金融審議会「市場ワーキング・グループ」(第14回)議事録

 

1.日時:

平成30年10月11日(木)9時30分~12時00分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館13階 金融庁共用第一特別会議室


【神田座長】
 おはようございます。定刻になりましたので、始めさせていただきます。ただいまから、市場ワーキング・グループの第14回目の会合を開催させていただきます。皆様方にはいつも大変お忙しいところをお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 
 今回からでございますけれども、議論の活性化を図るため、委員の皆様の座席は席替え制とさせていただき、ランダムに決めた座席にお座りいただいております。ランダムとは何かとか、ご不満等ございましたら、事務局のほうにお申し出いただければと思います。
 
 それから、もう1点、今回からこのワーキング・グループを原則150分間、2時間半ということで開催させていただきたいと考えておりまして、数分の休憩を合間に挟んでいただきたいとのご要望をいただきました。そこで、今回は事務局の説明とヒアリングの後、意見交換に入る前に、試しにというか試みに5分程度の休憩をとってみたいと思います。
 
 それでは、まず初めに、前回ご欠席で今回の会合からご参加いただきます委員とオブザーバーの方々を事務局から紹介していただきます。よろしくお願いします。
 
【小森市場課長】
 それでは、ご紹介をさせていただきます。まず、委員の先生の右手から2番目にお座りいただいていらっしゃいます、池尾和人様でございます。
 
 少し飛びまして、中央にお座りいただいています、高田創様でございます。
 
【高田委員】
 高田でございます。よろしくお願いします。
 
【小森市場課長】
 それから、その4つ左の席にお座りいただいています、永沢裕美子様でございます。
 
【永沢委員】
 永沢でございます。よろしくお願いいたします。
 
【小森市場課長】
 それから、遅れてご参加されるというふうにお聞きしておりますけれども、福田慎一様いらっしゃいますので、後ほどまた改めてご紹介させていただきたいと思います。
 
 次に、今回からご参加いただくオブザーバーをご紹介させていただきます。
 
 委員の皆様から見て左側にお座りいただいております、厚生労働省年金局企業年金・個人年金課の吉田課長です。
 
【吉田オブザーバー】
 よろしくお願いします。
 
【小森市場課長】
 次に、その隣にお座りいただいております、国土交通省住宅局住宅政策課長の阿萬課長です。
 
【阿萬オブザーバー】
 阿萬でございます。よろしくお願いします。
 
【小森市場課長】
 以上です。
 
 今、福田先生いらっしゃいましたので、今回からご参加されますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 
【神田座長】
 どうもありがとうございました。
 
 それでは、議事に移らせていただきます。本日でございますけれども、高齢社会における金融サービスのあり方をテーマとして、ご議論をお願いいたします。
 
 そこでまず事務局から、金融庁が本年7月に公表しました「高齢社会における金融サービスのあり方」の中間的な取りまとめとその後の検討状況につきまして、ご説明をしていただきます。
 
 続きまして、「超高齢社会における金融のあり方」ということで、高田委員からご説明をいただきます。その後、質疑応答、意見交換の時間に充てたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 
 それでは、まず事務局からの説明をお願いいたします。
 
【小森市場課長】
 資料1をご覧いただきたいと思います。事務局説明資料ということで、高齢社会における金融サービスのあり方について、今年7月の中間取りまとめの内容その他についてお話をさせていただきます。
 
 中間的な取りまとめでございますけれども、高齢化が進行する現状や退職世代等を取り巻く状況、退職世代等が抱える課題等につきまして、金融庁が約1年ほどかけまして学識経験者、シンクタンク、金融機関、業界団体の方々等へヒアリング等を行いながら整理・分析を進めてきたものを取りまとめて公表したものでございます。その内容についてご紹介をさせていただきたいと思います。
 
 おめくりいただきまして1ページ目、高齢社会における金融サービスのあり方の検討ということで、目次のようなものがついております。このプレゼンテーションの前半部分に当たりますけれども、高齢社会の現状とリスクや退職世代等の現状、高齢社会における金融サービスに関する基本的な考え方について、順次ご説明を申し上げたいと思います。
 
 2ページ目をお願いいたします。高齢社会の現状とリスクでございますけれども、現状といたしまして、長寿化の進展、金融資産の伸び悩み、資産の高齢化。リスクといたしましては、資産寿命が生命寿命に届かないリスク。十分な備えがある世帯であっても、老後不安による過度な節約のリスク。地方から都市部への資産の流出の加速。家計の資産構成の硬直化、といったような現状とリスクについて、有識者の方々からご指摘をいただいたところでございます。
 
 下のほうに表がございますけれども、2015年の推計では、当時60歳の方のうち、4分の1の方は95歳まで生きられる見込みであるということ。右側でございますけれども、金融資産の年齢階級別割合ということで、2014年時点で約3分の2の資産が60歳以上の世帯によって保有されており、今後の推計を見ても、この割合が更に高まっていくことが見込まれているところでございます。
 
 3ページをご覧ください。金融資産の伸び悩みという点でございますけれども、アメリカと日本における年齢階級別の金融資産額の推移を約20年間とったものでございます。アメリカについて、10年ごとになっておりますので、矢印を見ていただきますと、コホート、ある世代の方たちが右上に遷移していくような形で資産が動いておりますけれども、アメリカにおきましては、1998年当時55歳から64歳の方の資産というのが大変大きく伸びております。
 
 また、周りの世代に比べても高いところでありまして、退職口座、IRAですとか401Kですとか、投資信託を中心として、現役時代から資産形成を継続して、資産が大きく伸びてきたといったような傾向が見てとれるところでございますけれども、日本につきましては、1994年当時70歳の世代の資産額と2014年時点で70歳になった世代の資産額がほぼ変わらないような状況にございまして、現状、退職世代等の保有する世帯当たりの金融資産は、米国の半分以下になっているといった状況でございます。
 
 4ページ目でございますけれども、認知能力の低下ということで、65歳以上の認知症患者の割合などが、今後もさらに高まっていくといったような状況を踏まえまして、例えば有価証券の保有のうち、15%程度が認知症患者の方が保有することになる可能性もあるといったことでございまして、みずほ総研の資料を引用させていただいております。こちらについては、後ほどご説明もあろうかと存じます。
 
 続きまして、5ページでございます。退職世代等の現状についてでございます。特徴といたしましては、多様化が進展していること、それから、モデルが空洞化しているといったことについて述べているところでございます。長寿化が進展する中、資産・所得、就労、健康、世帯構成等の状況について多様化が進展し、かつてのモデル世帯というのが存在しなくなっているということについて述べているものでございます。
 
 下に図のようなものがございます。ややデフォルメされているような形ではございますけれども、従来は単線的、退職世代についてもその子どもについても、ライフイベントというのが単線的に起こるといったようなことが想定されていたところ、近年になりまして、退職世代そのもの、あるいはその子どもの世代につきましては、さらに多様化した形でライフイベントが発生して、ライフスタイルが多様化しているといったイメージについて述べているものでございます。
 
 6ページをご覧ください。6ページの下のほうにグラフがございますけれども、経年、年の経過とともにデータをとっております。未婚率が世代を問わず、概ね上昇してきている。夫婦と子どもからなる世帯の比率が大きく低下し、代わりに単独世帯というのが大きく伸びてきている。持ち家比率が低下している、といったことが読み取れるところでございます。これらから言えることといたしまして、結婚して夫婦、子ども2人で暮らし、持ち家を持つという、かつては標準的と考えられてきたようなモデルというのは、既に空洞化してしまっているといったことが言えるかと存じます。
 
 7ページをご覧ください。雇用状況・退職給付の状況につきましても、同様のことが言えると存じます。非正規雇用比率が上昇、60歳代の就業率が上昇、退職給付額が減少しているということが経年的に読み取れるところでございまして、定年まで正規雇用で働き、その後退職、退職金を取り崩しながら生活するというモデルが空洞化してきているといったことが言えるかと存じます。
 
 8ページをご覧ください。こちらにつきましては、資産の保有状況につきまして、経年変化ではなくてスナップショットでご紹介をしているものでございます。退職世代の金融純資産の保有額は、現役世代と比べて幅広く分布しているということでございまして、左下のグラフをご覧いただきますと、青の60歳代の金融純資産の世帯数分布というのが、マイナスの領域から5,000万円を超えるところまで幅広く分布しているといったデータでございます。また、真ん中の円グラフでございますけれども、退職世代の資産全体の6割以上は住宅資産で保有されているといったことでございます。また、この住宅資産につきましても、退職世代は現役世代よりも住宅資産を保有している割合が高く、保有している住宅の資産額についても、現役世代と比べて幅広く分布しているといった状況でございます。
 
 9ページをご覧ください。居住地の選択状況についてのデータでございます。左側に、転入者対人口比別の市町村数についてのグラフがございます。下にございます現役世代をご覧いただきますと、転出超過の市町村の数と比べまして、転入超過である市町村の数が少ないということで、全国の市町村から少数の大都市へ人口が流入しているといった状況が伺えるところでございます。その一方、上の退職世代をご覧いただきますと、転出超過の市町村数と比べまして、転入超過の市町村数が多いところでございまして、都市部、特に東京23区から郊外や地方都市へ分散しているといった状況が伺えるところでございます。右側に、転入、転出上位20の市区町村の名前が書いてありますけれども、これによってもご確認いただけると存じます。
 
 10ページをご覧ください。これらを踏まえまして、高齢社会における金融サービスに関する基本的な考え方ということで、3つの考え方について投げかけをしているところでございます。
 
 1つ目でございますけれども、業者起点の画一的な商品の提供から、個々の顧客の状況に合わせた顧客起点のきめ細やかなサービスの提供というのが考えられないか。AIやビッグデータの活用を含むデジタル化の進展によりまして、顧客ごとに対応することが容易化しているといった状況にもあろうかと存じます。
 
 2番目でございますけれども、金融・非金融の垣根を超えた連携ということで、フィナンシャル・ジェロントロジー(金融老年学)といったことで、医学も含めました知見の活用が考えられないか。また、金融ニーズに加えて非金融ニーズが増加している中、グループ内外の金融サービス主体や、金融以外も含めた地域のサービス主体との連携というのが今後考えられないか。
 
 3点目でございますけれども、「見える化」を通じたよりよい商品・サービスの選択という点でございまして、まず1つ目の「見える化」といたしましては、老後の収入やみずからの人生設計における質の「見える化」、これを通じまして計画的な資産の活用に向けて考えていくといったことが1点目でございます。
 
 2つ目の「見える化」といたしまして、こうしたニーズに対しまして、金融機関が提供している商品・サービスがどのようなニーズに応えるものなのか「見える化」が進んでいき、ニーズにあった商品・サービスが選択されるメカニズムというのが実現していけないかといった問題でございます。上の箱の2つ目の矢羽根でございますけれども、こうした取り組みを促進するために、例えば金融業界の取り組むべき方向性等について原則を策定することが考えられないか、といった問題意識を提起させていただいているものでございます。
 
 11ページ以降は、私のご説明の後半部分となるものでございます。4.検討の視点ということで、真ん中にグラフのようなものがございます。こちらについてもデフォルメされている姿でございますけれども、生涯を通じた資産額の推移イメージにつきまして、従来について点線、今後について実線で書いているものでございます。従来の推移イメージといたしましては、退職金、あるいは相続によって資産額が一気に上がり、その後は一直線に取り崩していくといったものでございましたけれども、今後の実線のところでございますけれども、現役時代から長期の資産投資を進める。働き続ける期間も少し長く続ける。退職金などをもらった後、なるべくそれが目減りしないように、傾きをなるべく緩いものにしていって、資産寿命が長くなるように努めていく、といったようなことが推移イメージとして考えられるのではないかと思います。
 
 このページに①から④まで書いてございます。①から③にかけてが、それぞれの人生のステージにおいて考えられるような課題をステージごとに整理したものでございまして、1番目が就労・積立・運用の継続による所得の形成。2番目が、資産の有効活用・取り崩し。3番目が、長生きへの備えや資産承継といったものでございます。一番下にございます④につきましては、これらについて共通して課題となる、高齢者などが安心して資産の有効活用を行うための環境の整備についての課題を述べているものでございます。
 
 12ページ以降は、この4つの検討の視点ごとに、それぞれにあります課題や対応策について、有識者の方々からいただいた指摘について整理をしているものでございます。12ページは、就労・積立・運用の継続による所得形成でございますけれども、就労の継続による勤労収入の確保とともに、蓄積した資産を有効活用し、財産収入を確保していくことも重要ではないか、という投げかけのもと、退職世代における就労継続、また現役時代からの継続的な資産形成ということで、矢印の右側をご覧いただきますと、例えばつみたてNISAにつきまして、20年という投資期間が確保されていくことが重要ではないか。また、若年世代から退職後まで一貫した資産形成につながる制度が求められるのではないか。確定拠出年金等につきまして、拠出可能年齢や拠出上限額等の引き上げが考えられないか、といったようなご指摘があるところでございます。
 
 真ん中は老後資金の「見える化」について、課題と対応策のご指摘でございます。
 
 3つ目の退職金・企業年金の活用でございますけれども、退職金や企業年金を、退職時に一時金として受け取るケースが多いわけでございます。また、この受け取った一時金につきまして、効果的な運用がなされていないことなどから、財産収入は少額にとどまっているのではないか、といった問題点についてのご指摘もいただいているところでございます。
 
 13ページをご覧いただきますと、今、12ページでご紹介した課題のうち、確定拠出年金や退職金につきまして、若干のデータ等について整理させていただいているものでございます。日本の60代の就業率は、世界的に見て高い水準にあるわけでございますけれども、上の右側の表をご覧いただきますとおり、企業型DCは65歳まで、iDeCoにつきましては60歳までが拠出の上限の年齢となっているところでございます。拠出の上限額につきましては、企業型DCでは最大で年66万円ということでございます。アメリカとイギリスについて比較した表になっておりますので、ご覧いただければと思います。
 
 下の円グラフ、それから棒グラフでございますけれども、退職金の金額の把握が退職間際に集中しており、老後の運用の検討をする時間が十分に確保されていないのではないかといった問題があろうかと思います。こうしたことから、例えば退職金や年金の早期把握、投資教育の機会を提供する、社内におけるセミナーの開催などにつきまして、事業法人などのご協力を得られないか。あるいは、金融機関におきましても、退職者に対するリスクの高い複雑な金融商品の提供等の抑制をする一方で、退職者の資産、収支に応じた金融商品を提供することで、退職者が安心して資産の有効活用をできる環境を整えていくことが考えられないか、といったような論点が考えられるところでございます。
 
 14ページでございます。資産の有効活用・取り崩しにつきまして、やはりこちらも課題、それから対応策についてのご指摘でございます。金融機関が提供している金融商品・サービスにつきまして、それぞれどういった特性があり、退職世代等のどのような属性の人に望ましい商品・サービスがあるのかが一層「見える化」されるように、例えば商品説明を明記するといった対応は考えられないかといったようなご指摘があるところでございます。
 
 下段につきましては、住み替えや住宅資産の有効活用という課題でございまして、こちらにつきましては、次の15ページにおきまして、データも含めてご説明をさせていただきたいと思います。
 
 15ページの左上のグラフでございますけれども、首都圏、政令指定都市、その他の地域に分けて、資産額がどのように分布しているのかについて整理したものでございます。首都圏、政令指定都市ではもちろんでございますけれども、その他の地域におきましても、1,000万円超の宅地資産を持たれている方が半数近くを占めているといった状況でございます。右側がリバースモーゲージを取り扱っている銀行の数の推移でございますけれども、平成26年4月末に15行であったものが、今年の9月末で申しますと47行ということで、取り扱っている銀行の数が近年急速に増えてきているところでございます。
 
 一方で、左下でございますけれども、融資の実績が、かなり限られた銀行が多数を占めるといったところでございます。
 
 下の右側に、住宅金融支援機構における融資保険制度の仕組みについて図示してございます。民間金融機関が住生活関連資金の融資をローン利用者に提供する際に、住宅金融支援機構が保険を提供しているといったものでございます。
 
 16ページ、長生きへの備え、資産承継でございます。こちらにつきましては、資産の円滑な世代間の移転と、円滑な事業承継についての課題、対応策についてのご指摘を示しているところでございます。
 
 17ページに、このうちの事業承継についての記述、データがございます。今後10年間で200万人を超える中小企業等の経営者が引退時期を迎える中、事業承継は大変重要な課題だというふうに捉えられており、特に上の右側の三角の図をご覧いただきますと、70歳以上、約245万人いらっしゃる経営者のうち、半分の方の後継者が未定であるということで、後継者探しというのが大変重要な問題となっているかと思います。事業承継におきまして、後継者の決定や株式の整理・承継が課題とされている中、金融機関が一層の役割をここで発揮することが期待されないかといったことでございます。地域の金融機関が事業承継に係る非上場株式の売買の媒介を行い、円滑な事業承継に貢献していくことなどが考えられないか、といったような論点が考えられるところだと思います。
 
 18ページをご覧いただきたいと思います。高齢者が安心して資産の有効活用を行うための環境整備ということで、フィナンシャル・ジェロントロジーの進展等を踏まえたきめ細やかな高齢投資者保護、高齢者の立場に立ってアドバイス等ができる担い手。成年後見人による資産管理等のテーマにつきまして、課題と対応策についてご指摘があるところでございます。
 
 19ページをご覧いただきますと、例えば右上のほうに、日本証券業協会の高齢顧客投資勧誘ガイドラインの概要が記載されているところでございます。高齢顧客について、75歳以上、あるいは80歳以上ということで定義を行った上で、より慎重な勧誘を行い、勧誘留意商品を選定した上で、手続的にも重い売り方をするといったようなことがガイドラインとして書かれているものでございます。
 
 下のほうには後見制度支援信託について書かれているところでございます。後見制度支援信託、近年件数も伸びてきているところでございますけれども、現状、その資産管理におきまして、元本保証が求められているところでございまして、被後見人の生活水準の維持・向上のために、例えば一定の要件のもとで元本保証以外の運用を行うことなども考えられないか、といった論点が存在するものと思っております。
 
 最後になりますけれども、20ページでございます。今般、ワーキング・グループで行っていただく議論が目指している姿につきまして、どのように考えているのかにつきまして、投げかけをさせていただいているものでございます。高齢社会における金融の目指すべき姿は、高齢者をはじめとする国民がそれぞれの多様な状況に応じて適切な金融取引の選択を行うようなことができる状態を実現することではないかということで、資産や収入、家族構成、どれぐらいの遺産を残したいか等々、それぞれの方の状況に応じて、どのようなリスクを目指して運用していくのがいいのかといったようなことについて、退職世代みずからが把握をする。そして、それぞれにふさわしい商品・サービスについて、それをわかりやすく選択できるような環境が整っているといったことが目指すべき姿ではないか、ということでございます。
 
 そして、こうした取り組みを通じて、預貯金偏重から資産形成(長期・分散・積立投資)への流れの推進。長寿化の進展に応じた資産寿命の延伸。公助から自助の流れに沿う金融環境の実現・提供。個々の家計の資産配分の効率化を通じた、経済全体の資金循環の質の改善などを目指していくことになるか、といったことでございまして、これにつてご意見を頂戴できればと存じます。
 
 そしてまた、このような姿に向けまして、金融庁、私ども、あるいは金融業界をはじめとする多様な主体が、今後さまざまな取り組みを行っていくわけでございますけれども、こうしたものにつきまして、金融業界が取り組むべき方向性等に関する原則の策定なども含めまして、当ワーキング・グループにおいてぜひご議論をいただけないかといったところでございます。
 
 私からの説明は以上でございます。
 
【神田座長】
 どうもありがとうございました。
 
 それでは、続きまして、高田委員からご説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 
【高田委員】
 みずほ総合研究所の高田でございます。今後ともどうかご指導のほどよろしくお願いいたします。また、今回はこうした機会をいただけること、大変光栄に存ずるところでございます。
 
 今日の私の問題提起でございますけれども、超高齢社会における金融のあり方ということで、先ほど小森課長のほうからもご説明ございましたように、私どももある程度金融庁の方々ともご意見を交換させていただきながら、その中での問題提起という点でございます。
 
 一言で申し上げますと、やっぱり当初想定していたモデルと実際の高齢化に対応して、かなり大きくモデルの乖離が起きているのではないかと。これがやはりマネーフローでありますとか、もしくは金融のビジネスモデルでありますとか、また必要とされる金融サービスにも大きな構造転換をもたらしているのではないかというのが、私のそもそもの問題提起であります。また、今がちょうど取り組む重要なタイミングにあるのではないかという問題意識も、マクロ的な観点から少し申し上げたい。今がまさに時宜を非常に得た議論ではないかと、そんなふうに感じるところでございます。
 
 それでは、最初に1ページをご覧いただきたいと思うのですが、ここに今日の9のキーワードということで書かせていただいております。最初に波平さんモデルなんて言い方をしておりますけれども、要は何を申し上げたいかといいますと旧モデル、昔から我々が当たり前と思っているモデルの象徴的な見方として、この波平さんという言い方をしたわけでありまして、こうしたものがある程度変わろうとしている大きな転換点ではないかということを、ここにございます9のキーワード、そしてそこへの提言という形で私どもなりに議論させていただければと思います。
 
 次の2ページ目のところでございますが、今回のご報告のところ、5つの章にということでございます。それでは、最初の第1章、3ページ目以降を簡単にお話をさせていただきたいと思います。まず最初に、超高齢化社会がもたらす構造転換ということ。先ほど申しました旧モデルの象徴であります波平さんモデルが転換するということ、これがマネーフローであり、金融のあり方の大きな転換があるのではないかという問題提起でございます。
 
 それでは、4ページ目のところでございますが、まず定義でございます。こちらにございますように、日本の場合は国連等の定義によりますと21%超で、超高齢社会ということで、まさに超高齢社会に入っているということでございます。また、人口も2008年をピークに減少過程にあるというのが前提でございます。
 
 こうした状況の中、次の5ページ目のところでございますが、進行する高齢化とその影響ということでございまして、私どもが後ほど申し上げます波平さんモデルというのは、基本的に戦後の現役世代がターゲットであったモデルの1つの類型というふうに考えていただいてもいいわけでありますが、こうした状態が昭和を中心とした、現役世代が中心であったところから、平成、そして現在に至る中で、まさに転換が生じている。これからお話しさせていただきたいということでございます。
 
 それでは、象徴的に申し上げましたこの波平さんモデルというのは何を私は申し上げたいかということでございますが、次の6ページ目をご覧いただきたいと思います。そもそもサザエさんのお父さんであった波平さん、そのアニメの起源は1950年代の1つの設定ということになろうかと思います。波平さん自身は当時54歳の設定だったと聞かされております。当時考えてまいりますと、大体定年が50歳代半ば。そして、6ページ目のところにございますように、大体平均寿命が60前後だったということになるわけであります。こうした状態というものが、当然のことながら人生60年時代という波平さんモデルから、人生100年自体、平均寿命も男性でも80を超えるというような状況の中で、当時想定されていた社会構造とのミスマッチが起きているのではないかという問題提起でございます。
 
 このミスマッチということになるわけでございますが、次、7ページ目のところで具体的にマネーフローとの観点からご説明をさせていただきたいわけでありますが、波平さんモデルというのは、まさしく現役世代完結型の金融であったというふうに考えることができようかと思います。すなわち現役世代の中で、主に中心たる金融が完結する。考えてみれば波平さん、54歳であるわけで、60歳が寿命であるとすれば、当然のことながら年金も要りません。老人医療もそんなには要らない、介護も要らないという、現役世代でほとんど完結する世代、モデルであったということですね。これが人生その後の老後が10年、20年、30年というような状況に横に伸びるというのが、この7ページ目のところにあるわけでありまして、そうなってまいりますと、中核たる金融というものが、現役世代の中で完結されたモデル、それから、どちらかといえば現役から高齢者をつなぐ、世代間をまたぐ、仲介する金融にというような状況に変わっていったということになるんだろうと思います。
 
 依然として我々金融に対する思いは、現役世代を中心にという概念が非常に強いわけでありますけれども、当然のことながら、こういうマネーフローの中で言えば、今日は本業が世代間をつなぐ金融、すなわちそれは年金であり、また場合によってはアセットマネジメント的な世界になっていくということになるわけでありまして、こうしたものがある面での本業であるとの帰結になります。高齢者の立場に立った担い手をどうするかというような形の金融のあり方というものが求められるということにもなろうかと思います。
 
 同様に、次の8ページ目との関係でございますが、現役世代完結型のモデルの中でいいますと、昭和的な状況の中で、非常に資金需要の旺盛な企業セクターというものがあり、また住宅ニーズというものがあり、そういうような状況の中で、こちらの8ページのところにもございますように、企業が非常に資金不足であるというようなことが前提になっていたわけであります。こうした状況が完全にこの何十年か、企業が資金余剰になってくるということで考えてまいりますと、要は現役世代の中で仲介されていた、主に商業銀行的な状況から、どちらかといえば、先ほど申しましたようなアセットマネジメント、また場合によっては信託的なそれをつなぐような状況になってくるということでございまして、生涯を通じた資産運用等の多面的なニーズをどう仲介していくのかというような大きな転換がマネーフローの中で生じていると、これが第1番目の前提条件ということになろうかと思います。
 
 こうした状況の中、2番目、9ページ目以降でございますが、資産運用の観点にフォーカスを当てさせていただきたいと思います。私はここで今日申し上げたいのは、資産運用に向けた車の両輪が初めてそろう局面なのではないかということであります。よく日本の場合、金融のリテラシーの問題で、なかなかリスク性資産にいかないのではないか、また運用にいかないのではないかというふうに言われることが多くございます。私はそれを完全に否定するものではございません。ただ、この30年間近い状況に当たる現預金への集中もしくは新興、それから為替でのホームカントリーバイアスというものは、ある面での1つの合理的な部分というものもあったわけでありまして、また逆に言えば、今変わろうとしている中で、これからこそ非常に幾つかの政策的な対応も必要なのではないかというのが問題提起でございます。
 
 すなわち、じゃあなぜそれが1つの合理的だったのかということになれば、次の10ページ目のところでございますが、要は90年代以降と申しましょうか、ある面でいいますと、平成になってからといってもいいかもしれません。こちらにございますように、株式市場、海外が右肩上がりの上昇が続く中で、日本だけはまさに「雪の世界」と申しましょうか、全くの資産デフレの状況だったわけであります。これは株も不動産も同様でございまして、しかもここにはございませんが、同様にこの期間は円高の流れでもあったわけでございます。こうした資産デフレと超円高というような状況の中で、要は資産価格上昇による国富増大というようなものが、あるべき姿としての国民的なコンセンサスというものもなかなか描けなかったという、要は成功体験が不足の状況というものが非常に定着をしてしまったというふうに考えてもいいんだろうと思います。
 
 こうした状況の中で、アメリカ、進んでいると言われるわけでございますが、次の11ページ目のところにもございますように、要はアメリカの場合は、70年代から言われたディスインターミディエーション、そうしたような状況として、制度的にも、ここにもございますようにIRAでありますとか401Kと言われるような制度的な問題と、それから、70年代以降の非常に金融に優しい時代と言われる中での、金融資産が増大をしていくという、この2つの制度と環境という両輪がそろった状態が30年以上続くということになるわけであります。そういう中で、今のアメリカなり欧米における資産運用に対する意識が定着をしたと。
 
 一方、日本はどうかといいますと、確かにこの十何年間、制度面のところは当局のご尽力もありまして充実してきたわけでありますが、しかしながら、残念ながら成功体験というものが描けなかったというような、車の両輪がそろわなかった。一方、これがアベノミクスと言われるこの5、6年間においては、ようやくその両輪がそろい出してきたと。まさに今こそというふうに言ってもいいんだと思うのですけれども、資産運用ビジネスの拡大の好機につながってきているというのが私、先ほど申しました時宜にかなったと申し上げるのは、まさにこの点を指しているわけでございます。
 
 そうした状況の中で、ただ問題は、先ほどご紹介しましたように、過去30年間近い、非成功の体験の状況が長く続いてしまいますと、非常に強い心理的なバイアスが残存しているということでございます。これは後ほど申し上げたいと思うんですが、例えば最近よく話題になります行動経済学の中で、近視眼的、損失不可避的なバイアスとかと言われることがございますが、こうしたような状況ができてしまっていると。となりますと、これを覆すためには、よくナッジ(軽く押す)というような言い方がありますけれども、ある程度それを促すための定常状態を変えていくようなことが必要になる。まさにそういう局面にあるのではないか、まさにこれが成長戦略の1つにもなるのではないかということでございます。
 
 13ページ目のところで私が議論させていただこうと思いましたのは、こうした状況の中で、グローバルにも自然利子率が下がっておりますが、そうした状況の中で資産運用の世界というものを取り入れた成長戦略というものが、まさに必要な時期になっているのではないかと、そんな問題意識でございます。
 
 それでは、そういった点を具体的な観点からちと議論させていただくべく、次の第3章に移らせていただこうかと思います。
 
 それでは、超高齢化における金融ニーズは何なのか。ここでは高齢者金融の2つのパラドクスにどう対応するか、また幾つかの構造変化、転換というものに対応するかということを少し考えてみたいと思います。
 
 まずは資料ということでございますが、15ページのところにあります個人の金融資産残高でございます。よく言われる1,800兆円と言われるものでございますが、当然今後、これは状況によりますが、拡大をしていくというふうに我々は思っているところでございます。
 
 そうした状況の中で、今日の4番目のキーワードに挙げております高齢者金融のパラドクスというもの、私は2つ挙げたいわけでありますが、それはよく教科書的に申し上げますと、高齢者になると貯蓄率は下がる。それから、よく言われるように、高齢者になるとリスク資産を持たないというふうに言われるわけでありますが、じゃあ日本はどうなのかというと、最初のパラドクス、16ページでございますが、意外と貯蓄率が下がらないという状況が現実にあるわけです。もちろん上がるとは言いません。ただ、意外と下がらないなというところでございます。これが第1番目です。
 
 じゃあ2番目は何か。17ページのところでございますが、実は日本の場合、高齢になるほど有価証券、ここでは株、投信にしているんですけれども、保有しているという現実があるわけであります。
 
 そうなってまいりますと、次の18ページ目以降でございますけれども、これはあくまでも私どもの試算という形ではございますが、この18ページ左側のところにありますように、2035年には70歳以上の株、ここであります保有比率は4割以上になっているということもございますし、また一方で、右側のところにございますように、有価証券の半分を2035年には70歳以上が保有するような状況にもつながるという結果になるわけであります。
 
 そうなりますと、これは先ほど小森課長のほうからのご説明もありましたけれども、19ページのところにありますように、2035年には認知症の方が有価証券の15%ぐらいを保有してしまうような状況にもつながりかねない。そうなったときの資産の硬直化、それからガバナンス、もしくは成長戦略との観点、こうした観点は、やはり私は重要な論点ではないかと思うわけであります。
 
 また、今申し上げましたパラドクスに加えまして、幾つかの問題提起をさせていただきたいと思います。それは偏在、それから資産寿命、そして3番目に多様化、単身化に対応した論点ということでございます。
 
 まず20ページのところは、地方から都市部への資産の移転。これは先ほどの議論の中にもございました。
 
 それから、2番目の論点で、21ページ目以降でございますが、高齢化に非常に必要な資金が出てきているということでございまして、これはいろんな試算はあると思いますが、1歳当たり264万円必要であるというような状況にもなります。また一方で、次の22ページ目のところにもございますように、現役世代の老後の資金準備というものが非常に必要な状況になってきている。すなわちその前提となるのは、こちらの22ページの絵にございますように、資産形成層の老後資金の準備というものが非常に厳しいということでございます。左側にございますように、資産形成層における金融資産の推移がだんだんと厳しくなる、ネガティブになっているような状況にもなる。また、退職給付金の額も、やはりこれまで低下をしてきていると。そういう中で、今後の老後資金の準備というものが必要になってきているということでございます。
 
 こうした金額の算定、いろいろ見方はあろうかと思いますが、挙げさせていただいたのが23ページにつながっているわけでございまして、こうしたような中で、1つの試算を考えてまいりますと、やはりある程度若年層になるほど蓄積すべき老後資金の金額が大きくなっていくということになるわけでございます。
 
 次の論点、多様化ということになるわけでございますが、先ほどこの24ページに値する絵、横にずれる。右側にずれていくんだというようなことを、私は波平さんモデルの転換として申し上げさせていただきましたが、この横軸に流れる推移と、もう一つ縦軸にと申しましょうか、2次元の大きな変化が起きているのではないかということでございます。高齢化と、もう一つは従来の画一的なライフスタイルから、多様化に向けたさまざまな動きが生じているということになろうかと思います。すなわち、現役世代を中心とした非常に画一的な対応の中でのビジネスモデル、すなわち銀行について言えば、大口で預金を集め、また入り口のところから、こういうライフスタイルの中での預金を集めながら、網を大きくかけるような効率的な体制と申しましょうか、こうしたような状況から、より非常に多様化した、いろんな意味でのニーズが広がってきている状況にあります。そういうものに合わせた金融のあり方がどういうものであるのかというような、すなわち金融の機能の論点に沿ったさまざまな議論というもの。そうなってまいりますと、従来ながらの商業銀行的な状況に加えて、例えばフィデューシャル・デューティーを重視した信託でございますとか、さまざまなニーズというものが改めて来るということにもなろうかと思います。
 
 また、具体的な金融ニーズというのはどういうものなのかの一例を挙げたのが25ページ目以降ということになりますけれども、こちらにございますように、金融ニーズのほうも非常に多様化しているということでございます。とりわけ高齢者、中でも1人の単身の高齢者といったようなところを中心としたさまざまな類型と申しましょうか、こうしたものが非常に大きくなってきている。
 
 また、次の26ページ目のところにもございますように、左側にある生涯未婚率という概念でございますけれども、80年代ぐらいのところまでは男性は数%だったものが、今や2割を超えるというような状況の中で、非常に単身化というものが進んできているというような状況でございまして、またこうした中での未婚の高齢者のいろんな意味での課題というものが生まれてくる。当然これはいろんな意味での金融のニーズというものも生んでくるわけでございます。
 
 また同様にいたしまして、27ページのところにございますように、こちらにございます家族類型別の状況ということでございますが、よく言われる概念として、標準世帯といった概念があろうかと思います。よく言われる中で言えば、夫婦と子ども、もしくは夫婦と子ども2人と言われるようなもの。こうしたものが1つの前提として、最初の言葉で言えば波平さんモデル的な動きの中にあったわけでございますが、こちらにもございますように、今の段階で、ここにもありますように、単独世帯が35%、一番多くなるわけです。また一方で、夫婦と子どもと従来で言えば標準世帯的なところが3割を割り、いずれ単独世帯が4割近くなるような状況になると。従来ながらの標準世帯不在の時代、モデル世帯が不在という、先ほど小森課長のお言葉の中にもございましたけれども、そういう状態の中で、従来の画一的なサービスというものがさまざまな影響を受けるような状況になってきたということでもございますし、またそういう状況の中で、住宅でありますとか、流通も含め大きな変化、転換というものが生じているんだということでございます。
 
 その最も顕著な例ということでございますが、先ほどキーワードの中で、認知症の高齢者が有価証券の15%をというような試算を申し上げたわけでございますが、そうしたような状況の中で、この資産管理のあり方の検討をしていく必要があるということになろうかと思います。既に金融業界におきましては、28ページの左側にございますような、さまざまなガイドラインをつくった中での取り組みが行われているということでございます。
 
 ただ一方で、先ほど申しましたような高齢者、中でも認知症の方がかなりの部分を保有するような状況になる中で、一方でそういう状況の中で幾つかの論点というものも出てきたわけでございます。先ほど小森課長の問題提起の中にもございましたように、例えば、後見制度、後見支援信託でありますとか、後見制度支援預金等を利用した場合、どうしても現行の場合、全額の元本保証の運用となっております。一方、やはり一定の要件をつけることは重要ではございますが、ある程度の資産を、水準を超える資産については、ある程度リスク性資産も含めて安定運用できるようなことも1つ有効ではないか。それから、ガイドラインの中でいいますと、多く75歳というものが議論になっているわけでございますが、例えば28ページ、右側のところにございますように、高齢者が医療機関で受診する、例えば健康診断等も含めながら、ある程度勧誘における取引を可能とするようなフレキシビリティーというものも考え得る論点にはなるのではないかといったようなことも含めて、さまざまなこの点についての議論があろうかと思います。
 
 それでは、次に29ページ目以降でございますが、そういうものに沿ったサービスは何なのか。この辺を4番目の論点でまとめさせていただきたいと思います。まさに金融サービスの発想の転換ということが、従来、これまで申し上げたところから行われてきているということでございます。その大きな流れは、キーワードにさせていただいています「見える化」、それからシームレス&トータル、そしてワンストップ化という点にあろうかと思います。
 
 まずはこうした中での大きな流れ、発想の転換を、次の30ページをご覧いただきながらご紹介させていただきたいと思います。こちらにあります流れでございますが、金融サービスのあり方、まさにこれからは大きな転換の中で、顧客ファーストに対する流れということになろうかと思います。従来ながらということで言えば、左側のところの金融業者を中心としたBtoC的なところから、金融機能、何が求められているのかという中でのCtoBへというようなことでございまして、前回9月にありました審議会の中でも、顧客本位のというような状況があったわけでございます。こうした状況はまさに金融という供給サイドが主語になった、いわゆるセルサイド的な状況から、いわゆるお客様、利用者、また場合によっては受託者と申しましょうか、こうしたものを中心とした状況への大きな発想の転換が必要な、そうなってまいりますと、金融サービス自体も垣根を超えた、よりサービスオリエンテッドな状況が必要になってくるという点ではないかと思います。
 
 こうした状況の中、次の31ページ目のところでございますが、先ほどの小森課長の議論の中でもございましたように、とかく日本における現実的な状況からいたしますと、退職金というものがぼんと入って、そこで慌てて考え出すというような状況が多かったわけでございます。すなわち、退職金起点の運用と申しましょうか、いろんなライフサイクルというものがあったわけでありますが、先ほどから申し上げておりますように、現役世代における自助というものが必要になってきているという中で、トータルで若い世代からこうした見方を「見える化」し、そしてそれに伴って自助努力を支援する、またそういう意識を植えつけていくというようなことも重要なのではないかということでございます。
 
 そういう状況の中で、先ほどアメリカにおいては30年先行、日本がようやく追いついてきたというふうに申し上げました。現役世代に対する資産形成に対する各国の制度でございますが、こちらの32ページにありますように、ラインナップから見れば、既に遜色のないものになってきたということになるわけでございます。そういう意味でいいますと、2章でも私、申し上げましたように、車の両輪はそろってきたということでございますが、そうした状況の中で、単にこうしたものがパーツパーツにとどまらないで、全体の資産形成というものを包括的に、先ほど申しました、「見える化」し、そして自助努力に対応できるようなトータルなものにしていくかということが非常に重要な状況になってきたというふうに考えることもできようかと思います。
 
 そうした状況の中で、次の33ページ目のところでございますが、まさにここでは主に現役世代をという形でもって、DC、それからNISAを中心としたものが重要になるわけでございまして、こうした制度をいかに生かしていくかということが重要です。アメリカに遅れたとは言いながらも、日本でも整ってきたということでございます。こうしたものをいかに充実させていくかということを考えますと、最後のところで提言にも挙げさせていただいておりますが、例えばDCのところにおいての拠出限度の引き上げ、また年齢の引き上げ。そしてNISAにつきましては恒久化、例えば上限を引き上げる。こうしたものは確かに非常に重要だと、今でも思っております。ただ、私はここで今回申し上げたい点は、それに加えて、まさに今こそという中で、2章目に挙げたところで、1つの行動経済学的な、近視眼的な損失回避的な動きと申しましょうか、こうした動きの中で生じているバイアスです。要はこれまでの非成功体験というものの中で、どうしても運用というものが保守化してしまっている状況が根強くあるわけであります。それを先ほど申しましたように、まさに両方の条件が育った状況の中で、ノルムと申しましょうか、定常状態を変えるためには、ある程度いわゆる行動経済学的にナッジで後押しするというようなものも必要になってくる。
 
 となりますと、そこにおける個人のハードルを倒すために、海外の実例を事例といたしますと、例えばDCにおける自動加入でございますとか、デフォルト商品におけるリスク資産の設定。また、加入時は自動にデフォルト商品にというような、こうした例えばターゲットデートファンドをデフォルトにしていくような、こうした幾つかの対応策というものも、1つ論議の対象になるのではないかということでございます。これはまさに先ほど申しました、今こそということにもつながろうかと思います。
 
 また一方で、34ページ目以降でございますが、高齢者に必要なものは何かというような状況の中で、新たな金融サービスというようなものも必要になってくる。要は逆算的な発想と申しましょうか、高齢者における必要なサービスは何なのかということから、そのサービスをということからいたしますと、この34ページ、右側のところにございますような、リスク特性を変化させられる、例えばターゲットデートファンドみたいなもの。また、信託商品への資金シフトということの中で、ある程度高齢者の方が元本保証の中で安定的に動かせるようなもの。また、それに加えた非金融的な側面を持たせるということが必要なのではないかということでございます。その具体的なものは、この35ページ目のところでございますが、高齢社会におけるワンストップ化と申しましょうか、実は私も親の介護をやっておりますと、ワンストップ化の非常なニーズというものを、まさに自分自身も感じるものでございますけれども、ここにございますような信託の1つの類型というものは、たまたま非金融的なものも含めて、垣根を超えたさまざまな機能を一緒にできるということにもなろうかと思います。
 
 また、次の36ページ目のところにございますように、長生きへの備えといったようなものも、さまざまな金融商品が生まれているということでございます。
 
 また、次の37ページ目以降は不動産の状況でございますが、先ほど小森課長のほうからのご説明にもございましたように、高齢者が持つ資産の多くは、具体的には3分の2は不動産でございます。こうしたものをいかに利用できるかという観点が非常に重要になるわけでございまして、そうした観点から申し上げますと、この38ページ目のところ、先ほどの問題提起の中にもございましたが、やはりリバースモーゲージは非常に有効な選択肢であるということでございます。ただ、現実を考えてまいりますと、まだまだ課題も多いというのが現実の状況でございまして、こうしたところをいかにさまざまな制度設計を対応していくかということは、今後の重要な論点になろうかと思っておりまして、例として幾つかのものを挙げさせていただいているということでございます。
 
 最後になりますけれども、39ページ、5章ということで今申し上げたところのまとめの5つの提言を簡単にして締めくくらせていただければと思う次第でございます。
 
 こちらの5つの提言ということでございますが、40ページ目にございますように、大きく分けますと2つございます。1つは、現役世代向けということでございまして、まさに自助による資産形成の重要性ということを申し上げたいということ、これが3つの状況でございます。それから、後半部分のところは高齢者向けということで、多様になってきている高齢者のニーズ、幾つかの例を挙げさせていただきましたが、そうした状況の中で、リスク資産への現役世代へのシフト、成長戦略につなげていくということになろうかと思います。
 
 それでは、41ページ目以降、提言を簡単にさせていただければと思う次第でございます。まさに第1、DCを老後資金蓄積の中核的存在とするということでございます。ただ、先ほど申しましたように、どうしてもバブル崩壊後の非成功体験というものが大きいというような状況でございます。そうなってくる中で、先ほどの繰り返しにはなってまいりますけれども、もちろんここにおける限度額でございますとかさまざまなものを、海外と比べてもまだ見劣りしている部分はございますが、ただ、このDCへの自動加入、それからDCが老後資金において公的資金を拡散できることを制度的に明確化するためにも、例えばデフォルトでの一体の対応、デフォルトファンド的なものにおいて、ターゲットデートファンド的なものを1つの利用できる仕組みも考えられます。幾つかのそういう対応というものは、先ほど申し上げました行動経済学的な状況の中からも、また今の局面の中でも重要な面があろうかと思っております。
 
 それから、42ページ目のところでございますが、NISAにつきましては、恒久化、また拡大ということでございますが、最後のところにその他というのがあるんですが、その中で、例えば退職金の受け皿として、一般NISA、もうちょっと枠ができるといいのではないかなという部分は、1つ議論としてあろうかと思います。
 
 それから、43ページ目のところ、提言3でございますが、「見える化」ということでございます。先ほど申しました、トータルに、シームレスにというような、退職金の起点ということではないというような状況の中で、ライフサイクル全体を通じてということでございます。これに対応して、やはり金融リテラシーと申しましょうか、私が先ほど申しましたように、必ずしも日本の場合、リテラシーがないということではないと思いますが、しかしながら、30年間近い状況の中で生じてしまったバイアス、そうしたものを崩すためには、ある程度やはり幾つかのイニシエーションも、重要でございまして、そのためには教育、金融リテラシーをというようなことでもございます。また場合によっては官民を挙げて、また労働者側、それから使用者側、組合なども含めて、さまざまな観点からこうした教育を行うということが重要なのではないかというふうに思うわけでございまして、こうした退職金もどうであるか、退職金も含め将来の収入状況を通知する仕組みみたいなものも幾つか重要ではないかということでございます。
 
 それから、次の44ページでございますが、高齢者の多様なニーズに対応するための規制緩和というようなことでございまして、例えば先ほど申しましたような非金融的なもの、金融サービス以外のものに対しても、ある程度金融機関が取り扱い可能なところ。どうしてもやはり制度的には銀行法等も含めて限定されておりますので、ある程度その辺のところへの対応。それから、高齢者に対する顧客ファーストを実現するべく、さまざまな運用の商品設計というものも必要なもの。ワンストップ化と申しましょうか、こうしたことも重要になろうかと思います。
 
 最後、45ページでございます。有価証券の生前贈与を促すための税制ということを申し上げましたが、先ほど最初に、認知症の方が有価証券の15%をというような状況の中での、やはりこうした成長戦略につなげていくためには、ある程度こうした資産の移転が行われるような状況も必要でありますし、これまで教育ですとか幾つかのところになってまいりましたけれども、それにこの高齢化に伴う対応も必要なのではないか。また場合によっては、上場株式と不動産の相続で、評価のイコールフッティングを実現するというようなことも含めて、高齢者の方からリスク評価の高い、若い世代に移転できるようなことをしていくというのが、やはり大きな成長戦略につながるのではないかと思います。ちょうど時間にもなりましたところでまとめをさせていただければと思う次第でございます。
 
 今回、こうした機会をいただきましてどうもありがとうございました。また今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします。
 
【神田座長】
 どうもありがとうございました。
 
 それでは、冒頭申し上げましたように、ここで意見交換に入る前に、5分間の休憩を試みとしてとらせていただきたいと思います。10時33分ごろ再開をさせていただきたいと思います。一旦休憩とさせていただきます。

( 休 憩 )

【神田座長】
 休憩が短かったかもしれませんけれども、再開させていただきたいと思います。
 
 それでは、今の事務局のご説明と高田委員からのご説明を受けて、皆様方からご質問、ご意見をお出しいただきたいと思います。高齢社会への対応ということでの今日は第1回目でございますので、幅広く重要だと皆様方が思われる点のご指摘、今後ここで議論すべき点、あるいはこの国が課題として今後取り組むべき点など、どうか幅広い観点からのご発言をいただければと思います。
 
 どなたからでもお願いします。佃委員からどうぞ。
 
【佃委員】
 ありがとうございます。まず、高田先生、すばらしいプレゼンテーションをありがとうございました。大変よくまとめていただいていて、全体の概観ができたと思います。
 
 ここに書いていただいて、プレゼンテーションしていただいた内容に関しては、私は120%本当にそのとおりだと思います。一方で、今、高田先生からプレゼンテーションを聞いていて、具体的にこの5つの提言を実現していく上で、何が課題かなと考えると、今回のプレゼンテーションでは触れられておられませんでしたけれども、個人的にはやはり金融機関の経営の改革が大前提になると思います。
 
 例えば、資産運用の重要性であるとか、顧客視点のきめ細やかなサービスの提供等をほんとうに実現していこうと思ったときに、日本における金融機関の現状というのが、果たしてそれに応えられるような体制になっているのかを考えると、甚だ疑問であるというふうに実感しています。
 
 3点申し上げます。まず1点目は、資産運用に関してですけれども、やはり資産運用の人材が育っていないという現状があると思います。日本の場合、多くの資産運用会社が、大手金融機関の傘下にある中で預金・貸出を中心とした商業銀行モデルの思想から脱却できていないと。そういった中で、人事ローテーション等も行われて、結果的に資産運用の事業サイドのほうで大きな課題を抱えているのではないかという問題意識を持っております。
 
 それから、2点目に、リテールの事業です。リテールビジネスに関しても、全く同様のことが言えるのではないかなと思います。大手の金融機関の経営陣を見ますと、ほとんどの方々が法人部門、それから海外部門の経験が中心になっています。先日もあるメガの、いわゆるウェルスマネジメントの担当になられた役員の方と意見交換したんですけれども、この方もその経験が初めてであるというような話でした。そうした中で、では果たして金融機関において、経営レベルで、ほんとうの意味で顧客本位の業務運営というのが正しく議論され、正しく経営判断されているのか。ここの部分は、ぜひともやはり検証していく必要があるんじゃないかと考えます。
 
 それから、3番目、顧客ファースト。これは私もこのとおりだと思います。顧客ファースに関して若干ミクロな話ですけれども、私自身の経験をここでシェアさせていただきます。私自身、実は先ほど高田さんおっしゃられた、54歳の波平さんでございまして、まさに54歳なんですけれども、少し衝撃を受けました。もう自分も波平になってしまったのかと思うんですけれども、実は私、2年半前に大病を患いまして、高齢者ではないとは自負しておりますけれども、将来に対して非常に不安を持ちました。そのとき実は、私はある欧米の金融機関と過去10年お付き合いしているんですけれども、ここの営業の担当の方から、ものすごく安心という、ほんとうにプライスレスのものをいただきました。具体的に言うと、この営業の方というのは、過去10年間人事異動してないんですね。私のことをよくわかっている。私の性格もよくわかっている。当然のことながら、私のフィナンシャルな状況もわかっている。私の家族構成もわかっている。私がじゃあどういう思いで今生きているかというのもわかっていると。そういった中で、ほんとうに親身になって、金融の運用がどうのこうのというレベルじゃなくて、私自身の人生に関して寄り添っていただいた、こういうふうなすばらしい経験をしました。
 
 こういうふうな話を、例えば日本の金融機関の方に話をすると、でも日本では、当然ながら営業担当者というのは悪いことをするかもしれないので、2年、3年で必ず定期異動させるみたいな話があるんですね。私が少なくとも経験したところでいうと、欧米の金融機関というのは、例えば外国為替の取引するときには、その営業担当の人が出てくるのではなくて、当然全く別の部門の方がトランザクションにかかわることで、リスク管理というのをきっちり徹底できていると。
 
 その一方で、やっぱり営業担当、私のことをよくわかっている営業担当というのは、10年という時間軸で私の担当をしていただいていると。こういうふうなことを欧米の金融機関は当たり前のようにやっていると。そういった意味で、日本の金融機関はこれができないということではないと思いますので、ぜひともこの場でのディスカッションの結果、日本の金融機関の経営が変わって、行動が変わって、その結果、我々国民がハッピーになっていくというふうな世界を実現できればなと思います。
 
 まとめますと、高齢化社会だからこそ、本邦の金融機関が今まで以上に付加価値を出せる、私は最大のチャンス到来だとポジティブに捉えています。そういった意味で、今日事務局の資料には論点としては出ていませんけれども、以上申し上げた観点もご検討いただければと思っています。以上です。
 
【神田座長】
 どうもありがとうございました。では、野尻委員、どうぞ。
 
【野尻委員】
 事務局のご説明、それから高田さんの非常に全体がはっきりとわかるプレゼンテーションをいただきましてありがとうございました。
 
 どこにという細かい点ではなくて両方伺わせていただいて、4つぐらい自分の中でクリアにしておかなきゃいけないなと思いながら伺った点がありますので、ご案内と質問をしたいと思います。
 
 まず1つ目は、やはり退職後の時間が30年、40年という時代になっていく中で、金融資産をどう取り崩すかというところをもっとフォーカスを当てていただきたいなと思いました。言葉としては含まれているわりに、資料の中にどう取り崩すかというところが弱いように思います。資産構成、我々はついつい運用というと長期、分散、時間分散、これをやっていればいいみたいなことを言われるんですけれども、やはり退職後になるとどうやってリスクを減らしていくか、リスクをどう扱ったらいいか、定額で引き出すのがいいか、定率がいいかとか、Sequence of Returns Riskはどう取り上げるのかといったことは、日本ではほとんど議論されてこなかったと思います。やはり取り崩しに対して考え方、理論等をもっと議論する必要があるんじゃないかと思います。
 
 それから2つ目なんですが、「見える化」というのも非常にキーワードとしてはうれしいし大事なことではあるんですが、問題は現役時代の「見える化」ではなくて、退職した後の「見える化」というところになると、なかなか簡単ではないというふうに思っています。退職までに幾ら用意すればいいかということでさえ、今やはり高田さんの資料にも、ゆとりある老後に幾らという、全員一律の金額を前提にした推計というのが避けられていないんですね。我々にはもう少し多様化ということでいえば、例えば、年収だとか、生活スタイルだとか、どこに住むかとかいったことを前提にした「見える化」がもっと求められるのではないかというふうに思いました。
 
 それから3番目は、退職前のアドバイスみたいなのが、もしくは退職前後の投資教育が大事なのではないかというふうに思っています。これはイギリスではペンションワイズというのが2015年だったですかね、スタートして、DCの資産を取り崩した方は無料で政府から投資ガイダンスを受けられるという法律が決まって動いています。まだ使っていらっしゃる方は10人に1人だと言われていますけれども、お金に対してセンシティブなときにこそ教育をするという、タイミングが大事だと思いますので、これは教育という言葉が正しいかどうかはちょっと別にしまして、お金のことを考えるいいタイミングのときに、いい情報を提供できるというのは大事かと思いました。
 
 それから、高田さんの資料の中では幾つか出ていたんですが、世代間仲介型という言葉だとか、未婚率とか、ワンストップとかというキーワードが幾つか出ていたと思うんですが、個人的には世代間仲介というのは、自助とは何となく反対な方向に行っているように思えますので、やはりシームレスというか、自助をずっとつくり上げるときも取り崩していくときもカバーするというのが、私にとってはしっくりいくなと思いました。
 
 それから、未婚率の議論は、金融庁さんの資料にも出ていたと思うんですけれども、未婚かどうかの議論をするよりは、私はシングルかどうか。実は未婚でなくても既婚でシングルという方は、今大変多くなっています。あまり結婚したかどうかなんてことに触れる必要はないですし、ちょっと言い方を変えると、制度の中で議論するような話ではないと私は思っていますので、家計がシングルかどうかというところのほうが、もう少し気になるところでありました。
 
 やはりこういう議論を詰めていくと、一番私は大事なのは、ワンストップという言葉もありましたけれども、お客様側に立ったアドバイザーがどうしても必要になるのではないかと思いました。これが4つ目のところだと思うんですが、いろんな多様性があるというところを、金融機関が1つのサービスで、もしくは1つの考え方でカバーするというのはほんとうに厳しくなっていると思います。8月にアメリカに出張で調査に行ってきましたけれども、一番印象的だったのはデキュミレーション、取り崩しの時代は、プロダクトではなくてプロセスであったり、ソリューションであるということでした。要は総合的なものなんだということを非常に印象強く持って帰ってきました。それを支えてくれるのは、実はお客様側にいてくれるアドバイザー。先ほどの佃委員のお話でもありましたけれども、ずっと変わらないで支えてくれる人たちを早くつくっていくという作業が、我々にとっては大事なんじゃないかと思いました。以上です。
 
【神田座長】
 どうもありがとうございました。それでは、池尾先生、どうぞ。
 
【池尾委員】
 どうもありがとうございます。先ほど佃委員がご指摘になったように、金融機関の経営レベルでいろいろな課題なり問題があるというのはそのとおりだと思うんです。私も金融機関の方には、もっと経営改革とか経営努力に取り組んでいただきたいというふうに思っているんですが。ただ、この今回取り上げている問題、高齢化社会における新たなニーズに対応していく、ないしは超高齢化が進行したことに伴う問題を解決していくということが、金融機関の経営努力だけでできる問題かというと、それは絶対そうではないというように他方で思うんですよね。
 
 だから、問題解決に向けての取り組みの全体像みたいなものを押さえておく必要があるような気がするんですね。その中で、金融機関がやるべき課題はこの部分であって、それから、それ以外の政府部門なりが担うべき課題はどういうものかという、全体像を押さえておくことが、議論の最初の出発点において大切ではないかというふうに思います。
 
 もちろん金融審議会ですから、取り上げられるテーマないし領域は限られてくることはあると思うんですが、ただ、問題自体が非常に大きな広がりを持っているということは認識されているからこそ、従来よりも多くのオブザーバーの方に出席していただいていたりするんだと思うので、初めから全部問題が金融機関の経営の問題に集約されてしまうと、ちょっと不十分じゃないか。最終的にはそこに議論を集中していくとしても、繰り返しで恐縮ですが、出発点としてはもう少し問題解決へ向けての全体的な取り組みの概略図みたいなものを押さえておくことが必要だと思うんです。
 
 乱暴な言い方をすると、金融というのは要するにキャッシュフローをつくり出すことはできないので、キャッシュフローを組みかえることが金融であってですね。キャッシュフローをつくり出すのは事業会社であったりするわけですから、日本経済全体としてのキャッシュフローの創出能力が高まらないと、なかなかほんとうに課題に応えていけないということで、日本の企業の稼ぐ能力を高めるということに、この間取り組んできたはずなんですけれども。
 
 ただ、高田さんの資料13ページにありますが、潜在成長率を見た場合に、多少高まってきたとはいえ、ターゲットであるはずの2%にはまだまだ距離があるという状況の中で、高田さんのプレゼンテーションではわりと楽観的に条件が整いつつあるという話でしたが、なかなか制約条件がきつい中で、金融機関の方に頑張っていただかなきゃいけないんだけど、制約条件そのものをもう少し緩める。やっぱり将来不安を払拭するというのが最大の大きな前提条件になると思うので、それは金融機関の努力だけではできないという面が強いので、そのあたりのことを押さえた上で、問題に入っていっていただきたいなと、そういう感想みたいなことを思いました。
 
【神田座長】
 どうもありがとうございました。それでは、永沢委員、島田委員の順で。永沢委員、どうぞ。
 
【永沢委員】
 ありがとうございます。前回欠席いたしましたので、私は総論的なことと気づいたことを4点ばかりお話しさせていただきたいと思っております。
 
 まず第1に、今回は高齢社会における金融サービスということですが、前回の市場ワーキングでは、主に個人向けのアセットマネジメントビジネスの課題、特に販売時に手数料をいただくビジネスモデルの限界について議論をし、問題意識を共有して、金融機関の新しいビジネスモデルはどうあるべきかというようなことを中心にお話しさせていただいたと私は認識しております。
 
 私は、金融機関が販売時に手数料をとるビジネスモデルからどう変われるかということが重要と思っています。金融機関に求められているのは、今日ご指摘がありましたこと、高田メンバーのプレゼンには私も120%賛成でございまして、また金融庁から提示いただきました視点についても全て賛成なのでございますが、加えていかなくてはいけない今後の視点として、家計は持っている資産を管理しそれを処分して生きていくわけですけれども、その営みを金融機関はどうサポートできるかということを提案したいと思います。そうしたサービスを提供して収益を獲得できるビジネスモデルに転換できるかというところが、今後の金融機関のあり方として私は重要なのではないかなと思っております。
 
 家計の資産の管理や処分を手伝える金融機関というのが重要になると思っているんですが、専門家に依存する関係というのも今後ますます重要性が高まってくると思います。信託という言葉が出てきましたが、私は法律的なことはわかりませんけれども、欧米で使っている信託と日本における信託というのは少し違っているように聞いておりますが、日本流の信託というんでしょうか、信託に変わる言葉があるのかもしれませんが、信頼して任せられる関係というものがどういうものか、その概念の共有化をこの場でできれば、そういった関係に基づくビジネスモデルとしてどういうものをつくっていくのかというところに一歩踏み出せるのではないかというふうに考えております。これが第1点目でございます。
 
 2点目として、「見える化」という言葉は、やはりここでもキーワードになると思っています。高齢者と金融機関の紛争に立ち会うことがあり、そうした経験からですけれども、お子様との情報共有とか意識の共有が紛争の予防に役立つと感じています。資産の管理をどのようにしていくのか、処分をどうしていくのかということの「見える化」も必要ですが、「見える化」は何のためにするのかというところも重要であり、自分だけに見えるのではなくて、家族にもそれが共有できるようなことも制度的に後押しが必要なのではないかというふうに感じております。
 
 3点目ですけれども、国土交通省の所有者不明土地の問題に関する会議体にも参加しておりまして、本日の資料の中で、土地は値上がりする資産と位置づけられております点にやや違和感がありました。土地はもちろん資産なんですけれども、精神的にも金銭的にも負担のある資産である場合もあり、その管理や処分が非常に深刻な課題となっていることもあり、リバースモーゲージという考え方は、かなり一部の限られた人のものだなと思いながらこの提案を拝聴してました。国民全体の課題に対するソリューションとしては、国土交通省のほうで土地は値上がりする資産であるという前提に基づいてつくられた土地基本法を見直す動きに入っており、そういった審議とも連携しながら、全国の、特に過疎地のほうに土地を相続してしまう国民もそれなりにいるわけですから、そういった現実も踏まえたご提案があるといいと思いました。
 
 最後に、実は前回欠席したのは、世の中キャッシュレスと言われるので、中国のほう、上海から奥の無錫とかあの辺に出かけてまいりました。これは日本も相当キャッシュレスが進むなと私は思ったのですが、そのような経験の直後に、もう一つ参加しております金融制度スタディグループのほうで、マネーフォワードの方のお話を聞き、私たち消費者が見える金融サービスというのが、金融サービスの接点といったらいいでしょうか、その風景が変わってくると思っています。先ほど高田委員からBtoCからCtoBというお話がありましたけれども、我々利用者が、これまで金融サービスを利用するときには、何とか証券とか何とか銀行の店舗だとかATMとか看板とか、そういうものを見てきたわけですが、これから数年後、10年はないのかもしれません。消費者が見る金融サービスの風景はスマホのアプリ画面になるかもしれないわけです。そういったところも踏まえて、金融機関のほうは、Cからどう見える金融サービスなのかという視点も持っていただくことが必要なのではないかと思います。フィンテックは地域格差の解消には役立つかもしれませんが、アプリサービスを使いこなせなくてついていけない人をどうするのかというような問題も新たな問題としてあるわけで、誰一人取り残さないようにするにはどうしたらいいのかという点も視点として必要なのではないかと、少し市場ワーキングの話題からは外れますけれども、感じております。以上でございます。
 
【神田座長】
 どうもありがとうございました。島田委員、どうぞ。
 
【島田委員】
 資産形成、資産運用の部分については、環境がほんとうに整ってきていて、顧客本位の考え方で、金融機関がまず邁進していただいて、拡大を進めていただければよろしいと思いますし、制度のほうも恒久化、あるいは上限額の引き上げなど、制度の拡充をしていただければ大変明るい未来が開けるのではないかと思いながらお話を伺っておりました。
 
 一方で、このお話の中で、退職金の受け皿として制度をもう少し拡充したらどうかというようなご提言があったようですが、この点については、退職金の受け皿という考え方にはある種の危険もはらんでいるのではないかと考えております。現在は、まだ投資の経験が非常に浅い、あるいは経験が全くない方が退職金をいただいたところで、退職金で投資デビューをするという形が非常に一般的でございますので、退職金特有の受け皿を考えるというよりは、現状のNISAなどの枠の中で、徐々に投資に慣れていただければ十分ではないかと。そういう意味でも恒久化、あるいは上限額の多少の拡充は必要かとは思いますが、退職金に対して特別の何か制度をつくるといったことは、あまり運用については必要ないのかなとは思います。
 
 確かに高齢化の中で、我々としても個人的にも、あるいは周囲を見ていても、お金のアドバイスだけではなくていろいろなことが起きてまいります。病気をしたときにはどこのお医者様にかかればいいのか、あるいは親の介護についてはどういうことが必要なのか、そういうことがありますので、トータルでのサービスを金融機関がお考えになるということは大変ありがたいことではないかとも思いますし、1カ所でそういった情報が手に入るということであるならば、これはほんとうにワンストップという考え方にも頷けるところがあります。金融機関がお金のアドバイザーから暮らし全体のアドバイザーの役割を地域で果たしてくれるということになりますと、非常に便利なことではあると思います。

 ただし、一方で1つ不安に思いますのは、ワンストップ、あるいはトータルといった中で、現在例えば金融商品の、投資信託で散々我々がお話をしてきたように、規制緩和によって複雑化をしてくる、そしてわかりにくくなる。1つにパッケージをされることによって高コストになって、ダイバーシティのない類型的なサービスになるといった同じようなことが次のサービスで起こるということは、あまり望ましくないと思います。1つのパッケージにするというよりは、まず我々はどのようなサービス、どのような問題が我々の中でこれから起きてくるのかということについて、1カ所で知ることができるといった意味でのアドバイス、あるいはパーツそのものを比べられること、あるいはコストが妥当かどうかということも認識できるようなことというような、バラエティーのある単品サービスの認識をできるような形で総合的なサービスの中に組み入れていくということをお考えいただけたらありがたいなと思います。
 
 それから、こういったサービスが一つ一つ、この部分が必要で、パッケージになっていたら便利だということになったときに、パッケージのほうを考えていただければいいのではないかとも思います。ありがとうございます。
 
【神田座長】
 どうもありがとうございました。それでは、駒村委員、鹿毛委員の順で。駒村先生、どうぞ。
 
【駒村委員】
 ありがとうございます。今日の議論は2つから構成されていたと思います。1つは、生涯にわたる資産形成の話と、もう一つは老後の資産の活用という部分があったと思います。後者の問題は、高齢者の心身の特性を理解した議論も必要だと思いますので、これはまた機会があれば議論したいと思っております。
 
 今日は前者のほうの、生涯にわたる資産形成について少しお話をしたいと思います。高田委員の資料の33ページのご主張というのは、私も全面的に賛成であります。これまでの各委員からのご発言にもあったように、「見える化」、さらにはより個人化された「見える化」、このことによって何を自分が準備をすればいいかがわかるようになる。そのことによって、将来不安が解消されるようになる。そして、それを後押しするように、例えばDCをデフォルトにして加入できるように、あるいは資産選択も若い時には、高いリスクをとっていただくことも大変今後必要ではないかなと思います。現実に若い世代は、今日の資料も、事務局も高田委員の資料も、若い世代の資産形成がかなり遅れてきているということを明らかにしてございます。
 
 ただその一方で、高田委員の23ページの資料でも典型的であるわけでありますけれども、これはいくつかの前提があると思います。例えば、年金についてはケースGを使っているというのは、厚労省はEを標準として使っているわけでして、Gというのはかなり保守的というか、深刻なケースという、大幅に代替率が下がる。ケースEという標準ケースでも、対賃金上昇率で評価した場合、代替時で評価した場合は、厚生年金の場合、20%の給付が2040数年までに引き下げられると。国民年金、基礎年金の場合は30%近い実質切り下げになってしまいますので、ケースGになるともっと深刻なのかなと思います。
 
 あと、いろいろ前提が入っていると思います。65歳で退職するという前提、あるいはその後の若い世代ほど寿命が伸びているということを、これはカウントして計算しているかどうか。そのほかに逆にもっと深刻な事情もあると思うのは、おそらく社会保障料負担が、今後若い世代は上がって老後を迎えますので、ほんとうにケースGに近いような状態に手取りベースだと落ちていく可能性もあると思いますので、いろいろこれは考えていかなければいけないんですけれども、ここから出てきた数字が仮に4万3,000円毎月拠出が必要である、積み立てが必要になるということになるわけですけれども、20代半ばぐらいの世代の現役の世代の手取り賃金というのは平均でどのぐらいかというと、おそらく20万前半だと思うんです。20万前半の方から4万3,000円を貯蓄してくださいとなると、手取りが17万とかそんな感じになってしまって、なかなか説得できるような数字ではないと。まあ、デフォルトまでは言わないと思いますけれども、説得できないと思うんですね。
 
 1つ提案というのは、個人がやるべきことは何なのかを見せる工夫。ただ、これを金融資産の形成だけでこの長寿問題に対応しようと思うと、かなり無理な提案をしなければいけないという話になってくると思います。したがって、実際に長寿化の問題に対応するためには、金融資産の形成と当然就労の長期化の問題とそれに連動した年金改革が必要になります。例えば、長寿を就労だけで対応しようと思うと、寿命が延びた分を全部就労だけで対応しようと思えば、70歳以降も働き続けろという話になると思いますし、公的年金だけで、寿命の延びた分何とかしようとなると、これはマクロ経済スライドを相殺するためには、自ら選択して支給開始年齢を70ぐらいまで遅らせないともたなくなりますので、いずれにしてもどれか一つの政策の1本足では打ち返せないという話が見えてくると思うんですね。
 
 若い世代に「見える化」して、こうしなければいけないよということをお勧めするということは表裏一体、政府全体のやるべきことの「見える化」も必要になる。もちろん、ここは年金の話なんかするところじゃないし、就労の話をするところじゃないですけれども、政府のいろいろなところでこの長寿のテーマで議論していますので、金融市場政策のほうではここまでできますといったように各省庁が守備範囲のなかでできることを見える化する。つまり政府側にとってやるべきものを「見える化」すべきではないかと思います。
 
 いずれにしても、金融だけで人生100年に対応するということはかなり厳しいことになるのではないかなと思いますので、「見える化」の効果、工夫をしていただきたい。そういう議論も触れられればいいかなと思います。以上です。
 
【神田座長】
 どうもありがとうございました。鹿毛委員、どうぞ。
 
【鹿毛委員】
 今、私が申し上げたいことを駒村先生がおっしゃっていただきました。今日の事務局のご説明、それから高田委員のご説明で今回のテーマの全体像を示していただいて、ほとんどの問題点も指摘されていると思います。おそらく私はこの部屋の中で唯一、高齢層に属する人間でしょう。そういう点で、今回使われた現役、高齢層という言葉の使い方に、申しわけないんですが、違和感を感じています。つまり、働く現役層と働かない高齢層という二元論は今後の人生100年時代には通用しないんじゃないかと。この点、現役層の方々に再検討していただく必要があると思います。
 
 言いかえますと、仮にモデルとして人生90年、ざっくり20歳から65まで45年働くとすると、45年間働くだけで90年の人生を生きる事が可能か、という根源的問題です。駒村先生おっしゃったように、貯蓄とか金融とか年金だけでは無理な話だろうと思います。例えば、多くの農林水産業とか自営業の方は元気である限りいくつになっても働いているわけです。おそらく平均寿命が延びていくというときには、健康寿命も延びていくわけで、単に生きるためだけではなくて、社会とのかかわりとか生きがいとかそういうものを全部含めた、働くという概念も変わってくるのではないかと。
 
 一方では、確かに会社とかお役所にしても、そんないつまでもおられても困るわけです。つまり、それなりの報酬を得なければ生きていけないという意味での現役層と、ある程度の追加収入を求める高齢層と一体労働市場がどういうふうに分かれていくのか。現在も少しずつは分かれていっていると思いますが、その分かれていく労働市場の中に、60代、70代、健康な80代も何らかの形で参加していくということも前提として考えていく必要がある、ということが第1点です。
 
 第二に、そういう点も含めて、高齢化時代の人生設計は大多数の方にとって極めて難問だということを意識する必要があります。一方では金融機関にとってはオポチュニティーでもあり、放っておいてもいろいろな形で事業として出てくると思いますし、もちろん政府も非常に重要なテーマなので、様々な施策が打ち出されると思います。しかし10年たち20年たって状況が変わっていく中で、うまくいかないというリスクもかなり大きいと思われます。金融機関や政府とされても、期待値の管理が重要と思います。過大なバラ色の期待があったときに、失望も大きくなり、社会問題にもなりかねない。
 
 この問題は、結局最終的には自己責任から逃れられないわけです。これは難問だということは、特に金融機関としても考えておいたほうがいいのではないかと思います。
 
 第三に、高齢期の生活費のコストカットの問題です。今、高齢層の自己破産というのは、意外と現役のときに高給取っていた人が多いという事も聞きます。収入が少なくなってなくなってきた段階でも生活水準を落とせない、頭が切り替わりにくいということがあると思います。一方では、これもご指摘あったように、地方のほうがいろいろな意味で生活費が安いわけですね。ですから、年金など限られた収入で生きる場合の自己防衛としては、地方への移住も一案でしょう。日本全体としても移住を政策的にもう少し後押しする必要があると思います。
 
 総務省でも積極的に推進しているというお話も聞きますが、一方では地方の方は、若い人に来てほしいという気持ちもあると思いますが、ただ、実は都市部でも、レストランに行ってもジムに行っても、お客の多くが高齢層で、サービス業の側の人は若い人です。ですから、顧客である高齢層が来ることによって、現実にはサービス業も発展して、若い人もそこに就業機会が出るという可能性もありますので、あまり若い人だけにこだわらない地方への移住政策というのは、今回のテーマの中でも1つの柱になるかなという気がしております。
 
 次に、サプライサイドに関しては、広い意味の金融機関がいろんな形で本格的に取り組んでおられると思います。ただ、これは主としてある程度以上の資産をお持ちの方を対象としているかと思います。それが金融機関にとっても当然のことながら、収益性のある分野だと思いますが、これは国民全体の中のごく一部であって、社会的に必要なのはそうでない方々の層だと思います。その層は、金融機関としてはあまり収益性が期待できない。一方では、いろいろな意味での投資も必要になる。一体この分野を事業としてどういうふうに成り立たせていくかということが今後の重要課題でしょう。
 
 長期的にはAIの利用などの形で、サプライサイドのコストカットも十分できるとは思います。一方では、例えばIT等だけで、ロボットなりタブレットだけで見守りをしていくというようなことはもちろん一部では今、始まっていますが、やはりフェイス・トゥ・フェイスのサービスも欠かせない。
 
 これは単なる思いつきですが、そこに一般の労働市場の給与体系でやっていくのは、無理かもしれないが、そこに健康な高齢者が、健康でない方をサポートする、そんなに高給もらわなくてもいい、というような形のサービス提供ができないかなとも思います。。
 
 最後に、預ける側に立って考えると、確かに将来増やしてくれるということも大事ですが、ちゃんと責任を持って管理してくれることが最も重要です。逆にいいますと、今、オレオレ詐欺の問題とか、あるいは一部の後見人制度で問題が出るとか、こういうことへの対応です。
 
 私見ですが管理を任せる条件としては、10年、20年後でもある程度安心できるような企業で、しかも当局の検査も定期的に行われて、人が替わってもそのサービスが継続するといった点でしょう。さっき永沢委員がおっしゃったような、そうしたサービスが顧客本位になっているかどうかということが、今後の1つの議論のテーマと思います。以上です。
 
【神田座長】
 どうもありがとうございました。それでは、札を立てていただいた順番に、概ね次のようになると思います。林田委員、大崎委員、中野委員、竹川委員、それから野村委員、福田委員、濱口委員、神作委員ということで、林田委員、どうぞ。
 
【林田委員】
 ありがとうございます。大変充実したプレゼンテーションで、大変勉強になりました。ありがとうございました。
 
 3点ほどコメントしたいと思います。1つ目は、預貯金しかずっとしてこなかった人が、退職金を定年で手にして、それをきっかけに一転して投資信託であるとか株式とか、元本保証のない資産で運用するというのは、心理的にもリテラシーの面でもかなりハードルが高いんじゃないかなというふうに思います。やはり若いうちからリスク性の資産にある程度慣れておいて、その延長線上に退職後の資産運用があるという形にしないと、裾野はなかなか広がっていかないのかなというふうに思います。
 
 やや迂遠な感じはいたしますけれども、現役世代をターゲットにして、資産運用の普及策を強化するということが大変重要だろうと思います。iDeCoやNISAは、資産運用の格好の入り口になるんだと思います。一層の普及促進策を考えていくべきだと考えています。
 
 次に、長年株式や投資信託で資産運用してきているお年寄りは、みずからの相続を意識し始めると、預貯金にそれを切り替えてしまうと。運用を手仕舞してしまうという話をよく聞きます。預貯金のほうが相続するときに分割しやすくて便利だからということだそうであります。ですから、リスク性資産であっても、円滑に相続できる何らかの仕組みを工夫していけば、運用の断絶を防げるのではないかと思います。具体的な知恵がなくて大変恐縮なんですが、高田委員は生前贈与を提言されておりましたけれども、ほかにも何かよい手がないか、皆様の知恵もお借りしながら検討を進めてはどうかと思っています。
 
 最後に、前回のワーキングで大崎委員が指摘されていましたが、私のような現役世代の勤め人は、会社の内規などで株式投資をやりにくいという状況があります。マスコミでも、主にインサイダー取引の疑いをかけられるリスクを回避するために、多くの記者は株式などの取引を禁止されていると思います。これは会社によっていろいろケース・バイ・ケースだと思いますけれども。例えば、金融庁などの職員も、株式取引についてはいろいろな制限がかかっているんだろうと思います。多くの場合、インデックス投信のようなものまで禁止されているわけではないと思いますけれども、念のためにやめておこうかとしり込みをしている人もかなりいるのではないかと推察されます。こうした内規は、組織のリスク管理上設けられておりますので、簡単に撤廃することはできません。その壁をどう乗り越えていったらいいのかといった点についても、こういった場で検討していけば、現役世代の資産運用ということでは裾野が広がってくるのかなと思っております。以上です。
 
【神田座長】
 どうもありがとうございました。大崎委員、どうぞ。
 
【大崎委員】
 ありがとうございます。高齢化に伴う課題みたいなことを何回か検討するということなので、ほんとうは今日は総論的な意見を申し上げることが期待されているのかなと思いつつ、私は細かいことばかり気になるので、細かいことを4つほど申し上げたいと思います。
 
 1つは、高田委員のお話の中で出てきたかと思いますが、証券業協会の高齢者加入ガイドラインなのでございますが、高田委員からも、今、画一的な運用になっているのではないかということで、例えば健康の状況なんかを確認した上で、もっと積極的に勧誘できる人には勧誘するというようなことをやったらいいんじゃないかというようなご提案があったかと思います。それは大変貴重なご指摘だと思うんですが、他方で私は、今度は健康状態をチェックしなきゃいけないというので、徴求する書類が増えるだけになってしまうんじゃないかという、そういうようなことを懸念しておりまして。
 
 これはそんなもともとがガイドラインでありますし、画一的に運用しているのは個々の証券会社が勝手にやっていることであって、協会としてもそんなことは求めてないんだし、金融庁も期待していないんだというふうにおっしゃるかもしれないんですが、他方でやはり高齢者とのトラブルがあった場合に、ガイドラインもある中で、そんなことをするからだと言われかねないというリスクを各社大変気にしておられるという現実はあると思いますので、何とかこの辺、もう少し柔軟なケース・バイ・ケースの対応が認められるということを、何らかの形で明確にしていくことができないかというのを感じる次第です。
 
 それから2番目に、認知症の方が資産を保有するというのが増えていくでしょうという話があって、じゃあ被後見人の資産をどうするか、現在、当然元本保証でないといかんというお話がございました。これについてなんですが、私の発想ではなくて、「山を動かす」研究会という方々のご提言、本になって出ているんですが、そこにあったものを引用して今申し上げているのですが、これは確かに大きな問題であり、国民全体の金融資産の運用を効率化するという意味でも問題ですし、それから、被後見人の方の生活の確保という意味でも問題なので、さすがにお持ちの金融資産の100%だとちょっとまずいと思うんですが、例えば30%までとか一定の限度の範囲でリスク性の運用を認めていくことにしたらどうかとは思います。そのときに、各後見人自身が自分の判断で運用しなきゃいけないというのだと、これはこれでまた大混乱になりますので、またしり込みする人も当然多いと思いますので、研究会の方のご提言は第2GPIFとかいう言い方をされていたんですが、そういった資産をまとめてリーズナブルなリスクをとりながら運用していくような機関を、ある種公的な機関をつくって、そこの発行する受益証券みたいなものに投資を振り向けるのであれば、リスクをとったとしても後見人の責任は問われないというようなふうにしてはどうかということがございまして、これは私は大いに検討に値すると思った次第です。
 
 それから3番目でございますが、金融庁の資料で興味をひかれたのが、15ページのリバースモーゲージの話に関連して、取扱金融機関が一番懸念するリスクとして一番多いのが、相続トラブルというのが挙がっているんですね。これは私は非常にある意味、なるほどなと思いまして。例えば、大変な批判を浴びた毎月分配型投信を含む、いわゆる複雑な投信の販売で、証券会社と投資家の方がもめたというケースが多々あるんですが、その中には、私が聞く範囲ですけれども、結構あると聞いておりますのが、相続人の方から、要するに亡くなった方が騙されていたのではないかとか、相続はまだ出てなくても、お子さんが出てきて親が騙されたんじゃないかというようなことで騒動になると。これは結局、受け取れるんじゃないかと期待していた金額が、蓋をあけてみたらどうもないということでもめるということで、多分このリバースモーゲージも同じ話で、親の家に引っ越せると思ってたのに、金融機関に取られちゃったということになるということなんだと思います。
 
 ただ、これは私なんか、自分が大したものも残しそうもない親がいるからなんですが、正直言ってこういうのはやっぱり健全な国民としていかがなものかという気がします。事業承継を円滑にするというような話は全く違うと思うんですね。これは相続で、確かに財産を受け取るんですけれども、同時に責任も承継するわけですので、こういうことを円滑にするというのは私はいいと思うんですが、単純に利益を受け取るだけの相続は、もっと厳しく課税して、やりにくくするぐらいでもいいんじゃないか。そうすることによって、むしろ老人が自分のつくった資産を全部消費した上であの世に行く、という世の中になるんじゃないかという気がしておりまして、例えばさっき永沢さんから、土地も財産とは限らないのよ、負担があるのよというご指摘があって、これももっともだと思うので、例えばまず、キャッシュの相続は少し重課税するというようなことを、もしかしたら検討すべきではないかと思った次第であります。
 
 それから最後に、これも税の話に絡むんですが、DCが重要ですというご指摘があって、私もそれは方向性としてそんなに異論はないんですけれども。DCの拠出をどんどん拡大しましょうというようなお話があったんですが、なかなか難しいなと正直思っております。1つは、もちろん拠出時にも非課税で、運用時非課税でというものを大幅に拡大するというのが、果たして税の公平性という観点でどうなのかというのがございますし、現在の企業型の設計を前提にする限りは、企業は拠出限度額が増えたら、素直に拠出を増やすかというと、人件費の増大になりますので、給与は抑えつつ拠出を増やすということになると思うんですね。
 
 正直、私もDCに入っているので実感として申し上げるんですが、DCに入っている多くの人は、それをかけてもらっているという意識は希薄なんですね。やっぱり変な話ですけれども、20万円もらって2万円取られた、拠出させられたというのと、22万円ほんとうは企業が払っているんだけれども、2万円は別に置いてありますというので、受けとめは全く違うわけですね。責任感の生じ方も違うというようなことがありまして。ですから、企業負担がある意味一方的に増えちゃうところがあるので、これはなかなか難しいなと思っていまして。
 
 むしろ私は、税引き後の拠出で何らかの投資優遇を大幅に拡充していくみたいなことは考えられないのかと思っていまして、これは今現在、NISAという形であるわけですけれども、恒久化するとともに、拠出額を相当大胆に引き上げるみたいなことを検討してもらえるといいかなと思っています。
 
 3番目と4番目は税の話ですので、あまり税のことをここで言ってもという感じもあるんですけれども、この点も、金融庁としてぜひ税制議論に何かうまく積極的に関与していくことはできないものかという、これもぜひご検討いただきたいなと思っております。単なる要望官庁としてではなくですね、よろしくお願いいたします。
 
【神田座長】
 ありがとうございました。隣の中野委員、どうぞ。
 
【中野委員】
 中野でございます。ほんとうに今日、小森課長、それから高田委員のお話、すべからく伺って非常にさまざまな自分の中での問題が提起されてきましたので、徒然なるままにですけれども、簡単にお話をしたいと思います。
 
 高齢者の金融的生き方というのは非常に複雑、複合的な課題がたくさんありますので、私は立場的にも資産運用というところに特化して、少し問題提起をさせていただきたいと思います。まず、この高齢者における金融サービスを考えるという上では、何よりも大前提として、顧客本位の業務運営ということをなしには語ってはいけない、あるいはこれは直結する部分の課題だろうと思います。
 
 なぜなら、さきほど林田委員からあった、退職世代が退職したときに、今でも厳格に多くの金融機関に残っているはずですが、退職金パックというのがあって、いきなり投資信託と預金がセットにされるみたいなね。預金には優遇金利がついているのでついつい乗っかってしまう。それから、大崎委員のほうからもありましたけれども、非常に高齢の人たちへの投資信託の販売というようなことにおいては、実際私の母親がつい最近実体験しております。私の母親は80歳を優に超えているんですけれども、ある大手の銀行で、結構複雑怪奇な投資信託を買っておりまして、中にはヘッジファンドまで組み込まれているということで、実は私、会社を抜け出して、その支店に文句を言いにいったんですけれども、息子ですといって行きました。まさに大崎委員がお話しされていたこと、私自身がやっちゃったんですが。
 
 そうしましたら、銀行の窓口の担当の女性の課長が出てきて、ものすごくやっぱり腹が据わった方で、全く私どもには落ち度ありませんと。こういう説明をして、お母様はしっかりと納得されました。ここにちゃんとサインもございますと滔々と説明を受けました。僕もこれで覆るとは思っていなかったし、ちょっと一言言いたかっただけだったんですが。明らかに母親はこんなものを理解できるはずもなく、ヘッジファンドなんてわかるはずもなく、何で買ったのといったら、損しないと言われたわ、という趣旨のことを母は言っておりました。銀行が言うわけはないんですけど、勝手に思い込んでいると。
 
 こういった実態が、事実私どもの金融業界全体にずっとあったからこそ、今、金融改革が行われているわけであります。これは退職世代以降が中心の顧客マーケットであった、今もそうであるという事実から、顧客本位の業務運営は、絶対的にまず大前提に置いていただきたいと思います。
 
 具体的になんですが、鹿毛委員のお話にもあったこと、非常に私も実感しています。それは私が現場でお会いするお客さまというのは、必ずしも富裕層に分類される方々ではなくて、ほんとうに普通の生活者である、1つは、これからの老後についてのお金が足りなくて心配であるという方、そしてもう一つ、非常に多いのは、現預金しか知らないというか、それ以外の手段は持ち合わせていない方々です。投資というと、そんなものはとんでもないという言い方で、まず私を東京から来た怪しいファンド屋という目で見るという、こういうところから始まる方が非常に多いわけであります。これが多分、世の中の大多数の実態であるということです。
 
 まず、現預金偏重ということは問題提起の中にもありましたが、それと同時に、波平さんモデルという、高田委員からのお話がありましたけれども、これって日本だけではなくて、程度の差こそあれ、アメリカでもヨーロッパでも基本同じだったと思います。そして、それが今、大きくグローバルにこの常識が崩れ始めている過程だと思います。それはやっぱり『ライフ・シフト』というような本が出てきて、人生100年時代と言われたのがつい最近のことで、いわゆる老後は取り崩しということの常識の大転換がやっぱり必要で、これはグローバルに今、起きなければいけないことだと思います。
 
 実際、じゃあどうしたらいいかということの1つの大きな前提としては、生涯長期運用を定着させるべきではないかというのが、私が思っていることです。60歳までに幾ら貯めなきゃいけない、これはファイナンシャルプランナーの方が当たり前のようにおっしゃることで、本もそういうのがまだいっぱい出ていますけれども、そもそもこれは間尺に合わないわけであります。ターゲットデートへの推奨については、高田委員のお話もあったんですけれども、実はターゲットデートというのも、ある種60歳でキャッシュ化することを前提にできた商品なので、これももう古いんじゃないかなと。実は資産運用の商品選択といったものに、世代間の差別、区別はないんじゃないかなと私は思っています。
 
 じゃあどういうものがいいかというと、いわゆるケレン味のないものです。すなわち、長期的な経済成長軌道、あるいは成長が見出せる、そういった投資対象にとにかく分散したポートフォリオを構築した上で、長期で保有する。これ以外に、ほかの答えってないんですけれども、こういうものを世代を問わずにじっくりと保有していく、これは70歳だから私はとか、80歳だからもう俺はとか言いますけれども、結局残存期間が結構長くあるので、長期投資は誰でもできるような世界が来ているんじゃないかなというのが1つの気づきであります。
 
 もう一つ、そこに対して月次の資金のニーズということで、毎月分配型が大いに華やかに活躍してしまったわけなんですけれども、この必要性はないというのが、とりあえずこの場では定着したという前提で言いますと、じゃあそれにかわるものは何かと言えば、やはり定時で取り崩す、解約をしていくようなシステム的なサービスというものを、金融機関が当たり前のように自然に提供していく、そういう文化ができていけば、これで代替できるはずだというふうに考えています。これは一番不効率なく取り崩していけるはずですので、こういったことを定着していけばいいはずです。
 
 言ってみれば、現役世代中心に思われていますけれども、普遍的な長期資産育成型の、ファンドを高齢者世代も普通に保有して、同時に取り崩しながら、最終的には次の世代に資産運用そのものを継承していく。今日、さまざまご意見があったものとつながってくると思います。
 
 それから、もう一つ具体的に言いますと、行動を惹起してもらうために一番いい制度の1つが、つみたてNISAだと思います。つみたてNISAというのは、現役世代の資産形成というのにどうも意識が偏重しているようですけれども、実はシニア世代にも最適な仕組みだろうと思います。特に預貯金偏重の方々、もう怖いわ、とんでもない、そんなもの先祖代々やっちゃいけないと言われているのという方々を、一歩惹起させるための仕組みとしては、積み立てという行動を少額から始めることで、少しずつ現預金至上主義の人たちに行動を起こさせるという意味で、とてもふさわしい制度ですし、70歳の人は20年やったってまだ90歳で、おそらく生きている時代が来ているという意味では、これは世代を問わず、つみたてNISAは万人に非常に有効な資金を動かせるための仕組みだろうと思います。
 
 それと最後ですけれども、シニア世代への金融教育というようなことが、私の親もそうなんですが、自分が社会において受給する側に回って、それを当然と捉えていて、感謝の気持ちがかなり欠落しているというのが、ちょっと高齢者への暴言みたいになりますけど、多くの人に共通することだと思います。1つは、金融における意識が欠落している部分があると思いまして、例えば敬老の日の集まりなんかでセミナーをやって、実質的な義務化をしていくような流れをつくっていって、お金の社会的な役割みたいなことを伝えることからじゃないかと思います。専門的に言えばペイシェントリスクマネーというものを、自分が実体経済に供給する側に回ったときに、どういう感覚があるか。それはすなわち、自分が社会保障受給側に回っているけれども、自分はお金を通じて次世代にそれを支えていくような資金供給、社会貢献をしているというような意識を、少し気づきを持ってもらうだけで、お金の動かし方が全然変わってくるんじゃないかというふうに少し考えたりしています。
 
 池尾先生からお話があったと思うんですけれども、キャッシュフローを生まなければ、何事も解決しない。これは産業界の責務であるとおっしゃっていましたけれども、実は日本には1,880兆円の金融資産があり、ここがキャッシュフローを生むことのほうが、より容易に新たな富が創出されるわけで、高齢者の資産が資本市場から一定のリターンを得てくることで金融所得というキャッシュフローを中心として、結果として社会全体のGNIを拡大していく。これが日本の高齢化社会における金融立国の1つの流れだろうと思いますので、ぜひご検討をお願いしたいと思います。
 
【神田座長】
 どうもありがとうございました。では、竹川委員、どうぞ。
 
【竹川委員】
 高田委員、丁寧なご説明ありがとうございました。私自身、人生100年時代と言われて、人生を通してお金を自分自身でマネジメントしていくということがすごく大切になってくるかと思いますので、こうした議論はとても重要になってくるかと思います。

 私のほうからは4点申し上げたいと思います。まず1点目ですけれども、高齢者、リタイヤ後の層に関しては、購買力の維持というのが一番大切になってくるかと思います。そういう意味では、株式など一定のリスク資産を保有するということは意味があると思います。ただ一方で、収入がなくなるリタイヤ後に過度なリスクをとるというのは危ないといいますか、リスクをとる必要がない人までとってしまうのは問題だと思います。原則として稼ぎ力のある現役時代にリスクをとって資産形成をしていき、リタイヤ時にはそれなりの金融資産をきちんと蓄えておく。そして、退職後はリスクをむしろ下げる。退職金はそれほど運用に回さなくてもよい仕組みをつくっておくということのほうが、大切だと思います。そういう意味では、高齢者向けの商品を作って販売を促進するというような方向にいってほしくないですし、その点は若干懸念をしております。
 
 金融機関としては、例えば2,000万円の金融資産がある高齢者の方に、2,000万円を丸々投資なり金融商品を買ってほしいという方向にいきがちですけれど、リスクを考えたときには、投資に回す金額で調整することのほうが大事だと思っています。あくまでも顧客サイドに立った提案、勧誘を行っていただきたいと思います。
 
 2点目ですけれども、野尻委員、中野委員からもお話が少し出ましたが、これまで運用して築いてきた金融資産をストレスなく取り崩していけるような仕組み、サービスの多様化、 充実がこれからは必要になってくるかと思います。例えば、投資信託に関して申し上げますと、自動的に定口・定額で解約していくサービスについては、既に一部の金融機関で実施されていますが、定率で解約していくような仕組みは現状ではありません。これからは蓄えてきた金融資産を、どのように取り崩していったらよいかという議論が必要になってくるかと思います。
 
 そして3点目ですが、前提として、自分自身で蓄えてきた金融資産の取り崩しだけを見てもだめで、公的年金や、企業の退職給付制度の理解を併せて行うということが大切だと思っています。例えば、公的年金に関しては、繰り下げといった選択肢もあるわけですし、お勤めの方であれば、企業年金の受給の開始年齢であるとか、受け取り方、例えば一時金、年金、併給という方法についてもご自身で選択できる会社も増えてきています。先ほどから出ています「見える化」を考えたときに、自分がいつ・どのように、いくら、公的年金や退職一時金や企業年金がもらえるのかということを具体的に把握するのが先決であって、それらも含めて、自分ごととして捉えることがとても重要です。
 
 そういう意味では、一部の金融資産だけを取り出して考えるのではなくて、(公的年金や企業年金などを含めた)全体最適を考えることがとても大事になってくると思います。ですので、例えば、トンチン年金の加入を検討する前に、公的年金の繰り下げという方法もあるよといったことをきちんと伝えることも大事なのではないでしょうか。
 
 4つ目としては、非課税制度の件です。NISAだけでも、一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAがありますし、iDeCoや企業型のDCといったように、非課税の制度がたくさんできています。いいことではありますが、一生活者として考えたときに、とても管理が大変なんですよね。例えば、同じ証券会社で口座をつくっても、私もiDeCoやNISAを利用していますが、同じ口座管理画面で見ることはできないですし、それぞれ別にログインしないといけないような会社が大多数です。そのため、全体像が把握しづらいですし、今後引き出しを考えたときに大変だと思ってしまいます。さらに先ほど申し上げたように、公的年金や勤務先の退職給付も含めてどう引き出すか、どうこの制度を活用するかを考えると非常に複雑で、1人ひとりがそういった対応を考えていくのは非常に難しいと思います。この部分については、もう少しトータルで管理しやすくなるような、制度の改正も含め、その中で金融機関としてできること・できないことを分けて、今後の対応を検討していっていただきたいと考えます。
 
 最後に、今後の進め方として、議論が多岐にわたっていますので、例えば制度のこと、NISAとかiDeCoなど制度、税制のことに関してなのか、金融機関が対応できることなのか、アドバイザーも含めてほかの人が対応すべきことなのかなど、論点を整理した上で議論を進めたほうがいいのではないかと思いました。NISAについては、今後も使い続けていいのかと、よく投資家の方たちから聞かれます。ですから、非課税枠を増やすよりも、まず制度の恒久化、非課税期間の恒久化も含めて、検討していただきたいと思います。以上です。
 
【神田座長】
 どうもありがとうございました。では、野村委員、どうぞ。
 
【野村委員】
 大変多岐にわたり、興味深いプレゼンテーションを、今日はどうもありがとうございました。意見も既に多数出ているような中でということになりますので、かいつまんで申します。
 
 高田委員からのご発表の中で出てきた確定拠出年金、DCの拡充ですとか、とりわけ42ページのほうでお書きになっている、退職金の受け皿としての一般NISAの活用といったあたりには大変興味をひかれた点でございます。DCについては、先ほど来幾つかコメントがありましたけれども、私自身も年齢の引き上げですとか、あと限度額の拡充といったようなことが重要と考えます。
 
 また、やや野心的かもしれませんが、加入拡大を思い切ってやるのであれば、主にiDeCoだと思うんですけれども、いわゆる自動加入的なものが、あり得るのかなと個人的にも思っているところですし、またいわゆる退職への移行期というんでしょうか、そこの部分をどうやってうまく管理するのかということも非常に重要なテーマなんだろうなという中で、税の内容とかそういうことはあえて横に置くとしまして、1つの政策的なメッセージというんでしょうか、こういう器があるよというような意味で、例えばNISAの活用というようなことを考えると、これはこれで、なるほど、NISAはそういう意味合いもあるんだなということが伝わると思います。そういうふうに活用するんだなという形に、NISAのミッションを変えていく議論にもかかわるので、それはそれで議論が必要なのかもしれませんが、発想としては興味深いなと思ったところでございます。
 
 あと、先ほどの大崎委員からあった第2GPIFでしょうか、そのご提案は、私も「山を動かす」研究会の先生より、別の場所で、そのアイデアに接したことがありまして、多分いろいろな仕掛けというものが必要になってくる中での役割分担というものもあろうかなと思いました。何を申したいかといいますと、そういう第2次PFI的な公的なものというのは、位置づけとしてはおそらく社会的なバックストップというんでしょうか、最後の砦みたいな形で、おそらくその手前にはまだまだまさにこのワーキングで議論を取り上げられるというような金融機関、あるいは広い意味での金融にかかわる人たちのいろいろな努力、やらなきゃいけない、検討しなきゃいけないということをやっていくというものがまずあって、ただ、多分それで全てを完全に解決しますとまでいかないのであるならば、最後の砦としてそういう仕掛けというものも、もしかすると必要になってくるかもしれない。そのあたりの役割分担などが重要なのではないかと、そのアイデアを伺ったときに思ったので、ここで共有させていただければと思います。以上です。
 
【神田座長】
 どうもありがとうございました。では、福田委員。
 
【福田委員】
 ありがとうございます。多くの方がいろんなことをご指摘になられましたので、私は2点に絞って議論をさせていただきたいと思います。
 
 1点は、やはり資産形成、あるいは資産の問題を考えるときに、資産の全体のポートフォリオというのが何人かの方からご指摘にあったように、非常に重要だということになると思います。そういった観点では、事務局の資料、あるいは高田委員の資料両方にあったように、住宅の資産が極めて多いということは重要な問題です。なぜなら、住宅は非常に非流動的な資産だからです。
 
 非流動的な資産が非常に多いということは、ほかの資産の選択は極めて流動的なものにならざるを得ないという必然も生まれてくることになるわけで、この非流動的な資産をできるだけ流動的なものにすることができれば、ほかの資産も比較的非流動的、あるいは過度に流動性に偏った問題にしなくてもいいというバランスが生まれてくることになります。そういう意味で、この非流動的な資産をどういうふうに流動化するかということは、純粋な金融の問題とまでは言えないんですけれども、今回の問題としては非常に重要な問題だということだとは思います。
 
 この図表を見させていただくと、必ずしも居住用だけではなくて非居住用も比較的大きなシェアを占めていて、これをどう処分するか、あるいは流動的なものとして運用していくかという問題は1つはあります。ただ、より大きな問題は居住用の問題をどうするかということで、事務局からもご提案のあったように、リバースモーゲージというのは、1つの有力な手段であろうとは思われます。
 
 ただ、現状なかなか利用されていない。その理由には、もちろん金融機関側も非常にリスクがあると考えていることもあるでしょうし、利用者側もなかなか利用しにくい点というのは1つあると思います。資料には言及はされていませんでしたけれども、例えば、金利はどうかということを考えたときに、これは住宅ローンのように低いわけでは決してございません。現状では、金利面で住宅ローンのように気軽に借りられるような水準には必ずしもなっていないということがあるんじゃないかなとは思います。そういう意味では、基本こういう問題を民間ベースでやりながらも、ある程度公的なサポートも加えながら、非流動的な住宅という資産をいかに流動化するかという試みというのは、非常に大事な問題としてあるんじゃないかなとは思います。
 
 それから、2点目は、何人かの人がやはりご指摘になられた、世代間の資産移転の問題に関して議論させていただきたいと思います。世代間の移転の問題を考えた場合に、それを渡す側の問題と、もらう側の問題両方あるということです。渡す側の問題は、多くの方が議論されたと思いますけれども、もらう側の問題というものも非常に大きな問題としてあるということです。人生60年時代のときには、もらう時期というのは40代の現役世代にもらっていたわけですけれども、人生100年時代になると、もらう時期というのが、ほんとうにもらう人も老人だという時代に入ってくる。そうした中で、非常にアンバランスな世代間の資産移転というのが起こる時代になってきているということであります。

 高田委員のほうから、退職金をどう運用するかというお話も出ましたけれども、いきなりもらった遺産をどう運用するかという問題は同じように重要だと思います。特に、大きな金額でもらった人は、いきなりもらってどうするかという問題が発生して、これは先ほど言いました、かなり高齢者でも起こり得るということです。かつ退職金のほうは、ある程度予期されているし、どういう形でもらえるということは注意深く見ていればわかるわけですけれども、親からもらえる遺産というのは、かなり予期せぬ形で起こりますし、どういう形で親がそういう資産を持っていたのかということをあまり知らないという問題というのはあるわけです。そういった問題は、比較的スムーズにできるような仕組みづくりというのは、それなりに大事なんだろうとは思います。
 
 今、少しずつ進んでいるのは生前贈与のあり方で、これは信託銀行を中心に仕組みづくりはかなり整えられてきたと思いますけれども、幾つかの意味でいい意味はあるとは思います。1つはもちろん遺産だけでいきなり取得移転をするよりは、スムーズに運用していくということが望ましいという点もあると思うんです。また、生前贈与、特に信託銀行を通じた生前贈与をする仕組みをしていれば、いろんな形で親の資産の状況、金融機関を通じて把握してもらうことができて、そういう意味ではいきなり遺産をもらって、あたふたと金融機関にご相談するとかそういう問題じゃなくて、ある程度計画性を持った形で世代間の取得移転、あるいはもらった場合の老後の資産運用の問題というものを議論することもできると思います。そういう意味で、必ずしも金融の狭い世界ではないですけれども、やっぱり高齢社会の資産運用という意味では、重要な問題として考える必要はあるんじゃないかと思います。以上でございます。
 
【神田座長】
 どうもありがとうございました。濱口委員、どうぞ。
 
【濱口委員】
 高齢化への対応という観点では、皆さんおっしゃられているように、認知とか判断能力の点で、特にリスク資産へシフトしていくというのは無理があって、むしろ避けるべきだということも言えるのではないかと思います。したがって、前回も申し上げましたが、やはりまず注力すべきは、現状の現預金から国債を中心とした債券へシフトしていくということを考えるべきじゃないか。欧米の歴史でも、資産形成というのはまず債券から始まって、徐々に株式へ移ってきたという歴史もございます。
 
 これはマクロの政策的観点でいいますと、次のようなメリットがあると思っております。まず、日本はご存じのように、対GDP比で世界でも断トツに巨額の国債残高があるわけで、これの受け皿を、いい意味で考えていく必要がある。金額的に言いますと、例えば現在、日銀の抱えている約4、5百兆円の国債は、個人金融資産の預貯金の残高の900兆円の約半分で、その受け皿になり得るといった計算もできるということです。
 
 それから次に考えられるのは、退職者の収入の過半を占める国の公的年金は、給付抑制のために、マクロ経済スライドで物価上昇率への連動を抑えて、所得代替率を下げていくという制度になっております。したがって、退職者がその一部の資産を債券で保有すれば、その一部の補塡にもなり得るといった観点もございます。
 
 それから最後に、副次的な効果と言えると思いますが、老人を主体とする国民が、もっと広く国債を保有すれば、おのずと国の財政への関心とか知識も増すわけで、その結果として、国の財政運営への規律も高まる可能性があるんじゃないかといったことも考えています。その意味で、今後、日銀の金融政策が正常化に向かう過程で、その国債や社債の保有がまたもとに戻って、金融機関の保有になるということにならないように、今からいろいろ手を打っていく必要があると思っておりまして、そのためにも、前回申し上げたように、どうすれば国債などの個人への販売が進むのか、ぜひ具体的に検討していただく必要があるんじゃないかと思います。
 
 これが進めば、ディスインターミディエーションを通じて、政策課題にもなっている経済全体の資金循環の質の改善にもつながるのではないかというふうに思います。以上です。
 
【神田座長】
 どうもありがとうございました。神作委員、どうぞ。
 
【神作委員】
 ありがとうございます。法律的な観点から発言をさせていただきます。
 
 高齢社会における金融サービスのあり方を考える上で、高齢者から財産を収奪することが起こらないということは、信頼を保つ上で極めて重要で、特に高齢者との関係で問題となるのは、認知機能が低下している状態で、そうでなければ買わなかったというような金融商品とか、金融サービスを購入するということであると思います。この問題は一般的な問題で、金融に限った話ではありませんけれども、既に幾つかの自主規制機関は自主拘束と申しますか、自己規制をして対応されています。しかし、年齢で画一的に線引きをする以外に、たとえばもう少し科学的にと申しますか、認知機能の低下を判断するための、何らか基準のようなものを開発し発展させることができれば良いと思います。また、確かに家族の人の同意を得るというのは、紛争を防ぐという点では意味があると思うのですが、成人の認知能力があるのに家族が介入するというのは法律の前提とは異なるように思われます。もう少し科学的と申しますか、認知能力を判断するための判断基準などを金融業界とか金融審議会で先駆的な議論、取り組みができれば大変有益なのではないかと思います。
 
 それからもう1点は、基本的には若いときから将来のことを考えて、自分の将来の資金計画、および運用計画を立てていくということだと思いますけれども、そのためにリテラシーの向上と、それを支える適切な助言と運用が重要だと思います。その中で、ほかの委員の先生もご指摘されていたと思いますけれども、顧客についての全体的な状況を知っている必要があると思います。ライフスタイルや家族構成等も含めた、非常に多様化した中で適切な助言を行うためには、率直に申しますと、現在行われているような適合性の原則の果たし方では不十分な部分があるのではないか。そこをうまく工夫するための何か仕組みのようなものが考えられれば、非常によろしいのではないかと思います。
 
 また、反対にきちんと意思決定ができたというのであれば、私はその意思は尊重して然るべきであると思います。一種の固定化である、硬直的だというご批判もあるかもしれませんけれども、認知能力がある段階でしっかり決めたのであれば、認知能力が低下したことを考えて事前に決めてあるとしたら、それを事後的に関係者等の話し合い等によって覆滅してしまうというのは、あまり望ましくないのではないかと考えます。もし意思主義、自己決定というのを尊重するのであれば、ある程度の意思の固定化というのを認める必要があると思われます。もちろんこれは相続法制などとの間でさまざまな法律問題が生じる難問でありますけれども、特に事業承継のような大きな目的があるようなときには、こういった問題、論点を検討する必要もあると思います。
 
 さらに問題が複雑と申しますか難しくなるのは、亡くなった後までこういった意思の固定化というのをどこまで認めるか。これはまさに相続法制とも正面から衝突し得るところであると思いますけれども、諸外国によっては、金融業界を中心とする実務が、相続法制を逆に変えると言ったら言い過ぎかもしれませんけれども、相続法制との厳しい緊張関係の中で、しかし、実務、それから法制を発展させていくというような例はあると思いますので、そのような諸外国の例なども調査して、先ほど申し上げたような、実質的な意思主義というのをどこまで貫けるか、それを貫くための前提は何であるかというようなことも、金融に限った問題ではないのですけれども、せっかくの機会ですので、こういう場でご議論していただければと思います。以上でございます。
 
【神田座長】
 どうもありがとうございました。それでは、最後になりましたが、上柳委員、どうぞ。
 
【上柳委員】
 時間超過で恐縮です。神作先生が1番目におっしゃった認知機能の低下を科学的に分析して、それを前提に議論することというのは大変大事なことだと思います。その上で、金融庁、事務局の資料にありましたけれども、CtoBという表現がいいかはわかりませんが、クライアント・ファーストにしていくということは大変大事なことで、これまでの適合性原則であるとか、あるいはフィデューシャリー・デューティーの延長線上の問題として、そういう前提で顧客のニーズに対応する多様なサービスがつくられていくというのが一番大事なところだろうと思います。
 
 というふうに言った上で、制約条件というか配慮すべき条件として、私は2つあると思いまして、1つは池尾先生が強調された、将来不安のリスクというのが、個々の主体を規定する大きなファクターであるということと、それからもう一つは、私は日本社会でも、かなりいわゆる格差が拡大してきていて、なかなか一括りでは言えない。資産形成をしようにも、その余裕がない人たちが一方でおり、ある方は、むしろ子どもたちへも不信も含めて将来不安があるという中で、なかなか行動が変わっていかないというのが現状じゃないかと思います。
 
 そういう中でいうと、私が金融機関であれば、高齢の方が資産をお持ちなので、その一部について株式運用をしていただくと。次に相続がいつ起こるかわかりませんが、必ず起こるわけですから、その相続のところをケアして、相続を受けた若い人たちにまた投資をしてもらうという、そこに資源を投入するのが一番効率的みたいに素人考えでは思いますが、そういうものだけではなくて、もう少し多角的なものになるように、そういう意味で、高田委員のパワーポイントの11ページのところに、日本は米国から30年遅れで資産運用ビジネスの本格的な離陸期にいると書いてありますけれども、資産運用ビジネスが重要であることは全く否定しませんけれども、米国追随みたいなことでよいのかどうか。繰り返しですけれども、将来不安の問題と、それから格差の問題を踏まえたビジネスモデルというのが必要なのではないかというふうに思いました。以上です。
 
【神田座長】
 どうもありがとうございました。時間を延長して申しわけございませんでした。さらに追加でのご発言等があるかと思いますけれども、時間ですので、事務局まで、ぜひ追加の点等ございましたらメールで、その他の方法でご連絡いただければありがたく存じます。
 
 今日は、非常に多様な観点から、一般的な点、大きな点、多少具体的な点に至るまで、多数貴重なご指摘をいただきまして大変ありがとうございました。本日いただきましたご説明、ご意見等を踏まえ、今後は具体的な検討をさせていただきたいと思います。ただ、その際も、今日池尾先生をはじめご注意がありましたように、全体像を常に意識しながら、またそれをワーキング・グループとして共有した上で、具体的な各論を議論できればと思います。
 
 次回のワーキング・グループにおきましても、高齢社会における金融サービスのあり方をテーマとしてご議論をいただく予定です。日程につきましては、後日事務局からご案内させていただきます。
 
 それでは、以上で終了させていただきます。どうもありがとうございました。
 
―― 了 ――
 

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