金融審議会金融分科会第一部会(第14回)議事要旨

1. 日時:平成15年12月19日(金)10時00分~12時30分

2. 場所:中央合同庁舎4号館9階 金融庁特別会議室

3. 議題:

  • ○  銀行・証券の連携強化について
  • ○  第一部会報告書案について

4. 議事内容:

  • 永易委員、東邦銀行北村清士常務取締役、京都信用金庫増田寿幸常務理事及び事務局より「銀行・証券の連携強化について」について説明が行われた。
  • 事務局より「第一部会報告書案」について説明が行われた。
  • 事務局より「課徴金制度」について説明が行われた。
  • 事務局より「外国為替証拠金取引」について説明が行われた。

(主な発言は以下のとおり)

  • 銀行界としての考え方を申し上げる。昨年証券仲介業の導入を審議するに際して、弊害防止措置の必要性についても当然のことながら十分な検討が行われている。特に、証券仲介業以外の業務を営む場合には、当該業務により知り得た有価証券の発行体に対する情報を利用して勧誘する行為とか、貸し付けを条件に勧誘する行為などを禁止している。また、典型的な利益相反の事例として挙げられる倒産寸前の企業に債券を発行させ、調達した資金を銀行借り入れの返済に充当させるといった問題についても業態別子会社の検討の際に、弊害防止措置を手当てすることで対応済みであり、その枠組み自体は既に整備されていると理解している。

  • 地域の現状を見た場合、最前線としてお客さまの接点としての店舗数が証券会社の場合明らかに少ないといった実感がある。私ども地域金融機関の店舗ネットワーク、すなわち言い換えるならば、地域金融機関が有する地域のお客様との極めて高い親近性を、証券市場活性化策の新たなアクセスとして活用していただくということは、地方における新たな証券市場の開拓を目指す上で十分に有効性が認められるのではないかと考える。

  • 信用金庫は高齢者のメインバンクであるが、そういった保守的な層を担っている信用金庫に証券仲介業を解禁することには意義があると思う。店舗数以上に個人投資家育成に力を出せるのではないか。

  • 売買や委託取引の媒介ということと、募集売り出し私募の取り扱いというふうに、証券仲介業の行為形態毎に弊害の種類、影響も異なるものと考えられるので、金融持ち株会社傘下という視点と合わせて、証券仲介業の種類毎に整理して弊害の検証を行うべきではないか。

  • 銀行に証券仲介業を認めていくといった事前規制を緩和していくということであれば、既存の相乗り分野も含めて弊害防止措置の徹底に向けて新たな取り組みとか、あるいは何か新しい工夫というものはあり得ないのかどうかということを、検討する必要があるのではないか。

  • 流れとしては、証券会社に比較して銀行は明らかに多くの顧客口座を持っている。そういった個人との接点がある銀行に証券仲介業を認めることは、非常に意義があることだと思う。また、投資教育等の問題についても、銀行の窓口でフェイス・トゥ・フェイスの説明を行うことにより投資教育の効果が期待できるし、公開可能な貸出先企業を引受証券会社に紹介し市場に誘導するという意味からも、証券仲介業を銀行に認めていくこという方向性には賛成である。

  • 弊害防止措置を実効性のあるものとして構築できるのかどうかが一番重要な点だと思うが、従来から親子会社間の弊害防止措置はあったわけであるが、本体で兼業する場合に、それが同じような規定であっても、実際の執行の面でうまくいくのかが一つ問題となる。確かに、現行法でも証券会社は他業の兼業を認められており、他業で知り得た情報を利用して取引とか勧誘をしてはならないという規定はあるが、この規定は現在どのくらい執行されているのか、実効性があるのかということも検証した上で、十分自信があるという体制が整っているならば、銀行に証券仲介業を認めてもいいと思う。

  • 利益相反の可能性があるか、ないかという定性的な議論をすれば、それはあり得るという話になると思う。ただ、問題になっている証券仲介業を金融機関に認めた場合に起こり得る弊害の定量的な大きさというのを想像したときに、それによってもたらされるメリットの定量的な大きさをはるかに上回る弊害が生じるというふうな印象は、どう考えても得がたいところがある。弊害防止措置についても、コスト・ベネフィット・アナリシスで、とにかくネット・ベネフィットが大きいことをやるべきだと思っているので、定性的にゼロを目指して、非常にコストの高い措置がとられるとか、そういうことはやはり角を矯めて牛を殺すような話になりかねない。

以上

問い合わせ先

金融庁 総務企画局 市場課
電話 03(3506)6000 (内線 3614)
本議事要旨は暫定版であるため、今後修正があり得ます。

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