企業会計審議会 第13回企画調整部会議事要旨

1.日時:

平成20年10月23日(木)  9時30分~11時30分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館12階 共用第2特別会議室

3.議題:

  • I .会計基準をめぐる国際的動向について

  • II .「連結先行論」について

  • III .国際会計基準(IFRS)について

4.議事内容:

  • 部会長から部会開催の趣旨の説明があった。

  • 事務局から、委員等の紹介があった。

  • 上記 I について、事務局から説明及び西川委員から企業会計基準委員会 の公表した公開草案等についての説明があった。

  • 上記 II について、事務局から説明があった。

  • 上記 III について、事務局から説明、島崎委員から経団連の意見書、増田委員から日本公認会計士協会の欧州視察報告について紹介が、法務省の江 原幹事より「商法(会社法)会計について」説明があった。

  • 主な意見等は以下のとおり。

  • I .会計基準をめぐる国際的動向について

  • 有価証券の時価評価の問題について、一部に誤解を与えるような報道がなされている。マーケットが未曾有の状況となっていることからすれば、時価とは何かを検討するということは重要。しかし、保有目的区分の変更の問題は、通常、企業が有価証券を保有するときには保有目的が決まっているはずであり、途中でこれを変えることを認めることについては慎重な議論が必要。

  • 時価会計については、日本では従来厳格に適用していなかったため、結果的に多大なコストを負担することになった。時価会計は資産算定の基礎として必要であり、金融機関を守るために、投資家が犠牲になるということが起きないようにしなければならない。ただし、国際的競争力の観点から、原則ばかり言うこともできないので、なるべく早い段階で国際的に調整を行い、問題の位置づけを明確化する必要がある。

  • そもそも時価とは一体何なのか、時価そのものの考え方を整理していく必要がある。その際、企業は事業の成果を報告しようとしているのであり、資産運用の結果を報告するのではないことを考慮する必要がある。

  • 2つに分けて考える必要がある。すなわち、有事における対応と、有事のときに見えてくる平時のあり方である。有事における対応においては、会計基準の信頼性を失わない範囲でできることをすべき。

  • 危機だからと言って基準を変えたらそれは基準にならない。危機になったときこそ投資家は会計情報にセンシティブになるものだ。したがって、危機のときに変えてしまうと基準の役割を果たせない。ただし、今ここで原則論だけで突っ張った議論をするつもりはない。日本の取扱いをどうするかは、ASBJの議論に委ねるべき。

    そもそもIASBが時価会計の適切な範囲を検討してこなかったツケが今になって回って来たのではないか。IASBは全面時価会計と決め付けるのでなく、原則論をきちんと議論すべきだったのではないか。

    また、IASBが今回のような決定をすることができたのは、米国基準が国際会計基準と違っていたからだ。この例が示すように、世界に基準が1つしかないとういうのは危機対応において困難が生ずるということを直視することが必要。

  • 有事のときのことがそのまま恒久的になる可能性もあり、今回の有事に適用されるものだということを、工夫して示すことができないか。

  • II .「連結先行論」について

  • 個人の意見として申し上げるが、連単分離ではどうしていけないのかと思う。また、ディスクロージャーは連結重視とし、個別は廃止にするとか簡素化するということができないのだろうか。

  • 連結先行論は、個別についても早いうちにIFRSに合わせていく考え方であると理解している。実務サイドとしては、連単を別々の基準で作るのはいかがなものかと思う。別々の基準で作るためには二重帳簿が必要になる。IFRSの採用は、上場会社であれば実務的に可能であろう。他方、中堅企業には簡易版IFRS、小規模企業には更なる簡易版といった英国における試みが参考となろう。いずれにせよ、将来的には、個別についてもIFRSないしその簡易版に移行していくという前提で連結先行を理解している。

  • 国際的な比較可能性を確保し、投資家が比較できるフェアな情報を得るためにも、上場会社については連結財務諸表作成会社だけではなく、連結財務諸表を作成していない会社についても、IFRSを強制的に適用すべきであり、選択制とすべきではないと考える。

  • コンバージェンスが進んでいるので、連と単とでそれほど大きな差はない。連結先行の考え方で、連結で走っていって、そのうちに単体が追いつくということでいいのではないか。配当規制や税の問題が解消されるのであれば、単体もIFRSでかまわない。

  • 制度の問題のほかにインフラ整備の問題があり、これには教育の問題が含まれる。アドプションであればIFRSでのみ教育することが求められるが、コンバージェンスであれば日本基準をもとに教育することになる。

    IFRSの原文と、将来コンバ―ジェンスを進めた結果できているであろう日本基準が、どの程度の違いが生じることを想定しているのか。

  • コンバージェンスをしても違いは残ると思っている。コンバージェンスを続けていくならこれは永遠の作業になる。

    連結先行ということになれば、基準開発にその考え方を入れていくことになる。これは、連結と単体で基準を書き分けることを意味しているが、全ての基準について連結と単体を違う取扱いにしていくことはできないだろう。日本基準の中で連と単が違うというのは、なかなか理解が得られないのではないか。従って、基準開発のときに毎回この考え方を使うというわけにはいかないと思う。

  • III .国際会計基準(IFRS)について

  • IFRSを受け入れるが、最初は選択適用(オプション)にしてほしい。すでに米国基準で作っている30数社はIFRSの適用に抵抗は少ないだろうが、それ以外の会社はロードマップを確認しながら対応していくことが必要。

    また、IFRSを翻訳したものはIFRSそのものとは認められないということが言われているため、日本語版でもよいことをIASBに確認する必要がある。

    いずれにせよ、基準が2つというのは望ましくないため、将来的には1つにしていく必要があり、とすればIFRSということになる。また、連結を作成していない上場会社については、まだ詳しく議論していない。上場している以上はIFRSを適用することが望ましいが、他方、個別へのIFRS導入については賛否両論あるので、これから議論することが必要である。

  • IFRS適用の考え方には選択適用と強制適用があるが、コンバージェンスで日本基準とIFRSの差異がなくなってきていることや、比較可能性があることが市場で評価されることから、選択適用についてはなるべく早くやっていくことが重要である。これに対して、強制適用についてはより慎重に考える必要がある。IFRSを採用した各国でどういうことが起きているのか、プリンシプル・ベースでの実務への対応がどうなのかということについて、データがはっきりしない。

  • SECのロードマップ(案)では、2014年からIFRSの段階適用を行うことが示されているが、2014年からの適用対象会社とそれ以外の会社との落差があまりにも大きいと感じる。米国の今後の動向を注視することが必要。今回の時価評価をめぐる有事対応を見ると、プリンシプル・ベースでやっていくことの難しさが実証されているのではないか。

  • マーケットサイドから申し上げれば、比較可能性という観点等も含めアドプションを進めてほしい。

    IFRSについては、プリンシプル・ベースであるため、欧州ではその適用にバラツキが生じている例もあるとのことだったが、これについてはさらに検証が必要ではないか。また使う側の理解も必要。それからIFRSのアプローチはプリンシプル・ベースであるため、日本基準と異なっている面があるが、監査は十分対応できるのか。

  • 結論を言えば、プリンシプル・ベースでもやっていけると思う。ただし、そのためには、関係者がプリンシプル・ベースを共有できるよう、適用ガイドラインか何らかの形で、プリンシプル・ベースについての考え方が示される必要があるであろう。

    それから、教育についてであるが、連結先行で行く限り、IFRSと日本基準の両方を教えていくしかない。欧州もやっていることだ。また、コンバージェンスを進めており、日本基準と国際基準との間にそれほど差はないので対応可能と思われる。

  • 連結についても、アドプションとオプションとではまったく話が違う。いきなりアドプション(強制適用)するのはリスクが大きい。強制するのではなくとりあえず容認することとし、世界の動向に注意を払うこととしてはどうか。また、国際会計基準の中身が十分に受入可能なものになっていくことも重要である。

  • 戦略的にIASBに対してもっときちんと提言して、例えば包括利益に純利益が残ったように、物づくりを中心とした日本の考えを受け入れさせていく努力を続けることが必要である。

  • 将来の方向性として、どこかの時点でアドプションするとか、任意適用するということは、今の時点で言うべきではないと思う。

  • 日本のポジショニングが世界の中でどんどん落ちて行っているのを感じる。統一的な国際的な基準が出来ていく中で、日本を特異な国に置いておくわけにはいかない。日本版のロードマップを作っていくことが必要で、着々と進めていくことが大事である。

(以上)

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局 企業開示課
(内線3672、3656)本議事要旨は暫定版であるため、今後変更があり得ます。

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