金融制度スタディ・グループ(平成30事務年度第5回)議事録

  • 1.日時:

    平成30年12月20日(木)9時30分~12時00分

  • 2.場所:

    中央合同庁舎第7号館13階 金融庁共用第一特別会議室

金融審議会「金融制度スタディ・グループ」(平成30事務年度第5回)
平成30年12月20日
  

【岩原座長】
それでは、予定の時刻になりましたので、ただいまより「金融制度スタディ・グループ」平成30事務年度第5回会合を開催いたします。皆様、お忙しいところをお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
本日は、前半では、前回に引き続き、情報と金融機関について、事務局から資料1についてご説明をいただいた上で討議を行います。後半では、当面の検討事項のうち、プラットフォーマーへの対応について、事務局から資料2、資料3についてご説明いただいた上で討議を行います。
それでは、事務局から資料1についての説明をお願いします。

【岡田信用制度参事官】
おはようございます。資料1についてご説明申し上げます。
資料1は、タイトルを「金融機関による情報の利活用に関する討議の整理」としてございまして、前回の皆様のご意見を事務局において整理させていただいたものとなっております。
ごらんいただきますと、いただいたご意見を大きなまとまりごとに整理させていただいたものが白丸でして、白丸の下の黒ポツは、皆様のご意見を、そのままに近い形で要約して列挙させていただいたものでございます。したがいまして、黒ポツは、一部相互に対立するようなご意見もそのまま載せてございます。
簡単にポイントをご説明いたします。まず、1ポツの総論でございますが、総論の2番目の丸のところにありますとおり、一般事業会社、フィンテック事業者、伝統的な金融機関のいずれの主体でありましても、情報の利活用に取り組んでいくことは自然な流れなのではないか。次の丸ですが、他方で、こうした動きを促していく上で留意すべき点として、以下の2つがあるのではないかということで、情報に関連するルールのあり方、それから、情報の利活用の社会的な進展を踏まえた伝統的な金融機関の業務範囲規制のあり方、の2つを記載しております。
2ポツは、そのうちの情報に関するルールのあり方についてでございますが、前回いろいろなご意見をいただきました。最初の白丸にありますとおり、一般事業会社、フィンテック事業者、伝統的な金融機関などによる情報の利活用の拡大を踏まえ、個人情報保護の観点からルールの再検討を行うことも必要ではないかといったご意見がございました。
それから、もう一つの類型として、現行の個人情報保護法制は、情報の保護に重点を置いているように感じられるが、今後は情報の保護と利活用の両立を図っていくことが重要ではないかといった観点からのご意見をいただいております。
そのほか、次の丸ですが、イノベーションというのはやってみなければわからないものが大半でありますので、まずやらせてみて、問題があれば後で見直すといった発想も必要ではないかというご意見がありました。それから、最後の丸は、情報の保護・利活用のあり方については、個人情報に限らず企業情報についても別途検討が必要ではないかと、そういったご意見があったと思っております。
次に、3ポツは、伝統的な金融機関の業務範囲規制のあり方についてのご意見ということであります。最初の丸は、1ポツの総論のところにございましたとおり、情報の利活用が社会的に進展し、金融と非金融の垣根を超えた情報の利活用も進む中、業務範囲に関して厳格な制限が存在する伝統的な金融機関も変化を迫られている。このため、業務範囲規制について、情報の利活用の社会的な進展を踏まえた見直しを検討することが適当ではないかということでございます。
それから、その次の丸でございますが、他方で、業務範囲規制につきましては、利益相反取引の防止、優越的地位の濫用の防止、他業リスクの排除といった趣旨が、監督の実効性にも配意しながら確保されることが必要ではないか。そうした点を踏まえた場合、仮に業務範囲規制を見直すこととする際、新たに認める情報の利活用の範囲についてどう考えるか。さしあたりは、金融に何らかの形で関連する情報の利活用とすることが適当と考えられるが、どう考えるかというふうにまとめてございます。その後は黒ポツで個別のご意見を挙げさせていただいております。
3ページの中央付近で、もう一つ別の観点からのご意見として、2016年の銀行法等の改正により、銀行グループが有することが可能となった高度化等会社について、保険グループにも認めるべきではないかといったご意見がございました。
最後に、4ポツの、今後の検討の進め方でございますが、2つ目の丸で、情報に関連するルールのあり方について指摘されている事項は、必ずしも金融分野に限定されるものではない。このため、(金融に限らず)分野横断的に検討することが必要ではあるが、情報の利活用の社会的な進展を踏まえた伝統的な金融機関の業務範囲規制のあり方についての検討を先行させることはあり得るか。あるいは、業務範囲規制のあり方についての検討は、情報に関連するルールのあり方についての検討が進んだ時点で、改めて行うことが適当か、ということで、今後の進め方についての問いかけという形にさせていただいております。
本日は、こうした前回のご意見、この資料等をご参考にしていただいて、さらにご意見がございましたらいただければと存じます。以上でございます。

【岩原座長】
どうもありがとうございました。
それでは、討議に移りたいと思います。なお、審議時間が限られていますので、ご発言は簡潔にお願いしたいと思います。
それでは、どなたからでも結構でございますので、ご発言をお願いしたいと思います。神田委員、どうぞ。

【神田メンバー】
どうもありがとうございます。前回、ちょっと発言する機会を逸してしまいましたので、若干だけ発言させていただきます。
資料に挙げてある意見と重複するのですけれども、2点感想であります。1つは、情報の利活用について、もう一つは関連して、業務範囲の規制の緩和についてです。
情報の利活用については、私は2つのことを分けたほうがいいと思っていまして、1つは、伝統的な問題というか、それについてのルールをいかにファインチューニングして、現代に合わせていくかということです。伝統的なルールというのは、銀行分野で言えば、銀行秘密ですとか守秘義務と言われており、その後、より一般的に、例えば個人情報保護というものについて、今、それから将来のテクノロジーを見据えて、どうファインチューニングしていくのかというのが課題です。
もう一つは、私は違った観点ではないかと思うのですけれども、今現在出てきた新しい問題というのでしょうか、例えばビッグデータの処理、情報の蓄積、こういうものがテクノロジーで非常に実態が変わっています。こういうものについては、1つ新しいアプローチでもルール整備ということを考えるほうがいいのではないかと思いまして、そういう意味で2つのことを分けたほうがいいと思います。
2点目は業務範囲規制ですけれども、業務範囲規制で注意したほうがいいと思う点が1点だけあります。進め方としては、もうこういう時代ですので、業務範囲規制というのは先行させて緩和していっていいのではないかと私は思います。ちょっとそのときに、ここのご意見の中に書いてあること、例えば業態の個性を踏まえた本業周辺の部分、これは今ある制度との連続性ということを考えると、これは極めてごもっともであり、実際にはそういうアプローチになるのかとも思うのですけれども、私自身は、業者の視点ではなくて、こういうものを進めていく上では、テクノロジーの実態を踏まえた利用者の視点を重視していただきたいということです。
もし業者のほうを考えるのであれば、前にちょっと、昨年でしたか、申し上げたことがあると思うのですけれども、2つ条件があって、それはリスク管理体制がしっかりしていることと、ガバナンス体制がしっかりしていること、この2つを満たしていることが要求されると思います。しかし、やはり利用者の視点にあって、どういうサービスを提供しようとしているのかということを重視して、物事を考えていただくというのが、実質上は重要かと思います。以上です。

【岩原座長】
それでは、植田さん、お願いします。

【植田メンバー】
すみません、1点だけ簡潔にいたします。
1つ目は、2ページ目の一番上の白丸の中の最後の黒ポツで、「信用情報などのように、事業者間で共有することが社会全体の効率の向上に資する情報もあるのではないか」とあります。私、前回言いましたけれども、ちょっと補足いたしますと、懸念といいますか何といいますか、1つは、やはり信用情報を共有するということで、銀行業や貸金業は、業界全体でうまくいくというようになるはずなのですね。そうだとすると、やはりこの分野に新規で参入される方にも当然オープンにしていく話だと思います。ですがその一方で、今度は逆にこの分野に参入してくる、例えばインターネットで商取引をされているような業者のほうがさらにそれにつけ加えた情報というのは、今度は逆に既存の銀行等はアクセスできないということがありますので、そのところの不平等というのも変ですが、それを考えながら、一体どこまでを今後、社会全体のことを考えてオープンにしていくべきかという議論は、引き続きしていくべきだと思います。
それから、業態の業務範囲規制の話ですが、これはどのような形で情報関連の事業を、どのような形でやるかということだと思いますが、銀行の子会社でやるのか、銀行本体でやるのか。ただ、今、子会社や本体でやる場合は、当然のことながら銀行規制に連結の会計基準という意味で引っかかってくるわけですので、そうじゃないところがやるところに比べると、既に規制のコストがある分だけ、ある意味でコスト的に高いので負ける戦をするようなところもあるわけです。それは逆に考えると、そうであれば、本格的にこういう情報に関するものを業務としてやるということであれば、やはり本来の筋は、事業会社と金融的な子会社を両方持つ持株会社を設立して、兄弟会社みたいな形で銀行規制の外にあるような一般事業会社みたいな形態でやらない限り、おそらく最終的には競争に負けると思います。そうだとすれば、そういうこともやはり可能にするような規制の緩和を考えていかないといけないのではないかと思います。

【岩原座長】
それでは、大野さん、どうぞ。

【大野メンバー】
ありがとうございます。まず総論としては、特にスピード重視ということをお願いできればと思います。次の報告書の取りまとめを待つことなく、できるところからアクションをとることをぜひしっかり進めたいと思っております。
それでは、ポイントを5つ述べさせてください。具体的な目標をどこに置くかについて私が特に力を入れて行きたいと思っている点です。1つ目は、金融機関のフィービジネスの徴求と利用者への還元を促進するということです。これは2ページ目の一番上の白丸の3つ目の黒ポツに示してある点です。金融機関が情報を活用して、例えば金融に近いビジネスパートナーである異業種に情報を提供したり、送客したり、利用者などにコンサルティングなどのサービスを提供するようなケースが考えられると思います。そうした場合の送客や顧客の紹介、コンサルティング的な業務に係る正当な手数料をしっかり取れるようにすること。それと同時に、そうして得た収入を元手として利用者へ還元する方法をできるだけ広く持つことができれば、金融業と非金融業の連携が促進されます。
また、一番重要なポイントとして、先ほど神田先生の方からもございましたが、利用者にとってより付加価値の高いサービスの提供が可能となるとの効果が期待できます。そうした枠組みを整えることを、例えば当局がガイドラインを出すという形などによって後押しできればよいのではないかと考えております。よろしくご検討をお願いしたいと思います。
2つ目は、数年前に作った金融高度化子会社の枠組みの拡張ができないかという点です。高度化子会社の受け皿をより広くすることを通じて、さらなるビジネスモデルの展開や新しいサービスを促進できればよいと思っております。これについては、前回会合で後藤メンバーから問題提起があり、非常に魅力的であると私は感じました。イノベーションの促進と利用者の利便性の向上を図るために、銀行法上で、現在高度化子会社を定めております第16条の規定の前書きの部分、「情報通信技術と、その他技術を活用した当該銀行の営む銀行業の高度化」、この部分を省くないしは緩める方向での改正ができないかといったところについて、ご検討いただけると良いのではないかと思います。
3点目は、保険会社に対しても、いわゆる金融高度化子会社の道を開くことができれば望ましいと考えております。
それから4つ目、金融機関のマインドか、当局側の規制の運用のどちらがハードルになっているか、という議論がございました。私は、双方ともに課題があるのではないかと思っております。イノベーションの推進が重要な課題であるとの意識を、官民双方で共有することが極めて重要ではないかと思っております。金融庁の皆様には、例えば明確なメッセージとして、「新しいアイデアがあればどんどん金融機関が金融庁に持ってきてくれればウェルカムだよ」、「しっかり聞いて、相談に乗ってあげるよ」といった姿勢を前面に出していただけると、非常によいのではないかと思います。
最後の1点は、2ページの一番下の黒ポツにある利益相反の防止についてです。これにつきましては、ここ数年、金融庁のイニシアチブのもとでフィデューシャリー・デューティーを重視し、顧客の利益を最優先するという意識が大きく進展している点を大変評価しております。このフィデューシャリー・デューティーの徹底を進めると前提にすれば、それとのバランスのもとでファイアウォールの制約を軽減させる余地が出てくるのではないかなと思っております。そうした方向に進むことによって、結局は利用者がワンストップでより利便性の高いサービスの恩恵を受けられる可能が高くなると期待できると考えています。
以上です。ありがとうございました。

【岩原座長】
それでは、加毛さん。

【加毛メンバー】
ありがとうございます。2点のコメントと、1つの質問があります。最初に、今し方、大野メンバーからもご指摘がありましたが、資料1の2ページにおいて、伝統的な金融機関による情報の利活用が進んでいないことの原因が、金融機関のマインドの問題なのか、あるいは規制当局のマインドの問題なのかという記述がございます。前回の会議において、岡田信用制度参事官から、個人的な意見であるという留保を付しつつも、制度がマインドを形成していくというご発言がありました。そのような観点から、ある種、象徴的な意味を伴って、業務範囲規制を緩和することは、重要であると考えます。このことは、金融庁が「金融監督から金融育成へ」という方針を明確に打ち出すという意味でも、意義があるのではないかと考えます。
第2に、資料1の3ページの「4.今後の検討の進め方」におきまして、どのような順番で検討を進めるのかという問題につきまして、情報に関連するルールのあり方は非常に大きな問題であり、金融庁に限らず、広範な議論が必要であると思います。他方、情報に関連するルールが定まらないと業務範囲規制を緩和できないという関係にはないと思います。むしろ金融機関に今後の情報に関するルールのあり方に関する議論に積極的に参加していただくという意味でも、業務範囲規制の検討を先行させることには意義があると思います。
最後に、事務局に対する質問です。大野メンバーや植田メンバーのお話にもありましたけれども、情報の利活用について、金融機関本体で行うのか子別会社で行うのかは、重要な問題であろうと思います。とりわけ他業リスクの排除という観点からは、金融機関本体がどの程度のリスクをとることを想定するのかが重要な点となります。他方、高度化等会社の存在自体は維持するとしますと、金融機関本体でできることと、子会社でできることとの間にいかなる差異を設けるのかが問題となります。この点に関する見通しにつきまして、差し支えない範囲で教えていただければと思います。

【岩原座長】
それでは、岡田さん、お願いします。

【岡田信用制度参事官】
ありがとうございます。ご指摘のとおり、2016年の銀行法等の改正で、高度化等会社を銀行は持つことができるようになっておりまして、この条文を見てまいりますと、それなりに広範でありまして、高度化等会社では、相応に広範囲に情報利活用の業務ができるようになっているものと理解しております。
したがいまして、しばらく前の会合で銀行界からもご意見がありました、社会的要請に応えるために他業の制限について緩和を検討してほしいということは、情報の利活用の文脈でいうと、本体のほうの課題ではないかと思っております。銀行本体ないしは保険会社、証券会社の本体についてどうするかという課題だと思っております。
その上で、子会社でやれる範囲と本体でやれる範囲というのは、これまでのスタディ・グループでの議論でもありますとおり、他業リスクの排除という観点から、何らかの意味での差異というのはあるのではないかというように考えております。

【岩原座長】
よろしいですか。
それでは、次に舩津さん。

【舩津メンバー】
ありがとうございます。甚だ訓詁学的ではありますが、資料1の文言について少しお伺いをさせていただければと思います。資料1の2頁目の下から5行目のところですけれども、「さしあたりは」ということで、金融に何らかの形で関連する情報の利活用に関しては、業務範囲として認めるということでどうかということで書かれておられるかと思います。これがどこまでのことを意味しているのかということについて、少しお伺いさせていただければと思います。
といいますのも、情報の関連性というのは、情報が入ってくる入り口と、情報が出て行く出口と両方について金融に関連するというような関連の仕方があるのではないかと思っております。資料1上は、金融に関連する情報というふうに読めるとすると、それは金融の過程で収集したもの全てを利活用すると読めなくはない。他方で、金融に関連する利活用と読めば、出口の話ということになるのかなと思いまして、これは両方含むのか、あるいは片方だけなのかということについてお伺いをしたいと思っております。
それはなぜかと申しますと、私個人の考え方としましては、もし金融に関連する情報であれば何でも利活用していいよということになるとしますと、活用の仕方次第では、やはり当事者といいますか、利用者にとって予期していないような活用の仕方というものが出てきて、情報の保護という観点から、やや問題があるといいますか、まだ十分詰められていないような事態というものがあり得るのではないかというふうに考えております。
したがいまして、3ページの「4.今後の検討の進め方」ということで、業務範囲規制のあり方を先行させることでどうかというふうに書かれておられますけれども、そういう形で金融に関連する情報、金融に関連して入手した情報であれば活用していいよという意味であれば、それは慎重に考えるべきではないかと思います。他方で、集めた情報を金融に関連したものに使うんだという出口のほうの意味でのみ捉えるのであれば、これは先ほど来出てきております高度化子会社というものもありましたので、それを本体でやるというのがおそらく今回のご提案ということになろうかと思いますので、それに対して、私個人としては抵抗はないということでございます。
もっとも金融に利用できるかもしれないというレベルまで、おそらく高度化子会社は認めていると思いますけれども、そこまで本体で認めていいかというのは、また別の問題ということになろうかと思いますので、役に立つかもしれないというレベルの業務であればそれは子会社でやって、役立つとわかってから本体に吸収するというようなすみ分けも考えられるのかなという気がしております。それから、仮に金融に関連する利活用だということであったとした場合に、今度、金融関連性を銀行に自由に判断させていいのか、あるいは当局が何らかの判断を留保する必要があるのかということは、やはり健全性等との関係で検討を要する事項かなとは思っております。ご質問としては、ここの金融関連性の意味についてお伺いできればと思います。よろしくお願いします。

【岩原座長】
岡田さん、お願いします。

【岡田信用制度参事官】
いろいろご自由にご意見いただければと思うのですが、私の理解を申し上げますと、やはり金融に何らかの形で関連する情報の利活用ということだと思います。その上で、金融に関連といった場合に、例えば融資先の企業の財務情報などであれば、銀行業に関連する情報であるのは明らかだと思うのですが、前回申し上げた例で、インターネットでの検索行動に関する情報や、地域における人の移動のビッグデータのようなものは、その情報だけを見ると、一見すると金融ないし銀行業との関連性が見えづらいのですが、そういうものも含めて、前回の例でいいますと、最終的に企業それぞれの経営課題等に応じたアドバイスといったものに生かしていくというようなことだったので、金融に関連というところの背景が、従前想定されていたよりは広くなっているということには留意が必要かと思います。
もう1点申し上げると、情報の利活用というのは、前回いろいろ出たご意見の中で、金融以外の一般的な物の勧誘といったところまで広がっていくのではないかという、どちらかというとご懸念されるご意見があったと思うのですけれども、物の販売、例えば車や家具といった物の販売ということですと、ここで言いあらわそうとしているような、金融に何らかの形で関連する情報の利活用というのを超えたものになるのではないかというふうに思っております。
本体での情報の利活用については、高度化等会社の規定ぶりも参考にはなるのだと思いますが、子会社である高度化等会社と同じかどうかというのは慎重な検討が必要だと思います。

【岩原座長】
よろしいですか。
それでは、坂さん、お願いします。

【坂メンバー】
ありがとうございます。情報に関するルールのあり方について2点と、それから、業務範囲規制について2点、それから、今後の進め方について若干意見を述べたいと思います。
まず、情報に関するルールのあり方のところですけれども、前回出ている意見の中で、何となく気持ちが悪いという感覚が大事だというご指摘がありました。これは、1つには、情報を持つものが力を持つということと関連するのではないかと思います。事業者が個人に関する情報を蓄積して、本人が気がつかないようなことも知り得て、それを利用して個人に働きかけることが可能となるということは、事業者が情報の蓄積を背景とした力を持つということで、こうした事態への不安という面があるのではないかと思います。こうした状況を改善する観点からも、個人の情報へのアクセスと、それから、個人と事業者の情報の共有という視点が重要なのではないかと思います。
それから、2点目、情報の保護と利活用の両立という点ですけれども、利活用というと、事業者側の利活用のみがどうも論じられる傾向にあるように思うんですけれども、個人の側の利活用という視点も重要なのではないかと思います。社会の情報化の進展がとめようがないという状況に鑑みますと、個人も環境変化に適応する必要があると思いますし、情報の利活用については、客体ではなく利活用の主体として位置づけられるべきではないかと思います。
それから、業務範囲規制に関してですけれども、2ページの一番下の丸についてですが、業務範囲規制を見直して金融関連の情報の利活用を促進する場合には、他方でより洗練された利益相反管理と、それから優越的地位の濫用の防止が求められるだろうと思います。情報の遮断は、利益相反管理の一方法でありますけれども、その方法をとらずに広く情報を取得、蓄積して利活用していく場合には、他方で社内における情報共有ですとかアクセスの適切な管理、あるいは不適切な利益相反取引が行われないための社内規則ですとか監視体制、それから利用者への情報提供等、各社において利益相反防止のための他の手段の体制というのを、より強化していく必要があるんじゃないかと思います。
また、優越的地位の濫用についてのご指摘もあります。このご指摘は公正競争阻害性を念頭に置いたものではないかと思いますが、今後、情報利用のあり方がさまざまに進展していく中で、従来とは異なる形の一般利用者に対する濫用形態が広がる可能性があり得ると思います。また、公正競争阻害性が明確でない場合も、金融機関が情報優位を濫用して、一般利用者の利益を損なう場合にはその対応が必要ということになり、業務範囲の拡大により、そのリスクが高まり得るということには留意が必要なのではないかと思います。
今後の進め方ですけれども、情報のルール等の見直しと、それから業務範囲規制の見直しの先後関係については、これは特段どちらが先ということはないと思いますし、実態がどんどん進んでいくということに鑑みますと、業務範囲規制の拡大を先に検討するというのも1つの方向かと思います。基本的な方向感覚としては、個人的には本来業務の利活用における工夫というものを促しつつ、できる範囲の拡大をしていくということが重要なのではないかと考えております。以上です。

【岩原座長】
次に、戸村さん、お願いします。

【戸村メンバー】
ありがとうございます。資料1と資料3について、それぞれコメントさせていただきたいと思います。
まず資料1にある業務範囲規制についてのコメントですけれども、データ収集に伴う利用者との利益相反や優越的地位の濫用の防止については、金融業のみならず非金融業についても懸念が高まっており、その意味では金融業特有の業務範囲規制を置く意義が薄れているように感じます。残る懸念の他業リスクについても、情報の利活用に関して言えば、財務面のリスクを直接大きくするものではないと思いますので、業務範囲規制を先行して緩和して、金融業と非金融業とのイコールフッティングを図るというのは望ましい考え方だと思います。
ただ、資料1の一部にありますように、金融業の業務範囲規制をなくして、一般的な競争法に一元化してしまえばよいかというと、これは個人的な意見ですけれども、金融業においては、業界団体によるガイドラインのような自主規制も、産業の健全な発展に重要な役割を果たしており、金融業特有のハードロー、ソフトロー両面を視野に入れた規制の運用ができる体制にするのがよいと思います。この観点からは、競争法の精神にのっとった規制を、金融法制の中で置くというのがよいのではないかと思います。
業務範囲規制についての追加のコメントとしては、金融業の行為何らかについてそのものを禁止するということは極力避けるべきだと思います。どのような行為の組み合わせがイノベーションにつながるかは事前にわからないので、金融業で大きなイノベーションが起きつつあるように見える現状においては、プリンシパルベースの規制が望ましいと思います。
また、金融業個別の業務範囲規制を残す場合には、金融業内部でのイコールフッティングも確保する必要があると思います。規制逃れの防止が理由の1つで、もう一つは、イノベーションの種がどの業種、どの事業者に埋まっているかわからないというのが2点目の理由です。2点目の理由に関して言えば、資料1にある、保険業による高度化子会社の保有の是非についても当てはまる論点だと思いますので、そのような子会社保有を許すべきでない明確な理由がなければ、許されるべきだろうと思います。
次に、資料3のコメントに移りたいと思いますが、1ポツの(1)と2ポツの(1)についてですが、一般利用者と金融機関の間に介在する媒介・仲介事業者については、金融機関から販売広告手数料のようなインセンティブを得ているかどうかの区分が必要になると思います。
最後に、資料3の2ポツの(3)についてですが、銀行代理業のように金融機関からのモニタリングを受けない仲介、媒介事業者については、金融庁が直接検査をする必要が生じますけれども、それでもやはり詐欺的な商品を売りつけるというような事業者のモラルハザードをどのように防止するかが課題になると思います。対応策としては、消費者と金融商品の販売元の金融機関双方が優良な事業者、媒介・仲介事業者を選別する仕組みができるとよいと思いますが、その観点からは、媒介・仲介事業者が金融機関から受ける販売広告手数料のようなインセンティブの有無の開示を義務づけて、消費者側からのモニタリングを促すことは最低限必要だと思います。
また、金融機関側のモニタリングを促す観点からは、銀行代理業のように仲介・媒介事業者が金融機関に専属して、包括的な賠償責任を金融機関が負うという形はとらないにせよ、何らかの金融商品が詐欺的なやり方で仲介・媒介事業者によって販売された場合は、その商品の販売に係る損害に限って、販売元が賠償責任を負うというような、商品ごとの賠償責任ルールが導入できれば、金融機関側からのモニタリングも促すことができるように思います。以上です。ありがとうございました。

【岩原座長】
それでは、次に、森下さん。

【森下メンバー】
ありがとうございます。私、お書きいただいた基本的な方向性はこれでいいのかなというふうに考えております。
金融機関による情報の利活用ということを考える場合であっても、ここでは当然の前提として、個人情報保護法で認められた範囲でというようなことかと思います。その上で、さらに業務範囲規制という形で金融機関に特別な縛りをかける必要があるかというと、そこは緩和してもいいのではないかという議論なのではないかと理解しております。
それとの関係で、2ポツのところでは、こういった個人情報の保護に関するルールのあり方自体についても、例えば、先ほど個人の利用権というようなお話もあったかと思いますが、例えば個人のアクセス権ですとか利用権といったような、個人側からの権利のあり方をもう少し考えるであるとか、そういうこともあってもいいのではないかというようなお話もあったと思いますが、それはぜひ検討を進めるべきだと思っておりまして、金融分野というのは、比較的議論がしやすい。具体的にいろいろな情報をイメージする際に、議論がしやすい領域かと思いますので、他分野の議論の進展を待つのみならず、金融分野の情報を題材に、そういった個人の情報の利用権ですとかアクセス権ですとか適切な保護のあり方というものをどんどん検討を進めていくということが望ましいのではないかと考えております。
他方で、業務範囲規制ということですけれども、今であっても、個人情報保護法で許された範囲で、自社の金融業としてのさまざまなアドバイス業のために情報を活用するということはできると思うんですね。それに加えて、今後、アドバイスを超えて、さまざまな情報をパッケージとして第三者に提供すると。それで事業に役立ててもらうというような利活用の仕方もあり、そういったことも念頭に置かれているのかなというような気もいたしますけれども、個人情報保護法の範囲で、そのように情報を有効に活用してもらおうというようなあり方というのは、あってもいいのではないかと。金融機関の中にさまざまな情報が眠っている。そういったものを活用してもらうということは、あってもいいのかなと思います。
その際に、先ほど金融に関連するというお話がありましたけれども、その提供先が金融に関する業務をしていなければいけないのかという形で縛りを始めますと、非常に難しくなってくるというふうに思いますので、そこまで縛る必要はなく、そこは幅広くご活用いただいたらいいのではないかと。当然個人情報保護法の許す範囲で、というふうに考えます。
あと、情報関連子会社を活用したらどうかというお話もありましたけれども、その前提として、やはりグループの中で情報がたまるのは多分銀行とか保険会社とか、その本体だと思うのですけれども、銀行や保険会社が有する情報のグループ間での共有ということに関するルールも、いろいろ利益相反関係の観点からの情報共有に関する規制とか、そういうようなものもあって、必ずしもクリアなのかどうかがはっきりしないところもあると思います。従って、そういったルールを考えていく際には、先ほどあったような利益相反防止のしっかりとした実現ということですとか、優越的地位の濫用などに対するしっかりとしたセーフガードということももちろん意識した上で、グループ間での情報共有に関するルールの明確化ということを、少し考えてもいいのではないかと思います。以上です。

【岩原座長】
それでは次に、永沢さん、お願いします。

【永沢メンバー】
ありがとうございます。資料に従いまして意見を申し上げます。まず、情報に関連するルールのあり方のところですけれども、ここに限らずですが、神田先生や坂先生からもご指摘がありましたように、利用者の視点といいますか、利用される個人の視点が、利活用というゴールが一体何なのかが見えていないところが、私少し気になっているところです。利活用されて、利用者にはどのようなメリットがあるのかというところがはっきりしません。もちろん利活用の1つのゴールとして、金融機関がフィービジネスを今後さらに拡大することが1つの課題となっていることは理解しており、そのための支援というのは必要とは思いますが、利活用される利用者という視点、利活用される我々国民にとってどのようなメリットがあるのかという視点が、もう1つ必要というところが1つの感想です。
また、利活用の対象となる個人情報保護の持ち主である私ども個人というのが、これも坂先生や森下先生からご指摘があった点と重なるかと思いますが、利用されるかされないかという選択の自己決定権とか、それから、自分を守るという意味で、自分の個人情報についてこうしてほしいという要請が出せるというようなことを、ほかの分野よりも先駆けて金融の分野で進めていただくということは、私はあり得ることかと思いますし、そうすべきではないかと思います。
最後に、資料1の3ページの最後の箇所ですが、前回、私は、金融機関から具体的な要望が出てきてから検討することでいいのではないかという主旨の発言を申し上げたと思いますが、その後、もう一度皆様からのご意見を読み返し考え直してみて、金融機関の業務範囲規制のあり方についての検討を先行させるということについては否定しないという立場であると修正させていただきたいと思います。前回、岡田参事官から、マインドの切りかえが必要であるのではないかというご指摘もありました。金融業界が社会的要請にもっと応えられるようにしていくためにということで、先日の発言については修正させていただきたいと思っております。以上でございます。

【岩原座長】
それでは、次に、福田先生お願いします。

【福田メンバー】
資料1に関しては、特に異論があるというわけではありませんが、コメントです。まず若干資料1にない視点として、グローバルスタンダードという視点というのは、やはりそれなりに大事なんだろうとは思います。こういう情報の利活用に関して、日本の金融の今の立ち位置というのをどう考えるかといったときに、世界のフロントランナーでさらに先にという状況なのか、それとも周回遅れでそれに追いつかなければいけないのかという状況を考えたときに、残念ながら今の日本は後者に近い状況にあるんじゃないかというのが私の現状認識です。
じゃあ何が問題なのか。金融機関側の問題なのか、それとも規制の問題なのかという問題はあるとは思います。もし規制の問題であるならば、ほかの国でできて、日本でできないことは何なのか。これは、今永沢さんがおっしゃった金融機関からの具体的な要望といいますか、そういうものを出していただくことが重要です。ほかの国では当然できるけれども、日本でできない問題、規制があるというのであれば、それが制約になって情報の利活用ができてなくて周回遅れになっているんだということがあれば、それを言ってもらって、そういうことがあるのならば、金融庁のほうで速やかに対応する姿勢というのは、当然大事だとは思うんです。けれども、そこら辺がなかなか見えていないということがあります。情報の利活用は、情報の保護ともある意味トレードオフの関係があるので、何でもかんでも規制緩和すべきというものではありません。あまりイノベーションに役に立ちそうもないものの規制を緩和するということまでは、多分する必要はないと思います。やっぱりどの利活用がイノベーションに役立つかというのは、実際にやられている方のほうが、それはよくわかっていて、その声を聞いて規制緩和をする姿勢は重要です。諸外国ではそれを利用してうまくやっているんだけれども、日本はこういうことはできませんよということというのがあれば、それは改めていく姿勢というのは大事なんだろうとは思います。
もちろん最終的には、日本も世界のフロントランナーになって、ほかの国では認められていないけれども、日本では認めて、そこで大きなイノベーションを起こしていくということも、潜在的にはあり得るとは思います。けれども、足元でまず要請として高いのは、今のやや遅れがちな、日本の情報の金融ビジネスにおける利活用をどうにかしていくかという発想に立つならば、グローバルな比較という観点に立って、ほかの国との比較、例えばアメリカと比べてどうなんだ、アメリカは最も進んでいる国の1つだと思いますけれども、それと比較して日本はどうなんだという視点というのは大事なんだろうとは思います。以上でございます。

【岩原座長】
松井さん、どうぞ。

【松井メンバー】
ありがとうございます。手短に2点だけコメントをしたいと思います。まず1点目として、今後の進め方について、スピード感を持ってやっていくというのは、客観的な状況からすると当然賛成でございます。ただ、スピード感を持って行うというときには、抜本的な対応がなかなかしにくくなるというところがございます。例えば、金融機関がコマースその他に進出するかしないかみたいな議論というのは、なかなか時間がかかる議論ですから、すぐにはできないと思います。そうすると、今回の提案で、金融との関連性での情報の利活用を考えるでありますとか、あるいは、何人かのメンバーから出ておりました、高度化会社に関する議論を参考にするというのは、現実的かと思います。
特に高度化会社に関する議論についていえば、従来の業務範囲規制を突破するのかしないのかといったことは、以前のスタディ・グループでも議論済みです。ですので、この議論を参考にするというのは現実的であると思っております。その意味でも、業務範囲規制をめぐる議論を可能な範囲で切り出して進めていくというのは賛成でございます。
2点目として、金融との関連性での情報の利活用について、これを考えるに当たっては、2ページの最後①、②、③と書いてある業務範囲規制の趣旨のうち、特に③の他業リスクの排除というところが非常に重要なのだろうと思っております。情報の利活用、そして金融との関連というと、非常に近いものからリモートなものまで多々あるわけですけれども、例えば、情報を使ってコマースに出ていく、あるいは情報を使ってどんどん製造業その他に投資をする。こういった場合は、何らかの形で金融と関連していても、これは情報の利活用それ自体とは異なるリスクを取りにいくことになるので、やはり金融への影響、本業への影響が非常に強くなるということになるかと思います。こういったものは、少なくとも今回の進め方の中では排除されるべきものだろうということになるかと思います。
あるいは、他方で既に持っている情報を使って、マッチングその他、フィービジネスに出ていくというのは、リスクは相対的に小さいので、これは今回の議論の中では比較的親和性が高いのだと思います。大まかには、以上のような考え方でいけるのではないかと思いました。ただ、新しい情報の利活用の方法が出てくるのであれば、今後その事業をどうガバナンスしていくかという問題が当然出てきまして、これは経営管理の問題ですけれども、この問題はあわせて確認をしておく必要があるかなと思いました。以上でございます。

【岩原座長】
ほかに何かございますか。よろしいでしょうか。大体皆様からのご意見はいただいたかと思います。
本会合には、個人情報保護委員会の事務局の方にも参加していただいておりますので、もしここまでの議論を受けて、何かご発言があるようでしたら、個人情報保護委員会事務局の方のご発言をいただければと思います。お願いします。

【佐脇オブザーバー】
座長、どうもありがとうございます。個人情報保護委員会事務局参事官をしております佐脇と申します。数点だけ、今後の議論に資する情報提供という観点からお話をしたいと思います。
まず、個人情報保護政策、これは世界的に共通しておりますけれども、基本的な原則的な考え方がございまして、情報を提供する本人にとって、想像可能な範囲で使われるといいますか、本人の期待が満たされるような形式で使われるというのが大原則でございます。具体的には、誰がこの情報を持っていて、どういう目的で使われているのかということが、本人にある程度わかるということがとても大事なことでございます。その観点から、利用目的を特定し、通知公表するといったことについての記述があるというのが、世界共通のルールになってございます。
利活用の観点から、先般、改正個人情報保護法が施行されまして、その際に、匿名加工情報という1つの形式を導入いたしました。それは個人性といいますか、個人が特定される、識別されるという観点を極力薄めることによりまして、本人にとってのそういった期待と申しますか、本人のままの情報があまり流出しないということを前提に、今申しました利用目的をどこまで逐一本人に提供するかとか、誰がどう扱っているかという情報をどこまで本人がわかるようにするかということに関わる規制が緩和されるという、そういうテクニカルな仕組みができまして、そこはある意味、本人の特定性、識別性がないがゆえに利活用しやすいという仕組みを設けたわけでございますけれども、大原則はあくまで本人がわかる範囲で使われるということになってございます。
もう一つありますのは、情報はさまざまなIT技術の発展によりまして、さまざまなプロセスによって加工され、利用されるという傾向が強くなってございますが、個人情報保護政策の世界では、あくまでも取得した主体が最終的には本人に対し、答責と申しますか、説明できるようにしておくというのが1つの基本的な考え方かなと思います。
例えば、委託業務などをした場合には、委託元である、最初に取得した事業者さんがどういった委託先で、どんなふうに加工されるかということに責任を持つと。同意の取得その他についても、最終的にはその事業者が本人に対して責任を持つということが大事でございます。その上で、例外については、法律で特別な規定を設けておりまして、第三者に提供する場合には、どうでなければならないでありますとか、そのような規定が特別に設けられております。そういった構造の中で、どういうふうに活用していくかということが議論になるわけでございます。
その上で、実は大きな例外が法律上規定されておりまして、法令に基づく場合に、例外になってございます。したがいまして、金融行政の観点から、特別な法令上の手当をされるのであれば、今申しました原則の例外をつくることができます。ただし、その場合には、当然ながら金融行政の立場から責任説明を国民に対して果たせるような政策提言がなければいけないというふうになろうかと思います。
あと、ちょっと気をつけていただきたいのは、今申し上げました幾つかの原則が、どのような政策領域の規律によって、どういう規律の形式によって、さらにはどういう強さで担保されるかというのはいろいろな選択肢がございます。例えば、金融行政はもとより個人情報を取り扱うビジネスでございますので、金融行政固有の事情から、個人情報保護法にとって十分条件が提供されているケースがございます。どの主体がどう使うか。例えば、非常に業務領域が限定されておりまして、本人にとってみますと、自分の出した情報は、どう考えても貸金業にしか使われないと思えば、利用目的を本人に伝えるということ自体はさほど大きな問題にはなりません。ただ、業務の範囲が緩くなりますと、逆にどう使われているかということに関し、個人に情報提供することの必要性が高まるという、そういう関係になってございます。したがいまして、現場にしてみますと、十分条件を満たしているという立場から立ってみれば、わざわざ個人情報保護制度に留意した利用目的の明示ということについての義務については、ある種あまり認識がないケースがございますが、逆にそこが緩和されますと、利用目的が自明でなくなりますから、改めてインフォームドコンセントを意識的にやらないといけないという、そういう感じが出てくることを留意いただければと思っております。
いずれにしましても、私ども個人情報保護委員会は、委員長、委員の皆様方が中心になりながら、今後、法律の規定に基づく見直しを進めてまいりますので、本日のご意見も含め、皆様方のさまざまな議論を拝聴して、今後のよりよい政策の形成、立案に生かしていきたいと思います。以上でございます。

【岩原座長】
どうもありがとうございました。
資料1に関して、皆様から大変活発なご議論をいただいたわけでございますが、ご議論を伺っていて、多様な議論をうまくまとめきることはできませんが、1つの大きい傾向として、業務範囲規制を利活用の問題の中で先行させて見直してもよいのではないかというご意見が多かったように思います。永沢メンバーからも、そういうことがあってもよいというご発言をいただいたところであります。
その場合に、具体的にどういう業務範囲の見直しを行うかについては、例えば松井メンバーなどからは具体的なご提案があったところです。それを受けて、今後、業務範囲規制で当面見直すことのできる部分を、このスタディ・グループで検討するということはいかがでしょうか。本スタディ・グループの次年度に向けての活動の中で、来年の通常国会に何らかの成果を一部でも実現するように提案できるかということを考えますと、今、ご指摘がございましたように、現在では高度化子会社について認められているような業務を、例えば金融機関本体でも一定の制限を加えた上で営むことを認めるといった、金融機関の業務範囲規制に関する法改正が考えられるところであります。そういったことについて、このスタディ・グループで来年の通常国会を目指して議論を進めてもよいかどうか、皆さんのご感触を伺えればと思いますが、いかがでしょうか。植田さん。

【植田メンバー】
私はもちろんそうすべきだと思いますが、もう一つちょっと私も、岡田さんと意見が違うかもしれないんですけれども、やはり利活用で、先ほどどなたかおっしゃったと思いますが、ちょっと忘れましたけれども、利活用で、実際には貸与に使うという利活用が当然出てくるんですね。自動車や家具を売るという利活用が当然出てくるので、そういうことも引っくるめて、じゃあそれをしたいときはどうすべきかというところも引っくるめて、やはり考えるべきだと思います。本体の話もそうなんですけれども、もう片方のケースも考えてやるべきかと思います。

【岩原座長】
では、岡田さん。

【岡田信用制度参事官】
情報を使って、金融以外の一般の物やサービスを、銀行本体や保険会社の本体で売るというところまでやるべきということでございますか。それとも、そういうことは本体ではやるべきでないということでございますか。

【植田メンバー】
やるべきではないんですけれども、その場合は、もしやりたいのであれば、どういう形式でできるかという。コマースをやりたいと。金融で使った情報を利用して、コマースをやりたいというときにどうすべきかという話はあるんじゃないかと思います。

【岡田信用制度参事官】
本体については、例えば銀行が、ある一定の方々はこういったものに関心があるという情報を得て、それを個人情報保護上の同意その他の手続を経た上で、実際そういうものを売っている事業者に提供して、その事業者がその情報を活用して、販売とか関与をするということはあるのかと思います。

【岩原座長】
後藤さん。

【後藤メンバー】
ありがとうございます。先ほどちょっと発言する機会を逸してしまったんですが。スピード感を持って、業務範囲規制のあり方の検討を先行させるという考え方には、基本的に賛成でございます。そのときに、今の植田メンバーからのご発言にも関連するのですけれども、例えば銀行業から出てきた情報を車や家具、不動産といった物品の販売に使うことや、また銀行業に生かせるような情報を得るために、例えばeコマースをやりたいというニーズも、ひょっとしたらあるのかもしれません。こういうものは、ビジネスとしてはより想像しやすいところではあるのですけれども、やはり今まで銀行業としてやってきたものとは大分違ってくるというのも事実でございます。
今の銀行業の高度化子会社というのは、あくまで銀行業の役に立つ、もしくは銀行を使う人が便利になるという点で枠をはめているわけでして、例えば、銀行業で得た情報を使って物品を販売するというのは、銀行業自体が便利になっているわけではないという点で、少し違った話になってくる気はします。
また、銀行業を便利にするために物品を売ったりしていいのかというについても、今までとは少し発想の違いが出てきそうではありますが、eコマースからの情報を銀行が買ってくることができたり、また、銀行が銀行業で集めた情報を第三者に有償で提供するということができたりするのであれば、そういう形でやることもできなくはないのかもしれません。ただ、こういうことをするためには、個人情報保護法との兼ね合いが問題になってくるように思われます。
そうしますと、そういうものを排除するという趣旨ではなくて、とりあえず業務範囲規制のあり方の改正を先行させながら、他方で、個人情報保護法の設計がどうなっていくかということを見据えて、二段構えのような形で検討していくということもあり得るのかなと感じております。以上でございます。

【岩原座長】
坂さん。

【坂メンバー】
本体のほうで、高度化のところまでというようなお話が出ているんですけれども、現状の高度化の範囲というのはかなり広いんじゃないかというふうに私、認識しておりまして、これをそのまま本体のほうに持ってくるというのは、ハードルがかなり高いんじゃないかという気がしております。
おそらく広げるときには、先ほどの利益相反ですとか、あるいは優越的地位の濫用のコントロール等がきちんと実効的に確保されることが必要です。現状の高度化会社の業務をそのまま本体のほうで、同じ会社の中でやっていくというのは、かなりハードルが高いのではないかと思っておりまして、短期のうちに、その制度を仕上げるというのは、ちょっと難しいのではないかという印象を持っております。
私は、どちらかというと本体のほうは本体のほうとして置きつつ、子会社のほうの例えば高度化会社について、いろいろな利活用といいますか、業務範囲を拡大するような促進を図るだとか、あるいは、出ておりますように、保険グループ等々について、ほかの業界について同じような制度がないものについては考えるということはあり得るかなとは思っておるんですけれども、私の意見としては、現段階ではそんなような印象を持っております。以上です。

【岩原座長】
岡田さん。

【岡田信用制度参事官】
子会社と本体とで、業務の範囲に差異があるというのは、ほかのメンバーの方からもご指摘があったところですので、そういった点を踏まえて、次回までに検討したいと思います。

【岩原座長】
よろしいでしょうか。
森下さん。

【森下メンバー】
今のご意見をお伺いしていますと、銀行が持っている情報を第三者に活用してもらう、それをビジネスとするという話と、銀行が持っている情報を活用して、銀行や銀行グループ自体が他業に進出するという話がちょっと混同していて、どうもこの場の中で共有されていないような気がいたしますので、そこは峻別して議論しないと、議論が混乱すると思いますので、今後議論を進めていく上で、その2つはよく分けて検討していったほうがいいのではないかと思います。

【岩原座長】
よろしいでしょうか。
それでは、ただいまいただきましたご意見を踏まえて、年明けにご議論をいただきたいと思います。
それでは、先に進ませていただきたいと思います。事務局から、資料2、資料3について説明をお願いいたします。

【岡田信用制度参事官】
まず資料2をごらんください。いわゆるプラットフォームに関するテーマでございまして、1ページの目次のところに、中間整理における関連する記載、プラットフォーマーへの対応に係る検討の全体像、それから、金融分野のプラットフォーマー〔一般利用者・金融機関介在型〕とございます。順番にご説明いたします。
3ページからは、6月におまとめいただきました本スタディ・グループの中間整理の中での関連部分を2ページにわたって抜粋しております。時間の都合上、ご説明は省かせていただきますが、適宜ご参照ください。
次に、6ページをごらんいただけますでしょうか。プラットフォーマーというのは、上の囲いにありますとおり、必ずしも確立した定義は存在しないと思いますが、現在、政府の中でもさまざまな場においてさまざまな議論が行われているところであります。とりわけ、非常に規模の大きな、商取引を行ったりSNSを運営したりしているようなプラットフォーマーについては、例えば公正取引委員会、経済産業省、総務省で検討の場を設けて検討を進められているところでございます。金融制度スタディ・グループは、金融制度についての議論を行う場ということだと思いますので、6月の中間整理なども踏まえつつ、以下の2つの類型があるのではないかということで、下の図をごらんいただければと思います。1つは、左側の緑色がついているところでございまして、一般利用者と金融機関との間に介在するようなもの。具体的には、以前、フィンテック企業などからの要望がヒアリングのときにも出ておりましたけれども、一般利用者と金融機関との間に介在して、多種多様な金融商品・サービスをワンストップで提供する主体というようなことが類型としてあるかと思います。
もう一つの類型としては、右側のいわゆるP2P取引ということでありまして、一般利用者と一般利用者との間に介在するようなもの。具体的には、一般利用者と一般利用者との間に介在して、資金の融通や金融取引を成立させたり、そのための仕組みを提供したりする主体ということであります。本日は、このうち左のほうの緑の一般利用者・金融機関間介在型のほうについて、ご議論をいただければと思っています。
次に、8ページをごらんください。8ページには、一般利用者と金融機関との間に入るとしても、いろいろな立ち位置、立場というものがあるのではないかということでございます。
これについて本日ご議論いただきたい点については、資料3の2ポツをごらんいただければと存じます。ここにありますとおり、海外では既に出てきておりますが、多種多様な金融商品・サービスをワンストップで提供するプラットフォーマーの中には、一般利用者からの支持を得て急速に拡大しているものもあります。日本において、こうしたプラットフォーマーが拡大していくことに関して留意すべき点についてどう考えるかということで、4つ論点を掲げさせていただいております。
(1)ですが、プラットフォーマーへの対応のあり方は、プラットフォーマーの「立場」、向いている方向が、一般利用者側なのか、金融機関側なのかによって異なるのではないかと考えられます。その「立場」を考える際、法律上の定義ではなくて、報酬などのインセンティブにより決定づけられているという指摘もあるところですが、どう考えるかというのが1点目です。
それから、(2)でございまして、プラットフォーマーが、一般利用者でも金融機関でもない第三者から報酬を受け取ることについてどう考えるかということで、資料2の8ページの図でいうと右下の白く塗っているプラットフォーマーというのがありますが、こういったものについてどう考えるかということです。
資料3に戻っていただきまして、2ポツの(3)でございますが、プラットフォーマーが、多数の金融機関が提供する多種多様な商品・サービスを取り扱い、真に一般利用者の利益にかなう商品・サービスを推奨するようにするために必要な方策についてどう考えるか。特定の金融機関が、報酬の多寡や所属制を通じてプラットフォーマーに与える影響についてどう考えるか、ということでございます。
それから、(4)ですが、プラットフォーマーへの対応のあり方は、「立場」や提供する商品・サービス分野、具体的には決済、預金受入れ、資金供与、資産運用、リスク移転というのがありますが、これのみでなく、プラットフォーマーが果たす役割の複雑性、具体的には利用者の判断に影響を与えうる役割なのか、あるいは単に情報や指図を伝達するだけの役割なのかによっても異なってくると考えられますが、どう考えるかということでございます。
最後に、3ポツにもございますが、このほか、この論点に関して留意すべき点等あればご指摘いただければと思います。
以上でございます。

【岩原座長】
どうもありがとうございました。
それでは、討議に移りたいと思います。どなたからでも結構でございますので、ご発言をお願いいたします。植田さん、どうぞ。

【植田メンバー】
すみません。1つだけ私から言いたいことは、これ、いろいろな形があり得ますし、今後どのような形のプラットフォーマーが出てくるかわからないんですけれども、またいくらルール上、顧客のためにと書いてあったところで、そのプラットフォーマーの人がお金を金融機関のほうから報酬をもらっていたり、やはり経済的なインセンティブとしては、どうしてもお金をもらっている、報酬をもらっている人のところを向けて仕事をするのは致し方がないことなので、それをやはり利用者がわかるというふうにしておくのが一番大事だと思います。
つまり、どこから報酬をもらっているのかというのを明確に開示するということをしておけば、この後どのような形のプラットフォーマーが出てきても、ああ、このプラットフォーマーは誰から報酬をもらって、おそらくその人のために働いているんだろうということがわかるようにしておけば、あとはある意味、市場に任せるといいましょうか、一般利用者の自由に任せてよいのではないかと思います。

【岩原座長】
確かに保険仲立業の場合は、保険業法297条、同法施行規則231条1号により、どの保険者からどのくらいの報酬を受けているかということを開示することが法律上義務づけられているわけで、そういった規制が1つあり得ると思います。
ほかに何かありますでしょうか。後藤さん。

【後藤メンバー】
どうもありがとうございます。必ずしも資料3の2ポツの(1)から(4)に沿った話にならないかもしれませんが、プラットフォーマーへの対応のあり方を考えるときに、まず、法律上の定義ではなくて、経済的なインセンティブを考えるべきであるというのは正しい方向であるという気がいたしております。そのときに、今、植田メンバーからもご指摘がありましたように、報酬はどこから来ているのかをわかるようにするというのは、それはそれで意味はあるのかもしれないのですけれども、一般の利用者が、果たしてそこまで注意を向けられるだろうかという、よくわからないところもあるように思います。
また、全く違う分野ですけれども、例えば旅行業者は大体お客さんから直接お金をもらうということはなくて、エアラインや旅館、ホテルなどから手数料を戻してもらっているという形を取っていると思います。それはお客さんがもともと払っているお金であるわけですけれども、お客さんは、そこはあまり気にすることはなく、どちらかというと、旅行業者が自分の出したオーダーに従って良いフライトや宿泊先を選んでくれているかを重視していると思われます。ポイントは、旅行業者が手数料をどう取るかということ自体ではなく、お客さんの希望に従った手配がなされることをどう確保するかという点にあるということです。
そうしますと、金融分野についても、中間に入っているプラットフォーマーが、利用者側の意向をちゃんと反映した選択をしてくれているのか、そういう選択肢を提供してくれているのかというところをどうやって確保するかということが本質であって、報酬の支払われ方が意味を持つのは、裏での報酬の支払い方によって以上の点がゆがめられていないということをどう確認できるかという点ではないかという気がしております。実は手数料を一番高く出してくれるところの商品を売っているのだとすると、それはゆがみがあったということになり、これを手数料の開示によって解決できるかどうかが問題になってくるわけですけれども、あくまでポイントは、利用者の意向が実現されているかどうかというところにあるのではないかなという気がしております。これは、昔から話題になってきている話でして、保険業法でも、募集のあり方などは何度も議論されているわけですが、そこのところが、プラットフォーマーというデジタル的なものが出てきたことによってどう変わっていくかというところが今の問題なのだろうと思います。
このように考えた場合、今回の資料には必ずしも反映されていないのですけれども、プラットフォーマーがどれだけ大きな、影響力のあるチャネルなのかという視点も重要である気がいたします。保険業法を例にとってお話をさせていただきますと、資料2の一番裏側にありますけれども、保険募集人はあくまで保険会社に所属しているということになっていまして、保険募集人が何か問題を起こしますと、所属保険会社が責任を負うということになっておりますし、金融庁の監督も、基本的には保険会社を介してするということになっているわけです。個々の営業職員さんなどを考えると、それで全く問題はないわけですが、最近増えてきている銀行での窓口販売や、いわゆる保険ショップは、あくまで保険仲立人ではなく乗合代理店であるという形式を取りつつ、保険会社からかなり独立性を保って運営されています。こういうところは、制度上は保険募集人ということになっておりますので、所属保険会社が第一次的な責任を負うということになっていて、実態と制度が乖離をしているのではないかという問題意識が前からあるところです。保険会社から独立した仲介業者として保険仲立人はあるわけですが、個人向けの保険ではどうしても普及しないという状況にあります。今回、プラットフォーマーについて新たな枠組みを作ることもあり得ますが、保険仲立人のときの轍を踏まないように注意する必要があるかと思います。また、プラットフォーマーの中にも、例えば大手のSNSのようにかなり影響力が強いところもあれば、そうではないところもあるとしますと、グラデーションがある中で、多様なプラットフォーマーをどうコントロールしていくかが課題となります。特に、金融機関側がチャネルとしてのプラットフォーマーに依存するということになると、金融機関からのコントロールが効かなくなることがあり得るということを十分認識した制度設計がされる必要があるという気がしております。
また、プラットフォーマーが何をするのかということですけれども、将来的には、例えば金融商品に関する情報がインターネット上で提供されて、AIを用いたチャットなどで説明がされていくのかもしれませんが、他方で、非常にシンプルな、値段と基本的な商品設計のみを比較しているサイトなどもあったりするわけです。後者は、現在、募集行為ではないというふうに保険業法などでは位置づけられているわけです。各社のサイトを全部自分で見て回らなくても、情報が一括でとれるというのは非常に便利であり、これは消費者側の利便を高めていることは間違いないと私は思っております。非常に複雑な金融商品について、比較サイトからクリック1つで販売サイトに飛べるということになってくると、本当に何の規制もしなくていいのかという問題意識はあり得るところですが、こういう比較サイトも募集の一種だとして重たい規制を課すと、こういう場がなくなっていってしまい、消費者の利便性をかえって害することになってしまいますので、そういうことがないようにする必要があると思われます。また、シンプルなものであれば、そういう簡単なサイトで売ってもそれほど問題はないような気もします。複雑なものはどうするのか。こういうグラデーションがあるものの規制をうまく設計できるのかどうか。ひょっとしたら、自主規制などを、うまく合わせて使うことによって、適切な仕組みができるのかもしれません。今日の時点で具体的な提言ができるわけでは全くないのですけれども、ただ、こういうサービスによって消費者の利便性が高まっているのだということを十分意識しながら、制度設計がされていくといいのではないかなという気がしております。ありがとうございます。

【岩原座長】
舩津さん。

【舩津メンバー】
ありがとうございます。私は、中間整理までの議論の際にも申し上げましたが、資料3の2ポツの(1)のところにありますように、報酬などのインセンティブにより決定づけられているというのが、やはり正しいのではないかと思っております。したがいまして、中間的業者につきましては、基本的には誰から利益・報酬を得ているかという観点から規制するのが、まず望ましいというふうに理念的には考えております。
他方で、その議論をした際にも、また本日もですが後藤メンバーからご指摘ありましたけれども、とりわけ無形のサービスに対して、利用者は価値を見出さない傾向が我が国にはどうもあるようだとすると、利用者が費用負担をしてさまざまな金融サービスを中間的業者に依頼するというのが育ちにくい環境ということも、残念ながら事実であると思います。そういう状況があることを前提といたしまして、2点申し上げたいと思います。
1点目は、そのような国民性といいますか、そういうものを所与とした場合に、後藤メンバーから先ほどお話ありましたように、さはさりながら、金融機関から報酬を得ているプラットフォーマーであっても、ある程度の顧客の利便性に資するのだとしますと、現在の利用者の金融に対する態度を前提に枠組みを少し詰めて考えていくとすれば、やっぱり資料2の8ページの左下のような業態というものも、例えば複数の金融機関を代理するような形というようなものも認めていかざるを得ないと思います。
しかしながら、最低限中間的業者がどのようなインセンティブ構造で動いているのかということは、利用者にわかるようにするべきではないかと考えておりますし、また先ほど後藤メンバーからもありましたけれども、所属制との関係でどうプラットフォーマーを健全に導いていくかということに関しては、やはりプラットフォーマーになるべく直接監督が及ぶような形での規制というものが必要になるのではないかというのが、まず1点目でございます。
2点目は、そうはいってもやはり理想は顧客本位の業務を行ってくれる中間的業者ではないかと思いますし、そうしますと、資料2の8ページの右上の形が一番望ましいと私自身は考えております。そうだけれども、先ほど申し上げましたように、利用者が費用負担して利用するというような文化はなじみにくいということから、直ちに左下から右上にぽんと飛ぶということはないだろうということになります。ただ、左下の何が問題かというと、全てが全て問題ではないんですけれども、左下で何か問題となり得るかとすれば、やはりそれはインセンティブがゆがむことがあったりした結果として、利用者が害されるということかと思います。
そう考えますと、端的に言えば、報酬を受け取らない形態であれば、そういった金融機関によってインセンティブがゆがめられるということは、最低限排除できるのではないかと考えられますし、そうしますと、実は8ページの右下の業態というものも、利用者の利便という観点からすると、そんなに悪くはないのではないかと資料を見る範囲では感じます。したがいまして、資料3の2ポツの(2)のところで、プラットフォーマーが一般利用者でも金融機関でもない第三者から報酬を受け取るということに関して、必ずしもネガティブな評価を下すべきではないのではないかというのが、私の印象でございます。
ただし、右下の対応でも、やっぱりプラットフォーマーが今度は金融機関ではなく第三者によってインセンティブをゆがめられるという可能性は当然あるわけですので、そういったことを対処する必要はあるということかとは思いますけれども、国民性がフィービジネスになじまないからといって、早々に金融機関から独立した中間業者というものの育成を断念するのではなくて、右下の対応も含めて、独立的な中間業者の育成を図る施策を検討するというのが必要なのではないかと感じております。以上です。

【岩原座長】
それでは、神作さん、お願いします。

【神作メンバー】
ありがとうございます。本日のテーマでございますプラットフォーマー、特に一般利用者と金融機関の間を介在するタイプにつきましては、現行法のもとでも非常にルールが複雑化していると思います。決済の領域では、電子決済代行業者と銀行代理店業者という制度があって、また資産運用の機能については金融商品仲介業者と投資助言業者、またリスク移転・保険の分野では保険募集人と保険仲立人という制度があって、それぞれ参入規制ですとか兼業規制が課されているがどうか、また、情報提供等を始めとする行為規制等について、それぞれ区々の規制と申しますか、取り扱いがされています。
資料3の2ポツの(4)にございますように、提供する商品やサービスの分野における特性などを考慮して、そのように異なる取扱いになっているという部分もあるかと思いますけれども、特にワンストップでサービスを提供するという場合には、やはりあまりにも複雑と申しますか、規制に違いがありますと業者にとっては負担が大きく大変な面があると思います。そこで、これらについて横断的・統一的な規制が可能かどうか検討して整理をしていくことが、重要な方向性であると思います。
その方向で検討する際の留意点ですけれども、私はやはりまず、基本は法的立場と申しますか、一般利用者と金融機関の間に介在する業者がどちらのために業務をしているかという法的な立場が出発点になると思います。しかし、今、舩津さんがご指摘された点と重なると思いますけれども、間に立って、かつ独立の業者として従事している以上は、少なくとも利用者の利益のことも考えてもらわないと困るのではないかという感触を持っております。
そうすると、法的立場、具体的にはだれから委託を受けているかを基本としながらも、一体法的地位と実態との間、これまでの議論では報酬が専ら問題になっておりますけれども、独立した事業者である以上は、独立性が本当にどれぐらい実質的なものであるのかということについて、報酬ですとか所属の有無ですとか、そのほかにもさまざまなインセンティブが影響を与え得るのであって、報酬はそのような要素の1つにすぎないと思いますけれども、真ん中に立つ業者の独立性について、まず少なくとも開示を促進していくことが非常に重要であると思います。
次の課題として、現在の規制にループホールがないかどうか、とくに、特定の者から委託を受けているというわけではないけれども、仲介の機能を提供している業者についてどのような機能をとらえてどのように規制すべきかという問題があると思います。
大変膨大な作業になるかもしれませんけれども、私は今申し上げたような方向で、ご議論を進めていただければ大変ありがたいと存じます。以上でございます。

【岩原座長】
それでは、加毛さん。

【加毛メンバー】
ありがとうございます。最初に、先ほど舩津メンバーから、資料2の8ページの右上の図が理想型であるものの、国民性の問題として、このようなタイプのビジネスが直ちに発展するかには疑問もある、というご指摘がありました。他方、本事務年度の初回の会合において、マネーフォワードの瀧参考人にお話をいただきましたが、その際に後藤メンバーから、マネーフォワードの収入源に関するご質問があったと記憶しています。そして、瀧参考人からは、利用者から料金を得る有料サービスの方が、第三者からの広告収入に依存する場合よりも、利用者の納得感や満足感を得られやすい、というご紹介がございました。家計簿アプリというサービスの特性があるのかもしれませんが、国民性の問題として、右上の図のタイプのビジネスが発展しにくいと言えるのかは、良くわからないところがあるように思います。
その上で、金融機関からも利用者からも独立した存在でありつつ、利用者の利益を図るタイプの仲介者が登場してくることは良いことであると思います。そして、右上の図の1つのモデルと考えられるのが、電子決済等代行業者なのだろうと理解しています。電子決済等代行業者を新設した銀行法改正の際には、さまざまな事業者のヒアリングが行われたのですが、事業者からは、決済だけでは出来るビジネスが限定されており、決済以外の金融サービスや非金融サービスにつなげていきたい、という要望が示されました。
そのような経緯からしますと、電子決済等代行業者のようなタイプの仲介者を、決済以外のサービスにも広げていくという方向性はあり得ると思います。ただ、その際には、資料3の2ポツの(4)の「プラットフォーマーが果たす役割の複雑性」という記述にも示されているように、プラットフォーマーが提供するサービスの内容によって、必要な規制が異なってくると思います。電子決済等代行業者のサービスの内容は比較的定型化されているので、重い規制は必要ないといえますが、資産運用や保険などの仲介を行うのであれば、リスクベースのアプローチという本スタディ・グループの考え方に基づいて、それに応じた規制が必要になるだろうと思います。
そこで、例えば、小さく生んで大きく育てるという考え方に基づき、最初はリスクの小さいサービスのみを認め、実態を見ながら、その後の展開を考えていく、という進め方が現実的であるように思われるところです。以上です。

【岩原座長】
それでは、次に、大野さんお願いします。

【大野メンバー】
ありがとうございます。プラットフォーマーの議論は大変難しいと思います。今回、事務局のほうでシンプルな分類整理をしていただきありがとうございます。スタディ・グループのメンバーの中で考え方を整理する上でとても役に立ったと思っています。
ただ、実業面や実務の世界では非常に変化が激しい上、しかも今、加毛さんもおっしゃったとおり色々な複雑性があると思います。そういったムービングターゲットに対してどういうふうに私どもが対応していくかについては、やはりフレキシブルであるリスクベース・アプロ―チが極めて有効だと思いますし、このスタディ・グループでずっと議論し続けてきて共有しているプリンシプルベースを重視する考え方も極めて重要だと思います。加えて、こうした業界に対する金融当局、金融庁による適切なモニタリングというものが、欠くことができない要素ではないかと思っております。
さらに組み合わせとしましては、自主規制団体とそれによる自主規制、そういった機能の育成を考えていく必要もあります。また、大原則としてのフィデューシャリー・デューティーの徹底を粘り強く求めていくということ、さらには先ほど神作先生がおっしゃった、どこから利益、収益の源泉を得ているのか、関係はどうかなどに関する透明性を高める必要、これも外せないポイントだと思います。ただし、今のようないわゆる過渡期的な状況においては、いろいろな類型に示されているような業者、あるいはプラットフォーマーの選択肢があること自体はむしろ自然でありますので、それを前提にして柔構造的なアプローチで対応するのがとても重要ではないかと思っております。
その上で、今後の展望という点でいいますと、先ほどどなたかがおっしゃいましたけれども、金融サービスというところでは簡単には閉じない世界が広がるのではないかと思っています。例えば、金融と非金融業務をまたぐようなサービスを提供するようなプラットフォーマーというのは、多分既に存在しておりますし、そういったものがどんどん拡大していくという傾向があると思っています。
また、ここでは金融機関とプラットフォーマーというのを分けて考えていますが、どこかの金融機関が、これから自分自身がプラットフォーマー的に振る舞うというものや、そうした機能を発揮する新しいビジネスモデルを目指すといったケースというものも、既にお考えの方もいらっしゃると感じております。そして、もちろん金融業から見た異業種プラットフォーマーが、金融業に参入してくるケース、これも今後どれだけ広がるかはわかりませんが、世界的に見れば徐々に増えつつあると思っています。これらについて今、この時点で議論してもなかなか難しい問題がありますので、本日の議論、こういった整理を出発点として、いずれどこかの段階で、複雑系のプラットフォーマーのその時点での典型的な形態に着目して、イコールフッティングがどのように確保されているのか、もしくはいびつになっているか、フィデューシャリー・デューティーがしっかり果たされているかといった点を、チェックポイントを設けて点検するとよいのではないかなと思っております。以上です。

【岩原座長】
それでは、坂さん、お願いします。

【坂メンバー】
ありがとうございます。まず、2ポツの金融分野のプラットフォーマーについてですけれども、前提として、金融分野のプラットフォーマーの機能とは何かということを考える必要があるのではないかと思います。金融機関と一般利用者との間に立って、決済の実行ですとか、投資に関する契約の締結と履行、それから保険契約の締結等の金融サービスの実現を確実に行うことが、まずはその機能なんだろうと思います。しかしそれだけではなく、現実には多くの場合には、そうした契約等の実現までの過程の中で、プラットフォーマーによる情報提供やアドバイス、助言が行われることも多く、その重要性は高まる傾向にあるのではないかと思います。こうした機能との関係では、適切な情報提供や適切なアドバイス、助言を確保することが重要なんだろうと思います。
こうしたことを前提として、(1)に、法律上の定義とインセンティブ構造のどちらを重視するかという点がありますけれども、規制対応を考えるに当たっては、金融機関と一般利用者との間の格差構造ですとか、あるいはプラットフォーマーと金融機関の継続的関係のあり方等を念頭に置いて、どのようなインセンティブ構造をつくればプラットフォーマー業務の適正を確保しやすいのか、そのためにはどういうような法律的な枠組みを考えればよいのかというアプローチが必要になるのではないかと思います。
そういう意味では、法律上の定義から出発するよりも、機能やインセンティブという経済的実態のほうから規制枠組みを考える、ある意味、法的な位置づけを考えるということも必要なのではないかと思います。インセンティブ構造を考えるに当たって、どこから報酬を得るかというのは重要であって、利用者から報酬を得る姿が望ましいというふうには思いますけれども、それが難しい場合には、金融機関から報酬を得ることを前提に、規律のあり方を検討せざるを得ないんだろうと思います。
もともと金融機関と一般利用者の間にさまざまな格差があることですとか、あるいは、実際直接はプラットフォーマーが金融機関から報酬を得る形態が多いこと、それから、金融機関と継続的な関係があること等からしますと、ともするとプラットフォーマーが金融機関の利益に傾くということが起こりかねないのではないかと思います。また、そもそもプラットフォーマーと利用者の間にも、情報や専門的知識や交渉力の格差があるということも考える必要があると思います。こうした利益相反構造をどういうふうに把握して、いかに適切に規律できるかが課題で、相応の行為規制というのが必要になってくるんだろうと思います。
また、監督の実効確保のあり方や、問題が生じた場合の責任分担のあり方も重要で、現実的には金融機関にある程度の監督や責任分担を期待せざるを得ないのではないかと思われますし、現行制度も、でこぼこはあるにせよ、電子決済代行業等も含め、基本的にはそのような枠組みになっているのではないかと思います。
監督に関しては、プラットフォーマーが特定の金融機関に専属する場合と複数の金融機関に属する場合とでは状況が異なると思われますし、後者の場合には、監督官庁や業界団体による監督の役割が大きくなるのではないかと思います。この点、保険業法は乗合代理権等の規制において、かなり整備は進んでいる面があるのではないかと思います。
それから、(2)についてですけれども、プラットフォーマーが第三者から報酬を得る形態については、これは金融機関や一般利用者が負担を免れ得る面がありますけれども、プラットフォーマーが第三者の利益に絡む行動をとるインセンティブを持つということに鑑みますと、規制の実行を図ることが難しくなる面があるように思います。ちょっと慎重な検討が必要ではないかという印象を持っております。
(3)についてですけれども、真に一般利用者の利益にかなう商品・サービスを推奨することを促すには、やはり相応のルールが必要と思っておりまして、この点、先ほども指摘があったかもしれませんけれども、例えば保険業法では、乗合代理店が複数の保険商品から特定の商品の推奨を行う場合には、推奨理由を説明すべきというふうにされたりもしております。こうした規律というのは、適切な推奨に資するというふうに思われますし、非常に重要なルールなのではないかと思います。最もインターネット上のプラットフォームということになりますと、推奨のメカニズムが多分異なってくると思いますので、その場合には、IT利用の実態に即したルールも必要と思います。
それから、あともう1点、1ポツの全体像について一言だけなんですけれども、この中で、(2)の一般利用者・一般利用者介在型というものについて。これはどういうものを想定するかによって、少し議論が異なり得るのかなと思いますけれども、現行法のもとでは、投資型クラウドファンディングが存在するものの一例だと思います。投資型クラウドファンディングでは、プラットフォーマーが案件について適切な審査を行うこととされていて、審査過程で、案件のスクリーニングですとか、あるいは案件のブラッシュアップが行われるという状況にあると思います。この案件審査がプラットフォーマーの存在意義であって、対価の源泉であるんだろうと思います。
昨年度の第6回のスタディ・グループの会議でも指摘させていただきましたけれども、金融商品は、目に見えない将来のリターンを購入するものであって、相応の情報生産活動がなければ、適切な資金の流れをつくることはできないと思われます。こうした観点は、一般利用者・一般利用者介在型においても重要なのではないかと思います。以上です。

【岩原座長】
それでは、永沢さん。

【永沢メンバー】
ありがとうございます。こちらの資料2の8ページの立場に応じて、プラットフォーマーを4つに分けていただいておりますけれども、利用者からすると、確かに右上がすっきりするところではありますが、さはさりながら、やはりこの形態にこだわると普及しないであろうとも思いますし、どの形態がよいのかどうかということを決めることはなかなか難しいので、この下の3つの様式パターンというのがあり得るということの前提で、やはりどれがいいということは難しいという考えでおります。
ただしその場合に、利用者からすると、やはり報酬がどこから提供されているのかということが見えるということは非常に重要なことで、そのことがやはり安心と同時に普及の1つの重要なポイントになるのではないかと私は感じております。
それから、特に人間は見える範囲で与えられた情報で判断をしていくわけで、このプラットフォーマーが我々にどう見せてくるのかというところは、非常に重要な役割を果たすのではないかと思っております。ということで、プラットフォーマーの独立性もですし、プラットフォーマーのところで見せられる情報のあり方については、何らかの規律、それから当局の監督というのがきちんと及ぶようにしていただきたいと思います。
それから、漠然とこの表を見ながら、現時点ではプラットフォーマーというのは非常に、例えば私なんかは、個別名を出してはいけませんけれども、マネーフォワードさんとかのお話を聞いて、こういうところがこれから大きな役割を果たすようになるんだなと思っておりますし、今は小さな存在ですが、そういったところに情報がこれからどんどん累積していきますと、今は小さな存在という形になっていますが、大きな力を持ってくるということもあり得るのではないかと思っております。
そういったときに、今、左側の金融機関というのは、1つ金融機関としか書いてありませんが、複数の金融機関がここに連なっているわけで、このプラットフォーマーをめぐって、金融機関との関係というのは、今後何か規律が必要なのかもしれない。例えば、この中の1つの金融機関がプラットフォーマーに大きく出資するようなこともあるのかなとか思いながら、そういったところもいろいろこれから起こり得るんだろうなと。これは将来的な議論の中で出てくる、していく必要があることなのかもしれないと思います。
それから、これは後藤メンバーからもご指摘がありましたけれども、プラットフォーマー、特にネット系のプラットフォーマーというところは、非常に見えるところ、先ほども申し上げましたが、見える範囲というのが非常に狭いということもありますので、やはりここで扱われるものが、単に送金であるならば、特に私は気にはいたしませんけれども、金融商品を紹介して購入することを動機づけるようなことをしたり、売買をこの場で行うということになりますならば、やはりここで取り扱われる商品というのは、それなりの制限、あまり複雑なものは情報開示の上でも難しいのではないかと思いますし、やはりシンプルであるべきというご意見が先ほどあったかと思いますが、その点には私は賛成するところです。簡単ではございますが、以上でございます。

【岩原座長】
それでは、福田メンバーどうぞ。

【福田メンバー】
ありがとうございます。なかなか難しい問題だと思います。難しい問題の理由というのは、おそらくこういうプラットフォーマー業者というのは、現行法をつくるときには想定してなかった存在だということだと。現行法というのは、こういう人たちの存在というのを想定して考えてつくったわけじゃなかった。そういう意味では、将来的にはこういうプラットフォーマーを規定する新しい法律というものもつくらなきゃいけないというような存在なんだろうとは思いますけれども、それはすぐにはできないし、実際現在、これからプラットフォーマーの人たちがどういう形になっていくかということもよくわからないという中ではなかなか難しいと。そうすると、便宜的に現行法上でどちらかに分類しなければいけない、そういう問題になっているんだろうなというふうに私は、法律家ではないですけれども、理解しています。
ただ、そのときに便宜的に分類はされて、例えば左下の人たちは、資料2の8ページですけれども、金融機関にやや近いので、銀行代理業者にし、上の人たちは一般の利用者に近いので電子決済等代理業者に分類はするんだけれども、じゃあ分類しちゃったら全然違う存在なのかという扱いをすると、やっぱりちょっと矛盾は発生してくるんじゃないかという感じはいたします。具体的にいうと、プラットフォーマー、報酬をどこからもらっているかというのは1つの基準ではありますけれども、おそらく両方の代理人になるという側面は多々あって、単純に白黒つけられる存在でない可能性はあると。そういう意味では、便宜上はどちらかの業者という形で分類せざるを得ない面はあるけれども、実態はなかなかグレーゾーン的な存在であるときには、やはり実態を見ながら運用で、いろいろな規制なりをしていかざるを得ないという面というのはあって、これは当面、こういう流動的な業者の場合には、いたし方ない面があるんだろうなと思っておりますということです。以上でございます。

【岩原座長】
それでは、次に、松井さん。

【松井メンバー】
ありがとうございます。この点は本当に難しくて、私もまだ全然考えがまとまってないので、雑談みたいな話で恐縮なのですが、仮に規制をするときに、どういうアプローチでいくのがよいかを考えておりました。
伝統的に金融業に関する中間業者というのは、規制も厳しかったですし、提供される金融商品やサービスの種類もそんなに多いものではなかったので、特定の業者に紐づけて規制するという方法で、多分そんなに問題はなかったのだろうと思います。しかし、金融商品やサービスが多様化してくると、この金融商品、あるいはサービス自体の見通しが効かなくなってくるので、こういうプラットフォーマーみたいなものが必要不可欠なものになってくる。そうすると、おそらく特定の金融機関に紐づけた業者規制の延長線上では、なかなか効果的に規制するのが難しいのかと思います。
では、そのプラットフォーマーがどういう機能を果たしているかという議論がありましたけれども、1つには、そういう複雑な金融商品ないしサービスの状況を、一般利用者に対して見えやすい形にしてあげるという、ある種の情報の精査をしているわけです。もう1つは、以上に伴って、一般利用者に最も望ましいであろうサービスなり商品なりを提供してあげるという、財の直接の配分をすることもあるわけです。後者になりますと、これは、かなりマーケット一般の機能に近づいていく話でして、そうすると、実はプラットフォーマーはマーケットに対する規制に類するアプローチのほうがかえってなじむのかもしれません。そうするとアプローチとしては、機能保護というアプローチで、要はそれぞれのプラットフォーマーがどういう機能を果たそうとしているのか。その機能を保護するには、どういった規制があり得るのかという、こんなようなアプローチになるのかなと思っておりました。
実際に業者規制からきた結果と、マーケット規制からきた結果がそんなに違うのかどうか、私はまだよくわからないのですけれども、考え方としてはそういう方向性で考えるのもありかと思いました。実際には、多分、業者とマーケットの中間みたいな存在なので、規制もハイブリッドになっていくのではないかと思いますけれども、考え方の道筋として以上のように捉えられるかもしれない、と思いました。以上でございます。
 
【岩原座長】
それでは、神田さん。

【神田メンバー】
ありがとうございます。私もほかの皆さん方がおっしゃったことと若干重複すると思うのですけれども、感想を2点申し上げたいと思います。
8ページの図を見ながらいろいろ考えていたのですけれども、なぜプラットフォームビジネスというのが成り立つのかというと、それは一言で言えば、利用者利便というか、ワンストップサービスを含めてそういうものを提供できているからだと思います。そうだとすれば、これは機能で考えるということになると思います。それでその観点から言いますと、機能で考えるということは類型化するということなのですけれども、2点具体的な感想です。
1つは、従属型か独立型かということですけれども、両方の機能というか、型があっていいと思いますので、当然両方認められてしかるべきだと思います。問題は、従属型か独立型を、保護形式を含めた形式で判断するのか、経済実質で判断するのかということだと思います。資料3の8ページの図を拝見しますと、そこの表現で「向いている方向」という表現と、報酬という概念がありますが、向いている方向が必ずしも報酬の受け取り相手と同じでないということを示唆しているようにも見えますし、そうでないようにも見えるところが難しいところなのですけれども、向いている方向についても、報酬の受け取り相手についても、形式で考えるのか、経済実質で考えるのかというところだと思います。
これは私は結論からいうと、両方で考えるということになると思います。業者ルールというか、業者に対する行為規制という観点を考えるのであれば、経済実質を無視することは絶対にできないと思います。その意味で、経済実質というのは重要だと思います。
2点目ですけれども、これも既にご指摘があったところですけれども、何が行われているのかという観点で見ますと、プラットフォーム提供者が行っていることは、資料2の(4)の表現で言えば、単に金融機関と一般利用者をつなぐという行為にとどまる場合、そういう類型もあっていいと思いますし、それから、それを超えて、何らかの付加価値ということをやっている場合とがあって、それぞれあるべきルールは違うように思います。重構造化と呼んでもいいのかもしれません。
その付加価値の付与の仕方も、先ほどご指摘がありましたけれども、金融機関Aというのがあって、金融機関Bというのがあって、Aが例えば資産運用という機能を提供し、Bという金融機関は資金供与を提供しているときに、AとBの両方の足し合わせて、プラットフォーム提供者がワンストップで利用者につないでいるという場合。それから、金融だけではなくて非金融のサービスも組み合わせて利用者につないでいる場合があるわけでありまして、濃淡という言い方がいいのかどうか、資料の言葉でいうと複雑性という言葉が使われていますけれども、濃淡に応じたルールというのをつくっていくことになると思います。
1点、やや不足している点なのですけれども、この真ん中に立つプラットフォーム提供者が、一般提供者から資金や資産を預かっていいのかどうかという重要な論点があると思います。現行の法制度のもとでは、出資法の例外なのかとか、そういう細かい技術的な議論はあるのですけれども、この観点は、このスタディ・グループでいうと、これまでの機能別の分類とやや横断的に交錯してくることで、既に指摘されている論点ではあるのですけれども、やはり重要な論点として考える必要があると思います。以上です。

【岩原座長】
それでは、森下さん。

【森下メンバー】
すみません、ありがとうございます。もう既に先生方がお話しになられたところと重なる部分もあるかもしれませんが、プラットフォーマーといっても3種類ぐらい機能はあり得るのかなと思います。1つは、金融機関にとって、ユーザーインターフェースというのでしょうか、お客さんとの接点を提供してあげる、チャネルを提供してあげるという機能。あとは独立してつなぐというような機能。あとは利用者の側に立ってアドバイスをしたり、あるいは利用者のために働くという機能。プラットフォーマーといったとしても、いろんなビジネスのあり方があると思います。それをどれか1つでなければいけないと今決める必要はないと思います。
ただ、おそらくよくないのは、お客さんがこっちを向いてくれると思っていたのに、実はあっちを向いていたとか、そういうのがよくないということなので、そこはルールをクリアにして、誰のために向いているんですか、どういう仕事をしているんですか、どういう機能を果たしているんですかということが、利用者にとってクリアに伝わっていくというような仕組みが必要なのではないのかなと思います。
今言った3つの機能を兼ねたらだめなのかという問題もあって、兼ねてもいいとは思うのですけれども、兼ねたとしても、兼ねているんだったらクリアにしたらいいのかなと思います。
あと、先ほど神田先生や加毛先生からも同様のお話があったと思いますが、やはり果たしている役割によってルールのあり方というのは違うと思いまして、ただ単に事務的な作業をやっているというだけですと裁量性がなくなってきますので、そうすると報酬の多寡ということによって、行動が影響を受ける可能性が低くなってくるのかなという気がいたします。それに対して、アドバイスというような要素が出てきますと当然裁量が出てきて、報酬の多寡によって行動がゆがみを受けるということになりますので、一般に報酬をどっちからもらっていいのかというような話は、やはり提供しているサービスの内容ということによって違うのかなというふうに思います。
そう考えますと、例えば電子決済代行業というのは、比較的事務的な作業をしており、言われたインストラクションをそのまま伝え、提供された情報をそのまま流すというようなことですので、金融機関の側から報酬をもらうことによって何かインセンティブのゆがみが生じるのかというと、比較的弊害が少ないのかなというようにも思われます。他方、さまざまな商品の中からいろいろ選んで、本当に投資に適したものをアドバイスするとか、将来的には例えばプラットフォームの中に保険も投信も銀行も全部あって、ちょっとお金が余っているのでどれが一番いいか教えてと質問したら、顧客のプロファイルを見て、何かアドバイスしてくれるというようなものが出てくるとすると、それはやっぱりなるべくたくさんのフィーを払ってくれるところに持っていきたいなというようなこともあるかもしれませんので、そうするとやはりちょっと困るのかなと思います。
あともう一つは、報酬のもらい方についても、案件ベースでもらうか、そうではなくて、例えばユーザーインターフェースを提供してもらうフィーとすれば、定額報酬というような考え方もあると思いますが、定額報酬であれば、どれだけ頑張ったってあまり額は増えたり下がったりはしませんので、そうであれば比較的インセンティブにゆがみを生じさせる可能性もないのかなというように思います。
最後ですが、もう一つ難しいのはモニタリングの点で、今の電子決済代行業の仕組みというのは、やはりある程度金融機関のモニタリングに依存していると思うのですけれども、顧客に向かって積極的にアドバイスをしていくというような重要な役割を果たすようなプレイヤーが出てきた。そういったプレイヤーは、先ほど永沢委員のお話にもあったと思うのですが、多くの情報を獲得すると。そうすると、そういったようなプレイヤーについて、より本格的な独立のモニタリングをしなくていいんだろうかというようなあたりというのは、もう一つの課題になり得るような気がいたしまして、やっぱり果たしている機能によって、場合によってはもう少し重い独立のモニタリングに服するようなプレイヤーというものも出てきていいのかなと思います。以上です。

【岩原座長】
どうもありがとうございました。皆様から大変貴重なご意見をいただきました。
本日いただきましたご指摘を踏まえて、今後、なお検討を続けていきたいと思います。本当に難しい問題で、インセンティブのねじれ的な問題というのはいろいろなところにあって、証券アナリストなんかもそうですけれども、こういった問題はなかなか一筋縄ではいきませんので、これから時間をかけて検討していきたいと思っております。
最後に、事務局のほうから連絡事項等がございましたらお願いいたします。

【岡田信用制度参事官】
毎度のことで恐縮ですが、次回のスタディ・グループの日時につきましては、皆様のご都合を踏まえた上で、後日事務局からご連絡させていただきます。

【岩原座長】
それでは、皆様、長時間熱心なご議論をいただきまして、まことにありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。皆さん、よいお年を。

                                                    ―― 了 ――

 
 

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