決済法制及び金融サービス仲介法制に関するワーキング・グループ(第4回)議事録

  • 1.日時:

    令和元年11月12日(火)13時45分~15時45分

  • 2.場所:

    中央合同庁舎第7号館13階 金融庁共用第一特別会議室

金融審議会「決済法制及び金融サービス仲介法制に関するワーキング・グループ」(第4回)
令和元年11月12日
  

【神作座長】
それでは、予定の時刻になりましたので、ただいまより「決済法制及び金融サービス仲介法制に関するワーキング・グループ」第4回会合を開催いたします。皆様、ご多忙のところご参集いただきまして、まことにありがとうございます。
本日は、決済法制に関するテーマのうち、無権限取引への対応、ポストペイサービス及び資金移動業に係る論点についてご議論いただければと存じます。
なお、お二人の参考人にご出席いただいておりますので、事務局より、そのご紹介をお願いいたします。

【守屋横断法制室長】
決済法制担当の守屋でございます。本日は参考人として、一般社団法人キャッシュレス推進協議会事務局長・常務理事でいらっしゃいます福田好郎様、一般社団法人信託協会業務委員長でいらっしゃいます今村達士様のお二人にご出席いただいております。どうぞよろしくお願いいたします。

【神作座長】
よろしくお願いいたします。
続きまして、議事に移らせていただきます。
本日は、まず事務局から資料1及び資料2についてご説明いただきます。次に、参考人の方からご説明をいただき、その後で一括して討議を行います。なお、今回よりスクリーンを6台設置しておりますけれども、これはより多くの委員にご発言いただく機会を確保するという観点から、委員のご発言が一定の時間を過ぎますと、残り時間の目安がスクリーンに映し出されるようになっております。ご発言に際して、ご参考にしていただければと存じます。
それでは、早速でございますけれども、事務局からご説明をお願いいたします。

【守屋横断法制室長】
それでは、引き続き私のほうからご説明をさせていただきます。お手元に事務局資料として、縦の討議資料とそれに対応した横の参考資料をご用意しております。基本的には討議資料に沿って、必要に応じて参考資料を使用させていただきたいと思います。
本日は、先ほど座長からご紹介いただきました3つのテーマについてご議論をお願いしたいと考えております。
早速でございますが、1つ目の「無権限取引への対応」から順にご説明をさせていただきます。
まず現状のところでございますけれども、スタディ・グループの報告書におきまして、無権限取引が行われた場合の責任分担等に関するルールについて検討することが適当であると、こういったご提言をいただいたところでございます。
実際に事業者の規約の内容を見てみますとさまざまでございまして、スタディ・グループの報告書をお取りまとめいただいた時点では、消費者契約法により無効になるのではないかといった可能性が指摘されるような規約も存在していたということでございます。
その後でございますけれども、本年8月、本日お越しいただいておりますキャッシュレス推進協議会のほうで規約の事例集が公表されまして、その後、個々の事業者によって規約の自主的な見直しも進みつつございまして、中には「利用者に故意・重過失がある場合などを除き利用者の損害を補償する」といった内容の規約を整備する事業者さんも出てきていると、こういった現状にございます。
これを踏まえて、検討の方向性の案でございますけれども、各事業者が採用するシステムや不正利用の態様はさまざまでございまして、ビジネスモデルも多様であると。こういった中で、過失などの類型とか、それを踏まえたルールを、あらかじめ統一的かつ網羅的に策定することについて、実現可能性も含めてどのように考えるか、こういった論点があろうかと存じます。
明朝体のところ、インターネット・バンキングにおける不正な払い戻しに対する補償につきましても、全銀協の申し合わせにおいて、預金者に過失がある場合、事業者の個別対応とされていると、こういったところとのバランスも考慮要素かと存じます。
2ページをごらんいただきまして、1つの考え方として、利用者保護の観点から望ましい補償ルールの整備が進みつつある現状を踏まえますと、当面は事業者による自主的な対応を促していくということも考えられるのではないか。
その上で、制度上の対応といたしましては、例えば、利用者に対する情報提供事項に「無権限取引が行われた場合の対応方針」を追加する。規約の概要をわかりやすく利用者に説明するといったようなイメージでございます。こういった案についてもご議論いただければと存じます。
そのほか、無権限取引への対応に関して検討すべき事項がございましたら、ご指摘をいただければと存じます。
3ページをごらんください。本日2つ目の論点の「ポストペイサービス」についてでございます。スタディ・グループの報告書の中でも、ポストペイサービスを提供する場合、3つの方法があるとされておりまして、1つは銀行業の免許を受けて為替取引と貸し付けの組み合わせで行う方法。もう一つは、資金移動業の登録と貸金業の登録を受けて組み合わせて行う方法。それと最後は、クレジットカードが典型でございますけれども、割賦販売法上の信用購入あっせん業の登録を受けて行う方法。この3つの方法が考えられる中で、貸金業法と割賦販売法上の規制への対応が負担であると、こういった指摘があるところでございます。
スタディ・グループの報告書におきましては、「少額」での利用を念頭に置いて、過剰与信防止という規制目的を適切に確保しつつ、リスクに応じた規制の合理化を図ることについて検討することが適当と、こういったご提言をいただいたところでございます。
割賦販売法につきましては、現在、経済産業省の審議会のほうで検討が進められておるところでございまして、このワーキング・グループでは貸金業法の関係についてご議論をお願いしたいと考えております。
検討の方向性の案のところでございますけれども、現行の貸金業法の規制が整備された経緯、これを踏まえますと、「少額」の貸し付けであっても、総量規制でありますとか上限金利規制といった、過剰与信防止のための基本的な枠組みは堅持する必要があるのではないか、このように考えております。
その上で、「少額」でのポストペイサービスというのを前提に、利便性のより高い送金サービスを実現していく観点から障害となっている貸金業法上の規制はあるかどうか。あるとして、そういった規制の合理化により、どのようなサービス提供が期待されるか。具体的な決済サービスのイメージとセットでご議論をお願いできればと考えております。
現行の貸金業法の主な規制につきましては、参考資料の6ページにお示しをしておりますので、必要に応じてご参照いただければと存じます。
そのほか、ポストペイサービスに関して検討すべき事項がございましたら、ご指摘をいただければと存じます。
4ページをごらんください。ここからが、本日3つ目の論点でございます「資金移動業」に関しての内容でございます。大きく論点を3つに分けさせていただいております。
1つ目が「前払式支払手段発行者と資金移動業者に対する監督規定等」というところでございまして、現状、キャッシュレス社会の進展に向けた各般の取組みが進められている中、第三者型前払式支払手段の発行者の登録を受けている事業者が資金移動業者の登録も受けて、一体的なサービスを提供する例が増加してきているということでございますが、他方で、前払式支払手段と資金移動業者の現行の規制を見比べてみますと、前払式支払手段の発行者につきましては、業務の外部委託先に対する指導に関する体制整備義務、こういったものが資金移動業者のほうにはあるんですけれども、前払式のほうには法律上設けられていないといったような差異がございます。
もう一つ、業務改善命令の発出要件でございますけれども、参考資料の8ページに比較表をお示ししておりますけれども、前払式支払手段の業務改善命令の発出要件は「利用者の利益を害する事実があると認めるとき」に限定されている。一方で、資金移動業者のほうは「資金移動業の適正かつ確実な遂行のために必要があると認めるとき」と、比較的幅広い要件が規定されているということで、こういった差異についてどう考えるかといったような論点でございます。検討の方向性の案でございますけれども、第三者型前払式支払手段の発行者と資金移動業者の両方の登録を受けている事業者につきましては、一般消費者による利用が多くて、事業規模も比較的大きい業者が多いということもございますので、実効性ある監督上の対応が必要となるのではないかと。こういった問題意識から、制度上は少なくとも、業務の外部委託先に対する指導に関する体制整備義務でありますとか業務改善命令の発出要件といったものは整合的なものとしていくべきではないか。こういった方向性についてご議論をいただければと存じます。
討議資料5ページをごらんください。ここからが第1回のワーキング・グループでご議論いただいた内容を踏まえた論点ということでございまして、1つ目が「利用者資金の保全方法」でございます。
参考資料のほうで、現行の保全方法について、改めて第1回のワーキング・グループでお示しした資料をつけております。現行、3つの保全方法、供託、保全契約、信託契約が認められておりますけれども、信託契約については算定期間が異なっており、併用が認められていないということで、第1回の討議資料で、討議資料の四角囲みのところでございますけれども、事務局のご提案は、この算定期間を「週1回以上」に統一した上で、3つの保全方法の併用を認めることとしてはどうかということでございましたけれども、大きく2つのご指摘をいただいておるところでございます。
1つ目は、「高額」送金を取り扱う事業者、第1類型とされている部分につきましては、事業者が破綻した場合の社会的・経済的な影響の大きさを踏まえて、リアルタイムでの保全を追求していくべきではないか、こういったご指摘。
もう一つ、「高額」送金を取り扱う事業者以外につきましても、保全方法の中で算定期間を統一した上で、その算定期間の末日からさらに1週間以内に保全をすべきという部分について、現行規制の「1週間以内」を前提に議論を進めるべきではなくて、短期化を図るべきではないか。大きくこの2つのご指摘をいただいたところでございます。
これを踏まえまして、改めて検討の方向性の案でございますけれども、1つは、「高額」送金を取り扱う事業者については、原則滞留はないというのが大前提でございますけれども、利用者資金の受け入れから保全が図られるまでのタイムラグをできる限り短くする方向性が望ましいと考えられる。
ただ、実務を踏まえまして、どの程度まで短期化が可能か、ここが問題であると考えておりまして、3つの方法の中でも比較的入金手続が容易な信託契約を利用した場合、実務上必要となるタイムラグはどの程度となるか。本日、信託協会にもご出席いただいておりますので、このあたりの実現可能性についてご議論をいただければと考えております。
2つ目でございますけれども、「高額」送金を取り扱う事業者以外の事業者につきまして、スタディ・グループでは現行の枠組みを基本的に変えないことが適当といったようなご提言もございましたけれども、改めて、どう考えていくべきか、ご議論をいただければと存じます。
最後の丸でございます。現行の3つの保全方法は、資金決済法の制定時に、倒産隔離が図られる方法として認められたものでございますけれども、これらと同等の保全効果を有して、かつ、より迅速な保全が可能となる方法がほかにあるかどうか。このあたりについてもご議論をいただければと存じます。
明朝体の部分でございますけれども、同等の保全効果があるというためには、事業者が任意に費消・流用できない仕組みであると、ここは最低限必要ではないか、こういった問題意識も持っておるということでございます。
討議資料6ページをごらんください。資金移動業の3つ目の論点でございまして、「高額」送金を取り扱う第1類型への対応ということでございます。こちらにつきましても、第1回の討議において大きく2つのご指摘をいただいております。
まず1つ目でございますけれども、銀行の破綻時には、決済途上の資金は預金保険により迅速に全額保護が図られる。資金移動業者の破綻時にも迅速に送金が行われる制度整備を図るべきではないか。また、そもそも破綻しないようにということで、最低所要自己資本規制や為替業務単独での収支確保などの業務の継続性・安定性を確保するための方策も必要ではないか。こういったご指摘。
一方で、「情報技術の進展等の環境変化を踏まえた金融制度のあり方」という、このワーキングの設置根拠になっている諮問に答える観点からは、銀行業のコピーとしての決済業を新たに設けて、同じような規制を適用することが求められているわけではないのではないか。こういったご指摘もいただいたところでございます。
これらにつきましては、第1類型の制度の具体化を検討していく上で、基本方針にかかわるご指摘であると認識しておりまして、本日、改めて論点として設定をさせていただいたということでございます。
検討の方向性の案でございますけれども、1つ目は「高額」送金の履行の確実性が担保されない場合、社会的・経済的に大きな影響を与え得るということを踏まえまして、銀行による為替取引と同等の履行の確実性を担保するため、例えば、自己資本規制でありますとか預金保険制度に相当するようなもの、こういったものを整備することについて、どのように考えるかということでございます。
もう一つは、「高額」送金を取り扱う事業者も含めまして、資金移動業者による送金サービスは、銀行による送金サービスとは破綻時の履行の確実性などが異なるものであると、こういったことが正確に理解されて、利用者資金が全額保全される前提で利用されるのであれば、必ずしも銀行と同じような規制や制度を整備する必要性はないとも考えられるのではないか。この2つの考え方について、どう考えていくべきか、ご議論いただければと存じます。
注のところは、後者の考え方につきまして、現行の資金移動業者の規制でありますとか、諸外国における送金サービス提供者に対する規制というのも、こういった後者の考え方によって整備されているといったようなことを記載させていただいております。
事務局からは以上でございます。

【神作座長】
どうもありがとうございました。
続きまして、キャッシュレス推進協議会の福田様、5分程度でご説明をお願いいたします。

【福田参考人】
キャッシュレス推進協議会の福田でございます。私どものほうから、コード決済における無権限取引に関する当協議会における対応状況についてご説明をさせていただきます。資料3に基づきまして、ご説明をいたします。
おめくりいただきまして2ページ目のところでございますが、基本的にはコード決済、いろいろな業者さんがおられまして、前払いでやっていらっしゃる方、資金移動でやっていらっしゃる方、包括契約代理店でやっていらっしゃるような方々、さまざまな形態がいらっしゃるというところではございます。
また最近、特に発生してきている新しいサービスというところでございますので、当協議会としましても、できるだけインシデントが、未然は当然ながらも、発生したインシデントについては即時対応するようにという取り組みを行っております。
踏まえまして、2ページ目のところでございますけれども、コード決済ですね。QRコードやバーコードを使った決済に関しましては、非常に複雑な仕組みも登場してきておりますと。
例えばデバイスへのアクセスにおいて無権限なアクセスがあるかどうかですね。そこにひもづけられているIDに対して無権限なアクセスがあるかどうかということ。そして、そのIDの連携で何らかのインシデントがあるのか。そして後ろに決済手段をひもづけるケースが多いんですけれども、この決済手段との連携において無権限に、その決済者をひもづけていないかというように、いろいろなところで、この不正というものが発生する可能性があるというところでございます。
したがいまして、私ども左側に書いてありますとおり、例えば不正流出カード番号等の不正利用防止対策に関するガイドラインといたしまして、一定程度それを、いいことではないんですけれども、カード番号は漏れている可能性が高いという前提のもとで、どういうような対策をすべきかというものをまとめさせていただいていたり、もしくは下のJPQRガイドラインと書いていますとおり、最近は決済サービスそのものが、決済サービス単独ではなくて複数の、その他のサービスの中に一部の機能として埋め込まれているケースが多く誕生してきておりますので、そのようなシステムを連携するような決済サービスにおいて、どのような対応が必要なのか。
今回まとめたのは、少なくともリスクの検証はしてくださいというようなガイドラインを定めさせていただいております。
また3ページ目のところで、冒頭ご説明がありました補償の事例集というものを私どものほうで公表させていただいておりまして、ふたをあけてみますと、コード決済事業者各社においては、いろいろ責任分担の強度の違いがあるというところがございます。
例えば責任分担においては、いかなる場合でも事業者は責任を負わないような書きぶりのものから、警察への届け出等を正確に行えば補償を行えますよというようなものまで種々ございます。
また補償額に関しましても、1事案/1カウント当たり幾らの上限があるというものから、特別な事情から生じた損害について事業者の免責とするということですね。特別な事情を除けば補償しますというような事業者さんもいらっしゃるというところでございます。
これに関しましては、各社の提供しているサービスであるとかビジネスモデル等々によって、それぞれ違うというところでございます。
最後のページのところでございますけれども、今回、事例集を策定させていただいた、もともとの背景でございますが、基本的には利用者様において、あらかじめ利用するサービスがどのような補償をされるのかというのはしっかり認識していただくことが安心感につながるであろうというところでございます。
他方、私どものほうでは特定の、この補償をしなさいよというところは特段求めておりませんが、少なくとも、その補償、責任分担等に関する規定というものが、いかなる形であれ存在するということが、まずは重要であると考えております。
また無権限取引、右側のほうに2種類の不正取引、無権限取引と書かせていただいておりますが、1つ目の本人の利用者アカウントを、それを乗っ取るというような場合もありますし、または第三者が勝手に知らない間に利用者のアカウントをつくってしまって、そのアカウントから本人の、被害者のクレジットカードが登録されるというようなケースもあって、どのような対応をしていくのかというのは、なかなか一律で定めにくいというところがあるのは事実です。
証明方法もかなり難しいというところもありますので、一律に定めるというよりかは、今回におきましては、私どもとしましては、各事業者さんに少なくとも一定程度補償があると。その強度というよりかは、補償の規定はこういう条件で行うというところを明記してほしいというところを目がけてやっております。
その結果というわけではないかもしれませんけれども、複数のコード決済事業者さんが規程の改訂、公表を行っておりまして、より利用者に寄り添ったような形での規程の改訂が行われていると認識をしております。
私からの説明は以上とさせていただきます。

【神作座長】
どうもありがとうございました。それでは、討議に移りたいと存じます。どなたからでも結構でございますので、ご発言をお願いしたいと存じます。いかがでしょうか。それでは、加毛委員。

【加毛委員】
ありがとうございます。資料1の項目順に、幾つかの意見と質問を差し上げたいと思います。
まず、「1.無権限取引への対応について」に関して、業界団体や事業者に対する意見が3点ほどあります。
第1に、福田参考人も説明されましたが、キャッシュレス推進協議会が公表した想定事例集において、様々な利用規約のあり方が紹介されています。私も想定事例集を拝見しましたが、消費者契約法8条1項に反するおそれの高いタイプの条項が、かなりたくさんあるなという印象を受けました。そのような業界の実態は望ましくありませんので、キャッシュレス推進協議会には、業界団体として、そのような条項を用いないように、各事業者に働きかけることを、是非お願いしたいと思います。
第2に、事業者が提供するサービスの内容によって、無権限取引・不正取引が生じる原因やリスクが異なり得ると思います。それゆえ、一律の規制になじまず、事業者の自主的な対応を促すということには合理性があるだろうと考えます。
ただ、そのことを前提とした上で、業界団体に求められるのは、事業者として望ましい対応、ベストプラクティスといったものを確立していくことだろうと考えられます。そのような観点からの継続的な検討をお願いしたいと思います。
第3に、資料1の2ページの2つ目の丸で指摘されている、利用者に対する情報提供はぜひ積極的に行うべきだと考えます。ただ、この問題に限らず、利用者に対する情報提供一般について、利用者の意識にとまりやすい情報提供の仕方を真剣に検討する必要があると思います。これは情報提供の方法といういわば技術の問題であり、事業者の皆様には、ぜひ望ましい情報提供の在り方に関する検討をお願いしたいと思います。
もちろん、規制当局である金融庁には、事業者にとって不利益となり得る情報について、適切な方法での情報提供がなされることを確保する役割を果たしていただくことになります。
続きまして、無権限取引に関して、福田参考人に2点の質問があります。いずれの質問も、無権限取引が生じる原因やその形態について、議論の前提認識を深めるためのものです。
第1に、資料3の4ページや想定事例集において、コード決済事業者がかかわる不正利用には、2つの形態があることが指摘されています。1つが、本人が利用者登録をした後に第三者がアカウントを乗っ取るなどして不正利用が行われる場合であり、もう1つは、第三者が最初から不正に利用者アカウントを作成し、そのアカウントにおいて、本人のクレジットカードあるいは銀行口座等が登録されて、それらを用いて決済がなされてしまう場合とされます。
このうち、後者の不正利用の類型について、質問をさせていただきたく存じます。ある者のクレジットカード情報、銀行口座情報、インターネット・バンキングのパスワードなどを第三者が不正取得した場合に、それをそのまま使うのではなく、コード決済事業者にアカウントを開設した上で不正利用を行う理由はどこにあるのでしょうか。コード決済事業者を介することで不正取引を行いやすくなるのだとすると、そのようなサービスを提供している事業者の責任が重要な問題になると考えられます。後者の不正取引の類型がなされる原因についてご教示いただければ幸いです。
2つ目の質問ですけれども、想定事例集では、コード決済事業者と利用者の責任負担の問題のみならず、コード決済事業者と金融機関や他の決済関連事業者との責任分担についても、利用規約等で規定が設けられている例があることが指摘されています。そこで、このコード決済事業者と金融機関や他の決済関連事業者との責任分担が問題となる事例として、どのようなタイプの不正利用が想定されているのかについて教えていただければと思います。
以上が、無権限取引に関する意見と質問です。
続きまして、「2.ポストペイサービスについて」に関して、最初に改正の必要性を議論する際の前提となる質問を、事務局あるいは事業者の皆様に差し上げたいと思います。
資料1の3ページでは、現行法下でのサービス提供には3つの方法があるとされていますが、このうち資金移動業の登録と貸金業の登録を受けて行う方法に、どの程度の実務上のニーズがあるのでしょうか。
と申しますのも、現在、経済産業省の割賦販売小委員会で議論されている、新しいタイプの信用購入あっせん業が導入された場合、事業者の多くはそれを選択することになるのではないでしょうか。仮にそうだとすると、貸金業法の改正が果たして必要なのだろうか、との疑問が生じます。もちろん貸金業法と割賦販売法とでは、規制の内容が異なりますので、貸金業の登録でのサービス提供が望ましいと考える事業者も存在するかもしれません。ただ、そのような事業者のニーズが具体的にいかなるものであるのかということを教えていただければ幸いです。
残り時間が限られておりますが、さらに、1点のコメントと2点の質問をしたいと思います。
まず、資料1の3ページで、指定信用情報機関の信用情報の使用義務を維持することが書かれています。このことに反対ではありませんが、その一方で、指定信用情報機関の運用面について改善すべき点がないか、検討を要すると考えます。指定信用情報機関の利用するシステムや技術の水準がおくれているとか、指定信用情報機関の対応時間が短いというような話も仄聞します。指定信用情報機関は、業務の性格上、技術進展の恩恵を受けやすいはずです。それにもかかわらず、指定信用情報機関の技術水準が時代おくれとなっているために、事業者の対応コストが増大したり、新規事業者に対する参入障壁になっていたりするとすれば、それは深刻な問題だと考えます。指定信用情報機関の運用面の在り方につき、検討を要するものと思います。
次に、2つの質問は、いずれも事務局に対するものとなります。まず、経済産業省の割賦販売小委員会では、包括信用能力調査にかわる与信審査のあり方の見直しが議論されています。貸金業法上の返済能力審査は、割賦販売法上の包括信用能力調査とは異なりますが、こちらについても見直すべき点はないだろうかということが気になりました。
2つ目の質問もやはり経済産業省の割賦販売小員会における審議と関係しますが、あちらでは、事業者の純資産要件の緩和も議論の対象とされています。貸金業法上の純資産要件につきましても、その根拠を何に求めるのかが議論の出発点になると思います。この点についてのお考えを教えていただければ幸いです。
最後に、資金移動業の登録と貸金業の登録という方法でのサービス提供に関連して、1つ意見を申し上げたいと思います。この方法でサービスを提供する場合、貸金業における貸し付けの原資をどこから調達するのかが問題となります。もし資金移動業に関して顧客から受け入れた資金が貸金業の貸し付けに回されるということになりますと、これは信用創造を行っていることになってしまいます。そのようなことはされていないのだと思いますが、問題点を指摘しておきたいと思います。
発言時間を超過して申し訳ありませんでした。宜しくお願い致します。

【神作座長】
どうもありがとうございました。何点かご質問もいただきました。まず、福田参考人に対して2つのご質問があったかと思いますけれども、お答えをお願いできますでしょうか。

【福田参考人】
2点いただいております。
まず1点目が、第三者がアカウントを作成して本人のカードを不正利用する場合というところでございますが、これが一番顕著に出ましたのが、2ページ目にあります不正流出カード番号等のというパターンでございます。ある特定のコード決済事業者さんで不正利用者が、その不正利用者のアカウントを作成しましたと。ただ、それに対してクレジットカードの利用をひもづけるわけなんですが、残念ながら、そのクレジットカード及びセキュリティコードの情報というのは、闇サイト等々において普通に売買されている状態にあって、そうなってくると、売買されている他人のカードの情報をそのまま登録するということで、アカウント自体は不正利用者なんだけれども、ひもづいているカードが被害者のものというケースが実際に発生をしております。
2つ目の事例集で、コード決済事業者と、それ以外の責任分担のところでありますけれども、これも似たような話でございまして、例えばインターネット・バンキングへのアクセスコード等々がフィッシングサイト等で流出しているという場合において、コード決済事業者が正しいインターネット・バンキングのアクセスコードを使われて口座振替登録等をした場合において、これは一体誰が悪いのかと。コード決済事業者としては別に何もしていないんだけれども、これはコード決済事業者が悪いのか、それとも銀行。確かに一番悪いのは不正利用している人なんですけれども、ここら辺の責任分解というのは少し考えていかなくてはいけないなと今、考えているところでございます。

【神作座長】
ありがとうございます。加毛委員、追加のご質問等よろしゅうございますか。

【加毛委員】
結構です。

【神作座長】
よろしいですか。それから、事務局に対しても貸金業法上の返済能力審査と純資産要件に関するご質問があったと思います。それでは、まず事務局からお答えいただいて、場合によっては業界のほうから、追加でコメント等いただければと思います。
それでは、事務局よりご回答をお願いいたします。

【守屋横断法制室長】
まず事務局のほうから貸金業法の関係で2点ご質問いただいた件について。まず総量規制の関係。今、貸金業法上は年収の3分の1という総量規制がかかっておりますけれども、ここについて、割販法のほうで議論をされております信用能力調査などの活用について検討の余地はないのかというご質問であったかと存じますけれども、まず総量規制については、当時の多重債務問題への対応ということで、こういった規制入ったわけでございますけれども、今、この規制については有効に機能しているのではないかということがまず1つでございまして、その中で返済能力調査の高度化という部分について、仮に何らか見直すということであれば、具体的なニーズでありますとか、より精緻化できるといった具体像とセットで議論をしていく必要があると考えておるところでございます。
それともう一つ、純資産要件。現行5,000万円以上という規制が入っておりますけれども、こちらにつきましても、当時の多重債務問題への対応、さまざまな業者の問題がございまして、体制整備義務などのさまざまな義務が加重されたところでございますが、こういった貸金業法上の規制をきちんと遵守していくためには、この程度の純資産が必要であろうといった文脈で入ったものと認識をしておりまして、こちらにつきましても、仮にこれを見直すということであれば、その見直しによって、どのようなサービスが提供されるのか、また体制整備義務などはきちんと遵守されていくのかといったあたりとセットでご議論をいただく必要があろうかと存じます。

【神作座長】
審査方法について、実務のほうで何か新しいニーズがあるかというご指摘もありましたけれども、実務のほうから何かご発言ございますでしょうか。丸山委員、お願いできますでしょうか。

【丸山委員】
Fintech協会の丸山でございます。まず、ご質問いただきました実務サイドのニーズというところですが、まさに加毛委員からもお話ありましたが、今のところ事業者としては割賦販売の法制度に関連するもの、要するに、商取引にひもづくようなサービス等でのニーズが非常に多いというのが実情でございます。
ただ、パターンとしてあり得るとすれば、商取引とは関係ない、例えば送金などを行うときに、貸し越しのような、送金しようと思ったけれども残高がないときに少し与信が行われる、こういうようなサービスはあり得るだろうというところでございます。しかし、やはり基本的にはFinTechサイドとしては、キャッシュレス決済を便利にしようとするニーズが多く、そこまで強いニーズが明確になっている状況ではないかなというのが、当協会でのアンケート結果でございます。

【神作座長】
ありがとうございます。ほかに何かございますでしょうか。加毛委員、今の点について追加のご質問等ありましたら、どうぞ。

【加毛委員】
お言葉に甘えて2点申し上げます。
まず、福田参考人にお尋ねしたかったのは、第2の不正利用の類型が生じる原因がどこにあるのかということでした。闇サイトで様々な情報が売買されているのはそのとおりであると思いますが、それらの情報を入手した者がコード決済事業者を利用して無権限取引・不正利用を行うのは何故なのか、その原因を明確にすることがコード決済事業者の責任を考える上で重要なのではないかと思った次第です。重ねてお答えいただく必要はございません。
次に、守屋室長のご説明との関連では、おっしゃるとおり、純資産要件の根拠は体制整備義務などの遵守に求められる、と一般的に説明されていると思います。もっとも体制整備のために純資産要件を課すことが果たして妥当なのかには検討の余地があろうかと思います。より規制の目的の実現に有効な規制の手段があるのではないか、ということが、経済産業省の小委員会では議論されています。この点は、金融庁の皆様は、よくご存じだと思いますので、一応指摘をするというにとどめたいと思います。

【神作座長】
ありがとうございます。お答えいただく必要はないということでしたけれども、福田参考人から何かコメントございますか。

【福田参考人】
簡単にお答えいたしますと、要はクレジットカードの番号は、クレジットカードがある前提で……クレジットカード取引は、クレジットカードというプラスチックカードがある前提で行われているというのが基本的な考え方になっていまして、コード決済にすると、そのフィジカルなカードが使わなくてもクレジットカードでお買い物ができてしまうというところが彼らの目のつけどころというところでございまして、ニーズと言うとあれですけれども、そういったところで、データだけあれば、どうとでもお金が引き出せるというようなところが、狙われる本理由といますか、そういった形になるのかなと思います。

【神作座長】
よろしゅうございますか。
それでは原田委員、お願いいたします。

【原田委員】
ありがとうございます。今の加毛委員のご質問に少しお答えする形になるのかもしれません。資料1の3ページにございますポストペイサービスの、まさに今日の議論、論点だと思います貸金業の登録を受けて行う方法に関連して、幾らか意見を述べさせていただきたいと思います。
まず基本的な考え方についてでございますけれども、少額の利用に限定されたポストペイサービスのこの検討の方向性については、リスクに応じた規制の合理化を図るということで、いわゆる一定の規制緩和の方向で検討を進めていくということに特に異論はございません。
一方で、方向性(案)の1つ目の丸に記載されてございます、先ほど事務局からのご回答にもございました総量規制と上限金利規制でございますけれども、これはスタディ・グループの議論において、メンバーの方から多くの意見が出されてございまして、いわゆる信用供与とされる場合の、この貸金業法を適用する、これを考慮する場合については、この2つの規制は十分に認識した上で検討が必要であろうと考えてございます。
利用者サイドの観点から見ますと、ご案内のとおり、資料2の6ページに一部ご提示はいただいてございますけれども、貸金業法については、資金需要者の利益の保護を目的に、いわゆる多重債務者を生まないと、こういった細かな規制、規定がされてございます。
また、これ以外にも、この2つの規制の遵守を図るべく、手続面において、さらに細かな規定が自主規制規則ないし細則等において定められてございますので、こういったものも検討が必要になってくるだろうと考えてございます。
しかしながら、取り扱う金額が少額であって、いわゆる信用供与の期間が短期ということであれば、この2つの規制も、資金需要者の利益の保護といった部分については、実態としての大きな問題はないかとも考えられます。
ただし、少額の定義でございますが、これは慎重な検討がなされるべきだと考えてございます。たしか最初のほうで5万円といったような金額が出たかと思っています。現状、クレジットカードのキャッシングサービス1回当たりの平均貸出額、たしか3万円から4万円前後だと思っております。さらにローンの専用カードにつきましては、もう少し高い金額であったと思われますので、このような一般的な借り入れと申しますか、課題として挙げられておりますところの経済的に余裕のない利用者、こういったものの資金供与の代替との区別をどう置くのか、この検討は十分になされるべきだろうと思っております。
さらに、割販法でもちょっと出ておりました10万円ともなれば、現在の貸金事業に照らし合わせると、いささか高過ぎるといった感想を持つものでございます。
他方、事業者サイドから見てみますと、総量規制に関する課題といたしましては少し工夫がいるような気がいたします。先ほどの加毛委員のお話でございますけれども、貸金業法の中で考えるのか、あるいは貸金業法の外に出すのかということですけれども、例えば現行の貸金業法の範囲内で対応する場合としては、総量規制の適用除外がございます除外貸付、あるいは例外貸付といった規定があるわけでございますけれども、まさに顧客の利益の保護に支障を生ずることがない貸付けとして規定されてございます例外貸付で例えば大規模災害に適用される、社会通念上、緊急に必要と認められる費用、これが10万円以下、3カ月以内の少額貸付などが許容されてございます。
こういった規定の1つとして新たに制定するのか、あるいは、そもそも貸金業の範囲から除外される貸付けといたしまして、CMSの利便性の向上の観点から、一定条件のもとではございますけれども、企業グループ内貸付、これが貸金業規制の適用除外となっているわけでございまして、事業者サイドの要望といたしましては、このような方向での考えに近いのかなという感想でございます。
ただし、貸金業法の適用範囲の中で考えるということになれば、こういった総量規制の例外貸付とした場合でも、先ほど資料2の6ページにございます、例えば個人信用情報機関への貸付都度の使用義務、あるいは資金需要者への書面交付義務、こういった多くの行為規制があることから、実務上はかなり複雑になる可能性があろうかと思っております。
これは適用除外とされるグループ内貸付におきましても、貸金業登録事業者が行った場合には同様の行為規制がかけられることになってございますので、事業者にとっては、使い勝手としては果たしていいものになるかどうかというのは、いささか疑問も残るところだろうと思います。
一方で、貸金業法とは別の法律、別の枠組みとして整理することになれば、また別の課題も出てくるものと思われます。
例えば、新たな規制の枠組みで登録を受けた事業者と既存の貸金業の登録事業者、これにおいて、先ほどの少額を前提とした、ある意味、同様なサービスと申しますか、一定の信用供与を行う上で、一方は穏やかな規制、一方は厳しい規制が課せられるといったような状況になった場合、既存の貸金業者としては非常に不公平感といったものを受けるのではないかといった感じはいたします。
また既存の貸金業登録事業者が今回の新たな枠組みでの事業に参入しようとする場合については、またその業務の切り分けをどうするかといったところも課題で出てくるかと思います。
最後に、割賦販売法との調整がまさに非常に重要ではないのかなという気がいたします。これは貸金業の登録事業者と割賦購入あっせんの登録事業者の兼業が非常に多い、これが実態となってございますので、先ほどの議論になってございます、この法律をどのように適用していくのか、あるいは適用外としてやっていくのか、こういったものは非常に慎重な検討が必要かと思います。
以上でございます。

【神作座長】
どうもありがとうございました。
続いて與口委員、お願いいたします。

【與口委員】
ありがとうございます。無権限取引の件と、ポストペイサービスの件について発言させていただければと思います。
まず無権限取引についてですけれども、クレジットに関するお話をさせていただければと思います。クレジット取引では無権限取引について、法令ではなく、カード会員契約と言われているもので定めさせていただいております。中身の規定についてはカード会社によって、それぞれ若干異なっておりますが、紛失、盗難等による第三者の不正利用については、ここで言う無権限取引が行われた場合ということになりますけれども、会員の故意または重大な過失がなければ、基本的にはカード会社が損害を補塡するというような形で定められているところでございます。
実際には、カードを知り合いに貸してしまうとか、カードの裏側に暗証番号をポストイットで張ってあるとか、そういう重過失というようなものがなければ、本人に負担を求めるというケースはほとんどございません。普通にご利用いただいていれば全て補塡されているということが現状でございます。カード会員との間でも、ほとんどトラブルというようなものも生じていないのが実態かと考えております。
そういう意味では、損害の補償というもを、消費者がそもそも選択するようなものかどうかわかりませんが、消費者に損害の補償といったサービスを選択する機会を与えるということからも、補償に関して当事者間で明示的に取り決めておくことは当然必要だと考えております。しかしながら、必ずしも法令で統一的なルールを設けるという必要性までは、クレジットカードの実態から考えると必要ないのではないかということを、まずは申し上げたいと思います。
それからもう一つ、ポストペイサービスでございます。ここでお示しをいただいておりますポストペイサービスについては、一定期間の送金サービスを利用代金としてまとめて後で支払うということで定義をしていただいております。仮に割賦販売法でこのようなサービスを行うということになりますと、あらかじめ包括的な与信を受けていただいて、その与信の範囲内で利用してもらい、それを後でまとめて支払うということになるわけですけれども、割賦販売法では、厳密に言いますと、この代金をまとめていつ払うかということによって、割賦販売法の適用になる範囲が違ってまいります。
支払までの期間が二月を超えれば、支払可能見込額調査ですとか書面交付、抗弁接続、こういった全ての関係する法規が適用されることになりますし、二月を超えなければ、クレジットカード番号等の適切な管理、あるいは加盟店管理といったようなものは求められますけれども、それ以外の規定は、適用されていないということでございます。
割賦販売法に関する今回の割賦販売小委員会で議論されている、少額、低リスクな後払いサービスについても、この二月を超える取引ということを前提に議論が進んでいると認識をしております。
過去の経済産業省の審議会では、この二月を超えない取引についてはリスクが小さいということで、規制の対象範囲が限定をされてきたという実態がございます。
ここで今回、ポストペイサービスの規制を検討するに当たって、横断化法制の観点から議論をしているということですので、機能、リスクを、比較した上で同じであるということであれば同じ規制ということですし、もし今回の貸金と送金との組み合わせで行うポストペイの内容が、割賦販売法でやるときとは大きく違ということであれば、その部分の規制が違って当然ということになりますけれども、この辺のバランスについては慎重にご議論いただきたいと考えておるということでございます。

【神作座長】
どうもありがとうございました。
続きまして萩原委員、お願いいたします。

【萩原委員】
ありがとうございます。討議資料に沿ってコメントさせていただきます。
まず無権限取引につきましては、検討の方向性のとおりでよいのではないかと考えております。
その上で、追加対応すべき点として2点だけ申し上げます。
1つは、トラブル発生時の受付窓口を設置する必要があるのではないかということです。
2つ目としましては、当局が定期的にモニタリングし再検証することが必要なのではないかということでございます。 続きまして、ポストペイにつきましては、先ほど加毛委員からもご指摘がございましたが、資金移動業と貸金業を兼業する場合、お客様の送金資金の貸付利用を禁止するということは明示すべきだと思っております。これは以前から申し上げているとおりでございます。貸付原資は別途調達されるべきだと思います。
続きまして、資金移動業に対する規制について申し上げます。最初に保全のところでございますが、保全のタイムラグを短縮化することについて検討するという方向性には非常に賛成しております。常時全額保全の実現に向けまして、あらゆる可能性を検討していくべきでございまして、これは高額送金に限らず、やるべきではないかと考えております。
続きまして、第1類型について、第1回のワーキング・グループの際に、決済リスクの連鎖を防止する観点から3点申し上げました。1つが常時保全、2つ目として破綻時の制度整備、3つ目として当局モニタリングでございます。
今回、この2つ目の破綻時の制度整備について論点として挙げていただいていると思っております。決済システムの連鎖というのは、送り手と受け手が認識しているだけでは防げないと考えております。
例えば送金人Aさんが受取人Bさんと資金移動業者を利用するということで合意していたとしても、Bさんから手形を受け取っているCさんは、こうしたことは分からないわけでございます。Cさんは善意の第三者でございますが、AさんとBさんとの間の資金の目詰まりによって、Bから受け取った手形が落ちず、それによりましてCが振り出した手形もショートすると。いわゆるBも不渡りを出しますがCも不渡りになり、CからD、DからEと、善意の第三者間で連鎖するということになると思います
つまりは、全額保全と破綻時の迅速な処理というものがセットにならないと、こうした事態は防げないと考えております。
シンガポールがこうした事態をどのように防いでいるのかは存じ上げませんが、日本の決済システムの中で、善意の第三者であるCさんや、それに連なるDさん、Eさんを守らなくてよいのか。こういった論点は、イノベーションと比較する話ではなく、日本の企業間決済のシステムをどう位置づけるのか、そういう議論だと認識しております。
いわゆる破綻する蓋然性は低いというご指摘もあると思いますけれども、本件は発生確率は低いですが、発生したらインパクトの大きいテールリスクの話だと認識しております。いわゆる何メートルもの高い堤防があるから津波対策は考えなくてもよいということにはならないのと一緒でございます。
銀行の規制を完全にコピーする必要はございませんが、何らかの制度は必要なのではないかと考えております。
最後に、本日の討議資料には記載がございませんが、資金移動業における資金滞留について、こちらについては改めて時間を設けていただいて、しっかり議論させていただきたいというお願いでございます。
もともと2009年のパブリックコメントでも、送金に無関係に資金を預かることは実質的に預かり金に該当する旨、明示されているところでございます。第1回のワーキングで私のほうから、第2類型の100万円以下の部分も為替との関連性を検証すべきとコメントをさせていただきましたところ、事務局からは、「全く送金に関連性がない資金を預かってよいというわけではありませんと。100万円以下であれば、現行法令上、1回の送金で送れるので、関連性の推認が強く働き、高い確率で為替取引に関連するだろうと推察される」というご回答をいただきました。
1つの考え方として、そのような考え方を否定するものではございませんが、実態として、ほんとうにそうなのか。これまで滞留しない前提で制度設計されていた資金移動業の制度で、既に10億円の滞留の事例もあることが判明していることを踏まえますと、実態に即した議論をすべきではないかと考えている次第でございます。
また現在、資金移動業への給与の振り込み、いわゆるペイロールカードの話もございます。給与は通常、100万円以下の方が大多数だと思いますが、給与全額を送金に使用する人は皆無だと思います。そう考えますと、第2類型の口座に、送金に関連が全くない資金が入っていることになります。これは法の趣旨からすれば、当然すぐに資金移動業者の口座から移動させることが必要になると思いますが、為替との関連性を検証していなくて、ほんとうにそういったことができるのでしょうか。
資金移動業における資金の滞留についてどのように扱うのかということを、正面から議論するタイミングに来ていると思いますので、時間をとって議論していただくことをお願いする次第でございます。
以上です。

【神作座長】
どうもありがとうございました。
続いて小木曽委員、お願いいたします。

【小木曽委員】
済みません、資料に沿って発言させていただきます。
最初、無権限取引の対応についてですが、まず我々のスタンスを申し上げます。資料1の1ページ目の「検討の方向性(案)」の1個目について、「統一的かつ網羅的」というのはなじまないと思っております。この点については、2つ目の方向性を支持いたします。「多様性」、「柔軟性」、「自主性」ということを何回もキーワードとして我々申し上げてきましたが、そこをキーワードにすべきだと思っております。
補償方針、補償内容についても、いろいろなやり方があると思うので、そこを重視したやり方をお願いしています。
資料1の2ページ目になります。2ページ目に方向性案の3つ目として、「利用者に対する情報提供事項」というのがありますが、今はデジタルファーストの時代で、政府全体でもデジタル化を推進していくということになっていますので、念のため申し上げますけど、例えばICカードの券面に印字をしろという話をここで想定をされているとすると、時代にも逆行しますし、イノベーションを阻害することになりますので、この点も自主性を重んじていただければと思います。
それから、ポストペイのところについてです。これは従来から過剰与信の問題について、これもずっといろんな議論がありまして、過剰与信の防止の話は非常に重要だと思っております。
この中でポストペイについてどういう制度設計をするのかというところについて、ニーズなど、いろいろ考えながら検討していくべきだと思っておりますが、ちょっとそれは一旦脇に置いておいて、そもそもゼロベースで考えたときに、過剰与信防止という観点から、今、総量規制とか上限金利規制というのを入れています。ですが、今までの歴史としては、たまたまそうだったというだけでありまして、ほかの方法が今後絶対あり得ないかどうかというのは、また別の議論があり得ると思うし、早晩そういう議論も出てくるのではないかと思っております。
誤解しないでほしいのは、過剰与信防止策が要らないという意味ではなくて、過剰与信防止をするための方策というものが、テクノロジーによっていろんなやり方が出てき得るのではないかということを議論させていただきたいと思っています。
それをどういう時間軸の中でやるかというのは、また別の議論だとは思いますけれども、そういうことを一応、テイクノートさせていただきたいと思います。
それから最後、資金移動業のところでございます。まず方向性としては、この資料1の6ページにありますけれども、「第1回の討議を踏まえた検討の方向性(案)」として2つ方向性が書き分けられていますが、我々としては6ページの最後に書いてある1点を支持させていただきます。
あと、これはそもそも論の話をさせていただきますが、リアルタイムというのは理想なのかもしれません。ただ、さまざまな規模、ビジネスモデルがある中で、資金を保全する側、それから保全される側、受け入れる側も、果たしてリアルタイムが現実的に可能なのかどうかというのは、これは、もうちょっとよく見たほうがいいのかなと。要するに、実装できるのかどうか、ワークするのかどうかというところの点の見極めは非常に重要かと思っています。
高額類型以外の類型も、まずは保全方法というのも多様化して運用してみないと、今の枠組みの中で期間短縮がほんとうに容易なのかどうかというところを検証する必要があると思っています。
イノベーションと利用者利便が相反するという考え方がありますが、我々は全くとっておらず、イノベーションを通じて利用者保護にもなるし、利用者の利便が高まると思っています。必ず対立する軸ではないと思っております。
なので、ここについても、最初に申し上げましたように、さまざまな参入する主体が出てきまして、その中での競争が起こっていくことで、全体として、よりよい金融市場というものが生まれていく。そういう視点で、どういう知恵出しができるかというところで、その知恵出しの一環として、この6ページの最後のものは非常に知恵が出されているということで、大きく支持させていただきたいと思います。
以上です。

【神作座長】
どうもありがとうございました。
それでは舩津委員、お願いいたします。

【舩津委員】
ありがとうございます。無権限取引、ポストペイ、それから資金移動業について、それぞれ申し上げたいと思います。
まず無権限取引についてですが、当面の対応ということで、事業者による自主的な対応を促すことが適当とも考えられるということで、それはやむを得ない部分があるのかなと、取引の構造とか複雑性とかを考えますと仕方がないのかなという気はします。
また、加毛委員からもありましたけれども、情報提供等をどんどんしていくべきだということも全く異論はありません。
ただ、情報提供が一体どういう機能を果たすかということを考えた場合に、これは私の単なる消費者としての感想かもしれませんけれども、現状、その情報提供を受けたことによって何らかのサービスが淘汰されるといったような形にはなっていないのではないかということを考えます。利用者に対して無権限取引がこうなっていますよ、だから、じゃ、この業者はやめようという形の選択の基準になっていないのだとすれば、必ずしもいいものが残るとは限らないということかと思います。
そういたしますと、むしろ自主的な対応としても、やはり何らかの形で業界の団体等で推奨のルールをつくって考えていただくというようなことが重要なのではないかと考えます。その上で、やはり無理だということであれば立法で対応するという形で考えるべきであると考えますので、当面は事業者による自主的な対応を促すということの、当面はというところを強調すべきではないかと私は考えております。
2点目は、まず少し事務局にお伺いしてから私のコメントを申し上げたいのですが、ポストペイサービスについて、丸山委員から貸し越しというような話があったかと思います。ポストペイについては定義上、当然のことながら前払式支払手段というのは含まれないことにはなると思うんですけれども、現行の定義に拘泥するのもよくないと思いますので、前払支払手段の電子的価値といいますか、支払可能金額と資金決済法では言うんでしょうか、それの貸し越しといったものをする場合に、現行法上はどういう規制がかかるのでしょうかというご質問です。
とりわけ貸金業の規制がかかるのかどうかという点について、まずお伺いできればと思います。

【神作座長】
この点について、事務局からお答えをお願いいたします。

【岡田信用制度参事官】
これ、先ほどご紹介した3類型のうち、資金移動業と貸金業の組み合わせというものをご紹介したと思うのですけれど、その貸し越しというのは、まさに貸すということで、貸金業の規範が及びます。具体的には、ごく一部の業者さんで、そういう実例ありますけれど、前払い、資金移動業の口座に入れるお金を、同じ会社が運用している貸金業としてお貸しすると。例えば1万円チャージする額を、普通だったら銀行口座とか現金で入れるところを、貸金業者としての同じ業者が貸してあげますといって入れると、そういうことで。だから、貸す部分には貸金業法の規範がかかるということが前提になっています。

【舩津委員】
ありがとうございます。

【神作座長】
以上のご回答を前提に、どうかご質問とコメントを続けてください。

【舩津委員】
ありがとうございます。以前、前払式支払手段を流通させるかどうかという話があったかと思いますけれども、その点とも関係してくると思うのですが、前払式支払手段がなぜ譲渡していいのかという話になってくると、それは資金移動業じゃないかと私は思うわけですけれども、おそらく譲渡してもよいという立場であるとすれば、為替取引ではないという整理にならざるを得ないということかと思います。
そうしますと、前払式支払手段で用いられる価値の移動というのは、資金の移動ではないということになると。
そうしますと、何といいますか、単純にその残高を貸すという作業をするだけであれば、それはまさに資金は貸していないということになるのではないかと、何となく素人考えでは思うわけです。
繰り返しになりますけれども、これは前々回申し上げましたとおり、資金移動と前払式支払手段との規律の差異をどこまで所与のものとしてやるかということに依存しますけれども、これまでの討議資料での事務局提案を前提としますと、実は単なる価値の貸借ということで、前払式といいますか、言い方が難しいんですけれども、そういう価値の貸借という構成を取れば、実は貸金業の規制を免れてしまうのではないかという気がしまして、そのあたりが少し気になったということでございます。
ただ、もちろんそれはおかしいんだというのが、おそらくは規制当局としての立場であろうと思いますので、そうであるならば、やはりそのような形で、前払式支払手段で用いている価値というものとポストペイにおいて用いられる価値とは一体どういうふうに違うのだというような、かなり概念的な学者的発想かもしれませんけれども、そのあたりの概念整理はきちんとしておいたほうがいいのかなと思いました。
いずれにせよ、規律の曖昧な範囲をなくして、例えば少額与信を簡素に行えるという規制緩和はあり得てよいとは思います。それはスタディ・グループの、たしか立場でもあったかとは思います。
ただ、スタディ・グループのときにも申し上げましたけれども、FinTech事業者を念頭に少額与信の規制緩和をした場合に、本格的な──本格的なという言い方はおかしいかもしれませんけれども、大がかりな消費者への融資のほうにシームレスにつながるというような形は、やはり消費者保護の観点からは問題であろうと考えられます。
仮にですが、例えば規制緩和として、貸金業法の外で何か別枠の融資のようなものを考えるという方向でいくとするならば、例えばですけれども、むしろそれと引きかえに、貸金業の兼業制限といったものを設けるというような発想もあり得ていいのではないかという気がしております。
以上がポストペイでして、最後、資金移動業のところですが、4ページ目です。これは簡単に申し上げますが、前払式支払手段と資金移動業の監督規定がそろっていないという点につきましては、私はやはり、繰り返し申し上げておりますけれども、この2つは、かなり機能的には近いのではないかと考えております。汎用性を獲得する電子マネーだといずれも考えた場合には、どうしても機能の同質性は否定できないと思いますので、やはりそれぞれが単独で営んでいる場合であったとしても、それぞれ同じ監督規定に服するべきであるし、むしろ前払式支払手段も汎用性が高い以上、かなりの経済的なインパクトがあると考えると、しっかりと監督をしていくというような形での規律が必要になってくるのではないかと感じました。
私からは以上です。

【神作座長】
ありがとうございます。事務局よりコメントがございましたら、お願いいたします。

【岡田信用制度参事官】
とりわけポストペイのところの前払式のところなんですが、資金移動業と前払式支払手段への規制というのは、おそらく資金ないし価値の移転というものをするときに、保全とか、場合によっては本人確認によるマネロンの防止とか、そういったものの法目的を達成する必要があります。他方で貸金業のほうは、多重債務の発生を防止するという別の法目的ですので、解釈論上の整理はあるにしても、前払式支払手段にチャージするような局面でのローンをしている場合に貸金業登録が必要ないというような解釈というのはとっていないと思います。その点だけ、ちょっとコメントさせていただきます。

【神作座長】
よろしいでしょうか。
それでは、続きまして岩下委員、お願いいたします。

【岩下委員】
どうもありがとうございます。これまで各委員のお話をお聞きしておりまして、私の考えが十分に整理されてきた部分もありますし、これについてはちょっと違うかなと思う部分もあります。
最初に私が思いましたのは、そもそも、なぜこういう議論を我々はしているんだろうかという。またまた、そもそも論をしてしまうんですけれども。というのは、これ海外では多分、こういう議論しないと思うんですよ。どうしてかというと、銀行がクレジットカードを出しているからですね。銀行業とクレジットカード産業が別の産業であるというのは、世界広しといえども多分、日本だけです。韓国は、それに近いかな。
このサービスは銀行業である、これは資金移動業である、これは割販法に定める割賦販売事業者であるけれども、これは二月以内だから規制の対象はどこもかからないのであるみたいな、そういう不思議な体系になっているのは、およそ日本だけであるということを、まず我々は認識するべきだと思うんですね。
その上で、今回は、せっかく決済法制を何がしかの意味で考えていこうという話なわけですから、その決済というものというのは、もちろん銀行がとり行う決済のほかに、さまざまなイノベーションによって新しいものができてきたわけですので、そのイノベーションを積極的に取り入れつつも、全体として、ある程度整合的なものにしなくちゃいけない。ところが、あるものはこの法律で、あるものはこの法律で、その法律の細目を見るとこういうルールになっている、別はこのルールになっている、こことここは違う、だから合わせていこう、でもここはという部分を延々繰り返していくというのは、あまり生産的ではないように思うんですね。
本来あるべき姿を考えれば、海外と同じように銀行が本体でクレジットカードを発行するなり、あるいはその他、さまざまな決済の業務を行うものを、ある程度統一的な法制で規定、規制するというほうが、ある意味自然です。欧州の決済サービス指令(PSD2)の中で、これはプリペイドで、これはポストペイだから違うディレクティブを使いますという話は聞いたことがないですから。
そういう意味では、我々は既存の法律面のレガシー、制度面のレガシーを引きずって、いろんな検討をしなくちゃいけなくなっています。それは、法律の生産性でもそうですし、各事業者さんの生産性という意味も大変困ったことが起こっています。
もう一つ、先ほど小木曽委員から、イノベーションによって利用者の利便性はむしろ高まる面があるというご指摘があり、それには賛成なんですが、多分、イノベーションは確実に利用者の理解度には大きなダメージを与えているように思うんですね。さまざまな新しい決済手段が提供されるようになり、既存のさまざまな法律の制度を組み合わせて使うようになった結果、一体これは、自分は何をしているんだろうかということが、個々の消費者に果たしてわかるでしょうか。
セブンペイで支払いを行ったときに、実は裏でチャージが行われて、そのチャージは、実は割賦販売法のルールに基づくんだけど、でも実際にはマンスリークリアだったりなんかすると、それは規制対象じゃありませんみたいな話になると、消費者は何によって保護されているのかというのはわからないと思うんですね。
そこは消費者に対して丁寧な説明をといっても、これもまた、個々の法律に基づいて丁寧に丁寧に説明すればするほど、消費者はますますわからなくなるので、ここは何かいろんな意味で、対消費者へのわかりやすさという意味でも、この制度の仕組みという意味でも、いろんな工夫が要る世界だなと思います。  その上で、とりわけ、本日の各テーマのうちの最初の無権限取引ですが、この無権限取引について、我々がやっぱり思い起こさなくちゃいけないのは、2003年から2004年にかけて起こった銀行の磁気ストライプカードに対する偽造カード事件であります。あのときの被害額は、今から考えれば、たかだかと言うと怒られてしまいますが、数億円。最初、たしか2003年は3億円とか4億円の被害だったと思います。2004年が10億円に達したんだと思いますが。  例えば今年と去年、クレジットカードの不正利用によって発生している無権限取引は100億円を超えていると言われています。その意味では、それと比べて、相対的に小さかった被害に対して、非常に大きな社会的反響があり、最終的には偽造カード預貯金者保護法という法律が成立して、ありとあらゆる責任は銀行にあるのだと、そういう形の内容の法律ができてしまったわけですね。最近は幸いなことに、あまり偽造キャッシュカードの犯罪はないようですが、仮にそういう犯罪が発生すれば、銀行は全ての責任を負う形になっているわけです。
そう考えると、今回、例えば何とかペイ事件、次に何とかペイ事件みたいのがいろいろ起こりましたけれども、でも、そういうものがもっと続いていったら、これは同じような議論になりかねないんじゃないか。その意味で我々は、この無権限取引について、もうちょっと、それをほんとうに防ぐためにはどうすればいいかということを真剣に考えるべきだと考えます。
その意味で、これまでの制度に基づいた、このルールがこうです、ああですという話を多分している余裕はあまりないと思います。かといって、統一的かつ網羅的なルールを策定することは、それは無理なんですね、現時点ではもう業種が違いますから。無理なんですが、何らかの形で統一的、網羅的にチェックをする仕組み、誰かがこれを見ている仕組み、これは多分必要で、こんな被害が起こっていますよ、だから皆さん気をつけましょうということを、これは各業界でばらばらにではなくて、およそ決済にかかわるもの全体として、これをやっていく仕組みが必要なのではないかということを、非常に強く感じた次第であります。
もう一つは、本日の最後の議論のところにある、果たして資金移動業の中での所要自己資本や、あるいは預金保険云々という話がありますが、これについては当然、最初の回に、銀行業のコピーとして決済業つくる必要はないということを申し上げたわけですけれども、先ほど萩原委員からペイロールカードはどうなんだという話があったわけです。
ペイロールカードの問題は、これ僕は非常に深刻な問題だと思うのは、確かにペイロールカードというのは、基本的に資金移動のためだと私は思っています。その後、大体すぐにATMで引き出しちゃいますからね。ただ、そこに一旦ためられるかもしれない。それはそのとおりなんですよ。ただ問題は、なぜそういうことしなくちゃいけないのか。
銀行が普通に、訪日した外国人に対して預金口座を提供できれば、こんな議論にはならなかったはずだし、厚生労働省だって、ペイロールカードを認めましょうなんて議論しなくて済んだはずですよね。現金あるいはそれに準ずるものでしか、労働基準法は給与の支払いを認めていないわけですから。それは非常にクリアな論理なのに、でも、それができないのはなぜかというと、まさに外国人に対して給与を支払えないから困ってしまって、ペイロールカードという話になっているわけなので。
そこを何がしかの形で抑制するという形になると、結果として、それ、じゃあ外国人に対しては現金で払うしかないんですかという話になる。それはお互いに大変効率が悪いので、それは何とかしたほうがいい。そういう部分についてもきちんと、どういう目的のためにそれをやっていて、それは、そのために何が、新しい技術なり制度なりが使えるのかということを考えた上で対応したほうがいいのかなと思った次第です。
以上です。

【神作座長】
どうもありがとうございました。
続きまして坂委員、どうぞ。

【坂委員】
ありがとうございました。無権限取引への対応と、それからポストペイサービスについて主に述べたいと思います。
まず無権限取引への対応ですけれども、消費者契約法との関係では、消費者契約法10条も問題になると思います。民法上、無権限取引の責任を利用者本人に負わせるには、債務の弁済については準占有者の弁済、法律行為については表見代理が成立する必要があると思いますけれども、利用規約がこれらと比べて利用者の利益を一方的に害する内容の場合には無効となるということと思います。
準占有者の弁済、改正民法では受領権者としての外観を有する者への弁済ということになろうかと思いますが、これについては判例上、事業者側が機械払いシステムの設置管理の全体について、可能な限度で無権限者による払い戻しを排除し得るよう注意義務を尽くすことが必要とされていると思います。それから表見代理については、利用者の帰責事由が必要となります。こういったことを検討する必要があろうかと思います。
消費者契約法上の無効の規約については、これは早急に是正される必要があると思いますけれども、無権限取引への対応が、民法ないし、それに準ずる水準で十分かどうかは検討が必要と思います。キャッシュレス推進と、それからセキュリティー対策におけるイノベーション促進という政策目的の観点からは、充実した補償規定が、あらかじめ統一的かつ網羅的に策定されることが望ましいと思います。
サービスが多様であるというご指摘ありましたけれども、責任規定を定める場合には、比較的シンプルな形で統一的かつ網羅的に策定することも、あるいは可能かと思います。
現状、攻撃側の手口が高度化する中で、サービス提供側の対応水準がさまざまであって、無権限利用は現に繰り返し起こっております。こうした中で、補償の水準がさまざまであり、わかりにくいことは、利用を遠ざける要因となります。実際、安全面の不安から利用をちゅうちょする声も聞かれます。これに対して、例えば預金者保護法に準ずる補償制度が統一的、網羅的に策定されれば、利用者は安心してキャッシュレスの利用を拡大することができると思います。
このような規律は、事業者側に無権限取引対応のイノベーションを促すインセンティブを強めるという面もあると思います。無権限取引防止が国際的にも重要な課題であるということに鑑みますと、高目のハードルを設けてイノベーションを促進するという視点も必要と思います。
欧州の規律では、利用者は盗難、紛失、不正利用等の場合、故意、重過失がない限り、責任が50ユーロに限定されるということになっていると思います。こうした責任分担の規定とともに、事業者が原則として強力な認証手段の仕組みを設けるということも求められております。このようなあり方も含めて検討すべきかと思います。
他方で、現状、事業者において自主的な取り組みが進められているということであれば、当面これを尊重するという対応もあり得ると思います。この場合、無権限取引の対応方針が利用者にわかりやすく情報提供されることは不可欠であると思いますけれども、さらに各事業者の対応の比較が一目瞭然の形で利用者に提供されるということも必要かと思います。
それから無権限取引の対応は、前払式支払手段、資金移動だけではなく、収納代行、クレジット等々においても課題となるところと思います。
また無権限取引への対応と表裏の関係であるセキュリティーについては、分業が発達しているクレジット分野でカード番号等取り扱いに関する制度が先行して整備されているところと思います。
さらに制度とともに、コンピューターシステムの合理化や効率化という技術的な観点からの検討、対応も必要かと思います。
次にポストペイサービスについてですけれども、デジタル化の進展とともに、与信審査等で新しい取り組みが行われる他方で、過剰与信の入り口となるリスクも高まっていると思います。新しい取り組みの適切な発展のためにも、過剰与信防止のための基本的な枠組みを堅持するということは、これは極めて重要だと思います。
先ほど少額の部分について緩めることはどうかというご意見があったかと思いますが、貸金業法の改正当時の議論においても、少額あるいは短期の貸し付けについて特例を設けることについて議論がされました。この点については、脱法や濫用の懸念が大きいということから、こういった制度は設けないこととされた経緯があると思います。複数の事業者が少額短期の貸し付けを順次行うことや、同一の事業者でも短期契約の借りかえを繰り返しすることによって、実質的に趣旨に反する事態や脱法・濫用が起こるということはあり得ると思います。デジタル化によって形を変えて、こうした事態が生じるおそれは高まっているのではないかと思います。
したがいまして、少額短期のところも含めまして、過剰与信防止のための制度を緩和するということについては、強く反対したいと思います。
以上です。

【神作座長】
どうもありがとうございました。
続いて長楽委員、お願いいたします。

【長楽委員】
日本資金決済業協会の長楽と申します。発言の機会をいただき、誠にありがとうございます。
最初に、討議資料1ページの無権限取引が行われた場合の責任分担等に関するルールについて、「あらかじめ統一的かつ網羅的に策定すること」について、協会事務局として意見を申し上げます。
前払式支払手段は、無記名性が商品特性であり、本人情報を取得せず、カードを所持している者を正当な権利者として扱い、所持者以外の正当な権利者を特定することが想定されない場合が多いです。
また、仮に記名式または本人認証情報等を取得している場合であっても、証明書の提示を求めることなく申告情報である場合も多く、真の権利者を特定するのは困難であり、無権限取引が行われた場合の責任分担等のルール化を求めることは困難と言わざるを得ないと考えます。
資金移動業者についても、そのビジネスモデルは多種多様であり、各事業者が提供する送金サービスごとの利用金額、情報セキュリティの程度等によってリスクの内容や程度は異なることから、無権限取引が行われた場合の責任分担等に係るルールを一律・画一的に定めるのは困難と考えます。
以上に加え、前払式、資金移動の特徴として、別途チャージが必要なことが挙げられます。すなわち、利用に当たっては、別途、銀行口座からの振込みやクレジットカードと紐づけて入金することが前提となっています。
よって、無権限取引の態様も、前払式や資金移動のIDやパスワードが無権限者によって悪用される場面に加え、その入金手段である銀行口座やクレジットカードについて、無権限取引が生じたことにより、前払式、資金移動サービスが不正にチャージされて利用される場面も想定されます。
このように複数の決済手段が連携される場合には、原因によって法的な補償を行うべき主体や要件も異なり、かつ、各決済手段の提供主体間での責任分担も各社の契約に委ねられることになります。
以上を踏まえますと、現時点においては、各社のビジネスモデル等に応じた自主的な取組を促し、より進展させる観点からも統一的かつ網羅的なルールの策定を求める必要はなく、各事業者のリスクに応じた自主的な対応に委ねるべきと考えます。
次に、討議資料2ページの利用者に対する情報提供事項に、「無権限取引が行われた場合の対応方針」を追加することについて、協会事務局として意見、要望等を申し上げます。
先ほど申し上げたとおり、前払式支払手段については、申告ベースでの情報しか持たない事業者が補償対象とすべき真の権利者を特定する要件は、個別具体的な事例をもとに各事業者が判断せざるを得ず、あらかじめ詳細に定めることは困難と考えます。  また、資金移動業者のビジネスモデルも多種多様であり、提供する送金サービスごとに、そのリスクの内容や程度は異なり、無権限取引が行われた場合の利用者の重過失・過失に係る判断要素もさまざまです。
さらに、複数の決済手段の連携を前提とした場合には、連携先との責任分担を踏まえた要件の設定が必要となり、やはりルールのあらかじめの策定には困難を伴うものと考えます。
このように資金決済業者の特性や事情を踏まえますと、無権限取引が行われた場合の対応方針に関する情報提供については、画一的な内容や方法ではなく、事業者の提供するサービス特性に応じ、利用者にとって目につきやすい場所やアクセスが容易な方法で、かつ分かりやすく情報提供することが重要と考えます。
そこで、事業者の自主的かつ多様性のある対応を促す観点からも、まずは、事務ガイドラインにおいて、例えば、「無権限取引が行われた場合の対応方針について、各社の提供する送金・決済サービスの特性に応じ、自社のホームページ等において利用者に分かりやすく情報提供しているか。」と規定することなどにより対応できないものかと考える次第です。
さらに事業者の自主的な取組を後押しするための、協会事務局としての今後の取組方針について申し上げます。
協会事務局は、会員に対し、これから述べます3点について、自社のビジネスモデルやサービス内容を十分に踏まえ、再度、不十分な点がないかなど自己点検し、問題が認められた場合には、自ら改善していくことを求めることとします。
1.提供する送金サービスや決済サービスの内容等に鑑み、第三者により不正取引に利用されるのを防ぐのに十分な情報セキュリティ管理態勢となっているか。2.不正利用された場合の利用者との責任分担等について定めた利用規約等の規定があるか。また、その内容が消費者契約法等消費者保護に関する法律の規定に照らし問題がないか。3.利用者に対し、不正利用のリスク及び利用者自身が行うべきセキュリティ対策、並びに不正利用された場合の対応等について十分な注意喚起や説明ができているか。
3点目になりますが、討議資料5ページの「利用者資金の保全方法」について、協会事務局として意見を申し上げます。
利用者資金の受入れから保全までの期間の短期化は、事業者の事務負担の増加につながるものであり、事業者において、コスト負担等を勘案し、供託、保全、信託の3つの方法や併用が容易に選択できることや保全対応が支障なく確実に行えることがその検討の前提となると考えます。
利用者資金の保全方法は、法務局への供託が多く、保全契約も一定程度あり、信託契約は極めて少ない状況にあります。供託については、法務局が実務上供託の短期化に対応できるのか十分な確認が必要であり、保全契約も金融機関の事務負担を要することから同様の確認が必要であり、信託契約は利用を妨げる要因を把握し解消することが必要と考えます。
最後に、討議資料6ページの「「高額」送金を取り扱う事業者(第1類型)への対応」について、協会事務局としての意見を申し上げます。
100万円相当額を超える送金に対する利用者ニーズが存在することを踏まえ、銀行業と現行の資金移動業の間に新たな類型を設け、銀行送金以外でも幅広い送金を可能とし、新規事業者の参入とイノベーションの促進を促し、柔軟で利便性の高いサービスを実現するため、「高額」送金を取り扱う事業者の創設がとりまとめられたものと理解しております。
第1類型は、「高額」送金に対する利用者のニーズに応え、利用者資金の全額保全を前提として利用されるものであり、新規参入やイノベーションの促進につなげるためにも、銀行と同じような規制等の整備を求める必要はないのではないかと考えております。
以上でございます。ありがとうございました。

【神作座長】
どうもありがとうございました。
続きまして後藤委員、お願いいたします。

【後藤委員】
どうもありがとうございます。それでは、無権限取引の話と資金移動業のところについて、少しずつコメントをさせていただければと思います。
まず無権限取引についてですけれども、当初は、この提案のとおり、業者の自主的な対応にまずは任せるということでもよいのではないかなと思ってもいたのですけど、皆様のご発言を聞いているうちに少し考えが変わったところがありまして、それを踏まえて発言をしたいと思います。
まず、岩下委員がおっしゃっておられましたように、この点について、やはり明確なルールがあることは必要であり、最終的にはそれが目標になることは間違いないかと思っております。ただ問題は、その明確なルールとは何かというところでございまして、銀行の偽造カードや、またそのカード情報の盗難などによって行われていた無権限取引と比べると、新たな決済サービスにおける無権限取引は、その態様がもっと多様でありうるという違いがあり、その点で偽造・盗難カードに関する預貯金者保護法のようなルールを定めることは困難かもしれません。
もっとも、抽象的に申しますと、これは決済システムの安全性の向上に関する業者側のインセンティブを確保すると同時に、IDやパスワードなどを適切に管理する利用者側のインセンティブを設定するのが目的になるとは言えます。そうしますと、坂委員から民法478条への言及がございましたけれども、民法478条は、基本的に債務者側の過失しか問題にしておりませんので、債権者側である利用者のインセンティブをコントロールできないという点で、やはり不十分であり、この民法478条にペッグした形で消費者契約法を適用するというのでは不十分にならざるを得ないと感じております。
そうすると、不正利用について事業者側に何らかの過失があるのであれば事業者が責任を負うのだけれども、利用者側に過失がある限度において、過失相殺が行われるというのが一般的なイメージかなと思います。それを、政治的な決定によって、具体的な数値に落とし込んだのが偽造・盗難カードに関する預貯金者保護法だと思うのですけれども、ここでの議論の対象となっている新たな決済サービスについては、やはり現在の多様な状況ですとか、また技術が日々進歩していることからは、同じレベルで具体的な規定を置くことは難しいというものがあるように思います。現時点では、理念としては、両方が適切なインセンティブを持つように設計する必要があり、そうすると、業者側が一切負わないというのもだめだし、利用者側が負わないのもだめだということはクリアにしておいてもいいのではないかなと思っております。
また、一切責任を負わないという、明らかに消費者契約法違反になるような約款を置いている業者に対しては、開示するということも重要なんですけど、開示を契機にそれを摘発して、金融庁が適切に業務改善命令を打っていくということを考えてしかるべきなのではないかなとは思っております。
もう1点、資金移動業のほうでございますけれども、こちらについては初回に欠席をしましたので、そのときのニュアンスなど完全に掴めてはいないのかもしれないのですが、いろいろ悩ましい問題があるように感じております。
例えば5ページの一番下のほうで、事業者が保全額を任意に流用できない仕組みであることが重要であるというお話がございまして、これに関連して、例えばポストペイなどの場合にも、どうやって資金を調達するのかというところが問題となってくるというご指摘が、たしか加毛委員からあったように記憶しております。
この流用という言葉を使うと、非常によくないことが起きているようにも聞こえるのですけれども、見方を変えますと、銀行は預金者から受け入れた資金を流用して貸し付けに回しているとも言えるわけです。これは、それによって信用創造を果たしているわけであって、それによって取り付け騒ぎが起きるのを防ぐために預金保険制度があるのだとしますと、結局問題は、取り付け騒ぎとか、システミックリスクが発生するのを防ぐために、どうやって資産を保全するかということになってきます。そうしますと、逆に言えば、この事業者が、全額を供託または信託するのではなく、保険会社や銀行などと保全契約を結ぶことによって保全をするのであれば、差額分はほかに使っても問題がないということになるのではないかという気がしております。ここでは、保全とか流用とかという法的に正確ではない言葉で、つい機能面を重視して議論してしまっているわけですけれども、そのあたりは最終的には、もう少し詰めていく必要があるようにも感じております。
また、そういう見方からしますと、信用創造は銀行でなければやってはいけないということが確立された真実であるわけでもないように思いまして、今回、技術の進歩に伴って、いろんな金融サービスが提供されている中で、できるだけ横断的な法制をという観点から見直すということをしているわけですので、どこまでできるかという問題はあるかもしれませんが、そこは1回括弧に入れてフラットに考えてみるということも、気持ちの持ちようとしては、少なくとも重要なのではないかなと思っております。
また同様に、萩原委員から出資法における預かり金との関係のご指摘もございました。確かに、資金が資金移動業者のもとに滞留していますと、これは預かり金ではないかという問題はあるのかとは思いますけれども、それは出資法を前提とするとそうだということであって、出資法を前提としなければ、別にそういうことにはならないわけです。逆に言いますと、出資法が制定されたのは戦後に保全経済会事件があったときだと思いますけれども、そのときに投資詐欺のような話から国民を守るためという面では非常に意味があったわけなんですが、今日の経済状況においては、出資法に時代遅れになっている部分があるということを意味しているのではないかなとも思っております。その意味で、出資法を当然の前提として議論をするというのは、今回のこのフォーラムの考え方としては必ずしも適切なものではないように感じております。
また最後の6ページの高額送金のところの話なのですけれども、100万円を超えるものということですので、上限を設けないというところになりますと、青天井になってきて、そこは切りがないわけですが、非常に高額の送金がどこまで広がっていくかというと、そこまで行くにはしばらく時間がかかるようにも思っております。それは、金額の大きい送金が新しいサービスでどれだけ行われるようになるのかという点と、こういう新しいサービスを使った送金が企業間でどれだけ頻繁に行われるのか、普及するのかという点の、両方をセットで考えていく必要があるのかなと思っております。
金融システム全体への影響というのは、現時点ではなかなか読みにくい部分がありまして、影響するようになってしまってからでは遅いのだということもあるかもしれませんけれども、ただ、それを懸念する余りに、ここで非常に抑制的な制度をとっていきますと、新しい金融サービスが、少なくとも日本からは生まれにくいということになります。その結果として、10年、20年先に外国の事業者が提供するサービスしかないという状態になる可能性もあるとすると、日本の金融システムにとって、どっちがいいのだろうかというのはなかなか難しい問題だと思います。どちらに進むにしてもリスクがあるとしますと、少なくとも、ある程度前進できるようなことをした上で、ただ将来的に金融システム全体への影響が懸念されるような事態になったときは、そのときは、例えば事業者さんの既得権というような話は抜きにして、ちゃんと規制を入れるんだということは確認しておいたほうがいいと思っております。
またそれについて、6ページの下半分の2つ目の丸のところで、別な考え方が出されておりますけれども、この問題については、金融システム全体の観点と利用者の観点というのが2つ絡み合いながら存在しているのが難しいところであるように思っておりまして、少なくとも現状では、利用者がリスクを認識した上で使うというのであれば、それは問題ないと言えるかなという気がしておりますが、先ほど申し上げましたように、それが全体に波及するかというところをどう考えるかという問題もあるように思います。そのときに、利用者としては、送る側だけではなくて受け取る側の判断というのも当然入ってくるわけでして、受け取る側からしますと、大事なお金が入ってこないリスクがもしあるようなシステムなのであれば、今回の送金はこれではなくて普通に銀行で送ってくださいという選択も当然考えるはずでして、そういう選択肢があり得ることも踏まえながら、先ほどの金融システム全体への影響も考えていければいいのではないかなと思っております。
時間を大変超過してしまって申しわけありませんでした。

【神作座長】
どうもありがとうございました。
続いて加藤委員、どうぞ。

【加藤委員】
ありがとうございます。私からは無権限取引への対応についてと資金移動業の第1類型への対応について意見を述べさせていただきます。
1点目の無権限取引への対応についてですが、事務局資料の2ページ目で、補償ルールの整備について、事業者側に自主的な対応を促すため、利用者に対する情報提供事項に無権限取引が行われた場合の対応方針を追加することがご提案されています。ただ、個々の利用者がこういった情報を参照して何か具体的な行動をし、それによって事業者側が補償ルールを改めるという可能性に、過剰な期待をすることは適切ではないと考えます。
もちろん、無権限取引が行われた場合の対応方針を事業者に開示させることは検討に値すると思いますが、検討に際しては、このような情報を誰が使い、どういった行動をすることによって、事業者が補償ルールを改めるようになっていくか、ということを考えることが望ましいと考えます。加毛委員のご意見とも重なるかもしれませんが、このような観点からも開示の仕方に工夫が必要であると思います。先ほど自主規制団体の委員の方から発言がありましたが、個々の事業者のウェブサイトに利用者の目に付きやすい形で開示させることに加えて、自主規制団体が各事業者の情報をまとめて一覧性のある形で開示するという形も考えられるように思います。
次に無権限取引への対応に関して検討すべき事項はあるかということについてですが、福田参考人の資料の2ページのところに、コード決済の仕組みを非常にわかりやすく示していただいた図が掲載されていますが、この図は、事故がどこの段階でも起こり得るということも示していると思います。このように最近のコード決済は複数のシステムが組み合わさってできているため、ある無権限取引が生じた場合に、一体どこで問題が生じたのかということについて見解が分かれる可能性があるように思います。
例えば今年の夏に起きたセブンペイの事件でも、会社側の発表した事故の原因と、外部の専門家による事故の評価の間に齟齬が生じていたと記憶しております。事業者の対応として、補償すれば終わりでいいのか、疑問があります。  つまり、補償するだけでなくて、再発防止という観点から、なぜこのような事故が起こったのかということを検証する仕組み、業界全体で事例を蓄積するような仕組みがあったほうがいいのではないか。そういう仕組み自体を設ける必要性が、特に福田参考人の資料の2ページの図が示すように、複数のシステムが絡み合ってキャッシュレス決済の仕組みが構築されている場合には非常に重要であると思います。
最後に、高額送金を取り扱う事業者、第1類型への対応について、意見を述べます。先ほど後藤先生から厳密に定義されていないとのご指摘もありましたが、事業者に資金は滞留させないことを前提としていると理解しています。この点を前提にした上で、例えば決済リスク、つまりシステミックリスクのようなものがどれほど発生するかということが問題であると思います。
そうすると、資金の滞留もなく、かつ保全もされた上で、その上で生じるリスクはどういうものかを考えた上で、具体的な対応を考える必要があると思います。

【神作座長】
どうもありがとうございました。
続きまして福田委員、お願いいたします。

【福田委員】
ありがとうございます。私からは主として無権限取引に関してコメントさせていただきたいと思います。
多くの方が既にご指摘されましたように、新しいサービスというのは実に多種多様で、一律のルールではなかなか規制できないということで、自主対応に委ねざるを得ないということはそのとおりですし、また多くの方が既にご指摘のように、その際には、できるだけわかりやすく、その規約を利用者に公表することは重要です。例えば福田参考人から事例集の話とかも出ておりましたけれども、そういうことをできるだけわかりやすく公表していただくということでいいのではないかとは思います。
他方で、プリンシプルベースの規制といったときに、ルールは個別に任せるけれども、プリンシプルというのはかなり共通の普遍的なものであるべきだというのは、もう一つの観点なんだろうと思います。すなわちルールは個別なもので、かなり異質なものだけれども、その背後にあるプリンシプルというのも複雑であったらいけないんだと思うのです。かなり普遍的な、かなり共通のプリンシプルが核としてあるということが、やっぱり大事なんじゃないかなとは思います。
例えば福田参考人の資料の3ページに、責任の分担という形で、いろんな分担の概念が出ておりますが、これは私の感覚では、ある種のプリンシプルに関するものだと思います。このプリンシプルを実現するのに個別の業者がどういうルールを策定するかということになるんだろうとは思いますけれども、そのプリンシプルが業者ごとにかなりばらつきがあるというのは、利用者にとってはかなりわかりにくいんじゃないかなとは思うのです。ある種の共通の枠組みに入るようなサービスを利用した場合の利用者保護のプリンシプルはかなり共通性を持ったものであるということは、やっぱり私は大事だと思います。これはルールが個別に複雑だということとは違う問題で、プリンシプルというのは、かなり共通性を持った体系は必要で、個別業者というよりは業界団体、あるいは監督当局が、やはり共通のわかりやすいプリンシプルというものを提供することが必要だと思います。
もちろん、幾つかのタイプのプリンシプルというのはあっても、もちろん構わないとは思います。例えば、銀行業界に関しては、やはり一番安心・安全なプリンシプルだということでも構わないし、そうじゃない業界に関しては、ちょっと違うプリンシプルがあるということでも構わないとは思います。ただ、このプリンシプルが複雑だというのは、利用者にとっては極めてわかりにくいものですので、プリンシプルに関しては、できるだけ明確なものをつくるということは大事なんだろうと思います。
私からは以上です。

【神作座長】
どうもありがとうございました。
続きまして中谷委員、お願いいたします。

【中谷委員】
IT団体連盟の中谷でございます。
私からは無権限利用、そして第1類型の規制のあり方、最後に資産保全の3つの点について意見を述べさせていただきます。
最初に無権限利用についてです。これは先ほど資料3に基づき福田参考人からご説明がありましたけれども、QR決済事業者におきましては、消費者の安全・安心確保のために、セキュリティーや不正利用対策のレベルを上げつつ、利用規約の面での対処も進めております。結果として、QR決済事業者がみずからの負担で補償するという規約が一般化している状況にありますので、事務局資料の資料1の2ページにある、当面は事業者の自主的な対応を促すことが適当、という方向に賛成いたします。
なお、消費者に対してはQR決済事業者が補償するわけですけれども、QR決済事業者と銀行、あるいはクレジット会社の間の民事上の責任分担の問題は残ります。現在、この問題の解決につきましては個別の契約や交渉に委ねられているわけですが、先ほど他の委員からご指摘もありましたように、これはキャッシュレス推進の足かせになっているのではないかと懸念しております。したがって、一定のルールや紛争解決の仕組みづくりが必要であると考えます。
2点目、資金移動業の第1類型についてです。第1類型については、そもそも論ではございますが、政府の成長戦略に沿ったたてつけとする必要があります。今年6月に閣議決定された成長戦略実行計画の21ページに、ずばり、銀行業より簡易な規制のもとでの100万円超の送金を可能とする制度の整備を図るとありますので、銀行と同じような規制を課せば、この成長戦略の目的に沿わないことになります。その上、新規事業者の参入、あるいはさまざまなサービス間の競争を通じたイノベーションの創出や質をめぐる競争というのも実現できなくなるのではないかと危惧しております。この点をよく踏まえた制度設計とする必要があるのではないかと考えます。
3つ目でございます。資金移動業の保全についてです。資金移動業者の実務では、頻繁な供託手続の手間を勘案しまして、必要額より多目の供託をするというのが一般的でございます。そういう意味で、リアルタイム保全は、資金移動業者、信託銀行ともにコストがかかる一方、現在の実務に基づけばリアルタイム保全の必要性があるとは言えないことになりますので、慎重に検討するべきだと思います。
また、リアルタイム性とは別に保全の必要性について最後に申し上げます。これは、リスクベースで考えるべきだと思います。第1類型、第2類型の資金移動業は純粋な送金にも使われ、またリスク額も比較的大きいので、全額保全とする。第3類型は、リスクが少額に限定されているので、分別管理と外部監査という簡易な保全方法。前払式支払手段は資金が滞留するとはいえ、特定の加盟店しか使えない、いわゆるデジタル商品券みたいなものですから、半額保全でよい。  最後に、収納代行のように滞留期間が短期間で、かつ、売買契約のリスクを間に入る事業者につけかえているだけのものは、資金移動業に伴うリスクそのものではないので、事業者のベストプラクティスに委ねるということでよいのではないか。こうしたリスクベースの考え方が妥当だと考えます。
以上です。

【神作座長】
どうもありがとうございました。
続きまして丸山委員、お願いいたします。

【丸山委員】
先ほどご質問の回答でしたので、意見のほうを述べさせていただきます。
まず無権限取引に関しまして、私もキャッシュレス推進協議会に理事として参加しておる立場でございます。まさに安心・安全がキャッシュレス推進のかなめだと思っておりますので、基本的には、こういった整備は重要だと思っておりますが、今何が起きているかというと、実際にウェブサイトに各社の規約調べて一覧化したようなものが結構広まっております。それがきっかけになって、各社再検討も行っている中で、自助努力で進んできているというところでございますので、各社の自主対応というところにお任せいただけたほうがいいんじゃないのかなと思っております。
あと、各○○ペイと言われるものにおいては、資金決済法もあれば、当然違う法制度もありまして、そのばらばらの中でも、ユーザーと事業者の間において、いろいろ意見交換をしながら定めているところですので、特定の法律というよりは、事業者の努力で最適な形を目指していく、こういったものを促していただければよいのかなと思っております。
続いて2点目のポストペイのところで、ご質問以外の点で申し上げたい点があります。今、議論いただいている資金移動業と貸金というパターンにおいては、特に方向性に異論ございません。
過剰与信防止という点に関してですが、これも非常に重要な制度だと思っておりますが、今の硬直的なやり方に限らない考え方もあると思います。例えば年収の3分の1という考え方があったりもしますが、そもそも、これだけ雇用が流動化していく、フリーランスや副業など、いろいろな収入が増えていくという中においては、いろんな判断軸があり、キャッシュフローのタイミングが変わっていく、こういう時代になってきておりますので、時代に即した与信方法は継続して検討、議論する余地はあるのかなと思っております。
最後、資金移動の、特に高額送金のところでございますけれども、皆様からもご意見ありましたとおり、基本的には滞留が制限されていくというところを前提に置いた上で、どこまでコストをかけるかということだと思います。そもそも銀行さんのように完全に消費者のために安全なものというのはとても重要と思っておりますが、それだけではなく、一定の安全性を確保した上で、どれだけ利便性があるのか。こういったものを今回、新たにつくっていくという議論かと思っておりますので、そういう意味では、一定の安全を担保した上で利便性の選択肢がある、こういったことを考慮した上で法制度をご検討いただければと思ってございます。
私からは以上です。

【神作座長】
ありがとうございます。
それでは永沢委員、お願いいたします。

【永沢委員】
ありがとうございます。私は最初の無権限取引の対応の箇所について意見を述べさせていただきたいと思います。
多くの委員の方が発言されているように、あらかじめ統一的かつ網羅的にルールを策定することは、難しい状況にあるとは思いますが、それを望ましい方向とすることを前提としすることを確認したうえで、当面は自主的な対応を促すということが望ましいと考えます。
一般消費者に責任分担を求める点については、本日、キャッシュレス推進協議会の代表者からご説明いただきましたが、責任分担という言葉だけを言われましても、一般消費者はその意味がよくわからないのが現実です。3ページに示していただきましたように、責任分担の求め方にも会社によってさまざまでばらつきがあるということなどが情報提供されると、一般消費者のほうも理解が進むと思います。責任分担という抽象的な文言ではなく、やはり具体的に示していただくことが必要であると思います。
また乱暴かもしれませんけれども、わかりやすさという点では、これはレベル1からレベル6というようにラベルをつけていただき、消費者に、どの程度の責任分担を求められているのかというレベル感がわかるようなものが明示されてもいいのかもしれないと思いました。
その一方で、中谷委員や丸山委員から、既に規約は一覧化されつつあるというお話がありました。また、QR決済業者の中では、消費者に対しては会社負担で補償するのが一般になりつつあるというお話もありました。今後も消費者にやさしい方向に自主的な取り組みを進めていただきたいと思っております。
また、中谷委員のご発言にありましたように、紛争解決の体制や方法の整備というのが、今のところまだよく見えてこないので、これは急務と思っております。 また、これはこのたびの法律改正とは別のことになりますけれども、消費者は、舩津委員や岩下委員もおっしゃいましたように、利用規約の情報が提供されても、一般消費者で構成される市場の中でそれが理解されるとは思えません。不良業者が必ずしも淘汰される方向に働くようにはなかなか思えませんし、消費者に丁寧に説明していただいても、消費者がわかるようなものでもないようにも思います。そういった意味では、消費者からのトラブル相談や紛争解決などに当たる消費生活センターの相談員などが所属する消費者団体や弁護士会などへの小まめな情報提供をキャッシュレス推進協議会様にお願いしたいと思います。特に、この度のように新しい利用者保護づくりに動かれるときには、小まめに情報提供をしていただき、意見も聞いていただくような取り組みや連携が必要なのではないかと思っています。
そうした取り組みが少し欠けているのではないかと思っておりまして、実は私が代表理事をしております消費者団体はキャッシュレス推進協議会に参加しておりますが、私どもにも特段のご説明をいただいておりませんでした。私どもにないくらいですから、他団体への説明もされていないのではないかと思います。いろんな消費者団体ございますので面倒かとは思いますけれども、主要な消費者団体や弁護士会にはご説明をいただくような取り組みをお願いいたします。
以上です。

【神作座長】
どうもありがとうございます。
それでは森下委員、お願いいたします。

【森下委員】
ありがとうございます。イノベーションは非常に大事だということは、おそらくみんな共有していることだと思うのですけれども、イノベーションが大事だといっても、安心して使えるということが非常に大事なわけで、そこをどうしたらいいのかということが大事なポイントなのではないかと思います。非常に少額の場合については、別に事業者が破綻してもいいだろうというような考え方もあると思いますが、一定以上の資産を預けているというような状態において、便利に使っていた、でも潰れちゃった、諦めてくださいというようなことは、なかなか、やはり容認できないと思います。したがって、既存のもの以外の保全の方法として、どういうものが現実的なリスクに応じた新しい保全方法として考えられるのだろうかというのは、ぜひご議論を進めていただきたいなと思っております。
お話をお伺いしていますと、保全方法が使いにくいというようなところが、いろいろなルールを考えていく上でのネックの1つになっていると思いますので、比較的入金手続が容易な信託契約とか、電子的な形で入金も出金も比較的便利にできるような保全方法というものは、ぜひ進めていっていただきたいと思いますし、例えば業法的な手当てで何かクリアできるというようなものなのであれば、それはまさに真剣に検討を進めるべきものではないかと思っております。
あと、複数の事業者が一緒になって事業を進めるようなケースが多くなってきたと。これは単に金融機関のみならず、普通の一般の事業者も含めて、複数の事業者が一体となってサービスを提供して、誰が責任を負うのかはよくわからないようなケースが増えてきているというお話が1つのテーマだったと思います。
それにつきまして、先ほどお話の中で、まずは顧客の窓口となった決済事業者さんが、あるいは仲介事業者さんが、顧客との関係で精算をした上で、あとは事業者の中で実際に誰が責任を負っていたのかということを解明して、その事業者に負担をしてもらうというような解決の仕方は考えられるのではないかと思います。実際にそうされている例もあるというようなお話がありましたけど、今後やはり、そういった考え方が非常に大事になってくると思います。
消費者の方が、ほんとうに責任のある事業者を一つ一つ解きほぐして解明をして、その事業者のところに行かないと救済が受けられないというようなことでは困るわけですから、やはり窓口になる事業者、ネットワークの入り口の事業者が、まずは消費者、あるいは利用者との関係で責任を果たした上で、その中で、あとはネットワーク内で責任を分担していくと。そのときの紛争解決のシステムとか、そういうような取り決めなんかが、ある程度クリアにそろっていたほうがいいというのは、先ほど中谷委員からもお話があったとおりと思いますけど、そのような方向性で対消費者が使いやすいようなシステムを考えていくということが非常に重要なのではないかと考えております。
あと資金の滞留というようなことですけれども、金融の世界におきましては、お客さんから預かった資金を十分に分別管理できず、そのまま破綻して、最終的にはお客さんに迷惑をかけたというようなケースが過去、やはり起きてきているわけですから、これから新しいサービスを考える上でも、そのような問題に、どう対処するかと。便利だから預かってもらっていると、そういったサービスが伸びてきているというのは非常にいいことだと思いますけれども、そういったサービスが非常な不便をお客様にかけるというような事態が発生して、そのために逆振れするということがないように、予め合理的な範囲で手当てを考えていくことが非常に重要なのではないかと考えております。

【神作座長】
どうもありがとうございました。
ただいま森下委員から保全の仕方についてのご意見がございましたし、先ほど中谷委員からもご指摘ございました。本日は信託協会の業務委員長の今村様にご参加いただいております。利用者資金の保全方法について、信託を用いる場合の現在の実務の状況ですとか問題点、さらに将来に向けた取組みや課題など、ご自由にご発言いただければと存じます。今村さん、お願いできますでしょうか。

【今村参考人】
ありがとうございます。まず前提といたしまして、私どもといたしましても、利用者資金をしっかり保全するということは、資金決済サービスの適切な発展のために必要不可欠だと考えておりますので、それを前提にして発言をさせていただきたいと思います。
まず現行のところで利用が少ないというところで、済みません、もうご議論さまざまあったと思いますので、また今日お配りいただいている資料の中にも比較表がありますとおり、総合的に、やはり要保全額を、その計算期間が日次であるということ等々、やはりご負担が大きい部分もあるので、少なくともこれまでは、そんなに大きいニーズがなかったと、こちら側、私どもとしても考えておりますところでございます。
今後ということなんでございますけれども、資料にあります、タイムラグができる限り短くする方向性が望ましいと考えられるが、というところに関しましては、これはご記載のとおり、発生している債務の評価額時点と保全までの期間については、より短い期間とすることが、やはり過不足の少ない保全を実現するためには、そのほうが望ましいかなとは思いますけれども、一方、現行のルールで供託保全というルールの場合には、先ほど委員様からご発言ありましたとおり、1週間の中でその最高額を翌週以降に、それが洗い替えされるまでは、それは置いておかなければならないということで、これもあくまで結果的にではあるんですが、かえって日次で塗りかえるよりかも保全が厚くなるという面もございますので、必ずしも信託の方式のほうがすぐれているかどうか、要するにタイムラグが短いほうがいいのかどうかというところについては、現行のルールにおいては、なかなか評価が難しいところだと感じております。
次に、実際にそのタイムラグがどの程度必要となるのかというところにつきましてなんですけれども、今申し上げたとおり、実務上必要となるタイムラグ、これは信託方式では現在、日次ということで決められておりますので、もう日次よりさらに短いということになりますと、おそらく随時といいますか、即時といいますか、リアルタイム、イコール24時間というようなことで想定されていると理解をしておりますので、その前提でご説明させていただきたいと思うんですけれども、その前提といたしましては、あくまで私、三菱UFJ信託銀行ですけれども、個社の見解といたしましては、あくまで結論から言えば、現時点で全く不可能ではないと考えております。
ただ、さまざま課題はあろうかと思っておりまして、例えばあり得るスキームとして想定されるものとしては、直接、信託口座に資金を受け入れて、あるいは直接、拠出するときも信託口座から資金を払い出すといったようなスキームであれば、リアルタイムで保全ができるかもしれないとは思うんですけれども、やはり、こういった実務を実現するために、資金移動業者様と信託会社それぞれで体制ですね。常時、要保全額を相互で確認する、あるいは緊急時対応も含めたフローとか、体制とか、システムとか、案件の中身によってはAML体制とか、それぞれの必要な体制を案件ごとに個別に構築できるということが前提となりますので、これは現状考えますと、やっぱり双方、特に移動業者様にとりましては、相応の高いご負担になろうかなとは思ってございます。
したがいまして、工夫の余地はあるとは、こちらとしては思っておりますけれども、受託に関しましては、やはり各社の判断、あるいは個別案件ごとの判断ということになろうかと思いますので、ご理解いただければと思ってございます。
以上でございます。

【神作座長】
どうもありがとうございました。
さまざまなご意見をいただきましたけれども、まだ少し時間がございます。追加のご発言がございましたら、あとお一人かお二人、ご発言をお願いいたします。よろしゅうございますか。
本日も、多様なご議論をいただきました。無権限取引への対応については、当面は現状と申しますか、法規制等はせずに実務に委ねるということで、大方のご意見が一致していたかと思います。しかし、中長期的には責任分担のルールを模索する必要があるというご意見も頂戴しました。ポストペイサービスについても、過剰与信の防止の必要性についてご異論はなかったと思いますけれども、その具体的なコントロールの仕方については様々なご意見をいただきました。
また利用者資金の保全方法についても、一般論として言えば、できる限りリアルタイムでの全額の保全が望ましく、信託方式のさらなる活用などの合理化が考えられるという方向性には異論はなかったと思いますけれども、実務上の実現可能性については、体制整備やコストの問題とも関連するさまざまなご指摘をいただきました。保全を前提とした上で、利用者の資金を送金以外の目的で利用することの可否については、ご意見が分かれていました。
高額送金を取り扱う事業者について、送金を確実に実行することを担保するための銀行並びの規制や制度までは必要ないが、利用者資金が全額保全されることに加えて、というご意見が大勢であったと思います。 資金の滞留の問題につきましても、高額送金の類型についてはもちろん、いわゆる第2類型についても、私が伺った限りでは、滞留は原則させないという前提でご議論されていた方が多かったように思いますけれども、そもそも高額送金以外の類型における資金滞留については、まだ議論が十分ではないのではないかというご指摘もございました。
本日いただいたさまざまなご指摘やご議論等を踏まえて、引き続き審議を進めてまいりたいと存じますので、何とぞよろしくお願いいたします。  最後に、事務局のほうから連絡事項等がございましたらお願いいたします。

【守屋横断法制室長】
次回のワーキング・グループの日時でございますけれども、皆様のご都合を踏まえた上で、後日、事務局よりご連絡させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。

【神作座長】
それでは、以上をもちまして、本日のワーキング・グループを終了させていただきます。まことにありがとうございました。

                                                    ―― 了 ――

 
 

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