金融審議会「決済業務等の高度化に関するワーキング・グループ」(第1回)議事録

  • 1.日時:

    平成27年7月23日(木)9時30分~11時00分

  • 2.場所:

    中央合同庁舎第7号館13階 金融庁共用第一特別会議室

【森下座長】

それでは、予定の時刻になりましたので、ただいまより「決済業務等の高度化に関するワーキング・グループ」第1回会合を開催いたします。皆様ご多忙のところ参集いただきまして、まことにありがとうございます。

このたび、岩原紳作金融審議会会長からご指名をいただき、当ワーキング・グループの座長を務めさせていただくことになりました上智大学の森下でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

初めに、当ワーキング・グループについてご説明したいと思います。昨年9月の金融審議会総会において麻生大臣より諮問いただいた「決済業務等の高度化に関する検討」を行うため、「決済業務等の高度化に関するスタディ・グループ」が設置されました。

スタディ・グループでは、昨年の10月以降、決済に関する諸課題について審議を行ってまいりましたが、本年3月の金融審議会総会において、スタディ・グループにおけるそれまでの審議の中間整理を行った上で、スタディ・グループをワーキング・グループに改組することとされたところです。

当ワーキング・グループでは、4月に公表された中間整理等を踏まえ、決済に関する諸課題についてさらに審議を深めていきたいと考えております。

次に、当ワーキング・グループにご参加いただくメンバーの皆様の紹介を事務局よりお願いいたします。

【佐藤総務企画局信用制度参事官】

金融庁総務企画局信用制度参事官の佐藤でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

お手元に名簿をお配りしておりますが、基本的にはスタディ・グループのメンバーの皆様方に引き続きのご参加をいただいております。ただ、3名の委員の方から辞任の申し出があり、また4名の委員の方々に新たにご参加いただくこととなっております。

時間の都合もございますので、留任される委員のご紹介は割愛させていただきまして、新たにご参加いただくメンバーの方々を、座席順にご紹介申し上げます。

まず、メンバーの皆様方から向かって右側のあちらのほうにお座りいただいておりますが、廉了様でございます。

【廉委員】

廉です。よろしくお願いします。

【佐藤総務企画局信用制度参事官】

続きまして、滝島委員のお隣にご着席いただいております田中祐司様でございます。

【田中委員】

みずほFGの田中でございます。よろしくお願いいたします。

【佐藤総務企画局信用制度参事官】

ちょうど私から正面ぐらいにお座りいただいております鳥海厳様でございます。

【鳥海委員】

鳥海でございます。よろしくお願いいたします。

【佐藤総務企画局信用制度参事官】

あちらのちょうど角のところにご着席をいただいております宮野雅志様でございます。

【宮野委員】

宮野です。よろしくお願いいたします。

【佐藤総務企画局信用制度参事官】

また本日、審議会会長の岩原先生にもご出席をいただいております。

【岩原金融審議会会長】

(一礼)

【佐藤総務企画局信用制度参事官】

次に、オブザーバーについて一部異動がございましたので、ご紹介を申し上げます。

皆様方から向かって左側のほうにお座りいただいておりますが、日本銀行決済機構局決済システム課金沢課長でございます。

【金沢オブザーバー】

金沢でございます。よろしくお願いいたします。

【佐藤総務企画局信用制度参事官】

また、本日はご欠席ですが、当ワーキング・グループのオブザーバーとして、財務省大臣官房信用機構課髙野課長にも新たにご参加いただくこととなっております。

続きまして、事務局側につきましても一部異動がございました。ご紹介申し上げますが、メンバーの皆様方から向かいまして左側のほうに座っておりますが、監督局銀行第一課長の石田でございます。

【石田監督局銀行第一課長】

石田でございます。よろしくお願いいたします。

【佐藤総務企画局信用制度参事官】

その隣でございますが、監督局総務課金融会社室長の西尾でございます。

【西尾監督局総務課金融会社室長】

西尾でございます。よろしくお願いいたします。

【佐藤総務企画局信用制度参事官】

また、本日は参考人として、田中委員のお隣にご着席いただいておりますが、みずほ銀行より藤本壮師様にもご出席をいただいております。

【藤本参考人】

藤本です。よろしくお願いします。

【佐藤総務企画局信用制度参事官】

私からのご紹介は以上でございます。

【森下座長】

ありがとうございました。

それでは、続きまして、当ワーキング・グループの議事の取り扱いについてご確認させていただきたいと思います。

当ワーキング・グループは、原則、公開とし、議事録も公表させていただきます。したがいまして、公表を前提としたご意見・ご発言をお願いいたします。ただし、個別企業のビジネス等に言及して議論をされる際に、競争上の利益への配慮から非公開を希望される場合には、あらかじめ事務局を通じてご相談いただくことといたしたいと存じます。

皆様、このような形で議論を進めることでよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【森下座長】

ありがとうございます。それでは、そのように進めさせていただきたいと思います。

次に、私が万一、会議に参加できない場合に備えまして、座長代理を松井委員にお願いいたしたいと考えておりますが、いかがでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【森下座長】

ありがとうございます。それでは、松井委員、よろしくお願いいたします。

それでは、議事に移らせていただきます。

議事次第にございますように、本日はまず事務局から、「中間整理で示された課題等」についてご説明をいただきます。次に、田中委員より、「中間整理で示された課題に対する銀行界での検討状況」についてご説明いただき、その後に一括して討議を行います。

それでは、事務局からご説明をお願いいたします。

【佐藤総務企画局信用制度参事官】

それでは、引き続きまして私からご説明を申し上げます。お手元に配付されている資料2-1と右上に記されているA4サイズの横紙があろうかと思います。これに従いまして、「中間整理」で示された主な課題等について、スタディ・グループから引き続きご参加をいただいている委員の方々には繰り返しになるところもあるのですが、新たに委員としてご参画いただいた方々に中間整理の概要をご説明するということと、今後の課題について再確認という意味も込めまして、簡単にご説明を申し上げたいと思います。

また、概要ということになりますので、主だったところだけ、なおかつ構成等もわかりやすいようにまとめておりますので、その旨をご承知おきいただければと思います。

まず1ページ、表紙をおめくりいただきたいと思います。上段に「中間整理」(平成27年4月28日公表)で示された主な課題等とございますが、上のところ、網かけの部分、「決済業務等の高度化に関するスタディ・グループ」を改組して設置された本ワーキング・グループにおいて、決済スタディ・グループの「中間整理」を踏まえつつ、大きく2つの点について今後検討、1つはマル1包括的な改革のための戦略的なアクション・プランの策定及びマル2制度面の手当てが必要であれば、それらについても検討を進めるという大きなところがございます。

その下に矢印で幾つか分野ごとにリテール、ホールセール、あるいは決済インフラということで、それぞれの塊ごとに中間整理で示された現状、問題意識及び今後の課題について概要を記載しております。

まず、リテール関係の現状と問題意識でございます。これも幾つかの分野ごとに分けてまとめておりますが、最初はイノベーションの進展ということで、最初の丸にございます世界的に「Fin Tech」、ファイナンスとテクノロジーを合成した造語でございますが、「Fin Tech」と呼ばれる金融とITを融合させる動きが加速しております。また、欧米の銀行では、『変化のためのIT投資やITベンチャー企業との連携・協働を強化する動きがあります。

ノンバンク・プレーヤーが銀行業務の一部を代理すること等を通じて決済サービスを提供するなど、決済を中心に銀行業務の「アンバンドリング化」、一度束ねていたものがだんだん束ねが分解していくというべき構造変化が進行していると考えられます。

こうした中にあって、我が国においても、銀行のみならず多様なプレーヤーが参加する中で、競争的に決済サービスのイノベーションが進められるようにすることが求められている。

同時に、銀行サイドにおいても、オープン・イノベーション、いわゆる外部との連携による技術革新を重視した体制とビジネス・モデルを構築し、戦略的に先進的なITを取り込むことが重要な課題となっていると考えられます。

続きまして、次の2ページでございます。次は決済システムの安定性ということでございます。

ノンバンク・プレーヤーによるサービス拡大は、イノベーション促進や利用者利便の向上に貢献するもの。他方で、ノンバンク・プレーヤーの機能拡大が進む場合、例えば、このプレーヤーの破綻やシステム停止等に伴うリスクが増大するおそれもあります。

ノンバンク・プレーヤーの機能拡大が進む中にあって、破綻やシステム停止等に伴うリスクを低減させるとともに、万が一、そうした破綻等が発生した場合においても、銀行の信用創造機能や決済ネットワークに大きな影響が生じることがないよう手当てしておくことが必要でございます。こうした観点から、今後、実務面も含め、幅広い観点から検討を進めるべきであります。

続きまして、利用者保護の確保ということでございます。

利用者保護や犯罪防止は、まずもって、サービスを提供する事業者において、責任を持って対応することが必要でございます。しかしながら、さまざまなプレーヤーが登場し、サービスの種類も拡大する中、適正な利用者保護等を図るための枠組みについて検討していく必要があります。

その際、各事業者に対する許認可等を通じて業務の適正な運営を確保すること、業界の自主ルールで対応することなど、さまざまな方法が考えられますが、イノベーション促進の観点にも留意しつつ、実態を十分に踏まえ、実効性ある対応を行っていくことが重要でございます。

次の3ページ目をお開きください。現状認識と問題意識の最後のところでございますが、情報セキュリティということで、ITの発展に伴い、決済のインターフェースは銀行外部へと拡大、同時に、アンバンドリング化が進行する中、多様なプレーヤーが決済情報のプロセスに組み込まれるようになっております。

こうしたことを踏まえ、多様なプレーヤーが対応のよりどころとできる情報セキュリティ基準の設定、その実効性の確保のための方策、また利用者側に求められる対応について、検討を進める必要があると考えられます。

以上がリテール面での現状なり、問題意識でございまして、これを踏まえて、今後の課題でございます。

上述の問題意識を踏まえ、今後、決済業務等の高度化に向け、どのような環境整備が求められるのか、その際、法制面についてどのような対応が求められるのか、ということが課題として考えられます。

法制面に関連して、「中間整理」においては、以下の指摘がございました。

最初でございますが、欧州においては、EU決済サービス指令において、横断的な制度整備が図られております。さらに、新たな決済サービス指令、いわゆるPSD2の策定に向けた検討が行われております。法制度のあり方は、各国・地域の経済状況等を踏まえて考える必要がございますが、決済を取り巻く環境が変化する中、我が国においても規制の全体像についての検討が必要と考えらます。

次の4ページ目でございますが、最初に注書きがございます。法制度のあり方について検討するに当たって、「中間整理」で以下の観点が指摘されているところでございます。

3つ箇条書きにしておりますが、まずノンバンク・プレーヤーも含めた多様な主体の事業展開を促していくことは重要な課題でございます。他方、各種サービスのリスクに応じた適切なルールのあり方を検討することも重要でございます。

銀行その他の業者と利用者等を取り次ぐ中間的業者にトラブルが生じ、利用者保護上の問題につながることもあり得ることから、利用者保護上のリスクに応じた適切なルールのあり方を検討することも重要な課題でございます。

さらに、銀行が担ってきた業務が分化される中、信用創造機能・決済ネットワークの提供など、銀行が果たしている経済システム上の根幹的な役割を維持することは重要な課題でございます。

また、資金決済法に関連し、資金移動業者の送金限度額、プリペイドカード発行業者の表示義務、供託負担及び事業譲渡手続等についても問題提起がなされているところでございます。

その下、※を書いておりますが、IT・決済業務をめぐる銀行法上の主要な論点については、別途金融審の「金融グループを巡る制度のあり方に関するワーキング・グループ」の審議の中で検討が進められるものと考えられるということでございます。

その次の5ページ目は、今までリテールの話を申し上げてまいりましたが、ホールセール、企業向けのサービスの関係でございます。

最初に現状及び問題意識ということで、企業活動のグローバル化等に伴い、国際企業を中心に、CMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)に対するニーズが高まっております。また、商取引の電子化が進行する中、債権管理の電子化への要請も高まっております。

他方、先進的なCMSについては、欧米の主要銀行の取り組みが先行しているとの指摘がございます。また、電子記録債権について、十分な普及・活用に至っていないとの指摘がございます。

今後の課題でございますが、これらの問題意識を踏まえ、今後、CMSの高度化や電子記録債権の普及等を進めていくために、どのような環境整備が求められるのか、その際、法制面についてどのような対応が求められるか、ということがあげられます。

注書きでございますが、「中間整理」で以下のような指摘がございました。

企業がグループ内やクロスボーダーで資金管理・移動を行う場合や、邦銀のみならず外銀も含めた銀行がCMSを円滑に提供するに当たり、障害となる制度的な要因があれば、それらについて検討を進めることが重要でございます。

また、電子記録債権の普及・活用促進に向けた具体策の検討が必要でございます。

その次の6ページにお進みいただきたいと思います。次の塊としまして、決済インフラ関係でございます。

まず、現状及び問題意識ということで、欧米は、決済インフラ、いわゆる銀行間のネットワークなどを指しておりますが、この改革を加速しております。他方、全銀システムについては、世界各国の取り組みに照らすと、改革の広がりやスピード感が不足している面があるとの指摘がございます。我が国でも、迅速かつ広範な対応が必要とされております。

今後の課題でございます。我が国も、以下のような観点から、戦略的な改革に取り組む必要があるのではないか。

3つほど大きく箇条書きしておりますが、最初に国内外を通じた決済のシームレス化を挙げております。いわゆる企業活動が、国際化が進展する中で国内外を通じた決済がシームレスで、継ぎ目なく行われるための方策ということで、幾つか箇条書きで書いてあります。例えば送金フォーマット項目の国際標準化、国際送金における「ロー・バリュー送金」の提供、非居住者口座における円送金の効率性向上等々が課題として考えられるところでございます。

その次に、決済インフラの機能拡大と高度化を挙げております。最初にいわゆる情報量に富んでいる、いろんな目的に転用可能であるようなXML電文への全面的な移行、もう一つが全銀システムの新たな活用であり、例えばモバイル送金用の通信網としての活用等でございます。

3つ目としまして、決済インフラに係るイノベーション推進のための体制整備でございます。迅速・戦略的・国際的な全銀システムの業務展開に向けた体制整備ということが課題として挙げられるということでございます。

次の7ページ、ここは「中間整理」に若干触れられているところはございましたが、「中間整理」取りまとめ以後に、新たに論点として挙がっている問題が幾つかございます。それをこの機にご紹介申し上げたいと思います。

最初に仮想通貨の話でございます。仮想通貨につきまして、6月のG7、ドイツで行われましたエルマウ・サミットにおきまして、テロ資金対策として、各国は仮想通貨の規制を含め、さらなる行動をとることが合意されております。また、6月末に金融活動作業部会、FATFと略称されております。これはマネーロンダリング、テロ資金対策などを行う国際機関でございますが、このFATFにおきまして、仮想通貨の交換所に対して登録または免許制とマネロン等の規制を課すことを各国に求めるガイダンスが公表されております。

注書きで書いておりますが、「中間整理」におきましても一定の記述がなされておりまして、仮想通貨等新たな形態の決済手段についても、その利用実態や犯罪、その他不正利用の可能性、国際的な規制の動向等も踏まえた上で、対応のあり方について、必要に応じ検討していくことが考えられるという指摘がございました。

その「中間整理」が出された後に、こういう国際的なテロ資金あるいはマネロン規制等の観点から、仮想通貨についての規制を考えていこうという動きが進展しているところでございます。

2つ目、最後の3行目でございますが、規制改革要望が幾つかございます。規制改革要望を踏まえて、6月に「規制改革実施計画」が閣議決定されております。その中でデビットカードによるキャッシュアウトサービス、カードの加盟店店頭で現金が受け取れるサービスのあり方について検討することが提起されております。これは口で言うだけではなかなかわかりがたいところがあるので、ページが飛ぶのですが、10ページをお開きください。

キャッシュアウトの概念図を簡単にまとめたものでございます。アメリカなどでキャッシュアウトを経験された方もいらっしゃろうかと思いますが、具体的に上の図の左側で、例えばスーパーなどで買い物、これは円で表示しておりますが、1万5,120円の買い物をします。それにあわせて利用者はキャッシュアウトとして、スーパーのレジの店員さんから2万円のキャッシュを受け取る。合計した3万5,120円を銀行口座から引き落とす。当然ですが、引き落とす前提として、真ん中にあります読取機でデビットカードを読み取って、それで買い物のついでに現金を受け取るというサービスでございます。

こういったことにつきまして行うことができること、それを明確にするようにという規制改革要望等が出ております。そうしたことが今後、決済に関連したこととして論点としてあろうかと考えております。

ちょっと相前後しますが、9ページ、前のページをお開きください。この9ページの図は、仮想通貨に対する各国の規制の状況等をまとめたものでございます。以前のスタディ・グループにおきましても、各国の規制状況がどうなっているのかというご質問がございまして、口頭で一部お話ししたことがございます。今回、各国の公表資料などをもとに作成したものでございます。

主要国ということで、左のほうから米国、カナダ等と並んでおりますが、まずアメリカにおきましては、財務省のFinCENという、テロ資金、マネーロンダリング対策を行っている統括的な機関ですが、ここがマネロン規制の対象に追加する旨の解釈を2013年3月に公表しております。あわせてニューヨーク州が、州レベルにおきまして、業規制を本年6月から施行しているところでございます。

その下、カナダでございます。財務省が、マネロン等規制の対象に追加することを決め、現在、関連の規則を整備中でございます。

EUの動き、各国ごとに若干違うのですが、EU全体ということでは、欧州銀行監督機構(EBA)という欧州の銀行監督当局の連合体的な機関がございまして、仮想通貨に係る意見書の公表を昨年しております。内容は、長期的に考える措置、短期的に考える措置と2つありますが、長期的措置では仮想通貨を取り扱う業者に対する規制を提案し、短期的には金融機関による仮想通貨の取扱禁止を推奨、交換所をマネロン等規制の対象とすることを推奨ということでございます。

欧州の各国としまして、イギリスでは財務省がマネロン等規制対象に追加する旨を公表し、現在、内容を検討中でございます。

ドイツ、フランス、スイスはわりと似たような対応ですが、監督当局が銀行法なり通貨金融法典の規制対象に仮想通貨は該当するという既存法令の解釈を公表し、それにより規制の対象にするということを明確にしております。

右下、シンガポールでございます。シンガポールもマネロン規制の対象に追加する旨を公表し、現在、内容を検討中でございます。

中国におきましては、中国人民銀行等が電信条例という法令の規制対象に該当する旨の解釈を公表し、あわせて金融機関・決済機関に対して仮想通貨の取り扱いを禁止する旨を公表しております。

右下の脚注のところ、ロシアでは仮想通貨の使用は違法である旨を表明し、現在、使用を禁止することを明確化するための法案を準備中という状況でございます。

このように各国とも、仮想通貨について既に規制を導入したところ、あるいはオンゴーイングで考えているところがあるという状況でございます。

以上、「中間整理」で示された課題及びその後の論点について、簡単にご説明申し上げました。

そのほか幾つか資料を配付しておりまして、まず中間整理本体は資料2-3ということで、A4サイズの縦紙を配付しております。これが中間整理本体で、先ほどのはあくまでも概要ですので、一応参考のために再配付させていただいております。

もう一つ、A4サイズの横紙で、資料2-2という紙が配付されているかと思います。これは3月に開催いたしました第11回スタディ・グループで事務局から説明したEU決済サービス指令の内容についての資料でございます。一度ご説明申し上げていますので、重複になりますが、今の説明の中でEU決済サービス指令は横断的な法令ということでご紹介申し上げましたので、念のために参考として再配付させていただいております。

かいつまんで概要だけご説明申し上げますと、最初に概要とありますが、EU決済サービス指令は、「EU各国の決済サービス市場を統合し、規模の経済と競争によって決済サービスが一層効率化され、社会全体での決済コストが削減されるような、統一的なEU決済サービス市場を創出する」、これを基本的な目的として、2007年に成立しております。

具体的な目標が3点ございます。その下に線を引っ張って3つほど書いておりますが、1つは市場参入障壁の除去及び平等な競争条件の確保による支払サービス提供者間の競争の促進、2つ目が支払サービス提供者が提供する情報の透明性向上及び情報提供が義務づけられる項目の共通化、3つ目が支払サービス提供者と利用者との間における権利義務関係の明確化・共通化ということでございます。

以降、具体的な内容の説明は割愛させていただきますが、例えば免許制を求めている、あるいは当初資本要件、自己資本要件などを規定しております。また、EUシングル・パスポート制度というのがございまして、ある1カ国で免許を受けたならば、他国でもこの決済サービスを提供することを可能としているということでございます。

一番最後、4ページをお開きいただきたいと思います。このEU決済サービスの見直しの動きがございまして、PSDの見直し(第二次PSD)についてと下のほうに書いております。2013年から欧州委員会の情報通信技術の革新により決済サービスを担う新たなプレーヤーが登場したこと等を受けて、一旦成立したPSDを見直して新たな指令の策定のための提案をしているところでございまして、EUにおきまして現在検討中ということでございます。

一番下から2行目ぐらいにございますが、例えば「third party payment service provider」(支払口座に対するアクセスを可能にするサービス(支払取引の起動に係るサービス)を提供する中間的な事業者)の規制対象化等が議論されているところでございます。

以上、概要でございますが、1点だけ補足的に説明したいところがございまして、4ページ目の真ん中ぐらいに線を引っ張って、「無権限取引が、決済手段の紛失等によって生じた場合云々」という記述がございます。この記述につきまして、前回ご説明したときに、加毛先生からご指摘をいただきました。そのご指摘を受けまして修正を正確にしております。ここに書いておりますのが、1行目から2行目にかけて、「又は」の後ですが、「不正利用によって生じたものであって、支払人が暗証番号等の本人確認手段を安全に保管していなかった場合、支払人は150ユーロを上限として損失を負担する」とございます。

前回ご説明した資料では、支払人に過失が認められる場合という記載をしておりました。加毛先生から、過失までは必ずしも要求されていないのではないかというご指摘を受けまして、原文を確認したところ、確かに過失というところは不正確な表記でありましたので、今回その点を修正いたしまして、「本人確認手段を安全に保管していなかった場合」ということで、そこの点を明確化させていただきました。

駆け足になりましたが、私からのご説明は以上でございます。

【森下座長】

ありがとうございました。

それでは、続きまして、田中委員、時間の関係もございますので、恐縮ですが、30分程度で説明をお願いいたします。

【田中委員】

おはようございます。みずほフィナンシャルグループトランザクション業務部の田中でございます。

本日は、このような貴重な場を設けていただき、ありがとうございます。こちらの資料、お手元にございますでしょうか。「決済業務等の高度化に関するワーキング・グループ~決済インフラについての提言に対するご報告~」、この資料に沿ってご説明してまいりたいと思います。

早速ですが、資料の2ページ目をごらんください。本日は決済業務等の高度化に関するワーキング・グループ第1回会合ですので、目次にありますとおり、最初に改めて決済高度化に向けた銀行業界の取り組みについてご説明申し上げるとともに、後半では「決済業務等の高度化に関するワーキング・グループへの取り組み」と題し、これからのワーキング・グループでの検討に先立ちまして、スタディ・グループの中間整理で取りまとめがなされた幾つかの課題に対しまして、まずは解決に向けた対応の選択肢案を考えてまいりましたので、ご説明をしたいと思っております。

なお、この後ご説明申し上げます選択肢案でございますけれども、中間整理にて例示的に示されているものに加えまして、今回幾つか追加をしております。いずれにしましても一つの例でございます。これだけが選択肢だということではないと理解しております。ワーキング・グループでの検討に先立ちまして、議論のたたき台という位置づけで提示させていただいておりますことについては、まずお含みいただきたいと思います。

それでは、資料の4ページをごらんください。決済インフラ構築のこれまでの取り組みということでございます。銀行業界のこれまでの取り組みについてご説明いたします。

まず、全銀システムでございますが、これは表の左のところにありますが、1973年に稼働いたしまして、預金取扱金融機関をネットワークで接続しました。振込取引等に伴う為替通知をオンライン処理するとともに、取引に伴い発生する金融機関間の資金対策を日々決済しております。

全銀システムは、約8年に一度、定期的な更改を行っておりますけれども、直近では、この表で言うと右の上のところになりますけれども、2011年にシステム更改を実施いたしました。この更改では、1億円以上の為替取引について即時決済を行っております。

また、XML対応の電文オプションの採用を行っております。

また、2009年にゆうちょ銀行が外国為替制度に参加いたしましたことによって、日本における預金取扱機関のほとんど全てを網羅する決済インフラとして、2014年度を申しますと、1日平均約576万件、約12兆円余りを処理しております。

次に、ATMのネットワーク、これは年表の中段にございますけれども、ATMのネットワークにつきましては1984年にBANCSと言われるもの等を含めまして、都銀、地銀、信金等、まずは業態別に稼働を開始いたしました。1990年にMICSと言われるものによりまして、業態間をまたいだATM、業態間をまたいだ現金の引き出し等が可能となりました。2004年には、このシステムにつきましては、NTTデータ様の提供する統合ATMへの統合が図られております。

次に、新たな決済手段ということで、この表上の下に3つほど絵をかいておりますけれども、まず1つ目、99年には店舗でのショッピング時に、従来の銀行のキャッシュカードを使って即時決済が可能になるJ-Debitが誕生しております。2001年には、税金や公共料金を中心に、そういうものの支払いにおけるペーパーレス化、自動引き落とし化を目的としたペイジーが誕生しました。また、2000年当時、e-Japan戦略の流れから2008年には電子記録債権法が施行されまして、2013年度からでんさいネットが誕生しております。

ここに挙げましたJ-Debit、ペイジー、でんさいネットの3つの決済手段でございますけれども、いずれも全銀システムの外側に新規にクリアリングセンター、記録機関を構築することによってシステムが集中することによるリスクを分散し、既存インフラ活用との全体最適を図ったスキームとなっております。

さて、これまでの振り返りを終わりまして、次にこれからの取り組みについてご説明します。資料の5ページをごらんください。

まず、左の図にあります海外発行カード対応のATMについてでございます。2020年の東京オリンピック・パラリンピック招致が決まった2013年度に、訪日する外国人の利便性向上の一環として、3メガバンクにおきましては、海外発行カードに対応したATMを設置することを決定しております。2015年度以降、順次設置の準備を進めておりまして、私どもみずほ銀行においても、2020年までに約1,000台ほどの設置を目指しております。

次に、右の図にあります決済の24時間365日化についてでございます。全銀システムの稼働時間拡大につきましては、全銀協及び全銀ネットにおきまして、全銀システムのあり方に関する検討状況を取りまとめまして、2018年中に全銀システムの24時間365日即時振込等が可能な環境を整備するという大きな方針を決定いたしました。現在、2018年中のサービス開始を目指し、システムの要件定義等を行っているところでございます。

このように銀行界におきましては、本邦の決済インフラを支える社会的責任を全うすべく、たゆまぬ努力を積み重ねてまいりました。ユーザーである個人や法人のお客様のニーズに応えまして、根幹となる全銀システム、あるいはATMの継続的な更改はもちろんのことでございますが、キャッシュレス化、ペーパーレス化のための決済インフラ構築にもチャレンジしてまいりました。将来に向けても同様のスタンスでございまして、変わることはございません。

また、銀行界全体としての取り組みに加えまして、各銀行がこうした既存インフラを活用し、健全な競争環境のもとで、お客様の利便性向上に向け創意工夫を凝らしていくことも、決済高度化に向けた取り組みとして重要であると考えております。

銀行業界としては、今後もお客様の利便性向上、ニーズの発掘に取り組むとともに、FinTechに代表されるようなイノベーションの取り組みにも積極的に努めてまいりたいと思っております。

一方で、インフラ構築・更改となりますと、莫大な投資が必要となることも事実でございます。例えばマルチバンク対応ということになりますと、HUBとなるインフラはもちろんですが、スポークにあたる個別行においても相当の投資が必要になります。大規模なシステム更改になりますと、銀行界全体として1,000億円超の投資が必要となるケースもございます。

また、システム投資以外にも、インフラ構築や更改に当たっては留意しなければならない点がございます。例えばでございますが、今ご説明いたしました全銀システムが24時間365日稼働するということになりますと、振り込みを夜間・休日でも行えることになります。その場合、夜間・休日での問い合わせ窓口等の設置といった金融機関側での体制整備もさることながら、振り込め詐欺等不正送金への対策にも細心の注意が必要かと考えられます。

このように利便性を向上させると、一方で安全性やセキュリティ面も向上させる必要があり、このトレードオフの関係にございます。今後、スタディ・グループの中間整理において挙げられたさまざまな課題について検討してまいりますが、それぞれの課題ごとにニーズの強さ、広さについては軽重があるものと考えております。必ずしもそのようなニーズのないお客様への影響、社会的コストについてもしっかり見きわめた上で、検討を行っていく必要があると考えております。広く社会インフラとして対応すべきものなのか、あるいは銀行界に限らず、個社の努力、サービス、イノベーションによって解決すべきものなのかといった峻別も必要になってくるのではないかと考えられます。

以上、繰り返しになりますけれども、銀行業界といたしましては安心・安全であるとともに、イノベーション等を通じた利便性の高い決済サービスを提供できますよう努めてまいりたいと考えております。

次に、中間整理課題解決の選択肢についてご説明したいと思います。資料につきましては7ページをごらんください。

本ワーキング・グループの前身でありますスタディ・グループにおきまして、先ほどご説明のございました中間整理が取りまとめられました。中間整理におきましては、この7ページの左上の段に記載のとおり、各課題がまとめられておりますけれども、本日はそのうち決済インフラの改革に関する課題につきまして、その解決に向けた対応の選択肢案をご説明いたします。

なお、先ほども私からご説明いたしましたけれども、選択肢案というものは一つの例でございます。これが全てということではないと理解しております。私が会長行として検討した議論の範囲内でのたたき台という位置づけで提示させていただいております。

また、本ワーキング・グループとは別に、実務的な会合の場を設けさせていただき、金融庁をはじめとして銀行業界、利用企業側の代表者様に加えまして、信金、信組、労金、その他の業態、一般事業者にもご参加いただきまして、その他の選択肢も含めて議論を深めてまいりたいと思います。

さらに、7ページの下のほうの基本的スタンスに記載しておりますとおり、これも繰り返しですが、銀行界としてのインフラを高度化させることも決済高度化の進め方でございますけれども、一方で、各行において、健全な競争のもとで創意工夫を凝らしていくことも決済高度化の進め方であると理解しております。

これからアクションプランを策定することになりますけれども、将来を見据えたサービスのあり方も重要ですけれども、新たな決済サービス、例えば提供主体がだれなのか、業界全体なのか、個別行なのか、費用対効果はどうなのか、あるいは法的論点として検討すべきものについてどういうものがあるかなどに代表されているフィージビリティについても視野に入れて検討することが重要であると考えております。

それでは、個別事項につきまして説明に入らせていただきます。

まずは資料の8ページをごらんください。送金フォーマット項目の国際標準化でございます。送金フォーマット項目の国際標準化につきましては、中間整理からの記載、これは上段のほうに抜粋しておりますけれども、企業向け送金を中心にしまして、海外向け送金と国内向け送金依頼を、フォーマットとして分別しないで済むようにしたいというニーズであると理解しております。

こちらにつきまして、選択肢案を下のほうに示しておりますけれども、まず選択肢(A)というところでは、仕向銀行で国際送金フォーマットにて受け付ける。それを国内送金フォーマットへ変換するサービスを提供するという案を提示しております。この選択肢案につきましては、右の影響・論点(例)というところに記載しておりますとおり、私どもみずほを含めまして、一部の銀行で同様のサービスを提供しているという事実がございます。もしこの案に従えば、国内送金を引き続き利用したいというお客様への影響は回避できると考えております。

加えて、国際的送金フォーマットを利用したいと考えるグローバルな先進的企業、お取引先ですけれども、そういう企業のお取引銀行は特定の銀行に偏っているという可能性がございますので、そのような一部銀行がそういうサービスを提供すれば、ニーズを満たせる可能性が高いと考えております。

一方で、やや技術的な話になりますけれども、BIC・IBANといった世界標準のコードですけれども、これを国内送金フォーマットに読みかえる。これ自体はシステム的には可能であると考えておりますけれども、厄介でありますのがアルファベットと仮名文字でございます。この読みかえにつきましては、必ずしも1対1ではありません。具体的には被仕向口座のアルファベット情報、仮名情報というのを、例えば各企業のお客様に事前に登録していただきまして、すり合わせをすることが必要と考えております。

また、読みかえる情報につきましても、何らかの事情によって変更があったような場合に、その責任の所在についても整理が必要かと考えております。

次に、読みかえサービスというものを業界全体として提供した場合、これをA’としてお示ししておりますけれども、基本的な論点については(A)と共通でございますけれども、利用者が比較的限定的であると思いますので、こうしたシステムを業界全体として構築した場合について、そのコスト負担をどうするのかということについては課題が出てくるのではないかと考えております。

選択肢案の(B)につきましては、国内送金フォーマットそのものを、国際送金で用いているフォーマットへドラスティックに統一してしまおうという案でございます。ここではこの提案につきましては、法人のお客様が使用されている総合振込のフォーマットのみの変更を想定しております。

この選択肢案をもし採用すれば、影響・論点(例)の1つ目の丸のところに記載のとおり、国際送金フォーマットを利用したいお客様につきましては利便性は向上いたします。一方で、そのようなお客様とお取引のない金融機関への影響については大きいのではないかという懸念がございます。また、国内送金フォーマットを引き続き利用されたいという法人のお客様も、数の上では圧倒的多数いらっしゃることが想定されます。そうしたお客様にも多大な影響が出てくるのではないかと想像しております。

本件のように一部限られた先進的お客様のニーズにつきましては、業界全体での対応ではなくても、選択肢(A)のように、ニーズのあるお客様に対しては主取引金融機関が個別に対応するということで、十分解決策になり得るのではないかと考えております。今後、そのようなお客様の声を聞きつつ、実務者会合において選択肢案について議論を深めてまいりたいと思っております。

続きまして、国際送金における「ロー・バリュー送金」の提供について、資料の9ページをご覧ください。

国際送金におきます「ロー・バリュー送金」の提供、これは簡単に申しますと、急がないので、その分、手数料が安い国際送金サービスを提供してほしいというニーズであると認識しております。こちらにつきましては従来の送金サービス、これはコルレスバンキングによるサービスになりますけれども、送金1件ごとに中継銀行、取扱銀行の手数料がチャージされ、積み重なる。それにより送金コストが高まってしまう。それを解消するスキームが求められていると考えております。

こうした問題の一部を、銀行のサービスを通じて解決する選択肢についてご説明申し上げます。

まず、選択肢(A)でございますが、スタディ・グループの場でもご報告があったと思いますけれども、APN(Asian Payment Network)を通じまして業界全体として「ロー・バリュー」送金を実現するというものでございます。もしこうした仕組みが提供できれば、対象国は当初アジアの一部の国に限定されますが、お客様の利便性向上を図ることができる可能性はあると考えております。

一方で、APNの技術的な仕様については、まだ固まっておりません。現時点で具体的な影響までを図ることは困難でございますけれども、仮に全銀システムを接続することになった場合については、システム的な影響も大きいのではないかということは容易に想像できます。

また、個別銀行につきましても、国際送金に対するニーズがどの程度あるのか、マーケットとしてどの程度まで見込めるのか、新しい仕組みを構築した場合のコスト、こういうものが果たして賄えるのか等、今後、検討については深めていく必要があると考えております。

次に、選択肢(B)でございますけれども、こちらは日本独自の方式で各国のACHと接続し、個別行が代表行として「ロー・バリュー」送金を実現するものです。こちらにつきましても実現すれば、お客様の利便性向上を図ることができる可能性があります。

一方で、こちらにつきましても、例えばIPFAや各国ACHの技術的な仕様につきましては、必ずしもまだ把握できていないため、接続に当たりましては考えられる諸課題が乗り越えられるのかどうか、現時点では判明しておりません。また、これらについても、先ほどの選択肢案(A)でご説明のとおり、新しい仕組みを構築した場合のコストを賄えるだけのマーケットが存在するかどうかについても深掘りが必要かと考えております。

ご参考として、今申し上げましたアジアにおける決済インフラにつきまして、資料の10ページをごらんください。こちらは中間整理におきまして、アジアにおける決済インフラ構築への関与として取り上げられているAPNに関する参考資料でございます。

冒頭、念のため申し上げますが、APNはASEAN諸国を中心とするアジアのネットワーク事業者による組織でございます。各国の民間金融機関や中銀、金融当局は、少なくとも直接的にはAPNに参加しておりません。日本においてはNTTデータ様が2013年度より参加しております。

APNに関する最近のテーマでございますが、1つがICチップの標準化、2番目がバイラテラル接続からHUB接続モデルへの移行ということでございます。

現在、APN内におきまして、HUBのビジネスモデル、組織のあり方について検討が行われております。HUB設立当初は、ATM、POSサービスからサービスを開始する予定であると聞いております。将来的に送金業務までサービスを拡大するかどうか、これが主な論点であると伺っております。銀行界といたしましても、APNの活動については大いに注目しておりますし、引き続き官民連携して、積極的に参画していく必要があると考えております。

さて、次に2-4、非居住者口座に係る円送金の効率性向上につきまして、こちらは資料の11ページをごらんください。こちらにつきましては簡単に申し上げますと、非居住者関連の円送金につきまして、居住者間の送金と同様に、全銀システムにおいて統一的に取り扱ってほしいというニーズであると認識しております。

下の影響・論点(例)の1つ目の丸のところに記載しておりますが、一定の条件を満たせば、技術的には全銀システムによるSTP処理(自動入金処理)も可能であると考えております。ただし、非居住者関連の円送金は全銀システムで取り扱ったとしても、外為法上の確認義務等があると理解しております。このため、外為法上の確認義務等を履行しつつ、いかにSTP化を実現できるかが論点となってまいります。すなわち、現状、私どもみずほ銀行を含めて多くの銀行で、非居住者による円送金は、外為法上の確認義務を履行するために送金目的を個別に確認しております。そのため、通常は外為円決済といった別ルートで送金し、自動ではなく、送金目的を個別に確認した上でのマニュアルでの対応となっております。こうした点があるため、お客様からすれば、ご不便と感じているケースがあるのではないかと認識しております。

このような観点から、今後、実務者会合においても、選択肢案について議論を深めてまいりたいと思っております。

次に、資料の12ページ、大口送金の利便性向上をごらんください。

大口送金の利便性向上は、1件100億円以上の他行送金を分割せずに受付処理してほしいというニーズと理解しております。全銀協傘下の検討部会におきまして、メンバーで確認したところ、そのようなニーズは聞いたことがないという銀行も複数ございました。私どもみずほ銀行の行内調査におきましても、1件100億円以上というものがどれぐらいあるのかということで試算してまいりましたが、粗い推定ではございますけれども、毎月1,700万件の送金のうち500件程度、全体の0.003%程度という結果を得ております。

本件は一部の先進的な大企業様のニーズであり、費用対効果の観点からは、慎重な検討が必要であると今のところは考えております。100億円以上の大口送金取扱がある大企業様と取引のある金融機関、これ自体がごく一部である可能性も高いと思っております。金融機関の中には、個人のお客様へのサービスを中心としている銀行も多数ございます。したがいまして、仮に社会インフラとして対応した場合、最終的にお客様に幅広くコストをご負担いただくことになりますと、ニーズのないお客様からコスト負担に対する理解がなかなか得られない可能性も大きいのではないかと思っております。

以上を前提として選択肢案についてご説明いたします。

まず、選択肢案(A)でございますが、100億円以上の送金をされたいお客様の今の現状の問題点は、複数回の入力といった手間であると想像しております。こうした手間を解消するためには、個別銀行としては100億円以上が1回の入力で送金可能となるようなサービス、インターフェースを提供するという選択肢案でございます。これにつきましても一部個別行の対応で、ほぼ全体のニーズを満たせるのではないかと想定しております。ただし、ちょっと細かいことですが、こういうサービスを提供した場合においては、お客様の依頼内容を銀行側の発信内容では具体的には分割するために、法的な問題がないかどうかにつきましては慎重に整理する必要があるかと考えております。

選択肢案(B)につきましては、100億円というものを全銀システム、インフラとして対応する。現在では、全銀システムは100億円未満の送金に対応しておりますので、それをシステムとして100億円以上のものについても受け付ける、引き上げることを考えております。

ただ、これは先ほども申しましたとおり、一部のお客様のニーズを満たすために全銀システムそのもの、インフラを改修した場合のコスト負担につきましては課題があるものと考えておりますし、またインフラにおきまして100億円以上対応した場合に、接続する個別行につきましても影響の確認、改修というものが出てまいります。そういうものについて対応が必要になると考えております。

さて、次はXML電文への移行、資料の13ページをごらんください。こちらは銀行システムの電文方式をXML方式の電文に全面移行すべきである、エンド・デイトを含めて検討を進めるべきであるとのご指摘と認識しております。

13ページ中段に記載しておりますとおり、XMLは、長所としては拡張性・柔軟性が高いこと、異なるシステム間でのSTP化(自動化)に貢献すると言われております。他方、データが冗長になる傾向があるとも言われております。全銀システムでは、2011年の更改の際にXML電文を選択できるようにしておりますが、今年の10月に稼働予定の新日銀ネットにつきましてはXML方式の電文に移行しますし、証券保管振替機構といった資本市場の決済インフラでも、2019年1月からXML方式に全面移行する予定と伺っております。

こうしたことを踏まえて、対応案といたしまして、1つは個別行のIT戦略の中でXML対応の是非、対応時期というものを判断し、XML化を推進するという選択肢案(A)をまず提示しております。これにつきましては影響・論点(例)にもお示ししているとおり、対応する銀行が一部に限定される可能性がございます。これは各銀行が健全に競争していく環境にあって、経営判断として選択する銀行、しない銀行に分かれるということも予想されるということでございます。

もう一つ選択肢としては(B)に記載のとおり、エンド・デイトを設け、XML化を推進するという方法がございます。ただし、民間レベルでエンド・デイトを設けるということは、金融機関における競争を制限する可能性もございますので、慎重な検討が必要であると考えております。

また、一番下の丸のところにもございますように、アクションプランによるエンド・デイト設定、すなわち制度等でエンド・デイトを設けるということも一つのオプションであるかと考えております。

以上、駆け足ではございますが、銀行業界として考えられるたたき台、選択肢案についてご説明いたしました。今後、各ニーズの強さ、広さ、広がりの可能性、さまざまなユーザーへの影響、費用対効果を踏まえまして議論を深めてまいりたいと考えております。

安心・安全、利便性の高い金融インフラの構築は、銀行業界として重要な使命でございます。とりわけ経済活動を基盤といたしまして、決済サービスの高度化の重要性については申し上げるまでもございません。

また、情報通信技術の発展、さらにFinTechと呼ばれる分野の拡大等、決済をめぐる環境については大きく変化しております。経済活動のグローバル化、電子商取引の拡大に伴う決済高度化に対するニーズが高まっていることを踏まえまして、銀行業界としても引き続き、決済高度化に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

以上でございます。ご清聴ありがとうございました。

【森下座長】

ありがとうございました。

それでは、討議に移りたいと思います。どなたからでも結構ですので、ご発言をお願いいたしたいと思います。いかがでしょうか。それでは、鳥海委員。

【鳥海委員】

今回から参加させていただきます鳥海でございます。ありがとうございます。

私、これまでスタディ・グループの議論もほぼ全て傍聴させていただいておりますので、議論の経緯については承知しているつもりでございますけれども、本日、金融庁様からご説明いただいた事務局説明資料の4ページに記載がございますが、各種サービスのリスクに応じた適切なルールのあり方を検討するということについて、感想と意見を述べさせていただきたいと存じます。

この決済高度化に関するスタディ・グループ、ワーキング・グループの主眼と申しますのは、おそらく決済のインフラ、ネットワークをつなげていくことによってサービスの向上を図るということなんだと思いますけれども、それ自体、私どもも大賛成なわけでございますが、何が起こるかといいますと、そういったサービスにいろんな利用者が乗ってくる。その中にはマネーロンダリングですとか、反社会的な勢力ですとか、そういったリスクを含むユーザーも必然的に入ってきてしまうことが懸念されるわけでございます。

例えばこれが国際送金、ドルが絡む送金を例に挙げますと、米国における法令違反に当たるような送金が取り組まれたことが発覚した場合には、ドルの決済システムを担う銀行、あるいはそれに参加する銀行が米国の当局から懲罰的な罰則(サンクション)を受けるといったことが実際起こっておりまして、これは金額的には数百億円とか数千億円という非常に重たい負担になっております。

ここはユーザーが法令違反に当たる場合には、送金の取り組みがだめになるとか、それ以降の取り組みができなくなるといったことで済むと思うんですけれども、インフラを担っている金融機関は懲罰的な制裁を受ける。この辺の公平感といいますか、バランスも少し勘案しながらお話を進めていただければよろしいのではないかと思っております。

私どもは国際銀行協会という外資系の業界団体なのでございますけれども、会員の外資系の金融機関、日本で活動しています在日支店の中でもこういったドル決済のコルレスサービスを提供している会員というのが何行もございまして、この一、二年何が起こっているかと申しますと、例えばコルレス先を1,000とか2,000というオーダーで抱えている金融機関があるわけですが、そういったコルレス先のリスクの洗い出し、その先に抱えているお客様のリスクの洗い出し、こういったことに非常に注意を払って、コストをかけております。ですので、ある種ネットワークはつながるんだけれども、そこに伴って、そういった選別というのも必然的に起こってきているということを申し上げたいわけであります。

では、どうすればいいかということなんですけれども、それはまさしくこの中間整理にございますとおり、各種サービスのリスクに応じた適切なルールのあり方ということになると思います。システムとかネットワークは、どうしてもテクノロジーを利用することによってつながってしまうわけですけれども、お客様の階層ですとか、金額に応じたメリハリのあるルールづくりをしていくことが大事になるのではないかと考えております。

そういう意味では、直接これがふさわしい例なのかどうかよくわからないのでございますけれども、スタディ・グループのたしか第5回だったと思いますが、資金移動業者様から送金限度額の引き上げといった要望がなされていたと記憶しているのでございますけれども、私どもが拝見するところによりますと、移動業者様の送金1件当たりの平均金額というのは実は2万円程度ということでございまして、そういった100万円を超えるようなニーズがどれだけあるのかなといったところは、いささか疑問なしとしないところでございます。

私どもも例えばグローバルな意味でファイナンシャルインクルージョンということで、銀行サービスをこれまで使われてこなかったようなお客様に、リーズナブルな料率でサービスを提供するといった意義については十分承知しておりまして、2010年施行の資金決済法に伴って移動業者さんが参入されてきたことについては、その存在意義については私どもも全く異議はございませんけれども、こと、限度額については、実際それほどのニーズがあるのかなといったのが正直なところでございます。

私ども銀行の場合ですと、数百万円といった送金というのは当然にしてございまして、例えば海外の投資用不動産を購入したいとか、あるいは老後の住みかとして移住するので生活費の送金をしたいといったお客様は当然にしてございますので、そういったオーダーの金額の送金はございますけれども、こういった客層の方々についてはファイナンシャルインクルージョンといった趣旨からは少し外れている、やや趣旨と異なるのではないかと思っておりますので、先ほど申し上げたような点について、ぜひご勘案いただければと思っております。

【森下座長】

ありがとうございました。今のはご意見ということでよろしいですか。

それでは、ほかの方、いかがでしょうか。浜委員、お願いいたします。

【浜委員】

田中委員、銀行界の取り組みについてご説明いただき、どうもありがとうございました。ニーズを探りながらということであると思うんですが、改めて使うサイドのニーズについて意見というか、要望を出させていただきたいと思います。

まず、田中委員の資料の8ページですが、送金フォーマット項目の国際標準化ということで、現在ご提案いただいている案(A)では、支払いサイドが銀行に対して国際標準のフォーマットで依頼をする。その後、国内送金フォーマットに変換されて被仕向け先に届きますということですけれども、国内送金のフォーマット、国際送金のフォーマットの絶対的な違いというのは情報量にあると認識しておりまして、このように途中で変換されて届いてしまいますと、せっかくたくさんの情報を送ったにもかかわらず、情報が途中で欠落して届いてしまうということで、国際標準フォーマットを使うメリットというのはなくなってしまうのではないかと思っております。

今ここで議論されているのは、送金サイド、依頼人サイドに対応するためのメリットがあるのかないのかというところが議論されていると思うんですけれども、私は被仕向け、お金を受け取るサイドのメリットに非常に大きなものを感じておりますので、ここのメリットについての議論も必要ではないかと思っております。ぜひそこを検討いただければと思います。

続きまして、11ページです。非居住者口座に係る円送金の効率性向上ですが、田中委員にいただきました資料で見ますと、仕向銀行、被仕向銀行、支払いサイド、出すほうも受け取るほうもそれぞれ銀行が現状では本人確認であったり、送金目的の確認であったり、資産凍結対象者であるかチェックを入れたりということで、これを見る限り両方でチェックをすることによって、チェックする間、非STP化では自動的に入金されることがない状況になっているかと思うんですけれども、チェックする項目がダブっているというふうに感じます。であれば、このデータが通る日銀ネットもしくは全銀システムのところで、一括してチェックできないのでしょうかと。そこでチェックして、もしチェックに引っかかるようであれば、ストップをかけることができるであろうし、真ん中でチェックして、一度のチェックでよしということであれば、STP化(自動入金)が可能ではないでしょうかということを検討いただければと思いました。

以上です。

【森下座長】

ありがとうございました。

田中委員、お願いします。

【田中委員】

1つ目の国際標準化につきましては、今回につきましては、私どもは仕向けサイドに比重を置いてお話しさせていただきましたのは事実でございます。被仕向けサイドのメリットにつきましては、ご指摘のありましたとおり、メリットは大きいということがございますので、これは実務者のところを含めて検討してまいりたいと思います。これはまた別件のところにあります、いろんな付加情報、EDI等も含めていろいろ検討というのも必要かと思います。この辺も含めて、実務者会合のところで検討してまいりたいと思います。

それから、2つ目のダブっているということでございますが、1つの銀行で申しますと、ダブりというものは発生しておりませんので、業界全体として入りと出のところをどうやって1つにするかというのは技術的に難しいところはあると思うんですが、この点につきましても実務者レベルのところで検討してまいりたいと思います。

【浜委員】

ありがとうございます。

【森下座長】

ありがとうございました。

ほかの方いかがですか。それでは、牧野委員、お願いします。

【牧野委員】

花王(株)の牧野です。田中委員、どうもありがとうございました。一事業会社として、3点ご質問、コメントをさせていただきたいと思います。

まず、9ページの「ロー・バリュー送金」ですが、欧米では当たり前のようなしくみになっているところで、日本がないといった事例だと思います。至急でなくても安く送金できるのであれば、例えば花王(株)のようにニーズは必ずあると思いますので、ぜひご検討いただければと思います。

それと100億円の送金制限ですが、今の現状でいくと、100億円という桁数制限があるがために、わざわざ分けて送金しているという例も幾つかあると思いますので、0.003%と言われるとなかなか難しいですが、ぜひ土台に上げていただいて、いつできるのか、それとも未来永劫ないのかといったことも議論し、最終的なご判断ができたらいいなと思っています。これが2点目です。

3点目はXML電文のところですが、これは第6次にXML化というのが採用されて、個別行任せとなり、結果としてAという案では今まで動かなかったわけですよね。今回、仮にA案で決定した場合、今まで通りではないかという疑問が残ります。よって、できればエンド・デイトを持ったB案というのがいいと個人的には思います。

質問というか、コメントになりましたけれども、以上でございます。

【森下座長】

ありがとうございました。

田中委員、何かございますか。

【田中委員】

これにつきましては冒頭ご説明しましたとおり、ここに挙げられた選択肢につきましては一つの案、たたき台ということですので、今後、ユーザー様のニーズも含めて検討させていただきたいと思います。

また、「ロー・バリュー送金」等につきましては、現状把握ということについてもまだまだ不足している点もございますので、この辺も含めて私どもの現況調査ということも含めたいと思っております。

ほか、XMLにつきましても、今後、銀行界としてどうやっていくのか、あるいは個別行に本当に任せていいのか、そういうことも含めて調整していきたいと思っております。

【森下座長】

ありがとうございました。

では、堀委員、お願いいたします。

【堀委員】

事務局説明資料と全銀協様からの説明資料を拝見して、またご説明をお伺いしていて、少し気付いた点をお話しさせていただきます。

銀行と資金移動業者のそれぞれのあり方について、大局的な観点から検討すべきではないかということを感じました。先ほど鳥海委員からお話がありましたが、私自身は、資金移動業者の送金限度額が他国と比べて制約があるという点で、日本の規制はこれでいいのかという問題意識を持っていることは既にお話ししたとおりであります。現状、銀行につきましては取扱限度額の制限なく使用でき、一方、資金移動業者は限度額の制限がある、これがいいのか悪いのかというところは議論すべきだと思うのですが、もし仮に送金限度額に違いがあるという世界を前提とした場合、銀行には企業間送金、あるいは大型送金というものを主として担うべき担い手であるということ、資金移動業者は個人間や少額決済についての担い手であるという位置づけが与えられるということになります。

そうすると、それぞれの役割に従った必要な規制というものを考えていくべきではないかと思っております。例えば事務局説明資料の一番最後のページにありましたデビットカードを活用したキャッシュアウトサービスですが、現状でもデビットカードは銀行でも資金移動業者でも発行している例があります。銀行については、預金の受払事務の委託について、銀行法施行規則の13条の6の4でATMの出金に限って委託ができるということが規定されていて、一方でこういった店頭でのキャッシュアウトができないという問題意識だと思います。他方で、資金移動業者は委託先について制限がないということですから、きちんと委託先の管理を行えば、こういった業態を営むこともできるということになると思います。

したがって、最後のご要望というのは、おそらく銀行においてこれを認めるべきかという議論になってくるように思います。

ただ、先ほどの役割の担い手論という観点でいきますと、こういった個別の決済について、果たして銀行に担わせるのが適切なのかどうか。逆に、先ほどの全銀協様のご意見にもありましたが、一部の先進的な取り組みを行っている企業に対応することについては、個別行の対応でよいのかどうか。銀行としてそういった企業のニーズをくむのが社会的な使命であるとすると、必要な社会的なインフラについては、各行共通で整備に注力すべきだという話になると思いますし、そうではない、個別のリテールについてより取り組みを広げたいのだということだとすると、資金移動業者についても同じようにできるようにするということになっていくと思いますし、どういう役割を銀行や資金移動業者に担わせるのかというところを大局的に議論して、各規制のあり方を考えていくべきではないかと感じました。

もう1点、済みません、全く別の観点からですが、仮想通貨に係る規制について、説明資料の9ページにございましたけれども、ビットコインをはじめとする仮想通貨にどういう規制をかけるべきなのかどうかというところは今後議論されていくのだと思いますが、各国の規制を拝見いたしますと、仮想通貨と金銭の交換に着目して何らかの規制を設けている形態と、そうではなくて、背後の預金の金銭の受け入れですとか、金融商品に該当するかですとか、従来の金融規制を発展させて取り込む形で規制を検討している国と、大きく分けて2つの方向性があると理解しておりますが、既存の法制については我が日本においては銀行業や前払式支払手段発行業などの規制が既に存在しますので、特に仮想通貨と金銭との交換に着目して規制をかけるのだということであるとすると、新しい規制が必要になってくると思います。

このときに仮想通貨の定義をどこに持っていくのかというところは非常に難しい問題であると認識しておりまして、例えば電磁的な価値を有するものというふうにした場合に、既存のポイントが入ってきてしまうのではないかですとか、発行体がないものに限るのか否かですとか、そういったいろいろな議論があり得ると認識しております。また、犯収法上の特定取引に何を規定するのかというところも非常に難しい問題があると認識しておりまして、他の業態との比較で、この仮想通貨との交換という業務はどういったマネロンのリスクがあるのかということを慎重に検討した上で、規定をつくられるべきだと認識しております。

その上でも、仮想通貨を実際に取り扱っている事業者、あるいは事業者団体についてのヒアリングを一度この場に設けることが適切ではないかと思いまして、これは意見として申し上げたいと思います。

以上です。

【森下座長】

ありがとうございました。

佐藤参事官、お願いします。

【佐藤総務企画局信用制度参事官】

堀委員から何点かご意見がございまして、まず1点目の銀行の役割、あるいは資金移動業者の役割ですけれども、おっしゃることは私も共感するところはあります。

一方で、現実の役割というのを考えるときには、おそらく多面的に考えなければいけないのかなという感じもしています。答えには必ずしもなっていないんですが、キャッシュアウトについて言いますと、おそらく外国で利便性を感じておられる方は銀行口座から自動的に引き落とされる、また口座にある程度お金をためていて、それを色々なところで使えるし、ためておくだけだと必ずしも現金化できないので、色々なところでキャッシュアウトもできるという、そのような預金口座を持つことによる利便性、預金口座を提供するという銀行の特殊性というところもあるのかなと思われます。コメントだけですが、そういう感じがいたしました。まず、それが1点でございます。

2つ目の仮想通貨につきましては、率直なところ、私どもも例えば国際的なガイダンスなどが出まして、これを今後、各国が足並みをそろえていくとなると、仮想通貨とはどういうふうに定義するんだろうかということは、そう簡単な問題ではない、難しい技術的な論点であると思っております。

おっしゃる中で、広げ過ぎると意図せぬものも含まれる、逆に狭くし過ぎると潜脱が起きるという、そこをどう考えていくのかというのはよく考えていかなくてはいけないところと感じます。また、先ほどもお話にございました、各国とも少し規制のあり方が違っているところがございます。交換のところに着目しているのは、私の理解するところ、マネロン、いわゆるダーティなお金をきれいなお金にクリーンする。その間に、交換ということで幾つかいろんなものをかませることよってクリーンに見せかけることへの対応というところがあると思われます。あるいは報道ベースでしか知りませんが、テロ組織に対して仮想通貨で資金援助が行われているのではないかという話があって、仮想通貨で資金援助が行われた後に実際に使うためには何らかの形で通貨に変換する必要がございます。そういうところに着目して、交換というところで規制を考えているのではないかということがございます。

そのほか、利用者保護的なところからどう考えていくのかということもあるでしょうし、今後、我々もこの点、特に犯罪対策ということであると、金融庁ということではなしに捜査当局の観点もありますので、十分に政府部内でも検討した上で、なおかつ今おっしゃいましたヒアリングとか、実際の声、業務実態がどうであるのか、そこを考えた上でどうあるべきなのか考える必要があるように感じます。また、これは前にも申し上げましたとおり、インターネットで簡単に取引できますので、どこかの国の規制だけが少し違っていると容易に外国に抜けてしまうところもありますし、各国の規制の動向は十分注意しながら考えていく必要があるかと感じております。

感想みたいなことになりますが、以上でございます。

【森下座長】

ありがとうございました。

それでは、永沢委員、お願いします。

【永沢委員】

ありがとうございます。

まず1点目は、事務局へのお願いでございます。リテールの分野では、ワンストップショッピングあるいはワンストップ決済といいますか、どのように表現したらいいのかわかりませんが、一つの場で何でも買い物をして決済でき便利になっているのですが、いざ問題が起きたときにはアンバンドリング化やいろんなプレーヤーが入り交じる中で、実際にどこに相談して、どこに救済を求めたらいいのかというのが大変難しくなっております。消費者としては、こうした現状を、政府が中心になってご対応いただきたいと思います。

そのためには横断的な制度整備が必要ではないかということで、今、金融庁だけでなく経産省でも審議いただいていると聞いておりますけれども、省庁を超えて横断的に制度整備をお願いしたいと思います。事務局資料の3ページでEU決済サービス指令云々というお話が紹介されていますので、今回のワーキング・グループで審議されることを期待しております。

それから2点目は、全銀協様への意見、コメントでございます。

まず、ITの進展により、いろいろ便利になっていくことは喜ばしいことではありますが、24時間365日対応をいただいているというお話に関して、利便性と安全性がトレードオフになるという点、犯罪が入り込みやすくなるということにどう対応するかという点は難しい課題であり、消費者も関心を持たなくてはいけないと思いました。

また、利便性の高いサービスを必ずしも全ての消費者が欲しているわけではありません。高度化のための社会的コストをどう分担するかということについては、大口の事業者だけでなく、リテールの分野、消費者にとっても大変重要な問題であると思います。

それからもう1点、オリンピックで海外からいろんなお客様がいらっしゃいますので、国際カード対応も急がなくてはいけない重要な課題と思いますが、国内の一般の消費者の日々の決済の問題についても、高齢化や地方の過疎化といった日本社会の構造の変化を想定した上で、この決済インフラというものをリテールの分野でどうしていくのか、どうあるべきかをお示しいただけたらと思いました。

最後に、鳥海委員のご意見に関して、私も一言申し上げさせていただきたいと思います。

先日、NACS(日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会)という団体で警察庁所管の犯罪収益移転防止法に関連したパブコメを出しまして、私たち消費者もいろいろ勉強させていただきました。日本の金融機関は犯罪への対応という点では国際的には厳しい評価をいただいているということを初めて知りまして、鳥海委員からもご指摘があったような懲罰的な扱いを日本の金融機関が受けるようなことになると、最終的に一般消費者へも影響が及びうるということを知りました。鳥海委員のご指摘も重要だと思います。

以上でございます。

【森下座長】

ありがとうございました。

田中委員はよろしいですか。

それでは、山上委員、お願いいたします。

【山上委員】

本日は、いろいろご説明いただきましてありがとうございました。

浜委員と牧野委員からのご質問に対しての若干の補足的なコメントなんですが、まず10ページ、これは全銀協様の説明資料でございますけれども、一番下に、APNに関連するHUBの設立に関しての将来の送金業務までサービスが拡大するかどうかが論点ですというふうにお話しされているところの現状がどうなっているかということでございますが、お書きいただいたように、足元ではATMとPOSのサービスということにはなっているんですけれども、個人用のファンドトランスファーと言われる残高を相手の銀行の残高として送るサービスについても含めようかという動きが既に検討されております。

全体のトレンドとしましても、物理的にカードを提示する取引からカードを見せない、例えばeコマースですとかモバイルといったものへシフトしていこうという動き及び個人から法人のほうにシフトしていこうという動き、この大きい2つの取扱商品の拡張という意味での流れがあるのかと思っておりまして、こちらに書いていただいているような法人の送金である、例えばバルク送金とかリアルタイム決済といったものも、検討の視野には入っているということは申し上げたいと思っております。

続きまして第2点目ですが、同じ資料の13ページ目のXML関係ですけれども、今までの基本的な論点というのは、EDIとの関係でXMLをどういうふうに使うかということだったと理解しております。ただ、このXMLのことを語ろうとした場合に、地域的にどんなふうに広がっているのかという話と、適用範囲がどんなふうに広がっているのかということを考えておく必要があるのかと思っております。

まず、地域的な広がりについてでございますけれども、例えば中東のカタール、エジプト、アジアでいうとマレーシア及びオーストラリアも太平洋地域ということなんだと思いますけれども、こういった国が2015年から2017年ぐらいまでのタイムスパンで、RTGSの絡むような決済システムへの移行を表明しております。また、カナダにおいても、2020年ぐらいをめどにしてXMLを導入するような流れがあるやに聞いておりまして、世界的にXMLの利用というのは広がっている流れはあると思います。

一方で適用の範囲ですが、EDIというのは保守本流といいますか、真ん中のところだと思っているんですけれども、銀行の周辺サービスをISO20022を使って電子的に提供しようという具体的な流れもあって、例えばEBAMと言われる口座残高の確認をマルチバンクでできるような仕組みだったり、E-インボイスと言われるような請求書の電子化、BSBと言われる、例えば銀行が利用者の企業様に対して請求書を発行して、手数料として払っていただくような取引、こういう銀行のシステムの中というよりは、銀行とお客様との間で、コミュニケーションと言ってもいいのかもしれませんが、ISO20022を使って電子化していこうという動きがあって、今回のXMLのご検討にあっても、一体何に使うと銀行決済サービスの利用者にとっての利便性が高まるのかという観点を目線として取り込んでいくことで、もうちょっと具体的なビジネスケースの検討ができるのではと思っております。

もう一つですが、これは事務局説明資料の2-2のところにもEU決済サービス指令について触れていただいているんですが、たまたま今週の月曜日にイギリスに出張する機会がありまして、ファスターペイメントのスキームをやっているFPSLというところに行ってきました。そのときにわかったのは、特にここでPSD2としてご紹介いただいているのが、第三者からの銀行口座へのアクセスを許容するという条文になっているかと思うんですが、同じFPSL、これはリアルタイムのファスターペイメントのスキームを運営しているところですけれども、ここでもニューアクセスモデルというものを考えておられて、これは企業からのダイレクトアクセスとかFinTechのような企業も、このFPSLにダイレクトに一定の条件下で認めることをこれからも進めていこうということでして、結局、ヨーロッパ全体として同じ方向にどうも動いているやに感じましたということで、これは追加的な情報になるのかもしれませんが、以上でございます。

【森下座長】

どうもありがとうございました。

ほかのご発言いかがでしょうか。

【長楽委員】

日本資金決済業協会の長楽でございます。

先ほど資金移動業者の送金限度額の引き上げについてのご意見があったものと承知しております。第5回のスタディ・グループにおきまして、協会の要望ということで資金移動業者の1回当たりの送金限度額の引上げについてご紹介させていただきました。そこでの要望の趣旨でございますが、資金移動業者につきましては、先ほどお話しがございましたけれども、犯罪収益移転防止法、外為法、反社会的勢力との関係遮断に対する取り組みにつきまして、金融機関と同様の義務が課されているという状況にございます。

資金移動業者の参入が認められてから5年が経過したところでございますが、業容がどんどん拡大しているという状況にある中におきまして、利用者の皆様方から、100万円超の送金に対するニーズが相応にあるということでございましたものですから、協会から1回当たりの送金限度額の見直しをお願いしたということでございます。

要望させていただいた趣旨をご理解いただき、今後、利用者のニーズを踏まえた十分な審議が行われることを期待いたします。

【森下座長】

ありがとうございました。

戸村委員、お願いします。

【戸村委員】

手短に事務局への要望を2点申し述べさせていただきたいと思います。

田中委員ご説明の資料3の7ページをごらんいただきたいんですけれども、1点目は上のほうにある国際送金における「ロー・バリュー送金」の提供について、個人的にニューヨーク連銀の決済担当職員と話す機会がありまして、IPFAについてちょっと聞いてみたんですけれども、フレームワークとしてはあるんですけれども、ACHの接続のコスト面から、特にラテンアメリカとの間の送金はあまりローンチしてないという話がありましたので、事務局への要望として、IPFAについて送金実績の数字があると、今後の議論に役立つのではないかと思います。

2点目は、7ページ目下のほうの実務者ミーティングについてですけれども、田中委員が繰り返しおっしゃられたように、どうしてもシステム投資というのには費用がかかりますので、費用便益の判断は経営判断になると思います。そういう意味では本来はACH、全銀システムの運営法人が自主的な判断をするのが望ましいと考えます。

ただ、経済学的に考えますと、ACHというものは電力と同様、規模の経済がありますので、競争原理を働かせるのが難しいという背景があります。その背景の中で今後、このワーキング・グループではどのようなステークホルダーがACHの運営法人の意思決定機関に参加すべきか、例えば実務者ミーティングというのはアドホックなものとして書かれていますけれども、恒常化するべきか、恒常化するのであれば、どのような法的資格で、どのような方が、例えば利用者側の人も入るべきかということですけれども、そのような枠組みも審議できるのではないかと思います。

事務局への要望ですが、海外では中央銀行が議長としてACHを運営している例もありまして、海外のACHのガバナンスのあり方について比較できるような資料をつくっていただけると今後の議論に役立つと思います。

以上です。

【森下座長】

ありがとうございました。

それでは、廉委員、お願いいたします。

【廉委員】

三菱UFJリサーチコンサルティングの廉です。2点ほど意見させていただきます。

まず、大口送金の話ですけれども、基本的に大きな銀行であれば、そんなに問題にならないと思うんですけれども、特に小さな銀行では、100億円以上のお金がいきなり入ってきて、いきなり流出するということになると、技術的に送金はできても流動性管理が難しくなる事例もあろうかと思っています。そうした大口資金が一挙に移動するという流動性の観点も重要だと思います。

もうひとつは、コルレスバンキングやローバリュー送金におけるマネーロンダリングや本人確認の問題です。

将来的にFinTechを中心に、いろんな決済の高度化が進んでいくということは間違いないですが、正直言うと、現時点でそんなに進んでいるのかと問われると、欧米を見ていても、ネットを通じた頼母子講のようなファイナンスがFinTechの最先端とされているとおり、そこまで進んでいるという認識は私はありません。

ただし、国際的にはマネーロンダリングや本人確認の問題が、決済の高度化を進めていく上で「そういう観点も必要だね」というレベルではなく、重要度や優先順位が高くなっていると私は認識しています。その証拠に、先日もFSBの議長がフィナンシャル・タイムズに出したとおり、コルレスバンキング業務において、そうしたマネーロンダリングや本人確認に関する銀行側の負担が非常に重くなっており、「やめようか」とする銀行もあるようです。エマージング諸国の小さな銀行のコルレスバンキングの管理負担が非常に重くなっていることは容易に想像できます。

これは国際的な観点なので、国内法の観点とはまた別の観点であろうかと思いますが、マネーロンダリングや本人確認の問題が足元で重要性が高まっていて、今後もより高まることが確実という情勢は、多分日本だけじゃなくて、アメリカも欧州もアジアも同じじゃないかと思っています。従って、国内法においても、そうした観点は非常に重要なポイントじゃないかと考えております。

以上です。

【森下座長】

ありがとうございました。

ほかの方いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

それでは、以上で討議を終わらせていただきたいと思います。本日いただきましたご説明やご意見などを踏まえ、引き続き検討を進めていきたいと思います。

最後に、事務局の方から連絡事項等がございましたら、お願いいたします。

【佐藤総務企画局信用制度参事官】

私から今後の予定についてご説明申し上げます。次回のワーキング・グループにつきましては、今後、夏に入りますので、夏明けを目途に開催したいと考えており、具体的な日程につきましては改めまして皆様方のご予定等を調整させていただきまして決定して、ご連絡を差し上げたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

【森下座長】

それでは、以上をもちまして本日のワーキング・グループを終了させていただきます。時間を超過いたしまして申しわけございませんでした。ありがとうございました。

以上

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局企画課信用制度参事官室(内線3684、3582)

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