金融審議会総会(第8回)議事要旨
1. 日時:平成12年8月4日(金)12時00分~14時10分
2. 場所:中央合同庁舎4号館 共用第1特別会議室
3. 議題:
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○金融庁の発足及び金融審議会の設置について
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○議事規則等について
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○これまでの金融審議会における取りまとめ等に関する最近の主な動き
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○最近の金融をめぐる国際的な議論の動向について
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○今後の金融審議会の運営方針について
4. 議事内容
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○開会の挨拶の後、事務局より金融庁の発足及び金融審議会の設置について説明があった。
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○委員等の紹介が行われた。
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○委員の互選により、貝塚 啓明(かいづか けいめい)委員が会長に就任した。また、貝塚会長の指名により、蝋山 昌一(ろうやま しょういち)委員が会長代理に就任した。
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○日野金融庁長官より挨拶があった。
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○事務局より議事規則等について説明があり、了承された。
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○事務局より、これまでの金融審議会における取りまとめ等に関する最近の主な動き及び最近の金融をめぐる国際的な議論の動向について説明があった。
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○相沢金融再生委員会委員長より挨拶の後、貝塚会長に諮問が行われた。
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○宮本金融再生総括政務次官より挨拶があった。
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○事務局より、今後の金融審議会の運営方針について以下のとおり説明があり、了承された。
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次期通常国会での法制化等を目指した事項を中心として、第一部会では異業種参入に伴う銀行法等の整備、他業禁止の緩和等について、第二部会では個人信用情報保護・利用に関する制度整備について、審議を行う。
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金融の基本問題に関するスタディグループを新たに設置し、まずは、今後の我が国の金融システムの方向性を展望するための論点整理に向け、自由なブレーンストーミングを行う。
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○その後、自由討議を行った。主な内容は以下の通り。
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▼国際機関における協議の中で、日本のプレゼンスはどうなっているのか。
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▼国際面での日本側の対応体制は、金融監督庁の発足時に比べれば強化されたと思っており、更にプレゼンスを高めていきたい。
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▼金融庁の組織において、調査機能の充実を図ることが重要ではないか。研究者等を登用して、金融についての基礎体力をつけることを希望する。
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▼金融庁発足時に長官から金融大学校の設立も視野に入れているとの発表を行った。金融大学校の目的は、金融庁の職員の資質を時代の流れに合わせ維持・向上していくことと、最先端の金融理論・実務を分析して、行政にフィードバックしていくことであり、現在予算要求、定員要求をするかを含めて検討しているところ。
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▼スタディグループでは、マクロ経済と金融システムの安定という論点も重要。また、金融システム安定化の関係では、為替政策との関係も重要と考える。
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▼金融庁職員と金融実務家との交流を如何に図るべきか。アメリカは公務員が民間に就職したり、民間実務家が公務員になることも多く、情報の交流が自然と行われるが、日本においても民と官の情報交流を心がけていただきたい。
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▼中小金融業者の地道な融資審査等、日本の金融の中で良かったものを海外に持っていくことが、国際競争力の強化につながるのではないか。
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▼異業種の銀行業への参入については、経営の悪い業者に対し如何に退出を促すか、ということについても併せて議論していかなければならないと考える。
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▼行政官と民間実務家との交流は各省とも大きな問題。行政官が自分たちの論理だけで議論してしまわないよう、公務員倫理法の下でどう民間の意見を吸収するか工夫すべき。
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▼規制緩和や危機管理だけでなく、間接金融と直接金融とのバランスといった、市場育成の観点からの議論が必要。
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▼実務家と行政官の交流については、金融審議会のワーキンググループ等を活用して行っていくことも考えられる。
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▼スタディグループでは、銀行業の収益源の多様化等、21世紀の銀行業を見据えた議論をする必要があるが、金融機関の経営の在り方等についての検討成果を、銀行法改正に活用することも考えるべきであり、第一部会とスタディグループの議論を有機的に関連づけることは可能か。
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▼第一部会は次期通常国会への法案提出等を目指しており、スタディグループからの明確な連携はタイミング的に難しい面もあるが、銀行法等改正の議論の中で基本的な金融のストラクチャーが問題になった場合など、第一部会からスタディグループへの連携は考えられるのではないか。
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▼郵貯資金の自主運用が始まる中、スタディグループでは郵貯についても議論を行うべきではないか。
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▼スタディグループは自由にブレーンストーミングを行っていただく場であり、金融全体の枠組みを議論する中で郵貯についても議論が及ぶことは考えられるが、専ら郵貯の問題を議論するということにはならないのではないか。
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▼長官挨拶でも消費者教育の充実という言葉があったが、金融審議会においては、消費者の方を向いた議論を行うべきではないか。
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▼スタディグループにおいては、即時決済や、銀行の決済機能とその他の機能との分離等についても議論して欲しい。
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▼金融庁における金融審議会においても、金融サービス法的な議論を中断したという印象のないようにすべき。
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▼今まではリスクマネジメントが中心であったが、今度のスタディグループでは、「攻め」、「キャッチアップ」、「スピード」の3点が重要。
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問い合わせ先
総務企画部企画課
電話 03(3506)6000(内線 3514,3515)
本議事要旨は暫定版であるため、今後修正がありえます。
金融審議会委員名簿
平成12年8月現在
会 長 | 貝塚 啓明 | 中央大学法学部教授 | ||
会長代理 | 蝋山 昌一 | 高岡短期大学長 | ||
委 員 | 井上 定彦 | 連合総合生活開発研究所理事・島根県立大学総合政策学部教授 | ||
江頭 憲治郎 | 東京大学法学部教授 | |||
大塚 宗春 | 早稲田大学商学部教授 | |||
翁 百合 | 日本総合研究所主任研究員 | |||
神田 秀樹 | 東京大学法学部教授 | |||
倉澤 康一郎 | 武蔵工業大学環境情報学部教授 | |||
杉田 亮毅 | 日本経済新聞社副社長 | |||
高橋 伸子 | 生活経済ジャーナリスト | |||
田島 優子 | さわやか法律事務所弁護士 | |||
田中 直毅 | 21世紀政策研究所理事長 | |||
原 早苗 | (財)消費科学センター事務局長・消費科学連合会企画委員 | |||
福間 年勝 | 三井物産(株)取締役副社長 | |||
堀内 昭義 | 東京大学経済学部教授 | |||
八木 良樹 | (株)日立製作所代表取締役副社長 | |||
吉野 直行 | 慶應義塾大学経済学部教授 | |||
〔計17名〕 | ||||
オブザーバー | 増渕 稔 | 日本銀行理事 | ||
森 昭治 | 金融再生委員会事務局長 | |||
(敬称略・五十音順) |
第8回金融審議会総会議事次第
日時:平成12年8月4日(金) 12時00分~14時00分
場所:中央合同庁舎4号館 第1特別会議室
- 金融庁の発足及び金融審議会の設置について(事務局説明)
- 委員等の紹介
- 会長の互選等
- 金融庁長官挨拶
- 議事規則等について
- これまでの金融審議会における取りまとめ等に関する最近の主な動き(事務局説明)
- 最近の金融をめぐる国際的な議論の動向について(事務局説明)
- 金融再生委員長挨拶・諮問
- 金融再生総括政務次官挨拶
- 今後の審議会の運営方針について(事務局説明)
- 質疑応答
以上