金融審議会「我が国金融・資本市場の国際化に関するスタディグループ」(第16回)議事要旨
1. 日時:
平成20年10月21日(火)16時00分~18時00分
2. 場所:
中央合同庁舎第7号館13階 金融庁共用第1特別会議室
3. 議題
I .メンバーの紹介等
II .上場会社等のコーポレート・ガバナンスのあり方について
○事務局説明
○東京証券取引所説明(投資家アンケート調査結果について)
○ヒアリング
・在日米国商工会議所(ACCJ)
・企業年金連合会
○討議
4. 議事内容
○谷本内閣府副大臣から挨拶があった。
○事務局より、メンバー等の紹介があった。
○上記 II .について、説明及びヒアリングの後、討議が行われた。
○主なやりとりは以下のとおり。
・金融・資本市場の国際化が進展する中、国家間競争において日本が大きな遅れをとっていることは、対内直接投資の国際比較を見ても明らかである。
・公開市場では外国人投資家の存在感が増しており、我が国の金融・資本市場の競争力強化の実現において、海外からの投資の呼び込みと引き止めは重要な課題。
・日本が国際的に評価されない要因として、日本のコーポレート・ガバナンスが国際基準から乖離しているといった問題がある。今後は、国際的に受け入れられている原則に沿った、信頼性の高いコーポレート・ガバナンス体制の整備に取り組むことが必要不可欠。
・国際的な評価が低いと言うが、日本の経営陣は、これまでもガバナンスを改善する努力をしてきている。長期的にしても短期的にしてもいつかは売却してしまう投資家からの、コーポレート・ガバナンスの改善を要求する声を企業の経営陣はどこまで聞くべきなのか。
・様々な種類の投資家が存在するのは事実だが、上場会社であるからには株主を選ぶことはできない。上場することによって、不特定多数の内外の投資家に対し、長期的に期待リターンを実現し情報開示等の責任を負うことが求められる。それが嫌であれば非上場にするしかない。
・上場会社のガバナンスが良いからといって業績が良いわけではないし、内部管理ができているわけでもない。
・ガバナンスの良し悪しが業績に関係ないとしても、投資家が投資するかどうかの判断材料の一つにガバナンスがあり、投資家としては、企業がガバナンスをきちんとやっているということで安心できる。
・ガバナンスが整っていなくても業績の良い企業があるということを理由に、業績の良くない会社までガバナンスを整備しなくてもいいということにはならない。
・最終的には、パフォーマンスが良ければ、ガバナンスについて問われることはないが、現実には日本の企業の多くが、パフォーマンスが良いというわけではない中、コーポレート・ガバナンスの改善が必要と言われても仕方がない。
・東証の投資家アンケート調査では、大幅な希釈化を伴う新株式等の発行や、不透明な割当先に対する第三者割当による新株式等の発行、株式持合い、多くの株主の株主権を奪うような株式併合などについて、否定的な意見が多数寄せられている。
・また、社外取締役が果たすべき機能を社外監査役に求める意見と、社外監査役は社外取締役の代替にはなりえないとする意見とがあるが、取締役と監査役の役割は違うので、やはり、社外取締役は重要。
・社内からの昇進者で占められる日本の取締役は独特で、米国では、ほとんどが社外取締役であり、社員は執行役員にはなるが、取締役にはならない。
・エンロン事件の例もあるように、社外取締役がいても不正が発生する場合もあるが、国際的に見た場合、社外取締役がいると、海外投資家は安心して投資しやすい。
・株主総会の招集通知の早期送付など、簡単なことと思われることを企業はどうしてしないのか。また、株主総会の議決結果については、賛成、反対票数など全てが開示されるべき。
(以上)
問い合わせ先
金融庁 Tel:03-3506-6000(代表)
総務企画局市場課(内線3615)
本議事要旨は暫定版であるため、今後変更があり得ます。