金融審議会金融分科会特別部会(第6回)議事要旨

1. 日時:

平成13年10月5日(金)15時00分~17時00分

2. 場所:

中央合同庁舎第4号館9階 金融庁特別会議室

3. 議題:

  • 金融分野における個人情報保護に係る海外調査報告
  • 自由討議
  • その他

4. 議事内容

  • 事務局より、人事異動についての紹介があった。

  • 事務局より、7月に行われた海外調査報告(アメリカ、イギリス、フランス)の概要の説明があった後、これに関連して、堀部委員から、欧米における個人情報保護に関する基本的な考え方及び国際会議における最近の議論の動向等について、高橋委員から、金融機関と顧客との関係について、主として個人情報へのアクセス権などを中心に、それぞれ追加的なコメントがあった。

  • 事務局より、「個人情報の保護に関する法律案」を巡る現状についての説明があった。

(自由討議での主な発言は以下のとおり。)

  • アメリカでは、99年に制定された法律(GLB法)に対して消費者側はまだ問題があると感じているようだが、法の制定は見切り発車的に行われたのか。まだ問題点につき考え直そうとしているのか。

  • アメリカでは、議会でオンライン(ネット)・プライバシーについて議論があったり、銀行協会と消費者団体の代表者が討論番組で議論したりと、金融界におけるホット・イシューであると感じた。印象論ではあるが、まだ流動的な面があるのではないか。

  • アメリカで法律を制定する時には、議会で議員が提出するのが通例で、議会のヒアリングにおいて消費者団体の意見も聞いた上で賛成多数で議決される。行政側のOCCが消費者団体の意向を踏まえずに見切り発車したということはない。

  • 消費者側はOCC(アメリカ通貨監督庁)の対応に批判的とのことだが、その批判の主眼はどのようなところにあると考えられるか。

  • 消費者側のOCCへの批判については、銀行監督機関であるOCCは金融機関に対して甘く、FTCのように取引に着目しているところの方が信頼できるという発想があるということではないか。

  • 法整備に当たっての我が国へのアドバイスとして、できるだけシンプルな制度が望ましいとのことだが、何を指してシンプルということなのか。自分達(諸外国)の法制がシンプルだから同じようにした方がいいということなのか、自分達の法制がそうではないからシンプルにした方がいいということなのか。

  • 自分達の法制がそうではないからシンプルにした方がいいということ。法律の規定を具体的に書けばそれだけ例外も多く必要になり、結局自分にどういう権利があるのかが却って分かりにくくなる。イギリスはEU指令をそのまま国内法に取り込んだため、複雑で分かりにくいということで国内外から批判があるようだった。

  • 「個人情報」の概念に関して、個人情報が必要以上に収集されているかどうかといった点について、日本と英米の間で違いはなかったか。

  • 個人情報の概念については、日本とあまり違うという感じはしなかった。アメリカでは、いろいろな情報を聞いておいた方が顧客ニーズに対応できるという意識を持っているようだった。

  • 個人情報の概念は基本的に日本と変わるものではなく、利用目的に応じて情報を入手し、それに限定される。フランスは国籍情報の収集を禁止しているが、これについては別の法律があり、個人情報保護上の問題というよりは、国全体のポリシーとも関連した問題。

  • 各国の監督機関におけるデータ保護関係のスタッフとして、イギリスのインフォメーション・コミッショナー(IC)は約100名、フランスのCNILは約60名ということだったが、OCCはどれぐらいなのか。また、我が国の個人情報保護法案が国会で通った場合、金融庁としてはどの程度のスタッフで考えているのか。

  • OCCに関しては、具体的な人数は現在承知していないが、GLB法の施行に伴う体制の強化はしておらず、従来の体制で対応しているということだった。また、金融庁の体制については、予算要求ベースで企画部門としての増員要求はしているが、60名や100名という単位での増員にはならないだろう。

  • 個人を識別するベースとなる情報は、例えばイギリスであればICにあるのか。

  • 個別の個人情報を持っているのは企業や公的部門といった個別の機関である。ICには、どのような種類や目的の情報を持っているかを届出(notify)しているだけで、ICが個別の情報を持っているわけではない。

  • ヨーロッパではオプトインが広く採られ、アメリカはオプトアウトが原則というように理解していたが、今日の報告では、イギリスの消費者団体(Consumers Association(CA))はコスト論でオプトインかオプトアウトかを判断すべきとなっており、必ずしもオプトインにこだわっていないように見受けられる。実際には、どういう感じなのか。

  • 実際にオプトインの原則どおりに対応するのではかなりコストもかかるため、同意のとり方には考慮の余地があるのではないかというCAの担当者の私見を紹介させていただいた。オプトインかオプトアウトかを区別するとしたら、不必要なコストをかけないために、消費者にコストを負担させるかどうか(例えばダイレクトメールが紙で郵送されてきたら捨てればいいだけだが、メールやFAXであれば受信コストがかかる。)を基準としたらどうかということ。

問い合わせ先

金融庁 総務企画局 企画課
電話03(3506)6000(内線3514,3515)
本議事要旨は暫定版であるため、今後修正があり得ます。


(資料)

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