金融審議会「暗号資産制度に関するワーキング・グループ」(第5回)議事録

  1. 日時:

    令和7年11月7日(金曜)14時00分~16時30分
  2. 場所:

    中央合同庁舎第7号館 13階 共用第1特別会議室 ※オンライン併用

【森下座長】

それでは、定刻より少し早めではございますが、御予定の皆様お集まりですので、ただいまより暗号資産制度に関するワーキング・グループの第5回会合を開催いたします。皆様、御多忙のところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

それでは早速、議事に移りたいと思います。初めに、事務局より、本ワーキング・グループにおけるこれまでの議論の整理と、前回までのワーキング・グループで積み残しになっている論点について御説明させていただきます。その後、メンバーの皆様に御討議をいただくという流れで進めさせていただきます。

それでは、事務局より御説明をお願いいたします。

【齊藤市場課長】

それでは、資料1を御覧いただければと思います。こちらは、これまでのワーキング・グループにおける事務局説明資料に基づきまして、委員の皆様からのコメント等を加味して作成したものでございます。御議論の全体像を整理しております。内容につきまして、これまでの事務局説明資料からの修正点を中心に御説明させていただければと思います。

2ページは、まず暗号資産取引の現状について記載しております。

3ページは、喫緊の課題についてまとめているものでございます。

4ページは、規制見直しに当たっての考え方でございます。一番上の規制見直しの趣旨ですが、最初の四角の3行目、この規制の見直しについて、「暗号資産投資についてお墨付きを与えるものではないことを明確に」するといった記載をしております。また、その次の行で、投資者が暗号資産のリスクだけでなく商品性を十分に理解することも重要であるということを記載させていただいております。

その下の規制見直しに当たっての留意点でございます。1つ目の四角の3行目、「また、暗号資産は決済目的での利用もあり得ることを踏まえ、そうした利用が制限されることのないよう留意も必要である」と記載させていただいております。

その次の四角で、「また、暗号資産の投資者保護に係る規制を検討するに当たっては、その(投資者保護を図る)必要性が高い層である一般の個人投資家による取引が足下の暗号資産取引の中心であることを念頭に置く必要がある」と記載させていただいております。その下の四角のなお書きで、「暗号資産は、既存の金融の枠組みを回避するために生じた成り立ちがあることや、一般の投資者による投資対象となる一方で、グローバルに不正資金等の移転・退避手段としての側面があることも指摘される。株式等の典型的な有価証券取引を前提とした各種規制を可能な限り暗号資産にも適用することで、適正な取引環境を整備することは重要であるが、それによって暗号資産のニーズや取引の全てが健全なものとなるものではないことを踏まえておくべきである」と記載させていただいております。

5ページは、総論でございます。金商法の規制枠組みの活用について、一番下の四角のなお書きで、「金やトレーディングカードなど、他にも投資性があり得る商品もある中で、暗号資産を金商法の規制対象とすることについては、考え方を整理する必要がある」と記載させていただいております。

6ページは、総論の続きとしまして、金商法で規制対象とする暗号資産の範囲、また、資金決済法における暗号資産の規制について記載させていただいております。

7ページは、情報提供規制のうち新規販売時の情報提供についてです。情報提供の内容について記載させていただいております。

8ページは、情報提供の内容の続きです。1つ目の四角で、「大口保有者等に情報提供規制を設けることは…慎重に考えるべき」としつつ、2つ目の四角で、「匿名性の高い暗号資産について、流通・保有状況の透明性を向上させていくことは重要であり、そのための方策について海外の規制の動向等も踏まえながら、継続的に考えていくべきである」とさせていただいております。

その下の情報提供規制の対象者です。1つ目の四角で、「暗号資産交換業者は、暗号資産の取扱いに当たって審査を行う立場であり、そのためには、暗号資産についての技術的・専門的知見が備わっていることが求められる。そのため、上述の情報の非対称性を解消するための情報は、暗号資産の取扱いを行う暗号資産交換業者において収集し、顧客にとって分かりやすい形で必要な情報を提供することが基本であると考えられる」とさせていただいております。

9ページは、まず情報提供規制の対象となる行為について記載しております。私募・私売出し相当の行為の扱いについては、この後の資料2のほうで議論をさせていただければと思います。また、発行者に対する業規制の適用関係についても記載しております。

10ページは、情報提供の方法・タイミングについて記載しております。

11ページは、継続情報提供についてです。適時の情報提供について、2つ目の四角で、「特に暗号資産については、技術・仕様等が発展段階にある場合が多く、伝統的な金融商品よりも変化のスピードが速いことが想定されるため、その状況に応じた適時のタイミングでの適切な情報提供がなされることがとりわけ重要である」とさせていただいております。その下の四角で、「投資判断に重大な影響を及ぼす事象が発生した場合には、…適時の情報提供を行うことを義務づけるべき」としつつ、「どのような事象が投資判断に重大な影響を及ぼし得るかについては、実務において一定の明確性が確保されるように検討を行うべきである」とさせていただいております。

その下が定期的な情報提供についてです。

12ページは、継続情報提供の続きです。まずは継続情報提供の方法についてです。

その下の継続情報提供の解除・免除について、まず、解除のほうでございます。1つ目の四角で、解除については、「当局等の認定により発行者に対する継続情報提供義務の解除を認めることが適当」とさせていただいております。また、下側の免除についても同様に、「当局等の認定により…免除することが適当である」と記載させていただいております。

13ページは、情報提供の内容の正確性の確保についてです。1つ目の四角のなお書きで、「将来的には、実務やビジネスの普及状況も見据えながら、第三者による評価の活用も視野に入れるべきである」と記載させていただいております。

14ページは、業規制についてです。総論、その後、個別論点として兼業規制、利用者財産の管理についての記載をしております。

15ページは、個別論点の中の責任準備金についてです。1つ目の四角で、「ハッキングによる流出リスクがあり、…備えが必要である」としつつ、「暗号資産交換業者にとって過重な負担とならないよう配意」することといった記載、また、過去の流出事案の発生状況とともに「セキュリティ水準等を踏まえた適切な水準の責任準備金の積立てを求めるべき」とさせていただいております。

その下の業務管理体制の整備についてです。②の「顧客がリスク負担能力の範囲内で取引を行うことを確保するための確認を行う体制」、これについて、2つ目の四角で、「顧客適合性を確保する観点から実効的なものとなるよう、実務において具体的な対応を検討していく必要がある。なお、暗号資産取引をはじめとして近年の個人投資家による金融取引の多くはインターネットを通じて行われており、そうしたオンライン取引について、金商法の適合性原則をどのように実践し実効性を確保していくかについては、有価証券の取引を含めた金融取引一般の問題として今後検討を深めていくべき課題である」とさせていただいております。

16ページは、退出時における顧客財産の適切かつ円滑な返還、また、仲介業規制に関して記載をしております。

17ページは、銀行・保険会社本体における取扱いについてです。

18ページは、銀行グループ・保険グループの取扱いについてです。

19ページは、無登録業者への対応等についてです。無登録業者への対応、投資運用等に係る不適切行為への対応、また、支払手段としての利用者被害の未然防止について記載しております。一番下のところで、また書きで、「現在でも一部の暗号資産交換業者ではそうした(未然防止のための)取組が行われており、事業者の取組みが業界全体として進むよう、自主規制機関が会員に対して好事例を横展開すること等が期待される」とさせていただいております。

20ページは、海外の無登録業者への対応、また、DEXへの対応についてです。

21ページは、リテラシーの向上等についてです。一番下の四角のまた書きで、「J-FLECによる啓発活動のみならず、行政や暗号資産交換業者等による啓発活動等、多方面から投資者へアプローチすることも検討すべきである」とさせていただいております。

22ページは、サイバーセキュリティに関する取組みについてです。

23ページは、市場開設規制についてです。

24ページから、インサイダー取引規制についてです。このページでは総論について記載しております。

25ページはインサイダー取引規制の続きです。規制の対象とすべき暗号資産、重要事実について記載しております。

26ページは、規制対象者、公表措置についてです。

27ページは、禁止行為・適用除外についてです。

28ページは、その他のものについて記載しております。

29ページは、不公正取引規制のうち、その他のものについてです。暗号資産特有の不公正取引規制について、不正行為について「暗号資産の不正行為の一般禁止規制や偽計等の禁止規制により対応する余地がある」としつつ、一番下の四角で、「匿名性が高く、グローバルに取引される暗号資産について、それに関連する不正行為の全てを直ちに抑止することは限界がある」ということを指摘しております。「今後、各国の規制動向も注視しながら、実際に発覚した不正事案等に応じて類型的に抑止を図っていく必要性が認められた場合には、将来的に追加的な対応も検討していくべきある」とさせていただいております。

30ページは、課徴金制度・その他のエンフォースメントについてです。

以上が全体像でございますが、今後の取りまとめも見据えまして、記載ぶりについて修正すべき点などがあれば御指摘いただければと思います。

続きまして、資料2に移らせていただければと思います。こちらはこれまでの御議論の中で積み残しとなっている事項及び若干の新規論点を取り上げておりますので、御議論いただければと考えております。

1ページは目次です。情報提供規制、業規制、不公正取引規制、自主規制機関の機能強化等について論点を整理しております。

2ページは、情報提供規制についてです。こちらは全体像の絵でございますが、第3回のワーキング・グループでは、情報提供規制の方向性について多数の御賛同をいただいた一方、個別の論点については様々な御指摘をいただいているところでございます。

3ページで、個別の論点ごとの主な御指摘をまとめています。これ以降のページでは、個別の論点ごとに御指摘を踏まえた検討を行っております。

4ページ、まず、情報提供の内容についてです。第3回ワーキング・グループでは、情報提供の内容につきまして、この青塗りの概要を御議論いただいております。それにつきまして、下のところで記載のような御指摘があったところです。

5ページは、暗号資産のリスクの観点からどういった情報が提供される必要があるか整理したスライドでございます。1つ目の四角は、IOSCOにおける報告書での暗号資産のリスクに関する指摘です。一方で、これらのリスクには例えばボラティリティが高いといったことや詐欺のリスクなど、暗号資産全般に関し、投資者への啓発ですとか、事業者による説明義務で対処すべきものも含まれていると考えます。一方で、一番下に記載されているような個別の暗号資産に係るリスクであって情報の非対称性がある内容については、投資者への情報提供を通じて対処することが適当ではないかとしております。

6ページです。前のページの整理を踏まえまして、この表に記載のように、個別の暗号資産のリスクに対応した情報提供が行われることが重要であり、また、一番下の青塗りの情報、これは商品性に関する情報でございまして、こうした情報も投資者に分かりやすく提供されることが重要ではないかと考えます。2つ目の四角で、この点、欧州のMiCAでは、法定のホワイトペーパーを分かりやすく要約した資料(サマリー)を提供しなければならないこととされていることを踏まえ、この表に記載されているようなリスク・商品性に関し特に重要な事項についてはサマリーを提供することとしてはどうかとしております。

11ページです。続きまして、情報提供規制の対象者についてです。第3回ワーキング・グループでは、情報提供規制の対象者に関しまして、以下の点について御議論をいただきました。これについては、下の部分に記載のような御指摘がございました。

12ページは、中央集権的管理者の範囲、つまり、類型①とする暗号資産の対象についてです。基本的な考え方といたしまして、情報提供規制の対象者については、情報の非対称性を解消する観点から誰に情報提供を義務づけるかを考える必要があり、また、それは、情報提供規制及び不公正取引規制の適用を画することから、暗号資産に関連する技術やビジネスは変化の速い分野であることを踏まえた柔軟性に配慮しつつ、明確性をより重視した制度設計とすることが適当ではないかとしております 。

その上で判断基準・プロセスです。中央集権型暗号資産については、中央集権的管理者の活動に由来するリスクとして希薄化リスク・事業リスク等があり、当該リスクについて情報の非対称性を解消する必要がある。そうした観点から、流通面と内容面の支配に着目することが適当ではないかとしています。そうしますと、現状においては、例えば以下の3つの類型は基本的に中央集権型暗号資産に該当すると考えられるのではないかとしております。つまり、(1)特定の者のみが発行権限を有するトークン。これは発行・生成を管理する主体が存在します。(2)パーミッション型のトークン。これは移転を管理する主体が存在すると考えられます。また、(3)ERC-20など基盤となるトークン規格に基づき発行されるトークン。これはトークンの仕様を定める主体が存在すると考えられます。

この基準によりますと、中央集権型暗号資産の該当性を外形的にも明確に判断することが可能となるのではないかと考えます。いずれにしましても、中央集権的管理者が資金調達を行う場合、それに伴う責任として情報の非対称性を解消するための情報提供を義務づけることとしますが、暗号資産交換業者は、暗号資産の取扱いに当たって審査を行う立場であり、情報の非対称性を解消するための情報は暗号資産の取扱いを行う暗号資産交換業者において収集し、顧客にとって分かりやすい形で必要な情報を提供することが基本と考えます。そうした観点から、中央集権型暗号資産に該当するか否かに拘泥する必要はなく、いずれの場合であっても投資者の投資判断にとって重要な情報が提供されるように取り組むことが重要ではないかとしております。

なお、中央集権型暗号資産の該当性については、上記の基準を踏まえまして、まずは暗号資産の取扱いを行う暗号資産交換業者において審査し、自主規制機関においてチェックする過程で判断されることになるものと考えられます。

少し飛ばして説明しましたが、真ん中辺りの記載に戻りまして、上から3つ目の四角の2行目です。では、誰が中央集権的管理者なのかですけれども、それは、暗号資産の発行・移転権限や仕様の設計・変更権限を有する主体であり、プロジェクトの運営主体も通常同じと考えられます。仮に分離していたとしても、実質的に一体として管理を行っていると捉えればよいのではないかとしております。なお、将来的に様々な暗号資産の形態が開発され得るため、この類型分けにつきましては柔軟な制度とする必要があるのではないかと考えております。

15ページは、規制対象となる行為についてです。第3回ワーキング・グループでは、私募・私売出し相当の場合の適用除外に関して以下のような御議論をいただいております。それについての主な御指摘は、下に記載のとおりでございます。

16ページ目は、私募・私売出し相当の場合の適用除外についてです。以下、第3回ワーキング・グループでの御指摘に沿って論点を提示する形にしております。まず、プロ私募・私売出しの対象となる投資家の範囲についてです。現行の金商法における適格機関投資家は、有価証券投資についての専門的知識及び経験を有する者として位置づけられているものの、適格機関投資家は、有価証券のみならず暗号資産を含めた幅広い投資商品について、情報を適切に入手・分析できない場合には取引を行わないと合理的に判断することを含め、自ら投資判断に必要な情報収集・分析する能力を有していると考えられること。また、欧州のMiCAでも基本的に有価証券投資の「プロ投資家」を暗号資産投資の「プロ投資家」と位置づけていることから、我が国においても、暗号資産の「プロ私募・私売出し」の対象となる投資家の範囲については、現行の金商法における適格機関投資家を対象とすることが適当ではないかとしております。

一方、調達金額が少額の場合は、ポツで書いておりますが、少額の資金調達であっても、広く一般投資家を相手方として勧誘を行う場合には情報提供が行われることが望ましいこと、また、少人数私募・プロ私募相当の枠組みを活用してスタートアップの資金調達ニーズを満たすことが可能であり、少額免除相当の枠組みを設ける実務上のニーズが高くないと考えられることから、情報提供規制や業規制の対象とする、つまり、少額免除の制度は設けないことが適当ではないかとしております。

17ページは続きの点で、暗号資産交換業による「私募・私売出しの取扱い」です。暗号資産交換業者が発行者のために少人数・プロ投資家向けの勧誘を代行する行為についても、情報提供規制により勧誘対象者の保護を図る必要性が低いことは同様であると考えられるため、暗号資産交換業者の情報提供義務を免除することが適当ではないかとしております。

次に、転売制限とその実効性確保についてです。少人数を相手方として勧誘・販売されたトークンが多数の者に譲渡されることや、適格機関投資家を相手方として勧誘・販売されたトークンが適格機関投資家以外の者に譲渡されることを防止するため、一括譲渡以外の方法による譲渡禁止や適格機関投資家以外の者に対する譲渡禁止といった転売制限を設けることが適当ではないかとしております。その際、転売制限の実効性を確保するため、転売を行おうとする者に対して、転売制限が付されている旨等を告知する義務を課すことが適当ではないかとしております。

次に、転売制限の解除についてです。株式の場合ですけれども、私募で発行された株式等は、基本的に有価証券届出書の届出がなされた場合には、広く一般投資家を相手方として転売することが可能となっております。暗号資産についても、一般投資家に対し投資判断に必要な情報が提供された場合には、広く一般投資家を相手方とした転売を可能とすることが考えられます。具体的には、発行者が暗号資産交換業者を通じて広く一般投資家から資金調達をする場合や、暗号資産交換業者が取引所または販売所で取り扱おうとする場合には、発行者又は暗号資産交換業者による情報提供が行われることとなります。そうした場合には転売制限を解除することが適当ではないかとしております。

22ページは継続情報提供についてです。第3回ワーキング・グループでの御議論・御意見は、このページに記載のとおりです。

23ページです。まず、発行者による定期情報提供の頻度について御指摘がございました。この点につきましては、暗号資産については、技術・仕様等が発展段階にある場合が多く、伝統的な金融商品よりも変化のスピードが速いことが想定されるため、その状況に応じた適時のタイミングでの適切な情報提供がなされることがとりわけ重要と考えます。その一方、定期的な情報提供の必要性は相対的に低く、以下の点も踏まえると、年1回とすることが適当ではないかとしております。

つまり、定期的な情報提供は、投資者の利便性の観点から適時の情報提供を補充するものにとどまること。欧州(MiCA)においても、適時の情報提供のみを求めていること。会社法上の計算書類及び事業報告や金商法上の有価証券報告書は事業年度ごとに作成することとされており、事業年度ごとの情報提供が基本であること。また、有価証券の価値は、発行者の事業収益と直接的に関連するものであるのに対し、暗号資産の価値は発行者の事業利益とは直接的に関連するものではないこと、といった点を挙げさせていただいております。

次に、暗号資産交換業者による継続情報提供義務の消滅についても御指摘がございました。発行者が資金調達を行わず、暗号資産交換業者により取扱いが行われる場合、暗号資産交換業者が情報作成・提供義務を負うところ、暗号資産交換業者が当該暗号資産の取扱いを廃止する場合については、当該暗号資産交換業者において取扱い廃止前に利用者への事前周知を十分に行うことを前提に、暗号資産交換業者の継続情報提供義務の消滅を認めることが適当ではないかとしております。

25ページは、募集・売出し時の投資者保護についてです。第3回ワーキング・グループの御議論・御指摘は御覧のとおりでございます。

26ページは、まず、投資上限の設定についてです。対象事業のリスクがある暗号資産の『募集・売出し』が行われる場合には、その発行者の財務面について、本来、監査法人による監査が行われることが望ましいと考えられます。そうした財務監査がなされずに、投資者に販売圧力がかかる場合には、投資者が拙速に過大な投資を行うことがないよう、特に投資者保護を図る必要があると考えます。そうした観点から、発行者が広く一般投資家から資金調達をする場合に、監査法人による財務監査が行われていないときは、投資者が販売圧力によって過度な損失リスクを負うことを予防するため、株式投資型クラウドファンディングの場合を参考に、投資者の投資上限を設けることとしてはどうかとしております。なお、※でございますけれども、投資者が投資条件を超えて暗号資産を購入することを防止するため、発行者と暗号資産交換業者間の契約において、発行者は国内外で複数の資金調達を同時に実施してはならないこととすることが適当ではないかとしております。

次に、コード監査の質の確保です。コード監査について、その質が適切に担保されるよう、法令やガイドライン等において、コード監査の実施者について専門性や体制など必要な要件を定めることが適当ではないかとしております。

次に、発行者と暗号資産交換業者の利害関係についてです。発行者と暗号資産交換業者に資本関係等の利害関係がある場合、販売勧誘を行う暗号資産交換業者と投資者との間で利益相反が生じ得るものと考えられます。このため、そうした利益相反を予防するとともに、投資者が利益相反の存在を認識した上で投資判断を行うことができるよう、暗号資産交換業者において、発行者との利害関係がある場合には投資者に説明することが適当ではないかとしております。

また、無償発行等による問題についての御指摘がございました。その点につきましては、暗号資産の発行者が特定の者に対して大量の無償発行等を行うことにより、既存の投資者の利益を害することがないよう、発行者と暗号資産交換業者間の契約において、発行者は『上場』審査中及び『上場』後の特定の者に対する有利発行を原則として実施してはならないこととすることが適当ではないかとしております。また、インサイダー取引の温床となり得るため、発行者及びその関係者に対し、『上場』前及び『上場』後の一定期間は保有するトークンを売却してはならないこととしてはどうかとしております。

27ページ、情報提供義務の対象者に対する規律付けについてです。発行者により作成される情報の虚偽記載や不提供について、基本的に有価証券届出書等の虚偽記載や不提出と同様の発行者に対する罰則や損害賠償に係る民事責任規定を設けることが適当ではないかとしております。注3で、このほか、暗号資産交換業者が発行者により作成される情報の虚偽記載や不提供を知っているにもかかわらずその暗号資産を取り扱った場合について、暗号資産交換業者に対する罰則を設けることも考えられるのではないかとしております。

一方、暗号資産交換業者により作成される情報は公開情報に基づくものであり、利用者も情報収集能力があれば自ら知得可能であるため、暗号資産交換業者により作成される情報の虚偽記載や不提供については、発行者により作成される情報の虚偽記載や不提供に対する罰則よりも軽減したものとし、損害賠償に係る民事責任についても、立証の困難性を考慮した損害賠償額の法定又は推定規定のみを設けることが考えられるのではないかとしております。

また、情報提供規制の実効性を確保し、違反行為への抑止力を高めていく観点から、有価証券届出書等の虚偽記載や不提出に係る課徴金制度を参考に、発行者や暗号資産交換業者により作成される情報の虚偽記載や不提供があった場合や、暗号資産交換業者が発行者により作成される情報の虚偽記載や不提供を知っているにもかかわらず暗号資産を取り扱った場合について、発行者や暗号資産交換業者に対する課徴金制度の創設を検討することが考えられるのではないかとしております。

29ページから業規制についてです。新しい論点を2つ提起させていただいております。

30ページ、暗号資産の借入れについてです。まず、金融庁の公表したディスカッション・ペーパーの記載ですが、いわゆるステーキングサービスについては、それを規制対象とする必要性について、将来的な課題として継続的に注視していくことが考えられるのではないかとしておりました。

これに対して寄せられた御意見の中では、ステーキングサービス等についても大量の暗号資産が関与するため潜在的なリスクが存在するということで、暗号資産交換業の登録を必要とすべきか検討が必要。あるいは、ステーキング提供者について、暗号資産交換業者とそうでない業者の間で規制のアービトラージが生じている可能性があるので、暗号資産交換業者に対して実施しているものと同程度の規制上の対応を課すべきといった御意見がございました。

まず、暗号資産の借入れに係る現行法の規制についてです。他人のために管理を行っている暗号資産をステーキングに供する場合には、管理ということですので、暗号資産交換業の登録が必要となります。一方で、暗号資産を借り入れる場合には、暗号資産交換業の登録は不要とされております。その上で、暗号資産交換業者が暗号資産の借入れを行う場合には、一定の措置を講じることが義務づけられているものの、借入れそのものについての適切な体制整備を行うことは求められていない状況にございます。

31ページは、暗号資産の借入れへの対応です。広く暗号資産を借り入れてステーキングや再貸付け等により運用し、一定期間経過後に貸借料を付して利用者に返還するビジネスでは、事業者(借主)が借り入れた暗号資産について、現行の暗号資産の管理に係る規制が及ばないことに加え、利用者(貸主)が事業者の信用リスクや暗号資産の価格変動リスクを負うと考えられます。

※2でございますが、実態として、10%台の利率での返還を約するものや、貸出し期間が年単位で設定され、期間中は返還が制限されるといったものが見受けられます。また、再貸付先の貸倒れや、委託先におけるスラッシング等のリスクについて特に確認を行っていないような事業者も見受けられる状況にございます。

こうしたビジネスにつきましては、利用者からみれば上記のリスクを取ってリターンを追求するという意味で投資的な性格を有するということから、金商法の規制対象とし、借り入れた暗号資産に関する適切な体制整備を義務づけてはどうかとしております。具体的には、例えば以下の行為規制を課すこととしてはどうかということで、再貸付先の貸倒れや、スラッシング等に関するリスク管理体制の整備、あるいは借入れに係る暗号資産のうち自己で保管するものについて、安全に管理するための体制整備、また、顧客へのリスク説明や広告規制、こういったものを求めてはどうかとしております。

※3で、なお、機関投資家や個人が暗号資産交換業者から借り入れる場合のような対公衆性のない借入れについては、業規制の対象とならないようにすることが考えられるのではないかとしております。

33ページ、参考として暗号資産の借入れに関するリスクの指摘の資料をつけております。FSBの報告書、テーマ別レビューがちょうど先月中旬に公表されております。その中で、暗号資産の借入れや借入れに伴うステーキング等に関するリスクが指摘されておりまして、我が国の取組が不十分であると評価されているところでございます。また、一番下のところで、英国のFCAのディスカッション・ペーパーでも借入れに係るリスクが指摘されております。

続きまして、34ページです。次の論点としまして、暗号資産の管理を行うための重要なシステムの外部委託への対応についてです。最近の暗号資産交換業者における利用者財産の不正流出事案では、暗号資産交換業者向けのウォレットソフトウェアを提供する事業者がサイバー攻撃を受けたことが不正流出の一因となったものが見られます。現行の資金決済法においては、暗号資産交換業の一部を第三者に委託する場合には、暗号資産交換業者において委託先の業務の適正かつ確実な遂行を確保するために必要な措置を講じるべきものをされておりまして、委託元である暗号資産交換業者による指導等に委ねられているところでございます。

上述の不正流出事案の再発防止の観点からは、暗号資産交換業者向けに暗号資産の管理に係るシステムを提供する外部事業者における業務の適切性を確保することが不可欠と考えます。そこで、暗号資産交換業者が委託者に対する指導等を適切に行う責任を負うことを前提としつつも、暗号資産交換業者に対して暗号資産の管理を行うための重要なシステムの提供等を行う事業者については、その業務の適切な運営を確保するため、例えば事前届出を義務づけ、一定の欠格事由及び行為規制、システムの安全性の確保義務等でございますけれども、そういった規制を設けることとし、行政の直接の監督権限を設けることが適当ではないかとしております。

その上で暗号資産交換業者が外部の者から暗号資産の管理を行うための重要なシステムの提供等を受ける場合には、届出を行った事業者のみから提供を受けることができることとすることが適当ではないかとしております。

続きまして、36ページからは不公正取引規制についてです。

37ページは、インサイダー取引規制についてのこれまでの議論です。第4回ワーキング・グループでは、暗号資産のインサイダー取引規制について、上場有価証券等のインサイダー取引規制の枠組みをベースにしつつ、暗号資産の性質を踏まえた規定ぶりとする方向性について概ね賛同いただきました。枠組みの概要は下の表に記載のとおりでございます。

38ページ、インサイダー取引規制についての御指摘と検討の方向性について、一問一答の形で整理しております。まず、対象暗号資産についてです。第4回ワーキング・グループでの御指摘として、どの暗号資産が規制対象になるのか、分かりやすく情報提供されることが重要。取扱申請された暗号資産も規制対象とするのは、規制の明確性の観点から難しいのではないかといったものがございました。この点、規制対象の明確性の観点から、暗号資産交換業者に対し、正式な取扱申請があった暗号資産の公表を義務づけることについてどう考えるかとしております。

次に、重要事実についてです。第4回ワーキング・グループでは、次のような御指摘がございました。まず、1つ目の黒丸でございますけれども、欧州(MiCA)では、暗号資産の機能の変化や国の政策等も重要事実に含まれております。こうした情報も重要事実に含めるか否かについて整理を行うべきではないかといった点でございます。一番下の四角で、上場有価証券等のインサイダー取引規制では、金融政策の変更やアナリストの分析等の外部情報は、規制対象が不明確となることで萎縮効果が生じるおそれや、投資者が不安定な立場に置かれることへの懸念等を踏まえ、重要事実に含まれない扱いとなっております。暗号資産についても、規制の明確性の観点から、これらの情報を重要事実に含めないこととすることが適当ではないかとしております。

また、前に戻っていただきまして、重要事実についての2つ目の黒丸です。特定のサービスで決済手段として使われている暗号資産の場合、そのサービスの廃止等の事象も重要事実に含めるべきではないかといった御指摘でございます。その点、次のページの1つ目の四角ですが、中央集権型暗号資産については、例えば、特定のサービスで決済手段として扱われている場合、当該サービスの廃止等の事象が生じた場合には、発行者の業務等に関する発生事実と考えることができるのではないかと考えられます。一方、非中央集権型暗号資産については、上場有価証券等のインサイダー取引規制においても、発行者が関わっていない外部での利用状況等の情報は基本的に重要事実に含まれないことを踏まえると、そうした情報を重要事実に含めることには慎重な検討が必要ではないかとさせていただいております。

前のページに戻っていただきまして、下側の重要事実についての3つ目の黒丸です。実務上、発行時に全ての暗号資産を特定の者に割り当てた上で、その者が徐々に市場に出していくケースもあるため、発行だけでなく、売出しも重要事実に含めるべきではないかといった御指摘でございます。その点につきまして、39ページの3つ目の四角で、中央集権型暗号資産の発行者の業務等に関する重要事実には、新規発行だけではなく、既発行の暗号資産の販売についても含めることが適当ではないかとさせていただいております。

40ページから自主規制機関の機能強化です。

41ページを御覧ください。これまでワーキング・グループにおきまして、自主規制機関の機能の抜本的な強化について多くの御指摘があったところでございます。この表はこれまでのワーキング・グループの中で御議論いただいたものを整理したものでございますが、今後、自主規制機関においてはこうした対応を進めていく必要があるのではないかとしております。

続きまして、次のページから2つ、補論として記載を設けております。

43ページを御覧ください。補論の1つ目として、これまでに生じた事案等への対応を整理しております。これまでワーキング・グループで御議論いただいたものを、課題、これまでの取組み、今後の主な取組み(案)としてまとめておりますので、御参照いただければ幸いです。このページは、事業計画が未実現なICO事案や販売後の価格が著しく低下したIEO事案についてのものでございます。

44ページは、ハッキング等による顧客の暗号資産の流出事案への対応についてです。

45ページは、無登録業者等による詐欺的な投資勧誘等の事案、また、下のほうは暗号資産が詐欺的な投資勧誘の支払手段として利用される事案についてです。無登録業者の詐欺的な投資勧誘等の事案の一番下のところで、1点だけ補足説明させていただければと思います。現行の金商法では、対価を受けてインターネットサイト等で投資判断に関する意見を表示する場合においては、その対価を受ける旨を表示することが義務づけられております。いわゆるステルスマーケティング規制でございます。これを暗号資産にも適用することがよいのではないかとさせていただいております。

47ページから、補論の2つ目として、デジタル資産の規制の全体像です。

48ページは、デジタル資産の規制の概要について、本ワーキング・グループでの議論に基づく規制の見直し後の形で整理をしております。御参照いただければ幸いです。

私からは以上です。

【森下座長】

ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明を踏まえまして、委員の皆様に御討議をいただきたいと思います。時間も限られておりますので、いつものことで恐縮ではございますけれども、お一人当たり5分程度以内で御発言をいただければと思っております。今回も2時間半での開催としており、討議の時間を長めに用意しておりますところ、委員の皆様におかれましては、会議の時間を超過しないように進行に御協力いただけますと幸いです。

議論の内容は多岐にわたるところ、これまでのプレゼン内容への御質問のほか、これまでの議論の整理に対する御意見や、事務局説明において特に何々ではないかということで御意見をお伺いしている点を中心に御発言をいただきますと幸いです。

御発言を希望される際には、対面で御参加されている方につきましては、机上の札を縦にしていただき、オンラインで参加されている方におかれましては、オンライン会議システムのチャット上にて全員宛てに発言がある旨御入力いただければ、それを確認して指名させていただきます。なお、若干の順番の前後がある点につきましては、御了承いただけますと幸いです。

それでは、岩下委員、お願いします。

【岩下委員】

どうもありがとうございます。それでは、まず本日の事務局の資料1の暗号資産取引の現状、2ページ、3ページのことについての見解を述べたいと思います。そろそろ報告書をどう書くかというタイミングになってくるかと思いますので、こういった現状認識というのは非常に大事なところだと思います。ただ、改めて、ここに書かれているのは主として日本の国内の投資がどうなっているかというお話だと思います。金融庁が所管するほかの金融との関係ではそこは自然なように感じるのですが、暗号資産というものは少し不思議な、他の金融商品等とは異なる市場の構造をしているということについて、最初に申し上げていきたいと思います。

まず、現在の世界全体の暗号資産の時価総額というのは、今現在のタイミングでいうと約3.4兆ドル、500兆円に達するところです。これはコインマーケットキャップの集計値です。これに対して、国内の登録交換業者を通じた取引、私はオフチェーン取引と呼んでいますが、交換業者が国内の顧客に販売してその分を預かっている預かり資産の総額は、直近、たしか8月だったと思いますが、5兆円だったかと思います。したがって、全世界で取引されている暗号資産のうち国内で取引されているのは約1%であるという事実です。結局これは、我々がこの場で議論して規制できるものというのは、実は暗号資産、ビットコインやその他様々なものがありますが、それらのものの1%にすぎないのだということを示しています。

これはなかなかほかの金融商品では見られない市場構造です。というのは、もちろん株というのは全世界にありますが、日本の国内企業が発行している株式は、圧倒的に日本の国内で売買されています。外国人投資家が購入するといっても、せいぜい3割程度が、しかも日本の国内の金融商品仲介業者を通じて購入することが大宗ですので、そういう意味からも、基本的には日本の金融商品は日本の庭先で取引されているわけです。他方、海外の金融商品は、日本法の適用外にあり、国内規制の対象とはなりません。

ところが、日本の国内で売買されているビットコインも、海外で売買されているビットコインも、ビットコインはビットコインなので同じなのです。そういう意味では、我々が暗号資産をコントロールしようと思っても、結局、我々の影響が及ぶ範囲というのは、たかだかオフチェーンの取引の世界にある1%にすぎないということです。

それ以外のオンチェーンでの投資が日本の国内にどれだけあるかはよく分かりませんが、世の中でよく言われているクジラがどうのという話は、日本の国内投資家というよりは海外の投資家の方々がやっていることのように思われますので、この部分についても極めてグリップが弱い。我々はそもそも国際的な協調をしないと非常に規制しにくいものを相手にしているという意味で、ほかの金融商品と全く違うという認識がまず必要なわけです。

もう一つは、これもよく申し上げますけれども、オンチェーンとオフチェーンの2つがあるということです。取引所で一応制度的にきちんと完備された、日本の国内できちんとルールを守ってやっているオフチェーンの取引、これが先ほどの5兆円です。これ以外に海外でのオフチェーンももちろんあるのでこれが何兆円あるか分かりませんが、そういうものと一切関わらないオンチェーンだけという取引、恐らくこれが圧倒的に多いだろうと思われますが、それらが匿名性を保ったまま、かつ国境を越えてリアルタイムに資金が移動しています。この構造の中で我々は規制を入れていかなければいけないということで、これは伝統的金融商品とは全く違うものだという認識を全体の構造の中でぜひ整理していただきたいと思います。

というのは、結局それを我々は果たして規制できるのだろうかという問題にも関わるわけです。もちろん伝統的金融と暗号資産が違うといっても、特に私は犯罪利用のようなことを気にしているわけですが、伝統的金融の世界でも犯罪は起こりますし、最近も様々な不祥事があちこちの金融機関で生じていて、それについては大変遺憾なことですけれども、そういう事件が起きたときに、一応取引の記録があって、監督主体があって、原因が究明されて、関係者が処分されて、犯罪が立件されて、裁判があって処罰されるという、そういう仕組みがきちんと制度的に回っているのが伝統的金融の世界だと思っています。そこから逃れるものがごく僅かあるかもしれませんが、全体として市場秩序が維持されているのです。

ところが、暗号資産の場合は、同様の仕組みが実はほとんど成立していないと私は感じています。多くの事件が過去にも日本や海外で起きましたが、行為主体の特定に至ったものはほとんどありません。被害者の救済については、オフチェーンの取引において、交換業者が全部自分で被って補償したということはありますが、犯罪者から取り立てて資金が戻ってきたというものはほとんどないはずです。

本来、ブロックチェーンというのは技術的に透明なものです。全ての取引がブロックチェーン上に記録されているから、トランスペアレンシーが高いというのが売りであるはずです。それにもかかわらず、実際にはそのブロックチェーン上に書かれている取引主体は全て匿名でありまして、どこの誰であるか基本的に分からないので、誰にも責任を帰すことができないという大変困った仕組みを持っているわけです。

この欠陥を前提にすると、規制を整備すれば市場がきれいに整うものだという期待を持つことは恐らく正しくないと考えます。本日も議論されているような規制制度が対象とし得るのは、実効的に規制が届く範囲、すなわち、国内の交換業者が取り組んでいるオフチェーンの取引領域だけに限られます。本来の制度設計の目標は、市場全体、暗号資産全体をきちんと一定のルールの下に制御していくことにあるべきです。しかし、全世界の規制当局が協力したとしてもそれは非常に難しく、結局、全体のリスクは残る。その残る部分をどうやって隔離していくかが大きな課題になるというのがこの暗号資産の規制の難しいところだと考えています。

金融庁の政策方針として、自らに限界があるということを書くこと自体はなかなかためらわれるところだとは思いますが、相手が相手であるだけに、これはそう書いたとしても誰からも咎められる話ではないので、それはむしろ実態をきちんとわきまえているということをきちんと表明したほうがよろしいのではないかというのが、この報告書に向けて私が申し上げたいことです。

私自身は、暗号資産が登場するかなり前から、暗号技術やサイバーセキュリティ、電子現金という研究をやってきた人間です。その立場から言うと、この暗号技術の進歩が匿名性とか自律分散性とかいったものを武器として、各国の法律秩序や治安の維持に対して脅威を与えてしまっていることを大変残念に思っています。こういった技術的成功、ビットコインは技術的成功と言ってよいでしょうが、それが社会的な統制の外に拡張してしまったという、この現実を踏まえた上で、これできれいに規制できるという言説を取らないようにしたほうがよいというのが私の考えです。

つまり、暗号資産の多くはまさに国家が制御することは不可能な領域に達してしまっているので、放置はできないけれども、それは完全に規制するのではなくて、規制をするべき対象とその範囲をきちんと区切った上で、その中でさらに被害が拡大しないように適切な保護を与える、警鐘を与えるということなのだと思います。

そういう意味では今後の報告書で、こういった当局としてできることの限界をある程度言語化して、制度外のリスクが残念ながら残り続けるということを国民に対してきちんと説明するということが制度への信頼を保つ唯一の道だと思います。逆に、規制できましたと言ってしまうと、これはこのワーキング・グループで何度も議論されてきた、本日事務局の御説明もあった、お墨付きを与えてしまうという話になりかねないわけです。我々は、お墨付きを与えるべきか、与えるべきでないかという議論以前に、そもそもお墨付きを与えることは原理的に不可能なものであるということを認識するべきだと思います。

その上で結論として申し上げたいのは、暗号資産市場をきれいに整えるということは無理ですが、きれいでないという事実を隠さずに制度の限界を示すということは、政策として可能だと思うので、統制の幻想のようなものを語るよりは、統制の限界を明示するということが必要だということを申し上げたいと思います。以上が資料1の前半部分に関するコメントでした。

資料2についても様々申し上げたいことがありますが、時間の制約もありますので、取りあえず私が気になったのはやはり、先ほどの御説明のときにはかなりスピーディーに触れていただいた43ページの補論①「事業計画が未実現のICO事案や販売後に価格が著しく低下したIEO事案」です。これは過去に少し困った事件がありました、ということでは多分ないと思います。

というのは、この問題の根底、原因となった事象というのは何一つ解消されていないからです。しかもこれは、ICO・IEOというのは特殊なことのように聞こえますけれども、我々がこの資料2の前半部分で情報公開として語った部分のほとんどは、実はこのICO・IEO案件に係るものであると私には見えます。というのは、ビットコインやイーサリアムについては、恐らく、今回の我々のこの前半にあった情報公開その他の議論というのはほとんど関わってこないからです。関わってくるのは「国内で発行される新しいトークン」であり、それはICO・IEOで発行されるもののことになるわけです。

そうすると、実はこの43ページに書かれた事象は、前々回に詳しく申し上げましたので改めて申し上げませんが、インセンティブ構造が欠落しているという構造的な問題があるので、これが値上がりをする資産になるということはなかなか難しいという問題があって、事実、どれ一つとして値上がりしていませんので、投資商品としてこれを勧めていくということは、私自身の良心にも反するのではないかと感じるほど重大な懸念を抱いております。

この点についてぜひ、過去に少し特殊な事例がありましたという話だけではなくて、全体に関わる話であるという認識の下に、改めてこういう問題を御検討いただきたい。特にここで書かれたことを実行し、情報開示等を十分にすればそういう問題は解決するのかというと、インセンティブ構造をそれで直すことはできないので、そこはインセンティブ構造がまともなものをトークンとして設計していただく以外に方法はないと私は思います。いずれにせよ、この部分についての考え方は、今回の非常に長い分量のあった資料2の前半の情報公開の部分全体に関わってくる話なので、これは決して逃げてはいけない話だと思っています。

それから、本日追加された31ページの暗号資産の貸付けに当たる部分の議論についてです。これはステーキングですとかスラッシングですとかいろいろとこういった用語が書かれているのですが、取りあえず私が知っている限りでは、ステーキングですとかスラッシングは、どちらかというとDeFiの文脈で、オンチェーンで行われることがメインの取引のように思います。ここで書かれていることを読むと、何かオフチェーンで交換業者にこういった機能を持たせるということを前提にするような話になっています。基本的にこれらのものとしてきちんとした規制を入れること自体には決して反対ではありません。それは国際的にもそれが望ましいということなので、それはいいと思うのですが、ただ、ここで言っていることは今の市場の実態と合っているのだろうかというのが私は少し心配です。

これについて、交換業者が実名ベースのオフチェーン取引で提供するということであればやってもいいと思いますが、そもそもこれらのもののほとんどは、今現在はオンチェーンで行われていて、そこには交換業者もいなければ、お互いの名前も知らないまま、匿名で行われていることが多いのではないでしょうか。私はそういう認識ですので、事実はもしかしたら実名でやっているものもあるのかもしれませんが、そういうDeFi的なものについてこれをルールの下に対応するということになると、それはそれがいいことなのかどうなのかということで少し議論があると思います。

以上の2点について内容についてコメントをさせていただきました。私からは以上です。

【森下座長】

ありがとうございました。では、大槻委員、お願いします。

【大槻委員】

御説明ありがとうございました。多岐にわたる内容でございましたけれども、まず全体観としては、最初からの議論のとおり、金融イノベーションと投資家保護という、このバランスは取れている内容だと思いますし、無理のない内容となっていると思います。

岩下委員もおっしゃった国際性ということについては、私も当初から気にしているところでありますので、書き方については、確かに限界があるという書き方になるのか、あるいは今後の課題と拡張の、つまり、前向きな方向で、国際的にもこういった日本モデルを共有していくという形でイニシアチブを取ることができれば、方向性としてありうると思います。それから、類型①に属するようなIEO・ICOに関わるものというのは、今回提案されている規制、新しい規制がかかりやすい領域でもありますので、そこはしっかりとやっていくべきなのだろうというのが私の今のスタンスです。

その上で、資料2について幾つかコメントさせていただければと思います。まず、6ページ、サマリーを開示するという話と、定期的な開示の両方ですが、一定の定型フォーマットは必要ですし、比較を行うという意味でもそれは重要だと思うのですけれども、別のところとも絡みますが、あくまでやはり比較を行うというのは第三者機関やアナリストや投資家自身かもしれません。これらの育成などがもしかしたら間に合わないのであれば、ある程度業界団体のほうでそういったことをサポートするようなことが必要なのかと思っております。

それから、これも6ページ辺りの開示内容の表紙部分についてですけれども、企業の短信もそうですが、必要に応じて今後も柔軟に修正をしていく必要があろうと理解していて、今のこの状態でよいのかどうかというのが私には少し判断が難しく、もっと多くの情報が必要であるような気もしております。それから、細かいことで、これは今の企業もできていない部分ですけれども、ウェブサイトの情報の開示で横比較が、アナリストでも結構大変で、情報ベンダーとかに頼らざるを得なくなったりしているのですが、それがなくてもできるような、投資家にとって横比較しやすいような形にしていただければと思っております。

それから、23ページ辺りの定期的な情報提供についてです。半年ごとということがあり得るのかどうかということで私がお伺いしたところでございましたが、正直、変化が早い業界であるならば、むしろやはり頻繁に定期的なものを行うべきではないかという思いもあるのですけれども、ただ、御指摘いただいたように、適時開示をしっかりやれば年1回というのも納得できないことではないので、そうであるからには、その必要条件についてはしっかりとピン留めしていただきたいと思います。

それから、26ページ辺りの財務監査、それから別のページで出ているセキュリティの高度化による差を設けるということについては、モチベーションづけとして賛同するところであります。ただし、監査ですけれども、適正意見を出した後に何らかの形で財務イベントが起こった場合の何らかのペナルティーがどういった形になるのかということについては、それ次第では、監査の受け手が本当にあるのかどうかといったことも気になるところでございますので、そのあたりについても今後検討いただければと思います。

それから、個人のリテラシーの問題についてです。こちらについては、ここでも御指摘をいただいたとおり、本当に今までの金融商品と同様でよいのかどうかということについては慎重に御検討いただきたいと思います。その派生的なところで、特定投資家の要件についても、今は金融機関で働いたことがある方などについての項目があると思いますが、この暗号資産についてそれで本当にいいのか。仮に例えば金利のことに疎くても、ブロックチェーンについてはよく知っているですとか、そういったところについても、判断基準についてもう一度お考えいただければと思っています。

それから、30ページあたりの暗号資産の借入れについてです。システムベンダーについても同様ですけれども、既存の業者がいて、それに対して新しい規制を入れるということですので、既存の業者に対して過度なものにならないかどうかということについては気になるところです。もちろんヒアリング等も行っているところだとは思いますが、当然のことかもしれませんが、経過措置の期間等については十分なものを設けられてはと思っております。

最後に、業界側も監督側も、これは見るからに非常に手掛けることが多く、前回御質問したときも、何合目あたりまで体制ができているのかということについても、正直に、非常にやることが多いという趣旨の御回答をいただいたと理解しています。そうであれば、やはり優先順位をつけて、できるところから体制づくりを進めていただきたいと思います。

以上です。

【森下座長】

ありがとうございました。それでは、有吉委員、お願いします。

【有吉委員】

有吉でございます。非常に多岐にわたる項目をまとめていただいて、また、御説明もどうもありがとうございました。私からは、資料2に沿って5点ないし6点になるかと思いますが、コメントをさせていただきたいと思います。

まず1点目は、情報提供とそれからインサイダー取引規制にまたがるようなコメントです。今回の資料2の中で既に強調していただいている論点かとも思いますが、情報提供を求める項目の中で、対象事業に関するリスクが挙げられております。以前の会合でも私からコメントさせていただきましたとおり、プロジェクトの実態としては、暗号資産の発行と一体として何か事業ないしプロジェクトがなされているといった状況であるものの、形式的に暗号資産の発行体とプロジェクトの運営主体が別主体になるといったような場合も想定されるということを問題意識として申し上げたことがございます。こういったことを踏まえて、法令の条文の文言としては、対象事業ですとか、それから情報提供主体となる発行者の概念を整理していただく必要があると思います。

この点、実際に事後的に問題になった状況を想像してみますと、その時点においては恐らく、通常、プロジェクトの主体が誰であって、この暗号資産を誰がやっているのかということは常識的に明らかになることが多いのではないかと思うわけですが、そうなった際に、形式的に発行権限がないといったことで逃げられてしまう、すなわち、情報提供主体とならないということや、あるいは法令上プロジェクトの情報を公表する必要がないということになってしまわないように、発行者ないし対象事業の概念を柔軟なものとする必要があると思います。

以前の会合で、発行者概念については明確性よりも柔軟性が重要だと申し上げまして、これは言い方が非常にミスリーディングであったと自分でも反省しているところでございます。申し上げたかったのは、今のような趣旨での柔軟性が重要であるということです。この点はインサイダー取引規制における規制対象者、それからインサイダー情報ないし重要事実についても全く同じであると思いますので、こういったことを踏まえて条文をうまくつくっていただくことが非常に重要になると思います。加えて、暗号資産についての監視・監督を証券取引等監視委員会のほうでなさるということになるのであれば、証券取引等監視委員会における規制運用が硬直的なものにならないように、常識的に悪いものはしっかり取り締まるということを特に暗号資産の分野では強く考えて規制運用をしていただきたいと思います。

それから、2点目のコメントとしまして、資料2の26ページで、発行者が監査法人による財務監査を受けていない場合に、株式投資型クラウドファンディングの規制を参考にして投資上限を設定するという案を御提示いただいているところについてです。ここでクラウドファンディング規制を参考にしたというのは、なるほどという感想を持ちました。ただし、株式投資型クラウドファンディングの場合は、実務上、実態としてセカンダリー市場が存在しないのが通常であるわけでございまして、金融庁の別の会合においても、非上場株式のセカンダリー市場をどうつくっていくかという議論がされているほどの状況でございます。

一方で暗号資産のIEOを考えると、発行した途端にセカンダリー市場で取引される、取引できるようになるということが典型的に想定されます。そうすると、プライマリーの部分で投資上限を設定したとしても、プライマリーで上限ぎりぎりまで買って、セカンダリーですぐに追加購入することで、投資者の視点から見ると簡単に上限を超える投資ができるようになってしまうということが事実上多いのではないかと思います。こういった点では、株式投資型クラウドファンディングの場面とは恐らく全く実態が違うということになろうかと思いますので、そのことを踏まえて制度設計をしていただく必要があると思います。セカンダリーで上限を超える部分まで買う投資家は、もうこれは自己責任であるという割り切りもあると思いますが、そうであるならば、そういう制度だという整理で設計をしていただく必要があるということでございます。

3点目のコメントは、34ページの重要なシステムの外部委託先を監督対象にするということについてです。このような発想で規制を及ぼすことの合理性ですとか必要性ということは御説明いただいてよく理解できるところであります。ただし、ここは私も実務の実像を十分に理解していないところがありまして、先ほど大槻委員も、既にビジネスがなされている部分について規制を及ぼすものであるということで実態把握をしっかりするべきということをおっしゃっていましたけれども、私もその点は全く同感でございます。

特にシステムを提供している業者には、これは私の想像ですが、海外の業者も少なからずいるのではないかと想像いたします。私の経験上、そういった業者は、日本において日本の監督官庁、金融庁なり証券取引等監視委員会なりの規制対象になるということを非常に嫌うというところがあると認識しています。そうすると、この規制が導入されたタイミングをもって、いかに軽微な規制、届出程度の規制であるとしても、やはり金融庁の監督下にはなりたくないということで、届出はしない、日本との取引はしないということになってしまうことも十分あり得るのではないかと思います。

そういった業者がビジネスをしないというのは仕方がないことなのかもしれませんが、そのことがかえって、日本の暗号資産交換業者、ひいてはその後ろにいるユーザーの利便性ですとか、場合によってはセキュリティ面などを世界の他の国での取引に比べて劣後させることにもなりかねないのではないかという危惧がございます。私が今申し上げたことは全くの杞憂なのかもしれませんが、この点、実態をうまく把握していただいて、決して規制のチキンレースみたいなことになってしまってはいけないとは思うのですが、その規制を導入することによって海外の業者が全て撤退してしまって、日本人だけ困るという事態だけには決してならないように制度を御検討いただきたいということであります。

それから、4点目のコメントとしまして、インサイダー取引規制の関係で、資料2の中では具体的な論点として今回取り上げていただいていなかったところですが、公表概念について一言コメントしたいと思います。これも先ほど岩下委員、大槻委員もおっしゃっていたとおり、暗号資産というものが多くの場合はグローバルで取引されているものであることを意識して、この公表概念を含めてインサイダー取引規制を考えていく必要があると思います。

この点は日本の上場株とは全く異なるということでございまして、同じ暗号資産が日本でも取引されていれば、日本時間では真夜中で、日本でも取引しようと思えばできるのだと思いますけれども、海外では普通のビジネスアワーで取引されていることもあると、こういう性質のものであるわけでございます。この点、公表を日本の暗号資産交換業者や日本暗号資産等取引業協会のウェブサイト等での公表に限定するということになりますと、例えば日本時間の深夜に、ある暗号資産に深刻な欠陥が発覚したということがあって、SNSを通じて世界的に広く知れ渡ったというような場合において、日本暗号資産等取引業協会が徹夜でそういったものを監視してしっかり公表してくれるのであればよいのかもしれませんが、そういったことがないと、「公表」がなされないということをもって、海外の保有者はすぐ売り逃げてしまっているものの、日本の保有者だけはインサイダー取引規制の対象になるかもしれないということで、どんどん暴落していくのをただ見守るだけで売り逃げることができないという事態が生じかねないのではないかという不安を感じました。

この点は規制で対応すべき問題なのか、実務運用で対処すべき問題なのか、どちらが合理的なのか分からないところがありますが、そういった問題意識も踏まえて、公表概念について、果たして交換業者、それから日本暗号資産等取引業協会のウェブサイトでの公表等に限定することでおかしなことが起きないのかという視点は十分踏まえて改めて検討していただきたいと思います。

5点目と6点目のコメントは若干つながるところがあるもので、規制全体についてのコメントです。先ほどの大槻委員のお話と通ずるところがあると思いますが、資料2でお示しになっている、あるいは資料1でこれまでの議論としてまとめていただいた内容の個別の項目についてはおおむね、いずれも合理性があって規制を導入していくという方向で十分賛同できる提案内容になっていると思います。

ただし、全体として見ると、大分重厚な規制になってしまったと改めて感じているところです。特に暗号資産交換業者の負担が大分大きくなってきたと感じます。もちろん投資商品と位置付けて新しい規制を適用していくということで、方針が変わったわけでございますので、既存の業者が全て今までどおりにビジネスができるということである必要は全くないと思いますし、中には廃業される方が出てきても仕方がないということは理解するわけでありますけれども、ただ、新しい制度が施行された直後に、規制対応が間に合わない、規制コストを負担できないということで、むしろ日本の暗号資産取引、日本において業者を通じた暗号資産の取引が非常に滞ってしまう、できなくなってしまうということで、ユーザーにとって、投資家にとって国際的に比べて不利益な状況が生じるということにはならないようにする必要があると思います。

また、特に41ページで、自主規制機関の機能強化ということでまとめていただいている内容も、ここに記載されている内容はいずれもぜひといいますか必ず対応を進めていくべき内容と思いますが、まさに大槻委員が指摘されたとおり、全体として非常に多くの対応を求める内容になっていて、しかもこれまでの会合での日本暗号資産等取引業協会の御説明を踏まえると、道半ばどころか、まだ道に上り始めてもいないのではないかというような、先が長いことのように感じるところです。

当然ながら投資者保護のためにこういった体制を整備していく、そして実現するということが重要ということは全く否定するつもりはないわけですが、自主規制機関側の体制整備が間に合わないということがあって、国内でIEOが簡単にできる必要はないのかもしれませんが、ビットコインなどのコモディティ的な暗号資産の取引さえ行うことができない、行いにくくなるといったような状況が生じてしまったり、あるいは投資商品というよりは決済利用の形で暗号資産を利用する、新しい暗号資産を発行することが、それすらできないということになってしまわないように、日本暗号資産等取引業協会にはぜひ機能強化の対応を早く進めてほしいと思いますし、一方で監督をされる当局においても、特に制度改正の施行直後の段階においては、ある程度緩やかな方向での規制運用の柔軟性ということを意識して、過度に澄み切った川を求めて実務を混乱させるようなことにはならないようにしていただきたい。厳格な規制運用が日本の投資家の不利益につながることにもなりかねないということを意識して対応していただきたいと思います。

一方で、岩下委員がおっしゃったとおり、暗号資産というのは、日本だけで捉えようとしても捉え切れるものではないということもございますので、実際に規制が走った先においての規制運用としては、悪いものをしっかり捉えると。そうでないものを逃してよいということではないのかもしれませんが、特に問題があるものをしっかり捉えていくという発想で、ここはメリハリをつけて、証券取引等監視委員会の役割になるのかと思いますが、規制・運用していただくことが非常に重要なのではないかと思います。

私からは以上です。

【森下座長】

ありがとうございました。それでは、加藤委員、お願いします。

【加藤委員】

加藤でございます。私からは3点意見を述べます。

一点目の意見は、最初に資料2の12ページ、中央集権型と非中央集権型の区別についてです。ここには、「中央集権型暗号資産に該当するか否かに拘泥する必要はなく、いずれの場合であっても投資者の投資判断にとって重要な情報が提供されるように取り組むことが重要ではないか」との記述があります。これはもっともな指摘であると思います。この指摘は、中央集権型と非中央集権型との区別の意義がどこにあるのか、新しい制度の中でこの区別がどういったところで意味を持ってくるかと関係があると思います。

つまり、資金調達を行うかどうかによって情報提供規制が課されるかどうかが決まるのであって、結局、資金調達が行われたかどうかの方が重要だということです。資金調達を行うのであれば、結局資金がどこかに流れていくわけなので、何らかの形で発行者は存在する場合が多いだろうと思います。資料2の12ページでは、相当広い範囲で、いわゆるネイティブトークンと言われるもの以外は全て中央集権型で一応整理するという方向で制度整備を提案されていると思います。仮に資金調達をした場合の規制であるということを念頭に置くのであれば、そういった整理も合理性があるように思います。

継続情報提供についても、有価証券報告書については外形基準による提出義務がありますが、今回の提案では、資金調達を伴わない場合、外形基準に基づき継続情報提供義務を発行者が負うという形にはなっていないと思います。これも、中央集権型と非中央集権型の区別を規制の全体構造において可能な限り大きな意味を持たせないようにする配慮であるように思います。

関連して、2点質問があります。資料の2の48ページでデジタル資産の規制の見直し後の整理がされていますが、非中央集権型では発行者による資金調達は伴わないということはそのとおりですけれども、非中央集権型の暗号資産について売出しに相当する行為はないのかということが若干気になりました。つまり、非中央集権型の暗号資産を大量に保有している者が現行法の有価証券の売出しに相当する行為をするということを想定する必要がないのかということです。

もう一つの質問は、インサイダー取引規制における中央集権型暗号資産の認定についてです。暗号資産交換業者が資金調達を伴う暗号資産の発行を取り扱う際に、中央集権型なのかどうかを認定するという制度が想定されていると思います。そのため、資金調達をして、暗号資産交換業者が取り扱うといった場合には、中央集権型の暗号資産かどうかということは一応客観的に明らかになっているといえそうです。その一方で、例えば海外で発行された暗号資産を日本の暗号資産交換業者が取り扱うということも現在行われていると思います。したがって、日本では資金調達はしていないけれども、海外で資金調達をしている暗号資産を日本の暗号資産交換業者が取り扱うという事例もあり得ると思います。そういった場合に、暗号資産交換業者がその暗号資産を取り扱う際に、これは中央集権型の暗号資産ですということを認定することが想定されているのかどうかということが若干気になりました。

2点目の意見は、定期開示と適時開示の問題についてです。これは資料1の11ページや資料2の23ページと関係します。ここで言う定期開示と適時開示の話は、いわゆる公衆縦覧型の開示であるということを念頭に置いて制度の御説明がされていたと思います。この定期開示と適時開示の役割分担は、上場会社においても意見の分かれる、非常に重要な論点であると思います。

私も今回の資料2で御説明されているとおり、適時開示を中心にして制度をつくっていくという方向性は望ましいと思います。ただし、適時開示の場合には任意に悪い情報を開示するインセンティブがあるのかということを考える必要があります。つまり、適時開示の実効性をどう確保するのかということです。

もう一つ、定期開示の話です。個人的には、年に1回なのか、2回なのかという頻度を議論するのは適切ではなくて、そもそもどういった情報を定期開示の対象とすべきか、そのような情報の開示を全ての暗号資産に強制することの合理性を論じる必要があると思います。公衆縦覧型の開示ですから、暗号資産同士の比較可能性、つまり、比較可能にさせることに意味がある情報とは何かということが重要かと思いますが、現時点で、様々な暗号資産が存在する中で、定期的に開示することが望ましい情報が何かということについては、確立した考え方がないのではないかという気がしております。

そうしますと、法定開示としては年1回の定期開示にとどめるとして、追加でどういった情報を定期的に開示するべきであるかについては、自主規制に委ねることもあり得ると考えます。個々の暗号資産の種類によって、定期的に、どの程度の頻度でどういった情報を開示すべきかが異なる場合があるのではないかと思います。したがって、現時点では法定開示として求める定期開示は年1回とした上で、プラスアルファの定期開示については自主規制に委ねる枠組みも考えられると思います。

歴史的に見ますと、上場会社の四半期開示も証券取引所の自主規制から始まったのであり、定期開示としてどういった情報を開示するべきであるかについて、全ての暗号資産に共通する形で定期的に開示すべき情報をくくり出すことが今の段階で難しいのであれば、将来的な対応を自主規制に委ねるということもあり得ると思います。

3点目の意見はインサイダー取引規制についてです。資料2の38ページと39ページに関係します。ヨーロッパのMiCAや韓国の規制も、上場株式を対象とするインサイダー取引規制を参考にして暗号資産に関するインサイダー取引規制を設けております。今回の御提案も、現在の金商法のインサイダー取引規制を参考にして暗号資産に関するインサイダー取引規制を設けようというものであると思います。令和元年の改正の際には、このような発想ではインサイダー取引規制を設けることはできないという判断を仮想通貨交換業等に関する研究会ではしたわけですけれども、その判断を乗り越えようという提案をしていただいているわけで、大変な御苦労があったことが推察されます。

しかし、日本のインサイダー取引規制は国際的に見て特異な部分もあるため、果たして御提案いただいた内容で、暗号資産の市場の特殊性や暗号資産という商品の特徴を十分にとらまえた形になっているかというと、既に前回のワーキング・グループでもありましたけれども、様々な御指摘があり得ると思います。

ただし、なかなか法制上難しい面もあると思います。そこで、第3回ワーキング・グループの資料4の5ページにあるように、不公正取引規制の一般的な規定も活用できるのではないかというディスカッション・ペーパーの提案を活かすことも考えてはどうかと思います。今回の提案では、インサイダー取引規制の導入を御提案いただいていますが、不公正取引規制の一般的な規定についての言及はありません。しかし、不公正取引規制の一般的な規定による補完はあり得るということを前提にした上で、すなわち、今後、インサイダー取引規制では対応できない問題が発生した場合には不公正取引規制の一般的な規定を活用していくというような対応が可能であれば、もちろん問題は国境とは関係なく発生する場合もあるので、不可能なこともたくさんあるかと思いますけれども、そういう道もあるのだということは明確にしておく必要があるかと思いました。

私からは以上です。

【森下座長】

ありがとうございました。

お願いします。

【齊藤市場課長】

では、御質問をいただいている部分について回答させていただきます。

まず、資料2の48ページのところで、非中央集権型暗号資産について売出しのような形態を想定しなくてよいのかといった御質問と理解しました。株の場合には、売出しを行うときには、発行者の協力があって情報が出されていくものと思いますが、非中央集権型の暗号資産については、そういった発行者に相当する者はなく、大量に売る者について、暗号資産自体の情報の非対称性を解消させなければならない状況は生じないものと思われます。そのため、売出しに相当するものは想定していないということでございます。

もう1点が、海外で資金調達されている暗号資産について、日本では資金調達しないで交換業者が取り扱うケースについて、この類型①、類型②の判断をどうするのかという御質問であると思います。そこは、国内の交換業者がその暗号資産を取り扱うに当たって、12ページの(1)から(3)に書いているような観点からそれが中央集権型の暗号資産に該当するかどうかということを判断していただき、それをまた、自主規制機関である日本暗号資産等取引業協会においてチェックすることになっていくものと思います。

【森下座長】

ありがとうございました。それでは、小川委員、お願いします。

【小川委員】

御説明ありがとうございます。私のほうから、全体と、それから個別の論点として3つほどコメントさせていただきます。

まず、全体について、非常に詳細に文章に落としていただき、感謝申し上げます。現在、制度が明確にないといった状況の中で、暗号資産は急速に、多様化し、利用者が急増しているという事実がございます。その中で我が国の目指すべきは、より安心して利用できる、信頼性が高い新たな金融基盤の構築であり、一方で規制の限界も認識し明確にした上での制度化であると考えます。改めて議論を整理した上で反映していただいていることを確認いたしました。御説明ありがとうございます。

流出リスク、サイバーリスク等多様なリスク、これを最大限低減する仕組みと、併せて仮にリスクが顕在化したときに、利用者の損失を補填する仕組みを整備すること、また、技術面・運用面両面から有効なガバナンス、統制活動及び第三者による継続的評価、モニタリング、さらに有事に速やかに改善施策を実行する仕組み、こういった枠組みが非常に重要だと考えております。これらに加えて、先ほどもお話がありましたように、公正で透明性がある信頼できる市場を構築・維持するための開示義務に重ねて、インサイダー取引・利益相反を防ぐ一定厳しいルールも必須と考えています。

こうしたことを踏まえて、先ほどイニシアチブという言葉がありましたが、これから最終報告といったフェーズにおいて、我が国としてこうした暗号資産に対する基本方針をぜひとも明確に国内外にメッセージとして打ち出していただき、世界でも信頼され期待される新市場並びに新たな金融インフラの社会実装を目指すべき制度設計、これを重ねてお願いいたします。

こうした観点は、今回の御説明の中に反映されているものと賛同申し上げます。

その上で、個別論点として、コード監査、サードパーティーリスク、開示ポータルについて少しコメントさせていただきます。

まず、資料2の26ページ、コード監査についてです。特に暗号資産という特殊性から、今回、システムの信頼性を制度としていかに担保すべきかといったところが鍵となると考えます。仮に広く開示情報が公開されたとしても、利用者がそれを理解することは容易ではないと考えています。信頼ある第三者のコード監査を経ているという点は、利用者から信頼を得るという観点で極めて重要と考えます。コード監査により、適正なスマートコントラクトの設定のほか、投資家保護、流出等リスクを少しでも低減する機能として資することを期待しています。

一方で、改めて専門性が極めて高い分野であるだけに、誰がといった今回の議論のみならず、どのような体制で、また、どこの部分をスコープにするのか、さらに重要なのはどのような基準に照らして評価を実施していくのか。実行可能性を踏まえたコード監査の基本方針について、他国との平仄も考慮し明確にしていただくということをお願い申し上げます。同時に、運用や設計上のミス、フィジカルな面での統制上の不備など、残存する非コード的リスクが何か、また、当該リスクはどのように統制されているのか、こうした点における説明責任を運営側にしっかり課していくということも期待しております。

また、コード監査の義務化は、募集・売出しのときのチェックとして機能しますが、その後の運用段階において、システムの変更、バージョンアップ、委託先へのシステム移行など重要な変更事象が随時発生してまいります。こうした変更管理の有効性に関する継続的な評価方針、これも改めて整備を期待するところでございます。

2点目、サードパーティーリスクについてです。34ページに、受託者側の事前届出について記載されています。先ほど他の委員からも少しコメントがあったかと思います。サードパーティーリスクについては、現在、金融機関にとって、例えばクラウド使用など、同様に非常に重たい課題となっています。しかし、今回どこまで課すべきかといった点、議論の余地があるように感じます。サードパーティーリスクに関して、既存の金融ビジネスよりも少々厳格であるのではないかと感じる部分がございます。原理的整合性を欠くかどうかといったところの確認も、合わせて、ぜひお願いできればと思っています。

また、サードパーティーとしては、例えばクラウド開発企業、各種ベンダーと多様なものがございますが、受託会社側に事前届出などによる登録を課すという点においては、金融監督下で準監督業者となり得、技術供給を圧縮する要因になり得ないかといった点を少し懸念しております。そういったところもぜひ引き続き御意見を広く聞いていただいて、検討していただければと思います。事前届出はしないと仮にした場合、では、どのようにサードパーティーリスクをコントロールするのかといった点で、4点ほど御参考までにコメントを申し上げたいと思います。

まず1点目として参考になるのは、受託者側によるSOC等の外部保証の取得というものがあります。2点目としては、契約段階で、業務委託契約の中に、再委託の制限、監査協力義務、インシデント報告義務、監督当局調査協力義務などを織り込んでいくといった対応もあります。3点目としまして、対象となる「重要なシステム等」の定義を明確にした上で、委託者による外部委託者に関する情報について金融庁への届出が考えられます。何かあったときに、ほかにこういったものを使っているところはどこなのかといったところの特定に資するとも思っております。4点目が、同時に、重要性が高い外部委託については、外部委託先の監査の状況等を含めた委託者側の開示義務といったものも考えられます。

暗号資産交換業者の委託者責任の強化となり得ますが、一義的に利用者に対して全責任を負うべきは暗号資産交換業者です。重要な資産、システム機能を自ら有せず、外部委託に全て依存するというビジネスモデルの場合でも、委託者自らが、委託先の業務遂行の適正性について説明責任を果たす義務を負っています。しかし、外部委託の場合、委託者にとって、通常受託者側の内情までコントロールしきれず限界がある点を理解する必要があります。その上で、追加的にどういった措置を取るべきか、明確にする必要があると考えています。

一つ参考までに、SOCレポートについて少しお話しいたします。サードパーティーリスクについては、第三者保証であるサービス・オーガナイゼーション・コントロールレポート、いわゆるSOCレポートを受託者が入手し、委託者へ提供するといった手法が、グローバルでも定着した統制の手法となっています。現在、財務諸表監査においても、サードパーティーリスクに対しては、このSOC1というレポートを委託先から入手することを求めています。既に暗号資産交換業者においても、外部委託先、再委託先からはSOC2TypeⅡになると思いますが、これの入手が推奨されていると考えています。

SOC2、これはセキュリティ、多様性、処理の安全性、機密性、プライバシー管理について、第三者が評価し保証するものです。さらに、Tier1は統制整備、Tier2は統制の運用の有効性を評価・保証するものとなっています。しかし、御存じのように、過去の暗号資産流出事故を見ると、外部侵入があった外部委託先は既にこのSOC2TypeⅡの第三者評価を受けていたと認識しています。そうしますと、やはりこの限界といったところも一方できっちりと認識していく必要がある。

特に昨今問題になっていますのが、第三者評価、このSOCレポートの中身についてです。よく見ると、スコープが非常に狭く定められているもの、限定意見が記載されているもの、もしくは評価手続が非常に簡易なチェック、質問方式にすぎないもの等国際的には一部存在しているというように聞いています。したがって、SOCレポートを単に入手すればよしではなく、その内容を委託者は、きっちり把握し評価をせよといった点がポイントとなっています。サードパーティーリスクに対する、委託先の責任については、そういった既存の課題も理解した上で進めていく必要があると思っています。

適正なSOCレポートをもってしても、将来継続性、人為的なリスク、実態面での保証までには至らない点、また、委託先がさらに外部委託している、いわゆるサプライチェーンの先まで全ては補えない点といったところがございますので、先ほど申しましたように契約条項上の制約等と併せて、重ねてリスク評価した上で統制を整備していく必要があると考えています。

最後に、継続開示についてです。今まで多くの議論がなされ、具体性が出てきていると感じています。先ほど少し大槻委員からもお話がありましたが、では、開示をどういった形で有効なものにしていくのかということは重要と考えます。情報開示ポータルの有効性についても併せて検討いただくことが望ましいかと思っております。例えば発行量、流通量など指標の定義・単位・計算方法などの標準化、あるいはスナップショットが月末なのか24時間平均なのか比較可能性、さらには適時性・継続性、少なくともこの3点は確保していただき、国際調和も踏まえた、定量的に投資家の信頼性を比較評価できるような仕組み、そういったものの整備をぜひ期待いたします。

私から3点になります。

【森下座長】

ありがとうございました。次に、オンラインでご参加の松尾真一郎委員にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

【松尾(真)委員】

松尾でございます。発言の機会を頂戴して、ありがとうございます。私からはこれまでと同様、やはり主にセキュリティに関してコメントさせていただきたいと思います。昨日公開された第3回の議事録でも座長から確認がありましたように、セキュリティは商品の適格性というそもそものところに係るところなので、再度セキュリティについて議論をしたいと思っています。

今回の事務局資料においてコメントの対象としては、資料1のページ3の「暗号資産交換業者がハッキング等を受けて暗号資産が流出する事案が続いており、顧客資産の保全について、より一層の対応を行っていく必要がある」という記述に関係したものになります。システムのセキュリティの要諦は、ノーリスクということは実は不可能であるというところからスタートします。そのことを認識した上で、サイバー攻撃に起因するリスクを経営上あるいは運営上管理可能にする、管理可能な状況にずっと置くということが重要なわけです。個別の攻撃手法に対して安全であるということは、そのための手法の一部にしかすぎません。つまり、本筋はリスクマネジメントと定期的なサイクルによって見直すという営みの継続でありますということを改めて確認したいと思います。

その上で、リスクを継続的に管理可能にするとはどういうことかと問い直したいと思います。ここでDMMビットコインの事件で起きたことを振り返りたいと思います。コインチェック事件の後に、預かり資産の95%をコールドウォレットに保持するというルールが決まりました。しかし、このルールはセキュリティに関する技術や運用のフィージビリティーを考慮したものではなく、顧客資産の保障の金額に主に注目したものでありまして、システムの運用を含めたセキュリティリスクの管理やリスクの管理を助けるセキュリティ技術の進展とその活用についての考慮がほとんどありませんでした。その際、コールドウォレットあるいはホットウォレットということも、セキュリティの専門的なフレームワークからすると、共通の要件定義がされていない中、単純に95%をコールドウォレットに入れるというルールだけができました。

その帰結として、通常の運用において、コールドウォレットとホットウォレットの間のやり取りが非常に煩雑になる可能性が出てきました。運用が煩雑になると、その煩雑さに人間がついていけなくなり、本来やるべきセキュリティの運用がスキップされるということが残念ながらあります。さらにそこに外部委託のようなものが入ると、本来すべき正しい運用が不運にも省かれ、それがチェックできないというケースも増えてきてしまいます。DMMビットコイン事件の背景も実はこういうところにあります。

なぜリスクマネジメントとその見直しのサイクルが大事なのか。インターネットが商用化されて以来30年以上たっておりますが、世界中のセキュリティのエキスパートが結集し、共助を行い、イギリスのスタンダードであるBS7799を皮切りにセキュリティマネジメントのフレームワークをつくり上げてきました。第3回のワーキング・グループで私が説明しましたとおり、これがISO/IEC27000シリーズとなり、ISMSとなりました。ここで肝要なのはリスクの管理のプロセスであり、予算面でも運用面でも現場で実行可能なプロセスにするために、定期的な運用見直しを常にすることです。厳し過ぎて運用されないルールをつくって、かえって人間的なセキュリティーホールをつくるという事態を避ける。このためのアセスメントと運用を含めたセキュリティの再設計を定期的に行う。これが実はISMSの肝でして、この原則こそ、私が日本で最初にBS7799の認定を取得した3つの事業所の一つでこのことに関わった経験から言えることです。

このワーキング・グループで何度となく、個別の優先順位が高いと勝手に思っている2、3のポイントに対する対応を挙げたり、独り歩きするチェックリスト方式を採用することは本質的ではないと申し上げて、さらに業界の方からの説明で、やはりセキュリティの考え方の本質から見て不足しているところがあるのではないかと前回も指摘したのは、ここにあります。ある事件が起きたときに、うちは安全ですとしてしまうのは、この見直しの習慣がないということを自ら示しているようなものです。つまり、投資商品に適格であるという位置づけに今回するのであれば、業界全体でリスクの管理のプロセスとライフサイクルを長期で回すということが前提になります。

この観点でいいますと、鍵管理には新しい技術が出てきていて、リスク管理についてもより有効な考え方ができている中で、機械的にコールドウォレットに95%を隔離することとしてセキュリティの運用を煩雑にするのはこの際やめにして、リスク管理の観点でこれを再考し、そのために法令上必要な手当てを行うことを求めたいと思っています。つまりは、コールドウォレット管理を求める暗号資産交換業者に関する内閣府令27条3項1号及び電子決済手段等取引業者に関する内閣府令38条7項1号ロは、金商法に変えるタイミングでは再考するということを求めたいと思っています。

同じような観点で、資料1の3ページ目の記述が顧客資産の保全のみが対象になっているのは、表現上、考え方としても修正が必要なのではないかと思っています。顧客資産の保全という文字面だけにとらわれて、技術面・運用面でのフィージビリティーを考えないことで新しい運用上の脆弱性をつくり出すことは本末転倒です。この私が言っているリスク管理という中には、当然顧客資産の保全というのは含まれています。今後出される報告書の記載と今後のガイドライン作成においてこの考え方が基本となるということを明記していただく必要があります。このタイミングでコールドウォレットの規制も含めて、現場で予算的にも運用的にも回るセキュリティの構築という、ISMSにおいては常識である考え方に完全に立ち戻ることを求めて、ガイドラインの作成のときに基本とすることを求めたいと思っています。

もう1点、DMMビットコイン事件のよくない教訓の一つに、利用者への補償を行うことで事件の対応が幕引きになってしまうという前例ができてしまいかねないことです。この補償では、DMMの関連企業からの増資などが事実上利用されています。一方で、DMMビットコインで流出した暗号資産は北朝鮮に流れたとされています。これは何を意味するのか。実は暗号資産の流出というのは単なる媒介にすぎず、単に日本の通常の経済活動で生まれた国富が北朝鮮に流れたということを意味します。暗号資産がなければこのようなナショナルセキュリティ上の課題は起きなかったのに、暗号資産があることでこのような問題が新しく起きた。暗号資産の存在自体がナショナルセキュリティ上の問題だと言われかねない状況です。

そういう状況を誰も望んでいないと思います。私も望んでいません。リスクを管理する、リスクに対応する、その基本的な考え方を整理する必要あります。基本的にセキュリティは非機能要件であって、利益に直結しません。また、このワーキング・グループで以前にも話題に上がったサイバー保険も、20年以上長いトライがされていますけれども、成功したことはありません。暗号資産の場合、損失が巨額になるので、有効な保険料の算定はより難しいと思われます。資料1の15ページにあるような保険による補償原資の確保は事実上難しいと言えます。

また、暗号資産業界の長い悩みとして、他の業界のセキュリティエキスパートからの信頼や協力が不足しているということがあります。この問題を解決し、他の業界のエキスパートからの協力を得て、さらには新しい若いセキュリティの才能にこの業界に入ってもらうという必要があります。その中でこの業界のセキュリティ確保のために持続的なエコシステムの設計をどうするのか、次回までにそのロードマップを議論して、このワーキング・グループの報告書に盛り込み、新たなガイドラインの中にもそれが盛り込まれるということを求めたいと思っています。

私からは以上です。

【森下座長】

ありがとうございました。オンラインで御参加の松井委員、16時に御退出予定とお伺いしておりますが、今、この段階で御発言ございますでしょうか。

【松井委員】

ありがとうございます。それでは、発言をさせていただきたいと存じます。私からは、先ほど松尾委員がおっしゃっておられたことに関連して、今回御提案をいただいているまとめの方向性、金商法に乗せていくという方針については、まず、本ワーキング・グループの立場として、暗号資産が投資商品として適格で皆が買うのにふさわしいということを前提に改正を行うということではなく、既に多くの人が取引をしていることから、この人たちの安全を少しでも担保するための整備が必要であるということで議論をしているということを報告書において書くということは必要なのだろうと思いました。

また、将来においてこの法制化がなければ国富の流出もなかっただろうなどと言われないように見直しをし、またアップデートするということも重要なのだとは思いますが、少なくとも今回の改正の方向性ということについては、大宗、皆さん、これで進んでいくのだということで了解していただいているかと思っているところでございます。

私自身は暗号資産の技術的な側面ということについてはあまり詳しくもないということもございますが、幾つか気になったところだけコメントしたいと思います。

まず、1つ目に、開示が実際に適時になされるのかという御指摘がございました。本ワーキング・グループでの議論というのは、主として重要事実該当性と、あるいはその規制の範囲などについて議論されたわけですけれども、暗号資産交換業者等の義務化された人が開示をきちんと有効なタイミングで行うというインセンティブがそもそもあるのかという御指摘だったかと存じます。複数の暗号資産交換業者が義務を課されている場合に、知った後速やかにという時点は1つに決まらず、また、非常に早く開示をされなければ意味がないということは既に御指摘があったとおりでございますので、こういった点を、複数の要素を考えると、結局、意味のない、遅れた開示しかなされないのではないかといったような御懸念であったのではないかと思っております。

例えば発行者の開示の側も、発行者が自分の資産に関する情報をコントロールしているということは前提なわけですけれども、公表したつもりがなかった情報が気づけば流出しているということが、もしかすると通常の金融商品よりも頻繁に起こり得るかもしれないということが考えられ、交換業者が適時開示を行うという負担は相応に重いものですけれども、これが有効に行われるようにするインセンティブを真剣に考える必要があるのではないかと思っております。

次に、カウンターパーティーリスクと書かれていたところでございます。これは業者からの流出のこと等が問題となる、あるいは商品性の問題として書かれているところでございますが、取引の動作あるいはインストラメントの挙動の特質として、送金操作を間違ってしまうと相手方の匿名性が高く取り戻せないというリスクもカウンターパーティーリスクとして存在するわけでございます。こうしたリスクを顧客に伝える役割というのは業規制に期待されているというような御整理だということで御説明を理解いたしましたけれども、リテラシー向上のところでも考慮されているとは思いますが、暗号資産を販売する際にこのインストラメントの挙動の特質についてはっきりと伝えるということも規制中に位置づけていただけると安心かと感じました。

以上です。よろしくお願いいたします。

【森下座長】

ありがとうございました。それでは、この後、伊藤委員、松尾健一委員、佐古委員という順でお話をいただきたいと思っております。毎度のことで本当に恐縮ですが、進行に御協力いただければと思っております。

それでは、伊藤委員、お願いします。

【伊藤委員】

ありがとうございます。弁護士の伊藤でございます。多岐にわたる論点の整理、誠にありがとうございます。私からは情報提供規制について大きく1点、それとインサイダー取引規制について確認を1点だけさせていただきたいと思います。

情報提供規制について、まず、資料2の2ページ、全体像についてです。表の左半分の類型①、発行者による資金調達を伴う場合につきましては、冒頭で岩下委員から、この資料の大部分は発行者のいる類型の開示に関してではないかという御指摘がございましたが、発行者がいる類型については、ある程度具体的に掘り下げた議論も進んだのではないかと思います。

一方で、表の右半分、発行者による資金調達を伴わない類型①と、類型②についてですが、これはもう少し追加で申し上げたいことがございます。といいますのも、日本暗号資産等取引業協会から月次で公表されております現物取引高の上位の銘柄を見ますと、ビットコイン、イーサ、XRP、ドージコイン、ソラナといったものが上位を占めているのですが、これらの取引高の多い銘柄は中央集権型管理者が存在しないか、もしくは存在しても、先ほど加藤委員がおっしゃったように、海外にいるというものが多いという印象を受けています。そのため、実際に多くの投資が行われているのは、資料2の2ページの表の右半分にある類型で、これらの銘柄について情報提供規制をどのように設計して、投資家が合理的な根拠に基づいて判断ができるようにしていくというのは、引き続き重要なテーマであると考えております。

この表の右半分の情報の提供は、法的な義務としては、暗号資産交換業者に課されることになると理解しております。とはいえ、世界的な暗号資産の重要情報は24時間365日どんどん発生してくるわけで、取り扱う暗号資産の数が多ければ多いほど交換業者の負担は重くなる一方であり、この点について少し危惧しております。そのため、合理的な投資判断を可能にする環境の整備を考えるのは当然ですが、それと同時に、実現可能な情報提供というところのバランスは考える必要があるかと思います。そのような視点で、以下、少し具体的に何点か申し上げたいと思います。

まず6ページ、情報提供の内容についてです。欧州のMiCAを参考にリスク・商品性に関して特に重要な情報を記載したサマリーを提供することには賛成です。商品性という概念を加えていただき、ありがとうございます。その上で、情報提供の内容についてですが、投資家の方々が合理的な投資判断の根拠とすべき情報という観点から、記載される事項としては、他の暗号資産と差別化できるポイントが提示されることが重要だと考えています。

プラスの差別化要因としては、既に6ページに書いていただいているとおり、ユーティリティの情報にあるように、投資目的以外の主要な利用状況、例えば決済利用がかなり進んでいる場合は決済利用、暗号資産間の交換等のビジネス利用があれば、継続的な情報提供の場面になるかもしれませんが、その利用状況は価格の下支え要素としては期待できる情報かと思います。また、ここに書いていただいているとおり、もちろん付随的な権利というのもあれば、その状況も記載があれば投資のインセンティブとして活用できるのかなと思います。

一方でマイナスの差別化要因もあろうかと思っております。ここに記載されているリスクのほかに、流動性確保の観点から、国内における交換業者の取扱い状況、特に撤退した事業者がある場合にはその理由、それから希薄化リスクの観点から、海外を含めて大量保有者の情報があればその事実ですとか、あとは、継続開示の文脈で値動きの変動要因を理解する観点から、過去の適時開示の情報が時系列で整理されていたりすると、投資の判断に役立つのではないかと考えております。あるいは、訴訟が海外で継続しているといった事例が見られると思いますが、このような事実は市場で広く意識されているリスクだと思いますので、例えば注意情報といったラベルをつけて開示するという手段も有効かと思っております。

これら、今、具体的に申し上げた例は、日本暗号資産等取引業協会の方で公表されている概要説明書を拝見して思いついたことですので、既に情報としては適時に皆さんが入手されていることなのだと思います。そのため、これらの情報については、個々の銘柄に対して分かりやすくまとまった形で、そして、先ほど他の委員がおっしゃったように比較可能な形で提示されるということに意味があります。よって、サマリーを比較可能な形で、また、適時開示が行われた後は速やかにアップデートされるような形で情報提供がされることを期待する次第でございます。

それから、具体案をもう一、二個です。22ページの適時の情報提供についてです。暗号資産交換業者に対し適時の情報提供の義務を課すということが書いてあります。繰り返しになりますが、この内容の正確性や適時性の担保は、やはり重要だと思っております。そのため、そもそも事実が誤っていたり、公表が遅れたりというのは論外ですが、このほか、複数の暗号資産交換業者が同じ公表された事実を海外などで見ても、個々の判断で異なった情報提供をすることも心配しております。そういったケースも想定して、第三者性を有する機関による事後チェックの設計は必要ではないかと考えております。

情報提供に関してはもう1点。暗号資産交換業者にとっては、多数の銘柄について、正確・迅速な情報提供というのは非常に負担が重く、流動性が低下した銘柄については、それらの負担が大きいあまり逆に撤退するというような本末転倒なことが予想されるのではないかと危惧しております。そのため、過度な負担とならないように、例えば日々の取引額の大きなものから優先順位をつけて情報収集をして、取引額が非常に小さいものについては、情報収集がベストエフォートになっている旨を表明することで投資家に注意喚起をするような対応も一部認めることも現実にはあるかと考えました。

最後に、インサイダー取引規制について、1点確認とコメントです。資料2の38ページ、39ページ辺りの重要事項に関連します。今回、インサイダー取引規制を法的に明確に入れるということですが、現在、資金決済法の暗号資産交換業者に関する内閣府令の20条11号に禁止行為の規定がございます。条文の記載を少し省略して申し上げますが、ここでは、暗号資産等に関して取得した重要情報で、利用者の売買等の判断に影響を及ぼす情報を自己または第三者の利益を図る目的で利用してはならないといった禁止行為が規定されております。これは交換業者の禁止行為という規制だと思いますが、この府令で規制される重要情報の範囲は、恐らく今38ページ、39ページに書いてあるものよりも相当程度広い範囲で業者規制として入っていると理解しています。

今回、暗号資産交換業者が適時の情報提供義務を負うということで、法的に情報の非対称性を解消する立場になったことを踏まえると、こうした情報の非対象性を解消する立場の者がそれを利用して自分の利益を追求するような行為の規制は、従来にも比して重要になってくるだろうと考えております。

そこで、今の内閣府令20条11号のような規制は、今後も引き続き維持される方向性でしょうかというのが確認事項です。仮に維持されるということでしたら、先ほど有吉委員から、インサイダー取引規制に関し、海外の暗号資産に関して重要事実の公表のところをどう考えるか、その範囲等についての御意見があったかと思いますが、どこまでの重要事実の範囲についてどういった行為を業規制の禁止行為とするのか、インサイダーの取引規制との関係を整理して規制していただければと思います。

私からは以上でございます。

【森下座長】

ありがとうございました。御質問がありましたので、事務局からよろしいですか。

【齊藤市場課長】

御回答させていただきます。有価証券につきましても、インサイダー取引規制で未公表の重要事実を知って取引すれば規制違反としつつ、業規制の中でも法人関係情報を利用した取引が禁止されております。そうした構造については、引き続き維持する必要があろうかと思っております。

【森下座長】

ありがとうございました。それでは、松尾委員、お願いします。

【松尾(健)委員】

ありがとうございます。松尾健一です。私から2点申し上げます。

1点目は、今回、暗号資産を金商法の規制対象にすることの趣旨・目的に関係することです。資料1の3ページ、喫緊の課題の一覧を上げていただいております。このうちの①から④までのものについては、これはまさに金商法が伝統的に対処してきた問題と非常に親和性の高いもので、こういった問題が、暗号資産が投資対象化することに伴って起きているため、金商法で何らかの対処をしましょうということであると理解しております。

その意味では、岩下委員がおっしゃったように、本当に限られた範囲の問題を扱っているにすぎないということかもしれませんが、だからといって重要ではないということでもないと思います。そのため、資料を注意深く読めば、今回の改正によって、例えばマネロンに使われるとかそういった暗号資産の負の側面というのが全て払拭されるというものでないということは分かっていただけるとは思いますが、岩下委員がおっしゃるように、なおそのような懸念があるとすれば、報告書等の中でそういった問題はなお残るということを書くことは有益ではないかと思います。

以前SECがビットコインの現物のETFの上場を承認した際に、承認するというアナウンスメントと同時に、SECとしてはなお暗号資産にはこういう負の側面があります、そのことには変わりありませんということを公表したということがありましたので、そういった情報の出し方は全く矛盾しないものであると理解しております。

また、⑤に挙がっておりますセキュリティの確保ですけれども、これも望ましい方向としては、不正流出のリスクが限りなくなくなる、小さくなるということなのでしょうけれども、なかなかゼロにすることは難しいということは再三御指摘があったとおりかと思います。このセキュリティの確保も、やはり暗号資産が投資商品化していることから、金商法が対応するべきこととしては、まず投資者である顧客の資産の保全ということが第1であると思います。投資者が市場価格の変動リスク以外のリスクを負わないようにという観点から何をすべきかということがまず金商法として考えることになるかと思います。もちろん交換業者等の内部体制の整備としてセキュリティに関するものの一定の水準を求めるということは当然していくべきことだとは思いますが、一方で、不正流出を防げないという前提に立って、不正流出が起きたときにどのようにして顧客資産を保全していくかという方向からアプローチするという、既に示されていることですけれども、そういった方向は金商法の観点からは十分にうなずけるところかと思います。それが1点目です。

2点目はインサイダー取引規制のところです。38ページで、インサイダーの重要事実としてどこまでのことを取り込むかということです。暗号資産には株式と異なる面があり、例えば金融政策の変更ですとか暗号資産に対する規制の変更等も当然価格には影響します。そういった金融政策の変更等は株式にとっても価格を変動させる要因にはなりますけれども、現在、インサイダー取引の規制対象とはしていません。そういうところから考えますと、暗号資産であるからといって株式の場合と差別化できるかというとやや私は疑問に思いますので、規制の変更といったものをインサイダー取引規制の中に取り込むというのはなかなか難しいように思います。せいぜい暗号資産交換業者に関係する情報に限られるのではないかと思います。それが業規制になるのかインサイダー取引規制の対象になるのかというところはまだ分かれ得るかと思いますが、そういったところまでかなという気がしております。

他方で、インサイダー取引規制から漏れるものが全て野放しになるというわけでもなくて、これは加藤委員から御指摘があったように、一般的な不公正取引規制ですとか、あるいは場合によっては相場操縦規制のようなもので対応できるものもあるかと思います。例えばある程度暗号資産のポジションを持っている者が相場に影響を与える目的で相場を変動させるような情報を開示するというようなことは従来、相場操縦規制で一部規制されてきたことですし、私は、重要事実に該当する情報を盗んだ人が取引するものは、これは一般的な不公正取引規制の対象になると理解する立場ですので、そういった可能性はなお残されているというように思います。

以上です。

【森下座長】

ありがとうございました。それでは、佐古委員、お願いします。

【佐古委員】

まとめに向けて気になったところがあるので、大変恐縮ですが、5点ほどコメントさせていただければと思います。

最初に、この全体を通して、「投資者」であったり、「利用者」であったり、「顧客」であったりという言葉が入り乱れていて、恐らくそれぞれの文脈ではそれでいいのですけれども、理工学の人間から見ると、では、「投資」というのはどういう定義で皆さん使っているのだろうかということを思いました。というのも、「投資」と一般に使われると、お金が増えることを期待して、あるいはリターンが大きくなることを期待して何かアクションをすることを投資という場合もありますし、株式などでは、誰かにそのお金が渡って、その人がきちんと有用に活用してくれるので事前に投資をするという2つの意味があるのではないかと思っています。

前者のほうですと、「投機」という言葉と違いが分からなくなり、後者のほうですと、投資者保護をすると、その資金が潤沢に国内の産業振興に使われるということで分かるのですけれども、投機的に何か物を買おうとしている人をどこまで保護すべきなのだろうかというところは疑問に思いましたので、この文章を通じて「投資」というのはどういったふうに使っているのか、それがそれぞれの文脈で一貫して使われているのかということを確認していただけると、安心して読むことができると思います。

2点目、今回DEXの話ですとかステーキングの話が出てきました。これはこれからDEXというのはDeFiの形でいろいろな形が出てくると思っております。そのため、今あるサービスをDEXと定義して規制をしてしまうと、今後出てくる新しいものとの齟齬が生じてくるかと思いますので、本文ではどういうものをDEXと呼んで規制を検討しているかを明確にしていただけるとよいかと思いました。

先ほどの1点目に追加して言いたかった3点目です。様々新しい形が出てきている暗号資産ですので、今回資料2の16ページのところで、従来の投資家はきちんと自らの投資判断に必要な情報が分かっているという前提とすることには少し違和感があって、本当にそうなのかと思います。暗号資産特有の性質により、投資判断に必要な情報が何かですとか、記載されている情報だけで十分なのかについては疑問に思ったことも付け加えさせていただきます。それが3点目でした。

4点目です。これは資料2の12ページにトークンの類型として(1)、(2)、(3)が出てきておりますが、これは技術的に見て、本当に排他的な分類になっているのかよく分からず、またもしかするとこういったものはリスクベースで分類するほうが規制としてはやりやすいのではないかと思いましたので、ここの(1)、(2)、(3)は今後明確にしていただけるといいかと思いました。

最後です。今回、いつ情報提供をやめるのかという話で暗号資産の取扱いをやめるときのことが触れられておりましたが、恐らく今回の建て付けとしては、あまり暗号資産になじみがない人はこういった登録されている交換業者を使って取引すると利用者保護が図れるということでつくられていると思うのですけれども、そのときに、交換業者もビジネスですので、もうこの銘柄は扱わないといったときに、そのときにそれを今まで買っていた人はどうなるのかというところにも配慮をいただきたいと思いました。

以上になります。

【森下座長】

ありがとうございました。それでは、永沢委員、お願いします。

【永沢委員】

御指名いただきありがとうございます。本日はオンラインでの出席となりまして申し訳ありません。

まず、今回は、報告書の取りまとめに向けての前提となる大事な回だと認識しております。前半のところですが、資料1で事務局から御説明いただいた内容は、各委員が各回にて述べてきた意見を丁寧に反映いただいています。また、個人的には、今回金商法で規制することについて両手をあげて賛成というわけではございません。多くの委員の方がおっしゃったように、伝統的な金融商品と並べて規制をかけていくことについては、正直なところ戸惑いを感じたりしております。そういった私どもの思いも酌んでいただいている内容となっていると思っております。まず、それが全体像への感想でございます。

その上で、本日、お聞きした他の委員の皆様方の御意見に対して、そしてまた、資料2に関して幾つか意見を申し上げたいと思います。

最初に、本日、最初に御発言された岩下委員の御意見には、私は強く同意いたします。暗号資産に投資という言葉がいいのかどうか、先ほどの佐古委員と同じように私も戸惑いを感じておりますが、国民が広く暗号資産という取引に関わっている現状に鑑みて、何らかの規制を入れていかなくてはいけないということが大前提です。その上で、同時にやはりこれは、制御は難しいという前提に立って、規制はするが規制には限界があるというところは、金融庁のほうで思い切って報告書に書かれていいのではないかと私も思います。加えて、その制御は完全には難しいという前提に立って、警鐘を鳴らし続けることがやはり必要なのではないかと思います。

それからまた、資料1の4ページのところで、些細なことではございますが、昨今、利用者保護とイノベーションのバランスを取るという表現があちらこちらで聞かれるところですけれども、利用者保護とイノベーションがトレードオフになるわけではなく、利用者を犠牲にしてのイノベーションはなく、ビジネスの発展もないということが大前提になるということは、皆さん同様にお考えと思いますが、そのように念を押させていただきたいと思いますし、そのように報告書案に書いていただいたことには感謝申し上げます。

各論的なところになります。前後してしまいますが、私としては自主規制機関のところに関心を持っております。自主規制機関の役割は大変大きいと思っており、このたび自主規制機関の機能強化のための提案が出ており、それはそれでよしとして、加えて、やはり自主規制機関がしっかりと機能していくためには、まず、対象事業者の皆様に加入をいただき、財政的にも人的にもきちんとした体制を整えていただくことが急務であろうと思っており、どのようにしたら自主規制機関への加入を促すということをできるのかというところも工夫をお願いしたいと思っております。それから、暗号資産に関する相談やトラブルの対応のための金融ADRについて、自主規制機関で対応をお願いしたいと思います。

2点目は、情報提供に関してでございます。リスクだけでなく商品性についての理解も必要であるという御指摘があり、私も強く賛同するところですが、金融教育に関わっている立場からは、さて、この商品性については何を伝えるべきなのかがいまひとつまだ見えてきておりません。事務局資料ではリスクについてはかなり踏み込んで色々と書いていただいておりますが、商品性については何を伝えるべきなのかは、関係者が集まって検討していくことが必要であろうと思います。

それから、資料2の26ページの投資者保護のところです。私は株式投資型クラウドファンディングを準用する案に傾いておりましたが、先ほどの有吉委員の御意見を伺い、株式投資型クラウドファンディングのような上限規制を入れても意味がないということが分かりました。そうであるならば、委員が御指摘されたように、「投資者」という言葉を私は使いたくないので利用者と言わせていただきますが、暗号資産の取引・利用は完全に自己責任であるということを徹底するという、そういう突き放した姿勢が必要なのではないかとも改めて感じています。

その意味で、「利用者保護」あるいは「投資者保護」という言葉を様々な場面で使っておりますが、暗号資産における利用者保護というのは一体何なのか、具体的にどういうことが法的に手当てされているのかされていないのかはきちんと知らせておかなければいけないと思います。これだけ一般の国民の間に取引が広がっていることを考えますと、自己責任を徹底すると同時に、利用者保護という言葉があることによる甘えも生じやすいということもございますので、何が用意されているのか用意されていないのかを理解してもらうことも必要なのではないかと思います。

最後に、改めて、佐古委員の御指摘はもっともだと思います。「投資者」、「利用者」、「顧客」という言葉が混用されているので整理していただくことをお願いします。私も暗号資産は投資ではないと思っておりますが、国民の安定的な資産形成を推進しておられる金融庁としてのスタンス、明確な立ち位置を示していただくことが望ましいと思います。

私からは以上でございます。ありがとうございました。

【森下座長】

ありがとうございました。それでは、河村委員、お願いいたします。

【河村委員】

河村です。私もオンラインから失礼いたします。

最初に、松尾真一郎委員が言われていたことに関連しますが、今回の規制の見直しが、暗号資産投資についてお墨付きを与えるものではないというものだとしても、投資商品適格性の大前提として、継続的なセキュリティの確保が重要になるのだという点については私も全くそのとおりだと思っています。

それから、資料2の2ページの表のところになりますが、ここは私の理解が間違っていたり、十分にまだ考えられていなかったりするところかと思いますけれども、類型①と類型②と、発行者による資金調達を伴う場合と発行者による資金調達を伴わない場合という形で分けられていて、そこの線が必ずしも一体になっていないということがあります。それで本日関連するお話がありましたが、情報提供規制の対象者としては、発行者による資金調達を伴う場合に発行者に情報の作成・提供義務を課すという形になっているわけです。

これは理由があってこうなっているのだということだと思いますけれども、理屈からすると、中央集権型の暗号資産であれば、発行者が資金調達を伴わない場合であったとしても、発行者が暗号資産の性質ですとか機能ですとか供給量ですとか基盤技術ですとかそうしたものを変更していくことによって、対象となる暗号資産の価格形成に影響を与えるわけですから、そうだとすると、資金調達を伴う場合でなかったとしても、中央集権型の暗号資産であれば、中央集権者と言えるような発行者に対しての開示義務のようなものは、理屈としては本当は考えられるのではないかと個人的には思っているところです。これと暗号資産交換業者の情報作成・提供義務との関係をどう考えるかですとかその辺りについても、個人的には考えてみたいと思ったところです。

それから、23ページの適時開示情報の話のところです。適時に提供される情報の重要性というのは、私も本当にそのとおりだと思っています。上場株式についてもやはり適時開示が非常に重要になってくると思っておりますし、そうだとすると、加藤委員、伊藤委員がおっしゃっていたように、適時開示の実効性をどう確保していくのかというところで、本日も資料の中に虚偽記載があった場合などのエンフォースメントの話がありましたけれども、適時開示についてもそうしたエンフォースメントをしっかりと考えていく必要があるのだろうと思っています。

それから、インサイダー取引規制のところです。こちら、有吉委員から公表概念の形式化・硬直化に伴う規制の副作用への懸念のお話があって、私も全くそのとおりかなと思って聞いておりました。それから、上場有価証券等のインサイダー取引規制を根拠にして様々検討されている部分があるかと思っておりますが、個人的にはやはり現状の上場有価証券等のインサイダー取引規制についても様々見直すべき点があり、また、上場有価証券と暗号資産との違いがあるのだとすると、必ずしも上場有価証券のときの規制がこうであるからというロジックは、私にはあまり納得できない部分もあるかとは思っているところです。

外部情報の話にしても、発行者がいない暗号資産の価格に影響を与えるような国の政策ですとか政府関係者ですとか情報受理者ですとか、そういう人たちの取引をどうするかというのは、恐らく多くの方が関心を持っているところではないかと思います。それから、MiCAにもありましたが、分散型台帳技術における役割に関連して、情報へのアクセスを有している者を捉えていくという規制もあり得るかと思っております。そのため、日本の法制上はこういった形でつくらざるを得ないということなのだろうかとは思いつつも、どうも在り方として本当にこの在り方でよいのかと思っているところはあります。

その上で、加藤委員、松尾健一委員がおっしゃっていたように不正行為の一般禁止規制をきちんと活用していくことが大切だということで、私もその点については異論ないわけですが、そうだとするとどういう行為が不正行為の一般禁止規制の対象になるのかというところの検討はやはり引き続き重ねていく必要があるだろうと思った次第です。

すみません、少し早口で分かりにくかったかもしれませんが、以上になります。

【森下座長】

ありがとうございました。以上で委員の皆様には一通り御意見をいただいたかと思います。もう予定の時間に達しつつありますけれども、オブザーバーの方から何か御意見があれば、1団体2分以内ということで御発言をお伺いしたいと思います。日本ブロックチェーン協会さん、どうぞ。

【日本ブロックチェーン協会】

日本ブロックチェーン協会の加納です。

まず、もちろん金融庁がお示しした規制の方向性には概ね賛成しておりますが、総論としてはかなり厳しいなと。イノベーションと規制のバランスといっても、イノベーション1、規制9ぐらいの肌感覚だなと思っています。実際、私、日本で一番大きい取引所を経営していますが、社内のリソースも恐らくそういった配分で使われていくのだろうと思っております。つまり、新しい規制対応に次の2、3年は没頭することになるだろうという覚悟でおります。

また、事実、現在29社の暗号資産交換業者がおりますが、この中で黒字企業は恐らく2社ないしは3社程度です。つまり、9割の会社はもう赤字です。さらにこの2、3社も赤字になる可能性があり、ほぼ存続できないというのが私の印象です。そのため、まず委員の皆様、このバランスというのがどういうところにあるかというのを、もう少しやはり交換業者の皆様の意見を聞いたり、ユーザーの声を聞いたりして、もう少しバランスを取っていただけるとよいのではないかと思います。実際、私は委員の皆様と一度もお話ししたことはございませんし、そういった社内の声やユーザーの声と大きくギャップを感じているところでございます。

なお、海外とのバランスというのもやはり重要で、海外の規制が緩く日本が厳しい場合というのは、海外で大きく成長した企業が最終的にはもしかすると日本に進出する、もしくは無登録業者が日本に進出するということで、国内のイノベーションを促進するようなスタートアップは育たないということになります。そうすると、努力した者が損をするといった結論になって、日本のイノベーションというのは引き続き進まないと思っています。

各論ですが、まず、資料2の12についてです。少し細かいのですが、四角の3つ目の(3)のERC-20。これはERC-20だからといって中央集権的であるとは確定しないと。非中央集権的な仕様をERC―20でもつくることができますので、そういった実態を見て中央集権化というのを判断するのがよいかと思っております。

同時に、同じページで、やはり最初にたくさん発行しますと。エスクローと呼ばれるものに入れて、徐々にそれを吐き出すことによって、売出しを通じて事実上の発行をしているような手法があります。こういったものも潜脱行為にならないように、類型①なのか類型②なのかというのを明確にし、かつ例えばこういった行為をした者、昔やった人は許されるが、これからやる者は許されないといったことにならず、規制が公平に適用されるように、駄目なら駄目、よいならよいということを明確にしていただくというのがよいかと思っております。

また、資料1の15ページの責任準備金です。これはまだ具体的な方程式といいますか、どういったものの、バランスシートなのか、P/Lなのかにチャージされるものなのかまだはっきりしていませんが、やはり責任準備金というのはハッキングが起きた後に対応するということで、それ以外にもやはり事前に対応するというところに投資をしなければいけないため、このバランスもしっかりと考えて決めていただきたいと思っています。

例えばですけれども、昨今のハッキングというのはサードパーティーのウォレット、国内であったり海外であったりが対象となっていますので、やはりこういったものを使っている。このウォレットの残高に対する例えばX%を責任準備金とするというのは一つのアイデアかと思っております。ただし、やはりハッキングが起きる前の施策、コールドウォレットの定義を明確にすることですとか、実際にオペレーションをするときにどういったものをチェックしなければいけないか。特にブロックチェーン上のトランザクションを、実際に中を開けて、ロートランザクションを開けて、自分が意図しているアドレスがきちんとロートランザクションに入っているのかを確認するというのは非常に簡素であり、セキュリティ上は重要な意味を持つと考えております。

やはり理想論や、若干机上の空論っぽいものが多くあって、民間企業はやはりリソースは限定的ですから、重要なところ、効果的な規制のところにリソースを配分したいと思っております。例えばコード監査というのはお金がかかる割にあまり実効性がないと私は考えています。コード監査ばかり注目されますが、実際にはテスト時やランタイムのエラーがあります。歴史を戻すとThe DAO事件というのがありまして、イーサアリアムのコードにバグがあって、The DAOというトークンがありましたが、それがハッキングされて、それをロールバックしましたと。ではこれはコード監査で見つかったかというと、恐らく見つかりません。なぜなら、走らせてみないと分からない。ハードウェアに依存していたり、メモリに依存していたり、様々な環境に依存するようなことが起きたときに、実際に動かさないと分からないからです。そうすると、テストもしなければいけません。そうすると、コード監査にどれぐらいの意味があるのだろうかと思います。

もっと言うと、今のコード監査というのは、昔やったコード監査のイーサリアムの基盤を基にしていますが、その後大きく変わっているわけです。POSに変わっています。ではそれを誰が監査したかというと、誰も監査していません。そうすると、コードは毎月のように変わっていくものを最初の1回だけやってよしとするのかと。

もっと言うと、ハッカーはコード監査しようがしまいが、ハッキングの直前にコードを変えてしまいます。そういった攻撃に対しては全く無力で、実際にスイスのSSPのキルン氏がハッキングされた場合も、Gitと呼ばれているコード管理ツールがハッキングされてしまったので、コードが改ざんされました。こういったことに対してもコード監査は無効です。特にコード監査だけがあまり効果がないと言いたいわけではなくて、やはりリソースが限定的なので、安価で実効性のあるセキュリティ対策というところに注力するのがよいと思っています。

SOC1、SOC2の話もありましたが、こういった話もどんどん広がっていくと、監査法人は儲かります。1回発注すると、数千万円取られます。こういったお金も、赤字企業ばかりでもうお金がありません。自主規制団体も強化するということで、ここにも年間1,000万以上取られます。もう交換業者は疲弊していて、社員も疲弊し、セキュリティエンジニアは採用できず、業界全体がシュリンクしていくというのが今の状況であります。そのため、やはりこの方向性を否定はしませんが、ユーザーの声、事業者の声というのを聞いて、イノベーションと規制のバランスを取っていただくというのをお願いしたいと思っております。

私から以上です。

【森下座長】

ありがとうございました。ほか、いかがでしょうか。よろしいですか。

ありがとうございました。本日も本当に活発な御議論をいただきまして、ありがとうございました。多様な視点あるいはお立場から、本当に貴重な御指摘をいただいたかと思っております。

本日の議論をお伺いしておりますと、さらに検討するべき点は様々あるとは思います。特にグローバルという非常に難しい課題があるということは認識した上で、ただ全体としての議論・方向性ということについては、おおむね御賛同いただけたのではないかと認識をしております。

そういうことであれば、次回以降につきましては、取りまとめ、報告書という形を目指しての議論、その中でさらに議論をお願いするということで、取りまとめに向けて進めさせていただくといいのではないかと思いますが、よろしいでしょうか。よろしいですか。

ありがとうございます。それではそのような方向で事務局には作業を進めていただき、本日の御議論なども踏まえてさらに検討を進めていただくということにします。また、次回のワーキング・グループの日時につきましては、皆様の御都合を踏まえた上で、事務局より御案内させていただくということにさせていただきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。

それでは、以上をもちまして、本日の会議を終了させていただきたいと思います。本日もありがとうございました。

―― 了 ――

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