金融審議会「協同組織金融機関のあり方に関するワーキング・グループ」(第1回)議事録

日時:平成20年3月28日(金曜日) 16時00分~18時00分

場所:中央合同庁舎第7号館13階 共用第1特別会議室

○神田WG座長

それでは、時間になりましたので、協同組織金融機関のあり方に関するワーキング・グループの第1回会合を開催させて頂きます。

委員の皆様方におかれましては、本日は大変お忙しいところ、このワーキング・グループにご参加頂きまして、大変ありがとうございます。

申し遅れましたけれども、私はこの会合の座長といいますか、進行役を務めさせて頂きます神田と申します。よろしくお願いいたします。

さて、協同組織金融機関のあり方についてですが、政府の規制改革会議等でさまざまな議論がありまして、規制改革会議の議論を受けて平成19年6月に閣議決定されました「規制改革推進のための3か年計画」、いわゆる3か年計画におきまして、総合的な視点からそのあり方の見直しを検討することとし、19年度から検討を開始するということとされたところであります。

この協同組織金融機関のあり方につきましては、金融審議会の前身であります金融制度調査会を振り返りますと、平成2年(1990年)の議論を最後に、本格的な検討が行われておりません。また、その検討に当たっては、したがいまして、幅広く専門性の高い議論が必要と考えられるところであります。

以上のような点を踏まえまして、先般1月31日の金融審議会の第二部会におきまして、第二部会のもとに協同組織金融機関のあり方に関するワーキング・グループ、すなわち今日のこのワーキング・グループを設置して検討を行うということが決定されたところであります。その際に、岩原第二部会長から、私がワーキング・グループの座長に指名されました。その後、所要の準備を進めさせて頂きまして、本日ワーキング・グループの最初の会合を開催することとなった次第であります。

本日は、山本副大臣にお越し頂いておりますので、一言ごあいさつを頂ければと思います。

○山本金融担当副大臣

金融担当副大臣の山本明彦です。協同組織金融機関のあり方に関するワーキング・グループの開催に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げたいと思います。

初めに、委員の皆様方におかれましては、日ごろ大変お忙しい中、当ワーキング・グループの審議にご参加頂きまして大変ありがとうございます。心から感謝を申し上げたいと思います。

協同組織金融機関のあり方につきましては、規制改革・民間開放推進会議におきましても、さまざまな議論があったところであります。その結果、規制改革推進のための3か年計画におきまして、総合的な視点から見直しを必要とするということがありまして、平成19年度中に検討を開始するとされたところであります。これらの機関は、地域密着型金融の重要な担い手であると考えられます。また、これらの機関のあり方につきましては、歴史的にもさまざまな観点から議論がなされてきたところであります。信用金庫・信用組合の将来的な方向性を検討するに当たりましては、さまざまな視点から幅広くご議論頂くことが不可欠だと考えております。委員の皆様におかれましては、高い専門的見地から忌憚のないご意見を頂きますよう、よろしくお願い申し上げるところであります。

簡単ではありますけれども、私からのごあいさつとさせて頂きます。よろしくお願いいたします。

○神田WG座長

どうもありがとうございました。

それでは、本日は第1回目の会合でございますので、委員の皆様方のご紹介と事務局のほうのご紹介もあわせまして、遠藤参事官からご紹介して頂きます。よろしくお願いいたします。

○遠藤信用制度参事官

総務企画局の信用制度参事官をしております遠藤でございます。よろしくお願いいたします。

協同組織金融機関のあり方に関するワーキング・グループのメンバーを座席順にご紹介させて頂きます。委員の皆様方の右側からでございます。今松英悦委員でございます。

○今松委員

よろしくお願いいたします。

○遠藤信用制度参事官

神吉正三委員でございます。

○神吉委員

よろしくお願いいたします。

○遠藤信用制度参事官

久保田隆委員でございます。

○久保田委員

よろしくお願いします。

○遠藤信用制度参事官

佐藤浩二委員でございます。

○佐藤委員

よろしくお願いします。

○遠藤信用制度参事官

中津川正裕委員でございます。

○中津川委員

中津川です、よろしくお願いいたします。

○遠藤信用制度参事官

宮村健一郎委員でございます。

○宮村委員

よろしくお願いします。

○遠藤信用制度参事官

村田晋一委員でございます。

○村田委員

よろしくお願いします。

○遠藤信用制度参事官

村本孜委員でございます。

○村本委員

よろしくお願いいたします。

○遠藤信用制度参事官

家森信善委員でございます。

○家森委員

よろしくお願いいたします。

○遠藤信用制度参事官

若松誠委員でございます

○若松委員

よろしくお願いいたします。

○遠藤信用制度参事官

渡邉記余子委員でございます

○渡邉委員

よろしくお願いいたします。

○遠藤信用制度参事官

オブザーバーとして参加して頂きます農林中央金庫の池上有介総合企画部長でございます。

同じく労働金庫協会の栂孝次郎常務理事でございます。

本日はご欠席されておりますが、原早苗委員、及び吉野直行委員にメンバーに加わって頂いております。

続きまして、オブザーバー及び事務局のメンバーをご紹介申し上げます。まず、金融庁でございますが、委員の皆様方から向かいまして、中央右側から、総務企画局の三國谷局長でございます。

○三國谷総務企画局長

よろしくお願い申し上げます。

○遠藤信用制度参事官

細溝審議官でございます。

諏訪園信用機構企画室長でございます。

オブザーバーとして参加して頂きます農林水産省の天羽金融調整課長でございます。

同じく厚生労働省の尾関労働金庫業務室長でございます。

かわりまして、委員の皆様から向かいまして、私の左側から金融庁監督局の渡邊協同組織金融室長でございます。

○渡邊協同組織金融室長

よろしくお願いします。

○遠藤信用制度参事官

三村参事官でございます。

長谷川銀行第二課長でございます。

財務省大臣官房の源新機構業務室長でございます。

オブザーバーとして参加して頂きます中小企業庁の寺澤金融課長でございます。

同じく、日本銀行金融機構局の早崎参事役でございます。

以上でございます。

○神田WG座長

どうもありがとうございました。

それでは、次に、座長がその職務を行うことができない場合に、その職務を代理して頂く座長代理の方をご指名させて頂きたいと思います。

大変恐縮ですが、私のほうでご指名させて頂くということで、村本先生に座長代理をお願いできればと思いますけれども、よろしゅうございますでしょうか。

○村本委員

よろしくお願いします。

○神田WG座長

ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。

それから、このワーキング・グループの運営に関しまして、いつものことではございますけれども、お諮りさせて頂きたいことがあります。まず審議ですけれども、公開とさせて頂きたいと思います。報道関係者の方々等の傍聴をお認めするということにさせて頂きたいと思います。また、議事につきましては、議事録を作成し、終了後、できるだけ早いタイミングで金融庁のウェブサイトに掲載するということにさせて頂きたいと思います。

そして、配付資料につきましても、原則として、金融庁のウェブサイトに掲載するということにさせて頂きたいと思いますけれども、以上のように取り扱うということで、よろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

○神田WG座長

どうもありがとうございます。それでは、そのようにさせて頂きます。

それでは、議事に入りたいと思います。お手元の議事次第どおり、今日は第1回目でありますので、事務局からのご説明を頂いた後で、自由に皆様方からご意見をお出し頂ければと思います。今後、相当の回数お集まり頂くということになろうかと思いますけれども、よろしくお願いいたします。

それでは、まず事務局から現行の協同組織金融にかかる制度と、その改正の経緯等につきまして、説明をお願いいたします。よろしくお願いします。

○遠藤信用制度参事官

それでは、まず金融庁総務企画局のほうから制度等についての説明をさせて頂きたいと思います。資料は表紙の右上に協金WG1-1と書かれた資料でございます。

表紙を1枚おめくり頂きますと目次がございます。まず目次から構成をご説明させて頂きたいと思います。 I .協同組織性と書いてあるところ、これは主に法律について、現行の法律がどうなっているかといったことについての説明でございます。 II が金融制度調査会等におけます過去の議論、どういった議論が協同組織について行われてきたかという変遷を述べているものでございます。 III は、その変遷を踏まえまして、現在の協同組織金融制度がどういう形になっているのかといった表を中心にまとめた部分でございますし、あわせて IV は、海外の協同組織金融機関についての一覧表をつけております。

目次をおめくり頂きまして2ページでございます。まず協同組織金融機関の特色ということでございますけれども、一番上の○、協同組織金融機関は、「会員又は組合員の相互扶助を基本理念とする非営利法人」でございます。ここにありますように、「そもそも中小企業、農業漁業者及び個人など、一般の金融機関から融資を受けにくい立場にあるものが構成員となり、相互扶助の理念に基づき、これらの者が必要とする資金の融通を受けられるようにすることを目的として設立されたもの」でございます。

真ん中にありますように、この協同組織金融機関には現在4つの業態が存在しております。信用金庫、信用組合――信用組合は地域信用組合、業域信用組合、職域信用組合と3つに分類できるかと思います。労働金庫、農林系統金融機関の4つの業態でございます。

後ほど出てまいりますけれども、日本の制度は明治33年(1900年)の産業組合法が、この信用組合の一つのオリジンになったものでございますけれども、この産業組合法はドイツの協同組合を参考にして作成された法律でございます。現在においても、諸外国において協同組織金融機関に類する制度が存在しております。

法律がどうなっているかということでございますけれども、次の3ページでございます。現在、我が国には協同組合についての統一的な法律というのはございません。協同組合とは一体何ぞやということについての横を貫くメルクマールは、実は独占禁止法にございます。この独占禁止法第22条は、協同組合について、こういった協同組合には独占禁止法を適用しないといった規定でございますけれども、その独占禁止法を適用しない協同組合のメルクマールとして、ここに挙げている1から4までの4つの要件というものが掲げられております。

まず1は、「小規模の事業者又は消費者の相互扶助を目的とすること」。2は、「任意に設立され、かつ、組合員が任意に加入し、又は脱退することができること」。3は、「各組合員が平等の議決権を有すること」――いわゆる一人一票制でございます。それから4が「組合員に対して利益分配を行う場合には、その限度が法令又は定款に定められていること」――すなわち出資配当の限度を設けていることということでございます。

この4つのメルクマールは、それぞれ信用金庫・信用組合の根拠法にこれが反映しております。4ページ、信用金庫法。信用金庫法というのは昭和26年に成立した法律でございますけれども、ページの真ん中、第7条を見て頂きますと、第7条の3行目、次に掲げる金庫は、私的独占禁止法第22条第1号に掲げる要件を、以下のような組合については、その要件を備える組合とみなすということでございます。

前のページで見て頂きましたように、第22条第1号というのは小規模事業者の相互扶助を目的とするということでございました。この小規模事業者というのは、信用金庫にあっては、ここにありますように「常時使用する従業員の数が300人を超えない事業者」、「その資本金の額又は出資の総額が政令で定める金額を超えない法人である事業者」――これは幾多の変遷がございましたけれども、現在、政令で定める金額というのは資本金9億円ということでございます。

1枚めくって頂きますと、5ページでございますが、信用金庫法第13条及び第16条、先ほどのメルクマールを見て頂きましたように、任意の加入、任意脱退について第13条、第16条で規定しております。一人一議決権については第12条、それから剰余金の配当については第57条でございます。この第57条の第2項を見て頂きますと、剰余金の配当は定款の定めるところにより、会員の金庫の事業の利用分量、または出資額に応じてしなければならないということでございます。後者の方はまさに出資配当でございますけれども、前者のほうは、いわゆる利用分量配当と言われるものでございます。第3項で、出資額に応じてする剰余金の配当率の最高限度は定款で定めなければならないということでございますけれども、現在、信用金庫の定款例によりますと、この最高限度は出資額の年1割以下という形になっております。

6ページでございますが、中小企業等協同組合法の法律をここに掲げております。これは昭和24年にできた法律でございまして、ほかの事業協同組合と同様、信用組合についての根拠法になっております。第7条を見て頂きますと、先ほど見て頂きました信用金庫法と全く同じ構造の規定が置かれております。ここに掲げてあるようなものについては独禁法第22条第1号の要件を備える組合とみなすということでございまして、要件が信用金庫とは違います。イ、ロを見て頂きますとわかりますように、資本金の額、または出資の総額が3億円、ロで常時使用する従業員の数が300人といった形になっております。

7ページでございまして、ここも先ほど申しましたメルクマールの2つ目、3つ目、4つ目がそれぞれ中小企業等協同組合法の規定として掲げられております。第14条、第15条が加入の自由、第18条が自由脱退、第11条が一人一議決権、第59条が利用分量配当も含む剰余金の配当の制限でございます。

1枚めくって頂きますと、協同組合をまさに議論するときに、一番最初に出てくる相互扶助のための組織だということがございます。この相互扶助というのは一体何だろうかということで、その内容についての手がかりが何かあるかなということで、いろいろと昔の文献もひっくり返してみました。その結果、一つの手がかりになるかなと思われるような演説等がございましたので、ここでご紹介したいと思います。

まず一番上が明治24年の信用組合法の提出理由説明でございます。この信用組合法というのは、議会が解散したために不成立に終わった法律でございます。内務大臣品川弥二郎の提案理由説明でございますけれども、1行目の終わりにありますように、「此中産以下の人民のために金融の便を開いて低利に資本を使用するを得せしめ、兼て勤倹、自助の精神を興し、もって地方の実力を養成せんとするの目的でございます」といったことを述べております。

真ん中に昭和24年の中小企業等協同組合法案の提出理由説明がございます。1行目の終わりのほうでございますけれども、「中小企業が、今後よってもって立つ手段は、基本的には組織化と相互扶助の力による競争力の培養、増強以外にはない」といったことを述べております。

こういった法案の提案理由説明だけではなくて、実は判決でも、こういった相互扶助について触れている部分がございます。昭和52年の最高裁の第二小法廷判決でございますけれども、この文章を見て頂きますと、中小企業組合はということで、1行目の一番終わりからでございますが、「資本主義社会における経済的弱者である中小企業者の自己防衛的相互扶助団体である」と。次の行におきまして、「1844年ロッチデール衡平開拓者組合以来の組合員の相互扶助、組合の組合員に対する直接奉仕、一人一票主義等の協同組合理念に基づき設立されているのである」といった記述がございます。

1枚めくって頂きまして、先ほどメルクマールの3つ目で剰余金の配当について述べさせて頂きました。一番上の○は、繰り返しになりますけれども、信用金庫・信用組合の剰余金は定款の定めによって、事業の利用分量、または出資額に応じて配当することとされているということで、信用金庫法と中小企業等協同組合法の規定を再掲しております。

中小企業等協同組合法あるいは信用金庫法の定款において、年1割を超えない範囲内でその剰余金の配当ができることとされておりますけれども、実際には真ん中の○にありますように、信用金庫は大体4%程度、信用組合は3%程度の出資配当を行っている例が多うございます。

それから、利用分量配当でございますけれども、いろいろ調べてみたのでございますが、信用金庫及び地域信用組合においては、現在利用分量配当は行っておりません。一部の職域信用組合、業域信用組合において、出資配当に加える形で利用分量配当を併用しているといったのが実態でございます。ここの例として挙げたのは、ディスクロージャー誌にありますので、差し支えないと思いますけれども、A信用組合というのは、警視庁の職員信組でございます。この警視庁の職員信組は預金利息100円について40円、貸付金利息100円について25円の割合で利用分量配当を行っているといった実例がございます。

1枚めくって頂きまして、10ページ、11ページは、協同組織金融機関の沿革について記述しております。11ページの図のほうがわかりやすいと思うので、そちらを見て頂ければと思います。先ほど申しました1900年(明治33年)に産業組合法という法律が成立いたしました。これは事業組合とともに信用事業を行う組合が、産業組合という形で初めて法制化されたものです。この産業組合法の中に非常に大きな改正が1917年(大正6年)に行われまして、この中で、産業組合法の中に都市の中小商工業者に対する信用事業を行う市街地信用組合という概念が出てまいりました。この市街地信用組合に対しては、員外預金とか手形割引をここで許容することになったということでございます。

この市街地信用組合を産業組合法から外出しした改正が1943年(昭和18年)に行われております。市街地信用組合法というのが、農業界を規律する農業団体法と同時期にできております。

ところが戦後の昭和24年にはこの市街地信用組合は、そのほかの事業組合と同じく、中小企業等協同組合法という昭和24年の法律の中にすべて取り込まれてしまいました。

ところが、この市街地信用組合というのは、恐らくほかの事業組合と違って、信用事業、金融事業を行うというものでございますので、通常の事業協同組合を規律する中小企業等協同組合法の規律をそのまま適用すると、いろいろ不都合なところがあると。やはり金融機関の財務の健全性等に関して足りない部分があるということでございまして、昭和24年には大蔵省の提案によります協同組合による金融事業に関する法律というのが同時に提案され、成立しております。

その後、中小企業等協同組合法の中では、市街地信用組合の流れをくむ、やはり金融機関としての協同組合の独立というものがずっと流れとしてありまして、それが最終的に現実化するのが昭和26年の信用金庫法の成立でございます。いわば信用業務を行う協同組合の中で、2つの流れがございまして、昭和26年、信用金庫として独立していくのは、信用組合の中でも金融機関的性格を持つ地域金融機関としての性格を持つような信用組合は信用金庫という形で改組していった。信用金庫法に基づいて改めて金融機関としての一歩を踏み出したということでございますし、相互扶助的、人的結合というものをよりたっとぶ、協同組合的な信用組合については、中小企業等協同組合法を依然根拠とする信用協同組合として今に至っているということでございます。

10ページの一番下に、昭和26年、信用金庫法制定当時、653組合の信用組合があったわけでございますけれども、それが信用金庫・信用組合にどういうふうに振り分けられたかという数字を載せております。653組合のうち信用金庫に改組したものが560組合ございました。残存したのが72組合、そのとき消滅したのが21組合あったということでございます。

12ページ以降は、昭和42年以降の金融制度調査会において、この協同組織金融機関あるいは中小企業金融について、どのような議論が行われたかということについて、概要をまとめたものでございます。

昭和42年の12ページの説明を見て頂きますと、総論の上から2つ目、民間中小企業金融専門機関の必要性というのがございます。ポツが3つございまして、中小企業金融の安定性、中小企業に適した金融、我が国中小企業金融の特殊性ということで、その内容について括弧の中に書かれておりますけれども、ここに書かれた問題意識というのは、恐らく現代にも通じる問題意識ではないかなと思っております。とても40年前に書かれたものという感じはしませんで、今でも同じような問題意識で中小企業金融については議論され得るものではないかと感じております。

こういった問題意識を踏まえまして、この各論といたしましては、民間中小企業金融機関としては、相互銀行、信用金庫、信用組合の3種類があったわけでございますけれども、その3種類をそのまま存続させるか、あるいは2種類の専門機関に改めるかといったことについてかなり深い議論が行われました。3種類説と2種類説には2つございます。相互銀行と信用金庫を一緒にして、中小企業銀行にしようとした(ロ)の2種類説の(A案)、それから株式会社組織の専門機関と協同組合組織の専門機関の2つをつくって、相互銀行、信用組合はそれぞれ株式会社、協同組合の専門機関にそのまま移行するわけでございますけれども、信用金庫が株式会社組織に移行するものと協同組織としてそのまま残るものという形で2つに分かれるといったのが(ハ)の2種類説(B案)でございます。

いろいろと議論されたようでございますけれども、結論といたしましては、(イ)の現状維持、3種類の制度を存続するということが結論づけられました。理由は、ここに書かれておりますように、「規模、業態が多種多様である中小企業に対する金融については、ふさわしいパイプを用意しておくことが望ましいこと」等でございます。

この12ページ、13ページが昭和42年の議論でございまして、14ページにまいりますと、昭和48年の議論がございます。昭和48年の議論の1つ目の○でございますけれども、中小企業金融制度のあり方についての意図ということでございます。これは今見て頂きました昭和42年の議論についてまとめております。「相互銀行、信用金庫及び信用協同組合について、それぞれ中小企業金融専門機関としての性格を明確にするとともに、各金融機関がより広い範囲で適正な競争を行うことができるような環境を整備し、金融の効率化を通じて、中小企業金融の一層の円滑化を促進すること」。これについては、今日においても基本的な変更を加える必要はないというふうにしております。

1枚めくって頂きまして、15ページでございますけれども、これは昭和55年に行われた議論でございます。1の中小専門機関の必要性ということで、3つ目のポツでございますけれども、中小専門機関の必要性ということで、「銀行と並んで、中小企業金融に専念する金融機関を設けておく必要があるということ」をまず結論づけております。

それから2番目といたしまして、中小専門機関の今後のあり方というのが下のほうにありますけれども、1つ目のポツにありますように、「現在、相互銀行、信用金庫及び信用組合の3種類の機関が存在しているが、下記の理由からこの構成をそのまま維持することが適当」ということでございまして、昭和42年に結論づけられた流れをそのまま踏んでおります。

1枚飛ばして頂きまして、17ページでございますけれども、これが先ほど神田座長のほうから引用されました直近における一番大きな議論、最後の議論が平成元年及び平成2年でございました。1番といたしまして、協同組織金融機関の基本的あり方ということで、ポツが2つございますけれども、1つ目のポツ、「中小企業等の分野を専門とする協同組織形態の金融機関の存在は今後とも必要である」ということ。2つ目のポツ、「中小企業等の分野を専門とする金融機関が協同組織形態を採ることは十分合理性を有するものと考えられる」といった結論を述べております。

以下、2番で業務のあり方、3番で組織のあり方について、それぞれ議論を進め、18ページで協同組織金融機関の業務及び組織のあり方についての各論を平成2年に議論し、結論を得ているといったことでございます。これが18ページ及び19ページでございます。

20ページにまいりますと、平成4年に協同組織金融機関の優先出資ということについて議論されました。これは協同組織金融機関はまさに相互扶助組織でございますけれども、そういった機能であるだけはなく、我が国金融システムの一翼を担う重要な金融機関であるということでございまして、銀行と同様に経営の安全性を確保するためには自己資本の充実が要請されるということでございます。ところが、連合組織であるがゆえに会員数の増大が期待できないため、広く員外から出資を受けて自己資本の充実が必要であろうといった観点から、この優先出資について検討されたものでございます。

2番にありますように優先出資制度というものは、協同組織性を損なうことのないよう十分配慮した制度設計をしなければならないということで、ここにあるような制度設計をいたしまして、こういった制度設計をした優先出資制度を導入した場合には協同組織性と十分整合性をとるだろうという議論が21ページでされているところでございます。

22ページ及び23ページは、こういった金融制度調査会の各議論を踏まえまして法律を改正してきた歴史を述べたものでございます。昭和43年、48年、56年についての細かな改正内容について、22ページに説明しております。23ページについては、平成になってからの改正内容について説明しております。

一つ注目して頂きたいのは、平成8年でございますけれども、金融機関等の経営の健全性確保のための関係法律の整備に関する法律でございますが、当時、信金とか信組の経営者による放漫経営といったことが非常に問題になりまして、その放漫経営を是正するために、協同組織金融機関であったとしてもガバナンスを強化しなければならないという議論がございました。そのガバナンス強化のための具体的な方策というのが、この中でかなり立法化されております。具体的内容といたしまして、役員の兼業・兼職制限でありますとか、外部監査・員外監事の登用の義務づけといったものが具体的な制度として導入された改正でございました。

こういった改正を踏まえまして、24ページでございますけれども、現在の協同組織金融機関というのはどういう制度になっているかというのを一覧表にまとめてみたものでございます。今まで説明した部分と重複するものがございますので、そこははしょりますけれども、真ん中の6番に「地区」というのがございます。信用金庫・信用組合はまさに地域機関として定款記載事項として自分たちの業務を行う地区を記載します。この定款ということについては認可事項になっております。7番の「会員・組合員資格」でございますけれども、この定款に自分で定めた地区において、この地区が一つの会員・組合員資格を規定する根拠になっています。「地区内において、住所又は居所を有する者、事業所有する者、勤労に従事する者」が会員・組合員資格でございます。事業者については、先ほど申しました「従業員300人又は資本金9億円以下」が信用金庫でございますし、「従業員300人又は資本金3億円以下」が信用組合でございます。

業務について、信用金庫と信用組合の一番大きな違いは、9番の「員外預金」でございます。信用金庫についてはご案内のように員外預金の制限はないということに対して、信用組合は、原則預金については組合員から預金を取るんだということでございます。貸し出しについては、信用金庫・信用組合ともに、原則会員組合員に対する貸し出しという形になっております。

1枚めくって頂きまして25ページでございます。現在、信用金庫・信用組合のような協同組織金融機関は銀行とは異なる税制、優遇税制が適用されております。国税、地方税がありますけれども、一番代表的なところは、国税の法人税率でございますが、銀行は100分の30に対して、信用金庫・信用組合は100分の22、その他、印紙税、地方税としての固定資産税、事業税等について優遇がございます。

26ページ、27ページについては、協同組織金融機関と銀行のガバナンスの比較を述べました。27ページに銀行の、左側に監査役会設置会社、右側に委員会設置会社を載せています。左側の監査役会設置会社の図と、26ページの信用金庫・信用組合の図を比べてみますと、信用金庫・信用組合というのは、総会に代えることで総代会というのを設置することがございます。この総代会の部分は違うんでございますけれども、この総代会、あるいは総会の選任によって理事会が設置され、またその監事が選任されるという、ここら辺の図は、27ページの株式会社の監査役会設置会社に非常に似ている形になっております。こういった制度としては、先ほど触れさせて頂きましたいろいろな法改正、さまざまな議論を踏まえまして、ガバナンスの制度というのは、制度としてはかなり高まっているというか、改善されてきているのではないかと思います。

ただ、このガバナンスに関しても、今回委員になって頂きました宮村先生でありますとか、家森先生の論文等を参照させて頂きますと、これは制度というよりも実態なのかもしれませんけれども、例えば、総代会の総代の選任については会員のうちから公平に選任されているかというのが選任基準になっているわけでございますが、実際に公平に選任されているかというのは、一体どのような選任方法を取ることによって、公平な選任というのが担保されているのかといったこととか、総代の任期が事実上非常に長くなって終身制になっているのではないかといったこととか、理事会における理事長に権限が集中し、世襲制の金融機関になっているのではないかといったこと。それから第三者的な目としての員外監事でありますとか非常勤理事というのがあるわけでございますけれども、こういった制度が機能しているのかというような問題意識というもの、あるいはそういう点についての批判といったものが現に存在しているといったことはあるかと思います。

他方、リレーションシップバンキングの中で、こういった総代の選任基準等についてはディスクロージャーして、はっきり外に示していこうといった改善も見られているというところでございますので、このガバナンスの状況について、現時点においてどのように把握し、問題点があるのかないのかといったことについてご議論頂くのが一つの論点になり得るのかなと思っています。

28ページでございますけれども、協同組織金融機関の中央機関について書いてあります。協同組織金融機関は銀行と違いまして、中央機関が存在しているというのが一つの特徴でございます。ここには農協の中央機関と比較する形で信用金庫と信用組合を述べさせて頂きました。信用金庫は信金中央金庫、信用組合は全国信用協同組合連合会という中央機関がございます。会員の指導ということで報告徴求、資料の提出報告でありますとか、経営改善でありますとか、あるいは資本増強について、それぞれの中央機関が中心になって、会員組合に対して、さまざまな施策を行っているのが現状でございます。

ただ農協と違って、農協は右側にありますように法律に基づく権限として行っているわけでございますけれども、信用金庫・信用組合は自主的取組みということでございまして、これは契約ベースで行われるさまざまな取組みであるといったことが違うということかと思います。

29ページは、これはまた次回以降で詳しくご議論頂くことになると思いますけれども、海外の協同組織金融機関についての一覧表でございます。特にヨーロッパは、かなり日本の参考になるのではないかと思っておりまして、系統の組織構造として、ドイツ、フランス、オランダが左側に書いてありますけれども、真ん中あたりに、二層構造、あるいは三層構造といった中央組織を中心にした幾層かの構造ができておりますし、一番下にグループの機能というのがございますけれども、フランス及びオランダにおいては、グループ内の相互保証制度というのがございます。また、傘下金融機関の検査監督権限を中央機関が持っているといったことが挙げられます。

30ページでございますけれども、これは先ほど神田座長から引用がございました、19年6月に閣議決定されました3か年計画でございます。この3か年計画、本文の3行目を見て頂きますと、「また」以下でございますが、「貸金業法の抜本改正が行われ、セーフティーネット貸付等、零細な借り手への円滑な資金供給方策を政府をあげて検討すべき課題となっている」ということが掲げられております。

最後の32ページでございますけれども、この貸金業法の改正と表裏をなす多重債務者問題についての政府としての対策でございます多重債務問題改善プログラムというのが、関係閣僚による多重債務者対策本部の決定が昨年の4月に行われました。この中に、(2)顔の見える融資を行うモデルを広げていく取組みということで、マル2に線が引っ張ってございますが、こういう顔の見える融資、あるいはセーフティーネット貸付を行う主体としては、各地域に根づいた非営利金融機関、生活協同組合ですとかNPOとか中間法人や、民間金融機関として労働金庫、信用金庫・信用組合等を想定するといったことがございます。

これは制度の話というよりも、新しいビジネスモデルという話かもしれませんけれども、先ほどの規制改革の3か年計画、あるいはこの多重債務者改善プログラムの中にあるように、貸金業者が従来担っていたような部分についても、やはり地域の中小企業に一番密着した、地域に密着した金融機関としての信用金庫とか信用組合というのが、こういった分野についてもより入っていけるようなビジネスモデルが可能であろうかといったご議論もあり得るのかなと思っております。

抜かしました31ページでございますけれども、31ページは規制改革要望で今回の協同組織金融機関についての法制の見直しというのが18番でございますけれども、それ以外に幾つかの論点として、例えば19番の劣後債の発行、20番の会員資格の見直し、21番の法定脱退自由の拡大といったことで、実はこの根っこにはもっとたくさんの規制改革要望があるわけでございますけれども、こういった業務についての規制緩和要望というものも今、政府のほうに届けられているところでございます。

私のほうからの説明は以上でございます。

○神田WG座長

どうもありがとうございました。

それでは、続きまして、信用金庫・信用組合の動向や、それから中小企業金融の現状等について、同じく事務局からご説明を頂きます。渡邊さん、よろしくお願いします。

○渡邊協同組織金融室長

監督局の渡邊です。よろしくお願いします。

それでは、もう一つの資料、協金WG1-2でございます。まず目次をご覧頂きまして、説明の内容は大きく分けて2つございます。一つは信用金庫・信用組合の現状でございます。それからもう一つは、信用金庫・信用組合における地域密着型金融の取組みについてと、この2点について、ご説明させて頂きます。

まず資料4ページでございますけれども、協同組織金融機関の数の推移ということを記載してございます。10年前は信用金庫約400ございました。信用組合約320、それが18年度で信用金庫は3割減ったと。信用組合は約半分になったということを示してございます。

5ページは、地域ごとの分布でございます。この点については皆様既にご存じだと思いますけれども、全国各県に幾つかの機関がございます。

続きまして、6ページでございますが、預金量の分布状況でございます。これは地方銀行、第二地銀、信用金庫・信用組合ごとに並べてございます。それぞれ、例えば信用金庫で見ますと、規模の大きいところは第二地銀あるいは地方銀行と肩を並べるようなところがあるということではございますが、全体的な傾向といたしましては銀行から第二地銀、信用金庫・信用組合といくに従って規模が小さくなっていくという、全体的な傾向としてはそういうのがあるということでございます。

次の7ページ以下は、各業態、比較の中におけるプレゼンスということでございます。まず、4.協同組織金融機関の預金量の推移ということでございます。預金量につきましては、信用金庫で18年度で111兆円程度。趨勢的には若干増えてきてございます。信用組合におきましては、18年度で16兆円ということでございます。参考のところに掲げてございます預金シェアでございますけれども、平成元年が17.7%だったところが18年度は20.4%、ちょっと増えているということでございます。

続きまして、8ページは貸出金の推移でございます。貸出金につきましては、信用金庫はここ数年、62兆円台からちょっとずつ増えてまいりまして、18年度では63.4兆円でございます。信用組合におきましても、ここ数年若干増えてきてございまして、18年度は9.3兆円ということでございます。シェアにつきましては、平成に入ってから16%台ということで、あまり変わってございません。

9ページは、預貸率と預証率の推移ということでございます。信金・信組につきましては、預貸率はほかの業態よりもやや低め、信用組合で58%、信用金庫で57%となってございます。右側の預証率につきましては、ほかの業態とも大体同じでございますが、やや増加傾向にございます。信用金庫で28.5%、信用組合で19.3%という傾向となってございます。

続きまして10ページは自己資金比率、不良債権比率というものでございます。これにつきましては各機関ともリレーションシップバンキングの取組みなどがございまして、自己資本比率につきましては上昇してございます。信用金庫で11.9%、信用組合で10.1%ございます。不良債権比率につきましても、着実に減少してございます。信用組合におきましては10.3%にまで低下してきてございます。信用金庫におきましては6.5%までに低下してきているという状況でございます。

続きまして、11ページは会員・組合員数の推移というものでございます。信用金庫の会員数は18年度で925万人程度、信用組合につきましては364万人程度でございます。参考のところで、全国世帯数に占めるシェアでございますけれども、平成元年から17年度にかけまして、大体4分の1程度という推移でございます。

12ページは店舗数の推移でございます。近年、リストラあるいは合併の進捗などによりまして、信用金庫・信用組合とも店舗数は減少傾向にございます。信用金庫で18年度で約7,700、それから信用組合で約1,800台半ばということでございます。参考のところは店舗数のシェアでございますけれども、元年度から18年度にかけまして40%ちょっと上回るところということで、シェアはほとんど変わってございません。

次の13ページの従業員数の推移でございますが、これにつきましてもリストラ等によりまして減少傾向でございます。信用金庫につきましては11万人、それから信用組合につきましては2万人ちょっとというところでございます。従業員のシェアにつきましては、平成元年度32.5%、18年度は33.3%ということで、全体の3分の1程度の人が従事、この機関で働いておられるということでございます。

14ページは地域性に関する資料でございます。14ページの本店所在地の状況というのがございますけれども、それぞれ地方銀行から信用組合まで、本店がどこにあるのかということで、県庁所在地かそれ以外かということで分類をしたものでございます。地方銀行につきましては、全体の80%の機関が県庁所在地に本店を置いているということでございます。第二地方銀行になりますと、87%が県庁所在地ということでございます。これら2つの合計で見ますと、83%が県庁所在地に本店がございまして、残る17%がそれ以外の都市にあるということでございます。

その下の信用金庫でございますけれども、信用金庫の本店所在地で見てみますと、県庁所在地にあるものが26.1%、それ以外のところにある機関が73.9%ということで、関係が逆転いたします。信用組合につきましては、全体で見ますと、県庁所在地に本店があるものが6割ということでございますが、信用組合の中には業域とか、お医者様の組合などがあって、そういうところは県庁所在地にあるところが多いものですから、こういったものを除きまして、地域の信用組合で見てみますと、県庁所在地に本店があるものは41%、県庁所在地以外にあるものが59%ということで、信用金庫と同様の傾向が出てまいります。

一番下のところで信金・信組合計でございますけれども、県庁所在地に本店のある機関は38.9%、それから県庁所在地以外に本店を置く機関は61.1%という状況になってございます。

続きまして、15ページは地方におけるネットワークの状況についてでございます。4つ県をサンプルとして取り上げてございます。右側の兵庫県はとりあえず置いておいて頂いて、青森、高知、北海道につきましては、一番下のところで有効求人倍率0.44から0.52ということで、一番厳しいところということで抜き出してございます。

それぞれの機関の店舗数がどうなっているのかということでございますけれども、例えば青森県だと、全国銀行の店舗は211ございます。信用金庫・信用組合の店舗は137ということでございまして、金融機関の店舗のシェアが銀行は6割、信金・信組は4割ということで、この地域は、地方なんですが、銀行がもともとは強い地域であると。それでこの中で八戸市というものを取り上げてみました。県庁所在地は地方銀行の本店があることが多いので、その地域においては銀行のプレゼンスが高いということが予想されますので、それ以外の都市を抜き出して見たものでございます。八戸市におきましては、全国銀行の店舗数の割合が64.6%、信金・信組は35.4%ということで、これは何を言いたいかというと、銀行が県全体で銀行が強い地域において、県庁所在地以外の地域でも銀行が強い地域であると、そういうものがまず一つあるということでございます。

高知県につきましては、銀行の店舗数のシェアが71%で、銀行の強い県だということでございますが、内訳のところの四万十市を見て頂きますと、全国銀行の割合が40%に落ちる反面、信金・信組の割合が60%ということで、県として銀行が強い地域であっても、地域によっては信用金庫のプレゼンスが高いところもあるということでございます。

北海道につきましては、全体としてシェアは銀行が38.9%、信金・信組は61.1%ということで、北海道全体としてはもともと信金・信組が強い地域であるという中で、帯広市もそれと同じような傾向を示しているということでございます。

以上の3県につきましては、地方ということでございますけれども、都市部ではどうなのかということでございます。都市部においては、一般的には銀行のプレゼンスが高いのではなかいというようなイメージもあるところではございますけれども、例えば兵庫県では、44.9%が銀行で、残る55.1%が信金・信組であると。そのうち、姫路市になりますと、全国銀行のシェアが23%であるのに対しまして、信金・信組が76.8%を占めているということで、都市部においても、信金・信組のプレゼンスの高い地域があるということでございます。ということで、信金・信組のプレゼンスは、その地方によっていろいろ異なっているということですね。この表でおわかり頂ければと思います。

続きまして、16ページは中小企業の取引金融機関、従業員規模別に見たプレゼンスでございますけれども、全体的な傾向として下の段に行くほど、つまり中小企業の中でも規模が小さくなるに従いまして、信用金庫・信用組合を取引先にしている会社が増えていくということでございます。

次の17ページにつきましては、法人企業の取引金融機関、資本金階級別ということで見てございますけれども、これも前の資料と同様、資本金の規模が小さくなるにつれて、信金・信組の取引先が増えてくるということでございます。

18ページは、中小企業の取引金融機関、売上高別に見たものでございます。これにつきましては、規模が小さくなりますと、「メインバンクなし」という企業が増えてまいります。そうした中でも、信金・信組は割合もちょっと減ってはいきますけれども、銀行の減り方に比べると小さいし、特に一番下のところを見る限り、銀行に対して見ると、信金・信組の存在感というのは大きいのかなということを示していると考えてございます。

19ページにつきまして、中小企業、小売業でございますけれども、売上高別に見たプレゼンスでございます。先ほどの資料と同様、下のほうに行くにつれて、「メインバンクなし」が増えていく中でも、信金・信組の存在感というのは大きいということを示してございます。

20ページは協同組織中央機関についてということでございます。先ほど遠藤参事官のほうからご説明がありました。この中央機関も協同組織金融機関でございまして、1.の2行目にありますけれども、全国の信金・信組を会員あるいは組合員とする協同組織機関であるということでございます。業務の内容としては、個別機関の業務に加えまして、中央機関として傘下信金・信組の余裕資金の効率運用、それから業務支援、資本増強制度の運用を行っているところでございます。それぞれ、総資産等の係数につきましては、下に記載のとおりでございます。

次のページ、協同組織中央機関の余資運用でございますけれども、これはお金の流れでございますけれども、まず左上の会員金融機関は、各取引先に対して、預金を受け入れて融資をしていくということでございます。融資されない部分につきましては、自前でまず有価証券投資をするということがございます。それにさらに余る部分につきましては、中央機関に預けると。中央機関におきましては、そうして預かった資金も含めて運用を行っていき、その運用益を利息という形で各機関に返していくという仕組みになってございます。

以上が、現状に関する部分でございます

次の22ページ以下は、地域密着型金融の取組みについてでございます

23ページは、地域密着型金融、リレーションシップバンキングと申します。この経緯につきまして、14年10月30日に、まず金融再生プログラムが公表されまして、その中で主要行につきましては不良債権を17年度末までに半減させるということでございましたけれども、地域金融機関につきましては、リレーションシップバンキングという主要行とは異なる特性を有するだろうということで、そのあり方を別途検討するとされたところでございます。

これを受けまして、金融審議会で「リレーションシップバンキングの機能強化に向けて」という報告をまとめて頂きまして、金融庁といたしまして、これをアクションプログラムと、2年間を時限とするアクションプログラムを策定いたしました。これが2年間で切れたものですから、もう一度17年に第2次アクションプログラムを策定してまいりまして、2年間やってまいりました。

そのアクションプログラムの期限が2年たったところで切れまして、その後、どういう枠組みでやっていくのかということにつきまして、再度、金融審の第二部会でご検討頂きまして、地域密着型金融の取組みについての評価と今後の対応というものをまとめて頂きまして、現在はそれに基づいて監督行政をやっているということでございます。詳細については、おいおい説明させて頂きます。

次の24ページでございます。アクションプログラムには何が書いてあったのかということでございますけれども、下半分のところにありますけれども、2年間の集中改善期間に、大きく言って2つの柱で、一つは中小企業金融再生に向けた取組みということで、創業支援であるとか、取引先企業に対する経営相談・支援機能の強化などがございます。それからもう一つは、各機関の健全性の確保、収益性向上に向けた取組みをして頂きたいということでございました。

25ページは、このアクションプログラムの中で、協同組織金融機関に関するものを抜粋してみました。その中で II の3でございますけれども、ガバナンスの強化という項目を掲げてございます。(2)のところで具体的なメニューが書いてございますけれども、マル1では各金融機関に対して15年度から半期開示の実施を要請すると。これは現在すべての機関がやってございます。それから、マル2で監査機能の強化を図るため、外部監査の実施対象の拡大等について検討するということで、これは総企局の資料もありましたけれども、現在、信金だと預金規模200億円以上のものは外部監査をするということになってございます。

それからマル3のところは、総代会の機能を強化するということでございまして、これにつきましては15年中にそれぞれの業界の業界団体が方針を取りまとめてございます。それからマル4につきましては、中央機関に対し、経営モニタリング等の充実を要請していくということでございます。

26ページは、第2次アクションプログラムでございますけれども、これにつきましても、一番下にございますけれども、メニューはほとんど同じものでございます。

27ページに協同組織金融機関関係の抜粋を載せてございますけれども、後半の経営力の強化のところ、ガバナンス強化ということでございまして、半期開示の内容充実、それから2番目の●で総代会の機能強化ということで、こうした点につきましては、リレバンを考えるときから検討課題ということで、各機関の方々に取り組んで頂いてございます。

28ページは中央機関の機能強化ということでございます。一番上の●は経営モニタリング、経営相談・指導の機能の拡充と。それから2番目の●では人的支援の要請。3番目の●では市場リスクや収益性確保への対応として、個別金融機関の市場リスク管理体制の強化に向けて取り組むとともに、中央機関が個別金融機関の余裕資金を運用して収益を還元する機能の一層の活用に向けて取組みを要請するという内容になってございます。

29ページでございますけれども、4年間アクションプログラムを実行して頂いた、その進捗状況を取りまとめたものでございます。1番目の四角で創業・新事業支援のための融資と書いてありますけれども、これにつきましては着実に進捗してきてございます。

その下のビジネスマッチングにつきましても大幅に増加。

それから事業再生につきましても、中小企業再生支援協議会の活用件数が堅調に推移と。

それから4番目の担保・保証に依存しない融資につきましては、いろいろ普及してございます。特に動産、債権譲渡担保融資につきましては、いろいろなアイデアが出ておりまして、いろいろな手法が普及しつつあるという状況にございます。

30ページは、これらの取組みについての評価でございます。地域金融機関における見方はともかくといたしまして、次の利用者における見方でございますが、積極的な評価というものが半数を超えてございます。積極的評価というものは、経営相談、ビジネスマッチングへの取組みは積極的に行われているとか、貸し渋り、貸しはがしの問題はあまり聞かれなくなったというようなものがございます。

その一方で、消極的な評価というものが見られるということも事実でございまして、2番目のところで金融機関による取組み姿勢にばらつきがあるとか、3番目のところで、担保・保証に依存しており目利き能力が不足していると、こうした消極的な評価もなされてございます。

31ページは、これも各施策に対する利用者における見方ということでございまして、表にございます網かけの部分が積極的評価のほうが多いとされた項目についてでございます。創業・新事業支援の機能等の強化につきましては、そういったものにつきましては積極的評価が多いんですが、先ほど申し上げましたけれども、担保・保証に過度に依存しない融資ということにつきましては消極的な評価が多いということでございます。

一番下の四角のところでまとめでございますが、総じて着実に実績が上がっているということはあるけれども、真のリレバンに向けてはまだまだ課題はあると、道半ばであるということだと思ってございます。

32ページでございますけれども、リレバンのアクションプログラムが終わった後の監督の枠組みはどうするのかということで、金融審議会の第二部会で議論して頂いたのですが、そこでの現状認識は今まで申し上げたとおりでございます。報告書の基本的な考え方といたしまして、一番上の○ですが、「地域金融機関の生き残りのためには、地域密着型金融のビジネスモデルの確立・深化が必要」であるということを認識として述べてございます。

具体的な取組みにつきましては、右側にまいりますけれども、1、2、3の3つございますけれども、1つはライフサイクルに応じた取引先企業の支援強化、これは創業、それから再生といったものでございます。2番目の事業価値を見きわめる融資手法を初め、中小企業に適した資金供給手法の徹底ということで、過度に担保に依存しない融資の拡大、それから目利き能力の向上といった項目でございます。3番目は地域への貢献ということでございます。協同組織金融機関につきましては、経営力強化を引き続き求めるということと、中央機関、それから業界団体の機能充実を通じた総合的な取組みを推進していくということでございます。

続きまして、33ページは監督上の枠組みというものでございます。左側にあるのは、金融審議会報告の概要でございますので、ただいま説明したとおりでございます。これをどのような形でやっていくのかということでございますけれども、今までのアクションプログラムという時限的なやり方に変えまして、恒久的な枠組みで推進すべきというようなことがこの報告書で言われておりましたので、そうしたことにするために、監督指針に明確に報告の内容を記載するということにいたしました。それが左側の上の意義のところで書いてございます。2の主な着眼点というものでございますけれども、これにつきましては、ただいま申し上げたとおりでございますが、(2)のところで具体的取組みにつきましては、マル1からマル3で先ほど申し上げたような項目を盛り込んでございます。

続きまして34ページは、協同組織金融機関でございます。協同組織金融機関につきましては、地域金融機関の中でも相互扶助・非営利という特性を有するものですから、そうした特性を生かした取組みが重要であろうということでございます。具体的な取組みとしては、目利き能力の向上というか身近な情報提供という、より身近なところでいろいろやるべきであるということでございます。

それから下から2つ目のポツでございますけれども、「したがって」のところでございますが、協同組織金融機関はガバナンスの強化、コンプライアンス態勢・リスク管理態勢の強化等、経営力強化に向けた取組みが必要であるということが特に書かれてございます。

右側の監督指針につきまして、2のところで経営力の強化に向けた取組みというものがございます。主な着眼点といたしまして、マル1経営管理、ガバナンスの問題、それからマル2信用リスク管理、それからマル3市場リスク管理、中央機関についてという項目がございますけれども、傘下金融機関に対する市場リスク管理等にかかる業務支援や、余資運用・収益還元にかかる取組み等を主な着眼点として記載してございまして、傘下金融機関に対する経営力の強化に向けた業務支援、それから補完の取組み状況等を検証するということとしてございます。

36ページ以下は、係数的な資料でございます。

37ページですけれども、中央機関にかかる諸係数というものがございます。4のところの自己資本比率でございますけれども、中央機関は10%を超える高い自己資本比率を持ってございます。それで資本増強制度の活用実績というものがございますが、信用金庫で累計で34金庫、3,280億円、それから信用組合で31組合、356億円ということで、こうした高い自己資本比率を背景に、こうした増強を行ってきているということでございます。

以上でご説明を終わらせて頂きます。

○神田WG座長

どうも大変有益な資料をつくって頂きまして、また、要領よくご説明頂きまして、ありがとうございました。

今日は第1回目でございますので、あと残りの時間、皆様方から、ただいまの事務局からの説明を踏まえて、ご質問あるいはご意見をご自由にお出し頂ければと思います。

今後、何回かご審議頂くことになろうかと思いますけれども、今日はどの点についてでもご自由にご質問、ご意見をお出し頂ければと思います。どなたからでも結構です。いかがでしょうか。

村本委員、どうぞ。

○村本委員

大変興味深い資料を頂きまして、まだ中身を十分理解しない上での発言ということでお許し頂きたいと思うんですけれども、冒頭、資料1-1で「協同組織というのは相互扶助を基本理念とする非営利法人である」というご説明がありまして、「相互扶助」というのは非常に説明がされておられるわけですが、もう一つの論点の「非営利」というのをどう理解していくのかなと。

最近は非営利というとNPOというのが非営利ですし、あるいは非営利というのはノー・プロフィットであると。あるメンバーシップに対するものであるという理解をすると、これは組織で申せば相互組織、mutual-aid-formというんでしょうか、相互会社、生命保険会社のようなものもそうですが、ああいったものとの対比で何か議論できることはないのだろうかなという感じもいたします。例えば、ガバナンスのところで総代会ということがございましたが、生保も総代会というのがございますから、こういったようなことをどういうふうに理解していったらいいんだろうかということが、もし整理されていればありがたいなというのが一つの率直な疑問でございました。

それからもう一つ、協同組織の場合にはメンバーシップといっても2段階あって、会員とか組合員のメンバーシップという問題と、それから個々の信用金庫・信用組合がメンバーとなる協同組織、つまり中央機関という問題が実はあるわけですが、ここの辺をどういうふうに今後理解していくのかなというのは、ちょっと問題点になるのかもしれないと思っているわけです。

というのは、例えば昨今はどこを向いてもサブプライム問題でございますけれども、世界的に金融システムが不安になってきた場合に、個々の組織でどう対応するのかという問題と同時に、ある種の業界といったらいいんでしょうか、中央機関を通じた仕組みというのも考えれらるわけで、現在は資本増強するシステムもあるんだという話もございましたが、こういったものがどういうふうに動いていくのかなと。

あるいは、恐らくご議論がいずれ出てくるんだろうと思いますが、諸外国、特にヨーロッパの協同組織では、預金についてのクロスギャランティーをつけるといったことがありましたり、さまざまな制度的な工夫がされているわけですが、こういったことから我々は何を勉強していくのかなと。あるいは、今後の日本のシステムに持っていくのかなという辺は重要な論点になるのかなという感じで受けとめておりました。

特に預貸率が低いんだよということであるとすれば、その余資というか、資金をどういう形で運用していくかというのはかなり重要な問題になるわけですから、この辺での関連というのは重要かなと思いました。

それから、十分見ていないのでということを前提に申しますが、頂いた資料の中で、恐らく重要な視点というのは、我が国のいわば経済の問題からすればということになるわけですけれども、一方でグローバル化ということがございますが、もう一つの視点は、地域の問題、地域の活性化、そこの担い手である中小企業の問題をどういうふうに考えていくかという視点が非常に重要ではないかなと思っておりまして、地域の活性化をする上での協同組織の役割というのはどういったものなのか。

先ほどリレーションシップバンキングの議論ということをご紹介頂きました。これで昨年まで随分議論をしてきたわけですが、それを踏まえて、協同組織というのを今後どういうふうな展開があるのかなと。特に地域に対する金融サービスを均てんするという視点ですね。これは平成2年の地域金融のあり方の金融制度調査会の報告書にありますが、地域における金融サービスをいかに均てんしていくか、その際に協同組織、あるいは地域金融機関がどういうふうな役割を果たすかという視点がございまして、特に現在は金融過疎地というような問題も出ておりますので、いわゆる金融に対して阻害されている問題に対する答えというものも探さなきゃいけないかなと。

こんなことで、幾つか今後ぜひ考えて頂きたいという、これは問題の棚卸しのようなことでございますけれども、よろしくお願いできればと思っているところでございます。

以上でございます。

○神田WG座長

どうもありがとうございました。

いかがでしょうか。家森委員、どうぞ。

○家森委員

名古屋大学の家森です。

今日はちょっとまとまっていませんけれども、まず協同組織金融機関と銀行との間の業務の同質化というのは大昔から言われていることですが、それはどんどんと今も続いているという認識をしております。

ですが、同時に違いもたくさん残っておりまして、私がいろいろなところでアンケート調査をやりますと、メインバンクが地方銀行であることと協同組織金融機関であるということで、いろいろなところで回答に差が出てきているということが現実には起こっております。だから、同質化してきているけれども、今も違いがあるというのが一つ。

それから2つ目は、これまで同質化してきたけれども、我々は前を見ているわけでして、今後この傾向がもっと続くのか。銀行が今収益を重要視せざるを得なくなってきている。株主を見ると外国人の方が多くなって、収益を求めるようになってくるというと、このトレンドがまた逆転する可能性もあるということも考えておかないといけないと思います。

例えば、私が最近やりました研究でいうと、金融機関の取引先企業が消滅しているケース、全サンプル80万社から約4万社程度調べたんですけれども、そうすると、実は信用金庫をメインにしているところは、倒産というのが非常に多いんです。休業とか廃業というのは逆に少なくて、撤退率でいうと、実は信用金庫のメインは結構残っているんですけれども、その中でいうと倒産というのが多い。それはどういうことかというと、ぎりぎりまで支えるけれども、もうあかんというふうになるところでようやくつぶれる。銀行のほうは、もっと早い段階で、傷が浅い段階でつぶしているということで、最後まで支援するというところにかなり差があるということが見られる。

それでこういうことができるのは、恐らく信用金庫が今のところ非営利性という組織理念があって、やられているんだろうというふうに思っております。だから、信用金庫等の中小企業金融における役割というのは現時点では非常に重要であると考えております。

一方、話題が変わりますが、ガバナンスに関しては員外監事制度とか、監査制度の強化というのは最近までかなりやられてきまして、銀行と遜色ないと思うんですが、取締役制度に関して、株式会社に関してのいろいろな制度に比べると、信用金庫の理事会に関しては、人数は5人以上とか、理事の3分の2は会員でありなさいということは昔からそのままという印象でありまして、このあたりについて考える必要があるだろう。

これも私が最近調べると、信用金庫は非常勤理事というのが非常に多いというのが特徴だったんですが、その数がものすごく減っている。大きな信用金庫では理事のプロ化が進んでいるということですが、この傾向について、これが協同組織性としていいかどうかについて、若干私は意見を持っております。

幾つもあるのであまりしゃべるとあれなので、質問事項を述べさせてもらい、まだ時間があれば、残りは後で発言させて頂くということにします。それでまず、信用金庫の業務を考えるときに、員外預金の比率がどの程度になっているのか。個別の金融機関でもごくわずかのところがディスクロージャー誌に書かれているんですけれども、ほとんどのところが書かれておりませんで、実際どの程度員外預金の利用があるのかというところ、今日でなくても結構ですので、また教えて頂ければと思います。それから過去10年、経営破綻した金融機関はたくさんあったんですけれども、預金保険機構でも整理されているようですけれども、破綻理由としてガバナンスの弱さというのが、協同組織金融機関に特に顕著に見られるのか、言い換えれば、銀行もたくさん破綻していますので、破綻理由として特に協同組織金融機関に顕著な違いがあるのかについて、また今後ご紹介頂けたらと思います。

以上です。

○神田WG座長

どうもありがとうございました。では、今後調査して、お答えさせて頂くということにさせて頂きます。どうもありがとうございます。

ほかにいかがでしょうか。今松委員。

○今松委員

今非常にわかりやすい説明をありがとうございました。

過去の、最初の遠藤さんのご説明がありましたけれども、昭和42年以来の一連の中小企業金融のあり方、制度のあり方の金融制度調査会での議論を見ていますと、昭和42年時点でやはり問題というのは、かなりこの時点でも的確にとらえられていたんだろうと思います。現状というところで見ましても、大体今回議論するところとかなり重なっているというふうに思いますし、問題点でもそうであると。

とりわけて、そういう中でこの段階でということになると、90年代終わりから2000年代初めのいろいろな意味での金融の混乱であるとか金融危機、これがとりあえず鎮静化しているという中で、改めて地域における金融、特に地域再生とかそういう中で金融の果たす役割が非常に重要だということで、これは金融再生機構等々でも金融の役割というのがどのように位置づけるかというのが重要になっているわけですけれども、そこで今回議論になる協同組織金融機関の場合で言えば、地域銀行と協同組織金融機関の、改めて役割とそれぞれの機能及びそこでのどのような、あと協同組織金融機関の場合で言えば地域の問題ですね、どれだけの広がりを持っているのかと。職域とかそういう場合には、そこでの問題として改めて特に大所になってきた地域を超え、実態としては地域銀行とほぼ同じ業務をやっている場合の扱い等々、これは改めてやはりこういう場で議論していく必要があるだろうし、非常に有益だろうと思います。特に協同組織の金融機関から銀行に、かつてもあったわけですけれども、そういうふうなこと、つまりそのほうがより経済効率及び金融の機能を発揮するという意味で有益であるとすれば、よりそういう道というものをやりやすくというか、そういう方向ができやすくするなりの、そういうふうな議論というあたりも必要になっているんではないかと思います。

同時に、非営利とか、そういうところですね。改めて協同組織の原点のところについては、核は何なのか、コアになる金融であるとか、そういうものは何であるのか、このあたりをやはり明確にして、それでそことの、昭和42年の時点では3つの、2つにするとかいろいろな議論が出たようですけれども、今の時点でどのような組織がそれぞれあり得るのかという点というのを、今後議論等々詰めていくような方向というものを期待したいと思っております。こちらもいろいろ議論に参加したいと思います。

○神田WG座長

どうもありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。

久保田委員、どうぞ。

○久保田委員

諸先生方が非常に良くご存じなので、あまり追加すべき事項はないのですが、非営利の地域密着型の経営という理念に従って、地銀との業務の役割分担を考えていく際、各信用金庫が既に実施してきた地域密着型のビジネスモデルに加えて、何か制度的に参考になるものを提供できないかと考えております。例えば、法律家の観点からは、地域の声を経営に取り入れるオンブズマン制度が海外に存在しますが、実際にこれを日本に受け入れるかどうかは別として、こんな考え方を経営に取り入れられないかとか、地域への投資を促すCRAというアメリカの法律がありますが、こういった考え方も議論の中で参考にならないかといったことを、私自身考えてみたいと思います。

以上です。

○神田WG座長

どうもありがとうございました。

村田委員、どうぞ。

○村田委員

村田でございます。中小企業者の立場として、いわゆる協同組織の特性である会員制、あるいは相互扶助ということがあるわけでございますけれども、ここ何十年の間に、この認識――会員である、あるいは相互扶助の特性を持たなければいけないといった認識が薄くなっているんじゃないかなという気がするんですが、そういった認識の薄い中で、この特性を生かす、地域密着型にするということをどういうふうに考えたらいいのかなというのが一つあります。

それから、もう一つは、中小企業金融の上での資金量の確保ということで、いわゆる信用金庫・信用組合の上位10社あるいは20社、それから下位の10社なり20社、そこで資金量を確保するのにどれだけの差が出るのかということを、また伺っていきたいなと思っております。

○神田WG座長

どうもありがとうございました。

神吉委員、どうぞ。

○神吉委員

私、1点だけ申し上げます。協同組織金融機関は地区を定款で定めるんですけれども、その地区と協同組織金融機関の営業エリアとがどう関係するかということを、私の研究した中でも疑問に感じまして、お伺いしたいと思います。

大蔵省が金融行政をつかさどっていた時代には店舗規制もありましたので、地区の中で営業するんだという解釈であったようで、今でも信用金庫さんなどは、業界でそのように解釈していらっしゃるようです。現時点においても、果たしてそういう解釈になるのかという点をお伺いしたいのです。

もしそのように解釈しますと、今はインターネットバンキングとか、地域とか地区とかそういう地域性にとらわれないような営業の仕方も活発に出てまいっておりますので、地区に営業エリアが規制されるという考え方をとりますと、非常に手足を縛られた状態で営業をしていかざるを得ないことになるのではないかというふうに思います。それで、今、どういうふうに解釈されるのかということをお伺いできたらと思います。

○神田WG座長

ありがとうございます。

幾つかご質問も頂いていますけれども、どうしましょうか、まとめて次回以降ということでよろしいですか。

○渡邊協同組織金融室長

各金融機関の地区は、定款で定められているところですが、これは恐らく、協同組織性が発揮できる範囲ということで、監督当局云々というよりも機関のほうで、ここら辺のエリアであれば自分たちの目が届くといったような判断のもとで定められているんじゃないかと思っています。

○神田WG座長

また引き続きご議論させて頂ければと思います。

ほかにいかがでしょうか。宮村委員、どうぞ。

○宮村委員

切り口を信用金庫と信用組合ということなんですけれども、実態は信用金庫の中でも多様な中身が違う信用金庫がありますし、信用組合もいっぱいあるわけですね。信用金庫でいうと、非常に大きな信用金庫で、都市部でやっていて地方銀行と競合しているという信用金庫と、あるいは非常に過疎地でやっている小さな信用金庫で、ほとんど小さな信用組合と同じような信用金庫もあります。

信用組合はさらに多様化していて、地域信用組合もあるし、大きなものから小さいものまでありますし、一方では職域、業域信用組合というのがあります。

もともとこれらのでき方というのは、相互扶助ということで弱いものが集まってつくると。弱い中小企業が集まってできるだとか、弱い消費者あるいは弱い労働者が集まって、労働金庫の場合だったらできると、こういうことだったんですけれども、現在、それがかなり多様化してしまって、中小企業の中でも強者と弱者が発生していますし、特に職域信用組合のような、先ほどお話が出ましたけれども、警視庁信用組合なんていうと、警視庁の中の人たちが完全相互扶助でやっていますけれども、ここは現在の金融でいうと強者の中での集まりという状態になっています。

どういうことかというと、銀行などは、例えば住宅ローンをしようと思えば、警察の方だとか消防署の方だとかは喜んでやるわけです。だけど、彼らが集まってやるということは、実は、自分たち以外のところに混じってやるとなると、当然そちらでは貸し倒れが発生するということであると、そこら辺を集まってやれば、非常に貸し倒れ率も低くて強力な、自分たちにとっても借り入れコストは非常に安いし預金金利も高くつくと、こういう金融機関ができてしまうということで、相互扶助と言いながら、あれは実は強者の間の相互扶助になっていると。

労働金庫についても、そういう面が結構強いと思うんです。強力な労働組合で有力な企業の労働者が集まってつくっているということで、昔の弱者の消費者や労働者が集まってつくったというのと今はかなり違っていると。ですから、そのように実際に相互扶助と言ったって、さっきの裁判所のところで社会的弱者の相互扶助ということがありましたけれども、実際には相互扶助には弱者の相互扶助の場合と、強者の相互扶助の場合といろいろあって、それらはかなり業態によって随分違うと。

おもしろいことに、相互扶助が強いというのは、先ほどの警視庁のような職域信用組合のように強者の人が集まっているところの相互扶助のほうが実際には強いんじゃないかと。中小企業が集まってつくっているような信用金庫だとか信用組合というと、実は意識としては相互扶助意識が非常に低いなということになっているということで、かなりいろいろ全然違うので、それを分けて議論しないと、なかなか細かい存在意義は何かというような議論にはならないんじゃないかと思います。

○神田WG座長

どうもありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。

今までのご指摘、いろいろな根本的なご指摘から多様なご指摘を頂きましたけれども、一つは制度と実態というか、制度はある種建前というか、ある種の考え方を持ってできているのですけれども、今、宮村委員にもご指摘を頂きましたように、実態は非常に多様で、その実態はほかの委員からもご指摘がありましたように、制度の建前と同じ場合もあれば、かなりずれているというか距離があるような場合もあると。そこら辺をどう見きわめていくのかというところが一つ難しそうですね。

それから制度のあり方そのものも、恐らく昔から制度としては共通しているのでしょうけれども、冒頭、村本委員からのご指摘もございました非営利性というのは、現在の金融分野に置いてどういう意味を持つのかというような、制度そのものの趣旨についてももう一度現時点において考える必要があるというようなご指摘があったように思いますね。少なくとも確認する必要がある。

もう一つは、政策との関係というのでしょうか。リレーションシップバンキング、新しい今の監督指針というか、地域密着型金融という政策がある中で、この協同組織金融機関というのがどういうふうに役割を果たし、位置づけていくのかということですよね。大体以上のところに関わるようなご質問、ご指摘を多く頂いたと思うんですけれども。

将来もっとお時間をとるかもしれませんので、今日は早目に終わってもいいのですけれども、まだ時間がございますので、1回目ですけれども、さらにご発言があれば、一度ご発言頂いた委員の方でも結構でございますのでお話し頂ければと思いますけれども、いかがでしょうか。

佐藤委員、どうぞ。

○佐藤委員

多摩信用金庫の佐藤と申します。今日は改めてご説明で勉強したという気がしまして、私のほうは42年間信用金庫で仕事をしてきただけで、現場のことしかわからないということなので、大変申しわけないのですけれども、ここで改めて勉強しているようなところもあるんですけれども、今日の説明について、どうも質問とかそういうことじゃないんですが、今先生方からいろいろなお話が出たので、それに関して、感じたことが一つありまして、私どもも平成になってからの大変な時代を、必死になって頭の上のハエを追いながら何とかやってきたという、そういうことがあるんですけれども、そういうことで考えてみますと、私の経験から見て、随分我々の役割ということに対しての意識が変わってきていると思うんです。

それは、昔は確かに同質化ということをしてきたと、一言で言えばそういう時代があったのは事実ですし、設立のときの協同組織金融機関としての役割というか、そういうものよりは、どちらかというと拡大してくる国も全体もそうですし、そうした経済の中で何とかついていって、大きくなってという、そうしたことで株式会社銀行と同じようなことをできるだけうまくやるかというようなことに力を注いできた面もあるんですけれども、そういう結果として、平成の時代になってきて全く環境が変わったと。

そういう中で生きていくということについて、健全に経営していくということが、いかに地域の貢献になるかという、そういった観点から必死にやってきたということもありまして、そうして考えてみると、同質化という問題に関して言いますと、今改めて非常に大きな違いが出てきていると、まして、これからそういう違いが本当に出ていく時代じゃないかなというふうに今感じています。確かに業務的には、規制緩和的なことで金融制度等についても同じようなことができるような経過というのがずっとあったんですけれども、むしろ個々の協同組織金融機関の選択の問題として、地域での貢献であるとか、そういうものが必ずしも営利中心に考えるのではなくて、地域でどう貢献していくかということを、中小企業に対してもそうですし、個人のお客様に対してもそうですし、そういったことをやっていかなければ存続できないという状況が今の環境だと認識していまして、その辺が同質化から今改めて全く環境が変わってしまった中で、いかに特性を生かしてやっていこうかという時代に入ってきているというふうに現場では思っていますので、その違いということは何なのかということは明快になれば、我々としてもまた将来の展望等が開けてきて、地域とともに地域の繁栄にもっと貢献できるような、そういうことがやっていけるんじゃないかと思っているわけです。

確かに協同組織とかそういった問題の制度としての問題とは別に、現場としての感覚は、まだ違いが残っているというんではなくて、これからそういう違いというのは本当に出てくるんだというふうな感覚を持ってやっていることをご理解頂いて、そういうふうな運営についての解明と言いますか、それをやって頂ければ、私どもとしても非常に将来に向かって非常に勇気づけられると言いますか、展望を持てるというふうになるんじゃないかと思っております。現場の感覚でそういうことを申し上げてもあれですけれども、よろしくお願いしたいと思います。

○神田WG座長

どうもありがとうございました。

家森委員、どうぞ。

○家森委員

もう少ししゃべらせて頂きます。

先ほどちょっと大規模な信用金庫では非常勤理事が減って、ほとんど理事が専任化してプロ化が進んでいるということを申し上げました。これは事実として起こっているということなんですけれども、多分こういう協同組織金融機関というものがうまく機能するには、何らかの規模の上限、限度があるのではないのかなというのは、これはやや直感的な話ですけれども、と思っています。

そういう意味で言うと、業務とか地域とかの制限が現状設けられていることについては、ある程度ガバナンス面からも理由があるのではないかと。経営者を規律づける、行動を抑制するためにはこのような外生的な何らかの制限が必要になってくるというような論点もあるのではないかというふうに思います。

それから、経済学者は基本的には競争をやっていたら大体解決するというふうに考えるんですけれども、情報開示なんかについて、これは信用金庫のことをまさに研究して、MITプレスの本に載せたんですけれども、不良債権の情報開示が任意だった時代に開示するかどうかというのを、その後強制開示になったので隠していたやつが無理やり出たので、すごく理想的な状況があったんですけれども、それを研究すると、ある意味当たり前なんですけれども、不良債権が多く困っているところほど任意には開示しないということでして、やはり僕も一緒なんですけれども、悪いことはあまり開示したくないということなので、開示なんかもやはり基本的にルールをつくって開示させていかないと、競争して、いいところはいいですよというふうに出さないといけないから開示も競争によって最適開示にいくという議論もあり得るんですが、現実にはなかなかそれだけの金融機関の競争がないので、開示なんかについては公共のルールでもってきちんと決める必要があるだろうと思います。

それから、あとこれもまた将来、今日というわけじゃないんですが、税制上の優遇が一部あるというご紹介があったんですけれども、比率はわかったということなんですが、実態としてどの程度の有利さ、不利さがあるのかもまた近い将来に教えて頂きますと。

信用金庫を見ると、現状、非常に自己資本比率が高いわけですけれども、これは信用金庫は株式会社と違って自己資本を調達するのは非常に難しい、いざというときに集めるのは非常に難しいので、その分を積んでおかないといけないと。今まで、この税制上の優遇上でもってようやくこれが積めてきているというふうにも解釈できるかと思いますので、このあたりについて、利益を上げたところだけが積めるわけで、そういう意味では非常にインセンティブも与えているわけで、そういうのも考えられる制度であろうと思いますので、また金額等について試算して頂いたらありがたいと思います。

以上です。

○神田WG座長

どうもありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。

どうぞ、中津川さん。

○中津川委員

今日のこの時点で申し上げるのは二、三点しかないんですが、冒頭に村本先生のご発言で非営利とはという、この辺が非常に問題提起として大きく出されました。やはりそこは非常に重要なところだと思います。どうしても今までは協同組織論というんですか、そういうある種の概念論だけで、なかなか具体論に踏み込んでこなかったことは事実だろうと思います。我々としては非常にここが重要な事項だというふうに理解はしております。

それから各委員の方のご指摘のガバナンスの不足の問題。これは総代会という制度の問題も含めてかもしれませんが、手前どもでは、ここ10年で4つの破綻した組合の事業を引き受けてきた経験からしますと、ご指摘のガバナンスに問題があったということは否定のしようがないというふうに思いますので、そういう点では、我々としても謙虚にこれから取り組む必要が大いにあるという感じはしております。

それから最後は、先ほど佐藤理事長もおっしゃっていたように、現場という立場での発言でございまして、これはやはり今回のこの問題につきましては我々とすれば、どうしてもお客様といいますか、取引先としてどんなふうに理解があるのか、あるいはどうした要望があるのかということをベースにして物事を考えなきゃいけないかなというふうに思っておりますので、できれば機会をより多くとって、私どものお取引先と直にこの問題をお話しする場を一回つくってみたいし、そうしたものが直接この場でお伝えができるのであれば、よりいいかもしれないかなと、そんなふうには思っております。

以上です。

○神田WG座長

どうもありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。

ほぼ皆様方からご発言は頂いたと思いますが、オブザーバーの方もご遠慮なく、もし何かありましたらと思いますけれども。あるいは、所管官庁側のほう、あるいは農林中央金庫、労働金庫協会のオブザーバーの方、もし何か。今日はちょっとなかなかないですかね。

ちょっと私が今後ということで気がついた点を2点だけ申し上げます。

一つは「非営利」という言葉です。これは世の中に2つ恐らく違った意味がありまして、第1の意味は儲けるか儲けないかというか、いわゆる営利目的かどうかで使う場合です。それからもう一つは、より法律家というか法制度が使う営利法人か非営利法人かという意味です。これは全然意味が違いまして、非営利法人かという意味は、上がった利益というものが最終的にこのメンバー――このメンバーがだれかという問題はあるのですけれども、株式会社の場合は出資者である株主がメンバーというか所有者という言葉がいいかどうかわかりませんけれども、に最終的に帰属するという場合を営利法人といって、帰属しない場合が非営利法人ということになるのでございます。したがいまして、この協同組織金融機関で言えば、出資配当というのに制限があるというところが非営利法人性の側面の一つということになるわけです。

そのことと、第1の意味で儲けるか儲けないかというのは全く別ですので、そういう意味で言えば、例えば慈善事業をするという株式会社というのも存在し得るわけで、それは言ってみれば営利目的とは呼びにくいとは思うのですけれども、その事業によって上がった利益というのが株主に帰属すれば営利法人ではあるわけですので、これは今後の話ですけれども、ちょっとよく整理してはと思います。

もう一点は家森先生がおっしゃった競争という概念です。おっしゃったこととは別の点なのですけれども、今日、遠藤さんからもご紹介にありましたように、競争といいますと、独占禁止法という法律があって、これは競争しなさいという法律なのです。競争はいいことであるとする法律です。もちろんそれは公正な競争でなければいけませんけれども。その独占禁止法が第22条で、協同組織には独占禁止法を適用しないと定めているのです。それが4要件で、協同組合原則などとも言われてきたものであります。ということは、この協同組織とか協同組合というのは、競争との関係でどういうふうに考えるのかという根本問題があります。競争になじまないのか、あるいは特に今日どういうふうにこの問題を考えるのかという点もあると思います。今後のご議論の参考にして頂ければというふうに感じます。

それでは、大変いろいろと貴重なご意見とか宿題、ご質問も頂きましたので本日は予定の時間よりはちょっと早いかとは思いますけれども、このあたりとし、将来ひょっとすると延長をお願いするかもしれませんのでと思います。

山本副大臣、ご感想などおありでしょうか。

○山本金融担当副大臣

今日は第1回目ということで、ありがとうございました。

地域密着型の金融機関というのは、やはり中小企業にとりましては一番大事な金融機関であります。今、問題になっております銀行というのは、いわゆるミドルリスク・ミドルリターンでありまして、私はこの思想というのは、思想的には大変いい思想だったと思いますが、やはりガバナンスの問題や目利きの問題があって、うまくいかなかったんではないかというふうに思います。

地域密着型の金融機関は、いわゆる顔の見える金融機関でありますから、そういった意味では非常に目利き能力があると私は思っておりますし、そうした力をつけてもらいたいと思いますが、そういった意味で地域密着型の金融機関にとりまして、大事な地域の金融をしっかりと担って頂くために、やはり体質をしっかり強くして頂く。そうしたことをぜひ目指して頂いて、無理にというわけではありませんけれども、地域の中小企業が安心して利用できる金融機関をぜひつくって頂きたいと。そういったために見直すべきものは見直して頂きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。今日はありがとうございました。

○神田WG座長

どうもありがとうございました。

それでは、事務局からご連絡があればお願いします。

○遠藤信用制度参事官

本日はご議論ありがとうございました。本日出されましたいろいろな問題意識でありますとか、具体的な疑問点的については、我々のほうで、もう一度具体的に整理しまして、次回お示しできるものについては早急にお示ししていくような形にしたいと思います。

それから、議論のまさに今後の進め方についてもいろいろと大きな問題意識のご提示も頂きましたので、そういった問題意識にできるだけ答えられるような形で、今後の議論を進めていこうと。そのためには、どういう形で次回から進めていったらいいかについて、また内部で検討してやっていきたいと思っております。

次回でございますけれども、まず諸外国の制度についてご紹介頂いて、それをもとにご検討頂くことを考えております。本日の資料の中では一応ヨーロッパとアメリカの協同組織について1枚紙で簡単にお示しいたしました。これについてもう少し深いところをご説明頂いて、それについて議論することによって、それとの比較の運営で日本の制度はどうかといった議論ができるのではないかと思います。現在、アメリカの制度については茨城大学の内田先生に、ヨーロッパの制度については拓殖大学の山村先生にご説明頂くということでお願いしているところでございます。

次回は4月18日、金曜日の16時からを予定しております。正式には追ってご連絡いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。

以上でございます。

○神田WG座長

ありがとうございました。それでは以上をもちまして、今日は散会させて頂きます。どうもありがとうございました。

以上

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