金融審議会金融分科会第一部会(第53回)議事要旨
1. 日時:
平成20年10月15日(水)10時00分~12時00分
2. 場所:
中央合同庁舎第7号館13階 金融庁共用第1特別会議室
3. 議題
I .委員等の紹介
II .第一部会の進め方等について
○事務局説明
○討議
III .格付会社に係る規制の枠組みについて
○事務局説明
○ヒアリング
○討議
IV .その他
4. 議事内容
○谷本内閣府副大臣より挨拶があった。
○事務局から、委員等の紹介があった。
○上記 II .について、事務局からの説明の後、討議が行われた。
○上記 III .について、事務局からの説明の後、指定格付機関5社よりヒアリングが行われ、その後、討議が行われた。
○討議における主な意見は以下のとおり。
II .第一部会の進め方等について
金融ADRについて金融審議会で議論することに感謝する。金融トラブルは増加しており、ぜひ業態横断的なADR機関の立ち上げについて議論したいと考えている。委員にもご協力をお願いしたい。
III .格付会社を巡る審議
格付のパフォーマンスが悪かったのは明らか。金融工学が今回の事態を分析するための完全な手法ではなかったということが原因なら、格付会社に対する規制を導入してもプラスに作用するとは限らない。他方、仕事を得るために甘い格付けをするという利益相反が原因だとすると大変なこと。金融庁は調査をしているのか。利益相反の可能性は無視できないとの話があったが、サブプライムローンの格付プロセスにおいて利益相反が本当にあったのか。
格付会社への規制は必要。発行体からお金をもらって格付を付与すること自体が疑問。政治的・経済的圧力から独立であるべきというが、そのようなことが本当に言えるのか。トリプルAであった会社が救済を受けたことを見れば、格付会社が将来の見方を間違えたことは明らか。格付に当たって、格付会社の内部でどういう議論があったのか教えて欲しい。
各社とも、格付会社の独立性確保の重要性を強調し、格付手法や内容についての規制は望ましくない、というスタンスだが、政治的・経済的圧力によって独立性が害された結果、格付が不合理なものとなったということなのか、それとも格付の能力が十分ではないため格付が不合理なものとなったということなのか。結果的に出てきた格付が不合理という状況で、どのような規制を採用すれば、きちんとした結果が出せると格付会社は考えているのか。
格付会社に対する失望は大きい。我が国は、貯蓄から投資を謳っているが、金融リテラシーがそれ程進んでいる訳でもない。格付情報の意義について、投資家に誤解を与えてきたのではないか。我が国では、格付情報、特に符号自体が欧米よりも独り歩きしている感がある。
格付は一般投資者にも馴染みがあるものであるが、そもそも格付機関の格付とは一体何なのか、その信頼性には半分疑問を感じていた。格付会社では、なぜこのようなことになったのかについての反省も分析も出来ていないのではないか。米国SECの検査結果は驚きである。一般人から見て格付会社が当然出来ていたと思っていた内部のルール、格付を付与する能力、利益相反の防止のいずれも欠けていたという結論ではないか。これらを高めるためにはどうすれば良いのか、プリンシプルだけに逃れるべきものではない。
アナリストが報酬交渉にかかわっていたことには驚いた。このようなことがないよう規制で明確にして欲しい。各社は行動規範を遵守していると言うが、格付会社ではどのようなトレーニングをしているのか。
格付には限界があること、格付は意見の表明であるとの指摘は、その通りだと思う。規制のあり方としては、意見に至ったプロセスを限りなくつまびらかにしていくことではないか。
(以上)
問い合わせ先
金融庁 Tel:03-3506-6000(代表)
総務企画局市場課(内線3615)
本議事要旨は暫定版であるため、今後変更があり得ます。