金融審議会金融分科会第一部会(第19回)議事要旨

1. 日時:平成16年6月23日(水)10時00分~12時30分

2. 場所:中央合同庁舎第4号館11階 共用第一特別会議室

3. 議題:

  • 「外国為替証拠金取引に関する規制のあり方について」第一部会報告(案)について

  • ディスクロージャー・ワーキング・グループからの報告

4. 議事内容:

  • 事務局から第一部会報告(案)「外国為替証拠金取引に関する規制のあり方について」説明がなされ部会として承認された。

  • ディスクロージャーワーキング・グループ座長及び事務局から「外国会社等の我が国における開示書類に係る制度上の整備・改善について」報告がなされ、部会報告として了承された。

  • 「外国為替証拠金取引に関する規制のあり方について」第一部会報告(案)についての主な意見は以下の通り。

    外国為替証拠金取引については被害も現実の問題になっており、緊急な対応が必要である。今回の報告(案)の方向性としては、外国為替証拠金取引について、商品そのものを規制するというアプローチではなく、不招請勧誘の禁止等の売り方に対する規制を従来以上のものにすることによって対応するというものである。

    外国為替証拠金取引が賭博ではないかという指摘もあるが、例えば金融機関が行っているデリバティブ取引も形式的には賭博罪の構成要件にあてはまりそうにも見える。しかし、刑法の専門家に聞くと、一般的に多くの人がそのような取引は経済的にもプラスであり合理性のある取引であると認識していればそのような社会通念のもとにおいて裁判所が賭博罪と判断する可能性はないのではということである。

    国民生活センターのデータによれば、外国為替証拠金取引のトラブルの大半が電話勧誘と訪問販売によるものである。イギリスには不招請勧誘の規定があるが、アメリカでも業者はドゥーノットコールリストに登録されているものには電話勧誘ができないというルールもある。今回外国為替証拠金取引について不招請勧誘行為を禁止を導入するというのは、日本だけの特異なアプローチではないのでぜひ実現していただきたい。

    投資家保護を求める立場からは、不招請勧誘の禁止に積極的な意見が出て、投資サービスの提供サイドからは、消極的な意見が出るという構図であるが、目先のことではなく投資サービス産業の長期的発展のためにどういう環境整備が必要なのかというスタンスで考えた場合には、投資サービスの提供サイドとしてもぜひ導入すべきだと考えるべきである。

    特に外国為替証拠金取引のような分野では、適合性の原則の実効性には疑問があるので、不招請勧誘の禁止は必要な措置であると考える。この点から考えると不招請勧誘は適合性原則を具体化したひとつのルールとも考えれる。

    外国為替証拠金取引については商品の広告が登場して半年後ぐらいから被害が消費者センターに寄せられている。また、三、四年前にEB債が問題になった時も、EB債の広告が一般紙に出るようになって半年後ぐらいから各地の消費者センターに相談が寄せられるという状況になっていた。今すぐにというのは難しいと思うが今後、このような金融広告の性格についても検討を深めていただきたい。

  • ディスクロージャー・ワーキング・グループからの報告「外国会社等の我が国における開示書類に係る制度上の整備・改善について」についての主な意見は以下のとおり。

    英文開示の問題は、英文による開示を認めることによって発行会社のコストを引き下げ、我が国の証券市場を利用するインセンティブを高めたいということから出てきたものであり、他方、投資者保護が損なわれては証券市場そのものにとってかえってマイナスとなるので、投資者保護を図りながら、いかにしてその英文開示を認めるかということを検討してきた。

    投資者保護上の措置として、誤認防止は絶対に必要なことだと思うが、英語か日本語かという誤認防止の問題と、本国基準か日本基準かということの誤認防止の問題の2つがあるのではないかと思う。

    ストックオプションの「募集」の判断に当たって、完全子会社以外の子会社の従業員、役員を人数基準の対象外とすることについては、子会社の従業員であっても、当該会社のことをどこまで理解しているかというようないろんなケースもあり、反対である。

    我が国の開示基準と本国の開示基準についての対照表については、投資家はルールの違いよりは、同じルールで会社を評価するという立場であるため、そういう意味でより充実してほしい。

    今回のこの英文開示は市場の国際化競争力の向上という目的に対しての手段ということであるが、英文開示以外に必要なインフラ、例えばここにあるようにクロスボーダーの決済システム等々を含めて、進めていただきたい。また、よりアジアなり、ターゲットをもう少しイメージした格好で、ぜひ具体的に進めていただきたい。

    「英文開示」について、こういう検討とか、こういう仕組みでやっていく方向になっているのだということを一般の消費者とか、一般の投資家に対して情報提供というか広報ということを、充実させていただきたい。

    何か困ったときがあって、英語について書かれているけれども確認をしたい場合に、日本語で回答が得られるよう、事業者側の自主的な努力としてお願いしたいと思う。

    取引所や協会で、(英文開示が行われているか否かが)きっちり区分がされるような仕組みというのは強調されるべきだと思う。

以上

問い合わせ先

金融庁 総務企画局 市場課
電話 03(3506)6000(内線3614)
本議事要旨は暫定版であるため、今後変更があり得ます。

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