金融審議会「銀行制度等ワーキング・グループ」(第2回)議事録

  • 1.日時:

    令和2年10月7日(水)10時30分~12時30分

  • 2.場所:

    中央合同庁舎第7号館9階 905B会議室

金融審議会「銀行制度等ワーキング・グループ」(第2回)
令和2年10月7日
  
【神作座長】

おはようございます。ただいまより、銀行制度等ワーキング・グループの第2回会合を開催いたします。皆様、御多忙のところをお集まりいただき、誠にありがとうございます。

本日の会合も前回に引き続きオンライン開催とし、一般の傍聴は「なし」とした上で、メディア関係者の皆様には金融庁内の別室において傍聴いただくこととしております。

それでは、早速議事に移ります。本日は、まず全国銀行協会、林企画委員長より、銀行業界を代表して成長戦略フォローアップに記載された事項について、銀行業界が地域の社会経済にどのように貢献していけるのかについて御説明をいただきます。

続いて、事務局より、本ワーキング・グループにおける検討課題のうち、銀行が保有するノウハウや人材、技術などを活用した地方創生への貢献との関係で、銀行業高度化等会社について、銀行による出資を通じた地域の事業再生、事業承継やベンチャービジネスの支援との関係で議決権取得等制限とその例外についてのご説明を聴取した上で、メンバーの皆様に御討議いただくという流れで進めさせていただきます。なお、御討議に当たっては、資料3にございます「本日討議いただきたい事項」を適宜御参照いただきますようお願いいたします。

それでは、全国銀行協会、林企画委員長より御説明をお願いいたします。

【林オブザーバー】

全銀協の企画委員長の林でございます。本日は、このような機会を頂戴いたしまして、誠にありがとうございます。お手元に私どもから提出させていただいております資料があるかと思いますので、御覧いただきながらお聞きいただければと思います。

まず、ページをおめくりいただきまして右下、2ページ目です。現在の環境認識・社会課題・銀行界が目指すべき姿ということで下半分にチャートがありますが、私ども、このチャートの一番下にありますとおり銀行が培ってまいりました安心・安全、信頼・信用、こういった資産、これをしっかりと活用しながら社会課題の解決に向けて総合的なソリューションを提供できる、こういった存在に進化してまいりたいということです。

環境認識といたしましては中段にありますが、その上半分にあるとおり、少子高齢化の進展や、企業も成熟化しているなか、東京に一極集中が起こり、地域経済はなかなか伸び悩み、また産業の新陳代謝も遅れている状況でデジタル技術が急速に進展し、国際情勢も大きく変化してきているというメガトレンドがあります。このメガトレンドが、その下に記載のとおり、新型コロナウイルスの感染拡大、パンデミック、新しい生活様式の模索で大きく加速化される、あるいはその動きを拡大している、このような認識です。

私ども銀行界といたしましては、ウィズコロナ、ポストコロナの時代に、中段にあるような様々な貢献をしてまいりたいということです。地方創生、それから家計の資産形成、相続の支援、中小企業、大企業の事業・産業の再編、事業の承継、またデジタル化の推進、オンライン主体の取引といったような選択肢を提供していくことは、様々な境界を越えて銀行が最大限貢献していくということに直結すると考えているということです。

おめくりいただいて3ページ目です。解決してまいりたい社会課題の例といたしまして少し御説明申し上げますと、左側にありますとおり中小企業の皆様が、その経営におかれて意識される事柄、あるいは希望される要素、これは極めて多岐にわたっております。これらを断片ではなく包括的に支援をしてまいりたい、かつ銀行経営の観点からは、私どもに対価を支払っていただくにふさわしい、そういうレベルのサービス、そういったものを御提供できるように我々自身の水準もしっかり上げていかなければならないということです。一方的なアドバイザリーにとどまらず、しっかりとしたパートナーになりたい、こういう思いを強く持っております。

また、右側に記載の通り、事業の承継の根幹には株式の移動、これが伴います。IPOやM&Aといったような、そういった手段もありますが、株式の移動を伴うものですので、こういったそれぞれの場面、場面におきましてもきちんと関与さしあげたいと、こういった思いがあります。

4ページ目にお進みください。同じようにトップボックスにあるとおり大企業の産業・事業再編、あるいは大企業が構成しているサプライチェーンを含むレジリエンス強化、ここへの貢献も考えてまいりたいということです。

左側に記載のとおり、コロナ禍で大企業は資産の全てを洗い直しておられると、このように理解しております。つまり、事業そのものや、所有されている不動産、あるいは事業法人間の政策投資の見直し、こういった事柄が今急速に見直されておりまして、それに合わせて大企業のバランスシートの右側にある負債・資本のコンテンツ、あるいはその割合、比率等の再構築にも着手され始めております。

また右側、大企業を頂点とするサプライチェーンを強化するためには、デジタル化によるサプライチェーンの実態の把握、また、そのチェーンと表裏一体であります資金決済の高度化、こういった事柄が必須です。こういったサプライチェーンの強化は、サプライヤーであられる中小企業の皆様の事業を結果として守っていくことにもつながっていくという意味で大変重要と理解しております。

次に、5ページ目です。企業・社会全体のデジタルトランスフォーメーションを推進して、我が国経済の生産性向上に貢献していくということも重要な課題と認識しております。ここは主にBとCの関係を、あるいはBとBの関係を議論しておりますが、政府と民間の様々な資金の流通ということも含めて生産性の改善は非常に重要なテーマと思っております。生産性を1人当たりの粗利や利益と仮に定義させていただくならば、ITの力をもって人件費を代替するということももちろん大切ではありますけれども、そもそもあったらよいといった業務とは我々は決別し、なければならないものに集中していくという業務の取捨選択についても我々自身のリーダーシップを発揮しなければならないといった問題意識を持っております。

また重ねて、生産労働人口が減っていく中で、業務から解放された有為な人材は、人間でなければできない仕事に携わることで新しい価値を創造する、そういった観点からもしっかりと向き合わなければならないということです。本当に必要な業務やプロセス、それを規定するルールについては、常に見直しながら最適化していく必要があると認識しております。

6ページ目にお進みください。以上のような環境等を踏まえまして、今般の成長戦略で示されました方向感は、中段右側の①から④に示しているとおりです。これらにつきまして、次ページで少し御説明させていただきたいと思っております。

7ページ目へお進みください。まず、①として銀行グループの他業規制の緩和についてまとめさせていただいております。キーワードは、左側の点線ボックスの中にあるとおりデジタル化、地方創生、SDGs、こういった事柄にしっかりと対応していくということです。

右側の点線の中にありますが、近年弾力化を進めていただいております業務範囲規制の緩和について、太字のところ、特に銀行本体における高度化業務をお認めいただく、また兄弟会社形態については届出制へ御変更いただく、子会社形態については認可要件の緩和を御検討いただく、そういった事柄がキーになるのではないかと考えているところです。

私どもがここで重要と考えていることは、インキュベーションをしっかりと起こしていくこととスピードです。毎日サービス水準を入れ替え、更新、向上させてくるTech企業に対して、業務マニュアルをきちんとゼロから立ち上げ、その安定化を図り、固定化を図る中で、安定したプロセスを回していくという、我々が得意とするそういった段取りだけでは社会のニーズ、あるいは競合との競争になかなか適応できない現実もあると危機感を持っている部分があります。

続いて、②銀行グループにおける事業会社出資規制の在り方です。右側の点線の中に記載の通り、お客様のバランスシートの右側全てに最適な御提案ができるよう、また最適なソリューションを御用意するために、銀行の持っている懐の深さも活用されていくべきであろうということです。

具体的には、1つ目の矢じりに記載の通り、事業再編や経営改革等に資するリスクマネーが供給できるよう柔軟に出資が可能となる出資枠の新設を銀行本体あるいは投資専門会社でお認めいただけないかということ。出資可能な事業会社の要件の緩和、特にベンチャービジネス企業の定義の見直し等について御検討いただけないかという観点。また、矢じりの3つ目のとおり保有制限期間の延長や、4つ目に示したとおり投資専門子会社経由でのみ出資可能な事業会社への銀行本体からの出資をお認めいただくということも含め、いろいろと挙げさせていただいております。

8ページ目です。③として銀行グループの保有リソースの最大活用を挙げさせていただいております。銀行が培ってまいりました信用力、あるいは安心・安全へのこだわり、また今、足下で発生しております経営資源の余剰、これを社会で求められる様々な変革・改革フェーズに活用できないかと考えております。

右側に具体例を書かせていただいておりますが、矢じりの1つ目、銀行本体での人材派遣業務、2つ目、広告業務、3つ目、基盤システムの外販等、5つ目、地域産品の販売・マーケティング等への関与、6つ目、企業のバックオフィス業務について銀行子会社への全面的なアウトソーシングの解禁、7つ目、SDGsに貢献し得る業務、こういったものについて、私どもとしてビジネスのチャンスを見いだしてまいりたいということですが、その他にこれらの項目も含めまして現在ある収入依存度の規制も、もう一度ゼロベースで検討を頂くということもあるのではないかと思っております。

④としてグローバル競争における同業他社とのイコールフッティングの確保ですが、国際金融の要として日本国内各都市が活性化していくために、本邦金融機関の強化も必要です。現地当局が容認している業務に関しましては、海外それぞれの地域において容認を頂けないかという点。そういったことも含めて金融産業が健全に国内において成長することで日本経済の底力となってまいりたいといった思いがあります。

9ページ、10ページは今御説明したものを1つのチェーン、あるいはフローの中でパッケージとして捉えることができる、こういったことを示しています。すなわち壁を乗り越え、境界を乗り越え、包括的に包摂して金融機能、銀行の機能を拡大・発揮していくことで様々な貢献が可能になるのではないかということを図示しているものです。

最後、12ページ目ですが、業務範囲規制の趣旨を確保するために私どもが大切と思っていることを申し上げます。まず①の利益相反防止、これは非常に重要です。また、②の優越的地位の濫用の防止、これも重要な観点です。これらにつきましては今後もさらに私どもとしてしっかりと遵守してまいる決意であり、重要なポイントと認識しております。

一方で、③の本業専念による効率性の発揮、あるいは④の他業リスクの排除という観点につきましては、足元、本業にのみ集中することの経営上のリスクも感じているところです。例えば、コストを下げるためのノウハウを広く外側から吸収していくというようなこと、あるいは新しい粗利益を生み出すための新しいビジネスをしっかりと確保していくというようなこと、デジタルが急速に普及する中で、私どもの中だけではなかなかそういったノウハウ等を取り込み切れないといったこともあります。

私ども自身の事業戦略が矮小化してしまいますと、そこで働いている社員、行員一人一人のモチベーション、動機、成長、こういったことにも影響が及んでまいります。もう一度社会にとって我々自身の存在意義がどうあるべきかということを定義し直しながら、しっかり貢献をしてまいりたい、こういう心積もりです。

大変長くなりましたが、御説明は以上です。

【神作座長】

御説明、どうもありがとうございました。

続きまして、事務局より御説明をお願いいたします。

【端本信用制度参事官】

それでは、資料2に沿って御説明いたします。まず、1ページ目、目次ですけれども、まず検討の視点といたしまして、前回いただいた御意見を整理しております。それから、今回御討議いただく事項は各論といたしまして2点、子会社・兄弟会社(銀行業高度化等会社)、それから議決権取得等制限ですので、この2点について御説明させていただきたいと思います。

まず、検討の視点ですけれども、3ページをおめくりください。上から御紹介させていただきます。まず総論といたしまして、技術進歩やデジタル経済、人口動態、地球環境変化などの大きな変化、それから「業」のみに着目することなく、機能別・横断的な視点を持つことが大切。

次の丸です。銀行はここ数か月、企業に対する流動性供給という責任を果たしてきている。ただ、その緊急融資の多くは言わば赤字補填融資であり、今後、長期にわたる金融機関の関与が必要になる。

3つ目の丸です。コロナショックはサービス業を営む中小事業者への影響が大きい。

4つ目の丸でございます。コロナウイルス感染症等の影響によりまして、企業の事業環境が大きく変わっており、ビジネスモデルの転換なしの事業再生は成り立たない状況にある。

次の丸です。利用者が銀行に望むのは、安心・安全で信頼できる社会インフラであること。

次の丸です。企業の事業再生やベンチャー支援という観点では、地域銀行の収益力の低下が一番の障害。銀行自身のビジネスモデルの転換や組織の改革を促す必要。

次の丸です。健全性の確保や利益相反取引の防止などが適切に図られることを前提といたしまして、事後規制の形で関与していくということもあり得る。

続きまして、業務範囲規制関連の御意見でございます。1つ目の丸、金融と非金融の境界が不明確となりつつある。

2つ目の丸です。経営環境が変化する中で、業務範囲規制の緩和の余地が広がってきている。

3つ目の丸でございます。認可や収入依存度規制の緩和・撤廃については議論を深めるべき。

4つ目の丸です。業務範囲の拡大は直ちに収益拡大につながるわけではなくて、道のりは長いのではないかという御意見。

4ページ目に参ります。議決権取得等制限関連でございますが、一律・画一的に5%・15%ルールを適用する必要はない。中小企業を念頭にしている地域金融では柔軟な対応を考えるべき。

続きまして、主要株主関連規制でございます。銀行持株会社規制と主要株主規制の2本立ての規制となって20年の歴史の中で、どのような問題があるのか検証すべき。

次の丸でございます。プラットフォーマーによります優越的地位の濫用にも留意する必要があるのではないか。

その他、地域金融の在り方等についての御意見、御指摘でございます。1つ目の丸、地域金融機関は大口のビジネスだけでなく、社会全体の活性化に力を注いでもらいたい。

2つ目の丸でございます。地域では銀行のほか、信用金庫が非常に頼られている存在で、中小企業は資金繰りだけでなく様々なサポートを必要としている。

3つ目の丸でございます。地域住民との信頼関係を構築している地域金融機関が果たすべき役割は大きいということ。

続きまして、地域銀行の経営関係の御指摘でございます。コロナショックは、地域銀行にとっても損益計算書の問題となる。地域銀行の収支構造の改革が必要。社外流出抑制のため配当率の引下げを検討することも考えられる。

次の丸でございます。地域銀行をめぐっては、株主と地域のステークホルダーの利益が相反する。非上場化なども経営判断の選択肢として考えられるのではないか。

次の丸でございます。収益性が厳しい地域における金融サービスのネットワーク維持の観点も考えていってはどうか。

最後でございます。地域銀行の再編も含めた協力がソリューションになるのではないか、こういう御意見をいただきました。

続きまして、5ページになります。前回のワーキングでの御議論、それから先ほど全銀協の林企画委員長から御説明いただいた内容は検討課題全体をカバーしておりますけれども、ここから各論の議論に入ってまいります。

先ほど申し上げましたとおり今回の討議事項は赤で囲ってあるところです。子会社・兄弟会社業務範囲規制と議決権取得等制限(5%・15%)の話になります。

7ページ、まず子会社・兄弟会社の業務範囲の話から御説明させていただきます。銀行持株会社の下にぶら下がってある図を見ていただきますと、上が兄弟会社、下が子会社になります。銀行本体、すなわちその預金者、それから預金保険へのリスク遮断に相対的に優れていると考えられる兄弟会社の業務範囲が最も広く設定されておりまして、上の一番右側、商品現物取引会社は兄弟会社のみに認められているということでございます。それから、2016年に追加されました銀行業高度化等会社につきましては、フィンテック企業や地域商社がこれまで設立されてきております。

8ページを御覧ください。この高度化等会社制度の活用状況を時系列にまとめたものでございます。2017年4月の施行から、青色がテック/フィンテック関連で、黄色が地域商社ですけれども、まずテック/フィンテック関係の高度化会社が認可されてきておりまして、2019年度から地域商社が1社認可されまして、その後、地域商社に関する監督指針が施行されて、地域商社関連の子会社認可も増えてきているという状況でございます。

次のページ、9ページ目になります。これまでの業務範囲規制の経緯を整理させていただいております。まず、(1)の一番上、1つ目のポツの2行目の後段辺りからです。兄弟会社の経営悪化によるリスクも親子会社の場合に比べ及びにくいということで、当初から兄弟会社が最もリスク遮断の観点から優れているという議論がなされております。

それから、(3)でございます。2007年の議論でございますけれども、3つ目のポツを御覧いただきますと、兄弟会社という文脈での議論でございますが、業務範囲規制の制度設計として①②と2つの制度が議論されています。1つは①です。米国のFHCのように業務に特段の限定をかけずに、当局の個別許認可で対応していく方式。それから②です。行い得る業務をあらかじめ法令で限定した上で対応していく方式。こうした2つの仕組みについて検討していただいた上で②の方式を基本とすると、その上で状況の変化等に応じ、可能な限り柔軟に対応していく枠組みを確保していくという結論になってございます。

10ページ目を御覧いただきますと、これは高度化等会社のときの議論の経緯でございます。金融と非金融の境目がなかなかなくなってきているということを踏まえまして、3つ目のポツです、より柔軟に業務展開ができるような枠組みを設けることが考えられるということで、こういう考え方に基づいて銀行業高度化等会社制度が創設されたということでございます。

最後に一番下の参考のところでございますけれども、ここにいわゆる地域商社に関する留意点ということで、監督指針を御紹介させていただきたいと思います。まず1ポツ目、2行目の最後のところ、地域商社は利用者の利便に資するものとして銀行業高度化等会社に該当し得る。

その際の留意点といたしまして、3つ目のポツでございます。以下のような場合には、物流を担うことによる他業リスクや利益相反等の弊害のおそれは大きくないと考えられるということでございまして、2点挙げてございますが、1点目は在庫が必要な程度にとどまっているということ。それから2点目といたしまして、製造や商品加工を直接担うのではなく、商品企画や流通形態の提供という機能にとどまっているというものだということで明らかにされているということでございます。

次の11ページ目を御覧いただきまして、これは子会社・兄弟会社の業務範囲を全体として比較したものになります。銀行業高度化等会社、一番下に青で色がつけてありますけれども、他業も含めて非常に幅広く営めるという形で制度設計されています。他方で、それも踏まえまして認可要件は比較的厳しめになっております。ポツが4つありますけれどもその2つ目、いわゆる全損要件、出資が全額毀損した場合であっても、銀行持株会社に対する財産及び損益の状況が良好であると見込まれること。それから優越的地位の濫用、利益相反の著しいおそれがないということを確認するという仕組みになっております。

この高度化会社の制度施行から3年たちましてある程度実績も積み上がっておりますので、ここの部分につきましては一定程度の類型のものについては切り出して認可要件を緩和するということも考えられるのではないかということで、後ほど御討議いただきたい事項で御紹介させていただきます。

最後に12ページですけれども、地方創生に関連する地域社会における課題は非常に幅広うございます。高度化会社の枠組みで引き続きこれらの課題に柔軟に対応していただくという観点も重要ではないかということで、これも後ほど具体的な討議事項を御説明させていただきたいと思います。

続きまして、議決権取得等制限(5%・15%ルール)の御説明をさせていただきたいと思います。14ページを御覧ください。議決権取得等制限の例外といたしまして、まず投資専門会社による出資が基本になっているということ、それから4つの類型、ベンチャービジネス会社、事業再生会社、事業承継会社、地域活性化事業会社という4つの類型が設けられております。いわゆる地域金融の中で行う出資については例外を認めるという考え方でこのような制度が設計されておりまして、要件を見ていただきますと、それぞれ、ベンチャービジネス会社でありますと資料に書かれてありますとおりの要件がございますし、保有期間は15年。事業再生会社でございますと、例えば(1)にありますが再生計画認可の決定を受けている会社で保有期間10年。事業承継会社につきましては5年。それから最後の4つ目の類型、地域活性化事業会社、これはいわゆる地域の面的再生を行うということを念頭に置かれた規定ですが、これにつきましては、議決権は100%ではなくて最大50%という形になっているということでございます。

次に16ページでございます。これは銀行等によります出資は様々な類型がございまして、その全てを資料に盛り込むのは困難ですので代表的な例を挙げさせていただいています。全体的な傾向といたしまして金額的な面からみますと、案件の詳細までは分析できておりませんけれども、エクイティー、資本性資金を供給しつつ、出資者自らはハンズオン的な支援を行わない形態での関与が多いのかなという印象を受けております。

続きまして、17ページに参ります。議決権取得等制限に関わるこれまでの議論を整理させていただいております。まず、一番上の(1)ですけれども、1行目の最後辺りでしょうか、銀行には他業禁止が課せられている趣旨ということを踏まえて、このような議決権取得等制限が必要ではないかということでございました。

それから、(3)は2007年の議論でございますけれども、一番初めのポツです。今申し上げた他業禁止の趣旨の徹底や、子会社業務範囲規制の潜脱回避の観点。それから、次のポツです。銀行グループによるエクイティー保有の拡大については、制度趣旨との非整合のほか、株式持合いの復活、銀行グループによる産業支配等についての懸念が指摘されておりました。3つ目のポツで、そうした中でそのような懸念に十分留意しつつ、相応の政策的合理性が認められるということで地域密着型金融の文脈の中で柔軟に対応していってはどうかという結論でございました。

続きまして、(4)でございます。2013年の議論は1つ目のポツの2行目の最後辺りですけども、いわゆる母体行責任の議論ということで、銀行セクターにリスクが集中し過ぎていたことは、金融危機を引き起こす要因の1つとなっていたのではないかという御議論もこのときにはございました。そうした中で、地域経済に資本性資金の出し手が不足しているということも踏まえまして、地域経済において資本性資金の供給が真に必要とされる場合には柔軟に対応できるようにすることが適当であるという考え方で現行制度はできているということでございます。

続きまして、18ページです。先ほどから申し上げております投資専門会社の制度的な観点を御説明させていただきたいと思います。投資専門会社は、その業務範囲が出資等とそれに附帯する業務ということで、右側の参考、点線で囲ってある中に書いてありますとおり、一般のファンド運営会社と比べると限定的になっております。このような業務範囲が適切かどうかを後ほど議論いただきたいということで、問題提起させていただきたいと思います。

最後に19ページになります。先ほど御説明したようにベンチャービジネス会社、事業再生会社、あるいは事業承継会社にはそれぞれ定義がございますし、保有期間を定めております。それらが現在の経済状況、あるいはポストコロナで見込まれます様々な社会的・経済的な要請との関係でどう考えるかという点についても御議論いただきたいという趣旨でございます。

資料2の説明は以上でございます。

続きまして、資料3「本日討議いただきたい事項」について簡単に御紹介させていただきたいと思います。

まず、「Ⅰ 今回の見直しについて」というのが1ページ目の冒頭にございます。それに加えまして、3ページ目の最後のところにある「Ⅱ 機能別・横断的な将来の金融規制体系を見据えた留意点」との2本立てにしております。

それで、まず今回の見直しの検討の視点ですけれども、1つ目のパラグラフで現在の経済状況、それから今後の課題として考えられることが挙げてあります。

2つ目のパラグラフで、そうした中で銀行に求められる役割を、前回の御議論を踏まえて記載させていただいております。

そういったことを踏まえまして、3つ目のパラグラフでございます。今回の銀行制度等の在り方の検討は、現行制度の趣旨を踏まえつつ、銀行が、適切なガバナンスの下で経営資源を投入し、上記の役割、パラ2に書いているような役割を果たすことを促すという観点から行うという考え方についてどう考えるか、これがまず1点目でございます。

続きまして、2.銀行業高度化等会社についての討議事項でございます。まず、初めのパラグラフは現行制度、認可要件を設けている趣旨が書いてありますが、そうした下で3点ございます。まず(1)ですけれども3行目辺り、実際に高度化等会社に係る認可を受けた会社の業務の中には、他業リスクや優越的地位の濫用、利益相反取引の著しいおそれが必ずしもあるとは認めないと考えられる業務、一定の類型の業務も存在するのではないかと。1ページ目の最後ですけれども、こうした一定の類型の業務を営むものに関しては認可基準を緩和することについて、どう考えるか、これがまず1点目でございます。

次のページ、2ページ目を見ていただきまして(2)でございます。さらに、こうした一定の類型の業務につきましては、財務健全性やガバナンスが一定の水準以上の銀行グループが、兄弟会社形態で営む場合には個別認可を不要とすることも考えられるが、どうか、これが2点目の論点でございます。

さらに3点目、(3)の2行目辺りです。銀行が、地方創生等に資する幅広い業務に主体的に取り組むことを後押しする観点から、現在は抽象的な規定になっているわけですけれども、それにさらに地方創生等に資する業務という要素を追加いたしまして拡大してはどうかということが3点目の御提案でございます。

続きまして、3として議決権取得等制限でございます。これも、まず初めに現行制度の趣旨がありますが、それに関する討議事項といたしまして、(1)(2)を用意させていただいております。

まず、(1)投資専門会社の機能強化ということでございます。2つ目のパラグラフになります。銀行は、その「目利き力」やコンサルティング能力を強化し、今後、ビジネスモデルの転換支援を含めた企業支援に積極的に取り組んでいくことが求められる。こうした中、銀行が投資専門会社に経営資源を投入し、出資と併せて、コンサルティングをはじめとする経営改善・事業再生支援などを一体的に行うことができるよう、投資専門会社の業務範囲を拡充することについてどう考えるか、これが1点目でございます。

続きまして、各出資先の要件についての議論が(2)でございます。まず①でございます。ベンチャービジネス会社でございますけれども、1つ目のパラグラフで現行制度を御紹介しております。3ページ目を見ていただきますと、これに関しまして銀行による出資を通じ、サービス業を含めた様々な業態において新たな事業分野の開拓を幅広く支援する観点から、現行の設立・第2創業から一定期間を経過していないことを要件とする枠組みは維持しつつ、他の要件を緩和することが考えられるが、それについてどう考えるかということが1点ございます。

続きまして、事業再生・事業承継会社につきましては②でございます。2つ目のパラグラフの2行目からでございます。まず事業再生、財務状況が相当程度悪化した会社が現在主な対象とされております。銀行が早期に経営改善・事業再生支援に関与することを可能とする観点から、要件を緩和すべきとも考えられるが、この点についてどう考えるか。

続きまして、事業承継につきましては、先ほども林企画委員長から御説明がございましたように、少子高齢化の進展を背景にニーズは一層高まると考えられます。そうした中で、最後の2行ですが、事業承継会社の議決権の保有可能期間等に係る要件を、現在は5年ですけれども、事業再生会社、これは現在10年ですが、それと同程度にまで緩和することについてどう考えるか。

③、いわゆる面的再生を行う地域活性化事業会社ですけれども、2つ目のパラになります。地域の面的再生に向けた取組は今後さらに重要性を増すと考えられるところ、一層柔軟に出資できるよう、現行は最大50%までの議決権の取得になっておりますけれども、他のものと併せまして最大で100%の議決権取得を認めることが考えられるかどうかということでございます。

最後に、先ほど申し上げました機能別・横断的な将来の金融規制体系を見据えた留意点について、御意見ございましたらおっしゃっていただきたいということでございます。

以上でございます。

【神作座長】

御説明、どうもありがとうございました。

それでは、ただいまの御説明を踏まえまして、メンバーの皆様に御討議いただきたいと存じます。なお、御説明に対する御質問がございましたら、合わせて御発言いただければと思います。

御発言をされる際は、オンライン会議システムのチャットに全員に宛てて御自身のお名前を入力、送信してください。それを確認した後、私が指名させていただきますので、御自身のお名前をおっしゃっていただいた後に御発言をいただければ幸いです。

どなたからでも結構でございます、御発言をお願いいたします。いかがでしょうか。

岩下メンバー、お願いいたします。

【岩下メンバー】

どうもありがとうございます。

本日、事務局より御説明いただきました子会社・兄弟会社業務範囲の規制の部分的な緩和について全面的に賛成いたします。また、先ほどの林企画委員長の御発言の中にも大変銀行業としての切実な危機感が伝わってまいりました。大変よい御発表をお聞かせいただいたものと考えております。

この資料3の項目に沿いまして、若干コメントを述べさせていただきたいと思います。

まず、子会社・兄弟会社業務範囲規制の根本的な考え方なんですけども、基本的に今、子会社と兄弟会社に認められているものというのは、先ほどの事務局の御説明のとおりそんなに差はないということなんですが、ただやはり今回の議論の中では兄弟会社について規制を緩和しようというお話かと思います。

もともと兄弟会社みたいな概念が出てきたというのは、1994年の金融制度改革が金融分野においては最初だったんだと思います。当時、銀行と証券、保険等の相互乗り入れの議論をするときに、非常に銀行業が強力であったので、それに対して他の産業からそれに対するプロテクションの議論があって、いわゆる業際問題というのが大変活発な議論をされました。そのときに、言わばそういう問題の解決策として、当初子会社方式による相互参入というのが始まったわけです。当時はまだ持株会社は認められていませんでしたから。その後、持株会社が解禁になってから持株会社方式になって、兄弟会社ということになったと思います。当時、1994年の段階で当然利益相反であるとか様々な銀行業が業務範囲を拡大することについての懸念というのがあったわけですが、それについてどのようにリスクを遮断するかという観点から子会社方式、持株会社方式等の議論がされたと理解しております。

ただ、そのときに、例えば法人格否認の法理であるとか様々な議論の下で、果たして現在の子会社形式が妥当であるのかというような話が当時あったかと思いますが、それでもたしか子会社方式は最終的にそれしかないという形で選択されたというのが94年の時点の判断だったと思います。その後、持株会社が可能になって兄弟会社という概念ができたわけですけれども、今でもいまだに兄弟会社と子会社との間で大きな差があるのであろうかというのは、私はちょっとその点は疑問に思います。つまり私が申し上げたいのは、今回の議論の中において、兄弟会社についてはある程度リスク遮断が可能である度合いが高いので、そこについての個別認可を不要とするというような形をしていますが、そこは、この本件についての議論というのは子会社においても適用可能な議論なのではないかと思います。

その場合に、兄弟会社であれ、子会社であれ、そこについて大きな差があるというようには、この議論の中では私は必ずしも認識しておりませんでしたので、その意味では全体として個別認可を不要として、先ほどの林企画委員長のお話にあるとおり、銀行が迅速に他のIT企業などの極めてスピーディーな意思決定にしっかり対応していけるためには、事業計画を5年分つくって、それで収益がどうのという議論を延々やっている暇は多分ないはずでありますので、そういうことをしなくて済むような形態でのルールが設定されることは望ましい。個別認可ということを一々やっていたのでは多分間に合わないというのはそのとおりだと思うんですけども、それを必ずしも兄弟会社に限る必要はないのではないかというのが、私がこの議論を聞いての印象でございます。

それから、その他の投資、ベンチャービジネスあるいは地方創生、さらには事業再生、事業継承といった点について、現在の問題というか検討されている仕組みの中で100%議決取得を認めるということは、これはぜひ進めるべきことだと思います。まさに今は地方において必要となっており、これからさらにその必要性が高まるであろう地域活性化あるいは事業再生、そしてベンチャー支援といったことが、今、地方において極めて強力なキャピタルを持っている銀行の力をそこに有効に活用して地域を再生するということが、最終的にはその地域の金融機関にとっても大きなプラスであることは間違いないことですので、それをやりにくくしているルールというものはできる限り排除するべきだと考えます。

私からの申し上げたいことは以上でございます。

【神作座長】

どうもありがとうございました。

続きまして、坂メンバー、お願いいたします。

【坂メンバー】

ありがとうございました。考え方の枠組みに関して3点と、それから個別論点についてそれぞれ述べさせていただければと思います。

まず、枠組みに関する1点目ですけども、銀行子会社、それから兄弟会社の業務範囲はもともとかなり限定されていたものが、時々の政策課題に応える形で拡大されてきた面があると思います。先日の御意見からは、現時点の政策課題は資料3に書いていただいたとおりかと思いますけれども、より少し具体化すると、中小企業の事業の維持・改善、あるいは新たな事業の開拓支援、地方創生、こういったあたりが重点的な課題なのではないかと思います。とすれば、これらへの注力に必要な範囲において拡大を図っていくということが必要なのではないかと思います。

2点目ですけども、銀行本体、子会社・兄弟会社において業務範囲を適切に配置していくということが必要かと思います。預金者保護や金融システム確保の観点から、銀行本体では他業リスクが確実に排除される必要があるので、銀行本体の業務範囲の拡大にはより慎重である必要があろうかと思います。他方で、子会社や兄弟会社の業務範囲は政策目的のために拡大が考えられるところと思います。もっとも子会社は破綻した場合に銀行本体のバランスシートに直接の影響を及ぼすことや、銀行本体の経営との緊密度が高いことから、相応の配慮が必要かと思います。

他方で兄弟会社につきましては、破綻した場合でも銀行本体へのバランスシートへの直接の影響ということは必ずしもないということ等で、少し性格が違うところがあるのではないかと思っております。監督の実効性確保の観点からも、業務範囲の適切な配置を考えていく必要があると思います。

それから3点目ですけども、子会社の業務範囲について、上場会社と非上場会社で扱いを分けることについてです。上場会社は企業情報が定型的に開示され、多くの市場参加者の投資判断により適切な資金の流れが形づくられるということで、市場が果たす役割が相対的に大きいと考えられます。これに対し非上場会社は個別性が高く、多くの資金提供者が見ているわけでもありませんので、専門的な審査やモニタリングが必要になります。これは融資審査や債権管理に共通する面があり、この分野において銀行グループに力を発揮していただくことに合理性があろうと思います。方向感覚としては、子会社の業務範囲の拡大は非上場会社を前提に検討するということになるのではないかと思います。

以上を前提に各論ですけども、銀行業高度化会社については、これまでの運用の中で問題のないもの、問題の少ないものを類型的に抽出できるものであれば、そのようなものについて認可手続を合理化するということは考えられると思います。もっとも、その範囲は適切に限定される必要があると思います。

次に、兄弟会社において認可手続を軽いものとするということは考えられますけども、当局が適切なチェックと情報取得ができる枠組みが必要かと思います。

それから、地方創生を高度化等会社の法文に加えることは検討されてよいと思いますし、そのこと自体が一層の取組を促すアナウンス効果も期待し得るところではないかと思います。もっとも、目利き力やコンサルティング能力を発揮していただくということを旨とすべきではないかと思っておりまして、法文の書き方や認可基準の定め方には工夫が必要ではないかと思います。

また、関連して議決権について、地方創生には銀行が100%出資するよりも、地域の複数の企業や協力者から出資を募ったほうが協力関係を醸成しやすい面があり得るとも思われますので、こういった点にも配慮が必要かと思います。

それから、投資専門会社の機能強化については、目利き力やコンサルティング能力強化の観点から、必要があれば業務範囲を適切に拡大、あるいは明確化していくということが必要と思います。なお、投資専門会社が関わる形として、銀行本体が投資事業有限責任組合に組合員として出資している例が多く見られます。銀行の健全性確保の観点から、係る出資の適正確保やモニタリングの確保も重要かと思います。この点は一言しておきたいと思います。

それから、ベンチャービジネス会社、事業再生会社、事業承継会社についても要件を適切に画することが重要で、政策目的実現のためには、ある意味あまり拡散させないという視点もあるいは必要かと思います。

     

最後に、将来の規制体系を見据えた留意点についてですけども、過剰な部分を見直すという視点は理解できますけども、不足分は適切に充実を図る必要もあろうかと思います。また、規制の形としては課題、問題の早期把握と解決のための仕組みづくりという視点がより重要になるのではないかと思います。利益相反管理や優越的地位の濫用の防止は、そうした面からも検討が必要かと思います。

また、仕組みづくりの観点からは情報開示が重要であって、例えば子会社や出資先ファンドの運営状況等の情報開示はもっと充実を図ることが検討されるべきではないかと思います。

以上です。どうもありがとうございました。

     
【神作座長】

どうもありがとうございました。

続きまして、家森メンバー、お願いいたします。

【家森メンバー】

神戸大学の家森です。

まず、検討の視点につきましては、こちらに書かれているように銀行が適切なガバナンスの上で経営資源を投入し、上記のような観点の役割を果たしていくということについて、私も賛成しております。まさにこういうつもりで議論に参加しているところです。

それで、(1)について、この一定の類型の業務を認めるものについての認可の基準についても、私は特に問題を感じておりません。これまでの経験でこういうことができるのではないかと思います。

(2)のほうですけれども、これについては、やはり銀行業高度化等会社に関して多様な創生活動を展開してもらうという点では、リスク管理も含めると銀行本体からはなるべく離して、かつグループのリスク許容度の範囲内で、その代わりに事業内容については銀行に対して大きな自由度を認めるということが、銀行の健全性と両立しながら地方創生に貢献できるのではないかと考えております。

(3)の業務範囲についてですけれども、これはちょっと質問も入るんですが、先ほどの事務局の資料2の8ページで、これまでの銀行業高度化等会社の活用状況というのは、テック/フィンテックが多くて、あと数社の地域商社があるというのが現状になっています。例えば法令上から見ると、もともと非常に幅広い参入が可能なように見えるわけですけれども、地域商社を例にすると、地域商社監督指針の改正以降に地域商社が増えているというようなことからすると、やはり非公式の業務規制があるようにも思えるところです。あるいは自己規制というのがあるのでしょうか。今回、地方創生等を明確に加えていただくことによって地域金融機関の間での受け止めが変わり、よりこういう分野も地域金融機関ができるんだ、あるいはそういうツールを活用する必要があるんだということになっていくという意味で、先ほど坂先生がおっしゃったような地方創生に必要な観点という意味でこちらへ臨まれるのではないかと考えております。

ただ、ここまでの議論の中で幾つか留意したい点、もう少し考えていただきたい点がありまして、1つは持株会社方式が取れないような協同組織金融機関の場合であります。地域において、銀行の支店のない地域もかなりあって、そちらを利用されている中小企業の方々に対してこういうサービスが受けられないというのはいかがかと思いますので、何らかの別の対応が必要ではないかと思っております。

     

それから、実際兄弟会社と本体をリスク管理上、切り分けるべきだというように私は思っているんですが、一体となって支援していくという場合に、情報の共有であるとか、共に働く意味での共働というのに対して制約があると、結局組織をつくるというのは我々の目的ではないので、実際に働けるかというところについて何らかの障害がないのか、あるいは逆に弊害が出ないのかという点についても考えておく必要があるだろうと思います。

それから、全銀協さんのプレゼンの中に赤字銀行に対しての規制緩和というのがございましたけれども、現在の子会社の認可要件についてどのような財務的な要件がされているのか、私はよく分かっておりませんが、一般的に言えば、やはりリスク許容度が小さくなっているということなので、もちろん自己資本比率の水準も加味する必要があると思いますが、今は全損要件というものがあるようでありますけれども、銀行全体に大きなリスクが生じないようにというのは重要な論点ではないかと引き続き思いました。

それから、議決権取得等制限の中では、特に②の銀行が早期に経営改善・事業再生支援に関与することを可能にするというのは非常に重要な観点でして、病気になってからやるよりは、やっぱり病気になる前にやっていくということが重要ではないかと思います。この点は企業も、銀行の方々も多分そう思っていらっしゃると思いますので、これはぜひ進めていただきたいと私も考えております。

最後にもう一度、高度化会社のところに戻りますが、全銀協の資料の中で銀行業高度化から金融業高度化にというような名称、ネーミングがあったと思いまして、例えばほかの業態などでも規制がありますし、こういうことをやりたいというようなときもあり得ると思います。銀行の子会社の銀行高度化会社と、持株会社にある銀行高度化会社というのとで違うというのは、何か世の中では分かりにくいと思うので、むしろこの新しい業務については、もしかしたら金融業高度化会社のようにして分けたほうが分かりよいのかなという印象も持ちました。

以上でございます。

     
【神作座長】

どうもありがとうございました。

続きまして、西原メンバー、お願いいたします。

【西原メンバー】

ありがとうございます。私からは2点申し上げたいと思います。1点目は兄弟会社の業務範囲規制について、2点目は銀行制度、今回の見直しの大きな考え方についてであります。

1点目の兄弟会社の業務範囲についてですけれども、先ほど経緯の中で、2007年の金融審議会で銀行の兄弟会社における新たな特別な業務を認めていく制度的な枠組みを検討される中で、1つにはアメリカのFHCにおける補完的業務のように限定を設けずに、当局の個々の許認可の下で業務を認めていく方式と今の現行の方式が議論され、当時は銀行が決済機能を有するため、この1つ目の方式が見送られたという経緯が、先ほど事務局からも御紹介がありました。

その後13年間で、前回も論点になりましたけれども金融や銀行ビジネス、銀行業界を取り巻く環境というのは大きく変わっており、1つは銀行以外でも決済機能を有するプレーヤーが出てきており、これは利用者の利便性向上という点で、積極的に進められている面もありますが、前回御紹介しましたように決済市場における消費者向けのクレジットカードの市場では非銀行がトップになりそうな局面になっていますし、決済以外でも銀行の固有業務、本業である貸出等でも非銀行がプレゼンスを高めてきていて、いいサービスを切磋琢磨して提供するようになっています。

2点目には、金融と非金融の垣根がなくなっているというよりは、その背景には金融と非金融のサービスを一体化して消費者に届けるビジネスモデルが広がり、かつ消費に受け入れられているという環境変化があります。

3点目には、アメリカにおいて銀行の業務に特段の制約を設けていない中で、銀行による産業支配というものは起きていませんし、また、むしろ米銀は非銀行のプラットフォーマーのチャレンジを受けている状況にあります。こうした外部環境の変化を踏まえますと、今回の見直しにおけます制度対応としましては、より銀行が広い範囲でサービスを提供していけるような制度変更が必要なのではないかと思います。

1つには、前回の事務局資料にも書かれていたようにイギリスやドイツのような原則自由への移行というものがあり得ると思いますし、もう一つは限定列挙方式の中での付随業務、従属業務の見直し、そして3つ目には抽象規定方式である高度化会社における一定の類型の業務、ここの範囲を広げてよりフレキシブルに運用していく余地があるのではないかと思っています。

ビジネス面から見て最終的な目標としましては、銀行サービスの強みである安心・安全なサービスをより幅広く総合的金融という形で、林企画委員長からもお話がありましたように利用者に提供していけるような、利用者が選べるような、そういう環境を整える制度設計、制度見直しをするべきではないかと考えています。

2点目の銀行制度の見直しの大きな考え方についてですが、今回、事務局資料の1ページ目のⅠのところに、銀行が実体経済の回復や構造変化へのサポート、地域社会の課題解決により寄与していけるという観点から制度を見直すということで、具体的には地域金融機関に集まっています人材や資本を使って人材を派遣したり、エクイティーファイナンスを行い、地域経済の活性化に役立てることには賛成の立場であります。

ただ、やはり注意点もあると思います。1つ目は、地域経済の活性化には地域企業の成長性の向上が本質的な解決策なのでありまして、地域金融機関が資本や人材を地元企業に投入できるようにするという制度変更のみで簡単に解決できるわけではないと思います。制度の見直しがやはりワークして使われなければ意味がないことだと思いますし、銀行が長く出資することが想定されているものでもないと思いますので、銀行は再生のノウハウを持つファンドなどと組んでより主体的に再生のプロジェクトを回していけるような、そのときに必要な出資をタイムリーに出していけるような、そういう制度設計であり、かつ使われ方でないといけないと思います。

2点目は規律を効かせて、結果として地域企業の生産性を向上していくということを明確化していくべきではないかと思います。地域金融機関のエクイティーファイナンスが本来生き残れないような企業、一般的にはゾンビ企業と言われますけれども、こうしたゾンビ企業の延命につながらないようにしなければいけないと思います。ゾンビ企業の延命は地域経済の生産性向上、日本の生産性向上全体を遅らせるほか、この企業が再生できない場合は出資元の金融機関の健全性を阻害する面があります。資本性ローンよりもエクイティー出資のほうがリスクが大きいということで、全ての地域支援機関がこのリスクに耐えられるものでもないと思います。

100を超える地域銀行の2019年の自己資本比率を見ますと、8%割れの先は15%ぐらいあるんですけれども、過去3年間にわたり平均で1%ぐらいの自己資本が失われています。このペースを前提とすると、3年内に4、5割が8%未満の資本の地域金融機関、地域銀行になってしまうこともあり得るためやはり規律の効いた運用をしなければいけないと思います。そのための仕組みづくりとしましては、出資先の選定に第三者機関の関与を入れるとか、出資する金融機関の健全性やリスク管理、ガバナンスをきちんとチェックする仕組みを入れていかなければいけないと思います。経営管理、リスク管理の確保ができているということを前提に、地域金融機関にある人材、資本をより活用していくということに賛成という立場であります。

私からは以上です。

【神作座長】

どうもありがとうございました。

続きまして、野崎メンバー、お願いいたします。

【野崎メンバー】

ありがとうございます。野崎です。私からも、事務局から提起いただいていた2点の主要ポイントと、それから追加1点で業務範囲についてコメントを申し上げます。

まず、1点目の高度化等会社の緩和措置については賛成でございまして、実績の積み上がりに応じて一定類型の業務、これはどういったことがこれに当てはまるのを特定することを前提として届出とすること、機動性を担保するということに賛成でございます。

また、この届出までの経過措置としては、監督指針等の運用によって認可のスピードを上げるというところについてのコミットメントが必要かなと思います。ただしこの辺は、届出にした後はしっかりとモニタリングするというところは必須であると思います。

2つ目のポイントの議決権取得等制限について、5%・15%のところですけれども、申し上げたいポイントは3つあります。1つ目のポイントとしては、事業承継のときの持株の5年という制限、これは5年が悪くて10年がいいという合理的な根拠はないのですけれども、事業再生と、それから事業承継の中では、例えば事業の再構築によって承継しやすいような形に仕立てることも可能であるということを考えると、再生のプロセスと何らそんなに変わりがない、類似性があるということでございます。ですので、再生の場合の10年と平仄を合わせるというのも1つのアイデアであるということです。

2点目についてですけれども、これは投資専門会社の業務範囲についてですが、そもそもの趣旨というのが、これは金融投資、つまりフィナンシャル・インベストメントというよりは、再生あるいは事業承継をかなえるためのストラティジック・インベストメントであるという位置づけを考えると、やはりある程度しっかりとハンズオンでやっていかざるを得ないだろうと思います。もちろん銀行員としての立場のまま、協働して取り組むことも可能なのですけれども、投資専門会社に支援を仕立てて、全てやっていくというところの機能性を高めるというのは必要じゃないかなと思います。

それから3点目としては、ベンチャービジネス等の要件で、支援、開発費でしたか、この辺についての制限がございますけれども、今やRDドリブンを、ベンチャービジネスばかりではなくて、ITドリブンやアイデアドリブンの会社もいっぱいできておりますので、そういった意味ではこういった要件は、今や少し時代の要請に合わないのかなというように感じました。

最後に業務範囲に関しては、全銀協のほうからも御要望をいただきましたけれども、ちょっと個別・具体的になりますけれども、例えばバックヤード、バックオフィスの業務、このアウトソースを受託する、今ある経営資源の中でこれを受託できるのであれば、収益化できるのであれば、ぜひやるべきではないかと。ただ、銀行業務に支障がない範囲でこれを受託できるのであれば非常によいと。というのは、これを行うことによって、今までの業務の生産性であるとか効率性についても見直す1つのきっかけになるのではないかということです。

それから、アプリとかシステムの外販なのですけれども、この点については、今、金融業界、特に中小の金融機関をはじめとして、例えばKYCをはじめとするコンプライアンスの、要するに収益化できないような業務負担が非常に増えているわけです。ですから、金融機関全体の社会厚生を高めるためにも、例えばアプリとかソフトウエアだけではなくて、例えばルール、規則を含めたパッケージ、コンサルテーションパッケージみたいな形で販売できるようなことができれば、これは非常に金融業界全体にとってはいいことではないかなというように考えます。

以上です。ありがとうございます。

【神作座長】

どうもありがとうございました。

続きまして、高田メンバー、お願いいたします。

【高田メンバー】

事務局からのご説明に基本的に賛成する立場でございます。

そういう状況の中で、私も先週、全般的な説明の機会をいただいたわけなんですけれども、やっぱり環境認識が大きく変わっているという中で、環境の状況に沿った経営判断と申しましょうか、こうしたところがやっぱり重要になっているんじゃないかなと思っています。

先週申し上げた点なんですが、地域経済が随分二極化している、それから高齢化、それから企業が資金余剰になり、また金利が水没というような申し方をいたしました。それからデジタル化というような状況、それに今回のコロナが加わったということでございまして、そもそも現在の規制というのは金融・非金融の環境、境界というのが非常に明確なときにでき上ったものでしたし、また、その状況の中で企業が資金不足であると、しかも若いという発展モデルの中での前提としてつくられたわけであります。しかしながら、今日企業が逆に余剰になり、しかもデジタル化も含めて金融・非金融の垣根というものが随分変わってきており、しかもそこに高齢化が加わるというような状況の中で、やっぱり新たなモデルが必要になるという、しかも今回このコロナが加わったということだと思います。

私、先週、今回の状況というのはコロナ7業種という言い方を申し上げたわけでありますけれども、大きな危機として、前回バブルの時代のときにはバブル3業種と言われたような状況でありまして、特に不動産を中心とした、債務調整を行うにしても比較的定型的な対応だったわけでありますが、今回のこのコロナ7業種といった場合、非常に多岐にわたるというような状況で、しかも中小企業中心です。ですから、バブル崩壊のときの対応は比較的数も少ない、当時よく100社問題とか200社問題とか言われましたけれども、そういう単位だったわけでありますが、今回の場合にはこの桁が2つ、3つも違う場合もあり得るというくらいの大量な債務調整なり、またそれに加えて、先ほど申しました多様なものの中での業務構造改革が求められます。事業構造みたいなものも革新していかなくていけないというような、そういうものをどういう形で対応するかということになった場合には、まさしく既に対応している金融機関がその矢面に立って、特に地域の中心とした金融機関の対応が不可欠です。しかも今回の状況は、先週も申し上げましたけれども、要は失われたものが売上げで、そしてそれが利益につながり、そしてそれが資本の減少であるということでございますから、その資本をどういう形で補いつつ、しかも先ほど申しました事業の構造を変えるというようなことを一緒に対応すると、それに伴った対応をどうできるのかというところがやっぱり重要になるんだろうと思います。

また一方で、金利水没と申しましょうか、というような状況の中では、いわゆるデットのガバナンスが効きにくいというような状況というのがありますので、言わばエクイティー、出資機能というものが金融の仲介の中心になります。従来であればいわゆる普通のデットを中心とした資金の流れということが中心のマネーフローだったわけでありますけれども、それではなくて、今申し上げたようなエクイティーを中心としたものになってくると、そういうものの対応というものが重要になってくるということだと思います。

となりますと、今回の議論でございますけれども、もちろん金融機関、中でも銀行の収益性の改善ということは重要でありますが、別に銀行の収益性ありきということではありません。今回の特にコロナ7業種を中心とした企業の課題ということを考えますと、コロナ7業種を中心とした企業、中小企業を中心とした対応、それに地域の支援というのでしょうか、それと金融機関の状況の改善という、これが三位一体として一体で行えるような改革をどうできるかということがやっぱり重要になってくるんだろうと思うんです。

そのためには、最初、前半のところでありましたような様々なこういう課題に対応した経営資源の導入というんでしょうか、こうしたものを、まずガバナンス一定の下に対応するというのは重要なことになると思います。

また一方で、2番目の論点でございますけれども、子会社・兄弟会社ということで銀行業高度化等会社というような状況の中で、これに対する認可基準というものを緩和するということも、今回の中でも重要な状況になろうかと思います。

また一方で、そういうものに対しては比較的個別認可を不要とすることも考えられますし、また一方で、こういう地域創生におけるということで地域商社というものも生まれてまいりましたけれども、ただまだ数が少ない、一般化してはいないということを考えますと、よりポジティブに対応するためにも、この地域創生等に関する業務を追加するというのはやっぱり非常に時宜にかなうことではないかと思います。

先ほど申し上げましたように、今回はコロナに対応してということになりますと、取りあえず無利子無担保で大量な資金がということではございますが、本来、エクイティーが必要なものがそういうデットでというような状況になっている中で、当然今後は債務リストラクチャリング、それに加えて業務の改善というものが求められてくるということが見込まれます。この議決権取得等制限でございますけれども、投資専門会社の機能強化、中でもこちらの業務の業務範囲を拡充し、ハンズオンも含めた一体としてできるようなことというのは非常に重要な課題になろうかと思いますし、またベンチャービジネスに関する他の要件の緩和ということも重要だと思います。先ほどの議論の中にもございましたように様々な局面で銀行を中心とした金融機関が再生のところで関わることが求められます。そういう観点からは事業再生会社の要件を緩和し、いろいろな局面で対応できるようにするということも重要だと思いますし、またこの高齢化の中で事業承継といったところのニーズがより強まる状況でもございますので、そういう意味では5年から10年といったところも重要だと。いずれにいたしましても、こういうニーズに対応できるためには、今申し上げたような、特にコロナに対応した改善ということのための制約になるものについては改善が重要だというように考える次第でございます。

以上でございます。

【神作座長】

どうもありがとうございました。

続きまして、小倉メンバー、お願いいたします。

【小倉メンバー】

早稲田大学の小倉と申します。今回の御提案いただいた規制緩和案について、非常に時宜にかなったものでありまして、かねてからある構造変化で、なおかつコロナ禍が来てというところで、さらにハンズオンでの支援が必要になるような中小企業が増えるであろうという事態にあって、それを見据えてこうした規制緩和をするということについては基本的に賛成でございます。その立場から、「本日討議いただきたい事項」ということでいただいていた各論点について、幾つかコメントさせていただきたいと思います。

まず、子会社・兄弟会社業務範囲規制に関する論点なんですけども、その中で新しい業務の類型として一定の類型の業務という新しい分類をつくられて、それについては認可基準を緩和する、あるいは一定基準以上の銀行グループが兄弟会社で営む場合には個別認可を必要としないといったような緩和をされるという御提案がなされているわけなんですけれども、この点については、野崎先生がおっしゃっていたことに賛成する部分がありまして、つまり、この一定の類型の業務の定義が非常に明確で、もうほぼ機械的に分類できるものであればこうした緩和の意味はあると思うんですけども、そこがあまりはっきりしなくて、これが一定の類型の業務に当てはまるものだということを証明しなければいけないという手間が入ってきてしまうと、結局緩和した意味がちょっとそがれてしまうということになりますので、ここは一定の類型の業務の定義をかなりうまくやる必要があるのかなということを思いました。

それから、業務範囲規制に関するところで銀行業高度化等会社に関連して地方創生という文言を法文に入れるかどうかという点なんですけれども、これについても、先ほど家森先生がおっしゃっていたように銀行側の自己規制が働いてしまって思い切ってできていなかった部分もあるのではないかということもありますので、地方創生を追記するということに賛成したいと思います。

続きまして、議決権取得等制限に関する部分なんですけども、投資専門会社の機能強化という点ですが、これは、私は非常に大賛成でございます。投資専門会社は、お金を出すだけじゃなくてハンズオンで支援するということが本来の趣旨ですので、投資専門会社の機能の1つとしてこうしたコンサルティングであるとか営業支援、人材紹介といったものは含まれるべきであると考えます。

それから、ベンチャービジネス会社について、ベンチャービジネス会社に関する要件緩和です。いろいろな事例を拝見させていただいたんですけれども、地域活性化事業会社、面的再生の制度を使われている出資対象の会社の中に割と製造業の技術系の会社が入っています。これはなぜなのかなと思っていたんですけども、ひょっとすると試験研究費の総収入に対する比率などの規制の問題があって、それでベンチャービジネスには分類できないから、やむを得ず地域活性化事業会社として分類して、それでその制度を使っているというように見受けられたので、そういう意味ではそのような無理なことしなくても、そういった技術系の会社についてはベンチャービジネスとして扱って、そこで出資するという形が取れるように、自然な形が取れるように試験研究費比率に関する要件は緩和してもいいのではないかなというように思いました。それから、製造業だけではなくてサービス業周りのベンチャー企業もこれから増えてきますので、その点を考えても、やはりこういった試験研究費比率に関する規制は緩めてもいいのであろうというように思いました。

それから、事業再生会社に関する要件緩和、ほぼ民事再生手続を始めるような状況じゃなければいけないというような要件は確かに遅きに失するおそれがありますので、その点についても賛成です。その場合、具体的にどういう要件にするかというのが少し問題で、考えなければいけない部分になると思うんですが、基本的にはメインバンクさんの情報をうまく活用できるような形で要件設定をしていただくのがいいのであろうと思いました。

最後に、事業承継会社に関する点で、今は保有期間が5年までということになっていますけども、10年にするという提案についても賛成でございます。ただ、この点に関連しまして、今日報告していただいた全銀協さんからの規制緩和要望の中に、事業承継会社については非上場要件を撤廃してほしいというような要望がございまして、上場会社についてもこういった議決権の取得を認めてほしいというような要望があったように見受けられたんですけども、上場会社についてはやはり一般の投資家の問題がありますし、一般投資家への影響が非常に大きくなる可能性もありますし、それからコーポレートガバナンスコード等々との整合性の問題もありますので、やはりこの辺りの議決権取得規制の緩和については、あくまで非上場の企業を対象にしたものだと考えるのが自然であろうと思いました。

私からは以上でございます。

【神作座長】

どうもありがとうございました。

続きまして、加藤メンバー、お願いいたします。

【加藤メンバー】

ありがとうございます。私からは3点コメントいたします。

1点目は、銀行業等高度化会社についてです。この子会社の特徴は、法令上、業務範囲が抽象的にしか定められていない点にあります。この子会社をより使い勝手のいい制度にしていくために、これまで金融庁と銀行または銀行持株会社との間で認可手続、もしくはその前の相談の段階でなされたやり取りを可能な範囲で公表することが考えられるのではないかと思います。

資料2の10ページで言及されている監督指針の改定は、こういったやり取りを踏まえて行われたものであって、非常に適切な対応であったと考えます。

もう少し進めて、例えば相談事例でとどまってしまったものがなぜとどまってしまったのか、申請者が手続きを進めることを断念した理由は何かを、監督指針とは別の形で公表する意義があるように思います。認可手続でなされたやり取りをそのまま公表することには種々の問題があるとは思いますが、より多くの方がこのようなやり取りによって明らかになった問題を参照できる仕組みがあってもよいと思います。

こういったやり取りをガイドラインのような形で公表する意義は、その他の認可手続にも認められるように思われます。金融庁による規制手法全体に関わる話かもしれませんけども、できるだけ金融庁に寄せられている相談事例の多くを相談者以外の人が参照できる形にすることが望ましいと考えます。

2点目は、子会社と兄弟会社の業務範囲規制のあり方についてです。連結で見れば銀行の子会社と兄弟会社は銀行持株会社のレベルでは同じです。しかし、銀行単体で見ると両社の差異を無視できません。銀行持株会社を対象とした規制を考える際に、銀行持株会社の傘下にある銀行自体の健全性を重視するか、銀行の健全性について銀行持株会社が最終的に責任を負うことを前提に銀行持株会社の健全性も重視するか、発想の違いがあるように思います。

日本の金融規制はそれほど銀行持株会社に重い責任を課しているとは思えません。したがって、これまでの銀行持株会社に対する規制を前提とするのであれば、銀行の兄弟会社と子会社とで規制上の取扱いを区別するという立場はあり得ると思いますのかなという気がしました。

ただし、兄弟会社の業務範囲規制を子会社よりも緩和する際の要件として財務の健全性やガバナンスについて一定の水準以上を銀行グループで問題にするということの意味を明らかにしておく必要があると思います。これは個々の銀行だけではなくて、銀行持株会社のレベルでのガバナンスに関するものであり、また、連結自己資本比率を考慮するということなのかを、明確にしたほうがよいということです。

3点目は議決権取得制限などの見直しについてです。まず、投資専門会社の機能強化について、私は賛成です。銀行の傘下にある投資専門会社と同じ業務を営む会社は、ほかにたくさん存在します。銀行の傘下にある投資専門会社は、このような会社と競争しなければなりません。銀行の傘下にあることによって投資専門会社の業務に制限があるということは、同じような業務をやっている別の会社との関係で、銀行傘下にある投資専門会社は競争上の不利益を被る可能性があります。銀行が投資専門会社を保有することを認めた以上、そのような会社が競争上の不利益を被る規制の見直しは検討に値すると思います。

最後に議決権取得制限などの見直しに共通する、やや抽象的な話になってしまうのですけれども、議決権取得制限などを課す根拠との関係を改めて確認しておく必要があると思います。議決権取得制限などの根拠は、銀行の他業禁止の趣旨が没却されることを防止する点にあると整理されています。したがって、議決権取得制限などの意義を考える際には、銀行と、銀行が議決権を保有する会社の関係が非常に重要となります。特に、銀行がその株式を保有することによってどういった形で利益を得ようとしているかに注目する必要があると思います。単に投資収益を得ることが目的であれば、他業禁止の趣旨の没却は問題となりにくいように思います。これに対して、銀行が保有先による商品・サービスの提供自体に関与する等、銀行と保有先の事業の関係が密接になればなるほど他業禁止の趣旨との関係が問題になります。このような場合には、利益相反管理体制などによって適切な対応がなされる必要があると思います。

私からは以上です。

【神作座長】

どうもありがとうございました。

続きまして、森下メンバー、お願いいたします。

【森下メンバー】

すみません。ありがとうございます。

まず、いただいた別添の資料3の1のところで総論としてお書きいただいている方向性は、まさに重要なことなのかなと思います。銀行が持っているリソースを様々な形で生かしていくということが求められていると思いますので、ぜひいろいろ御提案をいただいていることは、この方向で進めていただくことが重要かなと思います。

その際に、3点ほど注意する必要があるかなと思うことがあります。1点は、いろいろなことができるようになったけれども、これがばらばらに個別に使われたのではうまくないのかなと思います。顧客にとっても、いろいろなツールが有機的に提供されることが重要かと思います。子会社・兄弟会社がばらばらにアプローチしてきて、お互いが言っていることが違うとか、必ずしもうまく機能しないというようなことがないようにすることが重要だと思います。

その点で、先ほど家森メンバーから、一体として活動していく上での制約となるようなものがないかの見直しも必要なのではないかというような御提案、お話がありましたけれども、私も賛同するところであります。そういったことを通じて、例えばコンサルティング業務というのはほかの会社でもそういったような業務を提供しているところがあるわけですが、なかなか利用しにくい地方の中小企業の方々などにリーズナブルなコストで良質なサービスが提供されていくということが重要なのかなと思います。

2点目は、こういったできる範囲が広がることについて利益相反ですとか、優越的地位の濫用ということからの懸念というものが示されている点に関してです。これについては、銀行としても紛争解決の窓口をしっかりと整備し、拡充していただきたいと思います。今でも、ADRという制度もあるわけですけれども、何だか認識がずれるとか、なかなかうまくいかないというようなことが出てくると思うんですけれども、そうした際に、しっかりと顧客と話し合う、顧客が安心して相談できるといったような窓口を整備していただくということが重要なのではないかと思います。

3点目は、リスク管理の高度化ということかと思います。子会社でするか、兄弟会社でするかといったような話のときに、銀行本体へのリスクの波及というようなことがあるかと思います。ただ私、この点に関しましては、こういった制度がもともとできたときに比べると、銀行もそうですし、あるいは監督当局もそうだと思うのですけれども、リスク管理の高度化ですとか、監督手法も変わってきていると思うんです。そういった意味で、リスク管理の高度化を前提に、どこまで本体あるいは子会社・兄弟会社で認めるかということを考えたらいいと思いますし、今後もこういった新たな業務に挑んでいく上でのリスク管理の仕方ということについて、銀行自身と、あとは監督当局とが協力してそういったようなものを発展させていただくということが非常に重要なのではないかと考えます。

その上で、個別に御提案いただいた点ですけれども、基本的に全て賛成いたしたいと思います。子会社・兄弟会社の業務範囲規制に関して、個別認可の際の要件を緩和するとか、あるいは一定の類型の業務について包括認可というような形で認可のプロセスを緩和するということですけれども、リスクに応じためり張りのついた規制というのは、これは大きな流れとして求められているところだと思います。そういった流れに照らしても重要なことですし、適当なことではないかと思います。

議決権の取得制限との関係での投資専門会社ですけれども、これも何人ものメンバーがおっしゃっているとおり妥当な方向性かと思います。銀行は、短期的には銀行自身が出資を出していくということも大事なんでしょうけれども、本来であればいろいろな投資家が投資をしやすいような形をつくり上げていって、例えば地域のプレーヤーですとか、あるいはほかのプレーヤーなどが見込みのある案件にどんどんお金を出していってくれると、そういったところを仲介すると、前回のお話でもエクイティーを仲介するプレーヤーが非常に期待されるというようなお話がありましたけれども、そういった仕組みを考えていく上で、ただ単にお金を出すだけではなくて、リスクを見える化し、しかも投資できるような環境を整えていくというような機能を果たしていただけるということは重要かなと思います。

(2)の出資制限の緩和についても賛成ですけれども、今度いろいろな形で出資が積み重なっていくことになりますと、トータルとしてのリスク管理というものが大事になってくると思いますので、その点、ここでも出資した、ここでも出資した、ここでも出資した、それが5年、10年積み重ねてトータルとしてリスクが大きくなったというようなことにならないように、トータルとしてのリスクマネジメントというものが重要なのかなと思います。

最後ですけれども、同じ業務を行う場合であっても、銀行の子会社はここまでしかできないけれども、ほかの同様の業態の方はほかにもできるというような部分もあると思うのですけれども、銀行のいろいろな機能を充実していく観点で、そういった子会社の既存の業務範囲を多少広げられる場面もないのかということも検討していくことが重要なのではないかと思います。

以上です。

【神作座長】

どうもありがとうございました。

続きまして、後藤メンバー、お願いいたします。

【後藤メンバー】

東京大学の後藤でございます。ご説明をどうもありがとうございました。本日の資料3に記載されております事務局からの御提案について、基本的な方向性と、あと個々の御提案についてはいずれも賛成したいと思っております。そのような前提の下で、幾つか気になった点について、個別にコメントさせていただきたいと思います。

まず、高度化等会社の一部について個別認可を不要とすることはどうかということで、これは今申し上げましたように基本的に賛成なんですけれども、先ほどどなたかから御指摘があったように、一定の類型の業務とは具体的に何かということが問題となるとは思います。

それとは別に、資料3の1ページによると、現在の認可においては①出資が全額毀損した場合でも銀行等の財産・損益が良好であると見込まれること、②優越的地位の濫用の著しいおそれがないこと、③利益相反取引の著しいおそれがないことが確認の対象とされているということですが、このうちの②と③については、確かに業務の類型によって問題となりやすかったり、なりにくかったりというのは何となくイメージがつくのですけれども、①については、業務の類型によって何かが異なるというものなんだろうかという疑問があります。銀行が出資した額がゼロになったとしても残りの財産・損益が良好であるというのは、結局銀行本体の健全性の話であり、そうであるとすれば認可の中で改めて問題とすべきなんだろうかという疑問を持っております。

例えば、子会社への出資ではなく第三者への貸付けをした場合に、貸付けがゼロになっても銀行本体に影響が及ばないかということは、まさに自己資本比率規制であったり、また健全性全体に対する金融庁の監督によって担保されていることだと思うんですけれども、そうしますと、子会社への出資がゼロになるということの影響についても、同じ基準での判断でいいのではないかという気がしているところでございます。もし何か違いがあるとすると、それは親会社であるということによって出資がゼロになる以上のダメージ、銀行グループで法人格否認が認められることはあまりないような気もしますけれども、レピュテーションリスクや、また何らかの母体行責任の追及のようなことはあるかもしれません。しかし、こういった可能性は①ではうまく表せていないような気もします。そこで、この①が現在の認可の中でどのように審査されているのか、まず金融庁にお伺いできればと思っております。

また、レピュテーションリスクのようなものは、これはなかなか難しい話でして、そこを問題にするのであれば、何人かのメンバーから御発言がありましたけれども、子会社と兄弟会社で何か違うんだろうかという気がしております。子会社の場合には出資した額がゼロになるというのはあるんですけど、これは今申し上げましたように貸付けがゼロになった場合と基本的には変わらないわけです。親会社の場合に、グループ内の子会社が倒産したという場合にはレピュテーションリスクはあるかもしれませんけれども、同一グループ内の兄弟会社が倒産した場合にも、それによる評判の悪化が持株会社に波及して銀行本体に来るということはあり得るわけです。このような自体に陥った場合に、銀行が子会社や兄弟会社を。際限なく支援し続けるということがあれば、これはやはり問題なのかもしれませんが、そこに銀行本体の資力等も踏まえた監督等によって一定の歯止めがかけられるのであれば、子会社と兄弟会社で差をつけないという考え方もあるのでないかという御指摘には、かなりの合理性があるように思っているところでございます。

いずれにせよ、現在の認可の考え方がどこに軸足があるのかをはっきりさせるためには、他業リスクというのは非常に曖昧な言葉ですので、何をリスクと捉えているのかを少し詰める必要があると思っています。ただ、今回提案されている個々の項目には賛成であるということは繰り返しておきたいと思います。

次に、議決権取得ですけれども、こちらも提案されていることには、基本的に賛成致します。ただ、これは細かい話なのですが、地域活性化事業会社について、現在50%を超えてはならないということになっているのを100%まで認めてよいのではないかということで、これは認めてよいと思いますが、50%以上の取得を認めるということになるとすると、これは子会社の類型として認めるということになるのではないかと思います。今回の資料では、議決権取得制限の項目として上がっていますけれども、子会社の範囲としてもこれを追加するということになるんじゃないかなと思うんですが、それでよろしいでしょうか。これはただの確認でございます。

その上で、全銀協からの御提案が幾つかあったわけですけれども、まず、高度化会社の話に戻りますが、子会社形態についての認可要件の緩和について、高度化会社に対する出資全額の毀損ではなく高度化業務に係る純投資額全額の毀損の場合に限定するという要望や、赤字行においても中長期的に収益の向上が見込まれる場合には認可してほしいという話があるんですけど、これは先ほど申し上げた①の捉え方に関わるのかなと思っております。先ほど申し上げたように①の基準を自己資本比率規制と健全性の一般的な監督に還元することができるのであれば、極論としては①を廃止するということもあり得るのではないかなと思っておりますけれども、そこまで行かない場合にどうするかということかなとは思っております。

他方で、①を廃止してもいいというところまで踏み込むかどうかはさておき、子会社の場合に銀行本体よりも広い業務範囲が認められているのは、子会社に対する出資額がゼロになっても株主有限責任制度があるからですが、銀行本体でやると出資額を超えるマイナスが生じる可能性がありますので、どなたかからも御発言がありましたけれども、銀行本体で高度化事業を認めてほしいということについては、やはり行き過ぎではないかなと考えてございます。

議決権取得規制については、非上場要件を撤廃してほしいという要望がされておりますが、既に何人かのメンバーからも御発言がありましたけれども、ベンチャービジネスとか事業再生、事業承継について上場会社のままで株式を取得するニーズがどこにあるのかちょっとよく分からないところもありますし、上場企業について銀行が5%以上取得していくというのは、これはある意味株式持ち合いの復活というようなことにもなるかもしれませんので、今のガバナンス政策全般との関係からも妥当であるとは言えないのではと考えているところでございます。

また、投資専門子会社経由でのみ出資可能とされているものについては、本体から直接出資したいという御要望が出されています。そもそも投資専門子会社を経由しなければならないということの趣旨が見つけられなかったので、どうなのかなと考えていたところなのですけれども、投資専門子会社を挟んだ上でさらに銀行に行くということで、法人格が二重に分けられていることによりリスクの遮断効果がより大きいかもしれませんし、銀行本体の直接の子会社ではなく、あくまで投資専門会社の投資先であるという位置づけにしたほうが、レピュテーションリスクとか母体行責任も問われにくくなってくるということなのかもしれません。そこに意味があるとすると、やはり銀行本体から直接出資するのはちょっとどうなのかなという気がしているところでございます。

最後に、Ⅱの機能別・横断的な規制体系というところですが、今回は銀行業高度化等会社を少し広げていくというようなことになるのかと思いますけれども、以前のワーキングで保険会社についてもその高度化のための子会社を認めるというお話が、銀行についての改正があったしばらく後で追加されるということがございました。機能別・横断的というのであれば、今回は銀行についてまず見直していこうということですけれども、保険会社についても同様に子会社の業務範囲規制ですとか議決権取得制限が課されておりますので、もちろん銀行と保険とではやっていることが違いますので全く同じになるかどうかというのは、また個別に見ていく必要があるかと思いますけれども、保険会社についても同様のイコールフッティングをしていくと、特に保険会社は地域の金融においても一定の役割を果たしていると思いますので、そこも考えていくべきではないかなと考えております。

以上でございます。

     
【神作座長】

どうもありがとうございました。ただいま、後藤メンバーからは金融庁に対して2つ御質問があったのではないかと思います。第1の御質問は、銀行業高度化等会社の個別認可審査において、出資が全額毀損した場合の銀行等の財産損益への影響について、そもそもこの事項がどのような考え方に基づいているのかということと、もし可能であれば①に関する審査の実態について御質問があったかと思います。まず、この点について、ご回答をお願いできますでしょうか。

【端本信用制度参事官】

後藤メンバーの問題意識にどこまでお答えできるか、あまり自信はないのですけれども、高度化等会社は他業を幅広く営めますので、全損したとしても自己資本比率は十分だということを確認する、その自己資本比率規制の文脈の中で言えば、これはリスクウエイトは1250%に相当するということになるわけです。他業を幅広く営めるということから、リスクがなかなか分からないであろうと、したがって保守的に、全損したとしても、十分な自己資本を有しているということを確認させていただきたいという趣旨でございます。

それから、地域活性化会社、この規定の書きぶりがどうなるかと。これは5%の例外という形で残すやり方もあるかもしれませんし、子会社の中に入れていくというやり方もあるかもしれません。そこはおっしゃるとおり両方あり得ると考えております。

【神作座長】

どうもありがとうございます。第2点目についてもお答えいただきましたけれども、後藤メンバー、何か追加の御質問等はございますか。よろしゅうございますか。

【後藤メンバー】

御説明ありがとうございます。いずれも了解したんですけれども、1点目につきましては、今の御回答のように自己資本比率規制の中でリスクウエイト1250%というすごい高いレートを掛けているということであれば、①の基準はそこに還元できるのではないかというのが最初の発言の趣旨でございました。また追って御検討いただければと思います。

【神作座長】

どうもありがとうございました。

続きまして、翁メンバー、お願いいたします。

【翁メンバー】

それでは、意見を申し上げたいと思います。今日いただきました資料3については、私も基本的に大きな方向は賛成でございます。先ほど西原メンバーもおっしゃいましたけれども、やっぱり2007年の段階では、限定列挙か、それとも特段の限定を設けず個別に考えていくやり方かといった選択の機会のときに、その時点では限定列挙という形を選んでおりましたけれども、2007年以降のこれだけの大きなデジタル化の進展とか環境変化、そして現在起きている様々な社会的課題に応えるためにもできるだけスピード感をもってそれに対応できるような規制緩和をしていくことが大事ではないかと思っております。

2番につきましては、多くメンバーがおっしゃっておられましたけれども、全体的に高度化等会社がより機動的に様々な業務ができるように規制緩和するということについて賛成でございます。(1)につきましては、やはり一定の類型の業務ということに関しまして、野崎メンバーや小倉メンバーがおっしゃっていましたけれども、これをより明確にした形で認可基準を緩和していくということが必要かと思っております。

それから、次の(2)につきましては、これは基本的にアメリカのFHCみたいな考え方で、財務の健全性やガバナンスがしっかりできるところについては基本的に個別認可を不要にしていくという、この考え方についても賛成でございます。

それから、地方創生について加えていくことについても、幅広い様々なニーズに応えることができると思いますので賛成です。

岩下メンバーや後藤メンバーがおっしゃった論点は私も重要だと思っておりまして、今の後藤メンバーがおっしゃった点に加えまして、やはり地方銀行がこれから地域のためにいろいろやっていく必要があることを考えますと、中小の地方銀行がどこまでそういった持株会社をつくれるのかということとか、もちろん地銀の再編も必要になっていくわけでございますけれども、まず地銀がスピード感をもって地域のニーズに対応していく必要があることを考えたときに、子会社も含めて対応できるように議論していってはどうかと考えております。

それから、議決権取得制限のところについては、基本的な考えについては賛成でございます。特に投資専門会社の機能強化のところや、あと事業再生により早い段階から入っていけるところについては、現状を考えますと非常に重要ではないかと思っております。もちろん、今の銀行でどのぐらいの目利き力があるのかとか、そういった論点はあると思うんですけれども、やはりやり始めて力をつけていっていただかないといけないと思いますので、しっかり経営管理、リスク管理ができるようにしながら、こういったことをやっていくことがとても重要ではないかと思っておりますし、投資専門会社については多様な業務ができるようにしていくことが必要だと思っております。

産業再生機構などで経験して感じたんですけれども、非上場会社というのは、結局最終的には銀行とか誰かが一時的に持っていても、事業会社が最終的にエクイティーオーナーになっていく形で再編が行われていくと思います。それが実現することによってビジネスモデルの改革が進むという例も非常に多いと思っております。その点、非上場会社の株式のあっせんというのはたしか銀行ができないと思いますが、そこが1つの論点ではないかなと思っております。いずれにせよ、適切なエクイティー投資家、保有者を見つけていくということが事業再生の過程で同時に非常に重要なのではないかと思っておりますので、このワーキンググループでの論点になるかどうかは分からないんですけれども検討が必要ではないかと思っております。

最後に機能別のところでございますけれども、これは前のワーキングでも議論いたしましたけれども、やはり一方ではかつては銀行が特別な存在である、ニューヨーク連銀のコリガンさんとかも言っており、1980年代ではそういった議論が行われていたわけですが、これだけいろいろな金融のアンバンドリングが進んでおり、デジタル化も進んでいると。そういった中で銀行だけが特別であると、銀行を守ってしまい過ぎると、かえって銀行は立ち枯れてしまうということだと思っております。その意味でパースペクティブを横に横断的に広げて金融がアンバンドリングしている中でどのように銀行の健全性を守っていくかということを、そういった新しい時代に合わせて考えていくということが非常に重要ではないかということを申し上げたいと思います。

以上でございます。

【神作座長】

どうもありがとうございました。

続きまして、河野メンバー、お願いいたします。

【河野メンバー】

御指名ありがとうございました。私は、金融サービスの専門家ではございませんので、非常に総論的な意見になってしまいます。今回の検討の視点と方向性につきましては、基本的には賛同する立場で発言したいと思います。

その上で、非常に初歩的な内容になりますけれども、1点目としまして全銀協様の御説明資料の3番、4番、5番目のスライド等で示されました解決したい社会課題への挑戦というのは、御要望いただいた規制緩和がないと本当に実現できないのかどうか、今でもやろうと思えば実はそこはできるのではないか。それから、金融機関においては、メガバンクから地元の信用金庫まで規模の違いがあるということは前提として理解しておりますけれども、今回の規制緩和というのが、金融機関全体へ公平に本当に便益をもたらすものであるのかどうか、その辺りが気にかかるところでございまして、今後専門家の方々からの御意見をしっかり伺いたいと思っております。

2つ目、人口減と低金利で従来のビジネスモデルでは立ち行かなくなったので規制緩和が必要だというのであれば、金融機関、皆様御自身においてもイノベーションが求められるのではないかというように思っております。例えば中小事業主に対して各種用意されている制度融資の窓口は、今は銀行が主だと思いますけれども、そういった窓口においてやはり簡便な手続で利用できるようにするというような構造面での改革、対面ですとか紙の書類ですとか印鑑等の扱いに関しても、やはりサービス品質の向上という視点から検討していただければと思います。

3点目です。私の周りを見回しましても、小売りや外食店の営業自粛でアルバイトやパートに行けない若者が多い中、個人にスマートフォン経由で上限10万円程度の奨学資金を自動的に貸すフィンテックサービスの利用が増えております。また、消費者金融では4月の単月新規申込みで、後発のデジタルプラットフォーム事業者のアプリ経由の小口融資が既存大手の実績を上回っていて、新旧交代したというような報道も耳にしました。新型コロナウイルスの感染拡大に収束の兆しがなかなか見えない中で、簡易な手続で当座の手元資金を確保できる手段が広がるということは、ありがたいと思う反面、資金調達だけでは根本的な解決には至らないということはもう明白ですので、今回の課題に入っております地方創生を目指すのであれば、一過性ではなく、相手に寄り添っての伴走支援というのは、これまで金融サービスを担ってきた銀行や信金の皆さんのプライドをかけて取り組んでほしいと思っております。

最後に、私を含めてもう少し下の世代、四、五十代から上の世代では、銀行制度を中心とする金融サービスに対する信頼というのはとても大きいものがあります。一方、デジタルネイティブである今の若い世代に対して、今の銀行を中心とした現在の金融サービスが本気で向き合っていかないと、次世代の金融サービスは手元で簡易に手続ができるフィンテックが受皿となってその分野がますます拡大し、いつの間にかそれが社会基盤、今銀行さんが果たしてくださっているものとすり替わってしまう、定着してしまうのではないかと思っているところでございます。金融機関の皆さんが今回の規制緩和をてことして、皆さん自身が強い危機意識を持ってしっかりと環境変化を受け止めてほしいと思っております。

私からは以上でございます。

【神作座長】

どうもありがとうございました。

続きまして、村岡メンバー、お願いいたします。

【村岡メンバー】

資料3の問題提起についてお話しします。

最初に、まず銀行業高度化等会社についての規制ですけれども、基本的にはスピードが重要な時代ですので、個別認可を不要とするという考え方に賛成です。これは一定の類型の業務ということで賛成します。かつ一定の類型の業務に地方創生等に資する業務を追加するということにも賛成いたします。

ただ、その大前提としては、もともとの個別認可の条件になっている3つの項目が書かれていますけれども、特にこれは銀行の健全性の問題よりも、優越的地位の濫用と利益相反の問題、これを事後的にどうやってモニタリングして、場合よっては管理するかということについては別途議論が必要ではないかと考えています。

それから、議決権取得等制限の件ですが、まず、投資専門会社の機能強化の件なんですが、ここで特に留意しなければいけませんのは、事業再生の局面というのがある意味一番利益相反が顕在化する局面であったり、場合によっては優越的地位の濫用ということが起こりやすい状況ですので、それを踏まえた考え方が必要だと思います。したがって、まず投資専門会社については、銀行からある意味資本的にも人的にも独立した組織であるということが私は重要だと思います。そのほうがスピード感も伴いますし、それからリスクテイクも結果的にやりやすい、さらに外部のいろいろな知恵とかノウハウも取り込みやすく、それから、先ほど申し上げた利益相反とか優越的地位の濫用ということについても整理しやすいと考えるからです。

ここにコンサルティングを認めるかどうかなんですけど、私は慎重な議論が必要だと思います。特に再生の局面については投資とコンサル、さらには融資との利益相反というのは非常に難しい問題で、これは実は実務的には非常に困難が伴いますので、ここにコンサル業務を入れるということの弊害も非常に大きいです。これは慎重な議論が必要だと考えます。

ベンチャーに関しての要件を緩和することについては賛成します。

それから、事業再生を早期に行っていくという考え方については大いに賛成なんですが、ただ、事業再生会社の要件を緩和するといっても、実際の実務からすると、今の要件である意味十分だといえば十分だと私は思っていまして、要は、問題は合理的な経営改善における合理的というものをどのように議論するのかということのほうが実は問題になっていますので、それを担保する仕組みをこの外の枠でつくっていくということのほうがより重要で、例えば個人保証債務の解除のルールをどうするかとか、場合によっては中小企業版の私的整理のガイドラインをつくるとか、あるいはADRの手続がより進むような形にするとか、そういったもののほうが実務からすると重要になっていると私は考えています。

それから、事業承継会社の期間についてですけれども、これを10年に延長することに賛成します。そもそも事業再生会社と事業承継会社というのは、実務上切り分けることができないケースが多いので、なぜこれが5年と10年で違うのか、これは両方とも10年でいいのではないかと考えます。

それから、地域活性化事業会社についても100%議決権を認めるということに賛成いたします。

以上です。

【神作座長】

どうもありがとうございました。

続きまして、全銀協の林さん、お願いいたします。

【林オブザーバー】

何度も申し訳ございません。ここまで様々な御指摘も頂戴しておりますので、少しだけ補足で御説明を申し上げます。

本日頂戴しております討議資料におきましては、例えば銀行界から要望させていただいております本体における銀行業高度化業務実施等については記述頂いておりません。なぜ銀行界のほうでこういったケースを想定しているのかについて1点だけ申し上げますが、先ほどのプレゼンテーション、ここにも重なってまいりますが、やはり新しいビジネスを銀行、あるいは銀行グループの中でしっかりとインキュベートしていくステージにおいては、銀行本体の中にある人材を含めた現状の保有リソース、これをスピーディーに投下できるようにしていきたいという趣旨でございます。メガバンクは比較的資源に恵まれておりますが、資源に制約のある中小金融機関において、ここはなかなか精緻に切り分けて運用するということが難しいといった現実があると考えており、追加のリソースの確保、スピードの面で極力制約を取り払いスムーズな立ち上げを図りたい、こういった趣旨です。

同様に、重ねて要望として挙げさせていただいております5%・15%ルールに関する銀行本体からの出資につきましても、投資専門会社経由での投資はもちろん認めていただいておりますが、今後特に地方の事業承継・再生の担い手となっていくことが期待されております地方銀行、第二地方銀行にとって、投資専門会社を設立し、人を配置し、資源を投入し管理体制を整備するということの負担はやはり大きいという現実もあります。まずは本体でこうしたことがかなえばということです。

一方で、両者のケースにおいて目的が達成できるような構造体が本体の中に出来上がれば、その後それぞれを外に切り出していくことについては当然必要なプロセス、このように感じておりますので、ステージに応じて期限を区切って本体でのお取扱いをお認めいただけないかという点が申し上げたいことです。

先ほど小倉先生から、公開会社についてはコーポレートガバナンスコード、ほかの株主との関係性から5%・15%ルールの運営に関して緩和することは非が多いのではないかといった御指摘がございました。これも御指摘のとおりと思いますが、地方の証券取引所に上場している地方の有力企業の再生再編等の限定された場面において、我々としては非常に有益で有効な手段ではないかというような考え方を持っております。

以上、付け加えさせていただきました。ありがとうございました。

【神作座長】

補足の御説明、どうもありがとうございました。

続きまして、大庫メンバー、お願いいたします。

【大庫メンバー】

大庫です。私は、基本的に今日御提案いただいたものについては非常に前向きでございます。これは銀行の役割というのが時代によって変わってきていて、金融サービス以外でも銀行の持っている経営資源を生かせる場所がたくさんあるなというように思うからであります。少し前に河野メンバーから御発言いただいた内容が、私にはすごく共感するところでございました。

その上で、今日一つ皆さんの中で意見がそれぞれ違っていたことについて、業務規制緩和をしていくに当たっても、本体なのか子会社なのか、それとも兄弟会社なのかということについて、これは私の1つの私見ということでお話をさせていただきたいと思うのですが、リスク遮断の面から言うと直接銀行のバランスシートにヒットしない兄弟会社でやっていくということが、実はいろいろな点でいいのかなと感じています。兄弟会社であれば、万が一にその会社が破綻して持株会社が苦しくなったとしても、銀行そのもののバランスシートが傷ついていなければ、オーナーシップの交代なども円滑になされる可能性があるのかなというように私は思いますので、兄弟会社なのかなというように思います。

もう一つ、日頃私はコンサルタントとしていろいろな銀行を巡っていますが、その中で感じたことを申し上げたいと思います。それは、本当に銀行の本体ですとか子会社の中で事業というのが育っていくのかどうかというのが常に気になるところでございます。これまでも業務規制緩和をやってきたわけですけども、マネタイズができるところまで本当に突き詰めていったのかというそうでなかったりすることもあって、やるからには徹底的にやっていただくということを考えていくと、外に箱を作ってそこでやっていくということも1つの方法論ではないのかなと思います。

そうなってくると規模の大きな銀行のほうが有利で、また持株会社をつくっているような銀行のほうが有利になってくるかと思いますが、これも日頃コンサルタントとして現実にいろいろな金融機関を見て回るにつれて非常に強く感じるのは、規模の格差によって企画の充実度合が随分違って、それは事業を運営する上での仕組みの高度化、洗練性、そういったものにすごく大きな影響を及ぼしているように感じます。その意味で、私自身は本体や子会社でこういう業務規制を緩和することには反対はいたしませんけれども、兄弟会社で率先してやっていけるようなある種のインセンティブのようなものがそこに存在していてもいいのかなというように思う次第です。

ただ、そうなってきますと地方の銀行がカバーしていないような地域において、初めのほうで家森先生が御指摘されているような信金がカバーしているような地域があるじゃないかというところが出てきますので、それはそれでまた違う角度での対応が必要なのかなと思う次第であります。

以上になります。

【神作座長】

どうもありがとうございました。

それでは、生命保険協会の中村さん、お願いいたします。

【中村オブザーバー】

ありがとうございます。生命保険協会の中村でございます。ワーキング・グループの今後の議論に関しまして、一言申し上げさせていただければと思います。

本ワーキング・グループにおける議論の主眼が銀行の業務範囲規制をはじめとする銀行制度であることは十分に承知はしているものでございますが、先ほど後藤メンバーからもありましたとおり、保険会社の業務範囲規制につきましては銀行とパラレルな部分も多く、過去、銀行の規制緩和に伴って保険会社の規制が緩和されたという経緯もございます。そのため、今回の議論を通じまして銀行における規制緩和がなされることとなり、その趣旨が保険会社にも同様に当てはまる場合には、保険会社についても併せて緩和をいただきますよう、私からも重ねてお願い申し上げる次第でございます。

以上でございます。

【神作座長】

どうもありがとうございました。

予定の時間を既に10分弱過ぎてしまっております。まだまだ御意見があることと存じますけれども、本日はここまでとさせていただき、次回以降、また御議論を頂戴できればと存じます。本日いただきました御説明や御意見を踏まえ、さらに今後議論を深めてまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

最後に、事務局から連絡事項等がございましたらお願いいたします。

【端本信用制度参事官】

次回のワーキング・グループの日程につきましては、皆様の御都合を踏まえた上で後日御案内させていただきます。よろしくお願いいたします。

【神作座長】

それでは、以上をもちまして本日のワーキング・グループを終了いたします。どうもありがとうございました。

以上

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局企画課信用制度参事官室(内線3572、3556)

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