金融審議会「市場ワーキング・グループ」(第16回)議事録

 

1.日時:

平成30年11月5日(月)15時00分~17時30分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館13階 金融庁共用第一特別会議室


【神田座長】
 それでは、定刻になりましたので、始めさせていただきます。ただいまから市場ワーキング・グループの第16回目の会合を開催いたします。皆様方には、いつも大変お忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

 本日でございますけれども、前回に引き続きまして、「高齢社会における金融サービスのあり方」をテーマとしてご議論をお願いいたします。

 それでは、まず初めに、今回の会合に参考人としてご参加いただく方を事務局から、ご紹介、お願いいたします。

【小森市場課長】
 ご紹介申し上げます。委員の先生方の皆様から見て右端のほうにお座りをいただいております城南信用金庫、渡辺理事長でございます。

【渡辺参考人】
 渡辺でございます。よろしくお願いいたします。

【神田座長】
 どうもありがとうございます。よろしくお願いいたします。

 それでは、本日の議事に移らせていただきます。本日は、金融機関ヒアリングをさせていただきます。みずほ銀行、三井住友信託銀行、第一生命保険、大和証券、野村アセットマネジメント、城南信用金庫様より、それぞれの会社における退職世代の顧客に対する先進的な取組みや商品についてのご報告をしていただきます。

 なお、本日も、委員の皆様方の配席はランダムとさせていただいております。また、議事の途中で5分程度の休憩をとりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、早速でございますけれども、まず、みずほ銀行の望月常務から説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

【望月オブザーバー】
 全国銀行協会の企画委員長を務めております、みずほ銀行常務執行役員の望月でございます。本日は、このような機会をいただき、誠にありがとうございます。お手元資料、「みずほ銀行提出資料」をご覧ください。右下にページを振っております。

 2ページをご覧ください。まず、目次ですが、お手元の資料に沿いまして、1点目、高齢化社会における金融サービスのあり方についての課題認識をご説明した上で、2点目にみずほ銀行の取り組み状況、そして、最後に課題解決に向けた意見を申し上げたいと思います。

 お手元資料、4ページをご覧ください。まず、環境認識でありますが、ご案内のとおり、我が国は少子・超高齢化を始めとする社会的課題が顕在化しておりまして、「課題先進国」と言われて久しいわけですが、他方で、急速に進展するテクノロジーを活用し、よりシームレスなサービス提供や新たな付加価値の創造の可能性が広がってきております。このような環境のもとで、私どもは金融を通じ、社会的課題への新たなソリューション提供と新たな付加価値の創造を実現することで、課題解決先進国・日本をリードしていきたい、このように考えております。

 5ページをご覧ください。高齢化社会におきましては、現役世代から退職前後世代における自助による資産形成ニーズに加え、高齢者における継続的な資産運用や資産管理、取り崩し、あるいは資産承継など、お客さまのニーズはますます多様化してきております。そうした顧客ニーズを起点に、お客さまに寄り添ったきめ細かな対応が重要となっており、金融サービスには今、大きな変革が求められております。

 6ページをご覧ください。これまでの市場ワーキング・グループにおける議論を踏まえますと、高齢社会における金融サービスのあり方につきましては、制度のさらなる拡充が考えられることに加え、次の3つの課題があると認識しております。

 すなわち、1点目は、保有する資産やキャッシュフローの見える化が難しいこと、2点目は、金融・非金融の垣根を超えたシームレスなサービスが受けにくいこと、そして3点目は、認知能力の度合いに応じたサービスを受けにくいこと、です。こうした課題の取り組み状況につきまして、みずほ銀行の事例をもとにご説明いたします。

 8ページをご覧ください。1点目の課題、見える化についてです。お客さまの資産は多様化により分散し、人生100年時代にあたりまして、人生のライフイベントも増加するなど、高齢者が全ての保有資産やキャッシュフローを正しく把握することが大変難しくなってきております。ありたき姿としましては、お客さまが的確なコンサルティングが受けられるように、先進的なテクノロジーなども活用しながら、保有資産とキャッシュフローが網羅的に見える化された状態が望ましいと考えております。

 私も現場の支店長を経験しておりますけれども、例えば、仕事が忙しくて、自らの資産を把握する時間がない、あるいは、あとのことは子供たちに任せているので金融機関や税理士などにも相談をしない、こうした経営者や資産保有者の方々の事例を数多く見てまいりました。

 9ページをご覧ください。こうした状況において、みずほ銀行におきましては、お客さまと一緒に正しく資産やキャッシュフローを把握することに努めております。全ての役職員にタブレット端末を配付し、営業職員がタブレット端末のアプリを活用して、お客さまの目の前で、家族構成や資産背景に応じたキャッシュフローの見える化を行うなど、少しでもわかりやすくご説明するような工夫をしています。

 また、右側にありますように、フィンテック企業と連携し、金融機関をまたがるデータ連携を行うなど、スマホアプリでアグリゲーションサービスを活用した見える化も進めているところです。

 10ページをご覧ください。次に、現役世代の資産形成セミナーや若年層向けの金融教育の取り組みについてご説明いたします。中小企業を含む職域取引先の現役世代を対象に、主に金融商品や将来のライフイベントごとの必要資金額のシミュレーションを行う資産形成セミナーを実施しております。また、金融リテラシーの向上には、若いうちから金融の仕組みについて理解を深めることが重要であり、初等・中等教育向けに銀行の職場体験や出張授業、あるいは高等教育向けに大学寄附講座を提供するなど、若年層からのサポートも行っております。こうした取り組みは、成果がすぐ形になるものではありませんが、地道に行っていくことが大事だと考え、これからも継続していきたいと考えております。

 11ページをご覧ください。退職前の方々を対象に、キャッシュフローを見える化し、資産運用ロボも活用してマネーライフプランの策定を行う退職者セミナーにも力を入れています。また、下段にありますように、みずほ銀行では、職員が充実したセカンドキャリアや退職後の生活を歩めるように、40代から50代を対象に、自らの将来設計に気づきを与える研修、俗に「黄昏研修」などと揶揄されることもありますが、こうしたものを行っております。私自身も受講いたしましたが、お金の見える化はもとより、自身のキャリアそのものを振り返り、自分自身を見つめ直す機会になるなど、大変有効な機会となりました。

 こうしたことを踏まえまして、この見える化の取り組みについての課題を、2点挙げさせていただきます。1点目は、お客さまの資産の把握の際に、聞き取りが困難なケースや、そもそもお客さまみずからが資産の全容を把握し切れてないケースなどが挙げられます。

 2点目は、多くの場合、見える化できている対象が金融資産の一部にとどまっており、金融や不動産などの実物資産を含めたあらゆる資産や将来キャッシュフローを網羅的に把握することができてないといった問題を抱えております。

 続きまして、13ページ、2つ目の課題のシームレスなサービスについてご説明いたします。多様化する高齢者の真のニーズに応えるためには、高齢者がシームレスなソリューション提供を受けられるようにすることが重要です。あらゆるサービスが多様化していく中で、高齢者ご自身がニーズに合ったサービスを、金融・非金融業者から自分で探し出すことは大変な労力がかかります。また、日常的に接点がない業者から、信用できる業者を選ぶことも至難の業であります。今後、ますます高齢者が増加し、それを支える世代も減少していく中で、金融・非金融をまたいだ多様なサービスをつなげたシームレスなソリューション提供が受けられる社会の実現が求められていると考えます。

 14ページ以降でみずほグループの取り組みをご説明します。みずほ信託銀行では、「選べる安心信託」を提供しています。信託を使った金融機能のほかにも、見守りや警備、家事代行、介護・老人ホームなどのサービス提供会社への紹介を行うことで、非金融分野へのニーズにも対応することでシームレスなソリューション提供に挑戦しております。

 また、15ページをご覧ください。地方自治体との連携も行っております。今年3月に世田谷区と包括協定を締結し、お客さまの高齢者見守り、金融教育の実施、空き家対策などのニーズに応じて、行政の窓口をご紹介するなどの取り組みを始めました。こうした活動を通じた気づきを今後、私どもの取り組みに生かしてまいりたいと思っています。

 16ページに、こうしたシームレスなサービスの実現に向けた課題について、2点挙げさせていただいています。1点目は、現行の従来型金融法制のもとでは、お客さまが新たな付加価値を伴う金融・非金融にまたがるシームレスなソリューション・サービスを十分に受けられないケースがあることです。そして、もう1点は、お客さまが安心してシームレスなソリューション・サービスを受けられる社会を実現するためには、利用者保護と利便性とのバランスを十分に確保していく必要があるということです。

 続いて17ページで、3つ目の課題の認知能力の度合いに応じたサービスについてご説明いたします。お客さまが、それぞれの認知能力に応じた必要十分な金融サービスを受けられる環境づくりがますます必要となっております。現在、みずほ銀行では、投資運用商品販売の際に年齢を基準とした運用を行っておりますが、認知能力の問題は本人でも気がつかない、あるいは自尊心などから本人も認めたくないといった問題も抱えており、私どもの販売の現場でも難しい局面に直面しております。

 画一的な年齢基準では、認知能力に問題のない高齢者に、ご自身のニーズに沿ったサービスを提供できない、あるいは、認知能力が低下した高齢者が、ご自身のニーズに必ずしも沿わないサービスを受けてしまう懸念もあります。本来、認知能力の度合いは、年齢のみで画一的にはかられるものではなく、お客さまの認知能力が正しく認識され、その度合いに応じて、安心して必要十分な金融サービスが受けられる環境づくりが必要と考えております。18ページに、今申し上げた年齢を基準とした高齢者向けの販売ルールを記載しております。

 続いて19ページは、全国銀行協会における業界としての取り組みです。全銀協では、会員銀行を対象とした認知症サポーター養成講座の開催や、金融犯罪防止・相続・金融商品の購入に係る教材の制作と地銀・第二地銀への無償配布など、高齢者への支援に取り組んでおります。

 これらを踏まえまして、認知能力の度合いに応じたサービスにつきまして、2点の課題があると考えております。

 1点目は、認知能力を客観視できる指標がないことなどもあり、お客さまが認知能力に応じて必要十分な金融サービスを受けられないこと、もう1点は、認知能力が低下した方でも、ご自身のニーズに沿った必要十分な金融サービスを受けられるように、例えば、成年後見制度をはじめとした預貯金・財産の適切な管理や運用をサポートする仕組み、こうしたことに改善の余地があるのではないかということです。

 最後に、22ページで、これまで申し上げました3点の課題につきまして、課題解決に向けた私どもの意見を付言したいと思います。

 まず1点目は、金融・実物資産を含めたあらゆる資産や将来キャッシュフローを網羅的に把握することを支援する仕組みが重要であるということです。金融・実物資産、社会保障給付、退職給付など、あらゆる資産やキャッシュフローの見える化が実現するよう、技術力の高い事業者との連携や先進的なテクノロジーの駆使とともに、官民データの利活用を推進するべきではないかと考えます。

 2点目は、銀行か非銀行かといった区分ではなく、多様なプレーヤーの競争により、利用者保護と利便性とのバランスがとれた、よりよいサービスを選べる社会になるために、お客さまがあらゆるサービスをシームレスに受けられる規制を目指すべきと考えております。

 3点目は、年齢で画一的な取引制限をするのではなく、認知能力に応じて、安心して必要十分なサービスが受けられるような社会になることが大事だということであります。例えば、産官学が連携し、テクノロジーや医療なども活用し、認知能力を測定できる環境を整備するなど、あらゆる高齢者が自身の状況やニーズに応じた必要十分な金融サービスを受けられる道を切り開くことが大切ではないかと考えております。

 また、認知能力が低下した方でも安心してサービスが受けられるように、成年後見制度をはじめ、預貯金や財産の必要十分な管理や運用をサポートする、こうした環境整備も進めるべきではないでしょうか。

 冒頭申し上げましたとおり、課題解決先進国・日本の実現に向け、銀行界としてしっかりと貢献してまいりたいと考えておりますので、この場でも引き続き深い議論をお願いしたいと思います。

 説明は以上です。

【神田座長】
 どうもありがとうございました。

 それでは、続きまして、三井住友信託銀行の白山専務、よろしくお願いいたします。

【白山オブザーバー】
 三井住友信託銀行の白山でございます。本ワーキング・グループには、信託協会会長会社の三井住友トラスト・ホールディングスがオブザーバーとして参加をさせていただいておりますが、本日は、ご報告テーマの関係上、三井住友信託銀行としての取り組みをご説明させていただきます。このような機会をいただきまして、誠にありがとうございます。

 高齢社会に関する論点の一つである認知症への対応について、当社としてどのような取り組みを行っているかをご紹介させていただきます。大きくは、1ページにあります4点の取り組みを行っております。

 まず、2ページをお開きいただきまして、専門家との連携でございますが、認知症の方々への対応等については、医療や法律の専門家と連携して、対応力強化の取り組みを進めております。具体的には、COLTEMという、京都府立医科大学の成本先生を中心とする産官学のプロジェクトに、平成25年のプロジェクト開始当初から参画し、そこでのネットワークを通じて、例えば、医学的視点からの接客におけるアドバイス等をいただいております。また、後ほどご説明いたしますが、当社は成年後見分野に積極的に取り組む各種の士業団体とも連携し、成年後見制度に関する相談等に応じる体制を整えております。

 次に、営業フロントにおけるリテラシー向上についてご説明いたします。3ページでございますが、当社の全営業店を対象に、日常業務における認知症関連の課題等について調査した結果の一部になります。認知症に起因する問題を抱えていない営業店はほとんどないことがご確認いただけるかと思います。

 4ページに記載のとおり、当社では2,000名を超える営業店職員に、認知症サポーター養成講座を受講してもらい、認知症に関する基本的な知識の習得、対応力の向上に取り組んでおります。また、COLTEMプロジェクトの一環として、当社も執筆者の一人として参画いたしまして、「認知症の人にやさしい金融ガイド」、こういう小冊子を出版しております。これは、金融機関が抱える認知症に起因するさまざまな問題をケーススタディーとして類型化し、医師、弁護士、社会福祉士などの多面的な対応をまとめたものでございます。当社では、この冊子を全営業店に配付し、読み合わせ等の勉強会を行い、より実務的な対応力を強化しております。

 次に、5ページでは、地域包括支援センター等との連携についてご説明いたします。認知症は、金融機関の窓口だけの対応では本質的な解決にならず、地域やご家族の支援、早期発見・治療が重要なことから、当社も地域包括ケアシステムに参画をして、一定の役割を果たしていくべきではないかという問題意識を持っております。

 そこで当社では、認知症のおそれのある高齢者の対応で困った際に、地域包括支援センターにご連絡をしたり、ご家族の方にセンターを紹介したり、また、当社からはセンターに対して、認知症に対応した信託銀行の財産管理ラインナップをご紹介するなどの取り扱いを行っております。

 6ページからは、認知症のお客さまの財産管理における対応力の強化についてご説明いたします。当社では、認知症の方やそのサポートを行う方の負担軽減を図る制度や金融商品などの整備が進んでいることを踏まえまして、今年3月に、認知症に係る制度や金融サービスを体系的に整理しました、「シニア世代応援レポート 認知症問題を考える」という小冊子を発行いたしました。

 これは、お客さまに、もし認知症になった場合にどのようなサポートを受けることができるのか、どこに相談をすればいいのかというのを認識していただいて、最適な商品・サービスを最適なタイミングでご選択いただけるようにするためのものです。

 7ページからは、冊子の内容を抜粋してご説明いたします。まず、認知症対策の整理としては、認知症に対するサポートを3つに分類するとともに、信託銀行の商品・サービスで特にかかわり合いの深い財産管理における機能を、「守り」「日常生活支援」「想いのつなぎ」の3つに分類いたしました。

 8ページでは、財産管理について、判断能力の状況に応じまして、どのような手だてがあるのか、また、それが3つの財産機能のどれにつながるのかをご理解いただけるよう、公的制度を含めて整理しております。この中で、紺色が当社の商品・サービスであり、緑色が公的ないし民間の仕組みになります。

 9ページからは、当社の商品・サービスを簡単にご説明いたします。安心サポート信託は、金銭を信託財産とし、お客さまのご要望に基づき、払い出し要件や信託終了時の残余財産の帰属先をあらかじめ契約で定めておく「想いのつなぎ」の機能を持つ商品です。お客さまがあらかじめ指定した指図権者の指図があった場合のみ払い出しができることから、「守り」の機能も備えております。また、将来、判断能力が減退した際の生活費の手当てや残余財産の帰属先の不安に備えておくことができます。

 10ページのセキュリティ型信託は、信託財産の払い出しにあらかじめ指定した同意者の同意を必要とする商品であり、振り込め詐欺等の犯罪から資産を守ることができます。

 11ページの後見制度支援信託は、裁判所の指図に基づいて一時払い等の払い出しを行う商品で、当社では現在、約1万2,000件、3,600億円を受託しております。

 12ページは、先ほどご説明をいたしました士業との連携になります。当社は、成年後見センター・リーガルサポートや弁護士会、税理士会と提携し、お客さまから成年後見制度に関するご相談があった場合に取り次ぎを行っております。

 13ページの任意後見制度支援信託は、任意後見制度をご利用される方の金銭を管理することで、本制度をサポートする商品です。将来、お客さまの判断能力が低下し、家庭裁判所によって任意後見監督人が選任された後に契約の効力が生じ、金銭の払い出しには任意後見監督人の同意が必要となるため、財産の保護を図ることができます。

 本日は、認知症に係る取り組みをご紹介いたしましたが、最後に、資料にはございませんが、現状の課題を申し上げますと、1つは、本日申し上げました取り組みやサービスの認知度をより高めていく必要があるということ、また、みずほ銀行さんがおっしゃっていたように、金融サービスに加えて非金融サービスのゲートキーパーの役割も担う必要があるだろうということ、さらには、「人生100年時代」と言われる中で、守る、つなぐということに加えて、運用も考えていく必要があるのではないか、そのためには、認知症になる前に、信託受託者と十分な議論をして、一定の運用ガイドラインを設定の上、信託受託者に運用裁量を与える商品も考えられるのではないかといった点があろうかと思います。

 今後も信託の機能を活用して、高齢者の財産管理のみならず、資産移転や資産運用など、さまざまなソリューションを検討し、提供していきたいと考えておりますので、どうぞよろしくご指導のほど、お願いいたします。

 私からは以上でございます。

【神田座長】
 どうもありがとうございました。

 それでは、続きまして、第一生命保険の畑中常務、よろしくお願いいたします。

【畑中オブザーバー】
 第一生命の畑中でございます。現在、生命保険協会の一般委員長に就任しております。本日は、このような機会を頂戴しまして、誠にありがとうございます。

 それでは、「人生100年時代における保険商品・サービス」という表題の資料で、高齢社会における生命保険商品・サービスにつきまして、業界及び個社としての取組みを説明させていただきます。

 1ページをご覧ください。ページは資料の右下にございます。人生100年時代に想定される主な社会課題を左側に、それに対応して、生命保険会社が果たしていくべき役割を右側に記載しております。これらの役割を本ワーキングの第14回における事務局説明資料にございましたライフサイクルと資産額のイメージ図に、提供している商品とともにプロットしたのが2ページになります。

 大きく、上段が資産形成、中段が保障や健康寿命の延伸、下段がサービスや金融リテラシーの向上という構成になっております。上段、ブルーのボックスの、主に年金商品で老後に向けた資産形成とその取り崩しにお役立ちする、また、中段右側の医療保険、介護保険、認知症保険といった商品の提供とともに、健康寿命の延伸により資産の下振れリスクに対応する、そして、これらを支えるためのサービスの充実やその土台となる金融リテラシーの向上にも取り組んでおります。

 これら4つのテーマにつきまして、右側に①から④まで番号を振っております。この順に、次からのスライドで内容を説明させていただきます。

 まず、3ページからは資産形成・取崩しでございます。生命保険会社の提供する年金商品は、従来から図の上段左側の「つなぎ」のニーズや、右側の「上乗せ」のニーズにお応えしてまいりましたが、今後、いわゆる定年延長や公的年金の支給開始時期の繰下げの動きが想定される中、これらの役割は、下段のとおり、一層拡大すると考えてございます。

 4ページをご覧ください。個人年金保険につきましては、お受取開始に関しまして時期を任意に設定できますし、また、年金の受取開始時期が近づけば、受取期間の選択を変更できるなど、柔軟にその時々のライフプランへの対応が可能なものとなっております。

 また、そもそも個人年金には、運用しつつ、定期的に取崩しを行うという仕組みが組み込まれていると言えると思いますので、資産寿命の延伸にも貢献できるものだと考えております。

 また、上段の図は、若年あるいは中高年からの積立年金のイメージでございますが、下段の「参考」に記載のとおり、退職金等を原資とした60歳以降の世代の一時払年金のニーズにもお応えしております。

 5ページをご覧ください。こちらは、近年注目が高まっておりますトンチン保険を紹介しております。これは、中段左側の図のとおり、死亡保険が想定期間における死亡リスクを、生存する人たちで支えるリスクプールであるのに対しまして、右側から下段にかけての図のように、亡くなった加入者の方の年金原資により、長生きしてしまうリスクを支えるという考え方でございます。

 そもそも生命保険の機能は、加入者間の相互扶助の原理により、人の生死や病気に関係する経済的負担のリスクを保障することにあります。保障するのが死亡に伴う費用なのか、長生きを支える費用なのかというところで、死亡保険とトンチン保険は表裏の関係にありまして、保険であるという本質には変わりがございません。加入者の間で資金が必要な方のところへ、円滑に移転、融通することができる仕組みを提供する商品として、社会保障制度を補完する役割が、このトンチン保険に期待されるものと考えております。

 6ページからは、健康寿命の延伸についてのスライドでございます。資料の右上に、第一生命のロゴマークが入っておりますが、これは第一生命個社としての取組みであることをお示ししたものでございます。マークがないものは、生命保険協会あるいは業界としての取組みとお考えください。

 第一生命では、今年の3月から健康診断割引という制度をスタートしております。これは、健康診断書をお客さまにご提出いただくことにより保険料を割り引くことで、お客さまの生活習慣の改善を促進して、重症化の予防による健康寿命の延伸を狙いとしたものであり、ひいては社会保障給付の抑制にも貢献できるのではないかと考えております。

 また、7ページのように、スマートフォンのアプリを提供させていただき、お客さまの健康増進につなげることや、こうしたサービスをグループ外の企業に提供することも開始しております。

 8ページ目からは、3点目のテーマである環境整備についてでございます。詳しいご説明は省略させていただきますが、8ページは高齢社会に対応した手続・サービスとして、具体的には保障の見直しの簡素化や、ご家族にご契約内容をご案内できる仕組み、9ページは代理請求、代筆や、生命保険信託、成年後見制度のサポートのご紹介です。

 10ページは、保険金のお受取時のサービスの拡充について触れたものでございます。

 そして、11ページは保険そのものではなく、高齢者のご家族を支えるサポートとしまして、医療・介護の電話相談や見守り、空き家管理などのサービスをご紹介したものでございます。

 12ページ以降は、4つ目のテーマであるリテラシー関係でございます。第一生命では、営業職員のタブレット型端末で、お客さまの生涯設計のシミュレーションをさせていただき、必要な保障をご検討いただいております。13ページにございますように、シミュレーションに際しましては、生活費や教育費、介護費用なども含め、お客さまお一人お一人の状況に応じた詳細な条件設定を可能としております。

 続く14ページと15ページは、今申し上げましたシミュレーションの老後部分を取り出して、より詳細なシミュレーションも行うことができるというご紹介です。

 16ページ以降は、リテラシー向上に向けた生命保険協会及び生命保険文化センターの取組みでございます。このページでは、グリーンの記載が生命保険協会、ブルーの記載が生命保険文化センターの取組みでございます。DVDや冊子のご提供、それから、セミナーへの講師派遣等を継続しております。

 17ページをご覧ください。こちらは、若年層への金融リテラシー教育の一つの取りかかりとしまして、文部科学省への働きかけを行い、中学、高校の学習指導要領に、社会保障を学ぶ際には、「民間保険」や「自助、共助、公助の適切な組み合わせ」といった点についても学習することを明記いただいたということのご紹介です。

 18ページは、先ほども申し上げました生命保険文化センターによる刊行物のご紹介であり、制度の仕組みを解説するものやデータブック、それから、このツールを用いて、いろいろ考えていただく仕立てのもの等、色々なパターンの冊子を提供させていただいております。

 最後、19ページでございます。今後の新たな取組みとして、生命保険協会で「自助の日」を創設するというものです。人々が自らの将来を描き、その実現に向けた準備を進めていくために必要な知識を身につけていけるよう、金融リテラシー向上に資する教育活動を推進していくための継続的かつ業界一丸となった教育推進の契機として記念日を創設いたします。

 中段のカラフルな葉っぱのマークにありますように、希望、知恵、財運、健康、愛という意味を持つと言われる5つ葉(イツツバ)の語呂から、5月28日を自助の日と制定し、来年のこの日を起点としまして、その前後も含め、今後継続的にリテラシー向上に向けたアクションを行っていきたいと考えております。

 私からのご説明は以上でございます。ありがとうございました。

【神田座長】
 どうもありがとうございました。

 それでは、続きまして、大和証券の荻野常務、よろしくお願いいたします。

【荻野オブザーバー】
 大和証券の荻野でございます。本日は、このような機会をいただき、誠にありがとうございます。

 それでは、証券会社における高齢者社会に向けた金融商品・サービスについて紹介をさせていただきます。資料の2ページをご覧ください。

 こちらのグラフは、先ほどの第一生命さんと似たようなグラフになっておりますけれども、切り口につきましては、第14回のワーキングで金融庁様からご説明のありました高齢社会における金融サービスのあり方で検討すべき4つの視点と、それに対する当社の商品・サービスを整理しております。

 下段に4つ書きましたとおり、1つ目が資産形成、2つ目が資産活用・取り崩し、3つ目が資産承継、4つ目が高齢者サポート。それぞれにおける当社のサービス、どのようなものをやっているかが俯瞰できる資料になっております。それでは、各項目について説明をしたいと思います。3ページをご覧ください。

 まず、3ページ左側でございます。資産形成については、iDeCoやつみたてNISAを中心に、長期・積み立て・分散に適した仕組みを活用し、非課税制度を通じた証券貯蓄の促進を図っております。

 加えまして、ロボ・アドバイザーを活用したファンドラップオンラインというものを提供しておりまして、資産形成層を中心に、少額からラップ口座サービスを提供している状況です。

 また、右側でございますが、当社から直接リーチできない顧客層の資産形成を促すため、資産形成層の顧客基盤が厚いKDDI様との資本業務提携により、auユーザー様に対して新たな投資機会の提供による資産形成の普及を図ってまいります。

 4ページをご覧ください。こちら、今後ますます重要視されてくるニーズであります、運用しながらの取り崩しにつきまして、当社ではラップ口座の附帯サービスとして、定期受取サービスというものを導入し、取り崩しのニーズに対応しております。受け取りのタイミングを選択することが可能で、1回当たりの金額も指定できます。偶数月に受け取る年金の補完ニーズにも対応できることも特徴でございます。

 また、生前に贈与するニーズも高まっており、こちらもラップ口座の附帯サービスとして、暦年贈与サービスというものを導入しております。当サービスでは、贈与資金をラップ口座で運用しながら、贈与契約の締結サポートや贈与報告書の送付などにより、暦年贈与実行の煩雑な手続をサポートするものでございます。

 5ページをご覧ください。こちら、代表的な相続対策であります、受取人を指定するニーズにつきまして、当社ではラップ口座の附帯サービスとして、相続時受取人指定サービスを導入し、残すニーズに対応しております。サービス申し込み時に受取人を指定することで、相続発生時まで運用を行い、相続発生後には指定した受取人が現金で受け取ることができるというものでございます。受取人を指定するニーズと受け取り側の現金で受け取るニーズの両方を満たすことができることが特徴で、こちらはお客さまから好評を得ている商品でございます。

 6ページをご覧ください。まず、左側でございますけれども、こちら、相続対策のアドバイスや実行のサポートなど相続発生前のサービス、それから、相続手続の代行や各種専門家の紹介など相続発生後のサービス、これらをパッケージ化した相続トータルサービスというものを提供しております。このサービスは、当社とお取引いただいていた被相続人だけでなく、その財産を受け継ぐ相続人に対するサービスもパッケージ化されていますので、お客さまの資産承継をワンストップでサポートすることが可能であることが特徴です。

 また、右側になりますが、高齢になると、資産管理を子供に任せたいというニーズも出てきます。また、子供からも、高齢となった親の資産の状況を把握したいというニーズが発生します。そうした双方のニーズに沿うため、家族が口座管理人として、親や配偶者等の資産運用、資産管理が可能なファミリーサポートサービスというものを提供しております。

 7ページをご覧ください。当社では、お客さまの属性・ライフステージを細分化しまして、専門の担当者を配置し、チャネルを最適化する取り組みを行っております。一般的に70代後半以降の高齢のお客さまは、資産運用に加えまして、資産保全、資産移転のニーズが高まるほか、老人ホームの紹介や見守りサービス等の金融以外のサービスに対するニーズが高まってきます。そういったニーズに対し、パートナーとして寄り添うことを目的として、当社のベテラン社員を中心に、あんしんプランナーという専門の担当者を設けております。

 また、CFP等の資格を有し、相続発生前のアドバイスや相続発生後のスムーズな手続をご案内できる専門のアドバイザーである相続コンサルタントというものを、ほぼ全店に配置しまして、現場である支店においても高度な相談に対応できる体制を整えております。

 8ページをご覧ください。資産承継という観点からは、中小企業の事業承継も欠かすことはできないと考えております。全都道府県に拠点を持つ強みを生かしまして、M&Aのアドバイザリー、資産承継コンサルティングといったソリューションの提供に向けて体制を強化しております。この11月から事業承継ファンドを設立しまして、比較的小規模の企業を投資対象とすることで、幅広い事業承継支援ができる体制を整えております。

 また、不動産につきましては、従来、相続発生時の売却ニーズが高かったわけですが、近年は生前での売却や有効活用に対するニーズが高まっております。そうしたニーズに応えるため、グループ内で不動産融資枠を設定し、お客さまの売りニーズに対して一旦買い受けるなどの機動的な対応を行うことで、お客さまのニーズをスムーズにマッチングする体制を整えております。

 9ページ、最後になりますが、資産形成から資産取り崩しを経て資産承継までトータルにサポートするためには、お客さま情報の適切な把握が必要となります。当社では、お客さまからヒアリングした情報をもとに、さまざまな課題を見える化させるプランニングツールとして、フューチャー・デザイナーというものを導入しております。2つありまして、1つ目の財産承継プランニングでは、家族構成や保有資産の情報から相続税を見える化することが可能となり、資産承継サポートとしてのソリューションを提供しております。

 それから、2つ目のライフプランニングでは、将来の収入、支出の情報から将来のキャッシュフローを見える化することが可能となり、資産形成や資産取り崩しのシミュレーションをもとに資産運用のアドバイスを提供しております。

 以上のように、当社では高齢化社会に向けた商品・サービスを拡充してまいりましたが、社会情勢の変化や変化する顧客ニーズを踏まえまして、引き続き取り組みを強化していきたいと考えております。

 以上で私の発表を終わります。

【神田座長】
 どうもありがとうございました。

 それでは、続きまして、野村アセットマネジメントの栗崎常務、よろしくお願いいたします。

【栗崎オブザーバー】
 野村アセットマネジメントの栗崎でございます。本日は、このようなご説明の場をいただきまして、誠にありがとうございます。

 まずは、投資信託協会の取り組みをご紹介しまして、それから、投信会社の高齢社会における金融サービスの取り組み事例として、野村アセットマネジメントの活動の一部をご紹介させていただきたいと思います。

 それでは、お手元資料、右下1ページをお開きください。まずは、投資信託協会としての取り組み状況をご紹介いたします。投資信託協会では、各種のセミナーを通しまして、NISA、つみたてNISA、iDeCoなどの制度を説明するとともに、長期・積み立て・分散投資をテーマにした啓発・普及活動に取り組んでおります。

 その取り組みの一環としまして、平成30年度には、1ページに記載の富山、島根、宮城、福井、愛媛、福岡における地方セミナーを実施しております。そこでは、FPの方からNISAや確定拠出年金の制度を解説していただき、その後に各地方の著名人を交えたパネルディスカッションを行っております。パネルディスカッションでは、投資におけるリスクとのつき合い方やNISA、ジュニアNISA、つみたてNISA、iDeCoの利用方法に関しまして、運用会社の専門家がわかりやすく回答する形式のトークセッションを行っております。

 ほかに、女性限定セミナーや今年度はライフ&マネーフェスタでのセミナー、Jリートセミナーなども新たに行いました。それらを通じ、高齢社会に向けて、現役世代からの資産形成の必要性についての啓発・普及活動を実施しております。

 次のページをお開きください。今年度はさらに、そのページにございます事業会社のDC担当者向けの「確定拠出年金をきっかけに考える資産形成~『長期・積立・分散投資』の魅力~」と題した講演を実施したところでございます。

 また、投資信託協会では、毎年、定期的なアンケート調査を、全般編と制度編に分けて実施しておりますが、新たな取り組みとして、60歳以上の方たちを対象とした投資の意識調査を追加する方向で検討しているところでございます。

 次に、当社の取り組みをご紹介いたします。3ページ目をお開きください。これは、先ほど大和証券さんの話にもありましたように、高齢社会における金融サービスのあり方の中間取りまとめに掲載されていたイメージ図を活用させていただいております。この図に示されていますとおり、資産運用の分野で高齢社会における金融サービスの主な課題は、1、資産形成世代における資産形成の促進と、2、高齢世代における資産寿命の長期化にあると考えております。当社としても、この2つの課題に対して、国民に役立つ活動を展開してまいりたいと考えております。

 まずは、資産形成世代へのアプローチについて、一例をご紹介いたします。次のページをお開きください。

 資産形成層につきましては、将来を見据えた資産形成の重要性やその方法について身近に考えてもらうことがまず大事だと考えております。当社では、女性社員による女性活躍推進ワーキングを立ち上げています。その活動の一つとして、社会で活躍する女性の未来のために、投資を楽しく、おしゃれに学ぶ体験を提供することを目的に、朝活セミナーを開催いたしました。お金の使い道、お金を使うまでの期間などで、お金の3つの色分けについて説明を行い、ご自身の資産運用について考えていただける機会を提供しました。また、つみたてNISAやiDeCoなどに触れながら、投資信託の基礎についてわかりやすく説明をしました。今後もこのような機会をつくっていきたいと考えております。

 商品としては、つみたてNISAの対象になっているインデックスファンドシリーズ、Funds-iのプロモーションに力を入れています。中央の写真にありますように、資産形成層や投資未経験層でもアクセスしやすいように、従来の当社のサイトとは異なるコンセプトで、Funds-i専用サイトを大幅にリニューアルしました。

 また、右の写真にあるように、資産形成層の女性を想定したモチーフでデザインやキャッチコピーを考え、資産形成に対する価値観を明るく伸びやかなものにしていただくためのプロモーションを実施しました。今後もネットやメディアだけでなく、対面の販売会社ともコラボレーションして、資産形成層に向けて効果のあるプロモーションを展開していきたいと考えております。

 次に、退職世代や高齢者層に向けての活動をご紹介します。5ページをお開きください。私どもは毎年、全国的に資産運用や投資信託に関する意識調査を行っております。昨年は、このページで紹介しているように、グループの資本市場研究所と共同で、金融ジェロントロジー、人生100年における金融サービスに関する調査を行いました。退職世代以降の長い人生における健康、悩み、金融サービスの利用状況、資産運用の考え等について、幅広くインターネット及び郵送による調査を行いました。

 次に、その調査結果の一例として、資産運用に関する考えをご紹介します。6ページをお開きください。このグラフは調査の一例です。老後の資金運用に関する意識の質問に対する回答結果です。左のグラフは、資金運用に関する意識です。「元本保証のみの活用」「運用収益等を受取り、元本を減らさない」という回答が非常に多くなっています。高齢者が保守的な運用を志向していることをあらわしています。また、「どうしていいのか、わからない」という回答も60代で35%もあります。若い時代からの投資啓発の重要性を感じます。高齢者のリスク許容度を改めて認識させられます。

 右のグラフでは、退職世代以降の資産の取り崩しについての質問の回答です。実際に資産の取り崩しを行っている方が、毎年どのぐらいの割合を取り崩しているのかをお聞きしました。ご覧いただいておわかりのように、おおよそ3%前後の取り崩しを行っている回答になっています。当社としても一つの目安として捉えています。

 このような回答結果やニーズを踏まえ、投信会社として商品設計にどのように取り入れているのかについて、最近の新商品の事例をご紹介いたします。7ページをお開きください。

 こちらに掲載の2つのファンドは、2018年に当社で新規設定したファンドです。左側は、一定の損失水準を確保しようとする投資信託の一例でございます。当社では、この損失限定の基準価額水準をストップラインと呼んでいます。このタイプの投資信託の中では、純資産残高が2,000億円を超えるファンドも出てきています。当社としては、高いリターンは望まないがリスクを極力とりたくないお客さまに対し、債券でリスクの低いポートフォリオを組むと同時に、さらに一定の基準価額水準までしか下落しないストップラインの仕組みを入れた商品設計をしました。

 また一方で、一定のリスクで運用しながら収益を取り崩したいというニーズに対応した商品として、ターゲットインカムファンドを提供しています。当社のターゲットインカムファンドは、ターゲットとする利回り水準を3%と定め、資産分散型ポートフォリオによる運用を行い、隔月で一定の目標分配額を払い出していく商品でございます。その後、運用しながら一定の取り崩しニーズに対応する商品として、目標とする分配金水準を提示する型の資産分散型ファンドは出てきている状況にございます。

 次のページをお開きください。資産形成層でも高齢者層でも、人生100年時代を想定したライフプランニングとその実行が求められています。そのことを各種メディア等の媒体やセミナー等の情報提供の機会を活用してご提案やアドバイスを行っています。

 例えば、販売用資料において、国民の皆さんに豊かな人生を送っていただくための資産形成や資産運用をお考えいただくためのコンテンツを挿入しています。また、販売会社とタイアップして、人生100年時代において各自がとるべき行動を考えていただくセミナーも開催しています。お客さまの世代や金融リテラシーに照らし、適切な投資信託をお選びいただけるようにラインナップを充実させていくとともに、その活用方法等も含め、金融リテラシーの向上に取り組んでまいる所存でございます。

 以上、簡単でございますが、投資信託協会及び当社の取り組みについてご紹介させていただきました。こ清聴ありがとうございました。

【神田座長】
 どうもありがとうございました。それでは、最後になりましたが、城南信用金庫の渡辺理事長、どうぞよろしくお願いいたします。

【渡辺参考人】
 城南信用金庫の渡辺でございます。本日は、このような機会を頂戴いたしまして、誠にありがとうございます。

 それでは、お手元資料に基づきましてご説明を申し上げます。手前ども城南信用金庫は、地域の方々がつくりました協同組織金融機関でございまして、社会貢献企業でございます。このため、高齢者社会が急速に進展する中で、高齢者福祉に役立つ各種サービスの開発が必要と考えまして、4年前に高齢者向け総合サポートサービス、「いつでも安心サポート」の取り扱いを開始し、以来、順次、サービスの内容の拡充に努めてまいりました。

 それでは、2ページをご覧ください。現在、このサービスは13の安心から構成されてございます。第1は、現金お届けサービスでございます。ご病気などで現金のお引き出しのために来店することが難しい方を対象に、ご指定の口座から毎月1回、現金をご本人宛てにご自宅にお届けいたします。毎月1回の手数料は、税込みで1,080円となってございます。

 第2は、入院費などの指定振り込みサービスでございます。けがや病気で突然入院されたときに、病院の支払い請求書とサービス依頼書をファクスでお送りいただければ、お客さまの口座から引き落としをいたしまして、病院の口座に振り込むサービスでございます。

 第3は、代理人サービスでございます。ご病気などでお客さまが来店できず、お支払いなどのお手続ができない場合、あらかじめお届けをいただいた代理人の方がお手続できます。お手続の際は、毎回委任状を提出しなくてもよいので大変便利といったことでございます。

 第4は、見守り定期積金サービスでございます。担当者が毎月、定期積金の掛け金の集金にお伺いする際に、お客さまの様子をお見守りいたします。お見守りの結果を、お見守りチェックシートに記載いたしまして、お客さまの写真とともに郵送でお知らせするサービスを加えることもできます。この場合、毎月の手数料は税込みで1,080円となってございます。

 第5は、リバースモーゲージサービスでございます。ご自宅を担保に必要な生活資金をご融資いたします。

 第6番目でございますが、いつでも安心口座でございます。お客さまがお亡くなりになりますと、預金口座が凍結されてしまい、お客さまは引き出せなくなって困ることがありますが、この商品は、万一お亡くなりになられても、あらかじめ指定された方に最高300万円までお支払いをする預金でございます。この商品を利用すれば、葬儀費用や当面の生活費を速やかに確保することができると考えております。法律的には、死因贈与契約を用いてございます。

 3ページをご覧ください。第7は、暦年贈与預金です。先ほどもございました。相続対策といたしまして、毎年最大110万円までの非課税枠を利用して生前贈与を行うことが効果的でございますが、正しく行うにはお手続が困難であるといった問題が発生します。本商品は、贈与する方と贈与される方のために、金融機関が贈与契約書の作成やお振り込みなどの面倒な手続を行い、贈与取引の記録を残すところまで行うといったサービスでございます。

 第8は、家族信託預金と家族信託融資でございます。成年後見制度では対応できない高齢者福祉の手段といたしまして、ご家族の間で民事信託契約を行う家族信託が注目されてございます。弊金庫では、『週刊金融財政事情』2016年8月14日号に論文を発表するなど、家族信託の啓発に努めますとともに、預金商品として受託者単独で管理するAタイプ、受益者代理人など複数で管理するBタイプ、そして、融資商品として家族信託融資を開発し、取り扱ってございます。家族信託関連商品は、メガバンクさんなど多くの金融機関では対応していないため、お取引を弊金庫に移行されるお客さまも増えてございます。

 第9は、遺言書や家族信託契約書のお預かりサービスでございます。長い年月がたちますと、せっかくの遺言書や家族信託契約書が紛失して役立たなくなるケースもあります。このため、弊金庫がしっかりと安全にお預かりをし、忘れないように、毎年ご案内状をお送りするサービスでございます。手数料は税込みで、初年度は1万800円、それ以降につきましては毎年5,400円を頂戴してございます。

 第10は、公正証書遺言作成お手伝い紹介サービスでございます。公正証書遺言をつくるには、残された家族の幸せを考えて、将来のさまざまな事態を勘案して作成することが必要でございます。このため、人生経験豊富な信用金庫のOBやOGの専門組織でございます一般社団法人しんきん安心サポートが、弁護士先生と一緒になりまして、お客さまのお手伝いをいたします。

 第11は、遺言執行紹介サービスでございます。公正証書遺言を確実に執行するためには、信頼できる遺言執行人を決めておくことが必要でございます。このため、人生経験豊富な信用金庫OB、OGの専門組織でございます一般社団法人しんきん成年後見サポートが弁護士先生と一緒に、お客さまの思いどおりに確実に遺言執行いたします。

 第12は、任意後見制度紹介サービスでございます。高齢化が進みまして、突然認知症になると、法定後見制度が適用されまして、ご家庭の事情を知らない後見人が財産管理を行うこととなります。そうならないためには、お元気なうちに任意後見契約を行うことが必要でございます。一般社団法人しんきん成年後見サポートでは、みずから任意後見人となるほか、ご家族との複数後見による契約も行い、お客さまの安心、確実な財産管理をお手伝いいたします。弊金庫では、そのための預金商品といたしまして、成年後見サポート口座をご提供してございます。後見人単独で管理するAタイプ、後見監督人などの許可を得て支払う複数のBタイプ、家族裁判所の許可を得て支払うCタイプがございます。このほか、今般、被補助人や被保佐人が単独で支払える小口管理のための暮らしの口座も開発をいたしました。

 ちなみに、この成年後見サポート口座は、最高裁と日弁連の要請によりまして、弊金庫が開発をいたしまして、2016年11月の内閣府の成年後見利用促進委員会において発表いたしました。これを受けて、内閣府から全銀協をはじめ、各業態に本商品を取り扱うよう要請が出されたところでございます。そして、翌年の1月13日には、不正防止の徹底と利用しやすさが両立した現行の後見制度支援信託に並立、代替するような新たな方策として本商品を盛り込んだ意見書が内閣総理大臣に提出され、さらに3月24日に閣議決定された成年後見制度利用促進計画の中にも盛り込まれてございます。

 現在、本商品は一般社団法人しんきん成年後見サポートの会員金庫でございます、さわやか信用金庫、目黒信用金庫、芝信用金庫、そして手前どもの各金庫で取り扱っているほか、大阪府の信用組合や静岡県の信用金庫などでも取り扱いが開始されるなど、全国で広がりつつある状況にございます。

 4ページをご覧ください。第13は、有料老人ホーム紹介サービスでございます。介護つき有料老人ホームの広告はいろいろとございますけれども、どの施設に入居すべきか不安に感じているお客さまがいらっしゃるため、有料老人ホーム事業者と連携し、お客さまのニーズに合った安心できる介護つき老人ホームなどをご紹介してございます。

 以上が高齢者向け総合サポートサービス、「いつでも安心サポート」の内容でございます。

 恐れ入ります、5ページをご覧ください。次に、一般社団法人しんきん成年後見サポートにつきましてご説明いたします。成年後見人は高齢者の財産管理を行いますが、世間では後見人による財産の使い込みが頻発している状況にございます。そこで、財産管理のプロである金融機関が成年後見法人を設立し、ダブルチェックなどの金融機関のノウハウを生かした厳正な財産管理を行うことが望ましいと考えまして、2015年1月に、品川区に支店を有する5つの信用金庫が協力いたしまして、一般社団法人しんきん成年後見サポートを設立させていただきました。

 5つの信用金庫が会費を支払い、さらに信用金庫のOB、OGが社会貢献意識を持って、時給1,000円程度の報酬で従事して運営しておりますので、資産のない高齢者の方々も親身にお世話することができます。全国の信用金庫が高い関心を持って見学に来庫してございまして、昨年は花巻、そして沼津にも兄弟会社が設立されたところでございます。

 6ページをご覧ください。弊金庫では、先ほどの13のサービスの中でも、任意後見制度、家族信託、遺言書の3つが特に大切であると考えてございます。これらのサービスを行っていく上で、金融機関ではない一般社団法人しんきん成年後見サポートが大きな役割を果たしてございます。

 7ページをご覧いただけますでしょうか。次に、その手数料でございますけれども、この表にありますように、極めて低い、資産のない方でもご利用しやすい料金体系となってございます。

 恐れ入ります、8ページをご覧ください。こうした弊金庫の高齢者サービスへの取り組みに関して、全国の金融機関から問い合わせが相次いでおりまして、先ほど申し述べましたように、沼津信用金庫や花巻信用金庫が、それぞれ一般社団法人しんきん成年後見サポートを設立するなど、信用金庫業界では高齢者福祉に対する積極的な取り組みが全国に広がりつつあります。

 恐れ入ります、9ページをご覧ください。次に、利用者や手数料などの実績でございますが、決して大きな数字ではございません。しかしながら、実際にこのサービスを開始した結果、お客さまからの相談が相次ぎ、それが新たな預金や融資につながったり、お取引の全てを弊金庫に移行されたりする方々が数多くいらっしゃいます。そうした意味では、目に見えないものの、基盤拡充などビジネスとしてのメリットは少なくございません。

 最後に、私ども金融機関といたしましては、今後とも高齢者福祉に積極的に取り組むことが必要であると考えてございます。その中で、信託は重要な役割を占めると予想されます。しかし、お子様がいないご家庭は、受託者になるお子様がいないわけでございますから家族信託ができないといった状況にございます。そこで、一案として、商事信託の一つである管理型信託を全ての金融機関に認めることが必要であると手前どもは考えてございます。

 現行法では、管理型信託は届け出ができる簡易な信託業務ではございますが、株式会社だけにしか認められておらず、信用金庫や信用組合、そして農業協同組合などは取り扱うことができません。これが認められれば、全国の地域の金融機関、信用金庫は全国に7,340店舗ございます。信用組合は全国に1,697店舗、そして、農協につきましては7,729店舗。全部で1万6,766店舗で福祉の面で大きな役割を果たすことができ、多くの国民が適正な費用で安心できる高齢者福祉サービスを利用することができるようになります。こうした点を含めて、今後、高齢者社会に向けての制度面での一層の充実をお願いできればと考えております。よろしくお願い申し上げます。ご清聴、誠にありがとうございました。

【神田座長】
 どうもありがとうございました。

 それでは、以上につきまして、委員の皆様方からご質問、ご意見をお出しいただければと思います。

 なお、4時15分ごろになりましたら、5分程度の休憩をとりたいと思います。また、いつものことで恐縮でございますけれども、1回のご発言は簡潔にお願いできればありがたく存じます。

 それでは、池尾先生、それから大崎委員の順で、池尾先生、どうぞ。

【池尾委員】
 ご報告、どうもありがとうございました。既にいろんなサービスが提供されているんだなということを印象として受けたんですけれども、既にいろんなサービスが提供されているとして、それに対する認知度という問題ですよね。最後の城南信用金庫さんのご報告だと、まだまだ件数は少ないということですから、認知度に関して、今後、高めていく必要性が、ほかの方も含めて大いにあると思うんですが、そういう面で、いろいろセミナーをやられているとかそういうことはあるんですけれども、今後、超高齢化が進んでニーズが高まってくれば、相談に来られて、自然と認知度が高まっていくということなのか、そのあたり、認知度を高めるというあたりで何か、やはりひと工夫ふた工夫する必要があるんじゃないかと思うんですが、そのあたりがどうかというのと、それから、もう一つはコストの問題で、これも城南信用金庫の方は、ちゃんと幾らかかるという説明をしていただいたんですが、ほかの方の説明は、こういうサービスがありますということはあったんですが、それは幾らかかるのかというのが、なかなか感覚として難しいと思うんですけれども、例えば、65歳ぐらいでリタイアして、退職金含めて3,000万円ぐらいあったとして、それを預ければ、そこから上がるリターンで悠々賄えるぐらいの範囲の手数料で十分いろんなサービスが受けられるということなのか、やっぱりもう少し、手数料に関しては、負担を求められているのかという点が次に伺いたい点で、例えば、大和証券でラップ口座にいろいろ、定期受け取りサービスとか暦年贈与サービスとかつけられるというわけですけど、そういうのをつければ幾らぐらいかかるのかという、そういうコスト負担、個別の値というよりは、イメージとして、どういうコスト負担を利用者はしなければいけないのかという、コスト負担の重さというのか、軽さなのかもしれませんが、それのイメージがわからないかなというのが質問したいところです。

 以上です。

【神田座長】
 ありがとうございました。

 それでは、まず、認知度というか、周知をしていくことにつきまして、渡辺理事長、いかがでしょうかね。ご説明いただいたのですけれども。

【渡辺参考人】
 セミナーというのは、基本的にお客さまに来ていただくことになろうかと思うんですね。私ども、この説明はなかったんですが、なんでも相談プラザというのがありまして、お客さまのどのようなお困り事もお悩み事も聞くという体制にしてございます。これは全店の窓口もそうですし、渉外担当も全てそういう意識を持ってお客さまに説明してございますので、そういう意味では、お会いできないお客さまにはどうするんだという話もあるのかもしれませんけれども、基本的には全てのお客さまにお知らせをするような体制をとっているということでございます。

 あとは、やはり私ども、地域金融機関でございますので、なかなかマスメディアに訴えることが難しいかと思いますが、ありとあらゆる、いろんなフェア等もやっておりますし、そういう機会も通じて、やはり成年後見の大切さを皆さんに知っていただくことがまず大切なんだろうと思いますし、先ほども皆さんからお話がございましたけれども、なかなかそうは言っても考えないというか、考えられないという方もいっぱいいらっしゃるので、やはり啓発活動は非常に大切になってくるのかなというところでございます。

【神田座長】
 どうもありがとうございました。ほかの方々で周知などについていかがでしょうか。荻野オブザーバー、どうぞ。

【荻野オブザーバー】
 指名がありましたので、大和証券のラップの件についてお話ししたいと思うんですけれども、まず結論から言いますと、ラップの附帯サービス、お客さまに負担してもらうものはありません。これは無料でございます。当然、それを運営する大和証券のサイドとして、システムの費用であったり、コストがかかっております。ところが、こういうサービスがあるということで、従来、例えば、お客さまは1,000万しかラップ口座に預けていただかなかった。それが、こういうサービスがあるんだなということで、ほかの金融機関に持っているお金もこちらに集めていただく。例えば、3,000万預けていただくということになれば、そういったような効果で元は取れるのではないかと考えております。

【神田座長】
 どうもありがとうございました。そうしましたら、周知とか認知度を高める工夫ということと、それから、利用者が払う手数料、コストという、どちらでも結構ですので、もしご発言があれば、順次お願いできればと思います。無理にご発言いただく必要はございません。

 望月さんから。

【望月オブザーバー】
 認知度を高める工夫の一つは、前回の市場ワーキングでも議論になりましたが、お客さまにアクセスする方法として職域の活用が大変重要だと思っています。企業活動を通じてご案内するために、職域専用のサイトなどをつくり、企業と連携して、従業員ホームページで閲覧できるようにしていただくなどの取り組みを通じて、認知度を高める工夫を行っております。もう一つは、個人のお客さまへ個々にアプローチしていくことも必要だと思っています。

 手数料につきましては、私は2つほど類型があると考えており、1つは、サービスそのものは無償で提供し、それ以外のところでマネタイズをしていく方法。末永くサービスを提供するためには、どこかでマネタイズということは必要だと思っています。

 もう一つは、ある一定水準まではサービスを無償で提供し、一定水準からより深いサービスを提供する際に有償とする方法。この利点は、無償でサービスをご提供するお客さまのリテラシーを高め啓発した上で、より利便性の高いサービスを提供することにより、ビジネス化と共に社会基盤としても両立させていく余地があると考えております。

【神田座長】
 ありがとうございます。

 白山さん、いかがでしょうか。

【白山オブザーバー】
 認知度という点では、やはり当社、相続セミナーとかやっておりますので、そういう場でご紹介をしているということなのですが、確かに認知度がまだまだという感じはしておりまして、それほど件数は伸びていない。現場の人にどうして伸びないのというのを聞きますと、やっぱりお客さまがまだ認知能力が低下していない、認知症になっていないお客さまなので、それほど切迫感がないというか、あまり刺さらないというか、乗ってこられないという話を聞いております。

 それから、コストについては、安心サポート信託というのが、非常にオーダーメードでいろんなニーズに応えられるようになっているので、ケース・バイ・ケースで手数料の幅があるということですが、大体100万円ぐらいとなっております。

 それから、セキュリティ型信託は非常に単純な、同意者の同意がない限りは払い出さないということなので、これは無料でございます。任意後見制度支援信託はまだ始まって間もないのですが、設定時に5万円ぐらいということでございます。

 以上でございます。

【神田座長】
 ありがとうございました。

 畑中さん、いかがでしょうか。

【畑中オブザーバー】
 生命保険業界の場合、営業職員がメインチャネルである保険会社においては、新たな高齢者向けの制度ができた際、基本的に営業職員がお客さまに対してお知らせ活動をしますので、自社のお客さまに対して、基本的に自社の制度はお知らせできる仕組みになっております。さらに、年1回、お客さまに対してご契約の加入状況をお知らせする資料をお送りしている保険会社が多くありますので、そういった通知物の中にも、新たにできた制度についてチラシなどを入れてご認識いただくという工夫をしております。

 ただ、ご指摘のとおり、世の中全般に知れ渡っているかというところについては、やはり課題と思っており、プレゼン資料の後半に掲載しているように、生命保険文化センターや生命保険協会が全般的な公表資料でお知らせするとか、さらには、最後のページでご説明したように、それで足らざる部分について何ができるかということで、「自助の日」を設けて、シンポジウムを行うとか、その前後に業界・個社として色々な活動を今後行っていきたいと考えているところでございます。

 それから、2点目のコストにつきましては、8ページから11ページで各種制度をご紹介しましたけれども、基本的に保険手続にかかわるもの、例えば、保険金のお支払いに関する10ページに掲載のサービスにつきましても、追加のフィーをいただくことはございません。ただ、9ページの下段の成年後見制度サポートや、11ページの下段のセカンドライフに関するサポートにつきましては、保険商品の仕組みの中に入っているものではございませんので、一部費用をいただくこともあると、そういうふうにご認識いただければと思います。

 以上でございます。

【神田座長】
 ありがとうございました。

 荻野さん、費用の話は先ほど伺ったんですけど、商品やサービスの認知度を高める何か、いかがでしょう。

【荻野オブザーバー】
 もうお話出たように、セミナーであったり広告であったり、もしくは、既にお客さまとなっている方からの紹介というものが多くなっております。私の資料で3ページのところでちょっと触れましたけれども、そういった従来のやり方だけではなくて、例えば、KDDIさんのような2,000万を超えるユーザーを抱えているところと提携するということで、今まで直接リーチできなかった投資家層に訴求していくといったようなことが考えられると思っております。

【神田座長】
 どうもありがとうございました。

 栗崎さん、もしご発言があれば。

【栗崎オブザーバー】
 認知度向上という点では、先ほど申し上げましたように、資産形成層の方々には、SNS、インスタグラムですとかユーチューブとかを使って配信してはいるんですが、高齢者となりますと、そういう利用者も限られてくると思いますので、私ども運用会社単独というよりは、販売会社さんとの協力を仰ぎながら、大規模セミナーというようなものを継続して行っていくということかなとは思っております。

 また、コストという点で言うと、先ほど紹介させていただきました2つの投資信託につきましては、年間の信託報酬が1%弱というようなものでございます。

 以上です。

【神田座長】
 ありがとうございました。

 それでは、大崎委員にご発言いただいた後、少し休憩をとらせていただきたいと思います。大崎委員、どうぞ。

【大崎委員】
 ありがとうございます。2つほど、細かいことを確認させていただきたいのと、あと、2つぐらい意見を申し上げたいんですが、最初は、みずほ銀行さんのお話で、自主ルールとして、高齢顧客の方には家族に同席してもらうというようなお話がございましたが、ひとり暮らしの方の場合もそういう扱いなんですか。

【望月オブザーバー】
 ご親族の有無を確認させていただき、ご親族がいらっしゃるときには、お客さまにまずご同意をいただいた上で、できるだけご親族の同席をしていただけるようにご案内しております。ご親族がどなたもいらっしゃらないという場合には、銀行側が複数名で面談したり、お客さまとの面談の記録を残すなど、より丁寧な対応を行っております。

【大崎委員】
 ありがとうございます。それから、三井住友信託銀行さんのお話で、いろんな信託商品が開発されていて、大変いいことだなと思ったんですが、これ、全て金銭信託という理解でよろしいんでしょうか。

【白山オブザーバー】
 現状では、信託財産は金銭だけになっておりまして、これを有価証券とか不動産に広げていくというのは一つの課題だと思っております。

【大崎委員】
 私もそれを感じまして、先般も有価証券の保有について、将来は認知症の方の保有割合が3割ぐらいになるというようなお話もあったので、せっかくこういういい商品を開発していただいても、これが普及すればするほど有価証券の売却が増えるというのもいかがなものかなということをちょっと思ったものですから、ということで確認させていただきました。

 あと、2つほど感想めいた意見を申し上げたいんですが、まず、城南信金さんからお話があった管理型信託の話でございますけれども、これ、多分、神田先生にお尋ねしたほうがいいかもしれませんけれども、なぜ株式会社が扱うことになっているのかは。もしかすると、商事信託だから非営利でないとか、そんなような話なのかなと思ったんですが、いずれにしても、これ、検討の余地がある話だと感じました。

 それから、第一生命さんからお話のあったトンチン保険でございますが、これ、私は、いわゆる長生きリスクを担保する、民間で提供できる、ほとんど唯一の商品形態だと個人的に思っておりまして、極めて重要だと思うんですが、なかなか理解されてないという気がしました。ネットの情報なんかを見ておりましても、具体的な商品を挙げて、これだと、いわゆる払い込んだ保険料と受け取る年金が同額になる、それを「とんとん」とかいう言い方をする人もいるんですが、それが86歳とか87歳とかそのぐらいで、そんなんだったら入ったら損だとかいうようなことを言ったりする人、これ、結構影響力のある人にもいて、私は非常に問題だと思っておるんですが、それこそ、ずっと火災保険料を払い込んで、家が火事にならなかったので損をしたというようなことを思う人は世の中にあり得ないと思うんですが、なぜか長生きのリスクを担保する保険である、このトンチン保険についてだけ、払い込んだよりもらったのが多いの少ないのということを言う人がいるというのは非常に残念だと思っております。ぜひこのあたり、本来の保険機能ってこういうものなんだという啓発活動に注力していただければと思う次第でございます。

 以上です。

【神田座長】
 どうもありがとうございました。

 それでは、ここで少し休憩をとらせていただきたいと思います。5分間休憩をしますので、4時25分に再開させていただきます。よろしくお願いいたします。

( 休 憩 )

【神田座長】
 それでは、恐縮ですけれども、再開をさせていただきたいと思います。

 委員の皆様方からご質問、ご意見、どの点についてでも結構ですので、お出しいただければありがたく存じます。どなたからでも結構です。いかがでしょうか。

 大崎さん、どうぞ。

【大崎委員】
 1点、さっきお尋ねするのを忘れたことがございまして、城南信金さんの信金成年後見サポートのお話、大変興味深く拝聴したんですが、ご発言にもありましたとおり、成年後見をめぐっては、残念ながら、弁護士さんなんかにもいろんな不祥事があって、親族の方がやられた場合でも問題が起きたりしておりますが、そういう専門職の方でも問題が起きる分野で、どういう形でそういった問題を防止する体制なり手当てをしておられるのか、何かあれば教えていただきたいと思いまして。

【渡辺参考人】
 それでは、お答えいたします。成年後見サポートが実質扱うということになりますと、基本的にダブルチェック、2人体制になってございます。単独ではなり得ませんので、必ず主と従の関係で2人で。ですから、先ほどご説明申し上げましたが、金融機関としてダブルチェック体制というのは結構頻繁にある体制でございますので、そういうノウハウを生かしましてやらせていただいているといったことでございます。

【大崎委員】
 ありがとうございます。

【神田座長】
 よろしいでしょうか。

 ほかに。野尻委員、どうぞ。

【野尻委員】
 ありがとうございました。先ほどもありましたけれども、私も、こんなにたくさんサービスだとか商品があるんだというのをすごく痛感しまして、なぜまだこういう議論をしないといけないのかとも思いました。ちょっと変な言い方なんですけれども、受ける側、例えば、私の父が入院しました、痴呆になりましたというときに、どういうサービスをどうやって受けていけるかと考えると、2つ大事な点があると思っています。1つは、例えばですけど、同じようなサービスをくくっている1つの言葉みたいなものがないと比較ができないような気がするんですね。例えば、投資信託と言えばこういうものだとか、保険と言えばこういうものだというのは、ある程度共通認識ができるんですけど、各行、各金融機関さんがいろいろな名前でいろいろなものを出されていくと、なかなか比較、これとこれが同じ分類、同じカテゴリーのものなのかというのがちょっと見えにくくなるのではないかという気がしました。

 逆に、いろんなものをパッケージのようにしてサービスにしてしまうと、今度はばらばらに見たときに、これとこれがどういうものかという比較もしにくくなるんではないかというのを少し感じました。どうやって普及させていくかというときに、需要者側の目線でわかりやすく伝わる言葉がないと難しいかなというのを感じました。今、一生懸命メモはとったんですけど、すごい短時間にお話しされるというのもあって、言葉をメモに書き取ることもできないぐらいにいろいろな名前がついていてというのを感じましたので、共通のカテゴリーとかサービスとかをつくれるようになったらいいんではないかというのを漠然と感じました。中身、一つ一つに議論を申し上げる立場ではないんですが、そんなことをちょっと思いました。

【神田座長】
 どうもありがとうございました。

 それでは、鹿毛委員、駒村委員、島田委員の順で。鹿毛委員、どうぞ。

【鹿毛委員】
 私も、現場のサービスが非常に進んでいるなという印象を持ち、少し驚きでもありました。今日のお話をお伺いして、高齢者向けサービスは、2つにはっきり分かれていると思いました。1つは、現実に認知症であったり、相続という実際の問題を持っている方に対する対応。もう一つは、これから年を取って認知症になるおそれがある、つまり今後でてくる問題への対応です。

 前者のほうは、現実の問題への対応なので、特に本ワーキング・グループとしては、やはり顧客本位という観点からの品質管理が中心的課題と思います。そうした品質管理は、実際にも時とともに定着し、進んでいくものと期待されます。むしろ問題なのは、これから年をとっていく、場合によっては認知能力が少しずつ落ちていくというような非常に多くの層に対する対応をどうするか、という点です。先ほど池尾先生もご指摘のように、そういうサービスに関しても、社会の関心とか、認知度をどう高めるか、という問題がまずあると思います。同時にこういうサービスが定着するためのもう一つの条件として、顧客目線で考えてみますと、信頼性をどう高めるか?という課題があると思います。特に、将来的にはそういう方々は、全資産をアドバイザーに開示することによって、最適なアイデアあるいはアドバイスを得られるということで、これが重要なサービスになると思いますが、一方で、誰でも、特に健康なうちに、金融機関に、資産内容を全部ディスクローズしていくことには非常なためらいがあると思います。その心理的壁を超える一つのきっかけは、やはり信頼関係でしょう。例えば長い間の取引関係があるお客さまであれば、その金融機関との信頼関係が高く、話もしやすい、と思いますが、そうでないところで新しいサービスが出てきてということになると、これはかなり難しい問題で、ある意味では鶏と卵のようなところもあろうかと思います。

 そのためには、例えば、今日もお話がありましたような、ダブルチェックといった仕組みの問題、信託というような器があるかどうか。金融機関であれば、当局の検査があるかどうかとか、こういった幾つかの条件が整うことで信頼性を高めていく一つの条件にもなると思います。こちらのサービスについても、ある種の品質管理の仕組みが明確になっていくことで、多分時間はかかると思いますが、業界としての信頼性も少しずつ高まっていって、おそらくその中で信頼性の評価が高いところにだんだん顧客も集まっていくのではないかと感じました。

 以上です。

【神田座長】
 どうもありがとうございました。

 では、駒村先生、どうぞ。

【駒村委員】
 ありがとうございます。高齢化社会でさまざまな金融の課題に対応するためには、技術でできる部分、対人サービスとして民間企業が工夫して対応する部分、地方自治体や準公的機関と民間機関が連携しなければいけない部分、政策的に対応しなければいけない部分と分けられると思うんですが、今日、城南信金が使われた言葉で、こういうことを金融機関がはっきりと言うのかなと思って非常に感銘したのが、「高齢者福祉と金融の連携」の部分の説明でありました。既にいろんな取り組みを城南信金でやられているというお話でありました。これから政府は在宅介護をどんどん推進するわけでありまして、介護保険はともかくとして、日常生活自立支援事業、総合事業等々、最小限の身の回りをサポートするサービスは、それなりにいろいろ準備していると思うんですけれども、城南信金がやられているような13のサービス、高齢者向けの総合サポートサービス、お金の管理、支援、資産の流動化、活用、サービス購入、住みかえ支援、こういったことは、今の福祉政策と介護政策と金融の部分で今後、すき間がどんどん広がっていくだろうと思われます。

 こういった中で、三井住友銀行からご提案があった地域包括ケアシステムとの連携というか、参画というのは非常に重要な、私も従来から、これ、極めて重要なテーマだと思っていたんですけれども、これは非常に重要な視点だと思うんですけれども、質問は1つありまして、三井住友信託銀行のほうは、具体的に何か構想があったり、モデル的なことをトライしているのか、この辺は教えていただければと思います。

 以上です。

【白山オブザーバー】
 具体的構想といいますか、今やっていますのは、各支店長にその地域の地域包括サービスセンターにコンタクトをとって、まず、認知症と思われるようなお客さまが来られて、ちょっと困ったときにご相談に行くとか、先ほど申しましたけれども、ご家族にご紹介をするとか、まず、そういうパイプをつくることを、今、各支店長に指示をしているということで、その結果で幾つかうまくいったような事例も出ている状況です。

【駒村委員】
 国のシステムとして、個別のトライ、工夫を、より正式にかかわれるような議論ができれば、より重要じゃないかと思います。ありがとうございます。

【白山オブザーバー】
 それとつけ加えて言いますと、「金融ガイド」というものを出版したのですけれども、その中にも地域包括センターと連携して、うまくいった事例みたいな、そういうものも載せさせていただいています。

【神田座長】
 どうもありがとうございました。

 それでは、島田委員、どうぞ。

【島田委員】
 感想ですが、皆様がさまざまなサービスを既になさっていらっしゃること、それから、そのサービスがいろいろな資産保有層、資産をどのくらいお持ちの方に対するサービスなのかということでもかなり多様なレベルがあることを、お話を伺っていて感じました。ただ、各社が努力をして、いろいろなサービスをなさればなさるほど、お客さまとしては比較ができなくなっちゃうという話があります。

 既存の大事なお客さまに対してこういうサービスをしようという考え方も非常に重要だとは思います。

 一方で、皆さんがそういった新たなサービスをどんどん競争している目的には、たくさんお金を既に持っていらっしゃる(他社の)お客さまに移ってきていただこうということもあるのではないかと思います。そうであるならば、サービスに対して、どのようなサービスをしているのか、どういうコストで提供しているのかといったことを情報開示していただいて、客側から金融機関を選択できるようなインフラを整えることも重要ではないかと思いました。

 それから、個人の資産のアグリゲーション、見える化をすることが非常に重要だというのは全くそのとおりだと思います。一方で、一市民としては、いろいろな金融機関に資産を置いているわけですので、1つの金融機関に、自分の何から何からまで全部を裸になって見せるということには、先ほどもお話にありましたが、信頼関係が十分できていればよいのかもしれませんけれども、心理的にまだ高いバリアがあるのではないかと思います。

 そういう中で、第三者の中立的なアドバイザーの方が存在することがほんとうに重要だなと、私は今日、お話を伺っていてあらためて感じました。たとえば、自分の親が遠くにいて、認知症の疑いがで始めていたり、判断力がどの程度なのかよくわからないといった段階になってくると、信頼できる中立的なアドバイザーの方が各金融機関のサービスを比べて、どのようなサービスが必要なのか、あるいは、どのようなコストが妥当なのかなどをアドバイスしていただければ、消費者としてはとてもありがたいと思いました。

 また、サービスを比べるには、野尻委員がおっしゃったように、同じようなサービスに同じような名前がついていないと、やはり非常にわかりにくい。独自のサービスも重要ですが、業界の中でスタンダードなサービスについては、同じ呼び名のようなものがこれからできていくといいなと感じました。

【神田座長】
 どうもありがとうございました。

 それでは、林田委員、永沢委員、中野委員、野村委員の順でお願いします。林田委員、どうぞ。

【林田委員】
 ありがとうございます。今回と前回、プレゼンテーションを聞かせていただきまして、事業者の方々が人生100年時代を見据えて、さまざまな商品を提供してご努力をされているのを知りまして、意を強くしたところではあります。多様化するニーズに合わせて、金融事業者が最適な商品を提供していくというのは、それぞれの顧客に合わせたものを提供していくのが大事だと思うんですが、それにはやはり、先ほど鹿毛委員もおっしゃられたように、顧客と事業者との間の信頼関係がしっかりと築かれていることは非常に重要だと思います。

 信頼関係を築くという点で言って、私ごとではありますけれども、この間、運用の方だけが頑張れば、それで信頼関係が築けるかというと、そうでもないなと感じたことがありましたので、ちょっとご紹介します。

 実は、ある銀行に住宅ローンの全額繰り上げ返済に先日行きまして、感じたことなんですが、貸してくださるときには非常に丁寧にご説明をいただいて、これでもかというぐらい資料をいただいたんですけれども、返しに行ったときには非常に冷たく対応されたと。どう冷たく対応されたかを言ってしまうと特定されてしまう可能性があるので申し上げませんが、そのときに感じたのは、こことは長いつき合いはできないなと感じました。

 その後日談として、2週間ほどしたときに、その銀行から封書が届きまして、中をあけましたら、つみたてNISAを始めませんかというパンフレットが来た。どうもやっていることがちぐはぐな感じがいたしまして、やはり顧客本位の業務運営というのは、今、もうかる仕事だから顧客本位でやるというのではなくて、そうでないとき、そういう場面でもしっかりとやっていくというふうに徹底していかないといけないんじゃないのかなということを個人的に感じましたので、ご紹介しました。

 以上です。

【神田座長】
 ありがとうございました。

 永沢さん、どうぞ。

【永沢委員】
 ありがとうございます。私も本日、各金融機関がさまざまな新しいサービスを開発され提供されていることを知りことができ、参考になりました。私も最近、父親を亡くし、相続なども発生しました。高齢の母がおりますが、金融機関のサービスを十分に受けることができず金融封鎖を受けているように思うようなときもありまして、本日のお話を伺い、こんなにいいサービスがあるのかと思い、自分たちが使い切れていないという状況を改めて知った次第で、こうしたサービスをどうやって国民に知らせていくのかは重要なことだと私も思いました。

 それから、鹿毛委員がお話しされたように、今日のお話の中には、今の問題と将来の問題が混在していたように思います。そこで、今の問題からまず、気づいたことをお話しさせていただきたいと思います。

 先ほど林田委員がおっしゃったことにも関連しますが、私は高齢者の金融商品をめぐるトラブルに接する機会があるものですから、そこで感じていることとして、2点ばかりお話させていただきます。一つは、高齢者自身が自分にはこうしたニーズがあるということを口にするわけですが、紛争の場面で、こうお客さまがおっしゃったからということを相手型の金融機関は主張し、紛争の場面では高齢者の発言が引用されるわけですけれども、前回、前々回でも出てきておりますけれども、そうした高齢者が口にするニーズというのをそのまま真に受けていいものなのかどうか疑問に思うことがあります。顧客が口にしたニーズを、どこまで金融機関は修正できるのか、そこも課題だろうと思います。AIとか登場しているわけですが、そうした新しい技術を使ったりとかという話も出てきておりますけれども、高齢者が口にしたニーズを適正に修正して意思決定をサポートするというところは、業界全体の課題として考えていただく必要があるだろうと思います。現状は、この高齢者は「こう言った」という事実だけが紛争処理の場面に提出されますが、これではトラブルの場面で高齢者は救われないという状況がございます。

 また、これも林田委員のお話にありましたけれども、そういったことをきっかけにして、高齢者は、長くつき合ってきた金融機関に裏切られた気持ちになり、もう二度と会いたくないという状況に陥ることも少なくありません。トラブルを契機に金融機関離れを起こすということとなり、現金を家にためるというようなことも起こりますので、この辺も課題ではないかと思います。最後まで寄り添っていただける金融機関であっていただきたいと思います。

 それから、大崎委員がご質問されたところになりますが、高齢者ルールというのは確かに画一的だというご批判は、私も当たっている部分はあるとは思っておりますが、どのようにこのルールを現実的に修正するのが課題と思います。私は、役席者同席というルールがありますが、役席者が同席したからということを金融機関がおっしゃることが、紛争となった場面で高齢者の不信感を増幅していると思っております。金融機関が高齢者に対する勧誘を自粛されたほうがいい場面もあるだろうと思っておりまして、高齢者ルールを見直すということであれば、高齢者トラブルを回避するためにはどうしたらいいかという逆提案を金融業界からお願いしたいと思います。画一的だという批判だけではなくて、では、どうしたらいいかというところを是非ともお願いしたいと思います。

 続いて、将来のお話ですけれども、本日、さまざまなサービスをご紹介いただきまして、これは島田委員とも意見が重なるところなんですが、どの程度の資産のある人だったら、こういう素晴らしいサービスを受けることができるのだろうかが気になりました。また、金融機関といえども営利企業ですから、直接的・間接的に何らかの利益が必要とされるということだと思います。利益のないもの、赤字のサービスは持続可能性がないと思っておりまして、そういう意味では、人生100年というわけですから、長い期間継続いただく必要があるわけです。持続可能性がないサービスが人生100年のサービスとしてどんどん提供されてしまうと、それは利用する側からすると困ることになると思います。

 投資信託についてはそこそこ詳しいものですから、細かいことを申し上げて大変恐縮なんですけれども、例えば、野村アセットさんからご紹介がありましたサービスなんかも、ファンドが長く存在することが大前提になっていますが、その一方で、昨今、ファンドの信託期間はどんどん短くなっておりまして、その辺の整合性はどうなんだろうかとも思いました。

 もう1点、細かいことを申し上げますが、取り崩し率3%というところなんですけれども、多くの人が3%がいいと思っているということでした。おそらく3%が妥当なラインなんだろうと思いもするのですが、みんながそう思っているからというのではなく、専門家の方にも入っていただいて、この3%という率が妥当なものという根拠が必要なのではないでしょうか。終わってみなければ、3%が本当に妥当かどうかはわからないものですが、それを始めるにあたり、安心してそのプランに乗れるということもサービスが広がる前提だと思いますので、そのあたりの理論作りをお願いしたいと思います。そういう意味では、トンチン保険なども魅力的で、理論的にはなるほどとも思いますが、市場の評価、実際にこういう保険を消費者がどう感じているのかという点について、別の機会にお聞かせていただきたいと思います。

【神田座長】
 どうもありがとうございました。

 中野委員、どうぞ。

【中野委員】
 プレゼン、たくさんありがとうございました。業態ごとに、ほんとうにさまざま考えられた高齢者サービスがあることを改めて実感いたしましたが、一方で、さまざまな複雑なサービスはあっても、現場でもっとプリミティブな形で高齢者に信頼を与えられているんだろうかというところを課題提起したくて、毎回、私の母親の実例を出して恐縮ですが、またちょっと恥ずかしい話でありまして、私の母親は数年前にオレオレ詐欺にひっかかりまして、結構まとまった金額を取られました。そのときに母親は、ある大手の銀行に預金を引き出しに行ったわけでございまして、1,000万円単位の預金を引き出すというのを、80代後半の老女が1人で行って、結構簡単にできてしまったのです。これがオレオレ詐欺に払ってしまった大前提でありまして、そこの銀行に、私がどういう経緯で対応したか問い合わせをしたところ、形はきちんと法令にのっとって行っている。ただし、形式基準であって、実際に母親は、引き出しを結構簡単にできてしまった。

 私は大変残念で、逆に言うと、形式基準というのは実は大事であり、母親は、検査をしても全然認知でありませんが、言ってみれば、高齢を前提としての判断能力の低下はあるんですね。ですから、やはり一定の高齢の方に対しては金融取引を一律制限するということを考えるべきなのではないかと、私自身の体験から思った次第です。

 ちょっと話がそれましたが、地域金融機関にとりわけ意義があるなと思うのは、非金融分野も含めた附帯価値の提供でありまして、こういったことを城南信金さんのプレゼンでも、さまざま考えておられることを伺って、これこそが地域金融機関というのは、信頼が高くあって、そこを頼って、さまざまなサービスを求めてくるということに応える一つの前提であろうと思います。

 一方で、城南信金さんは非常にフィデューシャリー・デューティーの観点も高いと感じました。すなわち、個別のサービスコストをきれいに開示されておりました。一方で、押しなべて、我々金融業界の悪弊と言ってもいい、手数料収益をやたらバンドルして内包させる、わからなくしてもうける、あるいは、もっといけないのは、業者からキックバックを受ける形で収益化する。こういった癖を改めないといけないわけで、こういった収益をきちんとコスト開示して、堂々とそれを請求するという文化を、まず、我々金融業界が身につけなければいけないというところです。これは、高齢サービスにおいても、信頼をかち取るために大変大事なポイントだろうと思います。

 それと、先ほど、大崎委員からもございましたけれども、信託業務は、高齢者の信任を受けたサービスとして提供するのに非常に重要な機能であろうと思います。ですから、信金さんに今、制約されている信託業務兼業規制の緩和を抜本的に考えていく時期に来ているんだろうと感じております。

 そして、最後なんですが、保険について、やはり大崎委員と先ほど雑談していましたが、トンチン保険は、私も今後、非常に有効なものであろうと考えております。現状を伺いましたら、日本生命と第一生命ぐらいしか提供できる能力がない、ということらしいです。これを保険業界として一般化して定着させて、よりみんなが素直に使えるようにするという努力をぜひしていただきたいんですが、このあたりについては、業界の努力はされているのか伺いたいと思いました。

 以上でございます。

【神田座長】
 どうもありがとうございました。

 畑中さん、今の最後の点、もし何かございましたらお願いします。

【畑中オブザーバー】
 ありがとうございます。先ほど、大崎委員から激励も頂戴しましたが、実はトンチン保険、一般的に「トンチン年金」とも呼ばれる商品が、生保業界で初めて発売されたのは、たしか2016年度であり、そのときに何が起こったかというと、同時に超低金利の時代が始まっております。結局のところ、トンチン性もあるものの、やはりそれなりの運用利回りがないと、なかなかアピールしにくいという、環境的なものが一つあるかと思います。

 それから、やはり大崎委員もおっしゃったとおり、どうしてもお客さまは、死亡保障というと、皆様、ご家族とか大切な方に何かを残したいということはお考えになりますが、殊、ご自身のことになると、これは高齢化が急速に進み過ぎたというところがあるのだと思うのですけれども、100歳生きて、どんな大変なことになるかということについてのご認識を、私どもの努力も足りないのですが、まだまだご認識いただけないというのが現状の課題かと思います。

 ご説明申し上げましたとおり、定期保険の死亡保障と、トンチン保険の長生きリスク保障、純粋トンチンの世界は表裏の関係にございますので、そこをご理解いただく努力をさらに進めていきたいと、ここが大きな課題だと思います。ご指摘ありがとうございます。

【神田座長】
 よろしゅうございますでしょうか。

【中野委員】
 ありがとうございました。

【神田座長】
 どうもありがとうございました。

 それでは、野村委員、どうぞ。

【野村委員】
 非常に広範囲にわたるご説明、どうもありがとうございました。ごく簡単にコメントめいたところでございます。先ほどの野村アセット、栗崎様からのご指摘にもありましたし、私も前回、同じアンケートを引用したのですけれども、やはり「どうしてよいかわからない」とお答えになる方が結構いらっしゃるのが現実ではないかと思います。今日は先ほど来、いろいろな委員の中から、見える化の話ですとか、パッケージ化すると、かえって比較が難しい、いろいろな論点をご提示になったような気はするのですが、現実はもう少し、そういうものを比較したいとか、する必要があるとか、何らかのアクションをまずとらねばならないと思う手前のところでとまってしまっている可能性すらもあるのかなと思います。丸めた言葉で言うと、金融リテラシー云々ということにもなるのかもしれませんが、やはりそういう現実があるのかなという気がいたしております。

 そういう意味では、やはり、まずは身近でプロフェッショナルに話を聞きたいと思う方がいらして、そういうところにまずは相談するというアクションをとっていただくところが大事、第一歩と思います。これまた、先ほど来ご指摘ありました、信頼できる関係をいかに長い期間をかけてつくっておくかということになるのかと思います。そして、これは、やや自分自身の意見になるのですが、おそらくそのときの信頼というのは、どういうところに所属しているのかですとか、そこの組織形態といったことよりも、ほんとうに信頼関係がきちんとできているのかという、そこのクオリティーのところのほうが大事であり、やはり第三者的なお立場の方であっても、何がしかのアドバイスであれば対価を頂戴する必要があるわけですので、そこのところがきちんと説明されて、理解されているのかという、そこは一緒じゃないかと思います。組織とかそういう話ではないんだろうと思ったところでございます。

 また、先ほど来、話題が盛り上がっているトンチン年金、トンチン保険なんですけれども、個人的には、いただいたチャートの2ページのところで、おそらく貯蓄ではなくて、いっそ保障のほうに分類されたほうが、このプロダクトの本質が伝わるんじゃないかなと思います。貯蓄というと、損だ、得だというような話になるわけでございます。これは、おそらく長生きリスクという、ちょっと把握しづらいものに対する保障が肝じゃないかと思いましたので、これは私は、いっそ思い切って保障に分類されたほうが伝わりやすいんじゃないかと思いました。

 以上でございます。

【神田座長】
 どうもありがとうございました。

 それでは、竹川委員、どうぞ。

【竹川委員】
 いろいろな多岐にわたるご説明、ありがとうございました。私も、こんなにいろんな商品・サービスがあるというのは初めて知りました。先ほど、野尻委員がおっしゃったように、言葉の定義をそろえ、普及活動を行っていただければと思います。先ほどからお話が出ているので、私もトンチン年金について一言申し上げたいんですけれども、確かに長生きリスクに備えるという意味では、保障の機能がついていて、よいものだとは思いますが、長生きリスクに備えるといったときに、一つの商品だけを取り上げて、まず、これに加入をしましょうという流れになるのはどうかと思います。公的な年金であるとか、企業の退職給付、一時金や企業年金など、リタイア後に受け取るものについて、受け取る順番、それから受け取る年齢、受け取り方等も含めてトータルで考えていく必要があると思いますので、一商品だけを抜き出して良し悪しを議論するという話ではないと思っています。きちんと全体最適を考えた上で、(例えば、公的年金の繰下げなどの検討を行った上で)どの商品・サービスを使うかという順番で考えたほうがいいのではないでしょうか。

 質問と、その後にご意見を申し上げたいと思います。みずほ銀行さんと第一生命さんが、それぞれリテラシー、見える化ということで、シミュレーションであるとか、お客さま向けの情報サービスということで、社会保障制度のご説明をされていました。みずほ銀行さんは11ページ、第一生命さんは15ページでご説明いただいたものです。それぞれシミュレーションについて、例えば、みずほ銀行さんは退職金ポイントから退職給付の金額を試算することで、退職給付の見える化も含めてご説明をしているということですが、自社だけではなくて個人の方にアドバイスをする上でも、勤務先の退職給付を加味してシミュレーション等を行っているのでしょうか。

 同様に、第一生命さんも、15ページで、リテラシーということで、社会保障の説明をされていますが、こちらを見ると、公的年金、老齢年金の支給額だけを加味して、足りない分を個人年金保険で補うという説明になっています。実際に提案なさるときには、退職一時金や企業年金等などを加味して提案なさっているのかどうかを教えていただきたいと思います。

【神田座長】
 それでは、望月さん、いかがでしょうか。

【望月オブザーバー】
 先ほど、啓発のルートは、各個人に対するルートと、職域を通じた在職世代に対するルートの2つがあると申しました。各個人に対するルートでは、それぞれの方が、退職金の仕組みが勤務先個社によって変わってきますので、難しい面がありますが、職域のルートでは、その企業の年金制度、退職金制度などについて認識することができる場合もあり、できる限り見える化をするように心がけております。

【竹川委員】
 ありがとうございます。

【神田座長】
 畑中さん、いかがでしょうか。

【畑中オブザーバー】
 ありがとうございます。12ページをご覧ください。基本的にトータルの生涯設計シミュレーションを行う中で、左側の図の吹き出しに記載のとおり、年収、退職年齢、退職金等、お客さまに情報をいただける限りにおいては、企業年金も含めて、シミュレーションの中に入れ込める要素として設定しておりますので、そこについてはできるだけお聞きしますし、お客さまから、こういうものもあるよと言っていただければ、それを前提に、それでは足りない年金の部分はどのぐらいなのかというシミュレーションを行うことができる仕組みを構築しております。ただ、お客さま全員から全てを引き出せているかというと、そうではないケースもあるかもしれないのですけれども、できるだけその努力はしていることはご理解いただきたいと思います。

 それから、先ほど野村委員から、トンチン保険は貯蓄ではなくて保障ではないかというご発言もありましたので、その点につきまして申し上げますと、資料5ページで、一般的には「トンチン年金」とも言われますけれども、私が本日、「トンチン保険」とあえてご説明したのはその意図でございます。トンチン保険は基本的には保険であると認識していますが、仕組み的に一般的な年金と似ているものですから、お客さまには、そのように説明したほうがわかりやすかろうということで、現在は、「トンチン年金」と呼んでいる場合が多くございます。ご指摘も踏まえて、今後の対応を検討していきたいと考えます。ありがとうございます。

【竹川委員】
 ありがとうございました。最後に意見を申し上げておしまいにしたいと思います。これまで何度も「見える化」というお話が出てきました。特に資産形成をしていく層を含めて不安に思っているのは、結局、将来(公的年金や退職給付などを含めて)受け取る金額がどれぐらいになるのか、自分でどのくらい準備すればよいかということです。お願いしたいのはデータの整備です。今受け取っている人たち、いわゆる今の高齢者の公的年金の受取額や、企業年金などの私的年金をいくら受け取っているかというデータはありますが、今、30歳の人とか、今40歳の人、50歳の人が、現時点でいくらくらい私的年金を積み上げているかがわかるデータがありません。可能であれば、現時点でそれぞれの年代の人たちが、私的年金をどれぐらい積み上げられているのか、という全体観がわかるデータがありません。金融庁、厚生労働省含めまして、そうしたデータがとれる仕組みをつくっていただけると非常にありがたいです。

 もう一つは、企業さんによりわかりやすく、従業員の方に向けて、退職一時金、企業年金が現時点でどの程度積み上がっているのかという開示をよりお願いしたいです。

 以上です。

【神田座長】
 どうもありがとうございました。

 では、佃委員、どうぞ。

【佃委員】
 ありがとうございます。所用のために、貴重なプレゼンテーション、大部分聞けなくて大変失礼申し上げました。後からキャッチアップし、資料も読ませていただいたんですけれども、何点かコメントさせていただければと思います。

 まず1点目、委員の皆様がおっしゃっておられましたけれども、私も非常にいろんなサービスがあるなと感じました。一方で、銀行、信託、保険、証券、アセマネ、信金と6つの業態のそれぞれの特徴が非常にクリアに出ていると思いました。先ほど、委員の方の中で何人か、比較するのが難しいという話があったと思いますけれども、やはり業態が違うので、当然ながら比較するのが難しいと、そういう話だと思います。

 したがって、顧客の立場から見ると、1つの業態、例えば、銀行さんとだけつき合っているだけでは、網羅的に、ここに書かれてあるようなサービスの提供を受けられないというのが、まず第一印象でございました。そういった意味で、逆に言うと、例えば、みずほ銀行さんのプレゼンテーションは、一部のスライドは、みずほ信託銀行の資料に基づき、みずほ銀行作成というスライドもありましたけれども、これがもしみずほフィナンシャルグループとしてという場合に、このプレゼンテーションがどうなるのか、興味を持ちました。それがどれぐらい全体を網羅できるのかなというのは非常に大事なポイントになるんじゃないかと思ったというのが、1点目の感想でございます。

 2点目は、城南信金さんのプレゼン資料、私は正直、感銘を受けました。信金の成年後見サポート、このあたりも非常に不勉強で、私自身、ちょっと恥じているところがございまして、やはり高齢者向けの総合サポートサービス、ここの部分、この中でも特に、城南信金さんの資料の中で、6ページとか、3つをお勧めしていますみたいな話があるんですけれども、例えば、このようなサービスは、業態を問わずに、どんな金融機関でもこういうサービスが受けられるといいな、そう感じたところでございます。

 そういった意味で、金融業界にとって、高齢者向けの金融サービスは、そもそも、お互いに競争する競争領域なのかといった論点があると思います。当然ながら、金融機関は社会インフラとして期待されている部分がございますので、特に高齢者向けの金融サービスに関しては、競争領域というよりも、むしろ協調領域にしていくと。要は、業態を超えて、最低限、どの業態であっても、こういうサービスを提供していくというものをくくり出すことができるといいんじゃないかと思った次第です。

 以上でございます。

【神田座長】
 どうもありがとうございました。そうしますと、あと、今日ご発言がないのは濱口委員ですけれども。よろしゅうございますか。

 それでは、さらに二巡目のご質問、ご意見等ございましたらと思いますけれども、いかがでしょうか。あるいは、オブザーバーの方々から、これまでお聞きになって、追加でのご発言等ございますでしょうか。

【望月オブザーバー】
 今回はみずほ銀行という立場でご説明しておりますが、佃委員からもご指摘いただきましたが、みずほフィナンシャルグループという立場では、銀行、証券、信託、アセットマネジメント、そしてリサーチ・アンド・コンサルティングという5本の柱という形で、高齢者ビジネスも含めて、多面的なサービス提供をワンストップで行うインフラを提供するといった方針で臨んでおります。

 また、さまざまなサービスの名称の共通化等についてのご指摘がございました。今、高齢者サービスは、黎明期から高齢者向けの商品が出そろってきている局面であり、適正なサービス競争のもとで競い合いながら新しいサービスが次々と出てきている状況かと思います。これらをどのようにわかりやすく伝えていくかというのは大変重要な課題だと思っておりまして、徐々に成長期、成熟期となる過程の中で、これらの商品の見える化、共通化をしっかりやっていく必要があるだろうと思いました。

 あと、お客さまとの信頼は極めて重要です。22ページに、資産やキャッシュフローを網羅的に把握するのがなかなか難しいということをご説明致しました。現場の支店長を経験した際にも、特に法人オーナーのお客さまは、最も信頼のあるメイン銀行であっても個人資産を開示したくないというようなケースもございました。このようなメンタリティと、マイナンバー含め情報開示やそれによって得られるサービスのどちらを優先するのかということについて、リテラシーを上げていく啓発も必要ではないかと思いました。

 あと、「人生100年」という言葉が一般化されてきています。100年長生きすることに備えるという意味での啓発、これは極めて重要ですが、一方で、人生100年というのは、今の子供たちの平均余命が100年になるだろうということで、私共の世代が皆100歳まで生きるわけではないわけですが、消費に過度に抑制的になってきている傾向があるのではないかと感じており、昨今の我々の現場の声としても上がってきていることから、最後にご紹介させていただきました。

 以上です。

【神田座長】
 どうもありがとうございました。ほかにご発言ございますでしょうか。

 畑中さん、どうぞ。

【畑中オブザーバー】
 色々なご指摘をいただき、ありがとうございます。まず、信頼が重要という点はご指摘のとおりだと思っており、顧客本位の業務運営の根本であると考えますので、個社としても業界としても、お客さまの信頼を第一にという業務運営をこれからも心がけていきたいと思います。

 それから、用語の統一、わかりにくさのところもご指摘いただきまして、この点、各社が色々な創意工夫のもと、パンフレット、募集資料等を作成している観点から、どうしても独自性が出ている部分があるのが現状かと思います。この点も、ご指摘を踏まえまして、例えば、生命保険協会で策定しているガイドラインに盛り込めないかなどの検討も継続していきたいと考えております。

 もう1点、このワーキングを通じて、やはり様々な金融商品間の比較可能性もテーマになっているかと考えます。ただ、生命保険については、特にキャッシュバリューを強調した比較がなされますと、本来の保障機能をお客さまが軽視なさるというような誤解を生む可能性もあるかと思います。といいますのは、まとまったお金がないお客さまでも、保険の掛金を掛けることで一定程度の保障額が確保できるというのが、やはり保険の本来の機能であり、お客さまがご加入時に大事にされているのは、どのような保障が保険期間において確保できるのかということだと考えます。したがいまして、様々な金融商品間の比較可能性を検討していく上では、そういった観点も併せてご検討いただければと思います。

 以上でございます。

【神田座長】
 どうもありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。中野委員、どうぞ。

【中野委員】
 1つ、資産運用の観点のお話をさせてください。まず、野村アセットさんのプレゼンの中で、高齢者の資金の対応に関して、圧倒的に元本保証型あるいは元本をそのまま維持するということをニーズとして多くの方が持っていらっしゃるというアンケートを示していただきましたけれども、こういったデファクト化した常識が日本にある一方で、今欠けているのは、自分はもうあと何年しかないから運用はできないという固定概念であって、実は運用をそのまま次の子孫、子供たち、あるいは孫たちに引き継ぐという概念が定着すれば、いわゆる産業資本として、投資信託の社会的機能を専ら備えた長期投資マネーを高齢者のお金が供給できる側に回れるのではないでしょうか。その発想があれば、子孫の時間まで自分が計算できるわけですから、あと何十年もほんとうに運用できる、長期投資でちゃんとお金はまだ育つといったことを高齢者も気づく。そうすると、お金に対する、資産運用への行動基準が全く変わってくるのではないかと思いましたので、そうした啓発活動が必要であろうと思いました。

 以上でございます。

【神田座長】
 どうもありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。

 私も、1点だけ感想を申し述べさせていただきたいと思います。私も自分の親がというよりも、自分自身が高齢者になりつつあると思うのですけれども、感想としては、1960年代に消費者保護の議論を盛んにし始めた、高度成長期の中で、あのときをちょっと思い出しました。あのとき、消費者とは何かというと、情報がない、それを保護する必要があると。当時は約款の適正化というようなことで議論をしていたのですけれども、そのときにちょっと似ているかなと思います。そのとき、消費者像というのを、まずみんなで共通して持ちましょうという議論をしたのですね。しかし、人間は個性があるというか、個性のある存在なので、もう少し一人一人違うのではないかということを非常に感じまして、今日もご指摘があったのですけれども、高齢者というと、人生100年、その共通項はこうですとか、認知症の状況がこうですという、どうしても共通項をくくり出して、そこで高齢者を一色、一律のものとして捉えて政策を立てていこうとする。もちろん、そういう面は重要だと思うのですけれども、高齢者も個性のある存在なので、例えば、ちょっと表現は悪いかもしれませんが、中には、見える化と言うけど、見えたくないとか言う人もいるでしょうし、何も見えなくていいから安心がただ欲しいと言う人もいるでしょう。見える化によって非常に満足される方もいらっしゃるでしょうし、自分で自分の資産だけではなく、いろんなことのコントロールを希望される方もいるし、他方で、もう放っておいてほしい、何もややこしいことは考えずに、ただ安心が欲しいという人もいるでしょう。ですから、そういう個性を重視する視点もあわせて必要な気がするという感じを持ちました。

 今日は、予定の時間まであと15分程度あるのですけれども、もし、さらにご発言がなければ、今日は早目に終わりたいと思っております。何か追加でさらにあれば、お伺いしたいと思いますが。よろしゅうございますでしょうか。どうもありがとうございました。

 それでは、今日はこのあたりとさせていただきます。本日も大変活発なご意見を多数お出しいただきまして、ありがとうございました。本日いただきましたご説明やご意見等を踏まえ、今後、具体的な検討をさらに進めさせていただきたいと思います。

 次回のこのワーキング・グループの日程とテーマ等につきましては、後日、事務局からご案内をさせていただきます。

 それでは、以上をもちまして本日の会議を終了させていただきます。どうもありがとうございました。

―― 了 ――


 

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