平成15年1月16日
金融庁

企業会計審議会総会議事録について

企業会計審議会総会(平成14年12月6日(金)開催)の議事録は、別紙のとおり。

(問い合わせ・連絡先)

金融庁(TEL03-3506-6000)
総務企画局企業開示参事官室
企業会計審議会事務局


企業会計審議会総会議事録

日時:平成14年12月6日(金)午後3時50分~午後4時33分

場所:金融庁9階特別会議室

○若杉会長

お待たせいたしました。ただいまより企業会計審議会の総会を開催いたします。

皆様には、ご多忙のところをご参集いただきましてまことにありがとうございます。

本日は、第二部会で検討を行ってまいりました中間監査基準の改訂を議題とし、さらに、最近の企業会計をめぐる状況等につきましてご報告をいただくことを予定しております。

それでは早速議事に入らせていただきます。

中間監査基準の改訂につきまして、第二部会で成案を得たとのことですので、これをご説明いただきまして、御審議の上、取りまとめいただければと思っております。

まず、中間監査基準の改訂に関する意見書案につきまして、脇田第二部会長からご説明をお願いいたします。

○脇田第二部会長

第二部会長の脇田でございます。

それでは、中間監査基準の改訂案につきまして、概要をご説明いたします。資料の方に基準がついておりますのでごらんいただければありがたいと思います。

初めに、第二部会の審議経過を申し上げたいと思います。

本年1月に「監査基準の改訂に関する意見書」が取りまとめられました後、第二部会では、引き続き、中間監査基準の見直しについて検討を進めてまいりました。

本年8月に公開草案を公表いたしまして、広く各界からのご意見をちょうだいし、さらに精力的に検討を行いました結果、第二部会としての成案を得たところでございます。

早速、中間監査基準の改訂案につきましてご説明をさせていただきます。お手元に意見書案と別に、意見書案と公開草案との対比がございますが、要点をご説明させていただきます。

全般的なことで、まず、今般の中間監査基準の見直しは、現行の中間財務諸表の開示制度を前提として、監査基準の改訂に関連して中間監査の一層の充実強化のため改訂が必要となる事項について検討をいたしました。

本年1月の監査基準の全面改訂によりまして、監査基準が相当に充実強化されておりますが、このような監査基準の改訂を踏まえまして、中間監査においても、リスク・アプローチの明確化、継続企業の前提への対処、監査判断の規準の明示及び中間監査報告書の記載要件の見直し、以上の4つにつきまして主に改訂を行いました。

なお、前文及び基準の骨格につきましては公開草案からの変更は全くございません。主に、趣旨の明確化の観点から文章や用語の修正を行っております。

主要な改訂事項について申し上げますが、まず、中間監査の目的等のところにつきましては、中間監査の位置付けは、従来の位置付けを踏襲することといたしまして、監査基準に倣って、まず中間監査の目的の項目を設けて、中間財務諸表が有用な情報を表示しているかどうかについて意見を表明するとの目的を明らかにしております。この点は、公開草案からの変更はございません。なお、全体にわたりまして、公開草案では「中間監査人」という用語を使っておりましたが、各界からのご意見をいただきました結果、それらを考慮いたしまして、「監査人」との用語に修正しております。

次に実施基準のところでございますけれども、実施基準は、若干の文言修正のほかは公開草案をそのまま踏襲しております。要点といたしましては、リスク・アプローチの考え方をベースとしつつ、中間監査の位置付けを踏まえ、中間監査リスクを年度の監査リスクよりも高く設定できることとし、発見リスクの水準を高くすることを容認することといたしました。その結果、年度の監査手続の一部を省略することができることとなりますが、その場合にも、分析的手続等を必ず実施することとしております。

報告基準につきましては、その趣旨に変更は全くございませんが、監査基準における意見の判断規準の表現との整合性、あるいは記述をより明確にするとの趣旨から、有用意見、除外事項を付した限定付意見及び有用でない旨の意見の項目の文章を修正しております。

次に、継続企業の前提に関することでございますけれども、継続企業の前提に関する事項も基本的には公開草案に変更はございません。ただ、継続企業の前提に重要な疑義を抱かせる事象や状況が存在する場合には、その内容や経営計画などを中間財務諸表に注記していただくとともに、監査人も年度末までの経営計画等の合理性の検討を行うこととし、年度監査に準じた監査上の対応を求めることとしております。

最後に、中間監査基準の実施時期でございますけれども、平成15年9月中関決算の中間監査から適用することといたしております。

以上でございます。

○若杉会長

どうもありがとうございました。

それでは、ご質問等がございましたら発言していただきたいと思います。いかがでしょうか。どうぞおっしゃっていただきたいのですけれども、特に今手を挙げていただけませんようでしたら、こちらからご指名して申しわけありませんが、本意見書案におきまして、実務上の指針の作成をお願いしております日本公認会計士協会といたしまして、奥山委員にご発言をお願いいたします。

○奥山委員

意見書そのものについては改訂について賛成でございます。あと、実務指針で必要な部分がございましたら、協会の方でこれから作成することに取りかかりたいと思います。

以上でございます。

○若杉会長

どうもありがとうございます。

ほかにどなたかご意見、ご質問等ございませんでしょうか。――それでは、特にご発言がないようですので、これにて質疑は終了させていただきまして、本意見書案をご承認いただきたいと思います。いかがでしょうか。いただけますでしょうか。

(異議なしとの声)

それでは、本案をご承認いただきましたので、お手元の資料の「案」の字を消していただきたいと思います。

○若杉会長

竹中金融・経済担当大臣が来られましたので、ただいまお取りまとめいただきました「中間監査基準の改訂に関する意見書」を大臣にお渡しいたしまして、その後ご挨拶をお願いしたいと思います。

企業会計審議会は、総会において、中間監査基準の見直しについて審議し、別紙のとおり「中間監査基準の改訂に関する意見書」をとりまとめましたので報告します。

○竹中金融・経済担当大臣

担当大臣の竹中平蔵でございます。企業会計審議会総会の場で一言ご挨拶を申し上げたいと思います。

企業会計制度やディスクロージャー制度は、投資家の自己責任原則に基づいて、公正・透明な市場を構築していくための基盤となる大変重要なインフラであるというふうに認識をしております。

言うまでもないことですけれども、適正なディスクロージャーを担保するためには、財務諸表の作成規範である会計規準、公認会計士監査の規範である監査基準が、いわば車の両輪として十分に整備されていることが不可欠であると思っております。

この審議会では、ここ数年の間に、国際的動向も踏まえて、数多くの会計基準等の整備・改善が行われてきており、本年だけでも、1月には監査基準の改訂、8月には固定資産の減損会計に係る会計基準の整備が行われており、さらに、本日は「中間監査基準の改訂に関する意見書」をお取りまとめいただいたというふうに承知をしております。

ご承知のとおり、アメリカにおける不正経理事件や大監査法人の消滅などを契機としまして、財務諸表の信頼性を確保することが国際的にも極めて重要な課題となっております。

このような状況において、今回の中間監査基準の改訂によって、我が国の公認会計士監査の一層の充実強化が図られることは、大きな意義のあることだというふうに思っております。

これまで精力的に審議に当たってこられました委員の皆様方には、この場をかりまして厚くお礼を申し上げたいと思います。

当審議会では、現在、企業結合会計に関する会計基準にも取り組んでいただいておりますが、企業会計の分野に高い見識を有しておられる委員の皆様方に、今後とも格段のご協力をお願いいたしまして、私の挨拶とさせていただきます。

ありがとうございましたということと、引き続きぜひともよろしくお願い申し上げます。

ありがとうございます。

○若杉会長

どうもありがとうございました。

竹中大臣には、この後、ご都合がございますので、ここでご退席されます。どうもありがとうございました。

○若杉会長

それでは、これより、最近の企業会計をめぐる課題につきましてご報告をいただくことにしたいと思います。

まず、第一部会における企業結合会計の審議状況につきまして、斎藤第一部会長からご報告をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○斎藤第一部会長

第一部会長の斎藤でございます。第一部会の審議の状況について簡単にご報告申し上げます。

第一部会では、一昨年の9月以降、企業結合会計の審議を行っておりまして、本日の総会の前にも部会を開催したところであります。

現在、来年3月を目途として公開草案を取りまとめるということで部会でご了承いただき、審議を進めております。

つきましては、部会の審議をより効率的に進めるために、前々回の部会でお諮りした上で、部会で審議すべき論点を事前に整理するために、部会内にワーキンググループを設置し、この2カ月の間、精力的にご審議をいただいてまいりました。

本日の部会では、主要な論点について、ワーキンググループの検討結果の報告を受けまして、委員の皆様にご審議をお願いいたしました。

目下のところ、最も重要な論点となっておりますのは、企業結合の会計処理として、プーリング法を残すかどうかでございます。この点につきましては、以前の部会でご提案がございまして、仮に試案を作ってみて、海外で指摘されておりましたプーリング法の乱用と言われるような事態が生じないような信頼性の十分高い内容の案ができるかどうか、それを検討してみてはどうかというご趣旨のご提案があったわけでございます。

そのご提案を受けまして、ワーキンググループで試案をお作りいただきまして、本日の部会では、その案をもとに審議を行ったところであります。委員の皆様からは数多くの有益なご意見をいただいておりますので、それらを踏まえて、意見の集約に向けてさらに検討を重ねていく予定でおります。

本日は、それ以外の論点についても、ワーキンググループの検討結果を受けてご審議いただいておりますので、これらについても同様に、意見集約に向けて検討を続けていきたいと考えております。

一方で、公開草案の取りまとめに向けて、できるところから準備作業を進めていく必要もございますので、本日の部会では、ワーキンググループに引き続き公開草案のたたき台の準備作業をお願いするということで、部会のご了承をいただいたところでございます。

なお、IASBが企業結合の公開草案の作成作業を進めている件につきましては、前回の総会におきましてご紹介いたしましたけれども、昨日、その公開草案が公表されました。先ほどの第一部会ではその旨報告を受けていますことをこの場でもご紹介しておきたいと思います。

第一部会の審議は、現在非常に重要な段階にありますので、委員の皆様方のご意見、ご協力をいただきながら、意見書の取りまとめに向けて精力的に審議を進めてまいりたいと考えております。

簡単ではありますけれども、私からは以上でございます。

○若杉会長

どうもありがとうございました。

次に、金融審議会の公認会計士制度部会及び第一部会におきまして、監査制度及びディスクロージャー制度の審議が行われております。また、国際会計基準審議会の動向などにつきまして、事務局からご紹介をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○羽藤参事官

それでは事務局からご紹介を申し上げます。お手元に資料の1、「公認会計士監査制度の見直しについて」というペーパーをお配りをしておりますので、まずそちらをごらんをいただければと思います。

もとより、企業会計基準、そして開示制度、それから公認会計士監査制度、これらは資本市場の信認を高めていくという上での不可欠な三位一体のインフラでありまして、そういう観点で、この場で、検討状況についてご紹介をさせていただくわけでございます。

「基本的な視点」というところでは、公認会計士監査の質の充実強化を図り、そして投資家の保護、企業による財務認識の適正化を確保するということで、現在金融審議会のもとの公認会計士制度部会でワーキンググループを設けていただきまして、昨年の10月から検討を行っております。

本日、この企業会計審議会にご出席の加古委員に、公認会計士制度部会でのワーキンググループの座長を務めていただいておりまして、議論を重ねております。

年内を目途に取りまとめをしていただくということで、最終的な段階に至っておりますけれども、テーマとしては、3.のところに掲げさせていただいておりますように、まず基本的な認識としての公認会計士監査の意義、そしてあり方、これは不断の自己研鑽によって専門知識の習得、それから高い倫理観と独立性を保持していただいて、使命を全うしていただくというところからまず出発をし、そしてコーポレート・ガバナンスと監査という観点では、単に会計監査人による監査だけではなく、内部監査、あるいは監査役あるいは監査委員会監査との連携ということを図りながら、企業の経営者による財務情報の適正な開示と相まって監査が成り立っている、そしてその上で監査を厳正にしていただくという基本認識を明らかにしていただくということで議論をいただいております。

そして、大きなテーマのうちの一つがこの監査人の独立性を強化をするという点であります。独立性は、被監査企業からの独立ということのみならず、何人からも独立をするということで、具体的には、被監査企業との間で監査証明業務と非監査証明業務を同時提供するということを新たに禁止すべきであるという意見が強うございますし、また同一の被監査企業に対して監査人が継続して、例えば、監査法人における社員が長年にわたって監査を続けるということについて、ある程度の一定の年限で制限をすべきではないかというふうなご議論もございます。

また、関与社員、実際に、監査法人の社員が監査をし、そして後に被監査企業の役員などに就任した場合については、その当該企業に対して、その監査法人が監査をするということについては一定の制限があるべきではないかというふうなことを初めとして、監査人が独立性を強化、担保するための一定のディスクロージャーの措置であるとか、関連する制度的な対応も必要ではないかということであります。

そして、公認会計士協会によって、現在、品質管理レビュー制度というものが採られているわけでありますけれども、これを引き続きしっかりやっていただくということで積極的に取り組んでいただくべきであるというご意見、また、そうはいってもなかなか自主的な限界というのもあるので、行政がきちんとモニタリングをして監督すべきであるというご意見、そういうものと相まってこの監査人の独立性というものを高めるということが、概ねの意見の方向性として出されているところでございます。

それから、監査法人については、合名会社という組織形態に基本的に立脚をしております。これは相互監視のメカニズムを人的会社ということを言われるわけでありますけれども、チェックをしながら、そして組織的な監査の質を高めるということを法目的として導入されている監査法人制度でありますけれども、現行の、今の実態としてはいわゆる4大監査法人に象徴されますように、社員全員が無限責任を負うというふうな形での相互監視には実態的に限界があるのではないか、そういった中で、組織法制それ自体を見直すべきであるといったご意見や、あるいは少なくとも監査に直接関与してない人間までが責任を負うというふうなことで無限責任制度というのをそのまま制度的に残しておくということについてはいかがなものであろうか、有限責任制度というものを導入してみてはどうだというふうなご意見もございます。そういった監査法人制度のあり方。

そして、公認会計士試験の見直しというものについても議論が行われております。公認会計士の人数を拡大をしていくということは、多様化し、対象企業数なども含めて増えていく監査証明業務に的確に対応していくためには、監査証明業務に携わる公認会計士というものをもっと増やすべきではないか。また、社会全体として会計や監査の専門家であるその担い手を企業の内部にも持つことが、トータルとして、資本市場における監査あるいは適正な財務情報の認識と開示というものを促していく上での不可欠なことではないかといったことが現在議論されております。

いずれにしましても、これを最終的には年内に、もう日も限られておりますけれども、取りまとめをいただいて、そして取りまとめをいただいた後で、具体的には関連する法律の改正などの作業に取りかかっていきたいというふうに事務局としては考えておるところでございます。

それから、資料の2でございますけれども、「ディスクロージャー制度の見直しについて」ということでお配りを申し上げております。

先ほどの公認会計士監査制度につきましても、それから、ディスクロージャー制度の見直しにつきましても、8月に証券市場の改革を促していく「プログラム」というものを金融庁として策定をいたしました。その中で、先ほどの公認会計士監査制度もそうですけれども、アメリカにおける対応など、国際的な動向も踏まえて、ディスクロージャーという点については特に、一つにはディスクロージャーを信頼される市場の確立に向けて充実強化すること、それから、経済の活性化に資するようにディスクロージャーのルールを整備していくこと、さらに、手続の簡素化・迅速化、主にこういう3つの課題について、金融審議会の第一部会のもとで、ディスクロージャー・ワーキンググループということで、東京大学の岩原先生に座長を務めていただいて検討をしていただきました。

ワーキンググループとしては大体意見の取りまとめを終えたところでありまして、これを第一部会に報告をするということで、今最終的な作業をしておるところでございます。やはりこれも年内に総会を開催をするという中で、具体的な提言を取りまとめていただくというふうなことで、最終的な段階に至っております。

主なテーマでありますけれども、まず、信頼される市場の確立に向けたディスクロージャーの充実強化という点につきましては、目論見書、これを交付方法を含めて改善の方向で見直していくことが検討課題であるというふうに提言される見通しになっております。

それから、リスク情報、MD&Aということで、経営者による財務・経営成績の分析、またコーポレート・ガバナンス関連情報ということで、例えば、内部統制のシステムの構築がどのようになっているのかなどということを適正に開示をしていただくという提言もいただく、そういうふうな見通しでございます。

それから、有価証券報告書等の記載内容の適正性については、代表取締役の確認を求めるということとしてはどうか。

また、四半期開示については、法定開示ということに向けて、現在は東京証券取引所を初めとする取引所における検討というものが進んでおりますので、そちらの方の定着を見つつ将来検討をしていくべきではないか。そういった提言内容の見通しになっておりまず。

それから、経済の活性化に資するディスクロージャー・ルールの整備でありますけれども、これは大きく、一つには、私募制度と言われておりますが、いわゆる相対の取引におけるいろいろなルール、これを中小企業やベンチャー企業の資金調達の円滑化を図るという観点を中心にしながら、例えば、適格機関投資家という範囲を拡大をして、その資金の供給、担い手というものの層をもう少し増やしていってはどうかといった提言。

また、エクイティ関連商品に係るプロ私募の適用ということで、転々流通をしていくということについて一定の手当てを講じながら、資金調達の円滑化を手助けするような形で制度整備をしてみてはどうかという点。

また、事業再編といったことに鑑みまして、公開買付規制についての適用除外要件を拡大をしてはどうかなどのディスクロージャー関連ルールの整備ということが取り上げられております。

次のぺージでございますけれども、「手続の簡素化・迅速化」という点につきましては、幾つかのことが、テクニカルな点も含めて挙げられておりますけれども、詳細については省略をさせていただきますが。

いずれにしましても、ディスクロージャーということについても、しっかりと取り組んで、そして先ほどの監査制度と相まって、資本市場の信頼性を向上させていくということが非常に重要ではないかということで、これらをあわせて金融審議会の場で総会では取りまとめていただく、そういう方向で現在議論を進めていただいているところでございます。

それから、あわせまして、IASB(国際会計基準審議会)の動向などについてということで、この場で簡単にご紹介をさせていただくということが恒例となっておるようでもございますので、この点について一言触れさせていただきたいと思います。

特段資料の方はご用意を申し上げておりませんけれども、口頭で補わさせていただきます。 IASB(国際会計基準審議会)の動向に関しましては、本日ご出席の各委員におかれましても、それぞれのお立場でかかわりをお持ちであります。特に、この活動については、最近も香港で「基準勧告委員会」が開かれ、そして、この中の委員の方々の一部の方々も香港の方にご出張されたというふうに伺っておりますので、必要に応じまして、それぞれ後ほどお話もいただければというふうに思っております。

私からは大きく3点について申し上げたいと思います。

まず第一点でありますけれども、IASBの活動などをめぐる国際的な環境の中で、短期的なものあるいは中長期的なもの、当局としての対応なり、そのアクションについて、ターゲットをある程度しっかり具体化して、そしてアクション・プランを練っていく必要がどうもあるのではないかなというふうに私自身は考えております。

特に次の3つの点が専ら念頭にございますが。まず第一点は、2005年のEUによる域内上場企業への国際会計基準の義務付けであります。これは7, 000にも上るEUの域内上場企業が国際会計基準の義務付けになるということで、我が国のかかわりとの関係で申しますと、例えば、国内会社の財務諸表に国際会計基準を適用することに関して、これをどういうふうに位置付けていくのかということも一つの検討課題だろうというふうに思います。

それから第二点が国際会計基準と米国の会計基準のいわゆる「コンバージェンス」(収斂)と呼ばれている問題であります。マーケットがグローバル化をしていくわけですから、ハーモナイゼーションという域を越えてコンバージェンスというふうに流れていくことはある程度は必然の方向だと思います。しかし、それぞれ、会計制度なり、あるいは周辺するいろいろな関連の制度というものは各国ごとにまた異なっていることも当然でもありますし、統一をしていくという中で、それぞれ各国における特徴として、どういうふうなことを残していくのかということも、しっかり課題を洗い出していかなければならないのではないかと思っています。

特に最近では、10月29日、「ノーウォーク合意」ということで、「収斂」に向けた動きが加速化されているというふうな事実もございます。ことさらどうも、「収斂」という動きがクローズアップされがちではありますけれども、これまでの施策の継続性にも配意をしながら、論点の整理なりをしていく必要があるのではないかなというふうに思っているわけであります。

それから三点目は、アメリカの不正会計事件を初めとする一連の具体的な動きにどういうふうに我が国としても対応していくのかということであります。

これは、まず一つには、サーベーンズ・オクスリー法という具体的な法的な措置が導入されました。それぞれの詳細の適用のルールというものが今SECの場を中心につくられているところでもございます。また、ちょうど、域外適用と一口に申しますけれども、アメリカで上場をする外国の企業に対する適用の点、それからアメリカに上場している企業が外国の監査法人が監査をしているという点、それぞれについて、法律とのかかわりがどのようなものになっているのかということについては、官民の合同のミッションというものが現在べ米国を訪問しています。ここには金融庁、関係の省庁、そして経団連監査役協会、そして公認会計士協会、それぞれが参画をして、現地においてSECなどとの実務的な意見交換というものを行っております。ちょうどこの4日、5日というふうな日程で現地にミッションが行っております。

そのようなことも通じて、各国各国の法制上の特徴、特に監査役会、監査役の位置付けなどというものも、ここでは日本のミッションのサイドから的確な説明をするということが一つの目的でもございますし、また、公認会計士監査制度が我が国においてどのような実情のもとにあって、自主的な取り組みが見られ、また、行政のかかわりというものがどのような方向性で今制度の改正も含めて議論されておるのか、そういったことを先方に伝えておるところでもありますが、こういった形でこのサーベンズ・オクスリー法に的確に対応していくということも短期的な課題としては大事な点であります。

また、IOSCOという証券監督者国際機構のいろいろな議論というものがあります。これは監査の独立性というものを強化していく、そして監視体制というものもしっかりしていくというふうなことが具体的に10月に提言されております。そういったことに対応して、国内の法整備なども整えていかなければならないのではないか、そんなふうに思っておる次第であります。

繰り返しですけれども、まず大きく一つ目は、国際的なこういう動向の中にどのように当局として対応していくのかという点であります。

それから二つ目は、IASBで具体的なテーマとして幾つかのテーマが取り上げられていることについては皆様ご案内のとおりであります。業績報告についてあるいは保険会計について、それぞれこのIASBという場で、我が国の実情なり、あるいは我が国の主張というものを具体的に強く反映させていく、あるいはきちんと認識をしていただいた上で、議論をしていただくということを考えていかなければならないのではないかというふうに思っております。

ある意味ではIASBの「行き過ぎ」にも「歯どめ」をかけていくということは、必要なことではないかという問題意識を私自身は持っております。またそのためにはどのように、的確に事態を把握し、ある意味では議論の偏りのないことを担保していただくためにはどのような手段があるのかといったことは非常に大事な課題であろうというふうに思っています。

もちろん強制力はIASBにはないわけでありますし、我が国では国内において何をどういうふうに合わせていくのかというものは、恐らくコスト・ベネフィットの観点から、考えていくことが必要であります。つまり会計基準自体によって、経済や産業の実態が左右されるというのは本末転倒ではないかというふうにも考えられるわけであります。

したがって、そういう観点から、IASBの議論というものにどういう「チェック」というのでしょうか、あるいは我が国の実情を具体的に反映をしながら議論をリードするなり、あるいは的確に偏りがないような形にしていくのかということは非常に大事な問題ではないかなというふうに思っています。

それから、最後になりますけれども、IASBをめぐる組織についてでございますが、ご案内のとおり、山田さんがIASBのメンバーとして務めておられるわけでもありますし、また評議会には田近さん、それから橋本さんと、日本人が参画をしておられる。それから基準勧告委員会が、冒頭申し上げましたけれども、香港で開催されるなど、それぞれ関係者がいろいろかかわりを持ち、実際に活動されておられるわけであります。私共としては、規制当局の立場ではあるわけですけれども、産業界、経済界の動向、そしてそういう場で参画をしていただいている方々とよく連携をとらせていただきながら、国内にあっては基準設定の主体である、今日斎藤部会長お見えでございますけれども、企業会計基準委員会との連携ということも当局として考えながら、しっかりと国際的な場での対応というものに、組織の面、そして先ほどのアジェンダの面、それから大きな環境の中での対応面ということでやっていくことが必要ではないかというふうになります。

ちょっと長くなりまして、口頭で大変申しわけございませんが、事務局からは以上でございます。

○若杉会長

どうもありがとうございました。

それでは、ただいまご報告いただきました事項につきまして、ご質問等ございましたらご発言いただきたいと思います。いかがでしょうか。何かございませんか。――それでは、特にご発言がございませんようですので、以上をもちまして質疑は終了させていただきます。

最後に、部会の構成につきまして申し上げます。

8月に固定資産の減損会計の審議が終了しましたので、固定資産部会は廃止されます。また、第二部会は常設部会でございますが、今般、中間監査基準の審議も終了いたしました。

皆様ご承知のとおり、企業会計審議会令によりまして、臨時委員、専門委員及び幹事の方につきましては、審議事項が終了しましたときにはご退任いただくことになっておりますので、両部会にご所属の臨時委員、専門委員及び幹事の方につきましては、他の部会との兼任の方を除きまして、ご退任になられますので、あらかじめご了承いただきたいと思います。詳細につきましては、後日事務局の方からご連絡させていただきます。

それでは、予定いたしました時間になりましたので、本日の総会はこれをもちまして終了させていただきます。委員の皆様方には、お忙しいところをどうもご苦労さまでございました。

終わります。

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