金融審議会金融分科会第一部会(第30回)議事録

平成17年4月28日

金融庁 総務企画局

午前10時00分開会

○神田部会長

それでは、予定の時間になりましたので始めさせて頂きます。

金融審議会金融分科会第一部会の第30回目の会合を開催させて頂きます。

皆様方には、いつもご多用のところをお集まり頂きまして誠にありがとうございます。

会議に先だちまして、いつものことでございますが、本日の会議も公開とさせて頂きますので、その点をご了解頂ければと思います。

当部会のメンバーにつきましては、お手元にお配りしております名簿をご参照頂きたいと思いますが、今回新たにご就任されました委員の方をご紹介させて頂きます。

まず、植田和男委員でございます。

○植田委員

植田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○神田部会長

よろしくお願いいたします。

それから、町田充委員でございます。

○町田委員

町田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○神田部会長

よろしくお願いいたします。

ありがとうございました。

では、早速本日の議事に移らせて頂きます。

本日ですが、まず今国会に提出されました証券取引法改正案についての説明をお願いし、その次に事務局にこれまでの議論をもとに、論点整理を作成して頂いていますので、それについての説明をして頂きます。そして審議をお願いしたいと思っております。

今後のこの第一部会の予定でございますが、この論点整理をもとに議論を深めて頂きまして、6月ころには報告として取りまとめを行いたいと思っておりますので、どうかよろしくお願い申し上げます。

それでは、お手元の議事次第に従いまして、まず事務局からこの国会に提出されました証券取引法改正案についてのご説明をお願いします。

池田参事官、お願いします。

○池田企業開示参事官

それでは、今国会に私どもが提出しております証券取引法の改正案の現在の状況についてご報告をさせて頂きたいと思います。

今国会に内閣が提出いたしました証券取引法改正案の概要については、既にさきの第一部会の会合の際にご説明をさせて頂きましたけれども、内容としては公開買い付け(TOB)規制の適用範囲の見直し、それから上場会社の親会社についての情報開示の制度の導入、それから英文開示制度の導入ということで、その3つの柱で証券取引法改正案を提出するということは、既にご説明をしておったところでございます。

この法律案につきましては、去る3月11日に国会の方に提出をさせて頂きまして、4月19日に衆議院の財務金融委員会の方に付託されまして、4月20日から衆議院の財務金融委員会の方で審議が行われました。

その審議の際には、いろいろな議論がありました中で、特にこの審議会でも再三ご指摘を頂いておりましたけれども、いわゆる継続開示義務違反に対する課徴金制度が今回の内閣法案には盛り込まれていないということについて、いろいろな議論がなされました。この点については、自由民主党の議員の方を中心に、継続開示義務違反に対する課徴金制度について検討しようという動きがあり、そうした中で最終的には自由民主党と公明党、それから民主党、3党の共同提案という形で、内閣の提出いたしました法律案に対して修正の提案がなされました。この点について今週の4月26日に衆議院財務金融委員会で、その修正動議が提出されまして、採決の結果、内閣法案は、修正をした上で全会一致ということで可決をされたところでございまして、さらに衆議院では、同じ26日に本会議にも上程されまして、そこで可決されたということでございます。

ということで、衆議院の方では要すれば内閣が提出した法律案に、課徴金の件について修正が施された形で可決をされたということで、連休明けからは参議院の方に移りまして、さらに審議が行われるという予定になっておるところでございます。

したがいまして、この課徴金の制度については、議員の方々のご提案であるということ、また参議院でさらに審議が深められるということでありますが、これを前提に、現時点で私どもが承知しているという範囲で、その修正案の概要についてご説明をさせて頂きたいと思います。

お手元に資料Aという形で3枚紙が配付されております。これが修正案の要綱と3枚目が修正案が提出されましたときの趣旨説明でございます。恐らく、この趣旨説明で一番ポイントはおわかり頂けると思いますので、要綱の方は適宜ご参照頂きながら、修正案の趣旨説明の方でご説明をさせて頂きたいと思います。

資料の第2段落のところで、こういう修正案が出された趣旨が説明されております。「ディスクロージャーは証券市場を支える最も基本的な制度であり、発行会社が継続開示義務に違反して一般投資家を欺く行為は、証券市場に対する挑戦である」というようなことが書かれておりまして、継続開示義務違反については刑事罰が発動されるけれども、さらに広範に継続開示義務違反を抑止し、規制の実効性を確保するために、行政上の措置として課徴金制度を導入することが急務だということが、趣旨として述べられているところでございます。

そして、具体的な課徴金制度の骨格になりますけれども、中ほどから「第一に」と書いてございますところにありますように、この課徴金制度においては、まず課徴金の額については、有価証券報告書等についての重要な事項の虚偽記載については、300万円を原則として、虚偽記載時のその会社の株式時価総額の0.003%に相当する額が300万円を超える場合には、その額とするということとされているところでございます。

この額の算定に当たっては、当審議会でも違反行為に伴う経済的利得をどのように算出するかというようなことで、いろいろご意見をちょうだいしたところでございますけれども、この提案された議員の方々のご説明では、今回の額の設定あるいは課徴金の考え方は、違反行為を通じて企業が得たであろう積極、消極の経済的利得といったものは勘案しながら、最終的には違反行為の抑止のために必要かつ合理的と思われる額を、政策的に判断して設定をしたというご説明がされていると理解をしております。

繰り返しになりますが、利得というものを加味しながら、なかなか利得だけでは説明ができない部分もあるので、最終的にはそういう違反行為の抑止のための必要かつ合理的な額ということで、政策的な判断が行われたということでございます。

そして次に、趣旨説明の「第二」のところを見て頂きますと、「罰金と併せて課徴金が課される場合には、その課徴金の額から罰金の額の全額を控除することとして」いるということが説明をされております。これは従来から、課徴金については刑事罰との二重処罰の問題を生じないかという論点があったところでございます。そして、今回ご提案をされた先生方のお考えでは、先ほど言いましたように利得を加味しながらも、最終的にはそういう違反行為の抑止ということをより強く出していく結果、性格として刑罰と従来以上に効果において近接してくるという可能性があると考えられることから、政策的観点から、このような調整規定を設けることとして、課徴金と罰金の額を完全に調整をすることによって、二重処罰の疑義を排除しているというお考えであるというふうに理解をしております。

それから「第三」のところは、経過的な措置でございますけれども、制度のソフトランディングというような説明がされておりますけれども、導入時、1年間に当たっては、ソフトランディングを図っていくという観点から、「初回の違反であること、当局による調査開始前に自主的な訂正を実施したこと、再発防止策を講じたこと」というような要件が満たされている場合には、課徴金の額を具体的には3分の1を減額するという規定が附則に盛り込まれております。

それから「第四」のところでございますけれども、今回の提案された先生方のご説明では、今回の措置というのは、証券市場の信頼の確保等のため、継続開示義務違反という違反行為を抑止するための当面の措置であるというご説明をされておりまして、ここにございますように、政府に対しては、おおむね2年を目途として、課徴金に係る制度のあり方について検討を行うようにという検討規定が盛り込まれているところでございます。ここで2年という数字が入っていることについては、私ども理解しているところでは、独禁法の改正案が先般成立をいたしまして、そこでやはり2年以内の課徴金制度の見直しということが盛り込まれておりまして、提案された先生方の意図としては、そういう独禁法における課徴金制度の見直しとあわせて、政府として課徴金制度全体について抜本的な見直しをすべしというお考えがあるというふうに理解をしているところでございます。

最初に申しましたように、本法律案自体は、なお参議院での審議が予定されるところでございますので、現時点では確定的なことを申し上げるのは差し控えさせて頂きたいと思いますけれども、仮にこの形で成立ということになりますと、政府としては、一つはもちろんこの制度を的確に執行していくことが求められるわけですけれども、あわせておおむね2年を目途として課徴金制度について抜本的に検討するという、大変大きな宿題もあわせて検討規定ということで与えられているというふうに理解をしておりますので、その点については、引き続き当審議会の先生方にご意見を賜りながら、検討をしていく必要があるというふうに考えているところでございます。

以上でございます。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

ただいまのご説明につきまして、皆様方からご質問、ご意見がございましたらお出し頂きたいと思います。いかがでしょうか。

よろしゅうございますでしょうか。それでは、先に進めさせて頂きたいと思います。

続きまして、投資サービス法の討論の前提ということにつきまして、事務局からの説明をお願いします。

○大森市場課長

資料B-1からB-4までお配りしていると思いますので、これを眺めて頂きながらご説明をさせて頂きます。

このように公開の場で議論するとき、私も相当確信を持ってご提案していることもあれば、虚心坦懐にご意見を頂きたいと思って申し上げていることもありますが、そのいずれもが金融庁方針という見出しで報道されますと、結構、世間をお騒がせしてしまうので、今日最初に申し上げることは、私どもの中でも様々な考え方があるので、虚心坦懐にご意見を頂きたいことだと、まずお断りをしておきます。

それは、答申について分立している法制を機能別に横断化していこうという今回の議論の前提にかかわる論点で、投資サービス法と金融商品販売法の関係、あるいは資料B-1とB-2にあるように、両方とも投資サービス法と書いてございますが、B-2の方はイギリスの金融サービス・市場法のような形をしております。どちらの姿を展望するかと言ってもよろしいと思います。

何度か申し上げましたように、ポストビッグバンの課題として検討された金融サービス法は、結局、垣根が低くなってきたとはいえ、日本では基本的に業態の違いがある中で、法制だけすべての金融サービスをカバーしても、労多くして実益に乏しいということで、すべての金融サービスに共通する入り口の説明義務と民事責任だけを金融商品販売法で横断化したという格好になっております。そこでは、民事責任を問うに値する説明義務違反を明確化する必要があったので、それは元本欠損の生じるおそれということになっております。当部会でも、池尾先生のリスクの3類型の提案を契機に、元本欠損が生ずるおそれの有無によって行為規制を類型化できるのではないかといった議論がありましたが、現実の投資商品の線引きはなかなか難しいといったご意見もございました。

この金販法は、金融商品を広くとらえて消費者保護を措置した点で、それまでにはない立法でしたが、広くとらえた結果、消費者保護の中身が薄いという批判は立法当時からございます。また、元本欠損が生ずるおそれというのは、リスクの性質についての説明であって、実際に欠損が生じるかどうかは、売る方も買う方も、結果が出るまでわからないので、投資信託だから元本欠損が生ずるおそれがあると言われても、それだけじゃ消費者もありがたくないのではないかとか、むしろ一律にそれだけ説明すると、リスクテイクするなと言うに等しいのではないかといったご意見もあります。

さらに、消費者との関係において、最も重要なのは適合性原則であって、適合性原則によって勧誘する過程において元本欠損が生ずるおそれだけではなく、リスクの程度の違いこそ説明すべきだといったご意見もございます。

こういった議論は、証取法は基本的に卒業しておりますし、今回の投資サービス法も当然の前提として、証取法的世界に入っていない投資商品をカバーしていこうというものでございます。すべての金融サービスをカバーしようとすると、中身が薄くなってしまいがちですので、預金と保険という性質の異なるものはわきに置いておきまして、投資商品及びそれを提供する投資サービス業を可能な限り法制として横断化していくことが、貯蓄から投資に向けた制度基盤であるとの位置づけで議論をしてきて頂いております。

現在でも、証取法と金販法が重なる部分は、金販法の意味が余りないのですけれども、証取法が投資サービス法に拡大改組されますと、ますます金販法の意味が乏しくなってまいります。今回の投資サービス法の議論を始めたときに、本来は、金融サービス法であるべきだとのご意見に対しては、預金というのは、預け先が破たんしない限り元本保証されるものであり、保険とはみずからが潜在的に抱えるリスクに備えてお金を投じるものなので、他者が抱えるリスクを評価してお金を投じる投資とは区分できる。この投資という分野こそが、資料にありますように、法制は分立しているし、漏れも多いし、この分野を横断化することが日本の資本主義や金融システムの現段階に整合的な政策ではないでしょうかと申し上げてまいりました。

銀行だけに実体経済のリスクが集中してしまう金融システムをもはや維持できないがゆえに、企業も個人も市場で運用調達することが当たり前と感じる世界におけるインフラではないかという前提に立ってきたところでございます。現実には、この第一部会で一昨年秋には組合型投資ファンドの議論があり、昨年の今ごろは、外為証拠金取引の議論があり、その延長線上に今回の議論があって、預金や保険の話は、第一部会の所掌を超えてしまうという事情もあるのですけれども、それは余り本質的な話ではございません。

具体的に投資サービス法の作業をしていくと何が起こるかというと、変額保険は投資商品だから投資サービス法に入れましょうと。デリバティブ預金は投資商品だから投資サービス法に入れましょうといった各論になってきまして、中には線引きの難しいケースもでてくると思います。先ほど申し上げたように、金販法というのは、金融商品に元本欠損が生ずるおそれの説明義務を規定しておりまして、元本欠損が生じ得るなら、投資商品なのでしょうから、投資サービス法に取り込まれますと、ますます金販法の存在意義が希薄になってまいります。

一方、どこまで投資サービス法に入れるかの線引きをした結果、入らなかった預金や保険商品については、消費者保護上、何もしなくていいということではなかろうという論点は当然にありまして、適合性原則や誠実義務あるいは報告のあり方などが議論になり得ます。何もしなくてよいわけでないなら、いっそすべての金融商品の販売介入という入り口部分を、現在の金販法よりはきちんと規定していくという発想が出てまいります。それがB-2の形でございます。

よく知られておりますように、イギリスの2000年金融サービス・市場法は、それまでの投資者保護のための販売・勧誘規制を銀行預金者など、金融商品の消費者一般に拡大したものでございます。銀行と保険業界代表の専門委員は交代されたばかりですけれども、前任の委員の方、いずれも銀行法、保険業法と投資サービス法がうまく整合するのか心配だといった意見を表明されておりました。仮にB-2のような形で、金融サービス・市場法的な発想に立ちますと、どちらかに入るかではなく、およそ金融商品であれば消費者との関係は、この法律で規定されることになります。

これまで投資商品のリスクの度合いに応じた柔構造と言ってきたのが、金融商品全体をリスクの度合いに応じて柔構造化するということになります。エンフォースメントの体制としても、これまで証券取引監視委員会が投資サービス監視委員会になるところまでは、当然というイメージだったですけれども、すべての金融商品の販売・勧誘規制を見る金融サービス監視委員会になるのか、ならないのかといった論点に波及をしてまいります。

ここまで極力、客観的に説明してきたつもりですけれども、委員の皆様、議論も大詰めに来て一体何を言い出すかとあきれておられるのか、そういう発想に発展してもいいのではないかと感じておられるのか、我々、今後の作業を展望する中で議論をしていても両論あるものですから、本日は素直に意見を伺いたいということでございます。

もちろん、このB-2、金融サービス・市場法のはみ出している部分は、現在の金融審議会の役割分担で言えば、第二部会ということになりますので、当第一部会としての6月末の基本方針は、これまでどおり投資サービス法としてまとめるのか、さらに販売・勧誘の入り口部分を広く金融商品全体に横断化する可能性を展望しておくのかということだろうと思います。投資サービス法の議論そのものに影響するものではなく、その発展可能性の問題だということでございます。

とりあえず以上でございます。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

そうしますと、B-3とB-4はご参考ということでよろしいでしょうか。

○大森市場課長

はい。

○神田部会長

それでは、6月に取りまとめるに当たって、前提という、議事次第によればそういう言葉になるのかもしれませんけれども、そのところについて、今、大森課長からご説明を頂きました。

今の頂きましたご説明につきまして、委員の皆様方からご質問、ご意見、ご自由にお出し頂きたいと思います。どなたからでも、どの点についてでも結構ですので、どうぞよろしくお願いいたします。

○原委員

検討の期日もあと数回というところで、かなり大胆な発想でご提案を頂けたというふうに思っております。これまでの議論を聞いていても、デリバティブ預金ですとか、それから変額個人年金保険の扱いをどうするのかというのは、特に変額個人年金保険については、毎回のようにここに議題として挙がっていて、それを例えば線引きで業法の中でやっていても、じゃ、次にまた新しく出てくる商品をどうするのかというようなところがありましたので、私としては販売・勧誘等ルールで銀行、それから保険のところまでくくることができれば、ぜひここまでの一歩を進めておいて頂きたいと考えております。

銀行については、銀行でのいろいろな保険商品の窓口販売も始まっておりまして、窓口がもう数年前からすると様変わりをしているような状況になっているということを考えると、当然、消費者との接点ということの再整理は必要だと思っておりますし、保険についても、先日、明治安田生命の告知義務違反の行政処分が出ましたけれども、私自身はずっと国民生活審議会で消費者契約法の検討にも参加して、それからこちらでもディスクロージャーのワーキングで参加しておりまして、そういった目から見ると、保険契約というのは非常に消費者契約の視点からしても、かなりおくれている分野のように感じておりまして、ぜひ今、ちょうど保険課の方で検討チームというのがスタートして、4月から検討を始めたばかりですけれども、こことも歩調を合わせて、私としてはこちらの議論と重ねて頂きたいと思っております。

実は昨日、その会議がありまして、私の方からもこちらの投資サービス法との検討と合わせてほしいと発言をしております。よろしくお願いいたします。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。

高橋委員どうぞ。

○高橋(厚)委員

投資サービス法の対象をどこまで広げるかというのは、イギリスの例等もあって、早い段階でかなり議論があったと思います。先ほど大森課長からもご説明がありましたし、問題意識として投資の部分が統一的な法制がないので、いろいろ整合性がとれていない部分があるとか、あるいは規制の対象となっていない部分が抜け落ちているではないかというような観点から、投資サービスという分野を横断的な法制にしようということで、そういう前提でずっと議論をしてきたのだと思います。

先ほど原先生も、今の段階で随分大胆な方向転換だというふうにおっしゃいましたけれども、私も、もしこういうふうに転換するなら、今までの議論との関係はどうなのかということの整理をもう一回しなければいけないのかなと思います。

投資という切り口をとらえて横断的な法制をするということで考えてきたわけでありますので、将来の展望として金融、保険というものを金融サービス・市場法という形で取り入れていくということを展望するということは、この会議でも意識としてはあったのだろうと思いますけれども、今の作業の目的というのは、投資に関する横断的な法制をしようということではなかったのかなと思いますし、そういう前提でいろいろな各論の検討をしてきたので、私は今の段階で方向を転換するということでは、なかなか今までの議論との整合性がどうなるかなという疑問を感じます。

このB-1とB-2の絵が2つあるのですが、これは全く念のための確認なのですが、このB-1の銀行法、投資サービス法、保険業法と書いてあるのは、この投資サービス法という中に銀行が扱う、例えばデリバティブ預金とか、あるいは保険の扱う変額年金保険だとか、そういうものが入っているという理解だと思います。

それはそうだとしますと、このB-2の方の理解はそういうものではなくて、純粋な預金、純粋な保険も含めて、販売・勧誘に関するところは全部取り込んでいくというのがご提案だと、そういう理解でいいですか。そうだとしますと、私は今までの議論でせっかくここまで詰めてきて、一つの方向を出そうとしているのであれば、投資サービス法ということで進められたらいかがかというふうに思います。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

どうぞ原委員。

○原委員

私の発言が誤解を与えたようだと大変申しわけないのですが、大胆にというふうに言ったのは、大胆に方向転換をしたという意味で発言をしたわけではなくて、大胆に一歩を踏み込んで頂いたと思っておりまして、私も保険や銀行について、それぞれの業法に問題があると感じておりますけれども、販売・勧誘の部分については、広告とか説明義務とか適合性の原則という点では、消費者との接点では同じルールが置かれるべきだと思っておりますので、そんなに大変な作業と思っておりませんで、これまでこう着をしていたデリバティブ預金とか、変額個人年金保険をどう考えるかに当たっては、一つの解決方法と考えております。ちょっと誤解があるといけませんので。

○神田部会長

ちょっと高橋委員が最初におっしゃった点につきましても、私もどういうふうに議論を進めたらいいかとことについて、1点だけコメントさせて頂きますと、今日の議事次第でも議論の前提というふうに書かせて頂いていますので、方向転換をしようというご提案をしているわけではありませんで、あくまでB-1の線で取りまとめを行う方向をご確認頂くとともに、あわせてB-2を展望していいかということだと思います。方向を転換というとドラスティックに思われるかと思いますが、あるいはB-2は展望しないで今回は取りまとめをすると。極端に言うと、そのどちらでしょうかと。

どうもロジカルに考えていくと、消費者との接点では、投資家も含めてですけれども、リスクのあるものにお金を出すということですので、同じなので、ルール自体は横断的な方がいいだろうと。この点は余り異論はないと思うのですけれども、ただそのルールはB-1であれば、銀行法、保険業法のルールですということで、しかし、それは詰めて考えていくとB-2のようになっていくのではないかと展望するかという、そういうことだと思います。事務局はそういう趣旨でのご提案だと思います。高橋委員のおっしゃったこととそんなに矛盾はないと思います。

どうぞ。

○高橋(厚)委員

そういうご提案であれば、私の発言は全く誤解をしておりまして、もともと将来展望として投資サービス法の後、金融サービス・市場法ということもあり得るというのは、意識としてあったわけではありませんので、将来の展望として持っているということであれば、それはそれでいいのだろうと思います。

今、まとめようとしているのはこのB-1のような、今、神田先生のおっしゃったようなことであれば、私もそれでいいのだろうと思います。

○神田部会長

もう一点だけ補足させて頂きますけれども、この6月は考え方をまとめたいと思っているのですね。それを具体化していくときに、どういう手順になっていくのかというのは、また恐らく秋以降の話になると思いますので、考え方をまとめるときにB-1としてまとめるのか、プラス展望をするかと、そういうふうにお考え頂ければいいのではないかと思います。

事務局の趣旨はそういうことでよろしゅうございますよね。

○大森市場課長

はい。

○神田部会長

古市委員どうぞ。

○古市委員

神田先生に、今、まとめて頂いたとおり、B-1の方でメインとしていくという点については、納得するところなのですが。

B-2について、展望として入れるかどうかという議論なのですが、先ほどの説明を聞いたときに、やはり展望にしろ、討論の前提としてここの議論をもう一度確認するということ自体、やはり私も前回からの参加ですけれども、これまでの議論の中では、それも含めてもう整理がついていたのかなというふうに思っております。

ここで展望も含めて、少し販売・勧誘ルールについて保険業法とか銀行法、それは変額保険だとかデリバティブ預金だとか、投資商品のボーダーラインにある商品だけではなく、保険という先ほど大森課長にまとめて頂いたとおり、投資だけではない別の非常に大きな社会的使命もあるし、商品性もあるといったものについて、それを販売・勧誘というところだけにしろ、大きくくくっていくことを展望の中で目出しということなのかもしれませんけれども、入れるということは、少なくとも今までの議論の中では、もう整理され尽くしたのではないのかなというふうに思って、若干説明を聞いたときに、前半部分ではああそうかなと思ったのですけれども、後半部分でちょっとアップセットして、どうしたものかなというふうに思っていますので。

気持ちとしてはそういうことで、6月の残り少ないというところではありますけれども、やっぱり保険だとか銀行だとかということの本質論につながることだと考えておりますので、そこはしっかり議論していかなくてはいけないのだろうと思います。

当然、投資サービス法の中で、周辺部分としてボーダーラインの商品として変額だとかデリバティブ預金とかいったものが議論されてきたということは事実としてあって、我々はこういう意見、それ以外は別の意見ということが、前向きな形で議論されたことについては非常にありがたいと思っておりますが、それを超えて展望ということにしても、それは一つの方向性が打ち出されるというふうに感じざるを得ないということですので、躊躇せざるを得ないかというふうに思います。

よろしくお願いします。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。

東委員どうぞ。

○東委員

投資サービス法は、そもそも何を目指したのかということだと思うのですけれども、やはりこれまでいろいろな新しい商品が出てきて対応し切れない、あるいは今後も出てくるであろうということで、いかに投資家保護、消費者保護を行うかが大きな視点だと思います。

そういうことからすると、投資家に対してその商品の特性なりをどうきちっと整理して伝えるかというところが、この投資サービス法の根っこなのではないかと考えています。そういう意味では、基本的には投資家にリスクリターンという軸でどう伝えるかというところが、根本にあるのではないかと思います。したがって、従来はどの業者が売るかということで線が引かれていたものを、現在はどの商品をどの機能でというところに組みかえるという理解をしております。

そういう視点からいきますと、展望という意味では、やはりB-2の姿を展望しながらB-1を当面目指すものという位置づけになるのではないかと考えています。

○神田部会長

ありがとうございます。

では、田中委員どうぞ。

○田中委員

現在、貯蓄から投資へという大きな方向性が出されております。そういう面で、投資家のサイドから見た場合、先ほども東委員も言われましたけれども、どの業者がどう売っているのかということではなくて、投資家から見た場合はあくまでも投資商品という形になりますので、やはり販売・勧誘ルール等、このあたりの販売関連業法というのは、やはり横断的であるというのがあるべき姿だと思います。その意味では、今回の提出された見通しと、この方向性というものは本来あるべき姿ではないかなと思います。

1つちょっと確認なのですが、B-3のところで、一番右のところに商品取引所法というのも書いてあるのですが、ここも想定しているという理解でよろしいのでしょうか。

○大森市場課長

同じような世界ですねという意味で、資料としては書いてあります。

○神田部会長

私が余計なことを言うのはどうかと思いますが、一般論として諸外国などとも比較しますと、ファンド形態になっているようなものは、例えばイギリス法であれば何に運用するファンドであっても、イギリスの言葉ではファイナンシャル・サービス、金融の分野、ここでの言葉で言うと投資サービスの分野。しかし、商品取引ですよね。商品先物取引というのは、必ずしもそうでない。これは、ですから結局金融とそうでないものとの線引きですよね。

言ってみれば、この図ではうまくかけないと思うのですけれども、B-1の全部とその外側との線引きで、当然ながら商品の取引ですとか、あるいは不動産というのも両方ありだと思うのですけれども。金融にも使われるし、そうでない普通に例えば住宅不動産の取引ですとかですね。ですから、そっちの線引き問題もあると思うのですね。ですから、その辺があるので、外縁がどこにあるのかというとなかなか難しいのかもしれませんけれども。今あるものをわかりやすく書いていくと、近さ、遠さからいくとこういう感じになるのではないかというのが、恐らくB-3の図ではないかと思いますけれども。B-4もあわせて、これはあくまでご参考資料ということになります。

それでは古市委員どうぞ。

○古市委員

B-3に関して、少しテクニカルになるかもしれないのですけれども。保険のところだけで言いますと、保険募集人のところに誠実義務というのが点線で囲っておりまして、同じように銀行法のところとか、信託業法のところにも誠実義務というのが点線で囲ってあって、これは現在は保険募集人についてはないと。保険仲立人についてはあるということで、将来図みたいなことを意図されているのかなというふうに推察するわけですが……。当然、保険会社とお客様の間には情報量の格差があるということで、当然のことながら、一般常識的な意味での募集に当たって、お客様に対して適正な保険商品を選択できるように、様々な情報を提供するという意味での配慮は必要でありますし、実際にはやっているわけですが。ここで言います恐らく法律上の誠実義務というのは、仲立人の場合は、顧客の委託を受けて保険契約を締結するという立場で、そういう立場ですから、通常、顧客との間のコンフリクトが生じると。そこを防止するために、こういう誠実義務という、少し狭義なのかもしれないですけれども、法律的な手当てがなされていると。

一方、生命保険の募集人、損害保険の募集人については、あくまでも保険会社の委託を受けて、その代理媒介を行うということですので、顧客サイドに完全に立って、そこで保険会社の選択も含めて接することが義務になっている保険仲立人と同様な誠実義務というものが課されるのだとしたら、それはちょっと正確なものではないと思います。

一般的な、もちろん誠実なスタンスでもって保険をお勧めするとか、対応するというのは、各社ともまだ努力の足りない部分はありますが、やっているところではございますが、ここの誠実義務という法律構成要素として少しなじまないのではないかと。細かい話ですが。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

同じような問題は恐らく投資商品の場合でも、例えば直販するような場合にはあると思いますので。これは誠実義務というものの具体的な中身ですね、それが場合によって中身が多少違うというご指摘だと思います。

どうもありがとうございます。

今日、ちょっとこの点は幅広くご意見を伺った方が……。展望とはいっても展望は適切ではないというご意見から、展望はした方がいいというご意見から、ちょっとだけ展望するというようなやり方もあるかもしれませんし、展望するかもしれませんというような程度に、雰囲気でいくという、いろんなニュアンスはあろうと思いますので、できるだけ多くの委員からご感触を伺えると、この後、いろいろ作文に取りかかりますので大変助かりますけれども。

今日、ご意見出し切れなかった委員の方々には、後から事務局等にご連絡頂いてももちろん結構でございますけれども、できるだけ皆さんの前でお願いできれば……。

佐々木委員、よろしくお願いいたします。

○佐々木委員

感触ということであればということなのですけれども、私は今お話を伺っていて、B-2の形を展望するというのに賛成です。

これは、やはり金融商品というのが非常に複雑になってきていて、あるいは自由に企画ができるようになればなるほど、新しい頭でいろんな人が、組み合わせの商品をつくったり販売をするという、販売の方法も商品の内容も、あるいは説明の仕方も変わって、複雑になってくるということが想像されるので、販売や勧誘のルールに関しては、どういった金融商品であっても、どこが扱っていても、同じルールのもとである一定の基準で説明をして頂くというのが、私は一番わかりすいと思うので、投資サービス法の今回の中で、B-2の形を展望するというふうにして頂くのは賛成です。

○神田部会長

どうもありがとうございます。

ほかにいかがでしょうか。

藤沢委員どうぞ。

○藤沢委員

では、私もコメントとしてなんですけれども、現実の問題を見たときに、今の一般消費者というのは、自分で自分の資産を守らなくてはいけないという事態になってきていると思うのですね。その守るという方法の基本は分散であります。分散というのは、何も株や有価証券を分散するというものではなくて、最近、いろいろご覧頂ければ、もちろん預金商品も保険商品も、そしてさらには某銀行のプライベートバンクのニュースにありますように、美術品さえも資産を保全するという一つのツール(道具)の中に入ってきている時代でありますので、やはりそこまで展望したときに、余りに細分化したもので法律をつくっていくよりも、やはり個人が資産を守るときに、入ってくるもの全般を視野に入れた形で議論をしていくということが非常に重要なのではないかと、そんなふうに感じているわけです。

ただし、この議論をするときに、私は一つ忘れてはならないことがあると思います。それは本当に一般の個人に対するものということと、そしてもう一つは、やはりプロという方々、この方々への、この後議論があるかと思いますけれども、プロとアマを一緒くたにした形での投資家保護、投資サービス法の拡大というものをやったときには、逆に流れるべきところへお金が流れないという阻害も出てくるかもしれませんので、その部分を忘れずに、大きな視野で見ていくということを考えるべきかなと、そんなふうに考えております。

以上です。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。

植田先生どうぞ。

○植田委員

私、今日初めてですので、これまでのご議論を伺っておりませんので、あれでありますが、一応、方向観を言えということであれば、私もB-2の方をなるべく展望しつつというところに賛成であります。

理由としましては、こうした動きは、一つは投資家の方々が広い商品を適切に選択できる情報を提供するということでしょうし、もう一つはプレイヤーといいますか、商品を販売する側にとっても幅広い枠組みの中でやれた方が、よりイノベイティブな商品ができてくるであろうということもあるのだと思います。そういう意味では幅広いものを目指していくというのが、あり得るべき方向かなと思います。

ただ、それはそれとしまして、銀行や保険には、恐らく議論されたでしょうが、それ独自のいろいろ難しい問題がありますので、それを考慮しつつ進めざるを得ないということだと思います。ただ、その難しい問題というのは、先ほどちらっと伺っていて、あれっと思ったのですが、銀行預金は元本リスクがなくて、ほかの一部の投資商品は元本リスクがあると言われると、それはちょっと変だな。銀行預金はリスク・プロファイルで言えば、ある次元で言えば社債と同じようなものでありますので、社債に元本リスクがあって、銀行にないということではないと思います。ただ、それはそれとして難しい問題はあるということを認識しつつ、将来、議論していければいいなということくらいです。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

淵田委員どうぞ。

○淵田委員

B-2を展望するというのは、これはもう私は既定路線だと思っていまして、97年流れ懇の議論がスタートしてからもう8年たち、それで議論もある意味で尽くされていると思います。もちろん法律にする上では、様々実務的な点は深めなくてはいけないとはいえ、展望するというレベルでしたら今さら改めて論争になるような話ではないのではないかと思います。

経済産業省も含めまして、あるいは各種経済団体も含めまして、金融サービス法が必要だという主旨の提言は、過去からも何度も出ているわけでございますし、本来、今回もそちらを目指すべきところを、貯蓄から投資への流れを促進することが優先課題だ、ということで投資の分野に範囲を絞って議論を先行させているという位置づけで、これまで議論をしてきたということではなかったかと、私は理解しております。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

古市委員、何度でもどうぞ。

○古市委員

投資サービスという議論で今まで議論をしていて、まさにこのベースにあるのが貯蓄から投資へといった背景でこの議論がされてきたと。そのときに、その延長にその保険というのが投資商品もしくは金融商品として、もしくは預金というものが本当に投資なのか、もう少し利便性のあるものとしてお客さん方がとらえてないか。保険で言えば、変額年金というような議論は十分すべきだと思いますし、我々についても意見は別ですけれども、してきたつもりです。

ただ、保険というのは、果たして投資でお客さんが買っている方がいるのかどうか。我々の売り方、それからサービスの仕方、それから30年後にそれをしっかり支払っていくかどうかというところも含めて、投資としてのアプローチというのは極めて少ない。ですから、当然のことながら、そこで何の業法も、売る際のフレームワークも何もないということであれは、こういったことは考えられるのだと思いますが、厳然として保険の業法というのがしっかりあり、その中に販売だとか募集だとかいったものが組み込まれ、それは商品の開発を、単純に所与の商品を売る、売り方を議論するのではなくて、そういった商品をマーケットに出してもいいのかどうかといったところの認可制の部分も含めて、それから30年後に払えるのかどうか、その保険会社は大丈夫なのかどうか、ちゃんと責任準備金を積み立てて運用していけるのかどうかといったところを含めて規制をしていって、それが改善の余地はあるものの機能しているときに、投資サービスという切り口で販売・勧誘というところを切り取るということについては、非常に違和感があって、恐らく詰めていく中で、技術的に破たんを来すのではないかというふうに、すみません、少しというか、大分バイアスがかかっているのかもしれませんけれども、言っておかないと。

つまりやっぱり保険は、今皆さん方のイメージとしては投資商品というのをイメージされていますが、やはりお亡くなりになったときにどうお支払いするかといったところがエッセンスでございますので、これを販売ルール、勧誘ということで縛るというのは無理があるというふうに、何度もしつこいようですが。

○神田部会長

いえ、ご専門で一番よくご存じの方のご発言ですから、委員の皆様方、それぞれご専門ですけれども、数の上で多いからどうこうという問題ではないと思いますので、特に古市委員にも、今後もよく教えて頂きたいと思いますので、よろしくお願いします。

それでは、原委員、町田委員の順番でお願いします。

○原委員

1分だけお願いしたいと思います。

保険については、今、保険課の方で保険商品の販売・勧誘ルールに関しての検討チームが立ち上がって検討しております。今、それほど問題がないとおっしゃられたのですが、大変問題が多くて、毎年各地の消費者センターに寄せられた相談・苦情というのは、国民生活センターに寄せられるのですけれども、保険についていえば年間6,000件から7,000件、定期的にもう定位置で、一番多い件数からカウントしていくと19位から20位を占めていて、私としては販売・勧誘ルールの見直しは必須だと考えていて、もちろん保険商品独自の課題というのはあるのですけれども、私は販売・勧誘のところでは、きちんと説明義務とか広告とか適合性の原則では、金融商品としてそろえるべきではないかと考えております。

○神田部会長

ありがとうございます。

それでは町田委員、お願いします。

○町田委員

私、今回から出席させて頂いております。一応、これまでの議論はおさらいをして出席はしておりますが、初回ですので一言だけ申し上げます。

これまでの流れで私が理解していたのは、B-1をベースとしつつも、銀行の取り扱っている商品の中には一部投資性の強いものがあり、これをどうするかという議論で進行していると思っておりました。従って、本日、B-2の資料を見せられて、はっとしたことは事実であります。

銀行が取り扱っているものの中に、投資性が強いものがあることは確かに事実ですが、大宗はそれとは違った目的でお預け頂いているものであり、B-2のように預金全体をこの枠組みの中に差し込むことが本当に適切かどうかといったことは、私も少し違和感を感じます。その意味では、古市委員と同じ立場であることを申し上げさせて頂きます。

○神田部会長

ありがとうございました。

それでは田島委員、お願いします。

○田島委員

保険は投資商品ではないというようなお話ございましたけれども、保険の中にも投資性のある商品というのはあると思いますし、現に保険商品を販売されるときに、勧誘員の方が、これは投資性のある商品ですというふうにおっしゃって売っておられるという事実もありますので、保険というのは投資商品ではないので、展望する、視野の中に入れるのは疑問だというご意見には、私は賛成しかねます。

これまでの議論でも、投資家の範囲が一般の個人投資家にすそ野を広げていこうということが前提で議論されてきていると思いますし、そういう投資にふなれな一般の個人投資家にすそ野を広げていくためには、そういった人たちについての保護の販売・勧誘ルールといったものがきちっと整理されていかなければいけないと思いますので、私はこのB-2の姿を積極的に展望していって頂きたいと思います。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

それでは、木村委員どうぞ。

○木村委員

私のスタンスだけ表明をしておきたいと思いますけれども。

私も当初から日本版金融サービス法を導入すべきだということで主張してまいりましたし、連合の政策にもそのように書いてあります。今のご議論のように、意見の対立もございまして、なかなか難しいところがございますが、やはりB-2の方を展望しながら、議論を進めていくというのは賛成をするということでございます。

○神田部会長

ありがとうございました。

植田委員どうぞ。

○植田委員

ちょっと勝手なことを申し上げて申しわけないのですが、貯蓄から投資へというキャッチフレーズにやや無理があるような気がいたしまして。銀行預金は貯蓄の手段で、真ん中に来るものは投資の対象であるというのは、やや私のような経済学をやっている者からすると、言葉使いが変だなと。どちらも貯蓄対象であるし、投資の対象でもある。

ただ、リスクの違いはあるということですし、特に銀行預金と普通の有価証券との違いということで言えば、一番本質的なのは、銀行預金が決済サービス的な機能を非常に強く持っておりまして、そこにある種の公共性がある。したがって、その部分をちょっとほかと一緒には扱えない面もあるというようなことの方が、素直な両者の違いに関する理解かなと思いまして、ちょっと余計なことですが。

○神田部会長

どうもありがとうございます。

斎藤先生どうぞ。

○斎藤委員

このB-1、B-2ということであれば、私はB-2でいいと思います。先ほど来のご議論を伺っていて、保険とか銀行預金等を金融商品と見るということに対する違和感が出されているわけですが、保険会社や銀行の側から見て、それが金融商品なりやというと、それはそうじゃない部分、つまり事業としての面を持っていると思うのですね。しかし、投資家から見れば、これはやっぱり一種の投資ですので、投資家との接点での販売・勧誘については、金融投資として処理するということで構わないのではないかと考えています。

ただ、そのことは保険会社や銀行にとって、例えば保険で言えば責任準備金のようなものについて、これを単純な金融商品として扱っていいかというと、それは幾つか問題が残っているというふうには思います。

○神田部会長

ありがとうございました。

黒沼委員どうぞ。

○黒沼委員

銀行や保険が投資と違う機能を持っているのは、そのとおりでありますが、今、問題となっているのは、販売に関する規制の部分でありまして、預金とか保険商品が投資と違った性質を持っていることは、販売に関する規制には影響を及ぼさないと思います。したがって、銀行や保険会社が扱う商品の中に、どのくらい投資の要素があるかということは、この販売ルールに関しては問題にならないはずであります。

また、現在、銀行法や保険業法には、勧誘規制や適合性原則についての明文の規定がありませんが、無形の契約内容を商品化したものを販売するときに、そういう義務が課せられるのは当然でありますから、B-2を展望の視野に入れて議論するというのは当然であって、反対する理由は考えられないと思っております。

○神田部会長

ありがとうございます。

ほかにいかがでしょうか。オブザーバーの皆様方も、もしご意見があればというか、ご発言があればと思いますけれども、いかがでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。

それでは、この点はいろんな角度からご意見をいただきました。今、植田委員から、貯蓄から投資という概念そのものもちゃんと定義し直さなければいけないというか、おかしいのではないかという基本的なご指摘も頂きまして、それから製造する側から見るのか、それを買う消費者側から見るのかという、最後の斎藤先生と黒沼先生のご指摘も非常に重要なご指摘だと思いますし、引き続きお考え頂きまして、ご意見を事務局とか私の方へお出し頂ければと思います。もちろん、この第一部会、この場でも引き続きご議論を続けたいと思います。

それでは、この点に後で戻って頂いても結構ですけれども、もう一つ、投資サービス法の論点整理についても今日は事務局から説明をして頂いて、ご審議頂きたいと思っておりますので、そちらに移らせて頂きます。

それでは、説明をお願いします。

○大森市場課長

今日は、私ども事務的な不手際がございまして、資料のB-2にも投資サービス法としか書いていない資料を最初お配りしておりましたので、「(金融サービス・市場法)」という形のを後ほどお配りさせて頂いたところでございます。

これはまさに古市委員、町田委員がご心配なさったように、保険や預金の販売・勧誘も投資商品のルールで律していこうということではなくて、最後に黒沼先生がまとめて頂いたような考え方であるということを表現したかったということですので、その点だけつけ加えさせて頂きます。

当部会、3月、4月は食品安全委員会を上回る頻度で開催をお願いしてまいりましたけれども、次回までには1カ月ありまして、次回は私どもの事務年度も残り1カ月程度でしょうから、報告のたたき台を用意させて頂きたいと考えております。

お手元の資料1から5、これまでの資料のリバイズは恐らく報告のベースになるもので、今日は逐一ご説明する時間がございませんが、もし時間があってお目通し頂ければ、今後の議論を効率化できると思います。前回の上場企業のガバナンスの議論が途中になっておりますのと、前回と今回の間にまたいろいろなことが起こっておりますので、今日の私からの説明はそれらを中心にさせて頂きます。

今年の証取法改正、先ほど開示参事官から紹介がありました。昨年よりは小ぶりですけれども、計画的に進めてきた話は英文開示だけで、西武、コクドの問題が、非公開、親会社の開示義務や先ほどの課徴金制度の議員修正につながっておりますし、ライブドアの時間外取引が公開買付制度の応急手当につながっております。事件を追いかけるのは証取法の宿命で、ニッポン放送争奪戦が終わっても公開買付制度などのあり方という宿題を残しておりますし、今後、個々の企業が防衛策を講じるのであれば、株主の利益を損なわない客観的判断をどう担保していくのかという課題がございます。

前回の翌日、こういった議論のうち取引所による社外取締役を促すといった部分を強調した報道がなされまして世間をお騒がせしましたし、その後東証は経済産業省の企業価値研究会の報告を踏まえと言いながら、実は若干上乗せになるような過剰防衛策、自粛要請をいたしました。こういった動向に対しては、国会でも政府内の足並みがそろっているのかとおっしゃる方もいれば、もっとどんどん頑張れとおっしゃる方もおられまして、自主規制と市場行政の役割分担とか、証取法と会社法の役割分担というのが大変クローズアップされております。

そこで、ちょっとごたごたとたくさん資料を並べていて恐縮なのですけれども、資料5-5のマル1というのが、底の方についていると思います。大変急いでつくった不完全なものですが、日本ではご承知のとおり従来型の取締役会と委員会等設置会社の選択制で、委員会の構成や社外取締役の定義も会社法で規定しております。この社外というのが、文字通りの社外で、親会社や取引先関係者が排除されていない点に対して、これで経営から独立した判断ができるのかという批判はよく聞かれるところでございます。

前回申し上げたように、アメリカ各州の会社法はざっくりしか書いてなくて、会社内に設置する委員会の構成や社外取締役の厳格な独立性は、取引所規則で求める形になっております。このうち、2番目の○、全員社外取締役から成る監査委員会の設置を義務づける点は、企業改革法に根拠を置いております。

イギリスでは、NYSE規則の役割をLSEの統合規範が果たしております。大陸では、取締役会の構造などは日本と同様、基本的に会社法を根拠としており、ドイツでは極めてクリアに監督役会と執行役会完全分離の二層制で、かつ監督役会の半数は従業員代表という特徴のある制度になっていて、フランスは選択制ですが、大半は一層制で、実態としては最も日本に近いようでございます。

このように、法体系がどうなっていても、取引所は自分が公開の場を提供した結果として、参加してきた株主を保護する責任があるのは当然ですから、一般にガバナンス上利点があると考えられている委員会等設置会社を取引所としては慫慂するとか、そこでの社外取締役の独立性をチェックするのは自然なことだと思うのですが、前回申し上げたように、企業側の違和感がまだ根強いようでございます。

ただ、最近では株式の大幅分割、MSCBの発行、先週の過剰防衛策の自粛といった、要請ベースの行動を立て続けにとらざるを得なくなっておりますので、徐々に企業側の意識も変わってくるのだと思います。いきなりNYSEと同じようなことをしても、前回ご意見頂いたように、そもそも現実に適切な社外取締役候補に乏しいわけでしょうから、例えば、上場企業が委員会等設置会社を選択しないとすれば、それはなぜなのか。社外取締役を選任しないとすれば、なぜなのかといった説明責任を果たして頂くといったところから始めるのも、一案ではないかと思います。

こうした自主規制機能をどういう体制で果たしていくのか、これまでの第一部会でも議論がありましたが、議論の前提に影響する発表が先週ございました。これも下の方に埋まっておりますけれども、資料4-4としておつけしております。前回、たしかNYSEのスペシャリストが利益相反で起訴される会員組織の前近代性みたいなことを申し上げましたが、NYSEは電子取引システムを運営するアーキペラゴと統合し、公開会社化するそうでございます。この発表の2日後には、ナスダックがインスティネットの買収を公表しまして、アメリカでも取引の効率化に向けた市場間競争が一気に激化した感がございます。

この取引所の公共性と経営の効率性を両立させていくのは、なかなかに難しい課題だという認識は以前からあるのですが、日本ではまずアメリカがどうなっているのかを確認するのが習い性ですから、世界最大・最強の取引所がいまだに伝統的な会員組織だということが、この課題と真剣に対峙してこなかった背景にあるような気がいたします。

ニューヨーク・ストック・エスクチェンジは公開会社化して、経営の効率性を追求する一方、自主規制部門は分離・分社化する方針だそうでございます。以前も申し上げましたように、ロンドン・ストック・エスクチェンジは、株式会社化して公開した以上、株主の意向に配慮せざるを得ない。したがって、公共性の維持は難しいと観念して、FSAに上場審査を委ねております。自主規制の重要性はますます高まっていくことは間違いないと考えられるだけに、どういう体制であれば利益相反を回避しながら有効に機能するのか、NYSEの経営統合には反対の動きもあるようですけれども、アメリカなどの動向も注視しながら引き続き検討していく必要があると思います。

今日は、とりわけ吉野委員を持ち上げたり、脅かしたりしているように見えるかもわかりませんし、自分の属する組織のことをとやかく言われるのは、だれだっていい気持ちがしないのですけれども、ただ、これまでのように自主規制なのだから、まず自分で考えてくださいというだけでは済まなくなってきて、日本の資本主義が正常に機能するためには、有識者が外から言わなければいかんほど重要性が高まっているということではないかと思います。

私ども金融行政も、恐らくはいまだに大蔵省の一部であったとした場合よりも、思い切った仕事ができるようになっているのではないかと思います。

もう少し続けますと、取引所が株式会社化し、上場して公共性を維持できるのかという論点は、既に日本でも顕在化しておりまして、村上ファンドが東証に先駆けて上場した大証の筆頭株主として様々な提案をしております。当初、東京スタイルの流儀で、これまで蓄積してきた金を現時点の株主に出せといいますと、取引所が蓄積したお金というのは、デフォルトに備えたファンドですから、自分たちの共有財産だと思っている証券界はもとより、一般世論の批判を招きました。

一方、取引所がどういう水準のデフォルトファンドを備えるべきかという論点は確かに存在しておりまして、行政としても決済システムにかかわる問題として、取引所とともに考えていかなければならないと思います。現に、村上氏からも私どもに行政の問題として検討してほしいという要請がありましたので、大証ともども急いで検討しましょうという構えでおりましたところ、それはそれとして別途1年分の利益は当面の小遣いとしてくださいみたいな株主提案をされますと、何というのか相当気分は萎えてくるのですけれども。総じて過剰な防衛策や保身経営者から株主を守るというのが市場行政の基本的な構えなのですが、別途自分の監督行政上の問題として、いろいろな株主が出てきますと、なかなか難しい問題だなという気もいたします。

以上、本日、やや時事問題に傾斜し過ぎているかもしれませんが、日々国会や報道の方々から問われていることと独立に計画的に審議を進めることは、この第一部会の場合、とりわけ難しく、一方で、敵対的買収をめぐる議論の焦点が、最近、個々の企業の防衛策から公開買付制度に移りつつあるのは、例の2月8日の時間外取引が行われた日において、既に想定の範囲内ではあったのですけれども、私どもその新興官庁なので、背中に背負っているものもなければマンパワーもないものですから、応急手当以上のことを本格的にやるのはやや時間がかかります。

この第一部会も神田先生おっしゃったように、6月末に投資サービス法の議論をまとめれば一段落かなと思っていたのですが、申しわけないのですが、なかなかそうなりそうにありません。ただ、今申し上げた、上場企業のガバナンスとか、市場行政と自主規制の体制や役割分担というのが、せっかく問われているという言い方も変かもしれませんが、問われておりますので、具体策まではあと2カ月、難しいかもしれませんが、望ましい方向観なりとも6月末の報告に盛り込めれば有意義だと思われますので、よろしくお願いいたします。

別にそれ以外の論点でも結構でございます。

以上です。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

それでは、ちょっとどういたしましょうか、今、ご説明頂いた方を先にして、これまでの論点のバージョンアップ版であります論点1から後は、ちょっと後ということにさせて頂けませんでしょうか。

すなわち資料で申しますと、資料5について今日は補足的に大森課長からご説明して頂いた点、具体的に申しますと、上場企業のガバナンスの問題として、前回もちょっとありました社外取締役の問題、それから東京証券取引所が上場企業にいろいろと要請をされたわけですが、そういうものも含めて立法、そしてとりわけ行政と自主規制機関の役割分担のあり方の問題ということになろうかと思います。

もう一つは、お話のあった順序で言うと、4-4にありますニューヨーク証券取引所の組織改正、これに関連して古くからこちらでも議論してきましたけれども、取引所の組織、ガバナンス、そういったもののあり方、公益性と先ほどの言葉で言うと効率性とおっしゃいましたが、その調和を図るための体制の問題、そしてさらに日本ではちょっと実名を挙げて恐縮ですが、大阪証券取引所に関して、今、いろいろと報じられているような問題。そしてもう1点、公開買付規制、TOB制度についてのあり方の問題、このあたりについてまずご審議を頂いて、その後であと残りの論点についてご意見を頂くということで、残り40分ぐらいあると思いますので、残りの時間を過ごさせて頂きたいと思います。

今、課長からご説明がありました範囲の点について、どの点でも結構ですので、ご質問も含めてご意見、よろしくお願いいたします。

吉野委員、お願いします。

○吉野委員

どうも俎上にのせられているようでございますので、なかなか言いにくい部分もありますが、前回も岩原委員から上場会社のコーポレートガバナンスにどうして取引所は取り組まないのだろうか、諸外国では、社外取締役の設置を義務付ける規定もあるけれどもというご指摘もありましたが、我々としてはその時代の流れとともに取り組んできたつもりです。まさに今、大森課長がおっしゃったとおり、ますますその役割が重大になってきているという認識を持っておりまして、この間もちょっと触れましたけれども、コーポレートガバナンスのあり方、社外取締役の設置の問題も含めて、上場会社のガバナンスのあり方について、神田先生にもご参画を頂いて去年コーポレートガバナンス原則をまとめたところでありますが、これは通り一遍の結果になっておりまして、この問題はさらに一歩進めなきゃならんという意識は当然持っております。

ただ、社外取締役の観点を見ますと、まさにこれも説明がございましたように、人材難と言った問題もあり、ただ規則だけを導入しても、果たして実効があるのかどうかという問題がございます。したがいまして、いかにそういう上場会社に対して、そういうものの大事さをどうやって訴えていくのか、それとともにどういう意識を上場会社さんはお持ちなのかと、こういう観点で、我々がどうできるかということは、やはり考えていかなきゃならない問題なのかなと。そういうふうな部分で証券取引所が、我々の求められている役割の中でさらに議論を進めていく必要性は、認識しております。

ただ繰り返して申し上げますけれども、ただ単に規則だけうたえばいいかというと、決してそうではない。実効があるものが、今の状態の中では期待できないのではなかろうかという認識で、できるものから一歩ずつやっていくということかと思います。ただ、一方でスピード感は持っていかないといけないなと、こういう感じを持っているということを申し上げておきたいと思います。

それから、まさに神田先生から今お話ございましたように、市場監視機能の中における行政と自主規制のあり方というのは、一昨年も同じような議論をさせて頂いたところでございますが、時代が随分変わってまいりました。そういった点で、ニューヨークの動向がどうなるかというのは我々も非常に注視をしておりますが、我々はこれまでも、自主規制機能強化というのは常に進めております。

委員の方々には、ご存じない方もいらっしゃるかと思いますので、我々のガバナンスをちょっと申し上げておきますと、既に株式会社になったときから、世に先駆けてといいますか、取締役の過半数は社外の取締役を導入するとか、それから昨年は市場監視機能の強化に合わせまして、CRO、最高規制責任者、いわゆる自主規制担当の部門を独立させまして、その専担の役員を置くとか、そういう部分での自主規制機能の役割というものが、社内でコンフリクトが起きないような形のものをつくったということもございまして、その機能強化に向けてさらに今検討を進めているところでございますので、この辺はちょっとご理解を頂きたい点でございます。ある意味では、大森課長のちょっと補足説明をさせて頂いたような形でございます。

私からは以上です。

○神田部会長

ありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。

ご意見がないという意味は、これを積極的に書き込む形で案を6月の段階でも書いてもいいのか、やめておけということなのかがちょっとわかりにくいのですけれども……。よろしいでしょうか。

田中委員、どうぞお願いします。

○田中委員

今の点ではなくて、論点5の市場のあり方について、別の市場の透明性、公正性の点なのですが、よろしいでしょうか。

○神田部会長

結構です、お願いします。関連すると思います。

○田中委員

2回ぐらい前のところで発言させて頂いた事ですが、アメリカでいろいろなルールが導入されているので、それを検討すべしというペーパーになっています。前々回私の方から発言いたしましたように、ちょっとアメリカと日本では状況が違いますので、その辺を十分踏まえた上で、最良執行義務の適用ですとか、価格公表義務のあり方というものを検討して頂きたいと思います。そうしませんと、ちょっと意味がない規制であったり、ある実態と乖離した規制になってしまう可能性がありますので、そこのところをお願いしたいと思います。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。

植田委員どうぞ。

○植田委員

社外取締役の件につきまして、恐らく前回議論に出たのだと思いますけれども、私個人の経験で恐縮でありますが、日本銀行で役員を7年間やっておったのですが、それは社外から来て社外取締役という位置づけではないですが、取締役のようなことをやるという経験をし、そして同僚も過半数そういう方々が来られて、ある種、会社の経営を本格的にやるということを見てきました感じから申し上げるということですが。明らかにそういうことによって、ある種の組織あるいはそこの意思決定のアカウンタビリティは高まったという面があるように思います。

それから、これは公的組織、取引所等にも共通する話、ある種の公的組織に共通する側面かと思いますが、内部の管理の問題、リソースの配分、そういうことに関しまして、それまではやや昔流にやっていたことを、そのまま続けていってしまうというような感じが強かった面が、アカウンタビリティが高まったからなのか、社外から人が来たからなのか、その辺ちょっと因果関係は難しいですが、高めようとせざるを得ない中で、ある程度そういうところについても意識は高まり、手だてがなされつつあるというような感じもいたします。

他方、やはり日本は一般論として申し上げたいと思いますが、そういう専門性を持った、仕手、経理、いろいろな形で過去参画したことがあるような経験のある人の層が薄いという感じはかなりいたしますし、そういう中でそういう方々が直ちに自分が育った組織ではない組織に来て取締役のポジションにつくということで、いろいろ難しい問題も起こるということも否定できない事実かと思います。したがいまして、方向観としては正しそうでありますが、余り拙速な対応はというふうに思います。ゆっくりやるという場合にいろいろなやり方があると思いますが、それはまた議論して頂ければいいのかなと思います。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。論点5と、資料の4-4につきまして。

よろしいですか。また戻って頂いても結構ですので。

それでは、残りの論点1から、資料4-4がありますので論点4は一部カバーされているようなところですけれども、資料4-4を除いての部分につきましてご意見を頂きたいと思います。

ただ、ちょっと拝見しますと内容が異なっているので、まず論点1について、もし追加でご意見あれば、論点はそれぞれ少しずつ行きたいと思いますけれども。

論点1、対象範囲・定義方法につきまして、これまで頂きましたご意見をバージョンアップ方式で、網かけの部分で加えているわけですけれども、さらにご意見、ご質問がございましたらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。

高橋委員どうぞ。

○高橋(厚)委員

論点1の考え方の大きな流れは、こういうふうな整理で従来の議論が反映されていると思いますが、この中で2ページの最後のパラグラフに、包括的な定義の必要性についていろいろ書かれて、それはそのとおりだと思うのですが。その結論として、次のページになるのですけれども、「以下のような、可能な限り幅広い金融商品を対象とすることが必要である」ということで、そこにありますように、現在、証取法で投資家保護ができているもの、それから法律上の保護が講じられていないもの、それからそれ以外の法律だと、こういうふうにいわば各論が書かれておりまして、何が投資対象かというのが書かれておりません。

英国金融サービス法の対象金融商品等を参考にしつつ、以下のようなことだというふうに書いてあります。いろいろ想像はできるし、こういうものが対象ならば、こういう定義ではないかという想像はできるのですけれども、その定義については、やはり随分いろいろな議論がありました。ここには英国金融サービス法のことが書いてありますけれども、ハウイテストのようなものではないかとか、日本にふさわしいような形に直したようなものではないかといったような議論もあったかと思います。ここで唯一あるとすれば、3つ目の「・」の最後のところに、証取法以外の法律のところに書いてある最後に、「投資性を有する保険・預金など」と書いてあるのですね。「投資性を有する」というところが、いわば定義だと思います。

この投資性を有するというところをもう少し定義付けをしておかないと、先ほど保険あるいは預金についてのいろいろなご議論があったようなことの整理がうまくできないのではないかなというふうに思います。これは例示として書かれておりますので、全部を網羅しているということではないだろうと思いますけれども、さっきご質問にちょっとありました商品先物とか商品ファンドとか、あるいは不動産関係のものをどうするかといったような議論が、ここに隠されている問題としてあるかと思いますが、そういうものを考えていくに当たっても、何を投資サービス法の対象とする投資商品とするかということの議論が必要かと思います。

この問題については、具体的に列挙するもの、あるいは具体的な列挙に一定の要件を加えるもの、それから包括的な規定によるものと、3つに分けようというような議論があったかと思います。私が今申し上げているのは、言ってみれば2つ目の定義にかかわる部分、それから包括的な定義に係る部分というようなものをどうするのかというところを、やはりはっきり議論しておく必要があるのかなと思います。

ちょっと、ほかの論点なのですが、この論点1であと少し気になった点を二、三申し上げたいのですが、6ページの投資サービス業というところに移る、その前の最後のパラグラフで「これまでの議論を踏まえれば」というパラグラフがございます。

ここで、「投資サービス法が金融商品の販売や資産の運用に関する一般法としての性格を有するものと位置づけ」ようと、これはそのとおりだと思うのですが、「可能な限り同種の性格を有する法律についてはこれに統合する」と。それから「法律によっては規制の横断性に配慮しつつ、特別法として位置づけつつ、適用関係を整理していく」というふうになっているのですけれども、ここは横断的な法制にしようということで議論が進んでいる以上、可能な限りの統合とか、それぞれの法律を残したままの横断性ということではなくて、少なくとも投資サービス法ということで目指してきたものは一つの法律体系にして、もちろん柔構造ということにするという前提でありますけれども、一つの法律体系にして、投資家にとってわかりやすい仕組みにしていこうということではなかったかと思います。ややそれが一つのものにならないという前提で書かれているのではないかというのが、ちょっと気になるところでございます。

それから、7ページの真ん中ぐらいのパラグラフに、「証券取引法における有価証券の販売・勧誘について」これはまた先ほどの議論でありますけれども、銀行あるいは保険会社の仕事のうち、投資サービスについては、証券取引法の規定が適用されると、銀行や保険であっても、投資サービス法の対象となるものはこの法律が適用されるというふうに書かれているかと思いますけれども、そこの最後のところに、「投資性がある預金・保険についての投資サービス法、銀行法、保険業法の適用関係については引き続き検討を行うべきである」というところは、いろいろなご意見があったことは承知しておりますけれども、コンセンサスとしては、それから先ほどB-1の絵でも、それから先ほどご発言にもありましたように、銀行や保険が扱うものでも、投資商品として定義されるものについては、この法律で規制していくということに関してはコンセンサスがあったのかなというふうに思いますので、その点は明確にして頂いた方がいいのではないかと思います。

以上です。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

原委員どうぞ。

○原委員

1点だけ確認です、少し読み取り方なのですけれども、一番最後の9ページになると思いますが、投資サービス業の範囲のところで、新しく網かけで入ったところの無登録業者の話なのですが、一応法律としては登録、こういう事業者には登録ということを義務づけるということになるので。

ただ、実際にトラブルの現場ではここに指摘されているとおり、どこの網にも引っかからない、無登録の事業者がやっているということになりますので、今後というのは、この無登録事業者が基本的には存在をしないルールの中でやっていくということになると思うのですが、それでもはみ出して無登録事業者が出てきたときに、それにも網がかかるような法律構成を考えていらっしゃるのかということと。

それからもう一つは、今回、保険業法の改正で、根拠法のない共済はどうするかというところで、登録をしてこない事業者に対して調査権限というのを入れたわけですけれども。そういった調査権限といった形のものは入れることができないのかということで確認をさせて頂けたらと思います。

○神田部会長

普通は無登録の場合にはそこはかかりますけれども、それだけでなくて、無登録業者に対しても、行為規制とか監督規制というのを及ぼせないかという、そういうご質問ですか。

○原委員

いや、ここ法律でかからないかという点で。無登録業者についてどういう構図になるかをご説明頂けたらと思います。

○神田部会長

重要なご指摘ですよね。

○大森市場課長

基本的に今おっしゃったとおりなのですけれども、次回もうちょっとクリアにご説明させてください。

○神田部会長

2つ考え方があると思うのですね。1つは伝統的な考え方だと思いますけれども、例えば銀行免許を取らないで銀行業をやったとか、証券業の登録をしないで証券業をやったという場合には、これは罰則の規定はありますけれども、そういう業者に対して、例えば証取法上の行為規制とか、銀行法上の規制というのを及ぼすことはできないかという問題。しないというのが伝統的な整理ですね。

ただ、例外的な法律もあって、それこそ他省さんの所管の問題ですけれども、私、昔調べたときに、海外商品先物取引法というのがありまして、これは参入規制はないのですね。したがって、登録とか届出とか何の要件もない。ただ行為規制だけであるというのでして、しかもそれは業法的な行為規制です。私法上の行為規制ではなくて。ですから、法律のつくり方としては、無登録・無免許業者に対して行為規制を設け、場合によってはそこの監督調査という、そういうふうにつくることも不可能ではないし、実際にも例はあるのですね。

ですから、それはちょっと今後の検討課題ということで、委員の皆様方からも、そこはご意見を頂ければありがたいと思います。そのことはよろしいでしょうか、先へ進ませて頂きまして。

ほかにいかがでしょうか。この論点1につきまして、もしございましたらお願いしたいと思います。

それでは、時間の関係もございますので、戻って頂いても結構ですが、論点2、規制内容についてというものについて、資料2以下ですけれども、もし追加でご質問、ご意見がございましたら、お願いしたく思います。

○淵田委員

論点2の1ページ目に、規制内容については全体として再点検し、プロ間は規制緩和、一方、その下、アマは投資家保護という位置づけになっているのですが、これはやや単純ではないかという気がいたします。プロ向けの取引であって、少し規制を強化すべきものもあるかもしれませんし、アマ向けだって、もしかしたら規制緩和をした方がいいのもあるかもしれません。これはあくまで一般論ですが。

もうちょっと一般的に申しますと、結局、この投資サービス法というのは、一つは投資家保護を充実するということが目標でありますけれども、もう一つの目標として効率性とか革新性というのをより促進するという、この2つの目標があると思います。この二種類の目標は、中長期的には投資家保護が達成されないようなマーケットにおいては、当然、効率性とか革新性も失われるはずですから矛盾するものではないですが、短期的には投資家保護を過度に課すことによってコストが高まり、効率性と革新性が失われるというトレードオフの関係が生じる場合もあるかと思います。

したがいまして、その辺のバランス感覚が重要かと思います。先ほど藤沢委員からもプロ・アマというお話もありましたけれども、私はプロかアマかだけではなくて、他にもいろいろな適用除外がありうると思います。もう少し一般的にどの程度の規制負担が短期的に生じるのかのイメージを関係者が持ちやすい内容になっているのが望ましいと思います。この議論の初めのときに座長から、今の証取法のように余りみんなに嫌われない、むしろみんなに好かれる、使いたくなる証取法といいますか、投資サービス法になるのが望ましいといったお話があったかと思います。ほかの分野まで規制範囲を広げていくに当たりまして、やはりこういう投資サービス法の規定を受けた方がメリットがあると、その方がその業界にとっても発展性があるというふうにみんなが考えてくれて、喜んで入っていけるようなものにしていくべきだと思います。しかしその点、何か今、やや不透明感があるといいますか、こういうものをかけられるととんでもないことになるのではないかという、そこはかとない不安感が一部にあるような気がいたします。

プロとアマで区別するというのは、いろいろなところに散りばめられているのですけれども、それ以外にあるところでは不招請勧誘の有無とか、あるいはあるところでは元本を超える損失があるかないかとか、そういう規制コストにかかわる変数というものがたくさんあって、それがどういうふうにかかっていくのか、やや予想がつかないところがあると思うのですね。プロかアマかという観点、それから例えば最低投資単位が1万円なのか、1億円なのかという観点、少人数募集なのか、あるいは少額募集なのか、不招請勧誘があるのか、ないのか、あるいは元本を超過する損失が生じ得るのかどうか、あるいは譲渡性があるのかどうかと、様々な変数があって、決してプロとアマだけで切って済むものではないと思いまして、そういう複数の変数の入れ方によっては、開示規制と行為規制がどうなるかという規制負担が変わってきて、それによって投資家保護のレベルと、それから革新性あるいは効率性のレベルというのは変わってくるということだと思います。

うまい変数の入れ方をすると、投資家保護のレベルを変えずとも効率性、革新性をより高めるというような組み合わせもあり得ると思うのです。実務的にどういう場合にどういう組み合わせをすべきかというのは、これは法律レベルで決める話ではないかもしれませんけれども、議論の大前提として一体どういう方向性といいますか、あるいは原則論的なものが考えられているのかということについて、やや見えにくいようなところがあるのかなという気がいたしまして、それが一部には不透明性、不安感というものにつながっているという気がいたします。

1つの考え方は、昨年ベンチャーキャピタル等の運用型匿名組合を見直し、みなし有価証券に位置づけるときの議論にもありましたけれども、真っ当なことをやっている人は今までと同じようにできて、しかしながら、おかしなことをやる人には今までよりきつくという、そういうところを一種、規制レベルの初期値のように位置づけ、そこからスタートしていくという考え方もあるかなというふうに、雑駁な感想ですが、持っております。

○神田部会長

ありがとうございます。

それでは原委員。

○原委員

2点なのですが、私もここのプロとアマの詰め方というところでは、若干ちょっと揺らいでいるという感じがありまして、今、淵田委員の方から複数の変数があるのではないかというお話があって、投資額ですとか、元本割れリスクとかという、こういう変数をおっしゃられたのですが、私としてはもう一つつけ加えたいというのは、プロ向けに出されたものが、市場の中でアマの方に市場で取引されるというような転売というのでしょうか、そういうような形で一般の投資家のアマのところに来ているというような場面もあるのではないかと思いますので、そこの市場の状況ということも加味をして頂いて、このプロ・アマの議論は、もう少し丁寧にやってみる必要があるのではないかなと考えております。

それからもう1点は、不招請勧誘の禁止について、最後の6ページから7ページについて書いて頂いておりますけれども、これは消費者取引の場面から見ると、大変画期的な取引ルール、販売・勧誘ルールだと思っておりますので、ぜひこの元本割れリスクの、程度にもよるかと思いますけれども、投資サービス法の中でも生かして頂きたいと考えております。

以上です。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。

高橋委員どうぞ。

○高橋(厚)委員

先ほどの淵田委員の意見は私も賛成でありまして、全体を柔構造にしようということで議論が進んでいるかと思います。プロ・アマというのは一つ大事な要素だと思いますけれども、そのほかの要素もあるだろうということは、ご指摘のとおりだったかと思います。

それから、2ページの今の淵田さんのご指摘の1つ上のところに、「投資商品とされる金融商品の規制する既存の業法」との関係で、「既存の業法の規制内容を取り込みつつ、機能別・横断的に再整理する」と、ここの「取り込みつつ」というところは、そういうことももちろん必要だと思いますけれども、既存の内容が必ずしも整合的でないということも検討のスタートだったと思いますので、むしろあるものは取り入れないということで、新しい横断的なものを機能別・横断的に整理をしていくということを重点に、もちろん今、既存の業法で規制しているものをどうするかという問題はあろうかと思いますけれども、まず狙うべきは横断化ということではないかというふうに思います。

それから7ページなのですが、広告の規制というのがありまして、これは今申し上げたことと関係あるのですが、金融先物取引法の一部改正で広告規制が入ったので、それを、同様の規制を横断的にしようと、こういうご提案であります。ここは、この金融先物取引法の一部改正で入ったのは、外為証拠金取引をどう規制するかというプロセスで入ったのだというふうに理解をしておりますが、それを一般的に及ぼすのがいいのかというところは、もう少し議論が必要かなというふうに思います。

以前にも申し上げましたように、広告というのは、それぞれの販売業者あるいは仲介業者がいろいろな工夫をして、投資家サービスの質を高めていくためのそういう工夫というものを発揮できる場というようなことも踏まえて、一律な規制を置いていくのがいいかというようなことについては、検討する必要があるのかと思います。

7ページの(8)その他というところがありまして、これはファイヤーウォールのことが書かれております。最後の方の行にありますように、硬直的な規制あるいは過剰な規制であってはいけないという問題意識はそういうことだと思います。できるだけ、実態に応じた弾力的な対応をしていくべきだとは思いますので、そういう意味では、ここに書かれておりますように、個別の利益相反防止規定というものを減らして、全体の考え方を整理していくというやり方があるかと思います。

ただ、そうしていくときに、具体的なファイヤーウォールが非常にわかりにくいというようなことになってしまいますと、いろいろな新しい商品を開発する、あるいは新しい営業をしていくとき、障害になる可能性もあろうかと思います。投資家にとっても、わかりにくいということがあろうかと思います。こういうふうな個別の規制を外して基本的なルールを書いていくという考え方にした場合には、できるだけわかりやすい、業者なり、投資家にわかりやすいような補完的な、例えばノーアクションレターでありますとか、あるいは府令でありますとか、何かそういう補完的な仕組みがあわせてとられることがいいのではないかと思います。

○神田部会長

ありがとうございました。

原委員どうぞ。

○原委員

広告について1点だけ意見を述べさせて頂きます。

今回、外国為替証拠金取引で入れました広告規制というのは、これまでの金融広告では、欺瞞的な広告はいけないというだけでしたけれども、重要事項もきちんと広告をすべきだというところがプラスされたわけですけれども、これは私は広告としては基本ルールというふうに考えております。特に、金融広告については、有利誤認をしやすいという特徴があって、これがなぜ起こっているかというと、不表示である、表示すべき項目を表示していないために有利誤認をしてしまいやすいということがありまして、不表示の問題は、景表法の次の課題だというふうにも考えておりますので、ぜひ基本的な重要事項は広告の中にも取り込むべきだという、今回の金融先物取引法の改正の考え方を投資サービス法にも入れ込んで頂きたいと思います。

○神田部会長

ありがとうございました。

田中委員どうぞ。

○田中委員

先ほど原委員の方から、適合性の原則に絡んで、不招請勧誘の話が出ましたので、ちょっと一言コメントをさせて頂きます。

先般、外国為替証拠金取引という、詐欺まがいの行為が行われており、なおかつそれが不招請勧誘に起因しているとされ、これは何らかの形で規制しなければいけないというところで、イギリスでの不招請勧誘の考え方というものをベースに議論がなされました。あのときは、イギリスの考え方というのは、顧客との一定の信頼関係がある場合、これは除外するという中身だったと思います。現在、金融先物取引法の例外規定のところで、過去1年間2回以上金融先物取引をしたことがない方には勧めてはいけない、要するに、不招請勧誘の例外ではないという形になっております。

ある特定の投資に関して、2回以上やったことが確認できなければ勧められないという規定というのは、ちょっと「一定の信頼」の解釈が拡大解釈になってはしないかなと思います。

ほかの商品で、ある投資サービス会社が特定の顧客といろんな取引を行っているとします。新しい形の取引を進めるに当たって、その取引を既に2回以上やっていなければと、2回以上やっているというのは、当然、その会社でやっていない限り、ほかの会社でどういう取引をしているかというのは通常の場合はわかりません。そうすると、事実上、勧誘ができないという形になってしまいます。全く、顧客との関係がない場合であれば、当然、そういう考え方はあるのでしょうが、既にほかのビジネスで信頼関係が築かれている場合に関しては、不招請勧誘に当たらないと考えるのが妥当なのではないのかなと思います。

今、現在、パブリックコメントを金融庁さんの方で出されているので、そういう形で我々の方としてもコメントを返そうとは思っていますが、ちょっとこれは過剰ではないかなと思います。

それから、それに絡んで今回の投資サービス法を考えるに当たって、私の解釈では、横断的に信頼できる投資商品というものを整備して、また販売行為その他についても、きちんと整備をしていくというのが、まずは第1だと思うのですが、それと同時に、投資家サイドの方が投資商品についての情報というのを十分持っているかというと、持っていないというふうに思います。そう考えた場合、投資家に対して投資情報を伝達する、共有する行為というのは必要だと思います。そのときに、余りにも投資家保護という観点で、そういう投資情報の伝達行為が阻害されるようなことがあると、本来の投資サービス法の趣旨に合わないのではないのかなというふうに思います。

以上です。

○神田部会長

ありがとうございました。

藤沢委員どうぞ。

○藤沢委員

時間もありませんので、簡単に申し上げたいと思います。

淵田委員のご意見、そして今の田中委員のご意見にも大変共感するところがあるのですけれども、改めてこの投資サービス法で我々が考えていかなくてはいけないのは、もちろん一つ投資家保護ではありますけれども、やはり金融は何ゆえ存在するかと考えますと、やはり産業や市場を育成していくという大変な使命があるわけで、そこへの資金の流れというのを阻害するようなものであっては、決していけないものであるというふうに考えております。

その場合におきまして、とはいえ一方で原委員もおっしゃいますように、本当に投資家保護をして差し上げなくてはいけない方もたくさんいらっしゃる。このバランスが非常に難しい中で、やはりこの販売行為というところを、このサービス法の中でもう一度きちんと見直す必要性というのはあるということと。

あともう一つでは、プロとアマという切り口について一言申し上げたいのですけれども。どうしても今のプロというのは機関投資家ということ、そして今、議論で挙げられているのは、金額ベース、資産ベースで分けましょうという議論もありますけれども、現実、社内にストックオプションが導入されるようになりましてから、全く金融知識のない方でも何億というお金を手にされる方がふえてます。実際、下世話な話を申し上げますと、資産家向けの雑誌を発行して、7億もするマンションを広告で出すと、3人ぐらいはキャッシュでお買いになるという、そのような現実が今ありまして、では金額でプロとアマを分けられるのかというと、非常にそこにまた難しさを感じているわけです。

ではこのプロとアマというのを分けるときにどうしたらいいかというところで、やはりもっと別のものですね。組織として存在される方はプロと、組織でなければアマと、それも一つの考え方かもしれませんが、そういう切り方というのを、いま一度現実に沿った形で考え直していく必要があるのではないか。さもなければ、大半の方がアマというふうになったときに、たくさんの情報公開をしなきゃいけないというコストと、そして何もかもが公になってしまうという不安感から、海外へ逃げてしまわれて、実際日本で流れるべきお金が海外を通じて流れてしまうという問題も起きるのではないかなと、そんなふうに感じております。

以上です。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

私の不手際もありまして、そろそろ時間が来ているのですけれども、論点3と論点4についても、若干の時間の延長をお許し頂きまして、もし今日どうしてもというご意見があれば、今の論点にその他も含めて、あと二、三分お時間をちょうだいできればと思います。

東委員どうぞ。

○東委員

論点2のプロ・アマの議論についてなんですけれども、投資商品を限りなく広範囲にまず対象とした場合に、今度どこで整理をするかという意味では、私はこの枠組みとしてのプロ・アマという考え方は大変理解しやすい整理だろうというふうに、思います。その上でプロとアマをどう分けるかというところなのですが、それはプロとアマのリスク許容度の差で分かれるのだろうと思います。商品ごとにリスク許容度が違いますから、そこでマトリックスが出てきてしまって、どこから見るか、どこで線引きをするかというところが、大変議論を複雑にしてしまうのではないかというふうに思います。

ですから、考え方としてはプロ・アマという枠組みを縦に置き、横にリスク許容度あるいはリスクリターンのバランスでどう位置づけるかというのが、枠組みとして適切な考え方ではないかというふうに思います。

その意味で、もう一つアマチュアに対しては、商品の内容の理解力という意味でのリスク許容度のばらつきが大変あるような気がします。それが、投資家保護というときに、大変重要な販売業者の説明責任ですとか、適合性のところにつながると思いますので、やはりその説明の理解力の差も含めて、リスク許容度という観点で、プロとアマという整理の仕方は重要なのではないかというふうに思っています。

そういう意味で、5ページ目の下の方の(4)のマル1「公衆縦覧型ディスクロージャー」の点なのですけれども、ここで一つ気になりますのは、今度は限りなくアマを広くとってしまった場合に、プロが少数になってしまうというのは、やはり市場の活性化に対してはマイナスだろうと思います。やはりここは前回のベンチャー・ファンドあるいは先ほど淵田委員も言われましたように、プロ相手のベンチャー・ファンドの今のやり方自身に問題があるとは思えないという意味では、むしろプロのハードルをどこまで下げるかということが、必要だと思います。

ですから例えば適格機関投資家というときに、保有有価証券100億という、この縛りはいかにも高いという印象を受けます。そこでのプロとアマで限りなくプロ化という言い方が正しいかどうかは別として、多くのプロも育てるということも視点として必要なのではないかというふうに思っています。

以上です。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

木村委員どうぞ。

○木村委員

論点4のところで。

3番の自主規制機関の機能強化のところでございます。これまでも議論に出ていたと思いますが、どうしてもアウトサイダーには規制が及ばないという根本的な問題があるわけで、そこら辺の記載がちょっとないのかなという感じがします。

それから、「証券業協会と同等の機能を他の各機関が果たすようになることにより」というふうになっておるわけですが、これはこれでいいのですけれども、業界団体、例えば損保業界、生保業界ですと、民法34条で規定されるところの公益法人で、金融庁の許可をとって設立をされているということでございます。一方で、現在、内閣官房の行政事務局において、この公益法人改革が議論されておりまして、抜本的な見直しがされるということになっております。聞くところによれば、主務官庁の廃止だとか、あるいは準則主義の導入などが考えておられまして、公益法人に対します税制優遇がどうなっていくかというようなこと、これは連合としても関心がある課題でありますけれども、業界団体あるいはその業界団体の業務への影響があるのではないかなというふうに思います。

つまり何を言いたいかというと、主務官庁でなくなった金融庁がどう関与できていくのかどうかといったところが、ちょっと心配であるなというふうに思った次第です。

○神田部会長

ありがとうございます。

それでは、佐々木委員。

○佐々木委員

もう簡単に。ディスクロージャーに関して言うと、投資される企業が仮に未公開の企業であった場合に、どこまでディスクロージャーされることが、投資される企業にとってのリスクになるのかという視点も、少し今後の検討に入っていくべきではないかと思います。

○神田部会長

ありがとうございました。

それでは、古市委員、原委員、高橋委員、若干の延長で、手短に。

○古市委員

1分で。全体の中で誤解があるとつらいので。

保険行為について、規制が不要だとか、課題がないと言っているわけではなくて、当然やるべきことはやると。ただ、その体系として投資サービス法という大きな横ぐしで一律にということがいいのかどうか、そのあたりは効果を踏まえて考えていかなくてはいけないと。

そういう意味で、論点1のところで、既存の銀行法の件も書いてありますが、銀行法、保険業法との調整について、とりわけエンフォースメントの場面だと思いますけれども、柔構造という中でどういうふうにやっていくとか、調整していくのかといったところについて検討されるべきだといって書いて頂いている通りかなというふうに思っています。

○神田部会長

ありがとうございました。

原委員、手短にお願いします。

○原委員

1点なのですが、論点3のところで、集団投資スキームについて書かれております。

ファンドをどういうふうに運用していくかというのは、大変大きなポイントだと思っておりまして、ここがゆるゆるだと、貯蓄から投資へというところの信頼感が非常に得られないという状況になると思いまして、項目としては幾つか挙げられているのですけれども、運用責任者の責任の明確化ですね、それからどういうふうにして責任を追及できる仕組みにするのかということについて検討を深めて頂きたいと思います。

それからもう一つは論点4で、エンフォースメントの話が出ているのですが、5番のその他のところで、金融経済教育の話が出ていて、これは大変重要だと思っているのですが、あわせて相談とか苦情の扱いについて、これもイギリスの金融サービス・市場法の中では大きく位置づけられておりますけれども、私としても、日本の法体系の中にも、明確に位置づけて頂きたいと考えております。

以上の2点です。

○神田部会長

ありがとうございました。

それでは高橋委員、すみませんが。

○高橋(厚)委員

エンフォースメントのところで、エンフォースメントの強化が必要だということで書かれておりますけれども、前提が金融庁の強化というだけではなくて、ほかの官庁がやっているものも含めて、横断的なエンフォースメントの仕組みが必要ではないかという議論があったかと思います。その前提を書いて頂きたいということでございます。

それからもう1点、先ほどの木村委員の自主規制のアウトサイダーの問題のご指摘は、私も全くそのとおりだと思います。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

それでは、予定の時間をちょっと超過いたしましたので、まだ十分ご意見が頂けなかった論点もあると思いますけれども、またこのバージョンアップ版をお読みになって、ご意見を個別にはなってしまいますけれども、事務局あるいは私の方へお寄せ頂けましたら、それを次の段階のものにできるだけ反映するようにさせて頂きたいと思います。

予定の時間も過ぎましたので、今日はこれまでとさせて頂きたいと思います。いつものことではありますが、大変貴重なご指摘を数多く頂きましてどうもありがとうございました。

最後になりましたけれども、事務局からのご連絡等がございましたらお願いいたします。

○大森市場課長

次回、5月27日(金)午前10時という予定をさせて頂いておりますので、よろしくお願いいたします。

○神田部会長

どうもありがとうございました。それでは、今日はこれで散会いたします。

午後12時08分閉会

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