金融制度スタディ・グループ(平成30事務年度第7回)議事録

  • 1.日時:

    平成31年1月31日(木)15時30分~18時00分

  • 2.場所:

    中央合同庁舎第7号館13階 金融庁共用第一特別会議室

金融審議会「金融制度スタディ・グループ」(平成30事務年度第7回)
平成31年1月31日
  

【岩原座長】
それでは、予定の時間になりましたので、ただいまより「金融制度スタディ・グループ」平成30事務年度第7回会合を開催いたします。皆様、お忙しいところ、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
本日は、決済の横断法制に関して、事務局から資料1、資料2についてご説明をいただいた上で、討議を行います。
なお、このテーマに関して、オブザーバーとして、新経済連盟、日本資金決済業協会、Fintech協会にもご出席いただいております。
また、12月21日に「仮想通貨交換業等に関する研究会」の報告書が公表されたところでございまして、金融法制全般の議論を行っている本スタディ・グループにおいてもこれをフォローしておくことが有益と考えられますことから、本日の最後に、同研究会の神田座長から同報告書についてご紹介いただきたいと思います。
それでは、事務局から、資料1、資料2について説明をお願いいたします。

【岡田信用制度参事官】
それでは、資料1をごらんください。
3ページにお進みいただければと思います。3ページは、以前、第3回事務局説明資料として一度ご説明したことがあるものでございますが、「決済」分野の検討の概観でございまして、本日は左側の図の赤枠に囲っております資金移動業、収納代行サービス、ポイントについて、この後、実態について事務局からご説明をさせていただいて、その後、ご意見を賜るという形で進めてまいりたいと思います。
それでは、5ページをごらんください。資金移動業者の実態ということで、最初に、登録業者の概況でございます。2010年4月に施行された「資金決済に関する法律」に基づいて登録を受けた資金移動業者は、昨年末時点で64業者いらっしゃいます。ビジネスモデルは多種多様でありますが、例えば、主としてeコマースサイトにおける決済に関係したサービスを提供しているといった業者もあれば、主に外国送金に関係するサービスを提供している業者もあると、そういうような形でございます。一覧として、登録日と業者名を記載しております。
次に、6ページは、実態の1つ目として、1件当たりの送金額ということで、これは昨年秋に決済について議論を始めたときにもいろいろ議論になったところであります。1回100万円を超える送金につきまして、何らかの形で新たに解禁できないかという点につきましては、昨年秋の会合でも海外の法制等を参考にしつつ議論を行ったところですが、本日は、現行の法制に基づく1回100万円以下の送金についてどのような実態になっているかという観点で紹介させていただきます。このページは基本的に8社の送金額についてということなのですが、これは未達債務額が上位の業者さんのうち、データをいただけた8社について積み上げたものをお示ししているということであります。左側につきましては、赤い折れ線グラフが月間の送金額でございます。これについては右側の縦軸をごらんいただければと思いまして、2017年12月に月間500億円程度の送金があって、それが直近の2018年9月では600億円程度まで伸びてきているというような形でございます。それから、青の棒グラフにつきましては、軸は左側の送金件数であります。これは2017年12月に400万件程度、2018年9月に500万件程度となっております。右側の円グラフは、2018年9月の送金額の内訳でありまして、1円以上5,000円未満が65.7%、5,000円以上1万円未満が14.2%、1万円以上2万円未満が9.5%等々となっておりまして、1件当たり5,000円未満の少額の送金がかなり多いということかと思います。
それから、7ページは、実態の2つ目として、利用者資金の残高ということであります。左側は、未達債務額上位の業者さんのうち、数字が出せるということでご協力いただけた7社のものを積み上げておりますが、端的に申し上げると、ある切りとった時点でアカウントにどれぐらい金額がたまっているかということで、0円というのがこの円グラフで約166.3万アカウントということで多くて、1円以上1万円未満が約72.8万アカウント、1万円以上が約16.1万アカウントということになっています。1万円以上の中も結構多様でありまして、右に分解したものがありますが、このうち2万円未満が約4万アカウント、2万円以上5万円未満が約4.9万アカウント、5万円以上10万円未満が約2.9万アカウントと、以下同様で、50万円以上100万円未満が約5,000アカウント、それから100万円以上というのが約4,000アカウントで、ご参考までですが、上の四角に書いてありますが、中には10億円以上の金額があるアカウントというのも存在するということでございます。
右側のグラフは少し違う観点でありまして、業者さんの中には、1アカウントあたりの入金上限額を設けておられるところもあって、100万円以下としていらっしゃるのが8社、200万円が1社、以下同様で、1億円が1社、上限なしが2社、それから、特段そういう上限額が確認できない社が49社ということになっております。
資金移動業については以上でございまして、以下、収納代行とポイントに移らせていただきます。
9ページをお開きください。9ページは、10年前、ちょうど現在の資金移動業等を制度整備する際の金融審議会での議論の結果をまとめた報告書の抜粋であります。報告書の中の一番端的な結論部分は冒頭に掲げてある青字部分でありまして、「共通した認識を得ることが困難であった事項」、この中に、具体的には収納代行・代金引換等と、ポイント・サービスが含まれるということなのですが、こちらについては「性急に制度整備を図ることなく、将来の課題とすることが適当と考えられる」というような整理になっております。下の【参考2】には、当時のいろいろな意見の要約を、ご参考まで掲げさせていただいております。いずれについても、制度整備を行う必要性があるというご意見と、それがないというご意見、両方あったということが当時の報告書でも整理されております。
これが10年前でございますが、その後どういう進捗があったのかというのがこれ以下でございまして、10ページは、収納代行の中でも代表としてコンビニエンス・ストアにおける実態でございます。金額と件数を見ると増加傾向にあるということであります。一部、ファミリーマートは直近の数字が確認できませんでしたので省略しておりますが、それでも、3社の数字がとれる一番最新の2015年度で見ると、約8億件の件数があって、約9兆円の取扱額になっているということだと思います。他方で、上の四角にありますが、非常に利便性の高いサービスとして定着しつつ、これまで社会的・経済的に重大な被害は発生していないということだと認識しております。
11ページでございます。10年前の審議会における議論は、コンビニエンス・ストアの収納代行と、運送業者による代金引換を念頭に行われていたと思われます。今日、少し状況が変わってきているのは、その2つの類型に当てはまらないようなタイプのものも出てきているということで、ここで2つご紹介させていただきます。1つは左側で、C to C、個人間送金を実質的に行っているようなもので、昨年秋に少しご紹介させていただいたものと同じなのですが、典型的には、飲み会の代金を幹事が後で回収するようなことに使われるスマホのアプリでのサービスということですが、ここで債権者(一般消費者)というのは、宴会の幹事さんで、この人が宴会参加者に対してスマホのアプリを経由して代金を請求して、参加者の皆さんが払って、それを業者さんが収納代行として取りまとめて、一般消費者である宴会の幹事さんに戻すというような類型のものです。
それから、右側は、B to Cの仕組みということではあるのですが、右上のショップにあたる債権者の事業者さんがいろいろなeコマースサイトに商品を出すという例です。eコマースのサイトというのが場合によっては世界中に展開していて、日本のサイト、アメリカのサイト、イギリスのサイト、ドイツのサイトとあって、そこで商品を売って、その代金を取りまとめて届けてくれるというサービスの事例であります。
2009年当時はこういうものを念頭に議論していたということでは必ずしもないのだと思っております。
収納代行は以上でございまして、次に、12ページはポイントに関する資料でございます。ポイントについてはいろいろな業者さんがいろいろな形で発行されていて、研究機関やシンクタンク等の推計はございますが、その全貌を正確な形で把握できる統計というのはないのだと思います。12ページは、通信販売、通信サービス、クレジットカードなどポイントを多く発行している代表的な業態の、その中の代表的な会社さんの有価証券報告書等の財務諸表を見て、その中のポイントに係る引当金の額を積み上げてグラフにしてみたものでございます。引当金というのは、ポイントを仮に100出していて、必ず100積まなければいけないということではなくて、各会社さんが出しているポイントのうち、年度末の時点で、将来使用が見込まれる部分を、各社の判断で積んでいるというものです。ごらんいただきますと、2008年から2010年にかけて伸びているのですが、その後は必ずしも一本調子に伸びていっているというわけではないということが言えると思います。これにはいろいろな要因があるのだと思いますし、業界によっても違うというようなことだと思います。例えば通信販売業界やクレジットカード業界について言うと、2008年の当時のボリュームに比べて相当伸びているという見方もできると思いますし、家電小売業界などは非常に安定的に推移していると言えると思います。いずれにしても、全貌を正確に把握する統計というのがないので、間接的なものでありますが、ご参考にしていただければと思います。
次に、13ページでございます。ポイントについては、ポイントそれ自体として使っていくということ以外に、ポイント同士を交換するという現象が見られます。左側は2007年7月時点のもので、これは当時の審議会でも資料として出していたと聞いております。この資料の見方として、左側の交換元というところの一番上で、ANA(全日空)のマイルを例にとりますと、その欄を右にたどっていくと、マルがついているポイントにかえられるということでございまして、ANAマイルから、Tポイントや楽天スーパーポイントにはかえられるというような見方をしていただければと思います。
右側が、今回、私どもで調べてわかった範囲内でのものですが、赤くマルがついているのが12年前に比べて新たに交換できるようになったものです。ごらんのとおり結構赤いマルがついております。それから、一部に青いバツがあるのですが、これは12年前にはマルだったものが今回調べてみるとバツになっている、交換をやめてしまったというような類型でございます。また、12年前の資料にはなかったのですが、今回、一番右端の2つの欄を追加しておりまして、1つは交通系ICカードへのチャージなどができるかどうかでございまして、今回取り上げたものはいずれもできるということでございます。もう1つは、現金にかえられるかどうかということでございまして、現金化が可能なポイントというのも出てきていると、そういう実態でございます。
事務局説明資料としてお示しする材料は以上でございまして、本日討議いただきたい事項を資料2でまとめてございます。
1つ目は、収納代行・代金引換等につきまして、先ほども申し上げましたが、5行目にありますとおり、10年前に「性急に制度整備を図ることなく、将来の課題とすることが適当」という整理になっておりますが、現在、当時とは違う新しい収納代行サービスも登場している中で、利用者利便の向上やイノベーションの促進の観点を踏まえつつ、他方で利用者保護の観点から留意すべき点があるかどうかといったことについてご意見賜れればと思います。
それから、2つ目のポイント・サービスについても同様に、3行目の最後、「性急に制度整備を図ることなく、将来の課題とすることが適当」というように2009年時点では整理されたところですが、その後、今ご説明申し上げたような環境の中で、利用者利便の向上・イノベーションの促進の観点と利用者保護の観点から留意すべき点についてどう考えるかといったことについてご意見賜れればと思います。
最後にその他とありますが、冒頭、資金移動業についても実態をご説明しましたが、現行の資金移動業者が行う送金が、件数ベースでは1件当たり数千円以下に集中していることを踏まえ、制度設計に当たってご示唆があれば、ご意見賜れればと思います。
以上でございます。

【岩原座長】
どうもありがとうございました。
それでは、今、事務局からご説明のございました資料1、資料2について討議を行いたいと思います。なお、審議時間が限られておりますので、ご発言は簡潔にお願いしたいと存じます。
それでは、どなたからでも結構でございますので、ご発言をお願いいたします。加毛さん、どうぞ。

【加毛メンバー】
ありがとうございます。資料2の討議事項につきまして、それぞれの項目に関する意見を申し述べたいと思います。
まず、第1の「収納代行・代金引換等」につきまして、事務局から、これまで社会的・経済的に重大な被害が発生していないという説明がございました。その理由の1つと考えられるのが、収納代行について、私法上、弁済の代理受領という法律構成が採られていることです。収納代行業者は債権者から弁済の代理受領権を与えられているので、債務者が収納代行業者に支払いを行った時点で、債務の弁済の効力が発生するものと考えられます。その結果、収納代行業者への支払いの後に、何らかの問題が生じたとしても、支払いをした債務者は債務を免れることになります。
他方、収納代行業者を利用して支払いを受ける債権者については、本日の資料にもありましたが、少なくとも当初は、事業者、それも大手の事業者が想定されていたように思われます。それゆえ、収納代行業者に何らかのトラブルが生じて支払いを受けられなくなるというリスクを、債権者である事業者が負担し得るものと想定することができます。以上のような収納代行の法律構成や債権者の属性を前提とすれば、深刻な社会的・経済的被害が生じていないということも理解しやすいところです。
しかし、本日の資料でも指摘されているとおり、プラットフォーマーの登場などを背景として、C to C市場が拡大していくと、今申し上げた前提が崩れる可能性があると思います。とりわけ、事業者でない者・消費者が債権者としての地位に立つとすれば、そのような債権者について、収納代行業者の事業リスク・倒産リスクを負担させることが妥当であるのか、疑問が生じます。むしろ、消費者保護的な観点からは、収納代行業者に対する規制の必要性が指摘されることになります。
もっとも、直ちに、収納代行業者を、資金決済法などによる規制の対象にする必要があるのかについては、慎重な検討を要するように思います。既に現在、収納代行業者はC to C市場等で活動されているのだと思いますけれども、個社あるいは業界として、利用者保護のために、どのような取組みをしているのかについて実態を把握することが、規制の要否を考える前提として要請されるものと考えます。以上が、討議事項の1点目に関する意見となります。
続きまして、第2の「ポイント・サービス」につきまして、いわゆるポイントと呼ばれるものには、非常に多様なものが含まれており、その中には、およそ金融規制の対象とするのになじまないものも存在すると思います。その一方で、本日、事務局からご紹介いただいたように、ポイント同士での交換が可能なものですとか、あるいは利用範囲が非常に広いポイントが存在しているという実態を踏まえますと、ポイントの付与に対価性を認めるべき場合があるように思われます。それらのポイントについては、消費者保護の観点から、規制対象とすべきか否かについて検討を要するものと考えられます。以前のスタディ・グループの会合でも申し上げましたが、例えば、システムに対するハッキング等により、不正な取引がなされた場合への対処が問題となります。また、ポイントを発行する事業者が、ポイントの利用条件を利用者の不利益に変更することが認められるのかについても、検討が必要なのではないかと考えています。ただ、これらの点につきましても、やはり規制の対象とすべきか否かを考えるうえでは、個社の取組みや、業界としての対処を踏まえた検討が必要だろうと思います。
最後に、第3の「その他」で指摘されている資金移動業についてですが、これも以前のスタディ・グループの会合で申し上げたことの繰り返しになりますけれども、仮に少額取引に関する実務上のニーズが大きいとすれば、少額取引に特化したサービスを提供する事業者について、現在の資金決済法の規制を緩和することはあり得るだろうと思います。ただ、少額取引への該当性を考えるうえでは、1件当たりの送金上限額よりも、資金決済業者が利用者から預かる金額の上限や利用者の資金を預かる期間の方が、規制緩和との関係では重要であるように思います。本日の資料1では、ほとんど資金滞留がないタイプの取引も相当に多いというお話でしたので、以上のような観点から、資金決済法における規制のあり方を見直すことは、本スタディ・グループにおける規制の柔構造化という観点からも重要ではないかと考えています。ありがとうございました。

【岩原座長】
最初にご指摘いただいた収納代行が代理構成をとっているかというのは、約款で見ると必ずしもはっきりしてない業者もいるので、そういった問題もなお残っているかと思います。
その次、それでは、永沢さん、どうぞ。

【永沢メンバー】
ありがとうございます。
私も資料2に従いまして意見を述べさせていただきたいと思います。まず、収納代行については、確かにコンビニエンス・ストアや宅配業者の収納代行については問題はなかったのかもしれない、ないのであろうと思いますが、本日ご紹介があったような、個人同士の飲み会の会費の幹事になったりしたときに使うようなアプリの場合ですと、幹事を引き受けた個人が泣き寝入りをしなくてはならないというようなことも生じると思いますと、こうしたサービスの発展を望まれるならば、利用者の信頼を得ることが不可欠であり、利用者保護の規制の枠組みを導入することを積極的にご検討されたらと思います。以前、別の機会に電子決済等代行業者の皆様がそのような取組みをされましたが、そうした取組みが利用者の信頼を得て普及に繋がっていると評価しています。また、本日ご紹介いただいたサービスは消費者同士のサービス展開ということで、C to Cで展開をされるということならば、消費者の信頼を得るような、消費者が安心して使えるような保護の枠組みというのはおそらく必要不可欠であろうと思っております。
それから、先ほど加毛先生がおっしゃったように、規制云々を議論する前に実態把握のほうが大事なように思います。コンビニエンス・ストアや運送業者についてはどういう事業者がやっているかはおおよそ私どもも知っておりますけれども、現状、C to Cでどのようなところが出てきているのかという実態についての現時点では把握は金融庁でも難しいと聞いておりますので、そうした実態が把握ができるようにするには、必要最小限の方法として、届出制みたいなものでまずは実態把握ができるようにすることも、必要な一歩なのではないかと私は考えます。
2点目はポイントについてでございますけれども、以前の議論ではポイントはおまけではないというご意見があったと聞いておりますが、多くの消費者は、ネットショッピングなどでポイントを支払い手段の一部として使っておりまして、これは仮想通貨以上に決済の機能を果たしているのではないでしょうか。かつてはおまけという整理をしたかもしれませんが、現時点ではステージが変わっているのではないかと思います。規制をどのようにするかは別にして、ポイントの利用については利便性がある方がいいですから、むしろおまけと解することにこだわって利便性を制約するよりは、通貨の一つの形として俎上にのせて、消費者が使いやすいものとして、消費者の期待に反するようなことのないような利用者保護というのを考えてみることが必要だろうと思います。
最後に、資金移動業のところですけれども、今回、金融庁からお示しいただいた資料に示された業者の名前を見ましても、同じ資金移動業でもさまざまな会社、形態があるということがわかりました。個人向けの少額で送金をしているところから、おそらく法人向けであろう大きな金額を送っているところというのもあるようですが、一緒くたに資金移動業と括るのではなく、実施している業務のリスクに応じて規制を考えていくことが必要で、このスタディ・グループでも多くの委員の先生方からご指摘があったように、柔構造というんですか、そのような形で考えていくことが必要であろうと思います。
また、これは前回、坂先生がご指摘されたことでもありますが、大きな金額を預けて、その口座にお金を滞留させることが放置されていることが問題なのではないかという点、それも加毛先生のご指摘と同じで、大きな金額を預けているということが認められると、銀行に近いことをされているのではないかとも思われますので、万が一破綻したら大変なことだと思いますので、この預けるということ、滞留させるというところについて、リスクに応じて考える必要があると思います。
また、現実、このようにお金を預けている人がいるというのはなぜだろうと考えてみるわけですけれども、昨今、銀行が外国人の口座開設に対して厳しい対応をせざると得ない状況にあるという話も聞いたりいたしますが、日本がグローバル化していく上でこういう問題にどのように対処していくのか、銀行業界でも前向きにご検討いただく必要があると思います。なお、この発言は今回の議論とは関係ございません。
以上です。

【岩原座長】
それでは次に、福田さん、お願いします。

【福田メンバー】
ありがとうございます。
収納代行とポイント・サービスの問題、ある意味で共通点がかなりあると思いますけれども、前回の審議会の報告で、性急に制度整備を図ることなく、将来の課題とすることが適当だというご意見があって、現在でもそういう側面というのはそれなりにはあるということなんだろうとは思います。ただ、いずれのケースに関しても、かなり制度が成熟し始めているサービスと、新たに変化が起こってこれからも大きく変化する可能性のあるサービス、2つあるんじゃないかなと思います。
まず、収納代行・代金引換等に関しても、コンビニエンス・ストアの収納代行等がご紹介されましたけれども、こちらのサービスに関してはかなり制度は成熟しつつあって、どういう問題があるのかということに関してはかなりわかってきている問題なんだろうと思います。そういう意味では、これを将来の課題にするという必要はおそらくなくて、現状を踏まえながらどういう整備をつくっていくかということは性急に必要なんじゃないかと思います。
また、ポイントに関しても、ポイントの表があったと思いますけれども、かなり最近、安定している分野もあります。ポイントの引当金の推移、資料1の12ページでしょうか、分野によっては足元でも大きく変動しているところもあれば、データを見ると、ここ数年、かなり安定的に推移している分野もあって、こういう分野に関しては制度としてかなりそれなりに成熟してきて、安定してきている分野といえます。制度をつくる場合でも、それを踏まえてどうするかという問題の視点というのはあり得るんだろうとは思います。
他方で、同時にご紹介されたわけですけれども、収納代行に関して言うと「C to C」あるいはプラットフォーマーが新しく登場してきているサービスがあり。それらは、現在も変化しているし、これからも大きく変化する可能性のあるサービスであると考えられます。かつ、潜在的には大きなイノベーションも生み出せる可能性のあるサービスです。これらのサービスに、性急に制度整備を図る必要があるのかどうかということは、若干留意は必要で、やはりいろんなこれからの変化を踏まえながら将来の課題にするという発想はそれなりに大事だろうと思います。これと同じことはやはりポイント・サービスでも言えて、かなり制度が成熟しつつあるポイント・サービスもあれば、新たなサービスの可能性等を秘めているような部分に関しては必ずしも性急に制度・サービスを図る必要はないのではないかと思います。もちろん、その場合でも当然ながらリスクというのは伴うわけですので、当然リスクに応じた規制体系という留意はその場合でも必要であることは言うまでもありません。けれども、いずれのものに関しても成熟しつつあるサービスと大きく変化しつつあるサービスを一緒に議論するのではなくて、やはり既に成熟しつつあるサービスと現在も変化しつつあるサービスというのをある程度分けて、議論あるいは制度設計というものを考えていく必要があるのではないかと思います。
以上でございます。

【岩原座長】
それでは次に、後藤さん、どうぞ。

【後藤メンバー】
どうもありがとうございます。これまで発言された方とそれほど違わない意見になってしまうかもしれないんですけれども、収納代行とポイント・サービス、それぞれについて意見を述べさせていただきます。
まず、収納代行のほうですけれども、加毛さんが最初に分析をされましたように、支払人側の二重支払いの危険は、基本的には代理受領という形をとることによって解消されるために、支払いを受け取る側、つまり収納代行業者に代金の受領を委託している側のリスクをどうするかということが問題になってくるのかと思います。この点については、資料でも挙げられているように、委託者が収納代行業者の信用力を評価する能力に関係する、利用者が個人なのか、事業者なのかといった属性や、利用者にとってのリスクの関係する、取扱金額の多寡という要素が問題となるわけですが、個人が代理受領を委託する金額がそれなりに大きくなった場合でも、その額が業者から受領後すぐに委託をした個人に引き渡されるのであれば、それほど大きなリスクはそこに滞留しないわけです。そうしますと、代理受領してもらった金銭の引き出しがどの程度やりやすいのかという観点も重要になると思います。例えば、業者から引き出すときに手数料をそれなりに取るということになると、業者にお金が滞留して、そのシステムの中で再利用させるという形が生まれるのかもしれません。飲み会の割り勘サービスなどだとそういうことも容易に想定されるわけですけれども、そういう形態をどこまで許容するのか。また、一定期間以内に引き出さなければいけないことにするのか、それともアカウントにずっと置いておくことができるのか、そういったところもリスクという観点からポイントになってくるのではないかと思います。
受け取ったお金を引き出さずに、プールされるということになってきますと、そうすると、これは自分でお金を払っているのではなくて、自分のところに来るべきお金をほかの人に預かってもらっているという意味では、前払式支払手段に非常に近づいてくるように思います。受け取ったお金をそのアプリの中で使うことができる、もしくはほかのところで使うことができるという場合に、前払式支払手段的な要素が出てくるわけですね。結局、ポイントになるのは、どれだけ迅速に代理受領されたお金が利用者のもとに行くかというところなのではないかなと考えております。
収納代行業者の手元にお金が少しでもたまるなら規制しなければいけないという意見を申し上げているわけではなく、こういった観点を踏まえたとしても、こういうサービスはやはり便利なものですので、規制をしないという判断も十分にまだあり得るかと思います。もっとも、その場合には、こういうサービスは銀行とは違い、資金が預金として保証されるわけではないといったことを、できるだけわかりやすく消費者に伝えるということも必要になってくるかと思われます。
ポイント・サービスのほうですけれども、これは何人かの方が既に指摘をされていますけれども、いろんなポイントがあるわけでして、特に現在問題となっておりますのは、固有名詞を挙げるのがいいのかわかりませんが、例えば資料1の最後のページに載っております楽天さんのポイントですとかTポイントなど、いろんなところで現実の代金の支払いに充てることができるということで、現金にかなり近い使われ方をしているものだと思います。資料1の最後のページは、ポイント同士の交換という切り口になっていて、さらにそれが現金に換えられるかということが書いてあるんですが、より重要なのは、そのポイントをどれだけ多くのお店で代金の支払いに充てられるかということであって、それができるのであれば、ポイントや現金に交換をする必要は別に存在していないと思います。例えば、この表を見ると、楽天さんのポイントは一番交換可能性は低いわけですけれども、かなりのところで使われるわけですし、そもそも楽天のウエブサイトで買い物をしたときにそこの代金の支払いに充てることができるという意味では、おそらく一番使い勝手がいいものなのかもしれません。
これを前提としてですが、ポイントを取得するときに消費者が間接的に対価を負担しているというのは、経済的にはそのとおりなのかなと思います。ただ、これを、ポイントを得ようとして同じような場所で買い物をするという行動を消費者がとることによって購買情報が蓄積され、その情報の経済的価値をポイントという形で消費者に割り戻していると見た場合には、消費者に利益が還元されているわけでして、これをつぶしてしまうということは絶対にすべきでないと考えております。
そうしますと、問題となってきますのは、既に何人かの方が指摘されておりますけれども、ポイント・サービスが急にレートが悪くなってしまう場合ですとか、廃止されてしまう場合だと思います。これはおそらく事業者のポイント・サービスの約款の中で記述されていることですので、約款の変更や内容規制という観点からの分析が必要になってくるかと思います。ただ、事業者によっては、ポイント・サービスをまさに自分のサービスの骨格に置いているところもありますが、そういう事業者がポイント・サービスを不利にしたら、そのサービスを利用する人は一気に減るということが想定されますので、評判の機能によってある程度のコントロールが果たされていると見ることもできるかもしれません。
そういうことを考えますと、今現在においてポイント・サービスに強い規制をかけるということには、慎重であったほうがいいのではないかなと考えております。ただ、楽天ポイントやTポイントが一気に使い勝手を悪くするということは現状ではなかなか考えがたいわけですが、新規に参入した業者が、このビジネスはもう負けだと見切りをつけて撤退するということはあり得るわけですので、そういった場合にはやはり対処する必要があるのかもしれません。他方で、何度も方向性が変わって申しわけないですけれども、消費者はその可能性も見越して新しいサービスを使うのかもしれません。結局、最終的には消費者の判断力をどこまで信頼するかということになってくるかとは思うのですけれども、そういうことを踏まえながら検討していってはいかがかと思っております。
最後に、数千円以下の決済などについてどうするかということなんですが、今日、来るときにインターネットで少し調べ物をしたところ、C to Cのフィンテック業者にとっては、資金移動業に当たらないように仕組むことが最大の課題であるというような記載を幾つかのところで見かけました。資金移動業の規制ですらやはり重荷になっているのだとすると、問題がないところは、今の資金移動業よりもさらに規制を緩和するということも考えてしかるべきなのかなとは思っております。
以上でございます。

【岩原座長】
それでは、神田さん、お願いします。

【神田メンバー】
ありがとうございます。既にご発言あった点と重複するかもしれませんけれども、3点、感想を申し上げます。1点が総論で、あと2つはわりと細かいことです。
1点目ですけれども、機能に応じたルールの横断化・柔構造化という全体観に私は賛同しておりまして、その観点からこの分野について、実際に行われていることを類型化する作業を続けるというか、していただく必要があるように思います。機能という場合は、ここでは支払の手段とか決済ということだと思うのですけれども、既に一昨年でしたか、このスタディ・グループの第1巡でも問題になったと思いますが、同じものであっても複数の機能を果たすことがあるので、そういう点にも留意しながらということになると思います。
それで、類型化をするに当たっての留意点みたいなことを少し列挙してみたいと思います。
まず、支払の原因となる取引が、先ほど説明がありましたように、B to Cなのか、B to Bなのか、C to Cということによる類型が重要と思います。
それから、ポイントについては、今、後藤さんからもご指摘がありましたけれども、汎用性ということもあると思いますが、先ほどの資料では、出口においてお金にかえることができるというプランがありましたけど、入口においてポイントをお金で買うことができるのかどうか。
それから、ポイントの交換というよりも流通ですね、ポイント自体をAという人からBという人へ、Cという人へと、人に渡すことがどの程度実態として行われているのか。
それから、別の観点で、規模というか、金額ですね、それから、期間というか、先ほど滞留というご指摘がありましたけれども、その支払ないし決済が行われるまでの時間とお金をどのぐらい業者が預かっているような効果があるのか。
そして、これもご指摘がありましたけれども、関係者が破綻した場合に、誰がどういうリスクを負担することになるのか。これもそれに応じて類型化が可能と思います。
それから、これは昨年、田中さんがご指摘になったことだと記憶しておりますけれども、図を描いた場合に、指図の流れとお金の流れがあるので、そこをもうちょっと類型化する必要があって、決済のほうの言葉で言えば、ペイメントとクリアリングとセトルメントがどういう関係にあるのか。それから、法律的な言葉で言えば、債権・債務関係がどういうふうになっているのかということについて、指図のレベルの話とお金の流れの話とを整理する必要があると思います。
以上が第1点です。
2点目は、最後に申し上げたこととちょっと関係するのですけれども、この分野では、約款ということがよく言われますが、私法と監督法のどこまでがどっちの守備範囲というか、役割分担というか、協働というか、ということを考える必要があると思います。先ほど座長ご指摘のように、約款といっても、それで私法上の法律関係がはっきりしているとは限らないので、私法でどこまでいけるかはっきりしない分野がなくはありません。監督法も、どういう場合に出動する必要があるのかどうかというあたりをよく整理する必要があります。
最後に3点目は、少額の話ですけれども、少額のものについては、プラス一定の条件ということになると思いますが、基本的には自由にしてしかるべきものだと思います。それが10万円なのか、5万円なのかということはありますけれども、その理由は、マネロン規制等を心配する必要がない。それから、システミックな問題を惹起しにくい。そして、一般消費者というのでしょうか、の利便を競うようなスマホ等を利用したサービスが今後続々登場するようですので、そういったイノベーションというか、競争は大変結構なことと思われるからです。
以上です。

【岩原座長】
それでは、舩津さん、お願いします。

【舩津メンバー】
ありがとうございます。おおむね先生方のおっしゃられたことと同じようなことを考えておりましたので、1点だけ、収納代行について少し申し上げたいと思います。
私も直感的には、利用者の二重払いの危険性がなければ、資産保全といった意味での資金移動業的な規律というのはあまり必要ではないのかなというふうには感じております。ただ、二重払いの危険性がどこまで除去されるか、監督法制としてどこまで枠組みを組むのかといったあたりというのはなかなか考えるのは難しいということは、そのとおりかと思います。
1点だけ、私が調べた範囲ですと、欧州のPSDの規律では、たしかマネーレミッタンスというものが収納代行に該当し得るという形で、一応規律の対象にはなっている。ただ、規律の対象にはなっているんだけれども、原因関係上の債権が消滅する取引については解釈上、資金移動業といいますか、支払い決済機関には該当しないというような理解になっていたかと思います。ただ、それはあくまで解釈論上そう言われているだけで、本来、EUの指令の趣旨からしますと、そういう解釈で業に当たるか、当たらないかを考えるのはおかしいという批判もあったようです。にもかかわらず、PSD2では、私が見た範囲ではそのあたりの明文化はされていないように見受けられます。そうしますと、もしかすると明文で適用除外しない理由というのも何かあるのかもしれないというあたりが少し気にはなっておりまして、そのあたりの外国の議論状況を少し押さえたほうがいいのかなという気はしました。
以上です。

【岩原座長】
それでは、神作さん。

【神作メンバー】
ありがとうございます。これまで多くの先生方が発言されたことと重複する部分もございますけれども、申し上げさせていただきます。
神田先生からご指摘ありましたように、中間整理の考え方のもとでは決済の概念を広くとって、債権・債務関係の消滅、すなわち民事法上の清算に第三者が介在する場合を含む形で機能的に広く把握しています。そのような中間整理における決済の定義によると、少なくとも今日討論されるべき収納代行だとか代金引換というのはまさに典型的にこれに該当する上に、収納代行とか代金引換においては決済に介在する業者は実際に資金を一時的にであるにせよ占有下に置くということになりますので、これまで問題が起こらなかったというのは確かにそうかもしれませんけれども、理屈の上では決済の機能を確実に履行するという観点から極めてリスクが高いということになると思います。決済という機能を確実に実現するためには業者を資金が通過する以上さまざまなリスクが生じ、かつそのリスクは代理受領という構成をとっても、すべて解消するものではありません。神田先生が監督法上の問題と民事法上の問題という関係ということをご指摘されたかと思いますけれども、監督法的な観点からは、代理受領という構成をとるか、とらないかにかかわらず、先ほどの決済の機能に介在する場合には、とりわけ資金を一時的であるにせよ決済に介在する業者の占有に置くことがあるとすると、ひとまず規制の対象になるという前提で検討を進めることが重要だと思います。
また、収納代行とか代金引換以外で、口座を使って決済を行うという場合には、その口座に対して指図をする、あるいは口座に係る情報を扱うというのも、これも決済という機能を担う非常に重要なタイプの類型であると思いますので、現金のやりとりというのではなくて口座を通じたやりとりについても検討の範囲を広げる必要があると思います。さらに最近では、口座も通じないで支払手段が債務者から債権者のほうに移転するという類型も出てきていると思いますので、神田先生のご指摘と重なる部分があると思いますけれども、支払口座の有無ですとか、現金を占有に置くかどうか、それから口座への指図、口座情報へのアクセス、こういった観点から決済に係るサービスについて類型化して検討していく必要があるかと思います。
ポイントについては、機能的に決済にかかわるようなものが実際に存在しているのであれば、たとえばポイント交換その他を通じて決済に用いられているのであれば、これもやはり中間整理の考え方からすれば決済に係る監督法上の規制の射程にまずは含める必要があると思います。ただ、これも多くの先生方が指摘されましたけれども、問題が明らかにない類型については、一旦は射程に含めて広く網をかけた上で適用除外等について検討していくというアプローチをとるべきであると思います。
また、最後の決済の金額が低い場合について、また別の規制を考える必要があるのではないかということについては、現行法の体系を前提にすれば、私も賛成でございます。特に決済の部分というのは先ほどいろいろリスクを強調いたしましたけれども、リスクの範囲や性質は他の金融の機能たとえば資金供与などに比べわりかし限定されているといえます。そういう意味では比較的コントロールしやすい金融サービスであって、特に少額の決済の場合にはそのようなことが妥当するのではないかと考えられます。そういう意味では、規制の柔構造化という観点からも、すなわち少額資金移動について銀行法の特則を認めるという現行法の枠組みを維持するとすれば、さらにその中でも少額の決済については規制を緩和する方向で何らかの見直しを行うということは十分に考えられると思いました。
以上でございます。

【岩原座長】
今、神作さんがご指摘になった点は、資金決済法を立法したときに非常に議論したところでして、資金決済法の立案担当者の解説では、代理構成をとれば、それで問題が解決するというふうには考えるべきではないと。監督法の観点から考えるべきであって、代理構成さえとれば、どんな場合でも全て問題が解決するというわけではない。それは裏返して言えば、受取人のほうにリスクが発生しているわけですから、そちらも含めて、資金移動に関するリスクについて、どれだけきちんとしたものに規制していく必要があるかから考えるべきだと書いておられます。
それでは次に、坂さん、お願いします。

【坂メンバー】
ありがとうございました。若干重複するところはあるかもしれませんが、意見を述べさせていただければと思います。
まず、収納代行ですけれども、紹介されておりますとおり、約10年前にご議論があったところで、これは金融庁をはじめとして関係各機関において検討がされているところと思います。
当時の議論について2点、振り返っておきたいと思います。1つは、ご指摘のあるところでもありますけれども、当時は基本的にはコンビニ収納代行と運送業者による代引が念頭に置かれ、収納代行業者の破綻リスクを専ら負う資金の受け手としては事業者が想定されていました。それが前提となっており、個人や消費者が収納代行業者の破綻リスクを負うというようなことはあまり前提とされてはいなかったように思われます。
それからもう1点は、当時においても、コンビニ収納代行等において悪質な事業者が資金の受け手となって消費者被害をもたらすということが問題となっており、悪質加盟店の排除が課題として指摘されていたという点です。
その後、資金決済法の整備がされて、約10年間の期間を経ているわけでありますけれども、状況はかなり変わってきているのではないかと思います。この間の変化について4点指摘したいと思います。
1点目は、資料11ページにありますとおり、資金の受け手が個人ないし消費者である決済サービスが収納代行スキームで提供されるようになってきていると。このようなスキームでは、個人ないし消費者が収納代行業者の破綻リスクを負うということになりますので、こういったサービスが今後さらに広がっていくということになれば、やはり対応が必要かと思います。
第2に、コンビニの収納代行においては、この間、業界団体の自主規制等によって、加盟店審査の充実ですとか、あるいは悪質加盟店排除の取組みが進んでいて、その仕組みがつくられてきていると思います。もっとも、そのような中でも架空請求詐欺事案においてコンビニ収納代行を利用するなどの事案が生じているということには、留意が必要かと思います。
それから3点目ですけれども、この間、電子決済等代行業の制度整備によって、収納代行業者のうち一部の業者については電子決済代行業者として事業を行うということになっているのではないかと思います。
それから4点目ですけれども、やはりこの10年間にマネーロンダリングへの対策の重要性がますます大きくなってきているところだと思います。こういった状況を踏まえて規制のあり方を検討する必要があると思います。
3点申し上げたいと思います。1点目は、資金の受け手として個人や消費者が登場してきていることから、収納代行業者の資産保全等の仕組みが必要と思われます。
次に2点目ですけれども、資金の受け手として悪質な事業者が入ってくることへの対応をどう考えるかというところがあると思います。この点は10年前にも意識され、コンビ収納代行では、先ほど申し上げましたとおり自主規制等によって対応はされてきているところです。隣接の制度であるクレジットの分野でも、加盟店管理制度ですとか、あるいは加盟店情報交換制度もかなり整備されてきているところであります。
他方、このような対応がされていない決済手段は、悪質な業者にとって使いやすいという面があろうかと思います。資金決済法では、前払式支払手段には加盟店管理制度が入っていますけれども、資金移動業者にはこのような制度は設けられておりません。決済法制においてどこまで対応を行うのかということは検討が必要ですし、自主規制や技術的な対応の可能性も含めて検討の必要はあろうかと思いますが、一応これは念頭に置くべき論点と思います。
それからもう1点、規制のあり方について。先ほど来、ご議論あるところで、基本的には、私も規制のあり方についてはグラデーションがあり得ようかと思っております。この点、自主規制については尊重すべき面があると思いますけれども、問題は、個々の事業者の自主規制、個々の業界の自主規制でカバーできない部分がどうしても出てくるということで、そこはやはり公的な規制において何らかの網をきちんとかけておくということが不可欠と思います。
それから次に、ポイントです。ポイントについてもこの10年ぐらいの間に状況はかなり変わってきているのではないかと思います。10年前の議論においても、ポイントについては事業者と消費者との合意により提供されるものであって、その権利性を含む法的性質は、両者の合意内容や意識によって定まるということが指摘されていたと思います。かつての議論では、ポイントはおまけとして付与されるもので、利用者側もそのようなものとして受けとめる向きが多かったのではないかと思います。しかしながら、この間、ポイントの付与を需要喚起の手段として積極的に活用するようになってきており、利用者の側も、ポイントがつくからその商品、その店舗を選ぶ、あるいはポイントがつくから買おうとは思っていなかった商品を購入するというように、消費行動に影響を与える傾向がかなり強まってきているように思われます。利用者は、おまけというよりも、現在では、対価を支払って事業者から提供される商品・サービスの一部という認識になってきているのではないかと思います。こういった利用状況、意識の変化に鑑みますと、ポイントが確実に使えることを確保する必要性、発行者の財産的基礎を確保する必要性は高まってきているように思われます。この点、現状は、会計基準において、ポイント残高と将来の使用見込みに応じた引当金を積むということになっていると思いますが、この積立金が適切に積み立てられているか、それを確認できる体制や制度枠組みが現状どうなっているのか、その実効性が確保されているのかということを検討する必要があるのではないかと思います。
それから、ポイント・サービスの(2)のところで指摘されている事項についてですが、サービスの事業者による一方的な変更というのは、消費者契約法上も問題になるところかと思います。かつての議論においても、ポイント・サービスの約款で事業者が自由に内容を変更できるというふうに書かれており、消費者が大量にためたポイントを事前告知なく一方的に失効させるような場合は無効となるという指摘がされていたかと思います。この間のポイントに対する利用者の意識の変化等も踏まえますと、こういった消費者契約上問題となり得る場面というのは増えてくるようにも思われます。消費者契約法との関係では、適格消費者団体による差止請求等の制度もありますが、そういった民事あるいは準民事の手段によってはなかなか救済に時間がかかるという問題もあります。やはりそこはある程度規制といいますか、制度枠組みにおいて対応するということも必要性としては高まっているのではないかと思います。
それから、(3)のところについては、ポイントの汎用性の問題かと思います。汎用性の実情に応じて、きちんとした規制といいますか、対応をしていく必要があるのではないかと思っております。
以上です。

【岩原座長】
それでは次に、松井さん、お願いします。

【松井メンバー】
ありがとうございます。私も皆様のご意見と重なる部分が多々あるのですけれども、2点だけコメントをさせていただければと思います。
まず、収納代行・代金引換ですけれども、冒頭に加毛先生がおっしゃっていましたとおり、要するに、C to Cで個人がリスクにさらされるということ、それから資金の滞留という事実があるということを考えますと、そこに一定の保護の必要性はありそうだということは言えるわけです。ただ、そこで何らかの規制をかけて、それが事業者の負担になるということになれば、当然、サービスを利用するコストにはね返る。それは利便性を下げることにもなりますので、ここはやはりそう単純な話ではないのだろうと思っています。
むろん規制をかけるというのは、直接的に要保護性のある方を保護するというだけではなくて、規制があることによって「そのサービスは安全な仕組みで守られている」というある種のアナウンスメント効果みたいなものがあって、これも案外無視できないのかなと思っています。ですので、要はバランスでありまして、事業者のコストあるいはサービスの利便性を下げない範囲の規制とは何なのだろうかと。それは自主規制のようなものなのか、あるいは法的な規制でも非常にマイルドな形をとるのか、そういった何かバランスを探すという作業が必要なのかなと思いました。
次に、ポイント・サービスにつきましては、おまけという言い方がいいのかどうかわかりませんけれども、要は、主たる取引なり対価性のある取引なりがあって、それに付随して出てくるというのが基本的な位置づけなのだろうと思います。要するに、ポイントを直接の目的にして取引をするということになれば、それはポイントに対価を支払っていますから、それが主たる取引になるのですけれども、ここで言っているポイントというのはそうではないのだと思います。何らかの物を買う、あるいはサービスを買うという際に、おそらくはその中で支払った対価の一部が事業者の側の戦略で割り戻されているという、このようなイメージなのだろうと思います。この場合、利用者の要保護性という話はなくはないのだと思いますが、先ほどの収納代行のような話とはかなり質的に違うのだろうと思います。先ほどの収納代行の話ですと、そこの要保護性というのは、もともとの取引の債権・債務関係が消えないとか、預かられている資金が返ってこないとか、その時に当事者をどう保護するかという話になるわけですけど、ポイントの場合は、本来的な目的となっている取引はもう終わっていますから、そうではない付随的な部分を保護するのかどうかという話かと思います。これは、結局のところ、ポイントを取得する利用者がどれだけそのポイントに期待するかというやや曖昧な部分があり、その期待はどこまで法的あるいは法律に準ずるような形で保護する必要があるのかと、こういう話なのではないかと思いました。
本日の資料2では、この点に関する視点を3つ挙げてくださっていて、(1)については、私は間接的に対価を負担しているのだろうと思っています。これに対して、(2)と(3)というところが非常にやはり扱いが難しいのだろうと思います。先に述べた利用者の期待というのは、例えば(2)について言えば、事業者の判断で設計・変更されなければされないほど、つまり、そのポイントが価値保存としての機能を高く持てば持つほど、利用者の期待も高まるのだろうと思います。あるいは(3)についても同じですけれども、法定通貨に近づいていけば、たとえばAに対してだけではなく、B店でもC店でも、あるいはD社でもE社でも使えるというオープンなシステムになればなるほど、やはり利用者の期待は高まるわけです。そうしますと、利用変更の可能性が低くて法定通貨に近ければ利用者の期待は高まるから、規制をかければいいかというと、これはもろ刃の剣みたいなところがありまして、その規制が重ければ重いほど、事業者は自分勝手にポイント・サービスを変えられるようにするとか、あるいは使える店舗なり事業者を減らすとか、要は利便性を下げる方向に多分ドライブがかかるのだろうと思います。これは結局、規制をかけた結果、ポイントの利便性が下がって、事業者の戦略を制約することになるので、この規制と利便性は非常に緊張関係にあるのだろうと思います。そういう意味で、私は、このポイントに対する当事者の期待というのは、無視していいとは言いませんけれども、やはりここに厳格な規制をかけるというのは相当に慎重であるべきだろうと思っています。結局その規制は、事業者の戦略を縛り、利用者の利便性をも奪ってしまうという、こういう関係にあるからです。ですから、この点の規制に関しても、できる限りマイルドなものであるべきで、たとえばサービスの変更の可能性があることを認識しておいてもらうとか、その旨の開示をするとか、当事者の期待をある程度コントロールしつつ事業者の戦略を縛らないような形がせいぜいかなと思っております。
感想めいたことで恐縮ですが、以上でございます。

【岩原座長】
田中さん、お願いします。

【田中メンバー】
私も少し繰り返しになるかもしれませんが、金融の世界でイノベーションを進めていくというのが一つのこの会合の重要なポイントだと思いますね。この規制の状況を変えることによって実務はどう変わっていくか、それが利用者利便と、それから利用者保護と、両方にどう影響するか、こういう視点が必要なんだろうと思うんです。
1つは、ポイントのほうから先にちょっとお話ししたいと思うんですが、おまけという話があったんですけど、経済的には、この非常に低い金利状態の中で、ある意味このポイントが利息の代替物として使われているぐらいの感覚が結構出てきているんじゃないかという感じがします。ポイントというのは、会計上は、使用されたときに、発行体において費用認識をするということになります。その費用認識の仕方というのは、売上値引か、もしくは販管費として認識する、これが原則ですね。したがいまして、期末処理としてはどうなるかというと、将来の利用可能性であるとか有効期限、そうした項目を勘案した上で引当金の妥当性を決めて、それを計上する、これが会計原則になっていますね。
それに対して、今日の説明の中ではポイントの中にマイレージが入ってない部分があるんですけど、先程は会計のお話ですけど、法律のほうでは、特にマイレージに関して、かつてアメリカで航空会社が次々破綻したときに、このマイレージをどう扱うかというのは非常に大きなテーマになったという経緯があります。マイレージの量が余りにも多過ぎて、集団訴訟に発展するとか、そういうようなこともあったと記憶していますけれども、我が国ではこのマイレージもしくはポイントの所有者の保護というのは法的にどうなっているのかなというのは、私はむしろお伺いしたいと思うんですね。考慮すべき要因としては、換金性とか支払いの手段であるかどうかとかいろいろあるわけですけど、この表にはないんですが、実は資料1の一番最後でしたかね、バツとマルがついているこれ、13ページですか、この表で見ますと、右側の2019年1月時点って書いていて、ANAとJALはマイルが入っていますから、ここでは、マイレージもポイントに加えて入れておられるんですが、一番右に現金というのがあるんですけど、実はマイレージとかポイントのもう一つのファンクションとして現物交換がありますよね。いろんなものが買えるという部分があって、その項目がちょっとないかなという気がします。いずれにしても、そうした要素を考えた上で、この保有者の保護というのは一体どういうふうに今なっているのか。約款でやっているとすれば、約款は、先ほども議論ありましたけれども、勝手に変えていいものなのか、ある一定のところまでは消費者を守るための条項が必要なのか、これ、消費者団体で考えておられることかもしれませんし、金融監督なのかもしれませんが、そうした論点が1つ残っているんじゃないかなという気がいたします。
それから次に、資金移動業者の話なんですけど、6ページ、7ページにあるんですが、この6ページ、7ページの読み方を少し考えておく必要があると思います。先ほど後藤メンバーがおっしゃったと思うんですが、実際にこの業に絡もうとしておられる方々が何とか資金移動業者でなくなるようにしようという動きがあるというお話もありましたが、この動きは非常に不健全ですね。この問題の一番のポイントは、私、今まで何回かお話ししていると思うんですが、やっぱり日本だけ100万円のシーリングがあるというところが非常に重要なテーマだと思います。したがいまして、国際的な資金のフローの中で日本だけ100万円という縛りがあるという状況がほんとうにそれでいいのかどうかという、特に金融の世界のイノベーションであるとか資金のフローの利便性を高めるとかいうことからすると、大きなテーマじゃないかと今でも思っています。
また、この表、6ページ、7ページのところは非常に小さな金額だというお話なんですけれども、この読み方は非常に難しくて、これはニワトリが先か卵が先かみたいなところがあるわけですね。これは、100万円のシーリングがあるからそもそも小さくなっているんじゃないかとも解釈できます。例えば、このシーリングを取れば、先ほど来、何回も議論がありましたけれども、やっぱりB to Bが入ってくると思うんですね。そうすると、億円単位、十億円単位のお金がこのフローに入ってくるということは十分考えられると思います。
そこで、資金移動業者の特徴といいますか、性格を考えると、やっぱり1つは即時性だと思うんですよね。銀行を通じたお金の流れよりも即時性があるという特性が1つあるだろうと思います。例えば、皆さんご承知のように、週末に銀行からほかの銀行にお金を送りますと、自分の口座からは落ちるけれども、相手方に着くのは翌週の月曜日になるという、そういう形になっていますが、そういうことは資金移動業者の場合にはなくなるという部分がありますね。それからもう一つは、フィーが非常に低いという部分がありますね。そういうことを考えると、例えば、後ほどお話があるかもしれませんが、仮想通貨を利用した即時性のある資金の移動という、そうした発想で物事を進めようという業者もあらわれてくる可能性があるんじゃないかと思いまして、ここはニワトリと卵みたいなところがあって、やはり100万円のシーリングは早く撤廃して、そうしたイノベーションがいろいろできるような形にすべきじゃないかと思います。
そうした規制の緩和をすると、おそらく大きな大手の資本もそういうところに入ってくるでしょう、特にB to Bに関しては。それから、既存の金融機関なんかもビジネスモデルを転換してそういうところに入っていこうとするでしょう。そうすると利便性が高まっていくという、さらにイノベーションが進んでいくと私は前から思っていまして、その点については今でもそのように考えております。
以上でございます。

【岩原座長】
それでは、翁さん、お願いします。

【翁メンバー】
私も皆様のご意見とちょっと重複するところがございますが、少しコメントさせていただきます。
収納代行・代引につきましては、皆様ご指摘のとおり、10年前はコンビニエンス・ストアと運送業者を中心に議論が行われましたが、その際には、やはり利用者の利便性が非常に高いということ、今も引き続きそうでございますが、大きな社会問題が起こっていないということ、こういったことから議論としてはもう少し様子を見るほうがいいということになったように記憶しております。先ほどからもご指摘ありますように、その後の経緯を見ますと、やはり収納代行業者がすごく多様化してきているということ。それから、皆様ご指摘になりましたけれども、一般消費者が債権者になってC to Cのものが増えてきていること。ここはいわばプラットフォーマーの動きとも同じでございますが、イノベーティブな分野でもございますけれども、そういった変化が出てきているというように思っております。私自身もすぐにこれを規制の対象にすべきとは思いませんが、やはり特にC to Cのところにつきましては、利用者保護がこれで十分なのかということに関しては、しっかり個社の取組みや自主規制がどうなっているかということを確認しながら少し考えていくということではないかと思っております。
それから、ポイントにつきましては、これも皆様ご指摘になっておられましたけれども、ポイントというのは収納代行や代引と同じで、ほんとうに利用者利便性が高く、また利用者に支持されているものだと思っております。一方で、私自身も非常に活用しておりますけれども、おまけということから、やっぱり次の、将来の買い物のディスカウントの手段としても非常に活用しているんですが、今日ご指摘のように、そのポイントが交換され、また流通され、汎用性を高めて、あたかも通貨に近い形で利用されてきているということについては、きちんとこれからも実態を調査して把握しておく必要があるのではないかと思っております。
あと、今、田中委員がご指摘になった利用者保護の視点は、特に破綻した場合に――JALの場合はポイントを保護したわけでございますけれども、こういった場合にどういう対応になるのかということについても少し検討しておく必要があるのではないかとは思っております。ポイントというのは、最近のネットのクレジットカードもそうですし、eコマースの分野でもそうなんですけれども、一方で、このポイントを活用してデータ収集をし、そして効果的なマーケティングをしていこうという観点では、かなり経済の活性化やイノベーティブな動きにも結びつく動きであり、他方で、今、日本全体として進めているキャッシュレスの推進のいわば少しドライバーとなっている部分でもあるかと思います。そういう意味で多面的な側面を持っていると思っております。したがいまして、私もすぐに規制の対象にすべきというふうには思っておりませんけれども、個社の対応がどうなっているのか、また、自主規制はどういうふうに行われているのか、それによっても何が不備であるのか。また、今日は引当金についてご紹介がございましたけれども、より実態をしっかりと把握していただくということがまず非常に重要ではないかと思っておりますし、個社の取組みなどについてもしっかりヒアリングをしていくというような機会もいただければと思っております。
最後の点につきましては、これはもう皆様と一緒でございますが、機能と同時にリスクに応じた規制を考えていくという観点で考えますと、資金移動業といいましても、おそらく今入っている業者も、また、これからどういうふうにビジネスモデルを考えていこうと考えている方も、かなり大きく異なって、多様化しているのではないかと思います。その観点から、利用者保護の観点とともにシステミックリスクにどのように結びつくのかという観点で、皆様ご指摘ございましたけれども、金額とか預かり金がどうなのかということによって、規制のありようというのも少し変わってくるのではないかと考えております。
以上でございます。

【岩原座長】
それでは、大野さん、お願いします。

【大野メンバー】
ありがとうございます。私も、もう既にいろいろな議論が出ておりますし、重複する部分もあるかと思いますが、幾つかポイントを述べさせていただきます。
まず、収納代行と代金引換については、やはりC to Cに関する新しいビジネスですね、11ページに出ているような動きについてはぜひ創意工夫を凝らしたイノベーションの動きを後押しすることを期待しています。ただ、一方で、プラットフォーマーも含めてC to Cのビジネスが増えていくということは、それなりに利用者の保護ということも必要になりますので、もう何名かのメンバーもおっしゃっていましたけれども、イノベーションや利便性の向上と利用者の保護とのバランスをよく考えていくということに尽きると思います。
次に、ポイント・サービスでありますが、私は資料1の13ページのポイント同士の交換の表の中の赤いマルが増えていく、ポイント間の交換、相互の乗り入れの動きが拡大していることを非常に興味深い動きとして注目しました。さまざまな業種をつないでエコシステムを構築したり、経済圏を広げていく上で、このポイント・サービスが橋渡し的な役割を果たすことが期待できるのではないかと個人的には感じています。言うなれば、ポイント制度の活用が、例えば金融業と異業種、異業種と異業種でもいいのですけれども、そういった連携を促す上での重要な道具立ての一つとなる可能性を秘めていると思っております。ポイント制度の健全な発展がその意味でも大切な論点ではないかと考えています。
そのコンテクストでは、1つは、各種ポイント・サービスの間でのイコールフッティングが保たれるということが望ましいと考えます。13ページの表では、一番右のところに線が引かれておりますけれども、そこも含めて、これから新しいものがもっと出てくると思います。競争的な条件というものが確保されて、このサービスが全体として健全に発展していくことを望みたいと思います。
それから、もう既に何人の方もおっしゃっておりましたが、おまけかどうかという点につきましては、いわゆるおまけに止どまっているうちは特段の注意を払わなくてもよい存在なのかもしれません。10年前の時にはそういうご判断だったと思うのですが、先行きを考えた場合には、例えば決済手段としての利用がより広範に広がるとか、もう一つは、価値保有資産としての重要性が増すというような可能性も十分ありうるのではないかと感じています。そのような状況になれば、例えば決済ということでは、擬似決済手段としてふさわしいレベルでの利用者利益の保護であるとか、安全性の確保といったところに、今までよりも注意を払う必要が出てくるのではないかと感じています。ただし、既にたしか松井メンバーがおっしゃったと思いますが、そこで規制というのはちょっと早過ぎるかなという感じがしておりますし、先ほど翁さんがおっしゃったとおり実態をよく把握することが重要です。もう一つは、変化が激しいので、常に点検をしながら、できればソフトロー、もしくは松井さんがおっしゃったようなマイルドなアプローチといったところで一緒に並走していくというのがよいのではないかという気が今はしております。
それから、資金移動の問題につきましては、事務局からの問いかけである、資金移動業者が行う送金が数千円以下に集中していることの背景は何か、ということに対しては、これがニーズを反映したものなのか、それとも規制等の影響なのか、田中メンバーもおっしゃっておりましたが、ニワトリが先か、卵が先かということがありますので、手元にある材料だけでは私はいま一つはっきりとわかりかねると申し上げたいと思います。事務局の方々には引き続き、判断する上で役立つようなデータの収集や情報の整理をもう一頑張りお願いしたいと思います。
特に、これは永沢メンバーを始めとしてほかの方もおっしゃいましたが、利用者の資金の滞留期間と金額のロットの関係やこれらの分布というものが、検討を行う際の重要なポイントになると思っております。アプローチとしては、滞留期間が長かったり、預かり金的な性格が強い資金を取り扱うようなビジネスモデルに対しては、それ相応のより厳格なAMLやコンプライアンス、リスク管理が求められるのではないかと考えております。顧客資産の分別管理はもちろんのこと、オペレーショナルリスクへのしっかりした対応といったところも重要な検討課題ではないかと考えております。
以上です。ありがとうございます。

【岩原座長】
それでは、植田さん。

【植田メンバー】
ありがとうございます。いつも、また今回も、非常に丁寧な説明資料を用意していただき、ありがとうございます。私からも少々述べさせていただきます。
かなり私は神田先生の意見に近いんですが、やはり機能別にどう考えるかということをずっとやってきたと思いますので、その点から考えますと、全体としては、できるだけ規制を緩く、自由にやってイノベーションを起こしておこうという中で、それでもきつい規制が残るとしたら、1つは伝統的な銀行業のようなところ、もう一つあるとすれば、システミックリスクを起こしかねないような大きな図体というか、そういうものになってしまったような場合だと思うんですね。
先にちょっとシステミックなほうから言うと、今のままの小口の資金移動業者であっても、例えば5年後ぐらいに日本の小口資金の決済のマーケットシェア50%持っているなんていうのが出てきたら、これはやっぱりシステミックな機関になってしまいますので、小口だとしても、まだまだそういう意見はあり得るんじゃないかと、将来的にはあり得るんじゃないかと思います。で、1本1本の額に関して言えば、それはどちらかというとマネーロンダリングとかそういう方向の規制になってくる話ではないかと思います。
次に、銀行業のようなと言いましたけれども、それはやはりお金の貸し借りが一つ出てくるかどうかということだと思います。これは今のところあまりないような、資金移動業に関しましても、収納代行にしても、ポイントにしても、あまりお金の貸し借りというか、お金というか、貸し借りのようなものが出てくるような気は今のところないような感じがするんですが、まさに今後の利便性次第だと思うんですよね。ポイントについて言えば、皆さんもおっしゃっていましたけれど、利便性がどんどん高まっていって、いろんなものと交換する、それからほかの人たちと交換ができるようになるかどうか、一つこれが問題だと思うんです。けれども、そうしてしまうと、かなり通貨に近いようなものに、仮想通貨のようなものになってきますので、これ、仮想通貨との兼ね合いで見ていくことになると思いますし、そもそも仮想通貨のようなものをポイントとして発行するというふうに今後なってくる可能性もあって、それを今、規制しているのかどうかわかりませんけれども、そういうふうになってくると、もうほとんど仮想通貨に変わっていくところはあると思うんですね。もちろん、そうでなく、昔ながらの田舎の駄菓子屋か何かと同じように、ちっちゃなおまけとしてポイントをつけている人たちもいるんでしょうから、そうなったら、ある程度クラスを分けて、2つのパターンで考えていくということじゃないかと思います。
さらに言えば、今、通貨と言いましたけれども、仮想通貨のほうの議論でもあるかと思いますけれども、仮想通貨の決済だけなのか、それとも、それを使って貸し借りするのか、またそこが銀行業になるかどうかの大きな違いだと思うんですよね。例えば、何かのポイントを使って、業者が1万ポイント今貸してあげるから1週間後に2万ポイント返せというような契約を結ぶ場合、おそらく、今できるかどうか知りませんけれども、そういうことが出てきたら、週利100%なんてすごい法外な金利ですけれど、それはポイントで全部やられているわけです。けれども、そういうようなものがもし出てくるとすれば、それはやはり銀行業というか、貸金業としかみなさざるを得なくなってくるわけです。そういう機能から見ると、ポイントというのは機能じゃなくて、あくまでも何とかポイントというのは何とかコインと同じ名称だけであって、機能を見て、どういう金融業をしているのかというのを見て、あくまでもそこの機能に規制を考えていくという方向で行かないと、ごちゃごちゃしてくるというか、わからなくなってくると思うんですね。ですから、あくまでも機能を見ていくべきじゃないかと思います。
資金移動業についていえば、前回の議論で1つあったのは、今、滞留している資金は基本的に法務局でしたっけ、供託しているということなんですけれども、例えば急に手元流動性が必要になったときに、供託したものはすぐに取り戻せないので、今はそれぞれの業者さんがある程度手元流動性を持っているかと思うんですが、そこをそうじゃなくて、例えば日本銀行とか大手の銀行のような指定の預金に供託して、いざという場合はそこから流動性供給を受けるような形にしても、そういう形もあり得ると思うんです。そうすると、例えば手元流動性を持っている必要がそれほどなくなって、またそれが利用料の低下という形で利便性も高まるんですね。ところが、そうやって利便性が高まるとすれば、今度は、そういう大手の銀行さんに例えば預けているとすると、それを担保にお金を貸してもいいやと、それを担保に資金移動業者がほかの人にお金を貸すなんていうような金貸しを始めることもあり得るかもしれないんですね。そうすると、資金移動業者もまた銀行業にだんだん近づいていくわけです。それ、まさに実態がどうなっているかもあるんですが、どこまで利便性を認めるか。ただ、利便性を全くそうなっちゃいけないと規制するのもおかしな話だと思いますので、そういうことで、どこから銀行業になってくるのか、どこから何業になっていくというのを機能で見きわめるということがやはり大事だと思います。
そうですね、そういうようなところでしょうか。ありがとうございました。

【岩原座長】
それでは、岩下さん。

【岩下メンバー】
どうもありがとうございます。
今の植田メンバーのお話には、私も大変同感するところが多いわけでございますが、最近のキャッシュレスあるいはポイント、さまざまなFintechサービスの発展を見ていると、大変わくわくする部分があります。従来、銀行・証券・保険といった伝統的な金融機関のサービスを見ていたときにはちょっと考えられなかったような新しいものがどんどん出てきています。今の資金決済法における資金移動業であるとか、あるいは前払式支払手段であるとか、あるいは今日議論されている収納代行であるとか、さらには、その範囲外であるポイントであるとかというものを融合した形で提供されています。法律上は当然、各々は明確に分かれるわけですけれども、今、実態はどうなっているかというと、例えば、収納代行のツールを使って一定の資金をためる。それによってポイントがつく。そのついたポイントを今度は前払式支払手段に変えてどこぞで使う。またそこでポイントがつく。こういう方法でやるとこれだけもうかるんですよみたいなことが、ガイドブックみたいな本にたくさん書いてあります。はたまた、ポイントそのものも最近はなかなかすごいのが出てきていまして、例えばストックポイントと呼ばれるものがあります。これは、ポイントそのものが株価に連動するのです。このポイントは、例えばカルビー、日清食品あるいはHondaの株価に連動するようにしてくださいというふうに指定をすると、そのとおりにポイント自体が上がったり下がったりするんですね。こういうことは預金とかでやろうとしても、多分、「いや、それはちょっとまずいんじゃないですか」、「それ、有価証券じゃないですか」みたいな議論になりやすいんですけど、これはポイントなので、何となくその辺が緩く、さまざまなイノベーションにつながっています。従来、金融の考え方でいくと、機能をきちんと区切って、法律構成と約款とを整えようとするものですが、今、それがスマートフォンとかインターネットによって融合することで、ある意味でいいとこ取りみたいなことをして新しいサービスをつくろうという覇を競っているような状況が見てとれます。もちろん、全体として見ると、ほんとうにこんな合わせて何%もポイントをつけちゃって、これは大丈夫なんだろうかと思うようなサービスもありますが、ただ、逆に言うと、そういうものを一生懸命やることによって、実はいろんなところに隠されていた業者間のリベートであるとか、あるいはある種の販促費の中からこういうものが取れるのであるということがいろいろと出てくるということになると、それは従来の通常の支払い、決済とはちょっと違った意味でのおもしろい動きであるなと思います。
かたがた、じゃあ、そういうものが、正直言ってだんだん得体の知れない決済手段になってくるわけですが、それが先ほど植田メンバーがおっしゃったように日本の決済の半分を占める、消費者の決済の半分を占めるとなったらどうすべきでしょうか。中国の実態なんかを見てみますと、もうほとんど全部アリペイとウィーチャットによって決済をされているわけですね、個人間あるいはB to Cの決済というのは。そうなってきたときに、規制当局としてはどう対応するんだというのは多分大変悩ましい問題であろうと思います。今現在は、例えば中国では、伝統的な金融業と、新しい決済手段というものが比較的友好な関係を持っているようでございますけれども、当然、内容をみれば将来的にはコンフリクトが起こり得るものを持っているわけです。現在当局が銀行として規制しているわけではない主体が重要な役割を果たしているわけで、それは、もし万一、何か事が起こったらどうなんだろうかという議論に当然なります。
そういう意味で考えていくと、これまでもずっと議論されてきたように、リスクであるとか、あるいはセキュリティーであるとか、そういう問題が重要な訳ですが、それは当然、金額の多寡に依存するわけでございます。その意味では、少額の取引に限るのであれば、仮に消費者との間で問題が起きたり、あるいは不正が行われて企業自体が損害を受けるような状況となってもカバーできます。実際、最近、とあるキャッシュレス決済業者が大規模なキャンペーンを打ったときに、クレジットカードの情報が大量に不正利用されて、それを補償するといったような事件が起こっているわけですけれども、現在の規模であれば十分にカバーできる範囲だと思います。しかし、これがもっと大きくなってきたらどうなるのかということを考えると、それはやはり大きな取引シェアを持っているところ、あるいは大きな金額を取引しているところに、ある意味で規制監督のための資源を集中するということが非常に大事ではないかと思います。よく検査・考査などでリスクベースという議論をしますけれども、今回、この6ページであるとか、あるいは10ページであるとか12ページといったようなところで実際の金額、数字が出てきたのは大変意義があって、そういうものをきちんと集めながら、どこに注目していくべきかということをしっかり見ていく。しかも、仮想通貨の世界でいくと、2017年に一気にものすごい取引金額になっちゃったわけですけれども、キャッシュレスの世界も結構変化が激しいですから、何が起こるかわからないので、それに対する準備を十分にしておくということが大事ではないかということを申し上げさせていただきたいと思います。
ありがとうございました。

【岩原座長】
森下さん、お願いします。

【森下メンバー】
ありがとうございます。
まず、収納代行についてですけれども、通常、収納代行がなぜ資金移動に当たらないかというときには、先ほど来出ています代理の構成ということを考えてきたということだと思うのですけれども、事業法人であればともかく、あるいは事業性個人の方であればともかく、割り勘をしようという普通の個人が事業者を代理人として選任するというような意思があるとはなかなか考えにくいと思います。代理人にお任せして、分別管理もされているかどうかもわからず、その人がいなくなってしまえばフルにリスクを負うというようなことまで承知で、しかも、例えばオンライン上だけで代理人に選任しているというのは、仮に何かにそのようなことが書いてあったとしても、書いてあるからそのとおりの意思が認められますというようなものではないのかなと思います。ビジネスのときは、ビジネスの過程でほかにも代理人を使うというようなこともあると思いますので、そこのリスクはとってくださいという話はできると思うのですが、個人の場合に、そういった意思を前提とするような法律構成にどこまで合理性があるのかというのは、やや疑問に思います。
そうしますと、そのようなリスクテイクの意思ですとかがはっきりしないにもかかわらず、法律構成だけそのような形にして、その結果、規制がかからなくなるというような状態というのはよろしくないと思いますので、収納代行との関係で言えば、個人、特に代理人選任などについてちゃんとした意思決定が考えられないような人との関係では、収納代行のような形をとったからといって、資金移動業の対象外となるというのは少し考えたほうがいいのではないかなと思います。
ただ、実質を考えて、この場合ぐらいだったら規制しなくていいではないかというふうにもし我々が思うのだとすると、それは、少額だとか、イノベーティブだとか、そういうことが理由だと思うんですね。そうであるならば、おそらく今までのお話からすると、資金移動業というような形にしたとしても適用除外にすればいい、規制の対象外にすればいいだけの話だと思います。リスクが小さい、この個人にリスクをとらせても構わないと思うのであれば、むしろ正面から資金移動とした上で、その適用除外とするのが筋であって、ちょっと仕組みを不自然な形に変えましたというようなことで、規制の対象になったり、ならなかったりするというのは、考えたほうがいいのではないかなと思います。
資金移動についてですけれども、今も言及したのですが、リスクの小さい取引については、資金移動業の規制をもう少しやわらげるとか、あるいはほんとうに小さかったら適用除外にするとか、そういうようなことはあってもいいと思いますし、逆に言えば、金額が大きい取引であったとしても、その分の必要な規制に服するのであれば、そこを広げるということはあってもいいのかなと思います。今日の事務局の資料1の3ページで柔構造化というときに、3つの段階を書いていただいていますけれども、例えば真ん中が100万だとすれは、その上下に何かつくるというようなことはあってもいいのかなと思います。ただ、これは何度か申し上げたのですけれども、例えば大きな金額の資金移動を認めますといった場合、外国では確かにそういったことについて特に上限がないというような例があるかもしれませんが、外国の資金移動に関する規制というのは、もう少しいろんなリスクに関して備えるための整備がなされていると思います。例えば無権限の資金移動についてどうなんだと。そういうものがなされたときにはどうなんだ。あるいは、口座の管理というようなことについてどうなんだと。顧客に対して何を説明するんだと。何日以内に何をしなければどういった責任を負うのか。そうしたようなことについての規制があって、そういったパッケージの上でいろんなものができ上がっていますので、上限金額だけを比較して「日本はちょっとおかしいのではないか」と言うのは、もう少し詰めて考えたほうがいいのではないのかなと思います。
あと、先ほど来、預かり金が議論になっていると思うのですけれども、現在の資金移動業の規制ですと、預かり金が存在するということを前提にしたルールづくりには、私の理解ではおそらくなってないと思うんですね。例えばPSD2では、口座があることを前提にした支払いの類型なども規定していると思いますけれども、我が国の法制は、そういった部分もまだまだ未完成なように思います。預かり金が確かにあって、預かり金口座に幾らでもお金を入れられて、そこからどこにでも送金できて、そこにどれだけお金を置いておいてもいいというのだとすると、預金と何が違うんだろうというような気もするわけですけれども、そういうようなものを認めていくというのであれば、もう少し資金移動業における預かり金とか口座というようなことの位置づけということについてもしっかりと考えないと、ちょっと全体としてバランスを失した体系になってしまうのではないかと思います。
最後にポイントですけれども、ポイントについては、先ほどイノベーションの一つの場になっているというお話があったと思うのですけれども、いろんな創意工夫があっていいのかなと思うんですね。
あとは、ポイントについて規制をするといったときに、決済法制として何を規制するんだろうというようなことがあると思います。今までのお話を伺っていますと、勝手に変更するというのがけしからんと。使える場所が減るとか、そういうのが減るのはけしからんというようなことは一つ確かにあり得るのだと思いますけれども、例えばもともと約束していたのに、使えると約束していた場所を勝手に約束を破って使えなくしたというんだったら、これは普通に債務不履行だと思いますし、約束をいつでも気分次第で変えられるとなると、ほんとうは有効な約款として維持できるのだろうかというような、どちらかというとそちらのほうの話のような気がいたします。あるいは、何の約束もしていないにもかかわらず、さも約束したかのようなふりをして「これ、いいポイント上げますよ」なんか言えば、これはどちらかというと虚偽の販売促進というような気はするんですね。そうすると、そういったようなそれぞれのルールがある中で、じゃあ何を規制するんだろうというのが少し気になるところで、当面はそちらに委ねていいのではないかと思います。
ただ、先ほどマイレージのお話がありましたけれども、余りに大きく、つぶれてしまっては困る。勝手に変更してもらっては困るではなくて、失われてはほんとうに困ると。社会がみんな困る、みんながびっくりするというようなものというのは、もはや別の次元の話だと思います。それはどちらかというと前払式支払手段的な規制になじむようなものだと思いますので、もしそういったようなものについて必要なのであれば、一定以上の規模あるいは一定以上の機能を果たすものについては、何らかの形で前払式支払手段と同様の規制に服するようにしておくことが考えられると思います。あとは、せっかく民法にも約款の規制なんかもできてきているわけですし、当面そういうようなところでしっかりとした運用がなされていくということに任せてもいいのではないかと感じております。
以上です。

【岩原座長】
皆様からご意見承ったと思います。私も一言。
皆様のご意見を伺いまして感じたことは、まず第1に、収納代行についてC to Cの利用があらわれてきているということは非常に注目すべきで、それを考慮した対応を考えるべきだというご指摘を多くの方からいただいたと思います。C to Cだけでなくて、B to Cといっても、例えば収納代行、前と違って中小事業者も利用するようになっていますから、B to Cの内容も、以前、10年前とは変わってきているということを考える必要があると思います。ドイツでは、以前から収納者が資金を取り立てるための手段としてラストスイフトというのがありまして、これは銀行業として定義されていて、銀行しかできないことになっているわけで、非常に広い範囲の人がそういうサービスを利用するようになると、従来考えていた大企業が利用して収納するというだけではない世界を考える必要が今では出てきているかと思います。
それから、例えば植田さんや岩下さんなんかからご指摘がありましたように、決済として利用されている場合でも、それが非常に大きいシェアを占めて決済全体の中で非常に大きい存在になったときは、これはそれのセキュリティー等を考えて規制等も考える必要が出てくるかもしれないというご指摘があったと思います。これは非常に大事なご指摘だと思うんですけれども、制度としてつくるときに、そういうときの要件をどうやって法律で書けるかというのは非常に大きい問題ですので、そこは十分考える必要があると思います。
そしてまた、決済機能だけでなくて、資金の滞留など、いわば預かり金的に機能を提供するということは、これは前払式支払い手段になっていくんじゃないかという森下さんからのご指摘だったと思いますが、そういうふうになっていった場合、決済とそういういわば預かり金的な機能を両方営むような、さらに行けば貸し付けまで行くのもいいなとなると、まさにアリババなんかがそうだと思いますけど、これ、もう銀行と同じ、あるいはそれ以上のことを社会の中で果たしているわけで、そういうふうに、今、機能別な規制を考えていますが、それをあわせ営んだときにどういう規制を考えるかということがやはり課題としてあると思います。
それから、例えば資金移動業者の取引額の上限を撤廃するなどしていく、あるいは収納代行等で資金移動をするときに、かなり緩やかに認めていくとすると、さっきご指摘ありましたけれども、マネロンなどについて、銀行については非常にFATFなんかで厳しい規制が加えられていますが、それ以外の形態で実質的な資金移動を広く行うようになったときに、そういう銀行以外の資金移動に携わる人たちについて同じようなルールが必要ではないかと。イコールフッティングという言葉がありましたが、レベル・プレイング・フィールドと申しますか、それは考えていく必要があるかと思います。
というようなことを感じたところであります。
皆さん、大変熱心なご議論をいただきましてありがとうございます。
オブザーバーの方で何かご発言があれば。はい、どうぞ。

【小木曽オブザーバー】
すみません、新経済連盟の小木曽と申します。今回からオブザーバーで参加させていただきまして、ほんとうにありがとうございます。
各メンバーの方から、規制をかけることでかえって利便性を阻害してしまうリスクや、あるいはいきなり規制なのかという話がございました。我々もまさに同意見でございまして、我々の意見としては、収納代行、代引、それからポイント・サービスなどについては新たな法制度は不要と考えておりますが、一方で、今日のキーワードとして実態把握という話があったと思います。我々も経済団体でございますので、その実態把握という意味でご協力できるところはもちろんあると思いますので、この場で例えば披露するとかいろんなこともできると思いますので、それはお声がけをいただければと思います。
すみません、失礼しました。

【岩原座長】
どうもありがとうございました。
ほかのオブザーバーの方で何かご発言ありますでしょうか。丸山さん。

【丸山オブザーバー】
Fintech協会の丸山でございます。今回からオブザーバーで参加させていただきます。
各委員の皆様ありましたとおり、イノベーションということ、それから過度なコストにならないこと、利用者保護ということと利便性ということのバランスだということは、非常に我々も賛同させていただきます。
1点、収納やポイントに関して重大な事故が起こっていないというようなお話も多々あったと思いますが、実態把握の中でなぜ起こっていないのか、こういった観点でいろいろヒアリング等をいただければ非常にうれしいかなと思っております。実際、Fintechサービスと言われるものが、なぜこれだけ便利なサービスがどんどん生まれつつ大きな問題が起きていないのか。これは、先ほど先生方からもありましたとおり、実はかなりユーザーのために、ユーザーの評価、このためにフォーカスをしてやっているサービスがありまして、ちょっと違う改悪をするですとか、少し評判が下がると、もうそのサービスがすぐになくなってしまうような、ある種、非常に牽制・競争がきいた社会でサービスが切磋琢磨している環境でもあります。こういったこともあって、民間の努力の中で安定したサービスが進んでいるというところもあろうかと思いますので、こういったところの実態、強みですとか、そういったところもぜひヒアリング等をしていただけますと大変ありがたいなと思います。

【岩原座長】
ほかに何かございますか。よろしいですか。
それでは、次に進ませていただきたいと思います。それでは、仮想通貨交換業等に関する研究会の報告書について、神田座長からご紹介をお願いいたします。

【神田メンバー】
ありがとうございます。お手元に資料3-1と3-2があると思います。3-1のほうが研究会の報告書の概要でありまして、3-2が報告書の本体ということになります。本日は、お手元の3-1に沿って簡単に研究会の報告書の内容をご紹介させていただきます。
皆様方ご存じのように、仮想通貨に関しては、2017年の4月から仮想通貨と法定通貨の交換業者に登録制が導入され、マネーロンダリング、テロ資金供与規制の対象とされるとともに、利用者保護のための一定の制度的枠組みが整備されました。
その一方で、その後、顧客の仮想通貨の流出事案が発生いたしましたほか、監督当局の検査を通じて業者の管理体制の不備等が把握されました。また、仮想通貨の価格が乱高下し、仮想通貨は投機の対象になっているとの指摘もされておりますし、そのほか、仮想通貨を用いた証拠金取引あるいは資金調達といった新しいタイプの取引も登場してきました。
そこで、仮想通貨交換業等に関する研究会は、このような状況を受けまして、昨年3月にこの分野についての制度的な対応を検討する場として設置されました。この研究会には、本スタディ・グループのメンバーでもいらっしゃいます岩下メンバー、翁メンバー、神作メンバー、坂メンバー、永沢メンバー、福田メンバー、森下メンバーにもメンバーとしてご参加いただきました。
検討に当たりましては、利用者に適正な自己責任を求めることを念頭に置きながら、仮想通貨を用いたさまざまな取引の機能に着目し、同様の経済的機能、リスクを有する場合には同様の規制を適用するという考え方を基本としつつ、制度的な対応のあり方について11回にわたる議論をしていただきまして、昨年末の12月にこの報告書を取りまとめるに至りました。
報告書の内容でございますけれども、主な項目は、この資料3-1の真ん中にあります3つに分類されます。その他の項目として資料の一番下の枠の中に記載してあります。
1つ目ですけれども、仮想通貨交換業者を巡る課題への対応ということになります。これは、仮想通貨の流出リスク等への対応ということになりまして、そういうものとして、そこに書いてありますように、オンラインで秘密鍵を管理する顧客の仮想通貨相当額以上の純資産額及び顧客に対する弁済原資となる同種・同量以上の仮想通貨の保持を義務づけること、それから、顧客の仮想通貨返還請求権を優先弁済の対象とすることなどを提言しております。また、業務の適正な遂行の確保という観点から、そこにありますように、取引価格情報の公表を義務づけること、投機的取引を助長する広告や勧誘を禁止することなどのほか、例えば移転記録が公開されないなど業務の適正かつ確実な遂行に支障を及ぼすような問題がある、そういう仮想通貨の取り扱いは禁止することなどを提言しております。
2つ目、真ん中なんですけれども、仮想通貨証拠金取引等への対応です。機能・リスクを踏まえまして、外国為替証拠金取引と同様の規制の対象とした上で、適切な証拠金倍率を設定することや、仮想通貨のリスクに関する説明義務など仮想通貨の特性を踏まえた追加的な対応を講じることなどを提言しています。また、仮想通貨の信用取引につきましても、証拠金取引と同様の機能・リスクを有するということを踏まえまして、同様の規制を適用すべきとの提言をしております。
右のほうの3つ目は、ICOへの対応です。ICOにつきましては、詐欺的な事案が多いなどさまざまな問題への指摘が多い一方で、新たな資金調達手段として将来の可能性も含めて一定の評価もあるという状況にあります。そういった状況を踏まえまして、ここでも機能やリスクに応じて規制内容を明確化した上で、利用者保護や適正な取引の確保を図っていくことを基本的な方向性とすべきであると提言しています。具体的には、仮想通貨による出資など収益分配を約束して仮想通貨の調達を行う投資性を有するICOについて、金融規制の対象となることを明確化することを提言しております。また、資金調達に当たって、企業等が発行いたしますICOトークンと呼ばれているものですけれども、その流通性の高さ、あるいは投資家のリスク等を踏まえ、株式などと同様に発行者に公衆縦覧型の発行・開示及び継続開示を義務づけること、また、ICOトークンの仲介業者を証券会社と同様の業規制の対象とし、発行者の事業や財務状況の審査を義務づけることなどを提言しております。投資性を有しないその他のICOにつきましても、ICOトークン自体が仮想通貨に該当し得ると考えられることから、ICOトークンを取り扱う仮想通貨交換業者に対して、発行者による事業の実現可能性等に関する顧客への情報提供を義務づけることを提言しております。
最後に一番下、その他の項目のところなんですけれども、仮想通貨の現物取引につきましても、不当な価格操作などの不公正な行為を行為主体を限定せずに禁止するとともに、仮想通貨交換業者に取引審査を義務づけ、未公表情報に基づく利益目的での取引を禁止する。それから、仮想通貨の管理だけを行ういわゆるカストディ業務につきまして、仮想通貨交換業規制のうち、仮想通貨の管理に関する規制を適用する。そして、新しい業規制の導入に際して経過措置を設ける場合には、経過期間中の業容の拡大を禁止するといったことなどを提言しております。また、仮想通貨という呼称というか、概念についてなんですけれども、ご存じのように、G20をはじめといたしまして、最近では国際的にはバーチャル・カレンシーではなくてクリプトアセットという表現が用いられつつあること、それから、法定通貨との関係で仮想通貨という言葉は誤解を招きやすいという指摘があることを踏まえまして、法令上の呼称を「暗号資産」に変更する方向性を示しております。
最後に、報告書で言うと「終わりに」の部分になるんですけれども、技術の進展などを通じて仮想通貨を取り巻く環境が変化を続けております。その中で、今後、関係者において、この報告書に示された考え方を踏まえて、実現可能なものから速やかに適切な対応が図られることを期待しております。また、そうした対応がされることで、仮想通貨に関する取引に適用されるルールが明確化され、その結果、ゆがみのない形で今後のイノベーションの可能性が追求されていくということを期待したいと思います。
以上、簡単でございますけれども、研究会の報告書をご紹介させていただきました。ありがとうございました。

【岩原座長】
どうもありがとうございます。
時間も限られておりますが、本件につきましてご質問等ございますでしょうか。いかがでしょうか。特にございませんか。
これは、この報告書を受けて、資金決済法を改正するんですか、それとも金融商品取引法を改正するんですか。

【小森市場課長】
事務局のほうからお答えさせていただきます。この研究会の報告書をいただきまして、現在、法案を改正すべく準備中でございますけれども、資金決済法に、仮想通貨交換業者に関する規定がございますので、これを改正する必要があると思っております。それとともに、座長のおっしゃったとおり、金商法の規定と類似した改正内容もございますので、そちらについても改正をお願いするということを考えているところでございます。

【岩原座長】
どうもありがとうございます。暗号資産になるわけですから、金融商品の一つという位置づけも十分あり得るかと思いますが、規制内容もICOなんかはほとんど金商法の規制になってくるかと思います。
よろしいでしょうか、皆さん。
特にないようでございましたら、これで本日の審議を終えさせていただきたいと思います。決済の横断法制につきまして、本日いただきましたご説明やご意見等を踏まえ、引き続き審議を進めていきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
最後に、事務局のほうから連絡事項等がございましたら、お願いいたします。

【岡田信用制度参事官】
毎度のことで恐縮ですが、次回のスタディ・グループの日時につきましては、皆様のご都合を踏まえた上で、また後日、ご連絡、ご案内させていただきたいと思います。

【岩原座長】
それでは、以上をもちまして、本日のスタディ・グループを終了させていただきます。どうもありがとうございました。

                                                    ―― 了 ――

 
 

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