金融審議会「銀行制度等ワーキング・グループ」(第4回)議事録

  • 1.日時:

    令和2年10月28日(水)10時30分~12時30分

  • 2.場所:

    中央合同庁舎第7号館9階 905B会議室

金融審議会「銀行制度等ワーキング・グループ」(第4回)
令和2年10月28日
  
【神作座長】

おはようございます。ただいまより銀行制度等ワーキング・グループの第4回会合を開催いたします。皆様、御多忙のところ集まりいただき、誠にありがとうございます。

本日の会合も、前回に引き続きオンライン開催とし、一般の傍聴は「なし」とした上で、メディア関係者の皆様には金融庁内の別室において傍聴いただくこととしております。

それでは、早速、議事に移ります。

本日は、本ワーキング・グループにおける検討課題のうち、地域における金融機能の維持に向けた方策をテーマにしたいと存じます。

まず、全国地方銀行協会の小峰一般委員長、第二地方銀行協会の矢野一般委員長、全国信用金庫協会の市川常務理事、全国信用組合中央協会の二宮常務理事の順番で、それぞれの業態における地域密着型金融の取組について御説明をいただきます。

次に、野崎メンバーより、地域金融機関をめぐる環境や、その経営課題などについて御説明を頂戴いたします。その後、事務局から、地域における金融機能の維持に向けた方策に関連する制度や論点についての説明を聴取した上で、全体についてメンバーの皆様に御討議いただくという流れで進めさせていただきます。

なお、御討議に当たりましては、資料7の「本日討議いただきたい事項」を適宜御参照いただきたいと存じます。

それでは、全国地方銀行協会の小峰一般委員長から御説明をお願いできますでしょうか。どうかよろしくお願いいたします。

【小峰オブザーバー】

全国地方銀行協会の一般委員長を務めております横浜銀行の小峰でございます。本日は、このような機会を設けていただき、厚く御礼申し上げます。お手元の資料に沿いまして、地方銀行の現状と本ワーキング・グループにおける検討への期待を述べさせていただきたいと考えております。

おめくりいただきまして、まず、地方銀行の役割と使命について記載しております。地方銀行は、人口減少や少子高齢化により社会構造そのものが大きく変化する中、地方自治体と連携・協働しながら、金融仲介機能やコンサルティング機能の発揮を通じ、地域経済の持続的成長と地方創生に全力で取り組んでおります。そうした中、地域企業、個人のお客様からは、金融のみならず、非金融を組み合わせた総合的なサービスのワンストップでの提供が期待されております。

1ページ飛びまして、3ページにお進みください。御案内のとおり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によりまして、地域経済は非常に厳しい状況にございます。地方銀行は、感染拡大による打撃を受けた地域企業に対しまして、当面の資金繰りの支援、また、返済条件の緩和等、貸付け条件変更にも柔軟に対応するとともに、ウィズコロナ、ポストコロナ時代を見据えまして、事業継続を長期的に支援するため、資本性ローンやファンドによるエクイティの提供や本業支援にも取り組んでおります。

4ページ、5ページは、これまで地方銀行における地域密着型金融の取組について記載しております。従来より、地方銀行は長年により培ったノウハウやネットワークを生かしまして、地域企業の新規ビジネスへの挑戦や販路開拓、事業再生・事業承継支援など本業支援に取り組んでおります。また、地方銀行には、中長期的に地域の持続可能性を高める観点から、地方創生に積極的に取り組んでおります。

6ページにお移りください。地方銀行の経営状況ですが、低金利環境の長期化等による資金利益の低下を主因といたしまして、基礎的収益力を示す上から2段目のコア業務純益は低下し続けまして、この10年で2割以上減少するなど厳しい状況が続いております。

7ページにお移りください。そのような中、地方銀行はコスト削減、収益力強化の観点から、経営統合のほか、様々な分野での数行による業務提携等を進めているところでございます。

8ページにお移りください。また、近年の規制緩和等を最大限活用いたしまして、新たなビジネスによる地域活性化にも取り組んでいるところでございます。左上にありますように、例えば、高度化等会社を活用しまして、地域商社の設立や、右のほうに目を転じていただきまして、地方の多くの中小企業において人手不足が課題となる中、多くの地銀が人材紹介サービスに取り組んでおります。

9ページにお移りください。最後に、本ワーキングへの期待・要望を述べさせていただきます。何点か記載しておりますが、これまでの議論を踏まえまして、ここでは特に2点、強く申し上げたいと思います。

まず第一に、銀行業高度化等会社についてです。地方創生等に資する業務の追加といった緩和の方向性は歓迎いたします。ただ、地銀グループの多くは持ち株会社グループではなく、親銀行の下に子会社がある形態でございます。持ち株会社化している銀行は、地銀協加盟行63行のうち21行と3分の1にすぎません。兄弟会社に加えて、銀行子会社においても個別認可を不要とするようなことをお願いしたいと考えております。

また、資料にございませんが、認可に基づく運用の面でございますけれども、中小地域金融機関向けの総合的な監督指針におきまして、例えばですが、地域商社に関する記載について、地域商社が物流を担うことによる他業リスクや利益相反等の弊害のおそれは大きいものであってはならない、あるいは製造や商品加工業を直接担うことは他業禁止の趣旨を鑑みれば基本的には想定されないというような記載がございます。認可に当たりまして相応の制約があり、また、手続にも相当な時間がかかると聞いております。手続の簡素化と併せまして、運用面の改善をお願いしたいと考えます。

次に、従属業務を営む銀行の子会社等に課された収入依存度規制についてです。この規制によりまして、銀行グループにリソースがあるにもかかわらず、取引先企業のニーズに十分応えられないケースも出てきております。つまり、相応の実績もあり、ニーズがあるにもかかわらず、規制の制約を受けており、こういうことを考えますと、撤廃を含めたさらなる見直しの検討をお願いしたいと考えます。

最後に、今回のワーキングで話題になったテーマの多くは、当協会が地域の課題解決に資するものとして要望してきているものです。しかしながら、コロナ禍において、地域銀行に対する経営改善や地方創生の支援へのニーズは高まっていると実感しており、そうした様々なニーズに対し、各行がより一層の創意工夫を凝らした対応が行われるよう、地銀界、銀行界として様々な要望を行っております。本ワーキングにおいて、幅広い規制の見直しが進むことを期待しております。

以上をもちまして、私どもの説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。

【神作座長】

どうもありがとうございました。

続きまして、第二地方銀行協会の矢野一般委員長に御説明をお願いしたいと存じます。矢野一般委員長、どうかよろしくお願いいたします。

【矢野オブザーバー】

第二地方銀行協会の一般委員長を務めております愛媛銀行常務取締役、矢野でございます。本日は発言の機会をいただき、誠にありがとうございます。早速ではございますが、資料に基づき御説明いたします。

    

お手元資料、1ページ目を御覧ください。第二地銀協及び加盟行についてです。当協会加盟行は全国に38行、比較的小規模な銀行が多くなっております。ルーツは、鎌倉時代に生まれたと言われる無尽であり、地域と顧客に密着した営業活動を展開しております。近時は、新型コロナに関わる企業の資金繰り支援に注力をしております。

2ページ目を御覧ください。地域の現状と地域金融機関の役割についてです。深刻化する地域の課題について、私どもは顧客に寄り添い、支援をしております。今後とも、地域の課題解決に必要なノウハウやファイナンス等の支援を行っていくことが重要な使命と考えております。

3ページ目を御覧ください。新型コロナ対応における私どもの主な取組について、2つ紹介いたします。1つ目は資金繰り支援です。平時より政府系金融機関との連携を深め、協調して取り組んでいます。今次のコロナ禍では、この環境をさらに生かしまして、資金繰り支援についてスピーディーに対応しております。2つ目は、「絆プロジェクト」と呼んでおります取組についてです。コロナにより多くの販売在庫を抱えた取引先を支援するため、資料の一番下に記載しておりますとおり、協会に直接ウェブサイトを開設し、会員行の職員やその家族が各地のお取引先のあらゆる種類の商品を購入できる仕組みをつくりました。これにより全国から注文が入り、在庫が完売できたと感謝いただいたお客様もおられます。

4ページ目を御覧ください。地方創生に関する取組の一つとして、2018年の西日本豪雨災害における弊行の取組でございます。金融支援のほか、グループ補助金の申請のお手伝い、相互扶助により、人的な支援も含め、復興に向け、地域やお客様と一緒になって対応してまいりました。

5ページ目を御覧ください。地方創生に関するもう一つの取組事例です。当協会に加盟する北洋銀行が観光産業の新たなプラットフォームづくりに参画し、出資に向けたあらゆる支援のほか、人材支援、ノウハウの提供等を行ったところ、地元地域への宿泊者数も増加する結果となりました。

6ページ目を御覧ください。これは、空き店舗の活用事例でございます。過疎地域にある店舗の空きスペースを消防署に賃貸し、24時間救急体制が整備されました。これは地公体からの要請で実現しましたが、地公体から常に要請があるものではございません。地方において地価の下落が進み、空き家も増えてきている中、廃店後の店舗跡地の有効活用に悩んでいるところもあり、都市部の一等地の店舗の有効活用とは事情が異なることを御理解いただけたらと思います。

7ページ目を御覧ください。持続可能なビジネスモデルを考えるに当たって、弊行では「ひめぎんプラットフォーム」という地域価値共創型広域プラットフォーム銀行を目指しております。具体的には、伴走型コンサル集団として、外部の機関の方と一緒になって、お客様と地域の価値を高めていこうとしております。弊行自身も、脱コロナに向けて経営サポート室、新型コロナ金融支援チームを新たに発足させ、金融リソースを最大限に活用しながら、販路開拓やコンサルティングなど付随業務による支援を広げてまいります。

8ページ目を御覧ください。デジタル化、SDGs対応については、持続可能なビジネスモデルを考えるに当たって重要な論点となるため、協会において「SARB LAB」という支援組織を運営し、加盟行とフィンテック企業等との連携が図れるあらゆるサポートをしております。

9ページ目を御覧ください。以上申し上げました私どもの現状を踏まえまして、規制緩和の御検討に当たっては、3点御配慮いただきたいと存じます。1つ目は、小規模銀行でも取り組みやすい制度設計をお願いいたします。現状、小規模な金融機関では経営資源に限りがあり、仮に規制緩和された新業務に取り組むとしましても、そのために別会社を設立することは現実的には選択肢とはなり得ません。2つ目は、銀行グループの限られた経営リソースを有効活用する観点から、銀行自身が提供できる業務範囲をより柔軟化するよう御検討をお願いいたします。3つ目は、銀行規制に係る規定の整備に当たりましては、一定の解釈の柔軟性を残しつつも、分かりやすい、できれば具体的に判断できる記載となりますよう御配慮いただきたく存じます。ポストコロナを見据えた地域社会の課題に立ち向かえるよう御助力いただけますようお願いいたします。

私からの説明は以上となります。本日はありがとうございます。

【神作座長】

どうもありがとうございました。

続きまして、全国信用金庫協会の市川常務理事から御説明をいただきたいと思います。市川常務理事、どうかよろしくお願いいたします。

【市川オブザーバー】

全国信用金庫協会の市川でございます。本日はこのような機会を設けていただきまして、誠にありがとうございます。時間に限りがありますので、早速説明に入らせていただきます。

資料3の表紙をおめくりいただき、1ページ目を御覧ください。ここでは、私ども信用金庫の特性や役割を記してございます。一番上の四角枠の丸の1つ目のとおり、信用金庫は相互扶助を基本理念とする協同組織の金融機関で、限られた地域で中小企業もしくはその居住者に対して必要な金融サービスを提供しております。このことを3つの特性として、協同組織性、地域性、中小企業専門性と整理しております。詳しくは、その下に3つの箱がございますが、説明は省略させていただきます。また、その下に業界の概況を記載しております。

次に、コロナ禍における中小企業支援の事例を少し御紹介したいと思いますので、2ページをお開きください。私どもでは、上の四角枠の2番目の丸に記載のとおり、目下の最重要課題を、個々の中小企業の実態に応じた資金供給・本業支援、さらには、地域の面的活性化に資する取組を通じて、金融面・非金融面から地域経済を支えていくことだと考えており、全国の信用金庫がそれぞれの地域で地方創生に取り組んでおります。  その下に信用金庫の取組みの一例を記載しております。例えば、(1)①のA信用金庫では、これまで本部に10人のみ配置していた伴走型支援担当者を100名に増員して、各店に配置をすることでお客様サポート体制の強化に取り組んでおります。また、その右側のC信用金庫では、地元の農畜産物のブランド化、新商品の開発等による販路拡大のほか、収穫体験などの観光事業を行う地域商社を、地元の自治体とともに設立するような取組みを行っております。なお、自治体からは、こうした事業の実施にあたり、もっと出資面で協力をいただきたいとのニーズもありますが、信用金庫は、信用金庫法による出資の制限があり、10%までしか応えることができない状況でございます。

そこで、4ページを御覧いただきたいと思います。左側の箱の丸の3番目でございます。信用金庫においては、地域商社など地方創生に資する業務を行う会社を子会社として設立・運営したいという強いニーズがございます。しかし、こうした会社を子会社とすることは認められておりませんので、右側の四角枠の中に書いておりますとおり、信用金庫の子会社として、「地方創生等に資する業務」を行う会社を認めていただきたいというお願いでございます。

次に、5ページ目でございます。ここでは、超高齢化社会に即した商品・サービスの提供を私どもが行っている事例についての御説明をしております。四角枠の一番上の丸のとおり、信用金庫の個人預金の3分の2が60歳以上の方の預金ということになりますので、高齢者のニーズに即した商品等の提供が極めて重要な課題であると考えております。また、丸の2番目のとおり、足元では高齢者が保有する資産の管理・活用、承継のほか、特に地方部では、地域医療・福祉サービス等の衰退、さらには、身寄りのない高齢者、買物難民の増加ということが大きな課題となっているということでございます。

したがいまして、取組事例として、(1)①「資産の管理・活用」では、多くの信用金庫で後見制度支援預金を創設したり、成年後見制度の活用に関してお客様からの相談に応じることなどを行っております。また、真ん中の箱でございますが、資産の承継では、一番下にありますとおり、遺産整理業務等の信託会社への取次ぎ等を行っております。

そこでお願いしたいことでございますが、6ページを御覧いただきたいと思います。私どもといたしましては、成年後見受任サービスや遺産の整理、遺言の作成などについては、ぜひとも信用金庫本体や子会社の業務として柔軟に展開できるような環境を整備いただきたいと考えております。

次に7ページを御覧ください。(2)③の左側に「規制上の課題等」がございます。丸の1番目でございますが、人口減少・過疎化の進展に伴いまして、医療・福祉サービスをはじめ、地域において必要不可欠な事業を営む法人等は、事業を何とか成立させようということで、多角化もしくは合併等によって規模の拡大を図るような動きが見られます。効率的な運営を確保して、事業を維持しようとしているのですが、結果的に事業規模が大きくなり、私どもの会員資格を超えた従業員数になることで、ファイナンスのニーズに対応できないケースが出てきております。したがいまして、その右の箱のとおり、こうした社会生活を営んでいくために必要不可欠なサービスを行う者に対しては、相互扶助を基本理念とする信用金庫が幅広く融資を行うことができるような環境をつくっていただければと思っています。

また、④でございますが、私どもがお客様を訪問する際に、様々な付帯サービスを提供することが可能であると思っております。したがいまして、一番右下の箱の赤字のとおり、渉外係による見守りサービスや買物代行・商品の配送サービス等、地域の課題解決に資する業務については、ぜひとも柔軟に取り扱えるようお願いをしたいと思います。

最後に8ページでございます。丸の1番目の2行目の後半でございますが、本ワーキングで議論されている出資規制の緩和や付随業務・従属業務に係る見直し等につきましては、信用金庫法においても適切に措置を講じていただきますようお願い申し上げます。

私からの説明は以上でございます。御清聴いただき、ありがとうございました。

【神作座長】

どうもありがとうございました。

続きまして、全国信用組合中央協会の二宮常務理事より御説明をお願いいたします。よろしくお願いします。

【二宮オブザーバー】

全国信用組合中央協会でございます。本日は、このような場をいただき、ありがとうございます。早速ですが、私から、信用組合協会の取組状況について説明をさせていただきます。

まず、1ページ目を御覧いただきたいと思います。信用組合の業況をこのように表示しております。全国の信用組合の数、現在、145組合、右側の日本地図に現在の状況を示しております。内訳としまして、ブルーが地域の信用組合、地域に根差す信用組合が102組合、オレンジが業域信用組合、医師等の業種別の信用組合が27組合、それから、緑が職域信用組合で16組合、これは警察、官公庁、県庁等の職域の信用組合でございます。

下に行きまして、預金量別の信用組合の数を表記しております。ここに書いてありますように、1,000億円未満の信用組合が6割弱、84組合あるということで、小規模な信用組合がありますということでございます。

続きまして、円グラフで業種別の貸出残高割合を表記しております。7割が事業者への貸出しとなっております。そのうち、コロナ7業種と言われております業種への貸出しが16%を占めている状況でございます。他業界に比べると、この割合が我々の業界は多いのではないかと思っております。7業種の内訳として、さらに右側に円グラフを御用意しておりますが、偏りがあるわけではなく、満遍なく7業種に対しての取引を行っている状況でございます。課題としましては、今後、業種別の残高管理が重要になってくると思っております。

続きまして、3ページでございます。コロナ対応について、業界の対応について記載しております。(1)に無利子・無担保融資による資金繰り支援への取組ということで、本年3月に政府系金融機関がスタートし、5月に民間の金融機関の取組が開始されたということで、我々信用組合業界の取組も5月から開始したわけでございます。

下に丸印、2つコメントを書いております。まず、信用組合の現状の実績は、申込み件数5万7,000件、民間金融機関の全体に対して6.53%のシェアという形になっております。融資決定金額は6,800億となりまして、シェアは4.80%という9月末時点暫定の数字でございます。一般的な融資量シェアが2%前後であることを踏まえますと、今回の対応について、我々の業界は相応の役割を発揮しているのではないかとも思っております。

また、下に書いておりますように、公庫資金のつなぎ資金として、超低金利の全国信用協同組合連合会という全信組連という機関がありますが、全信組連の代理貸付商品の融資制度を創設し、11件、4,800万円の実績を上げております。  続きまして、4ページ目でございます。日銀のコロナ特別オペレーションの活用でございます。3月に日銀オペレーションの基本要領スキームが創設されましたが、信用組合は最初の時点で対象外でございましたので、要望を出しまして、新たに系統特則スキームというものを創設していただき、6月より系統スキームの活用を開始したところでございます。9月末の実績としまして、68組合、3,211億円の実績になっております。

今後の課題としましては、このゼロゼロ融資の取扱い等が一段落、資金繰り支援の当面のめどはついてきたのではないかと考えていますけれども、今後のコロナの影響を考えますと、信用組合はより金融に入り込んだサポートを事業者とともに行っていく必要があると考えているところでございます。

続きまして、業界の取組として、主に全信組連の取組を御紹介させていただきたいと思います。(3)のところに、「しんくみ新型コロナ対応事業者応援プロジェクト」の実施ということで、クラウドファンディング「MOTTAINAIもっと」というものを発表しまして、全信組連がプロジェクトオーナーとなりまして、通常は事業者が手数料を20%取られるわけですけれども、それを全信組連が負担し、集まった資金を全額事業者に還元するという仕組みを提供しております。5月からスタートしておりまして、10月現在、累計で30組合の取引先で178社、約2,600万の資金が集まっているという状況でございます。

続きまして、6ページ目でございます。「しんくみ食のビジネスマッチング展」ということで、これは今年度、コロナの影響で休止しておりますが、平成26年度より、信用組合の取引先に新たなビジネスチャンスの創出、ビジネスパートナーとの出会いの場の提供ということで、この企画を行っているところでございます。

続きまして、7ページ目です。地域経済活性化ファンドへの出資ということで、全信組連は、信用組合の機能補完業務の一環としまして、中小事業者等支援ファンド向け資金供給制度というものを平成27年から運営しております。これまでに創設された8ファンドが記載のとおりとなっております。出資総額は7億円に上り、各ファンドはそれぞれの地域の課題を解決する事業や強みを生かした事業への資金供給、経営支援に積極的に取り組んでいる状況でございます。

一番下に矢印で書いておりますが、信用組合が子会社をつくって主体的にファンドを運営していけるよう、業界の系統中央金融機関である全国信用組合連合会が資金面と運営面をサポートしているという状況でございます。

続きまして、8ページ以降、各信用組合の具体的な取組事例を記載しておりますが、時間の関係上、割愛させていただきたいと思います。後ほど御覧いただきますよう、お願いいたします。

最後になりますが、私ども信用組合は中企法に基づく協同組合の非営利の金融機関でございます。相互扶助を基本理念としまして、地域との共存共栄を目指して、目先の手数料収入だけが目的ではなく、長期的に巡り巡って数字として跳ね返ってくるものをちゃんと見据えて、身の丈に合った事業展開を行ってまいりたいと考えております。ただ、人、物、金に限界がある信用組合の単一の事業の中では限界がありますので、今後の社会、経済の激しい変化に対応していくためには、中央機関である全信組連のサポートが欠かせないものとなってまいるものと考えております。したがいまして、本ワーキング・グループで同意されている規制等の見直しにつきましては、全信組連が銀行法と同様に、中企法並びに協金法上においても適用されるような措置をお願いできればと思っております。よろしくお願いいたします。

私からの説明は以上でございます。

【神作座長】

どうもありがとうございました。

続きまして、野崎メンバーに御説明をお願いいたしたく存じます。野崎メンバー、よろしくお願いいたします。

【野崎メンバー】

野崎です。御紹介いただき、ありがとうございます。私からは、地域銀行にフォーカスいたしまして、その持続可能性とガバナンスについて、中心にお話ししたいと思います。

1ページに、今回のお話しする内容についてまとめさせていただいておりますけれども、厳しい経営環境、それに基づく組織的対応として、連携、あるいは再編について触れさせていただきます。ただ、再編ありきではなく、むしろ独立性を担保しながら、そのためにはどういった経営、あるいはガバナンスが必要かについて述べさせていただきます。

2ページ目を御覧いただきたいと思うのですけれども、こちらは第1回の会合で高田メンバーから御示唆いただきましたとおり、法人付加価値の出口として、利息に象徴される銀行の取り分が非常に低下している。これを、より先鋭化させた図が次の3ページ目になります。こちらは、金融ステークホルダー、すなわちエクイティ、あるいはデットのステークホルダーの取り分がどの程度遷移していったかを示しております。この中で、留保の部分に関しましては、究極的には、株主の取り分というところを踏まえますと、着実にエクイティフォルダーのところの取り分が増え、逆に、デットホルダーのところが減少しているということであります。投資銀行の概念で、業界全体の収益のことをレベニュープールと申しますけれども、まさに銀行の法人金融に関わるところのレベニュープールが縮小している、ここは確認できると思います。

次に、4ページ目を御覧いただけますでしょうか。こちらは、それを踏まえてですけれども、主要銀行と地域銀行のそれぞれの業務粗利益の中身でございます。特に、レベニュープールが縮小していく中で、ここに依存しているのが地域銀行の85%という部分でございます。

この中身について若干触れさせていただきますと、次の5ページ目を御覧いただきますと、その中での資金利益、金利関係の収益の中で有価証券に関わる部分の割合が着実に伸びてきているということであります。ここは、1つ留意すべき点かなと思います。ただ一方で、銀行の、特に預貸の部分については、コアであることは変わらないということを踏まえて、次の6ページ目を御覧いただきたいのですけれども、預貸金、預金と貸出金の利回り差、利ざやは、これは皆さん御承知のとおり、低下しているということです。けれども、私はむしろ問題にすべきなのは、与信コストの低位安定化です。近年におきましては若干ピックアップ、上昇傾向ありますけれども、ただ、低位安定しているというところでありまして、これを含めて、この利ざやの縮小、あるいは貸出し利回りの低下について整理させていただきたいと思います。

こちらが、次の7ページ目です。3点あります。まず、第1点目が市場金利の低下。これに関しましては、預金スプレッド収益の減少、それから、短プラからスプレッド融資へのシフトにより、もちろん利回りが低くなりますので、こういった移行が進んでいる。結果的には貸出し金利回りが低下してしまうと。もう1点、一番最後の信用リスクプレミアムの縮小でございますけれども、借手の財務体質の改善、これは喜ばしい話ではあります。しかしながら、貸出金利側にはマイナスであります。ただ、これらは全てマクロ要因、あるいは銀行の経営に関係ない部分で利回りを低下している原因になります。

むしろ銀行経営の戦略的な部分に起因するものが、真ん中の要因である金利引下げ競争ということです。具体的には、財務体質の非常に安定している先、低リスク先への貸出し金利回りの低下に基づくところの競争が進んでいることと、それから、次の右手にありますところで、成長機会、あるいは収益の機会を求めて、自分たちが寄って立つフランチャイズ以外の場所、隣県であるとか、そういった地域に越境して出店する、あるいは、営業攻勢を仕掛けることで非常に地域的な消耗戦が繰り返されているという部分であります。

3点目として、右下にあります信用リスクプレミアムの縮小の一つの要因として推測されるのが、中リスクあるいは高リスク先を敬遠していると。ですから、先ほど越境という話をしましたけれども、むしろ地域の中で、こういった高リスク先を深掘りすることによって、銀行の知見を集めて、利ざやを縮小しないような方向に持っていく、そういった要素が隠れているのではないかという問題意識であります。

次に、8ページ目を御覧いただきたいのですけれども、一方で、銀行の業務負担は着実に増加してきているということであります。これ、マネーロンダリング等に代表されるコンプライアンスの問題、それから、近年増えておりますサイバーセキュリティーの問題、もう一つはデジタルトランスフォーメーションということで、最後の部分に関しては、収益にある程度プラス影響は見込めるものの、これら全てにおいて銀行の業務負担は着実に増加してきているということであります。

これに対して、協同組織の金融機関さんに関しましては、中央機関があって、ある程度中央でこういった負担を解消できると思いますけれども、地域銀行に関しては、そういったところがなかなか期待できないということで、次の9ページ目でございます。そうしますと、ある程度、ほかの金融機関と手を携えるということで、再編あるいは連携というようなところが考えられると思います。こちら、概念図でありまして、縦軸が業務負担、横軸が経営規模を示唆しております。必ずしも経営規模の大きいところが再編が不要だということは申しておりませんし、逆に経営規模が小さいところは単独路線はないんだということを申し上げているわけでもありません。この辺については、後ほどお話ししたいと思います。

次の10ページを御覧いただきたいのですけれども、こちらが過去の主な再編の状況であります。2点ございます。1点目は、全体を俯瞰していただきますと、第二地方銀行の経営統合というのが非常に目立つ中で、最近はある程度の規模感を持った地方銀行の再編事例も着実に増えてきている、これが1点目です。2点目に関しましては、持ち株会社を活用するケースが非常に目立ってきているということであります。こちらに関しましては、2015年の金融審議会等の議論を踏まえて、2016年の銀行法改正、これにより持ち株会社における共通業務等の吸い上げ、施行ということが可能になったことが1つポイントかと思います。しかし今後、この辺についてのさらなる柔軟性を担保するために、認可に係る緩和余地があるんじゃないかという点です。

次の11ページを御覧いただきたいのですけれども、こちらに関しましては、既に地方銀行協会さんから御説明いただいているので、ここは割愛させていただきます。

12ページを御覧ください。アライアンスではなかなか克服できない知の共有、あるいは知の蓄積という部分があろうかと思います。そこでお示ししているのは、3つのタイプの再編です。1つ目は面での再編ということで、1つの地域、あるいは隣接する地域における金融機関の経営統合を申しておりますけれども、やはりこういった場合については重複店舗が生じやすいということと、消耗戦の緩和というところを考えると、それなりの経済合理性は高いと考えられます。2点目は、仮に遠隔地であっても親和性の高い、そういった金融機関同士が手を組むことによって経営資源の集中投下が可能になる。よって、効率化効果が期待できる。これに関して申し上げますと、1点目、2点目に関しまして、左下の四角の中にございますとおり、事業承継、事業再生、まさにこのワーキングの中でも議論の対象になっているところ、この中で投資専門会社、これを共同で立ち上げて、ある程度経営資源を集中投下することによってソリューション能力を高める、こういった効果も期待できるのではないかということであります。

3点目、非銀行プラットフォームでの再編でございますけれども、これは過去に例がないケースも含めて、例えば、公益性の強い地域企業と手を組んで、共通のミッション、地域再生、地域活性化、こういったものを掲げながら、共通のエコシステムをつくり上げるといった意味では可能性があるのではないかなと思います。例えば、公益企業で申し上げれば、連結会社ですとかエネルギー関連ですとか、ほかにもあると思います。そういったところと一緒になって、地域のエコシステムの改善、向上というところにつなげるのも一つのオプションかなと考えます。

次に、13ページを御覧いただきたいのですけれども、では、再編以外に手はないのかというと、そうではありません。あくまでも独立路線を貫く方法は十分考えられると思います。しかしながら、幾つか要件があるということで、2つお示ししました。1つが盤石な信頼です。銀行都合で、銀行の収益の観点から金融商品を顧客利益にかなわない形で売るような営業、これからは絶対に脱却しなければいけないということ。それから、「雨の日に傘を貸す」とありますけれども、先ほど御紹介いただきましたとおり、コロナ対応で大分地域金融機関の皆さんの貢献は大きかったと思います。ですけれども、例えば、制度融資等に頼らず、いかなる厳しい状況にあっても傘を貸す対応は非常に重要かなと思います。

右手に行きまして、付加価値としての金融機能の発揮でございますけれども、これはソリューション提供ということで、事業再生、事業承継支援、これはもう当然の話として、やはり銀行の持つ社会的な使命あるいは付加価値として、情報生産機能、いわゆる情報の非対称性を解消する機能、これをもって具体的に申し上げれば、例えば、企業に寄り添って、取引先に寄り添って、将来的な事業完成が非常に低いと判断できれば貸さぬも親切ということで廃業を勧める等の対応も必要なのかなと思います。ちなみに、デジタルデバイドの受皿に関しては、いわゆる情報弱者に対して、銀行の店頭等を経由しながら、こういったところのスマホの使い方、デジタルバンキングの入り口を案内するというところも一つの機能提供かなと考えます。

では、具体的に何が必要かということですけれども、次の14ページです。顧客サービスの充実、経営効率の向上というのは二律背反、なかなか両立が難しいところでございますけれども、1つ重要だと考えておりますのが、営業エリアの再定義であります。自らが寄って立つフランチャイズをもう一回見直す。過去からの営業で、例えば、成長機会を求めて、かなり広範囲なところの店舗戦略を繰り返した結果、地元での営業が希釈化するという傾向もあろうかと思います。ですので、営業エリアを、フランチャイズでもう一回足元を見直す。その延長線上で、コンサルテーション中心の営業をより充実させるということであります。そうしますと、右手のほうに行きまして、店舗の見直しでリレーションシップマネジャー、要するに、コンサルテーション中心の営業拠点の充実を行うとともに、例えば、キャッシュポイントでありますとか、あるいはアドミニストレーションポイント、ここに関しては、ある程度軽量化を進めて、将来的には廃止を検討すると。その廃止による利便性の欠如を、ある程度チャネルの確保ということで、代理店の活用等を検討してみてはどうかなと考えております。

次に、15ページでございます。ただ、こういった戦略、地域重視の戦略の行く末には必ず直面してしまうのが、銀行法の求めに応じたところの株主が存在している。よって、地域社会と株主との緊張関係というのは常に存在してしまう可能性が高いということであります。より具体的にお話を進めさせていただきたいと思います。

次の16ページ、17ページを続けて御覧いただきたいのですけれども、こちらは冒頭の法人付加価値の分配先の分析を銀行に適用したものですけれども、より分かりやすくしたものが17ページです。特に御注目いただきたいのが第二地方銀行の状況でありまして、着実に、純付加価値としておりますけれども、業務純益の金額が減るとともに、内部留保のところが圧縮されてきているということであります。1つには、やはり社外流出、配当の部分がそれこそ劇的に減っていないということであります。ただ一方で、灰色の部分、ここは与信コストの部分ですけれども、これは銀行が機能提供をする延長線上の中で負うべきコストであるというところを考えると、むしろ問題点は、グレーの部分よりも社外流出の部分かなと考えます。

18ページを御覧いただきたいと思います。この緊張関係、株主と銀行、地域との緊張関係の問題というのは、何も地域銀行だけの問題ではなくて、主要銀行にも共通する問題であります。例えば、株主の求めに応じて自社株買いをしましたと。ただ、結果的には、そういった要請をした株主が、株価が上がったところで売り抜けてしまったというようなケースも多々あります。その意味で、全ての株主とのエージェンシー問題を解消するのは不可能、あるいは困難であります。ですから、3つ目のポツにありますとおり、仮に短期的な収益機会を犠牲にしても、やはり地域を大事にすることによって長期的な銀行としての事業価値を増加させるのだと、こういったところの使命を明示することが非常に大切なんだとは思います。

次に、19ページを御覧いただきたいのですけれども、ただ、やはりエージェンシー問題、経営者と株主の利益の相反、あるいは緊張関係、こういったところを解消するのを誘因両立性と申し上げておりますけれども、株主と銀行経営者の利益のベクトルを一致させる方法として、これまで取られていた方法というのは、むしろ経営者側にあって、例えば、ストックオプションをもらうことによって株主利益と同一のような状況に設定する。あるいは、株主の求めに応じて自社株買い、増配を行うというのが取られてまいりました。ですが、今後に関しては、株主側でこういったベクトルの方向性を一致させる、要するに、エージェンシー問題を解消させるような術もあるのではないかと考えておりまして、具体的には、こういった地域に対するコミットメントをより明示することによって、これを否とするような株主に関しては株式を売却してもらい、あるいは是とする投資家に関してはより入ってきてもらう。例えば、ESGファンドであったり、あるいは地域コミュニティーの応援団であったり、そういった人たちに株主になってもらうというところの訴求を深めることが一つの道かなと思いますけれども、ただ、限界があると思います。ですので、一つの最終的な選択肢としては、非上場化というのもあり得るのではないかということであります。

20ページを御覧いただきたいのですけれども、そうは言っても、非上場化については、3つ大きな問題があります。それは、これを支える資本の基盤、株式の流動性の問題、要するに、換金できるかどうか、それから、ガバナンスの問題であります。これから事務局から御説明いただけると思いますけれども、株主コミュニティーに関しましては、やはりなかなか売買の流動性が取りにくいという問題があり、そうしますと、1つの選択としては、「地域創生コンソーシアム」とありますけれども、例えば、地域に非常に根を張った企業であるとかファンドであるとか、あるいは個人、こういったところに訴求しながらコンソーシアムを構成するということであります。

次に、21ページを御覧いただきたいのですけれども、これが最後になります。非上場化へのハードルということで、私なりに考えた4つの論点を置かせていただいておりますけれども、この中で最初の3つはガバナンスに関わる部分です。この点に関しては、いわゆる規律づけというのを、外部の規律、それから自己規律というところで整理すれば解消可能かなと思います。より具体的に申し上げれば、例えば、自己規律で申し上げれば、3点目にありますガバナンス・コードのような、上場会社に向けられたこういったものに関して、非上場化した後でも、より積極的に、この原則にのっとって開示を行う等の自己規律を強める、あるいは、外部からの規律ということで言うと、外部者からのガバナンスを甘んじて受けるような、そういったガバナンス体制を構築すれば、十分解消できる問題かなと。残る問題というのが、最後の株式の流動性の問題であると。ここを何とか解決すれば、こういった出口もあり得るのかなと思います。

1点補足でございます。最後の右下にあります主要株主規制のクリアランスの問題に関しましては、ある程度、サブスタンスと申しましょうか、資本規模があるような、そういったコンソーシアムの形成をした上で、機密性を保ちながら、こういった規制のクリアランスを行うというところも技術的な問題点ではあろうかなと思います。

最後に、参考としてあります資料に関しましては、若干解説させていただきますと、これをわざわざ参考に置いた意味といたしましては、市場から非常に低評価を受けてしまっているところと時価総額が小さいところが、ある程度整合性が高いと。理由は、ある程度の規模感の小さいところに関しましては、2つの理由で市場の評価が低い。1つには、やはり流動性の問題があることと、もう一つに関しましては、やはり魅力を感じない。要するに、今の資本市場からは魅力を感じていないということなので、ここに関しては、魅力を感じる形で地元に訴求するということで、先ほどのガバナンスの問題とも少し共通しますけれども、解決方法があるのではないかなということで参考までに置かせていただきました。

御清聴、ありがとうございます。

【神作座長】

どうもありがとうございました。

続きまして、事務局より御説明をお願いいたします。

【端本信用制度参事官】

それでは、資料6に沿って御説明いたします。

まず1ページ目、本日は地域における金融機能の維持を御討議いただきます。

続きまして、2ページ目、これまでワーキングで御議論いただいた規制緩和、実効性を持つためには、地域金融機関のビジネスモデルが持続可能である必要があります。この目次は、そうした点を踏まえまして、地域金融機関の視点から本日の討議事項を整理したものです。本日の討議事項、4点になります。まず1点目、収益力の向上のところの下にあります、協同組織金融機関にこれまでの業務範囲規制等の議論をどう適用していくか。2点目は、合理化・効率化の中の(1)本部機能との関連で、システム投資を含めまして、本部機能の共同化、外部委託についての留意点をどう考えるか、3点目は店舗機能との関係で、銀行代理店の業務範囲の緩和についてどう考えるか。4点目、地域銀行の経営とステークホルダーということで、今、野崎メンバーから御紹介いただきましたけれども、非上場化を含めた検討を行う際の留意点という、この4点でございます。

続きまして、3ページ、4ページ、第1回会合におけるメンバーの主な御指摘事項の地域金融機関関連、再確認させていただきます。上の3つは、地域金融機関に対する期待、あるいは信用金庫に対する期待についての御意見がございました。その次の4つ辺りは、例えば、地域銀行の収支構造の改革が必要、あるいは、非上場化も選択肢として考えられるのではないか。あるいは、デジタル化の加速、連携、このような御意見をいただいたということでございます。

5ページ目、これは当庁が公表しております「地域金融機関の経営とガバナンスの向上に関する主要論点」ということで、6ページ目を見ていただきますと、まず、主要論点1「地域銀行の経営理念」、主要論点2「地域社会との関係」、主要論点7「業務プロセスの合理化や他機関との連携」、この辺りが本日の討議事項と関連しています。

続きまして、各論の議論に入ってまいります。協同組織金融機関でございます。まず8ページ、これまでの金融審議会におけます議論を紹介させていただきたいと思います。2009年のワーキング・グループでございます。

まず1つ目のポツの冒頭のところ、協同組織金融機関は本来、相互扶助を理念とし、非営利という特性を有する。それから、2つ目のポツです。協同組織金融機関の本来的な役割は、相互扶助という理念の下で、中小企業及び個人への金融仲介機能を専ら果たしていくことであり、この役割を十分に果たすべく、協同組織金融機関には税制上の軽減措置が講じられている。それから、下から2つ目のポツ、業務範囲規制の在り方ですけれども、銀行と同じ規制に服しているなら業務範囲に差を設ける合理的な理由はなく、一律に銀行と同じ業務を認めた上で選択性としてよいのではないかという御指摘、他方で、協同組織金融機関が果たすべき本来的な役割と整合的であるかを厳格に問うべきという2つの御指摘があったということでございます。

続きまして9ページ目、これは市川常務、二宮常務の御紹介の中で何度か触れられていますが、簡単に事実関係をもう一度再確認させていただきます。信用金庫、信用組合、上から3つ目、地区でございますけれども、営業地区、定款で定める地区でございます。会員・組合員、地区内に住所等を有する中小企業者あるいは個人ということでございます。それから、下のほう、固有業務に参りまして、信用組合に関しましては、預金総額、組合員以外は20%以内、貸付け等につきましては、信用金庫、信用組合双方とも、会員・組合員以外は貸付け等総額の20%以内という制約がございます。

続きまして10ページ目、次のページに参ります。これも市川常務からお話がございました。信用金庫、信用組合、単位組織ですと、上の左側、銀行、金融機関ということで、証券会社、保険会社は子会社として保有できない、それから、一番右側、このワーキングで御議論いただきました銀行業高度化等会社、これも単位組織では保有できない。ここにつきましては、下の注でございます。中央機関は、高度化会社に相当する会社を子会社として保有可能だというのが現状の制度でございます。

続きまして、合理化・効率化の制度関係を御説明させていただきたいと思います。12ページ、地域金融機関の機能ということで、本部機能と店舗機能、上と下に分けておりますけれども、本日見ていただくのは本部機能の一番下の2つでございます。システム、有価証券運用ということでございます。本部機能、14ページを御覧いただきますと、左側はITシステム、あるいは、それに関連する機能を共同化した事例です。右側は、有価証券運用とそれに関連する機能を外部委託した事例です。

15ページ、これは、本年6月に、「金融機関のITガバナンス等に関する調査結果レポート」ということで、当庁より公表させていただいているものでございます。その背景といたしまして、下の青で囲っている「背景」というところの2つ目のところですけれども、共同センターの利用が長期化する中、新サービスへの機動的な対応の困難さ、共同センター利用料等のコスト面で懸念も顕在化ということで、こういう問題意識の下で調査させていただいたということでございます。

次のページ、16ページでございます。主な集計・分析内容を簡単に御紹介させていただきます。3つ図なり表があるところを見ていただきますと、まず、赤でシャドーしている部分です。預金量当たりのシステム経費、地銀全体、信用金庫、信用組合、ネット専業銀行、それぞれ数字が見て取れると思います。その右側を見ていただきますと、本業収益と預金量当たりのシステム関連経費ということで、規模が大きくなるほど預金量当たりのシステム関連経費は低減していくということで、規模の経済が働いているのではないかということでございます。

そうした調査結果を踏まえまして、一番下の四角のところでございます。ITコストの適正化を図る、それから、経営戦略に沿ってITシステムが機動的に対応できる形にしていく、そうした取組を支えるIT人材の確保・育成、さらにはシステムベンダーとの契約関係の在り方が重要だ。こういう問題提起をさせていただいております。この辺りについて御意見をいただくよう、よろしくお願いいたします。

続きまして、3点目の論点、店舗でございます。18ページを御覧いただきまして、人口減少等、厳しい経営環境の下で、店舗機能の合理化・効率化、利用者利便を、極力低下しないよう配慮しつつ進められております。一番左側、店舗内店舗でございますけれども、これはいわゆる店舗の支店コードを残す形で、物理的にはその店舗を集約していくというのが一番左でございます。真ん中、共同店舗、複数の銀行の店舗が物理的には1つの店舗に入っていくという形でございます。一番右側、銀行代理業者の活用ということで、子会社として代理業者を、子会社をつくってスリム化していくという場合もございますし、銀行相互に代理店、代理業者として活用して相互補完していくというような形態もございます。

その代理業について、次のページ、19ページでございます。右側の表を見ていただきたいんですけれども、今申し上げたような専業の代理業者の場合、扱える商品はフルラインナップというか、全て丸がついております。それに対しまして、右側、一般事業を併せ営む代理業者ということで、兼業するようなケースですけれども、赤でシャドーしているところですけれども、事業者向け融資の代理、媒介は基本的にできないという形で制約がかかっております。

20ページ、代理業の規制を見ていただきますと、左側から参りますと、代理業者、所属銀行から業務指導を受けるということですし、銀行本体で何かトラブルがあったときは賠償責任、民事上の責任を負うということでもございます。それから、代理業者本体についても、まず、右側の四角のところですけれども、上から参入は許可です。一般事業の併営について承認がかかります。優越的地位の濫用の禁止、抱き合わせ販売等の禁止、情実融資の禁止、様々な禁止行為がかかります。それから、下、当局の検査、監督の対象にもなるということでございます。

次のページ、21ページを見ていただきますと、これは監督指針でございます。今申し上げたような禁止行為、どのような場合が禁止行為に当たるかということが明確化されております。1つ目のポツは、1行目の最後の辺りからです。銀行代理業者としての取引上の優越的な地位を不当に利用する行為に該当し得るものとして以下の4つ。2つ目のポツ、兼業業務における取引上の優越的地位を不当に利用する行為に該当する場合として、以下の4つの場合。最後のポツですけれども、禁止行為を防止するための体制整備といたしまして、①、内部管理体制が整備されているか、②、研修を実施しているか、社内規則は策定されているか、③、代理業に関する法令の研修は実施しているか、④、苦情対応体制が整備されているか、このような形に現行制度はなっております。この銀行代理業につきましては、まさに地域で支店を閉じていかざるを得ない場合、融資相談という有人サービスを残していく観点から、地域銀行にとって選択肢になるのかどうかという観点から御討議いただきたいということでございます。

最後、22ページ、23ページ、非上場化の議論になります。23ページを御覧いただきまして、上から関連する指摘事項を紹介させていただきます。一番上です。収益力の低下に関わらず配当性向が切り上がっているのではないか。2つ目、これは当庁の指摘ですけれども、1行目の最後辺りから、目先の利益のために過度なリスクテークを求めていることになっている。これも、低収益の中での問題点でございます。3つ目のポツ、これは高田メンバーの御意見ということで、上場企業として求められる利益水準の維持が困難な地域銀行の場合、非上場化によって収益目標を引き下げることも一案になる。最後のところは、野崎メンバーの御意見から。これは、先ほど御紹介いただきましたので、説明を省略させていただきます。

最後に、先ほど、野崎メンバーから言及がございました。それから、第1回の会合で高田メンバーからも言及がありました株主コミュニティー制度、これは日証協のウェブサイトから制度概要を紹介させていただいております。1行目の後半辺りからです。非上場株式の取引・換金ニーズに応えることを目的として、非上場株式の流通取引・資金調達の制度ですということ。それから、次のパラグラフでございます。証券会社が非上場株式の銘柄ごとに株主コミュニティーを組成し、これに参加する投資者に対してのみ投資勧誘を認める、こういう仕組みだということでございます。

続きまして、資料7に沿いまして、簡単に、本日討議いただきたい事項を再確認させていただきたいと思います。

1ページ目、1「収益力の向上」の2つ目のパラグラフでございます。「協同組織金融機関についても、『協同組織金融機関の本来的な役割は、相互扶助という理念の下で、中小企業及び個人への金融仲介機能を専ら果たしていくことであり、この役割を十全に果たすべく、協同組織金融機関には、税制上の軽減措置が講じられている』という基本的な考え方に基づいて、従来、銀行よりも業務範囲などが制限されてきたという経緯を踏まえつつ、協同組織金融機関が保有するリソースを地方創生等に役立てるという観点から、その業務範囲規制や議決権取得等制限を見直すことが考えられるが、どう考えるか」と、このような考え方について御討議いただきたい。これが1点目でございます。

2点目、2ページ目に参ります。(1)「本部機能」、3つ目のパラグラフでございます。先ほど、ITシステムの金融庁のレポートを報告させていただきましたが、「今後、一層の進展が見込まれる本部機能の共同化や外部委託に関して留意すべき点について、どう考えるか」。

3点目の討議事項、(2)「店舗機能」の最後の3行になります。「地域金融機関が従来型の店舗を縮小していく局面を前提に、人口減少地域などにおいても既存顧客に対する有人サービスを可能な限り維持することを目的として、一般事業を併せ営む代理業者が取扱可能な貸付けの範囲に係る制限を緩和することが考えられるが、どう考えるか」。

最後、4点目でございます。2つ目のパラグラフになります。「地域銀行の経営とステークホルダーとの関係に留意すべき点について、どう考えるか。また、地域に一層密着したビジネスモデルを指向し、非上場化を選択肢の1つとして検討する地域銀行に関して留意すべき点について、どう考えるか」。

以上4点でございます。最後、「その他」、これ以外にも何か検討すべき事項があれば、御指摘いただきたいということでございます。

以上でございます。

【神作座長】

どうもありがとうございました。それでは、ただいまの御説明を踏まえて、メンバーの皆様に御討議いただきたいと存じます。御説明に対する御質問がございましたら、併せて御発言いただければと思います。なお、御発言をされる際は、オンライン会議システムのチャットに、全員に宛てて、御自身のお名前を入力、御送信ください。それを確認して、私が御指名させていただきますので、御自身のお名前をおっしゃっていただいた後で御発言ください。

それでは、どなたからでも結構でございます。御発言、お願いいたします。いかがでございましょうか。

岩下メンバー、お願いいたします。

【岩下メンバー】

岩下でございます。ただいま事務局より御説明のございました討議資料7の上の項目から順にコメントを述べさせていただきます。

まず、基本的に今回の事務局の御提案の内容は、本ワーキングで検討している業務範囲規制の規制緩和という方向に向いたものでございます。現時点での規制が厳し過ぎるという認識を私は持っておりますので、その意味では全般として賛成させていただきます。

以下、細かい部分についてコメントさせていただきますと、まず、今回、冒頭、地域金融機関の方々、地方銀行さんから信用金庫、信用組合さんまでお話をいただいたわけですけれども、大変皆さんが御苦労されて、また、コロナ禍での対応を真摯に、地域の活性化のために努力されているという姿がよく分かり、かつ、また現在の業務範囲規制というものがいろんな意味で縛りになっているということが改めて痛感されましたので、それらのものについて、今回のような修正を行っていくことは、まず基本的に大事なことだろうと思います。

その上で、1番の収益力の部分のところ、最後のところに、いわゆる協同組織金融機関の話が書いてございます。基本的に、この話全体としてはやはり、地域金融機関を中心とする日本の金融機関のもうける力を上げていこうという話だと思います。もうける力を上げていくのと同時に、その力を使って地域の活性化につなげていこうという話だと思うので、もともと協同組織金融機関の方々が地域の活性化に大変な御努力をされているということはよく存じておりますが、やはりどうしても非営利の、地域のための協同組織としての活動という部分が多かったと思います。その意味では、おのずと上場の営利企業であるところの銀行と、必ずしも営利ということを前面に打ち出さない協同組織金融機関との間でのアプローチの仕方に差が出てくるのは当然であると思うので、現時点で緩和すべき方向は緩和すべき方向でいいと思うんですけど、ただ、この結果、どんどん地域金融機関が、地方商社であるとか地域の高度化会社に出資等を行って、それで営利的な活動を続けていくことになると、それは想定しているものとやや違うことになってしまうと思うので、そこについて何がしかの考慮は必要かなと思います。全体としては、緩和の方向には賛成ですが、そこの部分への配慮が必要であると思います。

それから、合理化、効率化の点ですが、資料6に戻っていただいて、資料6の16ページに金融庁さんの検討結果が述べられてございます。この検討結果はなかなか興味深いものでありますが、資料6の16ページの真ん中のグラフの一番左端、地域金融機関の中の地方銀行と信用金庫、信用組合、そしてネット銀行を比べたときに、地方銀行のシステム化投資の経費が高いではないかということが一つのポイントになっているわけですが、多分これで比較してはいけないかなと思います。システム化投資をたくさんやっている金融機関がよりよいサービスを提供しているのであれば、それはむしろ顧客にとってよいことでもありますし、それが結果として、金融機関の競争力になるとか、あるいは、その部分、人材の利用が効率化するとか、そういういい点も必ずあるはずですので、そういう意味では、全く同じことをやっているという前提の下であれば、0.18%と0.12%、0.11%の間の差が出てくるというのは理解できるんですけれども、やっている内容が違います。どちらかというと、信用金庫さんや信用組合さんは主に共同センターに集約して、本当に同じようなサービスを提供しているんですが、地方銀行さんの場合はもうちょっと、それぞれバラエティーに富んだサービスを提供しているように思いますし、その部分について追加的なコストがかかるというのは、将来の投資ということでやむを得ない部分があるのかなと思います。

ただ、この中で述べている、全体としてやはり効率化を進めていくため、あるいはシステム化を進めていくためには一定程度の規模が必要であろうというのは全くそのとおりでありまして、そのためには、そういう規模を達成するような何がしかの方策がやはり必要であるというのも、これまた事実かと思います。

最後に、店舗機能でありますけれども、こうした形で銀行代理業によって解決するというのも一つの方法だと思います。長い目で見れば、地方の人口減少地域も含めて、キャッシュポイントという言葉が先ほどありましたが、現金を取り扱うということ自体を圧縮していく方向に多分なるんだろうと私は思っていますが、それにしても、それまでのつなぎとして何がしかの対応が必要であることは事実だと思います。

ただ、この場合、例えば、今、都心では大手の金融機関のATMの跡地に様々なお店が出店するとか、あるいは銀行の1階部分がコンビニに変わるとか、様々な変化が起こっています。地方でも例えば、山口県の山口銀行の油谷支店のように、銀行の店舗そのものを半分ぐらいレストランに改装してしまうという事例も出てきているようですし、そういう意味で様々な工夫が、もうちょっと各金融機関の自由な判断の下に行うことができるということが非常に大事であって、そういう意味では、今日の冒頭の地方銀行さんからのお話にあった、金融機関の様々なこの種の行動に対して、非常に時間がかかって、かつ、業務の認可を受けるに当たって大変細かなチェックを要するという仕組み自体をできるだけ簡素化していくことが肝要ではないかと考えます。

私から以上です。

【神作座長】

どうもありがとうございました。

続きまして、坂メンバー、お願いいたします。

【坂メンバー】

ありがとうございます。私から、店舗機能と協同組織金融機関について発言させていただければと思います。

まず、店舗機能ですけれども、地域金融機関の店舗縮小に伴いまして、当該店舗の従来機能を代理業者に委ねるという必要性は理解できるところです。もっとも、一般事業との兼業者における事業者向けの貸付けに関する規制緩和については丁寧な検討が必要と考えております。代理業者は融資先の信用リスクを負わないということになりますが、自らリスクを負わない者が融資判断を行う場合、リスク負担者と判断者が分かれるということになりますので、不適切な融資判断が行われる懸念がもともとございます。さらに、一般事業との兼業者は、一般事業の利益のために不適切な融資を行う誘因が働くので、懸念はさらに高まる。例えば、一般事業の利益実現のために顧客に有利で銀行に不利な融資を行う、あるいは、一般事業の債権回収のために顧客への融資を行うなどがあります。特に事業者向けの融資は、融資判断や適正なチェックの難易度が高く、また、一般に金額も大きくなり、不適切な融資判断が行われるリスクが格段に高くなると思われます。

そこで、現行法制では、一般事業との兼業者について、事業者向けの融資の取扱いを制限しているところと思います。係る枠組みは、公正な競争の確保の観点からも支持されるところと思います。すなわち、一般事業者が自ら融資先の信用リスクを負わない融資権限を有する場合には、特に事業者への融資権限を持つ場合には、競争上、強い優位性を持つことになり得ると思います。このような規制上の課題に鑑みますと、緩和の方向性としては、あくまでも与信審査を銀行本体で行うことを前提として、事業者向けの融資の代理、媒介を許容するという形が考えられるように思われます。

融資審査を銀行本体で行う場合、代理業者で銀行に審査を求める一手間が必要となりますが、この点についてはIT技術の活用による効率化が期待されるところであり、そのようなイノベーションこそが求められるものと思います。融資審査は銀行のコア業務であり、基本的には銀行本体での高度化が期待されるところと思います。過去、銀行が融資審査を手放したところで問題が生じていることにも留意が必要と思います。

次に、協同組織金融機関ですが、協同組織金融機関は小規模企業への資金提供を担っていると理解しております。小規模企業への資金提供は、小規模企業の個別性から情報の非対称性が大きく、財務基盤が脆弱で信用リスクが高い、それから、少額多数の案件に手間暇がかかるという特性があります。そこで、地域の人的・物的なネットワークを活用して情報を集め、また、地域の継続的な相互信用や地域の評判を活用することにより、資金提供とその後の管理を回していくことが考えられているところと思います。このように、協同組織金融機関は、政策的に地域の人的・物的ネットワークを活用して小規模企業への資金供給を行うものであって、相互扶助は地域の人的・物的なネットワークを機能させるスローガンであり、こうした在り方を前提に税制上の軽減措置が図られているものと理解しております。

さらに、現在では、地域創生の観点からも地域の相互扶助の重要性は増しているところと思います。相互扶助は、ともすると、採算の悪い企業をそのままにしてしまう面も否定できませんが、他方で、相互扶助が業務改善や新規開拓に向かうときには強い力を発揮し得るものと思います。こうした観点から、協同組織金融機関の業務範囲の拡大は、相互扶助の力を発揮し得る取組を念頭に検討すべきものと思います。その際、地域の中において、金融機関がどのような役割を分担すべきかという点にも留意が必要と思います。

最後に、地方創生について一言ですけども、地域の活性化のためには、地域のコア産業の育成と産業クラスターの形成、及び所得を地域内で循環させる取組が必要かと思います。そのための地方自治体も含めた地域金融機関、それから地元企業等の適切な役割分担と連携が望まれているところと思います。

以上です。ありがとうございました。

【神作座長】

どうもありがとうございました。

続きまして、西原メンバー、お願いいたします。

【西原メンバー】

ありがとうございます。西原です。私も、規制緩和方向での事務局の見直し案につきましては基本的に賛成の立場です。その上で4点申し上げます。

1点目が、地域銀行経営とステークホルダーの留意点、地域銀行の非上場化について、2点目が、地域におけます金融機能の維持について今後検討していく留意点について、3点目が、銀行のITシステム開発などデジタル戦略についての留意点です。

まず1点目の地方銀行経営とステークホルダーについての留意点は、一般的に、過去の経緯についての事務局資料にも、株価を上げるためには、配当を含む株主還元を拡大しなければならないとされていますが、現在資本市場を取り巻く環境は非常に大きく変化しつつあります。具体的には、シェアホルダー・キャピタリズムからステークホルダー・キャピタリズムへのシフトという大きな地殻変動が起きています。企業経営者はサステナビリティー重視へと大きく舵を切っておりまして、例えば資本主義社会のアメリカにおいて、昨年、2019年に、業界団体のラウンドテーブルが、株主資本主義からステークホルダー・キャピタリズムへのシフトを打ち出しましたし、また、世界最大の資産運用会社のブラックロックのCEOのラリー・フィンク氏も、経営、企業理念における社会の課題解決の重要性を打ち出しています。こうした中で、地方銀行経営を地域の取引先、従業員、地域コミュニティーをベースにしていくという考え方は、世界がステークホルダー・キャピタリズムへ向かうという新たな潮流に沿った流れだと思います。

ただ、その動きに合わせていくためには、地方創生という社会課題の解決に向けた取り組み、これらは非財務情報ですが、これらを可能な限り定量化するなどの工夫により、ステークホルダーに分かりやすく提示していくことが課題となってきます。メガバンクを含むグローバルバンクが最近、ESGとかSDGsの取り組みを定量的に開示したり、欧州企業の一部が環境問題への取り組みを自社の利益へのプラスアルファとして計上し、最終利益を従来の財務ベースの最終利益に加え、環境問題への取組のみなし額を乗せた最終利益という二本立てで示す事例のように、地方金融機関は地方創生への取り組みをただ列挙するだけではなく、可能であれば共通の評価軸の下で、自らの取り組みを定量化、あるいは収益化するなどの試みにより、社会問題の解決にどれだけ取り組んでいるかを分かりやすく示していく必要があると思います。

こうした取り組みは、野崎メンバーも指摘されていましたけれども、純投資をされている投資家からはESGやSDGsの観点から評価されますし、また、地域コミュニティーからはより透明性が高い形で、各金融機関の地域創生への取り組みが評価され、株式保有の理由づけとされるメリットがあります。

地域銀行の非上場化につきましては、上場のコストが高いと判断されるケースでは非上場化を一つの選択肢とすべきだと考えます。その際、上場のメリット、デメリットを銀行自身、株主、システム全体という3つの目線で考えることが、判断のベースとなると思います。株主目線につきましては、利益減少による減配が想定されるケースであれば、先ほど申し上げたとおり、マイナス要因を地方創生という社会課題解決という非財務分野におけるプラス要因でどの程度打ち返せるかということを比較考慮する余地があるかと思います。また、資本市場というシステム全体の目線で見た場合のコストにも留意する必要があるかと思います。

TOPIX全体の株価資産倍率が足元1.1倍である中で、TOPIX銀行業の同比率は0.34倍ということで、約3分の1程度にとどまっています。先ほどの野崎メンバーの資料の23ページにもありますとおり、地域銀行では0.3倍を下回る株価純資産倍率の先が大体6、7割を占めている状態です。資本市場では、グローバルの傾向として、アクティブ運用からパッシブ運用へのシフトが起きていますので、投資家はますますTOPIXというインデックスで運用するようになっています。従って、TOPIXに株価資産倍率が低い、流動性が低い企業が多く含まれますと、日本の株式市場全体の魅力度が下がり、日本企業全体の資本調達を難しくしてしまうという、システム全体に係るコストがあることも留意をしていかなければならないと思います。

大きな2点目で、地域における金融機能の維持を検討していく上での今後の留意すべき点は、2017年の金融システムレポートで詳細に分析されていますが、店舗などの拠点は地域によっては過密状態にあり、それが過当競争を招き、本来よりも低い銀行の収益性につながっている可能性があります。今後とも、地域における金融機能を維持していくためには、望ましいシステムの全体像を検討していく必要があるのではないかと考えています。

具体的には、トップダウンの目線で、人口減少見通しや金融機関数と競争要因、デジタル化の見通しに基づき、将来必要な店舗などのリアル拠点を想定し、その姿に近づけていくよう、インセンティブ付与を含めた監督というようなアプローチが先々の課題として考えられないでしょうか。

また、地方創生の貢献が、地域における金融機能として認められている中で、先ほど申し上げたような各社の地方創生への取り組みに関する目標、KPIの設定ですとか、その達成度合いの開示、共通の評価軸に基づく開示フォローアップなどは、地域における金融機能の維持に資すると考えます。先に述べた特定地域におけます店舗の過密状態等を想定すると、事務局資料、討議資料の2の(2)にあります一般事業を営む代理業者への貸付け範囲の制限の撤廃は、地域金融機関が店舗を縮小していく局面においては一つの選択肢となると考えます。

最後に、銀行のITシステム運営、デジタル戦略についての留意点ですが、討議事項の2の(1)では、本部機能の共同化や外部委託に関して留意すべき点が問われています。関連する留意点としましては、近年の動きを見ると、銀行ではデジタル戦略の重要性がますます高まりつつあり、メガバンクの三菱UFJや三井住友フィナンシャルグループの経営トップは、チーフデジタルオフィサー経験者がなるなど、銀行の経営戦略とデジタル戦略は切っても切り離せない状況にあります。

一方で、テクノロジーの動きの速い進展を自社の経営やデジタル戦略に落とし込んで、地域の利用者に選ばれるサービスを今後も提供し続けていくためには、相応のデジタル投資が必要となります。事務局資料の16ページの金融庁のITガバナンスの調査結果レポートが示しているように、デジタル投資には規模の経済が働くため、本部機能の共同化、外部委託として対応していくというよりは、全体の経営戦略の方向性を踏まえた、他社との提携や統合などによる規模の追求の方が比較優位につながりやすくなっている点にも留意すべきだと思います。

以上です。ありがとうございます。

【神作座長】

どうもありがとうございました。

続きまして、家森メンバー、お願いいたします。

【家森メンバー】

神戸大学の家森です。私は、この資料7の1ページにあるように、地域金融機関は自らの経営判断の下、持続可能なビジネスモデルを構築していくことが重要であるという今回の事務局の認識には賛同しているところです。今回、協同組織金融機関について検討する機会をつくっていただいたことにも感謝したいと思います。例えば、帝国データバンクさんの全国メインバンク動向調査なんかを見ると、全国の企業のうち、信金、信組さんをメインバンクにしている比率が大体25%ぐらいありまして、非常に大きなウエートを占めているということですし、特に地方創生活動の必要な地域ほど信金、信組のウエートが高いということなので、必要性があると思います。

まず、今回の資料のところで、1「収益力の向上」と整理されているんですけれども、これは岩下先生とまた逆の観点から、協同組織の話題でこれを出すのにはすごく違和感があるなと私も思いました。赤字になる事業をやることができないのは、経営者ですからもちろんなんですけれども、地方創生に資するというのが、まずあるべきだと思うわけです。それは、例えば10月21日、前回の「本日討議いただきたい事項」の中で、高齢者の見守りサービスなどが例示されていたんですけれども、こういうものは直接の収益にはもともと結びつかないものです。それでも、地方創生のために経営判断として実施できることが重要だということです。仮にこれが認可されるという段になったときに、収益力の向上がないと認可できませんというようなことにはならないようにお願いをしたいと思います。

それから、銀行業高度化等会社に相当する会社についてです。少なくとも全信協さんからあったように、地方創生等に資する会社については、信金、信組さんが子会社にできるようにぜひしていただきたいと思います。ただ、複雑な会社形態を取るということは、それだけコスト高にもなり、人口減少地域では、そもそもそれだけのボリュームがないということがあって今議論をしているわけですので、過疎地域の企業にはそうしたサービスの享受は諦めてくださいということになりかねないという心配をしています。それゆえに、10月21日に議論になりましたように、本体でできる付随業務について、地方創生の観点での規制緩和をお願いしたいと改めて思います。

今日の議論の一つの議決権取得等制限にも関連しますが、10月7日の議論では、投資専門会社の機能強化について議論されています。現在も、制度上は信用金庫さんや信用組合さんも、投資専門会社を通せば、ベンチャービジネスとか事業再生会社を持てることにはなっていますけれども、先ほど申し上げたように、人口減少地域における信金、信組さんが、あるいは小規模の銀行さんがそうした複雑な経営形態を取ることは現実的ではないと思います。こうした投資専門会社を介してしかできないような規制のプラス面とマイナス面についても改めて御検討いただきたいと思うんです。

10月7日の議論で、機能強化を図ることでは多くの先生方から賛同が得られているのも、これまでのところ、投資専門会社の業務が、銀行グループの健全性やその他の問題を起こしていないということが前提にあると思いますので、それならば、本体で可能になる余地がないかということを改めて考えていただきたいということです。例えば、事業再生会社について、現行3年間で第三者関与がある場合には、直接本体から100%の出資が可能と規制緩和されています。例えば、事業承継を促進するための特別な対応が国で税制等取られているわけで、地銀協さんの要請にもあるように、事業承継会社についても直接出資の可能性を検討する余地はあるのではないかと思います。

仮に、この一律の規制緩和が金融システムへ与える潜在的な悪影響がどの程度かよく分からないと判断されるとしたら、3年間といったような期限の限定の解禁もあり得ると思いますけれども、むしろリスクを吸収できる十分な資本があり、ガバナンスがしっかりしているというところに、なるべく透明性のある認可基準の下で解禁するというようなことがよいのではないか、銀行の自助努力をもっと引き出すほうがいいのではないかと思います。

それから、員外貸付けの緩和についても述べさせてもらいます。員外貸付けを禁止している最大の理由は、せっかく信金に集まった貴重な資金が中小企業ではなく大企業に流れてしまって、中小企業の資金不足が続くということがかつて心配されたからだと思います。しかし、この懸念は、預貸率が5割を切るかどうかと言っている状況の下ではありませんし、幸い信金、信組さんも自己資本が十分にあるわけでして、あまりこれは心配する必要はないと思います。

一方で、もちろん何でもいいよと解禁すると、現場が苦労して中小企業を支援して、少額の貸出しを伸ばすよりも、大口の貸出しをどさっと獲得することに目が行ってしまう心配があるのも事実なので、員外貸出しの制限についての取扱いは今後十分に検討していく必要があると思っております。

ただ、全信協さんからの説明にあったように、地域医療や福祉サービスなどの分野での規制緩和というのは緊急性が高いのではないか。高齢化が一層進んでいる上に、さらに今回コロナ禍で病院等の経営状況というのが非常に厳しくなっているということを考えると、資金提供や経営支援の必要性がここの分野で高まっていると考えられますので、そうした支援の担い手になってもよいという信金・信組さんにはぜひやっていただいたらよいのではないかというふうに私は感じます。

それから最後に、店舗機能及び3のその他に関連しますけれども、規制が緩和されると当然、心配すべきことが起こって増えてくるわけです。例えば、銀行規制においてずっと何回も出てくるように、優越的な地位の濫用ということが常に心配に出てくるわけです。私は、優越的な地位の濫用を防ぐためということであっても、必要な業務をやらせないというよりは、必要な業務をやってもらって、優越的な地位の濫用が起こることを是正していくというほうがいいのではないのかなというふうに感じています。

そもそも市場競争のメカニズムが十分に働くと、優越的な地位を濫用するような銀行と取引しないということをすればいいわけなんです。しかし、地方創生の求められる地域においては十分な選択肢がないという現実があるのも事実です。

私が銀行のことを勉強している限りでは、銀行本体が本体として優越的な地位を濫用して何かをしようと考えるということはあまり考えられません。ただ、現場での勇み足的な営業は今後もあり得ると思います。お客様の立場からいうと、この地位を濫用している事案に対して銀行に抗議をしたら、嫌がらせされるのでやっぱり言えない。担当者も、銀行にはきっと言わないだろうということでこういうことが起こっているんだとすると、これは銀行の内部監査とか内部統制で解決できるのではないかと思います。この辺りをしっかり銀行におこなってもらうことが大事で、監督指針でも現在も規定されているわけなんですね。

優越的な地位の濫用に対して、しっかりしたガバナンスが取れている銀行と、そうでない銀行でこの規制緩和に差が付いても致し方がないのではないかというふうに思います。全面開放というのが難しい場合でも、しっかりガバナンスを見ていただいて、できるとこにはやっていただければいいのではないかと思います。

監督当局にも経営の自律性をしっかり見ていただきながら、尊重していただきながらも、銀行のガバナンスについては監督をしていただくということがお願いしておきたいことです。以上です。

【神作座長】

ありがとうございました。

続きまして、高田メンバー、お願いいたします。

【高田メンバー】

御説明も大変参考になりました。ありがとうございました。

私のほうの議論でございますけれども、ちょうど1回目のときに今の金融の業界の非常に厳しさということで申し上げて、その中で、こういう構造不況的な厳しさになったときの4段階の対応を申し上げました。

1つは独禁法の適用除外。それから、第2にそれに基づく再編。3番目に持続性のある収支構造というんでしょうか。そして4番目に、その他のところも含めた収益機会をということで申し上げたんですけれども、そういう意味では、3番目の持続性ということ、この辺が今日のポイントだろうと思います。そういう意味では、収支構造、それから配当の在り方、この辺のところが、今日の状況を考える上では必然のところというふうになるのではないかと思います。

そういう意味で申し上げますと、戦後の金融行政を考えた場合に、基本的な認識というのは、企業が資金不足セクターであって、旺盛な資金需要があるというような、ある面では非常に拡大均衡的な金融モデルというのがあったんだろうと思うんです。そのために大量に資金を預金で導入、総動員するというんでしょうか、そういう資金総動員的なモデルでした。それを資金仲介を担う銀行の資本を上場によって充実させて、それによって融資拡大なり拡大均衡する。これが暗黙のうちの前提として存在したんだろうと思います。

こうした前提というのは1980年代まではある程度成立したということだろうと思いますし、そういう状況の中で、金融行政でも89年には相互銀行から第二地銀にと、普銀転換という形で行われましたし、また、信金から地方銀行へというような動きもあったわけで、これは資金調達力を向上させる観点からも、株式会社の信用力、それから銀行によるガバナンスが重視されたというような点があったんだろうと思います。

ただ、こうした状況というものが90年代以降大きく変わったという中で、改めて、今の令和モデルと申しましょうか、いったところが求められています。企業が資金余剰に転じ、しかも、マイナス金利も含めた収益環境というような状況の中で、いわゆる商業銀行的な預貸モデルというようなものがなかなか成り立ちにくくなっているというような環境認識というようなものが前提にある。そういう中でのいろんな意味でのあり方の変化というものが、ようやく議論されるような状況になってきたということだろうと思います。

そうした状況の中で、持続的な収支構造ということで考えますと、地域における持続的なエコシステムの実現が重要になるわけでありまして、そういう中でいえば、地域銀行の株主が期待するリターン水準と達成可能なリターン水準の間に大きなギャップが生まれてしまっているという状況でありまして、特に今厳しい地方経済ということを背景に、上場企業として求められる利益水準の維持が困難な状況の場合には、非上場化により収益目標というものを下げることも選択肢になるのではないかというのが、私も第1回目のところでも申し上げたそもそもの問題意識になるわけであります。

その場合、地域の非上場企業などの株式の売買、その売買によって資金を集める仕組みである、先ほど事務局のほうからも御説明ございましたが、株主コミュニティー制度を参考にいたしまして、上場と非上場の中間的な受皿的な制度を検討する余地もあるのではないかというふうに思います。

こうした新しい状況のなか、現在の株主コミュニティー制度というものはそれなりの運営はされているわけでありますけれども、改めて銀行がというようなことの中で、これから新たなガバナンスというんでしょうか、先ほどもいろんな議論がございましたけれども、地域の中で、場合によっては協同組織の中で議論されているようなガバナンスの仕組みというようなものも参考にして、地域の中でのエコシステムというんでしょうか、こういうものを確立していくということもやっぱり必要なんじゃないかと思います。

そういう観点から申し上げますと、この配当水準自体も、例えば海外投資家に、株式を保有してもらい、高い配当利回りで株主還元をするというようなことが本当に必要があるのかというのは、当然問われるわけでありまして、当然、地域に理解がある出資者に報いる程度の配当をというような考え方があるわけです。そうした点も含めて、地域の持続性のあるシステム、エコシステムというようなもの、また、配当を地域の実態に沿った水準に引き下げるというようなことも重要なんだろうと思います。

現実に、これ野崎委員のほうからの引用にもございましたけれども、実際に海外の株主の比率が高いほど、どうしても社外流出が大きいというような、こうした研究もあるわけでありますので、そういう中での持続性というものはやっぱり重要になってくるということだろうと思います。

また、今回は協同組織金融機関の議論もございました。先ほどから申し上げておりますように、従来の商業銀行モデルという、いわゆる預貸のモデルというところがなかなか厳しい状況になっているという中で申し上げますと、当然のことながら、協同組織組合の中の業務範囲の拡大といったようなところも重要なところに私はなってくるんじゃないかと思います。

もちろん、上部団体があるという中の違いというところもございますので、一律に議論するというところはもう少し慎重な議論も必要かとは思います。ただ、中でも、高齢化の中での資産管理、事業承継といったところ、こういう極めて地域に密着した状況の中では、様々な地域のニーズに対しワンストップというんでしょうか、シームレスな対応というようなものもやっぱり必要になってくる可能性は私は高いのではないかなというふうに思っております。そういう観点から、様々な選択肢を図るといったところがやっぱり必要になっているのではないかと思います。

ですから、先ほど申し上げましたように、これまで昭和、平成期の中においては、比較的資金を総動員するという拡大均衡的な中で、画一的、統一的な方向に向かうというような状況でございましたけれども、これだけ大きな転換がある中で、その流れをやや揺り戻すと申しましょうか、より多様性そして持続性のあるような制度設計というものをやる、ちょうど今そういう局面にあると思います。

そうした状況の中で、先ほど事務局のほうからの御説明もございましたように、コストというような意味からしますと、IT関係、また、本部、それから支店といったところ、こういったところにつきましても様々なこれまであったような規制のところをやや緩和していくような、制限を撤廃していくということもやっぱり必要になってくるということでございます。そのために多様性というようなもの、いろんな選択肢をできるような動きというところを、これまでの画一性とは違った流れとして考えるべき局面ではないかと思っております。以上でございます。

【神作座長】

どうもありがとうございました。

続きまして、小倉メンバー、お願いいたします。

【小倉メンバー】

ありがとうございます。早稲田大学の小倉と申します。本日討議いただきたい事項という資料に沿いまして、4点ほどコメントさせていただきたいと思います。

まず、地域創生の観点から、協同組織金融機関の業務規制範囲ですとか、高度化会社などを含む議決権保有規制を緩和するという御意見、あるいは事務局提案につきまして、個々の機関のガバナンス体制が整っているということを条件に、銀行並みに緩和することに基本的に賛成したいと思います。

また、具体的なニーズもはっきりしているということでもございますし、それから、特に今日、信用金庫協会さんから具体的に御提案のあった成年後見人の受任でありますとか遺産整理、買物代行といったことにつきましては、そういった業務については優越的地位の濫用などの問題などは考えにくいので、これらも可能になるようにしていただくというのがよいのではないかというふうに思います。

2点目なんですけども、ITシステム開発について、地域銀行のほうがコスト高になっているという点ですね。これについては、事務局の資料にありましたとおり、銀行により多種多様なシステムの仕様があって、共通化・共同化の範囲が限られてしまっていることがコスト高につながっているだろうということ、そのとおりだと思いますので、できるだけの規模の経済を効かせられるように共通化の範囲を広げる。ここは業界団体であります地銀協さんですとか第二地銀協さんが音頭を取るというような形で共通化を促進していただいて、できるだけコストが下がるようにしていただく、そういうことが必要なのではないかなというふうに思いました。

3点目の一般事業者による銀行代理業の融資に関する規制緩和なんですけども、これについても銀行の経費節減がなかなか進まないところではありますが、節減が求められる中で必要な緩和であろうと思いますので、これについても基本的に賛成します。禁止事項でありますとか監督当局の関与がかなり明確に詳細に定められているというところでもありますので、規制を緩和して、各銀行の御判断にお任せするのがよいだろうというふうに思います。

4点目なんですが、非常に難しい問題をはらんでいるというのが地域銀行の非上場化に関する問題だと思います。非上場化してしまいますと、市場からの資本調達の道が細ってしまう、こういう基本は忘れてはいけないのかなというふうに思います。これからいろいろと規制緩和をしていく、それから規制緩和でリスクを取っていくという方向に行く、それから、自然災害がだんだん激甚化してきていて、否応なしにリスクを取らざるを得ないという状況になっている中で、地域金融機関自身の資本調達の道が細ってしまうというのはあまりよろしくないだろうと思います。

そういう意味で、株主への配当というのは、そうした資本調達の道を確保するための必要経費であるというふうに考えなければいけないのではないかなというふうに思っております。

また、配当そのものも、結局のところ国内外の投資信託であるとか年金基金などを介して、結局、国民の我々の老後の年金に還元してくるものですので、株主への配当が全て地域経済の利益と相反するものであるとはなかなか言い切れないところがあるのではないかなと。マクロ的に見ると、言い切れないのではないかなと思う部分があります。

それから、これは野崎先生の御報告の中にも指摘されていたことですけども、ガバナンスの問題ですね。非上場化後に誰が大株主になるかによって、ガバナンスに大きな影響が出る点にも注意が必要であろうと思います。外部の目が入りにくくなると、どうしてもガバナンスが緩くなるというところはあろうかと思います。この点で地域経済に思わぬ不利益が生じる可能性も完全には否定できないというところがあります。

それから、非上場化で開示される情報が少なくなるということがあれば、預金者も含む外部からのタイムリーな経営状態の把握というのが難しくなるという、そういう心配もあります。

それから、人材確保の点ですね。学生を見ていますと、よいか悪いかは別としまして、依然として上場企業への就職志向が非常に強いんです。そうしますと、非上場化することで人材確保に悩むことになりはしないか、そういう心配もあります。

それから、野崎先生のスライドの最後の補足資料としてありました時価総額の小さい銀行で、PBR(株価純資産倍率)が低い、株価がどうしても割安に評価されてしまっているという点については、先ほどから何人かのメンバーの方々から御指摘があったように、日経平均などの株価指数に組み入れられているかどうか、あるいは運用額の大きい投資信託に組み入れられるような、そういう流動性の高い銘柄であるかどうかが影響しているというふうに思います。

こうした銘柄、つまり、流動性の高い銘柄には投資信託からの需要が大きいので、株価が高めに維持されるという傾向があるというのは国内外の様々な実証研究で明らかにされているところです。その理由として挙げられるのは、運用額の大きい大規模な投資信託は、流動性確保の観点から時価総額の大きい株式で運用するのが通常であるということが、その理由として挙げられます。

したがって、株価低迷の問題を解消して、増資を円滑にできるような体制にしておくという、そういう観点から、時価総額についても規模を追求していく、規模の経済のようなものを追求していくということにはそれなりの意味があろうかと思います。

そういうことをつらつらと考えますと、非上場化はできればできるだけ避けていただいて、広域の経営統合など、持ち株会社を設立するなどして時価総額の規模を大きくする、維持する、あるいは拡大して上場維持を促していくというのが、長い目で見て地域経済にとってはベターなのではないかなというふうに考えております。

私の意見は以上です。

【神作座長】

どうもありがとうございました。

続いて、加藤メンバー、お願いいたします。

【加藤メンバー】

ありがとうございます。私から3点コメントいたします。

1点目は銀行代理業についてです。現行法では、一般事業会社が銀行代理業に従事する場合を特別扱いしているわけです。しかし、そもそも現行法では、所属銀行が銀行代理業者を業務指導し、その顧客に対して所属銀行が損害賠償責任を負うとされています。つまり、所属銀行は、銀行代理業者の業務に関連して、非常に厳格な責任を負うという枠組みになっているわけです。一般事業者が銀行代理業に従事することによって生じる特有の問題は、所属銀行による業務指導と損害賠償責任という現行法の基本的な枠組みによって対応できないものなのか、という観点から一度見直しをしてみる意義はあると考えます。

2点目は、地域銀行の経営とステークホルダーの話です。ほかのメンバーの先生方の御意見を伺っていて、今、地域銀行に求められているビジネスモデルは株式会社という組織形態で実施することが可能なものなのかということを検討する必要があると思います。

銀行法によって銀行は株式会社であることを義務付けられています。このことを踏まえた上で、地域銀行の経営とステークホルダーの関係を考える必要があると思います。先ほど小倉先生がおっしゃった資金調達という面に加えて、ガバナンスというか、最終的なリスクを負担する株主が経営者を規律するという仕組みが効率的な企業経営に資するから、株式会社形態であることが銀行に要求されているという部分もあると思います。

ですから、何ら法令上の根拠なく公共性というものを強く推し進め過ぎると、株主によるガバナンスを緩めることになり、銀行規制の別の目的である銀行の健全性を害する結果になりかねないことを危惧します。もちろん銀行業務の公共性も収益性も健全性も全て、銀行規制において考慮されるべき重要な問題です。しかし、地域銀行に地方創生の分野でより活躍していただくということを、株式会社という企業形態を維持した上で、法令上の根拠なく推し進めることの是非は慎重に検討するべきだと思います。

関連して、何名かの委員の方からESGとかSDGsの話も出ましたけれども、これらが注目されるようになった背景には、株式会社が株主の利益を重視し過ぎてステークホルダーの利益を無視して収益を上げることに血眼になっていたのではないか、との問題意識があると思います。

しかし、今、地域銀行が直面している問題は、収益力自体が落ちているということです。もちろん私もESGとかSDGsの考え方自体に反対するわけではありません。しかし、地域銀行の収益力を向上させることを検討する際に、地域銀行の公共的な役割を持ち出すことが適切なのか、違和感を完全に拭えているわけではありません。

3点目は、子会社を作ることが地域銀行や協同組織金融機関では煩雑であるということについてです。この点を検討する際には、子会社を作ることの何が問題なのかを、明らかにする必要があると思います。単に組織図で1個組織が増えるだけではないと考えられている理由とは何でしょうか。

投資専門会社を例に挙げると、本体で行うとしても、投資の管理をするためには、銀行内部で損益計算書や貸借対照表を作らざるを得ないと思います。投資の管理を子会社に行わせる場合、会計監査のコストがかかるのか、もしくは人事面でコストがかかるのか、子会社にすることによって、どういった追加的なコストがかかるのかということを、明確な形で示していただけると検討が進むように思います。

【神作座長】

ありがとうございました。

続いて、後藤メンバー、お願いします。

【後藤メンバー】

後藤でございます。ありがとうございます。私からは協同組織金融機関の話と、あと最後のステークホルダーのところについて、思ったところを述べさせていただきたいと思います。

まず、協同組織金融機関についても規制緩和を図っていくべきではないかということについては、これまでも普通の銀行も含めて規制緩和をもっと進めていくべきであるということを申し上げてまいりましたが、そういうような観点から、基本的な方向性については賛成をしております。

ただ、まず、今、加藤委員からも御指摘のあったところですけれども、子会社とか持株会社化して兄弟会社にすることにコストがかかることは分かるのですけれども、だからといって、ほかとのバランスや理論的な整合性を考えないでよいということにはならないというふうに考えております。コストがかかることはもちろん分かるのですけれども、ただ、それが乗り越えられない話なのか。子会社化については、例えば銀行本体と子会社とで人を分けておかなければいけないとすると、それは追加の人員を雇うことになって大変だということになるのかもしれませんが、銀行本体と子会社で従業員が兼務してはいけないという規制はないようには思っているのですけれども、それで対応できない話なのか。やはり投資専門子会社を挟むことには、それによって有限責任の遮断がもう一段階入るわけですし、銀行本体ではなく、あくまで投資専門会社がやっているのだということによって銀行の評判に対するレピュテーションリスクも軽減されるかも知れないといった機能もあるわけですし、また持株会社化して兄弟会社にすることにも銀行が直接子会社として持つ場合に比べて銀行本体のバランスシートが毀損するリスクがなくなるという効果があるわけですので、コストがかかるとか少し面倒くさいからといった理由で簡単に外すというのはどうなのか。特に地域金融機関や協同組織金融機関は、財務力がメガバンクほどは強くはないとしますと、そこはやはり慎重に行くべきではないか。コストの面については、どこが困るのかを具体的に明らかにして、それは何らかの工夫によって乗り越えられないのかということも考えるべきじゃないかなというふうに思っています。ただ、基本的な方向性として、規制緩和を進めるべきであるということには賛成であることを繰り返し申し上げておきたいと思います。

また、高度化会社を信用金庫・信用組合が持てるようにすべきかどうかという議論がございましたけれども、これは銀行規制というよりは、協働組織金融機関の税制優遇をどういう理屈で認めるかという税制の話であると考えております。税制優遇が認められているのは、中小企業や地域の住民に対する金融仲介機能を展開していくためであるということだとしますと、銀行業高度化会社も銀行業の高度化や銀行の顧客の利便性のために認められているのであれば、それを信用金庫・信用組合の業務の高度化やその顧客の利便性のために認めない理由はなく、高度化会社の業務で対象とされる顧客が信用金庫・信用組合の顧客の範囲に限定されていれば、税制優遇を認めるロジックは十分に成り立つのではないかと思います。

また、先ほどどなたかから、信金・信組さんは規模が小さいのでスケールメリットが働かないかもしれないという御指摘があったかと思いますけれども、そうすると、全体の経営統合はしないまでも、その地域の信用金庫・信用組合が共同して銀行業高度化会社を作るということもあり得るかもしれません。そうすると、議決権取得規制からも除外するということを同様に考えるべきじゃないかなというふうに思っております。

また、たしか信用金庫協会さんからでしたでしょうか、顧客の従業員数が合併などの結果として中小企業の基準値を超えてしまうというお話があったかと思います。これについては、中小企業の基準をどう設定するかという問題でして、今たしか300人という数字が御紹介されていたと思いますが、別に300人以下でなければ中小企業とは言えないというわけでは決してないように思いますし、また、一時的に超えるとか、生き残っていくためには大きくならざるを得ないということがあるかと思います。それを超えたとしても、信用金庫しか相手にしてくれないというのだとすれば、それは取引の対象に含めるべきかなというふうに思います。ただ、これは結局、税制優遇を受けている信用金庫・信用組合の範囲の問題ですので、銀行規制から広げることに全く問題はなく、むしろ税制優遇の範囲をどこまで認めるかという観点から御検討いただくべきなのかなというふうに思っております。

協同組織系金融機関についての最後の点ですが、遺産管理や成年後見人の受任を認めてほしいという御要望もございました。成年被後見人の受任を子会社でするということについては、十分認めてもいいのではないかなと思っております。また、遺産管理、遺産整理業務については、今、信託銀行は兼営法の下にできているわけですけれども、これは信託業務との親和性があるということから認められているのかと思いますが、信用金庫さんとかも地域に密着した業務を展開するという観点から既にそういうサービスをある程度やっているということなのであれば、これは親和性がやはり認められるんだろうというふうに思いますので、これも拡大してもいいのではないかと思っているところでございます。

協同組織金融機関関係については以上でございます。

2点目に、株主との関係というところですけれども、先ほどの加藤委員の御発言と基本的に同じような認識を持っておりまして、地方銀行はいくら公共性が要求されるとはいっても、株式会社という形態を取り、また上場しているということの意義を軽んじるべきではないように思っております。

銀行業については、金融システム全体への影響や預金者の保護という観点から銀行規制が存在しているということ自体、株主と債権者との利害対立というものを前提としているわけです。株主の観点からリスクをどんどん取ることが合理的であるということもあるかもしれないんだけども、それでは困るということで健全性規制がかけられているわけですので、そこの意義はもちろん重視しなければいけないわけですけれども、健全性規制を守っている範囲内でどうするかというのは、各金融機関の経営判断に委ねられているんだと思います。株主を重視するという経営もあり得るべきでしょうが、他方で、銀行の健全な発展のためには、債権者とかに十分配慮した安定した経営を行う、そのことによってむしろ預金者に信頼してもらって、そのほうが銀行としての成績も伸びていくということも経営判断としては十分あり得るわけです。そして、地域に根差した金融機関であれば、そのビジネスの基盤である地域の振興を図っていくということも、これも経営判断として十分認められるべきですし、それをしたが結果としてうまく行かなかったという場合にも、例えば、地銀の経営者が取締役としての善管注意義務違反に問われるということもないのだというふうに感じております。ただ、それにはやはり一定の限定はあるわけでして、地域のことを考えるあまり銀行自体が破綻してしまっては、それはやはり限度を超えているということになるでしょうから、そうすると、どこで線を引くかという問題も出てくるのかとは思っております。

ただ、これはあくまで取締役の義務違反にはならない、経営判断原則によって守られるという話でありまして、上場企業である場合には、株主がそれに不満を持った場合に、株を買い集めて圧力をかけていく、これはやはり認めていくべきなのかなというふうに思っております。小倉先生から御指摘があったかと思いますけれども、資本市場から資金を調達している以上、これは外すことはできないのかなというふうには思っています。この株主からの圧力は、例えばヘッジファンド・アクティビズムであったり、敵対的買収という形を取るかもしれませんけれども、銀行の健全性の観点からの金融規制を守っている限り、それは否定されるべきではないというふうに考えております。公共性があるだけでしたら、ほかにもいろんな事業はあるわけでして、銀行だけを特別扱いするわけにはいかず、もし特別扱いをするのであれば、別途特別の法律によって、議決権の取得の制限をもっと強く課していくことを考えていくべきじゃないかなと感じております。

たしか西原委員でしたでしょうか、アメリカのビジネスラウンドテーブルのステークホルダーキャピタリズム的な宣言の御紹介がありましたけれども、加藤委員から御指摘がありましたように、あれはあくまでアメリカの文脈において出された文章であり、アメリカの政治経済的な背景を度外視して語るべきではないと感じております。日本とアメリカとの違いや、また、銀行という業種の特性を考えずに、世界的にそういうことがはやっているからということで、日本の銀行規制をそれに引きつけて論じるというのはあまりいいことではないように感じているということは、ここで述べておきたいと思います。

そうしますと、上場している限りはどうしても株主からの圧力を受けてしまうということがありますので、それが嫌であれば、野崎委員からも御紹介がありましたように、非上場化を考えるべきなのだろうというふうに思っております。非上場化に伴う問題はいろいろとあるというのは御指摘のとおりであるわけですけど、例えば、情報開示が不足するということであれば、それは銀行規制の中で上場企業並みの開示を要求すればいいだけであるというふうに思います。また、機関銀行化することを防止する必要があるというのも、そのとおりなんですけども、これは金融庁の監督に期待すべきなのかなというふうに思っております。

ただ、上場を廃止する時点で恐らくMBOのような形になるかと思うんですけど、その時点で非常に大きな資金負担が生じるということになってまいりますので、そこをどうするかというのが最大の課題でしょうし、もし投資ファンドに出してもらうとすると、長期的な収益力をむしろ求められることになってまいりますので、そこをどうするのかということが非常に大きな問題になってくるのかと思います。

このように考えてまいりますと、地域的な金融機関が上場すると、どうしてもそこに限界が出てくるという意味では、そうすると、そこを乗り超えている存在というのが恐らく協同組織金融機関なのかなと思います。地域で支え合うというところをまさに実現しているところがあるわけですので、最初の話に戻りますけれども、そういった協同組織金融機関がより活躍できるようにするために、その業務範囲の制限などは積極的に見直していくべきなのかなというふうには考えているところでございます。

長くなりましたが、以上です。ありがとうございました。

【神作座長】

ありがとうございました。

続いて、森下メンバー、お願いいたします。

【森下メンバー】

予定の時間を過ぎているようですので、ごくポイントだけお話をさせていただきたいと思います。

地方金融機関さんについて、ITやネットなどを活用していくということも非常に大事だと思うのですけれども、他方で、強みというのは、ユーザー・インターフェースのところで、ユーザーの近くに人がいるということだと思うんですね。それをうまく活用していくというのが非常に大事なのかなと思います。

管理の面などにおいてはITの活用というのは非常に大事だと思いますので、管理本部機能というところで共同センターでうまくいかなかった事例があるというふうなことですけれども、そういったところから学び、これはより一層推進していく、緩和していくというほうが望ましいのではないかと思います。

他方で、人を生かすという観点では、今までいろいろ工夫されていると思いますが、もう少し自由にいろんなことができるようになっていくということが大事なのかなと思います。金融の本丸のところで収益上がりにくくなっていますので、非金融も含めて柔軟に対応できるような体制、制度というのが望ましいのではないかと思います。

これに関して、私が思いますのは、新しいチャレンジをするときに最初からうまくいく保証はないと思いますので、例えば、フィンテックとの関係でサンドボックスといった話がありましたが、サンドボックスのような仕組み、あるいは当局がある程度裁量を持って認めていくことができる枠組み、日本ではちょっとなかなか難しい部分もあるのかもしれませんけれども、そういうようなことも考えられたらいいのではないのかなと思います。サンドボックスでやってみて、うまくいったらどんどん本格的にやっていくと。

やはり地方によっても状況は全然違うと思います。地方の個性、あるいは金融機関の規模も大分違いますので、サンドボックスのような仕組みや、当局が裁量をもって地方の状況に応じて判断できるといった枠組みの方が、地方の状況にふさわしい、今の時代に合ったスピーディーな金融行政ができるのではないかと思います。

最後ですけれども、店舗のところですが、銀行代理店というのも1つだと思うのですが、金融サービス仲介業もできますので、それがいい機能を地方においても果たしていただければ、金融サービスとユーザーとの間のインターフェースを失わないまま、効率的な業務運営、あるいはサービス提供ができていくと思いますので、そういったような目線も大事なのではないかと思います。以上です。

【神作座長】

ありがとうございます。

続いて、村岡メンバー、お願いいたします。

【村岡メンバー】

村岡です。よろしくお願いします。2つだけお伝えします。お話しします。

1つは非上場化の問題で、もう一つはITの話です。まず非上場化の話は、これ上場かどうかというのは、しょせん道具というか、手段ですので、どちらでもいいというふうに私は思います。だから問題は、どちらでもいい手段が、経営者の判断でうまく使えるようになっていないんだとすると、それを解消してあげる必要があります。上場でも非上場でもどちらでもいいので、銀行の経営として守るべきポイントは一体何なのかということが、十分に具体的になっていないということが本質的な問題ではないかと。

具体的に言いますと、開示義務ですよね。あるいはガバナンスという問題。だから、これは確かに上場していれば、結果的にですけれども、ガバナンスが効きやすいというか、効いているように見えやすい。あるいは開示についても一定満たされる。それと同水準なのか、類似のものを非公開でもいいから求めるということを明確にすれば、非公開がしやすくなるので、あとは選んでもらえばいいという話だと思います。

ただ、そこまで明確にした上でも本当に非公開のメリットがあるかどうか。コストメリットも意外に無く、ならば上場していたほうが結果的にいいとなるかもしれませんし、それでも非公開のほうがメリットがあるということになれば、非公開にしてもらえば、いいと思います。

それからもう一つ、ITの関連の件なんですが、これ数字のデータいろいろありまして、スケールメリットが効くとかというのは、これはある意味当然の話で、それよりも問題は、そもそもこの絶対的な水準がどうなんだということとか、あるいは、この水準のお金を払っただけのサービス、付加価値が出せているのかどうか。そこのほうが本質的な問題で、私の意見としては、全くできていないと思います。

残念ながら地域金融機関の多くのITの実力は不十分で、実質的にはメガバンクとかに依存してしまっている、メガの仕様をそのまま受け入れるだけとかという形になっているケースも多いと思いますし、自社で業務の要件定義も十分にできないというようなケースもあると思います。

ですから、これを本質的にどう解決していくのかというところが重要で、そのために、もし今の規制の問題で何か問題があるのであれば、それこそ変えていかなきゃいけないということじゃないかと思います。

難しいのは、結局それは地域金融機関の組織能力を上げるということ。だから、地域金融機関の組織自体の在り方を変えていかないと、恐らくこのITの能力は自社で持ち得ない。単なる合併とかでは持ち得ないというふうに私は思いますし、そこまで含めて促していくということが必要じゃないかと思います。

個人的には、金融システムの不安、あるいは金融システム危機は、信用コストからではなくて、ITガバナンスの不全で起きる可能性のほうがはるかに今大きくなっている。バブルの時代とかリーマン・ショックの時代ではなくて、今世紀型は、ITガバナンスが不全なので金融システム不安とかにつながるような可能性のほうがはるかに大きいかと思います。この問題は非常に重要だというふうに認識しています。

私からは以上です。

【神作座長】

ありがとうございました。

河野メンバー、お願いいたします。

【河野メンバー】

もう時間過ぎていますので簡単に申し上げます。私自身も今日、身近な金融機関の方が元気になるためにということで様々な御要望をいただいていること、こういった方向で精緻な検討がされることに関しまして、御提案されている内容に関しても賛同していくという立場で発言したいと思います。

それで、1点目の収益力の向上なんですけれども、地域に暮らしている私のような一般消費者の目線で見ますと、これまでの制限が外れていくと、どれも結局同じに見えてしまうんですね。そうしますと、今回御提案いただいている地域の信用金庫さんとか信用組合さんとか地銀さんとかがどう差別化して、利用者に本当に選ばれる存在になれるのかというところがとても気になります。

一言で地方創生に取り組むと言っても、戦略的、それから計画的に参入しないと、本当にボランタリーな仕事になってしまって、収益力向上というところに明確につながらないのではないかという危惧がございますので、この辺りはしっかりと見定めて地域に貢献していただきたいと思います。

それから2点目が、合理化・効率化のところです。合理化・効率化で、利便性とそれからアクセシビリティーに関しましては、最低限の担保をいただきたいというふうに思ってお話を伺っていました。

本部機能のIT投資なんですけれども、DX投資というのは闇雲にベンダーさんと一緒になってやればいいということではないと思いまして、何を提供したいのか、目的を明確にした上で、このぐらいの投資が必要だというふうにバックキャスティングしていただかないと、最終的には利用者のところにも負担が来るということになってしまいますので、そこはこれまで専門家の他のメンバーの方々の御示唆も私はそのとおりだというふうに思って聞いておりましたので、しっかりと考えてやっていただきたいと思います。

それから、店舗機能に関しましては、実は様々なアクセスポイントが用意されています。そのアクセスポイントで、そこからデジタルを使ってサービスに結びつくというか、マッチングもできるわけですので、必ずしも有人サービスを可能にするという視点ではなくて、デジタルと有人とを上手に効率的に組合わせた形で全体像を構築していっていただければというふうに思いました。

最後、信用力について、今回のこの検討に際して、一般の利用者からのお願いです。金融機関の皆さんに求められるのは本当に信用の力だと思います。資金調達はほかからでもできるということを考えますと、ぜひ今後に向けては、これまで培ってきた信用力というところをしっかりと幹に据えて、自らの経営判断、何をもって自社を今後持続可能とさせていくのか、それから、地域の中で必要とされる存在になるのかということもぜひ考えていただければというふうに思っております。

大手金融機関の皆さんの不祥事も、この間、たくさん目にしてきました。何か健全性を疑われるようなことが起こった場合は、今後に向けては二度と立ち直れないという、そういう瀬戸際にあるということで、ぜひ賢明な御判断をしていただければと思います。以上です。

【神作座長】

ありがとうございました。予定の時刻をかなり過ぎておりますが……。

【翁メンバー】

すみません、翁ですけど、手を挙げていたんですが。

【神作座長】

大変失礼しました。翁メンバー、お願いいたします。

【翁メンバー】

すみません、もう時間がないので本当にかいつまんでお話ししたいと思います。協同組織金融機関につきましては、今、地域における非常に大きな社会的課題が山積しているということに鑑みて、地方創生、高齢化という社会的課題にもしっかりと協同組織金融機関も一緒に取り組めるような形で、規制緩和をしていくということが大切だと思っております。

また、協同組織金融機関によっては非常に預貸率が下がってきて、その意味でも収益的にも厳しくなってきているところもございます。その意味で、やはり規制緩和をし、かつ、しっかりリスク管理、ガバナンスができるというような体制を整えつつ、こういった規制緩和をやっていくという方向に賛成いたします。

2つ目について、特に店舗戦略でございますが、人口減少下で非常にいろいろな問題に直面している地方銀行なども多いと思います。今日、御提案がございました一般事業を合わせのむ代理業者の事業向け貸出しにつきまして、有人サービスを維持することについていかがかという御提案がございましたけれども、これはいろんな先生おっしゃいましたけれども、リスク管理をしっかりするような形で、こういったことができるように検討していくという方向がよいのではないかと思っております。

最後に、非上場化の点でございますけれども、やはり多くの銀行は規模の経済が働くということで、恐らく再編という道を取るということも考えられますが、単独で存続していくという道も十分尊重されるべきだというふうに思っております。

ただ、今日、野崎委員が御紹介いただいたように、地銀についてはPBRが低い、時価総額が低くてPBRが低いという上場会社が非常に多うございまして、これは御指摘のように、流動性の問題もあるんですけれども、実は本当は、本来上場会社なのだからもっとガバナンスが効いているはずなのに、しっかりガバナンスが必ずしも発揮されていないというところの問題もあるんじゃないかというふうに私は感じております。

今後、プライム市場とか、そういった東証の市場再編の議論も展開してまいりますので、それぞれの企業がどういうふうな経営形態を選ぶかということを一から考え直すよい機会がこれからあるのだと思っております。

そういった中で、地方銀行に関しても、上場している銀行に関しても、地方に寄り添って生き残っていくということを選択するために、非上場化という選択をする、そのルートを用意するということに関しては、私は構わないのではないかと思います。

ただ、やはりガバナンスをしっかり確保できるかということをチェックすること。あと、やはり銀行ですので、預金者や取引先というのが、経営の健全性などがしっかり外から見えるということが極めて大事でございますので、その意味での開示の充実とか、そういったことをしっかり確保しながら、そういったルートを用意することに関しては、よいのではないかというふうに思っております。

以上でございます。

【神作座長】

どうもありがとうございました。

予定の時刻を大幅に過ぎてしまって、私の司会の不手際で申し訳ございませんでした。まだ御意見があるようですけれども、本日はここまでとさせていただきたいと思っておりますが、本日、多くのオブザーバーの方に参加していただいておりますけれども、今日の議論の中でも、例えば投資専門会社を別法人にすることのコスト等について、複数の委員の方から御質問というか、もし分かれば明らかにしてほしいという御要望がございました。もしオブザーバーの方で、御教示いただけることがございましたら、御発言をお願いできますでしょうか。

特にございませんか。また追ってお知らせいただくことでも結構ですので、別法人にすることにどのような問題点があるかについて、コスト面も含めて御教示いただければ大変ありがたいと思います。

本日いただきました御説明や御意見を踏まえて、今後さらに議論を深めてまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

最後に、事務局から連絡事項などございましたら、お願いいたします。

【端本信用制度参事官】

次回のワーキング・グループの日時につきましては、皆様の御都合を踏まえた上で、後日事務局より案内させていただきます。よろしくお願いいたします。

【神作座長】

それでは、以上をもちまして本日のワーキング・グループを終了いたします。どうもありがとうございました。

以上

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局企画課信用制度参事官室(内線3572、3556)

サイトマップ

ページの先頭に戻る