企業会計審議会総会・第22回監査部会合同会合議事録

1.日時:平成21年6月30日(火曜日)11時00分~12時00分

2.場所:中央合同庁舎第7号館 13階 金融庁共用第一特別会議室

○安藤会長

定刻になりましたので、これより企業会計審議会総会・第22回監査部会合同会合を開催いたします。

皆様には、ご多忙のところご参集頂き、誠にありがとうございます。

なお、本日の部会も企業会計審議会の議事規則にのっとり、公開することにいたしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

○安藤会長

ご了解頂きましたので、そのように取り扱わせて頂きます。

それでは、最初の議題の「中間監査基準、四半期レビュー基準の改訂について」でございますが、これは前回の監査部会におきまして、監査基準と同様に、中間監査基準及び四半期レビュー基準の「継続企業(ゴーイング・コンサーン)の前提に関する注記」に関する規定につきまして、本来の趣旨とは異なる実務が行われていることから、国際的な整合性も勘案しつつ、それらの規定を見直してはどうかということで審議が行われたところです。

つきましては、この議題について、監査部会の友杉部会長に進行をお願いしたいと存じます。また、私といたしましては、この中間監査基準及び四半期レビュー基準の改訂につきまして、これを総会としてご審議頂き、取りまとめの上、意見書を後ほど与謝野金融担当大臣にお渡しさせて頂きたいと思いますので、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

それでは、お願いいたします。

○友杉監査部会長

監査部会長の友杉でございます。よろしくお願いします。

それでは、私と事務局のほうから、中間監査基準及び四半期レビュー基準の改訂に係る基準案の内容及びその考え方などについて説明させて頂きます。

資料1-1をご覧頂きたいと思います。

企業が将来にわたって事業活動を継続するとの前提、これを継続企業の前提と言っておりますが、この前提で通常財務諸表が作成されております。この継続企業の前提に関しては、財務諸表等規則等や監査基準において、一定の事象や状況が存在すれば、直ちに継続企業の前提に関する注記を財務諸表に記載しなければならないと規定されているとの理解がなされており、一定の事実の存在により画一的に当該注記を行う実務となっているとの指摘があります。また、そうした規定や実務は国際的な基準とも必ずしも整合的でないとも指摘されており、当事者に対し必ずしも有用な情報を届けることにはなっていないと考えられます。

こうしたことから、安藤会長からもお話がありましたとおり、前回の総会におきまして、年度の監査につきまして監査基準を改訂することにつきご承認を頂き、4月9日付で公表しているところであります。

中間監査及び四半期レビューにかかわる基準につきましても、継続企業の前提に関しまして同様の規定となっておりますことから、去る5月14日に開催されました監査部会において、両基準の見直しについてご審議を頂きました。その結果、年度の監査基準と同様に、現行の中間監査及び四半期レビューにかかわる基準の規定を改め、一定の事象や状況に対する経営者の対応策を勘案しても、なお継続企業の前提に関する重要な不確実性がある場合に、適切な注記がなされているかどうかを監査人が判断することを主な内容とする基準の改訂案について、委員の皆様のおおむねの合意が得られました。その後、改訂案をパブリックコメントとして公表し、広く意見を求めたところであります。

それゆえ、ここではパブリックコメント後の状況等につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

○三井企業開示課長

それでは、資料1-1から資料1-9をご覧ください。大部なもので大変恐縮でございます。

資料1-1が、ただ今部会長からご説明のあったものでございます。その次の資料1-2でございますが、これは年度の監査と中間監査、四半期レビューの相違についての資料でございまして、とりわけ四半期レビューは短い期間での迅速な手続となっており、質問、分析的な手続が主として行われているということでございます。また、証明文言も消極的形式をとっております。こういった違いが、年度の監査基準とこの四半期レビュー基準の違いとして現れておりまして、資料1-3、資料1-4のとおりパブリックコメントに付されております。それぞれ財務諸表等規則等の改正案、中間監査基準及び四半期レビュー基準の改訂案でございます。

これに寄せられましたコメントが資料1―5のとおりでございます。ライン・バイ・ラインでは読み上げませんが、見直しの趣旨に対してはおおむね同意なり、支持するといった意見でございました。具体的には見直しの趣旨を文章上より明らかにする、あるいはガイドラインなどで明確化をするといったものでございますが、今回のドラフトは、客観的な事象、状況がありますとメカニカルに注記になるという実務を改めて、経営者の評価などを考慮し、継続企業の前提に対して重要な不確実性があるかないか、この重要な不確実性があるかないかというところが最後の判断の分かれ目になっておりまして、基準においてその手順などを明確にすべきということなど、幾つかテクニカルなコメントを頂いております。

これらを踏まえまして、資料1-6でございますが、前回監査部会でご審議頂きパブリックコメントに付させて頂いております案からの修正点を見え消しの形で掲載したものでございます。資料1-7はそれを溶け込ませた形で、見え消しではなくクリーン版と申していますが、普通に書き下ろした形での全文の形でプリントアウトしたものでございます。

個々の行ごとといいますか、センテンスごとの説明は省かせて頂きますが、特に重要な不確実性があるかどうかが分かれ目になるということが分かるように、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況があり、それらに係る経営者の評価等を考慮した上でもなお重要な不確実性があるかどうかであるということが分かるような形でそれぞれ修文しております。とりわけ四半期レビュー基準についてはそういった観点からの修文が主でございまして、二重線のところにそういったものが現れております。

それから、パブリックコメント案では中間監査基準と四半期レビュー基準の両方を合体した形で前文を記述しておりましたが、それらを分けておりまして、これらが大きな見直し点でございます。

それから、もう一つ、先ほど説明を省かせて頂きましたが、資料1-3にあります四半期財務諸表等規則等につきましてもパブリックコメント案を出しておりまして、これらはこの四半期レビュー基準等の改訂と対応するものでございます。それと同時に、企業会計基準委員会(ASBJ)におきまして、四半期のゴーイング・コンサーンにつきましては会計基準がございます。そのことから、四半期に係ります会計基準の見直しが行われており、6月26日付で既に公表されております。このASBJにおける会計基準の見直しは、このパブコメ案、それからパブコメを踏まえた修正点も含めまして、この四半期レビュー基準と対応するような形になっているかと思います。

それから、一言付言させて頂きますと、日本公認会計士協会からもこれらに関する実務指針の改正が公開草案として公表されていると承知しております。

私の方からは以上でございます。

○友杉監査部会長

それでは、ただいまの説明をもとに、皆様方からご意見を頂戴したいと思います。どなたからでも結構です。ご発言頂ければと思います。よろしくお願いします。

特にご意見等ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。

それでは、特にご意見がないようでございますので、パブコメを初め、資料1-6等をもとにして資料1-7の、「中間監査基準及び四半期レビュー基準の改訂に関する意見書」に集約させて頂いたということでご了承頂けたと考えます。ありがとうございました。

ここで安藤会長に引き継ぎたいと思います。よろしくお願いします。

○安藤会長

ありがとうございました。

ご審議頂きました資料1-7の「中間監査基準及び四半期レビュー基準の改訂に関する意見書(案)」、につきまして、ご承認を頂くということでよろしいでしょうか。

それでは、特にご意見等はなく、ご承認を頂いたということで、お手元の意見書(案)の(案)をとって頂ければと存じます。ただいまご承認頂きました意見書は、後ほど与謝野大臣にお渡ししたいと存じます。

それでは、次の議題に移らせて頂きます。

「我が国における国際会計基準の取扱いについて(中間報告)」についてでございます。これは私が部会長を兼ねております企画調整部会におきまして検討を行ってきたものでありますが、今月11日に開催されました企画調整部会におきまして取りまとめられ、既に企業会計審議会企画調整部会の名前で公表されているところでございます。

それでは、事務局から簡単に、この中間報告の概要を説明して頂きます。

○三井企業開示課長

それでは、お手元の資料2-1と資料2-2を取り出して頂ければと存じます。

昨年10月以来、企画調整部会におきまして、国際会計基準とどのように向き合っていくかということにつきまして議論を進めて頂きまして、先般企画調整部会においてこの中間報告が取りまとめられ、今月の16日に公表されております。

資料2-1をご覧いただきますと、名簿の後に目次がございます。全体の構成は、一の1、2、そして二の1までが、会計基準を巡る国際的な動向、それを取り巻く環境、あるいは関係者の方々の問題意識等について掲げておりまして、二の2が課題とその取組みとなっており、(2)、(3)、(4)というのが主な中身になります。

(2)では国際会計基準、ここではIFRSと省略させて頂いておりますが、これを日本企業に適用していくに当たってはさまざまな課題があるということで、それについて掲げております。

(3)では任意適用ということで、ここでは今年度、今の進行年度であります10年3月期から一定の企業に任意適用を認める内容になっております。

(4)につきましては、将来の強制適用への展望、道筋でございまして、この任意適用も全体の位置づけの中では強制適用を展望した形になっております。2012年に上記、(2)に掲げてあるような課題への取り組み、進捗状況や(3)の任意適用の結果、状況などを踏まえて、強制適用の有無を判断するということが書かれております。仮に強制適用するとした場合には、2015年または16年ということを視野に置いているということが書かれております。

それが全体像でございまして、それでは幾つか重要な点につきまして、この本文を使いながら説明させて頂きたいと存じます。時間の関係がありますので、ごくごく重要な点に絞ってピックアップさせて頂きます。

1ページから2ページにつきましては海外の動向でございまして、一言でいいますと、ヨーロッパで国際会計基準の強制適用が始まり、そして、それ以外のアジアの各方面にも広がっております。そして、アメリカでは昨年の11月に、アメリカの企業に対して国際会計基準の使用をまず容認し、2014年から16年に段階的に強制適用するというロードマップを示しております。アメリカは、ご案内のとおり会社法会計がありませんので、このロードマップ通りに仮に進展しますと、2016年にアメリカの会計基準がなくなり、国際会計基準に一本化されることになります。

日本ではコンバージェンスが進展しており、その継続の必要性について書いております。また、なぜ国際会計基準を日本企業に適用するということを容認、ないし移行していくということを考える必要があるのかということについて、企画調整部会での議論を手短に要約しております。一言で言いますと、市場自体の国際的な地位なり魅力の観点、あるいは資金調達も含めた企業の国際的な活動の観点、あるいは投資家から見た財務諸表という投資判断の指標の重要性、比較可能性の観点、こういったさまざまな観点から国際会計基準の使用というものに一定の意義があるのではないかということが前段に書かれております。

他方、後段では、そのメリットなり意義が見いだせるためには、さまざまなハードルなり課題があるということが書かれています。1つにはIFRSへの習熟や実務の対応といった点であります。それから、国際会計基準の中身そのものであるとか、ガバナンス、デュー・プロセスといった点が書かれております。

こういったことを踏まえまして、5ページの(2)以下でIFRS適用に向けた課題として列挙しております。当然のことながら、IFRSの内容が、企業の事業内容、財務内容を適切に表すものであり、国際的な目で見て企業の比較可能性を踏まえた投資家の投資判断に有用なものであるかどうかということに加えまして、我が国の企業実態をも適切に反映しているかどうかという、その日本の企業活動とそして国際的な比較可能性という2つの難しい課題をうまく調和させているということが必要とされております。それから、言語については、今でもIASCFの適切な手続のもとにASBJが日本語訳を作成しておられますが、さらに力を入れて頂き、その日本語版というものが1つ重要なかぎになります。そしてIFRSの設定におけるデュー・プロセスの確保、ガバナンスの向上、それから次のページでございますが、基準への実務対応が重要でございます。

その中で1点追加的に申し上げますと、当然のことながら、各関係者におけるIFRSへの習熟というものが前提になるわけですが、作成者においては当然それなりにコスト負担が必要になり得るものでございますが、そのコストを十分に削減しつつ、効率的に取り入れていくということが必要であるわけでございます。

それに加えまして、この開示の面でもこのIFRSが原則主義であることや、日本にとっては必ずしも長年慣れ親しんできたものではないことから、IFRSに基づいて財務報告を行う会社に対し会計処理方針などの開示というものを任意で認めると、投資家の理解、企業の習熟につながるということで意義があると思います。さらには、この国際会計基準を設定する主体への人的、財源的なリソースを薄く広くサポートしていくという観点から、これらについてのサポートの状況についてこの会計処理方針の欄の中で記述していくということが、前向きの推進力の1つの要素なり材料にできるのではないかという観点から、7ページから8ページにおいて記述いたしております。

これらの諸課題を踏まえまして、10ページでございますが、先ほど申しましたとおり2010年3月から任意適用を認めるということでございます。

対象企業については若干説明が必要かと存じます。11ページに書いてございますが、まず当然のことではございますが、日本基準においてもきちんと財務諸表を作ることができていた企業であるということと並んで、国際会計基準によっても適正な財務諸表をつくる体制、能力などが備わっているということが最も大事でございまして、後ほどやや外形的な基準を申し上げますが、むしろ本質的にはここのところが非常に大事であるということがあると思います。

それから、先ほど会計設定主体への財源的なサポートなり、あるいは投資家の理解、企業の会計処理方針を考えていくに当たって、そういったことの開示というものを任意でできるようにするということを申し上げましたが、こういったことをされているということをこの国際会計基準の任意適用の1つの条件といいますか、要件にしてはいかがかということが2つ目としてございます。

そういった定性的といいますか、本質的な要件が書かれた上で、やや外形的な要件をつけ加えております。公開草案を2月に出させて頂いた段階での企画調整部会でのコンセンサスは、比較的広い企業にチャンスなり機会を提供するということが適当ではないかということから、国際的な財務活動を行っている企業、具体的には海外で上場、公募による資金調達をしている企業に加えまして、日本のマーケットにおいて周知性の高い企業、具体的には発行登録制度における周知性の要件を満たしているような企業も幅広く認めてはどうかと、このようなご議論が大勢を占めまして、その案でパブリックコメントに付させて頂きました。

寄せられたコメントでは、準備を円滑に進めるという観点では対象がやや散漫に広過ぎるという意見がむしろ大勢を占めまして、それを踏まえた結果、対象を国際的な事業活動または財務活動を行っている企業とし「国際的な事業活動」という記述を、「国際的な財務活動または事業活動」という記述に改めさせて頂いております。企画調整部会ではそのような形で合意し、この文章になっております。

それから、並行開示につきましても、企画調整部会ではアメリカ型の詳細な並行開示案、それからもう一つはこの案にありますような簡素な形のもの、両案を提示させて頂いて議論頂きましたが、ここにありますように投資家の判断、あるいは比較可能性を確保するための最小限の並行開示をお願いした上で、最小限度のコスト負担でできるような形のものを工夫するということでコンセンサスが得られたものでございます。

それから、任意適用時において適用するIFRSでございますが、これは今ある国際会計基準をそのまま使うと、こういうことでございます。具体的な中身につきましては、後ほど補足させて頂きます。

それから、個別財務諸表の取扱いについてですが、原則この国際会計基準の任意適用の対象は連結財務諸表でございまして、しかも対象は先ほど申しましたとおり上場企業でございます。ただ、上場企業の中には連結子会社を有していないために、連結財務諸表を作成していない企業があります。こういった企業については国際会計基準の適用を容認しないのかということにつきましては、容認し得るということで、13ページのマル5の最後の「ただし」のパラグラフにその旨を記述しております。

それから、13ページの(4)からは強制適用のセクションでございます。任意適用というのは日本で複数の会計基準を自由に使っていいですというものに留まることではありませんで、むしろこれは国際的に国際会計基準の利用が広がりますと、とりわけアメリカが2014年ないし16年に国際会計基準に全面的なスイッチを果たしてしまいますと、世界の大きな市場が国際会計基準によって開示される状況に変わってしまいます。こういったことを踏まえますと、そういったことへの着実な準備なりステップという意味合いも考えてロードマップを議論しなければいけないといったことが、企業会計審議会の企画調整部会での議論の当初からございました。

こういったことを踏まえまして、パブリックコメント案を1月の末に議論した際には、強制適用の時期を明示すべきではないかという議論がありました。もちろんその前提としては、国際情勢等が非常に流動的であるので留保条件をつけるということはありますが、仮に強制適用するということになった場合にはいつになるのかを明示してはどうかいう議論がありまして、パブリックコメントとして寄せられたご意見の中にも多数そのようなご意見がございました。

そのようなことから、「強制適用対象及び方法等」のところでございますが、真ん中辺の「また、強制適用に当たっては」のところでございまして、判断時期は2012年前後、仮に強制適用となった場合には2015年または16年であるということを時期として明示しております。

それから、強制適用になった場合の強制適用の仕方でございますが、一斉適用なのか、あるいはアメリカのように規模なり何らかの基準に応じて段階的に強制適用するのかという点についても議論になりました。比較可能性の観点からは、一斉適用という考え方があり得まして、ヨーロッパやアジア等の諸国ではそのような一斉のスイッチをされています。片や、アメリカでは、他国とは異なりまして段階的な適用の案を示しておりまして、この報告書の段階ではどちらとも決めていないということでありまして、両方を視野に置いているということでございます。

それから、個別財務諸表の取扱いについてですが、原則個別財務諸表をベースに連結財務諸表を作るということで、両者が全く違うということは財務諸表の信頼性について、あるいはその事務作業、投資家の判断、読み解きに対して、それなりにマイナスということがございます。片や個別財務諸表は上場会社のみならず、広範な中小企業も含めた広い企業にかかわること、あるいは配当や税への関係もあることから、慎重な検討が必要であるという議論もございます。こういったことから、どのような取扱いにするかについては、2012年にこういった点を踏まえて幅広く改めて検討するということでございます。

それから、非上場企業については、原則的には国際会計基準の使用に対するニーズは非常に低いと思われますし、また対応もなかなかできないだろうということから、これについては十分に慎重な議論が必要であるというコメントが多々寄せられていたということから、その点について記述しております。これも2012年のときに改めて検討するわけでございますが、他方で上場会社の連結子会社で上場している企業もあることもございます。国際会計基準をつくることによって、その子会社も国際会計基準でというニーズが実は一部のそのコメントの中にも見られたことでございまして、こういった両面を判断して、原則的には非上場の中小企業については国際会計基準とは無縁な世界だと思いますが、一部国際的な企業の子会社については使用があり得るかもしれない、あるいはそういったニーズがあるかもしれないということを踏まえた上で検討する、こういうことにさせて頂いております。

それから、一部具体的になった点として、資料2-2で2点ほどつけ加えたいと存じます。

2枚めくって頂きまして、3ページでございます。条文の形で、分かりやすい資料になっていなくて恐縮でございますが、このイロハニのニ、左側は横数字の二ですが、右側はイロハニのニでございまして、「会社、その親会社又はその他の関係会社」と始まっている文章が、任意適用ができる会社の範囲でございます。

(1)が外国の法令に基づき開示している会社、あるいはその子会社又は関係会社は国際会計基準で開示できますと、こういう趣旨でございます、柱書きに「その親会社」となっていますのは、(1)でいいますと、外国の法令に基づき国際会計基準に従って作成し、この財務報告の開示をしているという会社、これが会社であったり、親会社であったり、その他の関係会社だったりする場合のその子会社なりがIFRSできるという意味でございます。ですから、平たく言いますと、外国で例えばEU域内でロンドンなどに上場しまして、その法令に基づいて国際会計基準で開示している会社そのもの、またはその子会社、関連会社について任意適用を認めるという文章でございます。

(2)は、それに並びまして、上場規則でこの開示を定めているケースがございますので、例えばロンドン証券取引所については、ロンドンの本則市場のようなケース、その規則に基づいて国際会計基準で開示している場合、これら2つを並べております。これは国際的に財務活動を行っている会社ということでございます。

(1)と(2)は恐らく交わりもあることでございますが、公募のように(1)しか適用されないケースもあるということでございます。

それから、(3)が国際的に事業活動を行っている会社でございまして、国際的に事業活動を行っている指標はさまざまなものがあろうかと思います。売上なり、資産、負債といったものが海外の事業活動に起因するものとしてあるかと思いますが、ここでは外国に連結子会社として20億円、法律上の資本金、Stated Capitalが20億円以上のものを持っていると、こういうものを掲げております。この趣旨は、今申し上げましたように、事業活動についてはさまざまな指標で総合的に図る方が恐らく実態に合うわけではございますが、総合判断をしますと、自分の企業が該当するかしないか、非常に微妙なケースも出てまいりますし、今般の経済状況の急変に伴いまして、海外の事業活動の非常に高い企業が突然の事業の不振に伴い、基準上はドメスティックに見えるようなことに変換するといった不都合もあり得ますので、比較的大きく短期的には変わらない指標ということで、いわば代理指標的にこれを取り上げさせて頂くという趣旨でございます。したがいまして、資本金が全てということではなく、あくまで国際的な事業活動のための非常にラフな代理指標としてここではこういう案を考えております。

それから、2つ目が適用対象となる国際会計基準の内容でございまして、有価証券報告書を財務局が受理するに当たって、どのようなもので作られたかということをガイドライン的に明示する必要があろうかと思いまして、ここでは連結財務諸表規則と、それに伴います告示で明示しております。

9ページ以下に別表2というものがあります。7ページに告示がありまして、その別表が9ページ、10ページということでございます。一言でいいますと、一定時点のすべての国際会計基準ということになります。一つ一つの説明は省略いたしますが、今考えておりますのは、18ページ、19ページに、既に今年の1月時点で施行されている国際会計基準に加えまして、既に現時点で確定・公表され、この7月、明日から施行されることになっているもの、それからごく一部は来年の1月1日施行のものもございます。こういう既に確定して動くことがはっきりしているもの、恐らく中身につきましては、コンバージェンス作業を通じて皆様方もよくご存じの内容のものと存じますが、現時点ではこれを国際会計基準として、これに基づいて作られた財務諸表を有価証券報告書の中に取り込んで提出して頂くということを任意適用の仕組みとしてはいかがと、財務諸表等規則の改正案として考えている状況でございます。

ちょっと説明が大変長くなって恐縮でございますが、以上でございます。

○安藤会長

ありがとうございました。

私といたしましては、企画調整部会で取りまとめられました本中間報告を総会としてもご承認頂き、今後は企業会計審議会の中間報告としたいと思いますが、そのように取り扱わせて頂いてよろしいでしょうか。

ありがとうございます。ご承認を頂いたということでお手元の意見書の(案)の字をとって頂きたいと思います。また、本意見書もあわせて与謝野大臣にお渡しさせて頂くとともに、企業会計審議会の意見書として改めて公表させて頂くことにいたします。

次に、本審議会の今後の運営につきましてお諮りしたいと思いますが、お手元に私の案として整理したものをお配りしております。これを事務局から紹介及び補足説明して頂きたいと思います。

○三井企業開示課長

それでは、資料3-1を取り出し頂きたいと思います。

まず、会長の案でございますが、読み上げさせて頂きます。

企業会計審議会においては以下の審議事項を取り上げることとする。

(1)企画調整部会。会計をめぐる国際的な動向や「我が国における国際会計基準の取扱い(中間報告)」を踏まえ、審議事項の企画調整を行うとともに、必要な審議・検討を行う。

(2)監査部会。国際的な監査基準の改訂に合わせ、継続的に監査基準の改訂作業を進める。また、監査基準をめぐる国際的な動向を踏まえ、我が国における国際監査基準の取扱いについて検討を行う。

(3)内部統制部会。内部統制報告制度のレビュー結果を踏まえ、財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準の見直しやさらなる明確化等について、必要な審議・検討を行う、でございます。

それでは、これらについて事務方から補足させて頂きたいと存じます。

企画調整部会につきましては今ご議論頂いたとおりでございまして、これについて今後状況を見ながらフォローアップをしていくということになろうかと思います。また、コンバージェンス作業につきましても、フォローアップをして頂くということになろうかと思います。

監査につきましては、資料3-2をご覧頂きたいと存じます。国際監査基準(ISA)については、アイサとも呼んでおりますが、クラリティ・プロジェクト、明瞭化プロジェクトというものが国際的に進展しております。これは昨年もこの場で関係者の方から説明をして頂きましたが、国際監査基準につきましては、何が規範的な要素なのか、何がそれ以外の記述的あるいは例示的なものなのかということをより分かりやすくするために、ブラック・レターと言われている規範的な部分、そして説明部分的なものであるグレー・レターとを整理していく必要がある、といったことから、その点についての明瞭化をするという手続が進んできております。これについてはどのように進展しているかといいますと、2ページから4ページまでその進捗状況が書かれております。ご覧のとおり、この国際監査基準の明瞭化プロジェクトは完成しているという状況でございます。

この中で2点ほどございまして、まず4ページ目の30番、ISA700というところで報告基準、それから1つ飛んで32番、ISA706号、この強調区分とその他の区分、こういったところが日本の監査の基準とは若干異なるように見えるところでございます。こういった点も踏まえて日本の監査基準をどうしていくのかといったことについては、今後議論が必要となる可能性が十分あると思っておりまして、それが第1点でございます。

それから、もう一つは、ページでいいますと6ページでございます。資料3-2の6ページをお開き頂きたいと存じます。IOSCOとも呼んでおります証券監督者国際機構から国際監査基準に関する声明が出ております。ポイントはこのIOSCOは各国の証券規制当局に対して、1つ目としてクロスボーダーでの公募または上場においてISA、国際監査基準に基づく監査を受け入れてほしい。2番目として、国内向けの監査基準の設定に当たっては、ISAを考慮に入れる、コンシダーすること、この2つを促したいと、こういう声明でございます。こういったことからまずクロスボーダー、ひいては国内のものについてこのISAを受け入れるかどうかということが議論の俎上に乗り得るかと存じます。

3番目の内部統制部会につきましては、ご案内のとおり内部統制報告制度が施行されておりまして、3月決算の会社でありますと、今日が提出期限の最初の内部統制報告書が提出される見込みでございます。これにつきましては、関係の方々の多大なご尽力に敬意とお礼を申し上げます。これらの結果、私どもが受けとりました内部統制報告書は直ちに公衆縦覧にかかっているわけでございますが、これの中身につきましては重点審査項目としていろいろ精査をさせて頂きまして、その状況について適宜この内部統制部会に報告をさせて頂きたいと存じます。それを踏まえまして、必要な審議をして頂くと、こういうことになろうかと思います。

私どものほうからは以上でございます。

○安藤会長

ありがとうございます。

この案も含めまして、本審議会の運営に関しまして、ご質問、ご意見等を承りたいと思います。大臣が来られるまで少し時間がございますので、どうぞご意見等をお聞かせください。

それでは、この資料3-2の5ページについて、日本公認会計士協会の方から何か情報、あるいはご説明頂けますでしょうか。

○増田委員

それでは、私のほうから説明させていただきます。

クラリティ版のISAについては、基本的には会計士協会で実務指針を開発し、対応しているわけですが、それについて詳しいことは担当しております篠原委員から話をしていただきたいと思います。考え方としましては、国際監査基準をベースに、もちろん日本の監査基準に基づいて実務指針の開発をしてきているわけですが、先ほどお話があったようにクラリティ・バージョンが完成しつつあるという状況の中で、日本でもそれに対応している状況にあります。

具体的には、篠原委員の方からお話をしていただければと思います。

○篠原委員

お手元の資料3-2の2~4ページに、38本のクラリティ・プロジェクトの対象を書いてございます。基本的に昨年の12月に、国際監査・保証基準審議会(IAASB)の方で、この改訂作業を終えております。日本公認会計士協会といたしましても、改訂作業中から、このクラリティ・バージョンを日本の実務指針に取り込むという作業をしておりまして、その結果今までファイナルとして公表しておりますものが、この5ページにございます4本でございます。

この4本は、いわゆる監査の大元であります監査リスクの評価にかかわるものでございまして、リスクモデルと私たちは申しておりますが、その部分の作業は終わっておりまして、現在は他の基準について順次検討を行っております。

なお、先ほどご紹介がございましたISAの監査報告に係る部分に関しましては、日本の監査基準とも関係してまいりますので、この審議会の議論を見ながら、日本との整合性を踏まえつつ、実務指針も検討していきたいと考えております。

以上でございます。

○安藤会長

ありがとうございました。

八田委員、どうぞ。

○八田委員

ひとつ伺いたいことがございます。今の作業に関連して、この資料3-2で、先ほどIOSCOの国際監査基準に対するいわゆる支持表明についてのご説明がございました。これは図らずも、ちょうど企画調整部会が行われた同じ6月11日に公表されたということで、会計と監査がまさに国際的な収れんをする方向になっているものと思われますが、この表明に対して、金融庁といいますか、当審議会としてはどういう受け入れ方をするのでしょうか。つまり、金融庁はIOSCOのメンバーに入っていると思いますが、会計基準だけではなく監査基準についても、当然これはそのまま受け入れるという方向性なのでしょうか。それともこういうメッセージが出たということで、審議会としての対応について何か方向性をお示し頂けるのでしょうか。

○安藤会長

それでは、事務局、どうぞ。

○三井企業開示課長

それでは、若干省略したところがありますので、もう1度、資料3-2の4ページをご覧頂きたいと思います。

10年前の監査基準に比べまして、現時点での日本の監査基準とISAとの大きな差は比較的少ないと考えております。したがいまして、改正点というのはかなりマイナーなところになりますが、そのはっきり違うと思われるところは30番と32番、この2つでございます。

まずISA700では監査報告書をどういうセクションに分けるかということが書かれております。まず導入区分と言いまして、これはどういう会社の何を監査したものかという監査対象を示している部分でございます。そこまでは一緒ですが、その後、経営者の責任、この財務諸表を適切に作る責任は経営者にある旨が、ISAでははっきり書いてあります。それから、監査人の責任、そして意見と続きますが、その監査人の責任と意見の間にどういう監査手続を実施したかという記述がございます。これに対しまして、日本の監査基準では監査の対象が1番、2番目が実施した監査の概要、3番目が財務諸表に対する意見と、このようになっておりまして、大雑把に言えば大きな違いはないとも言えますが、形式的にははっきりとした違いがございます。この点について、日本の監査基準をまずどうするのかという議論が1つあります。

それから、2番目としましては、32番でございますが、ISA706ということで、監査報告書において追記情報として記載する内容を強調区分とその他の区分に分けるということがございます。強調区分ですと、例えば重要な訴訟があるとか、あるいは大災害とか、こういったものは強調区分で書くという例示があります。それにこだわらず、財務諸表の表示計数、これにハイライトをしなければいけないようなケースであって、不適正意見の場合に限らず、無限定適正意見の場合であっても、ハイライトをする必要がある情報があるような場合、追記情報として強調区分に書くことになっております。財務諸表の計数に直接かかわらないけれども、投資判断に関連がある、こういうものについてはその他の区分で書くことになっております。そうしたものの例の中には、監査人が退任できないという監査契約の内容になっているというまれな状況において、そういう経営者によって監査の範囲に制約を受けているようなケースをまれな例として掲げていますが、こういったものは日本の監査基準にはございません。こういったものを日本の監査基準としてどうするのかという点がご議論頂く事項として考えられるものの一つでございます。

こういった点についてどうするかということと並行して、こういった違いがあること、あるいはその違いがなくなるような議論がされるのかどうか、こういった両方を踏まえながら、ISAを日本の監査基準としてエンドースするかどうか、こういった議論が監査部会での議論の対象になり得るのかなと考えております。

したがいまして、金融庁としてアプリオリに答えを今こうすべきだと申し上げることではなく、むしろそこが監査部会での今後の審議事項として上がってくるのではないかという認識でございます。

○安藤会長

途中でございますが、間もなく与謝野大臣がお見えになられるようでございますので、ここで一たん審議を中断させて頂きます。

ここでカメラが入ります。しばらくお待ちください。

(報道関係者入室)

(大臣入室)

○安藤会長

大臣がお見えになられましたので、先ほどご承認頂きました意見書を与謝野大臣にお渡しし、ごあいさつを頂きたいと思います。

先ほどまとめました意見書でございます。

○与謝野金融担当大臣

どうもありがとうございます。

(安藤会長から与謝野大臣へ意見書を手交)

○与謝野金融担当大臣

金融担当大臣の与謝野でございます。企業会計審議会総会の開催に当たり、一言ごあいさつを申し上げます。

金融・資本市場がその機能を十分に発揮していくためには、市場を支えるインフラである開示・会計・監査制度について、透明性の高い企業情報の開示を確保するという観点から、国際的な動向も踏まえつつ、不断に見直しを行っていくことが必要であります。

今般、企業会計審議会において、我が国における国際会計基準の適用に向けてロードマップともいうべき中間報告を取りまとめて頂きました。

また、監査基準等につきましては、年度の基準に続き、半期及び四半期に係ります継続企業の前提に関する注記について、改訂基準を取りまとめて頂きました。

委員の皆様方におかれましては、精力的なご審議を頂き、心から感謝を申し上げたいと存じます。

政府といたしましては、本日取りまとめて頂いた事項について、その円滑な実施に努めてまいりたいと考えております。

委員の皆様方には、引き続き格段のご協力を頂きますようお願い申し上げまして、ごあいさつとさせて頂きます。

本当に今日はありがとうございます。

○安藤会長

与謝野大臣には、ご公務がおありでございますので、ここで退席されます。

○与謝野金融担当大臣

大変申し訳ございません。

(与謝野大臣退室)

○安藤会長

報道の方も退席されますので、少々お待ちください。

(報道関係者退室)

○安藤会長

それでは、先ほど途中で中断いたしました件を継続したいと思いますが、八田委員からのご質問はよろしいでしょうか。

ほかに何かご質問、ご意見はございますでしょうか。

五十嵐委員、どうぞ。

○五十嵐委員

国際監査基準の適用につきましては各国に基準がございまして、ISAを適用するということは当然でございますが、ISAプラスという、ISAにプラスして各国の事情を取り入れるということが容認されています。これは皆さんご存じかと思いますが、例えば、イギリスでは、ISAだけではなく、ISAにプラスして監査基準を作成し、投資家の保護のために努めるといったことをしております。そういったことも踏まえまして監査基準の作成をされますと、例えば日本国内の文化や特徴を踏まえた監査基準ができるのではないかと思います。

2番目に、ちょうど先ほどのIOSCOからのステートメントが出ましたときと同じ週でございますが、アメリカ政府からホワイトペーパーが出まして、88ページぐらいあるかと思いますが、その中のレコメンデーションの最後のほうに、IFRSを適用することについてレコメンデーションをすると記述されております。皆さんご存じかと思いますが、申し上げさせていただきました。

以上でございます。

○安藤会長

ありがとうございました。

ほかにご意見はございますでしょうか。そろそろ時間ではございます。

それでは、ご発言はこれぐらいにさせて頂きまして、この運営方針をご承認頂くということでよろしいでしょうか。

ありがとうございます。それでは、ご承認頂いたということで、このように決定させて頂きます。

本日予定しておりました議事はすべて終了いたしました。なお、各部会等における具体的な審議につきましては、改めて事務局からご連絡を差し上げますので、よろしくお願いいたします。

委員の皆様には、審議にご協力頂き、誠にありがとうございました。これにて閉会いたします。

以上

お問い合わせ先

金融庁Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局企業開示課
(内線3672、3656)

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