金融審議会金融分科会第一部会(第35回)議事録

平成17年10月20日

金融庁 総務企画局

午前10時00分開会

○神田部会長

本日は、金融審議会金融分科会第一部会の第35回目の会合になりますけれども、これから開催させて頂きます。

皆様方には、いつもお忙しいところをお集まり頂きましてありがとうございます。

なお、議事はいつもどおり公開とさせて頂いており、報道機関の方々などのために後ろの席を確保させて頂いております。

議事に入ります前に、専門委員の方の異動につきましてご報告させて頂きます。

今回新たに不動産証券化協会において制度委員会の委員長を務めていらっしゃいます檀野博委員がご就任されました。

○檀野委員

檀野でございます。よろしくお願いします。

○神田部会長

よろしくお願いいたします。

続きまして、オブザーバーとしてご出席頂いております日本商品投資販売業協会会長の加藤雅一様でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○加藤日本商品投資販売業協会会長

加藤でございます。よろしくお願いします。

○神田部会長

加藤オブザーバーにおかれましては、現在専門委員への任命手続中でございますので、次回以降は専門委員としてご参加頂くことになっております。

なお、前回の部会におきまして、この場で十分にご発言頂けなかった場合には、後日ご意見をお出し頂ければというふうに申し上げましたけれども、羽田委員と花岡委員から意見書という形で頂いておりますので、お手元に配付させて頂いております。

メンバーの数も多くなっておりまして、今日もそうですし、今後もなかなか時間が十分でないということがあろうかと思います。今後もご意見はこの場でもし十分言う機会がなかったという場合にはどうか事後というのでしょうか、この場の外で事務局あるいは私あてにご意見をお寄せ頂けましたら幸いでございます。

本日の予定ですが、まず前回の部会で大変活発に議論をして頂きましたいわゆるプロ・アマ区分について引き続きのご議論をお願いしたいと思います。

もう一つ、それに続きまして、自主規制機関についてのご議論をお願いしたいと思います。

それでは、早速ですが、お手元の議事次第に従いまして、まずプロ・アマ区分について事務局からの説明をお願いします。

○三井市場課長

それでは、たくさん資料をお配りしておりますけれども、縦長の紙の資料1、プロ・アマ区分という資料がまず1つ、それからその下に今度は横長で資料1-1、わが国における実態、資料1-2、我が国法制におけるプロとアマの区分の例、それから資料1-3、米・英・EUのプロ・アマ区分という横長の資料が3つあります。この両方の資料を行ったり来たりしながら説明を申し上げますので、両方並べてご覧頂ければと思います。

それではまず、縦長の資料1、プロ・アマ区分について、文章の方から入ります。

中間整理における指摘ですが、簡単に抜粋させて頂いています。ちょっと重要なことがありますので端折らずに読ませて頂きますと、「行為規制についてプロ・アマの区分を設け、区分内容に応じた行為規制とすることにより、プロ間の市場の自由度を高め、その活性化を図るべきである。投資家保護と規制緩和を両立させるためには、一義的にプロとされる範囲について明確な基準が必要である一方、アマとされる投資家であっても、その選択に応じてプロとなることについて投資家保護上の問題がなければ、プロとして取り扱われる選択肢を、あるいはプロとされる投資家であっても、アマとして取り扱われる選択肢を、用意することが適当である」。それからEU指令についても同様の整理ですということで、最後の2行「国際的な整合性や利用者による理解のしやすさにも配慮しつつ、具体的な基準を定めていくことが適当である」とされています。

まず、プロとアマの区分が問題になる局面ということでございますが、幾つかの局面があります。まず、今でも日本である局面としては、開示規制の局面。それから、以下3つは今、証券取引法では明示的に枠組みとしては明確に意識されていませんが、これまでの議論あるいは意見募集等において出てきたものをピックアップしますと、業登録、特に自己募集との関係の局面、3つ目の販売・勧誘ルールの局面、4つ目に集団投資スキーム(ファンド)の取扱いの局面といった4つの局面があろうかと思います。それぞれの局面に応じてそのとらまえ方、受けとめ方が変わってくるかと思いますので、意識してご議論を頂ければと思います。

それでは、前回の宿題になっています、わが国における実態、資料1-1ということで、今度は横長の資料1-1に移って頂きたいと思います。

表紙をおめくり頂きまして、貯蓄現在高階級別世帯分布という総務省統計局家計調査の棒グラフを載せてございます。

これは母集団3,387万世帯のうちサンプル約8,000世帯について、2人以上世帯のみを対象としたものから抽出したデータであります。真ん中辺から1,000万円以上中位数ですが、平均値で見ますと1,692万円とありまして、一番右の方、4,000万円以上で9.9%。これは回答数でいうと623世帯ですので、これを母集団に機械的に割り戻すと約300万世帯ということになります。

それから次のページでございます。これは日銀の金融広報中央委員会の家計の金融資産に関する世論調査でございます。

7,000万円以上のところまでありまして、1.3%、これは単身世帯も含む4,557万世帯からサンプル約1万世帯を取り出したものであります。回答数がこの1.3%というのは49世帯ですので、割り戻すと50、60万世帯ぐらいに相当するということでございます。先ほどのと平仄で4,000万円以上で見ると回答数が190世帯ですので、割り戻すことにより約200万世帯相当という数字を出すことが可能です。

もう1枚めくって頂きまして、ここからはオフィシャルの統計というよりは、下にありますようにある民間のシンクタンクの推計であります。国税庁から出ている相続税のデータから死亡率等で割り戻すといった方法を中心に細かい修正を加えたというふうにされています。

ここで高額金融資産保有層1億円超で約72万世帯、5億円超のネット金融資産で約6万世帯ぐらいある、こういったデータがございます。

あと、アメリカではよく世上言われているものとして1%弱、0.8とか0.9%程度の個人がネットワース、純資産から住宅不動産を除いたベースで1億円、100万ドル以上保有しているといったことがよく世上言われていますので、そういったことの比較になるかどうかは別として、実態の計数としてはこうなっていたということでございます。

それから、1枚おめくり頂きまして法人。これは現状、制度上、証券取引法において開示の局面で適格機関投資家とされている者を列挙してございます。証券会社から金融機関、その資金運用をプロというか業務として行うような者等が出ています。

下から4つ目に金融とか資産運用を本業として行っているものでないものとして有価証券報告書を提出している内国会社であって、バランスシートの有価証券が100億円以上あるといった者で金融庁長官に届出を行った者という、これは事業会社ですが、そういう者が含まれております。

1枚おめくり頂きまして、監査対象となっている会社がどのような分布になっているか、商法特例法上の大会社、それから証券取引法の適用をされる会社、それから上場公開会社ということに交わりがあったり含まれていたりとか、こういう関係になっているということでございます。

それからもう1枚おめくり頂きまして、資本金階級別法人数という数字ばかり並んだデータがございます。資本金でいいまして、例えば商法特例上の監査が必要な大会社5億円以上10億円未満というところで見ますと、法人数が約2,800、それ以上の累計で見ますと約9,800ということで、比率でいうと0.35%、資本金1億円以上でいうと同じく約3万9,000で全体の約1.4%相当の数字になっているということでございます。

今度また縦書きのところにいきますが、我が国法制におけるプロ・アマ区分ということで、また直ちに横にいって大変申しわけありませんが、細かい説明を省略させて頂きます。

資料1-2、非常に小さな字で我が国法制におけるプロとアマの区分の例という2枚紙があります。これも1枚目が販売・勧誘の局面、2枚目の左側に開示の局面、その右側にその他の局面ということで局面を分けて現状、こういった分類がしてあるということをご参考までに配付させて頂きます。

それでは縦長資料の方に戻って頂きまして、1枚めくって頂きまして2ページ目、主要国におけるプロ・アマ区分、資料1-3ということですが、これは資料が大変細かいものでございますので、要点だけこの縦長の文書の紙に沿って説明させて頂きます。

3つの局面に分けております。ここでは開示、それから2つ目、真ん中辺りですが、販売・勧誘ルール、3つ目、次のページの集団投資スキームというふうに3つに分けております。

1つ目の開示の局面です。アメリカでは1933年の証券法において書かれておりまして、私募といたしまして登録届出書の提出が免除される場合です。投資家が自衛力認定投資家(accredited investor)に限定される場合、または自衛力認定投資家以外の投資家で金融・事業に関する知識・経験を有する投資家またはそう信じる合理的な理由がある場合の投資家が35人以下の場合、この2つの場合が掲げられております。

それからマル2にまいりまして、同年証券法のもと、開示なしに購入された制限証券(restricted securities)が転売できる相手先として適格機関購入者(qualified institutional buyer)というものが挙げられております。

それからEU、欧州連合ですが、目論見書指令というものがございまして、適格投資家(qualified investors)のみを対象とする場合には、目論見書の公表を要しないということになっております。中小以外の法人が含まれまして、要請によって一定の要件を満たす法人も含まれるということでございます。

次に、販売・勧誘ルールの局面でございます。

イギリスでございます。

英国FSA、金融サービス機構の金融販売促進に係る行為規制というものがございます。この適用に関しまして、顧客を3分類しています。1つ目が一般顧客(private customer)、それから中間層顧客(intermediate customer)、それから一番上のプロとして市場相手先(market counterparty)というふうに3つに区分されております。このうち中間層と市場相手先につきましては、要するに真ん中と一番上には行為規制は原則適用されないということであります。

それから、専門的な知識・理解のある一般顧客(expert private customer)、要するに一番下の中で専門的知識・理解のあるものについては、その同意を得て中間層として取り扱うことが可能になっている。それから大規模中間層顧客(large intermediate customer)については、その同意を得て市場相手先、一番上のランク、プロとして扱うことができる。また逆に、中間層とそれから市場相手先、一番上のランクのプロについて、一番下のランクの一般顧客として取り扱うことも可能な仕組みということになっております。

(2)にまいりまして、EUです。

金融商品市場指令におきまして、顧客をリテール(retail)、それからプロ(professional)に2区分いたします。顧客に投資サービスを提供する場合における行為規制の詳細を定めるに当たっては、サービスの性質、金融商品の性質、それから顧客のリテールかプロかの属性を考慮しなければならないとされております。要請によりプロの顧客のリテール顧客化、プロがリテール顧客、上のクラスが下のクラスになることが可能です。また、リテール顧客、下のクラスがプロ化、上のクラスになるためには一定の要件及び手続が必要になります。

それから適格相手先(eligible counterparties)には原則として行為規制は適用されないが、その本人の要請によって下のクラスの顧客扱いは可能になるとのことでございます。

詳細については現在欧州委員会で検討中ということで、必ずしも明らかでない部分が多いと聞いております。

それから3つ目の局面、集団投資スキーム、ファンドの取り扱いの局面であります。

アメリカにおきまして1940年、投資会社法がございますが、その投資会社としての登録が免除される場合として、投資家が100人以下であって証券の公募を行っていない場合、または投資家が適格購入者(qualified purchasers)であって証券の公募を行っていない場合というものが挙げられております。

以上がファクトの骨子でございまして、ここからは議論のたたき台といたしまして検討に当たっての考え方を少し整理させて頂いております。

(1)論点の論点1。これは前回も申しましたが、プロ・アマに関する区分について2分類とするか3分類とするか前回ご議論があったところであります。

それから論点2、プロ・アマ間の具体的な区分をどのように設けるか、これが主要論点になろうかと思います。

それから論点3、プロとされる者についてどのような行為規制を適用除外とするか。これは行為規制を論点としてまた後日ご議論頂くときがありますけれども、そことも相関いたしますが、とりあえずプロ・アマ区分の回であるここでも掲げてございます。

(2)の分類についての考え方。これは過去の経緯等から少し思い起こす意味で簡単に整理させて頂いています。まず、金融審議会、この審議会の第一部会、平成11年に出されました中間整理(第一次)というものにおきまして、このプロ・アマ論が整理されております。ポイントだけを要約して掲げておきます。

プロとは、利用者が特段の条件なしに自己責任を貫徹し得る場合、それからアマとは、利用者が一定の情報提供等を受けたことを前提として自己の責任の下でリスクが負担できる場合というふうに分類しています。

2つ目の●で、プロ・アマの区分方法としては、金融商品の利用者という取引の主体に着目する方法、それから金融商品に関する取引の類型に着目する方法、それから3つ目として取引主体と取引類型の組み合わせに着目する方法が掲げられています。

それから3つ目の●ですが、区分を行う際の基準として明確性・客観性、それから取引主体、金融商品の多様性に応じたきめ細やかさ、それから実行可能性、ルール運用のコスト、プライバシーの保護、それから4つ目、選択の自由の確保、その中にはさらに恣意的な区分の排除、当事者の意思の尊重という相矛盾する複雑なファクターが掲げられていますが当事者の意思の尊重を念頭に置いて作成される必要がある。さらに、こうした区分を画一的に決めるのではなく、利用者による主体的選択をできるだけ重視していくという視点も重要であるということであります。

以上が平成11年の金融審議会の整理の骨子ですが、これまでの議論や意見募集を簡単に整理しますと、プロ・アマ区分を設ける趣旨・目的としては以下の3つのようなことが挙げられているのではないかというふうな試みに整理しております。

1つ目、プロ・アマ区分によって適切な利用者保護と金融の効率性の向上を両立するものである。それから2つ目、プロはその知識・経験・財産の状況等から、適合性の原則の下で保護が欠けることにならず、かつ当事者も必ずしも行政規制による保護を望んでいないのではないか。3つ目、プロについては行政規制でなく市場規律に委ねることによって、過剰規制による取引コストを削減してグローバルな競争環境に置かれている我が国の金融市場の取引の円滑を促進することになるのではないかといったことが挙げられておるのではないか。

プロ・アマの具体的な区分のあり方については、そのようなプロ・アマ区分の趣旨を踏まえて当然のことながら明確に定める必要があるわけですけれども、現実にはプロとアマの境目というのは前回の議論にもありましたとおり断層的に割れているというものではなくて、むしろスペクトラム、連続的になっているのではないかとも考えられます。また、この問題に対する意見はここの下にもありますようにかなり分かれているのではないかと思います。

プロ間の市場については、極力自由度を高める観点から要するに緩いというか、規制緩和的な体系にすべきではないか。それから、投資家保護規定の適用されないプロは、いわゆる今開示の局面で定められている適格機関投資家といった範囲を念頭に置いて限定的にとらえるべきではないかという考え方。あるいは、前回出されていますけれども、プロかアマかの二者択一ではなくて、中間層というのが大事であって、その取り扱いを検討すべきではないかというご意見など多岐にわたっているのではないかと思います。

以上、プロ・アマ区分の趣旨、それから取引の実態、EU等の国際的動向や選択の自由の確保、当事者の意思の尊重といった趣旨の観点を踏まえ、かつ、ある程度プロ・アマ区分を設ける趣旨・目的からロジックとして出てくるもの、あるいは、EUやイギリスのやり方などを念頭に置いて、一つの試みの議論として以下のような4分類をたたき台として考えてみました。

1つ目が、アマに移行できない「純粋プロ」、それから一番下にマル4ですが、プロに移行できない「純粋アマ」というのを置きまして、マル2でプロから出発して選択によってアマに移行できる者、それからマル3でアマから出発してプロに選択によって移行できるということが論理的には4つ考えられる。具体的にはマル1からマル4の4つの類型にどの程度のボリュームなり質のものをはめ込んでいくかということで大きく議論が分かれてくるのかもしれません。

なお、マル2マル3ということを仮に認めるからには、きちんとした選択、本人の真の意思が確かめられるように何らかの手続なりが必要であるということは言うまでもないと考えられます。

(3)に参らせて頂きます。具体的な区分基準。ここからはいろいろなご議論がありようと思いますので、一つのたたき台として掲げています。

アマに移行できない「純粋プロ」ということですが、基準の明確性・客観性を考慮して、要するにこの人は常にプロとして扱って国際的な生き馬の目を抜くような競争のもとで先端的な金融、イノベーションの取引を行っていくという観点からは、基準の明確性・客観性で一々確認しなくてもいいというカテゴリーを設けるということだと思いますが、例えば適格機関投資家という開示の局面で定められています今の概念がありますが、これは必ずしもそこに限られるわけではなくて、行為規制であるとかファンドの問題とか、先ほど申しましたように種々の局面がありますが、こういうそれぞれの局面について例えば適格機関投資家の概念から出発してそれをモディファイするなり、つけ加えたり、削ったりしながら何らかの概念を考えてはどうかということが一つであります。

それからマル2、プロから出発しまして選択によって移行可能な分類。一つの考え方ですが、一定規模以上の法人については組織体として金融取引に係る適切なリスク管理が行われているのではないかと考えまして、ベースとしてはプロとして扱う。しかし、必ずしも知識・経験が十分でないということで、その組織の選択によってアマとして取り扱われることを認めてはどうかということであります。例えばそのイメージとしてこのカテゴリーとして公開会社、それから一定規模の会社、地方公共団体、政府関係機関などが考えられますが、どうでしょうかということであります。

それから、個人については投資家保護の観点から基本はすべてアマとしてはどうかということであります。ということで、このカテゴリーには入れないということであります。

マル3選択によりプロに移行可能なアマでございますが、マル2のプロから出発してアマにいくかもしれないプロ以外の法人はこの分類にしてはどうか。要するに、中小規模の法人ということになります。

それから、個人についても富裕層の存在などを考えますと、一定の要件を満たす場合には選択によりプロとなることができるようなことを考えてはどうかということでございます。例えばその具体的な基準としてEU、米国の例を考えますと、利用者の純資産基準、所得基準、ポートフォリオ規模、取引頻度、職業等の取引主体に着目する基準、あるいは一定額以上の取引金額といった取引類型に着目する基準、あるいはこれらの組み合わせ等多様な物差しが考えられますが、いかが考えたらよろしいかということであります。

それからマル4「純粋アマ」、プロに移行できない類型としてのアマということですが、マル3で掲げた一定の要件を満たさない個人というのはプロに移行できない個人に分類されますが、いかがかということであります。

それから最後の(4)でございますが、プロとされた場合に適用除外とされるべき行為類型の範囲。これは一般的に投資サービス法でどのような行為規制をかけるのかという議論とも関連しますので、プロ・アマの区別論ですべてが終わるものではありませんが、プロ・アマの区別を議論する際にどういう行為規制を考えたらいいのかということで影響することから、相互関連するということでここでも掲げておきます。

例えばということですが、販売・勧誘に関するところでいいますと、注1で我が国の証券取引法における行為規制というのは趣旨がかなり異なる種々の規定がございます。例えば取引説明書の事前交付義務であるとか、取引した場合の報告書の交付義務であるとか、局面が変わりまして断定的な判断を提供してはいけないであるとか、さらには損失補填の禁止であるとか、あるいは販売・勧誘、特に勧誘ルールのところで出てきます適合性の原則であるとか非常に多様なものがありますが、こういったことを念頭に置いてどういった範囲が考えられるか。

それからイギリスの場合ですと、そのほとんどの行為規制が中間層顧客として取り扱われますと適用除外になるという指摘があります。

それから、EUですけれども、EU金融商品市場指令の行為規制に係る規定そのものでは顧客のプロ・アマ区分はなされておりませんが、欧州委員会において先ほど申しましたように検討中であります。ということで、ここは確たるスタンダードがあるというものではありませんので、こういった点も踏まえてご議論頂ければと思います。

以上でございます。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

それでは、今頂きましたご説明につきましてご質問やご意見等をお出し頂ければと思います。

田中委員、どうぞ。

○田中(浩)委員

今回事務局の方から出して頂きました4分類の考え方、これに賛成です。それで、この4分類の中で特に今後議論になるであろうと思われるのは3番目の選択によりプロに移行可能なアマ、これをどうとらえるか、考えるかということだと思うのですが、そのうち特にプロに移行可能な個人のところが最も重要ではないかなと思います。

そこで、個人をどういうところでアマとプロで分けるか。各国のいろいろな基準があるわけなのですが、そのうち一番実務的にも合理性があるというのは、やはり資産の大きさというものがあるのではないかなと思います。この場合、アメリカの例では自衛力認定投資家の基準というのが100万ドル、円換算で1億1,000数百万、EUの方の適格投資家の基準というのは50万ユーロ、日本円で7,000万円程度。このあたりからいうと1億円というのが一つ出てくるのですが、ただ1億円という基準ですと若干低いと思います。

プロと認定された場合、3番目の行為規制の範囲をどう考えるか、適用除外をどう認定するかというのと密接にかかわってくるわけなのですが、プロと認定された場合一番重要なポイントになるのは、適合性の原則を除外するという、多分ここが一番大きなポイントになると思います。そう考えた場合、あまり低いバーであると適合性の原則を除外するというのは非常にリスクが高くなります。したがいまして、日本での考え方といたしましては、資産1億円ということではなくてもう少し高いバーの3億円とか5億円というのが一つの目安になるのではないかなと考えます。

また、そのときに今の日本の個人の金融資産が預貯金に非常に偏っているということを考えますと、金融資産をたくさん持っていても預貯金しかされていないという方の場合、到底プロとして認定するというのは無理がございますので、この金融資産の考え方に関しましても、預貯金以外の投資商品を幾ら保有しているかという考え方で比較的高いバーを設定するというのが合理的なのではないかなと考えます。

また、プロとアマを認定した場合、商品ごとでそれを株式投資に関してのプロだとか、債券投資に関してのプロという商品ごとで分けるという考え方もございますが、商品ごとにプロとアマをそれぞれ別に認定するという形になりますと非常に実務上混乱が予想されますので、これはすべての商品にわたってプロなのかアマなのかと判断すべきではないかなと考えます。

それから、認定の仕方なのですが、これは本人の書面による申し出という形で行うというのは必要だと思います。ただ、先ほど申し上げた投資商品を幾ら持っているかということに関して、これは何か裏づけとなるようなものを出させるとか出して頂くとかいうことというのは、これも実務上非常に難しいと思いますので、これに関しましては本人の書面による自己申告という形で認定すべきではないかなと考えます。

それから、先ほど申し上げましたようにプロとして認定された投資家に関しては、適合性の原則というものを除外すると、ここが重要なポイントになるのではないかなと思います。

ちょっと長くなりましたが、以上です。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。

どうぞ、上柳委員。

○上柳委員

私はやはり4つではなくて2つを原則にすべきだと思っています。その実質的な理由は、やはり私自身が相談を受けたりしている中で、資産が1億円とかあるいは3億円とかそのぐらいの個人の方からの相談が多いということ。その人たちが少なくとも自分は不測の損害を受けたのだ、こんなはずでなかったという気持ちを持っておられる方がたくさんいて、その人たちを無防備な立場に置くべきではないと思っています。

それから、第2に、中間層をどう扱うのかという問題意識自体は私もわかりますので、それについて若干つけ加えたいのですけれども、まずプロの方でアマに移行を希望する人たちもいらっしゃると思いますし、この人たちのことをどう扱うかですけれども、それはプロなのですから金融業者との間で少なくとも契約ができるわけですので、その中で投資助言なり、あるいは一定の保護を自分で契約によって求めるということで十分処理可能なのではないか。法律としては原則自由にしておいて、特約で相対で保護を受ける効果をもたらすということで十分なのではないかと思っています。

逆に、先ほど来、田中委員からありました、今度はアマがプロに移行したいといいますか、そういうことでも構わないということの扱いなのですけれども、前回、神田先生から私にご質問がありましたところでもありますけれども、例えば説明義務について言えば、一定の要件のもとにですけれども、いわゆるアマチュアであっても一定の手続あるいは同意のもとに実際上、その後については勧誘規制が緩くなるという形になって面倒を省くということで十分処理可能なのではないかと思っています。

田中委員とおっしゃるのとだんだん実質的には似てきているのですが、恐らく違うのは、田中委員のやり方ですと、すごく悪く言えばある程度リスクの低い目の投資商品をしばらくやってきて、私はやはりプロの方がいいやと思ったところが、それ以降はそれまで余り考えていなかったようなハイリスク商品によって不測の損害を被るということについてのおそれをどの程度考えるかということだろうと思うのです。

私はですから、一律全部の商品についていきなりプロになってしまう、保護を受けないという事態はやはりまずいのではないか。そこのところを今までの法律体系なり我々考えているところでいきますと、まさに適合性原則を適合していけば、これはある意味では商品ごとに勧誘か勧誘不可、あるいは同意に基づく説明義務の免除という形をとれば、この同意の範囲が問題なわけですけれども、恐らく一定の、あるいは類似の商品について同意がかかっていくという形で、先ほど言ったような不測の損害は防げるのではないか。それから逆に、このペーパーの中で絶対プロになれない方という分類をして頂いているのですけれども、これはまさに適合性原則で処理できるわけで、ただ私の考えでいくと、一律に全商品についてこうということではなくて、適合性原則でいけばまさに商品のリスクなり特性に応じて調整できているということでよいのではないか。

要するに、やはり2分類にした方がわかりやすいといいますか、アマに対してはその保護を外れるとき、外れてもいいということについての立証責任は業者側に残るということで、その方がよいのではないかと思っています。

以上です。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。原委員、どうぞ。

○原委員

田中委員が発言なさって、上柳委員が発言なさって、私が発言すると前回と全く同じパターンで展開をしているという感じになるのですが、前回、大変興味深く聞かせて頂いたのが、池尾委員と田中直毅委員のご発言内容を大変興味深く聞かせて頂いたのですが、やはり田中直毅委員がおっしゃられたように今はF1のレースカーと人力車とが同じ道路でしょうか、高速道路を走っているような状況だということで、池尾委員はまず明確に分けるべきではないかというようなお話だったと思いまして、私も時間軸ではかれば今の状況はまだ大変混在をしていて揺籃期というのでしょうか、個人が資本市場に登場していく揺籃期の段階だと思っていまして、欧米の状況ともちろん国際整合化ということはあるかとは思いますけれども、拙速に急ぐべきではない。今の田中委員から、個人の金融資産を預貯金だけで持っている人が大変多いという今の状況は確かにそのとおりで、投資性の商品というのをまだ世帯で保有している層というのはまず大変低いというような状況を考えると、欧米に今一気に倣っていくという時間軸での選択をちょっとすべきではなくて、私としては前回も申し上げたとおり、日本にはまだそういった中間層というのが明確に意識されるほど育ってはいないのではないかと再度申し上げたいと思っております。非常に不安定な層。だから資産だけで区切っても、経験で区切っても、意思で区切ってもまだ非常に不安定な層ではないかと考えております。

それから、特に今田中委員から、何を適用除外にするかということでは、行為規制の中での適合性の原則というのがありましたけれども、適合性の原則が行為規制の中から外れるということであれば、特に私はやはり慎重に検討すべきだと考えておりまして、立証責任がどちら側にあるかという観点から考えると、田中委員の発言は本人の自己申告ということでしたけれども、私は本人が自己申告をして自己でリスクを負うというところには私はなくて、プロ・アマ論の最大のアマから見ての魅力は立証責任はあくまでも事業者側にある、これが明確だと考えておりますので、本人で自己申告をしたとしてもそれは事業者側かチェックをする、そのチェックをする事業者側の責務というふうに展開をすべきだと考えておりまして、プロ・アマ論の立証責任の観点から考えても、私としては現段階はまだ2段階ではないかと思っております。

今、私大学でも講義をしたりしていますので、金融について学生たちに聞いてみると大変関心が高くて、学生であっても株式を持っている、ネットで取引をしている人たちというのは確かに存在はしているということは認識をしておりますけれども、彼らが10年たって、20年たって市場にきちんと登場してきたときに再度検討のテーマになることではないかと思いまして、今回のあの秋の結論では急ぐべきではないと思っております。

以上です。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

それでは、東委員、どうぞ。

○東委員

まず、プロとアマとの線引きの認識というのはそう違わないと思うのですが、私が感じますのは、アマを一くくりでいいのかどうかという点であります。特に、個人がプロになるところの条件というのは相当厳しくていいのだろうというのがまずあるのですが、アマの中で現状、有価証券の保有世帯が3割にも満たないわけで、投資経験の全くない人が非常に多いというのが現状だろうと思います。この方たちをどう投資に移行して頂くかという意味で、投資家保護というのは非常に重要になると思うのです。一方、従来から投資経験のあるアマチュア、仮にセミプロ的なアマチュアという個人については、もう少しコストを低くして投資しやすい状況をつくってあげるということが必要なのではないかと思います。その意味では、結果として3分類の方がよいのではないでしょうか。

そういう意味では、コストの面から考えますと今投資経験のない人が非常にコストが安いという理由でネットで取引をしていますが、新規に投資をする個人に対するチェックが本人の自己責任だという1点だけで、現状は非常に低いハードルで取引できることがむしろ参加者をふやしているプラスの面があります。しかし一方で、そこに対する本人の認識というのでしょうか、自覚をどう促すかがポイントになると思います。自分でリスクリターンをコントロールできると思っているからこそ、私の中ではセミプロという、自己責任を問える個人という区分に入ると感じています。仮に3分類にしますと未経験者が入ってくる入り口としてネット取引を今のままでいいのかどうかというところは逆に問題として出てくる可能性があるのではないかと思っています。

以上でございます。

○神田部会長

ありがとうございます。

いかがでしょうか、2分類か3分類かというのはあまり概念として議論しても、上柳委員自身もおっしゃって頂いたようにあまり生産的でない面あるのですけれども。

高橋委員、どうぞ。

○高橋委員

すみません、目が合って当てられてしまいましたけれども、私自身はどちらかと言えば先ほどの原委員のご意見に賛成です。

論点ペーパーの区分基準3を設けるかどうかは大変悩ましいのですけれども、田中委員のおっしゃるような家計資産のボリュームに着目するとなりますとかなり問題が大きいと思っています。家計調査の中で、ここに示されているペーパーでいくと9.9%が4,000万円以上の層ということなのですけれども、詳しくみていくと66%が60歳以上の方で、50歳以上を含めると大口資産家というのは50歳以上の人が約9割を占めてしまうという現状があるようです。

それから、実際にかなりバーを高くすると入ってくる人が少なくなるように見えるのですけれども、この家計調査というのはかなりバイアスがあって、超大口の資産家は入っていないと見られております。ですので、日銀の資金循環勘定なんかから換算していくと、多分大口だと家計調査で分類するような層は3倍いるのではないかという推測をしているシンクタンクもありまして、そういう人たちがしかも超高齢者、超と言っていいかわかりませんが、高齢者であるということを考えますと、相当に慎重に考えなければいけないと思っています。

適合性の原則についても以前、証券会社に国民生活センターの研究会でアンケートをとらせて頂いたことがあるのですけれども、やはり投資経験とか投資目的よりも資産の金額にかなり着目しておられました。投資経験も先ほど上柳委員がおっしゃいましたように大したことがないのだけれども、取引回数にしましても、転換社債を社債として満期まで持つような最終利回り重視の人たちもかなりリスクの高い取引を重ねてきたとカウントされているような実例がありました。適合性の原則からプロとみなして大丈夫かどうかという判断が私は怪しいのではないかなと思っております。

もっと金融経済教育が進んでからそういう中間層を設けるということでも決して遅くないのではないでしょうか。今回来年の通常国会に向けて議論を進めるということであれば、やはり2分類でいった方がよろしいのではないかと思います。

以上です。

○神田部会長

ありがとうございます。

それでは島崎委員、それから田中委員の順にどうぞ。

○島崎委員

プロとアマの分類を2つがいいか、3つがいいか、4つがいいかというところについてはちょっといろいろな意見があると思いますけれども、私ちょっと意見申し上げたいのは、先ほどの田中委員、原委員の意見で、プロに移行可能なアマの中で、個人についてどう考えるかということなのですが、確かに日本の一般的な国民というのが貯蓄というのが預貯金等にいっていると、投資の方に誘導しなければいけない、こういう基本的なことがあって、学校でもいろいろ教育して頂いているということなのでそれはどんどんやって頂くということでお願いしたいのですけれども、やはり国際的な流れだとか、今の置かれている富裕層、個人であってもかなりプロに近いそういう人が存在しているということもやはり事実であろうかと思うわけで、先ほどお話があったようにハードルをどうするかという問題は厳しいハードルを設けて頂くことにして、やはりそういうものが本人の自主申告によって、書面によって申請されてそれをどうするかということなわけで、やはりそこに個人の投資家の意思というものをやはり尊重した形で物事を考えていくところも必要なのではないか。確かに個人はあまり知らないと、そういう投資の知識も不十分である。したがって、いろいろ行政面で規制で守るべきだというのは一般論としては非常にわかりますけれども、それでいいのかなと。やはりそこには投資家の自主管理、自己責任、そういうことを持てる個人も随分いるわけなので、そういう方にはやはりそういう道も開いてもよろしいのではないかと私は思います。

以上です。

○神田部会長

どうもありがとうございます。

それでは田中委員、どうぞ。

○田中(浩)委員

この富裕層に対する、富裕層と言っただけだと人によってそれぞれいろいろなイメージがあるかと思うのですが、先ほど私が申し上げた一つの考え方としては、金融資産1億円というバーでは非常に低いのではないかと。例えば仮に5億円というバーを考えた場合ですと、この調査ですと大体日本で6万世帯という数になりますし、それからさらに金融資産でも預貯金というのを持っていてもプロとして扱うには不適当であろうと、そう考えてそれを除くとなるとさらにどんどん数が減ってきて、いわば例外中の例外の方たちをプロとしましょうかというのが先ほどの私の趣旨になります。

また、ではそういうのが本当に例外中の例外であれば別に対応しなくてもいいではないかという逆の理論があるかと思うのですが、現実そういう方たちは既に海外の方に行かれてといいますか、資金の方を動かして、資金を移動させて運用されているという事実があります。そういうことが実態でありますので、そういうごく限られた人たちをプロとして扱うというのは現状、非常に合理的ではないかなと考えます。

以上です。

○神田部会長

どうもありがとうございます。

ほかにいかがでしょうか。

池尾委員、どうぞ。

○池尾委員

ご意見を伺っていまして、そんなに本質的な対立があるようには思わなかったのですけれども、だから考え方として形式要件のようなものでプロとアマにまず分けて、それで形式要件ではプロと認められる者が自分で事前に申請すればアマと扱ってもらえるといえば、そこまでは皆さん何もご異論ないと思うのです。では、形式基準でアマと認められる者、特に個人について何らかの条件を整えればプロ扱いできるというところのハードルの高さみたいなところで議論が分かれているように思うのです。

私は、田中委員とか申されましたけれども、非常に高いハードルを設定して事実上はないと。でも、原理的にはあり得ると、原理的にもあり得ないとしてしまうのはちょっと選択の自由的な観点からいってややパターナリスティックに過ぎるような感じがするので、事実上ないということぐらいのハードルなのだけれども、原理的にはあり得るとするのが、私みたいな経済学者が言うのはあれですが、法制度的には何か真っ当なのではないかという気がいたします。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

それでは淵田委員、それから檀野委員。

○淵田委員

ちょっと別な観点なのですけれども、投資家保護というのはそれなりのリソースを投入しないと実現しないことだということは当然のことだと思います。今までの議論は一見アマの定義を広くした方が投資家保護という前提でなされているような印象を受けたのですけれども、これは福祉と一緒でありまして、より多くの人を保護しようとすればするほどリソースは限りがありますので結局真に保護すべき人に対して手厚い配慮が行き届かなくなるということも言えると思うのです。金融庁の人員一生懸命増やしていますけれども、SECのレベルには到底いつまでたっても追いつかないと思いますし、行為規制の対象を広くとったとしてもエンフォースメントが行き届きにくくなるわけです。投資家保護基金を維持・充実していくとか、あるいは今後オンブズマン制度などを考えるにしても、やはり資力のある人よりも資力のあまりない人に優先してこういうものを使ってもらうのがいいと思います。資力のある方は自分で訴訟するなりいろいろな力があるわけですから、アマの定義を逆にある程度限定的に考えた方がリソースに制約がある中で社会全体としての実質的な投資家保護のレベルというのは向上する、そういう見方もあり得るのではないかと思います。

○神田部会長

ありがとうございました。

檀野委員、どうぞ。

○檀野委員

ここではなかなか不動産を対象とした投資についての議論がなされていないと思っておりますけれども、ちょっとその観点から、皆さん方の議論とはちょっと視点が違って恐縮なのですけれども、アマの中の法人というところから、やはりこの選択によりプロに移行可能なアマというものの必要性、こういうジャンル、カテゴリーの必要性というものについてちょっとお話しをさせて頂きたいと思います。

現在、不動産証券化案件の中で、最も多く利用されているスキームは、商法上の有限会社を資金調達目的の特別目的会社として活用するもので、不動産業界ではこれをYKTKスキームと呼称しております。不動産証券化ではこれらのスキーム規制のないファンドがよく利用されておりますが、ここへの市場参入者のほとんどは、不動産のプロであり、今回の投資サービス法でのプロの定義が例えば適格機関投資家ということで線引きされてしまうと、現在不動産の投資市場に参加されているいろいろな投資家、特に法人の方がプロの定義から外れてしまうということでございます。

したがって、先ほど田中委員からお話がありましたように商品別にこういった区分の定義をしていくというのは非常に実務的に難しいということであれば、やはり選択によってプロになることができるようなそういったアマチュアの法人というものを規定しておくべきではなかろうか。そうでないと、やはりこれだけ大きくなった不動産投資市場を支えてきた投資家というものがこの投資市場に参加できなくなってしまうというおそれが出てくるのではなかろうかということで、ちょっと個人のプロ・アマ議論と違うのですけれども、アマチュアとされる法人がプロになれる選択可能な方法というものを一つ確立しておくべきではなかろうかと思っております。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

田中委員、どうぞ。

○田中(直)委員

日本の投資社会を長い目で考えた場合に、金融サービスを受ける側からいっても、日本の金融事業者の力量が高まらないことには、投資社会において一般的な普通の日本人が十分なサービスが受けられないという問題があると思うのです。ですから、ダイナミクスといいますか、どういう入り口にしてどういう形で金融事業者の技量を高めるか必要重要なことで、例えば医療の分野で私気になっていますのは、難病を持ったときに自分でリスクをとってもいいと患者さんが言っても、現在の医療体制では日本ではリスクがとれない、実情とれないような状態になっているわけです。それはサプライサイドの問題があり、また保険点数で何を換算するかという医療界における相対額の問題もありまして、結局のところリスクをとる、難病であることを自覚し、しかしうまくすればうまく生きられるかもしれない。でも、実際上日本で医療サービスが受けられなくて海外に出ている方が物すごくふえているわけです。では、日本で医者は家庭医を中心として下痢と風邪だけ扱っていればいいのかという問題がありまして、下痢と風邪を扱うところだけで医療サービスの基本を何かつくってしまえば難病リスクをとるつもりがあってもとれない、実情そういうサービスを受けられないということが起きていると思うのですが、それはいろいろな複合的な要因がありますけれども、いずれにしろ我々は日本における投資社会の設計において、普通の日本人が対価、質の高いサービスの対価を受けるために事業者を競争させなければだめだ。事業者がそういう中で競争して力量を発揮できるような仕組みをつくるのだろうと思うのです。

そういう意味からいくと、先回、道路の例えを言ったのですけれども、経済速度を実現することがやはり重要なのです。だからその経済速度が実現しなければ事故防止と言っていても、やはり我々が受けられるサービスはどこか無理が出てくるので、そこはリスクをとると言った人にはいいですよというのは、私はやはり要るのだろうと。それはあまりきつく、本当にあなたリスクとれるのですか、とれるのですかといってディスカレッジすることはないというのが私の意見なのですけれども。

○神田部会長

どうもありがとうございます。

上柳委員、どうぞ。

○上柳委員

池尾委員とか田中委員まで何か相手にするのは大変自分にとっては危険なのですけれども、やはり池尾先生はあまり本質的には違いがないのではないかとおっしゃったのですけれども、一斉にアマがプロになることを認めるのか、個別の同意、あるいは個別の商品ごとに考えるのかというのは私にとっては大きな違いではないかと思っています。

田中(浩)委員から話があった、海外に富裕層が行っているのではないかというお話がありましたけれども、本当にそれは日本の法制がまずいから行っているのかなというのは若干疑問があります。多分そういうような富裕層の方には日本の金融機関もそれなりに説明をしたり、あるいは説明不要という同意をとって商品を勧めておられるのではないか、あるいは特殊な、田中直毅委員がおっしゃったハイテクといいますか高度医療に相当するような商品も、少なくとも私募なり何なりの形では提供できるわけですから、現在でも対応できる枠組みはあるのではないかと思います。ですから、そこをわざわざつくる必要が今そんなに高いとは思いません。

以上です。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

原委員、吉野委員の順番でよろしゅうございましょうか。

○原委員

恐縮です。大変興味深いお話を聞かせていただいていますけれども、私としてはやはりちょっと強調しておきたいと思っていることがあります。もちろん池尾委員がおっしゃられた事実上はないが原理的にはあり得るということは実現しておかなければというお話とか、田中直毅委員から出された経済速度というのはやはり実現させるべきだというところは、考えとしてはもちろんそのとおりのようには考えているのですが、今の実態というのは私は金融事業者も、それから金融消費者も非常にまだおぼつかない、心もとない存在であると思っております。金融の実際のトラブルの現状を見ると、やはり資産がある方、それも高齢者の方をターゲットと言うと言葉は悪いかもしれませんけれども、そういった方々をねらったかのような販売・勧誘というのが行われているというのが状況で、適合性の原則さえ確立をしていない、そういった事業者が今の中にも少なからずあるというのが現状だと思っております。

ですから、少なくとも自己申告をするとしても、それをチェックして、そのチェックの仕方が不十分であったということてあればそのペナルティは必ず事業者が負うというような仕組みにするとか、それから前回お話しをいたしましたけれども、7月に出された最高裁での判例内容は、ご本人自体は私どもから見るとこういった中間層に所属をする人のように原告は見えるわけですけれども、それでもああいった訴訟になるということを考えると、今度は一体私が自己申告をして認められてプロにはなったけれども、やはりこれを認めた事業者側は問題ではないか、また訴訟が起こるというのでしょうか、そういった訴訟コストのようなことを考えると、その話はちょっとまだ出ておりませんけれども、そういったことを考えると私としては現段階での結論を急ぐべきではないということを再度、被害の実態のあたりからお話をしておきたいと思います。

○神田部会長

それでは吉野委員、それから水上委員の順番でお願いします。

○吉野(直)委員

イギリスで多分3つの層に分かれているというのは、恐らくイギリスの場合には非常に富裕層が厚みがあると思うのです。やはり資産家が多いものですから、そういう方々がいろいろな形で運用しているという意味で中間層が多いと思うのですけれども、もし調べられたら、そこで何か3段階であることを問題であるかどうかというのがもしわかれば調べて頂くといいのではないかと思います。資産構成が多分日本と違うというところがあるかもしれません。

それから2番目は、私は池尾委員と全く同じで、アマの中でも一部ハードルを設けてプロになるということはいいと思うのですが、その場合に例えば3億円とか5億円とかその基準をフレキシブルに変えられるようにして設定して頂きたいと思うのです。それである程度のところでうまくいけばそのハードルを下げていくとか、そういう形で少し一部の方ができる。そうでないアマの方は結局はプロを利用しながら、プロがそれで運用することができるわけですから、一部の方のみというのが必要ではないかと思います。

それから3番目は、やはりプロがプロ化する。やはり先ほどの田中委員のご意見ですけれども、日本はどうもプロがプロ化していないわけですから、そこでの競争はとにかく一生懸命やって頂くということが必要だと思います。

それから最後は、今後やはりそういうことで金融のトラブルに関するいろいろなことが起こってくるのではないかと思うのです。そういった場合に行政の対応として、金融に関するトラブルをきちんと処理できるシステムなり体制を何らかの形で構築して頂きたいと思います。

○神田部会長

ありがとうございました。

それでは、水上委員、どうぞ。

○水上委員

私は先ほど淵田委員が言われた観点というのはもうちょっと強調されていいと思います。それはやはり、ここでの議論はプロ・アマをやっているわけですが、その裏側としてエンフォースメント体制についてのそれぞれのイメージがあって、それに基づいてプロ・アマでどう対応していくかということが皆さん考えられていると思うからです。したがって、それぞれのご発言にはバイアスがかかっているところがあると思うのですが、それ以上のことは恐らくこのプロ・アマのところで議論をしてもなかなか整理がつかないかなという印象を持っています。

これまでのこの第一部会での議論というのは、特に中間整理の前まではいろいろ検討すべき規制の内容について考え方をやって、その後でエンフォースメントの体制についてどうあるべきかということを議論してきたと思うのですけれども、これから先というのは恐らくエンフォースメントのあり方みたいなことを意識しながら、それぞれの内容、特に規制の水準について、その妥当性を検討していかなければいけないと考えています。

そういった意味で言うと、今日の議題としてもう一つ掲げられている自主規制機関の問題がプロ・アマと同時にセットとして今回議題として上がっている点については重要な示唆があると考えています。一つはプロ・アマの議論の中でやはりプロの中でも結構グラデーションがかかっていて、最近は新規にプレイヤーとして参入されてくる方とか、それから新しい金融商品なんかも出てきていますので、その評価をするに当たって、一部ブログなんかでは展開されていますけれども、プロでもなかなか瞬間的に評価が難しいという問題が出てきていると思うのです。そういったものに対しては、やはりマーケットの中で内生的に処理していくというか、情報を発信していくという形をどうしてもつくっていかないと行政のコストが増大することにもなりますので、そういった観点から自主規制機関の役割というのは非常に重要になっていくと思っています。

いずれにしても、どこかでコストを軽減すればどこかにコストが転嫁されるということになりますので、最終的に全部行政側で持つというやり方では、恐らくこれから先の金融市場の状況を考えるとなかなか難しいわけです。そこで多角的なエンフォースメント、広い意味でのエンフォースメント体制を考えていこうということを念頭に置いて議論しているわけです。したがって、プロ・アマの議論の中だけで収束させようと思っても最終的にはやはり外形的な基準にかかわらざるを得ないと思いますので、その中で投資家の属性だとか、それから投資対象となる商品構成だとか、それをどうやった形でポートフォリオをつくるかということについて問題が発生する場合には、それはよりプロの取引が多いと思いますけれども、マーケットの中で処理が可能な仕組みを形成しつつ、しかしながらアマチュアに関しては最低限の投資家保護ということをきっちりやっていく、そういう仕切り分けが必要なのではないかと考えていますので、そういう観点も入れて議論を進めていければと思います。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

それでは根本委員、どうぞ。

○根本委員

私はアマに関して一部の方がプロになるというご意見に非常に賛成なのですけれども、今までいろいろと基準が出てきたのですが、主に資産規模、資産の額で見るというお話が多かったと思うのですけれども、それに加えて他国の例では職業とか金融機関に一定以上勤務されて取引をやっていらしたとか、投資業務の、経営陣であったとかそういうことも一つの条件になっていて、それも考慮に値するのかなと思いました。

一つ皆様がもういろいろおっしゃっていることではあるのですけれども、やはり個人が非常に変化しつつあるという現状かと思いまして、例えばネット証券が普通の証券会社さん以上にシェアを持ってきているとか、個人の中にも非常に自己責任で、かつもうかなり取引というのが本業に近いようなそういう層もかなりふえていると思いますし、また金融資産に関しても日本は高額の金融資産を持つ人が少ないということですけれども、多分動態的に見るとかなり変わってきているのではないかと思いますので、そういう個人のニーズの変化ということも考慮に入れてはいかがかと思います。

以上です。

○神田部会長

ありがとうございました。

○川本委員

やはり規制をするからには実効性のある規制にして頂きたいという観点から、淵田委員と水上委員がおっしゃったのですけれども、やはりアマの範囲をあまりにも広くし過ぎると本当に実効性のある規制になるのかというのが、私はとても心配だと思っております。

そういう意味では、英国のFSAの行為規制で中間層顧客として取り扱われる場合に相当な行為規制が適用除外になるというのは、これは私が覚えている範囲ではやはりここのところの規制を効率化してアマで本当に守らなければいけない人たちのところを手厚くするというふうに当時議論されたのではないかなと思っております。

それともう一つ、やはりプロに近いアマというのは現実に存在するわけであって、やはりその方たちの投資家の意思を尊重して頂きたいなと思います。

1億円だと日本では高いというご議論もあるのですけれども、金額が云々ということではなくて、日本ではなぜだめなのかということがやはり説得力があるお話があった方がいいのではないかなと思います。

以上です。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

ご意見が大分出されましたが、池尾先生、どうぞ。

○池尾委員

時間をとって申しわけないのですが、リソースの問題というのは私も非常に大切だと思うのです。別の機会とかにフリーとフェアを両立させようと思うとかなりの資源を投入しない限り無理だという話は書いたりしたこともあるのですが、だからリソースの問題の重要性というのは認めるのですが、リソースに限りがあるから本当の弱者だけに保護を集中するというのは、それ自体正論ですが、制度的にどう仕組めるのかなというのはちょっと非常に疑問で、普通はリソースに限りがあるときに、かつフェアを維持しようと思うと原則禁止にしてしまえという話になるわけで、フリーを犠牲にしろということで、リソースが限りがあるときにフリーをやるとアンフェアなことも横行する形になるのが普通想定されやすいケースで、うまく本当に真の弱者だけを区切ってそこに集中的に保護を与えられるような制度化が設計できればもちろんいいと思うのですが、ちょっとどうも何か議論としては原則禁止かそうでないかというところに今ではいってしまっているのではないかなという、そういう懸念を持ちますが。

○神田部会長

ありがとうございます。

市川さん、どうぞ。

○市川経産省産業資金課長

オブザーバーでもよろしゅうございますでしょうか。失礼いたします。

今日のこのプロ・アマの議論だけにかかわるのではなく、後日の議題にもかかわるかもしれませんが、先ほどファンドというお話も出ましたけれども、経済産業省でもこの投資サービス法の議論に少しでもお役に立てたらということでファンドの研究会を先月から立ち上げておりまして、そこで日本ベンチャーキャピタル協会を初め関係者の方に入って頂いて、いろいろとご意見を伺っているところですが、今日はその方が直接ここの場にいらっしゃらないのでかわりに簡単に発言させて頂きます。

このプロ・アマの件ですけれども、議論されておりますように、この基準がどの局面で適用されるのか、先ほど事務局の方から4つの局面というお話もございましたように、さまざまな局面でそれぞれ考え方があると言われているわけで、販売・勧誘等の金融商品販売の局面と、それから開示規制の局面では異なるやはり考え方があるのではないかと。あるいは、新たに追加されようと検討されております集団投資スキーム規制、この関係でも、その規制の内容が明確にならないといけないのですが、やはりこれと相対的なものでプロ・アマの範囲も決まってくるのではないかと、こういったことも意見として言われておりました。

そうした中で、先ほどもお話がございましたが、現在の証券取引法で開示規制の際の適格機関投資家の範囲ということがあるわけですけれども、これはいわば株式取引などを念頭に置いて定められておりますので、実際例えばファンドに資金を提供しているプロの投資家というようなものを念頭に置いたときには、ややその範囲が狭いというような指摘も頂いているところでございます。

例えば、より具体的には事業会社について共同で事業を行うためにファンドを設立したりする動きも最近出てきておりますので、こういう事業会社については広くプロとされるべきではないかというようなことも言われておりました。

あと一つ、監督官庁への届け出というようなお話も事務局の中でございましたけれども、現在の規制のように監督官庁への届け出を行った上でプロになるということにして、いわば届け出た投資家の名簿が公開されるというような規制のあり方というのは、若干投資家の抵抗感が強いというような意見もあったところでございます。

いろいろこういった意見がございますが、今日はそういう意味で冒頭申し上げたように関係者のご意見をご紹介したという形ですので、より正確なことは実際にこういった実務に携わっている方から、できればこの審議会でも広くご意見をお伺いする機会を設けて頂ければと、そう考えているところでございます。

ありがとうございました。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

それでは淵田委員、どうぞ。

○淵田委員

個人の話が多かったですが、今市川さんがおっしゃったような企業の話も大変重要だと思います。

まず、資料の中にもありましたけれども、日本の適格機関投資家の定義で、企業、法人の場合、有価証券100億円以上というのは以上に高い水準だと思いまして、これはアメリカの自衛力認定投資家(accredited investors)と同様な水準を念頭に入れて修正していくということは考えられるのではないかと思います。

それから、今も話に出ましたファンド等の部分ですけれども、ベンチャーキャピタルなどに対して出資する個人、個人の話にまたなってしまいますけれども、エンジェルというのが非常にベンチャー育成に重要な役割を果たしているわけでありまして、こういう方はまさに目利きでありまして、下手な機関投資家よりもよほど詳しいというケースもありますし、それから中小企業のレベルでもテクノロジーの情報収集をしたいといったような目的でベンチャーキャピタルに投資する、出資するというケースもあります。そういう方々にとってはいろいろなハードルというのは低い方がいいと思います。

それから、資料にありました日本の各法律ごとのプロの区別を見ていますと、証取法、金融先物取引法においては、非常に法人のハードルが高いのですけれども、商品ファンド、不動産特定共同事業法におきましては資本金5億円以上となっているだけということでありまして、今後幅広い法律を目指すのであればこういう相違を踏まえながら柔軟に考えていくということは大事だと思います。例えば商品取引、これがどこまで入るかわかりませんけれども、その商品を実際事業として扱っているような中小企業にとっては、中小企業であってもそういう方々はそういう商品に対して大変なプロなわけでありますから、そういう人たちはプロとして扱われるとか、そういった考え方もあるのではないかと思います。

○神田部会長

ありがとうございます。

そろそろこの問題はある程度まとめなければいけないのですけれども、どうしましょうか。私自身まとまらなくて、事務局が用意して頂いた紙を私も見せて頂いて、よく考えられているなと思ったのですけれども、今日ご意見を伺っていますと、対立と言うとちょっと大げさなのですけれども、ご意見に差が存在していることはやはり否定できないように思います。ですからもう少し詰めることは可能というか、もう少し詰めて考えた方がいいようには思うのですけれども、ちょっとポイントと思われますのは、基本認識のところで、先ほどのリソース問題のご指摘もありましたけれども、これは引き続きエンフォースメント等も含めての課題、自主規制機関も含めてですけれども、そういうことで重要な点として認識はさせて頂きたいと思います。その点をしばらく置きますと、当然のことですけれども、第一部会は貯蓄から投資への流れを後押しするという流れの中でご議論をお願いしているわけです。

そういう中でこの分野をどう考えるかというのはこれも田中直毅委員がおっしゃったことに結局尽きるのだと思うのですけれども、高度先端医療は外国へ行ってくださいと。ですから高度な資本市場や金融商品の提供は外国へ行ってくださいというのを政策にするというのはちょっと悲しいので、やはりまだ世界でナンバーワンはちょっと無理かもしれませんけれども、やはり相当程度の資本市場ないし証券市場をこれから目指していくのだというつもりで少なくともやるはずですので、そうだとしますと、これは田中直毅委員がおっしゃったことですけれども、やはり皆同じというやり方をしてきているものですから競争がない。こういうところを変えていかなければいけないということだと思うのです。

そうなりますと、2分類か3分類かという論点1につきましては、私の個人的な感触では先ほど池尾委員の言葉をおかりすると、原理的には2分類という結論は恐らくこの部会ではとりにくいと思うのです。ただ、それは上柳委員がおっしゃった趣旨を否定するわけではありません。今いらっしゃらないのであれですけれども。要するに、プロはプロです、アマはアマですというともうどこへ線を引くかというのは非常に難しい問題ですけれども、およそ動かせない線引きということではリジット過ぎて、いかなるメッセージも発しません。

ただ、問題は中間層というか、そういう意味では私は3分類だと思うのですけれども、原委員や上柳委員がおっしゃったことというのは、3分類の中で実現可能だと思います。上柳委員がおっしゃっていることは私の理解では次の論点2になりますけれども、事務局のマル2マル3のうちの、マル2マル3の中間になりますけれども、マル3の移行の仕方が一律ではなくて個別だということをおっしゃっているのだと私は理解したのですけれども、それは必ずしも一律である必要はないので、そこはもうちょっと詰めていろいろな解決が考えられるように思います。

原委員がおっしゃっているのは、一番重要なことは私はどちらかというと実態認識だと思うのです。まだ現在の実態では個人でマル3で移行をする、これはあくまで個人がイエスと言った場合だけなのですけれども、そういう制度すらまだ導入する機が熟していないのではないかと、恐らくそういうご認識だと思うのですけれども、よく私にもわかりませんけれども、原委員がおっしゃった最後の方で訴訟にまでなっているというのは私は健全な証拠だと思いますし、不満がある場合にはその不満をどう解決するかという問題がありますけれども、それからからまた例えば3億円か1億円か5億円かという話がありましたけれども、少なくともパーセンテージを見る限りはアメリカと同等、人口の差もありますけれども、相当個人では富裕層の方がいらっしゃる。

また、3億円や5億円というところでも恐らく株式をやっておられる方というのは結構いらっしゃるのではないかと思います。ただ、そういう方に不満がないかどうかというのはまた別の話なので、非常に難しいとは思いますけれども、そこをもう少し細かく詰めることは可能なように思います。既に皆様方からお出し頂いたとおりですけれども、単に資産規模ではなくてそれはどういう金融資産なのか、これは冒頭田中委員がおっしゃったことですけれども、投資商品の規模、あるいはやはり一律ではなくて上柳委員がおっしゃったように商品分類に応じてもう少しきめ細かなルール。あまり細かくし過ぎるとまたいけないかもしれませんけれども。投資経験というものを重んじる。ただ、年齢で切るわけにはいきませんので、高齢者はノーとかいう基準はとり得ないと思います。

あるいは私が感じていることですけれども、やはり一定期間というのですか、アマからプロになりますというふうに本人が納得しても、それをオプトアウトと言うのかオプトインと言うのかわかりませんけれども、その有効期間というのですか、最初のうちは慎重に6カ月ごとにそれをやり直すとか、これは原委員がおっしゃったことを要するに申し上げていることです。この段階ではやめて10年後に今の若い世代の方が育ってからにしましょうではちょっと日本の資本市場は死んでしまうのではないかと思うものですから、今やるけれども、慎重にやるというやり方が何か工夫できないかなと感じます。

したがって、基本のところはマル3についてはまた事務局の案をベースにしながら、しかし原委員や上柳委員、そのほかにもご指摘頂きましたけれども、ご指摘の趣旨を盛り込んでいけないかというようなことが感想として感じます。

それからもう1点、法人ですけれども、これは檀野委員もおっしゃったとおりだと私も思っていますし、それから淵田委員からもご指摘がありました。それから、市川オブザーバーからも若干のご指摘あったと思いますけれども、これは法人の方はもうちょっと簡単という言い方は変ですけれども、プロからアマはいいのですけれども、アマからプロへ移行なのですけれども、移行期には今回の恐らく投資サービス法制というのは横断化ということと柔構造化という2つがキャッチフレーズになっていると思いますが、横断化することによってここでいう形式的にはアマに入るけれども、プロに移行可能ですという形に入るものについては、今檀野委員がおっしゃったことだと思うのですけれども、既にプロになっている、2分類のルールの中でプロになっていて問題がない者については、マル3のアマからプロへの、表現がうまく言えませんが、同意という言葉を使わせて頂きます。あるいはオプトインなのか、オプトアウトともいえますけれども、というものはある程度みなしていいと思うのです。ですから、その辺は制度的な工夫でかなり細かい技術的な問題もあると思いますので、その問題が現在で言えば事務局からのたたき台で対応できるように思いますので、その辺のテクニックはさらに工夫して頂ければというふうに感じます。

以上、私の感想にすぎないので、原委員と上柳委員のご感想を伺いたかったのですが、上柳委員がおられないので、原委員、どうぞ。

○原委員

恐縮です。神田先生の取りまとめの後にまた発言するというのは大変面はゆいところがありますけれども、本人が希望しているのにその道を閉ざすのかと言われると、憲法の思想、信条の自由みたいに抵触してしまうかなと思いながらお話を聞いていたのですが、もしも3分類、個人のアマがプロになる道を開くのであれば3つ、検討を尽くして頂きたいと思います。

それはやはりハードルの設け方、メルクマールの設け方をもう少し明確な基準で示して頂きたい。

それから2つ目が、アマからプロになるところの立証責任、それは個人が負うのか、それとも事業者が負うのか。

それから3つ目が、金融消費者教育です。中間整理ではその他のところに分類されていましたが、これは私は総則のところに持ってくるべきだと考えておりますし、同様に金融事業者の教育というのでしょうか、これも大変重要だと思っておりますので、この3点については検討を尽くして頂きたいと思います。

○神田部会長

これは事務局への質問なのですけれども、これはいろいろな見方があると思うのですけれども、市川さんがおっしゃった点で、アマがプロになるのを選ぶという意思表示は何か中央集中的に、例えば所管官庁に出すのか、あるいは業者に出せば、今原委員がおっしゃったように立証責任の問題があるのですけれども、業者はそれをレコードキーピングというか、10年間か何か保存するという、どっちのイメージなのですか。いろいろなつくり方があるとは思いますが。

○三井市場課長

現時点ではオープンです。開示の局面で今、証券取引法にある制度として金融庁長官に届け出て公衆縦覧されてしまうという制度があるというだけですが、最初に申し上げましたように4つの局面、あるいは3つの局面かもしれませんが、局面が異なっていまして、それぞれの局面において違ったハードルを設けることも可能ですし、手続を変えることも可能です。そこはぜひご議論頂きたいところですし、ご意見があればぜひお寄せ頂きたいと思います。

○神田部会長

その点今日は時間がないので詰められないと思いますけれども、販売・勧誘の場合には業者に申し出て、それを今原委員がおっしゃる立証責任も非常に重要ですけれども、原則は恐らく業者側ですよね。ですけれども、それを業者の方でレコードを、記録を保存しておく。ただ、外へは出さないというのももちろん十分あり得る選択肢のように思います。今日はちょっとその点は議論できませんけれども。

それでは、私は取りまとめるつもりはありませんで、ちょっと感想を申し上げただけですので、今日ここでまさか多数決とるわけにはちょっといかないと思いますので、プロ・アマ問題というのは非常に重要ですし、これは日本の証券市場の将来にとって非常に重要なことだと思いますので、やはりここで少なくともメッセージ性のある法制度というのに仕組みを変える必要があると思います。ですから実際は慎重な運用ということで、池尾委員がおっしゃったほとんどなくていいかどうかちょっとともかくとして、そういうところからだんだん様子を見ながらということで思いますけれども、少なくとも仕組みとしては変える方向を志向し、それは現在の事務局が出しておられるたたき台ですけれども、その具体的な設計については原委員を初めとして原則2分類だとおっしゃった方々からの指摘というのを受けとめて、そういう形での設計を目指して次の段階での案に、もうちょっともしできれば詰めたものを出して頂くということにさせて頂くということでいかがでしょうか、よろしゅうございますでしょうか。

いろいろまだあろうかと思いますけれども、また追加的なご意見等はこの部会の後で個別にお寄せ頂ければと思います。そういうことで先へ進ませて頂きたいと思います。

論点3は今日は入れませんでしたけれども、今のオプトアウトの意思表示と同じにまたご意見があれば論点3につきましても部会の外でお出し頂ければと思います。どうも大変多数の意見を、しかも前向きの意見をお出し頂きまして、ありがとうございました。

それでは、残りの時間で自主規制機関につきましてご議論を頂きたいと思います。

まず、事務局からのご説明をお願いします。

○三井市場課長

それでは、お配りしております資料のうち資料2のという縦長の紙と、それから先ほどと同様、資料2-1、2-2、2-3、こういうものを両方行ったり来たりしながらご説明させて頂きます。

まず、縦長の資料2、自主規制の機関についてからまいります。

中間整理における指摘です。四角の中で3つ書いてありますが、うち1つ目、2つ目です。

「自主規制機関のあり方や機能については、現在、個別の業法毎に差異が認められるが、根拠規定は投資サービス法とし、自主規制機関としての性格を最も強く有する証券業協会と同等の機能を各機関が有することとすることにより、自主規制機関の機能強化を図るべきである」というのが第1点目。

それから2つ目「自主規制の実効性を高め、投資家が安心して市場に参加できるようにするため、事業者規制機関への加入義務付けについて検討を行うべきである」。

3つ目「NYSEは上場に向け、自主規制部門を独立性の高い非営利法人として切り離すとの発表を行った。このような国際的な流れも踏まえ、日本における自主規制機関のあり方について引き続き検討を進めるべきである」ということで、今回投資サービス法、投資商品の横断化との関係で上の2つにつきまして各個別論点を以下、掲げております。その前提といたしまして、資料横長の2-1から2-4をごく簡単にピックアップしてご説明いたします。

2-1ですが、個別項目の説明は省略いたします。これは今法律上、自主規制機関として規定があるものについて掲げております。証券取引法において証券業協会などの定めがあるとか、金融先物取引法において金融先物取引業協会の定めがある、こういったものです。規定ありというのは法律上にこういうものを仮に設立した場合にはこういう規制がかかるよという規定があるということであります。したがいまして、規定があるからといって法律上設立を強制しているわけでもありませんし、いずれも強制加入の義務づけはございません。

また、この表の右2つのように現に協会が存在しないというケースもございます。

それから、法律上こういう定めを置かなければいけないとか、こういうことをしなければいけないと書いてあるケース以外に、例えば真ん中辺ですけれども、例えば会員への制裁の投資信託協会や投資顧問業協会のように法律上の規定はないのですが、自主的に定款で定めてそういうことができるようにしているという団体もあるということでございます。

それから資料2-2、加入率の方をご覧頂きたいと思います。

日本証券業協会からですけれども、証券会社については実態としてはほぼ100%加入しているという状況であります。98.57ということで、100を切っているのは新規登録業者であります。その法律上の加入の義務づけはございませんので確たることを申し上げるわけにはいけないのですけれども、これはどちらかというと役所の登録を受けてから加入までの摩擦的な状況ととらまえていいのではないかと思います。

片や登録金融機関については中小、特に共同組織金融機関の小さいところを加入していないところが多く見受けられます。聞いてみると、実態としてもあまり有価証券、国債等の勧誘などを積極的に行っていないところが多いと聞いております。

それから、金融先物取引業協会。これは先般法改正をして規制対象に取り込みました外為証拠金取引業者というのはまだ入っておりません。12月以降それらが施行されて業としてこの協会に入ってくるかどうかということが今後問題になります。

投資信託協会、それから投資顧問業協会の投資一任については先ほど申し上げましたのと同様、この100に足りない部分というのがやや摩擦的な要素があるところであります。投資助言はご覧のとおりさほど高い加入ではありません。

それから2-3、これは名称規制について掲げております。

現状はそれぞれの自主規制団体について、例えば証券業協会あるいは金融先物取引業協会、それぞれそういう名前の中、名称をこういうふうに使えとか、あるいは類似するものをそうでない人が使ってはいけないとか、こういう規制があるということであります。これは後ほど論点のところで、これについて再度戻ります。

さらに1枚めくって頂きまして、資料2-4です。

主要国G5の自主規制機関の法律上の仕組みですが、アメリカについてはNASD Regulation Inc.というのとDispute Resolution Inc.というのがあって、それぞれここにありますような権限を行使しております。片方、イギリス、ドイツ、フランス、これはアメリカもそうですが、業界の自主的な活動団体はございますけれども、セルフ・レギュレーター、自主規制機関として法律上の定めがあって、その法律上の根拠を有する一種公的な権能、権限を持っているというものではありません。

それから1枚めくって頂きまして、IOSCO、証券監督者国際機構ですが、ここではむしろ自主規制を用いるというアメリカ型がスタンダードになっています。ご覧頂きますように自主規制機関というのを適切に活用するとか、規制当局の監督下にあるべきであって、その権限、委任された責務、この委任された責務ということなので公的な責務なのですが、責務の遂行に当たって公正性と秘密保持に係る基準を遵守すべきだということがあります。

ここの英文もつけています。英文については説明を省きますが、中に例えば日本の証券業協会などのあるようなエンフォースメント、制裁であるとか規則、レギュレーションの定める権限等々のことが述べられております。

以上が横長の資料で、今度はまた縦長の資料に戻らせて頂きます。

四角の囲みの下、検討にあたっての考え方、下半分からであります。

論点。これは前回も申し上げましたが、各業法上の自主規制機関の機能の同等性をどのように確保するのか。

それから論点2で、自主規制機関への加入義務づけについてどう考えるのか、あるいはどのように実施するのか。

それから3番目ですが、仮に自主規制機関が設立されない業態がある場合、苦情解決、あっせん業務等の業態横断的な取り組みを進めるに当たってどのような方向で考えられるかということであります。

1枚おめくり頂きまして2ページ目、自主規制機関に付与すべき機能という論点1であります。

現行の各自主規制機関の機能にはご覧頂きましたように差異があるわけですが、中間整理の指摘にありますように証券業協会とのバランスで同等性を確保するという観点から、例えばここに・で6つぐらい掲げられていますが、規則制定権であるとか、あるいは法令や自主規制機関の規則についての会員の遵守状況の調査であるとか、あるいは規則への違反があった場合への会員への制裁、エンフォースメントである、あるいは4つ目で苦情の解決に向けた対応であるとか、あるいは会員の行う取引に関する争いについてのあっせんであるとか、あるいはまた別のことですが、仮に今証券外務員という制度が行政庁から委任を受けて証券業協会で諸事務を行っておりますが、こういった事務についてどう考えるか、こういった機能が例えば考えられるかと存じます。

次、論点1の続きでございますが、自主規制機関の業務の適正確保ということで、仮にこのような例えば規則の制定であるとか会員への制裁といったことについて行政庁による監督規定、これは現在の自主規制機関、法律上の定めのある自主規制機関について定められているような、下記にあるような立入検査、監督命令あるいは認可法人形態をとらない自主規制機関についての業務規定についての認可制度などが考えられると思いますが、いかがでしょうかということであります。

それから(4)の自主規制機関への加入の義務づけの有無であります論点2になります。

これは前回までの議論、あるいは中間整理に至るまでの議論を整理しますとこのようになるのではないかと思います。自主規制機関の役割を十分に発揮するということからしますと、規則を破ったら除名されるということなので、入らなければ規則もないということになりますから、加入の義務づけをしないと実効性が上がらないではないか、こういう議論があったかと思います。

他方、今度は会員や業者に対する片面的な拘束力のある紛争解決手続、すなわちこの自主規制機関が苦情処理、紛争解決を仲裁をしたという場合に、不満のある業者は裁判所に出訴できない、けれども、消費者は出訴できるという片面的な裁判に訴える権利のような制度を組み立てるためには加入を義務づけると無理なので任意加入とすべきではないかというご指摘がある。

あるいは、そもそも自主規制機能の本質論として、本来自主的に設立されるものではないかというご議論。

それから加入を義務づけるとコストの問題があるので、任意にすべきではないかというご指摘などがございました。

ということで、これは試論でございますが、例えば法的には加入を義務づけるということでなく、規制の実効性を確保するために自主規制機関に加入しない業者に対しては、自主規制機関の規則を考慮した社内規則の作成遵守を求めるといった仕組み、これは実は現在証券業協会非加入の証券会社の義務として、証券取引法第61条に掲げておりますが、こういった仕組みなどが考えられるが、いかがでしょうかということでございます。

それから(5)投資(金融)商品に関する苦情解決・あっせん業務の業態横断的な取り組みでございます。

仮に自主規制機関が設立されない業態がある場合、苦情解決・あっせん業務の業態横断的な取り組みを進めるに当たってどのような方策が考えられるかということであります。これも試論でございますが、例えば自主規制機関以外の民間団体がその構成員たる業者等に関する苦情解決・あっせんという業務を行う場合に、行政がこれを認定すること等によりその民間団体の業務の信頼性を確保してそれらの団体の自主的な取り組みを通じた苦情解決・あっせんの推進を図る枠組みを整備してみてはどうかということです。

この心は、認定というのは許認可でございませんで、認定を受けなくても、いかなる団体も、任意に苦情、紛争の仲裁、あっせんができるわけですけれども、例えば適正手続であるとか、手続の中立性、公正性というものについて一定のスタンダードを定めましてそれをクリアしているようなものについて一種の思惑というか、認定というか、交渉というか、そういったことで消費者が使いやすい、安心して使えるような仕組みを整備してはどうかということでございます。

それから(6)協会の名称規制。

現在、各業法では先ほどの資料のように名称規制がされていますが、従来と異なりまして業態を超えた多様な業者が対象となり得るような投資サービス法上の自主規制団体について、現状の機関も含めてすべて投資サービス協会という名前にしろと変更するとかというのがなかなか難しいのではないか、あるいは場合によっては一つでなければならない必然性がなくて、自主的に実態の異なる団体の並立を認めるということになりますと、名称の強制使用の規制はなかなかできないかもしれない。

他方で、もちろん消費者がその正当な法律上の自主規制団体とそうでない闇の詐欺的な団体の区別はつくように何らかの方策を考える必要がありますが、それは別としてそういう名称の利用強制はしないということが考えられればいかがなものかということでございます。

以上です。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

それでは、残りの時間でこの自主規制機関について今ご説明頂いたところにつきましてご質問、ご意見を頂きたいと思います。いかがでしょうか。

木村委員、どうぞ。

○木村委員

専門家の委員の先生方の意見を拝聴していますとだんだん、物言えば唇寒しというような状況に陥ってしまいますので最初にお話しをさせて頂きたいと思いますけれども、この自主規制機関に付与すべき機能という論点1の6点ございますけれども、これは極めて現実的で効果的な路線だと思います。

ただ、今も存在をしますさまざまな組織をそのまま存続させた場合に、規制が複雑になり過ぎはしないかとか、あるいは協会の名称規制は設けないということが(6)で記載をされておりますけれども、一般の個人客から見てわかりやすいものであるのかどうか、あるいは透明度の高い組織なり運営規則ができるかどうかといったところが私どもの関心事でございます。

それから、(3)の自主規制機関の業務の適正確保ということで、これまでの議論の中でも金融庁の人員増とか、指標行政体制の強化については私どもとしてもそうあるべきだということで支持をしてきておるのですが、昨今の公務員削減等のあらがえない流れもありますし、あるいは金融改革プログラムでは行政の裁量を極力排して透明性、あるいは予測可能性を高めて官ではなくて民の力で金融の活力を向上させるという方向も示しているわけなので、そういう中で自主規制機関をどう考えて、そのためにどこまで行政庁が関与するのかと。その意味でこの3つの監督規定が妥当なのかどうか、私もそこら辺実際のところよくわかりませんけれども、十分吟味して頂きたい。多分その中身が問題になってくるのではないかなと思います。

それから、今のお話ですけれども、エンフォースメントの話もありましたけれども、費用対効果だとかあるいは事業者、一般の消費者、利用者にとってもわかりやすいものにしなければいけない。それで今説明をいたしておりますのは行政と自主規制機関のあるべき役割分担、その役割分担についてもう少し細かいところをはっきりさせないとなかなかこれだけでは判断ができないということがあります。

以上です。

○神田部会長

ありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。

淵田委員、どうぞ。

○淵田委員

私は中間整理の指摘のところで証券業協会と同等の機能を各機関が有することとすることにより、とあったところが前から気になっていまして、これは何かこのイメージですとやはりたくさん自主規制機関がこれからできてしまうのかなという感じを受けるのです。それを前提に議論が組み立てられているような思いがありまして、包括的・横断的な法制を目指すわけですから、必ずしも今のマーケット、あるいは取引ごとに自主規制機関ができるようなことは想定する必要はないのかな。むしろ統合みたいなことも考えてもいいのかなという感じを受けております。

といいますのも、これはあくまで感触でありますけれども、規制というのは非常にエコノミーズ・オブ・スケールも、それからスコープも働く分野ではないかと思いまして、例えば紛争、あっせんなど一つとっても、1人の方がいろいろな金融商品を組み合わせて取引していて、それが全体としては問題になっているというようなこともあるかもしれません。規制機関がいろいろ分かれていて、紛争処理の機関もいろいろ分かれていると非常にこういう場合問題があると思いますし、それから検査の機能などでもいろいろな自主規制機関の方が入れかわり立ちかわり業者のところに立ち入るといったようなこともコストだと思うわけです。ですから、もしかしたら一部の機能だけかもしれませんけれども、横断的な枠組みというのも同時に考えてもいいのではないかなと思っております。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。それでは今松委員、どうぞ。

○今松委員

基本的にというか事務局の取りまとめの方向でいいというか、賛成いたします。やはり基本的に自主規制機関自体がどこまで今機能しているかというところが重要だろうと思いまして、やはりないというところの実態というものは義務づけするかどうか、あるいはするところを含めてなのですけれども、少なくとも実態としてすべて何らかの形でそこに箍がはまるという仕組み、ここは重要だろうと思います。つまり、自主規制機関自体がADRとしての機能というものをしっかりした形で果たすという仕組み、そこがやはり十分に今あるかというと、やはりそこのところは実態としてないだろう。そうすると、そこをそれなりのエンフォースする形のものが必要だろうというところ、そこは重要だろうと思います。

それと、中間支援のところの3つ目の国際的なNYSE等々の関連で非営利法人というか、ここのところをどうするのか。今回論点のところに挙がっておりませんけれども、国際的な流れをこれから先どう踏まえていくのかというところ、これは次の段階として検討して頂ければと思います。やはりそれ自体が業界団体と一体化した場合の問題点、ここは今出ましたような、では実態としてそういう一つの組織としてつくっていくのかというところ、ただそれは現実難しいだろうと思いますけれども、ではこれから先の議論の中でそういう国際的な流れの中での自主規制機関の位置づけというものも少し明確にしていく必要があるだろうと思います。

○神田部会長

ありがとうございました。

池尾委員、どうぞ。

○池尾委員

たびたび申しわけありません。議論もう既に出ていたと思いますが、自主規制機関というのの位置づけの仕方をどう考えるかという問題がやはりあると思うのです。金融庁の規制があって、それから業者自身のコンプライアンスの体制みたいなの当然あり得るわけですよね。その中間に自主規制があるわけでして、中間という場合に要するに業者自身に近いところの中間もあり得れば、公的な規制の方に近い中間もあり得るわけです。

ちょっと言い方を変えますと、金融庁の規制とかはアウトサイドのモニタリングだとしますよね、業者自身のインサイドのモニタリングというのがあるとすると、自主規制機関というのはインサイドモニター的な性格のものなのか、アウトサイドモニター的な性格のものなのか、中間だから両方あるのでしょうけれども、どちらの色彩が強いものとして考えて制度設計をし、考えていくのかという問題がやはりあると思うのです。

というのは、インサイドに近いということにもメリットがあるわけです。それは細かな情報がいろいろと手に入って、したがってきめ細かいアウトサイドモニターとは違うきめ細かい対応ができるというメリットがあるわけですし、逆にただインサイドに近いとキャプチャーされてしまって客観性が失われてしまう危険性というのがあって、ある程度距離があるアウトサイダーであることが必要だという面と、そこはトレードオフですから、制度設計として一律にこうだという最適解があるわけではなくて、どの辺に位置づけるものとして考えていくかということは利用判断しなければいけないと思うのです。非常に、例えばアウトサイダーモニター的なものとして考えて、そうするともう横断的な一つの組織でいいということになれば、それはイギリスのFSAみたいにどうしても金融庁に統合してしまわないのだという話にある意味ではなりかねないわけですし、非常に業界ごとの特徴の違いみたいなのを踏まえてきめ細かい組織として設けるのだということになれば、やはりある程度分立した一つではなくて複数の協会という話になると思うので、その辺、中間があった方がいいということは大まかに合意できると思いますが、中間の性質づけについて、やはりちょっともう少し合意をしておかないとイメージが違うのではないかと思います。

○神田部会長

どうも重要な点のご指摘ありがとうございます。

原委員、どうぞ。

○原委員

今、池尾委員がおっしゃられた点は私も同様に思っていて、今回の提出されたペーパーは自主規制機関イコール業界団体というかそういう形でちょっと提案をされているので、自主規制機関そのものをどう考えるかという議論が必要だと思っておりました。池尾先生がとても丁寧に発言をして頂いたので、私もやはりそこの点を十分尽くして頂きたいと思っております。

それから、論点に沿ってなのですけれども、論点1で書かれている業務の適正確保というところでは、私としてはやはり行政庁の監督規定は必要だと。ただ、内容的にはどういったものかもう少し具体化したものはちょっと見させて頂きたいと思っております。

それから論点2のところの加入義務づけなのですが、これは前回もちょっと私発言をいたしましたけれども、消費者グループの金融オンブズネットでここはどう考えるのかというところは大変苦慮したところで、最後まで加入を義務づける方をとるか、それとも加入は任意として片面的拘束力を持つということをとるのかというところでは、最終的にはこれが最善という形ではなくて、非常に議論もいろいろと分かれたところです。できれば加入率はほとんど100%に近いものであって、そこで出された苦情とか紛争解決の部分については、事業者は片面的拘束力を持つぐらい自主的な結果尊重をして頂きたいというのが私どもの方の消費者グループとしての真意というのでしょうか、意見ということになりますので、できるだけ加入義務づけがとられ、そこで出された結果については尊重されるような制度設計でお願いしたいと思っております。

それから、論点3のところなのですが、論点3については自主規制機関が設立されない業態がある場合ということですが、司法制度改革推進本部でADR検討会に所属をして検討してきたメンバーの一員だったので、検討してきた感覚から考えると、医療と金融は非常に専門性が高い、そして無体物というところが紛争の解決に必要難しさというのを感じていて、にわかにこういった任意のADRが出てくるとはちょっと考えにくくて、やはりここの部分については行政がある程度、しばらくは保管をするというような体制をとられた方がいいのではないかと思っております。

それから、協会の名称規制については、これはちょっと慎重に検討すべき課題だと思っております。

最後なのですが、前回、金融商品販売法を検討する仮定で、苦情とか紛争解決のあり方をどういう仕組みとして組み立てるかということはちょうど検討不十分というところで持ち越しになって今の金融トラブル連絡調整協議会という仕組みが設けられてもう5年が経過をしているというところになります。

先ほど淵田委員がおっしゃられたところとも重なるのですが、自主規制機関イコール業界団体ではなくて、業界団体がやっている業務をもう少し中を分けて頂いてルールをつくったりするという機能も持っていらっしゃるし、こういった苦情紛争解決をやる機能については、金融トラブル連絡調整協議会で5年間かけて各事業者団体が全部所属をしていろいろ意見交換をしながら紛争解決のモデルもつくりながら統一感を持たせる方向を出そうとしておりますので、私としては苦情紛争解決のところについては横断的な、包括的な自主規制機関というものが将来的には設けられる方向で検討をしていって頂きたいと思います。ですから、今回提案されている業界団体というものの機能、中を分けて苦情紛争については横断的、包括的な自主規制機関という構想があるのではないかと思っておりますので、検討を尽くして頂きたいと思っております。

以上です。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

それではどうぞ、檀野委員。

○檀野委員

またまた不動産証券化市場の実態でこの自主規制機関とそれから加入義務づけについてちょっとお話をさせて頂きたいのですけれども。特に論点2の加入義務づけのところなのですけれども、先ほどもお話ししましたように不動産証券化の今一番市場が大きいのは例のYKTKスキームなのでございますけれども、ここでプレーしているいろいろな業者が今度不動産投資サービス業者としての扱いを受けるという形になりますと、ほとんどがプロ・プロのプロ同士の取引をやっておると、そういう市場の中で本当にここに書かれているような自主規制機関に加入する必要性があるのかどうかといったところについて少し疑問を持っておりまして、またこういったところに加入すればコストがかかるということで、それが本当にプロの投資家が逆に業者に対して望んでおることなのかどうかといったことについても少し疑念があるということでございますので、こういった形態で投資サービス業に参入してくる業者については加入義務づけというところについては適当ではないと、任意の加入という形の方が適当であろうと考えております。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

どうぞ。

○翁委員

自主規制機関の業務の適正化、論点1なのですけれども、行政庁との関係ということに関して、先ほど池尾先生もちょっとご指摘になられたことと関連しますけれども、行政庁との代替関係なのか、それとも補完的な関係なのか、そういったことの位置づけについてもう少し議論していく必要があるなと思います。

それで、業務の適正確保という観点を市場から信頼される設計にどうしていくのかということをやはり考えていく必要があると思いますし、そのためには恐らくこういった行政庁による監督規定ということだけでなくて、どういった自主規制機関自体の設計やガバナンスの仕方がなされているかということが非常に重要になってくるのではないかと思います。

それから、また全体として効果的でかつ効率的な規制にしていくためには、どういう役割分担が行政庁との間で必要なのかということに関しても少し検討していく必要があると思います。

それから、自主規制機関に付与すべき機能ということに関しましては、多くの方がおっしゃっているとおりできるだけ商品間の差異がないような形で商品ごとの違いのない横断的なスムースレスの規制を設計するような方向を目指してさまざまな自主規制機関の機能を検討していくということが必要ではないかと思っています。

○貝塚金融審議会会長

私の個人的な意見ですが、やはり基本的な金融庁の現在の規制と自主規制がどういう関係にあるのかをはっきりさせておく必要があって、要するに個々の自主規制機関が金融庁がやっている規制のある部分を授権を受けてやるか否かというところが、授権を受けるならば強制的なものですからすべての業者が入るべきであるしそうでなければある種の任意団体で、少しそこの現在の金融庁の規制で金融庁の人手が足りないからと言うとちょっとあれですが、要するに一部分授権するということであれば、おのずから自主規制機関は性格が変わってくるので、その辺の検討は簡単に言えば業者、あるいは業界も単なる団体であるというもの以上のものがあるかどうかというあたりが規制上非常に重要ではないかとちょっと思っているところでございます。

○神田部会長

どうもありがとうございました。

渡辺委員、見えなくてどうも大変失礼しました。

○渡辺委員

先ほどの池尾委員、それから翁委員の問題提起といいますか、今貝塚先生からも同じ問題ですけれども、行政と自主規制機関の関係ないしはアウトサイドモニターというのですか、それとインサイドモニターの関係。たまたま自主規制機関のそういう関係の仕事をしておりますのでちょっと感想めいたことを申し上げたいと思うのですけれども、そもそもご承知の方が多いと思いますが、証券業協会の自主規制機能というのは平成3年でしたか、最初の証券スキャンダルが起こったときに当時の大蔵省証券局の通達というものを証券業協会のルールとしたというところから淵源があるわけでございまして、明らかに行政庁のある種の下部的な、アウトサイドモニタリング的な機能は間違いなく持っている。ただ、それだけでは当然ありませんで、例えば登録をして協会に加入するというときには、その会社の設立準備の段階からいろいろと関与、相談に乗りまして、例えば社内のコンプライアンス体制の整備とかそういったことについて非常にきめ細やかな相談に乗るというような形で内在的ないしはインサイダーモニタリング的にできるだけ消費者利益を損なわないような形の営業体制というようなことをやるというような両面の活動がありまして、これはどちらか一つとか、二者択一的というより両方やっておるというのが実態であります。そのときに業者利益とそういうアウトサイドモニタリング、公益的なものとどういう関係で位置づけるべきかということでありますけれども、証券業協会ではご承知の方多いかもしれませんけれども、昨年7月から業界活動的なセクションと自主規制セクションというのを2つに分けまして、自主規制部門の方につきましては神田部会長にもお願いしているのですけれども、公益委員を相当程度お願いをいたしましてできるだけ業者のプレゼンスを薄めて、公益的な立場から意見の集約をするという体制をとっているということで、いろいろな要素を組み合わせた運営をしているという、これが実態であるということをご認識頂きたいというのが1点です。

それから、そういうことをやっているという観点からしますと、やはり一番気になりますのは、これが投資サービス法ができた暁の話で、どういうイメージになるか私もある種まないたの上のコイなのでわからないのですけれども、アウトサイダーとかエアポケットがたくさんできてしまうような制度設計というのはちょっとまずいのではないか。加入の義務づけというような法的手段できちんとやるのが一番いいのだと思いますけれども、それがなかなか難しいということであっても、アウトサイダーが好き放題やってきちっと自主規制ルールに服して協会のいろいろなコンプライアンス上の指導をきちっと聞いて営業して頂く方と、全然そういうことは関係なく勝手気ままにやっている方が同じ土俵でマーケットで活動するというのは極めてマーケット全体ないしは投資家保護上もマイナスである。したがって、そういうことのないような制度設計にして頂きたい。第2点、お願いであります。

以上です。

○神田部会長

ありがとうございました。

予定の時間は若干過ぎ始めておりますけれども、自主規制機関のあり方についてもしございましたら最後にお聞きしたいと思いますけれども、よろしゅうございますでしょうか。

上柳委員。

○上柳委員

1点だけ。いずれにしてもできるだけ統一的、あるいは横断的な方向を目指す必要があるということだけ申しておきたいと思います。

そういう建前から言うと、どちらかというと行政に近いようなことを私はイメージしておるのですけれども、ただ既存の自主規制機関でも証券業協会、あるいは投資サービス法の範囲に入ってこられるであろう商品先物取引なんかについてはかなり自主的な紛争解決の経験もありますので、そういうものを生かしながら、それが横に広がるような工夫を今回やるということではないかと思います。

以上です。

○神田部会長

ありがとうございました。

若干手短に私の理解を申し上げます。まとめにはならないと思いますけれども、感想を申し述べさせて頂きますと、基本的には木村委員その他からご注意はありましたのでそれは十分念頭に置かせて頂きたいと思いますけれども、事務局からのたたき台の線でいけそうな感じを受けます。

それで、原委員と今上柳委員もおっしゃったことにも関連しますけれども、もう既にこの部会では業界の利益を追求する協会団体という機能と自主規制の機能は別である。ですからこれは機能としては独立させなければいけない。組織としてどうするかという議論は別ですけれども、そういうのは指摘しておりまして、これは分離される。

問題は、業界の利益追求という意味での業界団体とは分離された意味での自主規制機能、これの中身が池尾委員がおっしゃり、翁委員がおっしゃり、渡辺委員がおっしゃり、そして貝塚先生もおっしゃったように2つあるのです。ですから歴史的にはむしろ業者が集まって自分たちで事故は未然防止するから国の介入は要りませんというのが自主規制だったのですけれども、他方、国の方がまさに小さな政府で、貝塚先生のおっしゃったとおりリソースもだんだん減少してきますので、その規制の一部を移譲するという面がやはり歴史的には出てきていて、両面あることは否定できないと思うのです。ですから、そこの考え方をもう少しここで議論できると本当はいいのですけれども、ちょっと多少ペーパーの上でも現在の金融庁の考え方でも、事務局の考え方でも多少示して頂いて、後の面が大きくなっていることは否定できないものですから、そうすると、ではやはり全員に適用しなければいけないじゃないでしょうか。義務づけられないとしても、ここの第61条のような手当てがやはり最低限必要でしょうというのは先ほど貝塚先生がおっしゃったようなところで出てくる話だと思うのです。

他方、檀野委員がおっしゃったようにどうせプロが相手であれば業者ルールはほとんど外れるのですということかもしれない。あるいは市場ルールが適応のない、つまり流通性の非常に低い商品もあるかもしれない。仮にそういうものだけを扱う業者であれば、今のような観点に立ったとしてもあまりほとんど必要ないですね。もともと政府の規制が必要ない部分ですから、移譲するものもないということになります。若干細かい問題はあると思うのですけれども、やはり池尾先生がおっしゃったことで言うと、両面があって最近はどうしても後者、つまり政府が権限を移譲しているというか、委ねている面がどうしても出てきているということではないかと思います。

最後にもう1点、統合問題については原委員がおっしゃるようにADRはいずれ統合という方向ですよね。これはすぐにはできませんが。ですから統合という方向を展望し、これは業界というか自主規制団体のレベルで統合なのか、あるいは外に何かできるのか、そういうことを展望しなければいけないと思いますけれども、前の方の淵田委員がおっしゃったことで自主規制団体自体が最初から例えば1つとか、あるいは統合というのが望ましいのは私もそのとおりだと思いますけれども、それは国や法律がそれを強制すべきかということが論点だと思います。ですから、それはマーケットというか私人の方で必要があれば自然にそれは起きると思われますので、もしそういうことであれば、現在のペーパーはそういう考え方だと思いますけれども、幾つかの団体というところから出発してそれらのもちろん統合も大変結構ですし、もし統合の方がよければそうなるであろうというルールメイキングとしてそういう発想で出発する。しかし、ADRについてはどちらかというと統合を展望した議論を今後進めていくという、そういう段差があっていいような感じがいたしますけれども。これは皆様方の意見を聞いての感想です。

そんなことで、今日お出し頂きました意見をさらに織り込んでより具体的な作業を進めさせて頂きたいと思います。

何か追加で最後に、相当時間を延長しておりますので申しわけありませんけれども、ございましたらお聞きしておきますけれども、よろしゅうございますでしょうか。

それでは今日も大変貴重なご意見を多数お出し頂きまして、ありがとうございました。さらに追加のご意見等ございましたら別途事務局、あるいは私までお出し頂ければありがたく存じます。

私の不手際で7分程度延長してしまいましたけれども、これまでとさせて頂き、この後、記者会見を行いまして、当部会の模様につきまして私からご報告させて頂きます。

最後に事務局の方からのご連絡をお願いいたします。

○三井市場課長

次回の第1部会でございますが、11月2日水曜日、午前10時から2時間程度の予定で開催させて頂きたいと思います。

追って議事内容とともに、開催通知でご連絡させて頂きますのでよろしくお願いします。

○神田部会長

それではこれで散会いたします。どうもありがとうございました。

午後12時10分閉会

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