金融審議会金融分科会第一部会(第49回)議事要旨
1. 日時:
平成19年11月21日(水)10時00分~12時00分
2. 場所:
中央合同庁舎4号館9階 金融庁特別会議室
3. 議題
I . プロに限定した取引の活発化、取引所の取扱商品の多様化
○事務局説明
○討議
II. 銀行・証券間のファイアーウォール規制の見直し
○ヒアリング
○事務局説明
○討議
III. その他
4. 議事内容
○上記 I について、事務局からの説明の後、討議が行われた。
○上記IIについて、ポール・クオ参考人及び國部毅委員からのヒアリングの後、事務局からの説明があり、その後、討議が行われた。
○討議における主な意見は以下のとおり。
I . 「プロに限定した取引の活発化、取引所の取扱商品の多様化」
取引参加者の範囲については、流動性確保の観点からなるべく広い方がよく、特定投資家にまで拡大していただきたい。
日本に拠点をもたない外国証券会社が日本の金融商品取引所の会員である場合、提出すべき財務書類の事業年度を、日本ベースの4月~3月ではなく、外国で通常使用されている1月~12月のものでも許容すべきではないか。
プロ向け市場で法定開示を免除する場合に、課徴金等の民刑事罰の適用等、発行体に対する行政上の監督権限をどう留保するのかについて、検討が必要ではないか。
財務情報の虚偽のレベルにはいろいろなものがある。プロ向けで、法定開示を免除する場合に発行体が提供する情報が、いかなる場合に虚偽にあたるのか構成要素を法定するとか、何らかのルールの明確化が必要ではないか。
機関投資家は受託者責任を負っており、投資行動を正当化できなければならない。プロ向けで法定開示を免除することは発行体にはメリットがあるが、資金運用側の立場からすると、発行体の適切な情報提供がなければそこでの投資が抑制されるのではないか。
プロ向け市場での情報開示を市場開設者の定めるルール等に基づくとするならば、そのルールの適切性に十分注視すべきと思う。
プロ向け市場の対象企業は、比較的小規模な企業ではないかと考えられるため、大量保有報告制度を適用する場合の報告義務発生要件の緩和を検討してはどうか。
商品取引所法は産業政策的観点が強く、運用面で厳しい面もあるかもしれないが、ともかく金融デリバティブと商品デリバティブを相互参入可能としてブリッジするというのは大きな前進だ。
ブリッジをするのは前進かもしれないが、デリバティブの原資産によってコモディティか金融かに分かれているのは疑問であり、将来的に見直すべきだ。
コモディティ・デリバティブについては、産業政策的観点という一部の業界保護的な発想は改めていく必要があるのではないか。
II. 「銀行・証券間のファイアーウォール規制の見直し」
内部管理については、規制を緩和するにつれ、より実効性ある対応が必要になる。このためには、利益相反の考え方、法的位置づけを、なるべく具体的に、高いレベルで明確に規定すべき。また、その状況を当局がしっかりと検査監督していくことが重要。
コーポレートファイナンスをデットとエクイティを総合的に組み合わせて提案することができない日本の金融機関は、事業会社のニーズに応えられないのではないか。
情報を金融機関のグループ内部で共有することを許容するための同意に時間がかかり、このことが事業会社の迅速な事業展開と競争力向上の障害となっているのではないか。その意味において、銀行と証券間で顧客情報を共有するための事前同意を原則不要として欲しい。利益相反が起き得る状況等になれば顧客に対して積極的に開示し説明をすることで対応できるのではないか。
個人顧客情報の内部共有については、書面による同意が大原則だと考える。
コンフリクトクリアランスのやり方の開示については、明確性が重要である。
ファイアーウォール規制は緩和するのが世界的な流れであり、日本においてもその方向で検討することが必要である。ファイアーウォール規制を緩和し、内部管理態勢を強化するのは望ましいが、過渡期において自主規制だけに依存してよいものかは懸念がある。金商法で利益相反について整備するのも一つではないか。
利益相反を克服するコンフリクトクリアランスのデータベースは金融機関の国際競争力の源泉であり、外部に公表するのはなじまない。
ファイアーウォール規制の見直しにあたって、業界の立場を超えて、ユーザーにとって何が有利なのか、何が国益にかなうのかという観点から見直し、早急に国際的な流れにあわせることが必要ではないか。
(以上)
問い合わせ先
金融庁 Tel:03-3506-6000(代表)
総務企画局 市場課(内線3619)
本議事要旨は暫定版であるため、今後変更があり得ます。