金融制度スタディ・グループ(第7回)議事録

  • 1.日時:

    平成30年4月19日(木)9時30分~12時00分

  • 2.場所:

    中央合同庁舎第7号館13階 金融庁共用第一特別会議室

金融審議会「金融制度スタディ・グループ」(第7回)
平成30年4月19日
 
 
【岩原座長】
それでは、予定の時刻になりましたので、ただいまより、金融制度スタディ・グループの第7回会合を開催いたします。皆様、お忙しいところをお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。なお、私、前回欠席しましたことを深くおわび申し上げます。
本スタディ・グループにおきましては、これまで基本的に業態ごとの規制体系となっている金融制度を、機能別・横断的なものにすることに関して検討を進めてまいったところでございます。この機能別・横断的な規制体系という視点で見たとき、1つの特異な規制のグループとして、銀行・預金等に係るセーフティネット、これに関連した銀行に係る厳格な業務範囲規制・財務規制が存在しております。これらが、金融をめぐる環境の変化や、これを受けた機能別・横断的な規制体系のもとでも不変なものであるのか、あるいは変容があり得るのかは、機能別・横断的な規制体系を考える上で非常に重要な論点であると考えます。本日はこうした論点について、事務局から討議資料をご説明いただいた上で討議を行うこととしたいと考えております。
それでは、事務局から説明をお願いいたします。

【井上信用制度参事官】
おはようございます。信用制度参事官の井上でございます。
それでは、お手元の討議資料に沿いまして、説明をさせていただきたいと思います。まず、1.「検討の射程」についてでございます。今後、顧客ニーズを起点として、金融サービスのアンバンドリング・リバンドリングが進むこととなれば、例えば、次のような動きが求められていくことが考えられます。1つは、決済・資金供与や資産運用、リスク移転を担う金融子会社と、一般事業を担う一般事業子会社が併存する「金融・一般事業グループ」を出現させようとする動き、もう一つは、単一のエンティティが、金融機能をより多様に組み合わせるとともに、さらに、それらと一般事業との組み合わせをも担おうとする動きでございます。
セーフティネットについては、第5回会合の討議資料においても、後日ご議論いただくものとして若干ご紹介させていただいておりましたが、機能別・横断的な規制体系という視点で見たときに、銀行・預金等に係るセーフティネット及びこれに関連した銀行に係る厳格な業務範囲規制・財務規制は、1つの特異な規制群として存在するのではないかと思います。これらが、金融をめぐる環境の変化や、これを受けた機能別・横断的な規制体系の下でも不変なものなのか、あるいは変容がありうるのかということについて、機能別・横断的な規制体系を考える上で重要な論点であると考えております。今回の会合では、こうした論点についてご検討いただければと思います。なお、その下の注にございますとおり、業務範囲規制・財務規制やセーフティネットをめぐる論点というのは、金融商品取引業者・最終指定親会社や保険会社・保険持株会社にもそれぞれ存在すると考えられますが、今回は主たるものとして銀行・銀行持株会社をテーマにご議論いただければと思っております。
それでは、その下の2.「現行制度」に移らせていただきます。ここでは、現行制度における銀行に係る業務範囲規制・財務規制、さらに銀行・預金等に係るセーフティネットについて確認させていただければと思います。
おめくりいただきまして、2ページの(1)「業務範囲規制」でございます。銀行については、銀行法において、単体と連結それぞれに関し、業務範囲に係る規制が規定されているところでございます。まず、①「単体」でございますけれども、他業禁止規制として、銀行の業務範囲は、以下に限定されておるところでございます。まずは、預金の受入れ・資金の貸付け・為替取引等の固有業務、次に固有業務を営む上で必要な業務である付随業務、そして固有業務を妨げない限度での一定の証券業務、他の法律の規定により営む法定他業でございます。
また、銀行の子会社は、以下の子会社対象会社に限定されているところでございます。銀行・資金移動専門会社、証券専門会社・証券仲介専門会社、保険会社・少額短期保険業者、従属業務を専ら営む会社、そして、2年前の法律改正で導入されたところでございますけれども、情報通信技術その他の技術を活用した、銀行業の高度化・利用者利便の向上に資する又は資すると見込まれる業務を営む会社、さらに、前述の子会社対象会社のみを子会社とする持株会社等、でございます。
その下の(注1)・(注2)では、銀行法における子会社の定義及び子会社対象会社以外の会社の議決権の取得等の制限、いわゆる5%ルールについて、簡単にご紹介させていただいております。
2ページの下でございます。②「連結」でございますけれども、銀行持株会社が子会社として保有することができる会社、いわゆる子会社対象会社の類型は、先ほどご覧いただきました、銀行の子会社対象会社の類型と基本的には同一でございます。ページをおめくりいただきまして、3ページでございますけれども、ただし、親子会社間と兄弟会社間では、後者、兄弟会社間の方が、リスク遮断効果が高いと考えられることなどから、銀行持株会社の子会社対象会社は、銀行のそれよりもやや広範となっております。具体的には、その下の(注3)でご紹介させていただいておりますように、銀行の子会社として保有することを認められていないものの、銀行持株会社の子会社として保有することが認められているものとして、商品デリバティブ取引に係る商品の現物売買を営む会社がございます。
(注1)・(注2)では、それぞれ、銀行法における持株会社の定義、銀行持株会社及びその子会社に係る議決権の取得等の制限、いわゆる15%ルールについてご紹介させていただいているところでございます。
3ページ目の真ん中の③「一般事業会社の子会社である銀行」についてでございますけれども、自ら一般事業を営みながら子会社として銀行を保有する会社、事業親会社とされておりますけれども、これらの事業親会社は、通常、親会社自身が事業を営んでいることから、銀行法上の持株会社に該当しないことが多く、したがって、銀行持株会社の子会社に係る業務範囲規制も適用されないということが多いところでございます。こうした事業親会社に対しては、別途、銀行主要株主としての規制が及ぶということになるところでございます。
その下、(2)「財務規制」でございますけれども、銀行については、銀行法において、単体・連結それぞれに関し、財務に係る規制が規定されているところでございます。まず、①「単体」でございますけれども、自己資本比率規制について、銀行、銀行及びその子会社等、それぞれにつきまして、保有する資産等に照らしまして自己資本の充実の状況が適当であるかどうかの基準として自己資本比率規制が定められているところでございます。
4ページですけれども、大枠としては、資産の額を分母とし、自己資本の額を分子に置いて、「自己資本比率」を算出し、この数字が一定水準を上回るような基準を定めているところでございます。その下の注のところでは、平成20年の世界金融危機後の国際的議論において、「自己資本比率」に係るもののほか、流動性やレバレッジ比率に係るものなど、様々な基準が合意されて、段階的に適用されてきているということをご紹介しております。
その下の大口信用供与等規制でございますけれども、銀行、銀行及びその子会社等、それぞれにつきまして、特定の会社・個人やその関係者等に対し、自己資本に比して一定割合を超える信用供与等、出資を含めてでございますけれども、これらを行うことが禁止されているところでございます。
②「連結」でございますけれども、銀行持株会社及びその子会社等についても、単体の場合でご覧いただいたのと同様の自己資本比率規制及び大口信用供与等規制が定められているところでございます。なお、このうち大口信用供与等規制につきましては、銀行持株会社制度の利用にあたって制約とならないよう、信用供与等の範囲から出資が除かれているところでございます。
また、③「一般事業会社の子会社である銀行」についてでございますけれども、自ら一般事業を営みながら子会社として銀行を保有する会社、すなわち事業親会社については、銀行法上の持株会社に該当しないことが多く、したがって、この場合も銀行持株会社に係る財務規制も適用されないというところが多いところでございます。
次に、(3)「セーフティネット」に移らせていただきます。銀行・預金等については、預金保険法において、公的なセーフティネットが用意されているところでございます。
5ページに移らせていただきまして、まず①「預金保険」でございます。預金等につきましては、万が一銀行等が破綻した場合に、預金保険機構が一定額の保険金を支払うことなどにより預金者を保護する制度として預金保険制度が導入されています。預金等の保護の範囲は、その下に書いてございます通り、決済用預金等については全額保護となっておりまして、一般預金等につきましては、合算して元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護されることとなっております。なお、※印にございますように、外貨預金と譲渡性預金等は保護の対象外とされております。
その下の②「金融危機対応措置」についてでございます。銀行等につきましては、我が国又は銀行等が業務を行っている地域の信用秩序の維持に極めて重大な支障が生ずるおそれがあると内閣総理大臣が認めるときに講ずる措置、いわゆる金融危機対応措置とされるものですけれども、これとして、資本増強や資金援助、国有化が規定されているところでございます。金融危機対応措置は、銀行の債務を保護することにより預金者等の信用不安を解消するとともに、健全な借り手を保護するものとされているところでございます。
その下、③「秩序ある処理」でございます。銀行等につきましては、我が国の金融市場その他の金融システムの著しい混乱が生ずるおそれがあると内閣総理大臣が認めるときに講じる措置、いわゆる秩序ある処理として、流動性供給・資本増強や資金援助が規定されているところでございます。なお、秩序ある処理の対象には、金融商品取引業者、保険会社等も含まれているところでございます。この秩序ある処理は、重要な市場取引等を履行させることにより、市場参加者間の連鎖を回避し、金融市場の機能不全を防止し、金融システムの安定を確保するものとされているところでございます。以上が現行制度の簡単なご紹介でございます。
6ページに移らせていただきまして、3.「検討」についてご説明したいと思います。ここでは、機能別・横断的な規制体系の下での銀行の業務範囲規制・財務規制、さらに、銀行・預金等に係るセーフティネットの考え方について、ご説明申し上げました現行制度の趣旨を踏まえつつ、ご検討していただければと思います。
まず、(1)「業務範囲規制」でございます。①「単体」、銀行(本体)の業務範囲の部分でございますけれども、銀行法における他業禁止規制の趣旨は、おおむね、その下に書いてございます4点にあるとされているところでございます。まず、a「利益相反取引の防止」につきましては、銀行が自由に他業を兼営することとなれば、例えば証券業を兼営する銀行が、融資先企業から融資を引き上げる目的で、当該融資先企業に社債を発行させて投資家に販売し、当該社債の発行により得た資金で自行の融資を償還させるといったような利益相反取引が生ずる危険性が高まるところでございます。
b「優越的地位の濫用の防止」につきましては、銀行がその強力な金融力を背景に一般事業に進出すれば、社会的摩擦を引き起こすおそれがあるとされているところでございます。
c「本業専念による効率性の発揮」につきましては、銀行は本業に専念することによりまして、その機能の充実及び効率化を図り、もって信用創造や安定的な決済の提供を十全に行う必要があるとされているところでございます。
dの「他業リスクの排除」につきましては、銀行が他業を兼営することになれば、当該他業において経営基盤が脅かされ、結果として預金者の安全を損なうおそれがあるということかと思います。
次が論点でございますけれども、このうち、a「利益相反取引の防止」とb「優越的地位の濫用の防止」につきましては、金融をめぐる環境の変化や、これを受けた機能別・横断的な規制体系の下でも、基本的にその趣旨が変容することはなく、今後も厳格に実施していく必要があると考えられるが、どう考えるかという論点を提示させていただいているところでございます。
次、7ページに移っていただきまして、一方、c「本業専念による効率性の発揮」とd「他業リスクの排除」について、検討しておく必要があると思われる論点を提示させていただいております。
まず、c「本業専念による効率性の発揮」関係につきましては、今後、顧客ニーズを起点として、銀行に求められる本業そのものが変容していくということも考えられるが、これについてどう考えるかということをお願いしたいと思います。また、銀行が銀行業との親近性がまったく認められない他業を兼営することは適当ではないとも考えられるが、どう考えるか、という論点も、あわせてご検討いただければと思います。
次に、d「他業リスクの排除」関係につきましては、今後、顧客ニーズや金融をめぐる環境の変化に伴い、例えば銀行(本体)が銀行業以外の業務も営むことにより、むしろその収益性が改善する、すなわち、収益性の観点から、他業も営んだほうがリスクは低いといった状況に至る可能性もあると考えられますが、それについてどう考えるか、という点も指摘させていただいております。また、財務規制やセーフティネットに関する議論とも関係いたしますけれども、銀行(本体)が銀行業以外の業務をも営むことを認める場合、他業リスクを実効性のあるかたちで排除していく必要があると考えられるが、どう考えるかといった点についてもご検討いただければと思います。
次に、その下の、「銀行の子会社の業務範囲」でございますけれども、先ほどご説明させていただいたとおり、子会社の業務範囲も制限されているところでございます。また、その上で、子会社の業務範囲は銀行(本体)の業務範囲よりは広範囲となっているところでございます。この理由としては、以下のようなものが考えられるのではないかと思います。親会社は、子会社の議決権を過半数保有することに伴い、子会社の意思決定に直接又は間接に関与することができるところでございます。銀行が様々な業態の子会社を保有することができる場合、形式上は別会社であるとしても、実質的に他業を営むことが可能となり、銀行(本体)に課せられている他業禁止の趣旨が没却されるということが懸念されるところでございます。ページをおめくりいただきまして、8ページですけれども、他方で、子会社は、親会社である銀行とは別の法人格を持ち、独自の経営陣とガバナンス構造を備え、万が一破綻した場合であっても、法的には親会社とのリスク遮断は図られていると考えられます。もっとも、子会社株式の無価値化による損失は発生いたしますし、また、レピュテーション・リスクについてどう考えるかといった問題は存在するかと思います。
これらに留意いただいた上で、銀行の子会社の業務範囲について、2つほど論点を提示させていただいています。1つ目は、銀行の子会社が他業を営むことと、銀行(本体)が他業を営むことの差異をどう考えるかということでございます。2つ目は、先ほどもご紹介しました、平成28年の銀行法改正によりまして、既に銀行の子会社対象会社に、「情報通信技術その他の技術を活用した、銀行業の高度化・利用者利便の向上に資する又は資すると見込まれる業務を営む会社」が追加されたところでございますけれども、この改正についてどのように評価するか、またこれに関して課題はあるかといった論点についてもご検討いただければと思います。
また、銀行及びその子会社に係る議決権の取得等の制限、いわゆる5%ルールについても、上記に類似する論点があると考えられるが、どう考えるかということについても、あわせてご意見を賜れればと思います。なお、5%ルールにつきましては、場合によっては、銀行のマイナー出資先企業の子会社の業務範囲を制限することにもつながるところですが、このように、銀行による意思決定への関与が限定的であるような出資先企業の子会社にまで影響が及び得るという点についても、どう考えるかという論点もあわせて提示させていただいております。その下の(注)では、米国とEUの制度の概要についてご紹介しておりますので、適宜ご参照いただければと思います。
おめくりいただきまして、9ページですけれども、②「連結」についてでございます。銀行持株会社は子会社の経営管理を行う主体でございまして、銀行持株会社と銀行の両者は実質的に一体として観念でき、銀行に対する他業禁止の趣旨が同様に妥当すると考えられます。このため、現行制度は、銀行持株会社の子会社の業務範囲を、銀行(本体)のそれと基本的に同一としているものと考えられます。
これに関連して、銀行持株会社の子会社の業務範囲につきまして、次の3点をご検討いただく必要があるのではないかと考えております。まず、a「組織形態の選択に係る規制の中立性」についてでございます。銀行を含むグループが、その組織形態を選択するに当たりまして、規制は基本的に中立的であるべきと考えられるのではないか。すなわち、銀行持株会社を頂点とするグループを構成するか、銀行を頂点とするグループを構成するか、あるいは一般事業会社を頂点とするグループを構成するかという点に関して、次に述べますリスク遮断に係る差異によるものを除けば、規制は同様であるべきと考えられるが、どう考えるかという点を提示させていただいています。また、こうした考え方につきましては、一般事業会社グループが傘下に銀行を有することになった場合と、銀行グループが傘下に一般事業会社を有することとなった場合の、規制のイコールフッティングの観点からも重要と考えられるがどうかという論点も、あわせて提示させていただいております。
次に、b「組織形態とリスク遮断効果」についてでございますけれども、親子会社間と兄弟会社間では、後者の方がリスク遮断効果が高く、相互に経営に与える影響が少ない仕組みであると考えることについて、どう考えるかという点。すなわち、グループの組織形態は、グループ内企業間のリスク遮断効果に一定の影響を及ぼすとも考えられ、それにより規制のあり方も影響を受けると考えられるが、どう考えるかという論点も提示させていただいています。なお、(注)のところでございますけれども、リスク遮断の観点からは、グループ内における中間持株会社の設置を通じて、例えば金融子会社群と一般事業子会社群とを隔離するということも考えられるかと思います。このような、中間持株会社を用いたリスク遮断のメリットとデメリットについてどう考えるかという点も、あわせてご検討いただければと思います。
10ページに移っていただきまして、c「機関銀行化等の回避」についてでございますけれども、「金融・一般事業グループ」が出現した場合に、銀行が一般公衆から集めた預金等が、グループ全体の方針に従いまして、不合理な形で、グループ内の一般事業子会社やその取引先、関係者への信用供与として使われる可能性があります。このように、グループ全体の方針が銀行の経営に不当な影響力を及ぼした場合、銀行経営の健全性が阻害される可能性があると考えられるが、どう考えるかという論点を提示させていただいております。また、このほか、銀行持株会社及びその子会社に係る議決権の取得等の制限、いわゆる15%ルールについても、これらと類似する論点があると考えられるが、どう考えるかという点もご検討いただければと思います。その下の(注)では、米国・EUの制度の概要について紹介させていただいておりますので、あわせてご参照ください。
次に、10ページの下でございます。(2)「財務規制」でございますけれども、ここでは財務規制について検討しておく必要があると考えられる論点として、簡単に2つご紹介させていただきます。1つ目のaのところですけれども、機能を跨いだ尺度ということでございますけれども、仮に将来的に、銀行(本体)が、従来は認められてこなかったような資産運用やリスク移転を営むことを認めるような場合に、当該銀行(本体)についての財務規制を考える必要があるのではないかということです。単純に銀行業に着目した財務規制を他の機能に延長するだけでは不十分とも考えられるが、どう考えるかという点をご検討いただければと思います。また、機能を跨いだ業務運営がさらに進展していけば、連結の財務規制についても、そのあり方を検討する余地があると考えられるが、どう考えるかという点についても、後でご意見を伺えればと思います。
その下のb「他業・一般事業を含めた尺度」についてでございますけれども、仮に将来的に、銀行(本体)もしくはその子会社、又は銀行持株会社若しくはその子会社が他業・一般事業を兼営することを相当程度認めるというような場合には、当該他業・一般事業が銀行の経営に影響を与える可能性があることから、このような他業・一般事業も考慮した財務規制を整備する必要があるとも考えられるが、どう考えるかという論点を提示させていただいております。
次に、11ページの下の(3)「セーフティネット」に移っていただきます。銀行について、どこまで幅広く機能を営むことを認めるのか、あるいは他業・一般事業を兼営することを認めるのかという論点は、セーフティネットとも密接に関連すると考えられます。(参考)では、銀行・預金等に係るセーフティネットの変遷についてご紹介させていただいております。詳細は割愛いたしますので、適宜ご参照いただければと思います。
12ページの真ん中に飛んでいただきまして、①「セーフティネットの目的」でございます。セーフティネットの目的といたしましては、利用者資産の保護等やシステミックリスクの防止が論ぜられるところでございますけれども、これらについてどう考えるかという点を提示させていただいております。a「利用者資産の保護等」につきましては、ここではその内容として、預金の保護/預金者による金融システムへの信認の維持のほかに、決済の履行の確保/決済システムの保護、地域企業に対する運転資金の供給の継続等、の融資の継続についても挙げさせていただいているところでございます。併せて、別途お配りしております参考資料1の横紙1枚目におきまして、セーフティネットの目的についても一応、図示化しておりますので、適宜、議論に当たってご参照いただければと思います。
次に、②「セーフティネットの対象」でございます。ご説明申し上げましたセーフティネットの目的を踏まえた上で、セーフティネットの対象についてどう考えていくべきか。例えば、(a)銀行は全て対象となる、(b)銀行のうち、信用創造を担うものを対象とすべきである、あるいは、(c)銀行に限らず、規模や相互連関性を考慮した上で、破綻時にシステミックリスクを引き起こしうる主体が対象となりうるといったような考え方があると考えられるが、どう考えるかという論点を提示させていただいております。
13ページに移っていただきまして、なお、セーフティネットについては、保護に要する費用を原則として関連の事業者からの拠出によって賄うという枠組みでございますので、あまりに異質な主体をその対象に加えるということは、現実論として課題が多いと考えられるがどうかという論点も、併せて提示させていただいております。
次に、13ページの③のところですけれども、セーフティネットの手法についてでございます。セーフティネットの手法については以下のような議論があるが、円滑な破綻処理を実現するなどの観点からどう考えるかという論点を提示させていただいています。
別途お配りしております参考資料2において、2つほど具体例におけるセーフティネットの手法を図式化しておりますので、併せてご参照いただければと思います。まず、参考資料2の左側のほうの例1)と書いてあるところに関連することでございますけれども、単体につきましては、仮に将来的に銀行が、従来は認められていなかった資産運用等の機能や一般事業を営むこととなる場合に、例1では、信用創造に係る機能群と資産運用とを同時に担う主体に対して、信用創造に係る機能群、すなわち一体として保護すべき機能群等につきましては、セーフティネットにより一体として保護する一方、その他の機能等については分離して、別途、必要な保護を講じるといった対応も考えられるが、これについてどう考えるかというところを論点として提起させていただければと思います。
次に、例2)、図で言えば右側のほうですけれども、決済専業銀行に関してでございますが、決済専業銀行のように、限定された機能のみを担う「銀行」につきましては、その規模が一定以下の場合は、一般的な銀行と同様のセーフティネットを適用する必要はないとも考えられますが、これについてどう考えるかということをお伺いさせていただければと思います。また、この場合、例えば決済に必要な資金を供託等によりあらかじめ分離・保全しておくことによりまして、破綻等の前後における決済の履行を確保する必要があるとも考えられるが、どう考えるかという論点をあわせて提示させていただいております。
本文の14ページにお移りいただきまして、連結についても同様の論点、関連する論点があるかと思います。仮に将来的に、持株会社傘下に、銀行を営む金融子会社と、一般事業を営む一般事業子会社が併存する「金融・一般事業グループ」が出現することとなった場合に、グループの危機時において、グループ内の金融関連子会社又は一般事業子会社のどちらかを円滑・迅速に売却できるようにする観点、あるいは円滑な破綻処理を可能にする観点などから、例えば、平時より、グループ内企業間の相互連関性、すなわちグループ内企業間の取引やサービスの共用等の低減を図る必要があるとも考えられるが、どう考えるかという点、また、平時より組織形態・グループ構造等の複雑性の低減を図る必要があるとも考えられるが、どう考えるかという論点を挙げさせていただいております。また、(注)のところは、大規模金融機関(グループ)の破綻処理可能性の向上というのは、国際的な議論においても論点となっているということ、大規模金融機関については、平時から当局も関与して破綻処理計画を策定することなどが求められているということについて簡単にご紹介させていただいております。
最後に、14ページの下でございます。(4)として「その他」として論点を挙げさせていただいております。今後、仮にデジタル通貨が普及したり、あるいは金融分野・非金融分野のビジネスの融合がさらに進展したりした場合に、業務範囲規制・財務規制やセーフティネットをめぐる論点にどのような影響を及ぼすと考えられるか。今回検討した論点は不変なものなのか、あるいは変容があり得るのかという論点についてご検討いただければと思います。
以上のようなセーフティネット及び銀行に係る業務範囲規制・財務規制に関する論点は多種多様なものがあるとは存じますけれども、ご提示させていただいた論点を中心にご議論いただければ幸いでございます。事務局からの説明は以上でございます。

【岩原座長】
どうもありがとうございました。それでは討議に移りたいと存じます。どなたからでも結構でございますので、ご発言をお願いいたします。いかがでしょうか。田中さん、どうぞ。

【田中メンバー】
ありがとうございます。ちょっと、冒頭からあまり水をかけたくないのですけど、いただいた資料を何度か読ませていただきまして、個人的に、どうも、このまとめる方向感、論点の方向感に、正直申し上げて違和感が幾つかあります。それは、銀行(本体)の業務範囲をどうするかという議論が、かなり前面に出過ぎているのではなかろうかという気がいたします。もちろん考え方としては、銀行(本体)の業務範囲というものが当然あるだろうと思うのですが、一方で、業務の拡大という観点からすると、持株会社方式に基づく、兄弟会社による業務の拡大という方法も当然あるわけで、一方に偏るような整理は、私はあまり望ましくないのではなかろうかという気がいたしております。それで、そもそもこの業務範囲の問題を議論するに当たって、なぜ今、この業務範囲の議論をするのかということですが、確かに金融機関の現在のビジネスモデルというのはもう、要するに「破壊されたビジネスモデル」と日銀も書いていますけれども、その収益状況が非常に苦しいという中で、収益対策としてやるのかと見えるのですが、それは、おそらくかなり違うのだろうと思うんです。
それで、この辺のポイントを考えるに当たって、実は今日持ってきたのですけど、メンバーにおられます福田先生がお書きになった『金融システムの制度設計』という非常によい本がございまして、これは実は先生からお話しいただいたほうがいいかもしれませんが、この本の中には、先生は最後に、「リスク管理と成長のバランスを踏まえて、将来を見据えた金融システムの抜本的な構造改革」が必要だということをお書きになっていますし、そのためには、「金融システムのあり方に関しては、自由化が望ましいのか規制が望ましいのかという観点ではなくて、経済の持続的な成長を実現するためにはいかなるシステムの構築が必要なのかという視点の議論が重要」だとされています。この点は非常に重要な指摘だと思います。それで、この中の分析で、特に2000年代の銀行主導の経済回復の中では、銀行がやったのは、基本的には借り手企業にコストを削減させることであったと指摘されております。そして、むしろ本来であれば株主とか、そういう持分権の出資者が、新技術や、何といいますか、新しいものを取り入れた企業の発展というものにふさわしいのだと、そうしたことも書かれておられるわけです。
そういう中で、銀行(本体)を大きくしていくということ、いろんな新しい業務をさせて大きくしていくということについてですが、銀行というのは、私も内部で見てきましたけれど、基本的にデット・プロバイダーですから、デット・プロバイダーというのは、最終的には回収可能性というものを目標にしますので、エクイティーのプロバイダーみたいに企業の価値を高めていくというパフォーマンスとは違うのです。そういう基本的な性格を持っているところの銀行を大きくしていく、業務範囲を広げていくということが、一体、経済成長にとってどれだけのプラスになるのかというような本質的な問題がここにはあるのではなかろうかという気がします。それから、基本的に、銀行の集めているお金、資金というのは預金ですから、これは元本保証ですよね。それで、元本保証の預金というものを原資にして、どの程度のリスク、これは前々回にも申し上げたと思うのですけれども、例えば株を買っていいというところまで踏み込むのかどうか。これも非常に大きな問題をはらんでいるだろうと思います。
また、このペーパーの中で、「銀行(本体)」という言葉があちこちに出てくるのですけれども、そもそも論として、銀行(本体)もしくはその子会社というところの今後のあり方というものと、それからグループとしてその業務範囲というものを広げることによって、一体どういうものをつくっていくことがイメージされているのかということが、法律論の前に、むしろ経済の理論として、議論する必要があるのではなかろうかという気が非常に、正直、しております。
それから、もう一つは9ページにあるのですけれども、真ん中あたりに、銀行持株会社を頂点とするグループを構成するか、銀行を頂点とするグループを構成するか、中立性という言葉があるのですが、これも非常にイメージを明確にさせなければいけないと思うのですが、ここには、ガバナンスの課題という非常に大きなものがあると思います。基本的には、グループである限りは、グループ組織の最上位のエンティティによるグループの統制というのは当然求められるわけで、ここにある、銀行を頂点とするグループというのは、持株会社の子会社としての銀行を頂点とするという意味ではないということは明確にしておく必要があると思います。もし銀行を頂点とするグループであるならば、銀行そのものが組織の一番上にある。そして、それが上場企業であるという前提です。いわば、純粋持株会社ではなくて、事業持株会社としての銀行が頂点であるグループであるということです。それによって、それがグループ全体の統制の責任を負うということが、ここでは前提にされているということを明確にしておく必要があるだろうと思います。
それから、もう一つは、ここに5%ルール、それから15%ルールが書かれておりますけれども、この問題はフォローアップ会議等でも議論されていますが、いわゆる政策投資株式のあり方という問題と密接に連関するのだろうと思います。そもそも政策株式の保有に関しては、金融庁の「金融行政方針」の中でも2つの大きなテーマが書かれておりまして、1つは要するに、金融危機のときも既に我々は大変な思いをしたわけですけれども、そういう危機時に金融機関の経営に与える問題ですね。それからもう一つは、コーポレートガバナンスの問題で、安定株主というものが、いかに日本の株式市場をゆがめてきたかということも、ここには当然、コーポレートガバナンスの問題としてあるわけです。そうした観点もここに入れて議論する必要があるだろうと思います。
それから、一般的に、金融規制に関する世界の議論というのは、1つの方向は明確に、too big to failですよね。それで、too big to failというのは、要するに国民のお金は絶対使わないというところに原点があるわけですが、日本の場合は預金保険の仕組みというものが、それなりにきちんとワークしているというところがあると思うのですが、最終的に預金保険のお金を払うのは銀行ですよね。それで、銀行で健全な経営をしているところがお金を払うわけですよね。そして、そのお金というのは、銀行が払うということは、最終的には銀行のユーザーにコストが転嫁されると、理論的には考えられるわけですから、やはりセーフティネットに依存するのではなくて、そのセーフティネットに行く前のところで、各金融機関がやっぱりきちんとみずからの健全性を保つということを担保するほうが先ではなかろうかと思います。
例えばこのペーパーの中には、これは12ページに、セーフティネットの目的として、「利用者資産の保護等」と書いているのですが、これは利用者資産の保護ではなくて、もっと正確に言えば、不健全な銀行の利用者の資産の保護ですよね。健全な銀行であれば必要ないわけですから。そういうところは明確にやっぱり理解しておく必要があるのだと思います。
最後に、今回、制度論の議論をするに当たって、これもやはり1つ、世界の潮流だと思いますが、組織の複雑性の回避ということもやっぱり考える必要があると思います。これはレゾルバビリティーの問題として世界的には議論されてきたと思うのですが、実際にこのレゾルバビリティーというのは極めて難しくて、セーフティネットの手法の参考資料2にある左側の表はポンチ絵としてはわかるのですが、具体的に、本当にこんな形でレゾルブできるのかどうかということは非常に難しい問題ですから、この表であれば、資産運用会社と資金供与決済の会社を別エンティティにしておけば非常に簡単なわけです。なぜこれを1つにしなければいけないのか。こうしたレゾルバビリティーの問題が1つあると思います。
それから、最後になりますけれども、このレゾルバビリティーの問題を考えるときに、従来から、single point of entryの問題とmultiple point of entryの問題があると思います。それで、single point of entryの問題というのは、金融庁さんはたしか対外的にも、日本はsingle point of entryでやるのだということを発信されていたと思いますけれども、この論点がここから抜けているのではなかろうかという気がしますので、入れたほうがいいのではないかと思います。以上です。

【岩原座長】
ほかにいかがでしょうか。植田さん、どうぞ。

【植田メンバー】
私も非常に本質的なところで田中メンバーの意見に非常に共感するところがございます。ただ同時に、事務局のほうで今回用意していただいた討議資料、これはこれで非常に、私としては意味がわかるというか、まとまっているなと感じています。どういうことかといいますと、やはりセーフティネットというものは、これまで銀行が特殊だということで、いろいろ拡充されてきているわけですけれども、いろんな業態、フィンテックなど新しい業者が出てくる中で、セーフティネットを、ではどこまで広げるべきかと考えたときに、やっぱり政府が何らかの形で市場のメカニズムをそんなにディストートするべきではないということで、ただし、これまでのトラディショナルな銀行には特殊性があるということなので、それをちょっと確認しておきたいというような趣旨だと思うのです。私はそう読んだのです。したがって、セーフティネットの議論、今後のことを考えるときには、あくまでもセーフティネットはそういう今までのトラディショナルな銀行業務に付随して考えられるものであるべきであって、それ以外にはあまり拡大するのはやめようという趣旨で、ここには銀行しか書いていないのだと。では、そのトラディショナルな銀行というのを、では、どこだけ狭めようかという話だと思うのです。
それで、ここに書いてある話は、私はかなり納得がいくことだと思うのです。つまり、非常に、日本はいろんな意味で、銀行に対して、世界的に見ても手厚いセーフティネットがあるのですけれども、それはそんなにいろんな業態に広げるべきではないよという狙いがあるのではないかと私は読んでいるのです。私はそれに対して全く賛成で、つまり、それ以外の業界、トラディショナルな銀行業務以外にはあまりやるべきではない、セーフティネットをかけるべきではないという意見です。ただし、トラディショナルな銀行というものは、私が言っているのは、以前からも言っていますけれども、いわゆる信用創造とかマチュリティミスマッチを解消するような業務であって、決済だけを行うようなビザカードとかアリペイみたいなサービスはあまり入らないと思うのです。まさに信用創造のところがトラディショナルな銀行だと思います。
それで、ただし、そうだといっても、諸外国と比べると、そういうトラディショナルな銀行にすらセーフティネットが強過ぎるところが若干あります。細かい話になりますけれども、いま一度、決済性預金の全額保護がほんとうに必要かというのを考える必要が多分あるでしょうし、それから、大きな問題は多分やはり金融危機対応措置ですよね。ここのところが、預金保険というのは実はtoo big to failではなくて、ほぼ全ての銀行に行き渡っているのですけれども、金融危機対応はどちらかというと世界各国では、大きな銀行に発令されていることが多いのです。ここのところが、リーマン・ショックのころにやはり大きく問題になったtoo big to failの話ですが、ここのところが、日本はやはり、資本増強、資金援助、国有化というのがルール化されているというところで、非常に、バーゼルなどの議論を見ますと、諸外国と若干違うのかなと。もうちょっと、ドッド・フランク法などですと、EUもそうですけれど、国家による大銀行の救済というのは、もうちょっときつく縛ろうと。あまり国家が出ていかないようにしようというようなことをやっていると思いますので、ここの議論はまだもう少し明確化する必要性があるのではないかと思います。
というのは、この裏にあるのが、あまり出てこないのですけれども、効率的な破綻処理というのが、今、③には書いてありますけれども、効率的な破産処理というのは、細かい話なのですけれども、例えば破綻時の債権の優先度をどうするか。インターバンクマーケットの債権債務関係を優先する。それから預金者保護を優先する。それ以外に、今後出る、もしくはもう出てきているかもしれませんが、ヨーロッパではやっているカバードボンドなどが出た場合にどうするかというようなところも多分、議論が必要でしょう。それから破綻時に何日までさかのぼって資産保全するか。これはリーマン・ブラザーズのとき問題になりましたけれども、事業会社であれば、1カ月ぐらいとか1週間とか3日で機械を売ったり工場を売ったりすることはできないのですけれども、金融機関というのはもう、1日とか1時間の間に大量のお金を右から左に動かせますから、いつの時点で資産保全するか、破綻時の資産というのを決めるかというような議論は、やはり事業会社と別個に考えていきつつ、これはバーゼルなどでクロスボーダー・レゾリューションの話で議論になっているはずですので、そこは国際的に調和を図って、積極的に国際的な規制、こういう問題にも参加していってもらいたいと思っています。
それから、同じくセーフティネットで、もう一つここに出てきていない問題が、信用保証の問題というのがあります。信用保証は、もちろん中小企業の育成策と捉える部分もあるのですけれども、やはり銀行の債権の保証であるということは間違いないので、そういう意味ではセーフティネットであるわけです。それで、この信用保証も世界的に見てトップレベルの手厚いものが今ございますので、ほんとうにそれが必要なのか。それから、先ほど言った金融危機対応、それから信用保証、これらなど、ヨーロッパの小国ですと、やはりリーマン・ショックの後に、そういうものが最終的に政府債務危機を起こしてしまっています。日本においても本来、平時でも、やはり例えば1%とか3%、GDPが減るような状況になった場合に、先ほど田中メンバーが、ほとんどそれは銀行によって賄われているとおっしゃいましたけど、おそらく政府がやっぱりかなり絡んでいる、資本保証もひっくるめて、政府からのコストもかかっていますので、金融のセーフティネットに係る、政府が幾ら払っているのか、幾ら払うことになるのかという情報は推計した上で、適切に開示しておくべき話だと思います。
それで、これをここで話していいかどうかわからないのですが、そうはいっても、いざというときに、この狭めたルール以外のところで何か起きることがあり得ます。どういう業者が出てくるかわかりませんけれども、昔で言えば山一特融のような話もありますし、日産自動車みたいな話もありますが、どういう業界が出てくるかわかりません。けれども、いざというときには、ルールに書いておかなくても、やはり国会を通じて特例措置というのがあるという認識は持った上で、その意味では完全に、ありとあらゆる状態を想定してセーフティネットをルール化しておく必要はないと思うのです。ほんとうにまずいときには特例措置に頼るという意味で、通常の状況であれば、このぐらいのセーフティネットでいいだろうという意味で、通常の状態のセーフティネットのレベルというのは、そんなに、すごくひどい状況まで考えたセーフティネットをつくっておく、ルール化しておくという必要はないということを考えておいたほうがいいと思います。以上です。

【岩原座長】
ほかにございますでしょうか。戸村さん、お願いします。

【戸村メンバー】
ありがとうございます。今回の討議資料にある総論の背後にある各論の一つとしては、電子商取引のプラットフォームが決済も実装してしまうのがシステムデザインとしては効率的であるところ、銀行が電子商取引プラットフォームを持たないと、銀行・預金を決済手段として使われなく可能性があるということが各論の一つとしてあると思います。そうすると、銀行と一般事業会社のイコールフッティングを考慮すべきかという論点が生じているのだろうと思います。この論点を軸にして、今回は自分の考えを申し述べたいと思います。
今申し上げた論点については、銀行の商取引一般への参入を許すと、優越的地位の濫用が起こる可能性はあると思います。ただ、電子商取引については、銀行の参入を許さなくても、電子商取引プラットフォームが長期的に寡占的なサービスになるのは変わらないのだろうとも思います。また、電子商取引プラットフォーム上のポイントが、主要な決済手段に仮になった場合は、現在、銀行にかけているセーフティネットや財務規制が、金融システムの安定性を担保する手段としては実効性を失うことになる。そういう問題があると感じております。
一方、銀行と一般事業会社のイコールフッティングが担保されると、電子商取引プラットフォーム上で売られているもの全体に対する購買力を裏づけとするプラットフォーム上のポイントを主要決済手段にするような形がいいのか、もしくは法定通貨の預り金としての銀行預金を主要決済手段とする商取引プラットフォームがよいのか、日本経済全体としては、より多様な事業のあり方が実験されることになり、結果としてよいほうが残ることになるという便益はあると思います。寡占的な大銀行が非金融業務に参入すると新規起業を阻害するおそれはあると思いますけれども、プラットフォームビジネスに関しては、既に寡占化しつつある現状があり、銀行参入により競争促進の効果があるということのほうが大きいかもしれないと考えております。
そう考えますと、どのような非金融業務にも際限なく銀行が参入できるとすると、討議資料にあるように優越的地位の濫用が生じる懸念が大きいと思いますので、銀行の業務範囲を一律に区切らない一方で、銀行は優越的地位を濫用しない範囲で非金融業務を行えるとするようなプリンシパルベースでの規制にすることは検討に値すると思います。ただ、そうしますと、規制の透明性がどうしても損なわれる懸念がありますので、そういう場合は現状どおり、限定列挙方式にすることもやむを得ない。まとめとしては、既に寡占化した産業への銀行参入による競争促進と、規制の透明性がトレードオフの関係に立つのかなと思っております。トレードオフのどこに最適点があるのかについては難しい課題なので、さらなる検討が必要だと思っております。
追加の論点として、田中さんと植田さんからセーフティネットについて示唆に富むご意見があり、私も原則、賛成なのですけれども、セーフティネットをどうするかというのが論点としてあらわれると思います。仮に電子商取引のような非金融業務に銀行が参入した場合にどうするかというと、銀行本体についての考え方としては、私は原則としては、証券化における特別目的会社のように、預金者と預金の裏づけとなる資産の法的な関係を整理するためのエンティティとして捉えるのがよいと思います。こう考えますと、銀行本体が非金融業務を行う子会社を持つことは避けたほうがよくて、田中さんがおっしゃったように、銀行持株会社の傘下の兄弟会社として、非金融業務を行う事業会社と銀行本体を含む金融子会社が並列する形のほうがよいと思います。この点は、一般事業会社が銀行を保有する場合も同様に思います。
それで、銀行持株会社への規制については、優越的地位の濫用がやはり懸念されますので、そのような優越的地位の濫用が懸念される非金融業務についての参入は、ルールベースもしくはプリンシパルベースの業務範囲規制で取り除く必要があると思います。この点については、討議資料にあるような、ヨーロッパでのような、自己資本比率などの財務規制に高率のリスクウエートをかける場合も実質的な業務範囲規制になると思いますが、リスクウエートの設定は任意にならざるを得ないと思いますので、行為規制と実質的に変わらないと思います。この優越的地位の濫用が懸念される業務についてはあらかじめ排除した上で、銀行持株会社の残りの資産については、自己資本比率等の財務規制の対象とした上でセーフティネットの対象とするべきだと思います。
そこで、セーフティネットの対象をどうするかというのが、今、議論になったわけですけれども、私の意見としては、可能な部分では供託などの利用資産の分別管理を徹底した上で、残りの機能においては、利用者が事業者をモニタリングすることが難しい場合、もしくはシステミックリスクを生じさせるおそれがある場合に、モラルハザード防止のための財務規制とともにセーフティネットを提供するべきだと思います。一般事業会社については、親会社本体にセーフティネットはかけられませんので、討議資料にあるような金融子会社を統括する中間持株会社を置いて、そちらに銀行持株会社同様の財務規制とセーフティネットをかけていくというアイデアは検討に値すると思います。その際、現状どおり、大規模事業者のみに破綻処理計画の提出を求めるような、規模別の規制を行うのが適当だと思います。長くなりましたが、以上です。

【岩原座長】
それでは福田さん、お願いします。

【福田メンバー】
ありがとうございます。難しい問題をいろいろと書かれていて、なかなか回答がないという問題だと思います。例えば6ページの書き方、「危険性が高まる」とか「おそれがある」とかという表現がよくあって、そういうふうに言われたら、それは、「ある」というのが答えだと思います。おそれがないということを言い切ることはできなくて、あらゆる可能性はあって、何が起こるかわからない。そういう観点だけから考えれば、セーフティネットをどんどん敷けばいいということなのだろうとは思うのですけれども、では「イノベーションはどうするの? 」という問題は、やっぱりどうしても残ってくるということなのだろうと思います。やっぱりセーフティネットとイノベーションというのは、ある意味では相反する概念で、そういう意味では、「おそれがある」ことをあまりにも気にすると、なかなか難しい問題は、イノベーションを阻害する弊害はあるということだと思います。
イノベーションは幾つかの特徴はあるとは思いますけれども、当然ながら、失敗するのが当たり前という面があります。たくさん失敗した中で、その幾つかが成功してイノベーションが生み出されてくるのだという点です。そういう意味では、セーフティネットとは非常に相反する考え方があり得ると思います。それからもう一つは、イノベーションの特徴としては、初めからこういうふうなものがうまくいくと思ってやっていなくて、こういうものでうまくいくと思っていたけど、いろいろやっていたら、全く当初考えていたのと違うものが非常に便利だということがわかってくるということも、多くのケースではあると思います。そういう意味では、始まりの段階から、こういう機能を想定しているからといる理由で規制してしまうと、実は全く違うことで便利なのだけれども、その芽を摘んでしまうという問題もあるのだろうとは思います。そういう意味では、検討課題としては、当然、セーフティネットの問題は重要だけれども、同時にイノベーションを整合的に育成するにはどういう制度設計がいいのかという観点は、やっぱり常に強調していただきたいということが第1点です。
それから、もう一つ、全体のトーンとして、やや思ったことは、これは金融制度のスタディ・グループなので、制度以外のことを議論するのは範囲外だというのは、そうなのだとは思うのですけれども、セーフティネットを解決するのに、制度で全部、問題を抱え込んでしまって、これで何かすべて解決しなければいけないというトーンになっている感じはややあるということだと思います。例えば利用者の資産の保護といった場合に、日本の場合には個人資産で預金のウエートというのは非常に大きくて、この大きな預金のシェアを持つと、保護しなければいけない負担も非常に多くなっていて、それを制度でカバーするには、確かに大きなセーフティネットを敷かなければいけないという話にもなりがちです。けれども、ほかのスタディ・グループでも議論したことですけれども、できるだけ預金のウエートを減らして、やっぱり個人資産もよりリスクマネーへ誘導するということも、同時にやっていく必要というのはあるのだろうとは思います。
それから、それとも関連していますけれども、やはり個人がいかに自己責任をとって資産を運用するかという流れも大きくつくっていかなければいけないと思います。そうした中では、いろんな個人に金融教育を施していくという大きなことなども重要で、それが全体的には、セーフティネットを制度で担う負担も減らすということにもつながることになります。全体的にシステミックリスクがある。では、制度で全部カバーしなければいけないかというと、そうではなくて、やっぱり金融の仕組み全体を変えていきながらセーフティネットを考えることが大事なのだと思います。イノベーションとどう整合的かを考えながら、あまりにも制度で問題を解決しようとはしない。金融のシステム全体をどう変えていくかという、より大きな視点というのも、制度スタディ・グループではあるけれども、ある程度、盛り込んでいくということは大事なのではないでしょうかということです。私からは以上でございます。

【岩原座長】
ほかに。それでは池田さん、どうぞ。

【池田総務企画局長】
本日の会合の冒頭、田中メンバーからご指摘があって、そのご発言の中に、取りまとめの方向感ということが最初に出てきたのですが、今回の討議資料は、大変難しい問題を扱うものでもあるので、私どもとしては、現行の制度の説明を中心として、現時点で方向性を示すことはできるだけ排除して整理したつもりであります。そう読めていないということであれば、事務局の力不足であるということだと思います。したがって、福田メンバーからご指摘がありましたように、制度のことに限定してご議論いただきたいというつもりでもないですし、これをベースに幅広くご議論いただければと思っています。
他方、事務局として提示させていただいた問題意識の一つとして、この「金融制度スタディ・グループ」全体は、機能別・横断的な法制を考えてみようということが前提とされているわけですが、そういうものを考えたときに、銀行のセーフティネットあるいはそれに関連した業務範囲規制等が、現状、大変重厚なものであるので、横断的に横串を通そうとしたときに、なかなか簡単に横串が通らないという現実問題があるという点が挙げられます。その点については何通りかの考え方がありえると思いますが、1つ目は特殊な分野であるから、その分野については横串が通らなくても仕方ないと考えるか、2つ目は何らか、先ほども申し上げた重厚さを軽減することによって、できるだけ横串を通せないか。それから3つ目は、そうはいってもセーフティネットその他の規制にはそれぞれの目的があるので、そうしたものはある程度維持しながら、さまざまな手法を工夫することで調和が図られないかということです。本日、田中メンバーから指摘のあった持株会社形態も、1つの有力な道具立てにはなり得るものだとは思っています。
ただ、同時に、これは2年前の銀行法改正の議論を金融審議会で行った際にも端的に出た論点なわけですが、現実に銀行の中には、持株会社を持っている銀行と持っていない銀行がはっきりと存在する中で、両者のイコールフッティングをどう考えるかといった議論もあり、例えば先ほど井上が説明した、銀行業高度化等業務というものも、これは、結論的には、持株会社形態だけでなく本体の場合であっても制度化されたということでありまして、田中メンバーのようなお考えも当然あるとは思いますが、それに対してはさまざまな意見もあったというのが2年前の議論なので、それも含めて幅広くご議論いただきたいと思っています。
いずれにしても、現状では、そのように読めないということかもしれませんが、方向性を持っているつもりではありませんので、ご自由にご議論いただきたいと思っております。

【岩原座長】
私から質問してもよろしいですか。今、池田局長からご説明いただいたような問題意識で、事務局のペーパーをつくっていただいたということですが、機能別の横断的な規制体系に変えていくということは、すなわち銀行あるいは銀行グループが、今までとは違って非金融業務等を営むようなことに結果的になるから、そういう場合の規制体系を検討してみたという面があるわけですか、この文章は。

【池田総務企画局長】
討議資料の冒頭に記載させていただいているところではございますが、大きな流れとしては、これからの金融の姿として、金融・非金融もあわせたアンバンドリング・リバンドリングが進展しうる中で、そういうものの対応が金融機関としても求められるとすれば、金融事業と非金融事業を一緒に営む存在が社会的に要請される可能性がある。それに対して、現行制度はその適用可能性が極めて限られているわけですが、その点についてどう考えるかというところが入り口ではあったと思います。

【岩原座長】
正直申しまして、そういう機能別の規制体系に移ったときの姿を、まだ具体的につかめていないためだと思うのですけれども、それと、従来からの銀行や銀行持株会社の業務範囲規制を見直すということが、どう結びついてくるのか、そこの思考経路がいま一つよくわからなかったので、ご質問したということです。

【池田総務企画局長】
社会的要請、それから今日の論点の絡みで申し上げますと、これも従来から金融審議会では提起されている論点ではあるのですが、銀行グループが他業を営むことに対しては非常に限定的に制度ができているわけですが、異業種から金融業に参入する場合は、本日の説明の中にもありますように、米国などと比べても極めて自由に参入が可能な姿になっていまして、その両者が例えば横断的になっているかというと、非常に差が大きいのではないかと考えております。そこはなかなかいい工夫が難しいというのがこれまでの過程なわけですが、もとをただすと、そもそもその業務範囲規制が高い分だけ、その差も大きいということではありますから、そういった観点からは、機能別・横断的法制の検討にあたっては1つの克服しなければいけない課題ではあろうかと思っています。

【岩原座長】
どうもありがとうございました。私が口を差し挟みまして申しわけありませんでした。
それでは引き続き、坂さん、お願いします。

【坂メンバー】
ありがとうございました。全体として、いろんな観点からの検討が必要と思いましたが、今後のあり方を考えるに当たっても、業務範囲規制等の規制によって、どういう目的を達しようとしているのかということについては、きちんと整理が必要かと思いますし、またそういう目的を達することとの関係でどういう姿があり得るのかということを検討するのではないかと思います。
そういう観点から、いただいている資料の6ページの、他業禁止規制や業務範囲規制の趣旨について、少し発言させていただければと思うのですが、まずaの利益相反のところですけれども、これは非常に重要だと思います。利益相反が適切に管理されなければ、利用者に不適切な負担や損失が負わされるのみならず、恣意性が入ることによって資金の流れをゆがめることにもなりかねない。また、利益相反が問題となって、金融機関や金融制度への信頼が損なわれるようなことがあれば、資金の流れ自体を滞らせることにもなりかねないと思います。この間、金融取引が高度化する中で、業際規制の見直し等により、金融機関の業態や相互の関係も複雑化してきていると思います。また、情報化の進展や情報環境の変化によって、社会的な情報の存在のあり方が変化してきていると思います。利益相反の適切な管理は今日ますます重要であって、管理のあり方がより洗練されていく必要があるのだろうと思います。グループにおける管理もあわせ鑑みますと、広く情報遮断、情報開示と同意、それから取引条件、取引の回避等を含めた適切な管理が求められると思いますし、それがどんな形でできるのかということと思います。また、利益相反に関する情報が適切に開示され、社会的な関心の目も洗練されていく必要があると思います。こうした中で、現行法の他業種禁止規制・業務範囲規制は、利益相反管理の前提ないし基盤を提供するものであって、重要な意義を持っているものと思います。
それから、次のbについてですけれども、この点については若干の整理が必要かと感じております。本文で書かれておりますことは、他業種との摩擦の回避と言われているもので、他の業種や他の産業界一般との関係が問題となるものと思います。これとやや様相を異にする局面としては、例えば銀行が貸し主としての強い立場を利用して、借り主に金融商品を購入させるなど、個別の取引場面で問題となるというようなものもあろうかと思います。この2つは、やや問題の性格が異なると思いますけれども、いずれの点も重要だと思います。なお、前者の趣旨をいま少し考えてみますと、これは公正な取引環境の確保という問題なのではないかと思います。金融機関が、例えば融資権限を背景に、商品やサービスの市場で競争上、優位に立つとすれば、適切な市場競争との関係で緊張関係が生じる点があろうかと思います。もっとも、この点は、従前から金融が社会的なパワーを有してきたことに加えて、情報とその集中が社会的パワーを今日持ってきているということも考える必要があると思います。
それから、cについては、本業専念が求められるのは、信用創造の過程で融資審査という重要な業務を担うことと、決済システムないし預金保護にあるのだと思います。
それからdについても、他業リスクの排除を求められるのは、決済システムないし預金の保護のためと思います。
ここで提起されている問題の1つ目のポツに記載されている点については、収益性は改善される可能性もありますし、悪化するリスクも高まる可能性もあるということなのだろうと思います。要は、2つ目のポツにある、他業リスクの実効的な排除がどのような形で可能かという問題だと思います。
先ほども少し触れさせていただきましたが、この他業禁止ですとか業務範囲規制のあり方については、見直しの議論というのがあり得なくはないと思いますけれども、ただ、こういった見直しを行う場合には、現行の規制にかわる規制の枠組みを考える必要があるのだろうと思います。要するに、単純な規制緩和というのはあり得ないわけで、新たな規制枠組みの模索といいますか、そういったものが、どういった形で考えることができるのか、という問題かと思います。
それからもう一点、一般事業会社・一般事業グループ会社との関係について若干発言させていただければと思います。銀行を含むグループが、一般事業会社あるいは一般事業会社グループを傘下に持つ場合も、利益相反や優越的地位の濫用等で述べられている規制趣旨を実効的に確保することが重要で、規制の実効を確保する方向でのイコールフッティングを考える必要があるのではないかと思います。銀行グループが比較的広範に一般事業会社を持つ場合に考えるべきと思われる、若干の個別の問題について、2点ほど述べさせていただければと思います。
1つは、金融サービスと一般事業会社のサービスとを組み合わせた複合的なサービスの提供が増える可能性があるという点です。例えば、融資契約と不動産取引を組み合わせた商品ですとか、あるいは保険と優良老人ホームを組み合わせた商品等、こうした商品は現在でもあり得るところと思いますけれども、複合的なリスクや効果を踏まえた情報提供等が求められているところだと思いますし、こうした必要性がより高まることが考えられるのではないかと思います。また、現状においても、投資用不動産への融資等で訴訟が提起されているなどに鑑みますと、こうしたサービス提供をグループ会社で行うような場合には、組み合わせ商品における利益相反の管理もより重要な課題になると思われます。
いま一つは、金融機関が一般事業会社に影響を及ぼし得るということによって、不正な取引といいますか、例えば不良債権の飛ばしであるとか、そういうことが比較的容易になるおそれがあるということにも留意が必要かと思います。過去には、金融機関が組成したファンドに不良債権を飛ばして、影響力を及ぼし得る事業会社に融資をつけてファンド持分を購入させるスキームなどの問題もありました。こうした課題も含めて考えたときに、どういった形で、先ほどの規制の趣旨にありましたような目的を達することができるのかということを、具体的に考えていく必要があるのではないかと思います。
それから、他業・一般事業を比較的広く認める場合のあり方について、資料の中では11ページや14ページ等に記載されておりますけれども、財務規制の見直しですとか、グループ内企業間の相互の関連性の低減を図る必要というふうに指摘されているところはそのとおりと思います。この点、利益相反の管理を含めて、相互関連性をより見えやすくするように、見える化をきちんと図っていくということが重要なのではないかと思います。理解可能な見える化が可能となるためにも、相互関連性の低減というのは、その観点からも必要なのではないかと思います。
それから、最後に一言だけ済みません。イノベーションという言葉がずっとこの検討会ではいろいろ議論になっているところかと思いますけれども、このイノベーションというのは基本的には、例えばセーフティネットとの関係においても、セーフティネットを充実する方向でイノベーションが起こるような枠組みを考える必要があるのではないかと、個人的には思っております。セーフティネットは基本的に、今、既に制度があるわけで、これを緩くするといいますか、この保護を低くするというのは、これは方向性としてはあってはならないように思いますし、むしろ新たに生じる課題についてどういうふうに対応していくのか、その中でイノベーションをどういうふうに生かしていくことができるのかという観点からの検討が必要なのではないかと思います。以上です。

【岩原座長】
どうもありがとうございます。座長権限を濫用させていただいていて大変恐縮なのですが、今日の議論の様子では、司会に徹しておりますと私の発言の機会が最後まで出てきそうもないので、一言申し上げさせていただきたいと存じます。今日の資料や、今日の皆様のご議論をお聞きしていると、私にはデジャビュというか、既視感を非常に強く感じます。平成9年・10年の金融危機の経験を踏まえ上で、平成9年保険業法改正、平成10年銀行法改正や平成13年銀行法改正・保険業法改正等により、現在の銀行や保険会社等、及び銀行持株会社や保険持株会社等の業務範囲規制や、持株規制の大枠をつくったわけです。そのときに議論したことが、今回の資料や現在の議論にどこまで反映されているのか、不安を覚えます。それらを踏まえた上で、今日の変化を考えればいかに改めるべきかという議論が本来されるべきではないかと思っているのですが、若干そうではない感じもありまして、9年以来の改正の審議に関与した者としては気にかかるということを申し上げたいと思います。
例えば業務範囲規制については、資料の6ページに書かれているようなことは、確かにあるのですが、aからdまで書いてあることにほんとうに限られるのかという問題があると思います。10年の銀行法改正の立法作業をしたときには、特にアメリカの1933年国法銀行法等を参考にしながら、現在の規制体系をつくったのですけれど、アメリカでは、銀行の業務範囲規制をする最大の理由は他業リスクの排除です。それに次ぐものとして利益相反ということが言われるのであって、優越的地位の濫用とか本業専念による効率性の発揮というようなことは、アメリカではほとんど言われておりません。むしろ、預金保険制度の対象となって、連邦準備銀行からの貸出を受けることができる等、政府による保護を受けている銀行が他業を行うことは、他業を営む他の者との間で銀行が不当な競争上の利益を受けることになるという視点や、政府補助の不当な流用になるという視点が強調されます。
さらに言えば、アメリカにおいては、他業リスクの排除ということは、同時に他業のリスクを銀行監督当局がどこまで見ることができるのかという問題と結びつけて考えられています。銀行が金融と関係のない商取引をしたり、あるいは銀行持株会社グループの中に金融と関係しない事業会社が入っていたりしたときに、銀行監督当局は、それらの他業や事業会社から生じるリスクを監督し規制することができるでしょうか。金融に関係しない事業に関する銀行監督当局の監督・規制能力に疑問があります。監督実体法的に見ても、例えば銀行の自己資本比率規制を、他業を大々的に営む銀行や連結対象として事業会社を含む銀行グループ全体にそのまま適用できるのかという疑問があります。
現に、平成10年に至る金融危機においては、住専の問題につき、母体行主義などといって、銀行が子会社どころか5%以下の資本しか持っていなくても、設立の経緯や役員人事等から銀行の影響力があるとみられる会社が破綻したときに、母体行として責任を追及されるというようなことが起きたことを反省して、そのようなことが起きないようにしようということで10年改正を行ったわけです。そのような日本の実際の取引実態の中で、銀行に過大なリスクが集中して日本の金融システムが危うくなるようなことを防ぐためには、銀行の他業や他業を営む会社への関与に限定を設ける必要があるのではないかということだったと思うのです。例えば長銀が破綻したのは、関連ノンバンクであるランディックとか、そういうところの破綻から結局来ているわけですし、そういうことを踏まえて、平成10年のときは立法したのであって、それを十分に踏まえた上での議論をする必要があるのではないか。さらにさかのぼれば、最初に銀行の他業禁止規定を設けた昭和2年銀行法制定のきっかけとなった、戦前の日本の昭和金融恐慌のときの機関銀行の破綻のような問題もある。機関銀行の破綻の例としては不動産業と株式投資業を行う渡辺家の資金調達手段だった東京渡辺銀行の破綻みたいなケースもあったわけですから、それを踏まえた上での議論をする必要があるのではないかと感じます。もう少しそういうことも踏まえた検討を、このスタディ・グループでお願いできればありがたいと思います。とりあえずその点だけ申し上げさせていただきます。済みません。時間をとりました。
では、続きまして加毛さん、お願いします。

【加毛メンバー】
岩原先生のお話の後で、発言するのは気が引けるのですけれども、勇気を出して、2点申し上げたいと思います。1つはセーフティネットについて、もう1つは、岩原先生がご指摘になりました、他業禁止・業務範囲規制についてです。両者は密接にかかわる問題でもあります。
まずセーフティネットにつきまして、本日の討議資料において、セーフティネットがいかなる意味で理解されているかを、確認しておきたいと思います。討議資料の5ページでは、預金保険法上の制度である、預金保険、金融危機対応措置、秩序ある処理などが、現行法下でのセーフティネットとして挙げられています。しかし、討議資料は、より広い意味でのセーフティネットを構想しているように思われ、そのことが15ページ以下のセーフティネットの手法というところに現れています。破綻した主体が営む金融機能の一部を別の主体が引き継ぐことなどを含めた形で、破綻処理の方策がセーフティネットとして議論されているのです。
このように広い意味でセーフティネットを理解しますと、それは銀行のみを対象とするものではなく、資金供与・決済という機能を営む主体のみならず、資産運用等を営む主体についても、その必要性を議論する必要が出てまいります。そしてそのようなセーフティネットを考える場合には、戸村先生がご指摘になられた点ですけれども、モニタリングする能力がない顧客の保護の必要性が共通して問題となりますし、またシステミックリスクの可能性がある場合には、システミックリスクの回避という要請に基づいて、制度を考える必要があるものと思われます。その意味で、討議資料の対象とするセーフティネットの問題は、銀行に限られない、広い射程を有することを指摘しておきたいと思います。
次に、業務範囲規制につきまして、6ページで挙げられている4つの趣旨のうち、a利益相反の防止及びb優越的地位の濫用は、銀行に限られず、寡占等が生じやすい産業分野では問題になるものだと思います。銀行については、従前の経緯から、特にこれらの点が規制の趣旨として挙げられているのだと理解しています。また、c本業専念による効率性の発揮という趣旨につきましては、岩原先生からもご疑問が提起されたところですし、また討議資料7ページに書かれているような環境の変化の中で、現在において果たして合理性があるのかが問題となるように思います。
そうだとすると、業務範囲規制についておそらく一番重要な根拠は、d他業リスクの排除に求められるのだろうと思います。他業について生じた損失のために、本業である銀行業の顧客・預金者等にしわ寄せがいくことを防ぐ必要があるということです。この点について、金融庁の皆様がお書きになられた『銀行法』という書籍では、預金保険制度というセーフティネットが、他業による損失の穴埋めに使われてしまうことが問題の1つとして指摘されています。そしてそうであれば、第1の点に関連して、金融の機能ごとに、セーフティネットの制度的な枠組みを設けることにより、預金保険制度は、あくまで預金受入金融機関の顧客に対するセーフティネットという形に純化することがあり得るのではないかと思います。
そのことを前提として、問題として残るのが、討議資料の7ページで書かれており、また坂先生が先ほどご指摘になった点ですけれども、実効的な他業リスクの排除がいかにして可能であるかだと思います。抽象的にいえば、実効的に他業リスクを排除することにより、他業を兼営させてもよいといえるのですが、では具体的にどのように他業リスクを排除するのかが問題になります。討議資料11ページでは、a機能をまたいだ尺度や、b他業・一般事業を含めた尺度について、そのようなものを設定できるかという問題が提起されています。この点は、岩原先生がご指摘になられた、監督官庁が規制を実施する能力にもかかわるものと理解しています。ここがやはり一番難しいところであると思います。別々の会社ではなくて、1つの会社・グループ企業において、複数の業務を一緒に行うことのメリットを認めつつ、それに伴うリスクをどのように排除するのか。この点について、いかなる制度作りをしていくのかが問題になるだろうと思います。
そして、この問題に関連して、本日の参考資料2では、破綻処理のスキームとして、機能群を一体として保護する処理の方法を準備しておくことが提案されています。これは真剣に検討すべき提案であると思うのですが、ただ、そのような破綻処理の計画を、うまく設計できるのかについては、様々な問題があろうかと思います。例えば、ある主体の破綻時に資金供与や決済という機能を外に出すという場合には、ブリッジバンクのようなものが想定されているように思われます。また、資産運用につきましても、別の金融機関が証券取引を引き継ぐという破綻処理が考えられます。しかし、それらの場合、外出しになる機能を引き受ける主体を適切に確保できるのかが、問題となります。今回のご提案について、この点の問題を指摘しておきたいと思います。

【岩原座長】
どうも。それでは後藤さん、お願いします。

【後藤メンバー】
どうもありがとうございます。私も発言しにくいのですが、他業リスクのところについて考えを述べさせていただきたいと思います。
業務範囲規制をどうするかというときに、銀行(本体)で何ができるかという話と、子会社で何ができるかという話、また銀行持株会社の銀行の兄弟会社で何ができるかという話があるわけですけれども、ばらばらに考えていくというよりは、リスクを遮断するという観点から、どの類型でどこまでやっていくかというのをセットで考えていく必要があるのかなという気がしております。そうしますと、銀行(本体)で何かやると、その負債が全て銀行(本体)にかぶってくるわけですので、銀行(本体)で何かやるということには、やはり慎重にならざるを得ないのかなという気がしておりますけれども、有限責任という観点からは、子会社や兄弟会社であれば基本的に、少なくとも法律上はそのリスクは顕在化してこないということで、子会社または持株会社傘下の兄弟会社であれば、dという問題は、少なくとも法律上はクリアできるのかなと考えているところでございます。
その上で、ではどこまで範囲を広げていってよいのかということなのですけれども、現在とられている仕組みは、銀行が子会社として持てるものは、銀行の本体の業務に関連性が高いと銀行法が考えているものについて、さらに銀行法施行規則で限定列挙し、さらにそれをやる場合には金融庁の認可が要るというものになっており、限定列挙かつ認可という、かなりかたい事前規制がかかっているわけでございます。
これをどうしていくかということなのですけれども、全く関係のない他業を銀行にさせる必要があるかというと、そこまでの必要はないだろうということは言えるわけなのですが、おそらく今問題となっておりますのは、何が、銀行業、金融業にとって関係のあるビジネスであり、何が関係ないのかということをどうやって判断するのが良いのかということではないかと思います。技術革新が起きて、いろんな新しいものとの組み合わせを考えていく必要があるという中で、何が銀行業に関係があるのかということを、果たして銀行法施行規則で、金融庁が判断するのがいいのか、それともそれは各事業者が判断していくべき問題なのかというところが問題の本質にあるような気がしております。仮に、今のやり方がやはり厳し過ぎるとしますと、限定列挙をやめて、銀行側がビジネスを展開していくに当たって必要だと思われるものは、何であってもやりたいということを認めるというのが一つありうるかと思います。全く関係ないものをやることを防ぐという観点からは、申請があったときに、認可制、または、もっと緩めるとすると届出制のような形にして、銀行に、何でこれが必要なのかを説明させるという手続はあってもいいのかなとは思っております。また、最初に田中メンバーがご指摘になりましたけれども、銀行が一般企業の全く関係ない株式会社の安定株主として持ち合いを強めていくということは、やはり今の全体の流れには反するかと思いますので、そういうことを防ぐという観点からも、この説明という手続は、仮に銀行が子会社として持てる業種、もしくは子会社に至らなくても、5%以上の株を持てる範囲を広げていくのであれば、その必要性についての情報を開示させ、市場の圧力にさらすという観点から必要ではないかと思っております。
このように考えておりましたところ、ただ平成10年には住専の問題があってというご指摘が、先ほど岩原座長からございました。それは確かにそのとおりで、過去に日本においては、厳密に子会社または子会社に至らない場合であっても母体が責任をとらされたということは経験上あったわけなのですが、それはそのやり方がいけなかったという話であるような気もしております。政治的にそうなってしまうことはあるのかもしれないのですけれども、一度そこで失敗したときに、かといって、では他業を非常に厳格に規制していくのかというのは、やや、あつものに懲りてなますを吹くようなことになっていないかということを、その当時を知らない人間としては思ったりもするところでございます。
さらに言いますと、住専問題というのは結局、ノンバンクであったわけですけれども、そうすると、これはまさに金融業であったわけで、金融業であれば銀行は適切にコントロールできるから、金融子会社は持ってもいいけれども、ほかの業種の子会社を持ってはだめだということの理屈にはどうしてもならないような気がしております。むしろ金融業のほうが、問題が起きるときはリスクは大きくなる可能性があるわけですので、業種によって、金融業であれば広く認めるけれども、ほかのものはよろしくないということにはならないのではないかなという気がしているところでございます。もちろん、過去の経験からは大いに学ぶべきだとは思うのですけれども、まだ中間ステージということで、アイデアベースでいいということであれば、そこはもう少し広く考えてもいいのかなと思っているところでございます。
もう一点、組織形態のお話がございました。銀行が子会社として持っている場合、子会社が破綻すると銀行のバランスシートが直接毀損するわけですので、銀行持株会社形式にして、銀行の兄弟会社としておいたほうが、銀行(本体)のバランスシートとは別になるというところがあるので、そのほうが認めていきやすいのであれば、そちらの方向で制度を、規制を緩めていくということは考えてしかるべきかなと思っております。
この点について、池田局長から、ただ持株会社を持っていない銀行もあるではないかというご指摘がありました。それはそのとおりなのですけれども、普通の銀行であれば、やりたければ持株会社をつくればいいということになるような気もしております。ただ、問題になってきますのは、持株会社というものを観念し得ない協同組織系の金融機関ですとか、またこの話が保険にも及ぶようであれば、相互会社をとっている場合には持株会社というものが存在し得ませんので、そういう事業者にとっても、新しい事業に乗り出していくということを認めていく必要はあるように思います。この点の違いが相互会社や協同組織と普通の株式会社の組織形態の選択の基準になるというのは、何か少し観点がずれてしまうような気がいたしますので、そういうところについては少なくとも配慮が必要かなと感じるところでございます。
最後、セーフティネットのところですけれども、冒頭で田中メンバーや植田メンバーから、セーフティネットのそもそものあり方についてお話がございまして、今、この場で直ちに十分に理解することはできていないのですけれども、やはりセーフティネットと一言で言っていますけれども、何のためにセーフティネットを設けているのかというときに、加毛メンバーからもお話がありましたが、システミックリスクの話なのか、それとも直接の取引相手方が十分にモニタリングできないという場合の保護の話なのか、個々のセーフティネットについて、そこをもう少し絞り込んで、一個一個見ていく必要がここでもあるのかなという気がしているところでございます。一番大きなセーフティネットは預金保険ですが、預金保険の意味の一つが、決済システムの保護とシステミックリスクの防止というところにあるのだとすると、決済に関連する場合で、決済の相互連関性が広がっていくということがあるのであれば、逆に銀行以外のものについても、それは一定の保護をかけていく必要はあるのではないかという気がしております。銀行で信用創造機能があるものは、預金がありますので、それを使って決済しやすくなるということはあるのでしょうけれども、例えば電子商取引のプラットフォームで使えるポイントも同様の機能を果たしていって、それがどんどん広がっていくのだとすると、そこに一定の保護というものはかけていくことが考えられるのではないかなと思っております。
そうしますと、それを、では預金保険という1つの仕組みでやるのか、それとも業種ごとにばらばらの仕組みをつくり上げていくのか。全部を合体しますと、業種間または業者間の内部補助というものが生じ得るのでよろしくないということになってくるのですけれども、そうすると基本的にはセーフティネットは保険の一種だとしますと、保険の一番の課題はリスクに応じた保険料を取るということなのですが、それがこの場合に可能なのであればそれでいくというやり方がありますし、可能ではないのであれば、ばらばらに制度をつくるという必要があるのですが、ばらばらに制度をつくると、その分、コストがかさんでいく上に、始まったばかりの業種についてのセーフティネットというのはどうしても弱くならざるを得ないので、そこにどういう補助をしていくのかということは考えていくことになるのかなと感じております。以上でございます。

【岩原座長】
どうも。済みません。一言コメントさせて頂きます。
住専問題を起こしたのはノンバンクではないか、商取引を行う会社とは違うのではないかとの御指摘を頂きました。そのとおりですが、先ほどの長銀の関連会社で、長銀の破綻の大きい原因になったランディックなどもそうなのですが、やっていることの実態は不動産投機だったわけです。ですから、むしろ融資という形をとりながら、実質的な不動産投機にのめり込んでいくことを防げなかったのかというのが、長銀破綻事件の問題でありました。そういうことも含めて、金融機関がどういう業務リスクにかかわっていったらいいかということを考える必要があると思います。
あともう一つ付け加えさせて頂きますと、平成10年の銀行法改正のときに、当時の金融制度調査会の下に銀行グループのリスクの管理等に関する懇談会が設けられ、この懇談会の報告書の基本的な方向に従って、平成10年の銀行法改正は行われました。そのときに懇談会において最大の論点になりましたのは、銀行単体のリスクを限定する方向でいくかわりに、銀行の関連会社に関する業務範囲規制等は行わないのか。本来、守らなければならないのは銀行単体の決済機能等であり、銀行が破綻してシステミックリスクを起こさないように、銀行単体について厳格な規制をすれば、その関連会社等についての規制はしなくていいのではないかという考え方を採るのか。或いは、先ほど申し上げた住専その他の経緯を考え、またアメリカやヨーロッパにおける規制のあり方と比較すると、結局、銀行の関連会社、銀行グループの中で起きたリスクは、レピュテーション・リスクとして銀行自身のリスクになっていくので、銀行単体だけでなく、銀行グループ全体を規制するという考え方を採るのか、という選択でした。後者の考え方を採ると、持株会社形態をとろうが親子会社形態をとろうが、とにかく銀行グループ全体についてのリスク管理をするという方針を採ることになり、例えば、大口融資規制とか、自己資本比率規制等も連結ベースでの規制を行うことになります。さらには検査・監督も、グループ全体に対する検査・監督を行うことになります。結局、後者のほうを選択するということになったわけで、銀行グループに属する会社についても業務範囲規制を及ぼすこととするとともに、検査・監督の対象とすることとしました。
どうもありがとうございました。それでは次に大野さん、お願いします。

【大野メンバー】
座長、ありがとうございます。非常に白熱したディスカッションになっているので、私も少し言いにくい部分もありますが、勇気をもって発言させて頂きます。
今回も事務局の方のほうで、業務範囲規制とセーフティネットの考え方や重要な論点をよく整理していただいたと感謝しております。大変参考になりました。
全体的なコメントですが、これまで6回のスタディ・グループでの議論を通じまして、イノベーションの進展に伴って、従来の金融と非金融を分ける境界線や垣根が相当低くなってきているとの認識、これが大きな時代の変化として共有できたのではないかと思っております。事務局ペーパーの冒頭に述べられていますとおり、金融機能によっては、金融機関と一般の事業会社が併存する分野が出てきておりますし、金融機関が非金融ビジネスに領域を拡大しようとする試みなどが国の内外においてもますます増えてきているのが現状です。同時に、多くの伝統的な金融機関にとっては、先ほど来ご議論がありましたような、大きなイノベーションの進歩や金融のアンバンドル・リバンドルの流れの中で、抜本的なビジネスモデルの転換を迫られているというのが私の認識です。
そうした中で、今回の議論の対象である「業務範囲規制をどのように見直していくか」という論点は、我が国の金融制度や金融のフレームワークを、チューンアップ、というよりは、むしろフルモデルチェンジする観点から、このスタディ・グループの検討の成果が期待される中核的な課題の一つではないかと思っております。銀行の業務範囲規制の緩和につきましては、平成28年に、皆様ご承知のとおり、銀行法の改正によって、IT関連、それから銀行業の高度化・利便性の向上に資する業務について、銀行の子会社に門戸が開かれました。これは、フィンテックやイノベーションがもたらすメリットを金融分野に取り込むことを通じて、利用者の利便性を向上する上での非常に大きな一歩を踏み出したものであると高く評価させていただいております。こうした動きを今後も加速することが重要と思っております。
そのためのアプローチとしては、これまでの段階的な努力を積み上げていくということももちろん有益でありますけれども、大変魅力的な方策として、持株会社の枠組みを拡張した方式、金融機関ないし金融業務から見て「親近性」の高い他業種の子会社をコングロマリットグループの中に組み込む方式があると思います。私としては、いろいろな問題について既にご議論がありましたけれども、是非この制度的な受け皿の整備に道筋をつけることを目指してみたいと考えております。
以下では、重要と思われます個別の論点について幾つか意見を申し上げます。1つは、リスクの遮断をいかに実効性のあるものにするかです。これが、今までのここでの議論を聞きましても、最大の課題だと思います。銀行持株会社、また保険を含む金融持株会社方式を念頭に置いた場合、最大の論点は、結局、他の業務で発生するリスク、他業リスクの波及から守るべき金融業務や金融機能、これは預金の保護であるとか金融システムの安定性、利益相反などです、これをいかに有効に遮断できるかということだと思います。これが問題の核心と考えます。もしこの課題の解決が難しいということになれば、やはりそれだけ業務範囲の拡大については慎重になるべきということになろうかと思います。しかしながら、このリスクをいかに遮断するか、このリスク遮断を担保する方策や枠組みについて、ぜひ英知と工夫を結集させることを狙っていきたいと思います。その結果、得られたリスク遮断の有効性の高さとの兼ね合いで、金融に親近性や親和性の高い業務を担う子会社の活動を、できればフレキシブルに許容して、金融と非金融をまたいだ付加価値の高いサービスの提供を促すことが、今日的に金融界あるいは金融システム全体、あるいは金融以外のプレーヤーも含めて求められていることではないかと感じております。
次に、9ページにあります組織形態の選択に係る中立性の追求であります。最近では、金融機関による金融から見た親近性の高いビジネスの拡大を進める動き、一方でプラットフォーマーやIT企業などによる、金融の領域に参入する動き、これは先ほど池田局長から言及されましたが、この2つが、同時並行的、相乗りの形で進んできていると見ております。また、先行きを見ますと、金融と非金融の融合の動きが双方向から進展する可能性も高いのではないかと予想しています。こうした将来展望を踏まえて、9ページにあります「組織形態の選択に係る中立性」について考えた場合には、片や「銀行持株会社を頂点とするグループ」、いま一つの「一般企業を頂点とするグループ」の両者の間での規制のフレームワークは、できるだけ差異の少ないものとすることが望ましいと思います。規制のイコールフッティングを図って競争環境を整備することは、金融機関と非金融機関がそれぞれ創意と工夫を凝らして競い合って、利用者にとってよりよいサービスを生み出すための重要な環境を整備するものと位置づけられると考えております。
もう一つ、リスク遮断の防御壁を高める方策としてコメントさせていただきますと、やはりグループ経営に対する規律が重要だと思います。まず、グループ経営に対して高度のガバナンスを求めることが基本原則です。また、利益相反の排除やリスク管理の重要性に対して特段の配慮を求めること、金融機能を守ることの重要性を、グループ経営上で高い優先度を与えることが求められます。そして、しっかりとしたリゾルーションプランを用意することも重要です。その際には、従来の金融機関の秩序ある破綻処理というスコープに加えて、同一グループの中の他業種の経営破綻時の切り離しといった論点が重要になってくると思います。さらには、今申し上げたような要件を確保するために、当局による適切なモニタリングや監督・指導が重要な役割を果たすものになると考えられます。先ほど座長から、どこまで金融当局がここを見られるのかという極めて重要な論点がございました。少し楽観的かもしれませんが、私としては、いろいろな制度的な枠組みやコーポレートガバナンス等が今つくり上げられておりますので、その基盤の上に乗って当局が適切に対応されるということに期待したいと考えております。
この論点との関係で質問を1つお願いしたいと思います。懸念材料としては、一般企業を頂点とするようなグループの経営ガバナンスに対して、リスク遮断のために求められる尊重すべき諸原則を実効、エンフォースすることがどこまでできるのかという不安が残るような気がします。事務局の方から、この点について有効な手だてがあるのか、留意点は何かについて、ご見解やご説明を伺えるとありがたいと思います。よろしくお願いします。
あと2点述べさせてください。まずセーフティネットとの関係です。セーフティネットの対象として、事務局のペーパーでは、a、b、cの3つの考え方が提示されております。その中では、まず古典的なbの「銀行のうち、信用創造を担うもの」、それに加えてcの「破綻時にシステミックリスクを引き起こし得る主体については、銀行以外の金融機関」、この2つを対象にするのがよいと考えます。もっとも、bの「銀行のうち、信用創造を担うもの」のケースにおいては、重要性・リスクベースで評価して、小さな影響しか及ばない主体をどこまでカバーする必要があるかについては議論の余地があると思います。
最後に、イノベーションを促進する観点から、一言感想を申し上げます。以前の会合で田中メンバーから、最近の規制緩和を日本の大手金融機関はどれだけ活用しているのかという、邦銀の皆様を叱咤激励するご意見が出たことがとても印象に残っております。今回、スタディ・グループで検討を進めている制度やフレームワークを整えることは、極めて重要であります。それとともに、サンドボックスの利用も含めて、金融機関サイドからイノベーションを活用する動きをうまく引き出すような当局側の巧みな指導やモニタリングを通じて、民間金融機関との気合いをそろえていただくことも重要でないかと期待しております。以上です。ありがとうございました。

【岩原座長】
それでは井上さん、お願いします。

【井上信用制度参事官】
大野メンバーからのご質問で、一般事業会社が頂点となるようなグループの場合に、当局としてどのようなモニタリング・監督のツールがあるか、あるいは実効的にできるかというご質問だと理解しております。現状の制度では、ご紹介させていただきましたように、一般事業会社が銀行持株会社に当たらないような場合には、主要株主規制というような枠組みしかかかっておりませんので、銀行持株会社に対する当局の権限に比べて非常に弱いものとならざるを得ないということでございますので、そこに、現行の制度を前提にすれば限界がある。そういう意味でも、議論として提示させていただきましたように、制度的な非対称性というのは検討の余地があるのではないかというのは、私見でございますが、思っております。
もう一つは、これも討議資料の中で論点としてご提示させていただいていますけれども、11ページに、他業・一般事業を含めた尺度というものが、財務規制を考えていく上で必要ではないかという課題認識は持っております。そういうことが、リスク管理の手法として、ある程度、確立していくということも、一般事業会社を頂点とするようなグループの監督においては前提条件となってくるかと考えています。

【大野メンバー】
ありがとうございます。

【岩原座長】
それでは翁さん、お願いします。

【翁メンバー】
ありがとうございます。私も業務範囲規制の議論については過去からいろいろなところで議論させていただいてきていて、今回、これについてどう感じているかということについてお話をしたいと思います。特に現在は、やはりビッグデータの分析とかIoTといった、さまざまなIT化によるネットワーク効果というのが非常に大きくなっていて、どの産業でも非常に、オープンイノベーションということが重要になってきている。そういうことは、金融界も全く無関係ではないと思っておりまして、産業全体が今、ビジネスモデルの改革が求められていますけれども、金融もそれとは無関係ではないと考えております。
今日の整理の中で、aからdまで業務範囲規制について指摘されていますが、私も、利益相反や優越的地位の濫用というのは今後も大事ですけれども、やはり本業専念による効率性の破棄というのは、金融庁のほうでもご指摘されているように、今、時代が大きく変化している中で、こういったことをどう考えるかということは論点になってきていると思います。また、他業リスクの排除というのは非常に重要ではあります。ただ、やはりそこは、今までご指摘がありましたように、多少、業務範囲を広げても、どういう実効的なリスク遮断の措置をとるかということを担保しながら考えていくということが必要だと思いますし、こちらのペーパーにも書いてありますように、やはり低成長の中で、特に銀行業に関しましては、やはり競争力という観点でも、非常に、マクロ的に見て課題になっていることは確かであるとは思います。ただ、どのような他業まで認めるかということについては検討が必要だと思いますし、基本的な考え方、基本的な基準というのが整理される必要があるとは思っております。
従来は、例えば以前もこういった会議では、顧客の利便性とか、きちんとリスク管理できるか、リスク管理可能性とか、それから金融サービスの発展可能性といった論点とか、それから金融業の経営資源を有効利用、実際に持っている経営資源を有効利用できないかというような論点というのが、視点として指摘されてきていますし、アメリカなどでもそういう議論が行われてきていますけれども、現代的な環境の中で、ECプラットフォームとか、そういう新しいIT化の動きの中で、こういった金融業の他業をどこまで認めるかということを、少し深く検討する必要があるのではないかと考えております。
それから、セーフティネットにつきましては、ここでのセーフティネットの定義というのは、図でも示されていますように、2つの観点に、左側が狭義であるとすると、これは1つは預金者の保護ということで、情報劣位な小口預金者のために設計したというものでありまして、預金保険タイプのものがありますが、一方で、リーマン・ショックなどで再認識されましたけれども、右側の市場型は、金融システム全体が市場型になってきている中で、この市場型システミックリスクを考えて、銀行だけでなく保険会社やほかの証券会社なども含めて円滑に破綻処理できるようにしていくというような、こういった考え方が、両方重要になってきていると思います。この点、システミックリスクを防ぐ資本規制とか、破綻処理制度、円滑に破綻処理ができる制度というのも、広義のセーフティネットと言えると思っております。
それで、13ページの最初のところで、今後新しい業態についてどうやってセーフティネットに入れていくかということですが、おそらく、何か業界というものが存在するところが入ってくれば、こういう狭義の保険タイプなどあり得るのかもしれませんけれども、こういうものは多分、新しいエコシステムが出ていく中で、非常に難しくなっていくということで、やはり右側のシステミックリスクの観点から考えていくとすると、どうやって円滑に破綻処理できるかを考えていくことが基本的に重要になっていく論点ではないかなと思っております。
それで、当局が、右側の広義のセーフティネットである破綻処理を早期・迅速に行える制度をきちんと整備するということが、株主の範囲に損失をとどめて預金者の損失を小さくし、狭義のセーフティネットも小さくすることができるということだと思っていますので、この破綻処理制度とセーフティネットというのは密接に関連していると思っています。実はリスク遮断のところも非常に重要で、きちんとリスク遮断できるような、そしていざというときにはそれを切り離して、守るべきところだけを守るというような制度を設計していくということが重要だと思っております。そういたしますと、基本的にセーフティネットについても、今までもそうだったのですけれども、一層、原理的にはエンティティベースではなくて機能ということをよく考えて、対象として考えていくのだということが必要になってくると思いますし、銀行グループがほかの業務範囲、他業に少し出ていくとすれば、一層そういうことが重要になってくる視点ではないかなと思います。
これらの視点に立ちますと、13ページ・14ページに書いてありますけれども、重要なのは、やはり金融システムを維持する早期で迅速な破綻処理な仕組みをつくっておき広義のセーフティネットを整えることで、狭義のセーフティネットのほうはできるだけ社会的コストを小さくしていくという方向で、小さくしていくということかと思います。
それから、14ページの問いかけも同様でございますが、新しいいろいろなビジネスが出ていく場合には、そのビジネスモデルと両立するように考えていかなければいけませんけれども、破綻処理というときには、きちんと明確に分けてできるようにしていく工夫が必要になっていくのではないかと思います。以上でございます。

【岩原座長】
翁さんがおっしゃったとおり、低成長の中での金融機関の競争力というのがここでの一番大きな問題かと思います。確かに、先ほど私が申し上げましたような規制の体系、業務範囲規制をあのように定めましたのは、銀行業は規制産業であって参入障壁で守られているので、銀行業務をおとなしくやっていれば十分収益が上がるということが前提だったわけです。ところが、最近のように、金利がもうゼロ、マイナスになるような状況で、本来の銀行業務が収益を殆ど生まなくなったところで業務範囲規制を続けていると、銀行はもう手も足も出なくなって存続し得なくなってしまう。そこで、銀行や銀行のグループ会社が銀行業務或いは金融業務以外の業務もある程度行えるようにして、銀行が生き延びられるようにするには、どのような新たな規制体系にしたらいいかというのが、多分、今、課題として考えられているところではないかなという気がします。
それでは森下さん、お願いします。

【森下メンバー】
ありがとうございます。ほんとうに大変難しい問題だとは思いますけれども、業務範囲規制の問題に関しましては、事務局でおまとめいただいた点もそうですが、それに加えて、金融市場で銀行にどのような役割を果たしてほしいか、どういったプレーヤーを金融市場に育てたいかというような視点というのが重要なのではないかと思います。そのように考えました場合、これまでも既に何人かのメンバーからお話がありましたように、特にリテールの分野を中心に、金融のあり方が変わってきている。それで、商取引と金融の融合といったようなものも出てきているといった中で、銀行というプレーヤーにどういった役割を期待するのかというようなことが、業務範囲規制のあり方を考えていく際に検討の視点として重要になってくるのではないかと思います。
あとは、やっぱり日本はかなり銀行が、海外などに比べますと、信頼を集めてきたというような環境もあると思います。調査などを見ても、銀行というものは信頼できない業態であるというようなアンケート結果が出る国もあれば、日本などはそうでないほうだと思います。そういったプレーヤーに、金融の中でどういった役割を果たしてほしいのか。それで、銀行が今持っているリソースをどうやって活用していくと、一番、経済の発展のためにいいのかというような視点が大事なのではないかと思います。
そういった観点からしますと、多少、リスクの性格が異なるものであったとしても、リスクの規模が小さいのであれば、銀行に、あるいは銀行グループにチャレンジしてもらうというようなこともあってもよいのではないかと思います。今、おそらく付随業務などですと、余剰資産を活用しているかですとか、リスクの同質性だとか、それとともに規模が小さいかどうかというような要素も考慮の一つになっていると思いますが、規模が小さく、ある程度コントロールできる範囲なのであれば、やってもらう、チャレンジしてもらうというような考え方もあるのではないかと思います。海外などでも、レギュラトリーサンドボックスというような中に銀行が名乗りを上げて、その中で新しいビジネスにトライしてみる。そういったサンドボックスを通じて、規制当局も、そのような新しいビジネスにおけるリスクのあり方を銀行とともに研究するといったようなことが行われているやに聞きます。そのうえで、いきなり全体に解禁するということではなくても、個別に認めていくというようなこともあっていいのではないかと思います。
銀行に期待される役割ということを言ったときには、銀行といってもかなり幅広いような気がいたします。横串を通すことの難しさの1つの理由は、一口に銀行と言ったとしても、非常に規模の大きな、銀行持株会社を頂点としたような銀行グループの銀行、あるいはそういった銀行グループと、一般事業法人の傘下にある銀行では、期待されている役割、あるいは普通の国民の方々が抱く信用の源泉というようなものが違うというようなことがあるのではないかと思います。そうしますと、それらに全く一緒の規制を適用するということがいいのか、あるいは何らかの合理的な区別があったほうがいいのかというのは、考えなければいけないところであると思います。
あとは、例えば地域に本拠を持っているような金融機関と、あるいは都市型の金融機関では、期待される役割も違うと思いますので、場合によっては、地域金融機関にはその特定の地域の特性に根差した何らかのものが認められるということもあってよいと思います。これをサンドボックスという形で個別に認めるか、あるいは付随業務という形で広く認めるかという方向性はあると思いますけれども、銀行といってもほんとうにいろいろですので、そういった部分で、多少柔軟性を生み出せるような枠組みでないと、なかなか時代の要請に対応できないのではないかというような気がいたしております。
最後にセーフティネットに関してですが、この点に関しましては、先ほど翁メンバーがおっしゃられたことと同じような印象を抱いておりまして、セーフティネットといったときに、預金保険のように、幾らまで保護するというようなことに頭が行きがちですが、それに限らず、やっぱり迅速に処理をする、手続が円滑であるというようなことというのは、非常に大事なことなのではないかと思います。おそらく、そういった観点からしますと、手続を円滑に進めるためのセーフティネットが必要な業界というのは、銀行に限らず、ほかの金融業界にもあるのではないか。必ずしも保護はしなくても、処理がスムーズにできる。例えば当局が比較的早目に破綻処理のアクションを起こせるですとか、そのようなセーフティネットが必要な業界というのは、ほかの業界にもあるのではないかと考えておりますので、そういった観点からの横串での視点というのもあっていいのではないかと思います。以上です。

【岩原座長】
それでは松井さん、お願いします。

【松井メンバー】
ありがとうございます。もう、皆様の意見にかなり尽きているのですけれども、私からも若干、2点ほど、コメント等させていただければと存じます。
まず、1点目は業務範囲規制の話であります。抽象的に考えた場合、例えば、ある進出したい事業とか取り組みたい取引などがあるときに、通常の事業会社の場合であれば、会社法の枠組みのもとで、本体でやるか子会社でやるか、その他、どういう組織形態をとるかはかなり裁量があるわけです。これに対して銀行の場合は、さまざまな理由があって、これが本体でできる場合、子会社でなければできない場合、さまざま規制がかかっているわけです。今回の事務局からの資料は、会社法上、本来的には自由であるはずの事業のポートフォリオの組み方等を、金融分野において制限をかける理由がどこにあるのか、改めて問い直されているのだろうと思いまして、これは非常に意味のある作業だと感じました。
それで6ページには、4点、理由が挙げられているのですけれども、aの利益相反の防止については、古典的な論点ではあるものの、今でも残っている論点として、今後も重視しなければいけない論点だろうと思っております。bの優越的地位の濫用の防止については、競争法上、問題になる論点でありまして、これを、独禁法に基づく法執行だけでなく、金融規制上、重ねて法執行する理由があるのかどうかというのは、一応、確認はしたほうがいいのかなと思いました。
cの本業専念による効率性発揮については、本業が変わっていく可能性があるというご指摘がなされ、これはそのとおりだと私も思いますので、結論については、今回、事務局の提案と同じです。ただ1点、ちょっと気になりましたのは、ここで言っている本業というのはそもそも何なのかということです。この本業というのは、銀行を銀行たらしめている業務なのだと思うのです。そうだとしますと、もしこの本業自体が動いていくということは、そもそも銀行とは何ぞやということを問い直すという話になってくるわけでありまして、実はここには結構大きな議論が隠れているのではないかと思いました。銀行には固有業務が3つありますけれども、本業が動くというのはまさにこの業務が動いていくという話ですから、実はcには、そもそも銀行とは何なのかということを問い直す作業をはらんでいるという気がいたした次第でございます。
それから、dの他業リスクの排除については、座長が全てまとめてくださっていますので、私がこれに重ねる必要はないのかもしれません。ここで非常に気になったのは、やはり監督コストの話でありまして、岩原先生は平成10年改正の話をされましたが、私が若かったころに勉強した論文には、平成4年の金融制度改革の際に、子会社形態による相互参入が認められた点についての説明、つまりなぜ本体で業務を行うことを認めず、子会社であれば認められるのかという説明としては、やはり監督の便宜のために子会社形態をとったほうがよいのだろうということであったわけです。結局、ある一定の業務なり取引なりに対する監督をする際に、どうしてもそれはエンティティベースで行っていかなければいけない。そうしますと、エンティティの中にさまざまな業務を取り込んでいくと、非常に監督が煩瑣になる。要するに、監督のための指標一つをとってもとりにくくなりますし、実際に監督の業務を執行する際にも難しい面がある。このことは、今回、事務局からのペーパーにもそこかしこに出ているわけですけれども、その問題というのはまだ残っている。そこが解決しない限りは、なかなかこのdのところを突破するのは難しいのではないか、という感想を持った次第でございます。セーフティネットの話も、おそらくそういう話につながっていくのだろうと思います。
2点目でありますけれども、これは9ページ以降の、組織形態の選択に係る規制の中立性です。これももう既に繰り返し出てきている議論で、グループ内に金融業務と一般事業とをともに持てるかどうかという論点がありますけれども、一般事業会社がグループを持つ場合にはできて、金融業務がグループの柱になっている場合にはできないというのは、確かに競争上、不均衡が生じると思います。その観点からすると、私も抽象的には、これは是正していくべきではないかと思っております。ただ、規制の中立性という話からしますと、結構、難しい問題を抱えているような気もいたします。この点もすでに事務局の資料で指摘されているのですが、一般事業会社が金融機関をぶら下げる場合というのは、機関銀行化するかどうかという業務や経営上の健全性の話になるのに対し、金融機関が一般事業会社をぶら下げる場合は、先ほど出てきた優越的地位の濫用のような競争上の不均衡の話になって、問題の現れ方が違ってきます。そのような問題の現れ方の違いを踏まえた場合、規制の中立性というのはどういうことを意味しているのだろうかと、私もまだ自分の中でも整理がついておりません。このあたり、もう少し議論を詰めていく必要があるのかしらと思った次第で、ちょっと感想まで述べた次第でございます。以上でございます。

【岩原座長】
それでは舩津さん、お願いします。

【舩津メンバー】
ありがとうございます。業務範囲規制につきまして、一言で言えば、弊害が除去できるのであれば緩和していく、取っ払うというのがよいのではないかと考えておりますが、ただ、問題は、その弊害をどうやって除去するかという話かと思います。その点に関して、この討議資料の中ではリスク遮断ということが盛んに書かれております。ただ、そのリスクというものが、わりと何というか抽象的で、一体何を指しているのかというのが、わかっているような、わからないようなというところがあるような気がしております。それで、誰のどのようなリスクかという点をまず少し明らかにしておいたほうがいいのではないかという気がしております。例えば兄弟会社の兄銀行と弟事業会社との関係を想定しているということもあれば、もしかしたら親子間のことも言っているような気もしますし、さらに言えば、1つの子会社が破綻することによって、グループに何か及ぶというような形も想定されているような気がしておりますので、そのあたり、少し明確にされたほうがいいのではないかという気がしました。
それで、その点に関係しまして、少し後藤メンバーからもありましたけれども、法人格を使うことによってリスク遮断ができるという理由の中に、仮に株主有限責任というものが1つあるのだとしますと、私は後藤メンバーと少し違う感想を持っておりまして、法環境としては、以前よりも法人格のリスク遮断効果というのは、少なくとも銀行グループに関しては減っているのではないか、リスク遮断されにくくなっているのではないかと感じております。これは2点ありまして、1点は、健全性を連結でも見るというような形になっているということ。おそらくそれと関係していることでしょうけれども、2点目として、ご案内がありました平成28年の銀行法改正で、グループの経営管理というものが定められたということです。このあたり、実はグループの経営管理の義務を、頂点の会社に与えるということの一般会社法上の位置づけは、まだ明確ではないように思います。ただ、これまでの金融を抜きにした一般法理から考えますと、やはり、子会社に対してそれなりの介入をした親会社には、何らかの責任があるとの考え方もあり得るかと思います。そうしますと、果たして2016年改正以降において、少なくとも銀行グループにおいて、法人格が別であればリスクが遮断されている、有限責任という意味でリスクが遮断されていると言えるかというと、かなり疑問がつくような気がしております。それで、仮にですけれども、例えばグループの経営管理はグループの頂点の会社がやるということを金融法の秩序として残しつつ、さらに事業範囲、業務範囲を広げていくということにしますと、一般事業会社に対する経営管理というものも、きっちりと親会社がしていけという話になってくる。そうなると、やはり一般事業会社の債権者なり何なりというものについては、やはり親会社の責任といったものが、母体行責任以上に出てくる可能性もあるのではないかというのが私の感想でございます。
このような考え方は、発想としては、金融グループの規制の中に一般事業会社が入り込むのだという考え方かと思いますけれども、むしろ、もう1つの考え方としては、金融の関係の固まりというのは1つの閉じた世界として置いておいて、その横に一般事業会社をつけるというような、規制のイメージとしてはそういう形も考えられるのではないかという気がしました。要するに、頂点にある会社としては、銀行に対しては指図というか経営管理を行うのに対して、一般事業会社に対しては経営管理を行わないという形で、これまでの会社法の原則である法人格によるリスク遮断というものを使うことができなくはないのかなと思います。ただ、問題は、そうした場合に、グループ一体としての金融機能を高めるというような能力、機能というのは当然、弱化するのかなという気がしております。
もう一つの点ですが、少し細かな話になりますが、10ページの機関銀行化の回避というところに関してです。池田局長からもお話がありましたけれども、決して他業態への進出といったものを促進することだけを念頭に置いているわけではないということかもしれませんが、仮にそれをすべきだと考えたときに、機関銀行化というのがなぜ悪いのかということは、もう少し機能的に議論しておいたほうがよいのではないかという気がしております。他業態との融合による金融の発展を、良いことだと考えるのであれば、おそらく特定の商品ですとかサービス、それから特定の種類の顧客、それから特定地域に深く結びついて業務をすることで金融機能を向上させるというようなことは、当然あり得るかと思います。それを仮にありだとするのであれば、では許されない機関銀行というのと、許される、特定のところに深くコミットする形態とを、どこで分けるのかということは、明らかにしておいたほうがよいと考えられます。例えばですけれども、機関銀行化として問題視されているものが、銀行の他業リスクの問題に全て解消されるということであれば、それはまさに他業リスクの問題として話をすればいいということになります。他方で、もしかしたら特定種類のリスクだけを負うことが問題なのだということであれば、例えばそもそも地域金融機関というのは、その地域特有のリスクしか負っていないと考えるわけですから、それがなぜオーケーなのかという話との整合性が問われるわけですし、もう一つ、特定のリスクに傾斜しないように大口信用供与規制というのがあるわけですから、それでは防げないのかということは、検討してみたらいいのではないかと思います。あるいはもう一つ、機関銀行化に関して言われているのは、情報の流用というのがあるわけですけれども、これももしかしたら、銀行業、金融業の情報の流用に関する対策で防げないのかということを、やはり考えてみたらいいのではないかと思いました。以上です。

【岩原座長】
ほかにございますでしょうか。では池田さん。

【池田総務企画局長】
先ほど松井メンバーから中立性の関係でご指摘がございまして、この点は全体の議論にも関係してくる部分もありうると思われます。次に申し上げることは全く仮定の思考実験ですが、ある銀行があったとして、銀行業から転換して、翌日からは銀行ではなく、基本的にデータ・情報会社になるのだという経営方針ができたといたします。本日、持株会社の議論が出ているところではございますが、そのような会社が、持株会社といった形態を通り越して、データ・情報会社としてグループの頂点に設立され、伝統的な銀行業務はその子会社として細々と一部で行うということが起こったとすれば、それは現行の制度の前提が想定していない動きになりますし、そういった場合には、組織形態の選択によって、規制のかかり方が全く中立的でない姿というのがありうるのではないかと思っております。
こういったことについては本当に起きるとは限らないものの、いろいろな展開はあり得るだろうというのが、先刻の議論ではないかと思っていて、将来何が起きるかは我々も予言することはできませんが、金融制度としてはそうしたところまでも見据えて、検討を進めていくということが重要ではないかというのが、今回の機能別・横断法制というものを検討していることの一端ではないかと思っています。本日、岩原座長から、平成10年の銀行法改正の議論を十分に咀嚼していないというお叱りを頂戴いたしまして、私どもとしては、そういったところは再度よく点検し、本日のさまざまなご議論も踏まえて、私どもなりにもう一度考えてみたいと思います。にわかに運用面も含めて解が出せるかどうかはわからないながらも、今申し上げたようなことが可能性としては起こり得るとすれば、やはり思考を停止することはできないのだろうなと思っているところでございます。どうかよろしくおつき合いをいただければと思います。

【岩原座長】
始まる前に、望月さんから発言されたいというご希望をいただいておりましたので、まず望月さんに御発言頂き、その後で田中さんでいいですか。それでは望月さん、どうぞ。

【望月オブザーバー】
ありがとうございます。みずほ銀行の常務執行役員の望月でございます。全国銀行協会の企画委員長という立場で、今回から参加させていただくことになりました。どうぞ1年間、よろしくお願いいたします。
このスタディ・グループにつきましては、金融のアンバンドリングあるいはリバンドリングが進む中で、先ほど来、メンバーの方からお話がありましたように、金融と非金融の垣根が低くなってきている中で規制がどうあるべきかということを議論する場だと理解しております。冒頭、田中メンバーから、やや銀行の業務範囲に偏ったペーパーになっていないかというお話がございました。この点につきましては、私どもを主語といたしますと、金融・非金融という観点で、銀行が金融分野から、金融の周辺にある非金融分野に進出する、この側面がいわば銀行の業務範囲の規制ということになりますが、一方で、一般事業法人が、我々がやっております金融の周辺のサービスに参入してくるときにどのような規制があるべきかという側面もあり、これら両面からのご議論を積み重ねてきていただいている、あるいはこれからもしていただくということと思っております。こうした規制がビジネスモデルの発展を不当に阻害することがないようにしながらも、同一の機能を提供する事業主に対しては、業界横断で利用者保護の観点を踏まえました適切な規制のもとで、公正な競争条件を促し、健全性・セーフティネットなども確保した上で、お客様に提供する付加価値を最大化していくこと、ひいてはそれによりグローバルな競争に打ち勝っていくこと、こうしたご議論をぜひお願いできればと思っています。
その観点から、細部になりますが、3点だけ言及させていただければと思っております。まず、6ページにありました、利益相反・優越的地位濫用の防止の観点です。森下メンバーから、銀行は世間から得ている信用力が異なるというお話がございました。全くもってそのとおりでありまして、それゆえに銀行は、一般事業法人よりもより一層高い倫理観と、信用に裏打ちされた業務についているという銀行員一人一人の矜持が必要だと思っておりまして、その中で、利益相反・優越的地位の濫用の防止にしっかりと取り組んでいく必要があります。これを大前提としながらも、昨今こうしたことが求められるものは何も銀行エンティティに限ったものではなくなってきております。資金提供、資金供与の同様の機能を提供する銀行以外の事業者や、あるいは戸村メンバーからありましたように、プラットフォーマーといった社会的な影響力を強く持つ業態が出ておりまして、こうした利益相反や優越的地位の濫用を起こし得る機能を提供する全ての企業に対して、同種の規制が必要だと思っております。その観点におきましては、銀行エンティティという法人格単位での規制というものが今はベースになっておりますが、翁メンバーからも機能別というワードも出ておりましたように、機能別の規制で利益相反・優越的地位の濫用を防止する方法がないかといったことを検討するのも、1つの課題かと思っております。
2点目は、7ページにあります、親近性の認められない他業兼営の適切性であります。坂メンバーから複合的なサービスのお話や、あるいは大野メンバーから銀行のイノベーションを引き出すようにといった叱咤激励もいただきましたように、一見、親近性がないように見えましても、昨今は、グループ内のさまざまな業務から得られる情報やデータを銀行が活用することで、マーケティング力の強化や、あるいはお客様の潜在的な課題に対応する、例えば高齢者の方々への提供や、先ほど来ありました不動産との絡みも含めまして、さまざまなソリューションや提案力の強化につなげられる余地があるかと思っております。親近性の定義次第ということでありますけれども、金融のあり方の変容や、皆様方からの役割期待の拡大を踏まえまして、ぜひビジネスモデルの選択肢が狭まることがないような形で、幅広いご議論を賜れればと思っております。
それから3点目、最後でございますけれども、今回の記載にはございませんし、直接のテーマではないと思いますが、銀行等のエンティティを主軸とした規制を機能別に整理し直す流れでいきますと、避けて通れないのが、やはりグループ内の情報共有やデータの相互利活用のあり方、加えまして、銀・証というエンティティ間のファイアーウォール規制やクロスマーケティング規制、そして国内と海外という観点で見ますと、海外でも本邦金融機関に国内規制が適用されるといった邦銀の外国支店に対する観点。こうした3つの観点は、グローバルベースでの公正な競争確保、健全なビジネス発展という観点からも、避けて通れない課題かと思っておりますので、これはまた別の機会かとは存じますが、ぜひ皆様方のご議論等々を賜れればと思っております。
最後に、岩原座長から、マイナス金利環境の中で、銀行自身の存続が問われているという厳しいお言葉も頂戴いたしました。今回のテーマは、銀行の事業戦略やビジネスモデルそのものに大きく直結しているものでありまして、私ども金融界といたしましても、引き続き建設的にご意見を出させていただければと思っております。オブザーバーの立場で大変僭越ではございますが、銀行業務範囲にかかわることでございますので、少しお時間を頂戴いたしました。座長、どうもありがとうございました。

【岩原座長】
どうもありがとうございます。それでは田中さん、お願いします。

【田中メンバー】
済みません。もう時間もいっぱいなので、一言だけ。
私も平成4年と平成10年に全銀協の仕事をしていましたから、おっしゃることは非常によくわかります。それから、座長からお話がありました長銀の破綻、山一の破綻のときは、その現場におりましたので、その辺の関心事も大変よくわかるつもりなのですが、今お話がありましたように、金融が非金融に進出するという議論がありましたけれども、私はその前の話があるのではないかと思っています。それは、最早金融イコール銀行ではないということです。金融のプレーヤーというのは銀行以外にもたくさんある。特に、先ほど紹介しました福田先生の本にも書いてありますけれども、銀行というのは単なるデット・プレーヤーにすぎなくて、デット・プレーヤーですから、基本的には回収可能性を中心とした再建計画であるとか経営計画というものを顧客に求める。その結果、先生の本の中では、既存の技術を使った生産活動を行う企業に対してはそれなりの役割を果たすわけですけれども、最先端の技術開発を行う企業に対しては、やっぱり必要なのはエクイティー・プレーヤーだということになります。
それで、そういうエクイティー・プレーヤーも、これはもう金融の中では極めて重要なプレーヤーとして最近は認識されておりまして、各金融機関も、地方でも、それからいろんなところでも、ファンドというものが盛んにつくられているわけです。そういうニーズがそこにあるわけです。したがいまして、イノベーションというものが、金融界のイノベーション、それから産業界のイノベーションというものに必要な金融というのが、実は今、必要なのは、エクイティー・プレーヤーではないのか。したがって、福田先生の本にもしっかり書かれておられますけれども、そういう観点を持った上で議論する必要がある。金融イコール銀行ではないということを頭に置いて、銀行をどうするのかという議論だけではなくて、金融というもの全体をどうするのかという観点から考えた上で、横断的な規制を考えるべきではないかと思います。以上です。

【岩原座長】
まだまだご意見もあるかと思いますが、時間を過ぎておりますので、特にということがなければ、以上をもちまして討議を終了させていただきたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。
本日いただきましたご説明やご意見を踏まえ、さらに審議を深めていきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
最後に事務局から連絡事項等がございましたらお願いいたします。

【井上信用制度参事官】
次回のスタディ・グループの日時につきましても、皆さんのご都合を踏まえた上で、後日、事務局よりご案内させていただきます。よろしくお願いいたします。

【岩原座長】
それでは、以上をもちまして、本日のスタディ・グループを終了させていただきます。熱心なご議論、ほんとうにありがとうございました。
 
―― 了 ――
 

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