金融審議会金融分科会第一部会(第26回)議事要旨

1. 日時:平成17年3月3日(火)10時00分~12時00分

2. 場所:中央合同庁舎4号館9階 金融庁特別会議室

3. 議題:

  • ○  証券取引法の見直しについて
  • ○  集団投資スキーム(ファンド)について(1)

4. 議事内容:

  • 事務局より「証券取引法の見直しについて」の説明。

    • 主な意見は以下のとおり、

    立会外取引制度について問題となるグレーゾーンのところを明確化するという方向性には賛成であるが、年金の代行返上のようなケースでは一時的に証券会社が保有して、それをまたすぐ売却をするという事例も多く見られる、このような取引やすでに規制の対象外になっている自己株取得については、実態面からみて規制の対象外にする必要性があると考える。

    ToSTNet-1についは、事前に取引がディスクローズされるわけでもないし一般株主が実際にその取引に参加できる可能性もほとんどない。株主の利益保護に反する取引が行われる可能性もあるので立法によって強制公開買付の対象とすべきである。また、同様の理由で自己株取得のための公開買付の場合もToSTNet-1のような形の取引については強制公開買付制度の対象にするべきである。立会外取引等は投資家の機関化によりそのニーズも多様化してきているのであらためて取引所制度自体のあり方を考える必要がある。

    ← 自己株式取得については、ToSTNet-1を使用して行うとインサイダーの問題もあることから、事前に買付けについて公開しながらToSTNet-2を使って行われる形が基本となっていると理解している。

    時間外取引について5%の場合を対象にすると、会社支配を目的としない取引も対象となってしまうのでその取扱いについては十分な検討をする必要があるのではないか。また、ToSTNet-2についても、一般的には時間優先であるが、一つの証券会社により売りと買いと同じ注文が入れられた場合には、自店優先になり当該証券会社の売りと買いが優先して突合されると聞いているので、取引が完全にオープンにされているとは言いがたい気がする。

    ←自己株取得のためのマーケットというのも立会外取引がそもそもスタートした大きな理由であるので、今回の法改正では基本的には自社以外の買付けによる場合で33%のものを手当てすることを基本的に考えていきたい。

    最近の企業の株主構成を見ていると、企業間で持ち合っている株の比率が減ってきて、外人の株主の比率が増えてきており、企業としても緊張感が高まってきている。現状のTOB制度では一般の事業会社の場合には5日間、金融機関や機関投資家の場合には、1ヶ月後にならないと結果がわからないのでこのような株主の動きがよりタイムリーに把握できるような仕組みを検討して頂きたい。

    立会所もないのに立会取引とか、あるいは夜間取引をやらせろという議論が高い中で時間内とか時間外という発想があったり、制度が現実の変化に追いついていない面があるといわざるを得ない。金融審としてもできるだけ後追いにならないように現行制度について根本の議論を深めていく必要がある。TOB規制に関しても、立会中におけるクロス取引オークション取引のPTSでの取引、海外で上場されている株について海外取引所での取引時間内の取引についての取扱いについて明確にしていく必要がある。

  • 事務局より「集団投資スキーム(ファンド)について」の説明。

    • 主な意見は以下のとおり、

    ヘッジファンドを組み入れたファンド・オブ・ファンズはすでに販売されているが、このようなものに対するディスクローズのあり方を早急に考えたほうがいいのではないか。その際にファンズの1つひとつのディスクローズがしっかり行われないと投資家保護という意味で障害が出てくる可能性がある。

    最近、匿名組合を利用したファンドが年利8%とか10%という高率の年利を表現して新聞広告などにも登場してきている、このようなファンドについても投資サービス法の規制の範囲に含めて頂きたい。ファンドの個別の審査まではあまり必要ではないと思うが、担保として事後的な監督とか調査、また、ディスクロージャーの充実も検討して頂きたい。

    私自身ずっとやってみたいと思っていたし、多くの人のニーズもあると思うのだが、例えば、インターネットのサイトに集まる人たちが、リーダーを決め働く女性の賢い目から健全な企業を選びみんなでディスカッションしながら選び投資していく。このような器で投資についてもみんなで学んでいくようなことが自由に行える法的な枠組みも検討すべきではないか。

    最近投資クラブというのが普及してきているが、投資クラブは、全員参加で投資判断がされなければならない。人数の制限はないが、全員参加という前提を考えると例えば10人あるいは20人というものになるのではないか。

    投資家の自己責任がことさらに強調されるが、実際に投資した金額が半分ぐらいになったりしていると、自己責任と言われる前に業者の受託者責任というものがどれほど果たされているのか疑問に感じる、業者の受託者責任については明確化されるべきである。

    規制の対象とするビークルの範囲を幅広いものにしていくということには賛成であるが、対象が広がりいろいろファンドが出てくると、トラブルが必ず起きてくるので行政の側において事後的にチェックできるようにファンドの届出制は必要であると考える。また、ディスクロージャーにかかるコストを考慮しながらリスクについては最大の損失が発生する事由について明確に表示するといったものが必要である。

    日本においては、ファンドについて人からお金を集めて何かに投資していくという運用型商品と、資産のキャッシュフローをかえる資産流動化商品といった分け方があるがそのような分け方をする必要があるのか。また、資産流動化商品のようなパッシブでフィックストなものについては、単に箱に入れて、そこからあらかじめ決められたルールによって利益が分けられていくものであるのでその箱自体にいろいろな規制をかけるよりむしろサービサーのクオリティをきちんと開示していくということが大事ではないか。

以上

問い合わせ先

金融庁 総務企画局 市場課
電話 03(3506)6000(内線3614)
本議事要旨は暫定版であるため、今後変更があり得ます。

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