金融審議会「市場制度ワーキング・グループ」(第22回) 議事録

  • 1.日時:

    令和4年11月18日(金曜)13時00分~15時00分

  • 2.場所:

    オンライン開催 ※一部、中央合同庁舎第7号館 13階 共用第1特別会議室
     

金融審議会「市場制度ワーキング・グループ」(第22回)
令和4年11月18日


【神田座長】  それでは、定刻になりましたので、始めさせていただきます。市場制度ワーキング・グループの第22回目の会合を開催いたします。皆様方には、本日も大変お忙しいところを御参加いただきまして、誠にありがとうございます。

 今回ですけれども、オブザーバーとして、不動産特定共同事業者協議会、不動産証券化協会及び国土交通省の方々が御参加されますので、御案内いたします。資料1の名簿に追記をさせていただいておりますので、御覧いただければと思います。

 本日ですけれども、まず、事務局から資本市場の環境整備について御説明をいただきます。その後、成長資金の円滑な供給について関係団体から御説明をいただきます。続きまして、ファイアーウォールについて、金融庁と全国銀行協会から御説明をいただきます。そういうわけで、全部済んだ後で皆様方から御意見等をお出しいただければと思います。

 それでは、早速ですが、まず事務局説明資料について、事務局からの説明をお願いいたします。島崎市場課長、よろしくお願いいたします。

【島崎企画市場局市場課長】  よろしくお願いいたします。私からは、お手元の資料2に沿って御説明させていただきます。

 今回は市場インフラの機能向上、それから成長資金の円滑な供給、そして第2・3回顧客本位タスクフォースにおける主な御意見、その他経済社会のデジタル化への対応等に伴い制度整備が必要な論点について順に御説明させていただきます。

 まず、市場インフラの機能向上でございますが、3ページ目のところは、前回のこのワーキング・グループにおける委員の主な御意見ということで、PTSの機能向上、ティック・サイズ、TOB5%ルール、それから上場企業株式の投資単位等々について御意見を賜りましたところをまとめさせていただいたものです。

 その後の動きといたしまして、4ページ目に載せておりますのは、上場企業株式の投資単位につきまして、東証などの取引所のほうから投資単位引下げの要請が10月27日にございまして、投資単位が50万円以上である上場企業に対して、引下げに係る御検討のお願いを通知して、投資単位の引下げに向けて株式分割の実施を検討するような要請が行われたということについてまずは御報告でございます。

 5ページ目、6ページ目は、前回の議論を踏まえまして、参考となる資料につきましては、今回、前回の資料も資料8の参考資料として添付させていただいていますけれども、そうしたものも念頭に置いていただいた上で御議論いただければと思っておりますが、市場インフラの機能向上ということで、(1)がPTSの機能向上で、競売買方式に係る売買高上限の緩和を検討することについてどう考えるか。これは取引手法の工夫を可能とし、市場間競争を促す観点からということでございます。

 それと軌を一にする動きでございますが、競売買方式の売買高上限を引き上げる場合、取引が現在よりも増加することが想定されるほか、プラットフォームとしての求められる役割の確保ということから、運営会社に対して自主規制機関とも必要な連携を行いつつ、売買の公正を確保するための措置や気配情報・約定情報の通知・公表を法令で求めることについてどう考えるのか。

 それから、前回もお示しさせていただきましたけれども、PTS取引に係るTOB5%ルールにつきまして、こちらは2012年なども含めて、「立会」取引との類似性に着目した規定の整備等々が行われてきておりますが、「立会外」取引、こちらはTOBルールの取引所の「立会外」取引適用対象外に対して、PTSにおける類似する取引については対象となっております。PTSについて取引所と同様の取扱いとなるよう制度整備を進めることについてどう考えるのかという論点がございます。

 6ページ目でございますが、ティック・サイズでございまして、PTSが先行してこれまで縮小し、取引所が追随するということで利便性向上が図られてきたとの指摘があるかと思います。また、こうしたところが市場間競争ということの効果であったとの指摘もあるところですけれども、ティック・サイズについては、一般に、過度に大きい場合、小さい場合、それぞれの指摘もございます。

 東京証券取引所は中流動性銘柄について呼値の単位の見直しに取り組む旨、公表しておりますし、前段にもありますが、最良執行の制度も整えられていくところです。東証における中流動性銘柄の呼値の単位の見直しも含め、各取引所やPTSにおけるティック・サイズの設定に当たっては、どのような点に留意すべきか。

 それから、先ほどもございました投資単位の大きい上場企業株式に係る投資単位の引下げということで、さらにこの取組を促していくことについてどう考えるのか。これが、まず御議論いただきたい事項でございます。

 続きまして、成長資金の円滑な供給でございます。8ページ目では、市場制度ワーキング・グループにおける前回の委員の主な御意見ということで、特定投資家に係る制度整備、非上場株式等のセカンダリー取引、非上場株式等の公正価値評価、それぞれについていただきました御意見をピックアップして掲載しております。

 また、昨事務年度より御議論をいただいているIPOプロセスの見直しに関して、上場日程の短縮に関する制度の論点を9ページ目に提示させていただいております。従来指摘されておりますのが、上場承認日から上場日までの期間について、マーケット変動リスクが公開価格に織り込まれることで、公開価格のディスカウントが大きくなっているとの指摘でございまして、上場日程の短縮化が望まれております。現在、制度といたしましては、新規上場会社は、取引所の上場承認などの手続とともに、株式を証券保管振替機構の取扱い対象とする必要があることから、そのための手続として、振替法に基づき既存株主に対して振替株式の交付先の口座情報を求める通知を上場の1か月前までに行うことが規定されています。

 この点、上場の1か月前に通知を行うというところが上場日程短縮の制約の一つという指摘がございますので、振替法で決められている期間を2つに分けて考えまして、①の証券会社における既存株主の口座通知取次請求の受付期間の下限日数のみを定めて、②の事務処理期間の短縮を図ることによって、上場日程全体の短縮につなげられないかという議論がございます。

 また、非上場株式の振替制度における取組でございますが、取引活性化等の観点から、非上場株式にも取扱いを拡大する方向で対応検討中ということを参考として提示させていただいています。

 10ページ目は、こちらは従来から議論いただいており、実務的な対応により上場日程の短縮を行う話でございます。上場承認と有価証券届出書の提出や振替法の通知というものを分けて考えられないか、図で言いますと②の届出書提出と③の振替法通知を上場承認の前に行うことができないかといった実務の変更により短縮する方式を日本証券業協会において御検討中と伺っています。

 こうした取組みを踏まえまして、11ページ目から14ページ目、成長資金の円滑な供給について、前回お示しさせていただきました資料と御議論をベースにいたしまして、今回御議論いただきたい事項ということで提示させていただいております。

 まず、特定投資家制度の普及につきましては、市場制度ワーキング・グループにおいて御議論いただきまして、制度改正してまいりましたが、その普及と積極的活用の観点でございます。発行体や投資家をつなぐ役割を果たす証券会社や日本証券業協会等の業界の取組が重要となってくると考えられるが、特定投資家制度の普及に向けてどのような取組を行っていくべきか。一つの指摘・論点として、インターネットを利用する場合を含め特定投資家制度を周知する際に、銘柄を表示した場合にそれが募集勧誘なのかという議論もございます。具体的には、特定投資家のみ購入できる仕組みの中で、募集勧誘ではないことを明示した場合には、特定投資家制度の周知のときに、こうした銘柄が買えることを表示することが可能であるということを明確化するかという議論でございます。

 12ページ目でございます。非上場株式等のセカンダリー取引の円滑化でございます。特定投資家向け有価証券のPTSでの取扱いについては制度整備を現在検討しておりますし、日本証券業協会や日本STO協会においても、自主規制の制度整備を行うところと承知しております。こうした制度整備を進めていく上で、既存株主や投資家のニーズを勘案することが期待されるとの指摘がありますが、留意すべき点はあるか。

 また、セカンダリー取引の活性化に向けて、PTSにおいて特定投資家向けの有価証券の売買の媒介のみを行う事業者に関しては、投資者保護などを前提としつつ、認可要件の緩和を行うことがあり得るのではないかという御指摘もございまして、これについてどのように考えるか。

 13ページ目でございます。公正価値評価の意義等については、公正価値評価についての知見・ノウハウの蓄積という観点や、パフォーマンス評価の基礎として使われる、あるいは投資先管理や投資先の企業価値向上に向けた取組への役割等から御議論もいただいてきたところと思います。

 他方、公正価値評価や監査の実務が蓄積されず、またLP出資者の方々においても会計基準の関係から取得原価に減損を勘案した評価を求めるとの実態があるということでございまして、公正価値評価の推進のため、公正価値評価を行うVCファンドの監査上の留意事項などを明確化することについてどのように考えるか。また、上場企業等のVC出資持分に関して、公正価値評価を含む会計処理の実務上の取扱いについてどのように考えるかという論点がございます。

 14ページ目でございます。新規公開(IPO)プロセスの在り方ということで、先ほど御説明させていただいた中にもございましたが、それに加えまして、企業特性により企業価値評価が困難な企業について、機関投資家等から相応の規模で中長期的な投資を受けている企業について、利益相反にも留意しつつ、機関投資家等からの評価を上場審査において活用することについてどのように考えるか。先ほど少し御説明させていただきました振替法に関する事項、それから実務変更についてどのように考えるか。それから、ダイレクトリスティング等々のエグジットの多様化でございますが、取引所が制度整備を進めるに当たって留意すべき点はあるかということでございます。

 続きまして、16、17ページ目は、3番目の題材の第2・第3回顧客本位タスクフォースにおける主な御意見でございます。まず、顧客の最善の利益のところでございますが、顧客本位の業務運営の原則の法制化、これについて原則を踏まえて事業者の方々が実践していることなどでデメリットは特になかろう、あるいは同時に事業者の方々に求められる内容が不明確となることの懸念ですとか、誠実公正義務の実施などを一歩進めることになる等々の御意見をいただいております。

 顧客への情報提供・アドバイス等についても、利益相反事項の開示についての規律付けとしての役割、それから組成コストを含んだ仕組債等々への情報開示が重要であるとか、費用とサービスの対価関係、それからデジタル等々についても、アクセスのしやすさ、分かりやすさ、十分な情報量が重要ですとか、書面交付の費用、それから中立的アドバイザーという論点もございますけれども、顧客のみからフィーを得る形でのアドバイザーを育成して、ビジネスとして成り立つように育成する方向感が必要ではないか。

 17ページ目でございますが、つみたてNISA等に限定したアドバイザー制度のことですとか、金融商品の推奨、顧客にふさわしいサービスの提供、「原則6」などについての法制化の御意見をいただいております。

 資産運用業につきましては、こちらでも御議論いただいてきていることですけれども、ガバナンスの強化、それからプロダクトガバナンスにおける想定顧客属性ですとか、諸外国の例も見た原則の見直し等々についても御議論をいただいています。金融経済教育につきましても、常設の組織の必要性ですとか、リテラシーとアドバイス、双方重要でありますとか、職域でカバーできない部分、自治体を通じた取組、健康診断のように定期的にといいますか、自治体を通じたような活動によっての取組も大事ではないかという御意見をいただいたので、御報告でございます。

 19ページ目以降は、その他、資本市場関係でデジタル化等々を含め制度整備が必要な論点ということでございます。

 20ページ目、21ページ目が、不動産特定共同事業契約に基づく権利のトークン化への対応ということでございまして、不動産特定共同事業契約に基づく権利をトークン化したもの、こちらに実効的な規制が必要であると御指摘がございます。こちらは金商法上の集団投資スキーム持分から除外されております。

 資料の課題のところにございますが、こうした動きがございますが、現時点でこうしたものについては、様々な技術的安全管理措置ですとか、販売・勧誘規制ですとか等々、あるいは市場関連規制というものも必ずしも置かれていない。対応の必要性として、こうした権利の発行や流通が見込まれる中で、より実効的な監督体制の整備が必要となるという問題意識がございます。

 21ページ目には、不動産特定共同事業法の概要をお示しさせていただいています。

 22ページ目が、掲示規制や審判手続のデジタル化でございまして、この6月に閣議決定されました重点計画においては、政府全体で「デジタル原則に照らした規制の一括見直しプラン」に基づき、掲示等のアナログ規制の見直しに取り組むこととされており、金商法もその対象となっております。

 これが下の御参考の掲示規制に関する規定の整備ということでございまして、金融商品取引業者等及び金融商品仲介業者に関する標識の掲示義務、あるいは廃業等をするときにおける廃業等の旨の掲示義務、営業所等における掲示に加えて、原則としてインターネットでの公表を義務づける規定の整備、横断的にこうした論点についての検討が政府全体で実施されているところでございます。

 もう一つ、民事訴訟手続のデジタル化、こちらは民訴法の改正がありまして、審判手続を所管する各省庁においても、下の段になりますが、規定の整備ということで申立てや送達、事件記録等の電磁的記録による作成の点ですとか、あるいは映像と音声の送受信による通話の方法による手続ということについての検討を行っているところでございます。

 23ページ目が、特別法人出資証券のデジタル化でございます。多くの有価証券は振替法によって電子的に管理されておりますが、日本銀行の出資証券など、特別な法律により設立された法人の発行する出資証券はその対象となっておりません。日銀出資証券は東証に上場されているものの中で唯一、ペーパーレス化されておりませんが、事務負担の観点もございますし、デジタル原則に基づく法令の見直しの一環として、ペーパーレス化を図るべきとの指摘がございます。

 24ページ目でございますが、現在、登録金融機関は「電子記録移転権利」の預託を受けることができる一方で、流通性等が限定的なものは「適用除外電子記録移転権利」となっており、この預託を受けることができない制度となっております。こちらについてどのように考えるのか、金融機関の円滑なスキーム組成の観点からの御要請、御要望などもございますし、イノベーションを促進する観点から見直すべきとの指摘がございます。

 25ページ目は、投資法人における利益の取扱いでございますが、これまで投資法人制度上、いわゆる法制上の投資法人の利益とされているものにつきましては、例えば、その他有価証券の評価額など未実現のもの、これが他の利益と同様に扱われてきました。評価額に相当する部分も、いわゆる実現益と同じように取り扱われまして、こちらを配当した場合、繰越損失と扱われまして、ステークホルダーの理解への影響があるという御指摘がございます。したがいまして、この理解の向上のために、今後は会社法を参考に、評価額については実現利益と区別してはどうかという御要望が事業者の方々等から寄せられております。これについてどう考えるかということでございます。

 26ページ目、27ページ目は、中間整理までの段階でも二種ファンドの募集・運用の適切性を確保するためのルールの見直しでございます。いわゆるソーシャルレンディングについての不適切な問題事例を踏まえまして、一定の取りまとめを中間整理でさせていただきましたけれども、この内容を踏まえルールを見直すことにしております。

 27ページ目で言いますと、海外ファンドに投資する一任やファンド・オブ・ファンズ形式の投資信託などについての事案も起きております。こちらは、関係する金融事業者、運用業者、それから受託者には、投資家(受益者)に対する善管注意義務及び忠実義務等、様々な行為規制が課されておりますが、こうした場合に運用財産の適切な運用管理の在り方、どう在るべきかという議論をしてきたと思います。どう考えるかということだと思います。

 これを、今お示しさせていただきましたものを踏まえまして、28ページ目、御議論いただきたい事項で、その他の制度整備が必要な論点でございまして、トークン化された不動産特定共同事業契約に基づく権利について、それから日銀出資証券について、適用除外電子記録移転権利の預託、これの登録金融機関の扱い、それから投資法人の利益、上記以外で制度整備が必要な論点と、御説明したような論点についてもどのように考えるかということで、何か所か御議論いただきたい事項が分散されておりますが、こうしたものについて御議論いただければと思っております。

 私からの御説明は以上でございます。

【神田座長】  どうも御説明ありがとうございました。

 それでは、続きまして、日本証券業協会から御説明をお願いします。松本さん、どうぞよろしくお願いいたします。

【松本オブザーバー】  日本証券業協会の松本でございます。本日は報告の機会を頂戴し、誠にありがとうございます。私からは、御覧いただいている資料3に基づきまして、公開価格の設定プロセスに関する当協会の検討状況について説明させていただきます。

 当協会におきましては、こちらのページございますように、昨年6月に閣議決定されました成長戦略実行計画を踏まえまして、公開価格の設定プロセスの在り方に係る検討を行うため、昨年9月、神作先生に主査をお願いしまして、新たにIPOに関するワーキング・グループを設置しまして、公正な価格発見機能の向上ですとか、発行会社及び投資者の納得感につなげるための改善策を検討し、2月に報告書を公表したところでございます。その後、3月から改善策の実現に向けて規則改正や実務対応について検討を行っているところでございます。

 次の2ページにおきまして、報告書で示された改善策についてIPOプロセスの段階に応じてプロットしてございます。下線を引いているものにつきましては、既に本年6月に実施済みでございまして、そのほかのものは本年末から来年にかけて規則改正の手続等を行っていきたいと考えてございます。

 少し改善策について説明させていただきますが、まず、IPOプロセス全体を通じた改善策といたしましては、先ほど金融庁の資料にもございました①の上場日程の期間短縮化・柔軟化、こちらはIPOプロセスにおけるマーケット変動リスクの削減を狙いとするものでございまして、現在、証券会社の実務対応を検討しつつ、金融庁、取引所、会計士協会、振替機関等との調整を行っているところでございます。

 また、その下の②価格設定の中立性の確保、③発行会社への公開価格等の納得感のある説明につきましては、仮条件ですとか公開価格などの提案に際し、その根拠を発行会社にきちんと説明することですとか、主幹事証券会社の引受割合などについて発行会社と十分に協議することなど、自主規制規則で定めてございます。

 また、現在の我が国のIPOにおきましては、機関投資家の資金が投資されにくいという状況にございます。そういった観点から、上から2番目の⑤にありますとおり、これまで積極的に活用されていませんでした機関投資家に対するプレ・ヒアリングについて、その留意点を周知するとともに、実施を推奨することですとか、⑦でございますが、機関投資家への割当及び開示により、発行会社の指示に基づきまして、いわゆるコーナーストーン投資家に割当てを行う場合の開示事例を示すことで、機関投資家に対してIPOへの参加を促していきたいと考えてございます。

 さらに、⑧にございますように、機関投資家に対するロードショーやブックビルディングの結果を実名で発行会社に報告することで、透明性も高めていきたいと考えてございます。

 また、投資家の需要に柔軟に対応したオファリングを可能とするという観点から、⑨の仮条件の範囲外での公開価格の設定、⑩の売出株数の柔軟な変更、⑪のオーバーアロットメントの場合の上限数量の明確化を実現していきたいと考えてございます。

 そのほかの改善内容につきましては、次ページ以降で示してございますので、御関心ございましたら、後ほど御高覧いただければと存じます。

 私からの報告は以上になります。ありがとうございました。

【神田座長】  どうもありがとうございました。

 それでは、続きまして、投資信託協会から御説明をお願いいたします。杉江さん、どうぞよろしくお願いいたします。

【杉江オブザーバー】  投資信託協会の杉江でございます。それでは、本日は説明の機会をいただきまして、ありがとうございます。投資信託への非上場株式組入れに係る検討状況について、資料4に沿って御説明いたします。

 本年6月22日に公表されました市場制度ワーキング・グループ中間整理におきまして、投資信託の健全な運用を確保する観点から、必要な枠組みを整備する必要があるとされております。具体的には、投資信託協会において、非流動性資産である非上場株式の組入れ比率の在り方や、基準価格の算定における非上場株式の評価の在り方について、適切な枠組みを整備するべきとの提言を受けました。資料の一番上のほうに書いてあるところでございます。

 現在の検討状況でございますけれども、一番下のところに細かい字で書いてございますが、本会の自主規制委員会の下に設置されております運用専門委員会で複数回の議論を重ねているところでございます。具体的には、①、②、③と書いてございますが、①非上場株式の組入れ比率の適正な在り方、②は投資信託の基準価格算定の際に用いる非上場株式の評価の在り方、これについては、企業会計基準委員会の「時価の算定に関する会計基準」の採用の明確化などを検討しております。③として、その他非上場株式等の組入れに際しての審査等の在り方等についての検討を実施しております。これらの検討内容につきましては、2023年3月までに結論を得られるよう、今後も引き続き、鋭意検討を重ねていく予定でございます。

 また、別途、本政策委員会の下に「プライベートアセットへの投資家層拡大に向けた勉強会」を新たに設置し、単に規則等の整備にとどまらないで、諸外国の状況等周辺環境の確認等を通じ、本会での制度整備後、より円滑な運営が可能となるような取扱いも並行して検討を進めております。併せて御案内させていただきます。

 それからもう一つ、受託者責任の明確化の点について御説明をしたいと思っております。先ほど金融庁から御説明がございまして、投資信託の運用に関しまして不適切な事案があったということで、こういうような不適切な事案につきましては、私ども過怠金処分等を行うとともに、再発防止のために本会の自主規制委員会の下の運用専門委員会で鋭意検討を重ねております。今、資料にございましたが、事案の1や事案の2のことに関してでございます。

 現在の検討状況でございますけれども、投資信託証券組入れ、あるいは外部委託に係る留意事項、それから社内体制の整備について規則整備をする方向で検討を重ねております。具体的には、投資信託証券へ投資するに当たり、投資信託の組成時や定期的デューデリジェンス、継続的なモニタリングを規則化することや、今回発生しましたような事案の再発防止として運用戦略など判然としないような場合には、残高証明書や取引記録の入手を義務づけるなどを規則化する方向で検討しております。現在、検討の最終段階まで来ているところでございまして、金融庁や関係者との間で最終的に合意が得られれば、早ければ年内、遅くとも年明けの本会自主規制委員会での合意を得て、意見募集手続に入るべく検討を進めているところでございます。投資信託協会としては、このような措置によりまして、投資信託に対する投資家の信任の維持向上に努めてまいりたいと考えているところでございます。

 説明は以上でございます。

【神田座長】  どうもありがとうございました。

 それでは、続きまして、日本取引所グループからの御説明をお願いいたします。青さん、どうぞよろしくお願いします。

【青オブザーバー】  東京証券取引所の青でございます。本日は、スタートアップへの資金供給機能の強化に向けた取組として、東証におきまして今後実施予定のIPO等に関する見直しについて、資料5に基づいて御説明させていただければと存じます。

 私ども東証といたしましては、これまでもスタートアップの育成に取り組んできたところでございますけれども、とりわけ最近では、新規上場を目指すスタートアップの企業特性、ニーズなどに多様化が見られてきています。こうした背景の下、政府の「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画・フォローアップ」の中で掲げられた事項も踏まえまして、今年度中に順次、新規上場手段の多様化に向けた見直しを行うことを予定しております。そこで、現時点における検討の方向性について申し上げたいと思います。

 まず1点目は、「企業特性に合わせた円滑な上場審査」でございます。近年では、例えば宇宙、素材、ヘルスケアなどの先端的な領域におきまして、新技術を活用して新たな市場の開拓を目指す研究開発型企業、いわゆるディープテック企業の上場ニーズをお聞きするところでございます。こうした企業につきましては、ビジネスモデルや市場環境といったものが定まっていないことから企業価値評価が難しいという特性がございますけれども、相応の規模で中長期的に投資をしているプロの投資家が存在するといったような場合におきましては、そうした投資家から得られた投資評価を前提に上場審査を行うことで、より円滑な上場が可能としたいと考えている次第でございます。

 また、こうした企業におきましては、他の企業と比べて事業内容の把握が難しいとか、リスクが高いといったこともございますので、適切な投資判断のためには丁寧な開示が必要と考えられ、そのポイントも併せて明確化していきたいと考えている次第でございます。

 2点目は、グロース市場におけるダイレクトリスティングを導入するための見直しでございます。現在、グロース市場におきましては、公募の実施を新規上場時の要件として定めており、制度上、ダイレクトリスティングができないことになっていますが、諸外国では、知名度の高い大型のスタートアップが活用する事例もございますので、そうした実態も踏まえ、この要件を緩和してまいりたいと考えている次第でございます。

 それから3点目は、上場プロセスの円滑化についてでございます。こちらに関しましては、先ほど日証協様からも、公開価格の決定プロセスの見直しの御検討の御説明がございましたが、我々といたしましても、柔軟な上場プロセスを提供する観点から、新規上場申請から上場までの諸手続を柔軟化したいと考えている次第でございます。

 例えば、現在は、上場申請から新規上場までの間に定時株主総会が到来をし、新たな事業年度の決算が確定したときには、実務上、改めて上場申請をしていただくこととしておりますが、今後は、シームレスに上場審査を継続することで、その円滑化を図っていきたいと考えている次第でございます。

 また、近年では、事業ポートフォリオの見直しの中で、組織再編直後にその当事会社を新規上場させたいというニーズも聞かれるところでございますので、その場合における新規上場の申請書類の簡略化を図ることで、よりスムーズな上場を可能にしたいと考えている次第でございます。

 それから最後に、欄外に記載してございますけれども、本ワーキング・グループでは、非上場株への資金供給、あるいは流通といったものがテーマの一つとなってございますが、東証におきましては、プロ向け市場ということでTOKYO PRO Marketというものを運営しておりますので、多種多様な企業を受け入れるマーケットとして活用が考えられると思ってございます。

 先般、特定投資家への移行要件を緩和いただいたところございますけれども、東証といたしましても、上場先の選択肢の一つとして、TOKYO PRO Marketを御活用いただけるように、その活性を図ることで、シームレスに企業が成長しやすい市場環境の整備に努めていきたいと考えてございます。

 私からの説明は以上でございます。ありがとうございました。

【神田座長】  どうもありがとうございました。

 それでは、続きまして、金融庁からファイアーウォールについての御説明をお願いします。八木証券課長、よろしくお願いいたします。

【八木監督局証券課長】  監督局証券課の八木でございます。前回のワーキング・グループで佐々木委員から、SMBC日興証券のファイアーウォール規制違反の説明について宿題をいただいたと認識しておりますので、私のほうからはそちらと、加えまして、直近、日証協でも顧客情報管理の不備の事案について処分をされていますので、その2点について私のほうから説明させていただければと思います。資料6に沿って御説明いたします。

 1つ目は、金融庁による銀証ファイアーウォール規制違反についての処分事例でございます。まず、事案の概要でございますが、複数、これは3先が認定されておりますけれども、法人顧客の非公開情報につきまして、顧客の意向に反して証券会社がグループ内の銀行から受領し、その情報を社内で共有したという事例でございますけれども、具体的事例を1つ挙げさせていただいております。

 まず、上場会社、A社と書いてありますけれども、そちらの売出しに関する非公開情報につきまして、A社は銀行に対して、グループ内の証券会社への情報提供をやめてほしいということで停止を依頼していたところですが、証券会社の役職員が、顧客の意向を認識していたにもかかわらず、売出しの主幹事を獲得するために、売出しの実行時期ですとか、金額、方法等に関する情報を銀行から複数回受領した上で、証券会社内の関係者に共有したとのことです。さらに、同社の執行役員が、売出しにおいて主幹事のポジションを獲得できるようA社に働きかけてほしいといった旨を銀行に対して要請を行ったということでございまして、こうした行為は証券会社の役職員が案件獲得という利益を優先したといったものであると認められることで、またさらに証券会社の執行役員自らが非公開情報の受領や情報共有に関与している状況が認められたということで、これは法令等の遵守意識が希薄であることに起因するものであると認められたということでございます。

 2つ目、それについての処分の概要でございますけれども、まず1つは、証券会社に対しまして、経営管理体制、顧客情報管理体制の強化等に係る実効性ある業務改善計画の策定・実行を求める業務改善命令を発出しております。さらに、情報を渡した側の銀行及び銀証両方の親会社である持株会社に対しましては、再発防止に向けた改善対策の策定や実施状況の報告、あとは類似事案調査等の妥当性の検証を求める報告徴求命令を発出しております。これらにつきましては、一旦、11月4日にこれらの計画等につきまして提出を受けておりますけれども、その改善対応策の進捗状況等につきましては、当面の間、四半期ごとに報告をしていただくことになっております。

 2点目でございます。こちらは顧客情報管理に関する日証協による処分事例でございますけれども、まず事案の概要でございますが、証券会社の社債の引受業務所管部署が、社債の発行会社または発行を予定する会社先に対しまして、証券会社の顧客である投資家の非公開情報、例えば投資家名ですとか、当証券会社の社債の引受けの際における、当社での取引金額・需要金額などを記載しました提案書類を、こちらの社債の発行会社または発行予定会社のほうに提供して起債提案を行っていたものということが認められたということでございまして、こちらは、日証協のほうから、顧客の非公開情報の漏えいという点に加えて、顧客情報の管理体制が十分と認められない状況の下で顧客情報を漏えいし、起債提案等を行っていたとの2点について自主規制規則違反ということで、譴責処分をされているということでございます。あわせて、非公開情報管理体制の見直し、経営陣主導による全社的な法令等遵守意識の向上、適切な内部管理体制の構築等を求める勧告が行われたということでございます。

 私からは以上です。

【神田座長】  どうもありがとうございました。

 それでは、続きまして、全国銀行協会からファイアーウォールについて御説明をお願いします。宮下さん、どうぞよろしくお願いいたします。

【宮下オブザーバー】  ありがとうございます。全国銀行協会の宮下でございます。本日は御説明の機会を頂戴いたしまして、どうもありがとうございます。

 まず、資料の2枚目、右下1ページを御覧いただきたいと思います。本日は、表題にあります6月の制度改正を受けた銀行界の取組状況及び金融資本市場のさらなる機能発揮につきまして、ここに記載の5項目で簡潔にお話をしたいと思います。

 3ページへお進みください。本年6月、当ワーキング・グループの第二次報告を受けまして、業府令・監督指針の改正がなされ、左半分の上場企業等のオプトアウトを含む「規制の見直し」と、右半分の顧客情報管理、利益相反管理、優越的地位の濫用防止の観点での弊害防止措置の実効性強化のための制度整備が、御覧の図のように両輪で措置されたものと理解しております。

 4ページにお進みください。全銀協におきましても、本年6月の改正を受けて、制度改正の内容を周知するとともに、本年10月には、一番下にございますとおり、情報の適切な取扱いを含めたお客様本位の業務運営の徹底について申合せを行っております。

 6ページまでお進みください。規制見直しにより解禁された左半分の上場企業等のオプトアウト、また、右半分の電磁的なオプトイン活用を適宜開始しております。新制度に対しては、お客様からは利便性が向上しているとの前向きな評価をいただくなど、規制緩和の効果の実感をいただいております。

 9ページにお進みください。ここからは、弊害防止措置の強化につきまして、情報管理、利益相反、優越的地位の濫用の3つの観点で御説明します。

 まず1つ目、情報管理について全体像を御説明したいと思います。このページの中央から下半分の表のとおり、ファイアーウォール情報管理、法人関係情報管理、顧客情報管理のそれぞれの観点、項目におきまして、監督指針の改正を受けた施策の強化、新しい対応を実施しております。従前のルールや手続の改定強化、AIなどを活用した新たなシステム上の措置、あるいは反復的な研修の実施などを通じまして、従業員の意識の醸成及びシステムによる事前の予防・防止、あるいは事後のモニタリングによる情報授受の早期の発見体制の構築など、今後の事案発生を防止してまいりたいと思っております。

 具体的にMUFGの例を1つ申し上げますと、2ページ飛んでいただいて11ページを御覧いただきますと、種々ございますが、下段のとおり、今般、銀証間の通話について、AIによるモニタリングにて、リスクの高い会話を抽出し、全量を確認する体制などを整えております。

 14ページまでお進みください。2点目、利益相反管理については、大手行では、各業態のコンプライアンス関連部署が利益相反チェックを実施しております。また、業態間をまたぐ重要な案件につきましては、持株会社も関与する重層的なチェックを行っているところであります。

 15ページへお進みください。3点目、優越的地位の濫用防止については、大手行では禁止行為の類型を定めまして、プロダクツ、業務に応じて案件の段階から事前チェックを行い、加えて、事後も重層的にモニタリングを行う1-2線の体制を整備しております。

 以上、申し上げました観点で、弊害防止措置の実効性強化を行いまして、今後の事案発生を防いでまいりたいと考えております。

 16ページへお進みください。金融資本市場のさらなる機能発揮という観点について、私どもが考える実現したい未来像を改めてお示しいたします。右下のようなイラスト図のとおり、銀行、証券一体となったサービスを提供することによりまして、本邦の間接金融中心のマネーを資本市場に誘導することが可能になると考えております。資本市場のリスクマネーが企業の成長並びに家計の資産所得拡大に寄与していくものと理解しております。

 17ページへお進みください。これまで着実に規制緩和を進めてきていただいております。規制緩和いただいてきたのはグリーンと肌色の部分ですが、先ほど申し上げた未来像を実現していくためには、藤色の残課題についても引き続き御議論いただければと思っております。特に外務員の二重登録禁止規制については、総合的な金融サービス提供の実現に向けて、優先的に御議論いただきたいと考えております。

 18ページへお進みください。本邦の金融グループでは、銀行、証券が別エンティティーとなっております。したがって、総合的な金融サービスを一元的に提供するには、銀証の兼職組織の活用が必要でございます。本年6月、このページの中央辺りにありますが、ホームベースルールが見直され、兼職者が銀証連携サービスを検討する際に、両方の情報にアクセスが可能となりました。ありがとうございます。ただ、外務員の二重登録禁止規制によって、兼職者であっても、提案あるいはアフターフォローの業務にはまだ引き続き制限がございます。金融界が総合的な金融サービスを提供いたしまして、お客様の利便性向上に資することができるよう、規制の見直しに関しましては、引き続き御議論をお願い申し上げたいと思っております。

 以上で説明を終了いたします。ありがとうございました。

【神田座長】  どうもありがとうございました。

 それでは、これまでの御説明を踏まえて御議論をしていただければと思います。いつものように、まず委員の皆様方から御質問、御意見をお出しいただければと思います。その後で、時間の状況を見ながらオブザーバーの皆様方にも、もし御発言があれば承りたいと思います。

 島崎課長から御説明いただきましたように、事務局資料2につきましては、御議論いただきたい事項を、少々分散されていますけれども、5ページから6ページ、それから11ページから14ページ、そして28ページに記載していただいていますので、適宜御参照いただければと思います。なお、ファイアーウォール等についての御意見を頂戴するということでも結構でございます。論点とか項目、大変多くなっておりますけれども、どなたからでも、いつものように御発言いただける場合は、チャットに1行入れていただければと思います。

 それでは、どうもありがとうございます。チャットをいただいております森下委員、どうぞお願いいたします。

【森下委員】  ありがとうございます。3点だけ申し上げたいと思います。

 まず、資料の11ページのところで、特定投資家の制度の普及に向けて、特定投資家制度を周知する際に、当該銘柄が特定投資家のみ購入できる仕組みとなっていて、かつ、「募集勧誘」でないことを明示した場合には、特定投資家が購入可能な銘柄の表示が可能であることを明確化することも考えられると提案されております。具体的なやり方は実務で工夫をしていただければと思いますけれども、特定投資家になればどのような商品が購入できるかということは、やはり特定投資家になろうという人にとっては重要な情報ですし、特定投資家制度を周知徹底していくということは、今回、我々が取り組もうとしていることとの関係で非常に重要な点だと思いますので、これは御提案のような方向でお進めいただくのがいいのではないかと感じました。

 あとは、資料16ページで、これはタスクフォースで御検討いただいていることかと思うのですけれども、重要情報シートとの関係で利益相反に関する開示を義務化するというような御提案がありました。これに関してなのですけれども、利益相反に関する情報の開示を義務化というのは、それはそれで結構なことかと思いますけれども、私の理解するところ、金融商品の販売などをめぐるトラブルの多くは、顧客のニーズに合った商品を提供していないという点に原因があるのではないかと思います。後で裁判になると、業者の側が、こういうニーズだと思っていたのでこういう商品を売りましたというようなことでの説明や反論をされることも多いと思います。しかしながら、もしそうなのであれば、こういった重要情報シートに商品の一般的なことを書くだけではなくて、なぜこの商品を勧めるのかということについて、簡潔であっても記載するようにすると。事業者の方が顧客のニーズをどのように理解し、なぜこの商品を勧めるのかということを記載するようにすべきなのではないかと思います。

 実際、重要情報シートを見ると、質問例として、あなたの会社が提供している商品のうち、この商品が私の知識、経験などに照らしてふさわしいという根拠は何ですかというような質問例が書かれていますけれども、これがやはり顧客が一番知りたいことで、ここがずれるとトラブルになると思います。ですから、重要情報シートの記載内容を御検討いただけるのであれば、こういった点についても御検討いただいてもいいのかなと感じました。

 最後に、ファイアーウォールに関する事例を御紹介いただきました。これはファイアーウォールの今の規制の仕組みと直接関係するというよりも、顧客の明確な意思が示されたにもかかわらず、それに反するような行動がなされたというようなところが大変深刻で重要な問題なのではないかと思います。顧客の同意ということを手掛かりにしてルールをつくっている部分というのはいろいろあると思いますので、こういったようなことが発生しないよう、業界全体としてしっかりと意識を醸成していくというようなことがすごく重要ではないかと思います。

 他方で、顧客の明確な意思が示されたにもかかわらず、それに反した行動をしたというようなことが問題なのであって、今の規制の仕組みとかファイアーウォールの在り方が問題であるということでもないように思います。特に今日、一番最後にお話のあった二重登録の話のような話とは、直結して絡めて考える必要はないのではないかと考えております。

 以上でございます。

【神田座長】  どうもありがとうございました。

 それで、少々チャットの順番を変えて申し訳ないのですけれども、井口委員が2時頃御退出と伺っておりますので、大変恐縮ですけれども、井口委員、よろしければ先に御発言をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

【井口委員】  すみません、皆さん、先に発言させていただきまして。神田座長、どうもありがとうございます。では、事務局の資料に沿って発言いたします。

 まず、御説明どうもありがとうございました。御議論いただきたい事項に従って意見を申し上げたく思います。最初の5ページから始まる市場インフラについてですが、前回のワーキング・グループでも申し上げましたが、売買高上限の緩和、自主規制の監視強化、気配情報等の公表、TOB5%ルールの取扱いなど、事務局提案に賛同いたします。

 あと、前回も申し上げましたが、流動性等を考えますと、機関投資家にとっては、取引所が中心であるという状況は変わらないと思っております。ただ、PTSが一定程度、成長し、クオリティー面も整うといった将来的な話になりますが、PTSに一定程度の代替市場としての役割を期待すると、こういった売買の環境だけではなくて、投信の基準価格の算出などの周辺ルールの整備もないと代替市場にはなり得ないのではないかと思っております。

 あと、11ページ以降の成長資金の供給についてのところですが、こちらについても事務局の御提案の方向性に賛同いたしますが、2点だけ確認のコメントをさせていただければと思っています。

 1点目は13ページの公正価値評価です。前回も申し上げましたが、資本市場の資金を呼び込むためには、公正価値評価が欠かせないと思います。それで、13ページ最後のVC出資持ち分の会計処理の実務上の取り扱いにおいて公正価値評価の取り扱いを明確にするということでしたらよいと思うのですが、企業会計基準における非上場株式の評価を取得原価から公正価値評価に変えるということまで意味されているとすると慎重な姿勢が求められるのではないか、と思います。というのも、現状でも、国際会計基準の非上場株式等の公正価値評価は、計測理由や方法についての詳細な理由の開示がないにもかかわらず、企業の利益に大きな影響を与えるため、必ずしも、投資家の評価は高くないからです。実際、私も委員をしております日本証券アナリスト協会の企業会計研究会から、2019年4月に出された意見書でも市場価格のない株式については取得価格での基準に賛同しています。日本基準ですと、利益ではなく、その他包括利益になるとは思いますが、いずれにしても、明確な理由もなく、純資産額に大きな影響を与えることになるリスクはあると思っております。

 2点目は、14ページに掲載していただいておりますエグジットの多様化の上場審査のところとなります。審査の改善という意味で、機関投資家等の投資判断の評価も活用するということでしたらいいのですが、上場株式を取り扱う私のような機関投資家としては、一段と上場を促進するということについては慎重にしたほうがいいのではないかと思っています。これは以前、この委員会でも申し上げたことがあるのですが、日本市場はもう既に3,600社近い上場企業があります。私の知る限り、ヘルスケアとか新興企業も多く上場しております。むしろ問題は、3,600社も上場しているにもかかわらず、流動性やコーポレートガバナンスなどのクオリティー面から、機関投資家のアクティブ投資の対象となり得る銘柄数が600銘柄程度になってしまっているという状況と思っています。

 また、上場してしまうと一般投資家の資金も流入しますので、投資家保護の観点でも慎重であるべきと思っています。これまでの報告書のトーンのとおり、非上場株式の流通市場拡大による成長を図ることが基本で、一つのエグジットとしての論点ということで挙げられていると思いますが、念のため、機関投資家としての意見を申し上げさせていただければと思います。

 最初のほうに発言させていただきまして、どうもありがとうございます。以上でございます。

【神田座長】  どうもありがとうございました。会議室のほうのシステムに一部不具合がありましたけれども、皆様方にはお聞きいただいていたと思いますので、議事録の際にもう一度御確認いただければと思います。

 井口委員、どうもありがとうございました。

【井口委員】  ありがとうございました。

【神田座長】  それでは、チャットの順番に戻りまして、次に神作委員、どうもお待たせして申し訳ございません。よろしくお願いいたします。

【神作委員】  御指名ありがとうございます。東京大学の神作でございます。多くの論点を挙げていただいておりますけれども、4点に絞って御発言申し上げます。

 第1に、PTSの競売買基準の緩和やTOB5%ルールの適用関係の見直しについては、御提示いただいた方向に賛成いたします。それとともに、取引所とPTSとでイコールフッティングを図るべき事項、例えば不公正取引規制や情報提供などについては、自主規制はもとより、それぞれの規制及び監督のバランスを適切に図る必要があると考えます。ティック・サイズは、むしろ競争に適した事項であるように思われますが、欧米をはじめ、かなりの国において、法令でサイズを統一的に定めることによって適切な価格形成や流動性を確保する一方、サイズが細か過ぎることによって生じる弊害を未然防止することによってイコールフッティングを確保しています。諸外国の状況に鑑みますと、ティック・サイズについては、行き過ぎた競争が観察される場合には、法令による規制も視野に入れる必要があると考えます。投資家保護や機能別・横断的な規制監督の観点から適切な市場間競争を促しつつ、必要なルールや監督については整合性を確保することが重要であると思います。

 第2に、事務局説明資料9ページの公正なIPO価格を決定するということについてでございますけれども、御報告いただきましたように、日証協や東証をはじめ、関係者の様々な努力がなされていると承知しています。日本では欧米に比較すると、上場承認日から上場日までの期間が長いことが、投資者や発行会社にとって市場環境等の変化による価格変動リスクをより大きくし、IPO価格にそれが織り込まれてディスカウント率が高くなっている原因の一つになっていると考えられます。

 そこで、上場承認日から上場日までの期間を短縮することがIPO価格をより公正かつ適正に決定するために有益と考えられます。社債、株式等の振替に関する法律131条によって、株式の発行会社は上場に際して、既存株主に振替株式の交付先の口座情報を求める通知を上場の1か月前までに行うものとされています。そこで、本日御提案いただきました振替法の規定する1か月というこの期間を、既存株主の保護に必要な期間と事務処理に要する期間とに分解していただき、前者、すなわち、口座通知取次請求の受付期間の下限日数のみを振替法令で定め、業者等の取組による事務処理期間の短縮を可能にするという方向で見直しを行っていただきますと、振替法の趣旨に抵触することなく、上場日程全体の短縮を実現できると思われ、誠にありがたいことと存じます。

 第3に、資料25ページの投資法人における利益概念につきましては、現行の投信法では、その他有価証券の評価額等が利益とされています。しかし、評価額については、実現利益と区別し、利益として取り扱わないことにしてはどうかという御提案がされています。投信法は会社法とはかなり大きく異なる分配可能額規制をしておりますけれども、利益概念につきましては、一般的な考え方に合わせて、投信法136条1項の利益の定義を見直すなどして、評価額を実現利益から区別することは、より分かりやすく、誤解を招くことを減少させる方向であって適切であると思います。

 最後に、金融サービスの一元的提供という観点から、外務員の二重登録を一律に禁止するという形式的な規制については、少なくとも方向性としては緩和ないし撤廃をすべきであると考えます。しかし、二重登録規制を緩和ないし撤廃する場合には、専ら同一の金融グループに属する銀行と証券会社において二重登録が利用されることになると想定されます。しかしながら、本日も御紹介いただきました顧客情報管理に係る処分事例を踏まえますと、少なくとも年内にそのような結論を出すことは時期尚早であり、本日、全銀協から御報告いただきました顧客情報管理の強化の実施状況を見ながら、例えば来年のそれほど遅くない時期に、顧客情報管理の状況の確認と併せて、二重登録等、ファイアーウォール規制について改めて検討を行っていただくことが適当であると考えます。

 以上でございます。どうもありがとうございました。

【神田座長】  どうもありがとうございました。

 それでは次に、チャットの順番で有吉委員、どうぞお願いいたします。

【有吉委員】  有吉でございます。御説明どうもありがとうございます。私も事務局説明資料に沿って何点かコメントさせていただきたいと思います。

 まず、PTS規制の競売買方式に係る売買高上限の緩和であるとか、それからTOB5%ルールの適用の見直しについてですが、ユーザーである投資家のニーズに応えるものであると理解いたしました。そうであれば、事務局説明資料の御提案のとおり、緩和を図った上で、必要最小限の範囲で弊害防止の措置を施すといった方向で制度の見直しをぜひ進めていただきたいと思います。

 それから、上場株式の投資単位の引下げの関係でございますけれども、これまで発行会社に対して積極的な要請までは行っていなかったものを、今回要請を行ったと理解いたしました。そうであれば、当面は要請文への反応を見た上でということだと思いますが、それでも状況が改善しないようであれば、さらなる取組を改めて御検討いただきたいと思います。

 それから、成長資金の円滑な供給との関係で、事務局説明資料の11ページの注の部分についてでございますが、既に森下委員からもコメントがありましたとおり、非上場株式等の取引の活性化の観点から、最終的に特定投資家以外の者に販売されないような仕組みが確保されているのであれば、一般投資家の目にも触れる形で特定投資家向け有価証券の銘柄が表示されるといったことも認められる方向で整理をしていただきたいと強く思います。

 それから、事務局説明資料の12ページで提案されている特定投資家限定のPTSの規制緩和ということには賛成いたします。ただ、こういったPTSについて、業者側にビジネスニーズがあるのかどうかよく分からないところがございまして、非上場株式等のセカンダリー取引の円滑化を実現する観点からは、どのような制度とすれば使われる制度となるのかということについて、業者、それから発行会社や投資家の双方の意向を酌み取って制度設計の検討であるとか、利用促進のための取組を行っていただきたいと思います。

 次に、公正価値評価に関する監査、会計処理についてでございますけれども、スタートアップには多様なビジネスがあるところ、ルールがあまり硬直的となってしまって、基準をつくったがゆえに定量的な評価になじまないようなビジネスがうまく評価されなくなってしまって、本当に必要なところに資金が行き渡らないというような事態が起きないように検討を進めていただきたいと思います。

 また、上場審査の関係でございますけど、IPOを目指す企業のビジネスモデルであるとか、資産規模というものが従来よりも多様化しているという状況にあると思います。したがいまして、審査の質は落とさないということが大前提ではあると思いますが、事務局説明資料や東京証券取引所の資料にありますような、上場審査の内容であるとか、プロセスの柔軟化ということはぜひ進めていただきたいと思います。

 それから、事務局説明資料の28ページに記載の論点のうち、トークン化された不動産特定共同事業契約に基づく権利についてでございます。同種の金融商品には同種の規制を適用するという観点から、この不特法によるトークンについて金融商品取引法の規制対象として、他の集団投資スキーム持分のトークンと同様に規制するという方向は賛成でございます。ただ、形式的にトークン化されることだけで実質的に流動性が高まるわけではなくて、あくまでも取引がされるような環境があることが、流動性が高まることの前提になると思います。一方で、金融商品取引法の規制の対象とすることで、言わばお墨つきを与えたような効果が生じないようにうまく配慮して説明をしていただきたいと思います。

 デジタル有価証券の可能性には大変期待をしておるわけでございますけれども、形式的にデジタルではあるものの、実態として何ら変わりがないような金融商品が不適切な形で一般投資家に販売されてしまって、デジタル有価証券の特性を生かしたような利用がされない段階でデジタル有価証券の信頼が毀損してしまうというような事態にならないよう注意していただきたいという思いがございます。今申し上げたことは不特法によるトークンに限らない論点でございますが、そういったことにならないよう適切な取組を期待したいと思います。

 最後に、ファイアーウォール規制の関連でございますが、既に神作委員もコメントされたとおり、外務員の二重登録を一律に禁止するというような形式的な規制については、従前からコメントさせていただいているとおり、ぜひ見直しを進めていただきたいと思っております。ただ、これも神作委員のおっしゃっていたことと全く同じでございますが、顧客情報管理に係る近時の処分事例などを踏まえますと、森下委員のおっしゃられるとおり、必ずしも外務員の二重登録という問題と直結する論点ではないということはあるとは思いますが、やはり形式規制の緩和に伴う弊害防止の在り方などについては、この処分を踏まえた改善状況を見た上で検討せざるを得ないのかなと感じます。そうすると、年内に一旦、このワーキング・グループでの報告書が取りまとめられて、それを踏まえた法案準備などが進められて、そんなことをしている頃には、行政処分を踏まえた顧客情報管理の状況というのもまた見えてくると思いますので、ぜひ、そういったタイミングで、このワーキング・グループでだと思いますけれども、議論の俎上にのせていただきたいと思っている次第でございます。

 私からは以上です。

【神田座長】  どうもありがとうございました。

 それでは次に、佐々木委員、どうぞお願いいたします。

【佐々木委員】  ありがとうございます。それでは、私のほうからは、特定投資家制度とソーシャルレンディング、それからファイアーウォール規制について、感想というか意見を述べさせていただきます。

 特定投資家制度の普及、積極的な活用に賛成で、これに関して特に意見があるということではないのですが、今回も要件の見直しなどがありましたけれども、今後さらなる見直しが必要になっていくと思います。現在、特定投資家に関して、ある程度の資産を持つことや取引経験などというものが問われているのですが、将来的には、例えば所得の一定割合までという上限を設けることや、あるいは投資知識のある者にサーティフィケイトを与えるといったような緩和の方向もあり得るのかなと思いますので、今後、引き続き検討していただきたいと思いました。

 それから、ソーシャルレンディングに関してですが、前にも一回話題になったことがあると思うのですが、二種業者が急激に増加している中、様々な手法も出てきておりますし、ぜひ今後も慎重なモニタリングをお願いしたいと思います。ソーシャルレンディングについて、このような形のソーシャルレンディングというものが出てきてから、例えば不動産市場を見てみると、右肩上がりにずっと価格が上昇しておりまして、利用者によっては非常に安全なものだと思い込んでしまっている人も多いのではないかということが常に気になるところです。これらの商品の中には流動性が非常に低い商品というのも含まれておりまして、今後、不動産の暴落とか、資産市場でいろんな価格の乱高下などあるときに、そういったことは知らなかったということがないように留意していかなければいけないのではないかと思っております。

 それから、ファイアーウォール規制に関して、御説明いただきまして感謝申し上げます。ありがとうございます。私自身も、読んだだけでは分からないことがたくさんありましたので、とても参考になりました。また、この市場制度ワーキング・グループで議論を進めておりましたし、一般の関心も高いということで、今回このような形で取り上げていただいて、その意味はあるのではないかと思っております。既に森下委員など何人かの方がおっしゃっていますが、これはファイアーウォール規制違反ということになりますが、ファイアーウォール規制がなくても、いずれにしてもこれはやはり顧客の意に反してということであれば問題になり、そういった意味で広く顧客管理の問題という理解になっているかと思います。

 そういう意味では、このファイアーウォール規制の緩和そのものの部分に関わることなのか、もっと広く顧客管理の問題なのかという意味で、ファイアーウォールの規制の議論に直接絡めなければいけないかどうかというのは少々微妙なところではないかと思っております。今回のようなケースで、ただ、広い意味で顧客管理の情報管理の問題ということで、ファイアーウォール規制を緩和していくという、全体的に規制緩和という形の中で、やはり不安を感じないようなシステムになっていることが望ましいと思います。正直、少々素人っぽい意見で恐縮ですけれども、実際銀行や証券のなかに入ったことがない私からは、お聞きしているだけだと、こういったことが実際に、非常に珍しく起こったことなのか、それともたまに起こり得ることなのか、そういったことの判断はなかなかお聞きしているだけでは分かりにくいところもあります。全銀協の先ほどの説明を聞くと、ものすごくしっかり顧客管理、情報管理がされているという印象ですけれども、全てのケース、全ての銀行・証券が同じような形でやっているかどうかも私は分からないので、その辺はどうしても慎重に検討せざるを得なくなってしまうのかなという気はいたしております。

 また、実は事前説明のときに少し御説明いただいたのですけれども、私の中で直感的な印象として、情報を流したのは銀行だけれども、利用して使おうとした証券会社が悪いという感じに読めてしまったのですが、でも、情報を流したということが問題なわけですから、その辺の感じが、ぱっと文字で読んだだけだと分かりにくいところがあると感じました。これは感想です。

 以上です。ありがとうございます。

【神田座長】  どうもありがとうございました。

 それでは次に、松尾委員、どうぞお願いいたします。

【松尾委員】  ありがとうございます。松尾でございます。私は、事務局資料の12ページ目の特定投資家向け有価証券を扱うPTSについて一言申し上げます。

 特定投資家向け有価証券、あるいは特定投資家制度の活用促進という意味からも、特定投資家向けに発行された有価証券のセカンダリーの市場の整備というのは非常に重要なことかと思います。セカンダリー市場の整備を進めることが発行市場の利用の活性化にもつながると思いますので、ぜひここは進めていただきたいと思います。もちろん、ニーズがあるのかどうかということが問題になるかと思いますけれども、アメリカの例を見ておりましても、特定投資家だけを対象にして発行会社と投資家のマッチング、あるいは投資家間でのセカンダリー市場での取引のマッチングをやるような、それをオンラインで完結してやっているような制度といいますか、要請があると認識しておりますので、そういったことができないかということを考えております。

 その点で最後に書かれていることですけれども、PTSの認可要件の緩和についても、ぜひ踏み込んで緩和の方向で見直していただきたいと思います。ここにも書かれておりますとおり、多様なプレーヤー、異業種等からの参画も期待できるフィンテックの一つの局面かと思いますので、そういった業種からの参入があり得るということも踏まえて、ぜひ踏み込んだ緩和をお願いしたいと思います。

 それから、私もファイアーウォール規制について一言申し上げたいと思います。二重登録の禁止につきましては、既に神作委員からも御指摘があったとおり、これはホームベースルールを撤廃したときに、それを撤廃したことの意義を十分に発揮させようとしますと、二重登録の禁止の規制というのも撤廃する必要があるというように思いますので、そちらの方向で見直すこと自体はよろしいのではないかと思います。ただ、前回、ホームベースルールを撤廃したときには、顧客情報の厳正な管理ということが当然の前提になっておったかと思いますところ、今回それができていないということが明らかになる事例が出てきたということかと思いますので、そういった顧客情報の厳正な管理ということが徹底されているということが確認されるまでは、なかなか次のステージに進むのは難しいのではないかと考えております。

 以上です。ありがとうございました。

【神田座長】  どうもありがとうございました。

 それでは次に、野村委員、どうぞお願いいたします。

【野村委員】  野村でございます。私も事務局の資料に沿って、コメントと幾つか質問させていただければと思います。

 まず、市場インフラの機能向上、それから成長資金の円滑な供給のところですが、おおむねこれまでの議論に沿った内容、それから日証協、東証など、いろいろと対応を進めていただいている内容に沿ったものと理解いたします。違和感はございません。PTSの機能向上の施策を進めることには同意いたします。特定投資家制度の周知に例えばインターネットを使うといった話もあったと思いますけれども、利便性向上につながることだと思いますので、進めていくのがよいと思います。また、規制緩和に際しては、要件を定めることになると思うのですが、簡潔簡素なものにするのが大事だと思います。

 投資単位の引下げですが、これは金融サービスのイノベーション、投資家の利便性向上の基盤になることだと思います。だからこそ実施する意味があるのだと思います。実際、米国では端株を活用した取引サービスが普及して投資家の裾野の拡大といったことにも寄与していると理解しております。本日の資料などを踏まえると、日本の場合は50万円というのが引き続き一つの目安なのかなと思いましたが、今回改めてこの問題が提起されたのは、将来的にはさらなる引下げ、例えばですが、1株単位の取引を可能にするなど、そういった将来の議論に向かうこと、その第一歩というふうに理解してもよいものかと思いました。

 また、非上場株式の投資家探し、それからセカンダリー取引の円滑化、こういったことも議論を継続していく必要があると思います。成長資金の円滑な供給を強化していくには、スタートアップ起業家、投資家、そして両者をつなぐ仕組み、これらを一体のものとして捉えて改革していく、取り組んでいくことが必要だと思っております。

 顧客本位タスクフォースのところですが、第2回目で、企業年金などについても触れられたと認識しております。今週月曜日に、厚生労働省の企業年金・個人年金部会が開催されて、そこでこの顧客本位タスクフォースの資料が抜粋されていたことに気がつきました。ここは金融庁及び厚生労働省、この両省庁における協働に期待したいと思っております。例えばですが、確定拠出年金には投資アドバイスの制度を整備したらどうだという課題がございまして、この点については、ニーズはあるのに、ある意味、宙に浮いてしまっているような状態を懸念しております。また、職場を通じた社会人の金融リテラシーの向上を後押しするというのも、協働していただきますと、より効果的な施策が可能になるのではないかと思います。

 質問なのですけれども、顧客本位業務運営原則の一部について法制化を行う、そういう方向性かと理解しております。そういたしますと具体的な内容がとても重要で、慎重にこれを定めていく必要があるかと思うのですが、法制化についてどのようなプロセス、スケジュール感なのかということを可能であれば御教示いただければと思います。

 最後に、ファイアーウォール規制なのですが、これも質問といえば質問なのですけれども、1つ目の事例のほうですが、証券会社については業務改善命令となっていて、銀行及び持株会社のほうは報告徴求命令となっておりますが、後者については報告で終わりという意味では必ずしもなくて、報告を踏まえて次の措置、展開を判断するという、そういうことなのでしょうか。

 私からは以上です。ありがとうございます。

【神田座長】  どうもありがとうございました。質問は2つあったと思いますが、まず島崎課長、お願いします。

【島崎企画市場局市場課長】  顧客本位タスクフォースの議論、あるいは法制化の御質問だったと思います。これまで3回にわたって、顧客本位タスクフォースを開催させていただき、また11月及びその先に開催を予定している会合も含めて、基本的なスタンスは、可能なものを取りまとめて、取りまとめられないものの中で、有益かつ大事な課題については継続ということだと思います。それで、必要な制度整備については、当然、法制化を意識しつつ、この後、議論が収斂していって、取りまとめのほうに近づいていく方向で、私どもとしても、運営をしていくということなのではないかなと思っています。

 以上です。

【神田座長】  ありがとうございました。もう少したつと姿が見えてくるということではないかと思います。今、タスクフォースのほうでまだ議論中ということではないかと思います。

【野村委員】  ありがとうございます。

【神田座長】  もう一点は、八木課長からよろしゅうございますか。

【八木監督局証券課長】  御質問ありがとうございます。本件につきましては、現時点では、証券会社のほうにつきましては先ほど申し上げたとおり、受領した後に社内でそういった情報を共有した上で、さらに執行役員が銀行のほうに主幹事のポジションを獲得できるように働きかけてほしいといったことを要請するなど、そういった会社における組織としての法令遵守意識が希薄であるといったような状況も認められておりますので、そういったことを踏まえて証券会社のほうは、監視委員会の勧告に基づき処分を行っているということでございます。

 一方で、現時点では銀行につきましては、確かに情報を渡したという事実はございますけれども、そういった処分を行うべき事案といいますか、事態まで認められているわけではございませんので現時点では処分を行っておりません。今後も必要があればそれに応じた対応を検討していくということになるかと思いますけれども、現時点では、少なくともそういった処分をすべき事態というか、ということまでは認められていないということでございます。

【野村委員】  どうもありがとうございます。

【神田座長】  よろしいでしょうか。ありがとうございました。

 それでは、次へ進ませていただきます。次は、原田委員、どうぞお願いいたします。

【原田委員】  ありがとうございます。原田でございます。市場インフラの機能向上に関するところを中心に何点か意見を申し上げさせていただきます。

 まず、市場インフラ関係で言いますと、PTSの機能向上について、売買高の上限を緩和することについては賛成いたします。その場合、PTSの運営会社に対して、気配情報・約定情報など通知・公表を求めることについてどう思うかということが書かれていますけれども、これは必要であろうと考えます。今、PTSの運営会社は一種業ですので、日本の当局としての監督権限は東証にはありますが、PTSにはかかってこない状況であろうかと思います。

 今後、PTSを活性化するというのは重要な考えでありますけれども、活性化していった後に不正な行為が発生した場合など、それを見抜く、監督するということは、また今後別途検討することになってくるのだろうと思いますので、弊害が生じにくい仕組みといいますか、規制が必要な部分は規制していただくという観点から、必要な情報公開を求めることも重要であろうと考えます。の公正な競争条件という視点から、TOBの5%ルールについても賛成いたします。

 ティック・サイズの件なのですけれども、前回のWGの資料に表がありました、呼値の刻み幅についてです。ティック・サイズは取引所とPTSでほぼ同じか、PTSのほうが少し条件がよい価格で執行できるという状況が表で示されていました。今までも今もそうだと思うのですけれども、これは恐らく現状維持といいますか、呼値の単位をどんどん小さくする方向で見直していくとか、そういったことは特段必要ないのではないかと考えます。どういう点に留意すべきかということから申し上げますと、留意するべきことというのは、PTSと東証の呼値、ティック・サイズを同じにしてしまうと、恐らく、PTSのほうには注文が行かなくなって、今でも数少ないPTS業者数がさらに数が減ってしまうということです。そうなると、それは活性化とは逆の動きになっていきますので、ティック・サイズ、刻み幅については、現状を注視していくという形でいいのではないかと考えました。

 投資単位の引下げについては引き続き努めていただくということでお願いしたいと思います。

 そして、2点目としまして、顧客本位のタスクフォースのほうで今議論をしていただいていることでありますけれども、1つ、この視点も大事なのではないかと思うことを述べさせていただきます。

 金融商品の質を担保するという観点から考えますと、一定のコストはかかるというのが、重要な論点ではないかと思います。例えば、インデックスファンドということで考えますと、今年度の高度化プログレスレポートにもありましたけれども、インデックスファンドの信託報酬が、現状でも今年に入ってからどんどん下がっている面はあるのですけれども、とことん安くするのが顧客本位なのかというと、必ずしもそうではない面はあると思います。例えばインデックスファンドですと、パッシブファンドですのでコストがかからないイメージがあるのかもしれませんけれども、商品の性質として重要な点としては、トラッキングエラーを小さくするというのは重要な観点です。トラッキングエラーを小さくしようと思うと売買頻度は上がるわけです。ですが、売買頻度が上がるということはコスト増要因にもなります。ですので、トラッキングエラーが大きいと金融商品などはつくってはいけないと考えますので、一定のコストは必要な側面があると考えております。

 最後に、その他のところで、20ページ以降で整備が必要な論点ということで挙げていただいているところに関してです。2番目、掲示規制や審判手続のデジタル化、3番目、特別法人出資証券のデジタル化、それぞれアナログだったものの見直し、アナログ規制だったものの見直しに関するものです。デジタル化への対応に伴ってデジタル庁から上がってきた金融庁関連マターだと思いますけれども、制度の整備が必要なものがあるということは対応していただいて、今後もデジタル化の進展に伴って必要な整備の見直しが出てくれば、その都度、対応していただければと思います。

 私からは以上になります。ありがとうございます。

【神田座長】  どうもありがとうございました。

 それでは次に、松岡委員、どうぞお願いいたします。

【松岡委員】  どうもありがとうございます。本日出ました様々な議論については、既に主に企業目線での発言というのはいろいろさせていただいておりましたので、ここで繰り返し申し述べることはいたしませんが、一言、さきに言及のございました外務員の二重登録禁止規制を含めたファイアーウォール規制の見直しについてですけれども、顧客としての企業の視点で申し上げれば、実態として、顧客情報管理に不安のある現段階で議論するというのは難しいかと思います。今後、改善状況などを確認できたところでまた改めて検討するというのが適切であると考える次第です。

 以上です。ありがとうございました。

【神田座長】  どうもありがとうございました。

 それでは次に、武田委員、どうぞお願いいたします。

【武田委員】  ありがとうございます。私からは意見及び質問で2点ございます。

 1点目、特定投資家制度の積極的な普及、御提案の内容には賛成いたします。制度としてスタートしておりますので、ぜひ御提案いただいた形で普及いただきたいと思いますが、注で書かれておりましたように、「募集勧誘」ではないことを明示した上で、特定投資家が購入できる銘柄を表示することが可能であると周知するとございますが、具体的にどのような周知方法をお考えなのか、つまり、特定投資家にプッシュ型で周知するということか、あるいは制度の存在や可能になることを一般に周知するお考えなのか、もし、現時点で何かございましたら御教示いただければ幸いです。

 2点目は、銀証ファイアーウォール・顧客情報管理に関してでございます。多くの委員がおっしゃられておりますが、本来、二重登録禁止規制の撤廃の方向が望ましいと考えております。しかし、残念ながら、本日御説明いただきましたような事例が起きますと、顧客情報管理に対する懸念は本日の議論でも示されているとおり、払拭されているとは言えない状況と思います。本日、銀行協会から弊害防止措置の強化に関して、個別の取組事例を御説明いただき、この取組自体は大変すばらしいことと存じますが、全銀協全体として具体的に進める必要がある中で、こうした取組を横展開されていくお考えなのか、全銀協としての取組として進めていく、との理解でよろしいでしょうか。

 以上、2点になります。よろしくお願いいたします。

【神田座長】  どうもありがとうございました。御質問2つのうち、1つ目は島崎課長からお願いします。

【島崎企画市場局市場課長】  11ページ目の明確化という御質問ですけれども、基本的に、インターネットを通じて、特定投資家が購入できる商品等の情報を一般投資家に周知できることの明確化を想定しております。また、周知手法に関しては、これまでも様々な手法で周知を行ってきていますので、詳細な手法は検討させていただきたいと考えています。

【神田座長】  ありがとうございました。2点目は、銀行協会からお答えいただくことは可能でしょうか。

【宮下オブザーバー】  全国銀行協会の宮下です。武田委員、ありがとうございます。私どもは、本件にかかわらず、個別銀行の好事例について、各会員行に参考にしてほしい事項について事例の横展開等を行っています。そのような意味では、本件取組に係る部分についても、同様な対応を検討してまいりたいと思います。ありがとうございます。

【神田座長】  よろしゅうございますでしょうか。

【武田委員】  ありがとうございました。

【神田座長】  どうもありがとうございました。

 それでは次に、福田委員、どうぞお願いいたします。

【福田委員】  ありがとうございます。皆さんから既に多くの御発言がありましたので手短にしたいと思いますが、主に2点、私からはコメントさせていただきたいと思います。

 まず第1点は、市場インフラに関する論点でございます。市場間競争、非常に重要だと思います。その際、プリンシプルとしては、やはりイコールフッティング、あるいは投資家保護が十分なされているか、そういう観点というのは当然、大事だということです。ただ、その上で、やはり市場間競争ということは、各市場がいろいろな創意工夫を発揮できるような余地というのは、これは原田委員の言われたことではないかと思いますけれども、残しておく必要はあって、完全にイコールということだと、そもそも創意工夫というのが生まれにくいということもあるのだろうと思います。そういう意味では、プリンシプルとしてイコールフッティングや投資家保護を前提として、問題があればそれには厳しく対処するということを原則としつつも、やはり各市場が創意工夫をつくれるような余地は残しておく必要があるのだろうと思います。

 そういう意味では、なぜPTSが必要なのか。PTSを使いたいユーザーというのは当然、取引所を使いたいというユーザーとはタイプが違っているだろうと思います。あるいは、同じPTSでも、運営会社によって取引参加者というのが実態としては非常に違っているということもあります。そういう意味では、同じPTSでも運営会社間の競争、あるいはPTSと市場との競争において、それによる創意工夫、より良い商品・サービスが提供されて投資家にとっていい投資機会を生み出すということは大事だと思いますし、その際、5ページにも書いてあります、自主規制機関との連携ということがうたわれていますけれども、そういったことは非常に大事になってくるのだろうと思いました。

 それから2番目は、投資単位に関してです。既に引下げ要請がなされていますので、その結果を踏まえてまた考えたいと、有吉委員がおっしゃったことは私も賛同いたします。ただ、50万円に仮に下がったとして、もちろんそれで投資できる人は増えるでしょうけれども、それでもまだまだ高過ぎるという人もいるわけですので、そういう意味では、少額取引ができる別の方法、端株取引をよりやりやすくできるような仕組みづくり、現状でそういう投資の機会は増えてきており、そういう仕組みが生まれてきているとは思いますけれども、そういうことも同時にさらに進めていただくことも重要ではないかとは思います。

 1点マイナーな質問ですけれども、東証の社長名での通知文の中で、投資単位を5万円以上50万円未満という要請だったのですけれども、この50万円未満は分かったのですが、5万円以上とした理由は何か深い意味があるのか、もしお分かりであれば教えていただければと思います。現状、少額の株式、5万円ちょっとで買えるような株式もあるのですけれども、必ずしも投資家にとって魅力的なものでない傾向もあるかもしれません。そうではないケースもあるかもしれませんけれども、どうしても株が暴落しているような会社で5万円ちょっとで買えるようなものである傾向もあって、やはり投資単位が低いと、あまりいい投資先ではないという傾向はあるとは思います。小さな質問ですけれども、もしお分かりであれば教えていただければと思います。

 それから、成長資金に関しても少しだけコメントさせていただきますと、いろいろな取組、日証協あるいは証券会社の取組、あるいは公正価格をきちっとしていくことは私も必要なのだろうとは思います。けれども、成長資金に関しては、より重要なのは、全体のエコシステムというのをどう整備していくか、そういった中で、証券会社や日証協がどう絡んでいくかということが大事だろうと思います。非上場会社というのは、どういう成長性があるのかというのは非常に分かりにくい。ただし、それが海外であれば、エコシステムというのを通じていろんな形で投資を呼び込んでいるということですので、そういう意味では、証券会社、日証協の取組ももちろん大事だとは思いますけれども、全体のエコシステムをそうした中でどう育成していくかという問題意識は重要なのだろうとは思いました。

 それから、ファイアーウォール規制に関しては、皆さん既に様々御意見を出されていて、私もそのとおりだとは思います。けれども、ファイアーウォール、もともと銀証の垣根を撤廃する際に経過措置として設けられたものだというのが私の理解ですので、そういう意味では、長い目ではなくなっていくべきものではないかというのが趣旨にはあるのだろうと思います。現状、様々な問題点が指摘されている中で、それを踏まえながら進めていくということ、それが皆さん、多くの御意見だったとは思います。

 ただ、それと同時に視点として大事なのは、メリットとデメリットのバランスということなのだろうと思います。こういう問題を100%なくすということはなかなか難しいのだろうとは思います。他方で、そういう問題がある確率は全くゼロにはできない中でもファイアーウォールを見直していくメリットという、これは日本の市場を活性化させる上で非常に大事だということの議論も重要だと思います。メリットとデメリットのバランスの理解を同時にしながら進めていくという視点は大事なのだろうと思います。

 最後に、若干蛇足になりますけれども、足元で起こっている問題として必ずしもこのワーキング・グループで話しているテーマとは異なる問題があります。具体的にはFTXの問題というのが非常に大きな問題になって、日本の投資家がどれだけそれによって被害を被っているか実態はよく分からないのですけれども、このワーキング・グループの範疇、広い意味では範疇の問題が、世界的に今大きな問題になっているという点はあります。今後の議論の展開にも絡んでくるかもしれませんけれども、どちらかというと、現在はフォーマルな市場を中心に議論はしているのですけれども、シャドーと言っていいのかどうか分からないのですけれども、そういう市場が世界的には非常に大きく広がっている中で、どういうふうに投資家保護をしていくかという観点も今後は重要になってくるのではないかと思います。最後は蛇足です。

 以上です。

【神田座長】  どうもありがとうございました。

 ご質問がありましたけれども、東証の青さんからお答えいただくことは可能でしょうか。

【青オブザーバー】  望ましい投資単位の水準として下限5万円が導入された経緯ということかと存じますけれども、2005年頃に株価の急激な変動を招くような極めて大幅な株式分割が行われ、市場が混乱したという事案がございました。こうした株式分割によって株価が著しく低下した場合には、過度に短期的・投機的な売買を助長し、流通市場に悪影響を及ぼす懸念があるということを踏まえ、望ましい投資単位の目安に5万円という下限を設定させていただいたといった経緯でございます。

 以上でございます。

【福田委員】  ありがとうございます。

【神田座長】  よろしゅうございますでしょうか。どうもありがとうございました。

 それでは、以上で本日御参加いただいております委員の皆様方からは全て御発言をいただきました。大変貴重な御指摘等を多数いただきまして、誠にありがとうございました。

 それでは、オブザーバーの皆様方で御意見等ございましたら、発言をしていただければと思います。チャットに入れていただけますとありがたく存じます。

 それでは、まず日証協の飯山さん、どうぞお願いいたします。

【飯山オブザーバー】  発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。まず、上場株式のPTS取引につきましては、5ページでお示しいただいた論点について、いずれも賛成いたします。なお、PTSの機能向上という観点から、競売買方式の売買高上限を引き上げるとともに、PTS運営会社における価格情報の公表など、取引の公正性や価格の透明性の確保などに向けた検討を進める必要があると考えております。

 次に、成長資金の円滑な供給に関してですけれども、日証協としましても、スタートアップ等への成長資金の供給の観点から、今後、特定投資家制度が活用されることが重要だと考えておりまして、引き続き周知等に努めてまいりたいと考えております。

 また、投資家の立場からしますと、特定投資家に移行した結果、どういった商品や銘柄の取引を行うことができるのかということは非常に重要であり、11ページの最後に記載いただいております、購入可能な銘柄等の表示が可能であることの明確化は、是非とも対応いただければと思います。

 また、非上場株式のセカンダリー市場の整備について、証券トークンはともかく、非上場株式につきましては、実態としては、PTSでは既存株主や投資家の非上場株式に係る取引ニーズを満たすことはできないと考えておりまして、むしろPTS以外の簡易なインターネット取引や、対面での取引などの店頭取引が重要でありまして、そうした取引が円滑に行えるように規制の明確化や緩和をお願いしたいと思います。

 次に、先ほど御説明させていただいたとおり、IPOプロセスの見直しについては、本協会におきまして、改善策の実施に向けた検討を行っているところですけれども、振替法の通知の見直しによる上場日程の短縮化や、上場審査における機関投資家等の評価の活用によりまして、公正な価格発見機能のさらなる向上が期待できると考えております。

 そして、ファイアーウォール規制については、委員の方々からも多数御発言がありましたのでコメントさせていただきたいと思います。以前から申し上げておりますところですが、本年6月の規制緩和はまだ始まったばかりでございます。金融行政方針におきましても、銀証間のファイアーウォール規制の緩和を踏まえて、優越的地位の濫用の防止体制を重点検証することが主要行等に対するモニタリング方針として掲げられておりまして、まずはその結果を慎重に検証する必要があるものと考えます。

 さらには、本日御説明がありましたとおり、今般、重大な規制違反が発生しまして、行政処分が行われたところであります。そのため、見直しの議論を行うかどうかは、モニタリング結果の検証に加えまして、処分事案の原因分析を踏まえた上で慎重に進めるべきと考えます。先ほど全銀協から弊害防止措置も強化されているという御説明がありましたが、以前、当ワーキング・グループでも、しっかりと情報管理制度をつくっていらっしゃるといった御説明もございました。相当の時間をかけてファイアーウォール規制については議論している一方で、残念ながら現場では今回のような事案が起きているところでございますので、御説明いただいた弊害防止措置が本当に機能しているのか、今回のような重大な規制違反が発生しないような状態になっているのか、これらをしっかり検証することがまず先にあるべきではないかと考えます。拙速に規制緩和を進めるのではなく、まずは立ち止まって現状の規制が機能しているかを確認いただければと思います。あわせて、顧客の声もしっかりとくみ取っていただくようお願いいたします。

 なお、現行の情報授受規制は、金商法において金商業者を対象にルールが設けられていますけれども、銀行法には同じ規定が存在しません。すなわち、銀行に対しては同じような状況において情報授受を禁止するような規制がなく、非常にアンバランスな法体系になっているとも言えます。金商業者と銀行が同一のルールで業務を行っていくことの検討は必要だと考えています。

 最後に、外務員の二重登録についてコメントさせていただきます。当初におきまして、また、本年6月の中間整理におきましても、ファイアーウォール規制緩和の関連として取り上げられた論点でございます。今般、ファイアーウォール規制に関して重大な違反が発生し、行政処分が行われたことを踏まえますと、現時点で検討すべきテーマなのかどうか慎重に考えるべきではないかと考えます。

 以上でございます。ありがとうございました。

【神田座長】  ありがとうございました。

 それでは次に、日本ベンチャーキャピタル協会の村田さん、どうぞお願いいたします。

【村田オブザーバー】  ありがとうございます。VC協会、村田でございます。意見を述べさせていただきます。

 11ページの特定投資家制度の普及についてです。まず大前提として、本制度の利用者の軸はあくまで発行会社であるため、発行会社と発行会社株主が利用しやすいルールにすべきと考えますので、3つ意見を申し上げます。

 1つ目ですが、証券会社の引受けを前提とする募集勧誘行為だけでなく、アメリカのレギュレーションDと同様に、発行会社による自己募集を前提としたルールにすべきと考えます。

 2つ目ですが、10月のワーキング・グループでもお話ししたとおり、現行案の特定証券情報に係る開示内容が発行体にとって重くて、特に財務内容、財務状況の開示を大幅に圧縮すべきと考えます。現行案のままだと、発行会社が誰も使わない制度になってしまうことを懸念する声が多く、証券会社にとっても投資家のクレディビリティーを補償するコストが大変高くなってしまうということで、本制度の活用が積極的に進まなくなる可能性があるかなと考えております。

 3つ目ですが、募集勧誘できる人数の緩和を行うべきであると考えます。アメリカのレギュレーションDでは、仕上がり人数がAccredited Investorを除いて35名以内、声がけは人数制限なしというふうになっているのに対しまして、国内は声がけで49名以内となっております。国内も同じく仕上がり人数ベースでのルールに変更すべきと考えております。

 続きまして、12ページの非上場株式等のセカンダリー取引活性化についてですけれども、アメリカのセカンダリーマーケットは、レギュレーションATSという制度で運用されておりますが、これはSECの届出制となっているのに対しまして、日本のPTSは内閣総理大臣または金融庁長官による認可制度となっております。また、アメリカでレギュレーションATSのライセンスを持っている企業は、現在67社存在しておりますが、ほとんどが新規参入企業で構成されております。我が国においても、PTSという重たいレギュレーションの延長線上でルールをつくるのではなく、ゼロから制度をつくり、多くの新規参入を促し、競争させることでスタートアップ株式の流通量を増やすことが肝要かと思います。

 以上となります。

【神田座長】  どうもありがとうございました。

 それでは次に、不動産証券化協会の内藤さん、どうぞお願いいたします。

【内藤オブザーバー】  ありがとうございます。不動産証券化協会専務理事の内藤と申します。日頃より座長の神田先生をはじめ、委員の皆様には不動産証券化に格別の御理解を賜り、改めて御礼申し上げます。不動産証券化商品に関わる事項2点について発言させていただきます。

 1点目ですが、資料2の20ページ、1、不動産特定共同事業契約に基づく権利のトークン化への対応についてでございます。投資家保護の視点、並びに販路拡大の視点から、トークン化された権利を有価証券として扱うことに賛同申し上げたいと存じます。先ほど有吉委員から、有価証券になったからといってお墨つきを与えたわけではないという御指摘は大変ごもっともかと存じます。他方で、不動産特定共同事業法と金融商品取引法とが二重で適用された結果、トークンを利用した事業展開を過度に萎縮させるようなことにならないように、御配慮のほどお願い申し上げたいと存じます。

 2点目が、資料の25ページ、投資法人における利益の取扱いについてですが、先ほど神作委員から、本件見直しに関して賛同する旨の御発言を頂戴したのは大変ありがたいと存じますが、ここの説明資料にありますとおり、本件問題をステークホルダー、投資家に理解してもらうことは非常に困難でございます。ぜひとも評価益を実現利益と区別するよう、見直しのほどお願い申し上げます。

 以上でございます。ありがとうございました。

【神田座長】  どうもありがとうございました。

 それでは次に、信託協会の舟橋さん、お願いいたします。

【舟橋オブザーバー】  信託協会、舟橋でございます。発言の機会をいただきありがとうございます。2点ほどコメントさせていただきます。

 1点目は、先ほど投資信託協会からもコメントがございました資料2、27ページの投資運用業者等の受託者責任の明確化についてでございます。信託協会でも不適切な事案の再発を防ぐため、受託者として受託審査の強化等の対応策について対応案を準備している状況でございます。具体的には、いわゆるファンド・オブ・ファンズについて、これまで個社に委ねられていた審査基準を業界共通で明確化すること、投資信託協会の改正後の自主規制に投信委託会社が対応されているのか確認を行うこと、この2点を再発防止策の骨子としてございます。不適切な事案の再発を防ぐために速やかに対応を進めてまいりたいと考えてございます。

 続きまして、2点目でございます。資料2の24ページでございます。登録金融機関における適用除外電子記録移転権利の預託についてでございます。この論点は、私ども信託協会でも、先月、内閣府規制改革推進室宛てに規制改革に関する提案としてその見直しについて提出をさせていただいているところでございます。募集の取扱いと取り扱った有価証券の預託を受けること、これを併せてお客様にサービスとして御提供できたほうがお客様の利便に資するものと認識をしてございます。資料24ページの上から2つ目の四角に記載いただいておりますように、必要な体制整備を前提とした上で、適用除外電子記録移転権利についても、電子記録移転権利と同様に募集の取扱いに合わせて預託を受けること、これをお認めいただきたいというものでございます。信託の仕組みを使った形で、いわゆるセキュリティトークン、デジタル有価証券の発行事例が増えてきておりまして、そうした背景を踏まえ、要望させていただいているものでございます。本席でこれまで御意見はなかったかとは存じますけれども、このように論点としてお取り上げをいただきましたことを御礼申し上げます。

 以上でございます。

【神田座長】  どうもありがとうございました。

 次に、日本STO協会の平田さん、どうぞお願いいたします。

【平田オブザーバー】  STO協会、平田でございます。発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。2点発言させていただければと思います。

 まず1点目は、不動産証券化協会の内藤様からも御発言がありました不動産特定共同事業契約に基づく権利のトークン化への対応でございます。こちらにつきましては、もともと、ほぼ同じような商品性のあるいわゆるセキュリティトークン、STだったわけですが、その規制の体系が違っていたということに関しましては、若干、従来から違和感を覚えていたところでございますが、今般、いわゆる電子記録移転権利として金商法の対象にするという規制の方向性に関しましては、本協会につきましても賛同させていただきたいと思います。

 まさにこの電子記録移転権利になった場合におきましては、我々の自主規制の範囲ということになりますので、本協会としては適切な自主規制機能を発揮してまいりたい、投資家保護に資するような形で様々な自主規制を進めていきたいと考えてございます。

 それから、もう一点目は、今、信託協会からお話がございました24ページの、いわゆる登録金融機関における適用除外電子記録移転権利の預託の関係でございます。こちらにつきましては、投資家保護の観点からも、本協会としましては非常に重要なことだと考えております。特にセキュリティトークンの預託ということは、いわゆるブロックチェーン上での秘密鍵の管理ということになります。つまり何かというと、顧客資産をいかに管理するかということでございまして、もし、登録金融機関がこの適用除外電子記録移転権利で預託を受けることができないということになりますと、投資家が直接保有するか、あるいは営業者が保有するかということになってしまいますが、そこはきちんと金商業者あるいは登録金融機関が鍵を保有することによりまして、顧客資産を保全する体制を取るという意味でも、このような規制緩和といいますか、ある程度枠組みを持って金商法の分別管理の枠組みをはめた対応というものは必要なのではないかと考える次第でございます。

 以上でございます。

【神田座長】  どうもありがとうございました。

 それでは次に、全国銀行協会、宮下さん、どうぞお願いいたします。

【宮下オブザーバー】  ありがとうございます。事務局から御説明があった、その他経済社会のデジタル化への対応の文脈で1点コメントさせていただければと思います。

 資料2の23ページにも、有価証券の多くが既にペーパーレス化されているというような御説明を頂戴いたしましたが、現在、株式の配当金の受取り方として、郵送される紙の配当金受領証を、金融機関まで御持参いただいて配当金を受け取られる方法が存在しております。こうした受取り方法の在り方につきましても、デジタル化の観点では、振込みなどへのシフトを働きかけ、あるいはどのようなやり方があるかの検討の必要性があるという問題意識を当協会としては持っておりますので、付言をさせていただきたいと思いました。

 以上です。ありがとうございます。

【神田座長】  どうもありがとうございました。予定の時間が来ているのですが、あと4人、オブザーバーの方々の御発言を承りたいと思います。少し延長となってしまって申し訳ございません。

 次は、投資信託協会の杉江さん、どうぞお願いいたします。

【杉江オブザーバー】  投資信託協会の杉江でございます。簡略に発言いたします。

 投資法人の利益規定につきましてですが、先ほど不動産証券化協会からお話がございましたように、投資信託協会といたしましても、投資法人の利益規定は90%超配当要件とも関連する実務的には大変重要な論点であり、税会不一致に関する調整措置が都度整備されるなど、これまでも金融庁をはじめとする関係者が、様々な方向からのアプローチにより解決のために御努力いただいてきたものと理解をしております。本件については、不動産投資法人が実際に期中に受け取った賃貸収入から減価償却費用を差し引いた額を利益分配することが基本的に望ましいと考えております。しかしながら、現行制度の下では、繰延ヘッジ益が生じた場合の税会不一致についての手当が不十分である等の制度上の問題も指摘される等の問題が生じております。今回、投資法人の利益概念を抜本的に見直し、企業会計上の利益と合わせることにより、評価額については実現利益と区分し利益として取り扱わないことになり、このような問題が解消され、不動産投資法人の円滑な決算処理が実現することを期待しております。

 以上でございます。ありがとうございました。

【神田座長】  どうもありがとうございました。

 次に、国際銀行協会、中村さん、どうぞお願いいたします。

【中村オブザーバー】  ありがとうございます。資料に沿いまして、3点コメントさせていただきます。

 まず、1点目です。資料5ページの記載にありますPTSの機能向上についてでございます。競売買方式に係るPTSの売買高上限の緩和は、市場間競争を一層促すことになると思いますので賛同いたします。つきましては、本日、売買審査業務の観点から意見を述べさせていただきます。

 現在、PTSの取引形態は、個人投資家と機関投資家の市場を分けるなどの方式を取られていますが、緩和後もPTSの取引形態などを勘案し、実態に即した有効な売買審査の在り方を検討する必要があると思います。そのためには、現行、日証協、日本取引所の各規定を基準として、プリンシプルベースの売買審査を含め、不正取引の有効な対応方法を検討する必要があると考えております。また、売買高上限の緩和の内容次第では、PTSの性質が取引所に近づく可能性があります。それでも投資家にとっては、規模の面など日本の取引所が主たる取引の場であり続けると思います。もっとも、PTSは取引所と異なり主要株主規制がないことから、PTSを経営される方の多様化が図られており、各PTSの創意工夫により幅広い取引が可能になります。投資家にとって取引の選択が増えることは望ましいことですし、市場間競争の促進の観点からも重要であると考えております。なお、取引高が増えることになれば、それにふさわしい不正取引に対する管理体制、システムの安全性などを充実させる必要があることは言うまでもありません。売買審査の観点からは、PTSと自主規制機関との連携がどのように行われ、それに基づき証券会社の売買審査部門がどのような対応をすべきかについて十分な議論が行われる必要があると考えています。

 資料5ページの最後の段落についてですが、PTSの立会外取引に対しては、TOB5%ルールの適用が除外となれば、現在、ToSTNeTのみで取引されている立会外取引がPTSにおいても可能となります。このことは市場間競争を促進することになりますので、歓迎いたします。当然、各PTSが立会外取引を行うことは、取引の透明性、システムの安定性等、種々の規制を充足する体制であることが前提となります。また、バイサイドの投資家への十分な説明も必要になると考えております。

 2点目は、資料の6ページのティック・サイズです。取引所とPTSのティック・サイズの差異については、現段階では特段の問題はありません。最良執行の点につきましても、SORシステム等の対応ができており、特段の問題はありません。また、市場間競争があるためにこうした差異が出てきており、ビジネス機会が多様化している点は評価すべきだと考えております。もっとも、ティック・サイズの統一または現状維持、いずれの場合においてもメリット、デメリット両面があると思います。よって、今後の検討については、流動性への影響等の検討を行い、総合的に判断すべきと思います。

 最後、3点目です。資料6ページの投資単位の引下げについてです。この点、機関投資家や主たる証券会社にとっては特段の問題は見受けられません。しかし、今後、値がさ株の取引単位を引き下げることで、個人投資家がより取引を行いやすくなると思います。引下げについては賛同いたします。

 以上となります。長くなりましたが、ありがとうございました。

【神田座長】  どうもありがとうございました。

 それでは次に、国土交通省の髙崎さん、どうぞお願いいたします。

【髙崎オブザーバー】  国土交通省不動産・建設経済局の髙崎でございます。不動産特定共同事業法を所管している部署の立場から一言御発言させていただきます。

 不動産投資に係る権利をトークン化した事例が、現在、多数生じていると認識しております。つきましては、不動産特定共同事業法においても、今後は分散台帳技術の活用ですとか、セカンダリー取引の増加といったものを見越しました実効的な監督体制の整備というものが必要になってくるだろうと考えておりまして、金融庁との連携が必要であると担当部署のほうでも考えてございます。

 投資家の保護を図るため、本日、有吉委員をはじめ、いろんな御意見をいただきましたけれども、御意見を踏まえまして、必要な対応を一緒に検討していきたいと思います。

 以上です。ありがとうございました。

【神田座長】  どうもありがとうございました。

 それでは次に、東京証券取引所、青さんどうぞ。

【青オブザーバー】  東証の青でございます。本日取り上げていただきましたテーマのうち、投資単位につきましては、前回、皆様から頂戴した御指摘も踏まえまして、資料のとおり、10月27日に、投資単位が50万円以上である上場会社に対して、投資単位の引下げに向けた株式分割の実施を改めて要請したところでございます。

 今後につきましても、本日、多くの委員の方々が投資単位の引下げの必要性を強調されていたことも踏まえまして、各社において、引下げに向けた具体的な検討を進めていただけるよう、特に投資単位の高い上場会社につきましては、個別にコミュニケーションを取りつつ、引き続き働きかけを行ってまいりたいと考えております。

 また、ティック・サイズに関しましては、粗過ぎても細か過ぎても問題であり、諸外国におきましては、価格形成や投資者の執行コスト、さらには最良執行のルールのベースになることから、我が国とは異なり、法令等によって市場全体で適切なサイズを統一的に定めている状況にあるということをまず御紹介させていただければと思います。

 そうした中、東証の中流動性銘柄は、欧米の水準や流動性の実態を見ると刻みが粗く、投資家の執行コストが割高になっている実態がございます。そこで、個人投資家を含めた投資家の執行コストの低減を図り、貯蓄から投資・資産所得の倍増の流れを確実にしていくためにも、既に公表しておりますとおり、まずは中流動性銘柄のティック・サイズの適正化を実施してまいる所存でございます。

 以上でございます。

【神田座長】  どうもありがとうございました。

 それでは、予定の時間を10分以上過ぎておりますので、大変申し訳ありませんけれども、本日はこの辺りとさせていただきたいと思います。

 なお、委員の皆様方、オブザーバーの皆様方、さらに追加でお気づきの点等ございましたら、御指摘、御意見等を電話でもメールでも、事務局までお寄せいただけますと大変ありがたく存じます。

 これからこのワーキング・グループも、取りまとめを意識して取りまとめに向けた御議論をお願いすることになるかと思いますけれども、よろしくお願いいたします。

 では、何か事務連絡はございますか。よろしゅうございますか。

 それでは、以上をもちまして、本日の会議を終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。
 
―― 了 ――
お問い合わせ先

金融庁 03-3506-6000(代表)

企画市場局市場課(内線:2352、3970)

サイトマップ

ページの先頭に戻る