金融審議会「金融グループを巡る制度のあり方に関するワーキング・グループ」(第8回)議事録

  • 1.日時:

    平成27年11月18日(水)10時00分~12時00分

  • 2.場所:

    中央合同庁舎第7号館13階 金融庁共用第一特別会議室

【岩原座長】

それでは、時間になりましたので、ただいまより金融グループを巡る制度のあり方に関するワーキング・グループ第8回会合を開催いたします。皆様、お忙しいところ、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

それでは、議事に移らせていただきます。本日は、事務局より討議資料「金融グループにおけるIT・決済関連業務の取扱い」について、まずご説明をいただき、討議を行いたいと思います。それでは、事務局から説明をお願いします。

【佐藤総務企画局信用制度参事官】

それでは、事務局からご説明を申し上げます。お手元に資料が配付されているかと思います。最初に討議資料(3)「金融グループにおけるIT・決済関連業務の取扱い」とタイトルをつけたものがございます。基本的にこれに沿いましてご説明を申し上げたいと思います。また、付属の資料としまして、参考資料が1から5までついております。この参考資料を説明の中で適宜活用しながらご説明を申し上げたいと思います。

それでは、討議資料に沿いまして、最初に基本的な考え方を書いております。全体の構成としまして、基本的な考え方があり、2ページ以降に「IT・決済関連業務への取組み」ということで具体的な論点をイからニまで4点にわたって記載をしております。

まず基本的な考え方、(1)背景ということでございます。FinTechの拡大に代表される近時のITイノベーションの世界的な広がりは、決済をはじめとする金融サービス業の今後のあり方に大きな影響を及ぼすものである。欧米金融機関では、こうした環境変化が危機感をもって捉えられ、ITベンチャー企業等への出資・連携を活発化させるなど、戦略的かつ柔軟な対応を見せている。

こうした中、日本の金融グループが環境変化に対応しつつ、今後も持続的成長を維持し続けていくためには、IT・決済関連業務を取り巻くイノベーションを戦略的に取り込みながら、柔軟に業務展開を行っていくことが重要との指摘があるが、どう考えるか。

同時に、各金融グループがこうした取組みを進めていく中、制度の面からも見直しの余地がないか検討していく必要があるとの指摘について、どう考えるか。まずここが背景でございます。

次に、この金融グループの業務展開のあり方を巡る制度面における基本的な視点ということでございます。銀行を中核とする金融グループにおける業務展開のあり方を検討していくに当たっては、以下のような点に留意する必要があると考えられるが、どうか。

銀行を中核とする金融グループは、預金を用いた決済機能の提供や、信用創造・金融仲介を営むなど、社会・経済上の重要なインフラ機能を担っている。このため、これらの金融グループにおいて、まずもって銀行が担うべき本来的な役割の発揮に注力することが求められており、その行い得る業務については、他業禁止の規制が課された上で、その子会社、兄弟会社の行い得る業務と併せて、関係法令等において限定的に定められている。

2ページにお進みください。銀行を中核とする金融グループにおける業務範囲のあり方を考えるに当たっては、まずもって上記の他業禁止が課されている趣旨、すなわち、本業専念による効率性の発揮、他業リスクの回避、利益相反の防止、優越的地位の濫用の防止を踏まえ、さらに今日的な視点としては、多様な業務を営むことで組織構造の単純性が損なわれ、グループの実効的な経営管理が困難になることがないかといった点を踏まえていく必要があるとの指摘が考えられるが、どうか。

その上で、新たな業務をグループ内のいずれのエンティティ――具体的には、銀行本体か子会社か、あるいは持株会社を介した兄弟会社に認めることが適当かについては、従来当該業務と銀行の本来的業務との機能的な親近性、また当該業務のリスクと既に銀行が負っているリスクとの同質性、銀行本体へのリスク波及の程度等を勘案して決定する必要があるとされているが、どうか。

参考資料1をご覧いただきたいと思います。参考資料1では、平成19年の金融審議会第二部会報告の抜粋を記載をしております。平成19年の当時、金融グループの業務について議論がなされ、その考え方をここに記載をしております。主なところにアンダーラインを引いておりますが、まず他業禁止の趣旨は、本業に専念することによる効率性発揮、利益相反取引の防止、また他業リスクの回避等であると。

その下のところでございますが、ここもアンダーラインを引いております。その際、個別の業務を、銀行――この当時は保険会社の話も議論に上っておりましたので――銀行・保険会社本体、子会社、兄弟会社のいずれかに認めるについては、本来的業務との機能的な親近性、リスクとの同質性、リスク波及の程度等を勘案して決定すべきということで、この際の考え方がまとめられているところでございます。

また、討議資料にお戻りください。今、討議資料の2ページの真ん中ぐらいのところまでご説明を申し上げました。真ん中より下に注が書いております。そこまで記載したような考え方に基づいて、現行の制度では、まず銀行の子会社には銀行本体に許容される業務に加え、証券業務、信託業務、保険業務、また金融関連業務、従属業務等が認められており、さらに兄弟会社には銀行子会社に許容される業務に加え、商品現物取引が許容される枠組みとなっております。

参考資料2をご覧いただきたいと思います。今ここで申し述べたことを図にしてまとめております。以前の審議でもこの表をご提示したことがあったかと思いますが、まず現行の銀行グループの業務範囲、一番上に持株会社があるとして、その下には左から例えば銀行、証券、保険等の金融機関、また、外国の金融機関、金融関連業務会社、具体的には例で書いておりますが、例えば銀行代理業務とか、イスラム金融、クレジットカード・割賦業務、リース業務、投資助言、ベンチャーキャピタル、経営相談等が範疇に含まれます。

その右に従属業務会社とありますが、これは主として銀行持株会社、またはその子会社の営む業務、銀行グループのためにその業務の基本にかかわることのない業務を営む会社ということで、例えば営業用不動産の管理業務、事務用品の購入や管理業務、システム関連、ATM保守点検、労働者派遣等が範疇に含まれております。

それ以外に右のほう、投資専門子会社、ベンチャーキャピタルがあり、ここまでは銀行の子会社にも共通して認められるところで、その右にあります商品現物取引会社、これは銀行から見た兄弟会社のみに容認をされているということでございます。

もう一度討議資料にお戻りいただきたいと思います。討議資料2ページの下のところ、下から4行目に2としまして「IT・決済関連業務への取組み」と書いているところからであります。1のところで基本的な考え方をご説明し、2のところで具体的な論点を4つほど提示をしております。2の最初のところでございますが、金融グループが様々な取組みを進める中、IT・決済関連業務を巡るイノベーションへの取組みに当たっては、銀行法令による規制等との関係で、例えば以下のようなことについて柔軟化が許容されないかとの声がある。

3ページにお進みください。最初(イ)としまして、決済関連IT企業への出資の容易化ということでございます。近年FinTechと呼ばれるIT技術を活用した独創的な金融サービス事業が急速に拡大しつつある。例えばスマートフォンを用いた新たな決済サービスや携帯電話番号等を用いた送金サービスなどが、主にIT企業、またはそれとの連携によって新たな形で利便性高く提供されている。欧米金融機関では、こうした技術の取り込みを目的に決済関連IT企業等への出資・買収を通じ、自身の決済サービスを拡充している。こうした中、日本の金融グループにおいても、決済関連IT企業への出資等を通じ、こうした技術革新を銀行業務に取り込みたいとの要請が高まりを見せている。

この点に関し、現在銀行の子会社・兄弟会社には、従属業務、先ほどご説明申し上げましたが、銀行またはその子会社・兄弟会社の営む業務に従属する業務として内閣府令で定めるものを営むことが認められている。この点については、主として当該銀行、その子会社の営む業務のために、その業務を営んでいる者に限るという限定が付されております。当該従属業務には、営業用不動産管理業務、事務用品購入管理業務、システム関連業務、ATM保守点検、労働者派遣などが規定されている。

また、銀行の子会社・兄弟会社には、金融関連業務として、銀行業務等に付随または関連する業務を営むことが認められている。

金融グループとしてFinTechの動きに対応したIT企業への出資を行う場合、当該企業の業務には様々なものが想定される。出資対象となる企業の業務が、銀行自らの業務に従属するものとなることが明確に認められるのであれば、「従属業務」となり、また、それが金融関連のサービスに結実していくものと認められるのであれば、「金融関連業務」となる余地がある。

他方で、出資の時点では、出資先企業における技術・サービス開発の将来性は見込めるものの、その成果がどのような分野で活用されていくかについて十分な確実性をもって見込めないものもあり得る。この観点からは、従来の整理である従属業務や金融関連業務に必ずしも該当しない領域も想定される。

この点について、FinTechへの対応は、それ自体、将来の可能性への戦略的な対応が必要となるものであり、従来の従属業務や金融関連業務の取扱いを柔軟に考えていくべきとの指摘があり得るが、どう考えるか。

注で付しておりますのが、第4回の会合におきまして、池尾参考人からのお話に、将来の業界動向に関して不確実性が大きい場合、経営者にとっては新たな分野に参入する権利を留保するために業務範囲を広げておく戦略をとることも重要だという指摘があったところでございます。

その次のパラグラフでございます。また、近時のITイノベーションの進展のスピードを踏まえると、上記のように将来的に様々な展開が予想される業務について、金融グループが行える業務を法令上あらかじめ限定列挙しておくのではなく、より柔軟な枠組みを用意しておく必要があるのではないかとの指摘もあり得る。

他方で、規制の明確性といった観点から、金融グループの行える業務は限定列挙等の方式で明記することが必要との指摘もあり得る。こうした点についてどのように考えるか。

次が(ロ)としましてECモール(電子商取引市場)運営会社への出資についてでございます。欧米金融機関や国内外の事業会社においては、IT技術を活用し、インターネット上で出店者及びその提供商品に関する情報を集約・提供し、出店者と利用者が取引を行う場を提供するいわゆるECモール運営会社への出資等を行う動きが見られるところである。

ECモールには、資金の流れと不可分の商流情報が集約されるため、例えばこうした情報を融資審査等に活用するなどにより、新たな金融サービスの提供が可能になるとの見方がある。また、ECモールに出店する利用者たる企業の側からは、ECモールは、都心部に店舗を構えることのできない地方の中小業者にとって新たな成長インフラとしての選択肢となり得るとの声もある。

こうした中、日本の金融グループにおいても、ECモールへの出資を許容してほしいとの声があるが、どのように考えるか。

注で書いておりますのが、米国では連邦規則等において、ファインダー業務として銀行によるECモールの運営が許容されているところでございます。

ECモールは、IT技術を活用し、インターネット上で出店者及びその提供商品に関する情報を集約・提供し、それを通じ出店者と利用者が取引を行う場を提供するものと考えられるとの見方があるが、どうか。そのように捉えた場合、機能を個別に分解してみれば、まず取引当事者の紹介、出店者の販売戦略等にかかるアドバイス提供、取引成立後の代金支払い、商流情報を活用した融資といった機能に大別でき、これらはいずれも銀行に許容されている業務、または、これと親近性のある業務との見方があるが、どうか。

注で書いておりますのが、なお、ECモールを運営する事業者の中には、取引の場の提供のみならず、自ら在庫を保有し、機能的に物流を担うものもある。ただ、銀行業との親近性や他業リスクを踏まえれば、あくまで銀行を中核とする金融グループにおいては、物流までは担わないことを前提に考える必要があるのではないかと考えられるが、どうか。

また、銀行を中核とする金融グループによるECモール運営会社への出資について、前述の金融グループの業務範囲規制の趣旨に照らした場合、どのように考えるか。

まずマル1として、本業専念による効率性の発揮の視点ということでございますが、ECモールの機能を個別に分解すると、いずれも既に銀行に許容されている業務、またはこれと親近性のある業務であることからすれば、必ずしも本業専念を妨げることにはならないとの見方についてどう考えるか。

次に、マル2として、他業リスク排除の視点。ECモールは、あくまで取引の場を提供し、ECモール運営者自体は在庫を抱えないことを前提とすれば、その機能は、上記の通り、既に銀行に許容されている業務、またはこれと親近性のある業務であり、銀行業とは異なるリスクを排除するとの視点から問題は少ないとの見方についてどう考えるか。

マル3として、優越的地位の濫用防止の視点。ECモールはあくまで取引の場を提供するものであり、銀行が資金量等を背景に小売業を展開するものではないため、小売業者等の営業を圧迫するものではないとの見方についてどう考えるか(なお、ECモールへの出店を強制するようなことは当然に法令違反となる)。

むしろ、商流情報を活用した融資の進展は、小売業者に対する融資の積極化にも寄与するとの見方についてどう考えるか。

また、上記のように都心部に店舗を構えることのできない地方の中小業者にとって、新たな成長インフラとしての選択肢ともなり得るとの見方についてどう考えるか。

マル4利益相反の防止の視点。ECモールの出店者が利益を上げることは銀行にとって不利益になるものではなく、両者の利益のベクトルは基本的に同一であると考えられ、利益相反の問題は少ないと考えられるとの見方についてどう考えるか(なお、法令上、金融グループには利益相反管理の徹底が求められている)。

マル5単純な組織構造の維持。ECモール業を行う会社に対して出資を行うにとどまり、銀行自らがECモール業を営むことは想定しにくく、そうであれば、多様な業務を営むことで組織構造の単純性が損なわれ、実効的な経営管理が困難になるまでの問題は生じないとの見方について、どう考えるか。

銀行を中核とする金融グループがECモール運営会社への出資を考える場合、通例は、決済や融資など、ECモールに関連する金融サービスの提供の機会があることを念頭に検討が進められるものと考えられるが、仮にそのような金融サービスの提供とは全く切り離された形でECモール運営会社への出資が行われる場合には、銀行業との親近性があるとは言い難いことにならないか。こうしたものを排除していくとした場合、どのような制度的な担保が考えられるか。

また、ECモールが運営会社への出資をグループ内のどのエンティティで営ませるべきかについては、前述の通り、従来、当該業務と銀行の本来的業務との機能的な親近性、当該業務のリスクと既に銀行が負っているリスクとの同質性、銀行本体へのリスク波及の程度の観点から考えていく必要があるとされてきているが、この点についてどう考えるか。

次が(ハ)として銀行グループ間の決済関連事務等の受託でございます。現行、銀行の子会社・兄弟会社であって、決済関連事務などの業務、すなわち従属業務を営む会社については、収入依存度規制というものがあり、ここでマル1マル2で書いておりますが、マル1として、親銀行グループからの収入が総収入の50%以上となること、加えて当該銀行グループに属する銀行からの収入があること、マル2として、親銀行グループを含む複数の銀行グループから業務を受託する場合には、これらグループからの収入の合計が総収入の90%以上となることが求められている。加えて、これら各グループに属する銀行からの収入があることが求められているということでございます。

この点につきまして、参考資料3が配付されております。参考資料3でご説明申し上げました収入依存度規制について図示しております。左上の点線で囲んだところが銀行グループであるとして、その銀行グループに属する従属業務を営む子会社が存在するとし――ここでは例として決済関連IT業務などと書いておりますが――こうしたグループからの業務を受託するような会社について、親銀行グループ全体からの収入が50%以上なければならないとしております。逆から言うと、他からの収入は50%未満であれば容認されるということでございます。

下に水色で書いてありますが、従属業務を営む会社は、親銀行グループからの収入が50%以上で、加えて、グループに属する銀行からの収入もあることが要件となっているということでございます。

その下に※で書いておりますが、親銀行グループを含む複数の銀行グループから業務を受託する場合には、それらのグループからの収入の合計がこの従属業務を営む会社の収入の90%以上であること、加えて、各グループに属する銀行からの収入があることが必要と定められているということでございます。

もう一度討議資料にお戻りください。討議資料の7ページ、2つ目のパラグラフ、「この点について」と始まるところからでございます。この点について、足元、金融グループでは、決済関連事務の合理化等を通じたコスト構造の見直しやIT投資を戦略的に実施していく必要性が高まりを見せる中、銀行間での決済関連事務の受託等を通じ、銀行間や銀行グループ内での連携・協働を容易にしてほしいとの声がある。

従属業務について収入依存度規制が設けられている趣旨は、従属業務は銀行業から見れば他業であるため、無制限にこれを銀行グループ内で営むことは健全性確保の観点から適切でないと考えられる一方で、銀行業務の遂行に必要となる業務であることから、銀行業務との一体性を確保することができる範囲に限定して、その取扱いを許容する点にあると考えられる。

この点、従属業務は、上述の通り、親銀行グループへの収入の依存比率に照らして銀行業務との一体性が判断されているが、ITシステムのように、初期コストは高額であるが、その後は規模の経済が働き、追加的費用は逓減していくといったようなものについて同様に当てはめてみると、戦略的なIT投資が求められる中、コストが過大なものとなり、結果として戦略的なIT投資が損なわれるおそれがあり得るとの指摘があるが、どう考えるか。

こうした論点に照らして、従属業務のうち、例えば銀行のシステム管理やATM保守など、コスト構造に特性が見られ、業務のIT化の進展に伴い、銀行グループ内での業務効率化、あるいはIT投資の戦略的な実施に際し、複数の金融グループ間の連携・協働が強く求められる業務については規制の柔軟化を検討する余地があるとの考え方についてどう考えるか。このように考えようとした場合、法令上、従属業務は、主として銀行の営む業務のために営むものとされていることが支障となっているとの指摘についてどう考えるか。

次に、最後の論点でございます。2として、「異業種からの参入との関係」。次のページ、8ページにお進みください。我が国においては、ITイノベーションの進展などを背景に、2000年代初頭以降、事業会社等のいわゆる異業種による銀行業への参入が本格化し、当該異業種グループが自ら事業を行いながら、その店舗ネットワークや顧客基盤などの共通化を通じて、グループ内で併せて営む銀行とのシナジーを発揮するなど、新たな形態での銀行のビジネスモデルが構築されている。伝統的な銀行を中核とする金融グループのあり方を考える上では、こうした異業種グループとのイコール・フッティングも視野に入れつつ検討を行っていくことが重要ではないかとの指摘もある。

現行、銀行持株会社は、総資産に占める子会社株式の価格が100分の50を超える会社と定義をされ、銀行持株会社傘下のグループ全体に業務範囲規制が適用されている。

他方、流通系など異業種グループの銀行の親会社(事業会社)については、銀行持株会社の定義に該当せず、銀行の主要株主、すなわち銀行の議決権の20%以上を保有する会社としての規制が課されるのみで、業務範囲の規制等は課されていない。

ここで参考資料4をご参照いただきたいと思います。今、文字でご説明したことを図で表示しているものでございます。左側が銀行持株会社グループ、右側が異業種金融グループということで記載をしております。まず銀行法上の銀行持株会社は、先ほどもご説明しました、総資産に占める子会社株式の価格が100分の50超である、すなわちいわゆる純粋持株会社を対象としております。一方で右側のほう、例えば異業種金融グループとして事業会社が持株会社として存在する場合、この事業会社自体はいろんな事業を行っているもので、したがって、子会社株式以外の資産もそれ相応に持っている。そうした場合には、この事業会社は、総資産に占める子会社株式の価格が100分の50に達しないような場合が多く、そうすると、この左側の銀行持株会社の定義には該当しないこととなります。

左側の場合はグループ全体に業務範囲規制等が課せられ、さらに下のほうに主な規制と書いておりますが、業務範囲規制や、あるいは大口信用供与規制、自己資本比率規制などがグループ全体にかかることとなっております。

右のケースにつきましては、主要株主としての規制があり、これは銀行の議決権を20%以上保有した場合には全てこの主要株主規制がかかることになっております。主要株主規制のみがかかる場合、例えばグループ全体での業務範囲規制はなく、ただ、下に書いておりますが、主要株主たる事業会社に対する行政側からの報告の求めですとか、立入検査、また銀行の経営の健全性を確保するための経営計画の提出命令――これは子銀行の株式の50%超を保有している主要株主に限っておりますが――こうした経営計画の提出命令や、あるいは、主要株主としての認可の取消しなどの規制が存在するということでございます。

もう一度討議資料の8ページにお戻りいただきたいと思います。真ん中ぐらいのところまでご説明を申し上げまして、その下の段落、「銀行業に異業種から」と始まるところからでございますが、銀行業に異業種から参入するグループに関する現在の規制の枠組み、主要株主規制は、異業種参入によるイノベーションの促進と銀行経営の健全性の確保との両面を踏まえて設けられたものである。このため、今後のイノベーションの進展を視野に入れれば、異業種からの銀行業への参入を過度に抑制することには慎重であるべきとの指摘も考えられる。

一方で、異業種からの参入の増加や異業種グループ内の銀行の業務量の増加等が進む可能性もある中、仮に異業種から参入するグループの行動に問題があるとした場合の当該グループに対する監督権限は現状で十分と言えるかとの指摘も考えられるが、こうしたことについてどう考えるか。

以上の他、金融グループによるIT・決済関連業務への取組みに関し、検討すべき点があるか。

討議資料、事務局からのご説明は以上でございます。

【岩原座長】

どうもありがとうございました。それでは、これから討議に移りたいと思います。本日の討議資料につきまして、委員の皆様、どなたからでも結構でございますので、ご発言をお願いいたします。

大崎委員、どうぞ。

【大崎委員】

ありがとうございます。1点まず確認的な質問をさせていただいて、それから幾つかの論点についてご意見を申し上げたいと思うんですけれども、確認したいのは、資料で申しますと7ページのあたりの決済関連事務の合理化等に関した説明のところなんですけれども、これ、要は、例えばどこかの銀行グループが従属業務に属するものとして例えばコンピューターシステムの会社を持っているという場合には、その会社を設立した親銀行グループからの収入が50%以上というのがまず要件になって、他の銀行からの収入を全部足して、それで90%というのが守られていないと、そういう会社をつくることはできないということなんですかね。そうすると、親銀行からの収入だけで50%というのを得ていくために、あまり逆に業務拡大ができないというような変な話が起きてしまうという趣旨かなと思ったんですが、そういう理解でいいのかということを確認したいのと、もし仮にそうじゃなくて、もっといろんな銀行から少しずつ収入を得るような会社をつくろうとすると、今度は5%の出資規制が引っかかってきて、それこそ20行が共同出資しないとシステム会社がつくれないという、そういうことになるというご指摘なんでしょうか。それをまず事実関係として確認したいんですけど。

【岩原座長】

佐藤信用制度参事官。

【佐藤総務企画局信用制度参事官】

まず資料の7ページの最初のところにあります収入依存度規制を解説したマル1マル2というところがございます。さっきの説明が舌足らずだったかもしれませんが、まずマル1マル2は、マル1かつマル2を要件としているのではなく、マル1またはマル2を要件としているこということでございます。

従いまして、まずマル1だけを着目すると、親銀行グループからの収入が50%以上となること。仮に50%を以上とならなくても、マル2のところで、親銀行グループと他の銀行グループから受託をする場合には、親銀行グループからの収入が50%以上でなくても、グループ全体からの収入が90%以上となれば、容認されるということでございます。

ここは、以前のヒアリングの中でもご要望があったかと思いますが、いずれにしましても、収入依存度、50%なり90%なりということだけで考えていくと、他の銀行グループからの受託もしながら、一方で親銀行グループからの収入が例えば50%に達しないようなケースもあり得て、あるいは、複数合わせても、全部合わせて90%にも達しないケースもあり得るので、IT投資などが今後それなりのコストも嵩む中にあって、もう少し柔軟に他からの受託も容認をしてほしいという、そのようなご要望であったと考えております。

【大崎委員】

それで、今のご説明を踏まえて、この点と他の点について意見を申し上げたいと思うんですけれども、そもそも銀行業務というか、金融業務の根幹にITというものがあると思っておりまして、IT関連の会社というのがその業務の基本に関わることのない業務を営む会社という、従属業務であるという理解が全くもって時代遅れなんじゃないかという感じがしておりまして、直接お金を融資したり、決済のお金の資金の移転をやらないからといって、これが業務の基本に関わることがないというのが本当かなという感じがするわけであります。これは金融システムの中身そのものじゃないかと思っておりまして、これを従属業務にするのか、金融関連業務にするのかとか、そうなると、どういうことが結果として起きてくるのかというのは慎重に見る必要があるんですが、いずれにしても、こういった会社が幅広い活動をしていく上で障害になっているような規制はぜひ積極的に取り払う必要があるのではないかと思っております。

それから、前のほうに戻りまして、FinTechとECモールの部分について、それぞれ意見を申し上げたいんですが、まずFinTechのところについて、3ページに書いていただいていますような理解が正しいのではないかと思っておりまして、つまり、将来、金融関連とか、具体的な金融と思われるようなサービスになっていくとしても、出資時点では本当にそうなるかどうか分からないというようなものも含めて、柔軟な出資を認めるべきではないかというのは全くその通りだと思っております。

それでここでも1つ確認しておきたいんですけれども、仮にいろいろ可能性があると思ってやっていたんだけれども、結果的に精密機械の品質チェックにしか使えないというようなことが後でわかったというような場合に、そういう会社に出資を続けていると、それは問題なのかどうかというようなことについて、これは全く仮想の例ですけれども、どういうご理解かというのを確認したいんですが。私は結果的に全然関係ないというものが出てきてしまった場合は、金融業の本業に及ぼすリスクなどを見極めつつ、監督のサイドで、もうそろそろこの会社とは縁を切ったほうがいいんじゃないかみたいな指導をしていただくとかいうような対応が現実的なのかなと個人的には思っているということを申し上げておきたいと思います。

それから、ECモールのことについて非常に詳しく書いていただいているんですが、FinTechも含めて、あまり詳しく細かく具体的にやり過ぎないほうがいいんじゃないかと思っています。ある団体の機関紙の編集委員をやっているんですが、そこでFinTechというのを特集しようという議論をしたときに、今非常に話題になっているんだけど、もしかしたら5年たったらそういう言葉はないんじゃないかとおっしゃる方もおられて、少なくとも今見ている姿から、将来のFinTech像というか、そういうものを占うのは非常に難しいなと。ECモールなんかも同じで、今、非常にアメリカの銀行がやっているようだということで、詳しく分析していただいているんだと思うんですけれども、もしかしたら数年たったら忘れられているかもしれない。例えば異業種参入の話で、スーパーマーケット銀行という話が随分議論されて、日本でも制度を変えたわけですけれども、結果的に今何やっているんだろうと考えると、コンビニにATMを置いて、それの手数料で儲けるというビジネスモデルが何となく主流のように見えるわけで、少なくとも当時そういうものを大前提とした議論であったとは思えないわけですね。

ですから、基本的に金融システムの安定性とか銀行の健全性ということに良くない影響を及ぼすかどうかということを見極めつつ、できるだけ柔軟に対応して、違った発展が出てきたときも、制度上、危ない事業を止めさせることもできないし、あるいは、良いことなのに認められないということにならないような仕組みにしていく必要があるんじゃないかと思う次第です。

すいません、ちょっと長くなりましたが、以上です。

【岩原座長】

他に。福田委員、どうぞ。

【福田委員】

きょうのお話は、1番目の基本的な考え方というのと、それから、2番目以降は、それぞれ重要な問題だと思います。1番目というのは、基本的な考え方というまさに金融規制のプリンシプルに関する問題で、こういう概念で、こういうプリンシプルで金融は規制すべきだという基本的な概念の問題だと思います。これに関してもご意見はあるかもしれませんけれども、伝統的な考え方を踏襲したもので、これは技術が変わろうと、基本的には重要なプリンシプルだということになるんじゃないかなと思います。

他方で、2以降は、このプリンシプルに従って、昔作ったいろんなルールが基本的には新しい時代に対応できなくなってきている、あるいは、これからなる可能性があるという議論じゃないかと整理をするのがいいんじゃないかと思うんです。

そういう意味で、2以降の問題をきちっと議論するために、まずは1のプリンシプルというのをこれまで以上にきちっと確認し、必要性を議論しておくという必要があると思います。私は、1がやっぱり考え方の基本だと思うんですよね。その確認が終わった段階で、じゃあ、このプリンシプルに鑑みて、現状のルールが新しい時代に対応できないのであれば、もう少しフレキシビリティを認めましょうという議論に進む。そういう議論の据え方が大事で、場当たり的にこれはどうでというよりは、まずは常に1番目の基本的な考え方をベースに、個々の問題を考える上でも常に振り返りながらプリンシプルを大事にして、そのプリンシプルという観点から2以降の個別の問題というのを個々に考えていくということなんじゃないかなと理解しております。

時代の変化というのは確実に起こっていて、かつては例えば「モノ」であれば金融業は取り扱わないものだったかもしれないんですけれども、ビットコインが「モノ」か「お金」かという議論が出てきたように、そのボーダーがだんだん無くなってきている。そういうような問題などもいろいろありますので、新しい時代に即したルールの変更、あるいはルールのフレキシビリティというのはぜひとも私はやるべきだとは思います。けれども、その一方で、1の基本的な考え方というプリンシプルをこれまで以上に大事にして、そのプリンシプルの観点からこの弾力的な考え方というのが適切なのかどうかということを常に見ていくこと、そういう視点が大事なんじゃないかなと思います。

以上です。

【岩原座長】

他にいかがでしょうか。家森委員どうぞ。

【家森委員】

ありがとうございました。2ページの原則について記述しているところですけれども、私も原則的にはこういうような考え方を踏襲すべきであろうと思います。そこでは、従来の3つ、親近性とリスクとの同質性、リスク波及の程度というふうな書きぶりになっているんですが、このうち、リスクとの同質性というのは、多分意図されているのは、銀行がこれまでリスク管理の経験があるようなものと同質のリスクなら管理できるだろうということで、銀行なり銀行グループがリスク管理能力のある分野について認めるという意味だろうなと私は理解をしております。ただ、そうなると、新しい分野には出ていけなくなってしまうわけですね。今の時点でリスク管理能力があるというのはこれまでの経験の結果であるわけですから、その意味でいうと、池尾先生が少し許容範囲を広く捉えるべきとおっしゃったのと同じ趣旨かと思いますが、新しいリスクに挑戦できないとノウハウがついてこないので、この部分について、あまり厳格ではなく、新しいリスク管理能力に挑戦できるような形を考えていく必要があるのではないかなと思います。

今、金融行政のほうでは好循環を実現していくということを言われているようなことからいえば、何を認めるかに関して当然決済システムの安定性というのは大事ですけれども、同時に、実体経済への前向きな影響があるような観点というのも重要ではないかなと思う次第です。

それから、もう一つ質問もさせていただきたいのですけれども、最後の従属業務のところのご説明があったときに、収入依存度規制というのがありました。現在行われている従属業務に関して、監督の見地から見て、リスクの高いような業務というのはあるのでしょうか。この規制があることによって、監督の見地から見て問題を未然に防げているというようなものになっているのでしょうか。当初認められた経緯からいうと、だんだんとこの業務についてまさにリスクを管理できるようになってきているということも踏まえると、規制を緩くできるのかなというようにも思います。このあたり、もし監督のご経験があれば、教えていただければと思います。よろしくお願いします。

【岩原座長】

石田銀行第一課長、お願いします。

【石田監督局銀行第一課長】

収入依存度規制のところですけれども、特に具体的にいつも話になるのは、システム関係の子会社の話でございまして、その意味では、他業なのですけれども、特にリスクということですごく大きくなるような、もともとそういうことが問題になるような話を聞くことはあまりなくて、むしろこういう規制があるので、それに適合するように設計して会社をやっていくということが普通に行われているわけですけれども、ここにも書いてある通り、実際に窮屈になってくるというか、やりにくくなってくるという面で、前にもお話があったようなところでご意見などが出ているのかなと思います。

【岩原座長】

よろしいですか。

【家森委員】

ありがとうございました。

【岩原座長】

他にはいかがでしょうか。藤原委員、どうぞ。

【藤原委員】

本日討議資料の中でまとめていただいた基本的考え方、総論の部分と各論の部分については非常によくまとめていただいたなと、過去の議論も含めて整理されていると思っています。

まず総論と各論、それぞれコメントしたいんですけれども、総論のところにつきましては、今いろいろご議論が出ました通り、過去の平成19年の金融審の議論等々について、基本的にはこの線に沿って、あとは、解釈を今日的に見直した場合、どこまでが総論として柔軟性を持てるのかといったところについては1つポイントかと思っております。

例えば中でも、先ほどご指摘のありましたリスクの同質性という意味では、リスクをどう見るかという観点がございます。銀行でもリスク管理につきましては、従来の信用リスク、市場リスクのみならず、当然ながらIT、あるいは事務を含めたオペレーショナルリスクですとか、最近ではコンダクトリスク、あるいはエマージングリスクといったところまで総合的なリスク管理をしているということからしますと、かなり幅広にリスク管理のノウハウが銀行の中にも実は蓄積をされてきたということだと思っております。そういう中で、リスクガバナンス自体を、金融グループとして、我々、矜持を持って高度化するといったことがこの議論の大前提になっていき、その中で、同質性と少し離れたところの許容感というようなところが図られていくのではないかと思っております。

また、今後、監督行政の指針に出ております通り、プリンシプルベースと言われている中で、こういった業務の範囲を拡大をしていく中で、我々自身がやはり説明責任をしっかり果たしていくということが大事だと思います。コーポレートガバナンスもさることながら、やっぱり世の中に対してどういったリスクがあり、どういったリスクをとり、それがどういった形でミティゲートされているのかといったことについてしっかり説明をできるということが、こういった業務範囲拡大の中で議論いただく上での背骨になってくるのかなと思っております。

一方で、各論について3点申し上げます。1点目は、FinTech等を中心とした動きでございます。実は先月、ペルーのリマで開催されたIMFの会合にも参加してまいりまして、金融機関の首脳の方々とお話ししましたけれども、必ず戦略のトップとして出てくるのはFinTechの話でありました。そういう意味でいいますと、私は従来から未来志向、利用者志向、グローバル志向というふうに申し上げておりましたけれども、グローバル志向の中でも、各国金融機関が進出してくる中で、日本の金融機関としてもやはり国際的な競争力を踏まえ、利用者利便性も含めて、我々がイノベーティブに出ていくということは大事なことだと思っております。そういう観点からしますと、3ページの最終行から出ております従属業務、あるいは金融関連業務の範囲、これが見直されることによって、例えばIT企業への出資等に取組みやすくなるということについては賛成でございます。

また、4ページ目の2段落目のところで、柔軟な枠組みか、あるいは限定列挙かといった点がございます。これにつきまして、先ほど来出ております通り、確かにFinTechという言葉自体が定義できないぐらい、すごいスピードの中でイノベーションが進んでいくといったことを踏まえますと、将来的に銀行グループが取り扱うこととなる業務範囲を具体的に予想することは非常に難しいという環境であると思っております。そういう環境の中では、やはり厳格な限定列挙方式ではなく、幅広い可能性に対応できるような柔軟な枠組みとすることが望ましいと考えております。

最後、3点目は、従属業務にかけられている収入依存度規制、これを見直すことについても強く賛成をしたいと思います。資料2は、銀行システムの管理、あるいはATM保守ということが挙げられておりますけれども、外為ですとか、大量の為替業務、こういったことも業務効率化やコスト削減に資すると。これを自社グループのみならず、やはり銀行界全体に波及をさせることによって全体の生産性を上げる、あるいは一部産業界の方々、銀行の外の方々にも、例えばITのイノベーションをお使いいただくということも含めて、社会インフラとして銀行の立場というものをしっかり認識した上で公共性に資していきたいといったところは強くございますので、このいわゆる収入依存度規制についての見直しについても賛成でございます。

いずれにいたしましても、前段に申し上げました総論のところは非常に大事なことだと思っておりまして、我々金融界もこういった公共性とある意味私企業性、これをしっかり踏まえた上で、冒頭に申し上げました未来志向で、グローバルに、かつ利用者の利便性をしっかり踏まえた形での打ち出しをしてまいりたいと思っております。

以上です。

【岩原座長】

他にご意見があれば……。川村委員、どうぞ。

【川村委員】

今藤原委員からもあったところと基本は共通いたします。加えて、地方銀行は地域でフェイス・トゥ・フェイスが営業の基盤ということではありますけれども、このところ、悩みの種は、次世代を担う若年層との個人の取引を中心に非常に苦戦をしているというところであります。こうしたお客様に対して、ITをベースとした新しいサービスの提供が不可欠だと認識いたします。ちなみに横浜銀行では、先日からスマホアプリによる口座開設のサービスを開始いたしました。まだ1カ月経っておりませんけれども、既に300件、400件というようなお申し込みをいただいておりまして、この季節としては驚くような実績が上がっているということでありまして、そうした新しいサービスが地域、地方においても、若いお客様との接点において極めて重要な領域だと考えております。

この基本的考え方の中で、先ほどありましたけれども、2ページにあります3点、機能的な親近性、リスクの同質性、それからリスク波及の程度といったような部分でございますけれども、これまでの議論の中で、持株会社を介した兄弟会社のほうが親子会社方式などに比べるとリスクが銀行本体に波及しにくいといった機能面のご説明もあったかと思います。一方で、藤原委員からもありましたけれども、例えばリスクの同質性といったようなところ、次のECモールのところでも個別に見ていただいていますけれども、まさに機能的な親近性やリスクの同質性があるということであれば、これまで培ってきた銀行のリスク管理の中で、現在も行っていますような新商品や新業務に対するリスク管理の枠組みの中で、果たして自らの銀行の体力とのバランスで許容できるものかどうかと、そういったようなものはあらかじめ認可を受ける段階で十分検証できるのではないかと思っております。すなわちこの3つの要素がどのような関係にあるのかといった程度によってリスクの影響度が違ってくるのではないかと思います。

また、親近性ですとか同質性が十分な場合においては、リスク管理の主体が概ね銀行本体にありますので、銀行本体や親子会社で取り扱うほうがリスクの評価や管理がより効率的、効果的に行えるというようなメリットもあろうかと思います。地方銀行の8割は、以前にお話しした通り、持株会社方式ではございませんので、新しいサービスを地方のお客様にも積極的に提供していく、あるいは競争条件の極端な差異にならないというような観点から、この3つの要素を十分に有機的に考慮をしながら、それに合った形で、本体でいいのか、子会社がいいのか、兄弟会社でなければ認めないのかといったようなところが認可に当たってご検討いただけるような仕組みがあれば望ましいのではないかと思います。

個々のテーマにつきましては、総論で賛成でございますけれども、従属業務、金融関連業務、あるいは収入依存度規制の部分については、ここでも触れていただいていますけれども、例えば既にIT企業が作ったものを銀行でどう利用するかといった場合については、従来の枠組みの中で検討できると思いますが、本来のイノベーションというのは、今ないものをどう作っていこうかというような局面もありますので、研究の段階、開発のシーズの段階から関与していく上では、なるべく柔軟な形ができるようなものも検討されるとありがたいと思っているところでございます。

【岩原座長】

他に何か。藤井委員、その後、松井委員お願いします。

【藤井委員】

今各委員からお話があったうちの前段の基本的な考え方のところについて、若干コメントをさせていただきます。これまでの議論を整理していただいて、大変理解が進んだところでありますが、冒頭のところに今回の基本的な考え方の背景として記載されている通り、今回の問題というのは、あるいは今回の課題の本源というのは、私は、商品ですとかサービスですとか、こういったもの、いわゆる商取引、これが本源的な経済活動と思いますけれども、これに付随する、これを円滑に安全に進めるための決済機能やら、あるいは物流機能やら、こういったところに対して、ユーザーニーズがそれぞれ単独のサービスの提供・高度化ではもう満足しない。ここをできるだけシームレス・ワンストップで提供されるような、こういったユーザーのニーズ、これが非常に強くなっているというところが出発点だと理解しています。

それで、その上で考えますと、1ページ目の後段にある銀行業務が本来的な役割の発揮に注力すると、こういう観点から見ると、銀行の本来的な役割自体にある程度、今冒頭で申し上げましたようなユーザーニーズの変化に対応する変化を認めて、そして、2ページに書かれているような本業専念による効率性の発揮ですとか、他業リスクの回避ですとかという、この考え方も、一部、そういった新しいユーザーニーズに対応する銀行業務のあり方の中で、中身を少し拡大して、あるいは柔軟に考える必要があるのではないかと思います。

従いまして、リスクの問題につきましても、同質性という部分、あるいは機能につきましても、親近性という部分は、本来の今想定されている銀行の業務範囲からそのまま概念的に引っ張り出した範囲でこれを考えようとすると、そもそも新しいFinTech、新しいユーザーニーズに対応するのがなかなか難しいだろうと。従いまして、まずこのところを柔軟に、再度その概念を幅広に捉え直した上で、各委員からお話のありましたように、大きな2以降の各論については、できるだけ業務の範囲、それから、それの取扱いの、あるいは銀行業務の中への取り込みの仕方を含めても、柔軟な取扱いが可能であるようになることを要望したいと思います。

以上でございます。

【岩原座長】

それでは、松井委員、お願いします。

【松井委員】

どうもありがとうございます。私はFinTechに関する規制の観点から少し思うところを申し上げたいと存じます。まず先ほど福田委員から基本的な考え方の確認からスタートすべきであるというところにつきましては、私も賛成でございます。ここで挙げられているのは、銀行の健全性を確保するということで、これはおそらく預金者の保護であったり、システム保護であったりということだと思いますけれども、今般のFinTechの問題等を考えるときに、この部分を特に変更すべきような事情があるとは思われませんし、ここはまず維持をするということを所与にして議論を進めるというのが検討しやすいのではないかという感じがしております。

では、FinTechの問題を法的に規律するときにどう考えるかということですが、もちろんFinTechそれ自体の必要性は高度にあるわけです。したがって、この事業を認めて、どの範囲でこれを許容していくかという議論になるかと思いますけれども、この問題の難しさ、ないし特徴は、先ほど藤原委員からもございましたけれども、内容があまりにも多様で、類型化するのが非常に困難であるという点にあるのだろうと思います。法的な規律は、どうしても技術性があって、何らかの箱に入れないと規制ができないというところがあるわけです。箱に入れるというのは、要するにある特定の業務類型をつくるということですけれども、業務類型に入れることによって、事業者からすれば、規制の透明性も高まりますし、予測可能性も高まりますし、同時に、金融機関の健全性保護といったような目的も達成しやすくなる。ただ、それができないときにどうすればいいのか、というのがここで問われている問題なのだろうと思います。

1つの技術的な方法は、当初はそこが類型化できないので、類型化ができた段階で後々に指定していくというものです。つまり規制の中身を政令、省令レベルに委ねて、事後的に対応するという方法があるのですけれども、このFinTechの内容に非常に個別性が強いのだとすると、下位法令に委ねたからといって、どうも類型化ができるわけでもなさそうであるという感触があります。そうなりますと、最後は、個別対応ということになって、つまり、限定列挙のような方式はとれなくなる。以前のワーキング・グループでも少し申しましたが、限定列挙を外して、一般条項的な枠組みで考えていくとなると、どうしても規制する側の恣意性が入りやすくなるということがございます。これは、事業者からすればある種のリスクになるわけです。もちろん健全性を確保するという観点からは望ましいことが多いのだとは思いますけれども、事業者からすると、規制の透明性が下がって、事業が行いにくくなるということはございます。そうなりますと、そのような個別審査等に対して、どのように予測可能性を担保するかというところが問題になります。先ほど大崎委員から個別のご指導の話がありましたが、ご指導いただく際、ある程度指針のようなものをつくれるかどうかというところが1つのポイントかという感じがしております。今の段階でこれこれこういう基準だというのは多分出しにくいのだと思いますけれども、今後の展開でFinTechに関する事業がある程度明らかになった段階で、まさに銀行の健全性にかかわるような部分で監督官庁から指針を出されて対応ができるようになれば、この部分についてはある程度実効性のある規律ができるかなというふうに考えております。

【岩原座長】

他にいかがでしょうか。宮本委員、どうぞ。

【宮本委員】

IT技術を使った金融サービス業務、先ほど川村委員からありましたけれども、個人のプラットフォームに加えて、企業の商流、あるいは資金流通にかかわる各種取引、それから、ビッグデータの活用によるサービス、さらには国内外の決済サービスや電子署名もどんどん広がりを見せております。したがって、これは企業の利便性、ビジネスそのものの競争力にも大いに影響すると思っておりまして、日本の金融グループがFinTechの世界で先端を走っていただいて、欧米の金融機関に対する競争力を持ってもらうことが非常に企業にとっても重要と思っております。

欧米の金融機関がIT・決済関連業務の出資等を通じてこういう取組みを拡大する中で、日本の金融グループの取組みが遅れないように、制度面の障害があれば取り除いておく必要があると思います。

ただ、その中で、今松井委員からありましたように、基本的な考え方の視点、これを踏まえるのが重要と思っておりまして、その上で制度をどうつくっていけるかということだと思っております。

それから、ハのIT投資において複数の金融グループ間の連携・協働を進めるということでより効率的な金融サービスの提供につながるというのであれば、企業へのサービスの提供のプライシングへの影響などがない前提で賛成でございます。

以上であります。

【岩原座長】

大崎委員、どうぞ。

【大崎委員】

すみません。今までどなたからもお話がなかったなと思ったので、ちょっと申し上げたい点が、最後の8ページのところでございますけれども、異業種金融グループというふうに参考資料4で書いていただいているものについての考え方なんですが、私、この8ページの一番下のほうに書いてある異業種から参入するグループの行動に問題があるとした場合の当該グループに対する監督権限が十分であると言えるかという、ここは非常に重要な点だと思っておりまして、銀行グループというのか、異業種グループというのかというのが、そもそもそういう区分けに意味があるのかという感じもしまして、銀行グループだと持株会社が非常に厳しく規制されるんだけれども、異業種だという理由で親会社については全く監督が及ばないというのは、これは非常に問題だなという気がいたしますので、すぐにどうするべき、例えばスーパーマーケットやメーカーの本社に立入検査をしてもあまり意味があるとも思えないので、具体的にどうするべきかという方法論はいろいろあると思うんですが、親会社は全然お構いなしというふうにはやはりなり得ないのではないかなという気がいたします。

【岩原座長】

他に何かございますか。翁委員、どうぞ。

【翁委員】

最初の基本的な考え方につきましてですが、平成19年の考え方というのは基本的に今も生きる考え方だと思っておりますが、当時の議論では、限定列挙方式で、個別認可方式も検討したんですが、その時点では限定列挙方式にしたんだと記憶しておりますが、そのときはやはり透明性の問題とか、当局の裁量性の問題とか、そういったことがやはりまだ課題であるということで限定列挙方式になったと記憶しております。ただ、その当時と比べると、現在は非常に技術革新のスピードが速くなっていることとか、それから、様々なサービスがどんどんいろいろ生まれてきて、サービスの進展というのが非常に速く、またいろいろな広がりをもって提供されるようになってきているので、限定列挙方式を広げるということもやっていく必要があるんですけれども、ある程度個別認可方式のようなものを用意しておくということが必要なんじゃないかなというふうに、時代が大きく変わって、そういったことを用意しておく必要があるんではないかなと思います。

ただ、そのときに指摘されている透明性とか、裁量性の排除とか、どういう形でそれを認めていくのかということについて明確にしておくということは基本的に非常に重要なことだと思いますので、そこに気をつけていく必要があると考えております。

それから、この2ページの真ん中のところにあります機能的な親近性やリスクとの同質性、リスク波及の程度というのは、どこにその事業をやるか、銀行本体か、子会社か、兄弟会社かといったところについて、この考え方というのを照らして考えていくということはとても大事なのではないかと思います。例えばECモールなんかは、アメリカでは、米国の銀行本体でやれるようになっているんですが、ここで今回お示しいただいていますけれども、出資というふうに書いてありますが、そういったリスク、これはそれほどリスクの高いものではないのかもしれませんけれども、そういった考え方で、本体でやるのか、子会社でやるのか、兄弟会社でやるのかということをこういった整理で決定していくということも今後やはり同じように考えていく必要があるのではないかと思います。

それから、FinTech企業への出資ということに関しては、私もできるだけこれからできるようにしていくということが望ましいと思っております。IT企業との関係というのは、これから銀行は競争もしていくし、協調もしていくということなのではないかなと思っております。顧客利便性を考えた場合に、IT企業と協調し、学び合うことによって様々な新しいサービスを提供するということの機会にもなると思うので、そういった機会を提供できるようにするということは重要な視点であると思います。ただ、同時に、競争相手でもあるということで、より良いサービスを提供できるようにしていくということが基本的な視点として重要ではないかと思っております。

ECモールについてもできるようにしていくことが必要だと思います。これについても幾つか論点が書いてございますが、まさに決済サービスの提供ゆえにこういうことをやる意味があると思っておりますので、6ページの真ん中でございますが、銀行業との親近性というのは、まさに決済サービスを提供するためにECモール運営会社に出資するということが許容されるわけでございまして、その視点で、それ以外のものは排除していくという考え方についても賛成でございます。

あと、これについては経産省でも整理されていたんですけれども、やっぱり銀行のECモールとすると、あたかも銀行がコマースをやっているように認識されるようなことが生じやすいと思うので、やっぱり運営者であると、単に場の提供者であるということをきちんと明示するということで、利用者が誤解しないような、そういったきちんとした表示をするとか、そういった配慮も重要なのではないかと考えております。

それから、収入依存度規制についても、これを柔軟にしていくということは非常に重要だと思います。これは先ほどからいろいろな委員の方がご指摘になっておられますように、こういった決済業務のみではないと思いますけれども、いろいろな受託ができるようにするということによって、より効率化や、銀行業としての生産性の向上ということの機会に結びつくと思いますし、50%とか90%という水準自体にどのぐらいの妥当性があるのかということについても検証していく必要があるのではないかなと思います。

以上でございます。

【岩原座長】

小鈴委員、どうぞ。

【小鈴委員】

ありがとうございます。私からは各論部分につきまして、意見を2つと、それに関連した確認を1つさせていただきたいと思います。

まずは3ページにあります決済関連IT企業への出資の容易化ですが、他の委員の方々と意見が大分重複しますけれども、事務局からのご説明の中にもありました現在の銀行が置かれている状況等を勘案しますと、3ページ目の最終行以降にあります、従来の従属業務や金融関連業務の取扱いを柔軟に考えていくべきという点については、その通りと考えています。

また、4ページ目の2段落目にあります、より柔軟な枠組みか、もしくは限定列挙かという点につきましても、総合的に考えますと、より柔軟な枠組みのほうが適していると認識しています。

あとは、それらの「柔軟」の程度をどのぐらいのレベルにするかということかと思います。今回のワーキング・グループの議論の中で目指すべき方向感は、資料の1ページ目にも似たような記載があると思いますが、目まぐるしく環境が変わっていく中にあって、日本の金融グループが戦略的かつ柔軟に業務を行っていくことで、国際的な競争力や持続的な成長を維持していくことであると思っています。この点を勘案しますと、より高いレベルでの柔軟性が必要であり、実際にいろいろな形で使うことができ、銀行グループの競争力向上に資する枠組みにすべきと認識しています。

2点目は、1点目に関連して1つ確認させていただきたい点であります。仮に金融関連業務の取扱いを柔軟化したり、IT・決済関連業務についてより柔軟な枠組みをつくったりすると、見方によっては従属業務として限定列挙されている業務にも該当するものが生じる可能性もあると思います。そうした場合、法的にどのような取扱いをするのかという点を確認させていただきたいということであります。

3点目は意見です。7ページ目、8ページ目にある異業種からの参入においては、異業種から銀行業に参入するグループに対する規制と伝統的な銀行グループに対する規制とのイコール・フッティングが確保されていないということにつきましては、私からも第1回目の会合で欧米との比較のご説明をさせていただいた際を含め、何度かご指摘させていただいているところです。金融グループを巡る環境の急速な変化を踏まえますと、この点につきましてもより具体的な検討を進めていくことが必要だと考えている次第です。

私からは以上でございます。

【岩原座長】

どうもありがとうございます。他にいかがですか。

加藤委員、どうぞ。

【加藤委員】

ありがとうございます。基本的な考え方が非常に重要であるということにつきましては私も異論はありません。今回の討議資料は、IT・決済関連業務の取扱いに関するものですが、2ページのところで、「今日的な視点としては、多様な業務を営むことで、組織構造の単純性が損なわれ、グループの実効的な経営管理が困難になることがないか」という点が、金融グループにおける業務範囲の拡大に対する懸念として挙げられております。確かに、金融グループにおける業務範囲が拡大すればグループの実効的な経営管理が困難になることもあり得るのでしょう。しかし、このような懸念に対しては、討議資料の(1)で主に論じられた金融グループの経営管理を強化する仕組みを整備することによって、一定程度は対応できるようにも思います。これまでの討議の中では、持株会社を中心としたグループ経営管理の強化と業務範囲の拡大をセットとして考え、業務範囲の拡大に対応できるようなグループ管理の仕組みを整備する必要があるという見解が有力であったように思います。最終的に報告書にまとめる際には、業務範囲の拡大の是非との関係で、このような視点に触れることが望ましいと思います。

次に、既に大崎委員からご指摘があった点と重なるのですが、決済やIT企業に対する投資であったり、システム管理などが、現行法は従属業務というものに位置づけられていることについて私もかなり違和感があります。ただ、今回の討議資料でご提案いただいた点について異論があるというわけではありません。その一方で、少し気になりましたのは、6ページから7ページにかけて、例えば大手の銀行グループの傘下にありますシステム管理などの会社がどんどん他の銀行グループから業務を受託することができるようになるとした場合に、小規模な銀行にとっては、自ら決済業務やIT業務などに投資するよりは、大手が提供するシステムに――言い方は悪いですけれども――ただ乗りしたほうが安上がりとなる状況もあると思います。そうすると、金融業の根幹にかかわるシステムを他の銀行に依存するというのが制度として可能になるのは、それは本当に良いのかというのが少し気になりましたので、意見を述べさせていただきました。

以上です。

【岩原座長】

舩津委員、どうぞ。

【舩津委員】

すみません。先ほどの加藤委員のお話でちょっと私が聞き違えているかもしれないのですが、業務範囲の拡大に関して、これまでの議論として、経営管理をしっかりすることを前提に、というような議論が比較的強く出されていたかと思うのですが、この点に関して、果たして業務範囲を今後新しい分野に拡大していくといったときに、そういう論理でずっと突き通していけるのかなというのは若干疑問があります。といいますのも、この業務範囲規制の趣旨が何かということになるかと思うのですが、リスクの同質性という観点からこれまで認められていたものだと言っているということですね。

したがって、リスクの種類が違うので、親会社がしっかり面倒を見ることを前提にして拡大するんだという論理だとは思うのですが、そうしますと、極端なことを申し上げると、親会社が影響力を持てる範囲でしか出資を認めないとなりはしないかと。そうすると、結局のところ、子会社としてしかECモール等を持てないというような論理に行き着きはしないかなというのが若干気になっております。むしろ、ビジネス側の要請としては、以前他の委員の方から、無関係なところに対しても出資するというようなところから考えていくほうが、銀行の子会社としてつくるよりもイノベーションの観点からはいいんじゃないかというご趣旨のご指摘もあったように記憶しておりますので、そうなってくると、子会社としての管理という点ではない論理でもう少し規制を緩めるための論理というのを持っておかないといけないのかなというふうに、感想で申しわけないですけれども、思いました。

以上です。

【岩原座長】

他に何かございますでしょうか。大崎委員、どうぞ。

【大崎委員】

何度もすみません。1点、確か第1回会合にも申し上げたことだと思うんですが、決済関連IT企業への出資の容易化という論点についてなんですが、これと同じ課題は、金商法上の免許業種であります金融商品取引所及び清算機関についても全く同じことが当てはまるのではないかと思っておりまして、ぜひ銀行グループだけについての制度的手当てではなく、金融商品取引所や清算機関についても同じような柔軟性が確保できるような手当てをしていただければと思う次第です。

【岩原座長】

他に何かございますでしょうか。よろしいですか。

本日、皆様から活発なご意見をいただきまして、1の基本的な考え方も、それからまた2のIT・決済関連業務への取組みにつきましても、この討議資料(3)に記載されておりますような基本的な考え方、そしてまた具体的な取組みへの方向性の提言についても、いずれも積極的なご意見が多かったかと思います。決済関連IT企業への出資、あるいは、従属業務についての現在の収入依存度規制等についても、より柔軟な扱いを認めていくということについて、ほぼ皆様一致したご支持があったと思います。その他、いろいろなその際に考えるべき視点について、ご指摘があったところであります。また、最後の異業種グループとのイコール・フッティングの問題についても、おそらくここで指摘されている問題自体についてはご支持があったかと思います。

そういうことで、本日は、基本的に討議資料(3)に書いてある方向、より柔軟化を進めていくという方向を支持する考え方が強かったということでまとめてよろしゅうございましょうか。

それでは、まだ大分時間はございますが、特に他にご意見がないようでしたら、本討議を終わらせていただきたいと思います。本ワーキング・グループにおきましては、多岐にわたるテーマにつき、これまで精力的にご議論をいただいてきたところでありますが、次回、第9回以降は、これまでのご議論を踏まえまして取りまとめに向けた審議をお願いしたいと考えております。

最後に事務局のほうから連絡事項等がございましたら、お願いします。

【佐藤総務企画局信用制度参事官】

事務局からスケジュールについてお話を申し上げたいと思います。次回開催日程につきまして、12月に開催をしたいと考えておりますが、具体的な日程につきましては、委員の皆様方のご都合を踏まえた上で、後日事務局からご案内をさせていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

事務局からは以上でございます。

【岩原座長】

それでは、以上をもちまして本日の会議を終了させていただきます。どうもありがとうございました。

以上

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局企画課信用制度参事官室(内線3538、3582)

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