金融制度スタディ・グループ(平成30事務年度第6回)議事録

  • 1.日時:

    平成31年1月10日(木)10時00分~11時30分

  • 2.場所:

    中央合同庁舎第7号館13階 金融庁共用第一特別会議室

金融審議会「金融制度スタディ・グループ」(平成30事務年度第6回)
平成31年1月10日
  

【岩原座長】
皆様、明けましておめでとうございます。本年もどうかよろしくお願いいたします。
予定の時刻になりましたので、ただいまより「金融制度スタディ・グループ」平成30事務年度第6回会合を開催いたします。皆様、お忙しいところ、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
本日は、金融機関による情報の利活用に関するこれまでのご議論を踏まえて、このテーマについての報告案を事務局に作成いただきましたので、それについて事務局からご説明をいただき、その後、討議を行いたいと存じます。
それでは、事務局から説明をお願いいたします。

【岡田信用制度参事官】
おはようございます。それでは、お配りしております報告(案)についてご説明いたします。
表紙と名簿をめくっていただきまして、3ページの「1.情報の利活用の社会的な進展とそれに伴う課題」でございますが、近年、情報通信技術の飛躍的な発展等を背景に情報の利活用が社会的に進展し、金融と非金融の垣根を超えた情報の利活用によって、一般事業会社やフィンテック事業者を中心に、従来は存在しなかった利便性の高いサービスを提供する者が出現しつつあります。こうした動きは、基本的には望ましいものと考えられ、一般事業会社、フィンテック事業者、伝統的な金融機関のいずれの主体であれ、情報の利活用に取り組んでいくことは自然な流れとなっているとまとめさせていただいております。
他方で、これまでのご議論を踏まえて、2つ、留意点を整理させていただいております。情報に関連するルールのあり方、それから、伝統的な金融機関の業務範囲規制のあり方でございます。
最初の情報に関連するルールにつきましては、まず、情報の適切な取扱いを確保していくことは金融分野において重要であって、本スタディ・グループでも以下のようないろいろなご意見をいただいたところであります。代表的なものを整理しておりますが、1つは、情報の利活用の進展を踏まえて、個人情報の保護の観点からルールの再検討を行うことが必要ではないかというご意見。もう一つは、情報に関連するルールを考える際には、情報の保護と利活用の両立を一層図っていく観点が重要ではないかといったご意見だったと思います。
こうした、情報に関連するルールのあり方について具体的な検討を進めることは、本スタディ・グループの役割を超えるところがあるのと、この問題は必ずしも金融分野に限定されるものではなくて、分野横断的に検討を行っていくことが必要であるとも考えられることから、情報の利活用の社会的な進展の今後の状況も踏まえつつ、また、本スタディ・グループにおける議論も参考に、関係者において、適切な対応が進められていくことを期待するとまとめさせていただきました。
2番目の業務範囲規制のあり方につきましては、次の2.のところで説明させていただきます。「2.情報の利活用の社会的な進展を踏まえた伝統的な金融機関の業務範囲規制のあり方」をご覧ください。業務範囲に関して厳格な制限が存在する伝統的な金融機関のうち、銀行については、平成28年の銀行法等の改正によりまして、銀行業高度化等会社を子会社または兄弟会社とすることが可能となっております。この銀行業高度化等会社というのは、ECモールの運営を含めた多様な業務を営むことが想定されておりまして、そのことから、当然にして、情報の利活用に関する業務を幅広く営むことも可能となっております。すなわち、銀行の子会社ないし兄弟会社は、現行制度の下でも情報の利活用に関する業務を幅広く営むことが可能ということでございます。
他方で、利用者から情報の提供を受けて、それを保管・分析し、自らの業務に活用する、さらには、必要に応じ利用者の同意を得た上で第三者に提供する、といったことが今日の経済社会において広く一般的に行われるようになっていることを考えますと、伝統的な金融機関につきましても、情報の利活用に関する一連の業務を、本体で営むことを可能とすることが適当ではないかと整理させていただいております。
ただし、銀行の業務範囲規制の検討につきましては、このスタディ・グループでもこれまでもご議論がございましたとおり、利益相反取引の防止や優越的地位の濫用の防止、他業リスクの排除といった規制の趣旨を踏まえながら、また、監督の実効性等にも配意しながら進めていく必要があると整理させていただいております。このため、銀行業高度化等会社が営むことができる情報の利活用に関する業務全てを銀行本体が営むことを直ちに認めることは適当ではないと考えられます。
こうした点も踏まえまして、銀行本体が情報の利活用に関する一連の業務を営むことを可能とする観点から、銀行本体が営むことを新たに認める業務としまして、さしあたりは、保有する情報を第三者に提供する業務であって銀行業に何らかの形で関連するもの、とすることが適当であると整理させていただいております。
また、保険会社、第一種金融商品取引業者等につきましても、銀行と同様に、上記業務に相当する業務をそれぞれ本体が営むことを認めることが適当であるとしております。
なお、今の話に加えまして、保険会社につきましては、現在、銀行業高度化等会社に相当する会社を子会社として保有することが認められておりません。これに関し、保険会社につきましても、保険業の高度化や利用者利便の向上を図る観点から、銀行業高度化等会社に相当する会社を子会社として保有することを認めることは適当であると考えられると整理しております。
めくっていただきまして、「3.今後の課題」でございます。以上が本スタディ・グループにおける、金融機関による情報の利活用に関する議論の結果でございまして、本スタディ・グループでは、ほかにも検討をお願いしているテーマがあるところでありますが、金融業をめぐる環境が急速に変化していることを踏まえまして、議論が収束したものから取りまとめ、対応を求めていくという観点から、金融機関による情報の利活用に関して本報告を取りまとめたものであります。今後、本報告に示された考え方を踏まえ、関係者において、適切な制度整備が進められていくことを期待するとまとめております。
なお、本報告は、業務範囲規制のあり方についての検討のうち、さしあたり情報の利活用に関する業務に係るものを取りまとめたものでございます。業務範囲規制のあり方についての検討は、引き続き、機能別・横断的な金融規制全体の検討の中で行っていくというようにまとめさせていただきました。
私からは以上でございます。

【岩原座長】
どうもありがとうございました。それでは、討議に移りたいと存じます。なお、審議時間が限られておりますので、ご発言は簡潔にお願いしたいと存じます。
それでは、どなたからでも結構でございますので、ご発言をお願いいたします。いかがでしょうか。
森下さん、どうぞ。

【森下メンバー】
ありがとうございます。まず1点、4ページのちょうど真ん中のあたりに、「銀行業に何らかの形で関連するもの」というような記載がございますけれども、これは銀行業というと、固有業務である預金と貸付けとか為替取引とか、そういうようなものに限定されるという趣旨ではなく、付随業務などを含めて行っている銀行の業務に関連するものと理解したらいいのかどうかという点が1点、ご質問でございます。
それとは別で、意見というか感想でございますけれども、4ページの上のところで、銀行業高度化等会社というものは、情報を利活用したさまざまな業務を現にすることができるというようなことが書かれていると思います。他方で、仄聞するところ、今までのところはさほど活用例が多くないというようなこともお聞きをしておりますけれども、ここにこのような形で、ECモールですとかの運営を含めた多様な業務を営むことが想定されているというようなことでお書きいただいていることは非常に重要で、やっぱり既存の金融機関としても、こうやってできたものをしっかりと活用して、いろいろなことにチャレンジをしていくことも考えられるのかなという印象を抱きました。
あと、最後ですが、今回、この取りまとめの範囲外だとは思いますけれども、前回も申し上げさせていただいたのですが、銀行本体での情報の利活用に限らず、グループとしての利活用ということも今後必要になっていくのかなと考えますと、グループの中での情報利活用に関しましては、例えば、ファイアウォールに関する規制ですとか、その他、それが必ずしも円滑にいきにくいような規制ですとかルールというようなものがあるかもしれず、そういったようなものの見直しということも今後継続的に行われていくことが望ましいのではないかという感想を抱いております。
以上です。

【岩原座長】
今の点について、岡田さん。

【岡田信用制度参事官】
ありがとうございます。「銀行業に何らかの形で関連するもの」というところにつきまして、今後、政府内で法制局等とも検討してまいりたいと思っておりますが、銀行の場合、固有業務というと、預金受入れと融資、決済ということになるのだと思いますけれども、具体的に考えますと、例えば、融資先の企業へのコンサルティングというようなことは、現在、銀行は付随業務などで行っていると思うのですが、コンサルティングというのは典型的に情報をあわせて提供するというような場面だと思いますので、そのあたりの業務も無理なくできるように、制度を検討してまいりたいと思います。

【岩原座長】
それでは、戸村さん、どうぞ。

【戸村メンバー】
ありがとうございます。まず最初に、報告(案)には異論がないということを申し上げたいと思います。その上で、今後の議論のあり方について2点コメントをしたいと思います。
まず最初に、以前、事務局の岡田信用制度参事官から、金融規制に対して事業者側が必要以上に萎縮しているような現状もあるのではないかというご意見がありましたが、私にとっては説得力のあるご意見に聞こえました。今回の報告を受けて行われる規制緩和の具体的な内容は、当然のことながら、今後の立法プロセスにおいて決められていくものと思いますが、その際に、銀行業において情報共有が許される範囲が過不足なく事業者側に理解されるとよいと思います。
第2点目として、今回のようにスピード感を持って変えられるところから金融法制をアップデートしていくというアプローチはイノベーションに資すると思いますが、一方、規制の部分部分を独立して変えていくと、金融法制全体のバランスが崩れることもあり得ると思いますので、その点には留意が必要だと思います。
例えば、フィンテックに関連する金融法制の議論全体の印象として、ヨーロッパの規制と我が国の規制を比較することが多いと思うのですけれども、ヨーロッパの規制はユニバーサルバンキングが前提の規制になっていると思います。そうすると、例えば、我が国の金融法制において、ヨーロッパにならって、非銀行の決済サービス事業者については自由度の高い業務範囲を許しながら、伝統的な金融機関については戦後以来の我が国の伝統に基づいて分断的な業務範囲規制が残るということになると、金融法制全体としてのバランスが損なわれることもあり得ると思います。
ですので、伝統的な分断的な業務範囲規制を原則にするのか、もしくは、ユニバーサルバンキングを原則にするヨーロッパ流の考え方を取り入れていくのか、どちらの考え方をとるにしろ、異業種間の規制のバランス全体に留意しながら、各業種もしくは各機能向けの規制を考えていく必要があると思います。
以上です。

【岩原座長】
どうもありがとうございました。
大野さん、どうぞ。

【大野メンバー】
ありがとうございます。本報告(案)の内容は、これまでスタディ・グループの討議で出された論点がよく整理されていると思います。その上で、具体的な施策を提示したものとして高く評価させていただきたいと存じます。
まず初めに、岡田信用制度参事官をはじめ金融庁事務局の方々のご尽力に感謝申し上げたいと思います。今回提示されました情報の利活用に係る制度整備についての報告(案)、これは当スタディ・グループに与えられたミッションである機能別・横断的なフレームワークを整えるとの目標に非常に合致したものと言えます。
この見直しが実現すれば、情報の利活用を起点として、まず第一に、伝統的な金融機関と非金融業との間のイコールフッティングが改善して、競争的な条件が促されること。そして第二に、エコシステムの構築など、金融機関とパートナーシップ企業との間で協力して創造するという意味での「協創」、これが促進されること。その結果として、3番目に、利用者にとっての利便性が向上することが期待できると思います。ぜひ、この報告(案)に沿った形で、次期通常国会での法改正というチャンスを逃すことなく、情報の利活用に係わる制度整備の実現を目指していただきたいと思っております。
今後の課題について、1点付言させていただきます。先ほど、戸村メンバーからあった、規制緩和がパッチワークになるのではなく、全体的な整合性の確保に配慮することは非常に重要な論点だと思います。それを踏まえた上で、この報告(案)の5ページにありますスタンスに強く賛同します。ここに掲げてある「議論が収束したものから取りまとめて対応を求めていく」とのアプローチです。できるところから、順次アクションに移していくとのアプローチが極めて重要であると考えております。ぜひともスピード重視の姿勢を持ち続けながら、次の課題に取り組みたいと思っております。
決済の領域、プラットフォーマーへの対応、そして業務範囲規制のあり方などの重要な討議テーマが控えております。これらの課題に関する適切な見直しの方策について、知恵を絞って、そして、二の矢、三の矢を放っていくことを目標としてご一緒に努力していきたいと願っておりますので、よろしくお願いいたします。
あと、事務的な点で1点だけ確認なのですが、前回の中間報告のときにも申し上げた英語バージョンの作成、こちら、多分お考えになっていると思いますけれども、その点を事務局にご確認いただきたいと思います。
以上です。ありがとうございました。

【岩原座長】
どうもありがとうございました。
それでは、坂さん、お願いいたします。

【坂メンバー】
ありがとうございました。前回までの議論を踏まえて、報告(案)については適切な形でおまとめいただいていると受けとめておりますが、主として、銀行の業務範囲に関して4点意見を述べたいと思います。
1点目ですけれども、銀行本体については、保有する情報を第三者に提供する業務であって、銀行業に何らかの形で関連するものを業務範囲とすることが提案されております。今後、情報の利活用がますます拡大する中で、ガバナンスのしっかりした主体に情報の管理、活用してほしい、あるいは、情報の正確性を確保してほしいという要請はますます高まると思われます。銀行をはじめとする金融機関は、その要請に応える立ち位置にあると思われますし、このような重要な業務にフォーカスをして、業務範囲の拡大ないし明確化を図ることは重要であって、今後、銀行をはじめとして、積極的な取組みが進められることが期待されるところであろうかと思います。
2点目ですけれども、他方で、利益相反の防止ですとか優越的地位の濫用の防止、他業リスクの排除といった規制目的への配慮も重要であろうと思います。今回の提案の業務が情報の活用に関する業務であって、銀行業に関連するものの範囲内であることを踏まえますと、その影響のあり方に鑑みて、抜本的な制度的な手当てまでは必ずしも必須ではないようにも思われます。
ただ、3つの課題の中で他業リスクは比較的低いと見られますけれども、他方で利益相反の防止ですとか、あるいは優越的地位の濫用の防止については相応の配慮が必要と思われます。銀行本体あるいは子会社やグループ会社との関係、さらには提携先との関係において、利益相反の防止や優越的地位の濫用の防止の観点から適切な仕組みが確保されるように、銀行をはじめとした事業者の方々にお願いしたいと思います。
また、監督官庁においても、金融機関と適切な意思疎通のもとで適切な監督を図っていただきたいと、これは特にお願いしておきたいと思います。特に情報の提供、活用に関する業務においては、利益相反構造ですとか、あるいは優越的地位の濫用のあり方が従来の業務とは異なる形をとることも考えられますので、この点には十分な配慮をお願いしたいと思います。
また、こうした観点との関係では、利益相反の防止や優越的地位の濫用の防止に関して、細目の規律、ルールベースの規律も重要ですけれども、プリンシプルベースの考え方を、関係機関、関係者において共有することが極めて重要と思います。いずれにしろ、利益相反の防止ですとか優越的地位の濫用の防止は、銀行の情報関連業務への信頼の重要な基盤であって、的確な対応、めり張りのきいた対応をお願いしたいと思います。
3点目ですけれども、今後、情報の提供、活用に関する業務が現行の個人情報保護法等の法制のもとで行われることになろうかと思います。そうしますと、原則として個人の同意を得て第三者提供を行うことになります。前々回も述べさせていただいたところでもありますけれども、個人情報の扱いにおいては、個人の主体的関与を引き出す取組みが重要と思いますし、こうした視点は企業の情報を扱う場合も必要と思います。ぜひ情報の提供、活用あるいはその管理に個人や企業の主体的な参加を求めて、そういった中で第三者提供の同意を得るという取組みを進めていただければと思います。
それから、4点目ですけれども、銀行による情報の提供、活用については、個人へのサービス提供に関するものも重要と思いますが、企業や地域へのサービス提供等も重要だと思います。個人情報のみならず企業関連情報ないし企業活動関連情報の提供、活用、共有というのがどういった形でできるかは今後検討が必要かと思いますけれども、企業の成長や地域経済の活性化が図られることを期待したいと思います。これには、個人情報や企業情報のほか、公の機関が保有する情報の利活用や、地方公共団体等との連携も必要かもしれませんけれども、地域のつながりを生かした取組みが開発されればと思います。
以上です。

【岩原座長】
どうもありがとうございました。
それでは、次に松井さん、お願いします。

【松井メンバー】
ありがとうございます。まず、今回のご提案につきましては私も賛成でございます。また、報告書の取りまとめにつきましてはご尽力を下さいまして、ほんとうにありがとうございました。その上で、2点だけ簡単にコメントをお伝えしたいと存じます。
まず1つ目は、情報に関連するルールのところです。こちらについては、このスタディ・グループの役割としては具体的な検討ができないということでありますけれども、ただ、このスタディ・グループでの議論を尽くしましたので、こちらを参考にして今後の議論を進めてほしいという形で示唆いただいているのは非常にありがたい、すばらしいことではないかと思っております。
2点目、業務範囲規制のあり方についてでありますけれども、本来、子会社でできたことを本体でもできるようにするということは今までにもあった例かと思います。今回の件もどのように理論的に説明ができるのかなということで少し考えてみたのですけれども、そもそもある業務を子会社でさせるときの判断としては、リスクの遮断、あるいは監督上の便宜といった点から、本体ではなく子会社に委ねるということなのだろうと思います。
それを本体に吸い上げるというのはどういうことか。少なくともリスクの遮断や監督上の便宜の観点から支障が少ない業務について、子会社でしかできないということになると、これは金融機関の側からすると、組織の戦略であるとか経営上の戦略を制約することになるので、ある種の過剰な規制になっていたということになるのだと思います。
裏返して言えば、過剰な規制になっている部分について、業務の範囲をうまく切り出して本体に吸い上げられれば、過剰な規制を解消することができるということでもあるかと思います。そして今回、情報関連業務で銀行業に関連するものについては、以上のような観点から、子会社でのみさせる必然性は必ずしもないものを本体でもできるようにしたという位置づけになるのかと思いました。そういう意味では、今回のご提案は理屈としてもかなっているのではないかと思った次第でございます。
感想めいたことで恐縮ですが、以上でございます。

【岩原座長】
どうもありがとうございました。
永沢さん、お願いいたします。

【永沢メンバー】
ありがとうございます。私も3点ございます。また、その前に、今回のスタディ・グループを通じまして、日本の金融業、また金融をめぐるさまざまな変化について具体的にいろいろ知ることができたことは大変有益だったと思っております。まず、そのような機会をいただきましたことに感謝申し上げます。また、私は今回取りまとめいただきました報告(案)につきましては全面的に賛成でございます。途中、いろいろ申しましたが、やはりできるところからやっていくことが必要だと思っております。その上で3点、意見がございます。
まず1点目でございますが、4ページの一番上のところ、銀行法の改正のところにつきまして、ほかの委員の方からも出ているご意見でもございますが、私は、地方創生という分野に地域の金融機関が積極的に取り組んでいただきたいと思っており、顧客の同意のもとに収集された情報の蓄積を生かして地域創生を引っ張っていただくことを期待しております。今回の議論を踏まえて今後、法改正という形になると思いますが、単に法改正がゴールということにならないように、法改正でスタートということにしていただきたい、具体的に何か地方創生に役立つ形というものを金融機関の方々にはぜひ近いうちに見せていただきたいと思っております。既に動かれている地方金融機関もあるようですが、具体的な動きが見えることを期待しております。
2点目は、個人に関することですが、途中でも何回か申し上げましたけれども、利活用の話が進む中で、個人の情報のガバナンスという視点がまだまだ欠けていると思っております。これは金融の分野に限ったことではございませんので、むしろ逆に、金融業が、金融の分野で個人の情報のガバナンスについて先行して進めていっていただきたいと思っております。
話は変わりますが、オープンAPIでは銀行業界は、顧客の情報の安全性の確保を目指し、個社を超えて何度も集まり丁寧かつ積極的に新しい取組みを業界上げて取り組まれました。今回とは違う話ではございますが、金融庁の用意したワーキング・グループでの審議の場とは別に、業界で積極的に取り組んでいただかれた良い事例でした。同様の積極的な取組みをこの分野でも私としては期待しております。
それから、最後に3点目でございますが、このたび、保険に関しても銀行子会社で認められていることを認めるという規制緩和についても賛成します。フィンテックが言われる時代、生命保険に限らず損害保険についても、新しいサービスの開発が期待されているところでもありますが、1つお願いがございます。それは、財産に関する情報以上に、自分の健康状況とか、事故を起こしたとか、そういったネガティブな個人的な情報は他人には知られたくない情報であり、その管理は非常に重要なところでございます。この辺りには十分かつ一層のご注意をいただいて、積極的に国民のためになるような新しいサービスの開発をお願いしたいと思います。
以上でございます。

【岩原座長】
どうもありがとうございました。
福田さん、どうぞ。

【福田メンバー】
ありがとうございます。私も事務局の案には特に異論はございません。重要なポイントとしては、もともとの規制の趣旨というのは別になくなったわけではなくて、今日でも重要だということではあるけれども、3ページ目にありますように、利用者利便の向上やイノベーションの促進という観点から、見直せるところは見直そうということなんだろうと思います。
かつ、この分野というのは、まだいろいろ未成熟なもので、今後どうなるかわからないという中で、できるところから見直していく必要があると考えています。それから、これは森下メンバーもおっしゃったことかもしれませんけれども、この見直しが最初で最後ということではなくて、今後の動向を見ながら継続的に見直していくことになるんだろうと思います。
そういう意味では、全体的な整合性というものは、長い意味では大事だということにはなるんだろうとは思うんですけれども、これは戸村メンバーのおっしゃったことですけれども、毎回毎回の見直しで全体的な整合性をとることはなかなか難しいことになると思いますし、そもそも何が整合性がとれているのかということも、現在、イノベーションが起こっている中ではなかなかわからないので、最終的に見直しを継続する中でそれは確保するような問題なんじゃないだろうかと思います。
ただ、ほかのメンバーもおっしゃいましたけれども、かなりスピード感を持ってやらなけりゃいけない問題だということです。おそらく問題意識としては、ここ数年間がイノベーションとか利便性の向上を考える上では勝負の年だという観点にたって、やっぱり金融機関等にも取り組んでいただくという形での見直しのスタートだということの位置づけになるんではないかと思います。
以上でございます。

【岩原座長】
どうもありがとうございました。
田中さん、どうぞ。

【田中メンバー】
ありがとうございます。情報の利活用ということですけれども、平たく言えば、データをどういうふうに使っていくかということですよね。今回は、基本的には個人、法人というよりも、おそらく焦点は個人のほうにあるんじゃないかという気がするんですが、データを集めるということになると、ビッグデータをつくり、AIで分析し、マシンラーニングを使うというのは世の中の通常の進み方ですよね。そういうことが進んでいくと、どういう社会になっていくんだろうかというのを少し頭に置いておいたほうがいいかなという気がするんですね。
数カ月前に海外のあるイベントに出まして、そこのパネリストの中の一人が、中国の有名な保険会社の、これまた、かなりシニアな方だったんですけれども、この人が言っていたのは、自分たちの保険会社の本社の玄関にお客さんが近づいてくる。そうすると、その段階で既に顔認証で、この人は誰かということはわかります。その人が誰かわかると同時に、その人の病歴であるとか、家族のいろんなデータが全部わかりますと。その結果、玄関に入ってこられて、日本流に言うと、「いらっしゃいませ」と言うときには、あなたの人生はこれからこういうふうになるはずですから、こういう保険商品とこういう金融商品とこういうものをお買いになったらいかがですかというのがパッケージとして、その人だけじゃなくて家族まで全部出てくると言うんです。それをいわば非常に誇り高くご説明されていたんですが、聞いていた我々は、これはスティーヴン・スピルバーグの世界みたいなものだというので、横にいたアメリカ人なんか目が点になっているという、こういう状況でした。
まさか日本はそこまでいかないんだろうと思うんですけれども、情報の利活用というのは、いわゆるデータを使って、金融の世界で、いろんな利便性、利用者利便を高めていこうということはいいと思うんですけれども、それが一体どういう社会をつくっていくのかというのは少し頭に置いておいたほうがいいかなという気がいたします。
今回のお話の中で、4ページ目にあります、真ん中、4つ目、「こうした点も踏まえ」というところがキーなんだと思うんですが、ここに書いていますのは、本体が営むことを新たに認める業務として2つ書いていますね。1つは、保有する情報を第三者に提供する業務であるということですね。2つ目は、銀行業に何らかの形で関連するもの、この2つが要件ですね。
そうなりますと、第三者というのは一体誰なんだろう、誰でもいいんだろうかというのは非常に大きなテーマになりますね。先ほど、森下先生がおっしゃいましたように、特にメガバンクなんかの場合にはグループ構造になっていますから、銀行が保有する情報を第三者に提供する場合の第三者というのは、グループ内の兄弟会社というものもこれに入ってくるのか。つまり、例えば、クレジットカードの会社であるとか信託銀行であるとか証券会社とか、この第三者というのはグループの中の兄弟会社も含むのかどうか。これは自動的に含むのかどうかというのが第1点です。
もう一つは、今度は外ですね。グループの外、もしくは単体であれば、単体の銀行の外。この第三者というのは、これは誰でもいいんだろうか。この第三者というものに関する何らかの監督上の要件というものが必要なんじゃなかろうかという気が1つします。
その理由はなぜかといいますと、皆さんご承知のとおり、フェイスブックの問題がありましたね。あれは、第三者に渡したデータが外に漏れたというような話であったと思うんですけれども、特に先ほど何人かの方がおっしゃいましたけれども、銀行がデータを受けるんじゃなくて渡す場合、渡した相手がそれをきちんと管理できるのかどうかという点は、欧米ではベンダーマネジメントというリスクマネジメントの観点から極めて大きなポイントになっているわけですけれども、その点については、立法でやるのか監督でやるのか政省令でやるのか、いろいろ方法はあると思うんですけれども、1つ、非常に重要なテーマではなかろうかという気がいたしております。
それから、もう一つは、銀行業に何らかの形で関連するということですけれども、これはアメリカの法律ですと、「インシデンタル」という言葉がよく使われますが、何らかの形の関連というものはどのようにして決めていくのかということですね。そうすると、まさに銀行側、業者側から考えると、これは一つ一つ関連するのかどうかということを相談することになるんじゃなかろうかと思われます。そうしたプロセスの中で、できればノンアクションレターみたいなものの活用を今後考えられたらいかがかという気がいたします。
欧米で、金融のイノベーションが非常に進んでいった一つの制度的なツールとしてよく活用されるのは、このノンアクションレターですね。したがいまして、ノンアクションレターみたいなものがこういうところで活用できることになると、先ほど来お話がありましたような、業界側が萎縮するという話があるようですから、その部分に対する対応策になるんではなかろうかという気がいたします。
それから、あまりコメントはされてないんですが、4ページの下2つに、今度は保険会社が入ってくるということがあります。この点については、どの程度ご議論されたのか、私は参加してなかったので存じ上げませんが、保険会社の持っているデータと銀行が持っているデータというのは、個人に関しては極めて違うものがありますよね。銀行が持っているデータというのは、これは信用情報等がおそらくコアになるんだと思いますけれども、それから、決済に関する情報だと思うんですが、生保、損保が持っている個人の情報というのは、先ほどもコメントされておられましたけれども、それこそ個人のプライバシーに関する情報が非常に大きな情報、重要な情報がそこにありますので、単に情報の利活用と一くくりにして考えてほんとうにいいんだろうかと思います。個人のプライバシーとの兼ね合いにおいて、情報の重要性であるとか、それから、それぞれの業態において持っているデータの特性の違いというものを、やはりここで少し考えておく必要があるんじゃないでしょうか。
特によくありますけれども、情報の漏えいみたいなものが発生し、仮にそうしたものが、何らかのSNSか何かに出された場合には取り返しのつかないことになりますので、そうしたことはよく考えておく必要があるんじゃなかろうかという気がいたします。これは監督上のテーマかもしれませんが、そういうことをぜひお考えいただきたいと思います。
以上でございます。

【岩原座長】
どうもありがとうございます。ただいまのご指摘は、実際このような業務範囲規制の見直しを行った上で、その具体的な内容を施行規則や、あるいは監督指針等で具体化していくときにどのような配慮が必要かといった点に関するご指摘だったかと思います。
それでは、後藤さん、どうぞ。

【後藤メンバー】
どうもありがとうございます。私も、まず、この報告(案)全体については非常によくできていると思っておりまして、この方向で制度改正がなされていくことを強く希望しております。
田中メンバーからご指摘がありました点で、情報を提供する際にいろいろ気をつけなければいけないことがあるんじゃないかということですが、ほかにも何人かのメンバーから、ガバナンスのしっかりした主体に提供する必要があるというご発言がありました。保険会社が持っている健康情報や事故関係の情報だけでなく、銀行の信用情報も十分プライバシーにかかわるのではないかと思いますけれども、これらの情報の提供について、ご指摘のあった点に対処する必要があるということはそのとおりではないかと思います。
ただ、これは確認にすぎないのですけれども、今回、業務範囲が拡大したとしても、それは個人情報保護法制をオーバーライドするものでは決してなく、あくまで個人情報保護法が認める範囲内で、そういったプライバシーに関する情報の提供を銀行本体でやっていいことになるのにすぎないものと理解しております。また、3ページ目に書いてあるように、情報管理法制が全体として今後検討されていく中で、特に金融について、また保険についてどうするかということも議論されていくのでしょうけれども、情報管理法制と業務範囲規制とは、関連はするのですけれども、別の話であろうと思っております。例えば、ガバナンスのしっかりしていない相手方に情報を提供することは望ましくないわけですが、これを業務範囲規制で、業務範囲から除外するという形で対応するのは、ちょっと無理があるのではないかという気がします。業務範囲規制はあくまで類型的にどういうことをやっていいかという話であって、認められる範囲内であっても、当然やり方には注意しなければいけない。例えて言えば、銀行はお金を誰かに貸すことはできるわけですけれども、反社会的勢力に貸してはいけないということは、業務範囲規制ではなくて別の規制で行われているわけです。ですので、情報の管理についても、業務範囲規制ではなく、情報提供のやり方に関する規制として、組み立てていけばいいのではないかと思っております。
以上でございます。

【岩原座長】
後藤さんのご指摘、そのとおりだと思いますが、金融に関しては、個人情報保護法にプラスアルファする形で、銀行法施行規則、金融商品取引業等に関する内閣府令、主要行等向けの監督指針、金融コングロマリット監督指針、検査マニュアル、金融分野における個人情報保護に関するガイドライン等により、実際上規制がされていますので、その部分でどのように配慮していくかということは、金融審議会等で検討していく必要があるということだろうと思います。
さらに、業務範囲規制を変更した場合に、それを受けて、監督法上の手当て、あるいは、それに基づく行政的な措置の手当ての中でどのような形で、それを踏まえた見直しをきちんとやっていくかということを考える必要があります。田中さんのご指摘はそういうことを意味していたのではないかと思います。
ほかに何かございますでしょうか。よろしいですか。特にその他のご意見がないということでしたら、以上をもちまして本日の討議を終わらせていただきたいと思います。
本日お示しした案については、おおむねご賛同いただいたものと思いますので、最終的な修正や「てにをは」などの表現ぶりにつきましては私に一任していただき、必要に応じて修正したものをもって、このテーマについての本スタディ・グループの報告とさせていただきたいと存じます。よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【岩原座長】
どうもありがとうございます。あわせて、公表などの取り扱いにつきましても一任していただきたいと存じますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【岩原座長】
本スタディ・グループではほかにもテーマがございますというか、これから先が大変ですので、引き続きどうかよろしくお願い申し上げます。
最後に、事務局から連絡事項等がございましたら、お願いいたします。

【岡田信用制度参事官】
次回のスタディ・グループの日時につきましては、皆さんのご都合を踏まえた上で、後日、事務局よりご案内させていただきたいと存じます。

【岩原座長】
それでは、以上をもちまして、本日のスタディ・グループを終了させていただきます。熱心なご議論、どうもありがとうございました。

                                                    ―― 了 ――

 
 

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職員が務めた国際会議議長等
日本にある金融関係国際機関
金融安定理事会(FSB)
バーゼル銀行監督委員会(BCBS)
証券監督者国際機構(IOSCO)
保険監督者国際機構(IAIS)
その他

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