金融審議会金融分科会特別部会(第13回)議事要旨

1.日時:

平成16年9月6日(月)10時00分~12時00分

2.場所:

中央合同庁舎第4号館 9階 金融庁特別会議室

3.出席者:

山下部会長、関部会長代理、今松委員、高橋委員、原委員、和仁委員、岩村委員、上柳委員、堀部委員、山口委員、白井委員、鈴木委員、松阪委員、松本委員、森崎委員、山本委員、吉岡委員

4.議題:

金融分野における個人情報保護に関するガイドライン要綱について

5.概略:

経済産業省より経済産業分野における信用情報に関する審議状況の説明の後、金融庁事務局より、資料2に基づきガイドライン要綱について説明があり、その後、委員による意見交換となった。

6.議事概要:

委員からの主な発言は、以下のとおり。

【ガイドライン要綱 第1条(目的)から第6条(センシティブ情報)について】

  • 本ガイドラインは、行政当局内部向けの事務ガイドラインと異なり、事業者に対するものだが、強制力を持つのか。

  • センシティブ情報については原則取得等禁止となっているが、銀行業務においては、宗教団体等へ提携ローン商品を販売する際に宗教団体等への加入情報を調べる場合等がある。例外的事項を記載する際には現状を十分に反映してほしい。

  • 無担保融資である賃貸業にとって、無断で住所変更して行方不明になったり、姓名を意図的に変更したりする債務者の所在を確認し、債務を回収するため、戸籍の附表など本籍地情報は必要。

  • 「保健医療」情報の定義としては、カルテなど医師から得られる医療情報という理解でよいか。

  • ガイドラインについて解説を示す予定があるのか。また、ガイドラインは個人情報保護法上、第6条および第8条に該当する措置なのか。

  • 多様な金融サービスがあるため、利用目的の特定、センシティブ情報の例外事項の定めはできるだけ詳細な記述が望ましい。特に生体認証情報についてはより慎重な保管・管理が必要なため、ガイドラインへの明確な記載が必須と考える。

  • 政令により個人情報保護法の適用を除外される個人情報取扱事業者にもガイドライン遵守の努力義務を課すとのことであるが、ガイドライン要綱第13条との関係で、貸金業の小規模な事業者に対しても実効性が保たれるか懸念。

  • 限界的な事例や例外的事例を細かく書いても、刻々と変化する事業環境に適応できず内容がすぐ陳腐化してしまう。漏えい防止のためには、事業者の自主点検等の自助努力が一番重要だと思うため、例示を多くせよという意見には反対。

  • 金融分野における個人情報の取扱いは消費者の関心も高いところであるが、ガイドライン要綱の内容は他のガイドラインよりも厳格であり、その点評価したい。本日の資料でカッコ書きになっている部分は的確な例示を事務局に期待するとともに、今後の課題としたい。

  • 第3条「利用目的の特定」、第4条「同意の形式」の書き振りに賛成。第5条「利用目的による制限」、第6条「センシティブ情報について」については詳細な記載が必要だと思う。

  • センシティブ情報については、EU指令や米のセーフハーバー・ルール等も参考にする必要がある。生体認証情報については、他の省庁でもまだ議論が行われていないため、金融分野のガイドラインに記載があるのは評価したい。

【ガイドライン要綱 第7条(適正な取得)から第13条(第三者提供の制限)について】

  • 第10条の安全管理措置の記載であるが、詳細な部分を別冊でという提案もあるが、あまり詳しい点まで規定せず、事業者の自主的な取組みを尊重すべきではないか。

  • 与信事業において、返済能力に不安のある個人にオプトアウトを認めないことは、多重債務防止の観点から妥当であると考える。

  • 信用情報機関を通じた信用情報の交換・利用が、法的には、特定共同利用とも第三者提供とも解釈が可能であると考える。産業構造審議会における議論等とも整理が必要だ。

  • 第三者提供の概念を明確にする努力が必要だ。例えば証券化や手形譲渡等について、本人の同意を必要とするのか、実務が混乱しないよう、整理が必要だと考える。

  • 信用情報機関による情報の交換・利用については、個人情報保護の観点とは別に、多重債務の防止および適正与信からの観点から、その適正なあり方が議論されるべきである。

【ガイドライン要綱 第14条(保有個人データに関する事項の公表等)から第23条(個人情報保護宣言の策定)】

  • 開示の適用除外に「業務の適正な実施に著しい支障を及ぼす場合」とあるが、具体的にはどのようなことか。また、以前から述べていることだが、生保の保険金請求の際、判断の基準となるカルテ等の医療情報を保険会社が本人に対して開示しないことに問題意識を持っている。

  • 漏えい事例への対応は工夫が必要。本人に速やかに通知することは必須。他方、事実関係等の公表については、別途の要因の考慮が求められる。

  • 代理人への情報開示については、各方面で問題となっている。プライバシーという人格権的な問題に、代理権という財産権的な権利概念を持ち込んだことによる弊害だ。代理人による開示請求に対し、本人にのみ開示するというやり方はありうるし、重要な意味を持つ。

(以上)

問い合わせ先

金融庁総務企画局企画課調査室
TEL:03-3506-6000(内線3514、3166)
*本議事要旨は暫定版のため今後修正があり得ます。

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