金融審議会「銀行制度等ワーキング・グループ」(第5回)議事録

  • 1.日時:

    令和2年11月9日(月)16時30分~18時30分

  • 2.場所:

    中央合同庁舎第7号館9階 905B会議室

金融審議会「銀行制度等ワーキング・グループ」(第5回)
令和2年11月9日
  
【神作座長】

ただいまより銀行制度等ワーキング・グループの第5回会合を開催いたします。皆様、御多忙のところお集まりいただき、誠にありがとうございます。

本日の会合も、前回に引き続きオンライン開催とし、一般の傍聴は「なし」とした上で、メディア関係者の皆様には、金融庁内の別室において傍聴いただくこととしております。

それでは早速、議事に移ります。本日は、本ワーキング・グループにおける検討課題のうち、前回に引き続き、地域における金融機能の維持、保険業法などにおける規定の整備をテーマにしたいと存じます。

まず大庫メンバーより、地域金融の制度設計のための考察について御説明いただきます。その後、事務局より、地域における金融機能の維持に関する制度や論点、保険業法などにおける規定の整備についての御説明を聴取した上で、全体についてメンバーの皆様に御討議いただくという流れで進めさせていただきます。

なお、討議に当たりましては、資料3の「本日討議いただきたい事項」を適宜御参照いただければと思います。

それでは、大庫メンバーより御説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

【大庫メンバー】

大庫でございます。私のほうからは、特に地域金融機関の経営統合について話をしてほしいというリクエストをいただきました。タイトルは仰々しいのですけれども、その辺りを中心に、日頃考えていること、思っていることなどをお話しさせていただければと思います。

お手元の資料を開いていただきまして、2ページでございます。考え方として幾つか塊を分けたほうがいいのかなと思いまして、このような枠組みを御用意いたしました。最初に、制度設計の前提として、銀行サービスという産業はどのようになっているのか、この構造理解についてなるべく客観的に定量的に見ていくべきなのかなと考えています。その上で、政策としてどういうところに持ち込むのがよろしいのか、お客様の利便性はどこまで尊重するのか、銀行サービスと経済成長の関係をどのように位置づけるのか、それから、競争政策をどうするのか。この辺りは、画一的な理屈で決まるということだけではなくて、むしろコンセンサスをどうつくり上げていくのかという判断が大きな要素を受けてくるところになるのかなと日頃から思っています。この①番と②番をつなぐものとして制度設計があるのかなと私自身は受け止めており、それに従ってお話をさせていただこうと思います。

3ページでございます。今回は銀行業が中心ではございますけれども、オリックスとか総合商社の動き方についても私なりの見方をお話しさせていただきたいかと思います。これらは事業会社ではございますけれども、金融領域に入ってきていると認識しています。事業会社であるということは、規制が基本的にはない中で、どうやって金融と事業を融合・両立させているのか、そういったよいケースになるのではないのかなと思い、業務規制緩和を進めていった先にどうやって事業としてマネタイズしていくのか、それを考える材料として組み込ませていただきました。

以上が前置きになりますが、4ページ以降、まずは産業構造の理解というところからお話をさせていただこうと思います。

5ページになります。定量分析をしてみて気づいた点を2つばかり入れています。お客様・市場から見ると、貸出残高は伸びても、金利低下が進んでしまうので、結局は粗利が縮退していくような市場構造になっている。一方、銀行の内部構造はどうなのかということなんですけれども、コスト削減は進めているけれども、残念ながらスプレッドの低下のほうが、効果が大きくて、BEP、損益分岐点はどんどん大きくなっているように見えます。ただ、規模が大きいほど限界費用は漸減してまいりますので、利益をつくりやすいような構造になっているのかなということでございます。

6ページに進んでいただければと思います。主なパラメーターを並べて、どんな関係になるのかなということを整理しています。青い矢印は、基点になっているものが大きくなったときに矢印の先にあるパラメーターが大きくなれば青色、逆に小さくなれば紫色の矢印でつけています。そうしてみると、御存じのように、貸出残高は増えてはいますけれども、それ以上に預金残高が増えますので、預貸ギャップは毎年大きくなっていっています。結果として金利スプレッドが縮小し、貸出金利も小さくなります。貸出金利が低くなりますので、お客様からすると借りやすい状況になりますので、マイナスの向きであるということになります。

内側にある循環は、マイナスの矢印、紫の矢印が奇数個ですので、貸出残高が大きくなれば大きくなり続けるというわけではないのかなというふうに読み取れますけれども、一方で、貸出金利が下がってきますと不動産価格は上がっていき、結果として貸出残高も増えていき、こちらもマイナスの循環も見られます。つまり、貸出残高が増えれば、それを抑制する力が働き、一方的に伸び続けるような関係ではないと思いました。

7ページについては、前ページにおいて見たパラメーター間の関係を年度単位で取ってみたものでございますけれども、このような関係が成り立っているというようなものでありました。

さて、8ページでございます。こちらは銀行の預貸の粗利がどれぐらい取れるのかというところで、皆さんが御存じのことをもう一度復習のように数字で表したものでございます。全国銀行、地域銀行、2つに分けてございますけれども、傾向は似たようなところがございまして、貸出残高は伸びていますけれども、利ざやは減少していく。結果として、預貸の粗利の規模というのは20年前の半分ぐらいの水準に陥ってしまっていると。市場規模の減少スピードとしてはかなり大きなものがございまして、こういった中で、地域金融機関、それから、全国銀行も含めて、苦しい経営が続いているのではないのかなと推測されるということでございます。

9ページでございます。預貸の収支と手数料収支を2つに分けて記しています。こちらも20年間にわたる動向を見ているわけですが、都市銀行については紫の棒が少しずつ伸びているという現状があって、預貸だけではなく手数料のほうにも入ってきているということがうかがえます。一方、地域銀行はどうなのか。これも確かに20年前と比べると多少伸びている傾向はございますけれども、2004年以降ということを考えてみると、全体で5,000億円程度ということでほとんど伸びていない。結果として預貸の収支に対して15%ぐらいの手数料収支にしかなっていないという、こういう現状がございます。どうしても地域金融機関の経営を考える上では、預貸という部分が非常に大きなウエートを占めていて、これを中心に考えていくということが現実的なのかなというふうにも見えるというところでございます。

こういったマーケットの環境を見ていったときに、10ページでございますけれども、銀行の内部構造はどうなっているのかということでございます。横軸に貸出残高を取り、縦軸に営業経費を取り、一つ一つの点は地域銀行を示しています。おおよそ105ぐらい地域銀行がございますけれども、それを2014年から2019年度まで取ってみたものでございます。見てのように、2次の近似曲線で近似してしまうと、非常に高いフィットネスを得られるというところで、貸出残高が分かれば営業経費についてもほぼ推測ができる状況にあるかと思います。

ただ、この中であえて6年度も並べてみたのは、近似式を見て極めて特徴的なことが分かるということです。近似式の第3項というのは、これはY切片であって、固定費を表すことになりますが、見てのとおり、実は毎年少しずつ固定費が上がってきています。恐らくセキュリティ強化のためのIT費用であったり、あるいは業務が広がることによっての固定費の増ということではないのかなと思います。

それから、第2項目というのは、Xに掛かる経費の係数が重要になってきます。これは単位貸出当たりの増加コストを示していますけれども、2014年から2019年に向かって毎年確実にこの係数が小さくなってきている。これは各地域銀行が血のにじむような努力をされた結果として、貸出単位当たりの営業経費が下がってきているんだというふうに解釈をすることができるんだろうと思います。

それから、第1項目は、貸出の規模が大きくなるにつれて営業経費が割安になる度合いを示しているわけでございます。こちらは絶対値がだんだん小さくなってきているということは、貸出が大きくなった割には割安になる度合いが小さくなってしまっているということが言えるのかなということでございます。

11ページはそれを1つの絵に落としたところでございまして、きれいな傾向があることを確認したものです。

12ページに進んでいただきたいかと思います。12ページは、これは10ページ、11ページの近似の営業経費の曲線で、では、どの程度の貸出しを得られればブレークイーブンになるのかなということを計算してみたものであります。2014年度はまだ平均金利が1.159%ぐらいでございました。手数料収支の補正分15%を加えても5兆円弱のところでブレークイーブンになります。ところが、2019年度になりますと、平均金利は0.912%になりますので、ブレークイーブンのポイントは7兆円ということになります。

やや数字が大きめに表れてきてしまっているのは、これはあくまでもモデル銀行の試算のケースで、有価証券運用等が入っていないためです。そこの点は割り引いて考える必要があるかと思います。ただ、定量的にモデル計算をしていく限りにおいては、この5年度の間においてもブレークイーブンポイントが大きく右のほうに移っていったということが言えるかと思います。それぞれ生産年齢人口で換算すると、100万人ぐらいであったり、130万人ぐらいであったということです。

13ページにおいては、その規模感をつかむために、各都道府県の生産年齢人口を一応お見せしています。ただ、これは右側にあるような県においては地域金融業が成り立たないということを申し上げているわけでは決してございません。あくまでもモデルの結果、感覚をつかむために入れているものでございます。実際の地域銀行等は東京などで営業されていたり、先ほど申し上げた有価証券運用などを行っていたりしていますので、右側の県は成り立たないということを申し上げていないということを重ねて申し上げたいかと思います。

14ページでございます。12、13ページは基本的にモデルシミュレーションをしていたわけでございますが、実際の銀行の値を確認のために入れてみました。一つ一つが地域銀行になりますけれども、2019年3月期においては、見てのように、明らかに右肩上がりの線になってきていて、横軸の貸出残高が高ければ高いほどやっぱり収益性は高くなるということが表されているかと思います。

ちなみに、貸出残高が小さいほうについてはばらつきが大きくなっています。これは個々の銀行の特性が違ってくる可能性があるのかなというふうにも見ています。大きくなればなるほど地元市場で全ての顧客セグメントに対してサービスを提供し、規模が小さい場合においては、やり方によっては収益性の高い顧客セグメントを中心にビジネスを展開することもできるだろうからと、そういったことが反映されてかということだと思います。ただ、規模が大きいということが1つはやっぱりアドバンテージになりそうだなというのが14ページでございます。

15ページ、これは信用金庫がどうなのかというところで見てみたものです。これは近似曲線だけを取り出していますけれども、実は貸出残高と営業経費で散布図を描いて近似曲線を取り出しますと、信用金庫のほうが、営業経費が高くなっているということになります。それぞれの一つ一つの人件費だとか物件費とか単位当たりで見ていきますと低いコストなのかもしれませんが、小規模法人、個人事業主などロットが小さいところが多いということもあってこういうことが起きているのかなというふうに見えます。

16ページになります。先ほどのモデルシミュレーションに加えて、現在置かれている社会・経済動向などの環境などを加えてみると、実はいろいろとブレークイーブンポイントがさらに遠のくような可能性も出てきているのではないのかなということでございます。そういう意味において、規模というのは、残念ながらというか、どうしても経営上は重要性が高まりつつあるんだということでございます。

17ページからは政策目標の設定ということでお話をさせていただきたいかと思います。

18ページは、その要旨ということで3点ばかり述べさせていただいています。顧客利便、ユニバーサルサービスオブリゲーションについてということですが、全地域(対面による)同一水準のサービスを提供すべきか、地方はサービスを限定すべきか、こういう議論を行ってみるということも大事かなと思います。それから、経済成長と銀行サービスというところで見ていきますと、銀行業に専念をしていくようなビジネスモデルもあれば、真に金融と事業が融合していくようなビジネスモデルを追求するような地域金融機関があってもいいのかなと、そういうことを述べさせていただいています。それから、競争政策ということにおいては、公正競争条件をどう堅持していくか。これに加えて1つの重要な議論としては、独占を許容し規制でお客様を守っていくというやり方、それから、広域化をしていただき競争市場を堅持していくようなやり方、こういうやり方をどうミックスしていくのかということが明確にしていくポイントなのかなということでございます。

19ページになります。まず最初の顧客利便と、それから、ユニバーサルサービスオブリゲーションについてでございます。これまであまり銀行サービスにおいては、USOが何であるのかということについて明快な議論がなされることが多くはなかったかと思います。ただ、電気通信業においては、見てのように、全国津々浦々まで提供しなければいけないサービスとそうでないサービスが明確に分かれています。また、ユニバーサルサービスについて供給義務があるNTTに対しては、他社のサービスを利用しているお客様から一定のコストを負担してもらうような仕組みになっています。このコスト負担については、実はモデル計算で算出をすることになっており、実コストによるものではありません。

それから、20ページ、航空業界の例を見てみても、LCCが近年急激にシェアを伸ばしてきていて、必ずしもお客様自体がフルサービスを求めているわけではないということでございます。

21ページになります。銀行の組織を見ていきますと、かつて預貸と為替が中心であった場合、事業企画・支援機能ということで本部にあった部分はそれほど大きくなかったかと思います。しかしながら、現時点においては、様々な業務規制が緩和された結果、様々なサービスを提供しているため、それごとに事業企画・支援機能が必要になってきて、本部の組織が大きくなっていっているというのが現状かと思います。結果として、肥大化した本部を支えるだけの顧客サービス機能、営業前線がないと支え切れないというのも現実ではないかということでございます。

22ページになりますが、一般的な会社経営であれば、当然ながら、会社の中には採算部門と不採算部門があるわけでございますけれども、不採算な場合においては、どこかのタイミングで売却をしたり、撤退をしたりということで、採算が取れるような部分に絞り込んでいくということが現実的には行われているかと思います。

こういう現実を踏まえたときに、23ページでございますが、地域金融機関の事業範囲を考える中で、フルサービスを提供するような会社がある一方で、限定されているサービスを提供する会社があってもいいのではないか、そういったことを踏まえた制度設計なども実はあってもいいのかなと思いましたので、このような問題提起をさせていただいています。

2つ目の政策目的のところで、事業と金融はどこまで交わるべきなのかということでございます。冒頭申し上げたケーススタディとして、事業会社が金融に入り込んでいるケースを幾つか御紹介したいかと思います。オリックスのケースです。金融的な収益はブルー、青い色調の棒グラフで入れています。事業的な収入は紫でございます。御覧のように、かなりの部分が紫色に染まってきているというのが現状かと思います。

25ページでございます。部門別に分けてみても、その傾向はあまり大きく変わってなくて、特に法人金融、それから、不動産、事業投資といったところについては、紫色の部分がそれなりに大きいのかなということでございます。

26ページ、オリックスの部門別の事業構造を眺めていったときにどんなことが言えるのかということでございます。法人金融においては、多様なソリューション関連サービスを提供されていて、ディスクロージャーを読む限りにおいて、その内容というのは、コスト削減の支援サービスであったり、増収の支援サービスであったり、福利厚生、それから、事業承継の支援サービスであったりします。そういう意味において、地域金融機関がこういうサービスを提供するということも非常に有意義なのではないのかなと思われます。

それから、不動産部門を見ていったときに非常に顕著な事例ということでお話をしたいのが、オリックス水族館という会社が運営をしているビジネスです。これは2004年にPFIの事業として新江ノ島水族館にオリックスが関わったというところから始まった事業です。これ自体は、新江ノ島水族館についてはあくまでもファイナンシャルということで関わっていたわけでございますが、そこで得たノウハウを京都水族館やすみだ水族館という形で運営会社として展開してきているということで、金融機関が事業サービスに進歩していく、進化していくということが現実に起きていると思います。それから、ホテルマネジメントについても、2002年の別府・杉乃井ホテルの再生で得たノウハウを水平展開されて、こちらにおいても金融から事業へという流れがあるということで、必ずバンキングとコマースが明確に分かれていくわけではないというのが実態があるようです。

27ページ、総合商社についてお話をしたいんですけれども、こちらのページは、資本金規模ごとの1人当たりの利益を表しています。地域金融機関に比べると、小売・卸売業は1人当たりの利益額が非常に少ないと。唯一上回っているのは卸売で資本金が10億円以上のところですが、ここに総合商社が含まれています。総合商社がやっている金融とは何なのかというのを見てみることにいたします。

28ページになりますけれども、これは総合商社の各社の税前利益の内訳です。見てのとおり、金融収益が非常に大きなウエートを示しているということでございます。

29ページは、三菱商事の例になります。事業ごとに多額の投資を行っており、持分法の適用会社も非常に多いということです。

30ページになりますけれども、三菱商事をはじめとした総合商社は、バリューチェーンモデルを戦略として、バリューチェーンのそれぞれの機能を担っている会社に対して、マイノリティー出資をしていることが多いようです。トレーディング収益のところの投資をすることによって、実は口銭の下落を支えているという見方もすることができますし、また、トレーディング収益、トレーディングに関わることによって、投融資を行うときのリスク管理をしているということも見えるかと思います。

そういう意味において、31ページですが、地域銀行においても兄弟会社を通じてトレーディングや投融資という形で関わるようなやり方もあり得るように思えます。総合商社においては、デットファイナンスもエクイティファイナンスも両にらみで行っていて、理論上はコンフリクトがあるということでございますけれども、総合判断ということでされているのかなということでございます。

32ページでございます。ただ、オリックスにしても総合商社のケースにしても、資金調達構造を見ますと銀行と大きく差があります。オリックスの場合はオリックス銀行が入っておりますので、グレーで示されている預金の部分がそれなりにありますが、基本的には自己資本と借入れで賄うような構造になっています。こういった資金調達の構造を見たときに、銀行と事業会社が全くイコールでそれぞれ相乗りができるというわけではないと思います。逆に銀行側が全ての事業を本体で許されるのであれば、事業会社側で預金で調達したいという声が上がらないというわけでもないと思えます。

33ページ、3つ目の論点でございますけれども、競争政策はどうしていくのかということでございます。最初の論点、2番目の論点でやっぱりそれぞれ規模を大きくしていくことが重要だということが避けては通れないということを申し上げましたが、2行が成り立たないような小さな地域において、2つの銀行を統合して1つの銀行にしていくことを特例法を活用していくというやり方ももちろんあるかと思います。一方で、2つの市場を1つにする。それぞれ1つの市場として見たときには、2つ以上の銀行の営業費用が賄えないような小さな営業収益の市場かもしれませんが、統合することによって銀行のコスト自体も割安になる可能性が高い。それから、統合されることによって、ケース4のような場合ですと、4つの銀行で競合していたところに対して、2つの銀行であれば営業収益で2つの銀行の営業費用が賄えるかもしれない、こういうような可能性もあります。

この左側のケースで行くのか、右側のケースで行くのか、基本的には事業会社の事業をする側の選択なのかもしれませんが、左側のケースにおいては、モニタリングコストをどう考えるのかということで、34ページでございますけれども、既に先行事例ということでFFGの長崎県のモニタリングということで、多岐にわたるモニター項目がございますので、広域化して競争させるのか、はたまた独占を許容してモニタリングをするのか、こういったところについても議論の余地が、議論をしてみてもいいのかなと思いまして、加えさせていただきました。

説明は以上になります。

【神作座長】

どうもありがとうございました。続きまして、事務局より御説明をお願いいたします。

【端本信用制度参事官】

それでは、資料2に沿って御説明いたします。

まず1ページ。赤で囲ってあるところです。本日は、地域における金融機能の維持を検討いただきます。

続きまして、2ページ。右側のところでございます。この論点では、地域金融機関に求められる役割と、それから、地域金融機関の経営基盤の強化ということで御討議いただきたいと思います。

続きまして、3ページ、4ページは、第1回会合におけるメンバーの主な御指摘事項。4ページ下から2つ目の丸でございます。収益性が厳しい地域における金融サービスのネットワークの維持を、事業者に全て投げるのではなく、国として補助や積極的な支援をしていくべきではないか、このような観点も含めて本日御議論いただければと思います。

続きまして、地域金融機関に求められる役割のほうに移ってまいります。6ページ。全国におけるメインバンクのシェアを見ますと、地域金融機関は約8割を占めております。関東や中部、近畿を除きますと9割を超えているという状況でございます。

7ページでございます。これは金融庁の企業アンケート調査の結果でございます。メインバンクにどのようなことを期待しているかと、Bのところ、赤く囲ってあるところでございます。取引先・販売先の紹介、財務内容の改善支援などの提案を期待しているということですし、Dのところでございますが、事業承継の意向を示されている事業者の方が多いという結果になってございます。

続きまして、8ページでございます。これまで御議論していただいていることをまとめさせていただきました。ポストコロナの地域経済の回復・再生の要としての役割ということで3つございます。中小事業者等の資金繰り支援、ポストコロナの経済・社会の構造変化への対応支援、人口減少・高齢化等の地域課題の解決の支援。その下でございます。融資にとどまらない総合的な金融サービスの提供が期待されているのではないかということで例を挙げさせていただいております。また、そのようなサービスを提供するに当たりましては、これを可能とする経営基盤が必要ではないかということでございます。

続きまして、9ページ以降、経営基盤関連のデータのほうに参ります。

10ページ、これは地域銀行の資産の状況でございます。貸出金等の増加、大庫メンバーから御紹介ございました。同じ資料でございます。

続きまして、11ページ。貸出利ざやは低下傾向にあるということで、2003年度2%が、足元1%程度ということでございます。

12ページ。地域銀行の有価証券保有状況ということで2010年度と2019年度を比べますと、外国証券、その他の証券の保有割合が拡大しているということで、2020年10月の日銀の「金融システムレポート」では、リスクファクターは海外金利中心から次第に多様化しているということで、投資信託等を積極的に活用されているということが分析されております。

13ページ。地域銀行の業績変化ということで、地域銀行全体のコア業務純益を見ますと、2006年度の2兆円から1.2兆円ということで4割減っておりますし、右側を見ていただきますと、コア業務純益20億円未満の銀行の割合が4%から17%に増加しているという状況でございます。

続きまして、14ページ。今申し上げたコア業務純益を分解したものでございます。業務粗利益、青のところですが、そこの減少が大幅である一方、経費の削減というのは小幅にとどまっている。その結果として、経費率は上昇しています。

続きまして、15ページ、信用コストでございます。ここ数年、低位で推移しておりましたけれども、足元、増加傾向にあるということが見てとれると思います。

続きまして、16ページでございます。地域銀行の自己資本比率を見ますと、最低所要自己資本比率を十分に上回っておりますけれども、低下傾向にあるということが分かると思います。

続きまして、17ページ以降は、マクロの経営環境で、これはよく皆さん御覧になっている資料と思います。人口増減率ということで、下のほうを見ていただきますと、生産年齢人口増減率を紹介させていただいております。

続きまして、18ページ、国内の長短金利差でございます。ここ数年、長短金利差はゼロ近辺で推移しているということで、先ほど大庫メンバーからお話がございました、伝統的な預貸業務、短期で預金を調達して長期で貸し出しするという長短金利が収益の源泉の1つでございますけれども、この辺りがなかなか厳しくなっているということでございます。

19ページ、海外の金利でございます。世界金融危機後、日本の金利はもともと低いわけですけれども、欧米の長期金利も徐々に低下してきておりまして、足元ではアメリカの長期金利も1%を切っているという状況でございます。

次のページ、20ページでございます。地域銀行の株価純資産倍率(PBR)、先般の会議で野崎メンバーから御紹介ございました、東証一部PBR平均と比べまして、地域銀行のPBRは低位で推移しているということでございます。

21ページでございます。地域銀行における合併・経営統合の状況を整理させていただきました。一番上が持株会社化、中段が持株会社が後、合併している事例、それから、一番下が合併している事例ということでございます。

22ページ、それを地域別に、同一都道府県の場合、隣接都道府県内の場合、あるいはその他ということで3分類にさせていただいております。

23ページでございます。地域における合併・経営統合の状況ということで、近年の事例を見ますと、基本合意からシステム統合までに要する期間はおおむね5年程度ということでございます。

24ページ。先日のワーキングでも議論いただきましたシステム共同化の状況ということで、今回はもう少し細かく見ていただきたいと思います。地域銀行はそれぞれ共同センターということで分かれております。信金・信組は、しんきん共同システム、共同センターというところでやっておられるところが非常に多いということですし、右側を見ていただきますと、先日見ていただいたとおり、規模の経済が働いているのではないかということでございます。

25ページ、これは先般見ていただいたものにございますので、説明は省略させていただきたいと思います。

それから、26ページでございます。合併等の環境整備といたしまして、独占禁止法の特例法が今月末から施行されるということでございます。

27ページでございます。それに加えまして、いわゆる組織再編法ということで、金融機関が合併等を行う際の障壁となる点を除去するということを目的に制定され、2003年から施行されております。下の1ポツの1つ目の黒ポツですが、根抵当権の譲渡に係る特例等、手続面の環境整備はなされているという状況でございます。

続きまして、保険業法の改正について御説明させていただきたいと思います。29ページでございます。保険会社・保険会社グループの業務範囲規制ということで、1つ目の丸でございます。保険会社は、例えば地方自治体や地域金融機関と連携しながら、地域経済の活性化に貢献している。また、国内大手保険グループは、新たなマーケットを求め海外展開を加速しているということでございます。次、2つ目の丸でございます。銀行と同様の観点での見直しを行うということで、地方創生等に資する保険会社の取組や業務の一層の合理化・効率化、国際競争力の強化を後押しすることが考えられるということで、検討事項でございます。まず業務範囲規制。保険会社本体、それから、子会社、外国子会社、保険持株会社、それから、議決権取得等制限、いわゆる10%ルール(銀行の5%ルールに相当するところ)、これらをこれまでの銀行ワーキング・グループにおけます議論を踏まえまして、同趣旨の観点から改正してはどうかということでございます。

続きまして、その他所要の規定の整備として事務局として考えていることを御紹介させていただきたいと思います。

まず31ページ、金融機関の合併及び転換に関する法律でございます。32ページを御覧になりまして、まずは合併転換法。異種の金融機関相互間の合併等の制度を設けることで、金融機関が相互に適正な競争を行うことができる環境を整備するということでございます。こうした制度趣旨や近年の金融機関を取り巻く環境変化を踏まえまして、所要の規定を整備させていただきたいということで2つございます。業務継続の特例を弾力化するということと、代理業の許可等の効力継続ということで手続的な規定を整備させていただきたいということでございます。

続きまして、33ページ以降は、預金保険法関係に参ります。まず34ページ、預金者の保護と破綻金融機関の債権者間の衡平を図るための貸付制度ということです。預金保険法上、破綻処理につきましては、預金者の保護を図るために、破綻金融機関が有する事業(資産と預金保険法で保護される付保預金双方)、これが承継される救済金融機関に対する資金援助、それから、それ以外の破綻金融機関の債権者間の衡平資金援助という仕組みが設けられております。イメージは、その下に図で描いてあるとおりでございます。

35ページを見ていただきますと、このような処理なんですけれども、破綻金融機関から救済金融機関に承継される健全資産が少ない場合、例えば下の図で見ていただきますと、100のうち、適資産と書いてあるところが20しかない。このような場合には、救済金融機関が承継し得る付保預金の保護に必要な資産が不足しています。このような場合でも円滑な処理が可能となるよう所要の規定を整備させていただきたいということで、具体的にはこの赤で書いてあるところですけれども、資金の調整的な貸付制度を整備させていただきたいということでございます。この調整的な貸付制度、当該貸付に係る債権が民事再生法119条5号の共益債権となることが前提となります。

それにつきましては、次のページでございます36ページ、金融審議会の委員であります山本先生から意見書を頂いております。簡単に御紹介させていただきますと、3つ目のパラグラフの最後の2行ぐらい、当該貸付が再生債権者の一般の利益及び再生債権者間の衡平を害することがないかを検討すべきだということで、以下検討されております。

次のパラグラフ最後の4行ぐらいになります。「換言すれば」の後です。資金援助方式による円滑な破綻処理を可能とするもので、資金援助による破綻処理が可能となれば、破綻金融機関の事業価値が維持され、破綻金融機関の債権者の保護がより図られる。こうした意味において、本件貸付制度に基づく貸付は破綻金融機関の再生債権者の一般の利益に資する。

次のパラグラフでございます。仮に再生手続の進展に伴いまして破綻金融機関の資産価値が減少し、預金保険機構が共益債権として当該貸付の弁済を受けると他の債権者の配当分が減少してしまう場合には、預金保険機構から衡平資金援助が適切に行われるということで、再生債権者間の衡平を害することがないことを確保する実務上の運用が想定されているということで、次のパラグラフでございます。以上を踏まえますと、本件貸付制度に基づく貸付を受けるに当たり、必要となる裁判所の許可または監督委員の同意は問題なく行われるものと考えられるということで意見書を頂いているところでございます。

続きまして、37ページでございます。破綻金融機関から救済金融機関への円滑な事業譲渡等のために必要な手続ということでございます。2つ目の丸でございます。実務上、破綻金融機関の金融機能を維持する観点から、救済金融機関がその機能を可能な限り承継できるよう対応が図られておりますけれども、その一環といたしまして、例えば救済金融機関が承継しないような高金利・長期の預金契約について、預金者に対する事前の公告、それから、事前の個別催告を行った上で、内容の変更を一括して行うことを可能とする手続規定を整備することが考えられるということでございます。

最後に38ページになります。預金保険機構による破綻金融機関の経営者や債務者等に対する調査等に関する規定ということです。預金保険法上、資金援助方式による処理を行う場合は、預金保険機構が金融整理管財人といたしまして破綻金融機関の経営者や債務者等に対する調査等を行うことができる規定が整備されておりますけれども、保険金支払方式になりますとこのような規定が整備されておりません。同様の対応が可能となるよう所要の規定を整備させていただきたいということでございます。

資料2につきましては以上でございます。

それを踏まえまして、引き続きまして、本日討議いただきたい事項、資料3について説明させていただきたいと思います。

まず地域における金融機能を維持する方策の(1)地域金融機関に求められる役割でございます。パラグラフ2つ目の後段辺りから、地域金融機関に対しては、上記のコロナ後の構造変化への対応等を含め、融資の提供にとどまらない総合的なサービスへの期待が高まっていると考えられる。こうしたことを踏まえまして、パラグラフ3つ目でございます。まさにこれまでワーキングで議論いただいたような、コロナ後において利用者ニーズが高いと見込まれるサービスを総合的に提案できる体制を構築することが重要と考えられるが、この点についてどう考えるかというのが1点目でございます。

2点目、(2)でございます。地域金融機関の経営基盤の強化ということです。先ほど資料2で御説明させていただきました、地域金融機関の経営環境は厳しさを増しているということでございます。そうした中で、2ページ目に参りまして、上から2つ目のパラグラフでございます。こうした厳しい環境の下で、地域金融機関が(1)で述べたような体制構築を行い、コロナ後の地域経済の回復・再生に貢献するためには、その経営基盤の強化が従来にも増して重要になってくる。その二、三行後ろでございます、最後の3行です。どのような戦略を選択するかは各金融機関の経営判断に基づき行われるものでございますけれども、そうした経営努力を支援し、地域金融機関による経営基盤強化に向けた選択肢を拡充するという観点から、以下のとおり環境整備を行うことが考えられるということで、①、②、③、3つございます。

まず、①収益力の強化ということで、最後の4行ぐらいになります。まさに本ワーキングで議論いただいてきました業務範囲規制、出資規制の緩和は、地域金融機関サイドから見ますと業務の選択肢を増やすものとして、中期的に見れば、その収益力強化に資すると考えてよいかどうか、これが1点目でございます。

②経費の合理化でございます。2つ目のパラグラフで、本ワーキング・グループで検討いただきました兼業の銀行代理業の業務範囲規制の緩和、それから従属業務に係る収入依存度規制の緩和等、これらも同様に、最後の3行辺りでございますが、中期的に見れば地域金融機関の経費の合理化に資すると考えていいかどうか。それから、地域密着型のビジネスモデルの徹底と併せて行う非上場化、これも上場コストの節減等に資すると考えられますが、こう考えていいかどうかということが2点目でございます。

③合併・経営統合等でございます。大庫メンバーから詳細な御説明ございました。経営基盤を強化する選択肢の一つだと考えられます。他方でということで、3ページのほうに参ります。システム投資等の初期コストの問題、それからシステムや人事の統合に相当の経営資源の投入が必要となること、それから統合効果の発現に一定の期間を要する。例えば、システムであれば5年程度かかるということなどを踏まえますと、大きな経営判断を要するものと考えられます。とりわけ、現在のように不確実性が高い局面においては、その課題解決に向けた決断は行いにくいという指摘もございます。こうした点を踏まえまして、地域金融機関が経営基盤強化策として合併・経営統合等の抜本的な事業体制の見直しを検討する場を念頭に置いて、留意すべき点はあるかということでございます。

続きまして、特に経営環境が厳しい地域金融機関が主たる営業を行っている人口減少地域等において、コロナ後の地域経済の回復、再生を支える利用者ニーズの高い総合的な金融サービスが提供されることを目的として、環境整備を図る観点からほかに考えられることはあるかということで、独禁法の特例法に加えて何か、環境整備をより図るという観点から、例えば冒頭ご紹介しました経済的な支援、インセンティブ、そういったものを含めて御討議いただきたいということでございます。

それから、2.保険会社の業務範囲規制、その他所要な規定の整備につきまして、留意すべき点がないか御討議いただきたいということでございます。

以上でございます。

【神作座長】

どうもありがとうございました。

それでは、ただいまの御説明を踏まえて、メンバーの皆様に御協議をいただきたいと存じます。御説明に対する御質問がありましたら、併せて御発言いただければと思います。発言をされる際は、オンライン会議システムのチャットに、全員に宛てて御自身のお名前を入力、御送信ください。それを確認して、私が指名させていただきますので、御自身の名前をおっしゃっていただいた後、御発言ください。

それでは、どなたからでも結構ですので、発言をお願いいたします。

初めに、地方銀行協会の小峰様より、前回、第4回の会合の際に投資専門会社設立に関する御質問をさせていただいたところでございますけれども、その御回答をいただけるということでございます。

小峰様、どうかよろしくお願いいたします。

【小峰オブザーバー】

全国地方銀行協会の一般委員長を務めております横浜銀行の小峰でございます。

前回の会合におきまして、投資専門会社の設立の負担につきまして御質問いただきましたので、御回答させていただきます。

まず、会社の設立に当たっては、投資専門会社に限った話ではなく、誠に当然のことで恐縮ですが、当局宛ての届出などをはじめ多くの手続が発生し、また、当該会社の社内規則等の策定等の体制整備などにも相応の労力を要します。近時、投資専門会社を設立した中堅規模の銀行にヒアリングをしましたところ、設立準備開始決定から設立まで1年程度の時間を要したという声がございました。

また、投資専門会社におきましては、通常、ファンド管理報酬で運営しておりますが、ファンド管理報酬は2%から3%程度と認識しております。最小の規模でも5名程度の従業員で運営しており、人件費を含めた販管費を賄うためには、これまでの地銀の事例を見ましても30億円程度のファンド規模が必要でありまして、投資専門会社の設立にはこの規模の投資を維持していくということが必要でございます。

地方におきましては、高齢化の進展により後継者問題を抱える企業は増加しております。現在、銀行本体出資につきましては事業再生会社のみが認められておりますが、親和性が高い事業承継会社についても、銀行本体から出資が認められれば、先ほどの30億円といわなくても、少額での出資が可能となり、より多くの金融機関が地域課題の解決等、地域経済の活性化に貢献できると考えております。

以上、簡単ではございますが、説明とさせていただきます。ありがとうございました。

【神作座長】

詳細な御説明、どうもありがとうございました。

それでは、岩下メンバー、お願いいたします。

【岩下メンバー】

どうもありがとうございます。

今日の資料を拝見いたしまして、また、ただいまの御説明をお聞きしまして、若干、考えることを延べさせていただきます。

大庫メンバーの発表は、大変インプレッシブなものでございまして、とりわけ私ども銀行業界に長くいた者としては、ついつい銀行は特別であって、銀行業界だけの目で銀行を評価してしまうというか、銀行の業績なり、個々の銀行がどうあるべきかということを話してしまうわけですが、今日の大庫メンバーの資料は、ある意味で業界横断的にというか、様々な、新しい業種を含めた形での銀行の将来の姿を思い浮かべるのに大変有用であったと思います。

その資料の9ページ、あるいは事務局の資料にもございましたが、とりわけ地方銀行は、金融のほうの用語で言いますと、非金融収益というか、役務収益というか、そちらの収入の比率が低いという指摘があったかと思います。これは、実は日本特有の現象です。世界的に見ると、例えば海外、米国で見ますと、米国にも、地方銀行と言っていいかどうか、日本とはちょっと違いますけれども、ウェルズ・ファーゴとか、USバンクとか、そういう銀行がありまして、そういう銀行の非金融収益を見ると結構高い。平均で4割ぐらいあるという統計があります。

それはどうしてかというと、彼らにはそれぞれの得意分野があります。リテール金融であるとか、決済カードビジネス、ウェルスマネジメントであるとか、保険の販売であるとか、そういうものについての得意技を自分で持っていて、それを伸ばしている。そこに大きな収益の基盤を置いている。利ざやが少なくなっているのは、もう先進国はどこも一緒ですから、アメリカも、日本よりは厚いですけれども、かつてに比べれば相当低いわけで、それにもかかわらず、そういう部分で何がしか生き残りを図ることができている部分があるわけです。

片や、振り返って日本はどうかと考えると、やはり日本の金融機関はどこもかしこも、ある意味で金太郎飴でありまして、同じ業務をやっている。そのために、そういった特徴点を持つことは難しいという実態があるかと思います。多分、これから、論点として挙げられている、資料3の中にある論点は、大きな項番1でこれから銀行に必要であること、地方銀行に必要であることが書かれていて、全くそのとおりであります。そのために、項番2で、①として収益力を挙げられていると、これも非常に大事なことだと思うんですけれども、そうした多角化によって利益を上げるにはやはり相当な蓄積が必要ですので、急にやってもすぐには効かない。

そういう意味では、以前も申し上げましたが、長い目で見て業務の多様性というか、自由度を上げていって、自らの得意分野を磨いていただくという漢方薬的な療法。それから、短期的な治療法として、今のまさに地域の経済が抱えている問題を解決するために必要な課題として、③のところで、今後、どのように金融機関の合併等を支援していくのかという問題が挙げられているんだと思います。

これらのことについては、大変微妙な話ですし、それぞれの経営判断にもよると思いますけれども、基本的にまず経営の自由度を高めることです。日本の銀行は、ともすると狭義の銀行業務だけにすごく純化してしまって、例えば決済関連ビジネスであるとか、あるいはリテールの融資業務であるとか、そういうものに対してはあまり積極的でなかった部分があります。そういう部分についても、ある程度自由に業務ができるようになっていくことで、その中味を十分に磨いていくことができます。そして、その場合には、結局、規模の経済とかが効いてきますから、そのために戦略的な、自ら判断したところで合従連衡していくということは、たぶん、これからますます必要になると思います。

そういう視点から、今回の事務局の提案については基本的に了解したいと思いますが、ただ、いずれにしても、それを強行に進めるとか、そういうことではなくて、全体的な自由度を上げていくプロセスで実現していくべきものだと考えております。

以上です。

【神作座長】

どうもありがとうございました。

続きまして、翁メンバー、お願いいたします。

【翁メンバー】

資料3に沿いまして、少し意見を述べたいと思います。

地域金融機関に求められる役割というのは、ここに書いてあるとおり、グループの人材とか、リソースを最大限活用して地方に貢献することだと思います。特に、今後、コロナ後の事業再生、事業承継支援、こういったことが非常に重要になってきまして、サービスの総合的な提供が地域金融機関には求められると思います。であればこそ、事業再生などをハンズオンで、自ら自由度を高くできるようにする必要があると思っております。事業再生の際は、どういう再生計画を立てるかかということをまず検討し、バランスシート改革、不採算事業の売却や資産の売却、オペレーションの改革、そういったことで損益の改善を図っていって、最終的に新たなスポンサーを見つけていくというプロセスが必要になります。

銀行の投資専門会社が事業再生に本格的に取り組めるようにしていく、もちろん、いろいろなところとともにやっていくことも多いかと思いますけれども、そのためには、1つはやはり人材が非常に重要だと思っておりまして、ここをどうやって育成していくかということが大事だと思います。加えて、保有不動産の売却とか、前もちょっと申し上げましたけれども、非上場株をどういったスポンサーに持ってもらうかとか、こういったことが自由度高くできる必要があると思います。政府としては、そうした事業再生サポートの足かせになるような規制を緩和するとともに、人材育成の支援を行うということが大事ではないかと思っております。

2つ目ですが、地域金融機関の経営基盤の強化ということですが、やはり収益力の強化と経費の合理化をやっていかなければいけないんですが、事務局からの資料にもありましたけれども、特にシステム経費の節減とか、バックオフィス業務の集中化、共同化、そしてデジタル化ということが非常に重要になってきていると思います。こういったことを考えますと、収入依存度規制というのは合理的ではないと思いますので、見直していく必要があると思っております。

それから、今日、大庫メンバーからも御説明ありまして、私も非常に腑に落ちる御説明でございました。合併・統合というのは、やはりデジタル化が進んで固定費が大きくなってきているということも御説明ありましたけれども、そういった中で一つの大事な選択肢であると思います。

ただ、いろいろな資料で御説明ございましたけれども、効果が出るためには、恐らく適切な規模で、合併または統合するということが必要であり、どのようなところでも統合すればいいものではないということかと思っております。また、合併・統合をするに当たっては、やはりコーポレートトランスフォーメーションというか、DXと同時にCXがどうしても必要になりまして、人事、戦略、組織、あらゆる分野の見直しをして初めて合併、または統合の効果が出てくるということだと思っております。ですので、合併・統合というのは、新たに考えるビジネスモデルの一つ、多様なビジネスモデルの一つであり、やはり地方銀行がしっかり考えて対応していくべき一つの選択肢だと思っております。

デジタル化の流れにどのように応えていくかというのは、現在の非常に重要な、銀行の生存を左右する一つの重要な戦略でございますので、それにどう応えていくのか。それから、地銀が取引先のビジネスモデルの改革支援にどうやって応えていくのか。こういったことに加えて、先ほど岩下メンバーからも御指摘ありましたけれども、どういったその銀行ならではのビジネスモデルを考えていくか。こういったことから、それぞれの銀行で選択肢があるように環境整備をしていくということが大事かと思っております。

最後になりましたが、単独でコミュニティーバンク的に、協同組織的な金融機関としての生き方を選ぶ地銀があってももちろんよいと思っております。また、ちょっと御紹介ございましたけれども、地域の協同組織金融機関と一緒になって、業態をまたがって再編が行われるということもあってもいいと思っています。いろいろな選択肢が選べるような環境整備をしていくということが大事ではないかと思います。

以上でございます。

【神作座長】

どうもありがとうございました。

続いて、坂メンバー、お願いいたします。

【坂メンバー】

私のほうからは、3点、発言させていただければと思います。

1点目、地域金融機関に求められる役割のところでございますけれども、資料3の1.の表題に地域における金融機能を維持する方策とありますが、私は、維持というよりも、むしろの充実が期待されているのではないかと思います。ただし、期待されておりますのは、従来型の金融機能というよりも、資料2の8ページや、資料3の1ページにあるような総合的な金融サービスであると思います。

融資については、単に融資申請に対して可否を判断するだけということではなくて、そのままでは融資が難しい案件を融資できるものに変えていく、業務改善や事業計画のブラッシュアップへの金融機関の積極的関与が期待されているのではないかと思います。どこの金融機関にでもできるような融資は、低コスト、低金利で提供されざるを得ないと思いますけれども、他方で、融資先企業に一歩踏み込んだサービス、ハンズオン的な関与や、他の金融機関が簡単にまねできないサービスが期待されていて、資料2の7ページ、企業アンケートの調査結果にもそのようなことが表れているのではないかと思います。

また、融資だけではなくて、公的な補助金やファンド等による資金提供等を含めた、広い意味での金融サービスの提供が期待されるところと思います。もともと地域金融機関の収益の源泉が、取引先企業の事業収益、それから、その地域の経済活動にあることに鑑みますと、取引先企業の成長や地域経済の活性化こそが、地域金融機関の役割であるとともに収益改善の条件であると思います。

今後、企業の業務内容への深い理解や、課題解決のために幅広い知見が必要になることに鑑みますと、幅広い人的なネットワークの形成や、人事交流も積極的に推進されるべきと思います。また、銀行は、地域における企業や資金の動きについて豊富な情報を有しておりますので、こういった情報の利活用を適切に行っていくという視点も重要かと思います。

こうした点も含めて、総合的な金融サービスの開発、充実と、収益化を図っていくことこそが求められているのではないかと思います。総合的な金融サービスと申しましても、1行で全てのサービスをということではなくて、先ほどありましたように、専門的な分野で力を発揮していくという金融機関も、今後、多数出てくることが期待されているのではないかと思います。

次に、2点目ですけれども、経営基盤の強化についてです。営業範囲規制や出資規制の緩和が業務の選択肢を増やすということは間違いないと思いますけれども、銀行の本来的業務は、あくまでも金融仲介ないし情報生産による一般事業への貢献というところにあると思います。本来的業務の改善や高度化が図られずに、他業の業務への収益依存を高めることは本末転倒でありますし、社会的にも望まれる姿ではないと思います。あくまでも、本来業務のための収益の改善という視点は確認しておきたいと思います。

3点目ですけれども、前回も少し発言させていただきましたが、銀行代理業の業務範囲規制の緩和についてです。事業性の融資の審査を兼業代理業に行わせることについては、慎重に検討されるべきであろうと思います。一般事業の利益のために、銀行の利益が損なわれる利益相反リスクはかなり高いことが踏まえられるべきと思います。

兼業の代理業者に、事業性の融資の審査を一定の範囲で認める場合であっても、相応の高度な必要性が求められるとされるべきと思いますし、兼業代理業の認可の際に利益相反リスクの回避、対応について厳しい審査される必要があると思います。また、銀行本体による継続的なモニタリングの実効性と、問題が生じた場合の対応手段の確保、こういったことも必要ですし、金融庁による継続的な監督等も必要になるのではないかと思います。

こういったことを考えますと、銀行代理業の業務範囲規制の緩和がある程度経費の節減に資する面があり得るとしても、他方で管理のコストが上がるという面もあろうかと思いますので、そういった観点から総合的な検討が必要だと思います。

以上です。

【神作座長】

どうもありがとうございました。

続いて、西原メンバー、お願いいたします。

【西原メンバー】

ありがとうございます。西原です。

私からは、地域金融機関の合併・経営統合に係る環境整備、非上場化、小峰常務の投資専門会社設立についての御説明へのコメント、ESG、SDGsの取組の補足説明について申し上げます。

まず、1点目は、地域金融機関の合併・統合に係る環境整備についてです。地域経済は、人口減少などの構造的問題に加え、コロナ禍でより打撃を受けており、地域金融機関からのサポートがますます重要になっています。本日の事務局の御説明にもありました通り地域金融機関の収益力は趨勢的に低下しています。サポートに必要な経営体力が落ちているということ、さらにコロナ禍の影響の長期化ですとか、事業者プラットフォーマーによるリテール金融への本格参入などにより、今後、地域金融機関の収益力、経営体力への逆風が強まっていくということが想定されます。

こうした中で、地域金融機関が経営基盤強化のために何をしていくかは、それぞれの金融機関の経営判断であるということは全くそのとおりだと思います。それを前提とした上で、やはり金融行政としては、地域金融機関による総合的な金融サービスの提供によりどのような地域であっても経済の再生を確かにしていくという目的で、経営基盤強化の一つの選択肢である合併や経営統合への障壁を取り除いて、後押ししていく施策、例えば先ほどシステムコストは統合効果の発現までに5年位かかるという点がありましたので、こうしたコストを一部カバーするような経済的なインセンティブを与えることは検討できないかと考えます。

こうしたアプローチは、マクロ的にみても、前回申し上げましたように、地域によっては地域金融機関の店舗などの過密化があり、過当競争により銀行収益を圧迫しているという問題がございますので、―この問題解決にもつながるのではないかと思います。

非上場化につきましては、前回も様々なデメリットがあるという声もございましたけれども、発行体の企業からみて、やはり配当などの上場コストが持続的に支払えないのであれば、一つの選択肢とせざるを得ないと考えます。資本市場、投資家サイドから見て、資本、株主におけるデメリットがあり得る一方で、前回申し上げたとおり、TOPIXにPBR、株価純資産倍率が低い企業が多く含まれていると、日本の企業全体の資本調達を難しくしてしまうというシステム全体のコストもあります。このシステム全体にかかるコストの抑制を留意していく必要があると考えます。

3点目については、先ほど小峰常務から、投資専門会社設立についての御説明がございました。地域金融機関には、資本や組織体制面での制約があります。そうした中で、今後、ポストコロナで地方創生への貢献を求めていくという大きな流れの中では、利益相反とか優越的地位の問題の対応は、例えば今後、もっとモニタリングをきっちりしていくというようなアプローチに置き換え、対応していくということを考えていくべきではないでしょうか。ケース・バイ・ケースで、ワークしていく形で進めていくべきだと考えます。

最後に、SDGs、ESGでございますが、前回会合で私の方から、資本市場がステークホルダーキャピタリズムとか、サステーナビリティー重視にシフトする中で、地域銀行の地方創生への取り組みはこうした流れに即しており、サステナビリティー重視として打ち出していくべきではないかと申し上げました。これに対して、アメリカの資本主義は特殊であって、日本ではESGがうまく機能しないというコメントをいただきました。前回は会合の時間が足りず申し上げられませんでしたので、ビジネスと市場の実情について、若干補足説明させていただきたいと思います。

足元の日本経済、株式市場の売買高の6、7割は、欧米などの外国人投資家です。また、アメリカよりも欧州の方が、よりサステナビリティー重視の動きが明らかです。さらに、残り3分の1の国内投資家につきましても、最近、設定されている投資信託の9割が、実にSDGsとかESG関連であるということからも、長期投資家を中心にサステナビリティーへの関心が高いことが窺えます。

日米間で資本主義の概念の違いがあるということは、ご指摘のとおりですが、市場の中で日々、内外投資家や発行体の企業とコンタクトを取っておりますと、日本の資本市場はグローバル市場の動きとは無縁ではいられず、産業界、投資家、市場ともに、サステナビリティーに想定以上に真剣に取り組んでいるとの感触を持っております。特に、我が国は、10月26日にカーボンニュートラル宣言を出し、アメリカではバイデン政権が誕生しようとしている中で、今、産業界と市場ではサステナビリティー重視の流れがますます本格化していくと考えています。こうした中で、地銀が地方創生への取り組みをサステナビリティー重視として打ち出していくということは、十分考えられるアプローチではないかと考えます。

以上です。

【神作座長】

どうもありがとうございました。

続きまして、家森メンバー、お願いいたします。

【家森メンバー】

家森です。今、ビデオの調子が悪いので、ビデオが固まっていますけれども、お許しください。発言させていただきます。

1.の(1)の3つ目の段落で述べられているように、「適切なガバナンスの下、顧客ニーズに沿った分野に経営資源を投入し、総合的なサービスを提供する機能を強化することが求められている」という点については、私も同意しているところです。その上で、最後の段落の最後の部分で「コロナ後において利用者ニーズが高いと見込まれるサービスを総合的に提案できる体制を構築することが重要」とあります。提案できるだけではなくて、実施できるとか、あるいは提供できる体制であるべきではないかと思います。それから、もちろん重要ではあるんですけれども、これは全てのことをやりなさいというわけではなくて、選択肢を与えることだというように理解しております。

2つ目、2ページ、②経費の合理化の中で、非上場化について上場コストの節減等に資するとも考えられるという形で触れています。しかし、上場をやめたとしても、銀行の公共性を考えると、会計監査とか情報開示などの義務は上場企業並みに求められることになると思います。そうしますと、節約できる上場コストというのは直接的には証券取引所への支払い程度であろうかと思いますので、それほどの節約にもならない。したがって、銀行の非上場化は、コスト面での効果ではなくて、やはり地域密着型のビジネスモデルを徹底するため、つまり経営理念の実現に必要かどうかという観点で捉えているというように、報告書をまとめたほうがいいのではないかと私は思います。

3ページの第2段落、地域金融機関が経営基盤強化策として合併・経営統合等の抜本的な事業体制の見直しを検討する場合、留意すべき点はあるかという検討課題についてですけれども、経営統合によって優れた経営者が管理する資源が広がるということが一般的に望ましいと感じます。したがって、経営統合によって優れた経営者がトップに就くことが何よりも大事です。統合銀行において、よりよい人が役員に選任されるような工夫が見られるかについて留意するべきだと感じております。

その次の……。

【神作座長】

音声が途切れてしまったようですので、家森メンバーからは、また後で、再接続ができましたら続きをお話ししていただくことにいたしまして、先に高田メンバー、お願いいたします。

【高田メンバー】

私のほうは、主に3点をお話しさせていただきたいと思います。

私、最初にプレゼンテーションの機会をいただいたときに、今日の地域銀行の課題というのは、構造不況の状況にあるということを前提として議論しなければいけないと申し上げました。その中で、特に今回の状況というのは、やはり地域の金融機関の場合、特に地域銀行の場合、調達インフラ中心の状況だったということなんだろうと思います。すなわち、資金が集まれば自動的にもうかるような状況にあったという状況から、特に今日のように長短金利差がなくなり、いわゆる期間の変更、変換の機能というものを果たすことができなくなった状態が、基本的に今回の構造不況というところに当たるんだろうと思うんです。

そうなりますと、従来、調達インフラとして機能してきた店舗ですとか人材、こうしたものが不稼働資産になってしまうような状況になっているということと思います。しかも、今回のこういう状況が、特にマクロ環境を中心とした状況の中で起きているというのはやはり重要だろうと思います。金融政策的に見ましても、イールドカーブコントロールも加わっている。そこに、コロナという状況が加わっているという2重の、3重のような難しい状況にもなるということだと思うんです。しかも、こうした状況が、日本だけではなくて世界的な環境の中で生じているというような状況であると考えますと、今日のアメリカを中心としたFRBの状況を見ておりましても、今のゼロ金利を中心とした状況は、2020年代半ばまでやはり続かざるを得ないというような状況にある。そういう状況の中で、それなりのマクロ的に政策的な配慮というものもやはり必要になってきているという部分があると思います。

また、今、申し上げたような不稼働資産になっているというような状況があるわけでありますが、一方で、ネットワークなり、それなりの人材というものを有しているわけでありますから、そういうものを地域の活性化にいかに生かしていくか。そのためにも、総合的なサービスが実現できるような対応というもの、できるだけ範囲を広げておくというのはやはり重要な論点になるだろうと思います。

2番目の論点でありますけれども、地域密着型ビジネスモデルの徹底と併せて、非上場化ということでの上場コストの節減、これも私も第1回目のところで議論させていただきまして、そういう中で株主コミュニティー制度というものも議論させていただいたわけであります。ただ、非上場化するためには、MBOを中心とした買収資金というものも当然必要になってくるわけでありまして、こういうようなものがいかに実現できるかということもやはり重要な論点になるだろうと思います。

となりますと、私は今回の政策的なサポートという観点から、こういう対応に関して、非上場化するために1回限りとしての金融機能強化法を活用した公的資金の注入というものも、一つの選択肢になり得るのではないかと考えております。そういう意味では、コロナ後の新状態に向けた構造変革のために、こうした政策サポートに基づく公的資金を活用しながら、いわゆる集中的な改革期間に対応した改革やそれにともなうサポートというようなものも選択肢になり得るのではないかと思います。

それから、同じ発想ということにはなるんですけれども、3番目の論点といたしまして、地域銀行の経営改革という形の中で、特に経営環境が厳しい地域金融機関と、特に地域の人口減少等にあって、しかもコロナ後の地域経済を支えるというようなニーズが大きいということを考えてまいりますと、そういった対応のためにそれなりのサポートというのも、私はやはり必要なのではないかと思います。

同時に、今回、ちょうど無利子・無担保という形で緊急融資というものが行われているわけであります。しかしながら、こういう状況の中で、私がコロナ7業種と申し上げたような極めて厳しい業態があるわけでありまして、そういったようなところの緊急融資、これは事実上3年間の猶予期間といいますか、据置期間ということになっておりますので、ある程度、時限性をもって、私は3年程度が一つの目安になるのではないかと思うんですけれども、集中改革期間とした中での改革というんでしょうか。こういったものを地域の再生、それから、今、申し上げましたようなコロナ7業種を中心としたところ、それと同時に地域金融機関が、ですから、コロナ7業種、地域経済、そして地域銀行の三位一体の改革のインセンティブ付けというものがやはり必要なのではないかと思います。となりますと、同様に時限を持って金融機能強化法の活用をして、公的資金でありますとかを含めて、公的サポートで対応するということも一つの選択肢になるのではないかと、私は思っております。

当然のことながら、こうした対応というのはあくまでも地域銀行の選択肢の一つということでもあるわけでありますから、申請でもって対応しながら、そうしたものの中で計画を持って、また一方で、当然、公的資金を注入した側とすればモニタリングを行う必要があります。その対応の中には、先ほど申し上げましたようなコロナ7業種、それから地域経済、地域金融機関と、こういうもの三位一体での改革を通じて日本の潜在成長率を上げる、また、地域における活力を高めることも重要です。このようなインセンティブが、ある面でいうと、改革に向けた物事を進めるためのナッジングの機能を果たすような状況にもなり得ると思います。そのための一つのきっかけづくりとして、このようなサポートを活用し、同時にモニタリングなり、ガバナンスを利かせていくと、そういう選択肢もあり得るのではないかと思います。

以上でございます。

【神作座長】

どうもありがとうございました。

家森メンバー、再接続できましたでしょうか。もし再接続できましたら、先ほどの続きをお願いいたします。

【家森メンバー】

家森です。すみません、申し上げます。経営統合について、地域金融機関が経営基盤施策として、合併と経営統合の抜本的な事業体制の見直しを検討する場合を念頭に置いて留意すべき点としては、経営統合によって優れた経営者が管理する資源が広がることが一般的に望ましいです。したがって、経営統合によって優れた経営者がトップに就くことが何よりも大事です。統合銀行において、より良い人が役員に選任される工夫が見られるかに留意するべきだと考えます。

その次の文章で、人口減少地域において総合的な金融サービスを提供することを目的とした環境整備を図る観点から、他に考えられることはあるかという検討事項に関してです。ここでは2点、申し上げたいと思います。

1つは、事務局の口頭説明であったように、金融機関の経営支援へのインセンティブを与える点です。特に、新しいことを始める際に、そのノウハウの吸収には固定費がかかります。小さな市場を対象にしている小さな金融機関では、固定費を賄うだけの事業規模が予想できず、そうすると参入ができないことになります。ただ補助金を受けることが目的になってしまって、顧客の支援が従になってしまうようなことにはならないように工夫しないといけないと思っています。

都市部の経営人材を地域企業に紹介する先導的人材マッチング事業は、例えば紹介した人材がすぐに退職してしまったら補助金を返還することになっていまして、紹介した人材が企業に定着するようにフォローアップするインセンティブを銀行に持たせています。このような形で、何らか、仮に補助を与えるとしても、お客様の支援をするような形にインセンティブが生まれるように考えていただきたいと思います。

もう1点は、地方自治体の指定金融機関制度の在り方です。これは、今回はまだ1度も議論はされておりませんけれども、一般的に指定金融機関の業務は、それだけを見ると既に赤字になっているような例が多いようです。今のようなやり方では、早晩、指定金融機関の成り手がなくなってしまうのではないかと心配をしています。これは総務省の話なのかもしれませんけれども、地域金融機関に過度な負担をかけないで済むように、持続可能な指定金融機関制度を考えていく必要があると思います。

最後に、保険会社の業務範囲規制については、説明資料に御提案があった点について私も賛成です。

御迷惑をおかけしました。私の発言はここまでです。ありがとうございます。

【神作座長】

どうもありがとうございました。

続きまして、小倉メンバー、お願いいたします。

【小倉メンバー】

ありがとうございます。早稲田大学の小倉です。

地域金融機関の経営基盤の強化に向けた考え方について、幾つかコメントをさせていただきたいと思います。

今日、御報告いただきました大庫メンバーの、生産年齢人口の減少に伴って損益分岐点を割り込んでしまう地域、銀行が数多く出てきつつあるのではという御指摘は、かなり衝撃的でありまして、深刻に受け止めなければいけないと思いました。私自身も、国別のパネルデータですとか、都道府県別のパネルデータを使って、金融政策要因、その他要因などを考慮しながら実証分析をやってみましたが、どの分析でも、確かに生産年齢人口減少が資金需要を弱める、減少させる要因として、かなり強く作用するという結果にたどり着きます。

こうした分析を踏まえると、預貸の利ざやの低下には、マイナス金利ですとか、イールドカーブコントロールといった金融政策などの金融緩和よりも、むしろ人口構成であるとか、産業構造の変化といった経済の実物的なファンダメンタルなものに起因する、そういう国内の資金需要の弱さが根底にあるんだろうと考えられます。そうしますと、今後20年間、ずっと生産年齢人口が減少すると予想されている中で、やはりこの状況は長期的にも、20年近く長期的に続かざるを得ないだろうと予想するのが自然なことになります。

今回のワーキング・グループで検討してきました業務範囲規制ですとか、出資規制の緩和というのは、地域経済の活性化を実現しつつ地域金融機関を強化するという観点から必要なことだと思いますし、それによってうまくいくようになる地域金融機関も出てくるかもしれないのですが、ただ、預金を扱っている以上は、商社のようにどんどんリスクを取ることはできません。それから、経営資源が地域に限られている、情報も地域に限られているという観点からすると、率直に言ってこれらの緩和は、地域銀行の収益からすれば、やはり副次的なものにとどまらざるを得ないのではないかと感じております。本業の貸出市場の利ざや低下の圧力を補うほどの効果はやはりないのではないかと、そういう印象を持っています。

そうしますと、大きな流れとして、合併ですとか経営統合といった形での合理化が、真剣な選択肢として残ってこないわけにはいかないだろうというような感じがしております。もちろん、地域金融機関にもいろいろな多様性がありますし、現時点でコロナ対策等々でもう手いっぱいで、そんなことを考えている暇はないというような御意見もあると思いますが、長い目で見れば、やはり経営統合を真剣に検討しなければならない機関が増えてくるだろうという印象を持っております。

本日討議していただきたいことにありました、経営基盤強化策として合併・経営統合等の抜本的な事業体制の見直しを検討する場合を念頭に置いて留意すべき点、これについて二、三、お話をさせていただきます。まず1つは、合併に伴って融資審査の基準をそろえなければいけなくなる。そうしますと、融資審査の基準が一方の銀行、合併行のうちの一方の銀行のお客さんについては融資基準が変わってしまう可能性がある、それによって不利益を与える可能性が出てくるという心配があります。合併行のうち、規模が小さいなどの理由で立場が弱い銀行の顧客が、そういった観点で不利益を被ったという実証研究が海外には複数あります。こういった顧客に不利益になるような変更を押さえるために、合併後の意思決定の構造等々について何らかの工夫が必要です。もし、グッドプラクティスがあれば、そういったグッドプラクティスを共有するような工夫が必要かと思っております。

それから、長崎県の例のように、独禁法上の留意であるとか、特例の適用を要するような合併の場合は、競争が大幅に緩くなる結果、顧客に不利益が生じないように入念なモニタリングがなされるという、そういう約束になっているというふうに理解しております。この点について、評判の問題がありますので、合併後に積極的に作為的にお客さんに不利益になるようなことをするという、そういうケースはないと思うんですけども、その一方で、競争がないがゆえに油断が生じて、他地域では当たり前のように提供されているサービスが提供されないといった、合併した銀行の油断とか不作為による不利益というのが時間がたつにつれて出てくる可能性が高くなるような気がしております。ですので、この点もモニタリング等々の際に注意する必要があるんじゃないかなというふうに感じております。

こうした点を踏まえますと、理想的には競争を潰さず、かつ規模の経済を生かしつつ、かつ災害リスクをうまく分散できるようにするために、県を越えた広域での経営統合、これが進んで、そういった複数の広域で活動する、銀行が各地域に複数存在して、それで切磋琢磨している、そういう姿が理想的な方向ではないかなというふうに感じております。

ですから、大庫メンバーのプレゼンテーションの中にあったケース4のパターンが、もちろん経営統合というのは相手のあることでもありますので、そんなに思うようにはいかないと思うんですけども、そのケース4のパターンが理想的なのではないかなというふうに感じております。

上場廃止に関しましては、やはり私、依然として少し懐疑的なところがありまして、いろいろコストもありますし、それから実際に上場廃止するというとき、戦略的に上場廃止する際には、MBOという形でプレミアムを付けて買い戻さなければいけないので、その資金をどうするのか。先ほど公的資金をそこに使えばいいではないかという御意見もありましたが、いずれにしても、しかし、コストがかかるところでありますので、やはり上場廃止はできれば避けたほうがいいのではないかなという印象を持っております。

それを避ける意味でも、こういった経営統合、広域な経営統合を目指していくのがいいのではないかなというふうに感じております。

それから、最後の論点として、保険業法の改正に関するお話もありましたけども、これについては、保険業についても銀行並みに業務範囲や出資に関する規制緩和を検討するということで、銀行よりも厳しい規制を特段に設定する理由は特にないように思われますので、前向きに検討をしていただくのがよいのではないかなというふうに思っております。

以上です。

【神作座長】

どうもありがとうございました。

続きまして、加藤メンバー、お願いいたします。

【加藤メンバー】

ありがとうございます。3点コメントさせていただきます。

1点目は、地域金融機関の融資の提供にとどまらない総合的なサービスへの期待というものが高まっているという指摘についてです。確かにいろいろな資料を拝見すると、このようなサービスへの期待が存在する地域もあるのだろうと思います。したがって、各地域金融機関がこれまでの当該地域における活動で得た蓄積を利用して、各地域の実情に即した需要を見つけ出し、適切なサービスによってそれに応じていくということは社会的及び経済的に意義があると思います。

その際には、どのような地域金融機関でもできるサービスではなくて、ある地域金融機関が主たる事業活動を行っている具体的な地域において、その当該地域金融機関しかできないサービスとは何かということを考えていく必要があると考えます。また、このようなサービスの提供を全て自前で行う必要はなくて、ほかの隣接の地域の、他の地域金融機関であったり、事業会社と共同することも選択肢となり得ると思います。

2点目は、地域金融機関の経営基盤の強化についてです。これまでにこのワーキング・グループで検討してきた業務範囲規制の見直しは、確かに地域金融機関の経営基盤の強化にもつながり得るものだと思います。しかし、それらが実際に経営基盤の強化につながり得るかは、各地域金融機関のガバナンス次第だと考えます。

今日の事務局の資料でも、どのような戦略を選択するかは各金融機関の経営判断に基づき行われるものであるとされているわけですけども、結局、ガバナンス次第で業務範囲規制の見直しが生かされるかどうか決まるということを示していると思います。資料でも、「一部の地域金融機関は」という言葉がまくら言葉のように使われており、このような一部の地域金融機関は、業務範囲規制の見直しが実現すれば、うまく活用していただけると期待しております。

一方、その他の金融機関の行動を変えるためには、別の施策が必要であると思います。既に経済的なインセンティブについて言及がありましたけども、そのことを含めて考えていく必要があると考えます。

3点目は、地方銀行協会の小峰様の御説明についてです。地域金融機関の実情については大変よく理解できました。ただ、投資専門会社を通じて株式を取得する場合と、銀行が直接株式を取得する場合で、何が違って、何が違わないのかということをもう少し整理したほうがいいという問題意識は変わりません。例えば、銀行が直接投資した株式の評価損と投資専門会社を通じて投資した株式の評価損が、会計処理という観点から銀行のバランスシートに与える影響などが気になります。

【神作座長】

どうもありがとうございました。

続きまして、野崎メンバー、お願いいたします。

【野崎メンバー】

野崎です。ありがとうございます。私のほうからは大きなくくりで3点、最初の1点目として業務範囲規制等、規制緩和についてコメント申し上げます。

今までの会合の議論の延長線上で、業務範囲規制あるいは出資規制、これにはもちろん収益依存度規制に係る抜本的な見直しというのも含みますけれども、これは地域経済の活性化あるいは地域金融機関の経営基盤の強化に資するということで、これは賛成ということは変わりございません。

ただ一方で、これらが収益貢献するかどうかについては若干懐疑的な部分がありまして、例えば人材仲介であるとか、あるいはバックヤードの受託であるとか、そういったものに関して即座に収益化できるかというと、未知数です。ただ、こういうところに間口を広げておくということ自体が非常に重要なのかなというふうに考えます。

一方で、中でも事業再生、それから承継、特に事業承継に関しては、5年の期限を10年にという提案がございましたけれども、これは金融機関にとっても取引先にとっても経済的に非常にウィン・ウィンの効果が期待できます。さらに投資専門会社の業務範囲規制の見直しについては、投資業務のみではなくハンズオンで業務執行可能となる意味で、取引先企業それから銀行にとっても極めて有用性が高いんじゃないかというふうに考えます。

それから、代理店に関しては、この制度の緩和は、もちろんいわゆる経営効率を上げる上で必要だと思うのですけれども、これは坂メンバー御指摘のとおり、特に事業性資金の供給に関しては、与信判断の主体とそれから信用供与の主体が異なる場合に関しては、かなりの留意が必要かなというところに賛成です。

それから、大きなくくりの2点目として、再編に関してであります。これについては経済的なインセンティブについて1点だけコメント申し上げます。銀行だけが再編のコストがかかるということではないのでは、他業種との公平性という観点を必ず持つべきだというふうに考えております。

もう一つは、資本で出すのと、それから補助金で出すのでは全く公的負担が異なるということでありますので、資本であれば、いずれは返済される可能性が高い。補助金は返ってこないというところですので、これも例えば再編が必ず金融システムの安定化に資するものであるというところの傍証あるいは明確化が必要なんじゃないかなというふうに考えます。

最後に、資料についてのコメントでございます。大庫メンバーからの御説明は非常に明確で、非常に頭の整理ができました。その中の問いかけ2つあります。1つはユニバーサル・サービス・オブリゲーションですが、これは御承知のとおり、例えば日本郵便、郵政とは違って、法的な義務がありません。ですから、先ほど加藤メンバーのほうからコメントあったとおり、経営理念に照らしながら、あるいは地域のニーズに照らしながら、あくまでも各金融機関が独自に判断すべきものだろうというふうに考えます。

それから2つ目の問いかけとして、広域展開と地域独占の許容とありましたけれども、これは二者択一の問題ではないと思います。特に地域独占に関しては多少違和感がありまして、1997年の店舗通達の廃止に至る店舗規制の緩和の経過で、他府県への出店が可能になりました。その関係で、例えば一部の地域で再編によって利得が上がったという場合に関しては、そこに出店すればいいわけで、そういった意味で、地域という市場を都道府県単位で区切ること自体がちょっと前時代的な印象を持ちます。

それから、その他のコメントで、これは少し揚げ足取りに近くて申し訳ないんですけれども、事務局の資料のほうで貸出しの増加を主因として資産増加とありますけれども、私は金融機関は普通の事業会社とは違って、負債が資産を規定する部分がありますので、やはり預金を取り過ぎていて、結果的に資産膨張してしまったと。たまたま貸出機会があったというだけですので、その意味では、負債サイドのコントロールというのを今後経営的なテーマにすべきじゃないかなというふうに思います。

最後に、非上場化についてですけれども、私も家森メンバーの御意見に全く同意でありまして、上場コストの削減のアプローチからいくと、なかなか理屈がつかないんですね。ですから、あくまでもこれは地域というところの利益と、それから株主利益のなかなか両立が難しいというところのガバナンスな的な問題からアプローチしていくのがいいのかなというふうに考えます。

以上です。ありがとうございました。

【神作座長】

どうもありがとうございました。

続きまして、森下メンバー、お願いいたします。

【森下メンバー】

ありがとうございます。資料3で御提案いただいていることというのは、いずれもそのとおりなのではないかなと思います。業務範囲を柔軟化するですとか、合理化、あるいは経営統合などをやりやすくするということによって、その地域の特性に応じたいろいろなことができるようにしていくということが重要なのではないと思います。

今日、事務局から御用意いただい資料の中で、約8割が地域金融機関がメインバンクであると。特に首都圏ですとか大都市圏を除くと、9割が地域金融機関に支えられているというようなお話があったかと思います。

これは非常に大変重要なことだと思います。こういった地域経済の8割9割をかなりの形で支えているプレーヤーが、ぱたっと、きちんとしたサービスを提供できなくなるというようなことがあっては、それこそ大きな問題だと思いますので、そういったプレーヤーに真価を発揮していただけるような仕組みづくり、あるいは工夫が大事なのではないかなと思っております。

地域金融機関が提供しているサービスが必要とされていないんだとか、金融サービスが必要とされていないので赤字が出ているとか、経営が悪化しているというのであったらともかく、ニーズはあって、しかも貸金もどんどん伸びている。にもかかわらずどんどん赤字になっていって、どんどん経営環境が悪化しているという、特殊ではないのかもしれませんけども、かなり難しい状況だと思いますので、そうだとすると、一時的に様々な公的なバックアップも含めて考えていかなければいけないのではないのかなと思っております。

ただし、状況は本当に地域によって様々だと思います。したがって、一律に支援をするというような形ではなく、いい提案があるのであれば積極的に支援をするというような形の何らかのスキームができるといいのではないかと感じております。

それは1つは、高度化会社ですとか地域会社というような枠組みでもいいのかもしれませんし、それと同じような形の補助金にしても、やはりいい提案があるところ、いい知恵を出してくれているところには積極的に支援をしていくというような枠組みが望ましいのではないかと思います。

とかく金融行政については、やはり平等がいいというようなことがあると思います。それは1つの大きな価値であると思いますけれども、やはり各金融機関の規模も全然違いますし、地域の置かれている状況も違いますし、経済のものも違いますし、それぞれの各金融機関がやると地域に役立つようなサービスの種類も違うと思うんですね。

そうしますと、例えば金融庁が裁量を持って、現在のような特殊な場面に対応していくことが大切だと思います。金融界はどうしても横並び的になって、どこどこはいいのに、なぜこっちは駄目なんだというような話になりがちですが、そうではなくて、地域の実情に応じて優れた提案が出てくれば、そこは積極的に支援していくというようなフレキシビリティーを持った対応ができるような枠組みを捉えていくことが望ましいのではないかと思っております。

預金保険に関する御提案もいただいておりまして、預金保険に関する御提案は、なかなか難しいところもあると思うのですけれども、ただ、円滑な破綻処理のためには必要だというようなことかと思いますので、御提案いただいたような内容で進めていただくのがいいのではないかと考えております。以上です。

【神作座長】

ありがとうございました。

続きまして、村岡メンバー、お願いいたします。

【村岡メンバー】

村岡から2つほどお話しさせてください。

1つは、最初の冒頭の1の(1)ですか、地域金融機関に求められる役割というテーマですけれども、どうしても金融庁さんの作り方の癖として、議論を一律にまとめようとされる傾向があるんですが、それは正直、私は、ちょっと言葉は悪いんですけど、気に食わないので、そうではなくて、金融機関により多様な戦略的な選択肢を持ってもらう、言葉を変えれば、顧客側からの選択の多様性というか、チョイスを増やすことが重要であって、一律こうだというように、これ意識されているかどうかは別として、戦略の選択肢を狭めないスタンスがまず重要かと考えます。

ここで重要なのは、顧客のニーズは多様であり、かつ、この金融庁の企業アンケート調査は、私自身、始まったときからずっと関与していますけれども、このアンケート調査の結果の解釈は難しいものです。アンケートで尋ねられると、こういうサービスが欲しいということは出てくるんですけども、このサービスは地域金融機関じゃなきゃいけないのかというと、そうではなくて、顧客サイドからすると、別に地域金融機関ではなくても、同じようなこういったサービスをしてくれる機関があれば、それでいいわけで、本当に金融機関じゃなきゃいけないんですかという問いをもし出したとしたら、いや、別にそんなことはないよということになったりする。そうすると、ここに書いてあるようないろんなサービスあるんですが、これを地域金融機関が提供することが本当に戦略的に妥当なのか。ほかの業種業態が提供するに比べて比較競争優位が本当にあるのかどうか、それ次第だと思いますので、地域金融機関の中でも、ここに書いてあるような総合的なサービスを提供するんだという、いわゆる総合サービスを求めていく銀行もあれば、一方で、こういう総合的なサービスはうちは提供しない、とにかく安価でスピード感のある融資に絞ってやるんですというような戦略的な方向に振っていくという金融機関もあるべきで、そういった戦略的な多様性が取りやすくなるような規制の方向性に何とか持っていけないかということが重要ではないかというふうに思います。

それからもう一つは、後ろのほうにある(2)の経営基盤の強化でいろいろあるんですが、それは合併等、いろいろとそれはあったらいいんですけれども、これも先ほどの大庫メンバーの資料にもあったんですが、要はマクロ的な環境を考えると、このようなことをやっているだけで果たして追いつけるのかどうかというのは、私は個人的に懐疑的で、より抜本的な制度改革ということも議論の土壌に上げてもいいんじゃないかと。

例えばですけれども、金融機関側の経営からすると、先ほどから出ている上場廃止は、少なくともコスト面での意味はなくて、上場廃止をするよりも、例えばですけども、銀行免許を返上する。言い方を変えると、銀行ではなくてノンバンクになるというほうがコスト的にははるかに大きくて、それも1つのもしかしたら戦略的な選択肢として今後リアルに取れるように少なくとも制度設計をしていく。

これは言葉を変えればですけれども、その銀行は預金業務をある意味返上するということになると思いますので、そうすると、金融機関にとっての競争領域と協調領域の垣根が変わってくる。だから、そもそも預金業務がもうからないんだとすると、預金自体はもう競争領域ではなくて協調領域なんだというような見方に変わってきている。いわゆるマクロ環境的にはもうそこまで来ているんじゃないかと思いますので、それに合わせた形で、業態及び事業ビジネスモデル全体を抜本的に見直しができるような、そういった枠組みの見直しと、環境整備が必要ではないかと思います。

私から以上です。

【神作座長】

どうもありがとうございました。

それでは、続きまして、後藤メンバー、お願いします。

【後藤メンバー】

後藤です。どうもありがとうございます。

大きく分けて3点ほど意見を申し上げたいと思います。

まず、地域金融機関がいろいろと大変な状況にある中で、その選択肢を増やしていって、積極的に新しいことにも取り組めるようにしようという全体的な方向性には、前からも申し上げておりますとおり、基本的には賛同しているところであります。ただ、地域金融機関には地域の再生のために積極的な役割を果たすことが期待されているわけですけれども、他方で、今日の大庫メンバーのプレゼンテーションを伺うと、果たしてその余力があるんだろうかと疑問に思わなくもないところであります。

これは今し方の村岡メンバーの御発言にも通じるところがあるのかもしれませんけれども、恐らく地域金融機関の中にも様々なものがあって、メガバンクにかなり近い規模を有するところもあれば、地方の信金・信組さんのようにもっと規模が小さいところもあって、そこを一緒くたに論じるのはやはりちょっと難しいのかなと思います。地域金融機関が取りうる選択肢を増やすということには賛成でありますし、収益力の強化や経費の合理化も積極的に進めていくべきであるとも思うんですけれども、新しいことにどんどん打って出るところももちろんあっていいのかと思いますが、そういう余力がないところをどうするかということもやはり真剣に考える必要があるのかなというふうに思っております。そういう小規模なところは、たしか小倉メンバーのご発言にもあったかと思いますけれども、やはり合併や経営統合ということもちゃんと考えていかないと、結局、最後どちらも持たなくなってしまうというところがあるのかなというふうに思っております。

ただ、合併や経営統合をやった上でも、恐らく地方にも中心部と周辺部があり、周辺部でのサービスを維持できるのかというと苦しくなってくるところもあるのかもしれません。そういう場合には、総合的なサービスではなくて、預金業務と決済業務、あとは貸出し業務もそういう地域においても必要ないわけじゃないでしょうから、これらをコアの銀行業務としてどうやって維持するかというところをちゃんと考えていかなければいけないのかなと思います。新しいことをというと、響きはいいわけですけれども、伝統的な中核的サービスをどう維持するかというところも地方再生にとって重要であり、そこをしっかりと考えなければいけないのかなというふうに思っております。

そのための経済的な支援の仕方としては、これは恐らくいろいろなやり方があるかと思います。たしか野崎メンバーからも、別の点と関連してだったかもしれませんけれども、日本はどうしても後から補助金で出していくという形が多いが、もっと早めに出資という形で出していれば、リターンもうまくいけば返ってくるというご指摘がありました。金融機関への経済的支援ということになると政治的な問題もあるとは思いますが、そういうところも含めて考えていくべきなのかなというふうに思っております。

この点に関連して、ここで議論すべき必要があると思われるのは、サービスを維持するというときに、どのサービスを維持するのかというところをちゃんと整理していく必要があるというところです。大庫メンバーの資料のたしか19枚目だったかと思いますけれども、ユニバーサルサービスとしてどの範囲で要求していくのかというところがございました。電気通信の話との比較がございましたけれども、銀行業の場合にどこまでがコアなのかというときに、やはり決済と預金業務がまずコアにあり、その下に貸付けをどこまで要求するかということなのかと思うんですけれども、ここで難しいのは、金融サービスについては既にゆうちょ銀行が存在しているわけでして、そちらが預金と決済については一定のサービスを提供しているわけです。ただ、法人貸付けはゆうちょ銀行はやっていないということですので、地域再生という観点からも、民間の金融機関による法人貸付けサービスをどう維持するかということが重要になってくると思います。ただ、そのためには預金も必要になってくるわけですので、そうすると、ゆうちょとの棲み分けをどう図っていくかということに、なかなか難しい議論になってしまうかもしれないんですけれども、そこはもっと踏み込んでいかなきゃいけないのかなという気がしているところでございます。また、預金とか決済網の支援という意味では、例えば、ATMを設置するコストの負担とか、そういうことが問題になってくるのかなと思うんですけれども、そこをどういうふうに補助していくかというお話かなと思います。

ただ難しいのは、補助をするとなると、やはりどうしても規律が緩むというところが出てくるわけですので、モニタリングとガバナンスはしっかり見ていく必要があると思います。また、そもそもの問題としては、どうしても小規模な金融機関が多過ぎるということがあるのだとすると、補助金による支援を受けられるということが合併や経営統合の妨げになってはいけないかと思いますので、そういうことを戦略的に考えた上で、ただ、どうしても持ち切れない場合という形でやっていくのがインセンティブとしていいのかなというふうに思っております。

以上が大きな1点目でございます。

2点目ですけれども、項目の2番のところで保険業法や預金保険、またその他の制度について細かな制度整備をちゃんと進めていくべきであるという御提案がございました。これらについては全て賛同するところでございます。

3点目ですけれども、預金保険の保険料率について、もう一つ考える必要があると思っております。今回この話をするのは適切かどうか分からないんですけども、やはり預金保険も保険制度である以上、本来はリスクに見合った保険料を取るということが必要なわけですし、また、これも大庫メンバーの資料の中にありましたけれども、今後新たな事業にいろいろと銀行が踏み出していくということになりますと、そうすると、それは預金保険の掛けられた低コストの資金調達手段が認められている中で、それによる内部補助を利用して新たな事業にどんどん進出していくというのは、競争環境という観点からも、また、低コストで資金調達できるので、つい甘い計算でやってしまうという可能性もあるという観点からも、問題があるように感じております。現時点でもリスクに応じた預金保険料をとるべきだと私個人としては考えているんですが、今後その必要性はさらに高まってくるんじゃないかなというふうに思っております。

こういうことをしますと、体力の弱い金融機関の預金保険料が上がることになり、さらに厳しくなってきますので、今回の地域金融機関への支援という観点からやや矛盾するところもあるのかもしれません。ただ、今現在のように一律の料率設定よりは少し健全な方向に向かうのかなと思っておりますし、また、リスクベースの預金保険料率を設定するということを前提とした上で、地域金融機関に対して、本来であれば料率はこれぐらいなんだけれども、そこに公的な支援を入れて負担を軽減するという形は、より明確な制度設計としてあり得るのかなというふうに考えています。

ちょっと今回の論点からは外れるかもしれませんけれども、全体的な話ということで申し上げさせていただきました。私からは以上でございます。

【神作座長】

どうもありがとうございました。

それでは、大庫メンバー、お願いいたします。

【大庫メンバー】

すいません、私から一言だけ。ユニバーサルサービスについて、私の説明が十分でなかったんだと思いますが、私が申し上げたかったのは、現段階で法律的なユニバーサルサービスということではなくて、伝統的な預貸の決済に加えて、どんどん新しいサービスをあたかもユニバーサルサービスのごとく、どの地域においても提供しなければいけないというような風潮が感じられます。特にそれが対面によって提供しなければいけないとなると、地元の金融機関がサービスを提供しなければいけないことになり、地元の金融機関は規模が小さいため経営支援が足りないので、本体で行うということで融通してもらえないかという考え方が私は本当にいいのかと思い申し上げました。

先ほど村岡メンバーがお話しされたように、本当にサービスをシンプルにそぎ落としてしまったほうがよっぽど経営効率がよくなることだってあるわけであって、新たに加わってくるような様々なサービスについては、ほかの事業者を紹介するような形での展開だって私は十分あると思いますので、そういったところに御配慮いただけないかなと思いまして、先ほどあえて発言をさせていただきました。以上です。

【神作座長】

どうもありがとうございました。

ちょうど時間となりましたけれども、少しまだ時間がございます。2度目の御発言、御希望される方がいらっしゃいますでしょうか。よろしゅうございますか。

もしよろしければ、この辺りで討議を終了したいと存じます。大変活発な御議論をいただきまして誠にありがとうございます。

小峰さん、どうぞ。失礼いたしました。

【小峰オブザーバー】

いろいろ地銀業界の厳しさを御議論いただきましてありがとうございました。いろいろな委員の方から、岩下委員から経営の自由だとか、あるいは森下委員のほうからは一律でなく金融庁の裁量とか、あるいは村岡委員のほうから多様性というような、多様な選択肢というような御発言ありまして、まさにそのとおりだと思いました。こういう規制改革をやっていただくのは大変ありがたいことなんですけども、いわゆる監督指針等でのかなり事細かくまで縛って、何でしょうか、やっちゃいけないというか、そういうところがございますので、言葉は悪いですけど、「やってみなはれ」というような、そういうスタンスでぜひ規制改革をしていただきたいなというのが率直なお願いでございます。

あと重要なのは、これはここで終わるのではなく、モニタリングしていただいて、1年後にこの規制改革によってどう動いたのかというのをチェックしていただく、それで何が問題なのかというのをまた定点観測していただくとかという、継続的な御審議がやっぱり必要なんじゃないかなというふうに思っています。

かつ、翁委員からもございましたように、不動産の仲介等をいろいろ要望していくのはなかなか難しいこともあると思いますけれども、こういうものについても継続的に議論させていただく場というのを、ぜひぜひ、継続的にやっていただきたいというのが地銀協からのお願いでございます。

時間外に申し訳ございません。ありがとうございました。

【神作座長】

小峰さん、どうもありがとうございました。

よろしゅうございますか。本ワーキンググループではこれまで5回にわたって様々な論点について御議論いただいてまいりました。引き続き議論が必要なところもまだございますけれども、以降は報告書の取りまとめを念頭に検討を進めてまいりたいと存じますので、何とぞ御協力のほどよろしくお願いいたします。

最後に、事務局から連絡事項がございましたら、お願いいたします。

【端本信用制度参事官】

次回のワーキンググループの日時につきましては、皆様の御都合を踏まえた上で、後日御案内させていただきます。よろしくお願いいたします。

【神作座長】

それでは、以上をもちまして、本日のワーキンググループを終了いたします。誠にありがとうございました。

以上

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局企画課信用制度参事官室(内線3572、3556)

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