金融審議会金融分科会第一部会(第37回)議事要旨

1.日時:平成17年11月10日(木)10時00分~12時00分

2.場所:中央合同庁舎第4号館11階 共用第一特別会議室

3.議題:

  • 自主規制業務のあり方に関する特別委員会報告書を踏まえた対応等(吉野貞雄専門委員説明)

  • 取引所のあり方について

  • ディスクロージャー制度について

4.議事内容:

  • 自主規制業務のあり方に関する特別委員会報告書を踏まえた対応等について吉野貞雄専門委員より説明

  • 取引所のあり方について事務局より説明

  • 主な意見及び質疑は以下のとおり

委員会等設置会社制度の現行法上の限界が東証案(自主規制委員会設置案)のデメリットになるのではないか。東証案の自主規制委員会は独立した取締役から成るのか、また、十分な専門知識を有しているのか。

← 現在、東証の役員は12名のうち過半数を超える7名が社外である。自主規制委員会のメンバーについては、単に社外であるだけでなく独立性を求めることとする。専門知識の有無については今後検討する。

メンバーの独立性と、取引所の業務に対する専門的な知識の保有が両立するかどうか懸念がある。取引所の有する自主規制機能は、(1)行政の代行、または(2)証券会社等の会員の自治のどちらの位置付けか。

← 独立性と専門性が求められる自主規制委員会メンバーには、専門家をオブザーバー参加させることも考えている。取引所の自主規制機能は、(1)行政の代行、(2)証券会社等の会員の自治の両面を有していると考えている。元々は(2)に基づいて発足し、環境の変化、取引手法の多様化等によって(1)の性格を有することになったと理解。

東証の組織形態については、基本的には東証案に賛成であるが、自主規制委員会が機能を発揮できるかが重要ではないか。独立取締役は、常勤か非常勤か。自主規制委員会だけでなく事務局の独立性・専門性も重要ではないか。今回の東証案は上場を前提に考えたものか。

上場理由について、取引所のガバナンスは上場しないと向上しないのか。また資金調達とあるが具体的にはどのようなことか。昨今の情勢の変化により、資金調達手段は多様化しているのではないか。

← メンバーの常勤・非常勤の勤務形態は想定していないが、自主規制委員会については、頻繁に開催する必要があると考えている。また、事務局の機能については十分に対応する必要がある。今回の自主規制委員会設置案については上場を見据えて検討した。上場によるガバナンス向上については、取引所の公共性という観点から株主にも監視してもらうことが効果的ということ。

自主規制機能について、論点に「各取引所間での連携」を追加するよう要望。上場審査・管理の取扱いが取引所間で異なると、一方に不適当な会社が上場する可能性がある。売買審査については、不公正取引等の観点から、重複銘柄の審査に取引所間の連携が必要となるのではないか。考査も同様に連携が必要ではないか。

取引所の上場による株主との利益相反については、取引所に株式会社形態を導入した平成12年の証取法改正時から想定していたこと。NYSEが株主規制を課そうとしている等、経緯は理解できるが、日本は政策を変転しすぎではないか。取引所株式に議決権制限等を課すのならば、法律に規定すべき。

○  ディスクロージャー制度について事務局より説明

  • 主な意見は以下のとおり

ディスクロージャー義務の開示要件が厳しいので免除要件の緩和を考えるべき。流通性のない有価証券の公衆縦覧は必ずしも必要とはいえない。適格機関投資家の拡大に伴う転売制限の厳格化については実務を踏まえた上で慎重に判断すべき。他の業法の開示規制との整理については、投資者から見て整合性のある基準が必要。

情報の公開について、ベンチャーファンドについては本来公開すべきではないと考える。情報の公開がプラスになるかもしれないがマイナスになる面もあるので、公衆縦覧は必要ないのではないか。

証券取引法以外の業法における開示規制との整理が投資サービス法を考える上では一番重要。商品ファンド法や不動産特定共同事業法と証券取引法ではディスクロの規制がかなり異なる。一方で、証券取引法のディスクロも改革が図られている。ファンドに関するディスクロージャー規定は商品ファンド法に近づいたものに統一するのか、消費者サイドから見て横断的な制度にするのか。

統一的なディスクロージャー制度について商品ファンドや不動産ファンドも含めて検討を要望。勧誘時に提供されている目論見書以外の資料についても統一的な規制が必要ではないか。運用報告書についても契約締結後のルールとして明確に規定すべき。有価証券報告書提出義務免除要件の緩和については、未公開株に関する苦情が多いことから慎重に検討が必要。目論見書等の虚偽記載について、課徴金制度を活用するとともに、不当利得が消費者に還元されるような制度を検討すべき。

適格機関投資家の範囲は拡大すべき。ファンド・オブ・ファンズのディスクロージャーの及ぶ範囲や、小口のファンドのディスクロージャーの内容について、コストとの兼合いを踏まえてどう整理するかがポイントではないか。

消費者サイドから見てわかりやすい整合性のある基準が必要。変額保険が投資サービス法に組み込まれるのは賛成だが、中身に私募のファンドが組み込まれており、逆にディスクロージャーが弱くなるということがないよう希望。公募か私募かだけではなく消費者保護が図られる基準作りが必要ではないか。

性質によってディスクロージャーの制度の要件を分けるということは理解できるが、境界線を何処にひくのか。お金を預かって運用するという意味では同じであり、原則は一つの規制にすべき。あまり例外を多くすべきではない。

投資商品の性格によりディスクロージャーのあり方を変えるということが大事ではないか。投資家にとっては、企業の評価とファンドの評価は意味合いが違うケースも多い。それ以外の説明義務等の手続き面については、できる限り統一的なルールとすることが望ましい。

以上

問い合わせ先

金融庁 総務企画局 市場課
電話 03(3506)6000(内線3619)
本議事要旨は暫定版であるため、今後変更があり得ます。

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