平成15年12月26日
金融庁

企業会計審議会総会議事録について

企業会計審議会総会(平成15年10月31日(金)開催)の議事録は、以下のとおり。

(問い合わせ・連絡先)

企業会計審議会 事務局
(金融庁総務企画局内)
金融庁 (TEL 03-3506-6000)
(内線 3659 3672)
総務企画局企業開示参事官室


企業会計審議会総会議事録

日時:平成15年10月31日(金)午前11時00分~午前11時59分

場所:中央合同庁舎4号館9階 金融庁特別会議室

○加古会長

おはようございます。

これより企業会計審議会総会を開催いたします。

委員の皆様には、ご多用のところご参集いただきまして、誠にありがとうございます。

議事に入ります前に、前回の総会は、昨年の暮れ、12月6日に開催されておりますが、それ以後、委員等につきまして異動がございました。この点についてご報告いたしたいと思います。

まず、本年1月16日付けで若杉明会長が退任されまして、私、加古が会長を拝命いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。

次に、委員の異動につきましてご報告いたします。

同じく本年1月16日付けで、北村敬子氏、中島公明氏、林興冶氏の各氏が委員を退任されました。また、同日付けで、引頭麻実氏、古賀信行氏、島崎憲明氏、下田卓志氏、関哲夫氏の各氏が新たに委員に就任されております。また、森金次郎委員は1月16日付けで委員を退任されまして、同日付けで臨時委員に就任されております。なお、下田委員は本年6月24日付けで退任されまして、同日付けで長友英資氏が委員に就任されております。

新任の委員の先生方のうち、本日ご出席の委員をご紹介させていただきます。

初めに、引頭委員でございます。

○引頭委員

引頭でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○加古会長

関委員でございます。

○関委員

関でございます。よろしくお願いいたします

○加古会長

長友委員でございます。

○長友委員

長友でございます。よろしくお願い申し上げます。

○加古会長

次に、臨時委員の異動について報告いたします。

同じく1月16日付けで、伊藤大義氏、品川芳宣氏、内藤文雄氏、藤田敬司氏がそれぞれ臨時委員を退任されまして、新たに池上玄氏が臨時委員に就任されておられます。池上臨時委員をご紹介いたします。

○池上臨時委員

池上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○加古会長

なお、池上臨時委員には、本日は後半で国際関係の課題があるために、特別にご出席をいただいているところでございます。

さらに同じく1月16日付けで、4名の専門委員の方々、10名の幹事の方々が退任されておられます。なお、お名前のご紹介は割愛させていただきますが、詳細はお手元の参考資料をご参照いただきたいと思います。

次に、事務局の異動についてご紹介いたします。

初めに、増井総務企画局長をご紹介いたします。

○増井総務企画局長

増井でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○加古会長

居戸企画課長でございます。

○居戸企画課長

居戸でございます。よろしくお願いいたします。

○加古会長

それでは、本日の議事に入ります。

本日は、まず、平成12年9月から審議を行ってまいりました企業結合会計に関しまして、第一部会におきまして、「企業結合に係る会計基準の設定に関する意見書」の成案が取りまとめられましたので、ご審議の上、ご承認をいただければと思います。その後、大臣からご挨拶をいただきまして、最後に若干の報告事項を紹介させていただきたい、このような議事日程を考えております。

それでは、早速ですが、「企業結合に係る会計基準の設定に関する意見書(案)」につきまして、審議を進めたいと思います。

初めに、「意見書(案)」につきまして、第一部会の斎藤部会長からご説明をいただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○斎藤第一部会長

第一部会長の斎藤でございます。

それでは、第一部会における審議状況及び「企業結合に係る会計基準の設定に関する意見書(案)」につきましてご説明させていただきます。

初めに、第一部会における審議の経過について簡単にご説明申し上げます。

「企業結合会計」に関する検討は、平成12年9月から、第一部会において開始されました。第一部会におきましては、意見書の成案を得るまで29回の審議を行っております。

その間、まず、平成13年7月に「企業結合会計に係る会計処理基準に関する論点整理」を公表いたしまして、パブリック・コメントを求めました。さらに、「論点整理」に対するコメントを踏まえ、検討を進めたわけであります。

昨年の秋には、部会の中に部会メンバーから構成されるワーキング・グループを設けて、部会と併行して開催しながら、主要な論点の整理を進めてまいりました。その結果、主要な論点について意見の集約を見たため、本年の8月1日に公開草案を公表し、9月3日を期限として、パブリック・コメントを求めました。

さらに、本年9月から、公開草案に対するパブリック・コメント等を踏まえ、検討を再開し、先般、成案を得たところであります。

次に、意見書案の主な内容を簡単にご説明したいと思います。

お手元にございますとおり、意見書案は相当に分量が多くなっておりますので、なるべく要点を絞ってお話を申し上げます。

まず、意見書案の冒頭の「経緯」でございますけれども、ここではただいまご紹介しましたような審議経過をまとめております。それに引き続いて、「会計基準整備の必要性」、企業結合会計に関する「基本的な考え方」についても触れております。

その次に、「企業結合に係る会計基準」の内容について、順次ご説明いたします。

まず、「会計基準の対象となる取引」であります。

これは、合併や株式交換等、企業結合の法的形式の違いを問わず、包括的に対象としております。したがいまして、独立企業間の結合のほかに、「共同支配企業の形成」、この言葉は公開草案では「ジョイント・ベンチャーの形成」と申しておりましたけれども、パブリック・コメントがありましたために「共同支配企業」というふうに変更しております。このほかに、親子会社の合併など、企業集団内の結合取引である「共通支配下の取引」も対象取引に含めております。

次に、この草案といいますか、案の中心的な部分でありますが、「取得」と「持分の結合」という2つの類型について考え方をご説明いたします。

従来から、企業結合には、「取得」と「持分の結合」という異なる経済的な実態があると考えられてまいりました。

つまり、「取得」と言った場合には、取得する側の企業の持分は継続しておりますけれども、取得される側の企業の持分の継続は断たれるということであります。すなわち、取得される側の企業の株主は、一旦、投資を清算して、その資産・負債を取得企業に現物出資したと考えられるわけであります。つまり、取得される側の企業の保有する資産・負債に対して取得側企業が投資を行い、いわば現物出資としてそれを受入れる、そういう考え方であります。

そこでは、再投資額、つまり取得する側の企業の投資額ですが、これが結合後企業にとって新たな投資原価となるわけでありますけれども、それは取得する側の企業が結合の対価として交付する現金及び株式等の時価にほかなりません。具体的に、株式を交付した場合でありますと、対価として交付した株式の時価だけ資本を増やして、持分の継続が断たれた企業の資産・負債を時価で引継ぐいわゆる「パーチェス法」が適合するわけであります。

それに対しまして、「持分の結合」と言った場合には、結合に係る当事企業がいずれも持分が継続すると考えられるわけであります。

持分が継続していれば、投資の清算と再投資というのは行われていないわけでありますので、結合後の企業にとって、従来からの帳簿価額が投資原価となるわけであります。会計処理方法としては、資産や負債を帳簿価額で引継ぐ「持分プーリング法」が適合するというわけであります。

以上に述べましたような基本的な考え方を基にして、「取得と持分の結合の識別」に関する基準を設けております。何が取得に当たり、何が持分の結合に該当するか、これを識別する基準を設けようとしているわけであります。そこでは、持分の継続ということの有無を、「対価の種類」と「支配」という2つの観点から判断するということにしております。

これは、対象取引のうち、独立企業間の結合についての規定であります。

意見書案では、この「持分の継続」の識別に関しまして、3つの要件を設けております。要件といいますか、3つのステージで持分が継続するかどうかを判断するということにしております。

第一のステージ、第一の要件は、企業結合に際して支払われた対価のすべてが、原則として、議決権のある株式であるかどうかということであります。対価が議決権のある株式以外のもの、例えば現金のようなものであった場合には、これは持分が清算されてしまうことは明らかでありますので、被取得側の持分の継続とは見なされずに、すべて「取得」と判断されるということになります。

この第一のステージで持分が継続すると判断されたケースについては、第二のステージに進んで、今度は支配の有無についてのチェックがかかるということになります。これは、基本的には、結合後の企業に対して、各結合当事企業の株主が総体として有することになった議決権比率が同等であるかどうかということであります。今回の基準案では、50対50を中心として、上下概ね5%ポイント以内に収まっているかどうかという基準になっております。理屈から申しますと、議決権比率が等しくなければ、そこで支配・被支配の関係が生じて、支配される側の持分は清算されたと見なされるわけでありますけれども、僅かな株式数の変動によって会計処理の結果が大きく異なるという不都合を避けるために、この段階で実務的な観点から許容範囲として上下概ね5%ポイントという幅を設けた訳であります。

この第二のステージで議決権のある株式の保有比率が50対50ないしその近傍にあると見なされたケースについては、さらに第三のステージに進んで、本当にこれが持分の継続と見なされるかどうかをさらにチェックされるということになります。この第三のステージの要件は、結合後企業の取締役会等の過半数を占めるなどの方法によって、結合企業間に支配・被支配の関係が発生しているかどうかを判定するものであります。

この3つの要件、3つのステージを、第一から順番に進んでまいりまして、最後の第三のステージまでの要件をすべて満たした場合に、すべての結合当事企業の持分が継続していると考えて、これを「持分の結合」のケースと判定するということでありまして、このどこかで要件を満たせなかった場合には、取得企業以外の持分は継続していないと考えて、「取得」であると判定する、そういう仕組みになっております。

次に、「共同支配企業」でございます。

これにつきましては、契約等によりまして共同支配になっているかどうかは明らかであると思われますので、今申し上げました第二の要件、第二のステージ、そこでの議決権の比率による判定は行わないということで、第一のステージと第三のステージについてのみ判定するということにいたしました。第二のステージの議決権比率の判定は行いませんけれども、実態として支配・被支配の関係が認められれば、これは言うまでもありませんが、「共同支配企業の形成」としては取扱われないということになって、「取得」と判断されるということであります。

次に、もう1つ非常に大きな論点であります。パーチェス法を適用した場合、つまり、「取得」と判定されてパーチェス法が適用された場合ののれんの問題であります。

これは申し上げるまでもなく、パーチェス法では、取得企業が被取得企業から受入れる資産・負債は時価で受入れて、それに対して対価として交付する現金若しくは株式の時価との差額が出てきますけれども、これをのれんとして処理いたします。この差額が負債側に出た場合は、負ののれんといたします。のれん又は負ののれんは原則として20年以内に規則的に償却するというルールになっております。ご承知のように、海外の基準等ではのれんの償却を禁止して減損のみの扱いということになっておりますけれども、今回のこの基準案では、のれんは規則的に償却をし、かつ減損の会計処理も適用すると、そういう二重の処理をかけるということになっております。

今回の基準では、以上申し上げましたことのほかに、パーチェス法の会計処理について、取得原価の算定方法、取得原価の配分方法についても定めております。取得原価は、株式が交換される場合であれば、原則として企業結合の主要条件が合意された日前の合理的な期間における株価を基礎に算定することとされました。

また、取得原価の配分方法につきましては、取得原価を被取得企業から取得した資産及び負債のうち企業結合日時点の時価を基礎とし、当該資産及び負債に対して企業結合後1年以内に配分するということにしております。

今度は、「持分の結合の会計処理」の問題であります。

企業結合が「持分の結合」と判定された場合には、持分プーリング法を適用することとしております。持分プーリング法では、すべての結合当事企業の資産・負債及び資本がそれぞれの適正な帳簿価額で引継がれるということになります。

また、企業結合年度におきましては、同一の環境下で行われた同一の性質の取引等については、会計処理方法を統一した上で財務諸表を作成することが求められております。

なお、本基準にいう「共同支配企業の形成」、これは持分の結合でありますため、持分プーリング法に準じた処理方法を適用することとされております。

次に、「共通支配下の取引等の会計処理」であります。この場合は、企業集団内を資産及び負債が移転するわけでありますので、経済的な実態は移転の前後で変わりがありませんので、原則として移転する前の簿価を移転後も引継ぐということになるわけであります。

また、株式交換等によって少数株主から子会社株式を取得する取引、いわゆる少数株主等の取引ですが、これにつきましても企業結合には該当しませんが、連結財務諸表原則に現金取得の場合の取り扱いが定められているだけでありますので、本基準において全般的な取り扱いを定めた次第であります。

次に、今度は「開示」の問題に移ります。

この開示の面では、連結調整勘定及び営業権のうちのれんに相当するもの、これは貸借対照表上、のれん又は負ののれんとして表示することにいたしました。また、パーチェス法を適用した場合、持分プーリング法を適用した場合、あるいは共通支配下において重要な企業結合取引が行われた場合などの注記事項を明らかにしております。

最後に、「適用時期等」についてお話し申し上げます。

まず、実施の時期でありますけれども、平成18年(2006年)4月1日以降開始事業年度から適用を開始するということにしております。これは、今後、企業会計基準委員会で適用指針の作成に要する時間や、その後の企業側の受入れ準備の時間を配慮して、この時期にいたしました。

また、のれんの償却期間等、本基準と商法との関係で障害が生じないよう措置することが適当であると謳われております。

なお、先程申し上げましたとおり、本基準を実務に適用する場合の具体的な指針等につきましては、関係府令を整備するとともに、(財)財務会計基準機構内の「企業会計基準委員会」において措置することが適当とされております。

以上、簡単ではありますが、意見書案のご説明とさせていただきます。

ありがとうございました。

○加古会長

どうもありがとうございました。

それでは、ご質問あるいは今後に向けてのご要望でも結構でございますが、ご発言をいただきたいと思います。いかがでしょうか。

八木委員、どうぞ。

○八木委員

ありがとうございます。日立製作所の八木でございます。

経団連におきまして企業会計部会長を担当しておりまして、また、この審議会では第一部会を担当しております。

ただいまご説明のありましたこの「企業結合会計意見書」でございますが、非常に長きにわたって検討をしてきていただきまして、このようにまとめていただいて、まず御礼を申し上げたいと思います。

その理由は、この公開草案に対します私ども経団連のコメントは既にご提出しておりますけれども、その冒頭にも記載してございますが、持分プーリング法を一定の要件の基に存置していただいたということ、あるいはのれんを償却資産としておられること、それから、我が国の企業結合のいろいろな局面がございますが、それにいろいろ周到に配慮しておられることということで、この企業再編の実態に照らして非常に理にかなったものということで高く評価しているところでございます。

経団連からも最後の段階の公開草案等に対していろいろコメントをお願い申し上げましたけれども、これも先程のワーキング・グループも含めてご審議をいただきまして、実務面から見ましても、どちらかというとそちらを中心とした要望だったのでございますが、この本意見書あるいは今後検討されるこの適用指針、そちらの中でいずれかで対応していただけるというふうに理解をしているところでございます。

そういうことを含めて、冒頭申しましたように、御礼申し上げたいと思います。

以上でございます。

○加古会長

関委員、どうぞ。

○関委員

これは、私は大変よくまとめていただいたと思っております。

ただ、この案の直接の話ではないにしても、私どもの仕事の実感からしますと、特に典型的なのは土地の時価ですね。土地の時価というのは、私は、日本の場合は実態として相当上ずっているのではないかと思います。非常にわかりやすい例を挙げれば、例えば、新日鉄の土地というのは固定資産評価でも総資産を超えるぐらいの評価をされておりまして、恐らくこれを鑑定に出しても大体6割とか半分ぐらいで評価されるというのが実態であります。しかし、経済的な実態から言うと10分の1あるいはそれ以下だと思います。

言いたいことは、事業用地については相当高い評価になっていると思いますので、上場会社の場合には、負ののれんが発生することになるわけですね。しかし、非上場の会社の場合には、いわゆる時価評価というようなことで非常に高い評価をするという、あるいはそういうやり方しかないということで、なかなかそれに対する反論ができないわけですけれども、実は事業用地についてはうんと評価が低いのだろうと思うんですね。そういうことで相当歪みが生じている実例もかなり私はあると思っておるのですけれども。

こういう企業結合会計の整備と併せて、特に事業用地、頻繁に取引されている土地価格については私は大した問題はないと思いますが、いわゆる事業用地、工場が建っている、あるいは建物が建っている用地の評価というものをどう考えるのかということを、会計の立場、会計の問題として本当に考えないと、私は禍根を残すことになるのではないかという実感を持っておりまして、そういう検討をぜひ企業会計の場でも、事業用地の評価をどうするのかということを考えていただきたいなと思っております。相当な差が実態と評価の間には時価評価として出てくる、いわゆる専門家が評価をして出てくるものと実態とは相当な違いがあるのではないかと私は思っておりまして、その辺のところの研究をぜひこの企業会計審議会でも取り上げていただく必要があるのではないかということを申し上げておきたいと思います。

○加古会長

ありがとうございました。

伊藤委員、どうぞ。

○伊藤委員

私も3年間これに携わりまして、いろいろ産業界のご要望をお願いして、かなりそういったものに対して取り入れていただいたことに対して感謝を申し上げたいというふうに思っております。

関さんも言われましたけれども、私も土地の問題というのは基本的にあって、これはフェアバリューで計上した場合に大変大きな数字になって、それに対する投資効率というのが大きく変動しますが、現実的な問題としてこの対応が、どういうふうに企業評価として正しく使われていくのか。つまり、会計というのはやはり企業の事業活動を支えるものでないといけないわけであって、理論だけではだめだと私は思っております。やはり経営の実態に合わせたものでないといけないと。もちろんそれはそういうことを踏まえて、我々はお願いもし、皆さんと議論もし、これを作り上げたので、これをぜひとも活用していかなければいけないと。

一方、これは関さんが専門なのですが、企業の組織再編税制が既にスタートしてもう行われているわけです。したがいまして、企業としてはそういう組織再編税制に乗っているものは簿価でもって処理をしてやっているわけで、会計上はここで新しいものが出てくるということになったときの企業内部の大変なトラブルがないかどうかとか、あるいはこれについての利便性をどういうふうにやっていくのかと。これは、今後、実務指針を企業会計基準委員会で作成する場合に、やはり会計と税というものを絶えずにらみつつ、私は何も一致させる必要はないと思いますが、それを片隅に置きつつその作成をやっていかないと、これは制度を作ってもなかなか使いにくいものになってしまうということのないようにぜひ検討していただきたいと思いますし、我々自身もそういう観点から、いろいろな形で、今度の実務指針の場において対応策を考えていくことが必要ではないかというふうに思っております。

お礼とともに、今後の要望という会長のご意見もございましたので、そういう面での要望も併せてお願い申し上げたいと。

それからもう1つは、監査の問題にも影響がいろいろ出てくるわけですね。ですから、これも今後公認会計士協会等で実務対応をいろいろお考えになると思いますが、こういった新しい理論が形成されていくわけですから、やはり利便性のある形で実効面での監査実務の対応を考えていただくということをお願いしなければならない。

以上でございます。よろしくお願い申し上げたいと思います。

○加古会長

ありがとうございました。

奥山先生、どうぞ。

○奥山委員

公認会計士協会の奥山でございます。

私も大変この意見書が出来上がったことには敬意を表しまして、中身について今ここで意見を言おうというわけではないのですけれども。少なくとも国際会計基準あるいはアメリカの基準と違うところが大きくあるわけで、ぜひ海外に対して、日本が作った基準が非常にある意味で論理的でありきちんとしたものだというアピールをぜひお願いしたいというふうに思います。それだけ一言申し上げたいと思います。

○加古会長

ありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。

ほかに特にご発言がありませんようでしたら、本案を承認していただくということにいたしたいと思いますが、よろしゅうございますか。

〔「異議なし」と叫ぶ者あり〕

○加古会長

ありがとうございます。

それでは、ご承認いただいたということにいたしたいと思います。

早速ですが、お手元の「意見書(案)」の「案」の字をここで取っていただければと思います。どうも長い間ありがとうございました。

それでは、ここでカメラが入りますので、少しお待ちいただきたいと思います。その後、竹中大臣がいらっしゃるはずでございます。

〔大臣入場〕

○加古会長

それでは、竹中大臣がお見えでございますので、ただいま承認いただきました「企業結合に係る会計基準の設定に関する意見書」を大臣にお渡しいたしまして、併せてご挨拶を頂戴したいと思っております。

〔加古会長から大臣に「意見書」を手交〕

どうぞよろしくお願いします。

○竹中大臣

ありがとうございます。

○加古会長

それでは、大臣からご挨拶をいただければと思います。よろしくお願いします。

○竹中大臣

企業会計審議会のこの総会で一言ご挨拶をさせていただきます。

企業会計制度やディスクロージャーの制度、これは投資家の自己責任原則に基づいて、公正・透明な市場を構築していくための基礎となる極めて重要なインフラである、このことはもう言うまでもないことだと思います。この適正なディスクロージャーを担保するためには、財務諸表の作成の規範であります企業会計の整備が不可欠であると、これももう極めて重要な認識のポイントだと思います。

本日は、この審議会におきまして、「企業結合に係る会計基準の設定に関する意見書」をお取りまとめいただきました。この分野においても国際的な水準と遜色のない体系の基準が整備されたものというふうに認識をしております。大変皆様のご努力に感謝をしております。

この審議会では、ここ数年の間に、国際的な動向も踏まえて、数多くの会計基準、監査基準の整備を行っていただきました。今回、当審議会にとっては最後に残された課題でありました「企業結合に係る会計基準」が整備されたということは、その意味では極めて意義のあることだと考えております。

これまで精力的に審議に当たってこられました委員の皆様方には、この場をお借りしまして、厚く御礼を申し上げたいと思います。

当審議会を初めとして、皆様方には、引き続き当庁を巡るさまざまな課題にご協力をいただくことも多いとも思います。今後とも是非よろしくお願いします、ということを申し上げまして、私のご挨拶とさせていただきます。

ありがとうございました。

○加古会長

どうもありがとうございました。

大臣は、この後ご都合があるということでございますので、ここで退席されます。

どうもありがとうございました。

○竹中大臣

大変申し訳ありません。よろしくお願いいたします。

〔大臣退場〕

○加古会長

ここで報道の方々も退席なさいますので、今しばらくお待ちください。

次に、この「議事次第」の4番目でございますが、この機会に、会計、監査、開示を巡ります国際的な動向などにつきまして、企業会計を巡る内外の諸問題を含めまして、事務局からご報告をいただきまして、質疑応答を行っていきたいと思います。

それでは、事務局、よろしくお願いいたします。

○羽藤企業開示参事官

お手元には資料2、資料3ということでお配りを申し上げております。専ら国際的な動向というふうになりますと、それぞれ委員の方々も係わりのあるお立場で、この1年間の、会計基準あるいは監査基準、ディスクロージャーといった制度を巡っての国際的な動向が非常に急ピッチで進展をしているということをそれぞれお感じになられていると思いますし、また、私どもも、我が国の資本市場の監督当局として、そういった基準にどのような規範性が与えられるべきであるかといった観点から、国際的な動向というものは、当然大いに考慮要因になるというふうにまず認識をしているところであります。

恐らく問題点はいろいろな形で整理をすることが可能だと思いますけれども、大きく申し上げますと2つのアプローチで問題点を整理することが必要だと思っております。

まず1つは、こういった国際的な動向が、特にスタンダードという面を通じて、我が国の企業が国際的に活動を展開するに当たって、どのような影響をもたらし、特にコスト的にどのような負担をせしめることになって、そういったスタンダードの規範性が、それぞれの資本市場にどのように与えられていくのかについては、その規範性を付与する監督当局との間で、私どもも一監督当局として、国際的な機関の場を通じながら、どのようにこれに係わり、あるいは実質的な影響力を行使していくのかといった問題があろうと思います。

これはもとより、それぞれの資本市場における主権の問題とも係わるものでありますので、限界も一方であるわけでありますけれども、それぞれの資本市場でとられる基準というものがどのような形で採択されるかによってはものを申し上げていくことが適切であると。このように、我が国の企業の活動が国際化することによってという点で、どう考えていくかという問題があるというふうに認識しております。

それからもう1つのアプローチは、我が国の資本市場自身が国際化の中で、我が国の資本市場を監督する当局として、ここに現に活動が行われている企業体との関係において、会計あるいは監査あるいは開示の基準といったものにどのような規範性を与えていくのかということを我が国の資本市場の監督当局として適切に判断をしていかなければならないという、こういう大きな2つの事柄があろうかと思います。

それぞれ議論が動いていることはご承知のとおりでもございますし、資料2でお示し申し上げたかったことは、このうちの前者に係わることが中心でございます。

我が国の企業が海外の資本市場でそれぞれ上場をしている際にどういった会計基準に基づいているのかということでありますけれども、詳細は省略をさせていただきますが、ここに掲記をしております、例えば欧州という資本市場でのみ上場している55社については、網掛けの会社については米国基準で上場いたしておりますけれども、それ以外の会社については日本基準で、日本国内で有価証券報告書を提出しており、資金調達をしておるといった活動が現に見られるわけであります。したがって、こういった活動にいかなる影響が及ぼされることになるのかという点については、特に最近のEUの会計基準を巡る動向、あるいは監査基準を巡る動向について注視をしていかなければならないというふうに考えておるわけであります。

それから、資料3は、この1年間、国際会計基準審議会のトゥィーディー議長がこの6月に訪日され、一方で、国際監査基準、ISAと呼ばれておりますけれども、これを巡って国際的な、あるいは統一化の動向での動きが進んでおります。

資料3に書いてありますように、そもそもこのISA/国際監査基準と呼ばれるものは、国際会計士連盟をベースにして議論が行われてまいりました。組織内の改革がありまして、国際監査・保証基準審議会、現在はIAASBというふうに呼ばれておりますけれども、我が国からは、本日、臨時委員としてご出席をいただいております池上委員が理事として参加をされておられます。ここでは、現在、高品質の世界的な基準の開発を目標として、国際監査基準の策定についての議論を進めているというふうに承知をしております。

そもそもこの国際監査基準については、まずIOSCOによってクロスボーダー取引における基準として、かつて暫定的に承認がされたことがありましたけれども、その後、IOSCOはどちらかといいますと国際会計基準の承認問題に力を入れ、そして、ご案内のとおり、2000年の5月ですけれども、クロスボーダー取引における国際会計基準の承認というようなところに至ったわけであります。その後、国際監査基準の評価作業に再び着手をし、IAASBのサイドではIOSCOによる承認という方向性で現在議論が進められているというふうに聞いています。

また、EUでありますけれども、先程も触れましたように、EUでは既に2005年1月1日からEU域内で上場される企業の連結財務諸表については、国際会計基準を義務づけるということを定めておるわけであります。先般、9月には、具体的な「レギュレーション」がEUの域内に発出をされておりまして、そこでは、IASの32号、IASの39号を除いて、予定どおりこれを義務づけしていくこととされているわけであります。ご案内のとおり、IASの32、39というのは金融商品に係る会計基準でありますけれども、この両者についても国際会計基準審議会サイドでは改訂作業を進めているというふうにも言われており、国際会計基準の言わば義務付けという点については着々と歩みが進んでおるというふうに理解できるわけであります。

併せて、国際監査基準には、この資料3の2の(2)にございますように、今年の5月にEUの委員会が欧州理事会と欧州議会に、言ってみますれば、要するに、政府の事務方が内閣と立法府に対してEUにおける法定監査の強化を図るという案を示し、オープンにして、その中では、ISAによる監査の2005年からの実施に向けた準備行動を行い、その後、2005年からはISA準拠を義務付けるための制度整備を行うというふうに打ち出しております。このように、EUでは、大きな流れとしての市場の統一化、そして、資本市場の統一化という中でのスタンダードの統一化ということで、会計基準、監査基準についての統一化の動きというものが着々と進んでおるということでございます。

それから、(3)でありますけれども、こういった国際監査基準については、公益の観点から一定の監督を行いながらしっかりとしたものとして仕上げていこうという、監督機関の設立の動きというものも一方でございます。これはIOSCOを含めた国際的な規制当局、そして、IFAC/国際会計士連盟が中心になりまして、取組みが進んでおります。

(4)でありますけれども、各国の監査基準を国際監査基準というISAによって代替すべきであるという議論が急速に高まっております。我が国については、会計基準については本日も企業会計審議会のこの場で企業結合会計をまとめていただいたわけでありますけれども、企業会計基準委員会において着々と会計基準の開発・策定は進んでおりますし、最近の制度整備ということを振り返ってみますと、会計基準についても、また監査基準についても、関係者の皆様のご尽力の結果として、国際的にも遜色のないものとして制度整備が進んでおるというふうに理解できます。国際監査基準が各国の監査基準を代替すべきであるということについては、よくその論点も我々としては整理をしながら、監査基準の設定をこの企業会計審議会で担っていただいて、これは日本公認会計士協会も実務指針という観点から担っていただいているわけですけれども、そういう観点から動向を注視していく必要があるというふうに考えております。

事務局からは以上でございます。

○加古会長

どうもありがとうございました。

それでは、この事務局のご説明について、ご質問なりご意見なりがございましたらご自由に発言していただきたいと思います。

奥山委員、どうぞ。

○奥山委員

ただいま国際監査基準のことについてご説明いただきまして、ありがとうございました。

今お話のように、日本の監査基準は国際監査基準と比較して遜色がないと、大変立派なものだというふうに私どもも思っておりますけれども、その具体的内容は企業会計審議会第二部会で従来行っておりました監査基準、それと、私ども公認会計士協会の公表している実務指針、これがセットになって言わば国際監査基準と同等のものがあるというふうに理解をしています。

今お話のように、国際監査基準審議会/IAASBと言っていますけれども、そこでは毎月のごとく大変活発な議論が行われています、この間も日本でも行われたばかりですけれども。向こうはどんどんどんどんそのコンバージェンスを含めて議論を進めておりまして、今のままでいきますと日本にとって必ずしも面白くない結果になりかねないということで、池上さんにJICPAとして色々と日本に不利にならないように意見を言ってくれというお願いをして一生懸命頑張っている最中なのですが、先程申し上げたように、JICPAだけでは限界があるということで、是非、企業会計審議会の第二部会ですか、その設定主体としての立場から、JICPAが意見を言おうということについてご援助をいただきたい、あるいは一緒になってご意見をまとめていただきたいと、そういうことをお願いしたいと思います。

既にこのコンバージェンスの話は、11月、12月、1月というふうにどんどん進むと聞いておりますので、日本の意見を出すのにはそういう作業をして早く出す必要があるのではないかというふうに私どもは理解をしております。よろしくお願いしたいと思います。

○加古会長

ありがとうございます。

ほかにいかがでしょうか。

遠藤委員、お願いします。

○遠藤臨時委員

経団連におきまして「会計基準に関する国際的協調を求める」という提言を10月21日にまとめましたので、簡単にご説明をさせていただきたいと思います。

既にこの提言につきましては委員の皆様方にはお送りしてございますので、お目通しいただいているかと思いますが、ポイントだけ簡単に説明させていただきたいと思います。

いわゆる2005年問題というのがありまして、日本としても早急な対応が必要なのではないかという問題意識を持っております。2005年問題といいますと、EUで2005年にIASを上場会社に適用するということになるものですから、IASが一定の影響力を持つことになります。そういった中で日本の会計基準をどう位置づけるのかといった問題、あるいは、国際会計基準の設定にどう対応していくのかといった2つの問題があるのではないかと考えているわけです。

日本基準の位置付けの問題につきましては、先程来お話に出ていますように、減損会計、企業結合会計の基準ができましたことによって、国際的なレベルにもう到達したのではないかという認識でございます。ということになりますと、当面、世界の3大資本市場で、SEC基準、IASの基準、日本基準が併存するということになるのではないかというふうに考えております。

そういった認識のもと、当面、2つの対応が必要だと考えています。1つは、レジェンド問題の解決でございまして、これは、日本公認会計士協会あるいは主要監査法人におかれまして、ビッグ4に対して積極的に対応していただきたいという要望でございます。もう1つは相互承認でございまして、SECあるいはEU当局あるいは各国の当局に対しまして、金融庁を先頭に働きかけをお願いしたいということでございます。

それから、IASBへの対応でございますが、2つございまして、1つは、IASBのガバナンスの問題が問われているわけでございます。たまたま、今、IASBが発足して3年経ちまして、定款の見直しの作業が始まっております。この機会にボードの構成について見直すと、あるいはボードに対するチェック機能をどう働かせていくかといった点について、経団連としても意見を述べ、働きかけていきたいというふうに考えているわけです。もう1つのIASBの問題は、業績報告でありますとか、金融商品の全面時価会計でありますとか、退職給付会計の修正といった重大な問題が提起されておりまして、これらのついての撤回を求めて、経団連としても働きかけていきたいということです。

そういったことを盛り込んだ提言をまとめたということでございまして、関係の当局に動いていただくと同時に、我々としても、関係の当局、各国の経団連に類するような経済団体等に、これから積極的に働きかけていきたいというふうに考えておりますので、ぜひご協力方お願いしたいと思います。

以上でございます。

○加古会長

どうもありがとうございました。

ほかに何かご質問、ご意見はございますでしょうか。

大変貴重なご説明あるいはご意見を拝聴しておりまして、これは全く私の個人的な見解ですが、こういった国際的な動向を踏まえて、我が国の企業会計制度は今後どういう方向をとるべきか、あるいは監査制度はどうあるべきか、その充実や発展についてやはり真剣に考えていかなければならないのではないかという感じがしているわけです。あるいは、国際会計審議会等で新しい基準設定等の国際的な動きがございますが、これに対して我が国としてどう対応していくかというような問題があるわけです。

これについてはやはり当審議会がそういったことを議論するのにふさわしいのではないかという感じがしておりまして、もとよりASBJを中心にして新しい会計基準の開発を積極的に進められていますが、制度全般の方向性について議論する場としてはこの審議会がふさわしいのではないかというように考えてございます。

差し当たりは、先程奥山委員から監査については第二部会というお話がございましたが、その前に、この審議会に企画調整部会という部会がございます。この企画調整部会あたりでこういったことを議論できるかどうか、これは事務局とも十分相談をしてみなければならないわけで、これから事務局とも相談をしていきたいと思いますが、そんな方向で、国際的な動向に対してどう対処するかということについて委員の皆様方とご一緒に考える機会を得たいというように考えておりますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。

それでは、ほかにご意見はございますでしょうか。

ほかにご発言がございませんようでしたら、予定の時間も参りましたので、議事を終了させていただきたいと思います。

皆様には、お忙しいところご参集いただきまして、誠にありがとうございました。これにて閉会いたします。

どうもありがとうございました。

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