決済法制及び金融サービス仲介法制に関するワーキング・グループ(第6回)議事録

  • 1.日時:

    令和元年12月10日(火)14時00分~16時00分

  • 2.場所:

    中央合同庁舎第7号館13階 金融庁共用第一特別会議室

金融審議会「決済法制及び金融サービス仲介法制に関するワーキング・グループ」(第6回)
令和元年12月10日
  

【神作座長】
それでは、予定の時刻になりましたので、ただいまより、決済法制及び金融サービス仲介法制に関するワーキング・グループ第6回会合を開催いたします。
皆様ご多忙のところご参集いただきまして、まことにありがとうございます。
本日は、決済法制に関するテーマのうち、現行規制を前提に事業を行う資金移動業者に係る論点についてご議論いただくほか、決済法制及び金融サービス仲介法制のこれまでの議論を整理し、取りまとめに向けてご議論をいただきたいと存じます。
まず、事務局から資料1及び資料2についてご説明をいただき、その後で一括して討議を行います。なお、前回に引き続き、より多くの委員の皆様にご発言いただく機会を確保するという観点から、委員のご発言が一定時間を過ぎますと、残り時間の目安がスクリーンに映し出されるようになっておりますので、ご発言の際のご参考にしていただければと存じます。
それでは、事務局からご説明をお願いいたします。

【岡田信用制度参事官】
それでは早速ご説明に入りたいと思います。資料1と資料2とございまして、資料1は、現行規制を前提に事業を行う資金移動業者、いわゆる第2類型に関して、とりわけ利用者資金が滞留していることにつきまして、前々回、全銀協の萩原委員のほうから、この論点は別途取り上げて議論したいというご提案がありましたので、それを受けて今回別資料にしております。それから資料2のほうは、それ以外の論点につきましてこれまでの議論をまとめて整理させていただいたものでございます。この順番でご説明させていただきます。
まず資料1でございます。まず、〔参考〕と四角囲いがあるところにあるとおり、利用者1人あたりの受入額が100万円を超えている場合につきまして、資金移動業者に対して、利用者資金が為替取引に関するものであるかを確認し、仮に為替取引に用いられる蓋然性が低いと判断される場合は、利用者に払出しを要請して、最終的には利用者の預金口座に払出しを行うといった措置を講じることを求めるという案だったわけでございますが、これに対して、上に、これまでの討議における指摘ということで2点指摘がございます。1つが、受入額が100万円を超えている場合に限らず、資金移動業者に対し、利用者資金と為替取引との関連性を確認することを求めるべきというご意見、もう一つが、貸金業の登録もあわせて受けて、為替取引のために受け入れている利用者資金を貸金業のために活用して、実質的に信用創造を行うことについては防止するべきというご意見、その2点でございます。
以下、1ページの下のほうで、2点について、検討の方向性の案を書いてございます。まず、利用者資金と為替取引との関連性につきましては、3つの観点が書いてございます。1つ目は、資金移動業者が仮に破綻した場合には、利用者が還付を受けるまでに相応の時間を要すること、2つ目は、資金移動業者側から見ても本来的には必要ない保全コストを負担すること、それから3つ目は、出資法の預り金規制に抵触する疑義が生じること、といった問題があるという指摘でございます。
めくっていただきまして次の丸で、こうした滞留を防止する観点から、利用者からの受入額が送金上限額以下、すなわち100万円以下の場合であっても、資金移動業者が、利用者資金と為替取引との関連性を確認し、必要に応じて利用者に払出しを要請するなどの対応を講じる必要性についてどう考えるか。その際、今後も現行規制を前提に事業を行う資金移動業者やその利用者に与える影響のほか、既存の資金移動業者における利用者資金残高は5万円未満のものが約95%となっているという実態も踏まえた上で、規制を設ける必要があるかどうかについてご議論いただければと思います。
それから2つ目の論点でございます。(2)でございますが、最初の丸の3行目の最後のところからですが、資金決済法制定当時も、資金移動業と信用創造機能につきまして、利用者資金が全額保全されている場合、ある事業者の破綻が他の事業者の信認低下を招く可能性は低く、銀行における取付けと同様な状況は生じないと考えられる旨の指摘もなされておりました。こうした考えについてどう考えるのかと。
次の丸でございますが、利用者資金の保全方法として保全契約を利用していて、かつ、貸金業の登録を受けている資金移動業者につきまして、利用者資金の全額保全を求めた上で、さらに、為替取引のために受け入れた利用者資金を貸金業のために活用することを防止する規制を設ける必要があるかどうかということについて問題提起させていただいております。この後ご議論いただければと存じます。
最初の資料1は以上でございまして、早速、資料2のほうも概要についてご説明させていただければと思います。全体2部構成となっていまして、前半が決済法制、後半が金融サービス仲介法制に関するまとめでございます。
まず、決済法制の最初の項目は資金移動業でございまして、めくっていただきまして2ページの資金移動業の実質的な論点として、まず②保全方法の合理化についてご審議いただきました。この2段落目、「具体的には」というところの2行目からですが、供託、保全契約、信託契約のいずれについても併用を認めていくことが今後考えられるのではないかという議論であったかと存じます。現行規制上、信託契約については供託、保全契約と併用できないわけですが、3つの併用を認めることによりまして、その後にございますとおり、通常必要となる固定的な部分につきましては、供託、保全契約、日々変動がある部分につきましては、比較的に入出金が容易な信託契約を活用するといった対応も可能になっていくのではないかということであったかと存じます。
次の「また、」というところですが、同時に信託契約の受託者の義務や保全に関する当局の事前関与につきましては、他の金融法令と比較しても受託者の義務や当局の関与が非常に大きいということがありましたので、これらを見直して必要最小限度のものにしていくということが考えられるのではないかということでございます。
保全方法の合理化は以上でございまして、次のページ、保全が図られるまでのタイムラグの短期化という論点でございます。この3つの保全方法の併用を認める前提として、保全額の算定頻度を統一する必要がございます。具体的には現行法では、供託、保全契約は1週間ごと、信託契約の場合は営業日ごとというふうに異なっております。これにつきましては、併用を認める前提として算定頻度をそろえる必要がございまして、3行目にありますとおり、既存の資金移動業者に与える影響も踏まえつつ、週1回以上に統一することが考えられるのではないかということでございました。
次に、「また、」の段落に移っていただきまして、保全すべき額の算定日から実際に保全が図られる期間について、現状、1週間以内ということですが、利用者保護の観点からは、できるだけ短期化していくことが適当ということで、制度上の対応としては、少なくとも、実務の状況に応じて、この期間を機動的に短縮化しうる枠組みとしておくことが考えられるのではないかということでございます。
最後に、ただし書きがございますが、現行の送金上限額を超える高額送金を取り扱う事業者の場合は、破綻時の社会的・経済的な影響の大きさを踏まえて、別途の対応が必要と考えられるという整理にしてございます。
その次に、送金額に応じた規制の導入ということで、資金移動業者に対する規制の柔構造化の中で3つ類型を設けてはということが書いてございます。具体的には、5行目、1件当たり100万円を超える高額送金を取り扱うことができる資金移動業について新類型を設けること、「他方で、」という次の段落ですが、実態として、既存の資金移動業者が取り扱っている送金額は1件当たり数万円以下のものが多いということに着目しまして、次の4ページの1行目ですが、利用者1人当たりの受入額も少額とすれば、資金移動業者が破綻した場合でも、個々の利用者が被る影響を限定的なものとすることができるということがございますので、これを前提として、少額送金を取り扱う資金移動業者については、規制緩和の余地があるのでないかということで、まとめると、3類型に分けた上で、それぞれの類型に過不足のない規制を適用していくことが適当と考えられると整理してございます。
その上で、最初に①で、高額送金を取り扱う事業者への対応でございます。(ア)の参入規制でございますが、その3行目のところで、やはり高額送金を取り扱うことに伴うリスクがございますので、認可制の対象とすることが考えられると整理してございます。その次の「こうした」の段落の3行目のところで、とりわけその際には、システムリスク管理、セキュリティ対策、マネー・ローンダリング、テロ資金供与対策等について、高額送金を取り扱うことに伴うリスクを踏まえ、現行規制における資金移動業者と比較して充実した体制整備を求めることが必要と考えられるということでございます。
それから、次が滞留規制でございまして、高額送金を取り扱う事業者が破綻した場合に利用者に与える影響その他を考えますと、事業者が受け入れる利用者資金については厳格な滞留規制を課すことが必要と考えられます。5ページの2行目の「具体的には、」というところですが、英国の規制を参考に、①具体的な送金指図を伴わない利用者資金は受入不可、②利用者資金は運用・技術上必要な期間を超えて滞留不可とすることが考えられるという整理としてございます。
次の段落で、なお書きでございますが、こうした滞留規制の趣旨を踏まえますと、他者に送金を行う場合のみならず、他者から送金を受ける場合であっても、利用者の第1類型のアカウントに資金が滞留することは認められないと考えられる、と整理してございます。
続きまして、(ウ)で履行の確実性と利用者資金の保全の論点でございます。送金の履行の確実性につきまして、とりわけ高額になりますと、特に企業間決済に用いられた場合に影響が大きいということがございますので、資金移動業者の破綻時にも迅速に送金が行われる制度整備を図るべきというご指摘がございました。また、その関連で、業務の継続性・安定性を確保するため、最低所要自己資本規制、為替業務単独での収支確保等の方策も必要との指摘もございました。
このようなご指摘があった一方で、前述の滞留規制が適用されるというのは前提でございますが、資金移動業者による送金サービスは、銀行による送金サービスとは破綻時の履行の確実性等がもともと異なるということが利用者に正確に理解され、利用者資金が全額保全される前提で利用されるのであれば、必ずしも銀行と同等の枠組みを整備する必要はないという指摘もございました。
これらの指摘に関しまして、高額送金を取り扱う事業者が破綻した場合の社会的・経済的な影響の大きさを懸念するあまりに厳格な制度整備を行った場合には、利便性の高い新たなサービスが生まれにくくなるおそれがあるということに留意すべきというご指摘もあったかと思います。こうした考え方も踏まえれば、まずは、前述の2つの指摘のうち、後者のほうを前提として所要の制度整備を図りつつ、ただし、その後の企業間決済における利用実態等を勘案して、必要に応じて追加的な規制の在り方を検討していくことが考えられるのではないかということでございます。
めくっていただきまして、「ただし、」でございますが、今のような考え方を前提としたといたしましても、1つには、4行目にありますが、利用者資金の受入れから保全が図られるまでのタイムラグをできるだけ短期化するというのが必要と考えられます。このタイムラグをどこまで短期化できるかというのは、この審議会でも実務の方の御意見なども伺いましたが、信託契約の利用を前提とした場合、まず①保全すべき額を毎日算定し、その上で、②不足がある場合、その翌日から起算して2営業日以内に信託することを求めるということが現在FX業者との関係では実務上行われておりますので、今度の高額送金を取り扱う事業者についても、これと同水準の対応を求めることが最低限必要ではないかと考えられるということでございます。
それから、送金上限額につきましては、主要な諸外国で上限額を設けている例が見受けられないことその他から、この段落の最後にありますが、法令上の上限額は設けないことが考えられると整理してございます。
その次の②現行規制を前提に事業を行う事業者への対応につきましては、Pとありますのは、先ほど冒頭ご紹介した資料1の内容が最終的には報告書にする場合に入ってきますのでPということでございますが、ポイントは、3行目の現行の枠組みを基本的に変えないことが適当ということで、残る論点としては、先ほどの利用者資金の滞留への対応の仕方ということでございます。
それから、7ページにいっていただきまして、少額送金を取り扱う事業者への対応でございます。冒頭にありますとおり、1件当たりの送金額だけでなく、利用者1人当たりの受入額の上限も少額とすることを前提とした場合につきまして、具体的な規制緩和のやり方としまして、利用者資金の保全について、現行の保全方法に代えて、利用者資金を自己の財産と分別した預金で管理することを認めるということが考えられるのではないかということでございます。
次の段落にありますが、供託又は信託契約の場合は、資金移動業者は、供託又は信託した資金を直ちに取り戻すことができないので、実務上、実際に送金を行う場合には別途資金を調達する必要があるという声を聞いております。また、保全契約につきましては、保証枠というのがどうしても、保証を行う銀行等の与信管理上の限度があるほか、資金移動業者からすると保証料の負担が発生するということがございます。また、下の注にございますが、信託につきましても信託報酬という形でコストがかかるのは同様でございます。こうした中で、分別預金で管理するということが可能となれば、ある意味こうした事業者の資金繰り負担が軽減されて、低コストで利用者利便の高いサービスの提供が促進されていくのではないかと期待されるところでございます。
ただし、その場合は、必ずしも倒産隔離が効かないことから、資金移動業者の破綻時に利用者が十分な資金の還付を受けられないおそれがございますということで、「このため、」のところにございますが、1つには、こうしたリスクについて利用者への十分な情報提供を行うことを義務づけるということが考えられます。また、資金移動業者に対するモニタリングを強化する観点から、預金による管理の状況及び財務書類についての外部監査や、預金による管理の状況についての当局への定期的な報告を義務づけることが考えられます。
なお書きでございますが、1件当たりの受入額が少額であっても、資金移動業の適正かつ確実な遂行が必要というのは変わりございませんので、参入規制や、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に係る規制等のその他の規制は、現行の資金移動業者と同水準とすることが適当でないかと考えられます。
めくっていただきまして、最後に、複数類型の併営ということでございますが、これは基本的には同一の資金移動業者による複数類型の資金移動業の併営を認めることが適当と考えられるということでございます。ただし、その弊害防止の観点から、利用者は類型ごとにアカウントを開設する形にし、事業者は類型ごとに保全が必要な額を区分管理することは必要だと考えられます。また、第1類型と第2類型を併営する場合は、第2類型で受け入れている利用者資金を第1類型で送金することで、第1類型の滞留規制が潜脱されることを防止することが必要と考えられます。
以上が資金移動業についてでございまして、次が、前払式支払手段についての整理でございます。最初の論点が、不適切な取引の防止ということでございまして、背景として、最初の3行にありますとおり、情報通信技術の発展に伴い、近年、IC型やサーバ型に該当する第三者型前払式支払手段を中心に、容易に他者に譲渡することができる2つのタイプの前払式支払手段が登場してきております。
1つ目は、4行目にありますが、基本的には、ギフトや返礼目的での利用を念頭に他者へ譲渡するということで、譲受人が一旦チャージすると、その後の再譲渡はできない仕組みになっているものでございます。しかしながら、チャージを行う前の番号等の譲渡が非常に容易で、番号等の詐取などの被害もございましたので、2016年8月のガイドライン改正で、被害者の申出等を速やかに受け付けるとともに、利用停止の措置を迅速かつ適切に講ずる体制整備、販売上限額の引下げや取扱停止といった販売方法の見直しを迅速に行う体制整備等が監督上の着眼点として追加されているところでございます。
それから、2つ目のタイプというのは異なりまして、9ページの2行目にありますとおり、利用者が他者に前払式支払手段のチャージ残高を譲渡することができる仕組みになっていて、それを通じて個人間で支払手段の移転を行うことが可能になっている、こういうものも登場してございます。
このタイプの特徴は、その次にありますが、1つ目のタイプに比べて、移転の履歴が把握しやすいというメリットがございます。しかしながらこうしたタイプにつきましても、発行者が提供する仕組みの中で財産的価値を有する支払手段を移転するという以上、公序良俗を害するような不適切な取引にこれが利用されることがないようにすることが必要と考えられ、既に自主的な対応を講じている発行者の方もいらっしゃるところですが、制度上も発行者に求められる対応を明確にしていくことが適当ではないかと考えられます。
具体的には、譲渡可能なチャージ残高の上限設定や、繰り返し譲渡を受けている者の特定等不自然な取引を検知する体制整備などを求めていくことが考えられるかと存じます。
それから(2)利用者資金の保全の在り方でございます。この問題というのは、冒頭の2行目にありますとおり、前払式支払手段発行者は半額保全ということになっておりまして、資金移動業者の全額保全と少し異なる制度になっているという点であります。
これについては、本ワーキング・グループで議論して、「こうした中、」の段落にございますが、2行目の最後のところ、財産的価値の移転を伴うものである以上、送金サービスに類似した性質を有しているといえることから、資金移動業者と同様に、利用者資金の全額保全を求めるべきであるとのご指摘がございました。また、前払式支払手段は、原則として現金化が不可であって、使途が限定されているとはいえ、キャッシュレス化が進展すれば、現金との違いは相対的なものにとどまるのではないかという指摘もございました。
他方でということでございますが、前払式支払手段の譲渡は使途が限定され、現金化ができず、発行者の破綻時に備えて半額保全されている財産的価値がそのまま移転されているということでございますので、送金とはやはり性質が異なるのではないかという指摘がございました。また、前払式支払手段は、これまでも多くの利用者に対して高い利便性を提供してきたということも考慮すべきであり、そうした中で、仮に全額供託とすると発行者の業務運営に大きな影響を与えるのではないかといった指摘もございました。
これにつきましては、その次の段落の3行目のところにありますとおり、結局のところ、現時点で共通の認識を得ることができなかったと理解しておりまして、利用者資金の保全割合の引上げにつきましては、直ちに実施することは必ずしも適当でなく、引き続き検討課題とすることが考えられると書いてございます。
なお書きでございますが、3行目のところで、利用者に対して、法令上は利用者資金の半額以上の保全で、必ずしも全額保全ではないということを告げるとか、あるいは各発行者の保全方法についての情報提供を行うことを義務づけることが考えられるのではないかということでございます。以上が前払式支払手段です。
3ポツが資金移動業と前払式支払手段両者に共通するような事項でございますが、1つ目が監督規定でございます。この監督規定につきまして、近年、第三者型前払式支払手段の登録を受けている事業者が、同時に資金移動業者の登録も受けて、一体的なサービスを提供している例が増加してきております。そうした中で、端的に申しますと、5行目以下のところですが、業務改善命令の発出要件がずれていると。資金移動業者については、「資金移動業の適正かつ確実な遂行のために必要があると認めるとき」とされている一方で、前払式支払手段につきましては、「利用者の利益を害する事実があると認めるとき」というように、要件が異なっております。
監督上の対応を整合的・実効的に行う観点から、これらの制度上の差異について、前払式支払手段発行者に係る規定を資金移動業者に係る規定に整合的なものとする方向で解消していくことが必要と考えられるということでございます。
それからもう一つの論点は(2)の無権限取引への対応ということで、いわゆるなりすまし等による無権限取引が行われた場合の対応につきましては、今年の8月にキャッシュレス推進協議会で、「コード決済における不正利用に関する責任分担・補償等についての規定事例集(利用者向け利用規約)」が策定・公表されたところでございます。これによりますと、まず、その規約というのは事業者ごとで中身はさまざまでありましたが、中には消費者契約法によって無効となる可能性が指摘されるような、利用者に損失が発生した場合でも事業者は一切責任を負わないという旨を盛り込んだ規約も存在していることが明らかになったところでございます。
他方で、現状におきましては、事業者でこうした規約の自主的な見直しをするというのが進みつつあって、中には利用者に故意・重過失がある場合などを除いて損害を補償するという規約を整備する事業者も出てきております。
こうした中で、不正利用の態様や各事業者のビジネスモデルが多様な中で、統一的なルールを直ちに実現するのは課題があること、また、利用者保護の観点から望ましい補償ルールの整備も進みつつあるということを踏まえて、当面は事業者による自主的な対応を促していくことが適当と考えられ、そのため、制度上の対応としましては、利用者に対する情報提供事項に無権限取引が行われた場合の対応方針を追加するということが考えられるのではないかということでございます。
そうした制度上の対応が図られるまでの間におきましても、例えば自主規制機関におきまして、会員に対して、規約の中身の点検、仮に消費者契約法に照らして問題があるようなものは改善することを求めていくなどというのは重要ではないかということでございます。
12ページ、収納代行についてでございますが、これは冒頭にありますが、資金決済法制定当時も議論がありましたが、性急に制度整備を図ることなく将来の課題とすることが適当と考えられるとされたところであります。
他方で、その後、例えば割り勘アプリといった形で、収納代行の形式はとりつつも、実質に個人間送金を行う新たなサービスが提供されるなど、収納代行を取り巻く状況は変化しつつあるということがございます。
その上で、まず(1)、債権者が事業者等である収納代行、こちらにつきましては、当審議会の議論といたしましては、「他方で」という段落のところですが、まず、①債権者が事業者や国・地方公共団体であって、②債務者が収納代行業者に支払いをした時点で債務の弁済が終了し、二重払いの危険がないことが契約上明らかなものについては、一定の利用者保護は図られていると考えられ、こうしたものについては、必ずしも為替取引に関する規制、具体的には資金移動業等の規制を適用する必要性は高くないのではないかということでございます。
それに対しまして(2)の個人間の収納代行でございますが、まず①の割り勘アプリということで、割り勘アプリのようなサービスは、サービス提供者は個人間の債権債務関係の発生事由に関与しておらず、単に資金のやり取りを仲介しているだけであるということで、その経済的な効果はある意味、逆為替(取立為替)の依頼を行っている場合と同じではないかと考えられ、また、一般消費者である債権者・債務者双方が、サービス提供者に対して信用リスクを抱えるおそれがありますので、やはり利用者保護を確保する必要性は高いのでないかと考えられます。
このため、こうしたものにつきましては、収納代行の形式をとっていますが、資金決済法等の為替取引に関する規制の適用対象となっていることを明確化することが必要ということでございます。
それに対しまして、②のエスクローサービスにつきましては、冒頭にありますとおり、個人間での物品の売買等の取引に関して、同時履行を図ることで、トラブル防止の機能や役割を果たして、債権者・債務者両方がその利点を享受しているサービスでございます。
これにつきましては、エスクローサービスに関するリスクは、売買契約の当事者間に生じる信用リスクをサービス提供者に付け替えているだけという指摘がございました。
また、ページめくっていただきまして、仮にこのエスクローサービスに為替取引に関する規制を適用した場合には、利用者保護上重要な役割を果たしているエスクローサービスのエコシステムに支障が生じかねないという指摘もあったところです。
他方で、そうした留意というのは、利用者保護に懸念を生じさせない範囲にとどめるべきということで、債務者が債権者に支払うべき資金を保持する以上は、保全というのは必要ではないかという指摘もあったところでございます。
このようにエスクローサービスにつきましては、為替取引についての規制を適用する必要性について、現時点で共通の認識は得られておりませんので、引き続き検討課題とすることが考えられると整理してございます。
なお書きですが、エスクローサービス提供者が、保全の方法として自己信託を利用できるのではないかというご指摘もございました。こうした利用者保護のための方策については、実現されることが望ましいものの、実務に与える影響等を十分精査する必要があるなどの課題もありますので、さらなる検討が必要だと考えられます。
最後に、ポストペイサービスでございます。これにつきましては、サービスの提供方法の1つとして、資金移動業と貸金業の両方の登録を受けて、為替取引と貸付けを組み合わせる方法が考えられるところであります。
とりわけこうした中で、利用者ニーズがあるとされる少額でのポストペイサービスを念頭に、規制の合理化の必要性について検討を行いましたが、少額であっても過剰与信防止の必要性に変わりはないという指摘があった一方で、こういう利便性の高いポストペイサービスを実現していく上で必要な規制の合理化について、具体的かつ喫緊のニーズについての共通の認識は得られなかったところでございます。
15ページにいきますが、ポストペイサービスについては、このほか割賦販売法上の信用購入あっせん業の登録を受けて行う方法もございまして、経済産業省の産業構造審議会商務流通情報分科会割賦販売小委員会におきまして、少額・低リスクの後払いサービスに対するリスクベース・アプローチの導入について方向性が示されているところでございます。前述の資金移動業に関する規制の見直しとあわせまして、少額分野でプリペイドとポストペイを組み合わせたシームレスで利便性の高いサービスが、多様な主体から提供されることが期待されるところです。
以上が決済についてでございまして、残り16ページ以下、金融サービス仲介法制について内容をご説明します。冒頭、情報通信技術の発展により、オンラインで円滑に金融サービスを提供することが可能となっているという問題提起がある中で、次の「他方で、」というところですが、仮に複数業種にまたがって多数の金融機関が提供する金融サービスを仲介しようとした場合、現行制度では、①で複数の登録等が必要、②で所属金融機関それぞれから行われる指導に対応する必要があるということから、結局のところ事業者にとっての負担が大きいという指摘がございました。
このワーキング・グループでは、イノベーションを促進し、利便性のより高い仲介サービスを実現していく観点から、こうした複数業種、多数の金融機関が提供する多種多様な商品・サービスをワンストップで提供する仲介業者に適した業種の創設について、具体的な検討を行ったところであります。
17ページに飛びますが、業務範囲でまず、最初の仲介先・仲介内容ですが、日常生活において生じるニーズに応えるため、銀・証・保の各分野の仲介を幅広くということが適当ということでございました。
下の3段落目「なお、」のところですが、最後で、銀行分野の媒介につきましては、いわゆる銀行だけではなくて協同組織金融機関、貸金業者への仲介も行えるようにすることが適当と考えられると。
「また、」以下のところで、電子決済等代行業と非常に親和性が高い業ということもありますので、システム面で電子決済等代行業と同様の業務遂行体制を備えている場合については、電子決済等代行業者として別途の登録を受けずに、電子決済等代行業をできるようにすると。当然その場合、銀行法の行為規制は遵守していただくということで、そういうことが考えられるという整理にしてございます。
それから、18ページの2つ目で、仲介行為というのは、法的にはどういう範囲かということですが、これはご議論いただいて、結論的には最後のところにありますとおり、代理というのは認めず、媒介というものを今回は対象にして、制度設計を行っていくということになってございます。
それから(3)で取扱可能な金融サービス、ここは非常に意見を多くいただいたところでございますが、最初の段落の最後にあります、商品設計が複雑な金融商品・サービスを仲介するニーズは大きくないのではないかということがございますので、これらを踏まえ、新たな仲介業につきましては、商品設計が複雑でない、あるいは日常生活に定着しているものなど、高度な商品説明が要らないものに限って取扱いを認めていくことが適当であるということで、限定の手法としては、銀行法・保険業法において、特定預金等契約あるいは特定保険契約とされている商品、それから、証券の分野では二種外務員の職務範囲などを参考に、商品特性に応じた限定を設けることが考えられると。
保険契約につきましては、さらに、支払事由の発生に対して無制限の補償や長期の保障を約するものがございますので、こうしたものについては、一般的に、個々のリスクと顧客意向の見極め、顧客への説明というのを一層丁寧に行うことが重要とされていますので、商品性の限定に加えて、保険金額や保険期間による限定を設けることも考えられるということでございます。
「一方で、」ということですが、金融仲介サービスにおけるイノベーションの促進や利用者利便等の観点からは、法令上の制約が過度なものにならないように留意する必要があるということではないかと思います。
続きまして、参入規制に入りますが、最初の財産的基礎のところでございますが、こちらにつきましては、最初の段落にありますとおり、所属制を採用しないということですので、新たな仲介業者が賠償資力を十分に確保できるよう保証金の供託等を求めることが適当であると考えられます。
その際の水準につきましては、次の段落の3行目の最後のところですが、事業規模に応じたものとなることが望ましい。例えば、一定額をベースに、前事業年度で得られた手数料その他の対価の合計額の一定割合を加えた額の供託を求めることが考えられるというところでありますが、他方で、次の段落の3行目ですが、新たな仲介業者の取扱可能な商品・サービスの範囲が限定されているということを踏まえますと、顧客保護の観点、それからイノベーション促進、利用者利便の観点とのバランスに留意すべき必要もあるのではないかということでございます。
それから、兼業制限につきましては、新たな仲介業を創設することで、銀・証・保それぞれで、既存の仲介業と新たな仲介業の立場が併存するということになりますが、混同というのを防止するために、端的に言うと、銀行なら銀行、証券なら証券、保険なら保険の同じ分野において、その両方を兼ねるということは避けつつ、その上で、既存の仲介業と新たな仲介業という兼業を認めていくということには問題ないのではないかということでございます。
その他、既存の仲介業者について、金融以外の他の業務というのは認められていますので、そういったものは広く兼業を認めるとか、あと、金融機関が新たな仲介業を兼業することについては、既存の仲介業を兼業することの可否にならって整理するということが記載してございます。
それから、20ページの最後のところ、行為規制についてですが、まず総論といたしましては、冒頭にありますとおり、仲介する金融サービスによらず必要とされる規制は共通して求めていくということと同時に、3つ目の段落の最後にありますが、それぞれ仲介業者の行う事業内容、銀行のサービスの仲介なのか、証券なのか、保険なのかということに応じたアクティビティーベースの規制体系というのが期待されるところであります。
(2)で顧客資産の預託の受入れということでありまして、これにつきましては、2番目の段落にありますが、顧客資産の預託の受入れというのは禁止することが適当であるということだったと思います。
めくっていただきまして、22ページの顧客情報の適正な取扱いでございますが、これも3つ目の段落にありますとおり、新たな仲介業者についても、既存の仲介業者に対する規制を参考に、①仲介行為を行う分野間、②兼業業務との間、③グループ会社等との間それぞれで、仲介業務を通じて取得した顧客に関する非公開情報の適正な取扱いの確保を求めることが適当ではないかというように整理してございます。
それから、その次の仲介業者の中立性の論点でございますが、冒頭にありますとおり、所属制を採用しないので、金融機関と新たな仲介業者の関係は、法律上の義務に基づく指導関係から、業務上のパートナーとしての連携・協働関係になっていくということが想定されますが、そうした中で、仲介業者の中には、顧客の側に立って、サービスを提供する者も出てくると思われます。そうした場合、その仲介業者は、実際に、顧客の側に立ってサービスを提供しているかどうかは、外観からは必ずしも明確でないところでございます。
その次のところにございますが、法律上の定義でいろいろ「金融機関のために」とか「利用者の委託を受けて」などという定義もありますが、SG以来の議論で、法律上の定義・位置づけより、実際には報酬・利益をどこからもらっているかという経済的なインセンティブの影響のほうが大きいので、そこに留意した制度整備をしていくことが必要ではないかということで、「これを踏まえれば、」というところですが、新たな仲介業者の立場につきまして、法律上、何らかの位置づけを定めるのではなくて、経済的なインセンティブに関する透明性を確保することで、顧客が仲介業者の中立性を評価できる環境を整える事が重要である、具体的には、保険仲立人にならって金融機関から受け取る手数料等の開示を求めることが適当ではないかと。
さらに、経済的なインセンティブに関する透明性の確保に加えまして、仲介先の金融機関との間に委託関係・資本関係の有無など、仲介業者の立場を顧客へ明示することを求めていくことが適当ではないかということでございます。
それで、なお書きですが、新たな仲介業者が報酬・利益をどこから受け取るかについて制限を設けることにつきましては、ビジネスモデルを限定することにつながりますので、必要性に乏しいと考えられます。
(5)で顧客に対する説明義務でございますが、これも前回ご議論いただいたことでございますが、2行目にございますが、新たな仲介業というのは所属制を採用しませんので、顧客に対する適切な情報提供を確保するため、基本的に、書面交付、適合性原則を踏まえた適切な説明等を求めていくことが必要です。
この場合、新たな仲介業の場合、仲介に関する両者の役割分担は、ビジネスモデルに応じて様々と想定されるということと、顧客にしてみると、同じ説明を仲介業者と本体の金融機関両方から受ける必要性は乏しいということですので、一連の過程の中で、どちらかが十分な説明を行えば足りるとすることが適当ではないかと考えられます。
その上で、その役割分担が明確になっていることは重要であると考えられますので、そういう役割というのを顧客に明示することを仲介業者に対して求めていくことが考えられるということでございます。
それから、(6)で「機能」ごとの特性に応じた規制ということでございまして、これは先ほど総論でもありましたが、結論は最後のところの、既存の仲介業に関する規制を参考に、必要なルールを過不足なく設けていくということで、銀行であれば銀行分野、証券分野であれば証券分野、保険であれば保険分野特有の規制というのは、過不足なく設けていくということが適当ということでございます。
それで、その他でございますが、まず(1)で、仲介業者が金融機関に及ぼす影響力ということで、この制度の導入後、金融商品・サービスの販売における仲介業者のシェア・規模・存在感が大きくなっていく可能性がありますが、現時点では支配的な影響力を及ぼすという懸念は大きくないのではないか、仮に影響力が大きくなっていった場合も、まずは競争法の適用によって対処していくものと考えられますが、引き続き、金融行政の観点からも必要な対応があり得ることについては留意が必要であるということでございます。
最後になりますが、協会・裁判外紛争解決制度につきまして、新たな仲介業者についてもそういう自主規制や紛争解決手続が整備されていくということが重要だと考えまして、その際には、必要に応じて既存の協会と連携・協力しながら、自主規制や協会体制の整備というものが進められていくということが期待されるということでございます。
私からは以上でございます。

【神作座長】
どうもありがとうございました。
それでは、討議に移りたいと存じます。なお、本日は16時をめどに閉会を予定しておりますけれども、論点が多岐にわたるため、状況によって、多少時間を延長させていただく可能性がございます。事前に事務局からご案内しておりますとおり、ご都合がつかない場合には途中で退席していただいてもちろん結構でございます。
それでは、どなたからでも結構でございますので、ご発言をお願いしたいと存じます。いかがでしょうか。
萩原委員。

【萩原委員】
ありがとうございます。全銀協の萩原でございます。
本日は、資料1にございますとおり、決済法制の補足討議の場を設けていただきましてまことにありがとうございます。まず最初に申し上げたいのは、第3類型で規制を緩和することによって、イノベーションを促進するという趣旨に私どもとしては支持したいということでございます。現状、全体の約95%が残高5万円未満となっていることから、事実上、業界全体に対する規制緩和ということになると考えております。
その上で、本日の資料にございます2つの論点のうち、まず、利用者資金の流用についてコメントさせていただきます。
私どもといたしましては、資金移動業者が利用者から預かる資金は決済のための資金であるため、利用者保護の観点を踏まえまして、貸金業を含め、その他の目的での流用は認めるべきではないと考えております。
全額保全をされていても、流用されていると具体的に何が問題になるのかということでございますが、討議資料の資料1の2ページ目のところに、全額保全されていれば風評の連鎖は生じず、取付けは生じないという趣旨の指摘がある旨、記載されております。
しかしながら、90年代末の金融危機の際、ペイオフ凍結によって付保預金は全額保護されていたにもかかわらず、北海道拓殖銀行が破綻する前後においては、一部の銀行で実際に取付けが生じたという事実がございます。資金移動業者が預かるのは、送金目的の決済性の資金でございまして、お客様が当座に必要としている資金でもございます。しかも、全額保全されているといいましても、預金保険のような制度はございませんので、即時に払戻しが行われるわけでもございません。
さらに、一旦取付けが連鎖するような事態になれば、保全契約の金額にもよりますが、銀行不安に波及し、金融システム不安へ発展する可能性も否定できないのではないかと思っております。
要は取付け自体が発生しないようにすることがポイントでございまして、そのためには、全額保全に加えて、貸金業、自己の事業にかかわらず、流用禁止というプリンシプルが徹底されることが重要だと考えております。特に、貸金業へ流用されておりますと、信用創造の逆回転が生じ、システミックリスクにつながりかねないと思います。
そもそも流用の議論が生じますのは、保全契約の形態のみでございます。保全契約は、流用を可能にするためにつくられたものではなく、供託や信託を行う場合の事務負担と保険料負担とを比較して、事業者が保全実務の観点から選択できるようにした制度と認識しております。
諸外国の例を見ましても、討議資料の1の2ページ目の注釈3にシンガポールの例がございますが、シンガポールでは、貸金業以外への流用も禁止しているところでございます。
中国も同様な規制となっております。中国の場合、利用者資金を不動産投資や資産運用商品の購入に充当するなど、実際に流用があったことなどを踏まえて禁止されたと聞いております。
続きまして、資金滞留の問題についてでございます。まず、送金と無関係な資金は受け入れられないという、こういうプリンシプルにつきましては、皆さん異論がないところだと思っております。そう考えますと、金額に関係なく、すべからく為替取引との関連性を検証し、決済に無関係な資金は払い出すことが本来あるべき姿だとは思いますが、この原理、原則をどこまでリジットに突き詰めるのかという議論だと思います。
つまり、プリンシプルと利用者利便の折り合いをいかに考えるかということでございます。私どもといたしましては、資金移動業者の皆様に少なくともプリンシプルを守る努力をしていただくとともに、金融庁には、リスクベースでのモニタリングをお願いしたいと考えております。
具体的に申し上げますと、資金移動業者の皆様には2点努めていただきたいと思っております。
1点目は、お客様へのプリンシプルの周知徹底でございます。資金を受け入れる際に、入り口のところで、送金と無関係な資金は預かれないということをしっかり開示していただきたいということでございます。
2点目、仮に、利用者の申出などで送金以外の資金が混入していることが明確になった場合には、それを払出ししていただくということでございます。また、事業規模の大きな資金移動業者については、破綻時の社会的影響が大きいほか、金融システムの安定に影響を及ぼすという懸念もございます。こちらの点につきましては、資料2の11ページ4行目のところに記載がございますが、金融庁におかれましては、リスクベースでしっかりとモニタリングをいただくとともに、その規模について適切な開示お願いできればと思っております。
なお、金融庁には本件に関連しまして、もう一つお願いがございます。実態調査の継続ということでございます。資金移動業者は67社に上り、それぞれが異なるビジネスモデルを採用しております。このため、まずは、資金移動業者の実態についてしっかりと調査を行うことが必要だったのではないかと思っております。
例えば、被仕向による入金は少ないのではないかと現時点では推察されますが、実態はよくわかっておりません。したがいまして、被仕向送金の取扱の議論につきましては、あまり深められていないのではないかと思っております。
また、スタディ・グループの際に、一部の大手を対象に残高調査を行った結果、資金決済法施行時には想定していない10億を超える滞留資金があることが初めて判明をしたわけでございますが、今回、新たな類型が登場するのであれば、それらの類型の発展の仕方、それに伴います第2類型の使われ方につきましても、しっかりモニタリングしていただくことが重要だと思っております。
つきましては、今後も継続的に実態調査を行っていただき、今回の規制の枠組みで十分なのか、議論が不足しているような部分はないのかということを検証していただいた上で、必要であれば追加の規制の検討をお願いしたいと思っております。
最後に、資料2、これまでの議論の整理というところにつきまして申し述べさせていただきます。全体として、大きな違和感はございません。異論はございませんが、2点コメントさせていただきます。
1点目は、5ページの(ウ)のところにございます履行の確実性と利用者資金の保全というところでございます。1番下のパラグラフのところの、最後の2行でございます。その後の企業間決済における利用実態などを勘案し、必要に応じて追加的な規制のあり方を検討していくとございますが、ここは金融システムの安定に極めて重要なポイントだと考えております。第1類型の企業間決済への利用実態につきましては、定期的に公表する、もしくは、一定期間後に開示し、追加的な規制を検討する必要の要否がわかるようにしていただければと思っております。
2点目は、今回新たに設定する制度については、新規参入事業者と既存の金融業者が参入する場合のイコールフットをお願いしたいということでございます。
具体的には、銀行グループが新類型を含みます資金移動業に参入する場合ですとか、新たな仲介業に参入する場合、たとえ子会社方式で参入する場合でも業務範囲規制がかかってまいります。スタディ・グループで昨年6月にお取りまとめいただきました中間報告でも、銀行の業務範囲規制のあり方について検討事項に挙げていただいておりますので、イコールフットとなるよう、今後、引き続きの議論をお願いできればと思っております。
私からは以上です。

【神作座長】
どうもありがとうございます。
ただいま資料1と資料2の双方についてコメントいただきましたけれども、まず資料1について、特にご意見ございましたらご発言いただければと思いますとともに、金融庁に対してもモニタリングや調査について要望が述べられていたかと思いますので、もし事務局から何かこの点についてお答えとかコメントがございましたら、あわせてお願いいたします。いかがでしょうか。資料1についてご発言ございますでしょうか。
それでは、加毛委員。

【加毛委員】
ありがとうございます。資料1について、資金滞留と資金流用のそれぞれについて、意見を申し上げたいと思います。
まず、資金滞留につきましては、前事務年度のスタディ・グループよりも以前から、継続して議論し続けてきたところです。
その観点からすると、今回新たに第1類型を設け、当該類型について、為替取引との関連性を厳格に判断し、資金滞留を許さないという規律を設けるべきこととされた点は、積極的に評価すべきだと考えます。
その一方で、第2類型について問題が解消されたわけではありません。第2類型についても、引き続き資金滞留の問題を考えていく必要があると思います。
もっとも、第2類型について、個々の資金の受入れについて、為替取引との関連性を確認するのは、実務上、難しいだろうと思います。現実的な規制の在り方としては、一定金額を超えるような資金の滞留がある場合について、一定期間での払出しを義務づけるという方向ではないでしょうか。その場合の基準となる一定金額については、今回、第3類型という少額類型を設けることになりましたので、その金額が一つの基準になるのではないかと考えます。
第2に、資金流用につきまして、資金移動業について受け取った資金を貸金業に流用することは、現行法上、想定されていないと思います。少なくとも現在の規制の枠組みのもとでは、貸金業への資金流用は否定されるべきと考えます。
ここ数年、金融機能のアンバンドリングとリバンドリングの進展が重要な問題意識と認識されていますが、資金移動業と貸金業が結びつくことは、リバンドリングの一例であり、それに伴う付加的な規制を考える必要が生じます。そのような検討がなされていない現状では、資金移動業で受け取った資金を貸金業に流用することは認めるべきではないと思います。
また、資料1では直接的な言及はありませんでしたが、先ほど萩原委員が指摘された、貸金業以外への資金流用についても問題があるように思います。顧客から送金目的で資金を受領したにもかかわらず、それを関係のない自らの事業に流用するのは、ビジネスの高潔性・インテグリティーの観点からも問題があるように思います。それゆえ、萩原委員のご意見に賛成です。
もっとも、以上への対処のために法改正が必要なのかは、よくわかりません。資料1の2ページの「※2」において示唆されているように、金融庁が資金移動業者について「資金移動業を適正かつ確実に遂行すること」を監督するなかで、資金流用がないように指導していけるとすれば、それで十分であるとも思われます。ただ、資金流用が禁止されるという監督の方針を明確に示しておくべきように思います。
ありがとうございました。

【神作座長】
どうもありがとうございます。
それでは、次に後藤委員、お願いいたします。

【後藤委員】
どうもありがとうございます。とりあえず資料1についてのみ発言をさせていただきますけれども、まず為替取引との関連性というところなのですが、いろんな考え方があり得るところでして、結局これは金額での線引きをすることになってまいりますので、正解がない議論の類いのものかとは思います。
また、それを前提に考えますと、例えば今、加毛委員から示唆がありましたのは、例えば第3類型の金額でやるとすると、第3類型の金額が具体的に幾らになるのかはわかりませんけれども、高くて10万円、5万円とかという数字が以前出ていたように記憶をしております。
これが10万円ぐらいまでであればともかく、5万円となると、そこまでしか常に置いておけないのかというのは、やや不便であるような気もいたしますし、また、これを現金に引き直して考えますと、お財布に幾らまで入れて持ち歩くかというのは、それは人それぞれで判断すべき事柄であって、国がそこに上限を設定するというのは、何か私は少し違和感を覚えるところでございます。
もちろん、その人それぞれの流動性がどれだけあるかによって、お金をたくさん持っていらっしゃる方はたくさん入れて、一々銀行に行かなくてもいいようにするでしょうし、ない人は1万円ずつなのかもしれません。それは、その人それぞれが、自分がそれを落としたりとか、そういうリスクも考えながら設定していることであって、同じことはここにも当てはまるのではないかと思います。
この場合のリスクは、そういうアプリが入っている媒体を落とすか、もしくは、その業者が潰れるというようなことなのでしょうけれども、そのリスクさえ考えた上で入れているのであれば、それを無理に払い出させる必要性がどこにあるのかは、私はいまだに納得ができておりません。
そういう意味では、その入口で必要がないお金を入れてはいけないというよりは、これは預金とは違うのであって、預金保険制度の対象ではないと。なので、すぐには返ってこないということを考えた上で、ご自分にとって必要な額を入れておいてくださいとすればよいのであって、具体的な取引との関連性を求めないというのも十分あり得る考え方ではないかと思っております。
問題は、結局、第3類型の線引きの5万円もしくは10万円というのと第2類型の100万円に大分開きがあるところで、どこか間に何かあるのではないかということで皆さんはお思いなのかもしれませんけれども、ここはむしろ線を引かずに、個々の業者の自主規制と、あと利用者の自主的な判断に任せてよいのではないかと思っております。
他方、2つ目のほうですけれども、保全があれば流用してもいいのではないか、保全がどこまでできているかというお話でして、銀行が信用創造してよいというか、むしろそれをする業種であるからこそ、預金保険という、国がバックアップをした保全がされているわけでして、だからこそ、やっても取付けを抑えることができるのではないかと期待されているわけです。
そうしますと、ここでの保全契約というのは民間の金融機関が提供することになりますので、それがどこまで信頼できるか、また、保全契約の中の条件として、どこまで危ない流用が行われることを防ぐかになってくるわけで、それは、そこに任せればいいような気もいたしますけれども、他方で、経営に困った金融機関が安易な条件での保全を引き受けてしまうことがないとは限らない。
そうしますと、この保全が本当に十分に行われるかというところが、やはりリスクが残るために、そういう観点から、一度システミックリスクにつながってしまうと大変でしょうから、その観点から、ここはやはり制限しておくというのも、慎重なやり方としてはあるのかと考えております。
以上でございます。

【神作座長】
どうもありがとうございました。
続いて、岩下委員、お願いいたします。

【岩下委員】
どうもありがとうございます。資料1について意見を申し上げます。
この資料1の中の、とりわけ2ページの上から2行目から4行目にかけて書いてある部分でございますけれども、受入額が極めて少額の場合でも、為替取引との関連性を確認するのか、払出しを要請するのかということを考えてみますと、私自身、もう既に何とかペイというのに総額で数万円入金しております。
たしか何とかペイのある種のものは、そこに一定額を積んでいれば、いついつまでに何ポイントがつきますなんていうのがあったからなんですが、そうすると、明らかに送金目的ではなかったなと自分でも思います。いずれは送金というか、何かの支払いに使うつもりではあって、一部は前払式支払手段であるし、一部は資金移動業であるし、いろんなものがまじっていたと思いますけれども、そういうことを気にせずに、こちらとしては普通に何とかペイを、今後使うだろうからそこに入れておいたのです。
別に預金と違って金利がつくわけでもないし、もちろん預金保険に入っているわけでもないけれども、必要に応じて便利に使えるものであるならば、そこに必要な金額を入れておくという人はそれなりにいるでしょう。その場合、どの送金に用いるかを個々の人々が認識しているわけはないし、お金に色がついてない以上、事業者側が、これはどの送金のためかなんて確認のしようがないと思うんですね。
最終的に利用された暁にはわかるかもしれませんが、ここに書いてあることには無理があります。第1類型については、そもそも残高をあまり持たないことによってリスクを軽減するようなビジネススタイルのほうが多いと思いますから、ある意味で送金する目的がはっきりしているわけです。これに対し、5万円といった金額の第2類型のところについて、為替取引との関連性の確認を詳細にやるということは、何かやや非現実的なことのような感じがするんですね。
かたがた、プリンシプルというのも理解としてはわかるんですけれども、ただ、どうでしょう、信用創造をすることが何か特別なことなのかというと、確かに金融論の授業をするときに、預金を受け入れて貸出を行う、これを信用創造と言うという説明はしますが、個々の取引の個々の局面について、これが信用創造か信用創造ではないかということが、これがまた実態としてわかるものであろうかというと、それもあまりそういう感じが私はしないんですね。
そういう意味でいくと、何となく信用創造というのは、別に銀行法に信用創造という言葉もなかったような気がするので、銀行に特別に認められたものであるというふうに、あまりドグマティックに考える必要はなくて、それぞれの利用者が利用しやすいように利用すればいいと思います。
もちろん、本来の趣旨に外れて非常に高額の預金を扱っているということになれば、それは問題です。ただし、そこは当然現実的な問題として、一定の金額、例えばこの場合で言えば100万円を超えたら問題かもしれないけれども、それ以外のところについて、あまり通常の注意事項以上のことについて、特別に何か精神論を打つという必要は、私はないような気がいたします。
以上です。

【神作座長】
どうもありがとうございます。
続いて、森下委員、どうぞ。

【森下委員】
ありがとうございます。まず、滞留金に関してですけれども、やっぱり資金移動業者の口座に銀行預金と同じようなお金がたまることについては、破綻リスクもあると思いますけれども、私もこの場で何度か申し上げましたが、やっぱり流動性リスクですとか塩漬けリスクというものも非常に重要なのではないかと思います。分別管理をします、あるいは保全契約をしますというだけで、そこの部分が十分に手当てされているのか、ということだと思います。
特に、例えば給与などのようなお金も入ってくることになりますと、相当な額もたまって、日々の生活ですぐに出金しなければいけないようなものもそこに使われるようになるといったときに、本当にそれで大丈夫なのだろうかということが不安となります。
保全されている場合には取付け騒ぎは起きないんじゃないかというご意見もあるようですが、それは過去の事例がそんな簡単なものではないと示しているということについては、私も萩原委員と同じような意見を持ちます。
資金移動業者が預かるお金は基本的に為替に関係すると考えますと、決済性預金ということなのだと思いますけれども、今の金融規制においては、やはり決済性預金というものは非常に重要で、直ちに利用できることが前提となっていると。
そのような期待がある以上、銀行が預かっている場合でも、全額保護あるいは金月処理によって直ちに引き出せるということが前提となっているわけで、今後、何らかの制度的な手当てによって、資金移動業者が預かるお金がそのような形で、金月処理に近いような、ほぼ、すぐに払い戻せる、預けていても、仮に破綻しても何の不安もないことになるのであれば構わないとは思いますけれども、そうでない以上、そのようなリスクを周到に説明し、本当に納得した利用者がみずから選択するというのであれば格別、そうでない場合には、かなり思い切ったことになるのではないかと思います。
金額が小さい、例えば5万円という、先ほどそういうお話がありましたが、そのような場合については、私も、本当に為替に関係があるかどうか一々確認できるのだろうかというのは岩下委員もおっしゃられたところでして、そのように少額な部分は別に考えることはあると思いますけれども、もう少し多い、例えば100万円ということになりますと、果たしてどうなのかという気はいたします。
先ほど後藤委員からは、預金ではないということで、しっかりと区別できる人が区別をして、それで、利便性だけではなくリスクも勘案した上で選択しているのでいいのではないかというご発言がありましたけれども、果たして本当にそのような、リスクを見きわめた選別を多くの方ができるのかどうか。特に、例えば給与振込なんかになると、有無を言わさずそこにお金が入れられる可能性があるのだとすると、必ずしもそのようなことで割り切れないのではないかと思います。
次に、貸付金に関してですけれども、おそらく機能別・分野横断規制が始まったときに一番最初に例として挙げられましたのが、資金移動業者がお金を預かることと、貸金業をあわせ営むことによって、銀行と同じような機能を果たすことができるということはどうなのだろうか、という点であったかと思います。
その点について、その時点での問題意識が払拭されたのかどうかというと、必ずしもそれを払拭するような何らかの名案なり議論が出てきたという気は、私は今はしておりません。
あとは、おそらく資金移動業者の口座には為替のためのお金が入るということですので、例えば資金移動業者さんが生活資金や運転資金が足りない人に融資をして、それを預かり金口座に入れて、それを払い戻して、資金をいろいろ使っていく。そういう意味での信用創造はないのかもしれませんけれども、仮にそのようなことまでできるということになりますと、ちょっとどうなのかというような気がいたします。
あと、銀行が保証するからいいではないか、リスクは銀行部門が抱えているから安全ではないかという話もありますけれども、これはおそらく金融グループ全体のリスクを銀行に寄せているというだけであるように思います。例えば資金移動業者さんが預かったお金をいろいろな形で使い、それで事業に失敗したら、そこに保全契約を出している銀行がロスを被ることになります。
それも銀行がしっかりモニタリングできればいいのかもしれませんけれども、例えばグループ内の銀行などの場合に、しっかりとしたモニタリング機能が働くかどうか。銀行にリスクが集中する傾向があるということも、過去の歴史が一つ示してきた典型的なパターンですので、銀行がリスクをとってモニタリングをするから、資金移動業がリスクを抱えてもいいというような議論は、もう少し慎重に考える必要があるのではないかと考えます。
以上です。

【神作座長】
どうもありがとうございます。
続いて、長楽委員、どうぞ。

【長楽委員】
日本資金決済業協会の長楽でございます。 まず、資料1「補足討議資料」が論点ということでございますので、この論点について、協会事務局としての意見を申しあげてさせていただきます。「これまでの議論の整理」についても後ほど意見、要望を申し上げさせていただきます。よろしくお願いいたします。
それでは、1点目、資料1「補足討議資料」(1)の「利用者資金と為替取引との関連性」について、意見を申し上げます。
第1回事務局討議資料によりますと、資金移動業者が為替取引に関して利用者資金を受け入れることは、出資法が禁止する預り金に該当しないと考えられていること、そして、金融庁調査によりますと、資金移動業者における利用者資金の残高は5万円未満が約95%を占めている状況に鑑みれば、資金移動業者に対し、利用者からの受入額が送金上限額以下の場合であっても、為替取引との関連性を確認させ、必要に応じて利用者に払出しを要請するなどの対応を求めることは、事業者及びその利用者に対しまして、必要以上の多大な事務負担や手数料等の負担を強いることになり得るものと考えます。
資金移動業者自らが、そのビジネスモデルの特性に応じ、利用目的等を勘案して、自主的に為替取引との関連性を確認し、これが疎明できない場合には滞留させない体制の整備を行うことにより、資金移動業者に為替取引との関連のない利用者資金が滞留するリスクを軽減することは十分に対応可能と考えます。
2点目、資料1「補足討議資料」2ページの「資金移動業と貸金業の併営による信用創造の可能性」について、意見を申し上げます。
資金移動業者は、利用者からの送金依頼に基づき送金資金を受け入れ、当該資金は法制度上保全が図られていることや、資金移動業を適正かつ確実に遂行することが求められていることを踏まえれば、資金移動業者に対し、為替取引のために受け入れた利用者資金を貸金業のために活用することを防止する規制を設ける必要性はないものと考えます。

【神作座長】
どうもありがとうございます。
それでは、翁委員、お願いいたします。

【翁委員】
滞留の問題につきましては、基本的に資金移動業者なのですから、やはり送金や決済などに使い、いわゆる為替取引と関係のない資金は基本的には持たないということなのだろうと思っております。この意味で、まず100万円を大きく超える口座は送金や決済のためと考えられませんので、これを確認して事業者が払い出したり、監督もしっかりしていただくことになると思います。
一方で、100万円以下につきましては、今までご議論ございましたけれども、技術的には為替取引のために資金が滞留するということはあり得ますし、また、破綻の際に、受け取るまでのタイムラグはありますけれども、全額保全という形で利用者保護が図られておりますので、事業者が1つ1つ技術的に確認するということも相当煩雑なものであると思いますので、そこまで規制をする必要はないが、基本的な考え方としては、送金、決済の資金を預かる、それと関係ない資金は持たないということだと思っております。
それから、信用創造の可能性について問題提起されておられますけれども、これも資金移動業での受取資金を原資として信用創造するというのは、やはり問題があるのではないかと思っております。これは機能別で、今、決済のことを議論しているわけですけれども、ほかの信用リスクなども抱えてきますので、また新たな議論が必要になってくることになると思います。
したがいまして、私自身は、信用創造は基本的にその利用者の資金を使うことはできないようにするべきだと思いますが、一方で、原資が異なる形で併営するということはあり得るのではないかというふうに、現時点での整理では考えております。
以上でございます。

【神作座長】
ありがとうございます。
それでは、加藤委員、どうぞ。

【加藤委員】
まず、第1点目の利用者資金と為替取引との関連性の確認について、既に資金移動業を使って、本来は前払式支払手段で行われることを想定していたようなビジネスが広く行われていますので、本来の制度趣旨に適った規制の見直しであるとはいえ、逐一、為替取引との関連性を確認することを業者に求めるのは、難しい気がしております。
ただ、その上で、資金移動業という仕組みは、資金は滞留しないことを前提として設計されていますので、ポリシーとしては資金の滞留を認めないということを維持するべきであると考えます。
次に、(2)で、資料では信用創造への懸念が指摘されていますが、私は、請求があった場合には利用者に対して速やかに返さなければいけない資産を非流動的な資産に変えて保有すること自体が問題であると思います。
現行法においても、資金移動業を適切かつ確実に遂行するという観点から、資金移動業者が仮に銀行の保全契約を締結していた場合でも、利用者から預かった資産を流動性の高い形態で持つことが求められていると思います。特に資金移動業には、銀行のように流動性が一時的に枯渇した場合に迅速に供給してもらえる仕組みが制度としては存在しないことを踏まえた上で、資金移動業者には利用者からの返還請求に速やかに応じることができるだけの流動性を確保した状態で事業を行うことを求めることが望ましいと考えております。

【神作座長】
ありがとうございます。
それでは、小木曽委員、どうぞ。

【小木曽委員】
全体について意見があるのですが、とりあえず資料1について今議論があったので、資料1に関する意見を申し上げます。
最初、滞留制限のところですけど、これ、私は第1回のときから言っていますが、資金決済法制定当時から、換金可能な電子マネーなど、利用の前に一定の滞留があるビジネスモデルはそもそもあったわけでございます。ビジネスモデルに応じた事業者の自主的な基準で、為替取引等の関連性に疑義がある滞留について確認をする体制が整っていれば十分と思っています。
何人かの委員の方からもご意見があったと思いますが、規制のつくり方として、一律で基準を定めるという方向ではなく、柔軟な、多様性のある形でやっていくということが、ルールメーキングのあり方ではないかと思います。
それから、ペイロールの話が関連して出てきましたが、ペイロール自体、必ずしもどういう議論の状況になっているかが十分世の中に出回っていないのもあって、議論が若干混乱しているのかと思いますが、ペイロールの件は、そもそも第2類型と違う観点で、別途、追加的措置というのが検討されていると思いますので、また、有無を言わさず強制的に資金移動口座に入れてしまうというのは、いつの時代の話かよくわかりませんけど、もちろんそういうものではございませんので、ちょっと議論の前提が違うのかと思います。
それから、流用のところです。貸金業との併営について、貸した部分のところが、そもそもの利用者からの資金の受入れがないという意味において、既存のタイプと違うということで、流用禁止を明記しておくべきという趣旨はわかるのですけれども、一方で、受け入れた資金を流用しないようにということを、保全義務に加えて、あえて既存の業務についても書く必要性あるいは実効性があるのかについては、やや疑問があると思います。
とりあえず資料1についての意見ということで発言させていただきました。以上です。

【神作座長】
ありがとうございます。資料1についてすでに多くのご発言をいただいておりますけれども、資料1について、もちろん発言を続けていただいても結構ですが、時間の関係から、資料2についてもご発言のある方は、あわせてご発言をいただきたいと思います。
それでは、丸山委員、中谷委員の順で、まずお願いいたします。

【丸山委員】
ありがとうございます。
まず、資料1に関して申し上げます。先ほど来、滞留のお話が出ていると思いますが、そもそも資金移動業のサービスというのは、安価で便利なサービスを使うという前提でつくられております。利用者にとって安価で便利というのは、要は時間的であり、手間であり、金銭的なコストが抑えられるメリットがあると思います。
そう考えますと、例えばATMに行ってチャージができるものであったり、銀行口座からチャージすることもありますが、それを毎回毎回やるのは、時間的に、もしくは金銭的なコストや手間も当然かかります。
そう考えると、複数回使う分を想定して一定分チャージをするというのは、当然あり得ることだと思います。なので、滞留が一律に難しいということではなく、そもそもの資金移動業の考え方からすると、そういうことはあり得ると思います。そういう意味では、必ずしも滞留に関して1件1件確認するというのは、あまり現実的じゃないとは思います。
それから、貸金の流用の点に関しまして、各社、実際に、おそらく金融庁に見ていただければ、実際は流用していないような状態が非常に多いんだと思います。先ほど来、委員の先生方からもお話がありましたが、当然、例えば年に1回なり監督して、確認して問題がなければよいレベルじゃないのかと。実際、コミングルがないようにと全部資金を分別管理していくとなると、これは業務、監督面で相当なコストになるのではないかと思いますので、果たしてそこまでの必要性があるのかというところは、ご検討いただくべきじゃないかと思います。というのが資料1に関してです。
今、座長から資料2に関しましてもとありましたので、少し意見を述べさせていただきますと、基本的には、これまで議論をさせていただいた内容で、イノベーションと利便性、それから安全性というバランスから、非常によい報告案になっていると思ってございます。
今後、これを実務に落として検討されていく中で、今後の検討の中でのお願いに近い部分ではありますけれども、二、三点ほど申し上げさせていただきますと、まず資金移動業の複数類型の併営という項目がございます。実際に、第1、第2、第3と複数の類型を運営されるケースが当然あると思っておりますが、資料に「類型ごとにアカウントを開設」という表現がございます。
資金を区分して管理するのは当然だと思うのですが、これだけ読むと、毎回毎回、契約行為を別にしなくちゃいけないのかというと、これは利用者から見ると非常に不便なようにも見えますので、アカウントの開設というよりは未達債務をしっかり管理するということが趣旨だと思いますので、この辺は、利用者の使いやすいサービスということを念頭に置いていただけると大変ありがたいと思っております。
それから、仲介法制の点に関しましても、今後のご検討のお願いというところではありますけれども、参入規制の部分で、財産的基礎の部分、規模に応じてご考慮いただくという内容が入っておりますが、取り扱う商品なり範囲がおそらく各社で異なると思いますので、ここも柔軟な、段階的な制度が十分に設計いただけるとありがたいと思ってございます。
それから、兼業の点で、前回もお願いをさせていただいた点で、注意書きの35にもあるのですが、今回新しい制度ということですので、兼業制限を入れてスタートというところは当然検討されるべきと思いますが、複数の金融機関の商品を扱っていった結果、やはり代理業まで実施したい、商品を追加したいとなると、全金融機関と所属性のある代理契約を結び直さなきゃいけないというのは、なかなかハードルが高い。要するに、新しい法制度によって新しい参入業者が出て、便利なサービスができて、さらにもう一段進化しようというときにハードルがある点は再度検討の余地はあるのかと思いますので、将来的な見直し、もしくは状況を見て検討というところをご考慮いただけるとありがたいと思ってございます。
その他、行為規制、自主規制等々、いろいろ実務サイド、事業者サイドとしては、これから具体的な検討に関して、ご意見、アドバイスといいましょうか、協力していきたいと思っておりますので、引き続きご検討いただけますとありがたいと思っております。

【神作座長】
どうもありがとうございました。
続きまして、中谷委員、お願いいたします。

【中谷委員】
まず、資料1について意見を述べます。(1)の利用者資金と為替取引との関連性のところです。そもそも、資金移動事業者が提供しているサービスは、資金を滞留させるためのサービスではなくて、あくまで決済や送金に利用してもらうための為替サービスですので、広く資金を集めて滞留させることを問題にする出資法の規制はそぐわないと思っております。もっとも、残高が100万円を超える部分に関しては、マネロンリスクや安全性の観点を踏まえて、モニタリングを行い、場合によっては払出し等を促すことについては、ある程度理解をしております。
モニタリングのあり方に関しては、画一的に決めるのではなく、事業者において方法を検討のうえ実施し、それを金融庁でモニタリングしてもらうという、いわゆる共同規制の方法をとることを盛り込んでいただければと思っております。
資料2の取りまとめ案につきましては、我々IT団体連盟がこのワーキング・グループの冒頭から言っておりました、国のキャッシュレス推進施策に沿うか、イノベーションを阻害しないか、あるいはユーザーの利便性の向上と安全性の両立が図られるか、という3つの観点から、バランスのとれたものだと思っております。
その上で、2点お話をさせていただきたいと思います。
1点目は収納代行です。資料2の13ページに記載されているように、収納代行のリスクは、もともとの売買契約に存在しているリスクを、間に入る事業者につけかえただけのものという理解であります。この点は、改めて強調させていただきたいと思います。
そういう意味で、事務局案は、ユーザーの利便性、安全性の維持とともに、今後のイノベーションを阻害しない案として、我々は強く支持いたします。IT団体連盟としましては、政省令の制定を含めた今後の議論につきましても、積極的に貢献させていただきたいと考えております。
2点目は仲介法制です。既存の仲介業登録をしている者には、同じ分野において新たな仲介事業者としての営業を認めないという、兼業禁止の案につきましては、新制度の趣旨を最大化できないのではないかと危惧します。
事務局案のように兼業を禁止しながら、政府が決めた「全ての分野の商品を扱えるようにする規制緩和を実施することで、スマホ上で金利や手数料を比較しながら、自分に合った商品を選択できるように」するという大方針を達成するためには、やはり外貨預金や現物株式、複雑なものを含めた投資信託などを全て取り扱える方向で詳細を決めていくことが非常に重要だと思っております。それによって、ユーザーの利便性向上につながるのではないでしょうか。
以上です。

【神作座長】
どうもありがとうございました。
続きまして、坂委員、永沢委員、菅野オブザーバーの順でご発言をお願いいたします。それでは、坂委員、お願いいたします。

【坂委員】
ありがとうございます。まず資料1について、資金移動の資金滞留問題ですけれども、これについては、現行法の制度枠組みについて、再度確認する必要があるのではないかとは思っております。
平成30年度の金融制度スタディ・グループでは、資金決済法制定時には、資金滞留はそもそも想定しておらず、当然、出資法に抵触するという前提だったというご指摘をいただいております。また、当時のパブリックコメントの回答でも、受入資金が具体的な送金と結びついている場合は預金受入れに該当しないが、送金と無関係に預かったりする場合には預金受入れに該当するという回答がされているところと思います。現行法の理解としては、こういったことが前提となるとすれば、現行法どおりにやるならば、そのようなことを確認していくことになるのではないかと思います。しかし、この間の状況を見ますと、一方、多額の資金滞留を放置できない事態が生じており、他方、利用者利便のためにある程度の滞留を求める意見があるところかと思います。
今後のあり方としては、100万円までは比較的緩やかに滞留を許す方向もあり得なくはないかもしれませんけれども、これは現行法制を大幅に緩和するものとなって、この間の議論からは、そこまで認めるべき実態が確認できているとは言いがたいようにも思われます。残高5万円未満の利用が約95%を占めるということに鑑みますと、現状では、滞留の必要はその水準を大きく超えないとの見方もあり得るところと思います。
利用者との関係では、為替取引との関連性確認等の制度を求めることは、還付に時間リスクのあるサービスをどのように提供するかという安全性の観点と、利用者の確認や払出しの手間を幾ら以上に求めるかという利便性の観点の問題かと思います。利便性への配慮も必要ですけれども、制度的にはリスクに備える役割が重要と思います。
今後の方向性としては、出ている議論をお聞きいたしますと、プリンシプルについて、しっかり現状を確認するとともに、今後モニタリングをきちんとしていくということが一つの方向かとは思います。ただ、この場合も、極めて低額の部分、5万とか10万の部分については、比較的緩やかな運用を図っていくということも一つかと思います。
それから、次に利用者資金の貸金業への活用の防止規制についてですけれども、これは信用創造もさることながら、利用者資金を自己のために自由に活用してよいわけではないという当たり前のことを当たり前に明確にすべきと思います。
資料1の末尾に紹介されているシンガポールの制度も参考にしつつ、利用者資金の貸金業への活用の防止規制及び自己の運転資金等への流用は認められないことは明確化すべきと思います。
さらに、前払式支払手段においても、保全が半額としても、利用者資金は加盟店への支払い等に充てられるべきものであって、一般利用者の合理的意思は、残る半額について、資金流用を許す趣旨ではないと考えられます。他の委員からも前の会議でご指摘があったと思いますけれども、前払式支払手段においても、同様にシンガポールの制度をもとに資金流用の禁止を明確化していく必要があるのではないかと思います。
次に、資料2についても述べたいと思います。収納代行については、今後ともその動向を注視しつつ、それぞれのサービスの機能や実態に着目した上で検討を継続していくことが極めて重要かと思います。
足下の動向に関して、消費者相談の現場では、健康食品や化粧品の定期購入の消費者被害が問題となっております。これは販売契約に問題があるわけではありますけれども、決済手段として、規制が必ずしも明確でない収納代行やポストペイ型のサービスが用いられているといった指摘も見られるところです。この種の問題への対応のあり方は、それ自体、論点ではありますけれども、こうした動向も注視しつつ、引き続きの検討が必要と思います。
また、この間の議論では、エスクローを含め収納代行サービスについては、現状、実態把握が必ずしも容易でない問題が指摘をされております。まずはこの点について、関係機関において対応をお願いしたいところでございます。
それから、ポストペイについては、資金移動業と貸金業の組み合わせは、スキームによっては割賦販売法の規制対象となり得るという点に留意が必要かと思います。割販法は、特定の販売業者と密接な牽連関係のもとで、商品等の販売を条件として、代金相当額を当該販売業者等に交付して後払いを受ける与信取引について、契約形式を問わず、広く規制対象としています。例えば、売買代金支払にひもづいた資金移動と貸し金サービスをシームレスに行う場合などは、割販法の規制対象になり得ると考えられます。この点は、報告書でも注記等において触れておくべきかと思います。
それから、金融サービス仲介法制については、ご確認ではありますけれども、2点ご質問がございます。
1点は、21ページの総論部分についてですけれども、説明義務や体制整備義務等は、仲介行為にかかわらず共通して必要と考えられますけれども、説明の具体的内容や必要とされる体制の具体的内容は、現行法の規律に従って、仲介行為に応じて異なると思われますけれども、そういう理解でよいかどうかという点が1点。
それからもう1点ですけれども、説明義務についてですが、今回の制度整備は業法に関するものであって、今回の報告書においては、金融商品販売法の民事ルールについては、媒介、代理等、複数の販売業者が販売勧誘する場合のルールを含め、現行の規律を変更するものではないという前提でよいかどうか、この点を一応確認しておきたいと思います。
以上です。
【神作座長】
ありがとうございます。
ただいま2点のご質問がございましたけれども、事務局からご回答をお願いいたします。

【岡田信用制度参事官】
いずれも坂先生のご指摘のように理解しておりますので、間違いございません。

【神作座長】
よろしゅうございますでしょうか。
それでは、続きまして、永沢委員、お願いいたします。

【永沢委員】
ありがとうございます。私は4時に失礼させていただきたいと思っておりますので、資料2について記載の順序に従って意見を述べさせていただきます。
まず、決済についてですが、資金移動業のところにつきましては、記載されている内容に賛成ということを申し上げた上で、送金にはリスクがあり、利用する事業者によってリスクの程度も異なるということを、消費者が理解できるようわかりやすく啓発や教育、情報提供をしていただくことが必要と感じております。消費者自身が、サービスの選択において主体性が持てるようになるような情報提供のあり方や消費者教育が課題だと思います。
前払式支払手段につきましては、いろんなご意見がありますが、私としては、利用者資金の保全については全額が望ましいという考えに変わりはありませんが、議論が平行線をたどり、その間に利用者保護に欠けるようなことが起きてしまうことは避ける必要があると考えており、次善の策ということで、半額しか保全されないことが利用者にわかるように明示されることで消費者保護に対応するという事務局提案に賛成をします。
個別サービスの話を出すのはこの場では適当ではないかもしれませんが、先日、LINE Payの説明をお聞きしました。この点についてきちんと説明はされていました。個人情報を提供しないで利用する場合は前払式のほうになり、その場合は、自分が払い込んだ資金の半額が保全されるが、個人情報を提供した場合は資金移動業に該当するサービスとなるので全額保全されるという説明でした。その説明は、このワーキング・グループに参加している私には理解ができるものでしたが、一般の利用者から見ると同じサービスのように見えるのに、適用される法律や保護のレベルがなぜ違うのか、やや混乱されているようでした。こうした差は、一般消費者が疑問に思い、わかりにくいと感じるところと思います。
続いて、監督のあり方について平仄を合わせることについては賛成でございます。当局が利用者保護に欠けると判断される場合には、指導に入れるように法的手当をすることが必要です。決済サービスの分野は利用者が広範囲ですので、トラブルが社会問題化する前に事前に防ぐという点でも、当局が利用者保護に欠けると判断される場合には、指導に入っていただくことが必要なことだと私は思います。
それから、無権限取引への対応については、なりすまし被害などに遭ったときの対応法について消費者にわかるよう明示をすることを義務づけることは、ぜひお願いしたいと思っております。業界団体では既に相談窓口を設けておられますけれども、その窓口のPRと併せて、苦情や相談の受付体制の拡充もぜひともお願いしたいと思っております。
次に、新仲介業者のところですけれども、取り扱うことができる商品やサービスについては、私は家計簿アプリを使う層がまずは若年者であろうということを考えますと、健全な資産形成に資するような商品サービスに限定するというような慎重なスタートでお願いしたいと思ってますし、その気持ちには変わりはないんでございますが、その制限については、業界の自主ルールなどに委ねることに同意をしたいと思います。既に対象から外されていると理解しておりますが、こうしたアプリから若い現役世代がFX取引などの投機的な取引にはまるようなことはあってほしくないと申し上げておきたいと思いますし取扱商品については、個社の皆様が賢明なビジネス判断をされることを期待しております。
また、福田先生が2回にわたりご指摘をされておりましたが、金額の上限の設定も私は必要と考えております。例えば保険の中には、毎月少額の掛金であっても全体としては大きな金額になるものがあります。また、対面で時間をかけて説明を受けた上で契約をすべきものもあるように思いますので、法律で金額制限ができないのであれば、業界のルールで制限をいただくことを期待したいと思っております。
次に、顧客情報の適正な取扱いのところにつきましては、資料2に記載されていることはもちろんですけれども、新仲介業者のところに重要な個人データが集まるということを考えますと、漏えいや不適切な取扱いが起きないように管理体制が万全かについてしっかりと監督いただくことを当局には強くお願いしたいところです。次元が異なるかもしれませんし、最近発覚した神奈川県の事件など、起こってはならないことが起きており、気づかれず長く放置もされてもいました。立派な城壁をつくったと思っていたら、ネズミが穴をあけて、するすると毎日のように通り抜けていたということが起きるということも、人間の介在することですからあり得ることですので、こうしたありえないことが起きないよう、実質的な管理監督をお願いしたいと思います。
続いて、中立性と報酬の開示のところですけれども、23ページの7行目に、保険仲介人にならった方法が適当であるとの記載がありますが、これまでの議論の中では、求められなくても開示をすべきなのではないかという意見もあったと記憶しております。個人的には、現状ではこうした情報を強制開示をさせても、その情報を利用者である一般消費者が理解してサービスの選択の判断に利用できるようなレベルに至っていないとも思います。また、強制開示となりますと事業者負担も相当に大きいとも思いますので、この度の事務局提案の通りでいいと思ってはおりますが、将来的にもそうでよいのか、顧客が求めた際に開示をするという情報開示の在り方でいいのかというところは疑問が残るところでございまして、開示を進めていこうという時代の流れに水を差すようなことであっては困るなと思っております。
それから、むしろここで大切なのは、個別の報酬開示というよりも、どういうビジネスモデルで会社が運営されているのかということを利用者や市場が把握することができるようにすることが大事だと思っておりまして、前回も申し上げましたけれども、収益の内訳を、例えば顧客からの報酬、金融機関からの報酬、その他広告などの報酬など大きく3つに分けて開示いただき、どういう収益構造になっているのかを説明いただくことが必要ではないかと思っております。私はここは義務化・ルール化していただきたいと思っております。どこからお金を得てビジネスが成り立っている会社なのかを知ることは、利用者にとってはサービス選択の上での重要な判断情報になるのではないかと思うからです。
所属制については、我々投資家は長く所属制になれ親しんできており、所属制ではなくなることが、自分たち投資家にどのような効果といいますか影響を与えるのかが、投資家にはよく理解できていないように思います。所属制を廃止して、今後どのようなことが起きるのかを投資家レベルにもわかりやすく知らせていくことが必要だと思っています。
最後になりますけれども、利用者保護・消費者保護の観点から、利用者が既存の金融機関の業界団体の金融ADRも利用できることが大事であるということはすでに他の委員からもご指摘いただいておりますが、私からもここは是非ともお願いしたいと思いますし、新仲介業者の皆様には、既存の業界団体と同レベルの金融ADRの設置を進めていただくこともぜひともお願いしたいと思います。
以上でございます。

【神作座長】
どうもありがとうございました。
それでは、菅野オブザーバー、お願いいたします。

【菅野オブザーバー】
ありがとうございます。日本銀行の菅野でございます。資料1の(2)に関連して、一部委員と重なる部分もございますが、手短に発言させていただきます。
資料にございますとおり、資金決済法の制定時に、受け入れた利用者資金の使途については特段の制限を設けない旨の整理がなされたものと承知しております。その一方、前身のスタディ・グループや本ワーキング・グループの議論の過程では、利用者資金の保全方法として、保全契約が相応に利用されていること、また、現行規制のもとで、資金移動業者に相応の資金滞留が生じていることが明らかになりました。このことは、今回、第1類型の事業者には送金上限が撤廃されることと相まって、金融・決済システムの安定確保などの観点から、改めて立法当時の検討結果の妥当性を吟味する必要性を示唆しているものと思われます。
また、資料の注2では、「資金移動業者は、…利用者資金を自己のために自由に活用して良いわけではないとも考えられる」と指摘されていますが、他方、そもそも保全方法として保全契約を認めていることは、手元に残る利用者資金が活用されることをあらかじめ想定しているとも考える余地がなくもありません。
こうした状況の変化や規制の曖昧さを踏まえますと、資金移動業者が手元に残る利用資金を活用することができるのかどうかを、この際ご議論いただくことは、公正な競争やイノベーションを促す前提となる規制の内容を明確化する観点から必要かつ適当なことと考えます。これは貸金業に必ずしも限りませんが、中でも貸金業の場合、直接的に個人や企業の信用リスクテイクを行うだけに、こうした議論は重要だと思われます。日本銀行としては、資金移動業の実情や将来の発展可能性を踏まえつつ、利用者利便と利用者保護の適切なバランスが確保されるようご議論いただけることを期待しております。
なお、少し別の観点になりますけれども、保全契約、つまり銀行保証による資金保全については、現実にそうしたビジネスモデルがあるかどうかは承知しておりませんけれども、グループ内の銀行が保証を行うケースでは、信用の源が共通という特徴がございますので、被保証者と保証者が同時に破綻する、いわゆるダブル・デフォルトが生ずる蓋然性が、そうしたグループ関係のない組み合わせに比べて、ある程度高くなる可能性があり得ます。
したがいまして、保全契約に関しては、こうしたダブル・デフォルトの蓋然性の有無や程度も勘案の上、監督上の対応を適切に行っていくことも検討いただく必要があろうかとも考えられます。とりわけ利用者資金の活用を認める場合には、その影響が大きいだけに、この点の検討や対応が一層重要になると思われます。
以上でございます。

【神作座長】
どうもありがとうございます。
それでは引き続きまして、後藤委員、加毛委員の順でお願いできますでしょうか。

【神作座長】
それでは、後藤委員、お願いします。

【後藤委員】
どうもありがとうございます。私も4時に失礼しなければなりませんもので、資料2について発言をさせていただきます。既に何人かの委員からご意見がございましたけれども、全体としては、いい方向性にまとまっているのではないかと思いますが、2点ほどコメントさせていただきます。
まず、23ページの仲介業者の中立性のところの、前回も議論になりました手数料の開示ですけれども、23ページの2段落目の上から3行目に書いてありますように、なぜこれが必要かというと、顧客が仲介業者の中立性を評価できるようにするためであるということです。必ずしも明確には書かれておりませんが、前回申し上げましたように、法律上の立場として仲介業者が顧客側についている場合に限らず、金融機関側についている場合だったとしても、仲介者が複数の金融機関から最適な商品を選ぶということをうたっているような場合に、顧客にとって本当にベストなものを選んでいるということを裏から確認できるようにするために手数料の開示が重要であると考えております。
この観点からは、最終的にお勧めされて買った商品についてのみ、買った後で、ちなみに手数料はこれですと示されたのではあまり意味がないわけでして、複数の候補から選択をする段階で、最終的に幾つか絞られた段階でももちろんいいと思うのですけれども、その中で一番お勧めはこれですと言われたときに、その商品の手数料が、ほかのお勧めレベルが低いものに比べて、業者にとって有利なわけではないということが確認できるかということが重要になると思われます。ですので、手数料の開示の範囲というんでしょうか、そこを慎重に考える必要があろうと思っております。
ただ、比較の対象となったものについての手数料を開示せよという場合に、具体的にどこまでですかという問題が出て来ます。明示的に比較になったものもあれば、顧客に有利な商品であるにもかかわらず手数料が低いために検討の対象にすら上げてもらえないというものもあるかもしれない。後者のような商品についても本来は紹介した上で手数料を出すべきだとすると、開示範囲を明確に限定するのは難しいかもしれません。
そうしますと、ここでは、顧客が販売された商品についての手数料の開示を求めることができるという一番重要な点を規制として導入しつつ、その開示をどのように顧客にわかりやすい形で行うかというのは、ここにも引用されていますけれども、まさしく顧客本位の業務運営の原則という考え方から行われていくべきことを確認することが重要であるかと思います。また、その際には、業者もしくは事業者団体のガイドラインなどによって運営されていくことが望ましかろうと思っておりまして、文書としてはこのレベルで結構かもしれませんけれども、そのような観点が重要ではないかということを強調しておきたいと思います。
もう一個は、24ページにかけての説明義務のところです。重複的な説明を聞くことは顧客にとってのメリットになりませんので、どちらかが十分な説明を行えば足りるということはそのとおりかと思うのですけれども、これもまた前回申し上げましたように、顧客側がどちらで説明を受けるかということをしっかりとわかっていればそれでいいでしょうし、仲介業者から十分な説明を受けていればそれで十分だとは思うのですけれども、仲介業者からは不十分な説明しかなされておらず、しっかりとした説明は金融機関のほうからなされるということになっているにもかかわらず、顧客側がそういうすみ分けを十分に理解できていないことにより、もしくは、顧客側が仲介者の説明を聞いただけで既に意思決定をした気になっているために、金融機関からの説明をしっかり聞かないということが人間の対応としては十分考えられるわけでして、その問題をやはり考慮していく必要があるんじゃないかなと考えております。
こういう観点からは、仲介業者との最初の接点の段階で顧客に十分な情報が提供されることが望ましいのであって、それもひょっとしたら顧客本位の業務運営原則ということになるのかもしれませんが、顧客本位の業務運営原則はあくまで任意の規範でして、それにサインアップしないという場合には、あまり意味を大きく持たないのかもしれないとしますと、やはり仲介業者の段階での説明が基本となるということを指摘しておいていただけるとよいのではないかなと思っております。
また、業法上の行為規制としての説明義務ということであれば、それはどちらかがやればよいという形でもいいのかもしれませんけれども、先ほど坂先生からもご指摘がありましたように、仲介業者、また金融機関双方の民事責任という観点からは、これは独立の問題であり、金融商品販売法以外にも、民法上の不法行為責任という形で、不十分な説明しかしていない仲介業者と知りながら、金融機関が、そこに商品をおろしていたということであれば、これは両方に責任が認められることになると思います。これは所属制に基づく責任とは全く別のもので、独自の不法行為責任がそれぞれに成立し得るという可能性があるということは民法上の話ですので、報告書に書くものではないかもしれませんけれども、この機会に確認をしておきたいと思います。
以上でございます。

【神作座長】
ありがとうございます。
それでは、続きまして、加毛委員、お願いします。

【加毛委員】
資料2ですが、全般的には良い方向性が示されていると思います。その上で、内容面でのコメントを3つ、形式面でのコメントを1つ差し上げます。
内容に関するコメントについては、重要なほうから申し上げます。まず、13ページのエスクローです。先ほど中谷委員が強調されたところですが、ここでは、「売買契約の当事者間に生じる信用リスクをサービス提供者に付け替えている」に過ぎないので、規制は不要であるという論旨が展開されています。しかし、事業者のリスクの管理も重要な問題であるといえます。この点は、資料1で問題とされた資金滞留の問題と密接にかかわります。資料1の14ページでは、利用者資金の保護について自己信託等の可能性が示されていますけれども、それとあわせて、一定期間で資金を払い出すというリスク管理の手法もあることを、指摘しておいても良いのではないかと思います。
2点目は、9ページの前払式支払手段についてです。利用者資金の保全に関して、今回は、残念ながら改正論に立ち入ることができませんでした。しかし、今後、技術の進展により、様々な新しい決済手段が登場するようになると、そのうちのいくつかが前払式支払手段の定義に該当してしまうことによって、規制の水準が下がってしまうという問題が生じるおそれがあるように思います。利用者資金の保全のほか、より深刻なものとして、マネー・ローンダリングの問題があります。このことを意識して、前払式支払手段について、継続的に検討していく必要があると考えます。
3点目は、11ページの無権限取引についてです。当面は事業者の自主対応に委ねるということで結構だと思います。ただ、この間、様々なご説明を受けましたが、無権限取引としてひとくくりに議論されているもののなかに、法的性格の異なる問題が含まれていることに注意を要するように思います。この点は、事業者の自主対応を考える上でも重要だと思われます。
例えば、無権限取引が事業者の帰責事由に基づいて生じた場合には、事業者の債務不履行責任が成立することになります。事業者の過失に基づく不法行為責任が成立する場合もあるかもしれません。それらの場合には、事業者が負うべき損害賠償責任の免除が問題となります。これに対して、事業者の帰責事由によらずに無権限取引が生じた場合には、事業者は無効な指図に従ったことになり、その責任の範囲をどのように考えるかが問題となります。両者は異なる性格の問題であり、無権限取引に関する損失分担について考える上では、そのことを意識したうえで議論をする必要があると思います。
最後に形式面について1点申し上げます。19ページの「3.参入規制」の「(1)財産的基礎」の最初のところで、「新たな仲介業には所属制を採用しないことから、…新たな仲介業者がその賠償責任を負うことがありうる」と書かれています。しかし、この表現ぶりはミスリーディングだと思います。現行法のもとで所属制に服する事業者についても、所属金融機関が損害賠償責任を負うのとは別に、顧客に対して損害賠償責任を負う可能性はあります。この点を誤解させるような表現となっていますので、書き方を見直した方が良いだろうと思います。
以上です。

【神作座長】
どうもありがとうございました。
それでは、IBAの鳥海委員、福田先生、それから、田村委員の順でご発言をお願いできますでしょうか。

【鳥海(厳)委員】
ありがとうございます。資料1のほうを手短に、いろんな先生方がもうご発言済みで、森下先生がおっしゃっていた流動性リスクとか、あるいは後藤先生でしたでしょうか、流動性、それから、萩原委員がおっしゃっていた信用創造の逆回転といった問題意識にほぼ近いものなんですけれども、そもそも為替で受け入れた資金を他に流用することがよろしくないのではないかという問題意識ももちろんなんですけれども、為替資金を元手にした貸金業というビジネスモデル自体があまり安定的じゃないし、サステイナブルではないのではないかと考えております。これは利息を払わないでいい、いわば当座預金のようなものだと思うんですけれども、それ以上に足が速い、スティッキーでない、ステイブルでない資金源を元手に貸金業を営む、どのような貸金業なのか私はわかりませんけれども。そうしますと、そもそもこういったビジネスモデルというのがなかなか考えにくいのかなと。これを安定的に営むためには、逆にある程度の滞留を前提にしないと成り立ちにくいのではないかなと思っていまして、もし滞留を厳しく戒めるといった制度設計とするのであれば、この為替資金を元手にした貸金業というものもなかなか考えにくいのかなと思っております。
資料2、金融サービス仲介法制についてでございます。前回も少し申しましたけれども、ページで申しますと、17ページ、仲介先についての記述、それから、18ページに取扱可能なサービスについて、18ページの脚注で外貨預金についての言及がございます。ここで外貨預金に言及していただいているのは、おそらく日本国内の銀行が、邦銀が提供する外貨預金を念頭に書いていただいているのだと拝察いたしますけれども、ぜひ、日本国内、あるいは、国外に所在する外国銀行も仲介先の対象として視野に入れていただきたいと存じます。
また、商品性についても、業法上の商品分類を機械的に踏襲するだけではなくて、弾力的にご検討いただければと存じます。
以上、その旨、本文あるいは脚注で言及していただければ大変ありがたく存じます。
前回も申しましたとおり、現状、特に個人のお客様に対しましては、外国の銀行支店が、外国銀行代理業務の認可を取得していましても、そのもとで代理媒介できる商品が実質的に極めて少なくなっております。他方で、何の規制にも服していない事業者が手数料を徴求して海外での口座開設を媒介するという実態がございまして、顧客保護の観点からも看過すべきではないものと存じております。顧客の選択肢が非常に限られてしまっているという現状がございますので、ぜひ、よろしくご検討いただければと思います。
以上です。

【神作座長】
どうもありがとうございました。
続いて、福田委員、お願いいたします。

【福田委員】
ありがとうございます。私も基本的には報告書の、特に資料2に関しては結構なんじゃないかとは思っております。けれども、金融のリスクというのは、過去の経験を見ると、基本的には教科書どおりには起こってはいないという難しい問題があります。これは「This time is different」という言い方をよくしますけれども、教科書どおりには金融のリスクというのは顕在化するわけではなくて、万全のことを考えているんだけども、思わぬ形でいろんなことが起こることはあるということは常に念頭に置かなければいけないと思います。そういう意味では、プリンシプルは大事で、金融に関してはこういうことは望ましくないんだということが明確であることが望ましいと思います。例えば資金移動業者が預かった資金を貸し出しに使うというのは、プリンシプルとしては明らかによろしくないということですので、そういうプリンシプルというのはあくまでも常に明確にして、理解しておくということなんだろうとは思います。
他方で、特に金額が少額なものに関して細かなルールをつくるというのは現実的ではないし、現状では、いろんな業者がいろんなアイデアを使って新しいビジネスを始めようとしているのに、それの阻害になるということは足かせをはめるということではないんだろうとは思います。ただ、こういうルールをつくらないから何でもやってよいわけではなく、プリンシプルとしても認めていることではないんだということは、やはり何度も確認するということは大事なんだろうとは思いますということです。
また、将来的にどうなるかということは常に考えとかなければいけないと思います。多くの方が継続的な調査とおっしゃっていましたけれども、全体として見ると、24ページに、今後の金融行政の観点から必要な対応もあり得ることについて留意が必要であると書いてあります。けれども、これだと仲介業者の問題に関してだけそういうことが必要だと読めなくはないです。全体として見ると、現状、特にこの案で問題があるとは私も思いませんけれども、将来的に見ると、いろんな問題というのが発展してきたときには当然必要な対応というのが金融行政としても考えなければいけない。そういうことが十分あり得るんだということを念頭に置きながら、この報告書の案というものを理解するということはやはり大事なんじゃないだろうかと思います。
以上です。

【神作座長】
どうもありがとうございました。
続いて、田村委員、お願いいたします。

【田村委員】
ありがとうございます。損害保険協会です。資料2の仲介法制の部分に関しまして一言申し上げたいと思います。
損害保険業界としましては、新たな仲介制度の創設自体にはこれまでも賛意を示してきたところでございますが、一方で、利用者利便と利用者保護は両輪で考えることが不可欠であるということも繰り返し申し上げてまいりました。その点、本日の報告案でも、新制度創設にあたっての基本的な考え方として、利用者保護の観点から多くの言及がなされているものと認識をしております。当協会としましては、これまで新たな制度の検討にあたり、利用者保護や公平性という観点から種々の意見を述べさせていただいたところでありますけれども、この場で取りまとめる報告については、新たな制度の大枠を示したものとして、当業界の意見も反映いただいたものと理解をしてございます。
損害保険分野の特性に応じた適切な制度とするため、金融庁をはじめ、関係各位と引き続きしっかりと考えてまいりたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
以上です。

【神作座長】
どうもありがとうございます。
続いて、小野委員、お願いいたします。

【小野委員】
ありがとうございます。外国損害保険協会、小野でございます。今回論点にまとめられました、あるいは冒頭事務局からご説明ありました点につきましては、この会議で皆さんがご発言になった内容が過不足なく、かつ私どもなりにご提案なりコメントさせていただいた内容が盛られている、と理解いたしまして賛同いたします。
この後、幾つかの点についてコメントをさせていただきます。仲介行為についての定義といいましょうか、考え方ですが、今回の整理は、代理は含めず媒介という形に整理する、ということ、これ自体異論はございませんけれども、先ほど永沢委員からもございましたけれども、利用者顧客の目から見ますと、現状、保険仲立人は媒介という形で定義されておるものですから、新しい業者、あるいはほかの関連する方々が自己の業務の説明を顧客にする際も、この辺はある程度きっちり、どういう形でするのがいいのか、というのを、恐らく今後いろいろな形での明文化等考えておられるんでしょうけども、整理されることが望まれると理解いたします。
それから、取扱可能な金融サービス、これも顧客本位、あるいは利用者利便の点から見まして、妥当な判断だと理解しております。
それから行為規制につきましても、とりわけ、このペーパーの総論で示されている考え方につきましては、私どもも再三申し上げております顧客本位、あるいは利用者利便の観点から見まして、現時点では妥当であろうかなと考えます。
顧客に対する説明義務でございますけれども、これはある意味では確認になりますけれども、また、先ほど坂委員もご確認ということでご発言がありましたけれども、私も、商品やサービスについての説明義務に加えまして、保険の分野、とりわけ募集面におきましては、顧客に対して数々の意向確認も含めまして、十分な説明なり、顧客本位の観点から義務が課されております。丁寧な説明、プロセスを制度化しております。これは総論にあります、「必要と考えられる規制については」「共通にして求め」、また、「金融サービスごとの特性に応じた規制」については「アクティビティーベースの規制体系となることが期待される」、とのくだりを用いまして、おそらくこのあたりにも、今申し上げたような、顧客本位の観点からの論点があるものと理解しております。
以上、前2回会合も含めまして、縷縷申し上げましたけれども、実は私ども外国損害保険協会という協会の会員の性格上、諸外国におきましては、今回議論されておりますところの、いわゆる新たな仲介業者に類似するケースを幾つか承知しております。それらの国におきましては、当該業務の進展はあるわけでございますけれども、その過程におきまして、顧客本位もしくは利用者保護の観点から必ずしも十分に尽くされていないケースや懸念材料も出ていると聞いております。それぞれの国の金融監督ご当局もその実現に腐心しているとも伺っております。
その観点から、私どもといたしましては、我が国においても、この新しい制度の健全な発展を含めまして、現段階での新しい枠組みづくり、ということで幾つか申し上げたところでございます。今回、機会をいただきましてありがとうございました。
以上です。

【神作座長】
どうもありがとうございます。
続きまして、加藤委員、ご発言お願いいたします。

【加藤委員】
18ページの取扱可能な金融商品・サービスの範囲について1点コメントさせていただきます。取扱可能な金融商品・サービスの範囲を限定するとした場合には、ラインの引き方が合理的なものでなければならないと思います。例えば、外貨預金の取扱いが問題になっていますが、為替リスクという観点からは、外貨建てのMMFの取扱いにも同様の問題があると思います。しかし、投資信託という類型に属する金融商品の取扱いは認めるという枠組みでは、外貨建てMMFの取扱いは無制限に認められるということになります。ラインの内側と外側の区別の合理性が欠けていると、ラインの外側にある金融商品・サービスと実質的に同じものがラインの内側にあるという状況が生じる可能性があります。ですから、ラインの引き方は、既存の類型にこだわらずに慎重に考えることが望ましいと私は考えます。
その際に、規制の明確性を重視して、取扱可能な金融商品・サービスの範囲を厳しい方向に寄せるのか、緩い方向に寄せるのかを政策的に判断することが求められるかもしれません。仮に利用者の利便性の向上を重視して、取扱可能な金融商品・サービスの範囲を広げるというのであれば、行為規制の局面で何らかの対応が必要であると思います。たとえば、仕組預金やデリバティブ取引などを取り扱う際には、不適切な勧誘事例などの蓄積がありますので、そういった経験を踏まえて適正な内部管理体制を求めることが考えられると思います。
【神作座長】 どうもありがとうございます。
続いて、鳥海智絵委員お願いいたします。
【鳥海(智)委員】 ありがとうございます。日本証券業協会の鳥海でございます。金融サービス仲介法制についてでございますけれども、証券業界といたしましては、イノベーションを促進し、利便性のより高い金融仲介サービスを実現していくという大きな方向に賛同するとともに、新たな仲介業者には所属制が採用されないことをはじめとして、今までにない制度設計であるということで、特に投資者保護が適切に実現されるのかという観点からさまざまな意見を申し上げてまいりました。
本日は、同じく投資者保護の観点から、これまでの意見を補足する形で若干コメントさせていただきます。報告書案の20ページでは、既存の仲介業者に求められている業務遂行能力などの参入規制で、新たな仲介業者にも同様の規制を設けることが適当であるとされており、次の21ページでも、仲介業者が取り扱う商品のサービスの特性を踏まえ、必要なルールが過不足なく適用されることを確保する必要があるとされております。これらの内容につきましては、行政による検査、監視、監督などを含めまして、法令及び自主規制の両面において制度設計に盛り込んでいただきたいと考えております。
それから、自主規制でございますが、証券分野におきましては従来、法的な規制とともに自主規制が重要な役割を果たしております。日本証券業協会は証券分野での自主規制については長年の経験に基づいて豊富なノウハウを持っているということでございます。
報告書案の24ページ、25ページでは、新たな協会を設けるとともに必要に応じて既存の協会と連携、協力しながら、自主規制や体制の整備が進められることが期待されるとされております。
したがって、先ほど永沢委員からもご意見ありましたけれども、新たな協会におきましても、日証協と同等の水準の投資者保護のための自主規制が実現されるように、法制度、体制などの面で整備していただきたいと考えております。
続いて、外務員登録について少し申し上げます。証券分野におきましては、証券会社であっても、仲介業者であっても、お客様との間で取引や投資勧誘を行う役職員には外務員としての登録が金商法において必要とされております。そのため、新たな仲介業者につきましても、外務員登録は、法律において規定される必要があるのではないかと考えております。その上で、日証協では自主規制において外務員登録を行うためには外務員の資格試験に合格するということを求めており、これによって外務員としての投資者保護の観点からの資質を確保しております。
また、金融庁の監督指針におきましても、仲介業務を行う役員や、内部管理責任者などには協会が実施する外務員試験に合格することが求められております。したがいまして、新たな仲介業者におきましても、外務員の資質を確保するため、日証協の外務員資格試験、あるいはこれと同等の資格試験への合格を求めることが適切ではないかと考えております。
最後に、証券業界はこれまでも、およそ20年前に登場したインターネット取引が、今では個人のお客様による取引の多くを占めるようになっておりまして、また、昨今でも異業種からの参入、あるいは連携が相次ぎ、ポイントを用いた投資といった新しいアイデアを生かしたビジネスモデルが登場するなど、変化を取り込みながら発展している業界だと考えております。
今回提案されております新たな仲介業につきましても、投資者保護を確保する形で、新たな参加者が私どもとともにビジネスを展開し、これまでサービスを提供できていなかった方々に接触することを通じて資産形成に貢献するとともに、市場の活性化につなげることができるのではないかと考えておりまして、そうであれば証券業界としても歓迎すべきことと考えております。よろしくお願いいたします。

【神作座長】
どうもありがとうございました。
それでは、続きまして、朝日委員、お願いいたします。

【朝日委員】
ありがとうございます。生命保険協会でございます。まずは、本日事務局よりお示しいただきました資料2の金融サービス仲介法制の部分につきましては全面的に賛同させていただきたいと思います。
以下、各論点について簡単に意見を述べさせていただきたいと思います。17ページ以降、2.業務範囲につきまして、(1)仲介先・仲介内容、そして(2)仲介行為及び(3)取扱可能な金融サービスにつきましては、新たな仲介業の特性を踏まえつつ、制度趣旨に沿った内容となっているものと認識しております。特に(3)にあります取扱可能な金融サービスにつきましては、顧客に対する丁寧な説明を確保する観点から、商品の特性に応じた限定を設けること、さらに、保険契約については、商品の特性に応じて、保険金額や保険期間による限定を設けることが不可欠であると考えておりますため、この点についても事務局の案は適切であると思慮いたします。
続きまして、3、参入規制の(1)財産的基礎、(2)兼業制限、及び(3)その他につきましては、既存の仲介業とのイコールフッティングが図られつつ、事業者の参入によるイノベーションの促進に資する内容となっていると存じます。また、4の行為規制の(1)総論、(2)顧客資産の預託の受入れ、(3)顧客情報の適切な取扱い、そして、(5)顧客に関する説明義務、(6)「機能」ごとの特性に応じた規制につきましても、既存の仲介業とのイコールフッティングと利用者保護の双方に配慮した内容となっていると思います。事務局の案に賛同いたしたいと思います。
さらに、(4)仲介業者の中立性の論点につきましては、前回の議論を踏まえた内容としていただいているものと認識しております。
最後に、5.その他のうち、(1)仲介業者が金融機関に及ぼす影響力につきまして、記載いただいております内容自体に異論はございませんが、今後、金融行政の観点からも必要な対応があり得ると記載いただいております点については、関係省庁におけるプラットフォーマーに関する規制の動向なども踏まえながら、柔軟に、かつスピード感を持ってご検討いただければと存じます。
さらに、前回の会合でも申し上げた点ではございますが、プラットフォーマーをめぐっては、個人情報の取扱いに対する懸念や消費者に対して優越的な地位にあるのではないかといった指摘がなされているところがございます。
先ほど申し上げました4(3)顧客情報の適正な取扱いに関連する点ではございますが、この点につきましても、今後立法や監督の段階ではご留意いただければと存じます。
また、(2)協会・裁判外紛争解決制度につきましては、顧客保護及び新たな仲介業の適切な発展のためには、独自の協会を創設いただき、独自の裁判外紛争解決手段を整備いただくことが必要であると考えておりますため、事務局の案に賛同いたしたいと思います。
最後に、手数料の開示について一言申し上げたいと存じます。保険商品の選択に当たりましては、お客様の意向に沿った保障内容や保険料がどうかということが重要な情報でありまして、手数料を開示することで、かえって手数料が安い商品がよい商品であるとの誤解を招き、お客様の適切な商品選択の妨げとなる懸念があるとも考えております。したがいまして、事務局の案が適切であると思慮している点、加えさせていただきたいと思います。
私からは以上です。

【神作座長】
どうもありがとうございました。
続いて、渡邊委員、お願いいたします。

【渡邊委員】
日本少額短期保険協会の渡邊です。
金融サービス仲介法制につきましては、参加委員の主要な意見が反映されており、異論はございません。
今回の仲介法制は、新しい仲介業者にとって、高い参入障壁を緩和し、お客様に提供できるサービスの幅を広げ、お客様の利便性につなげることでありますが、重要な点は、お客様の利便性、効率化の向上を図りつつ、いかに顧客保護の徹底を両立させるかだと考えます。本日の資料、議論の整理の内容や、これまでの意見と一部重複いたしますが、手短に所感を申し上げたいと存じます。
まず、19ページ、参入規制の財産的基礎について述べさせていただきます。財産的基礎につきましては、新仲介業者に求める保証金の水準は、参入時のみならず、事業規模に応じたものとすることに賛同いたします。保証金の基準としては、事業規模に応じて、増加が予想される紛争事案の賠償額に耐え得る供託額とすることが望ましいと考えます。所属制を採用されないことから、新仲介業者における賠償資力を十分考慮し、必要とされる利用者保護の水準をしっかりと確保いただきたいと存じます。
次に、22ページ、行為規制につきまして、3点を述べさせていただきます。まず1点目、顧客情報の適正な取扱いについてですが、グループ会社間等での顧客情報の適正な取扱いの確保について、顧客の利便を保護するために必要な場合について求めることが適当と限定的になっておりますが、あえて限定する必要はなく、基本的に、もしくは全ての場合等、より厳格なものが望ましいと考えます。
2つ目が仲介業者の中立性についてですが、顧客に対する中立性の確保については、現実的に経済的なインセンティブに関する透明性の確保のみが中立性の確保とは言い切れないことから、新仲介業者の誠実義務が遵守されるよう、行政による十分な監督を行うことが重要であると考えます。
3つ目が、顧客に関する説明義務についてです。顧客に対する説明義務は、重複せずに金融機関と新仲介業者のいずれかが十分な説明を行うことでよいと考えますが、両者間の契約書面で役割分担を明確にし、顧客に対し説明漏れが発生しない体制づくりが大事かと思慮いたします。
いずれにしろ、中立性の確保も、説明義務も、立場の明確化や明示をすることが重要であります。保険代理店の場合、代理店自身にも代理店体制整備義務が課されており、代理店みずからが教育管理を行っております。新仲介業者においては、所属制をとらないことから、より適切な業務運営がなされるよう、行政による監督と新仲介業者自身による徹底した管理が顧客保護の観点から重要と考えます。
以上でございます。

【神作座長】
どうもありがとうございました。
続いて、長楽委員、お願いいたします。

【長楽委員】
日本資金決済業協会の長楽でございます。
資料2でございますが、これまでの議論を丁寧に整理いただき、まことにありがとうございます。この中で2点ほど、協会事務局としての意見、要望を申し上げさせていただきます。
資料2の10ページと11ページで記載されている、利用者に対する情報提供事項として、「利用者資金の保全に関する事項」、「無権限取引が行われた場合の対応方針」を追加することについて、意見を申し上げます。
第4回の会合におきましても、無権限取引の対応方針の情報提供について申し上げたところでございますが、これらの情報提供義務を追加する場合、その内容は、ビジネスモデルによって異なり得ることから、事業者の自主性に委ねていただきたいと考えます。
そして、情報提供の「方法」についても、1つ課題がございます。前払式支払手段発行者は、資金決済法第13条の規定により、その発行する前払式支払手段に関する情報、発行者の商号、支払可能金額など8項目でございますが、利用者に情報提供することが義務づけられています。現行の内閣府令では、その情報提供方法の定めがあり、例えば紙型、磁気型の前払式支払手段のほか、IC型、サーバ型の前払式支払手段のうち、利用者に対し、前払式支払手段であるカード等の有体物を交付する場合には、当該有体物に情報提供事項を表示する方法により、利用者に情報提供することとされています。
情報提供事項として、現在の8項目に加え、「利用者資金の保全方法」と「無権限取引が行われた場合の対応方針」を追加することを義務づけることとした場合、カード等の有体物に情報提供事項を表示する義務がある前払式支払手段の場合、その面積が狭いために、これらの事項をカード等に明瞭に表示することが困難という事態が十分に想定されます。
ちなみに、現行の情報提供規制においても、前払式支払手段の面積が狭いために、8項目の情報提供事項を表示できない場合には、「使用できる施設または場所の範囲」、「利用上の必要な注意」の2項目については、約款等に表示し、かつ前払式支払手段の購入の際に、購入者に約款等を交付することにより、その主要なものを情報提供することでもって許容されるなど柔軟な対応が行われているところでございます。
また、既に利用者に交付されたカード等や在庫のカード等について対応するのは現実には困難でございます。情報提供事項を商品券やカード等に表示することにより、利用者へ提供する義務がある前払式支払手段については、これらの事項を新たに情報提供事項に追加することとした場合、表示が物理的に困難であるという事情や、協同組合等の小規模事業者も多いこと等を踏まえまして、事業者の規模・発行形態も勘案し、事業者への過度の負担にならないように十分配意するとともに、利用者に対し柔軟かつ容易に情報提供できるような対応についての十分な検討が必要と考えます。
2点目でございます。資料2の3ページ「保全が図られるまでのタイムラグの短期化」について、要望を申し上げます。
この点、3ページの③の真ん中の段落「また」以降では、保全すべき額の算定日から実際に保全が図られるまでの期間についても、「制度上の対応として、少なくとも、実務の状況に応じて、この期間を機動的に短期化しうる枠組みとしておくことが考えられる。」とされております。保全が図られるまでの期間を短期化する枠組みの構築に当たりましては、資金移動業者の保全方法として、現時点では供託が多く、保全契約も一定程度あるという実情を踏まえまして、法務局において供託が、金融機関において保全契約が、1週間より短い期間で、実務上、支障なくかつ確実に行えるかどうかについて十分な確認・検証を行うことが重要と考えます。
以上でございます。ありがとうございました。

【神作座長】
どうもありがとうございます。
続いて、翁委員、お願いいたします。

【翁委員】
資料2のほうでございますけれども、私も全体として、少額送金や高額送金、金融仲介業者といった新しい事業者が生まれてくると。そして、それに対してリスクに応じて過不足なく、規制緩和を行っていくということで、イノベーションを促進する方向でいろいろ議論がされていて、全体として賛同したいと思います。
3点だけコメントしたいんですが、第1類型につきまして非常によくまとまっていて、まず利便性の高いサービスを入れていこうと。その上で、利用実態を勘案してまた考えていこうという考え方が示されていて、やはりこういった新しい動きについては、こういったダイナミックな視点が非常に重要だと思っております。
それから、タイムラグの部分は私も非常に重要だと思っております。タイムラグをできるだけ短期化することによって、また、追加的な規制というのは少なくて済むということも重要な視点ではないかと思っています。
いずれにせよ、こういった高額送金については、グローバルな動きになってくると思いますので、グローバルスタンダードもよくにらみながら、新しい規制緩和を進めていただきたいなと思っております。
それから、金融仲介業者につきましては、投資商品や保険商品との接点が増えていくというメリットがすごくあると思っていまして、その意味で、こういった新しい事業者が出てくるということは非常に歓迎したいと思っております。
同時に、おそらく多くの場合がITを活用してスマホでやっていくというビジネスが多く広がっていくと思いますので、金融教育とかITリテラシーとか、そういったところにも十分配意した環境整備をお願いしたいと思っております。
それから3点目ですが、新しいビジネスですので、監督のあり方というのもうまく自主規制と組み合わせてやっていってほしいなということでございます。あと、これから登録制のものが増えていきますので、新しい事業者もたくさんいろんなビジネスモデルで入ってくると思いますので、そういった監督も自主規制と組み合わせながら、しっかりとしたさまざまなビジネスモデルに対応できるような、そして、技術革新に対応できるような体制をとっていただくと同時に、インセンティブの面は、利用者への開示も重要なんですけれども、どういうインセンティブを持っているかということを、監督や自主規制の段階でもよく把握しておくということが非常に重要なのではないかと思っております。
そういった意味で、さっき申し上げたように、グローバル送金みたいなものが増えてきた場合には、グローバルな監督の連携というのも必要になってくると思いますので、いろんなそういった課題も、ぜひ検討していただければと思っております。
以上でございます。

【神作座長】
どうもありがとうございます。
続いて、岩下委員、お願いいたします。

【岩下委員】
資料2で全般的なところについてお話をさせていただきたいと思います。
今回お取りまとめいただきましたこれまでの議論の整理は、まさに情報技術革新の進んでいる現代において必要とされる新しい業務体系といいますか、業態分野というか、そういうものを積極的に認めていこう、それによってイノベーションを促進していこうという方向であり、これは大変好ましい報告書であると私は考えております。
先ほどの資料1に係る議論のときにも申し上げましたが、既にある程度、何がしかの問題について対策がなされている場合に、それに加えてさらに重畳的に、あなたはこういうことをしてはだめだ、これはこうするべきだということをあまりに言い過ぎると、その業界が伸びないのではないかということを私自身は心配しております。それは、この資料の2の後半に書かれている新仲介業についても同じです。考えてみれば、銀行、証券、保険といった伝統的な金融機関の目から見れば、決済専業の資金移動業者であるとか、あるいは新仲介業者というものは、相対的に大きな脅威にはならない存在であるだろうと私は思っています。
ただ、実は伝統的金融機関でも十分にできるはずなのですが、なぜか新しイノベーションはそういう新しい業態から生まれてきています。そういう事実を認識した上で、それを上手に受け入れていく、生かしていくという発想が必要ではないかと思います。その上で、既存の業態と新しい業態とが上手に共存していけるスタイルをつくっていけば、イノベーションと秩序を両立できるではないかと考えます。
1点だけ、この報告書の中で、11ページの無権限取引についてです。今回の新しいスタイルのビジネスというのは、これが普及し始めていきなり、セブンペイ事件ですとか、幾つかのキャッシュレス決済においてトラブルが発生するという事象に見舞われました。それらについてはもちろん業界の自主的な対応が求められるわけですが、先ほどから坂委員をはじめ何かの委員が、割賦販売法との決済法制の関連をご指摘されております。確かに割賦販売法と相互に重複する部分についての規制がなされているわけですが、割賦販売法の中で、例えばPCIDSSの義務化であるとか、あるいはICカードの義務化であるとかといったような方向性を明示的に規制の中で打ち出しているのと比べると、どうもこの資金決済業もそうですし、それでいうと銀行、証券、保険本体もそうだと思うんですが、そういう利用者のためのセキュリティを高めていくべきだということの義務的な規定ってあまりないですね。報告書の冒頭に、安心・安全な新しいサービスを実現することが求められていると書いてあるわりに、安心・安全については業界さんに任せてしまうという話になっているんですが、せめて努力義務であるとか、もし仮に十分な対策がとられない場合はきちんとした指導ができるような根拠となるような足がかりを、この新決済業者あるいは仲介業者に限らず、幅広く入れていくことがこれから必要になるのではないかと考えます。
私からは以上です。

【神作座長】
どうもありがとうございました。
続いて、森下委員、お願いいたします。

【森下委員】
2点だけ申し上げます。
1点目が、24ページですけれども、上から6行目のところに、「書面交付や説明・情報提供に関して仲介業者が担う役割」を説明するということが書かれておりますけれども、複数の事業者が一緒になってサービスを提供するということになりますと、トラブルがあったときや何かあったときの窓口がわかりにくいということもあろうかと思いますので、できればそのようなトラブル時の窓口などについても、あるいは責任分担などについても、顧客に対して説明されるということが望ましいのではないかと感じました。
あと、おそらくこれは最終取りまとめの文書にするときにはそうお考えになられているのかなと思いますが、全体を通じた何らかの取りまとめ、「おわりに」のようなものがあってもいいのではないかと感じております。今までのお話ですと、イノベーションをなるべく活かせるようにしようということですとか、安心・安全なサービスを提供していく上で自主的な取組ですとか、あるいは技術、実務の発展というものを最大限活かすようにしようと、過度な規制で阻害することがないようにしようですとか、他方で継続的なモニタリングをしよう、あるいはリスクに応じた監督に対する期待というようなことは、たびたび、どの項目との関係でも述べられていたかと思いますので、今のはあくまで例示ですが、そのような何らかの取りまとめがあってもよいのではないかと感じました。
以上でございます。

【神作座長】
どうもありがとうございます。
それでは、小木曽委員、お願いいたします。

【小木曽委員】
最初、資料1のことをもう一度振り返って、先ほど申し上げたことと重なりますけれども、改めまして、資金移動業と前払式支払手段のところですが、上限額なども含めて、内容については一律に決めるという、体制を整備するというところで、その具体的な内容について、額も含めて一律に定めるということではないとか、複数の委員の方からも、例えば少額のところについて、どこまで規律するのかみたいな話もあったと思います。いずれにしても、多様性を持った形での規律のあり方が望ましいのではないかと思います。
それから資料2のほうですけど、幾つか論点はありますが、資金移動業と前払式支払手段のところの論点は、基本的には、事務局資料の内容に異論はございません。実際に制度設計をこれから条文ベースでしていくと思いますけれども、体制整備、情報提供、それから無権限取引対応、いずれも、私は第1回目から言ってますけれども、キーワードとして自主性、柔軟性、多様性ということをもとに制度設計をしてほしいということを繰り返し最後述べさせていただきます。
それから収納代行のほう、我々のほうから規制を極小化するということをテーゼとして言いましたけれども、割り勘アプリということを例示していただいて、それを規制対象にするということになっていると思います。
あと、これはありがちな事柄ですが、実際に条文を書いていくとどうなっていくかというところは、実は重要なところでございまして、釈迦に説法なんですけれども。そこは我々も、具体的な実態というのを民間事業者はわかっていますので、ぜひコミュニケーションを密にさせていただいて、どういう文言を書くといいのかというところも含めて、またご議論させていただければと思います。
エスクローなどの収納代行についても、事務局の資料の方向性で、今の段階では、何か規律をかけるということでないということで賛同したいと思います。
事業者としても、引き続き消費者保護の観点でこれから問題が生じることが、今そんな起きているということではないですけれども、問題が生じることがないということで、実質的な取組というのもいろいろやっていかねばならないと思っておるところでございます。
最後、仲介法制。基本的な方針について全く異論はございません。既存の仲介業と新たな仲介業との兼業のところについては、中谷委員からご発言がありましたけれども、ゼロベースで考えると、規制手法と規制の目的を考えると、別の規律の書き方をすれば兼業禁止ということにはつながらない手法もあり得るというのは改めて思いました。注釈で書いてありますけれども、それと同趣旨の意見であるということを述べさせていただきたいと思います。
あと最後、自主規制の話がありましたけれども、まさに規制のあり方のベター・レギュレーションをどうしていくかというところで、共同規制だとか自主規制だとか、いろんな言い方がありますけれども、規律を法令上書かないで自主規制に一部委ねるとか、その守る手法についてあまり細かく書かずに事業者の努力に期待するとか、いろんなやり方があると思います。まさに今回いろんなことで自主規制団体というのは今後できていくということがあると思いますけれども、そこの内容の規律をこれからどんどんしていくという中で、そもそも自主規制って何のためにやるのかというと、そういうイノベーションも生み出しながらやっていくということの規律の新たな手法だということだと思います。要するに、時代がこれだけ変動している中で、どのように、規制をかけ過ぎない、でも、きちんとした対応ができるというところの工夫としてそういう流れが出てきたと思います。ですので、そういう自主規制というやり方でやるということのよい面が減殺されることがないように今後議論の進め方というのはしていただきたいなと思います。
あと最後、これで締めます。長楽委員が最後言っていたデジタルの対応のところですね。これはまさにおっしゃるとおりで、それ以外も、今回の法案をつくるに当たって、書面とかいろんなことが出てくると思いますけれども、当然書いていただけると思っていますが、デジタル手続法の趣旨に則って、そもそも全て書面だけに縛るとかそういうことはないと思いますが、全部デジタル化することも想定した形で条文を書いていただきたいなと思います。
以上です。

【神作座長】
どうもありがとうございます。延長の時刻もすでに過ぎておりますので、本日はこれで終了させていただきたいと思いますけれども、資料1のペンディングの部分については、さまざまなご意見をいただいたと思いますが、滞留についてはいわゆる第2類型についても為替取引との関連性が認められない滞留を防止するための方策を講じる必要があるとするご意見が多く、利用者資金を貸付けに活用することについては見解が分かれましたが、望ましくないという意見が多かったように思います。資料2の部分については、報告書の原案を支持していただいた方が多かったと思います。もちろん、手数料等の開示など、若干意見が分かれるところがございましたけれども、とくに資料1に関し本日いただいたご意見も参考に、さらに引き続き取りまとめに向けて議論を継続してまいりたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
最後に、事務局の方から連絡事項等がございましたらお願いしますとともに、もし、監督のあり方、当局によるモニタリングや調査についてもご意見やご質問が出ておりましたので、何かそれについてコメントがありましたら、この機会に一言おっしゃっていただいても結構でございます。よろしくお願いいたします。

【岡田信用制度参事官】
まず、本日は長時間ご審議いただき誠にありがとうございます。
次回は12月18日水曜日の16時から18時に開催を予定しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
モニタリングにつきましては、具体的なやり方というのをこの場でお答えすることはできませんが、いずれにしても、本日いろんな方からご指摘がありましたとおり、為替取引に無関係なものが残っているということはよくないと。プリンシプルというお言葉で表現されている先生方もいらっしゃったと思いますけど、そういうことは本日の議論でも異論はなかったところではないかと思います。
また来週、師走の忙しい時期に大変恐縮でございますが、よろしくお願いいたします。

【神作座長】
どうもありがとうございました。
次回は12月18日の16時からということでございます。
以上をもちまして、本日のワーキング・グループを終了させていただきます。まことにありがとうございました。

                                                    ―― 了 ――

 
 

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