企業会計審議会第19回内部統制部会議事録

1.日時:平成22年10月28日(木曜日)16時27分~18時06分

2.場所:中央合同庁舎第7号館 12階 金融庁共用第二特別会議室

○八田部会長

それでは、定刻より少し早いですけれども、きょうご出席をご予定の委員全員おそろいになっておられますので、これより第19回の内部統制部会を開催いたします。

皆様には、お忙しいところご参集いただきまして、ありがとうございます。

なお、本日の部会も企業会計審議会の議事規則にのっとり、公開することにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

ありがとうございます。

ご了解いただきましたので、そのように取り扱わせていただきます。

議事に入ります前に、前回6月10日の部会から委員の異動がございましたので、ご紹介いたします。

手塚委員が退任され、高橋秀法委員が就任されておられますので、紹介いたします。

高橋委員。

○高橋委員

高橋でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○八田部会長

ありがとうございます。

委員名簿をお手元に配付させていただいておりますので、ご参照ください。

それでは、前回まで2回開催いたしました本部会におきまして、企業等からの要望、意見等に基づき、企業会計審議会で策定した内部統制の基準、実施基準について、3年目に入っております制度の有効性を維持しつつも、さらなる簡素化、明確化等の検討を行い、内部統制報告制度の運用の見直しを図ってはどうかということで、運用の見直しに向けての論点や検討の方向性などにつきまして、ご審議いただきました。

本日はまず前回の部会後に3月決算の会社の2年目の内部統制報告書が提出されておりますので、内部統制報告書の提出状況につきまして、事務局から説明してもらいます。

次いで、前回の部会以後の動きについてお知らせするとともに、前回の部会以後に事務局に寄せられた要望、意見や事務局が個別の会社等から伺った要望、意見があるそうですので、それらについて紹介してもらいます。その後、見直しの内容や方向性につきましてご審議をいただくことを予定いたしております。

それでは、まず最初に内部統制報告書の提出状況につきまして、事務局から説明してください。

○古澤企業開示課長

お手元の資料ですが、資料1が内部統制報告書提出状況です。

1枚目は平成22年の5月までの受理分でして、既にご報告したものです。

1枚めくっていただきますと、本年の6月から9月分までの受理分を整理してございます。

まず、22年6月の欄ですが、内部統制報告書提出会社数で、2,632社です。去年の数字が2,670社ですので、上場会社数の減少に伴いまして、やや減っていますが、ほぼ前年に見合う数の提出がございます。

それから、細かい推移ですが、マル3で、任意で内部統制報告書を提出した会社数というのがございます。これは有価証券報告書提出会社のうち、非上場の会社で任意で提出しているということでございますが、非上場の例えば金融機関などでそういうところが見られるわけでございますが、去年より若干ふえまして22社になってございます。

それから、その下にまいりまして、内部統制報告書の「評価結果」の記載状況というところをごらんいただければと思います。

22年6月で申しますと、上の数字の2,632社に対して、重要な欠陥があり、内部統制は有効でないと記載した会社が22社、割合にいたしまして0.8%になってございます。昨年が、56社、2.1%でしたので、その分の減少が見られております。

ただ、最後の注5の記載にもございますとおり、トータルの「重要な欠陥」とした会社は、この表に含まれているところとは別に、訂正報告書によって「有効」から「重要な欠陥」に訂正した会社というのが出てきてございますので、全体の評価結果といたしましては、ややこの数字よりふえているということでございますが、提出状況はその数字にあるとおりでございます。

最後もう1枚めくっていただきまして、「重要な欠陥」として判断した理由として記載された例でございますが、3つの項目に分けて整理してございます。

1つが全社的な内部統制ということでございますが、黒ポツが3つございますけれども、1つ目と3つ目にございますように、連結子会社、子会社についての内部統制というところを問題視しているところというのが特に目立つということでございます。

それから、2つ目の丸ですが、決算・財務報告プロセスでございまして、1つ目のポツにございますように、体制の整備・運用が不十分だったために重要な修正をした。特に体制といたしましては、2つ目のポツにございますように、必要なスキルを有する人材を十分に確保・配置できなかった、この結果として、多くの誤謬を指摘され、修正をしたというような例が挙げてございます。

それから、3つ目の丸でございますけれども、重要な業務プロセスといたしましては、1つ目のポツにございますように、売上高や仕掛品について重要な修正を行った例、それから2つ目のポツにございます工事受注に係る業務プロセスの問題例、それから3つ目のポツでございますが、債権の評価についての問題例などが内部統制報告書において記載されているところでございます。

それから、(2)でございますけれども、「重要な欠陥があり、内部統制が有効でない。」と記載している22社のうち、内部統制報告書提出日までにそれが是正されたというふうに記載しているところが2社ございますのと、それから(3)、ちょっとわかりにくくて恐縮ですが、日本の内部統制の立て付けといたしましては、会社の内部統制の評価結果報告を監査人がチェックするという、ここでもご議論いただいておりますインダイレクトの方式でございますので、監査人の意見としては、は「重要な欠陥があり、内部統制が有効でない。」という評価結果について、そのとおりであるとして、すべての会社について、無限定適正意見が表明されているという結果でございます。

それから、(4)でございますけれども、その内部統制が有効でないと記載している会社について、財務諸表のほうの監査報告書でございますけれども、全社、無限定適正意見になっているという状況でございます。

以上でございます。

○八田部会長

どうもありがとうございました。

それでは、ただいま事務局から説明してもらいました内部統制報告書の提出状況につきまして、ご質問等ございましたらお願いいたします。

大崎委員、どうぞ。

○大崎委員

1点だけ、事実の確認なんですけれども、2ページの注5の訂正した会社7社というものについてですが、これは22年3月末時点のものを訂正したというのか、あるいはもっと前の21年3月末時点のを訂正したのか、その辺の内訳をちょっと教えていただけますでしょうか。

○古澤企業開示課長

すみません。ちょっと手元に数字がございませんので、確認してまたご報告させていただければと思います。

○八田部会長

ほかにいかがでしょうか。

堀江委員、どうぞ。

○堀江委員

1つお伺いさせていただきますが、「重要な欠陥があり、内部統制は有効でない。」との評価結果に関して、21年度、22年度と連続して、こういった評価結果が表明されたケースは、どれくらいあったか、把握されていたら教えていただけませんでしょうか。

○古澤企業開示課長

6社あるようでございます。

○八田部会長

ほかにいかがでしょうか。

よろしいでしょうか。

それでは、続きまして前回の部会以後の動きについてお知らせするとともに、前回の部会以後に事務局に寄せられた要望、意見や事務局が個別の会社等から伺った要望、意見があるそうですので、それらについて事務局から紹介してください。

○古澤企業開示課長

簡単に紹介させていただきます。

お手元の資料で申しますと、まず最初に資料2の新成長戦略の抜粋をごらんいただきたいと存じます。

5月、6月のこの内部統制部会の中でも、成長戦略の議論というのがご紹介されていたかと思いますが、新成長戦略という形でこの前回の部会の後、6月18日に閣議決定されているのがこの資料2でございます。

資料2の1ページ目の一番最後のパラグラフの部分でございますが、「具体的には」というところでございます。

具体的には、ユーロ市場と比肩する市場を我が国に実現するため、プロ向けの社債発行・流通市場を整備するとともに、外国企業による我が国での資金調達を促進するため、英文開示の範囲の拡大をする。

「あわせて」とございますが、中堅・中小企業に係る会計基準、ここで内部統制報告制度の制度等の見直し、それからこれは現在ASBJでご議論いただいています四半期報告の大幅簡素化というのが取り上げられているところでございます。ここにつきましては、所要の改革を2010年中に行うということで、本日また改めて部会の開催をお願いしているというところでございます。これがまず1つ目の新成長戦略のご紹介でございます。

それから、資料の3-1でございますが、内部統制報告制度に関する追加要望・意見ということで、前回の部会が終わりました後、事務局に寄せられましたご意見、さらには関係者の方々に我々のほうでヒアリングいたしまして、その際にいただいたご意見などを整理させていただいたものでございます。

ざっとご紹介させていただきますと、この場でのご議論と重なる部分も多いかと思いますけれども、内部統制の評価対象範囲の絞り込みの問題、それから業務プロセスにつきましては、ナンバーの3でございますが、整備状況評価へのローテーションの導入、それから4にございますサンプリングの合理化・簡素化のご要望、それからナンバーの5、6、IT業務処理統制、持分法適用会社に係る評価・監査方法の明確化、これらは、この部会でもご議論いただいているところもございます。それから1ページめくっていただきまして、もしかするとこれは新しい点かもしれませんが、M&Aが行われた場合の取扱いについてのご要望をいただいてございます。

1つ目のポツですが、期末近くに拠点が追加された場合、残された期間に何をすべきかの明示、例えば上半期中の拠点追加は整備状況の評価で可とするが、下半期に入ってからの拠点追加については全社統制のみで可とするなど、M&Aが行われた時点に応じた取扱いを明確化してほしいという要望と、それから少し次のポツはわかりにくくて恐縮ですけれども、業務プロセスに係る内部統制の評価範囲については、中間期で評価範囲を確定させ、その後の事業買収や合併等により3分の2基準を正確に充足しない場合でも評価除外ということはできないかという問題、それから、ただし書きはちょっとまた毛色が違うのですが、中間期において、まだM&Aが行われたということではなくて、下半期にM&Aが行われたという前提だと思いますけれども、その後に重要な事業買収、合併が行われたけれども、大きく3分の2を下回らないという場合には、評価除外との記載は不要ではないかというようなご要望をいただいております。

「重要な欠陥」の用語の見直しは、5月、6月とご議論いただいたものを改めてということかと思います。

私のほうからは以上でございます。

○八田部会長

どうもありがとうございました。

ただいまご紹介のありました新成長戦略の内容や企業等の追加の要望や意見につきましても、今回の見直しに当たって、あわせて検討する必要があるものと考えられます。事務局のほうで、それらを含めまして見直しの内容や方向性などにつきまして、整理してもらいましたので、説明してもらいます。

○古澤企業開示課長

続きまして、資料4の内部統制報告制度の見直しの主な内容(案)をご説明させていただければと思います。

私のほうから、概要をご紹介し、詳細につきまして、野村調整官のほうからご説明させていただきたいと存じます。

今回の内部統制報告制度の見直しですが、4本柱ということで改めて整理をいたしてございます。

(1)が企業の創意工夫を生かした監査人の対応の確保、それから(2)でございますけれども、中堅・中小上場企業向けの簡素な内部統制の取組みの「事例集」の作成ということ、それから(3)で内部統制の柔軟な運用手法を確立するための見直し、それから4本目の柱といたしまして、「重要な欠陥」の用語の見直しというものでございます。

全体を貫きます考え方といたしましては、もちろん先ほど紹介させていただいた新成長戦略もございますが、もともと5月、6月とこの部会でご議論いただきましたように、3年目に入りまして、何を我々としても見直すべきかという問題意識があり、どうやってたかを外さずに効果的な内部統制を整備・運用していくかというような考え方が基底にあって、その上で新成長戦略の趣旨をどうやって実現していくかというような問題意識と考えております。

(1)にございますように、企業の創意工夫を活かすということが1つのポイントになろうかと思います。

(1)の1つ目の丸でございますけれども、経営者が創意工夫した内部統制の評価方法についての監査人の理解・尊重ということで、インダイレクトの手法をとっている我が国の内部統制の特性を生かしたやり方をさらに進められないかということ、それから2つ目の丸でございますけれども、中堅・中小につきましては、監査人の適切な「指導的機能」、深い意味のある用語だということでございますが、「指導的機能」の発揮というようなところが2つ目のポイント、それからこれも我が国の制度の特色の1つでございます内部統制監査と財務諸表監査の一層の一体的実施ということでございます。

それから、(2)は「事例集」でございますが、これにつきましては、当部会でも、事務局のほうで準備させたいただいたものを見ていただいた上で、位置づけといたしましては、基準にするとかというものではございませんで、金融庁の責任で整理させていただいておりますQ&Aというのがございますが、このQ&Aと同様の形での位置づけとさせいただき、今後も機動的に「事例集」の追加や見直しを行っていくことにしてはと考えております。

それから、(3)の内部統制の柔軟な運用手法の確立するための見直しということでございますが、これは詳細をのちほど調整官のほうからご紹介させていただければと思います。

最後の(4)、これについては、「重要な欠陥」の用語は、企業自体に「欠陥」があるとの誤解を招くおそれがあるとの指摘があり、「開示すべき重要な不備」または「重要な要改善事項」と見直すことを検討しているということで、両案を並べて表記しております。

若干敷衍させていただきますと、もともと基準等にこの「重要な欠陥」の定義がございますが、そこでは「不備」との文言になってございますので、1つの案としては

「重要な不備」がスタートラインでございます。ただし、ご案内のとおり、アメリカではこの「不備」についての3段階のうちの2段階目がSignificant Deficiencies(重大な不備)という言葉になってございまして、単に「重要な不備」ということになると、Significant Deficienciesとの関係が出てまいります。そこで、先生方と議論させていただいて、例えば「開示すべき重要な不備」というような用語はどうだろうというのが一案でございます。

もう一つは、「重要な要改善事項」ということで、これのほうが前向きな感じも出るのではないかというご意見もあったわけでございます。他方、従来、「欠陥」については「是正」、それから「不備」については「改善」というような用語を基準の中で整理してございますので、そことの関係はどうだろうというご指摘もございまして、「重要な要改善事項」と直す場合には、他の用語の見直しにはねる部分も多数あるのではないかというところで、この点についてはまだ両論併記という状況でございます。

全体としてはこのぐらいにさせていただいて、詳細を次のページ以下でご紹介させていただければと思います。

○野村企業会計調整官

私のほうから(3)の詳細についてご説明させていただきたいと思います。

その前に、まず1枚目でございますが、全体の構成といたしまして、(3)と(4)が前回までの部会でご提示をしている部分でございまして、(1)と(2)が今回新たに追加で整理をさせていただいたものでございます。

先ほど触れさせていただきました(2)でございますけれども、中堅・中小企業向けの簡素な内部統制の取組みの「事例集」の作成ということでございますが、今回資料5を「事例集」のイメージを持っていただくという意味合いで参考としてお配りをさせていただいておりますので、簡単にそちらでご説明をさせていただければと思います。資料5をごらんいただければと思います。

資料5でございますが、仮称ということで、中堅・中小規模上場企業向け事例集ということにさせていただいております。

位置づけにつきましては、先ほど課長のほうからご説明申し上げましたとおり、金融庁のほうで金融庁の責任で整理をさせていただくという形を検討しています。

1ページおめくりいただきまして、この事例集の前文に相当するものをお付けしております。その2つ目のパラグラフのところでございますけれども、2行目の途中から読ませていただきますと、「事業規模が小規模で、比較的簡素な構造を有している組織等が、資源の制約等がある中で、様々な工夫を行ったことにより、内部統制の有効性を保ちつつも、効率的に内部統制の評価等を行っている事例を集めた」ということでございまして、実務の参考にしていただきたいという趣旨が記載してございます。

事例(案)を後ほど見ていただきますが、これらについては中堅・中小の上場企業だけが使えるのかということにつきましては、マル2に書いてございますけれども、前提条件ですとかが当てはまるということでございますれば、事業規模が大規模な場合など、異なった組織等においても参考にできる場合もあることに留意する必要があるということで、必ずしも中堅・中小企業だけではなくて、比較的規模の大きい会社でも該当するのではないかという事例もあろうかと思っております。

今回4つほど事例(案)を載せさせていただいておりますので、簡単にご紹介をさせていただきたいと思います。1ページおめくりいただきまして、2ページ目でございますけれども、これは内部統制の書類としまして、いわゆる「3点セット」を作ってくださいということが言われていますが、ある会社では、監査人と協議の上、いわゆるチェックリストを使って、「3点セット」を作らないで、決算・財務報告プロセスの評価を非常に効率的にやっているというお話を伺いましたので、それを1つ目の事例ということで載せさせていただいておりまして、3ページ目にそのチェックリストの例を載せさせていただいております。

それから、2つ目の例でございますけれども、4ページ目でございますが、全社的な内部統制の評価におきまして、比較的規模が小規模な会社ですと、監査役と内部監査人が比較的定期的に打ち合わせ等を行っているということで、監査役等から様々な内部統制上の情報等を入手しているという場合があるということでございまして、そうした場合には、そういった情報を効率的に使うということで、効果的かつ効率的にリスクのあるところを拾い出したという例があったということで、この点をご紹介をさせていただいたものでございます。

それから、3つ目の事例、5ページでございますが、IT統制の本社への集中ということでして、前提のところをごらんいただきたいと思いますが、この会社は比較的小規模な会社ですが、本社と支社では異なるシステムを使っているといったような場合でございます。その場合に本社にシステム等を統一させることにより権限を本社に集中させることで、効率的な評価及び監査を実施することができたという事例でございます。

それから、4つ目の事例でございますが、6ページでございます。僅少な業務プロセスの評価範囲ということで、ちょっとこれは非常に細かくてわかりづらいのですけれども、ご承知のとおり、我が国の内部統制の基準等におきまして、評価範囲につきましては、まず、いわゆる重要な拠点を売上高等の概ね3分の2程度に絞り込むことができ、さらに企業の事業目的に大きくかかわる勘定科目ということで、一般的には、売上、売掛金、棚卸資産という3勘定にさらに絞り込むことができるという建て付けになっております。

その絞り込んだ3勘定については、これはすべてやらなければならないということになっているわけでございますが、これらについて、例えば、売上について、最後の100%近くなったプロセスを集めてくるというのが非常にコストと負担がかかっているという指摘がございます。そこで、このページの下の図をごらんいただきたいのですが、この例でございますと、真ん中よりやや右の箱ですが、「重要でない業務プロセス」ということで、この例でいきますと10個の業務プロセスにつきましては、運用評価を3年に1回実施するということで、簡便な方法をとるということで評価対象を減らすということで対応していくということでございます。

いずれも監査人と協議の上で、こういった方法もとれるのではないかと工夫をされた例ということでございまして、こういった事例をできるだけ集めまして、最終的には金融庁の名前で公表をさせていただくということを検討しているものでございます。

以上が(2)の事例集の説明でございます。

資料4のほうにお戻りいただきまして、(3)の内部統制の柔軟な運用手法を確立するための見直しということでございまして、こちらにつきましては、前回までの部会におきまして、本日配付しております資料6というものをお出ししています。前回の部会までに資料6ということでお示しをしているものに新たに追加等をいたしまして、今回整理し直したという位置づけになっています。

資料6をごらんいただきますと、最初に中堅・中小上場企業に対する簡素化・明確化、それから2番目に制度導入2年目以降可能となる簡素化・明確化、それからその他の明確化、最後に重要な欠陥の用語の見直しということになっていますが、これらを(3)と(4)に整理をし直させていただいたというものでございます。

それで、再整理をさせていただきまして、資料4の2ページ目をお開きいただきたいと思いますが、まず、前回、制度導入2年目以降可能となる簡素化・明確化ということで分類されていた項目につきまして、制度導入2年目というのが、内部統制報告制度導入2年目なのか、その会社にとって制度導入2年目なのかということが明確ではないのでないかというご指摘もございまして、今回、企業において可能となる評価方法、手続等の簡素化・明確化ということで表題を直させていただいております。

具体的な項目といたしましては、2ページから4ページまでで、大きく7項目掲げさせていただいております。

それで、前回の部会と変わっている点、追加をしている内容等につきましては、これは実際に基準、実施基準の改定案をごらんをいただきませんと、なかなかイメージが湧きづらいかと思いますが、本日は、前回から大きく変更している点や追加をしている点等につきまして、幾つか絞りましてご説明をさせていただければと思います。

まず、2ページ目の下の方ですけれども、全社的な内部統制の評価方法の簡素化ということでございまして、全社的な内部統制については、基本的にはすべて評価しなければならないというのが基準等の建て付けでございます。この点につきまして、右側の対応案のところでございますが、前年度の評価が有効であり、かつ、重要な変更がない場合、前年度の内部統制の運用状況の評価結果の利用が可能であるということについて、基準等で明確化させていただきたいということでございます。

それから、1ページおめくりいただきまして、3ページの下のほうですが、業務プロセスにおける評価の簡素化ということでございまして、(注)のところをごらんいただきますと、業務プロセスの中にございます統制上の要点として識別された内部統制の整備状況及び運用状況の評価は、毎期実施する必要があるということが原則でございます。

この点につきまして、右側の対応案でございますけれども、前年度の整備状況の評価が有効であった場合に、財務報告に与える影響の重要性等を勘案し、前年度の整備状況の評価の利用が可能であるということを明確化してはどうかということでございます。

それから、影響の重要性等を勘案して、運用状況につきましても、ローテーションで評価をすることが可能であることを明確化してはどうかということでございます。

それから、1ページおめくりいただきまして、一番上でございますが、サンプリングの合理化・簡素化ということでございます。

現状でも監査人は、一定の場合に、経営者が評価において選んだサンプルを自らの選択したサンプルの一部として利用できるということになっていますが、この点につきまして、サンプルとして利用できるのか、サンプル結果として利用できるのかということが明確でないというご指摘、それから経営者が選んだサンプルないしはサンプル結果につきまして、積極的に監査人も利用してほしいといった要望がございました。

対応案としまして、監査人が、経営者が行ったサンプリングのサンプル及びその評価結果について、一定の場合に、その全部又は一部を自らのサンプルとして利用できること及び積極的に利用すべきことを明確化ということで、利用できることを明確化するとともに、監査人としても積極的に利用していただきたいという点を明確化させたということでございます。

それから、そのページの一番下でございますが、持分法適用会社に係る評価・監査方法の明確化ということでございますが、(注)に書いてございますとおり、持分法適用会社の場合には、通常ですと20%以上50%未満しか株式を持っておりませんので、子会社のように支配権が及ばないということから、子会社と同様に評価を行えないということが考えられますことから、持分法適用会社の親会社から入手する一定の情報等をもって、評価・監査に利用可能であるということで明確化をさせていただくということでございます。

具体的にこの一定の情報等につきましては、基準・実施基準等で、より明確にさせていただくことを現在検討しているところでございます。

それから、1ページおめくりいただきまして、5ページ、2つ目のカテゴリーでございますが、「重要な欠陥」の判断基準等の明確化ということでございます。

「重要な欠陥」の判断基準につきましては、現在、金額的な重要性と質的な重要性と2つあるわけでございますけれども、そのうちの量的な判断基準としまして、現在の実施基準では例えばということですが、連結税引前利益のおおむねその5%程度という記載があるところです。

会社によっては、利益が出てない会社ですとか、利益が大きく変動する会社等もあるわけでございまして、そういった場合の判断基準ですが、対応案としまして、金額的な重要性について、過去の一定期間の利益の平均値をとる、特殊要因があった場合には、そういった部分について除外をした上で判断基準とすることが可能であるということを明示してはどうかということでございます。

それから、下でございますけれども、M&A等によって、新たにグループ会社に加わった会社に対する内部統制の評価・監査の方法等の明確化ということでございます。

現在、期末日直前に合併等をした場合に、被合併会社の評価については、「やむを得ない事情」に該当した場合には、その部分を除いて評価を行うことができるということになっていますが、期末日直前でなければだめなのかというお尋ねやご指摘がございまして、今回基準等において、「下半期」に評価範囲に追加された子会社であっても、「やむを得ない事情」に該当する場合には、その旨を内部統制報告書に記載した上で、整備及び運用状況の評価の対象としないことができることなどを明確化させていただければと思っております。

ただし、さらに「下半期」でなければ、全くだめなのかという同じような議論が予想されるところでございまして、この点については、実施基準等で、「やむを得ない事情」に該当していれば必ずしも「下半期」ということに限られないということも例示してはどうかというふうに考えているところでございます。

それから、次のページでございますが、中堅・中小上場企業に対する簡素化・明確化ということでございまして、1つ目のカテゴリーといたしまして、業務プロセスの評価手続の合理化ということです。現在でも基準、実施基準において、中堅・中小上場企業につきましては、その企業の特性等を踏まえて、柔軟に内部統制を行うことができるというふうにはなっているところですが、その点をより明確化をしてはどうかということでございまして、対応案としましては、小規模企業等においては、必ずしも、通期で、あるいは組織内における多段階、組織がそれほど複雑ではないということで、例えばCEOレベル、部長レベル、担当レベル等々、すべての段階で、内部統制の評価を行わなくてもいいのではないかということを明確化してはどうかということでございます。

それから、次の代替手続の容認です。小規模企業等においては、経営者が、評価の一部として、内部統制の実施状況について、日常的モニタリングと称しておりますけれども、直接いろいろごらんになる、チェックを働かせるということがありますが、そういった結果ですとか、監査役が監査役監査の一環として、例えば棚卸の立会をなさるといったようなこともございますので、そのときの結果をまとめた報告書等を監査人は利用することが可能であるということを明確化してはどうかということでございます。

それから、最後でございますが、評価手続等に係る記録及び保存の簡素化・明確化ということでございまして、こちらについては前回の部会でもご説明させていただきましたが、内部統制の記録としては、必ずしもかっちりした記録でなくて、こちらに書いておりますような引継書ですとか受注メモなどの覚え書等を利用することが考えられるということで、監査人も当該記録が利用可能であるということについて、明確化してはどうかということです。

次の7ページは先ほどご説明申し上げました「重要な欠陥」の用語の見直しということでして、最後、8ページですけれども、こちらは前回の部会のときに項目として挙げさせていただいたものですが、対応案としましては、内部統制府令という内閣府令のガイドラインで対応してはどうかということで、7ページまでの内部統制の基準、実施基準ではないということで、別紙という形で整理をさせていただいているものでございます。

資料6にございます前回までの部会でお示しをさせていただいている項目でなくなっているというものはございませんで、基本的にはそれに追加ないしは整理をさせていただいたというものでございます。

長くなりましたが、以上でございます。

○八田部会長

それでは、ただいま事務局から説明してもらいました内部統制報告制度の見直しの主な内容(案)の資料に基づきまして、見直しの内容及び方向性などにつきまして、ご審議をお願いしたいと思います。

なお、(3)の内部統制の柔軟な運用手法を確立するための見直しにつきましては、項目が多岐にわたっておりますので、具体的な項目をお示しいただいた上でご意見等を述べていただきますようお願いいたします。

それでは、どなたからでも結構です。

どうぞ。

では、久保田委員、どうぞ。

○久保田委員

私どもからいろいろ意見を申し上げましたが、基本的に斟酌していただいて、部会長初め、事務方でいろいろ改革の方向性を出していただきましたことを、評価したいと思っております。

資料4のところで、本来の趣旨がそうだったと理解しており、特に4の(1)のところの企業の創意工夫を生かした監査人の対応の確保ということが書かれておりまして、経営者の創意工夫した評価方法について、監査人の理解・尊重ということで、一番重要なことは、実際の現場での実効性が保たれるということでございますので、それに向けて基準、あるいは実務指針等での明確化とか、さらには監査人の方への周知徹底ということをぜひお願いしたいと思っております。

それから、(1)の丸の3つ目のところで、この内部統制監査と財務諸表監査の一層の一体的実施ということで、ぜひやっていただきたいわけですけれども、中にはこれによって、かえって煩雑となっている実務もあるやに聞いていまして、財務諸表監査のほうに問題が生じた場合に、内部統制のほうに戻って統制を確認するというようなこともあり、かえってプラスオンされて実務の負担がふえているという例もあるようですので、そういったことがないようにしていただきたいと思っております。

それから、「重要な欠陥」用語のところは、なかなか苦労されているようで、これは2つの案についてどうなのか、ちょっと私どももまた時間をいただいて検討したいと思っております。

それから、この資料5の中堅・中小の事例集、非常にいいと思いますけれども、この1枚めくった1ページのところで、マル2のところで事業規模が大規模な場合など異なった組織でも参考にできるということで、留意する必要があるというふうな書き方になっていますけれども、事業規模が大規模であっても参考にできるものがあれば参考にしたいと思いますので、具体的にどういうような場合にそれができるのか、その辺の明確化をしていただければと思います。

○八田部会長

どうもありがとうございます。

野村調整官、お願いします。

○野村企業会計調整官

事例集につきまして、どういう場合に事業規模が大規模な場合など、異なった組織等においても参考にできるのかというお尋ねでございますけれども、前回の部会におきまして、事業規模が小規模で比較的簡素な構造を有している組織等ということの定義をご議論いただきまして、やはり難しいのではないかというのが、大方のご意見であったかと思うのでございますが、そうしたことから、例えば、資本金規模で幾ら以上の企業だったら、この事例集を当てはめて使えるといったようなことは、なかなか一律に言えないのではないかと思っております。

先ほど申し上げましたとおり、この事例集は前提等を置いた上で、現在の基準、実施基準等に基づき、効果的、効率的に内部統制の評価等を行った事例を示すことになっているところです。前提が必ずしも合致していなくても、概ね当てはまるのではないかということが確認できれば、監査人等にも確認していただく必要があるわけですけれども、記載してある手法等を利用していただくことが十分可能ではないかというふうに考えております。ただし、一律に、量的基準として、一定規模以上であれば、必ず使えますということは、なかなかちょっと難しいのではないかというふうに考えておるところでございます。

○八田部会長

よろしいでしょうか。

なかなかこれを定義するのは難しいのではないかと思いまして、ケース・バイ・ケースでご判断いただくのが前提にあるのではないかと思います。

ほかにいかがでしょうか。

ただいまご説明いただいているのは、資料4の見直しの主な内容の案のところともう一つが事例集に関してですので、この点につきましてご感想でもございましたら、ご質問とともにご発言いただきます。

堀江委員、どうぞ。

○堀江委員

資料の4でございますが、この中で(2)、(3)に関連してなんですけれども、「簡素な」という表現と、「柔軟な」という表現の関係が気になりまして、上場会社であっても会社の規模が小さければ、内部統制を簡素化するというニュアンスで書かれています。簡素化というのは、たとえば10の手続を今までやっていたら、それを7にするとかというイメージが強く出ると思います。

制度の枠組みを崩さないという観点からすれば、前年度と内部統制に大きな変化がない場合に、前年度の評価結果がそのまま使えるというロジックが一番大事なことであるように思います。しかし、ここに書かれているような表現だと、柔軟に運用するということと、簡素化するというふうなことがちょっとコンフューズしちゃって。上場の中小会社だから、今までやっていた手続のうちの幾つかの部分を単純に省略してもいいんだというふうなイメージだけが強く出ないような表現スタイルが重要ではないかと思います。

確かに、国際的な傾向として、中小会社向けのガイダンスですとか、こういったようなものもあるかもしれませんが、我が国のあり方としては、確かに規模の小さいところは大変だというのはよくわかりますが、それは先ほど言ったような、省略ではなく運用を効率化するようなロジックでの対応で十分いけるのではないかなというふうな感想を持っております。

○八田部会長

どうもありがとうございます。

よろしくお願いします。

○古澤企業開示課長

わかりました。

今の堀江先生のご指摘ですが、まさに中堅・中小という規模の問題ではなく、簡素な組織構造を有しているかどうかという点、すなわち、組織構造がどうかというところがポイントになっています。資料5の事例集の中にも、イメージですけれども、4ページに、監査役と内部監査人が定期的に打ち合わせを行っているという事例がございます。通常、大企業の場合に、監査役と内部監査人が毎週なり毎月にミーティングを行っている例というのは、例外的だと思いますけれども、簡素な組織の場合には監査役と内部監査人が定期的、もしくは随時に連絡をとっている例があるという組織上のファンクションに着目した効率的な内部統制ができないかという観点からの事例だと思います。

ただ、内部統制に変化がない場合に前年度、過年度分の評価結果を使えるということは、これは基本的な問題として、ローテーションの議論などで出てくるところでございますので、その点につきましては、実施基準の改正案の書き方のところで、次回にでも先生方にご議論いただければと思ってございます。

○堀江委員

簡素な組織であれば、事故が起こりにくいというふうな理解、判断でよろしいんですか、そういう組み立て方になっておりますでしょうか。

○古澤企業開示課長

その点は、たしか6月のこの場でもご議論になっていまして、かえってそういうほうが危ないというご議論もあったかと思うので、そういう簡素化された組織に応じた内部統制のあり方があるのではないかというアプローチだろうという気がいたします。

では、錢高委員、お願いします。

○八田部会長

ほかにいかがでしょうか。

では、錢高委員、お願いします。

○錢高委員

いろいろとお話を伺っておりまして、長い間時間をかけて、当部会でもいろいろな議論されたことが非常にいい方向で進んでいるというふうに思っております。

若干言葉で実務をやっている人間の立場から思うので、この資料4の中でも、これは小企業に限らず必要な部分だと思いますが、この資料の6ページ・中堅・中小企業に対する簡素化・明確化の中での一番下の評価手続にかかわる記録及び保存の簡素化・明確化で、その注のところでは、企業の作成している、あるいは使用している記録等を適宜利用しということでのこの説明のところでございますが、この小規模企業のみというわけではないと思いますが、社内作成書類の括弧書きの中、引継書、受注メモというのは、専門委員会でいろいろとご議論されて、要はこの言葉に収れんされたんだろうと想像するんですが、若干非常に業種によってといいますか、なじみにくい言葉かなというふうに思うわけでございまして、いわゆる民間人の価値観からいきますと、引継書というのは何となく前任者から何か人事更迭されると、次の引き継ぎみたいな言葉のイメージのほうが先立つのではないかなと。

それから、受注メモなどの覚え書というのも、営業サイドでどういうプロセスで受注したとか、何かそういうふうな感じになるので、この辺の言葉をもう少し現実、実態的な表現があるならば、お考えいただければなという思いで、もう一つは監査人がいろいろとチェックされる場合に、会社の中でこれは八田部会長さんとも何年もずっと議論させていただきまして、この内部統制というのは、議論の始まったときにおきましても、これは北風路線なのか、太陽路線なのかという議論が当時は非常に猜疑心の強い空気もあったわけでございますが、そのときに一生懸命頑張っている企業というものをより進化させて、応援して育てていこうと、時には間違いもあるかもしれない。それを防備していこうということで、何か間違ったことをしたら一罰百戒ということにばかり視点を置くのではないという議論もプロセスにはあったかと思います。

先ほどの小企業だからいいかげんだということで、大企業なら絶対正義だということでは決してないということは、私も前々回か何かに多分発言させていただいたかと思います。小企業で本当に額に汗して努力している方のほうが間違いを起こさない場合はそれでもいいんではないかと、大企業でも人事的な意味において、頭取とか会長に絶対的な権力が集中した場合は、下の人がイエスマンになっているというケースもある。これを内部統制できちっとするべきだという議論も本質の議論があったと思いますが、そういった意味におきまして、これは小規模に限らないですが、ここもいろいろな社内の書類というものが非常に重要な要素で、それは日常の会議の記録であってみたり、あるいは社内の通知、通達であってみたり、何かいろいろな資料というのは、各会社の文化とか習慣によってまた違うかと思いますので、何となく引継書、受注メモという言葉がひとり歩きしますと、本来のそこまでの情報開示をされるかどうか知りませんけれども、場合によれば監査人がいろいろ聞かれるときには、取締役会議事録を持っていらっしゃいだとか、あるいは経営会議の議事録を持ってきなさい、部のいろいろな会議の内容がどうですかとか、あるいは通達、通知がどうだったとか、そういうふうな生きた流れの中から現実がつかめるわけで、何となくよそ行きみたいなレポートとか報告ほど本質は突けないわけで、そういった面では何か引継書、受注メモという言葉はちょっとなじみにくいかなというふうな思いを一つ意見として申し上げておきたいと思います。

それから、もう一つは内部統制というのは、柴田さんと時々議論がかみ合わないことが過去にはあったので、今はそうじゃないと思いますけれども、いわゆる投資家保護とかいいますか、そういった面で内部統制というのがあるということはよく承知しているんですが、実体経済上の取引先同士が本当に信頼してビジネスが取引できるかということも、一方大事な要素だと思うわけで、投資家保護だとか株主ということは、当然だと思います。それはビジネス全体から見れば一つのパートであって、一方においては日々株を買ったり、売ったりしない人たちのほうが絶対多数で企業の日常の商いということをやっておられる。

ですから、取引というのは対等の取引もあれば、あるいは公正取引委員会とは申しませんけれども、優越的支持をもって何かをされるような企業もあるかもしれない。そういった面における何か視点がこの内部統制のこういった物の考え方というのは、一般のビジネスの中にもそれが本来の目的ではございませんけれども、結果としては非常にそれが応用できるとか、関連してくるというふうな形になることも、結果のいい副産物になるのではないかという面も我々今後取引の相互間の非常にいい円満な形になることも配慮されてはいかがかなということを意見として申し上げておきます。

以上でございます。

○八田部会長

どうもありがとうございました。

○古澤企業開示課長

メモのご指摘、まさに受注メモとか、それから引継書ということですが、もともとのここの資料の趣旨と申しますのは、錢高委員のおっしゃったように、ある程度例えば議事録なり、それから監査人、監査役とのやりとりなどがきちんと記録に残っていること、あるいは、取引等の流れをきちんと見れるようになっていることといった点が基本と思います。

実施基準の書き方で工夫したいと思いますけれども、本件はそこまで議事録ややりとりの記録がきちんと残されてないような、先ほどの言葉で申しますと中堅・中小とかの組織の、記録を作成・保存する部隊が必ずしも充実してないところについて、ある原資料、前任者から後任者への引継ぎとか、それから実際の受注の記録とかというのをなるべく使ってもいいのではないかという趣旨なので、その点が区別してわかるような書き方を工夫したいと思います。

○八田部会長

ほかにいかがでしょうか。

では、高田委員、どうぞ。

○高田委員

資料の4のまず(2)ですけれども、半分質問です。

事例集の作成というのは、私も最初からこういうことはやるべきだというふうに思っておりましたので、ぜひ頑張ってやっていただきたいのですが、役所の中の人員の状況とか体制が、大丈夫なのかなということが外から見ておりまして、現在の体制で事例をつくっていけるのかについて、非常に心配しておりますので、もしその辺こういう体制でしっかりやっていきますということがあれば、教えていただければと思います。

それから、内容のお話、これは半分意見なのですが、4ページのサンプリングの合理化・簡素化ということで、これは当然なことなのですけれども、書き方を注意する必要があると思いますのは、これは前にもご意見を申し上げましたけれども、公認会計士が実施する内部統制の監査は独立、インデペンデントでなくちゃいけないということが原則だと思います。その上で企業の中の内部監査部門、あるいは監査役さん、それから経営者の評価、そこと重複しないように、できるだけ効率的にやっていこうということだと思うのですね。

簡素化案を拝見しますと、経営者が評価したら、そこはオーケーだというふうにとらえられかねませんので、そこはぜひご注意していただきたいと思います。

それから、6ページ目、それから事例の中で出てくる業務プロセスの評価手続の合理化ということなのですが、これは言葉が足りなくて、業務プロセスに係る内部統制という意味でとらえてよろしいのでしょうか。業務プロセスそのものを評価するということではないと思うのですけれども、結構ほかのところにも業務プロセスの評価という表現がダイレクトに出てきてしまっていますので、そうしますと業務監査にとらえられてしまいますから、言葉を補ったほうがいいかなと考えておりました。

以上です。

○八田部会長

どうもありがとうございます。

最初の事例集の作成に対する当局側の体制に関してというご質問、どこまでお答えいただけるかわかりませんが、ちょっとお願いします。

○古澤企業開示課長

1つ目を私の方から申し上げて、2つ目、3つ目を調整官のほうからお答えします。

1つ目でございますが、何とか10を超えるような形で事例集を最初準備したいなと思っておりますが、なるべく使い勝手がいいものを出していきたいと思います。

○野村企業会計調整官

事例集に関して若干補足させていただきたいと思いますが、今回基準、実施基準の改正案につきましては、今後文案にしてパブリックコメントということで、ご意見を募集することになろうかと思います。その際に、できましたら、効率的に行っている事例がございましたら、そういった事例についても、あわせて募集をさせていただき、そういった事例も加えさせていただくと、非常に効率的に事例を増やすことができるのではないかと思いますので、検討させていただければと思います。

それから、2点目のサンプリングの件でございますが、高田委員ご指摘のとおりでございまして、今回、積極的に監査人は経営者のサンプリングを利用していただきたいということではございますけれども、当然利用するに当たっては、監査人としての判断が大前提としてあるわけでして、この資料4は概要紙でございますので、その辺がちょっと明確になっていないところがございますが、おっしゃられるように、大前提としては監査人の判断ということがあり、評価結果を利用できるかどうかという判断にあたっては、評価方法等の妥当性の検証ということが必要になってくると思います。

それから、最後の業務プロセスの評価ということでございますけれども、ご指摘のとおりでございまして、業務プロセスに係る内部統制の評価ということでございますので、実施基準等のほうでは、正確に記載したいと思います。

以上です。

○八田部会長

それでは、大崎委員、どうぞ。

○大崎委員

ありがとうございます。

ちょっと事例集のことについてお伺いし、かつ意見を申し上げたいと思いますが、今お示しいただいているものをどうやってつくったんですか。というのは、変な聞き方なんですけれども、企業サイドの感覚としたら、こういうことはいいんだろうか、悪いんだろうかというのは、基本的に監査法人にお伺いするという感覚だと思うんですね。金融庁に直接問い合わせるという感覚はないと思うんですよ。

そうすると、この事例集というのは、監査法人にヒアリングされてつくったのかなというふうに想像するんですが、現場を今後本当に効率的に回していくということを考えると、正面から、特にこれは経営者による評価の段階というのが重要なわけでございますので、経営者による内部統制有効性評価を行うに当たって、金融庁としてもこういった評価方法が妥当かどうかについての判断をしますよということを真正面から、それがノーアクションレターみたいなまた難しい手続になってしまうと、これはかえってまたややこしいことになると思うんですけれども、機動的にその辺はご照会に応じますよというようなことを示していただけると、事例集もどんどん蓄積していくでありましょうし、かつ実際に今やっているときにここをこういう形で進んでいいのかということを企業として非常に判断しやすくなるんじゃないかと、こんな気がするんですが、いかがなものでしょうか。

○古澤企業開示課長

今回のこの事例集につきまして、どうやって作っているのかの点ですが、まず事務局で個々の会社からヒアリングした事例を整理しているものが一つございます。

ただ、その上で、当然ながらこの中では監査法人、それから公認会計士協会も含めて、関係者とご相談をさせていただいた上で、整理してございます。

大崎委員のご指摘で、そもそもQ&Aで対処するもの、もしくはこの事例集で対処するものと、個別に個社と監査法人との間で処理するものとの線引きをどうするかが本質的に悩ましいと感じております。今回のこの事例集をつくるプロセスに当たって、何を取り上げるかということについては、最終的には関係者、そういう意味では作成者サイド、それから監査サイド、それから我々は投資家サイドも含めてニーズを見て、チェックし、その上で、中身についてチェックをし、事例として整理するということかと思っています。そういう意味では、まだ御指摘のノーアクションレターというところまで制度としての熟度はないのかなという気がいたします。

また、Q&Aでは、個別の事例として扱われて、適用されるかどうか不明確になるため、この実施基準の中に盛り込もうという面が出てまいります。すなわち事例集なりQ&Aで議論している中で、ある意味でルールとしての熟度が高まってきたというものが実施基準に上がっていく面も場合によってはあり得ると思っています。

○八田部会長

では、鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員

すみません、2点ほど、1つは資料4の3ページのところの上のほうのやつで、いつも監査上問題にしているのは、企業の事業目的に大きくかかわる勘定科目については、業務プロセスで重要性が僅少なものを除いて、評価しなきゃいけないということになっているんですけれども、これがQ&Aで95%というメルクマールがありまして、5%が除外されるんですけれども、95%の中にも連結財務諸表で余り重要でないプロセスというのもあるんですよね。

それに関連して先ほどの資料の5の6ページのところに、ここにもはっきり書いてありますけれども、Q&Aの問28のところで、例えば売上に至る業務プロセスに関して、連結売上高のおおむね5%程度以下になるプロセスを僅少なものというふうになっているんですが、これもある意味95%を前提にして書いてあるんですけれども、結構5%というのは会社によっては面倒くさい部分があって、ここはある意味我々の感覚から言えば、連結財務諸表に及ぼす影響が重要でなければ、外して、特に5%にこだわるという必要はどこにあるのか、ちょっとわからないんですけれども、今Q&Aがこうなっているせいで、こういった形になっているので、この辺は若干見直したほうがもう少し弾力的に運用できるんじゃないかという気がします。

それから、もう1点が資料4の4ページのところに持分法適用会社の件でございますけれども、ここには当該持分法適用会社の親会社から入手すると書いてありますけれども、50、50の場合もありますし、親会社がない場合もあるし、ここの部分は追加の資料の3-1で追加の要望・意見の中にもありましたけれども、アメリカでは要求されてないということと、実際現場としては関連会社側で協力が得られないケースというのは結構多いんですね。

ここについては、先ほど事例集で明確にするということがおっしゃられましたけれども、もう少し虚偽記載のリスクが少ないと判断されたら、範囲に入れないということも考えられるんじゃないかと思っているんですけれども、この辺が実務の現場では、結構どこまでやったらいいのかというのがなかなか、現実には実行が難しいというケースも出てくると思いますので、この辺もご配慮いただけるとありがたいと思うんですが。

○八田部会長

お願いします。

○野村企業会計調整官

ただいま鈴木委員からご指摘のありました2点につきましては、今回企業サイドといいましょうか、会社を訪問させていただいた際に、お話をお聞きしたときに、ご要望が多かった点ではございます。

まず1点目の「僅少である事業拠点」の5%という比率についてでございますが、現在も例えばと例示で言っておりますので、5%に必ず限られるわけではないのですが、この5%に限られるわけではないということを実施基準等でもう少し明確にしたいというふうに考えておりまして、今回の主な内容(案)ではお示しはしていませんが、ご指摘もあり、そこら辺をもう少し明確にしてはどうかというふうに考えているところでございます。

それから、持分法適用会社に係る評価範囲の方でございますが、こちらにつきましても、ご指摘のとおりで、なかなか評価等に当たって情報が入手できないというご指摘、特に海外の持分法適用会社についてはそうだというお話がございます。

今回の事例集の方でもそうなのでございますが、実施基準のほうで明確にしてはどうかというふうに考えておりますのは、持分法適用会社でございますので、当然、連結財務諸表をつくるときには、その際の作業としてその会社の財務情報は入手されるわけでございますので、その際にその財務情報が正しいかどうかという確認のプロセスがあると思いますので、その際のモニタリングの情報をもって、評価に代えることができるといったことも実施基準に加えてはどうかということを検討しているところでございます。

○八田部会長

では、柴田委員、どうぞ。

○柴田委員

資料4の項目(3)の「内部統制の柔軟な運用手法を確立するための見直し」の中で「評価手続のローテーション化」の採用が示唆されていますが、これについては賛成です。ただ、言わずもがなですけれども、監査人が「抜き打ち的に」評価対象を選定できるような余地を確保しておくことは、監査の有効性を担保するために重要ですので、その点に充分留意していただきたいと思います。

○八田部会長

ご意見は承りました。ありがとうございます。

ほかにいかがでしょうか。

では、堀江委員、どうぞ。

○堀江委員

資料4になりますが、(4)の「重要な欠陥」の用語の見直し、こちらにいってよろしいでしょうか。

○八田部会長

どうぞ、よろしくお願いします。

○堀江委員

ここでは、開示すべき重要な不備、重要な要改善事項という2つの案が出ております。

それで、結論から申し上げますと、この2つの言葉を、区別しながら同時に使うということができないかという提案なんです。

と申しますのは、これまで重要な欠陥が開示された事例を見てみますと、2つのタイプがあって、1つは例えば売上の計上にかかわる承認手続に不備があって、売上高という財務諸表項目の修正が行われた。つまり内部統制の不備が原因となって、財務諸表の修正に結びついたケース、これが「開示すべき重要な不備」だろう、と思います。その一方で、例えば監査役ですとか内部監査部門の機能が非常に弱く、今のところ財務諸表数値の修正はないんだけれども、このままほうっておくと、不正や誤謬が起こる可能性が非常に高いケースであり、内部統制に弱点がある、これが「重要な要改善事項」となる、という理解です。実際に財務諸表数値の修正に結びついた不備と、その可能性のある不備は区別すべきだという感じがしておりまして、今この2つの言葉を見たとき、この2つの言葉を使い分けるというのもどうかな、と思いました。このような使い分けはどうでしょうか。無理があるものでしょうか。今すぐここでご回答をいただけるとも思えませんので、ちょっとご検討いただければと思います。

○八田部会長

大変貴重なご意見ありがとうございます。検討させていただきます。

ただ、これにつきましても、長年にわたって、すべての委員の方々も、事務局の方々も、大変悩ましく感じているところですので、また時間をかけて検討させていただきます。

ほかにいかがでしょうか。

では、荒谷委員、どうぞ。

○荒谷委員

悩ましいと感じているところをまた恐縮なのですけれども、私も前から、かねてより大規模会社と中堅・小規模会社に分けて考えることについては賛成であるということを申し上げておりましたので、この点については非常に評価しております。いくつか教えていただきたいのですが、まず、以前にも確か大規模会社の場合にも、参考にできる場合があり、その線引きが難しいという話が出て、議論となり、悩ましい問題であることはわかっております。

ただ、今事例として3つほど挙がっておりますが、これも恐らく大規模会社でもチェックリストをきちっとつくり、監査役ときちっと意見交換をするなど、ここに例示されている事例を充足している可能性があると思いますので、そういう場合には一部上場の大規模会社でも、これがそのまま適用されるとお考えなのかどうかということを教えていただきたいのですが。仮にそうであるとすると、中堅・小規模会社だけでなく、大規模会社についても、非常に緩やかな基準になるのではないかという気がいたします。そのことについて特に反対であるという意味ではなく、一応その点をどのように考えているのか教えていただきたいという点が第1点です。

それから、第2点目は、誤解があるかもしれませんので、教えていただきたいのですが、資料4の2ページ、全社的な内部統制の評価方法の簡素化とその次のページ等にもありますが、前年度の評価が有効である場合には、前年度の内部統制の運用状況の評価結果の利用が可能であるということでございますが、これは前年度の評価が有効であれば、特に今年度検証することなく、当年度は流用して評価結果の利用ができると解釈できますので、評価が一度有効であるとされますと、ほぼ永久的にこれが利用され、特段の検証は重要な変更がない限りは不必要になるという意味なのか教えていただけますでしょうか。仮にそうであるとすると、かなり骨抜きになるというか、かなり柔軟になるのではないかと思います。

それから、同じ資料4ページの先程お話しのあったサンプリングの件でございますが、私も監査人には独立性がございますので、積極的に利用すべきであると、そこまで推奨されるのはいかがなものかなと思います。すべきというのはかなり強い言葉で、積極的に利用しなさいと言っているように読めますので、その点はご留意いただければと思います。

それから、ここで言う一定の場合というのは、具体的にどのような場合をイメージされているのかということを教えていただければと思います。

以上3点です。よろしくお願いいたします。

○古澤企業開示課長

まず、1点目と2点目を申し上げて、3点目は野村調整官から申し上げます。

まず、1点目ですが、今の事例集でどれが大規模な会社にも使えるのかということにつきましては、もちろん個々の事例によって違うかと思いますが、つくっているときのプロセスとの関係で、これは我々がイメージしているものでございますが、1つ目のチェックリストの話につきましては、典型的な大規模な会社につきましては、概要のところにもありますけれども、通常はこの3点セット、すなわち監査人とご協議いただいた上での業務の流れ図とか、業務記述書とか、リスクと統制の対応という資料があるイメージかと思います。

それから、2つ目でございますけれども、これは監査役と内部監査人の打ち合わせですが、これも典型的な大規模な会社ですと、監査役と内部監査人が気楽に、随時に部屋が隣同士で、いつも何か問題があれば連絡をとっているというイメージというより、監査役と内部監査人の打ち合わせというのは、年に2回とか3回、定期的にというか、ややフォーマルに行われているようなイメージかと思います。

それから、IT統制、資料5の5ページのポイントは何かと申しますと、通常であれば支社ベースで独立してシステムを持っている場合には、そこでIT統制を行うというのが通常だが、独立のIT統制をかける必要がない場合には、本部で集中的にやったほうが効率的であるというケースかと思います。

最後の事例は、大規模な会社も中小も差はないのではないかと言われれば、そこはおっしゃるとおりで、僅少な業務プロセスの部分を外して、残りの重要でない業務プロセスについては、ローテーションを入れているという事例ですので、これについては比較的大と中小の差が小さい事例との印象でございます。

それから、ご質問いただきました2点目のローテーションは、もちろんある年に認められれば、その後ずっと有効ということではなく、その年に過年度に行った評価が有効かどうか、重要な変化がないかというような、過去の評価を使っていいかどうかの検証作業というのは当然入った上で、さらに柴田委員からご指摘のあった抜き打ち的バックストップがあるという前提での利用ということになろうかと思います。

○野村企業会計調整官

サンプリングのところの一定の場合にという「一定」ということでございますけれども、いろいろなことがあり得るかと思いますが、例えば、サンプルそのものについては、統計的なサンプリングの場合に、サンプルのとり方が無作為に抽出されているかどうかといったような点を確認しているかどうかとか、サンプルの評価結果を利用する場合には、その評価方法が妥当性を検証しているかどうか等、いろいろなことが考えられるわけでございますが、そういった点を確認をした上でということでございます。

○八田部会長

ほかにいかがでしょうか。

町田委員、どうぞ。

○町田委員

今の事務方のご回答について、特に前半の事例集のことですけれども、これを利用する際に、例えば本日の審議会の議事録を参照しながら、このケースは大企業である印象とか、これは中小企業である印象といった金融庁の説明を各企業の方々がたどっていくことは到底できないと思います。

この事例集のアイデアは、もともとアメリカで、内部統制報告制度がちょっと過大だということで、SECの指示のもと、COSOが中小企業向けのガイダンスを作成し、その中で多くの具体的な事例が含まれていたことにあるわけです。

その際に、どこからが中小規模なのかということはアメリカでもさんざん議論されたんです。これは荒谷先生と以前お話ししたことですけれども、結局、アメリカでは中小と大規模との間の線引きはできずに、つくったガイドラインは大規模企業でも使えますよということになったんですね。

そのガイドラインは、2007年に公表されて、これは部会長ほかのご尽力で日本語訳も出ているわけですが、そのガイドラインの中に出てくる事例は、その点慎重で、例えば従業員数とか企業の規模とか、どういう業務をやっているかということを具体化しているんですね。

つまり事例集というのは抽象化すればするほど全部に当てはまって、緩和措置になってしまうので、当てはまるケースを限定したいのであれば、事例は具体化しておかなくては意味がない。こういう場合であれば当てはまっているので、こういう場合だから当てはまっているんだということは読み込める程度に示さなくてはいけないんだろうと思います。印象論で、ここは大企業の企業の印象ですとか、中小企業の印象ですというわけにはいかないのです。この事例は中小の印象とか、大企業の印象というのであれば、そう判断した古澤課長のサインを書いておいていただければよろしいかと思いますが、そうもいきませんので、ご検討に当たって、是非その点はご留意いただきたいと思います。

○古澤企業開示課長

すみません、言葉が過ぎました点は、反省いたしたいと存じます。

○八田部会長

もう少し補足しますが、事例を見ますと、COSOが公表しているのは、多くは業種から、あるいは具体的な企業の対応がわかるような概要を示した上で、簡素化措置をとってあるものと、実は特に企業規模とは書いてなくて、手法的にこのような対応がとられることで簡素化できますよという2つがあって、多くは個別企業といいますか、イメージできる業態まで示している事例で、かなり詳細な説明になっているんですね。その点、今後の策定に当たっては、留意すべきだと思います。

どうもありがとうございます。

ほかにいかがでしょうか。

よろしいでしょうか。

町田委員、どうぞ。

○町田委員

重ねてすみません。

どなたも手が挙がっていないのであれば、一言だけ、学者の立場で言わせていただきたいと思います。

今回の内部統制の部会は、制度が2年度目に入ったということで、いろいろ見直しをしていこうということで再開し、いろいろな議論もしましたし、私も、内部統制監査のレビュー化の議論に関して前回の部会のときに報告させていただきました。

今回も、前回の部会以降の要望・見直しが取り上げられているわけですけれども、こういう緩和化の議論とか要望を一体どこまで受け入れるのかな、というふうに思いながら、本日は聞いておりました。枠組みを壊さないというお話もありましたけれども、枠組みを壊すも壊さないも、最終的に制度として何が実施したいのか、健全な資本市場や投資家保護の観点から、何を我々は企業に望むのかということではないかと思います。逆にこの制度を要らないというのであれば、そういう議論も含めてしていかなければいけないんだろうと思うんですが、基本的にはこの制度が必要だと、あるいは有効性があるということで、当部会に一定の合意があるのであれば、何が最低限譲れない一線なのかということをしっかり踏まえた上で議論を進めなくてはいけないだろうと思うんです。

例えば、1つの例ですけれども、先ほど冒頭に今年度の内部統制報告の概況のご説明がありましたが、重要な欠陥の開示企業22社に対して、その他に訂正報告によって重要な欠陥を開示した企業が7社出ていると。これはどうして訂正報告が出たのかという原因の追及をある程度しなくてはいけないんじゃないかなと思うんですね。つまり、いい加減な報告をしておいて、何か問題が出たらそのときに訂正報告すればよい、というのであれば、それで認められるのであれば、私が会社の経営者でちょっと業績が芳しくなければ、そうやっておけと指示してしまいそうです。

ですから、申し上げたいのは、1つは評価方法の簡素化というのは、一定限、追求して構わないと思うんですけれども、内部統制の有効性の評価結果とか判断のラインを下げたりするというのはおかしいんじゃないかなというのが学者の感覚です。

ただ、一方でもう1点の別な観点から申し上げますと、今、経済環境も含めて、企業が費用負担が大変だということで、何らかの支援が必要だと、政府の成長戦略もそういう話なんだろうと思うんですが、その際に、内部統制の整備という、収益につながらない問題が目の敵にされるのもわかるわけです。ですから、この制度を活用していくためには、内部統制の「重要な欠陥」を、言葉はどうなるかわかりませんが、開示したくなるような制度を考えるということも必要ではないかと思うんです。あるいは開示していれば、何らかの免責的な措置がとられるといったことは必要なのではないか、と。

アメリカでは量刑ガイドラインというのがあって、内部統制を有効な状態に確保することによって、その後で万が一何か不祥事が生じても刑罰が軽くなるという制度上の規定があります。日本でも、開示していれば、何か問題事項があったとしても、一定の範囲で免責されるようなことを考えるとか、あるいは、そういうことが難しいのであれば、例えばうちの会社は内部統制をこういうふうにやっているということを定性的にもう少し書かせるような、書いても構わないような報告書の形を考えるといったことがないと、開示したくなるようなことがなくて、何かやらされ感ばかり強いと、嫌だ、嫌だと、これはやらなくてもいいでしょう、これもやらなくてもいいでしょう、といった交渉の議論になってしまい、本当にどこまで後退していけばいいのかわからなくなってしまいます。

繰り返しになりますが、日本で重要な欠陥の開示企業がわずか22社というのは、やはり少ないんじゃないかなと思うんです。これは今さらの議論に聞こえるかもしれませんけれども、やはり少ないんじゃないかなと、これは本当にちゃんと評価しているのかな、という気もしてくるのです。そのためにも、内部統制の重要な欠陥というのは、決して欠陥企業とかそういうことではなく、ちゃんと管理しているから大丈夫なんだということが広く認識されなくてはならないと思うのです。この内部統制議論が2004年に始まった契機として、鉄道会社の不実記載に端を発して、有価証券報告書の自主的な点検を求めたところ、訂正報告が1,300件出てきたのと同じように、企業側で本気になって評価を行ったら、もっと重要な欠陥が出てくるんじゃないかなという気もしています。

したがって、どこのラインを絶対譲れないラインとするのかということと、何らかの形で企業側にメリットなり、あるいは免責的な措置を考えることが、この制度を維持していく、あるいは有効に活用していくためには、必要なのではないかと考えています。

いかがでしょうか。

○八田部会長

いかがでしょうか。

○古澤企業開示課長

1つ目の結果判断のラインを変えるべきではないというご指摘だと思いますが、前回の6月のこの部会の資料で、そこのところが論点になっております。今回お示しをしております2案でも、そこのラインは変えないという前提でと考えております。その意味では、町田委員のおっしゃるように、今回ここで「重要な欠陥」という用語を変えるかもしれないけれども、そこについてのレベル感は変えないという前提と考えておりますのが1つ目でございます。

それから、2つ目は非常に大きな問いかけだと思いますので、これは受けとめてまた研究させていただければと思います。

○八田部会長

柴田委員、どうぞ。

○柴田委員

先ほどの町田委員のご発言で、「有効」から「重要な欠陥」へと内部統制報告を事後に訂正した会社が7社あるけれども、訂正の動機に疑念の余地ありという趣旨のご発言がありましたが、同感です。そういった疑いを持つべきケースも実際にあるのではないかと思われます。ただし「内部統制報告について不備がある」と開示することによって「経営者が得るもの」は恐らく何もないだろうと考えます。経営者が免責される事項とは一体何かと考えてみますと、目論見書などのような開示書類を作成するときに「少しでも心配な事項があればそれは全部開示さえしておけば免責になる」、つまり何かあった場合に「それについてディスクローズをしています」という形で免責を図ることは可能です。しかし、内部統制の欠陥のように「会社の仕組み自体に根本的な欠陥がある」と解されるような場合には、経営者の努力不足とみなされますので、なかなか経営者の免責事項としては認められがたいと考えます。あくまでも意見ですけれども。

○八田部会長

どうもありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。

よろしいでしょうか。

多賀谷委員、どうぞ。

○多賀谷委員

すみません。これは要望といいますか、今後のご検討かと思いますが、事例集をこれからつくられる中で、これまでの内部統制のいろいろ検討の中で、部会長もおっしゃっており、また先ほど錢高委員からもご発言がありましたが、経営者レベルの問題というのは一番大事であると。その点については、むしろ例えば中堅・中小規模上場会社のほうが経営者を中心としたいろいろな問題、あるいは経営組織が非常に弱い、あるいは小さいというような別の問題もあるやに伺ってますので、そういう意味で大規模会社と同じような全社統制のチェックのあり方でいいのかどうか、例えば東証等が、外部の第三者的な取締役あるいは監査役を選任するようにというようなルールをつくられたりしているということも踏まえたチェックのあり方というような事例も必要ではないかと思います。今四十数項目を全部チェックするということはないという理解は、だんだん浸透はしていると思うんですが、そこがむしろ形式的になっているとすれば、そこも何らか適切な事例があれば、知恵を出していったらよいのではないかと思います。

以上です。

○八田部会長

どうもありがとうございます。

ほかにいかがでしょうか。

それでは、本日いただきましたご意見等を踏まえまして、事務局も交えて見直しの主な内容につきまして、具体的な基準、実施基準の見直しの案文として整理させていただきたいと考えております。

なお、本日ご発言できなかった点やお気づきの点がございましたら、事務局にご連絡いただきますようお願いいたします。

今後のスケジュール等につきまして、事務局から説明してください。

○古澤企業開示課長

次回部会におきましては、基準、実施基準の改正案をご審議いただければと考えてございます。

日程でございますが、11月25日の木曜日を予定しておりますが、改めてご案内をさせていただきます。

よろしくお願いいたします。

○八田部会長

どうもありがとうございます。

若干時間的に余裕がありますが、これで閉会させていただきます。

お忙しいところご参集いただきまして、大変ありがとうございます。

以上

お問い合わせ先

金融庁Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局企業開示課(内線3672、3656)

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