償却とか、耐用年数で償却方法の見積り間違いがあったということで、臨時償却をすることになるんでしょうか。

○辻山部会長

ここの文章の意味は、期末時点で帳簿価額と将来キャッシュ・フローの割引前を比べたときに、帳簿価額の方が上回っている場合ですね。そうであっても、過去のかなり早い時期にキャッシュ・フローをたくさん獲得しているような投資プロジェクトがあった場合のことを指しております。ですから、臨時償却の話とは直接は関係ないと思います。

その場合に、それを臨時償却していれば帳簿価額が下回っているようなそういうことももちろん考えられると思いますけれども、ここで言っているのは、臨時償却のことを念頭に置いているわけではなくて、投資期間全体を通じてキャッシュ・フローがかなり最初の方に集中して獲得されるようなケースで、そういう場合にはたとえ帳簿価額が将来キャッシュ・フローの割引前価値を上回っていても、必ずしも減損しなくてもいいのではないかという趣旨の文章だと思います。

○大塚委員

ちょっと私はよくわからなかったんですけれども、2ページの「概念と意義」のところの第2パラグラフの最後から3行目のところですが、「帳簿価額の回収を見込めない場合であっても、過年度の回収額を考慮して減価償却などを修正したときには」、ここと同じ意味ではないんですか。この過年度の回収というのは、例えばこの文章と4行目の新しく線を引いたところとは全く違う意味なんですか。ちょっと私はよくわからなかったんですけれども。

○辻山部会長

内容的には同じことでございます。基本的には、2ページの、今大塚委員がご指摘の、概念そのものでは、減損処理というのはそもそも何であるかということで、投資期間全体を通じた投資額の回収可能性ということを言っているわけですね。ですから、それに照らしますと、4ページの最初の場合では、減損損失が認識されるようなケースであっても、必ずしも本来の減損の趣旨にさかのぼれば減損に当たらないケースがあり得るという。

○大塚委員

念のためにもう一回書いているということですか。

○辻山部会長

そうです。帳簿価額と回収可能価額の比較だけをとれば、帳簿価額の方が上回っているようなケースでも、実際に減損に当たらないケースの中には、投資期間全体を通じれば回収可能なもの以外にもさまざまなものがあると思います。減価償却の方法を変える、あるいはパターンを変えるということによって帳簿価額そのものが下がる場合もございますので、そのことは一応本来の減損とは違うであろうというようなことが含意されているというふうに読めると思いますけれども。

この点について、特にほかの委員からご指摘はございますでしょうか。

どうぞ、秋葉委員。

○秋葉委員

今の大塚先生のお話も受けて、私個人としても2ページ目の「概念」のところに、前後との関係もありますけれども、2ページ目の第1パラグラフの最後のところですが、帳簿価額の回収が見込めない場合の1つの例といいますか説明として、今部会長からのご説明にもありましたような、投資期間全体を通じて投資額の回収が見込める場合も減損には当たらないというようなことを触れた方がわかりやすいかなという印象を持ちました。

○辻山部会長

わかりました。ご指摘は参考にさせていただきたいと思います。

それでは、4ページ、5ページ、あと、6ページの「共用資産の取扱い」につきましてアンダーライン部分が前回と比べますと書き加えられておりますけれども、この点はいかがでしょうか。

前回は、共用資産の取扱いにつきまして、複数の資産グループに寄与するような共用資産の取扱いそのものについては書いてありましたけれども、減損損失が認識・測定された場合の配分については触れられていませんでしたので、配分についてもここでのれん・その他にあわせて書き込んだということでございますが、よろしゅうございますか。

それでは、特にございませんようでしたら、また後で全体に戻って議論をする機会があろうかと思いますので、次に進ませていただきます。

次に、7ページの「減損処理後の会計処理」、8ページ、9ページと進みまして、「その他」までの部分でございますが、いかがでしょうか。7ページから「投資不動産」の前まで、10ページまでの間でございます。

品川委員、どうぞ。

○品川委員

7ページの「戻し入れ」の特記に関する記述でありますが、「特に土地については物理的に減耗しないという特性があるため」ということですけれども、減耗しないという言い方についてやや抵抗がある。それは、地盤沈下とか、産廃用地とか、そういう特殊なものについては当然減耗という問題があるわけでありますので、減耗が少ないとか、表現を工夫してもらいたいというのが1つです。

それから、もう1つは、この戻し入れの問題は、物理的な問題よりも、むしろ地価変動の問題が要因としては非常に大きいはずだと思うんですね。ですからその辺をもう少し加えないと、長期保有の間うんぬんという……。地価変動によってキャッシュ・フローはかなり変動するはずでありますので、むしろそちらの方が要因としては大きいように考えられますから、その辺はちょっとご検討いただければと思います。

○辻山部会長

ただいまの前段の方でございますけれども、必ずしも全く減耗しないわけではないというご指摘については、また工夫させていただきたいと思います。

後半の方でございますが、土地に関する戻し入れの原因になる回収可能価額の見積り誤りにつきましては、あるプロジェクトが終わりまして、そのプロジェクトが終わった後でも土地は残っているというケースが想定されるために特別な配慮が必要だとされているわけですね。そのことと地価が土地の場合には非常に上がったり下がったりするからということとは別のことというふうにこの枠組みではとらえております。

○品川委員

それでも、キャッシュ・フローの測定においては、そういう地価を当然織り込んだ減損の兆候・測定を行うわけでしょうし、地価変動を無視するということであると、そもそも減損会計とは何かということになると思います。

戻し入れに関しては、そういう物価変動とか貨幣価値の変動を一切考えないというわけにはいかないと考えられるんですけれども、考えないということであれば、そういう仮定に基づいた減損会計であるということであれば、それはそれで説明の仕方はあると思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。私の勘違いかもわかりませんけれども。

○辻山部会長

今のお話を貨幣価値の変動ではなく土地の個別価格の変動というふうに考えますと、ここで書かれておりますのは、土地を使用し続けるということを前提にしますと、土地にかかわる回収可能額、いわゆる使用価値で測った場合の土地ですから、刻々と変わる土地の価格を回収可能価額にそのつど反映させるという考え方はとっていないわけです。

○品川委員

そのつどという言い方をされるとちょっと抵抗があるんですけれども。使用価値にしても、もともと、兆候があるかどうかというのは毎期認識するわけでしょうし、――そういう意味では毎期戻し入れの必要があるか――その戻し入れをどういうふうな段階でやるかということはいろいろな考え方があるかと思いますが、使用価値を測定する場合にも、その土地が最終的に使用後にどのぐらいのキャッシュ・フローを生むかということを無視するわけにはいかないと思うんですね。

そうすると、土地が生み出すキャッシュ・フローというのは当然地価変動の影響を受けるはずですし、あるいは、賃料の多寡等でも、東京あたりのいろいろなオフィスの賃料価格の問題でも地価変動に非常に大きな影響を及ぼしながら現在まで来ているわけであって、そういう趣旨の長期的な地価変動に目を覆うわけにはいかないという意味で申し上げただけでありますので。

○辻山部会長

広い意味ではそれもこの文章の中に反映されていると思いますけれども。土地の市場価格という場合は、ターミナルバリューをどうとらえるのかということで難しい問題はございますけれども、基本的には、ターミナルバリューも含んだ市場平均の現在価値というふうに通常は考えられますね。使用価値は実際にその間にその企業が使い続けることによって超過リターンを生むわけですから、その部分も加算されますよね。

ということは、当然収益性の回復の中に広い意味では品川委員がおっしゃるようなものも含まれた表現であるというふうに解釈できますが、おっしゃるように、土地の時価を観察して、それによって戻し入れを考えるという考え方はこの減損の考え方の中には入っていないと思うのですが。

○品川委員

7ページの下の「特に土地については」というこの2行ほどの文章の中に、ここでは、「土地については物理的に減耗しないという特性があるため、長期の保有の間に収益性が回復することも考えられる」とありますが、ということは、物理的に減耗しないから収益性が回復するということは必ずしもロジカルではないですよね。そこのところにもう少し文章の書き方があるのではないかという、そういう提案です。

○辻山部会長

斎藤委員、どうぞ。

○斎藤委員

また余計なことをなんですけれども、議論の発端は「物理的に減耗しないという特性」という部分だと思うんですが、これは私の全くの推測なんですが、言いたいことは、要するに、ほぼ恒久的に使えるということを言えばいいわけですね。設備や工場等ですといずれなくなってしまうから問題は一応ないんだけれども、土地はいつまでも残っているから、そのうちに収益性が回復してしまって、昔切下げた簿価がおかしくなる可能性がありますよという、それを言っているだけですよね。だから、それ以上そんな品川先生がおっしゃっているほど難しい議論ではないような感じがいたしますけれども。

○品川委員

おっしゃることと、もう1つ、収益性が回復するというのはそもそも何だろうと。それは通常の事業活動の中で効率がよくなって収益性が回復するということもあるし、さっき斎藤先生がおっしゃったように、長期的に持っていることによってターミナルバリューが回復するという問題は地価が上昇することもあり得るという、そういうことがこの行間の中にあるのかなと考えたものですから先ほどのような話になったので。

そういうことを余り表に出したくなくて、先ほど斎藤先生が言われたような形でその文章をまとめていくということであるならそれはそれで結構で、この物理的うんぬんということについて若干抵抗があったものですから申し上げただけです。

○辻山部会長

そういうことを表に出したくないという、そういう意図があるわけではございません。要するに、土地というのは、1つのプロジェクトが終わって工場等がそこで壊されても土地は残るという場合がありますので、これは品川委員も繰り返しご指摘されたところですけれども、そのことをここに書いているということでございます。土地については恒久的に残るから、戻し入れのことも必ずしも否定できないという、考慮に値するという意味で書いてあるんだと思いますが。

○辻山部会長

大塚委員、ございますか。

○大塚委員

私もよくわからないところがありまして。

まず、この3行を削るというわけにはいかないということなんですね。削ってはいけないんですね、「特に」以下は。というのは、今の話だと、私はどうも土地の収益性が回復するというのはどういう意味なのかなというがなかなかよくつかめなかったので、ターミナルバリューがあるということと収益性が回復するということはどういうことなのかなということを説明していただきたいなという気持ちがあるんですけれども。

○辻山部会長

どうぞ、斎藤委員。

○斎藤委員

地代が上がるというのが収益性の回復じゃないんでしょうか。

○大塚委員

ということは、基本的には、その背景には、要するに地価が上がって、そこから出てくるところのサービスに対する価格が上がってきて、それで収益性が上がると、そういうロジックですよね、違うんですか。

○斎藤委員

地代が上がるというのは1つの例を申し上げたのであって、その土地を使って別の事業を始めて、その事業で収益が上がればその土地の収益性が上がるということにはならないんでしょうか。

○辻山部会長

それから、地価と地代の関係ですけれども、地価が上がるから地代が上がるというのか、地代が高くなるから地価が上がるのか、その辺もまだまだ議論があろうかと思います。

ここは、戻し入れを完全に否定した場合、土地というのは、先ほど来申し上げていますように、あるプロジェクトが終わって、減損というのはあるプロジェクトから上がる収益性で投資額を回復できないというそのことを観察しているわけですね。そうしますと、それが終わっても土地については残っているということがございますので、以前の審議会における品川委員、斎藤委員のご指摘もございまして、土地についてはここで別途書き込んだという経緯がございます。

○品川委員

今の両先生のご発言とある意味で共通するんですけれども、私自身、土地問題についてここのところ随分関わってきたものですから。今の地価と地代がどちらが卵でどちらが鶏かという議論に関しては、少なくともここ50年間の我が国の地価と地代の関係については、地価が上がってきたから地代が上がってきているという相関関係は説明できるんですね。だから、「収益性が回復する」というふうに書かれると、イメージ的には、当然これは地価が上がることを想定しているのかなというふうに読み取れたので、さっきのような質問になったんですけれども。

○辻山部会長

ここで言っている収益性の回復というのは――ご質問の趣旨がようやくわかったんですけれども――地価が上がるということを言っているわけではございませんで、土地を使用することに伴うまさに収益ですね、それが回復するという、そういう意味です。

○品川委員

私の経験則で言うと、土地の収益力が上がるというのは、過去の50年間の我が国の土地の使用状況から言うと、まず80~90%は地価の上昇に依存しているというふうに認識できたので、そういう意味でちょっとここのロジックが私自身にとってぴんとこなかったのでくどい質問になったわけです。

今の議論で大体わかりましたので、あとはもう結構です。

○辻山部会長

1つ確認でございますが、大塚委員からはここを削ったらどうかというご発言がございまして、品川委員は、土地については別途の配慮が必要なのではないかというご発言が過去にございましたが、その点はいかがでしょうか。この書きぶりは別にしまして、土地については戻し入れについて別途の配慮が必要なのではないかというご意見については現時点でいかがでしょうか。

○品川委員

削るという案も理解できるんですが、削った場合には、減損損失の戻し入れを行うべきであろうという考え方があるということがよく伝わらなくなるのではないかと思うんですね。

○辻山部会長

その点は、前に書いてあるとおりでございまして、回収可能価額の見積り誤りというものは、土地以外の資産にもありえますから、土地に限らず戻し入れるべきだという考え方も一方ではあるわけですね。

○品川委員

通常、減価償却資産ではそういうことは極めてケースは少ないので、土地について特記することによってよりよく理解できるというそれだけのことですから、部会長がおっしゃるように、前段で全部読めるからということであれば、それはそれで特に異論はありません。

○辻山部会長

わかりました。どうもありがとうございました。

平松委員、どうぞ。

○平松委員

その点について、もしそこを削除されるようですと、次のページの1行目の「しかしながら」の次で、「収益性が回復したとはいっても」というこれが前段の7ページの一番下の削除する「収益性が回復する」という表現を受けていると思いますので、ちょっと表現を注意していただきたいと思います。もし今の3行を削除される場合はということでございます。

○辻山部会長

わかりました。ご意見として承りました。ありがとうございました。

会長、どうぞ。

○若杉会長

7ページの下から2行目のところが今非常に問題になっているんですけれども、「特に土地については物理的」――これは本当は「物的」なんですよね、フィジカルというのを物理的と訳してしまって、化学的なものも含めているんですけれども、前からこういう訳を使ってそのまま来ていますけれども――「物理的に……特性があるため」というのを取っても、「土地については長期の保有の間に収益性が回復することも考えられる」となって、余り問題がなくなるのではないかなというふうに考えますけれども、どうですか。

○辻山部会長

ちょっとそこのところは工夫させていただきます。ご意見、ご指摘が様々ございましたので、少し検討させていただきたいと思います。

それでは、次の8ページ目でございます。

どうぞ、奥田委員。

○奥田委員

ちょっと確認なんですけれども、この全体の流れの中で、使用価値について書かれているというふうに思うわけなんですが、測定のところにおいては使用価値あるいは正味売却価額のいずれか高い方だということになるわけなんですが、後ろの全体についてはすべて使用価値について書かれているということでよろしいのでしょうか。

○辻山部会長

そうです。

○奥田委員

わかりました。そうであれば、それは例えばどこかに「以下は使用価値について書いてある」というようなことを特に記載する必要はないんでしょうか。

○辻山部会長

最初に回収可能価額のところで2種類書かれてありますけれども、回収可能価額のうち、正味売却価額は、先ほど事務局から説明がありましたように、時価を指しているわけですね。この時価の算定の方法というのはさまざまございます。奥田委員ご専門の鑑定評価、そしてそれ以外にもさまざまなものがあります。その中身についてはこのペーパーでは立ち入っていないということです。会計で回収可能価額を考える場合の使用価値の見積りについて、改めてここで書かれているということでございます。

○奥田委員

全体的にそうだと思うんですけれども、明らかにそういうことであるというのを入れていただいた方が、後々、例えば先ほどの土地についての考え方の点ですとか、共用資産の扱いについても、混乱がなくなるのではないのかなというふうに思いますが。

○辻山部会長

ご指摘のところは、公正価値の評価手法の一手法についてはここでは外してあるということを明記した方がいいのではないかということですか。

○奥田委員

そうですね。「使用価値についての考え方を以下は述べたものである」というような表現を入れてみてはどうかなと思うんですが、いかがでしょうか。

○辻山部会長

使用価値について述べてあるというのは、キャッシュ・フローのところと割引率のところで、限定して使用価値であるということは繰り返し述べられております。

4ページのところでございますけれども、まず認識の割引前のところ、それから、使用価値の算定に際して見積もられるキャッシュ・フロー、キャッシュ・フローについてはその2種類について述べているということと、割引率のところにつきましても、使用価値の算定に際して用いられる割引率というふうに断っていますので、その点については明らかなのではないかと思います。

○奥田委員

例えば6ページの「共用資産の取扱い」のところなんですけれども、共用資産については資産グループでやるということなんですが、ここに書かれている内容は、使用価値の考え方であればこれで全く問題はないと思うんですが、例えば時価を求める場合にはちょっとこの考え方とは変わってくる可能性がかなり高いと思いますので。例えばここについて、使用価値の算定においてはこうであるというようなことをもしそれぞれに入れるのであれば、ここにも入れておいていただいた方がいいのではないかと思いますが。

○辻山部会長

今の6ページでございますけれども、使用価値の算定というのを仮に入れるとしたら、どこのところを指摘されているんでしょうか。

○奥田委員

「この場合に認識される減損損失については、共用資産を含まない個々の資産グループについて認識された減損損失を控除し、残額を共用資産に配分する」というふうになるわけなんですが、例えば時価を算定する場合であれば、資産を別々に売ることを想定した時価を出した方が価格が出るという場合もあるんですね。そうすると、それぞれの資産について減損を認識するというふうな話にもなってくるかなというふうに思って。例えばここの部分については、使用価値の算定に当たってこういうような考え方が妥当なのではないのかなというふうに思ったんですけれども。

例えば、こういうような配分の仕方というのが使用価値ではあり得るんですけれども、時価の場合には資産を一つ一つ切り売りした方が、市場価値という面では処分しやすくて高い価格が出てくるというようなことも考えられるのではないかと。

○辻山部会長

今のご指摘の点は私は理解できないんですけれども、ここでは時価のことは述べられていないですね、認識された減損損失の配分について述べているところでございまして、時価の算定とは関係ないと思うんですけれども。認識・測定された減損損失をどの資産に割り振るかという問題について書かれている箇所でございまして、資産の時価の問題とは無関係なところでございます。

○奥田委員

そうすると、測定のことまでは言っていないという。例えば、減損損失を幾ら把握しましたと、それを割り振るときにはその金額のことだけを言っているのであって、例えばその損失額を出すに当たっては、そこには正味売却価額の考え方は入っていないということですか。

○辻山部会長

最後のところについてはそういう趣旨でございます。

○奥田委員

それであれば結構です。

○辻山部会長

どうぞ、川村委員。

○川村委員

仮に正味売却価額の方を回収可能価額として取った場合、つまり、売った方がキャッシュ・フローがたくさん出るというような状況において資産を切り売りするということを前提に評価したときに、個別の資産は全部時価で評価されて、その合計額としてその資産グループが評価されます。

そのときに、アメリカはこのように公正価値で評価するんですが、個々の資産ベースで見たときに、全部が全部下がっているばかりではなくて、まれに評価益が出てしまうというケースも考えられます。そのときに、個別の資産を全部時価評価したときに評価損と評価益の両方を認めてしまっていいのかどうかという問題があって、アメリカのルールだと、全体で損が出たらその損をとにかく配分する、そうすれば全部簿価より下の金額になるので評価益が出てこないという、そういう話はあります。

○辻山部会長

いずれにしましても、この6ページのところは、個々の資産の時価の問題を議論しているところではなくて、共用資産について認識された減損損失の割り振り方について書いているところですから、時価の問題についての論述ではないということはわかるのではないかと思いますけれども。

どうぞ、大塚委員。

○大塚委員

9ページのところですが、お答えいただけなければお答えいただかなくても結構なんですが。

「適用関係」のところで、「基準の策定から実務への適用までに十分な期間を置く必要がある」ということなんですけれども、おおよそどのぐらいの期間を想定されているのかということを、お答えいただかなくてもいいですけれども、もし何かぼんやりと考えていることがあるようでしたらお聞かせいただければと思います。

○辻山部会長

これは私が答えるという趣旨のものでもございませんけれども、これまでの議論の中で委員の中から多数出された意見としましては、少なくとも基準が確定されて、実務指針もきちんとした段階で、それが適用初年度の前年度であることが望ましいということは複数の方から出されております。

というのは、この問題は事業計画を練るときにもこの基準が現実にあるかないかで非常に影響を与えますので、その事業計画を練る時点で、きちんと実務への落とし方、具体的な適用指針等が整備されていることが望ましいという、そういうご発言は多数の方から出たのではないかと思います。そうしますと、自ずと大体イメージができるのではないかなという感じなんですけれども。これは私の意見ということではなくて、これまで委員の中から出た意見でございます。

特にこの点について、ご発言はございますでしょうか。

高野委員、この点についてはいかがでしょうか。

○高野委員

やはり企業としましては、翌年の損益計画を立てたりするのが、例えば3月末の決算期ですと大体半年~1年前にある程度考えなければいけないものですから、一番遅くても適用される年度より前、これも余りぎりぎりではなくて、かなり早い時期、少なくとも半年ぐらい前には実務指針がはっきりしているとありがたいなと思いますけれども。

そのほか、どうぞ、清水委員。

○清水委員

今のご意見と同じような、少なくとも適用初年度の半年以上前に事実指針等が確定していることが望ましいと思いますけれども。

○辻山部会長

これまでの議論の中ではそのようなイメージで委員から意見が出されております。

そのほかご意見はございますでしょうか。

太田委員、どうぞ。

○太田委員

非常に細かい言葉の部分で申しわけないんですけれども、7ページ目のところで、「減損損失の戻し入れ」の上から3行目のところに「減損処理後の年度において、回収可能価額の見積り誤りが判明した場合」というふうにありますが、この「誤り」という言葉がちょっと引っかかっておりまして、そこの意図は、多分、誤りということよりも、その後の状況の変化による回収可能価額の見積り自体が修正になったと――ちょっといい言葉がなくて申しわけないんですが、そういうふうなニュアンスが伝わるふうな表現の方がよろしいのではないかと思いますが。

○辻山部会長

どうもありがとうございました。ご指摘を反映させたいと思います。ここでは広い意味でのそういった状況の変化も含めての、予想でございますので、それがそこからずれていたという意味だと思いますが、ご指摘は反映させていただきます。

そのほかございますでしょうか。

伊藤委員、どうぞ。

○伊藤委員

9ページの五の「適用関係」の一番最後の2行なんですが、「経過措置については」という文章がありますが、実務の方からこういうご要望があったのは存じているんですが、具体的なイメージがわかないんですが、大体ぼんやりとどういうことが考えられるというのが決まってますのでしょうか。

○辻山部会長

この経過措置の中身でございますか。

○伊藤委員

はい。

○辻山部会長

これについてはまだ今後検討するということになっていますので、ちょっと今は決まっていませんが、何か事務局の方でアイデアがあるんでしょうか。

もし経過措置を導入するとしても、現段階では今後の検討ということで、その点に直接踏み込んだ議論というのはこれまではなかったのではないかと思いますけれども。

「投資不動産」の前まではよろしゅうございますか。減損会計全体について、この段階でご意見があったらばお出しいただければと思いますが。

○品川委員

今の経過措置の問題については、たしか今までの議論の中で、退職給付会計基準の経過措置を参考にすべきではないかというような議論があったかのように記憶しているんですが、そんなことはないですか。

○辻山部会長

いわゆる遅延認識方式というのは話題には出ていますけれども、この場でそういうご発言があったかどうかはちょっとはっきりしません。

○品川委員

私の記憶違いかもわかりません。

○辻山部会長

逆に、品川委員はそういう措置も考えてはどうかというご意見ですか。

○品川委員

私はそういう意見ではありません。

○辻山部会長

それではひとまず「投資不動産」の方に進ませていただきます。

最後に、11ページ、12ページにつきまして、ご意見などがございましたらお出しいただければと思います。

増田委員、どうぞ。

○増田委員

先週もこの「投資不動産」の項目全体についてはちょっと文句を言わせていただいたんですが、まず第1に、ここに書いてある、投資不動産について事業用不動産とは別に何らかの会計基準を考えるかということ自体について、私ははっきりとそれをきちんと論議すべきであるというふうに考えていまして、しかもその論議というのは、投資用不動産と事業用不動産を別のカテゴリーで考えて、事業用不動産は減損会計だけれども投資用不動産は時価会計だというような考え方は、それ自体が非常におかしいと思っています。

つまり、投資用不動産と事業用不動産を客観的に区別するような指標ないし定義というようなものが考えにくい以上、会計基準を別に立てるということは、投資用不動産と事業用不動産の間で恣意的な操作が行われる可能性を生むと。したがって、投資用不動産について別個に時価評価を導入するという考え方は、本則の財務諸表に入れるか、あるいは注記にするかということとはかかわらず、これは明らかにおかしなことであるというふうに話を進めるべきであります。

11ページにも12ページにも出てきますけれども、投資者にとって有用な情報を提供することにはならないというようなことを情報を発信する側がお考えになって自己規制をされるというのは、投資者の側としては非常に不満のあるやり方でありまして。間違った情報が出てくるならそれはもう論外ですけれども、正確な情報、あるいは、正確を期して最善の努力をした情報は、どんな情報であれ、ないよりはあった方がいいに決まっていまして、それを投資家が誤解をするかもしれないからというような理由で抑制するということはそもそも物の考え方としておかしいのではないかというのを、投資家としてこの会に参加させていただいている私としては強行に主張させていただきたいところなんですが。

○辻山部会長

この問題は、前回の増田委員のご指摘のとおりでございますが、まずこのペーパーの12ページの「有用な情報を提供することにならない」というのは増田委員のご指摘もございまして表現を変えてございますが、これは「という意見がある」ということで、この審議会で有用な情報を提供しないということを明言している表現ではないということがまず1点です。

それから、もっと本質的なことは、正確な情報であればすべて有用かということについては、会計情報というのは正確な情報をすべて出せば、それが多ければ多いほど、正確であればすべて有用かというと、必ずしもそうではないのではないかというのが一般的な考え方ではないかと思います。

特にここで言っている「意見があった」ということで、この審議会がそう言明しているということではございませんけれども、意見のベースにございますのは、事業用不動産についての時価情報というのは、企業がそれをその値段で売るということではない以上有用な情報ではないのではないのかという――この意見のベースとしてはそういうことがあるというふうに思いますが。それが今の増田委員のご指摘に対するお答の一部でございます。

それからこれは確認でございますが、増田委員は、投資不動産については時価開示というか、B/S本体にしても注記にしても、それ自体しないということにすべきだという、こういうご意見も前段でおっしゃっていたような気がしたんですけれども、この点はそのとおりなんでしょうか。

○増田委員

事業用不動産が減損会計であれば、投資用不動産だけを時価会計にするということは明らかに矛盾があるので、それは避けるべきだと思います。つまり、投資用不動産は時価会計にすべきではないと思います。

○辻山部会長

投資不動産がもし原価主義で表示されている場合には投資不動産にも減損会計が適用されるという、これはよろしいわけですね。

○増田委員

ですから、事業用・投資用にかかわらず、会計原則は1つであるべきだと思います。

○辻山部会長

わかりました。ご意見としては承りました。

ここではさまざまな意見がございますけれども、ここでの書き方というのは11ページですが、さまざまな理由がございますけれども、基本的には、「投資不動産については、時価の変動をそのまま損益に算入せず、他の有形固定資産と同様に、取得原価基準により会計処理を行うことが妥当ではないかと考えられる」というのが、とりあえずこれまでの審議の多数意見といいますか、ここでの考え方でございますから、そういう意味では増田委員のご指摘はここでの結論と異ならないと思いますけれども。ただ、理由についていろいろ書いてあることはけしからんと、こういうご指摘でしょうか。

○増田委員

まさにそういうことです。

○辻山部会長

そのほか。

太田委員、どうぞ。

○太田委員

これはちょっと確認というか教えていただきたいんですけれども。

不動産というくくりの中に何が入っているかということだと思うんですが、結局、不動産と申しますと、自分の企業が使うもの、賃貸していくもの、販売目的で持っているもの、開発の途中のものという位のくくりになるのかなというふうに思っているわけなんですが、この中で、自ら使用するもの、賃貸にしているもの、販売目的のものというのはある程度――投資不動産の会計を適用するのか減損会計の区分だけで行くのかというところは別にして、何となく会計処理が見えるような気がするんですが、開発途中のものについてはどういうふうに考えていったらいいのかをちょっと整理した方がいいのではないかなというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。

○辻山部会長

開発途中のというと、どのような会社がどういう開発をしている場合をおっしゃっているのでしょうか。

○太田委員

多分、土地を取得して、いろいろなプロジェクトの中でそれが――済みません、私はその業種を見ていないものですのでよくわからないのですが――多分、賃貸する目的で建物を建てている途中にあるものなのか、販売目的なのか、あるいは、それがもう初めから実態上分かれているものなのか、それとも最初はそれほど明確には分かれずにいるものなのか、その辺を少しクリアにした方がいいのかなという気がいたしますけれども。

○辻山部会長

わかりました。開発後にどういう使途が予定されているのかということはちょっとわからないけれども、現に開発途中のものという、そういうご指摘でございますね。

この点については、ご専門上、高野委員、岩田委員が実務的にご存じだと思いますので、もしご意見がございましたらお願いします。

では、岩田委員。

○岩田委員

何が目的というか、最初に予定がなくて開発するということはちょっと考えづらいかなと思うんですね。例えばゴルフ場をつくるとか、その横に同じような事業団地を持ってくるとかというようなことをしていて中断することはあるんですけれども、その場合でも、最後はゴルフ場にするとか、そういったことはあらかじめ決めておりますので、それなしで開発を始めるということはちょっと……。例えば開発行為をするときでも許可を取ったりとかいろいろあるものですから、大規模になればなるほど使用目的は明確になっているのではないかなと思いますけれども。

○辻山部会長

高野委員、どうですか。

○高野委員

1つは、例えば賃貸用のビルを建てているときの建設仮勘定というんでしょうか、多分そういう段階のものをどう評価するかということではないかと思うんですけれども。むしろ、ご質問された方に確認したいんですが、そういう意味でしょうか。

○太田委員

済みません、私は、割と初めから目的がはっきり分かれているのかそうでないのかというその辺が実務的に全然わからなかったものですから。今のお話では、初めから割と、賃貸する目的なのか、売却していくのか、事業を営むのかが明確になっているというお話でしたので、今のご指摘のように、建設仮勘定にあるものについての検討ということで、それぞれの目的のところで区分して考えていくのかなというふうに思いました。ありがとうございました。

○辻山部会長

奥田委員、どうぞ。

○奥田委員

今の問題は、開発許可を取ってとか事業計画を立てて開発途中の不動産の場合にはおっしゃるとおりだと思うんですが、問題は例えば更地で、特に何に使うということがはっきりしていないような現状全く未利用の土地について、固定資産なのか、投資不動産にするのかと、その辺の基準については多少わかりにくいのかなと。

例えば、個々の企業で、今更地になっている土地を、これは販売用ですというふうにしたり、あるいは固定資産ですというふうにする余地があるというような問題は多少あるのかなというふうには思いましたけれども。

○辻山部会長

そこの前の方にも書いてありますけれども、更地で未利用のもの、これは投資不動産でなければ現状で評価するということは減損の方で扱っています。ここでは投資不動産の問題で、取得原価主義で評価するのか、国際会計基準で検討されたような時価評価が妥当なのかという問題ですから、今の未利用の土地、これが投資用なのかどうなのかというのは、投資用なのかどうなのかという判定だけすればよろしいのではないかと思いますけれども。

○奥田委員

そういう形で、これは投資用なのかどうなのかという判断だけという問題であれば構わないんですが、そもそもの問題で、未利用の土地を固定資産の方でやるのか、投資用でやるのかというような、その辺の判断基準は多少難しいところが残るのではないかなというだけのことです。

○辻山部会長

秋葉委員、どうぞ。

○秋葉委員

今のご議論の中の実益なんですけれども、最初に、投資不動産の会計処理をIASに照らして考えたけれども取得原価にするということにしていますので、投資不動産か否かというのは会計処理の面では影響がないことになるのではないかと。もっとも今のお話のように、流動資産の方にあるのか、固定資産にあるのかということによっての適用はありますけれども、固定資産に入れている限りにおいては会計処理の面では問題がないと。

そうすると、次の12ページに行っての注記の話で、これは議論が収束していないというところにもなるんですけれども、注記を求めるとすると、さらに投資不動産とは何かという議論が必要になってくるので、今のような議論はその注記を必要だとする場合には非常に有用な議論にはなるのではないかなという気はいたしました。ただ、そこのところが、実は11ページに立ち戻っていくと、大塚先生の方から理由になっていないというご指摘が以前にあったんですけれども、どういうふうに分類するかがよくわからないというのが1つの理由というか、取得原価とする理由が、分類分けができないというふうなことにもなっておりますので。

それで、実は12ページの注記の話に行ったときに、今のように、何が投資不動産なのかということは会計処理の問題を考えたときにできないようなことも既に含まれていたので、注記をするに当たっての範囲の出し方との関連性というかロジックというか、そこが今の投資不動産を範囲を決定するに当たっても、ちょっと整合しないというか、難しいなというふうなことを感じます。

そうであるとすると、注記しないかというふうな話が一方では出てくるわけですけれども、私の記憶では、これまでの意見として出てきたもの、あるいは私自身の考えもありますけれども、逆に、全部、事業用の固定資産も含めて時価を注記をするということも意見としてはあったかと思いますので、ここに書くかどうかというのは別にしても、1つのソリューションというかオールタナティブなものとしてはあり得るのかなというふうに思います。

○辻山部会長

わかりました。どうもありがとうございました。

今の秋葉委員のご発言は、投資不動産を区分するとなると、会計処理で時価評価するか、注記にするか、同じような問題に突き当たると、かねてからのご指摘でございましたけれども。

どうもありがとうございました。その点は特にこの書き方に関することではなくて、この後の問題ということで、ご意見として承りたいと思います。

ほかにございますでしょうか。

太田委員、どうぞ。

○太田委員

今の秋葉委員のご発言に関連してなんですけれども、時価の注記を考える場合に、投資不動産ということですと、多分、土地と建物と両方一緒になったものが時価というふうにして出てくるのかなというふうに思っているんですが、事業用資産全体ということになりますときは、多分、土地の部分の時価を注記することになるというように思うんですが、その辺はいかがなものでしょうか。

○辻山部会長

秋葉委員、どうぞ。

○秋葉委員

今のお話は、このペーパーにも入っていないプラスアルファなので、余りそのような私的な見解を述べるのはどうかというのはありますけれども、事業用資産についての時価を、土地にしろ、建物を含めて出すにしろ、そこにおける厄介な問題は、その時価に何の意味があるのかということだと思います。まさに12ページの一番最後にあるように、投資不動産でさえも、特に事業用と考えられるものについては問題があるといいますか、有用な情報ではないというふうな指摘を踏まえたときに、そもそも事業用の不動産であれば注記においても時価にどういう意味があるかというふうな問題ともつき合わさってくるので、それが土地なのか、土地建物なのかという前に、そもそもそれをどう考えるのかというふうなことが1つあろうかと思います。

その辺は先ほど増田委員の方から、とにかく有用かどうかというのは、出せば全部有用なんだという考えもございますし。投資家の方も、株価評価というか企業評価をするような投資家と、あとは債権者のように一定の安全性を考えるために利用する投資家と、その辺の有用性というのも違うのではないかなという気もいたしますが、いずれにしろ、事業不動産も含めた注記については幾つか問題があるということがあったのでここでは触れていないというふうに理解しておりますので、それを踏まえて、土地だけか建物も含むかというのは余りここでは触れなくても、少なくともきょうの段階では触れなくてもいいのかなと思います。

○辻山部会長

太田委員、よろしいですか。

ほかにございますか。

どうぞ、笠間委員。

○笠間委員

投資不動産についてですけれども、建物と土地の一体で現在価値を出して減損を行うということになると思うんですけれども、その場合に、例えばそれが使用価値なのか公正価値なのかという話なんですけれども、使用価値だと考えれば、例えば簿価が100で使用価値が70で公示価格が50というふうに考えて、減損したけれども含み損は20ありますよということを出すというのが有用というそういう整理をしているのか、あるいは、投資不動産について割引現在価値を求めると、それはすなわち公正価値、投資不動産については使用価値ではなくて、それは公正価値なので、その場合は時価が70ということで、ちょっと変ですけれども、要するに公正価値と考えて含み損はゼロというふうに整理されているのか、そこのところがよくわからないんですけれども。

○辻山部会長

今の投資不動産のところでございますが、投資不動産については使用価値ということは概念として出てきていないわけで。そもそもなぜ投資不動産についてIASで言っている時価モデルが問題になってきたかといいますと、時価の変動が投資の成果というふうに考えているわけですから、そこで言っている時価というのは公正価値のことでございまして、使用価値とはちょっと異なる捉え方をしているのではないですか。

○笠間委員

ただ、これは実務的な話を詰めないとわからないのかもしれませんけれども、キャッシュ・フローの見積りを行う場合に、例えば事業計画といいますか、年度末で投資用のビルを来年新しくして、またそのキャッシュ・フローを見込むと。つまり、会社の計画といいますか、そういうものに基づいてキャッシュ・フローを算定するというのであれば、それは一種の企業固有価値といいますか、使用価値ではないのかなというふうに。そこはちょっとまだよくわからないんですけれども。

○辻山部会長

ご指摘の点は、11ページの、外形的には賃貸収益を目的として保有されるような不動産であっても、企業固有の価値というものがまさに使用価値としてあって、事業投資というふうに考えられるようなものが日本の場合には特に存在するのだという、それを前提に議論されているように思われるんですけれども、その場合には、本来の投資不動産、いわゆるキャピタルゲインを目的に保有しているそういった資産の概念からはそもそも外れることにもなりますね。

それは、日本の場合、賃貸用不動産について時価モデルを採用することが妥当でないという多数意見の根底にあるご議論だと思うんですけれども、その場合には、そもそも投資不動産なのかという、定義の問題にもかかわってくると思うんですけれども。

今おっしゃっているのは、外形上は賃貸用不動産であっても事業投資に準ずるものですね、これは使用価値で考えられるのではないかというご発言のように聞こえたんですけれども。

○笠間委員

と申しますか、今のは概念上は投資不動産というふうに考えている賃貸用ビルで、一般のビルなんですけれども。

○辻山部会長

ちょっとご質問の趣旨がわからなかったんですが、減損会計のお話をされているのか、投資不動産の時価評価のお話をされているのか。投資不動産の時価評価の基礎になる時価というのはあくまでも公正価値、ここで言っている本来の投資不動産では公正価値で考えて時価評価をするという話ですし、減損の話ですと、いわゆる外形的には賃貸用不動産でも事業用資産なんだから減損を考える場合には使用価値というものが出てくる、その辺はどういう関係のご発言なのかちょっとよく理解できなかったので。

○笠間委員

だから、投資不動産でも減損の場合は使用価値を使うという意味ですか。

○辻山部会長

投資不動産が取得原価主義で評価されるという会計基準がとられた場合に、その減損は使用価値で測定するということはありえますね。

○笠間委員

そうですね。じゃあ、ここで言う「時価情報開示」というものは、使用価値でなくて、公示価格みたいなもので行うという理解でよろしいんですか。

○辻山部会長

今のお話は、注記で入ってきた場合ですね。そういうことになろうかと思います。

○笠間委員

その場合、使用価値で減損を、例えば簿価が100で使用価値が70で公示価格が50という場合に、30減損したけれども20の含み損は残るということになると思うんですけれども、その20についても開示する意義があるという、そういう整理になっているということでございましょうか。

○辻山部会長

仮にの話でございますけれども、取得原価主義で投資不動産も評価するという基準ができ上がって、ただし減損会計は適用されますが、一方で注記では時価が開示されることになるという考え方があるということですね。時価として公示価格を使うのかどうかというのはまた未定でございますが、その整理の仕方でいいのではないかと思います。仮にそうなった場合でございますが。

秋葉委員、どうぞ。

○秋葉委員

そこがまさに今回の審議の結果の、最後の12ページの結論でありまして、それでも時価が有用であって出した方がいいという人がいるというのが最初のパラグラフです。もともと時価に意味がないんだから出してもしようがないし、だから出すべきではないのではないかというのが後者の人ということで、それが並列的にいるというのがここでの、結論ではないんですが、まとめということだと理解しておりますので、多分今の笠間委員の意見は後半の方の意見といいますか、立場に立たれて言うと、そういう時価というものについて意味がないのではないかということを踏まえてのご発言ではないかと思いますので。ただ、前段のように考えている人もいらっしゃるということなので、2つ並列的にしているというふうに理解しています。

○笠間委員

いや、意味がないとは言っていなくて、そこの整理がよくわからないということです。同じキャッシュ・フローの見積りという計算を投資不動産についてしても、それは公正価値なのか……。つまり、投資不動産と整理されてしまえば、いわゆるIAS 40ベースみたいにそれは公正価値というふうに言ってしまえるのかどうか、それとも、今言ったような使用価値というものも考えながら公示価格といいますか、さっきの20の部分を開示するということに意味を持たせるのかというところが整理されていないのかなというふうに思っているわけです。

○辻山部会長

結論としては、今、笠間委員が整理されたように、仮にその基準ができ上がればそういう関係になろうかと思います。ただ、それが有用な情報なのかどうかということはまた別問題でございます。

そもそも、投資不動産であるということと事業用不動産であるということの定義の問題にもかかってきますけれども、事業用不動産であれば、通常、今手放すよりは使用価値が高いというそういう関係にございますし、ここで言っているキャピタルゲイン目的あるいはいつ換金してもよろしいということであれば、場合によってはその前提に置かれていた70が使用価値で、公示価格は別ですけれども、売却価額が50というその仮定自体が本来理論的でないということもございますので、その仮定を置いてしまうと20という何か意味のわからない含み損が出るというご指摘になろうかと思いますけれども。

川村委員、どうぞ。

○川村委員

ご質問に対して有用な情報かわからないんですけれども、キャッシュ・フローを割り引いたときの数字が多分ご質問の中では公正価値になったり使用価値になったりしているのではないかというような部分があったかのように思うんですが、一応建前としては、キャッシュ・フローにも2種類あって、企業の固有の情報を織り込んだキャッシュ・フローと、そうではなくて、当該資産について市場の参加者が一般的にどの程度のキャッシュ・フローが得られるのかという市場平均のキャッシュ・フローみたいなものがあって、前者で計算した現在価値が使用価値で、後者の場合が公正価値というぐあいになってしまいますので、同じような計算手法をとってみても、やはりその結果計算される数値は異なっていて、それに差額が出るというのも自然なことだと思います。

○辻山部会長

今の川村委員のご指摘は、先ほど奥田委員が繰り返しご質問になっていた点でございまして、今の笠間委員のご質問の趣旨は必ずしもその点ではなくて、要するに、投資不動産と言われるものでもそれよりも高い使用価値があるケースについて、時価を開示するということがどのような意味を持つのかということで、先ほど秋葉委員がご指摘のように、12ページの後段の立場に立ったご意見を笠間委員は再度表明されたという、そういうことだと思うんです。

○笠間委員

もちろん質問としては両方の意味がございまして、川村先生のおっしゃった考え方であれば、例えば投資不動産の公正価値というものを出す場合のキャッシュ・フローの見積りというのは、ここでは4ページの将来キャッシュ・フローという、ここでの原則的なものは使わないということですね。

○辻山部会長

そういうことでございます。

そのほかございますでしょうか。

太田委員、どうぞ。

○太田委員

今の議論に関連してなんですけれども、今の議論を聞きますと、時価が直接的に把握される場合に、そういう場合でもやはり使用価値を見積もってどちらか高い方を取ると、それが理論的ということだと思うんですけれども、実務的には、時価が直接的に把握されるのであれば、それをいきなり使ってしまうという道もあってもいいのかなという気がしてきているんですが。そういう時価が直接的に取れる場合に、それでもやはりもう一回会社の中でキャッシュ・フローの見積りでそれを割り引いてという、そういう実務的な負担がかなりあるのかなという気がしてきましたけれども。

○辻山部会長

そのご指摘については、繰り返し、これまで論点整理から始まりまして議論されてきたところでございまして、あくまでも理論的には回収可能価額で考えるということでございます。実務的なことを考えてという太田委員のご指摘は一理あるとは思いますけれども、この段階ではそういう考え方をとっていないということでございます。

特にこの機会にどうぞご発言をいただければと思いますが。

品川委員、どうぞ。

○品川委員

11ページの後段の文章で「さらに」「むろん」「従って」と三段論法的に時価評価を指摘しているんですけれども、二段落の「むろん、ここの保有目的等に応じてそれぞれの会計処理を定める方法も考えられるが、現状では、その客観的な基準を設けることは困難であると考える」というのは、保有目的等の区分が困難なのか、会計処理の基準が困難なのか、あるいは、現状では困難だけれどもいずれは検討すれば答えが出てくるのか、また、もっと言えば、本来こういうことのために会計基準というのを定めるべきではないかと、何となくここは合目的に逃げた文章なっているように思えてしようがないんですけれども、いかがでございますか。

○辻山部会長

この文章の趣旨は、今品川委員がおっしゃった中では、その客観的な基準というのは会計上の保有目的です。外形上の区分ではなくて、賃貸用不動産というふうに外形的に観察できるものの中に、投資目的なのか、それとも事業用なのかということを区分することが困難という意味での基準という意味でこの表現は書かれているわけです。

○品川委員

保有目的であれば、金融商品に関しては売買目的や有価証券保有目的やら何やらで区分しているわけで、それは経営者がその目的を明確にすれば区分は容易にできるのではないかと思うんですけれども。

○辻山部会長

ですから、客観的な基準を設けようとした場合、金融商品でも同じことがいえるのではないかということですけれども、秋葉委員、どう思いますか。

○秋葉委員

そこはまさに金融商品は既に保有目的に応じて分けていますから、経営者の意図で売買目的ということと、最後まで持つという満期保有のものと、その他とかいうものが当然考えられると思うんですね。特に時価評価になじむ有価証券のみならず、不動産もいわば売買目的不動産ということを限定的に示すことができれば、実際、それが日本の企業の中にどれぐらいあるのかというのはわかりませんが、それは時価評価すると、概念的には分けることは可能だろうと思うんですね。

ただ、固定資産ないし不動産の場合に厄介なのは、それとは別に販売用不動産という棚卸資産に入っている流動資産がありまして、こちらの分についてどう考えるかという問題があります。販売用不動産も、開発マンションのようにまさしく事業で行うものもあれば、先ほどのお話のように、開発はせずに更地のままで転売するようなものも実は棚卸資産に入ったりしますので、そことの区別がどうかというのが、多分、有価証券とは1つ違うところではないかという、個人的にはそういう理解でいるんですけれども、いかがでしょうか。

○品川委員

投資不動産に区分する財産の中身というのは、どちらかというと掃き溜め的な財産がみんなそこにぶち込まれる可能性があるわけですね、先ほどの議論で、いろいろな目的のものを。それで、企業から見れば、都合の悪いのはそこにそっとしまっておくというような問題も……。これは例から見てそういう会計の処理の実態というのはよく認識してきたんですけれども。そうであれば、むしろ、会計の透明化を図るということであれば、その辺をきちんと区分して透明化を図る方が望ましいと。いろいろと実務的に難しい困難性という議論を今までしてきましたので、それ以上は突っ込む気はありませんけれども、何となく今までの議論とこの辺の文章も含めて、腰が引けているというか、逃げているような感じが若干感じられたので申し上げましたが。

○辻山部会長

投資不動産について2点あろうかと思いますけれども、投資不動産というものを区分することが困難だという区分の客観性というのがございますけれども、区分されたときに区分された結果を時価で評価することが妥当かどうかというのはまた別の問題ですね。

今の品川委員のご指摘は、透明性を図る目的で、区分して、かつ、それを時価評価しなさいという、そういうご指摘でございましょうか。

○品川委員

いえ、私が申し上げたのは、この文章の「むろん」のところですよね。「むろん」のところで、「保有目的等に応じてそれぞれの会計処理を定める方法も考えられる」、これは時価評価するというなら時価評価して、取得価額で評価するものは取得価額評価をすべきだと、そういうふうに前向きにとらえられるのですが、「現状では、客観的な基準を設けることは困難である」とこういうふうに逃げてしまったから、なぜ困難なのかどうかという説明があればまだ理解できるんですけれども。

上の段では、とにかくいろいろな目的で持っているのが投資不動産だと。であれば、ここの「むろん」に書いてあるように、ならばそれを区分してそれに応じた会計処理基準を設ければいいのではないかと思うことに対して、いや、それは客観的な基準がないからだめだと。なぜ客観的な基準が困難なのかどうかということが不明なままこの取得原価でいいんだというふうに、そういう三段論法になっているものですから、特に2段目のところでやや疑問を感じているもので、何でも区分して時価評価がいいとか悪いとかというのではなくて、むしろ文章の論理の進め方にやや抵抗があると、そういうふうに申し上げただけでございます。

○辻山部会長

どうぞ、秋葉委員。

○秋葉委員

先ほどと同じような考え方になるんですけれども、考え方としては、品川先生がおっしゃいますように、売買目的不動産というくくりを設けて、それについてはまさにキャピタルゲイン目的、転売目的ということで、使用価値イコール時価ということで時価評価するという考え方は当然あり得るし、その方向はやり方としてあるのではないかと。

それが、現状、客観的な基準を設けることは困難ということに直接つながるかどうかというのは私も自信がないのですが、ただ、その際にクリアしなければいけないのは、先ほど申し上げたように、流動資産に入っている、棚卸資産に入っている販売用不動産その他の不動産との切り分けとか、販売不動産の中でも当然ながら売買目的で持っている不動産を抜き出して同じように時価評価するという足並みをそろえる必要があるので、そういう意味で現状なのか客観的にかかるのかわかりませんけれども、難しいのではないかという位置づけではいかがでしょうか。

○辻山部会長

品川委員、いかがでしょうか。

○品川委員

わかりました。現状がなくても困難なんですね。

○辻山部会長

多賀谷課長補佐、どうぞ。

○多賀谷課長補佐

先ほど金融商品の会計基準のお話が出たんですが、私の理解ですと、金融商品の保有目的は――満期保有はございますが、それと売買目的とその他ということで、販売用不動産というのはまさに売買目的ということで恐らく同じ考え方だと思います。

金融商品の中のその他有価証券というのは、まさにその中は分けられていないわけでございまして、ここで言う投資不動産あるいはその他の事業用の不動産というものは、ここの中ほどに下線がございますが、「事実上、事業投資と考えられるものがあり」ということで、たしか会計基準に書いてあったと思うんですが、その他有価証券をさらに分けるという考え方もあるけれども、その程度がうまく分けられない、どこまで細分化するかということが難しいというのと同じ問題で、販売用不動産とは分けることは当然できますけれども、ではそれ以外のものについてさらにどこまで細かく目的を分けるかということについての客観的な基準を設けるということは、金融商品の中でも無理がある。

その分けた後のものを時価評価することが適当なのか、原価評価をすることが適当なのかというのは別の問題だということは先ほどどなたかからご発言がありましたが、それと、先ほどから部会長がここに書いてあることについておっしゃっているのは、どこまで細分化するかという客観的な基準というのを設けるのが困難であるということと私は理解しています。つまり、そういう意味では、金融商品の会計基準で言っていることと別に齟齬はない、同じような趣旨のことであるというふうに理解しております。

○辻山部会長

どうもありがとうございました。

秋葉委員、どうぞ。

○秋葉委員

今、多賀谷さんのお話になったことは基本的にそうなんですが、プラス不動産に特有なのが、先ほど申し上げましたように、販売用不動産がイコール売買目的不動産イコール時価評価かというところが、販売用不動産もやはり事業用不動産でしょうと、したがって、売れて初めて収益を認識すべきだという部分がかなりの部分でございますので、それがもう既に売買目的不動産ということでイコール販売用不動産を時価評価していると、ないしはすべきだという話であれば、この投資不動産というのはイコール販売用不動産といいますか、売買目的不動産ということにくくって処理することは可能だと思うんですが、多分、売買目的不動産を抜き出すためには、固定資産のみならず、流動資産の販売用不動産の中身についても手をつけてそちらの時価評価の話もしなければいけないのではないかという意味で、さらに一層金融商品基準のところで言う話の前の段階ですね、つまり、金融商品の場合には、売買目的有価証券というのを分けた後に、さらに子会社、関連会社を分けた後に、その他ということで分けないというロジックでしたが、その他に行く前に全部の不動産を売買目的としてくくるということ自体が、流動資産の分も含めて見直しが必要じゃないか、というところがさらに困難性を持っているということだと思います。

○辻山部会長

どうもありがとうございました。

もう一度確認でございますが、なぜ投資不動産を別途に区分して、見分けて、そしてそれに時価評価を適用しようとするのかというそもそも論でございますが、これはいわゆる金融商品と同様に、時価の変動が即投資の成果というふうに考えられる不動産がもしあるとすれば、それを切り分けて時価で評価するという、こういう話でございますね。そういうものが実際に企業の中で本当に見分けられてあるのかどうかというところが今問題になっているのでございます。

先ほど来恐縮でございますが、高野委員、岩田委員、特にこの辺にかかわる、あるいは笠間委員もご関係だと思いますけれども、そういった意図で明確に保有している資産を区分するということにはどういう実務的な問題があるのかということをちょっとご発言いただければと思います。

笠間委員、どうぞ。

○笠間委員

生命保険業の場合は投資不動産と通常の営業用不動産ということになるわけですけれども、そもそも、売買とか換金性といった点は別にいたしましても、投資不動産といいましても1つのビルの中に、例えば80%は賃貸で、20%は営業用と――営業用というのは、つまり、例えば販売の支部とか支社が入っているという意味ですけれども――その80・20という関係が非常に頻繁に変わる、例えば90と10になったり、あるいは60と40になったり、しょっちゅう変わるということがかなりございます。そのたびに例えば投資不動産を時価会計すれば、その分をP/Lに反映させていくということは非常に適切ではないというふうな面はございます。

○辻山部会長

高野委員、いかがでしょうか。

○高野委員

まず、不動産の保有目的なんですけれども、普通、開発事業を事業として行っている会社の場合には、転売するものもあれば、通常はそれは棚卸資産の販売不動産で処理しているかと思うんです。それから、例えば固定資産にありますのは、事業用の不動産のほかに投資不動産といいますか賃貸部門もありますけれども、基本的には、ここには自家用で使っている不動産が入っていると。それで、仮に開発事業を行っている場合に、保有目的を変えて販売用の土地にするのであればそれは販売用の方に振りかえますし、その辺は経営者の判断によるかと思いますけれども。

○辻山部会長

どうもありがとうございました。

太田委員、どうぞ。

○太田委員

この投資不動産の会計処理なんですけれども、時価評価することが必ずしも妥当ではないケースが多いということは理解できるんですが、それはこの時価評価することを選択することを全く認めないという結論でいいのかどうなのかという点を少し議論した方がいいと思うんですけれども、いかがでしょうか。要は、原価モデルと時価モデルの選択を認めないと、原価モデルだけだというふうな結論になるんでしょうか。

○辻山部会長

その点については繰り返しこれまで議論を行ってまいりまして、そのためにはそもそも投資不動産というものがまず区分けられなければいけないというところに戻ってまいりますので、最初の議論の出発点に戻るということですね。これまでの議論の中でさしあたり議論の集約が見られたところをまとめたのがこのペーパーでございます。

岩田委員、どうぞ、何かございますか。

○岩田委員

私も最初から、投資不動産と事業用不動産をどういうふうに分けるか、なかなか分けづらいのではないかということでずっとやっておりまして、その点については今も変わっておりません。ですから、この内容としては非常にいい内容ではないかなと思っております。

先ほどの使用目的うんぬんの議論も、やはり不動産業の場合は土地についてもかなり先まで考えておりまして、ほかのメーカーさんとかそういうところには遊休土地というのが多分あるとは思うんですが、不動産業の場合はかなり、今は持っていて、将来値上がりするだろうみたいな議論での保有の仕方は恐らくやっていないのではないかなというふうに思いますので、その辺もちょっとつけ加えておきたいなと思います。

○辻山部会長

どうもありがとうございました。

増田委員、どうぞ。

○増田委員

しつこいようなんですが、先ほどの品川委員のご発言の中に、投資用不動産、事業用不動産というのは経営者が決めれば簡単に区分けのできるものではないかというそういう趣旨のご質問があったように思うんですが、私はそれこそ土地のように減耗の度合いが低い長期にわたって存在する資産を固定資産として持った場合に、果たして株主は経営者に事業用資産と投資用資産の区分けまでの権限を委譲しているのかという問題があると思うんです。つまり、一方的に経営者が決められることという印象ではなくて、それこそ経営者としては事業用資産として何が何でも、地価が上がろうと何であろうと、これはうちが自分で事業をやるために使うんだということを主張したとしても、株主がそれを認めるか認めないかはわからない。

そういうような資産について投資用・事業用というくくりをつけようとすると、必ずどこでどう振りかわるかというところに恣意的な操作の可能性が生じる。その恣意的な操作の可能性を防ぐために、とにかく、減損会計なら減損会計、時価会計なら時価会計、固定資産として持っている土地については資産のカテゴリー別に別の会計基準を立てるべきではないということを改めて主張したいと思います。

○品川委員

ちょっとよろしいですか。

今の件で、私の質問がちょっと誤解されているかと思うんですが、私はこの11ページの文章の中で、「さらに」の最初のところで、外形は投資不動産ということは、これはその会社の中の経営判断で投資不動産と流動資産というのを分けてきて、それで不動産になってきたと。しかし、その中身を見たら、時価の変動により利益を得ることから、事業目的から、いろいろなものが混在していると、だから一概に時価評価はできない。しかし、むろんその保有目的に応じて会計処理を定める、その保有目的全部をほぐすことができるのではないかと書いてあるものですから、しかし、その客観的基準ができないから、結果、取得原価だとこう書かれているので。

もちろん先ほどのご指摘のように、会計の恣意的な処理が経営者によって行われるというのは百も承知の上で申し上げたわけで、ここまでいろいろなものが混在されているということであれば、しかも保有目的は会計処理で定める方法もあるというふうに指摘しているわけなので、ここまで来たら、じゃあ一時的には会社が判断したことで、投資不動産の中でもこれは時価変動目的、事業目的というふうに区分できるのではないか、もちろんその区分が正しいかどうかというのは客観的な基準によって会計士の方がチェックするというのは当然想定されていることですけどね。

ですから、こういう文章の中で、やや「むろん」のところに説得力が欠くのではないかということを申し上げただけで、区分が困難であれば、最初は会社判断で区分できるだろうということを申し上げただけです。本来であれば客観的な基準があって会社の判断もそちらの方に収斂させるような会計処理が望ましいのではないか、ですから、そこは困難であるというふうに書かれてしまったので、できれば困難である理由か何かを書いていただければ外の人に対して説得できるのではないかということを申し上げただけです。

○辻山部会長

1点確認でございますが、経営者の保有目的に応じて処理を当面行うこととしてはどうか、ただし、その場合には会計士等が客観的な基準でその妥当性を判断できるという、その客観的な基準というのは品川先生はどういうふうにお考えですか。

○品川委員

これはここにいろいろ書いてありますように、投資不動産と経営段階で区分しても、先ほど申し上げましたように、いろいろな目的で持っている不動産をそこに全部掃き溜め的に持ち込むという会計処理というのは――私も実態を見てきているものですからね――それをきちんと区分するのは確かに……、もともとは区分したくないから当面持ち込んでいるところがなきにしもあらずなんですね。

したがって、それをきちんと区分するのは確かに困難ですけれども、しかし、実際にその資産がどういうふうな機能で会社に保有されているかということはチェックすることができると思うんですね。今の会計処理の中で一番懸念されるのは、バブルのときにたくさん土地を買い込んで、これは子会社を経由して買い込んでいる場合もいろいろあるんですね、うまく処分できない、あるいは下がっているから流動資産の方には持っていけない、となるとそれは経営判断としてとりあえずこの投資不動産の部類の中に入れておこうというふうな会計処理は私はかなりあると思うんですね。

○辻山部会長

そこで少し誤解があるのかなと思いますのは、仮に投資不動産について他の有形固定資産と同様に取得原価基準が適用された場合でも、現在、販売用であればいわゆる評価減というのが適用されるけれども、それを避けるために全部吹き溜まりになっていることについては、今後、減損会計が適用されますので、今までのように投資不動産が吹き溜まりになっているから区分したらどうかという議論は、時価評価するかしないかという議論とはちょっと別個の議論のように思われますが。

○品川委員

もちろんおっしゃるとおりなんですが、ここに書いてあることでいろいろなものが入っていれば、むしろ基準をきちんと書いて方向性を定めた方がいいと。もし、おっしゃるように、投資不動産の取得原価でやっても最後は減損で対応できるのだというのであれば、投資不動産の区分が困難であるとか何とかということはあえて書かなくてもいいのかなというふうにも思いますけれども。

○辻山部会長

この3行につきまして品川委員からいろいろご発言がございますので、一応検討させていただくということにさせていただきます。

○品川委員

私は、どうあるべきかというよりも、むしろ取得原価を基準にするということであれば、この三段論法を少し工夫されたらという、その程度ですので。

○辻山部会長

ご発言の趣旨はわかりました。それでは検討させていただきます。

そのほかございますでしょうか。

それでは、予定の時刻が参りましたので、本日の部会はこれで終了とさせていただきます。

なお、本日配布しました資料は委員限りとなっておりますので、取扱いにはご注意をいただきたいと思います。

次回でございますが、本日いただいた意見を踏まえまして、さらに修文したものについてご検討いただきまして、文章の内容を次回固めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

本日ご発言できなかった意見がある方は、事務局まで直接お申し出いただきたいと思います。

なお、次回の当部会でございますが、日程につきましては7月6日、毎週で恐縮でございますが、2時からを予定しております。詳細につきましては改めて事務局から皆様方にご連絡をさせていただきたいと思います。

本日は、皆様方には大変お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。

これにて散会とさせていただきます。

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