平成14年3月7日
金融庁

企業会計審議会第20回固定資産部会議事録について

企業会計審議会第20回固定資産部会(平成14年2月15日(金)開催)の議事録は、別紙のとおり。

(問い合わせ・連絡先)

金融庁(TEL 03-3506-6000)
総務企画局企業開示参事官室
企業会計審議会事務局


企業会計審議会第20回固定資産部会議事録

日時:平成14年2月15日(金)午後4時00分~午後5時45分

場所:中央合同庁舎第4号館9階金融庁特別会議室

○辻山部会長

定刻になりましたので、ただいまから第20回固定資産部会を開催させていただきます。本日は、皆様方にはお忙しいところご参集いただき、ありがとうございました。

前回は、公開草案のうち、基準や基準注解となる部分についてのたたき台となるもの、また前文につきましてもその骨子を箇条書きにした資料を事務局で作成していただき、それらの資料をもとに議論していただきました。

さまざまな論点について議論を行いましたが、その中でも減損損失の配分方法、さらにのれんの取り扱いについて、特に詳しくご議論いただきました。

本日でございますが、前回までの議論を踏まえまして公開草案のうち、基準や基準注解となる部分のたたき台について、起草委員の方々と共同して修正したものをご用意いたしました。前文につきましても全部ではありませんが、前回の骨子をもとに、さらに文章化したたたき台を準備いたしましたので、これらの資料を材料にいたしまして、さらにご検討をお願いしたいと思います。

それでは、資料1、資料2でございますが、事務局の方から簡単にご説明いただきたいと思います。

○平松課長補佐

それでは、簡単にご説明させていただきます。

まず、資料1の会計基準のたたき台の方からお話をさせていただきたいと思います。

下線を引いてある部分が、前回部会で提出させていただいたものから変更されている部分ということでございます。

まず、1ページ目でございますが、減損の兆候のところの1行目でございます。「(以下「資産グループ」という。)」というふうにしてございまして、これは表現方法の整理をしたということでございます。前回、お出ししたものについては、「資産又は資産グループ」ということで、全部そういう表現になっていたわけですが、やや煩雑ではないかということでございまして、「(以下「資産グループ」という。)」ということに統一したところでございます。

3行目でございますが、「判定を行う。」ということで、「う。」というところに下線が引いてございますが、これは、従来、「行わなければならない」というふうになっていたところでございますが、文末の言い方を統一してはどうかということでございまして、すべて「行う」とか、以下同じようなところが何カ所か出てきますけれども、言い切り型にしてはどうかということでございます。

2ページ目でございます。前回部会でお出ししたものには、(注3)というものがございまして、その内容でございますが、基準の方のマル3のところでございますが、経営環境という言葉につきまして、経営環境とは「自立的環境、市場環境、経済的環境、法的環境等をいう」というような注書きがあったわけですが、内容的に中途半端といいましょうか、レベル的に適用指針、もしくは実務的な対応で十分ではないかということで、これは削除した方がいいということで削除しております。

それから、前回部会でご指摘がありまして、従来マル4は市場価値というふうに書いてあったところでございまして、他の箇所は市場価格というわけで、市場価値という表現と市場価格という表現とどういう関係になっているのか、というようなご指摘があったわけでございますが、これは意味するところは同じであるということでございまして、「価格」という言い方に統一しております。したがいまして、この部分は「市場価格」というふうに改めたわけです。

それから、次に3番目の減損損失の測定でございますが、ここは内容は変わっておりませんが、若干言い方を変えております。特に、後ろの方の部分ですが、「当該減少額を減損損失として当期の損失とする」ということでございまして、帳簿価額と回収可能価額の差額と申しましょうか、減額した部分が減損損失であるということを明らかにするために、表現を改めているということでございます。

それから、4の将来キャッシュ・フローの(2)のところでございます。ここは、従来、キャッシュ・フローの見積もりについて、資産グループの現在の使用状況等に基づいて判断するという趣旨の規定が(4)にあったわけですけれども、(2)ということで位置を移動しております。これは、比較的重要な事柄であるということと、(1)に関連性が強いのではないかということで、位置を変えているということと、それから前回部会でもご指摘があったわけでございますが、合理的な使用計画、これは前回は利用計画になってございましたが、これを使用計画というふうに改めてございます。合理的な使用計画ということを、前回部会では注解におかれていたわけですが、それを本文の方に上げた方がよろしいのではないかというようなご指摘がありましたので、起草委員会で検討したわけでございますが、結果的にそこにございますように、「将来キャッシュ・フローの見積もりに際しては、資産グループの現在の使用状況及び合理的な使用計画等を考慮する」というふうな文言ではどうかということでございます。

右の方の(注3)でございますが、前回は、冒頭のところに本文と重複する内容が書かれておりまして、その部分を削除しております。

それから、先ほど申し上げましたように、利用計画という部分を本文の方に移しましたものですから、用途の定まっていない遊休資産については、現在の状況等に基づきキャッシュ・フローを見積もるということで、これは経過報告とか、以前の表現に戻っているということでございます。

それから、次の(3)でございますが、これは下線部分、「複数の将来キャッシュ・フローをそれぞれの確率で加重平均する」云々ということでございます。これは、文章を明確化したということでございます。

(注4)も同じように、文章を明確化するために修正したところでございます。頭の部分の「将来キャッシュ・フローが見積値から乖離するリスクについては、将来キャッシュ・フローの見積もりと割引率のいずれかに反映させる。」という前提をまずおきまして、「ただし、割引前将来キャッシュ・フローの算定の場合には、このリスクを反映させない。」と、後段にそのポイントがあるわけですが、そこを明確にしております。

次が3ページ目でございます。この部分につきましては、「資産グループに関連する間接費用は合理的に配分し、当該資産グループの将来キャッシュ・フローの見積もりに際し控除する」ということです。間接費用を配分するかどうかということについて、前回の文章で不明確な点があったと思うのですけれども、今回「配分する」ということで文意を明確化したというところでございます。

(6)は、「しなければならない。」を「とする。」というふうに文末を直したところでございます。

それから、5の割引率でございますが、これにつきましても文末の「させなければならない。」というところを「させる。」というふうにしたところでございます。

それから、6のグルーピングでございますが、(1)のところも「行わなければならない。」を「行う。」というふうに改めたところでございます。

それから、7番目の共用資産でございますが、本文そのものは変わってございませんが、まず(注6)でございますが、ここは後でまた触れますけれども、のれんにつきましても基本的に共用資産と同じように、大きな単位で行うことを原則とするということにしたため、共用資産又はのれんという形で合わせて規定してはどうかということでございます。

それから、4ページ目でございますが、右側の(注7)でございますが、これは新しく追加をした注解でございます。

共用資産を加えたところの大きなくくりで減損損失を判定した場合に、減損損失の増加額は原則として共用資産に配分するということになっておりますが、共用資産に配分しきれないというケースもあり得るのではないかということで、配分しきれなかった場合の取り扱いを定めたのが(注7)でございます。「共用資産に配分された減損損失が、共用資産の帳簿価額と正味売却価額の差額を超過することが明らかな場合には、当該超過額を合理的な基準により各資産グループに配分する」ということでございます。

それから、のれんでございますが、のれんにつきましては前回の部会の議論とか、それから起草委員会内での議論も踏まえまして、先ほど申し上げましたように共用資産と同じように取り扱うということで、全面的な修文を行っております。

まず、「のれんを認識した取引において取得された事業の単位が複数である場合には、のれんの帳簿価額を合理的な基準に基づき分割する。分割されたそれぞれののれんに係る減損の判定は、のれんが帰属する事業に関連する一又は複数の資産グループにのれんを加えたより大きな単位で行う」ということでございまして、まず事業単位にのれんを分割して大きな単位で減損を判定するということにしてはどうかということでございます。

その事業の単位ということにつきまして、(注8)が設けられておりまして、「のれんの帳簿価額を分割し帰属させる事業の単位は、取得の対価が概ね独立して決定され、かつ、取得後も内部管理上独立した業績報告が行われるような単位とする」ということで規定をしてはということございます。

それから、次のところでございますが、「のれんを含む資産グループについて減損損失を認識するかどうかを判定するに際しては、のれんを含まない個々の資産グループにおいて算定された減損損失控除前の帳簿価額にのれんの帳簿価額を加えた額と、割引前将来キャッシュ・フローとを比較する。この場合に、のれんを加えることによって算定される減損損失の増加額は、原則としてのれんに配分する」ということで、これは共用資産と同じような扱いになるということではないかと思います。

それから、「のれんが帰属する事業に複数の資産グループが関連し、のれんの帳簿価額を関連する資産グループに合理的な基準で配分することができる場合には、のれんの帳簿価額を各資産グループに配分したうえで減損損失を認識するかどうかを判定することができる。この場合に、各資産グループについて認識された減損損失は、のれんに優先的に配分し、残額は各資産グループの構成資産の帳簿価額に基づく比例配分等の合理的な方法により、当該資産グループの構成資産に配分する」ということで、共用資産と異なるところは、のれんに優先的に配分するというところでございまして、のれんは超過収益力を表わすということですので、まず、そこに優先的に配分してはどうかというところでございます。

前後しましたが、(注9)でございますが、のれんの帳簿価額の分割の方法を示しておりまして、「のれんの帳簿価額の分割は、のれんが認識された取引において取得された事業の取得時における時価の比率に基づいて行う方法その他合理的な方法による」ということでございます。

それから、(注10)でございますが、これも共用資産と同じように、のれんに配分しきれなかった場合でございますが、「のれんに配分された減損損失が、その帳簿価額を超過する場合には、当該超過額を合理的な基準により各資産グループに配分する」ということでございます。

それから、次の9の減損処理後の会計処理でございますが、これにつきましても「行わなければならない。」を「行う。」というふうに変えております。

それから、冒頭に「減損損失控除後においては、」という文があったのですけれども、当然のことなのでその部分は削除しております。

それから、最後のページ、5ページでございますが、(注11)のリースについてでございます。2.のところでございますが、「リース賃借資産」と言っておりましたが、リース賃借資産と申しますと、オンバランス、オフバランス両方入ってしまうというご指摘がありまして、オフバランス分に限るということでございますので、「賃貸借に係る方法に準じて会計処理を行っている」と、文意を明確にしているということでございます。

基準の方は以上でございます。

引き続きまして、資料2の前文の方でございます。

先ほど、部会長の方からもお話がありましたけれども、現在、起草委員会の方で基準の方を先行して検討しているものですから、仲々前文の方まで十分に手が回らないわけでございまして、まだ、完全な姿にはなっておりません。

最初の「経緯」と、一番最後のページの「投資不動産」の部分については、文章化ができておりません。それから、他の部分についても、今、申し上げたように、検討が十分でないところがあります。一応、全貌ということで簡単にご説明申し上げます。

まず、経緯に続きまして、固定資産の減損に係る会計基準整備の必要性ということで、この部分に記載されていることは前回、骨子で示されていることと大体同じようなことですので、これは説明を省略させていただきます。

それから、次に基本的な考え方でございます。ここは重要な部分ですので、読み上げさせていただきます。

「本基準が対象とする固定資産については、通常、市場平均を超える成果を期待して事業に使われているため、市場の平均的な期待で決まる時価が変動しても、企業にとっての投資の価値がそれに応じて変動するわけでなく、また投資の価値自体も、投資の成果であるキャッシュ・フローが得られるまでは実現したものではない。そこで、固定資産は取得原価から減価償却等を控除した金額で評価され、それに基づく実現利益が計上されている。

しかし、事業用の固定資産であっても、その収益性が当初の予想よりも低下し、資産の回収可能性を帳簿価額に反映させなければならない場合がある。このような場合における固定資産の減損処理(減損会計)は、棚卸資産の評価減、固定資産の物理的な滅失による臨時損失や耐用年数の短縮に伴う臨時償却などと同様に、事業用資産の過大な帳簿価額を減額し、将来に損失を繰り延べないために行われる会計処理と考えることが適当である。これは、金融商品に適用されている時価評価とは異なり、資産価値の変動によって利益を測ることや、決算日における資産価値を貸借対照表に表示することを目的とするものではなく、取得原価基準の下で行われる帳簿価額の臨時的な減額である」。

それから、2番目のところは臨時償却との関係でございますが、「固定資産の帳簿価額を臨時的に減額する会計処理のひとつとして臨時償却がある。臨時償却とは、減価償却計算に適用している耐用年数または残存価額が、予見することのできなかった原因等により著しく不合理となった場合等に、耐用年数の短縮や残存価額の修正に基づいて一時に行われる減価償却累計額の修正であるが、必ずしも資産の収益性の低下を帳簿価格に反映することを目的とする会計処理ではないため、減損に関する会計処理を別途設ける必要がある」ということでございます。

それから、3番目は減損の意義を述べているところなんですが、「ここで、減損とは、資産又は資産グループ(以下「資産グループ」という。)の収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった状態であり、固定資産の減損処理とは、そのような場合に、一定の条件の下で回収可能性を反映させるように帳簿価額を減額する会計処理である」。

「減損処理とは、本来、投資期間全体を通じた投資額の回収可能性を評価し、投資額の回収が見込めなくなった時点で、将来に損失を繰り越さないために帳簿価額を減額する会計処理と考えられるから」、この辺は従来と同じでございますが、「期末の帳簿価額を将来の回収可能性に照らして見直すだけでは、収益性の低下による減損損失を正しく認識することはできない。帳簿価額の回収が見込めない場合であっても、過年度の回収額を考慮すれば投資期間全体を通じて投資額の回収が見込める場合もあり、また過年度の減価償却などを修正したときには、修正後の帳簿価額の回収が見込める場合もあり得るからである。

なお、減価償却などを修正して帳簿価額を回収可能な水準までに減額させる過年度修正は、現在修正年度の損益とされている。遡及修正が行われなければ、過年度修正による損失も、減損による損失も、認識された年度の損失とされる点では同じである。したがって、当面この部分を損益損失と区分しなくても、現行の実務に大きな支障は生じない。そのため本基準では、他の基準を適用しなければならないものを除いて、回収を見込めない帳簿価額を一纏めにして、減損の会計処理を適用することとした。

将来、過年度修正に対して遡及修正が行われるようになった場合には、本基準において減損損失に含められているもののうち、減価償却の過年度修正に該当する部分については、減価償却の修正として処理される必要があると考えられる。また、この場合には減価償却の修正前に減損損失を認識することについて、再検討される必要がある」というところが基本的な考え方でございます。

次に、4番目の会計基準の要点と考え方でございます。

まず、対象資産でございますが、この部分については変更がございませんので省略させていただきます。

それから、次に兆候につきましては、前回の骨子におきましては、基準と同じように減損の例示等が同じように書いてあったのですが、重複を避けるという観点から、そういう部分をカットしまして、説明書きだけにしてございます。中身については、それほど新味はないので説明は省略させていただきます。

それから、次に認識につきましては、前段部分につきましては、骨子と同じでございます。減損損失を認識すべきか否かの判定は、減価償却等の見直しに先立って行われるという文章は、臨時償却等との関係を示した文章でございます。

それから、なお書きをつけ加えておりまして、「なお、減損処理に関する本来的な意義を踏まえれば、上記にかかわらず、過去のキャッシュ・フローを考慮すれば当初投資額の回収可能性が明らかである場合、減損損失は認識されないこととなるが、現段階では、そのような適用は行わないこととした」ということで、基本的な考え方との関係についての説明をつけ加えております。

それから、測定のところは細かい文章は別として、中身は変わっておりません。

それから、4ページ、将来キャッシュ・フローでございます。この部分も中身は変わっておりませんが、1点だけ、2行目からですが、「このようなキャッシュ・フローは、資産グループの時価を算定するためではなく、企業にとって資産グループの帳簿価額が回収可能かどうかを判定するため、あるいは企業にとって資産グループがどれだけの経済的な価値を有しているかを算定するために見積もられることから、企業に固有の事情を照らして、合理的で説明可能な仮定及び予測に基づいて見積もることとした」。「固有の事情に照らして」という部分の理由を具体的に説明しているところでございます。

それから、マル1ですが、これも最初のパラグラフは骨子と同じでございますけれども、2つ目のパラグラフをつけ加えております。これは、確認のような言い方になっておりますが、「一方、資産グループの現在の価値を維持するための、当初から合理的に予定されているような設備投資については、それに関連するキャッシュ・フローを将来キャッシュ・フローの見積もりに含めることになると考えられる」という一文をつけ加えております。

それから、マル2ですが、これは見積もりの方法に2つの方法があるということと、それから割引前将来キャッシュ・フローの算定においてリスクを反映させないということの説明の部分があるのですけれども、2番目のパラグラフの言い方を変えております。

読み上げますと、「使用価値の算定においては、将来キャッシュ・フローがその見積値から乖離するリスクを、将来キャッシュ・フローの見積もりに反映する方法と割引率に反映する方法のいずれによっても基本的に同じ結果が得られるものと考えられるが、減損損失を認識するかどうかを判定する際に用いる割引前将来キャッシュ・フローの算定においては、将来キャッシュ・フローがその見積値から乖離するリスクを将来キャッシュ・フローに反映させるか否かで異なる結果が導かれることになるため、リスクを反映させない方法で統一した」ということで、割引前キャッシュ・フローの算定に際して、リスクを反映させない方法についての根拠をより明確にしているところでございます。

それから、5ページ目につきましては、特には変わってはいないんですが、マル5に見積期間の制限の問題がございます。基準は20年、あるいは主要な資産の経済的残存耐用年数、いずれか短い方ということにしているわけでございますが、その部分の理由づけ等を入れてございます。

「減損損失を認識するかどうかを判定するために見積もられるキャッシュ・フローは割引前の数値であるが、少なくとも土地については見積期間が無限になることから、その見積期間を制限する必要がある。また、一般に長期間にわたる将来キャッシュ・フローの見積もりは不確実性が高くなる。このため、減損損失を認識するかどうかを判定するために見積もられる割引前将来キャッシュ・フローの見積期間は」、先ほど言いましたように、「経済的残存耐用年数と20年のいずれか短い方とすることとした」というところでございます。それから、割引率は文章は別として文意は変わっておりません。それから、グルーピングのところも変わっておりません。

6ページ目、マル2でございますが、資産グループについて認識された減損損失の配分というところでございまして、これにつきましては、「帳簿価額に基づいて各構成資産に比例配分する方法を原則的な方法」としているわけですが、ほかにどういう方法があるのかということにつきまして、若干頭出しをしているといいましょうか、そこにありますように、「時価による配分等の方法が合理的であると認められる場合には、当該方法によることができる」ことを書き加えております。

それから、共用資産につきましては、2番目のパラグラフまでは骨子でご紹介したことをやや詳しく書いているところでございます。

最後のパラグラフでございますけれども、ここは新しくつけ加えてございまして、「共用資産に関して、より大きな単位でグルーピングを行う場合には、減損損失を認識するかどうかの判定と減損損失の測定は、まず共用資産を含まない資産グループごとに行い、その後、共用資産を含むより大きな単位で行うことになる」という部分をつけ加えております。

それから、(8)ののれんの取り扱いでございますが、のれんにつきましては、先ほど基準のところでご紹介しましたように、かなり内容を変えておりますので、それに沿った説明内容にしております。

最初のパラグラフでございますが、「のれんが認識される取引において、取得の対価が概ね独立して決定され、取得後も内部管理上独立した業績評価が行われるような複数の事業が取得される場合がある。このような複数の事業に係るのれんを一括して減損処理することは適当ではない。したがって、のれんの減損処理を行うに当たり、その帳簿価額は、まずのれんが認識された取引において取得された事業の単位に、合理的な基準に基づき分割することとした」ということで、先ほどご説明したように事業の単位に分割するということの説明を頭に持ってきているというところでございます。

あとは、それほど変わっておりませんが、(9)に減損処理後の会計処理がございますけれども、マル1は特にご紹介することはないと思います。

マル2は、戻し入れを行わないことの説明でございますが、ここは重要で、「減損処理は回収可能価額の見積もりに基づいて行われるため、その見積もりに変更があり、変更された見積もりによれば減損損失が減額されるような場合には、減損損失の戻し入れを行う必要があるという考え方がある。しかし、本基準においては減損の存在が相当程度確実な場合に限って減損損失を認識・測定することとしていること、また戻し入れは事務的負担を増大させるおそれがあることなどから、減損損失の戻し入れは行わないこととした」という説明ぶりをしております。

それから、3番のファイナンス・リースでございますが、これにつきましては骨子と変わっておりませんので、割愛させていただきます。

それから、最後に実施時期等でございますが、これにつきましても前回骨子でご説明させていただいておりますので、これも割愛させていただきます。

以上でございます。

○辻山部会長

ありがとうございました。

それでは、ただいまの事務局からの説明に関しまして、ご質問、ご意見のある方はご自由にご発言いただきたいと思います。

特に、資料1、資料2どちらかに限らず、本日のご説明の中でご意見、ご質問がある方はお出しいただきたいと思います。

○伊藤委員

資料1の減損の兆候のところなんですが、今、減損の兆候の記載がIASとアメリカの基準も踏まえたような基準になっていると思うんですが、一つIASと大きく違うのは、IASですと報告会社の純資産の簿価、それから自社の発行株式の市場価値という記載があるのですが、この記載が例えばという記載ではあるものの全く見られないので、ケースによってはIASと日本の基準、特に今の株式状況ですと、大きな差が出てくる可能性があるのではないかと思うのですが、それについてはどのようにお考えでしょうか。入れなくてもよろしいのでしょうか。

○辻山部会長

減損の兆候については、例えばということですので、そのようなIASに書いてあることをすべて網羅するということではございません。ですから、そのような場合が兆候であるというふうに判断されれば当然その中に入ってくる。これは、例示でございますので、例示をIASと合わせるということにはしてございません。意図的にそれを除いたということでもございません。

○奥田委員

資料2の方ですが、すごく細かい点なんですが、1ページ目の三のところの1に市場平均を超えるということで、平均という言葉が使われているんですが、その市場の中で極端にどちらか低い、高いに外れているものがある場合、平均というのがなかなか難しいという考え方がございまして、例えば鑑定の世界では、平均という言葉は使わないで標準という言葉を使ったり、むしろ平均という考え方をとらないというケースもございます。ちょっとこの用語の使い方が妥当かどうかというのを疑問に思いまして指摘させていただきました。

それから、4ページの(4)に将来キャッシュ・フローということで書かれておりまして、そのうちのマル1の中に将来の用途が定まっていない遊休資産についてということがあるわけなんですが、遊休資産というものは本来キャッシュ・フローを生んでいない資産を遊休資産というふうに呼ぶのかなというふうに思うのですが、もしこのキャッシュ・フローの定義に将来の売却による売却益みたいなものをキャッシュ・フローということで考える。遊休資産の場合に、インカムとしてのキャッシュ・フローが把握できない場合には、正味売却価額のようなものを見積もって判定することになるべきではないのかなというふうに思うのですが、その辺をはっきりさせてはどうかと思います。

6ページのマル2に今までは帳簿価額に基づく配分を原則的な方法としていたことに、今回時価による配分等が加えてあるわけなんですが、時価による配分を認めるということであれば、むしろ時価と帳簿価額との差による按分というふうにした方がより合理的ではないかというふうに思いますがいかがでしょうか。

○辻山部会長

ただいまのご指摘、全体で3点ほどございましたでしょうか。

まず、1ページ目の市場平均ではなくて、市場標準という言葉を使ったらどうかということでございますが、これは特に深い意味はございませんので、一応ご意見として承っておきます。

それから、4ページ、将来の用途が定まっていない遊休資産ということでございますが、これはこれまでも種々議論してまいりまして、ここの意味は、現在使っていないという意味で、その使っていないものでも将来実現の可能性が高い何か利用計画がある場合というのは、ここの4ページの表現からは除かれているわけです。使っていないし、将来の用途というのは売却というもの以外の利用計画がないものですね、将来の利用計画が定まっていない遊休資産、これは現在の状況等に基づきキャッシュ・フローを見積もるということですから売却価格が想定された内容になっていると思います。

それから、6ページ目のマル2ですが、これはおっしゃるとおり時価による配分としてございますのは、帳簿価額と同じように時価に基づいて比例配分するという意味ではございませんで、奥田委員ご指摘のように、時価と簿価との差額を配分するという方法もあろうかと思いますけれども、そこまではここでは書き込んではいないということでございます。一つの方法としてそれらの方法があるということですので、具体的にそれをどういうふうに適用するかということについては、また適用指針での検討事項になろうかというふうに考えております。

○品川委員

甚だ細かいことで恐縮なのですが、私も公用用語を随分訓練されてきたので、点のつけ方について幾つか統一がとれてないので、若干指摘させていただきたいと思います。まず基準の方ですけれども、通常は公用用語としては主語とか接続詞の後には原則として「、」がつくと思いますけれども、(注1)の「定義は」というところには通常「、」が入ると思いますが、ここがないということ。

1ページは、減損の兆候の3行目の「例えば」、ほかの「例えば」には「、」が入ってますけれども、ここには入ってないということ。

それから、2ページの(注3)に「キャッシュ・フローは」、これが主語になると思いますが、そこにないということ。

3ページの(4)で「間接費用は」というところが主語になるかと思いますが、それがないということ。

それから、3ページの一番下に「原則として」という文がありますが、この基準には「原則として」という用語が4カ所使われていますが、2カ所に「、」があって、2カ所に「、」がない。ないところが3ページと4ページのちょうど真ん中辺であります。ちなみに、4ページの下から3行目にはちゃんと「、」がついているということです。

5ページの最後は(注11)の2.の最後のところは「取り崩された金額は」これは主語であろうから、ここに「、」があるべきじゃないかということ。

それから、ついでに先ほどのご説明の2ページの中に、「価値」と「価格」が同じであるから、価格を採用したというマル4のところがございますが、価値に対応する概念は価格ではなくて、法律的な用語としては「価額」を使っていると思うんですけれども、「格」を使うと具体的な、まさしく価格表示を意味するので、「価値」に対応するのは「価額」の方が用語としては正しいというふうに、法律的には理解していたのですが、極めて瑣末なことで大変恐縮ですが、これが公に出されることもあるので、一応参考にまで意見を述べさせていただきました。

○辻山部会長

貴重なご意見ありがとうございました。参考にさせていただいて、適宜訂正をさせていただきたいと思います。

そのほかいかがでしょうか。

○伊藤委員

3ページの(6)ですが、「経済的残存使用年数」という記載がございまして、これが期限だよという内容はわかるのですが、実務界からいうと、経済的残存使用年数というのは、ほとんど認知されていない言葉だろうと思うのです。恐らく通常の大多数の会社は税法上の耐用年数を使っていますので、もしその記載が可能であれば、実務的なことを考えると、税法上の耐用年数と大きく差がない場合は、これも使うことができるとか、あるいは、それを認めないのか、そのお考えはいかがですか。

○辻山部会長

この点につきましては、本日の部会は固定資産部会の第20回部会ということで、これまで議論してまいりまして、3ページで使われている経済的残存使用年数というのは、税法上の法定耐用年数とは明らかに違うものであるという理解であると思います。では、何を使うのかということにつきましては、キャッシュ・フローの見積もり、あるいはグルーピング等々で指摘されております企業固有の事情に照らして合理的で説明可能な仮定ということで、具体的には管理会計上、あるいは投資意思決定計画等に基づくということになってございますので、ここで使われている意味はそのことを指しているという理解でございます。ですから、法定耐用年数と大きく異ならないということはむしろ前提にしていないという理解だと思います。

この点は、逆瀬委員いかがでしょうか。基準の3ページ、経済的残存使用年数は通常法定耐用年数と等しくなるとは限らないという理解でよろしいでしょうか。

○逆瀬委員

今のお話はキャッシュ・フローの見積もり等が行われるところで使われる数字ということで、伊藤先生のご意見は、こういう言葉が使われているけれども、それが税法上の耐用年数表のものと大差がないのであれば、そういうものも認めるのだという趣旨を体しているのかどうかという、そういう確認の意味ですよね。そうであれば、弾力的な解釈でよろしいのだという理解であれば、伊藤さんのような考えも頭に入れつつ、今部会長が言われた本来の意味合いは、実態的にあと何年使われるだろうかというものをベースにした意味合いであるということですから、部会長が言われたことが本筋で、実務のことを考慮すれば、耐用年数表によった見積もりをやったとしても問題がない場合はそれを認めるということであると思います。

実態的には、キャッシュの見積もりのときには、必ずしも耐用年数表によらずとも、申し上げたような本来の意味合いでの見積もりをやるというのが原則だろうとは思います。

○辻山部会長

伊藤委員、それでよろしゅうございますか。

○伊藤委員

私はいいんですが、実務の方が経済的残存使用年数というのがそう簡単に見積もれるのかなということで、お考えはわかりました。

○辻山部会長

ただいまのことでございますが、伊藤委員のご指摘は逆瀬委員のご指摘とむしろ逆に、経済的残存使用年数という概念が不明確であるために、法定耐用年数を原則としつつ、それと経済的耐用年数が大きく異ならない場合に、そちらを使えるという、そういう最初のご指摘でしたでしょうか。

○伊藤委員

すみません、表現が悪かったみたいですが、本来経済的残存使用年数というのを使うべきであるけれども、その年数を算出する考え方なり、そういう手法がまだ日本にはないと思うので、あるいはそれを計算しているところがほとんどないと思うんです。当初の設備投資のときには、ある年数というのは各社やられてますが、それは大体製造メーカーが保証する期間とか、税法の年数とか、半導体は違うと思いますが、結果的に本来理論的にはこれが正しいということはわかるんですが、実務上それをやるというのは大変であろうから、大差がなければ税法でもいいよということがあるのかなと思ったわけです。

○辻山部会長

わかりました。逆瀬委員のご指摘と同じですね、ありがとうございました。

○逆瀬委員

関連するかもわかりませんが、(6)と先ほどの文章の方の5ページ目のマル5で20年という数字が書いてあるところなんですけれども、この辺の意味合いの確認なんですけれども、基準の方ですと資産グループ中の主要な資産の使用年数、それから20年というのが今度入ってきまして、それの短い方でやるということで、これは何回か議論が本席上でもあったのかもわかりませんが、さらに念押しなのですが、実際の投資意思決定計画において、例えば土地とか建物と合わせ持って機械装置を購入する、それで事業を行うと。機械装置については事業は短いですよ、製品寿命を考えて5年、6年で勝負ありだろうと。しかし、土地と建物は多少高いので、これは当初の機械装置で生産する製品では賄いきれないから、次の世代でもって土地建屋の投資額を回収しようと意思決定をすることが日本企業の場合にはまれでないと思うんですけれども、その場合は(6)においてはどのように扱われるかということで、そういったようなことが当初から計画されている場合、あるいはその後計画されているというようなことで、建物も土地も十分に回収していくんだというような意思があって、それが合理的な計画のもとに行われている場合には、ここの(6)というのはどのようになるんだろうかということです。主要な資産というのは、先ほど申し上げた機械装置であって、それが価値を生むといったようなことで、建物は雨露をしのぐ、土地は場所を確保するというスキームですね。この場合、どういう理解をすればいいのか、確認なんですけれどもお願いしたいと思います。

○辻山部会長

この点について、一応こういう案になってございますが、まず逆瀬委員のご意見としてはどのようなご意見をお持ちでしょうか。

○逆瀬委員

経営が投資意思を決めたその計画、意思決定のアイデアが減損の実務に反映されるようにするべきではないかという意見でありまして、ライフサイクルが短い製品のみじゃなくて、次世代に同様の事業を行う意思と能力があれば、そしてそれが具体的に意思決定されているということがあれば、それを含めたところで20年と比べていいのではないかというふうに思います。

ですから、建物が30年あります、実際の機械装置でもって生産するのは第1世代の製品では5、6年でおしまいだ、しかし、次の製品にもいけますよということが合理的に計画されていて、その意思と能力がある場合、もう一つそういうふうに製品を変えながら、機械装置の投資のアレンジをやりながら、土地とか建物の投資原価を回収していこうという意思決定をしたときに、それに沿った形でのキャッシュ・フローの見積もりが許されるべきであろうというふうに考えます。

○辻山部会長

ただいまの件について、ほかの委員のご意見も承りたいと思います。今の逆瀬委員のご意見は、多少グルーピングの問題とも関係するのかなという感じでございます。まず、機械装置の耐用年数の間に土地建物を含めた投資をそのプロジェクトから全部回収するということが当初から見込まれていなくて、土地建物の回収をもっと長いプロジェクトで考えていると。こういう場合に、今逆瀬委員のご説明にありましたような、今現在見ると機械装置が主要資産のように見える。そうすると、その主要資産の耐用年数で切った場合には、土地建物に対する投資が十分に回収できていないというようなことが起こり得る。これについて、どのように考えればよろしいのかということで、逆瀬委員のご意見としては、もっと長い土地建物の方の年数の方、20年で切ってもいいけれども、そちらの方を回収期間というふうに考えるという方が合理的であるというのが逆瀬委員のご発言だったと思いますが、他の委員から特にこの点についてご意見ございますでしょうか。

○品川委員

今の件でちょっとお伺いしたいんですが、確かに建物土地は使用期間が長いわけで、ただおっしゃったように特定の機械を投資して、その事業をまずやって、同じ事業を機械の耐用年数が5年であれば、5年後にまた同じ機械を導入して事業を継続するのか、あるいは5年たったら別の機械を入れて別の事業をやるかによってキャッシュ・フローの見積もりが全く変わってくると思うんですが、その辺はいかがなんでしょうか。

○逆瀬委員

同じ建屋を使って、当初Aという事業を行ってライフサイクルが終わる。次に、Bという事業が……

○品川委員

それは、異業種ですか、工作機械メーカーが繊維メーカーになるとか、そういう特殊な方に変わるということは考えていないのですか。

○逆瀬委員

通常、電機業であればその電機業が行うような製品ですね。例えば半導体であれば半導体の第1世代はこれで終わるけれども、第2世代の製品のための機械装置を投入すると。そこで、次のステップアップされた製品をつくっていく。あるいは、いまは半導体だけれども、半導体ではないけれども、別の電子部品の機械装置を入れて事業をやっていくというふうなことをあわせ持って、土地建屋の投資原価を回収するというような意思決定は、日本の場合は異常ではないですね。今、この書き振りだと、そこまで排除されるべきかどうかちょっとわからないんですけれども、それは認められてしかるべきだろうと思います。

○品川委員

今おっしゃった点からいくと、当初から第2次の業種に変えるときに将来のキャッシュ・フローがある程度、合理的に見積もれるということが前提なんですね。

○逆瀬委員

とにかく、キャッシュ・フローは合理的に見積もりなさいというルールですから、見積もらなければだめだと思うんです。その裏づけとなる計画が、きちっとした実施機関決定等を経たものであればなおよろしいんでしょうけれども、そういう合理的な計画ということが大前提だと思います。

○辻山部会長

ただいまの逆瀬委員のご発言の内容ですけれども、現在の合理的な使用計画、これが具体的に実務に落とした場合に、機関決定を求めるのかというところまでいくと思うんです。必ずしも機関決定あるなしではなくて、合理的な投資計画の中で、現在機関決定まではいっていないけれども、今ご説明のようなことがあり得るのではないか。そのような場合に、単純に現在の機械装置を主要資産にしなくてもいいようなケースがあり得るということが含意されているのかどうかというご指摘ですが、特にご意見があれば承っていきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

○小宮山委員

そういうケースがあるかもしれないんですけれども、現実的にはキャッシュ・フローの見積もりはできないだろうと思います。そうすると、建物から回収するキャッシュ・フローが何なのかというところを決めないと、多分問題が解決しないのかなと思います。全く同じように、常に5年ぐらいで更新があるようなビジネスというのはそんなにたくさんないだろうと思いますから、通常はつくっているものが5年たったら全く違うというのは、製造業ではかなり見られるところですので、確実な将来計画というところと、かなりキャッシュ・フローの見積もりが難しくなってしまうので、全くないとは言わないですけれども、難しいのかなという気がするんですけれども。

○辻山部会長

実際問題として、基準のレベルでそこまであらゆるケースを想定して文章化させることは不適当かなと思いますけれども。将来的に適用指針その他で問題になり得る点ではあると思いますので、この点について、特に都委員、今回起草委員にも入っていただきましたけれどもいかがでしょうか。

○都委員

逆瀬委員が今言われたことに基本的には私もその方向でと思っております。と申しますのは、少し別の例をとって、ここには流通業の方もいらっしゃいますけれど、大きな店舗があったとして、建物としては20年もつにしても、その間に相当程度付帯設備、場合によっては本体の設備に手を入れられることが前提になると思うんです。そのときに、しかも20年というのは、今の世の中どんなビジネス、製造業に限らず、どのような対応になっているかわからないけれども、基本的にはメインの設備が続けはそこにいろいろな手を入れながら使っていくというのが前提にされていると思いますから、それはこの場合、土地が主要な資産であっても、その上で別の製造装置等を使ってビジネスを続けていくときに、それがここでいうある程度合理的な使用計画とか使用状況、第三者が見て納得できるような状況があれば、それは認めうると思いますけれども。土地のケースだと相当程度違和感があるようには思いますけれども、別のビジネスでも本体が長目にもつときは、そのような状況が起こり得るのではないかと思います。

○秋葉委員

確認方々、今いただいている前文と基準からいけば、こう読むしかないんだろうなというところなんですけれども、今ご指摘のように、基準でいえば3ページの4.(6)、ここでは、主要な資産の経済的残存使用年数と20年のいずれか短い方ということですので、主要な資産を機械というふうにしてしまえば、5年で終わるのであれば5年で終わりということですから、2世代以降確実であっても、これを勘案することは多分ないというふうに読み取れます。ただし、主要な資産が土地とか建物というふうにすれば、その中で使われるものは、見積もりが可能であれば、それを反映させる余地はあるということで、これは業種とか企業の状況によって何とも言いがたいところはありますけれども、恐らくそれを考慮したのが前文の方に、4ページ(4)のマル1が将来キャッシュ・フローの見積もりのところになるんですが、4ページ目の(4)のマル1のところはどういう形で将来キャッシュ・フローを見積もるかということですが、(4)のマル1の「一方」というところで、「資産グループの現在の価値を維持するための、当初から合理的に予定されているような設備投資については、それに関連するキャッシュ・フローを将来キャッシュ・フローの見積もりに含めることになると考えられる」というふうな文言が入っておりますので、先ほどの主要な資産が土地とか建物で、その中身について具体的なケースというのは少ないのか多いのかというのは難しいですが、合理的に予定されているような設備投資があれば、これは勘案できるというふうに、現状の書き方からすればそう読まざるを得ないのかなというふうに思います。

あと、実務上難しいのは主要な資産を機械と判断するのか土地と判断するのかということが、どういうふうに行うかと。今のところですと、基準だと注解の(注5)で「当該資産グループの将来キャッシュ・フロー生成能力にとって最も重要な構成資産」ということなので、これはこれでいいと思うんですけれども、具体的にはかなり悩ましいところがあって、さらに主要な資産の判定の時期というのはいつなのか。先ほど、逆瀬委員の話ですと投資の当初という話がありましたが、当初だけに1回限りで行うのか、それが年数が長い場合ですとかなり前の時点のもありますから、どうやってさかのぼって確認するかとか、それも主要な資産というふうに主張するのか、具体的にはどういうふうにするのかというあたりはちょっと悩ましいと思うんですが、一応今の基準の案ですとか、前文の案でいけばそのような考え方になるのではないかなというふうに思います。

○辻山部会長

どうもありがとうございました。

ただいまの件よろしいでしょうか。

○逆瀬委員

私の発言の中に、当初の意思決定のときという話もしましたけれども、ただいま現在の計画というのもあわせて申し上げたはずですので、そこはちょっと誤解のないようにお願いします。

それから、先ほど秋葉さんのお話にもありました主要な資産については、注解の5の方で最も重要な構成資産ということで、余り米国基準等においてもはっきりした決め手がないので、ここは本来のキャッシュ・フローを生むような資産をいうのか、あるいは金額の高の大きいものをいうのか、ちょっとそこのところは経営者に委ねているというふうになるんですかね、この書き方だと。そこで、今秋葉さんの解釈の中に主要な資産というのは、ただいま現在保有している資産がベースになるというのが基準全体の読み方だというふうなお考えが示されたと思うんですけれども、違いますか。

○秋葉委員

その主要な資産を判定する時期がまた難しいのではないかというふうに述べたつもりなんですが、先ほどちょっと私聞き漏らしたかもしれませんが、逆瀬さんのお話では投資の時点というふうにおっしゃったのかなとも思いましたが、それをどういうふうに見るのかというのが結構難しいのかなというふうに言ったつもりです。

○逆瀬委員

ですから、資産グループについては、もう既にただいま保有しているもの、及び合理的な計画に基づいて、これから取得されるものも入れることもあり得るというのが私の申し上げた趣旨です。それは、秋葉先生のお考えからいうとリジェクトされる考え方であるんでしょうか。

○秋葉委員

主要な資産というのは、私の考え方では現在特段持ち合わせていないんですけれども、このいただいたものを見る限りだと時点は必ずしも述べてないので、どこで判断するかは今現在では難しいし、実際に適用するときにもちょっと懸念されるかなというふうに考えられます。先ほどのケースでいえば、仮に機械ではなくて、土地を主要な資産にした場合に2世代なのか途中の設備投資なのか、これは先ほど申し上げたように、前文の(4)のマル1のところで「当初から合理的に予定されている」というような文言があるので、これに従えば将来の設備投資の予定というのは、当初から合理的に予定されていなければいけないんだろうと。なぜならば、「資産グループの現在の価値を維持するための」というのが入っていますので、これは今のところ当初から見ておかなければいけないものなんだろうというふうに解されますが、この辺がもしいろいろな実態に即して検討しなければいけないということであれば、考えなければいけない点かもしれないです。

○辻山部会長

1点ちょっと確認なんですけれども、逆瀬委員のご発言の中で、ただいま現在持っていなければならない資産で判定するのかというお話と、主要資産はただいま現在持っていなければならないのかというのはちょっと分けて考える必要があると思うんです。少なくとも、主要資産になれるのは、将来取得する資産が今現在の主要資産になるということはあり得ないと思います。ですから、現在持っている資産の中で主要資産が決まり、そのキャッシュ・フローを見積もるときに、当初から見積もられていた設備投資があって、それが当然キャッシュ・フローの中でキャッシュ・アウトフローで設備投資がカウントされますので、それに伴って維持されるキャッシュ・フロー、これはカウントできるという理解だと思います。将来取得するものが主要資産に入ってくるというご発言は、秋葉委員のご発言の中にはなかった。これは、逆瀬委員も同じだと思うんですけれども。

○逆瀬委員

主要な資産というのは、使用される年数が比較的似通っていれば、この論理で全然問題ないんですけれども、短い機械装置と土地と建物というのは分かれる場合があって、米国等と違って土地と建物にコストがかかる日本の事情があるので問題になるんです。ですから、そこのところが意思決定のときの状況と算定の方法が整合的でないと困るということを言っているだけなんです。ですから、言葉の問題ではなくて、見積もったキャッシュ・フローの結果というのは、真の意味で減損会計に結びつくような方法ではないと困ると言っているだけなんです。だから、主要な資産がどうのこうのというよりも、むしろ投資を行って、耐用年数が長いものと、機械装置の短いものが組み合わさって事業を行うわけなので、そのときに今手元にあって現有の資産グループの中の主要な資産、それが例えば機械装置であれば、機械装置の第1世代だけで判定するような話は全然投資意思としては違うものだから、その場合には投資意思を決めたときの考え方に沿った形の算定ができるような方法を認めるべきではないかといっているだけなんですね。だから主要な資産が、今現在持っているものでなければだめだという理屈もないところもあるんです。ちょっと違います。

○辻山部会長

秋葉委員の先ほどのご説明は、主要な資産が機械装置というふうに判定されたときには、その機械装置で完結するようなキャッシュ・フローを見積もる。ただし、主要な資産がそれよりも長い、例えば日本の場合ですと、土地とか建物のようなものは主要資産というふうにもし判断できるようなものであれば、それを主要資産として、その中で入れかわる機械装置というのは、その中でキャッシュ・フローが維持され、機械装置については再調達されたものがマイナスのキャッシュ・フローとしてカウントされる。そういう枠組みもあり得るのではないかということで、現在持っているものの中で機械装置が主要資産になるのか、土地建物が主要資産になるのかで結果が違ってくる。土地建物が主要資産になった場合には、将来機械装置が入れかわるところまで射程に入れるということは考え得ることであるというご発言だったと思うんですけれども。

○逆瀬委員

そうだと思います。だから、主要資産というのは土地建物で、耐用年数も当然長い、そちらを主要な資産とすれば、ということです。そういうようなことができるかどうかというのは、これから次の議論なんですね。だから、そういうところをまず詰めていく必要があるだろうと思いますけれども、ここで言っている主要な資産というものの決め方が、ひとつ左右すると思います。

○辻山部会長

この点は、具体的な事情、その他を勘案して決まることなので、ちょっと基準には書きづらいことかなという感じがいたします。いずれにしても、主要資産が機械装置というふうに決まったときには、その次に買う機械装置まではカウントできないというのが、先ほどの秋葉委員のご発言の趣旨だったのかなというふうに思います。

○逆瀬委員

それは、考え方ですよね。私の場合は、次の計画も合理的に評価の時点で決まっていれば、それは勘案していいのではないかと言っているわけです。

○辻山部会長

その場合には、現在持っているその機械装置が主要資産であるというふうに判断されたときであっても、次に買うものも主要資産という機械装置という枠内ですか。

○逆瀬委員

そういうふうに、くるくると変えていくというふうな話が計画されたときの話です。

○辻山部会長

この点について、特にご発言は。

○斎藤委員

ここで言っている資産グループとか主要資産というのは、基本的には減損の対象となる資産でありますので、持ってないものをその対象に含めてくるというのはちょっと無理があるような気がするんです。ただ、逆瀬委員のおっしゃっている理屈はごもっともな面がありまして、例えば建物が30年もつようなときに5年ぐらいで生産ラインを変えていくというときには、5年ですべてを判断して5年たった段階での土地や建物の残価でキャッシュ・フローを考えるというのは、ちょっと無理がある可能性もある。そういう場合には、土地や建物を主要資産と考えるしかないのであって、特に5年なら5年で生産ラインを変える後の計画がきちんとしている場合には土地建物が主要資産だと考えるような枠組みを想定していくしか、今の問題を解決する方法はないのではないかという感じがいたします。

○奥田委員

似たようなことになると思いますけれども、例えば5年たったときの土地建物のターミナルバリューの考え方の工夫で、その後の価値を反映できる場合もあるのではないか。例えば、建物が簿価という形ではなくて、その建物も5年後から経済的に使えるのであれば、そこから使うことを想定した場合の建物の価値で考えられるのであれば、5年たったところですべて回収できないということではなくて、土地と建物のターミナルバリューに反映することができれば、ある程度問題解決につながるのではないかと思います。

○増田委員

正直に申し上げて議論の発端については、どちらかというと瑣末なことで始まった話という気がするんですが、これは意外に、主要な資産の経済的残存使用年数というのは、実務ではものすごく難しい話になってくると思うんです。というのは、今の話は機械装置があって、建屋があって、土地があってという典型的な製造業のお話のようですけれども、非製造業で建屋と土地だけとしても、その建屋の主要資産としての経済的残存使用年数というのをはかるのはものすごく難しいと思います。というのは、今、普通の建物のライフサイクルコストを比較しますと、初期投資が大体20%ぐらいで、光熱費から営繕費、維持修繕費を含むその後の追加的な投資が65%ぐらいで、租税公課その他が15%ぐらいというのが典型的な例でして、営繕や維持補修には給排水衛生設備のように比較的寿命が長くて12、3年もつものから、空調設備の7、8年、通信設備、電気配線ですと2、3年、せいぜい長くても5年とか、いろいろな残存期間がごちゃごちゃにあるわけでして、そのウェイテッド・アベレージをとればいいという理屈としては非常に簡単な話なんですけれども、例えば空調設備の経済的な使用価値がどれくらいかというのは、省エネに対する考え方次第で、非常に大きく変わる可能性もあるわけです。そういうようなことを全部ひっくるめて、主要な資産としての経済的残存使用年数を、一つの建屋についてこれが標準的な考え方だというのが出せるのか出せないのかということについては、実務を預かっている方々にとっては、すごく難しい問題だと思います。

○辻山部会長

先ほど来、経済的残存耐用年数の決め方、実務的な難しさについて、何点かご指摘がございましたけれども、それらについてはいずれ適用指針に落としていく段階で具体的な議論になってこようかと思いますが、ここでは一応スキームをつくるということで経済的残存耐用年数もしくは20年のいずれか短い方とするということでございますので、ただいまのご意見はまた将来的な課題として承っておきたいと思います。

そのほかいかがでしょうか。

○髙野委員

1つは、細かい点なんですけれども、基準の方の3ページの(6)なんですけれども、これは経済的残存使用年数という、「使用」という言葉が使われておりまして、それから一方で意見書の5ページのマル5では、「残存耐用年数」と使ってますので、これはどちらかに統一されたらいいのではないかと思います。

それから、確認なんですけれども、前文の4ページ、マル1遊休資産については、「現在の使用状況等に基づき」と書いてありますけれども、たしか前回のところの、これは基準の方だと思いますけれども、遊休資産については「現時点で実現の可能性が高いと見込まれる利用計画等」ということだったんですけれども、これは全く同じ内容を指しているのかどうか確認させていただきたいと思います。それから、もう一つは前回たしか激変緩和措置みたいなところが少し最後の方に記載があったかと思うのですが、その辺は現時点では考える余地がないのかどうか、その辺確認させていただきたいと思います。

以上です。

○辻山部会長

まず、経済的残存使用年数と耐用年数でございますが、これは法定耐用年数という表現が一方であるので使用年数にしましょうということで、基準の方は直して前文の方では訂正が漏れているということでございますので、ご指摘のとおり統一させていただきたいと思います。

それから、遊休資産等につきまして、ただいま髙野委員のご指摘は前文の方の4ページ、ここでちょっと聞き漏らしてしまったんですけれども、(4)のマル1「合理的な使用計画等」ということと、前回基準案でお示しいたしました「実現の可能性の高い」というのは同じ内容を指しているのかと……。

○髙野委員

意見書の4ページの方のマル1に「遊休資産については、現在の使用状況等」とあり、これと前回の文とのちがいということです。

○辻山部会長

それは全く異なっております。マル1の2行目の「合理的な使用計画等」というのが前回のただいまご指摘の、実現の可能性が高い利用計画に対応するものでございまして、ただいまのご指摘は将来の用途が定まっていないというのは、そういうものがない資産という意味でございますので、これは現在の状況そのものということでございます。ですから、下の方は用途が定まっていないということは、合理的な使用計画がない遊休資産については、ということでございます。

それから、激変緩和措置につきましては、これはちょっと事務局の方から何かありますか。起草委員会では、激変緩和措置は特に必要ないのではないかというのが現段階での合意になっているわけです。

○笠間委員

関連することなんですけれども、意見書の骨子として、認識のための将来キャッシュ・フローの見積期間を20年間にするということや、あるいは経過措置を設けないとか、あるいは適用時期をいつにするというようなことを決めるということになると思いますけれども、個々の内容については、反対する、経過措置を設けるとか、20年にすべきでないとかということではありませんけれども、先ほど来の話にありますように、この減損会計の基準につきましては、従来の会計基準よりも実務的な意味において適用指針に委ねられる部分が多いわけでございまして、実際のところ会計手法の中身とか内容はよくわからない部分が多いというふうに思うわけでございます。本来的には、この基準につきましては意見書で枠組みを決めて、それを適用指針で最後固めて詳細まで明らかになった時点で、再度意見書に立ち戻って、そういう見積期間の問題とか、激変緩和措置はよくわかりませんけれども、そういうものがもう一度議論できれば本来はいいのかなというふうな意見を持っております。ただ、これらは会計基準の仕組みとか決め方、設定プロセスとしては、従来には、多分ない方法で難しいということは理解しておりますけれど、その点はいかがでしょうかということでございます。

○辻山部会長

ただいまの件でございますが、繰り返しこの部会でも話し合われておりますように、この基準につきまして少なくとも適用初年度の前までに適用指針が固まっていることというのは確認されております。それよりも早ければ早いほどいいわけでございますが、少なくとも適用初年度前にはそれらがすべて明らかになっていると。ただいま、笠間委員のご指摘のように、適用指針をつくってから基準をもう一度見直すということは現在考えられておりません。ただ、十分な準備期間がおけるように、実務の混乱が起きないように適用指針を固めた後で実施に入るということは、これは確認されていることだと思います。

それから、もう一つただいまご指摘の、例えばということで1点ご指摘がありましたが、20年切ったということでございますが、これはちょっと場合によっては前文でもう少し触れる必要があるのかなというふうに思いましたが、割引前将来キャッシュ・フローを20年間足して、それが判定基準だといっていることではございませんで、前回の部会でも何人かの起草委員の方からご説明いただきましたように、20年で切るけれども、それ以降のものは、それ以降の使用の状況、使用の見込みに基づいてターミナルバリューで合計してくるということでございます。ですから、土地の場合であっても、先ほど奥田委員のご指摘のように、実際に21年目以降のものがターミナルバリューで足し込まれてくるということでございますので、20年で切ることによってアメリカ等の基準で耐用年数を全部とっているものと、極端に違う数値になるというようなスキームではございませんので、その点誤解のないようにもう一度確認したいと思います。

そのほかございますでしょうか。大分固まってきている段階でございますので、大きな枠組みについて、特にご異論がある場合には、この段階でお出しいただきたいと思います。

○増田委員

前回のこの部会で斎藤委員から、大前提として簿価が時価を上回ってはいけないという話をしているときに、同時にたとえ細目においてであれ、簿価が時価を下回ってもいけないというような項目をつくってしまうと、それは減損会計ではなくて、時価会計の導入のようになるのではないかというご趣旨の質問というのか、発言というのがあったような記憶があるんですけれども、その問題については、その後特に議論がされてはいないと思うんですが、私自身が個人的に時価会計導入論者なので、裏口からでも横町からでも時価会計の考え方が入ってくることについて何の疑問も不審もないんですけれども、斎藤委員はそれについてかなり強く反対していらっしゃると思うので、その話をもう一度しておいた方がいいのではないかという気がしますけれども。

○斎藤委員

まず、誤解をただすために申し上げますが、時価と比較したことではなくて、趣旨は使用価値と比較した議論をいたしました。したがって、時価会計か減損会計かという選択の問題ではおよそありません。それが第1点です。それから、私が前回申し上げた趣旨は、どうもほとんどの方に伝わらなかったように聞いておりますけれども、決して面倒なことを申し上げたのではなくて、そもそも減損会計というものが、簿価が回収できない、つまり、使用価値というんでしょうか、将来の期待キャッシュ・フローで回収できないときに簿価を引き下げる。つまり、簿価が使用価値を上回ってはならないというのが減損会計の出発点であった。それが、いろいろな仕組みを通り抜けて最後にきたときに制約条件として、簿価が今度は使用価値を下回るケースを排除するという議論をいたしますと、何か使用価値を基準にして簿価が上回ってもならないし、下回ってもならないという、そういう話だけが最後に表に出てくるだろうと。そうすると、初めて読んだ人はよくわけがわからないから、そこは説明がつくようにちゃんとしておいてくださいということを申し上げたのであって、今増田委員がご指摘になられたような、例えば時価会計かそうではないかという話を、私はしたつもりは全くありません。

○辻山部会長

増田委員、よろしゅうございますか。

○増田委員

わかりました。

○辻山部会長

それでは、ただいませっかくご指摘がありましたので、その点について少し触れさせていただきたいと思いますが、基準の4ページでございます。(注7)でございますが、これは前回ただいまご指摘の議論の発端になりました斎藤委員のご発言と、似ているんですけれども内容が異なるということで改めて確認させていただきたいと思います。

本来、単一の資産の減損を判定する場合には、斎藤委員ご指摘のように、そもそも帳簿価額と使用価値を比べて、帳簿価額が使用価値を上回らないようにというのが減損会計のそもそもの出発点である。単一の資産を前提にした場合には、それなのに今度は逆のケースが出てくるということはあり得ないわけです。ここの(注7)は、共用資産とのれんについては、大きなグルーピングによって減損というものを判定いたします。また、共用資産とのれん以外でもグルーピングによって減損を判定いたしますので、そこで出てきた減損損失、これを個々の資産に配分したときにその問題が起こるという、この配分後のことを問題にしております。

前回の議論も踏まえまして、その後起草委員会で検討させていただきました結果、一般の資産グループについて判定された減損損失、固まりで出てきた減損損失でございますが、これを配分する方法については、特に配分後の個々の資産の帳簿価額が時価を上回っていなければならないという考え方は今回はとらないということになります。

一方で、共用資産とのれんにつきましては、別途の問題がここで発生してまいります。その問題とは別の問題でございますが、共用資産とのれんにつきましては、資産グループを束ねたより大きなグルーピングの中で減損を判定いたします。そのときに、各資産グループの減損の判定というのが、もともと今回基準案で盛り込まれている方法によりますと、いわゆる確率基準といいますか、相当程度に減損の存在が明らかな場合に限って減損損失を測定しておりますので、大きなグルーピングで複数の資産グループを束ねたところで判定をしたときには、個々の資産グループでは顕在化してこなかった減損損失が、束ねたところでもう一度顕在化してくる可能性がある。

そうすると、そのときに出てきた減損損失は共用資産に全額配賦することができないほど大きいことがあり得るということでございます。そのために、今度は配賦しきれない部分についてどう考えるかというのが(注7)及び(注10)でいっていることでございます。共用資産については、そこで追加的に出てきた共用資産を含めたところで、大きく出てきた減損損失については、帳簿価額と正味売却価額の差額まで共用資産にもたせると。それを超過する部分は、先ほど説明しましたもともと顕在化していなかったんだけれども、共用資産を含めた減損を判定した結果顕在化してきたものですから、それを合理的な基準によって、もう一度下位の資産グループに配賦するというのが共用資産の考え方ですし、のれんについては、のれんをゼロまで減額して、なお配賦できなかったものについては、それより下位の各資産グループに配賦するという考え方でございます。これは、前回の議論と似ている議論でございますが、少し違うということで、ついででございますが確認させていただきたいと思います。

○伊藤委員

ご教授いただきたいんですが、基準の方の5ページの(注11)の2の「賃貸借に係る方法に準じて会計処理を行っている」となっておりますが、2行目に「減損損失を負債として計上し」という記載があるんですが、例えばどのような勘定科目を使って会計処理されると想定されているんでしょうか。

○辻山部会長

これは、この段階では負債にするということが決まっておりまして、勘定科目については、新しい基準設定主体で考えていただくということでございます。特に、伊藤委員の方から強いご意見がございましたらご発言いただきたいと思います。

○伊藤委員

特にございません。ありがとうございました。

○太田委員

ちょっと、繰り返しになってしまいますが、先ほどのキャッシュ・フローの見積期間の20年に関しましては、20年という数字は、かなりひとり歩きすると思いますので、ぜひターミナルバリューのところに20年以降のキャッシュ・フローが考慮されるということを基準の中に織り込んでいただくようにお願いしたいと思います。

○辻山部会長

ご指摘を参考にして修文させていただきたいと思います。

○逆瀬委員

確認だけですけれども、先ほどの基準の4枚目の(注7)でご説明いただきましたけれども、2行目に正味売却価額という言葉がありまして、これについては共用資産の場合になかなか算定するのが困難というケースもあるし、明らかな場合というところで解釈するとすれば、必ずしも正味売却価額の価値を求めなくてもよろしいというような解釈なのかどうか、確認だけお願いします。

○辻山部会長

逆瀬委員も起草委員の一人でありますが、起草委員会ではそのような解釈でございます。逆瀬委員ご指摘のとおり、必ずしも正味売却価額を正確に出すことを求めるものではないということでございます。

今回、特に共用資産とのれんにつきましては、基準に落とす段階でかなり配分手続等についても厳密に規定が盛り込まれております。これまで、資産グループについては、この基準の中でも、他のグループから独立した最小のキャッシュ・フローという表現が繰り返し出ておりましたけれども、今回基準の4ページで、のれんの判定については、特に新しく事業の単位という考え方を明示しております。この事業の単位につきましては(注8)で一応その中身について規定してございますけれども、これは今回新しく厳密に出てきた言葉遣いでございますので、この点につきまして特にご意見がございましたら、何かお出しいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

特に、この点についてご意見よろしいでしょうか。特に、実務上等に照らして異論がある、あるいは問題が発生する可能性がある等のご意見はございますか。よろしいですか。

○小宮山委員

この前、起草委員会を欠席してしまったので確認ですけれども、のれんのところで、4ページ目の真ん中辺ですけれども、「のれんを含む資産グループについて、減損損失を認識するかどうか」というくだりがあります。減損損失控除前の帳簿価額にのれんを加えて判定する、つまり配分しないというケースですけれども、この場合は最初に資産の減損損失が認識されて、後で追加的にのれんの減損損失を認識するという手続になるというふうに理解してよろしいわけですか。

○辻山部会長

最初に認識される資産の減損損失というのは、各資産グループで認識された減損、これはまず先に出てきます。その次に、各資産グループの上にのれんを乗せた全体の資産グループ、より上位の複数の資産グループを一緒にした、のれんが乗った資産グループにおける減損損失については、逆にのれんから減額していくという考え方をここではとっております。

○小宮山委員

真ん中のケースで、例えば減損損失がのれんを合計しても認識されないというケースというのは、資産の減損だけが認識されて、のれんの帳簿価額はそのまま残るという結果になるという理解でよろしいわけですか。

○辻山部会長

そういう理解です。前回の議論にも少し関係しますけれども、のれんに減損の兆候がないという場合にはそういうケースになるわけです。前回の部会でかなりその点の説明に難渋した記憶がありますけれども、そういうケースでございます。ですから、のれんに毀損が生じているようなケース以外ではそういうことがあり得るということでございます。

○斎藤委員

念のためですが、今問題になっている8.の冒頭の文章で、「のれんを認識した取引において取得された事業の単位が複数である場合には」云々というのがありますね。この趣旨は、既に議論されたのかもしれませんが、のれんを配分する、あるいは帰属させる事業というのは取得したのれんにかかわる事業、つまり極端に言えば被取得会社の事業というふうに理解してよろしいわけですね。

○辻山部会長

そのようなことだと思います。

○斎藤委員

理屈では正しいとは思いますけれども、大丈夫なんでしょうね。余り言うと一部会の方にかかわってきてしまうので余り言いたくないんですけれども、アメリカの基準だとそこは明確に分離されていないような気もするんですが、その点はどのようにごらんになっていらっしゃいますでしょうか。

○辻山部会長

その点につきましては、前文の7ページでございまして、ここでは、あくまでも現行の枠組みの中でのれんが資産計上され、一定の期間で償却される場合を前提としております。したがいまして、第一部会での今後の議論等につきまして、別途の検討を行う必要が生じるということは十分承知しているということでございますから、少し流動的であるということだと思います。

○斎藤委員

第一部会でやるかどうかは全然、別問題として、ご説明は承りました。

○辻山部会長

そのほかいかがでしょうか。

それでは、そろそろ予定の時刻もまいりましたので、本日の部会はこれで終了とさせていただきたいと思います。

次回は、起草委員と事務局で、本日の議論を踏まえまして公開草案の前文、基準本文、注解について、さらに検討したものを用意したいと思います。

本日、ご発言できなかったご意見のある方は、後日事務局の方にご連絡ください。よろしくお願いいたします。

最後に、次回の当部会の日程でございますが、3月29日金曜日の午後1時30分から予定しておりますので、よろしくお願いいたします。正式には、改めて事務局から皆様方にご連絡させていただきたいと思います。

本日は、皆様方には大変お忙しいところお集まりいただきましてありがとうございました。これにて、散会とさせていただきます。

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日本にある金融関係国際機関
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