金融審議会「市場制度ワーキング・グループ」(第23回) 議事録

  • 1.日時:

    令和4年12月12日(月曜)10時00分~12時00分

  • 2.場所:

    オンライン開催 ※一部、中央合同庁舎第7号館 13階 共用第1特別会議室
     

金融審議会「市場制度ワーキング・グループ」(第23回)
令和4年12月12日


【神田座長】  おはようございます。予定の時間にほぼなっていると思いますので、始めさせていただきます。

 ただいまから、市場制度ワーキング・グループの第23回目の会合を開催いたします。皆様方には、大変お忙しいところ本日も御参加いただきまして、誠にありがとうございます。

 本日ですけれども、これまでの議論を取りまとめた第二次中間整理(案)について御審議をいただきたいと思います。また、本年9月12日の第20回のこのワーキング・グループにおいて、資産形成の促進に資する顧客本位の業務運営等については、具体策を専門的に検討するため、当ワーキング・グループの下にタスクフォースを設けて議論するということとしておりましたが、12月9日に顧客本位タスクフォースが中間報告を取りまとめておりますので、これについても併せて御報告をお願いしたいと思います。

 それでは、まず市場制度ワーキング・グループの第二次中間整理(案)について、事務局からの説明をお願いいたします。島崎市場課長、よろしくお願いいたします。

【島崎企画市場局市場課長】  よろしくお願いいたします。資料2に沿って、市場制度ワーキング・グループの第二次中間整理(案)を御説明させていただければと思います。

 はじめに目次がございまして、Ⅰ 環境変化に対応した金融・資本市場における利用者の利便向上と保護に向けて、ということで、これが前文にあたるものでございます。Ⅱ、Ⅲ、Ⅳと、これまで御議論いただきました事項となっておりまして、Ⅱ 利用者の利便向上と保護に資する市場インフラの機能強化、Ⅲ スタートアップ企業等への円滑な資金供給と資本市場における利用者の利便向上、Ⅳ その他の環境整備、Ⅴが「おわりに」という構成になっております。

 1ページ目でございますけれども、Ⅰ 環境変化に対応した金融・資本市場における利用者の利便向上と保護に向けて、ということでございまして、まず6行目辺りですが、利用者の多様で高度化するニーズに応えていくことが求められると記載させていただいております。全体で言いますと、経済社会を取り巻く環境が変化する中、より安定的・効率的で公正かつ利便性の高い上場株式等の取引の場の提供等と、今後の諸施策の大本となる問題意識等を記載させていただいています。

 また、利用者保護の確保についての問題意識とその必要性、このように利用者の利便向上が図られるとともに、利用者の保護が確保されて初めて、金融・資本市場がしっかりと機能し、日本経済がダイナミックに、かつ持続的に成長していくものと考えられると記載させていただいております。

 こうした取組みを通じた金融・資本市場の活性化により、日本経済全体の付加価値を引き上げ、持続可能で一段高い成長経路に乗せるとともに、家計の金融リテラシー向上や適切な金融商品の選択を通じて、その成長の成果を還元させるという成長と分配の好循環の実現に向けた取組みが望まれるとしております。

 6月時点での中間整理、こちらは第一次中間整理と呼ばせていただきますけれども、ここで御議論いただいたことに対応策を示すとともに、残された課題について引き続き検討を進めていくこととして、顧客本位タスクフォースに検討をお願いした部分もございまして、そちらについては座長からのお話もありましたけれども、中間報告が公表されております。

 したがいまして、この第一次中間整理で示しました対応策の進捗を確認するとともに、こうした議論の内容も含めまして、諸課題につきまして審議を行い、以下検討結果となっております。これが全体の流れでございます。

 具体論につきましては、まずⅡ 利用者の利便向上と保護に資する市場インフラの機能強化ということで、従来からございました利用者保護を前提として、その多様なニーズに応えるべく市場間で競争が行われ、市場システム全体の機能強化が図られるようというのが問題意識でございまして、その後に、具体的な論点が続く構成となっています。問題意識に関する記載部分では、市場インフラの各提供主体が創意工夫を凝らしつつ、取組みを行っていくことが重要であると記載しております。

 具体的に、1.私設取引システムの機能向上につきましては、まず①売買高上限のあり方ということで御議論いただいてきましたけれども、こちらについては、PTSのシェアが拡大する中、取引手法の工夫を可能とし、利用者利便を向上させるとともに、適切な利用者保護を図っていく観点から、取引の公正性や価格の透明性の確保を図る制度整備と合わせて、現在のPTSのシェアを踏まえながら、競売買方式に係る売買額上限を緩和すべきであるとしています。

 続きまして、②TOB5%ルールの適用のあり方につきましては、PTS取引の中で取引所の立会外取引に類似するものについても、取引所の立会外取引との類似性を踏まえ、TOB5%ルールの適用対象外とするべきであると示させていただいております。

 続きまして3ページ目でございますが、③取引所とPTSの役割分担等でございまして、PTSのシェアについては今後も拡大することも想定される中、この役割のあり方やプラットフォームとして求められる体制整備についてさらなる検討を進めていく必要があると記載しております。こうした検討を含めまして、市場システム全体の機能強化をいかに図っていくかについて引き続き検討を行っていくべきであると、これは将来に向けましての問題意識を示しているところでもございます。

 2.ティック・サイズのあり方でございますが、こちらは、過度に大きい場合、過度に小さい場合等指摘を踏まえて、また、前半では昨今の動きについて示させていただきまして、後半では、取引所やPTSにおけるティック・サイズについて、市場システム全体の機能強化を図っていく観点を踏まえながら、取引参加者の状況や流動性等を勘案し、公正な価格形成や円滑な約定可能性を確保できるよう、適切に設定されることが求められるとしております。

 続きまして、3.投資単位の大きい上場株式に係る投資単位の引下げ、いわゆる値がさ株でございまして、100万円を超える投資単位の大きい上場企業が依然として39社存在するなど、個人投資家が投資しやすい環境を整備するため、東京証券取引所等は、投資単位の大きい上場株式を発行している企業に対して、投資単位引下げに向けたさらなる取組みを促すべきであると記載しております。

 先月も御報告させていただきましたけれども、その方向性について東京証券取引所等の御公表もいただいておりますし、従来に加えて取組みをされておりますので、そうしたものを背景とした記述となっております。

 4.特別法人出資証券のデジタル化でございます。社債券、あるいは株券等の金融機関が取り扱う多くの有価証券は電子的に管理されていますが、日本銀行の出資証券などはその対象となっていません。東京証券取引所に上場されている有価証券の中で唯一電子的に管理されていない、これが日本銀行の出資証券でございまして、追加的な事務手続きなどを考えまして、適切な投資家保護を図りつつ、事務手続が不要となるよう、デジタル化に向けた環境整備に取り組むことが望ましいとしております。

 続きまして、4ページ目以降がⅢ スタートアップ企業等への円滑な資金供給と資本市場における利用者の利便向上でございます。従来、この市場制度ワーキング・グループでも、アメリカと比較して、ベンチャーキャピタル(VC)ファンドの組成やスタートアップ企業等への投資が低水準であることが指摘されているところです。

 日本では事業法人や銀行等の金融機関がVCファンドへの資金供給をしていますが、米国では年金基金等がポートフォリオを最適化し、全体のリスク・リターンを向上させる目的で、専門人材を配置した上でVCファンドへの資金供給を行っている。非上場企業への投資やその価値評価に関する知見やノウハウの蓄積、それを通じて中長期的な視点で、ベンチャー投資に携わる方々の能力向上を図っていくことが重要であると記載しております。

 また、制度改正なども行ってきたところですけれども、特定投資家の数が少ないことも指摘されているところです。リスク管理能力やリスク許容度の高い投資家による特定投資家制度の活用を促すこと等の取組みを進めるべきであるという御議論もいただいてきていると思います。

 したがいまして、具体的に1.以下につながっていくことにつきまして、重要であるとして、手当てないし検討を進めていくという内容となっております。

 まず、1.機関投資家等による非上場株式の取引活性化でございますが、機関投資家に次いで特定投資家の役割は重要でございまして、個人の特定投資家の要件の弾力化に関する制度整備もしていますし、日本証券業協会においても制度を整備してきているところです。非上場株式のセカンダリー市場の整備については、6月の第一次中間整理の時点でも御指摘いただきまして、PTSで特定投資家向け有価証券を取扱い可能とする制度整備や、自主規制の制度整備も検討が進められているところだと思います。

 こうした制度整備によって機能するため、1つは、より多くのプレーヤーの参加、それから株主の取引ニーズを踏まえた仲介が重要であり、特定投資家制度の普及、新規参入も含めたより多くの証券会社の仲介事業への参入の期待といった観点から、例えば「特定投資家向け有価証券」の売買の媒介のみを行う証券会社やPTSの参入要件の緩和等について、引き続き検討を行っていくことが考えられるとしております。

 142行目以降ですが、プライマリー市場について、特定投資家私募制度を活用したスタートアップ企業の資金調達の円滑化について今後検討が考えられる事項としております。こちらのほうは、併せ見ていただくのもよろしいかと思いますけれども、資料5に、先日政府でまとめました「スタートアップ育成5か年計画(抜粋)」や、株式投資型クラウドファンディングに関する資料をつけさせていただいております。

 例えば、電子募集取扱業務にあたる株式投資型クラウドファンディングでは1億円を超えない範囲での資金調達が、一定の企業情報の提供等を要件に可能となっておりますが、こちらについて特定投資家私募制度を併用することで、1億円を超える資金調達を行うようにできることを検討することも考えられるとしております。政府でも「スタートアップ育成5か年計画」において、必要な見直しを図るというように言及しており、こうした点について今後検討していくことも考えられるということでございます。

 5ページ目の2.公正価値評価の促進につきまして、国際的には、公正価値による評価が、企業の現状及び将来性について合理的な分析を行うための手段であるとして、広く利用されており、出資判断や非上場株式などの取引の場面を含めて、適切な企業価値評価が基本的なこととして支えになっております。適切な企業価値評価を通じて非上場株式等のパフォーマンスが評価され、投資先の企業価値向上に向けた取組みに活用されることで、企業の成長を通じて経済全体の成長にもつながっていくと考えられますし、より多くの成長資金がVCファンド等に供給されることも期待されると記載しております。

 他方、日本の現状でございますが、VCファンドの評価や監査の実務の蓄積が少なく、上場企業等も会計基準に沿って取得原価に減損等を勘案した評価を求めるという実態がございます。したがいまして、まずは公正価値評価を推進するための環境整備を進めるべきであると考えられるとしていまして、より多くの監査法人・公認会計士が円滑に公正価値評価を行うVCファンドの監査を行えるよう、監査手続のポイント等を共有する観点から、日本公認会計士協会において、公正価値評価を行うVCファンドの監査上の留意事項を明確化すべきであり、また、上場企業等が保有するVCファンドの出資持分に関しまして、関係者が連携した上で公正価値評価を含む会計処理の実務上の取扱いのあり方を検討することが期待されると記載しております。

 6ページ目、3.新規公開(IPO)プロセスのあり方でございます。こちらについても第一次中間整理の段階でも御議論いただきましたし、日本証券業協会で会議などを通じて具体策をまとめていただいて、現在制度整備を行っているところと理解しております。上場に要する期間という点について、本ワーキング・グループでも御紹介させていただきましたが、実務的な工夫による上場日程の短縮というのもありますけれども、振替法上の手続きとして、現在、「一定の日」の1か月前までに、既存株主に振替株式の交付先の口座情報を求める通知を行うこととされています。したがいまして、このような期間の設定方法が上場日程短縮の制約の1つになっているため、上場日程の短縮が可能となるような環境整備を進めることが重要であるということでございます。

 取引所が行う上場審査につきましては、新たなビジネスモデルにも対応した上場審査の考え方やポイントの例示などの取組みが行われてきたところですが、186行目、「例えば」以下でございますが、機関投資家から相応の規模で中長期的な投資を受けている企業については、利益相反に留意して、当該機関投資家の投資判断にあたり得られた評価を活用するなど、多様なスタートアップ企業が円滑に上場できる施策につきまして、取引所において検討を行うべきとしているところでございます。

 続きまして、4.ダイレクトリスティングでございまして、スタートアップ企業によるエグジットの多様化についても御議論いただいてきたところですが、東京証券取引所はグロース市場において公募の実施を一律の上場要件としていることを見直すべきである、また、上場する企業は有価証券報告書の提出が必要とはなりますけれども、こちらを市場における取引開始までに提出することにより適切な情報開示を確保するなど、東京証券取引所において制度整備を行うべきであるということを記載させていただいております。

 続きまして、7ページ目、Ⅳ その他の環境整備でございます。デジタル化の進展等により、社会経済情勢が大きく変化する中、金融・資本市場においては多様な金融サービスの拡大が行われておりまして、既存のビジネスの垣根を超えた変化も生じてきております。

 したがいまして、金融サービスの利用者の利便向上や保護が図られるよう、見直しを進めていく必要があるということでございます。

 1.不動産特定共同事業契約に基づく権利のトークン化への対応ということで、従来は、基本的には不動産特定共同事業法による事業監督が及んでいること等に鑑み、集団投資スキーム持分の定義から除かれております。

 他方、不動産特定共同事業契約に関連した権利のトークン化の動きや、ブロックチェーンを用いてそうしたトークンを流通させる動きがございますので、これを含めて投資家保護の観点を考えまして、トークン化されたこの不特契約に基づく権利を金商法上の電子記録移転権利として規定しまして、不動産特定共同事業法に基づく監督を受けている、この不特事業の特性も踏まえつつ、販売・勧誘規制等を適用するよう、整備を行うべきであるとしております。

 2.登録金融機関における適用除外電子記録移転権利の預託でございまして、こちらは、現行制度において、登録金融機関は電子記録移転権利の預託を受けることはできますけれども、適用除外電子記録移転権利について預託を受けることはできないこととなっております。適用除外電子記録移転権利の取扱いに向けた動きがこうした登録金融機関で見られる中、権利が預託できないことに伴う利用者の負担やリスクに鑑みまして、さらにこの権利の預託にあたっての技術的安全措置や分別管理体制は、従来から認められている電子記録移転権利と本質的に異なるところはないと考えられますので、制度を見直すべきであるとしております。

 3.投資法人における利益の取扱いでございまして、こちらは注にもございますが、投資法人制度における評価・換算差額等を、純資産額から出資総額等を控除して得られる利益として取り扱ってきましたが、減損損失がある場合等の配当にあたりまして、その扱いが投資家にとって非常に分かりづらいという指摘がございます。

 したがいまして、これをより分かりやすくするために、会社法上の剰余金における取扱いと同様の扱いとし、利益として取り扱わないようにすべきであるということを示させていただいています。

 4.インターネットにおける利用者の保護について、デジタル原則に照らした規制の一括見直しプランに基づきまして、アナログ規制の見直しに取り組んでいるところでございますが、金商法によって利用者保護の観点から求められている標識や業の廃止等の掲示につきまして、インターネットで確認できるようにする、また、民事訴訟法の改正を踏まえまして、審判手続につき、電子的方法による申立てや送達に係る手続きを明確化するなどの規定の整備に取り組むことが望ましいとしております。

 また、5.銀証ファイアーウォール規制につきましては、こちらも先日御議論いただきましたけれども、適切な顧客情報管理の確保や利益相反管理、優越的地位の濫用の防止等の利用者保護の状況を確認しながら、外務員の二重登録禁止規制や、情報の取扱い等に関するファイアーウォール規制のあり方について、利用者利便の具体的な向上にどのようにつながり得るのかといった観点から、引き続き検討を行うことが考えられるとしております。

 最後、9ページ目でございますけれども、Ⅴ「おわりに」として、これまで御議論いただきましたものを、再度中間的に整理したものでございまして、制度見直ししていく方向性にすべきとしているものについては、それに必要な対応が進められることを期待、それから継続して検討すべきとされた課題等について引き続き検討を行っていくとしております。

 この市場制度ワーキング・グループのお示しする第二次中間整理(案)については以上でございます。

【神田座長】  どうも御説明ありがとうございました。

 それでは次に、顧客本位タスクフォースの中間報告についても、事務局から簡単に説明をお願いします。よろしくお願いします。

【島崎企画市場局市場課長】  これまでのところ、この市場制度ワーキング・グループにおいて議論の途上でも、概要の形でお示しして御意見などもいただいてきている、顧客本位タスクフォースの中間報告でございますが、こちらのほうが議論を経まして、神作座長の下、12月9日に取りまとめられております。

 資料4に大枠の概要がございます。資料4に沿いますと、大きな形といたしましては、実際の章立てで言いますと右側になりますけれども、インベストメント・チェーン全体における顧客等の最善の利益を考えた業務運営の確保、それから顧客への情報提供・アドバイス、資産運用業、それから左側の金融リテラシーの向上ということになります。

 多くの内容が含まれた10ページほどの中間報告でございますので、資料4も横に置きながら、簡単に御報告させていただきますと、資料3の顧客本位タスクフォース中間報告の1ページ目、Ⅱ 家計の資産形成を支えるインベストメント・チェーンの機能発揮の、1.インベストメント・チェーン全体における顧客・最終受益者の最善の利益を考えた業務運営の確保ということで、インベストメント・チェーンに参加する全ての主体が、顧客・最終受益者の利益を最大化するため、十分に機能を発揮することが重要であるとした上で、2ページ目のやや下辺りのところにございますけれども、全ての金融サービスの提供について顧客本位の業務運営が求められる中、金融事業者全体による顧客本位の業務運営の取組みの定着・底上げを図る必要があるということで、顧客等の最善の利益を図るべきであることを広く金融事業者一般に共通する義務として定めることなどにより、顧客本位の業務運営の原則が対象とする金融事業者全体による、原則に沿った取組みを一歩踏み込んだものとすることを促すべきである、また、企業年金等の運営に携わる者等についても規定の対象に含めるなど、一層の横断化を図るべきとしております。

 2.顧客への情報提供・アドバイスでございます。3ページ目(1)顧客等への情報提供の、①利益相反の可能性と手数料等についての情報提供のルール化でございますが、まず適切な金融商品を選択するためには、販売者等による適切な情報提供が必要不可欠であるとした上で、利益相反に関する情報の重要性、こちらは顧客本位の業務運営の原則でも盛り込まれているものですけれども、こうしたものの利益相反の可能性の顧客への情報提供について、ルール化を行うべきであるとしています。そして4ページ目にかかりますけれども、内容も顧客が容易に理解できるよう、明確に分かりやすくする工夫が必要であるとしております。

 また、改めて原則に定められているとおり、明確に分かりやすく情報提供することの重要性を記載するとともに、例えばということで、仕組債のいわゆる組成コスト、情報提供につきましても、販売会社が組成会社に対して組成コストを開示するよう働きかけるとともに、組成会社においては開示に対応できる体制を整備すべきであり、こうした取組みを担保するため制度面での対応が求められるとしております。それから、こちらの市場制度ワーキング・グループでも以前より御提示させていただいていますが、総経費率の記載などについても記載させていただいています。

 4ページ目の②デジタル技術の情報提供への活用でございますが、デジタルツールを効果的に活用し、充実した情報が分かりやすく顧客に対して提供されるように工夫していくことが、顧客本位の業務運営の実現の観点から重要であるとした上で、顧客属性に応じて、それぞれの顧客により適した媒体で、充実した情報の分かりやすい提供の実現が大事であるという問題意識で、書面とデジタル手段を自由に選択できるようにすることが考えられます。実質的な説明義務というものが、現在内閣府令で規定されておりますが、これを法律上規定すべきであると記載しております。

 それから、デジタル手段による提供に際しては、金融事業者のコスト削減を目的として単に書面を電子化したものを交付するのではなく、多様な活用・連携なども可能な方法で行われる等の手当てをすべきである、また、顧客のデジタル・リテラシーの差異等を踏まえた告知の義務づけ等について記載させていただいております。

 (2)顧客の立場に立ったアドバイザーでございますけれども、例えば顧客の立場に立っているとうたいながら、特定の金融事業者や金融商品に偏ったアドバイスが行われているケースが見られること等を背景に、一定の中立性を有するアドバイザーの見える化に取り組むことが考えられるとした上で、後ほど出てきます金融経済教育を推進する中立的な常設組織が設定し、兼業状態でありますとか、あるいは報酬は顧客のみから等のことが書かれていますが、そうした基準に該当するアドバイザーをリスト化・公表することが考えられるとしております。

 その下のパラグラフには、持続可能なビジネスとして成立させていくにはどうしたらいいのかということについても書かせていただいています。

 投資助言業の登録につきまして、投資助言業の登録が難しく、例えばつみたてNISAでどのような商品を購入するかといったアドバイスの提供が行われにくくなっているとの声も聞かれること等を背景に、助言対象を、例えばつみたてNISAやiDeCoに絞った投資助言業について、投資家保護に配意しつつ、登録要件の緩和を検討していくべきであるとしております。

 3.資産運用業、こちらのほうは、基本的には今後も顧客本位の業務運営の見直しやルール化に向けて検討を深めていく事項として、大きく書かせていただいていますが、例えばこの資産運用会社の独立性の確保ですとか、あるいはプロダクトガバナンス体制の確立について、7ページ目に記載させていただいております。

 8ページ目になりますが、こうした点についてこれまでの取組みの進展や指摘される課題も踏まえ、引き続き、資産運用会社等の金融商品の組成者・管理者について、グループ内における位置づけを明確化した上でのガバナンスや独立性の確保、それからプロダクトガバナンスの実践、組成・販売会社それぞれについて求められるべき機能及び役割の明確化を実現していくために必要な、先ほど申し上げました原則やルール化について、検討を深めていくべきだとしています。

 Ⅲ 金融リテラシーの向上につきましては、9ページ目の2つ目のパラグラフになりますけれども、官民一体として取り組み、国全体として、中立的な立場から、資産形成に関する金融経済教育の機会提供に向けた取組みを推進するための常設組織を早急に構築すべきであるということを、大きなメッセージとして出させていただいています。

 そのほかに、3つ目のパラグラフで、機会提供にあたっての職域での取組みでありますとか、あるいは入り口の工夫の問題ですとか、金融経済教育と顧客の立場に立ったアドバイスは地続きであるとの認識の下、両者を一体として捉え、統合的に取組みを進めていくべきであるということをまとめさせていただいております。

 それから総合的な資産形成支援ということで、例えば地方自治体の健康診断のように、地方自治体や民間企業におけるセミナーの開催など、定期的な形での取組みを広く進めることが重要である。また、関係省庁や自治体、あるいは民間団体の連携で、国全体として取り組んでいくように、基本的な方針を策定すべきである等について記載させていただいています。

 最後にⅤ「おわりに」のところで、先ほどの市場制度ワーキング・グループもそうでしたけれども、制度の見直し等の必要な対応が進められることが期待されること、また、継続して検討すべきとされた課題等について引き続き検討を行っていくということで、お取りまとめいただいております。

 私からは以上でございます。

【神田座長】  どうも御説明ありがとうございました。

 それでは、皆様方から御質問、御意見をお出しいただければと思います。いつものように、まず委員の皆様方から御発言をいただき、その後で、時間があればオブザーバーの方々にも御発言を承る機会を設けたいと思います。

 御質問、御意見をいただきます対象ですけれども、今御説明いただきました第二次中間整理(案)ということになるわけですが、顧客本位タスクフォースのほうの中間報告につきましてもこれまでも申し上げてきたと思いますが、報告書がまとまったということですので、このワーキング・グループの場でも御意見がございましたらお出しいただければと思います。

 それではいつものようにチャットに入れていただければと思います。森下委員は少し早めに退出されると伺っておりましたので、まず森下委員、お願いいたします。

【森下委員】  すみません、授業の関係で途中で失礼させていただくために、早めに発言させていただければと思います。

 これまでの議論を適切にまとめていただきありがとうございました。ワーキング・グループでの議論を適切におまとめいただいていると思いますので、修正を御提案するような部分はございません。その上で、今後に向けてという観点から2点申し上げたいと思います。

 1点目は、第一次中間整理の段階からも含めて、様々な施策を提案、あるいは実施してきているのではないかと思います。それぞれの施策によって時間がかかるものもあるとは思いますけれども、いろいろな施策が、全体として総合的にどういった効果を上げてきているのかということについて、いずれかのタイミングでやはり総合的に検証していくことが非常に大事なのではないかと感じております。

 2点目ですが、今回の整理の中でも、引き続き検討とされているような項目があるかと思います。こうした項目についても、スピード感を持って検討を行っていくということが必要であると思います。今回の中間整理の内容ですけれども、多くの点で実務の皆様の今後の御努力によるところが大きいのではないかと感じております。ぜひ積極的にお進めいただき、その過程でもしさらなる課題が出てきたならば、さらにスピード感を持って対応していくということが必要であると感じております。

 また、タスクフォースのレポートについても御紹介いただきましてありがとうございました。重要情報シートの記載内容について考えているところについては、前回意見を申し上げました。投資が進んでいくためには、市場と顧客をつなぐ金融の事業者が信頼されることが非常に重要であると感じております。そのためには、正確な情報を提供することは言うまでもないことですけれども、その先が大事だと思います。

 今回、金融事業者が顧客の最善の利益を図るという義務を法定化することが提案されております。金融事業者が顧客の最善の利益を図ってくれるという信頼が広く形成されると、投資に対する一般の個人投資家の姿勢というものも変わってくるのではないかと思います。

 したがいまして、こういった顧客の最善の利益を図るというときに、何を行っていれば最善の利益を図ったことになるのだろうかといった、どちらかというとセーフハーバー的な発想ではなく、本当に実現すべきことは何だろうかということを、創意工夫を持って各金融事業者の方が追求していただくようなことが、非常に重要になってくるのではないかと思っています。そのような形で、ぜひ取組みを進めていただきたいと考えております。

 なお、アドバイザーについてですけれども、顧客が求めるアドバイスのレベルには様々なものがあるかと思います。今回、投資助言業の一部の規制緩和についても言及されていますけれども、アドバイスの内容、あるいはレベル感など、あるいは担い手ということについて、さらに議論が深まっていき、レベルに応じたいろいろなアドバイスを使いやすいといった環境が整備されていくことが重要ではないかと感じております。

 以上です。ありがとうございました。

【神田座長】  どうもありがとうございました。

 チャットの順番を変えて申し訳ないのですけれども、もう一方、武田委員には、今日途中退出と伺っておりますので、もし武田委員、御意見がございましたら、ここで御発言いただければと思いますがいかがでしょうか。

【武田委員】  お気遣いいただきましてどうもありがとうございます。それでは皆様には大変申し訳ないのですが、先に発言の機会をいただきましたので意見を述べたいと思います。

 まず、取りまとめに関しまして、事務局の方、座長には大変御尽力いただきまして、どうもありがとうございました。内容については基本的に賛同いたします。その上で、1点質問と、2点コメントをさせていただきます。

 1点目、これは質問でございますが、公正価値評価に関する記述についてです。163行目に、「公正価値評価を行うVCファンドの監査上の留意点を明確化すべきである」という箇所がございます。そちらについて、明確化の意味を具体的にお示しいただくのがよいのではないかと事前にお伝えしましたところ、注をつけていただきまして、御対応いただきありがとうございます。

 この注を拝見いたしますと、実務指針について「指摘があった」との記述になっていますが、委員会として実務指針の見直しが必要ということではなかったかと思いますが、ここは委員として指摘があったという書きぶりにとどめるということでしょうか。1点確認でございます。

 2点目は、冒頭に関してのコメントでございます。事前にお伝えしたところですが、先ほども森下委員のほうからございましたとおり、体系的に目指している方向性を示し、その中で今回のワーキング・グループではどのミッシングピースを議論したという形でまとまっていると、分かりやすいのではないかと感じております。

 冒頭の1枚で目指しているところは書いていただいていると思いますが、その辺の整理がもう少しだけ伝わるように、つまり様々な取組みが、全体として目指す方向性の中でどこに位置づけられるのかという点が、伝わるとよいと思います。これはコメントとしてお伝えいたします。

 3点目ですが、最後の「おわりに」の部分にかかると思いますが、非常に重要な点を議論していますが、一つ一つが比較的テクニカルなこともあり、関係者のみでこの議論を理解していると、大きな動きへと広がっていかないのではないかと思います。

 例えば今回の成長資金の議論も、具体的に行うこととしては公正価値評価の促進などですが、仮に公正価値評価の促進が図られたとしても、それを使う側、企業や機関投資家の行動変容や、エコシステム全体として理解、浸透、意識改革につながることが大切ですので、それらの点を伝えていく、浸透させていくための取組みの重要性に言及できてないかというのがコメントでございます。

 以上です。ありがとうございました。

【神田座長】  どうもありがとうございました。質問があったと思いますが、お願いします。

【島崎企画市場局市場課長】  御質問の5ページ目の下にある注12でございますが、具体的にどの部分を見直すべきかを示した注でございますが、記載ぶりについては検討させていただければと思います。

【神田座長】  どうもありがとうございました。

 それではチャットの順番に戻らせていただきまして、佐々木委員、坂委員、有吉委員の順になると思います。佐々木委員、どうぞお願いいたします。

【佐々木委員】  ありがとうございます。では私のほうから発言いたします。

 この中間整理に賛同いたします。十分議論もしまして、意見も反映されているものにしていただきありがとうございます。ですので、特にこの中間整理について意見はないのですが、3つほど意見を申し上げたいと思います。

 1つは顧客本位タスクフォース、こちらに私も参加させていただいておりましたので、その中で今日も出ております認定アドバイザーについて、それなりのインパクトのあるものだと思います。また受け取る人によって、この認定アドバイザーというものは解釈も様々かと思いますので、やはりこの点考慮して、丁寧に進めていただければと思っております。政府による資産所得倍増プランも示されたりしておりますので、そちらにこういった意見が反映されていくことを期待しております。

 またファイアーウォールについては、途中で時間を取って御説明いただきありがとうございました。次の課題となっております外務員の二重登録禁止規制や中堅・中小企業への顧客情報の取扱いなどを前提に見据えながら、今後検討を進めていただきたいと思っております。

 3つ目ですが、今回専門家のお話を聞く機会などを別途設けていただいたりいたしましたけれども、やはりそういった専門家のそれぞれの分野について、全員が詳しいわけではありませんので、特に研究されている方の話を聞いたりとか、参考にするというのは、非常に意味があることではないかと思いますので、今後もワーキング・グループでの議論を進めていくにあたり、研究者や専門家の意見を取り入れていくという形で進めていただければと思いました。

 以上です。ありがとうございます。

【神田座長】  どうもありがとうございました。

 それでは次に、坂委員、どうぞお願いいたします。

【坂委員】  ありがとうございました。坂です。第二次中間整理(案)について、何点か発言させていただければと思います。全体として適切にお取りまとめいただきました。報告書案に賛成いたします。重要と思われる点について幾つか申し上げます。

 まず、Ⅰのところですけれども、13行目に日本経済の付加価値を引き上げるという指摘がございます。付加価値の引き上げは、金融・資本市場だけでできることではないかもしれませんが、金融・資本市場が適切な情報生産機能を発揮することによって、これを促すということが大変重要だと考えます。

 次に、Ⅱの中では、44行目に価格発見機能を適切に発揮するという指摘がございます。この点、特にファンダメンタルズに基づいた価格の発見機能にひずみが生じていないか、あるいはそのひずみが生じないかという点については、常に留意をお願いしたいと考えます。

 次に、Ⅲについて、スタートアップ企業等への円滑な資金供給は非常に重要な課題であり、洗練された投資者による洗練された市場を構築する必要があると考えます。この点については3点申し上げたいと思います。

 まず第1に、非上場企業への投資、特にスタートアップ企業への投資は、不確実性が極めて大きいという特性を有します。注8に記載いただきましたとおり、大きく成長し得る企業も登場し得ますが、かなりの数の企業は成長できず、あるいは失敗に終わると考えられます。上場企業への投資に比べ、質的に異なる、かなり高いリスクがあります。多くは失敗する可能性の相当程度高い投資であるということを前提に、洗練された投資家が、できるだけ成長が期待される企業を見いだし、適切に成長を促すこと、あるいは適切な退出を促すことが期待されるところと考えます。

 第2に、かかる観点から、市場参加者は洗練された投資家である必要があり、一般投資家から特定投資家への移行の審査の際には、当該顧客のリスク管理能力やリスク許容度について、機械的な形式審査だけではなく、実質的な審査を行うことが重要と考えます。またその後も特定投資家としての成長・高度化が促されるよう、適切かつ継続的な情報提供が期待されます。資質を有しない投資家を特定投資家にさせて、不測の損失を被らせたり、不適切な資金の流れがつくられることがないよう、この点はくれぐれもお願いしたいと思います。この点はできれば、報告書に適切な形で織り込むことを御検討いただけるとありがたいと考えます。

 第3に、機関投資家や特定投資家等が適切に投資判断を行うためにも、公正価値評価の促進は極めて重要と考えます。163行目以下の日本公認会計士協会における留意事項の明確化や、関係者の連携による実務上の取扱いのあり方の検討には、大きく期待したいと考えます。

 次に、Ⅳについては2点申し上げたいと思います。第1に、211行目以下の不動産特定共同契約に基づく権利のトークン化への対応として、これを金商法上の電子移転権利として位置づけることは適切と考えます。金融庁と国土交通省の共管となると思いますが、その連携によって実効的な監督をぜひお願いしたいと思います。

 第2に、241行目以下の投資法人における利益の取扱いについて、報告書の提言に賛成いたします。この点、報告書の守備範囲からは少し外れるかもしれませんが、投信法上の制度整備と共に、法人税法上の適切な対応が期待されます。投資の導管としての特性や制度整備に伴う配当行動の変化の可能性等にも鑑みて、課税対象の適切な把握と、租税回避への利用可能性の有無等にも留意が必要と考えます。

 以上です。ありがとうございました。

【神田座長】  どうもありがとうございました。

 それでは次に、有吉委員、どうぞお願いいたします。

【有吉委員】  有吉でございます。まず、短期間での中間整理の案文の取りまとめの御尽力に感謝申し上げます。資料2の案文の内容につきまして違和感はなく、全面的に賛同いたします。中でも公正価値評価を促進するための環境整備については、必ずしも法令改正を要するものではないとは思いますけれども、ぜひ成長資金の供給が円滑となる形での推進を期待しております。

 その上で、成長資金の供給の関連で、今後の議論に向けての確認ないしコメントを、2点させていただきたいと思います。

 まず139行目のところに、特定投資家向け有価証券の売買の媒介のみを行う証券会社の参入要件の緩和の検討を行うという記述がございます。この部分、セカンダリー市場の整備に関する文脈ですので、売買の媒介に言及したものだと思いましたが、仮にそのような制度を導入する場合には、特定投資家向け有価証券の売買の媒介だけではなくて、プライマリー市場における私募の取扱いについても、併せて行うことを認めてよいのではないかと思います。

 139行目の冒頭のところに、「例えば」というような記述もございますので、特定投資家向け有価証券の売買の媒介と、それから私募の取扱いのみを行う証券会社の参入要件の緩和を検討することを、排除する趣旨の文章ではないというようには理解いたしましたが、この点、事務局の意図と合っているかどうか、確認させていただきたいというのが1点目でございます。

 2点目、143行目以降で、株式投資型クラウドファンディングと特定投資家私募を併用することを検討するというような記述がございます。この点、特定投資家だけを対象として、上限金額制限を緩和した株式投資型クラウドファンディングを認めるというような方向であれば、何となくニーズの想像はつくわけでございますけれども、そうではなくて、一般投資家向けの上限1億円のクラウドファンディングと特定投資家私募を併用するということが、どういったスタートアップの資金調達にかなうものなのかということが、よく分からないでおります。

 このような制度について、検討すること自体を否定するものではなく、また追って詳細に議論させていただければとは思うわけでございますけれども、実際にこのような制度を検討するということでしたらば、その具体的な資金調達側のニーズであるとか、あとは投資者保護の視点ということについて、よくよく検討することが必要ではないかと考えております。

 私からは以上でございます。

【神田座長】  どうもありがとうございました。質問というか、確認事項があったかと思います。

【島崎企画市場局市場課長】  御指摘いただきました点につきましては、セカンダリーの項目でございますが、そのプライマリー市場の利用活性化にもつながるという問題意識を冒頭のほうにも示させていただいておりますし、全体の最終的なゴールは非上場株式の取引活性化ですので、第二次中間整理(案)には例えばとつけさせていただき、今後御議論いただく、検討事項ということになろうと思います。ご質問は、私募の取扱いのみを行う証券会社の参入要件の緩和は検討から排除はされないのかということですので、御理解のとおりで結構かと存じます。よろしくお願いいたします。

【神田座長】  よろしゅうございますでしょうか。

【有吉委員】  ありがとうございました。

【神田座長】  どうもありがとうございました。

 それでは続きまして、野村委員、どうぞお願いいたします。

【野村委員】  野村でございます。まずは第二次中間整理(案)の取りまとめ、誠にお疲れさまでございます。幾つかコメントを述べさせていただければと思います。

 まず全体的な話ですけれども、全体に具体性のある内容だと思うのですが、「その他の環境整備」まで含めて見ますと、やや相互に関連性の見えづらいものが列挙されている感があります。これは、先ほど武田委員がおっしゃっていたことともつながるかもしれません。6月の段階である程度まとまった中間整理を行い、何ゆえ、この時期に改めてこういうものを出す必要があるのかという、素朴な疑問というか、質問も生じ得るかなとも思いました。

 例えばですが、「法令改正を要する事項等を推し進めるべく」など書き添えていただいたほうが、この第二次中間整理の全体の中での位置づけが、よりクリアに伝わるかもしれないと思いました。また、経済成長の成果の家計への還元促進関連については、顧客本位タスクフォースに切り出したということになるわけです。その後、資産所得倍増プランを年末までに策定することも意識されたと理解しております。

 他方、この市場制度ワーキング・グループのもともとの問題意識と照らし合わせますと、家計・個人投資家、機関投資家、資金調達主体であるところの企業、そして市場インフラ、これらを一体のものとして議論することが重要だと考えます。部分的に論じても全体の最適解がなかなか見いだせないということ、全体の中で今どこを議論しているのだろうかとなってしまうということかと思います。これは今後の話だと思いますが、この議論をどのような形で進めていくのか、道筋を考えていくことが大事だと思います。

 その観点から、1ページ目で、顧客本位タスクフォースで審議を行い、中間報告を公表したと記述されておりますが、その箇所、あるいは最後の9ページの「おわりに」なのかもしれませんが、そのタスクフォースでの議論を、今後ワーキング・グループ全体としてどのように位置づけるのか、関連づけるのかということの言及があってもよいかもしれないと思いました。

 以下2点ほど、個別的なコメントをさせていただきます。

 3ページですが、取引単位の引下げについて、90行目で、個人投資家が投資しやすい環境整備が制度変更の主要な目的と理解しました。ただ、そのための取組み内容は、91行目にある東証の上場企業に対する引下げを促すといったことには、必ずしも限られないと理解いたしますので、90行目から91行目にかけての文章は、例えば2つに分けるなどすると、書きぶりとしてより伝わりやすいかもしれないと思いました。

 そして、8ページの銀証ファイアーウォール規制のところですけれども、このワーキング・グループの会合での議論を思い返しますに、基礎的な顧客情報管理が必ずしも十分でないという事案発生があった、それに鑑みて、当面の間検討は慎重にというコメントもあったと記憶しております。

 他方、既に6月の中間整理の段階で、「引き続き検討を行っていくことが考えられる」と記述されているわけですので、ゆえにその6月の中間整理以降の状況を反映して何か記述するのだとすれば、「引き続き検討を行うことが考えられるが、当面まずは適切な顧客情報管理の確保等の確認を行うのが大事だ」という書きぶりが順当ではないかと思いました。

 私からは以上です。どうもありがとうございます。

【神田座長】  どうもありがとうございました。

 それでは次に、神作委員、どうぞお願いいたします。

【神作委員】  東京大学の神作です。御指名ありがとうございます。幅広いテーマについて、本ワーキング・グループの意見を集約し、的確に第二次中間整理(案)を取りまとめていただいておりまして、全面的に異存ございません。取りまとめの労に対し、敬意を表させていただきます。

 今後の課題に関する事項について、1点だけコメントさせていただきたいと思います。先ほど有吉委員からも御指摘があった点でございますけれども、第二次中間整理(案)の142行目から147行目に記載されており、またスタートアップ育成5か年計画の中でも取り上げられております、株式投資型クラウドファンディングについてでございます。

 現在、株式投資型クラウドファンディングは、発行総額上限が1億円とされております。これは、発行または売出し価格の総額が1億円未満の有価証券の募集、売出しは、発行者の開示コスト等に鑑みて届出を要しないものとしている、金商法の規定を前提とした制約であると理解しております。そうであるといたしますと、株式投資型クラウドファンディングの発行総額上限を1億円超とすることを認める場合には、この金商法の少額免除の考え方とバランスが取れたものとなるように、ルールを慎重に設計する必要があると考えます。

 ワーキング・グループの第二次中間整理(案)では、146行目に、特定投資家私募制度を併用することで、1億円を超える資金調達を行うようにできることを検討することも考えられるとして、特定投資家私募制度を併用するという一つのアイデアが示されており、この点は少額免除の制度に一定の配慮をしたものと思われます。この論点については、金商法における少額免除制度との関係にも留意しつつ、さらに慎重に検討を進めていく必要があるものと思います。

 以上でございます。ありがとうございました。

【神田座長】  どうもありがとうございました。

 それでは続きまして、松尾委員、どうぞお願いいたします。

【松尾委員】  ありがとうございます。松尾でございます。まずは適切におまとめくださったことに感謝申し上げます。ありがとうございます。

 その上で、幾つか細かい件ですけれどもコメントさせていただきます。まずPTSのところで、公開買付けの5%ルールの適用との関係をおまとめいただいている2ページのところですけれども、ここは脚注5や6を加えていただいて、こういった一定の透明性、公正性が確保されていることを条件に、PTSについてもTOB5%ルールの適用除外とすることを明確にしていただいたということかと思いますので、大変ここは適切に書いていただいていると認識しております。ありがとうございました。

 それから幾つか御指摘のあった点ですけれども、インターネットを通じた私募との関係の取扱いですが、5ページの脚注11のところで、株式クラウドファンディングとの併用については整理が必要ということは既に御指摘があったかと思うのですけれども、一方でこの脚注11の末尾にあります、インターネット上における特定投資家私募に限った扱いをどうするのかということについて、こちらはかなり勧誘規制、開示規制との関係での法令面の整備というのは進んでいるように思いますので、例えばこのインターネットで特定投資家だけを対象にしたマッチングのサービスというようなものが、今後業規制との関係でどう扱われるのかというようなことが、なお明確でないのかなというふうに理解しておりますが、こちらは早急に検討、整備を進めていただけるとありがたいと思いました。

 株式投資型クラウドファンディングとは別に、この特定投資家だけを相手にした私募のシステムというのはあってもいいように思いますし、実際にもうビジネスとして諸外国では成り立っているようですので、ぜひこちらの検討は早く進めていただければと考えました。

 以上です。ありがとうございました。

【神田座長】  どうもありがとうございました。

 それでは次に、福田委員、どうぞお願いいたします。

【福田委員】  ありがとうございます。多くの方からもう既に発言されていますように、私も、基本的にはこの中間整理(案)は、既に我々が議論したことを適切にまとめられていると思います。

 その上で多くの方が御説明されたこととも重なりますけれども、目的と手段という問題を区別して理解した方が良いと思います。今回の中間整理は、その目的を実現するための、言わば手段のような話が非常にたくさん書いてあります。けれども、最終的な目的というのは何だったのか、少し全体像が分かりにくいという印象は、現在の書きぶりではややあったかと思います。

 もちろん最初のほうには、日本経済のダイナミックな成長とか、成長と分配の好循環とかが目的だというのは書かれてはいるのですけれども、何のためにこういう手段が必要なのかということがもう少し書かれていればよかったと思います。そういうことがはっきりしていないと、手段を導入したけれども、それがよかったのかどうかという事後評価もなかなか難しいということになりますので、そういった点があったらよかったのかなとは思います。

 あと、ここのイントロダクションには書かれていないけれども重要だと思われるのは、やっぱり日本の金融市場の国際競争力の向上ということだと思います。そういう意味では、国際競争力の向上もダイナミックな成長を図る上では大事だと私は思っています。

 また、細かい点にはなりますけれども、各セクションのタイトルももう少し工夫したほうがいいのかなとは思っております。ローマ数字でタイトルが書かれていて、それぞれ利便性の向上と保護というのはキーワードでは書かれているのですが、ⅠとⅡは利便性の向上と保護と書かれていて、Ⅲは利便性の向上のみが書かれていて、Ⅳは何も書かれていなくて単にその他と書かれている。もう少しその辺りの書き方の統一性というのがあったほうがいいのかなとは思いました。

 その他の中には1つだけ、別物というか、利便性の向上と保護とは少し違うものがあって、これがファイアーウォール規制だとは思います。けれども、ファイアーウォール規制というのも我々がずっとこれまで議論してきたテーマの一つでもありますので、成長と分配の好循環を図る上でどういう位置づけなのかという位置づけは十分できたと思います。そういう意味での位置づけで案を書いていただいたことはよかったのではないかと思います。

 以上でございます。

【神田座長】  どうもありがとうございました。

 それでは次に、井口委員、どうぞお願いいたします。

【井口委員】  ありがとうございます。まず皆さんもおっしゃっていますが、事務局には、多様な意見を取りまとめいただきありがとうございます。報告書の趣旨には賛同いたしますが、3点ほどコメントをさせていただきます。なお、修正を望むものではありません。これまでの私の発言と重なる部分もありますがよろしくお願いします。

 1点目は、3ページの67行目ぐらいからの③の取引所とPTSの役割分担となります。これももう既に発言しておりますが、機関投資家の立場からは、災害時等においてPTSに代替市場の役割まで求めますと、ここにある制度改正だけではなくて、投信基準価額の整備など、今回の審議事項以外の事項も検討もしなければならないと思いますので、報告書にありますPTSの役割のあり方の検討というのは引き続き重要と考えます。

 2点目は、5ページの149行目の公正価値評価のところです。これも過去に発言しておりますが、資本市場の資金を活用するには、公正評価というのは報告書にありますように欠かせないと思っております。ただ一方、現状国際会計基準においても、非上場株式の公正価値評価の開示は、投資家の間でも不十分であるという意見が強いと思っておりますので、この第二次中間整理(案)の注13にありますように、公正価値評価においては一段の情報開示が必要というふうに思っております。

 最後の3点目は、6ページになります167行目辺りの新規公開(IPO)のあり方です。これも発言しておることではありますが、現状でも上場株式数が3,600社と非常に多くて、私の知る限り素材やヘルスケアなどの新興企業の上場も多くありますので、機関投資家の立場からしますと、非上場企業の上場促進というのではなくて、むしろ報告書にある施策によって上場審査時の目利き力を上げて、将来的により持続的な成長が望める企業を上場させるということを期待しております。

 また今後、別の施策でNISAの拡大で、一般投資家の資金も大きく株式市場に流れ込むということを考えますと、このような目的や施策というのは、貯蓄から投資への促進の施策とも整合させる必要があるのではないかと思っております。

 短いですが以上でございます。ありがとうございました。

【神田座長】  どうもありがとうございました。

 それでは次に、松岡委員、どうぞお願いいたします。

【松岡委員】  御発言の機会をいただきましてありがとうございます。まずは今回、多岐にわたる内容についておまとめいただきまして、本当にどうもありがとうございました。

 まず全体といたしましては、従前から申し上げております点ですので繰り返しになって恐縮でございますけれども、日本においても投資家がリスクやオポチュニティーにマッチした形で、様々なアセットクラスに投資できる、そして企業が柔軟かつ迅速に多様な資金調達手段にアクセスすることができる、そのようになるように、日本の資本市場がその裾野の広さ、深さ、そして洗練度が増し、競争力や魅力も増して、全体的な成長につながるということを願っております。

 そのためには、リテラシー教育をはじめ様々な施策につきまして、それらの位置づけやインパクト、タイミングを考慮しつつ、特に当事者に対する効果や行動変容を中心に、その優先順位を考えて取り組む必要があると思っております。また実施後はそれらの効果についても検証しながら、必要に応じて柔軟に対応していく必要もあるかと思う次第でございます。

 なお具体的な点につきましては、以前にも触れさせていただきましたけれども、外務員の二重登録禁止規制を含めたファイアーウォール規制の見直しについてでございますが、顧客としての企業の視点からは、検討、議論をする以前に、まずは実態として、顧客情報管理について具体的な改善状況を確認することが重要であると考えております。

 また株式の投資単位についてですが、現行ネット証券を中心とした個人投資家の取引実態などの状況も踏まえつつ、また総会の問題や株主の権利の問題など、企業における現実的な法的、実務的な課題についても十分理解の上で議論していくということも重要であると考えております。

 以上でございます。どうもありがとうございました。

【神田座長】  どうもありがとうございました。

 以上で本日御出席の委員の皆様方全員から御発言をいただきました。どうもありがとうございました。

 それでは、オブザーバーの方々からもし御発言があれば承りたいと思います。チャットに入れていただければと思います。いかがでしょうか。

 ありがとうございます。日本証券業協会、飯山さん、どうぞお願いいたします。

【飯山オブザーバー】  ありがとうございます。事務局におかれましては、これまでのワーキング・グループの活発な御議論について、短期間で丁寧に取りまとめいただきまして感謝申し上げます。

 幾つかコメントをさせていただきたいと思います。まず、資料4ページに記載の「機関投資家等による非上場株式の取引活性化」についてでございます。非上場株式のセカンダリー市場の整備について、実態としては、PTSのみでは既存株主や投資家の非上場株式に係る取引ニーズを完全に満たすことはできないと考えております。PTS以外の簡易なインターネット取引や対面での取引などの店頭取引も重要であり、そうした取引が円滑に行えるよう、規制の明確化や緩和をお願い申し上げます。

 また、「特定投資家向け有価証券」の取引を行う証券会社の参入要件の緩和については、PTSに注文を取り次ぐ証券会社に限らず、インターネット取引等により自社で売買を執行する証券会社についても同様の手当てがなされるよう、御検討いただきたく存じます。

 次に、株式投資型クラウドファンディングに関して、「特定投資家私募制度を併用することで、1億円を超える資金調達を行うようにできることを検討する」との記載がございますが、特定投資家と一般投資家に対して販売・勧誘が同時に行われる場合、同一の取引条件や情報提供の下で、一体的に資金調達を行えるようにすることが望ましいと考えます。また、そのために必要となる開示制度の手当てについても御検討いただきたく存じます。

 その他、取り上げられた内容の実現にあたっては、証券会社が自社で持つ情報だけでは資産の全体を把握できない顧客について、特定投資家になるための要件の確認を円滑に行えるようにすること、非上場株式の公正価値評価の会計基準への落とし込み、ダイレクトリスティングにおける審査機能の役割分担についても御留意いただきますようお願い申し上げます。

 続きまして、ファイアーウォール規制につきましても、資料8ページに記載がございましたのでコメントさせていただきます。前回の本ワーキング・グループで金融庁から御説明がありましたが、今回のファイアーウォール規制違反に関する行政処分事案では、顧客の意向を無視して非公開情報を銀証間で授受し、そのうちの一部は主幹事獲得競争において優位に立つ目的があったとされています。

 それを受けて委員の皆様からは、個別の違反事例と規制のあり方は別問題との御意見もあった一方で、一部の委員からは「今般の事例を踏まえれば、顧客情報の管理が徹底できているのか分からないため、慎重に検討せざるを得ない」といった御意見がございました。また別の御意見では、「そのような顧客情報管理の不安のある段階では、外務員の二重登録解禁の議論を含め、緩和の検討を再開するのは難しい」というものもあったと記憶してございます。本ワーキング・グループにおいてこうした指摘があったことは、今回の中間整理において明確に記録として残していただきたいと思います。

 以上でございます。ありがとうございました。

【神田座長】  どうもありがとうございました。

 ほかのオブザーバーの方々で御発言はございませんでしょうか。

 それでは特にないようですので、委員の皆様方で、追加で御発言があれば承りたいと思いますけれどもいかがでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。

 私も1点だけ感想めいたことを申させていただきます。今回で言えば中間整理として、皆様方の御議論を取りまとめさせていただくということを考えているわけですけれども、事柄がいろいろあって、事柄によってはここに書いても、今後、関係する方々の相当な努力というか御支援がないと、実現までなかなか道のりは遠いということがあると思います。

 今回の例で言いますと、公正価値評価の促進という、極めて日本にとって大事なテーマだと思うのですけれども、これなんかはそれにあたると思いますし、またタスクフォースのほうの報告で言えば、アドバイザーを育てていくとか、金融リテラシーの向上を進めていくというのもそれにあたるかと思います。そういう意味で、書けば済むことではないわけですけれども、今回をきっかけに、御関係の方々の相当な御努力と御支援が必要になると思いますので、ぜひそういうものにも期待させていただきたいと思います。

 それでは、全国銀行協会から発言希望が出ておりますのでお願いいたします。

【宮下オブザーバー】 
 全国銀行協会の宮下でございます。このたびは第二次中間整理(案)を取りまとめいただきまして、大変感謝申し上げたいと思います。この場をお借りしまして、委員の先生の皆様方、事務局の皆様方に御礼申し上げたいと思います。

 今回取りまとめられた事項につきましては、いずれも11月28日に開催されました、政府の新しい資本主義実現会議において公表されました、「資産所得倍増プラン」に記載されている7本柱の取組みのうち、「世界に開かれた国際金融センターの実現」に対応したものと理解しております。私ども銀行界としても、スタートアップ企業等への円滑な資金供給を通して、持続的な経済成長を実現するとともに、家計による適切な金融商品の選択を通じて、経済成長の成果を還元させるという、「成長と分配の好循環」の実現に資するものとして、前向きに受け止めております。

 その「成長と分配の好循環」の一端を担う「貯蓄から投資へ」につきましては、本邦の間接金融中心のマネーを資本市場に誘導することを指していると理解しております。私ども銀行界としては、その一つの解決策として、証券と銀行が一体となったサービス提供があると考えておりまして、このたび、第二次中間整理(案)におきましても、ファイアーウォール規制が継続検討される旨を明記いただきまして感謝申し上げます。

 前回ワーキング・グループや先ほどからも、委員やオブザーバーの皆様から様々な御意見があったと理解しております。まさにそうした多様な意見を踏まえて、今回の記載になったものと認識しております。私どもとしては、報告書の内容は過不足ないものと受け止めております。

 今後、顧客本位の業務運営を徹底しながら、お客様の情報管理を含む体制整備をしっかりと行いまして、引き続き業界全体の管理体制の底上げを図ってまいりたいと思います。その上で、次回以降のワーキング・グループにおきまして、早期にファイアーウォール規制の見直しに関して議論が行われ、結論を出していただけますよう、銀行界の取組み状況や規制緩和を通じたお客様のメリットを、しっかりと説明してまいりたいと考えております。

 以上、発言させていただきましてありがとうございました。

【神田座長】  どうもありがとうございました。ほかによろしゅうございますでしょうか。

 そうしましたら、本日は取りまとめということをできればさせていただきたいと思っております。お手元の第二次中間整理(案)についてですけれども、皆様方から多くの御指摘とか御意見をいただきましてありがとうございます。

 内容の大筋については皆様方から御賛同いただけているというふうに思います。表現ぶりについて貴重な御意見を多数いただいたと思います。武田委員をはじめとしまして、あとは野村委員からも、そしてまた福田委員からも、目次の書き方とかも含めて御示唆をいただいたところであります。そのほかの委員の皆様方からも幾つか貴重な御指摘をいただいたと思います。

 ただ、これらは主として表現ぶりについての御示唆だというふうに承りましたので、本日いただきました御意見や御指摘の反映は今後させていただきたいと思います。また全体としての表現の平仄などもあろうかと思いますので、いつもこの時期になりますとこういうことで恐縮ですけれども、この中間整理(案)の最終化というか、本日いただきました御意見、御指摘を盛り込んでいく作業と表現ぶりの平仄等の精査等につきまして、私に御一任をいただいて、取りまとめの作業を事務局とさせていただければというふうに思っております。また、その第二次中間整理の公表等の取扱いですけれども、これにつきましても私に御一任いただけますと大変ありがたく存じます。

 そういうことで大変恐縮ですけれども、そういう形での取りまとめ作業をさせていただくということで、皆様方の御承認をいただくことはできますでしょうか。
 
(「異議なし」の声あり)

【神田座長】  どうもありがとうございます。なかなかオンライン会議でお顔を拝見できない中で声を出していただきまして、大変ありがとうございました。それでは御承認をいただいたということとさせていただきます。

 このワーキング・グループのメンバーの皆様方におかれましては、これまでも大変お忙しい中を積極的に御参加いただき、精力的な御議論を展開していただきましたことを、心より厚く御礼申し上げます。まだ終わりではありませんで、中間整理と言っていますけれども、継続して議論を深めるべき論点がございます。今回の第二次中間整理の内容を踏まえ、引き続き、このワーキング・グループにおいて皆様方に御検討をいただくということになりますので、引き続き皆様方にはよろしくお願い申し上げます。

 それでは最後に、事務局から御連絡がございましたらお願いいたします。

【島崎企画市場局市場課長】  委員の皆様におかれましては、本日の議論や、この中間整理取りまとめに向けて精力的に御議論いただきまして、誠にありがとうございます。

 第二次中間整理につきましては、先ほど座長に一任いただいたと存じますけれども、プロセスを経て、なるべく速やかに公表のほうに持っていきたいと思っています。皆様方、誠にありがとうございます。そうして取りまとまった後ですと、通例どおり総会のほうに報告するという段取りを想定しております。これは顧客本位タスクフォースの中間報告についても同様でございます。

 以上、事務的な予定、段取りでございました。誠にありがとうございます。

【神田座長】  どうもありがとうございました。

 それでは、以上をもちまして、本日の会議を終了とさせていただきます。皆様、どうもありがとうございました。
 
―― 了 ――
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企画市場局市場課(内線:2352、3970)

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