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金融審議会「成長企業への資金供給の在り方等に関するワーキング・グループ」(第1回)議事録
日時:
令和8年9月16日(水曜)10時00分~12時00分場所:
中央合同庁舎第7号館 12階 共用第2特別会議室 ※オンライン併用議題:
- (1)開会
- (2)事務局説明①
- (3)ヒアリング
- (4)事務局説明②
- (5)討議
- (6)閉会
出席者:
- 【委員】
-
山本和彦(座長)、伊藤亜紀、井上聡、上田亮子、加藤貴仁、神作裕之(座長代理・オンライン)、
河野康子、坂勇一郎、杉浦宜彦、武田涼子、松岡直美、家森信善(オンライン) - 【プレゼンター】
- 全国銀行協会、国際銀行協会
- 【金融庁】
-
井上企画市場局長、山下審議官、中島総務課長、横山信用課長、菓子野金融会社法制推進室長
松村銀行・証券監督局貸金業室長、小野貸金業調整官 - 【オブザーバー】
-
日本貸金業協会、全国銀行協会、国際銀行協会、Fintech協会、日本プライベート・エクイティ協会、
日本労働組合総連合会、消費者庁、法務省
議事録:
【山本座長】
皆さん、おはようございます。それでは、定刻になりましたので、ただいまより「成長企業への資金供給の在り方等に関するワーキング・グループ」第1回会合を開催いたします。皆様には御多忙のところお集まりいただき、誠にありがとうございます。
私は、当ワーキング・グループの座長を仰せつかっております、中央大学の山本でございます。どうかよろしくお願いをいたします。
初めにワーキング・グループについて御説明をしたいと思います。
資料1を御覧いただければと思います。ワーキング・グループは、この資料1にありますとおり、本年8月31日に開催されました金融審議会総会・金融分科会合同会合におきまして、日本成長戦略における戦略分野等への成長投資や、日本企業の事業再構築・再編を支える資金の好循環を創出するため、社会情勢の変化も踏まえつつ、資金供給主体の多様化等を図る観点から、事業者向け貸付けに係る貸金業の規制の柔構造化等について検討を行うことという、大臣からの諮問がされたことを受けて設置されたものであります。
この諮問の趣旨に従い、皆様から御意見をいただきつつ、幅広い観点から議論を進めてまいりたいと考えておりますので、どうか御議論のほどよろしくお願いを申し上げます。
次に、会議の運営と議事の公開、そして議事録の取扱いについて、お諮りしたいと思います。会議は、本日もそうですが、オンライン会議を併用した形での開催とさせていただき、会議の模様についてはウェブ上でライブ中継をさせていただきたいと思います。また、議事録につきましては、発言者の氏名を記載して作成の上、後日、金融庁のウェブサイトに掲載をさせていただきたいと考えております。
以上のような取扱いとさせていただきたいのですが、そういうこととさせていただくということでよろしゅうございましょうか。
(「異議なし」の声あり)
【山本座長】
ありがとうございます。御異議ないようですので、それでは、そのような形で進めさせていただければと思います。
次に、事務局より、メンバーの皆様の御紹介をお願いいたします。
【横山信用課長】
信用課長の横山です。よろしくお願いいたします。
このたび当ワーキング・グループの委員に御就任いただいた方々を御紹介させていただきます。資料2のメンバー順に御紹介させていただきます。
伊藤亜紀様です。
井上聡様です。
上田亮子様です。
加藤貴仁様です。
神作裕之様です。本日は途中までオンラインで御参加をいただく予定です。
河野康子様です。
坂勇一郎様です。
杉浦宣彦様です。
武田涼子様です。
松岡直美様です。
家森信善様です。本日は途中までオンラインで御参加いただく予定です。
また、本日は御欠席でございますが、翁百合様、西原里江様にも委員をお引き受けいただいております。
オブザーバーにつきましては、時間の都合もございますので、メンバー名簿をもって御紹介に代えさせていただきます。
以上です。
【山本座長】
ありがとうございました。
なお、今後、私が何らかの事情で会議に参加できないような場合に備えまして、なるべくそうならないようには努めたいと思いますけれども、神作委員に座長代理をお引き受けいただいております。神作委員におかれましては、どうぞよろしくお願いいたします。
【神作座長代理】
よろしくお願いいたします。
【山本座長】
それでは、メディア関係者の方々はここで御退席をお願いしたいと思います。
それでは、議事の方に移りたいと思います。本日は、初めに、事務局より、成長企業に対する資金供給主体の多様化をめぐる現状と課題について御説明をいただきます。続けて、外国金融機関等のシンジケートローン参加拡大について、全国銀行協会様及び国際銀行協会様より、それぞれ御発表をいただきたいと思います。最後に、事務局より御議論をいただきたい論点について御説明をいただきます。
その後、全体について、まとめて委員の皆様より御質問、御意見を頂戴するという流れで進めさせていただきたいと考えております。
なお、本日は初回の会合ですから、委員の皆様からは、本日主に御議論いただくシンジケートローンに係る論点だけではなく、先ほどの諮問事項あるいは当ワーキング・グループの検討課題について幅広い観点から御意見をいただければと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
それではまず、事務局より説明をお願いいたします。
【横山信用課長】
それでは、お手元の資料3に沿って御説明をさせていただきます。事務局説明資料①とある資料でございます。
まず、1ページ目でございます。本ワーキングの設置の背景でございますが、「強い経済」の実現に向けた17の戦略分野等への成長投資や、日本企業の事業再構築・再編を支える資金の好循環を創出するためには、金融機関の資金供給・成長支援機能の強化が必要と考えられます。特に、大型M&A等に取り組む成長企業の大規模な資金需要を満たすため、資金供給主体の多様化を図る必要があると考えられます。
主な検討課題でございます。借り手の属性や貸付けの態様等にかかわらず、基本的に各種の規制を一律に課している貸金業法等について、資金供給主体の多様化を図る観点から、事業者向け貸付けに係る規制の柔構造化を検討してはどうかと考えております。
検討の具体例として3つ掲げております。1点目、事業再編に取り組む大企業に対する貸付けなど、いわばプロ向けというべき貸付けについて、現行の規制が貸し手・借り手双方のビジネスに即したものになっているか。2点目、海外企業との大型M&Aに取り組む日本企業の外貨を含む資金需要に対応するため、日本で銀行免許がない外国銀行等のシンジケートローンへの参加を促す観点から、規制をどう考えるか。3点目、ノンバンクが社債による資金調達を行う場合、ノンバンク社債法によって資本金等の要件を満たすことが求められているが、その在り方をどう考えるか。
このうち、赤で囲っております2点目の課題について、本日は重点的に御議論いただきたいと考えております。
それから、併せて、書面交付や物理的な掲示を前提とした規制などについて、デジタル化等の社会情勢の変化に伴い、見直しを検討してはどうかと考えております。
2ページ目からが、その背景となるデータ等をおつけしております。2ページ目は、日本企業の事業再編の現状ということです。我が国のM&Aについては、件数・金額ともに伸びてきているという状況でございまして、拡大する資金需要に対応するため、資金供給主体を多様化し、厚みのある金融市場を目指す必要があると考えられます。
3ページ目が、事業再編に係る資金調達手法でございます。左側が、例1ということでシンジケートローンでの多様化のイメージです。大規模な資金需要や外貨の資金需要を満たす必要がある借入人について、アレンジャーが取りまとめ役となりつつ、国内銀行や外国銀行が貸出しを行うということが想定されるわけですけれども、このうち、日本に拠点がない外国銀行・外国機関投資家の場合は、現行法ですと貸金業の規制がかかるといった形になっております。
例2がLBOローンでの多様化のイメージです。買収等を行う場合、SPCを組成して行う場合が多いということでございますが、そのSPCの資金調達として、シニア、メザニン、エクイティというのが考えられますけれども、このうちメザニンの担い手は、貸金業法の規制がかかるようなリース事業者等が担っているということでございます。
4ページ目、日米の事業者向け貸付け市場の比較です。我が国の事業者向け貸付けでは、預金取扱金融機関のシェアが非常に大きい。我が国の貸金業者による事業者向け貸付残高は、アメリカのプライベートクレジットの貸付残高の28分の1程度となっているということでございます。
5ページ目、ベンチャーデットについてです。ベンチャーデットの事業は堅調に推移しています。こうした中で、借り手の適切な保護を前提とした上で、ベンチャーデットの貸し手が社債発行により資金調達をすることを円滑化する必要が指摘されているということでございます。左側のノンバンク社債法というものがございまして、現行法ですと、ノンバンクが社債を発行する場合は資本金10億円以上が必要といった要件が課されているということでございますが、ノンバンクが比較的規模が小さい場合、こうした要件が社債発行にとっては難しいというような指摘がございます。
下側ですが、現行の貸金業法ですと、借り手によらず契約締結前・締結時に原則として書面を交付する義務があるということでございますが、※にあるように、債務者等の同意を得れば電磁的方法でも情報提供可能となっております。消費者金融大手の4社のウェブ完結型契約の割合は96%に達しており、その100%において電磁的方法による情報提供がなされているといった状況でございます。
6ページ目は、消費者向けの貸付けの現状ということでございます。こちらは本ワーキングで重点的に御議論いただくものとは考えておりませんが、御参考でおつけしております。2006年の貸金業法改正によって総量規制や上限金利の引下げが導入されました。その結果、貸金業者から複数件の借入れ残高がある人数や貸金業者の行政処分件数が大きく減少しております。なお、多重債務者対策に関しましては、「多重債務問題及び消費者向け金融等に関する懇談会」という場が別途設定されておりまして、こちらの懇談会において継続的に御議論をいただいているというところでございます。
最後に、関連する政府文書についてお示ししております。
私からは以上でございます。
【山本座長】
ありがとうございました。それでは続きまして、全国銀行協会様より御説明をお願いいたします。
【全国銀行協会】
全国銀行協会で企画委員長を務めております、みずほ銀行の黒澤でございます。それでは、右肩資料4とあります資料を用いまして、外国金融機関等による国内シローン参加を拡大する意義と必要と思われる規制緩和につきまして、銀行界の意見を御説明申し上げたいと思います。
1枚めくっていただきまして、1ページ目です。左上ですけれども、政府におかれましては、2040年度に250兆円の国内投資を実現するという目標を掲げておられます。その実現に向けて、銀行に対し、大規模なM&AやAIデータセンター建設など大型プロジェクトの資金調達ニーズに向けて機動的な対応をすることが期待されていると承知しております。
一方、今後は大規模かつ複雑なリスクを伴う案件が増えることが想定されておりまして、加えまして、IN-OUT型のM&A、すなわち日本企業による海外企業の買収も増加することが見込まれております。そのため、買収資金として、国内で大規模な外貨を迅速に調達する必要性や機会が一層高まると考えられております。その意味におきまして、外貨の出し手を増やすということが大変重要になってくるということでございます。すなわち、銀行界としては、国内のシンジケートローンに参加可能な外国金融機関等を拡大することが必要と考えているということです。
続いて、2ページ目です。左側のグラフは、国内のシローンの組成額でございます。増加基調にあって、シローンが企業にとっての主要な大口の資金調達手段になっていることが見てとれると思います。一方、シローンの参加者となる邦銀でございますけれども、右ですが、地銀を中心に預貸率の上昇が顕著という状況になっておりまして、その資金供給余力については減少傾向と言えるような状況になっております。
3ページ目です。一方で企業の動きですけれども、日本企業による海外企業の買収は件数・金額ともに大きく増加しておりまして、一つ一つの案件の大型化も進んでおります。こうした案件ではシローンを用いて買収資金を調達するケースが非常に多く、その際は短期間で大口資金を確保することが必要になってまいります。特に海外企業の買収に当たって迅速な外貨調達が必要な場合もございますが、金額が多額にのぼり、邦銀と、あと国内拠点を有する外国金融機関だけでは必要な外貨が集められずに、国内拠点を有さない外国金融機関等から外貨を調達するようなストラクチャーを組む対応をせざるを得ず、借入人及びレンダー双方に大きな手間とコストがかかったような案件も起きていると承知しております。
4ページ目です。こちらのページは、邦銀の外貨調達上の課題についてお示ししております。邦銀にとっては、安定的な外貨預金を積み上げること自体は必ずしも容易ではなく、3メガバンク合算の外貨建ての預貸率を見ると貸出し超になっているという状況です。結果といたしまして、邦銀としての外貨調達は、預金よりも調達コストが高く市場環境の影響を受ける中長期の市場調達を中心に活用せざるを得ないというのが実情でございます。
続いて、5ページです。外国金融機関等の日本市場への関心の高まりを示しております。それぞれの図表で示しておりますとおり、例えば左側では、外資系PEファンドによる日本企業買収が活性化している事例とか、右側でございますと、過去最高を更新した海外投資家による日本株の保有額・保有比率の上昇が見てとれると思います。
6ページ目でございます。シンジケートローンの活用についてでございます。シンジケートローンにつきましては、左側、オレンジの囲みに書いてありますが、JSLAという業界団体によって契約書等の標準化が進められておりまして、一連のプロセスについては相当程度一般化されているという状況です。また、シンジケートローンにつきましては、単一の融資契約に基づいて複数の貸付人が同一条件で融資に参加するということになりますので、それぞれの貸付人が独断で資金回収をしたり、担保処分をするようなことは禁止されております。加えまして、契約締結後は、アレンジャーとなった金融機関がエージェントに就任して、中立的な立場で元利金の受渡しや通知などの事務を取りまとめるというような行動をとります。
最後、7ページ目でございます。改めまして銀行界としての具体的な要望事項ということで2点申し上げたいと思います。1点目は、下のボックスの1つ目のポツのところですけれども、外国金融機関等が国内シローンに参加する場合における貸金業登録要件の緩和になります。こうした外国金融機関等は、日本に拠点を設置するコストに見合う収益を得られるのか判断できかねている面もございますので、シローン参加の形で弊害を防止しつつ、規制緩和によって日本市場への参入を容易にすることができれば、経営判断の後押しになると考えています。
2点目は、その下のポツのとおり、債権譲渡規制の見直しでございます。債権譲渡時における法定様式での通知義務や、債権譲受人にも行為規制が課せられるといった点につきましても、シローンに参加するところへのハードルになると考えています。
最後に記載しておりますとおり、これらの緩和は、基本的にはプロの借入人を対象とするシローンに限定するということを前提で申し上げているということでございます。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
【山本座長】
ありがとうございました。それでは続きまして、国際銀行協会様より御説明をお願いいたします。
【国際銀行協会】
おはようございます。IBA、国際銀行協会の鳥海でございます。本日はお時間を頂戴しまして、誠にありがとうございます。
私どもは、日本で営業しておる外国銀行、外国証券会社、外国資産運用業者、延べ100行、100社ほどが加盟している業界団体でございます。1980年代の半ばから活動しております。
今回のワーキングのテーマは、成長企業への資金供給の在り方等、具体的には貸金業法の柔構造化と存じております。資料としましては資料5を御用意しておりまして、私どもの立ち位置はこの1ページ目に集約、要約させていただいております。この資料を全て事細かく御説明しておる時間はございませんので、私の口頭でメッセージをお話しさせていただければと思います。
私どもの会員を見ますと、その多くが法人とか金融機関をお客様としておりましてお取引しておるのが実情でございます。このため、現在の貸金業法が定める各種の規制や要件が必ずしもお客様や私ども業者自身のニーズに合致しているのだろうかという場面に多く遭遇してまいりました。したがいまして、今回の柔構造化の御検討は歓迎して賛同する声が多うございます。
詳しくは別紙に記してございますけれども、例えば、国内の地域金融機関や生命保険会社などの資金運用の目的で融資先の案件に向けた貸出しを、これは外資系あるいは日系の証券会社が媒介するというケースがございますけれども、これは貸金の媒介に当たります。貸付先は信託銀行の信託勘定などプロフェッショナルな先でございますので、法定書面の交付などが本当に必要なんだろうかと関係者が感じているところでございます。また、海外のプライベートファンドが国内で貸金を行おうとする場合には、国内拠点を設けて貸金業登録をして貸し付ける必要がありますけれども、人的要件、財産的要件など全てを満たすことは、プロが貸付先である場合に本当に必要なんだろうか、あるいはその貸付けスキームが達成しようとしている目的に照らして合致しているだろうかという声もございます。詳細な御議論は次回のワーキング・グループ以降かと存じますけれども、ぜひ結論を得ていただいて、実現されることを期待したいと存じております。
他方で本日のワーキングのテーマであるシンジケートローンにつきましてですが、私どももその実現を希望するところでございます。同時に、そこから派生する影響について、会員銀行から懸念の声が寄せられているというのが正直なところではございます。2年前の金融審議会の資金決済等ワーキング・グループでも述べさせていただいた問題意識とほぼ変わりはございません。これも詳しくは別紙に記載させていただいております。
私どもの会員銀行を見渡してみますと、シンジケートローンを組成する立場ですと、貸し手の幅が広がることを歓迎する声が多うございますし、借入れ企業にとっても、組成がしやすくなる、金利とかその他のコストも有利な面もあろうかと思います。
他方で、会員銀行の中には、シンジケートローンを組成するよりも参加する方の立場である、それがビジネスの一つの柱だという銀行もございます。こうした外国銀行にとりましては、拠点がない外国銀行あるいは外国金融機関などがシローン限定とはいえ貸付けができることになれば、競合しますので、競争条件が変わってしまうという声が寄せられているところでございます。言わばゲームのルールを変えましょうという初期条件の変更が生じるのであれば、既往の規制の枠組みとの間でバランスが崩れていないか、再確認が必要ではないかと存じております。この辺り、本日残念ながら御欠席でございますけれども、翁委員の書面の方にも最後の方に記されているのかなと存じます。
新たにシローンに参加できるようになる拠点がない外国金融機関等に課される義務と与えられる権能がどのように規定されるのか、これはまだこれからの議論次第であると存じておりますので、私どもからぜひこうしてくださいといったことを申すまでもございませんけれども、申せることといえば、同じ業務と同じリスクには同じ規制をという原則にのっとって、既に銀行免許取得済みの外国銀行と新たに参加する拠点がない外国金融機関等の間でシローン参加をめぐって極端な段差が生じないよう、御確認と御調整を希望するところでございます。
一旦こちらで私のプレゼンは一区切りさせていただきます。
【山本座長】
ありがとうございました。それでは続きまして、事務局より論点についての御説明をお願いいたします。
【横山信用課長】
私から、お手元の資料6に沿って説明をさせていただきます。
資料6の1ページ目でございます。シンジケートローンの実務についてということでございます。シンジケートローンの実務としては、アレンジャーとなる金融機関が金利等の契約条件を借入人との間で決定、シンジケート団参加者を募集し、参加する貸付人が融資を実行した後は、各貸付人のエージェントとして元利金の受払い等を行うということでございます。シンジケート団に参加する貸付人は、融資実行にのみ参加するということでございます。シンジケートローン契約の標準化が図られるなど、シンジケート団に参加する貸付人の役割は、契約でも明確となっております。また、金融機関は債権を長期保有する傾向から、機関投資家等へシンジケートローンに係る債権を売却し、組成・流通させる傾向にシフトをしていると承知しております。戦略的な債権の売却は、資本効率を向上させ、新たな資金需要に対する適切な対応が可能となると考えられます。
2ページ目でございます。現行の貸金業の規制として適用される主な規制ということでございます。現行ですと、国内に営業所を有することが前提となっているということや、人的要件として資格のある者を置かないといけないということや、財産的要件として最低純資産額5,000万円以上が定められています。それから、登録は3年ごとに更新が必要になっているといった形で、参入に関する各種の規制がかかっているということでございます。
3ページ目からが御議論いただきたい事項でございます。国内に営業拠点を持たない外国の金融機関等が行うクロスボーダー融資については、成長企業への融資のため、国内金融機関だけでは難しい与信リスクの分担、資金の調達に応じる機能が期待されます。
現行法令では、銀行法に基づく免許を取得した外国銀行支店による融資、貸金業法に基づく貸金業登録を取得した貸金業者としての融資、この2つが認められております。クロスボーダー融資を制度上認める場合には、これらについての制度を見直すことが考えられますが、ここで議論をしておりますクロスボーダー融資は、日本における預金の受入れを伴うものではないことから、貸金業法上の取扱いを検討することが適当と考えられます。
次のページですが、こうした融資に関して、貸出先が大企業等であって、かつ国内法令上の貸付け・媒介の権限を有する者がアレンジャー・エージェントを務め、融資者は融資の実行のみを行うという役割が契約上明確なシンジケートローンに参加する形態であれば、貸出先が十分な交渉能力を有しておって、通常の貸金業と比較して営業範囲も限られているということから、国による監督の下で融資実行者の参入要件等を緩和することについてどのように考えるかを御議論いただければと考えております。
※印として別案のようなものを示しております。アレンジャーに対する規制を強化しつつ、外国からのシンジケートローン参加者には貸金業法を適用しないという方法も考え得るわけですが、アレンジャーに商慣行で求められる役割以上の規制を課すことになることや、シンジケートローン参加者に監督当局の規制が及ばなくなるということから、こちらのような別案ではなくて、上記のような制度設計がより妥当ではないかと考えております。
具体的には、シンジケートローン参加者に対して、登録時の貸金業務取扱主任者設置等の人的要件や財産的要件、登録の更新制度や債権譲受人に対する規制等の適用については、ビジネスの実態を踏まえて、柔構造化を図ることについてどのように考えるかを御議論いただければと考えております。
最後に、国内に営業拠点を持たない外国の金融機関等について、例えば以下のようにその要件や監督当局との対話の窓口の設置等を求めることをどのように考えるかということです。要件としては、金融機関等が外国の法令に準拠して設立されたものであること。それから窓口については、会社法上の外国会社同様、日本における代表者、弁護士法人等を設置するということについて御議論いただければと考えております。
私からは以上でございます。
【山本座長】
ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明を踏まえまして、委員の皆様に御討議をいただければと思います。また、御説明に対する御質問等がありましたら併せて御発言をいただければと思います。
御発言を希望される際には、対面で御出席されている委員におかれては、机上の名札を縦にしていただき、また、オンラインで御参加されている方におかれては、オンライン会議システムのチャット上にて、全員宛てに発言がある旨の御入力をいただければ、それを確認して私の方から指名をさせていただきます。
なお、限られた時間ですので、可能な限り多くの方に御発言をいただきたいということで、恐縮ですけれども、お一人当たりおおむね5分程度を目途に御発言をいただければと思います。時間に余裕があれば、2回目の発言の機会を設けたいと思いますので、恐縮ですが、1回目についてはそのようなことで5分程度ということでお願いしたいと思います。
初めに、本日御欠席の翁委員と西原委員、そして途中までオンライン参加されている家森委員から御意見をあらかじめ頂戴しておりますので、事務局の方から御紹介をお願いいたします。
【横山信用課長】
私から、意見書について御紹介いたします。時間の関係上、資料9の家森委員の意見書から最初に御紹介させていただきます。
日本企業の大規模な事業再構築・再編を支えるため、資金供給主体の多様化を図ることは必要。シンジケートローンへの参加に係る貸金業法の規制の緩和をする方向には賛成です。今回御提案いただいたようなプロ向けの市場では、参加者の自己規律や契約による対応を活用し、規制を必要な範囲に絞ることが適切だと思います。
その際、貸金業法の枠組みを維持しつつ、登録に係る人的要件や財産的要件、更新制度を実態に即して緩和するという事務局の方向性は妥当だと考えます。
外国で銀行免許を受け、母国の監督に服している主体については、その監督の内容も踏まえながら、参加を促すための緩和を進めやすいと思います。
一方、銀行以外の主体については、当初の参加者と債権譲受人についてどのような適格性の確認や要件が必要かを検討しておくべきだと考えます。この点で、国際銀行協会の資料の3ページでは、拠点のない貸し手の背後にいる実質的支配者の素性を確認することが重要と指摘をされています。途中退席するのですが、国際銀行協会におかれては、具体的にどのようなリスクを想定されているかについて、お考えがあれば御教示をいただきたいということでございます。
また、借り手がプロであっても経営難に陥ることあります。事業再生ADRなど、対象債権者全員の同意を必要とする手続もありますので、拠点を持たない外国の貸し手やセカンダリー市場での債権譲受人が加わることで、返済猶予や債務再編の調整にどのような影響があるかを確認する必要があると思います。
併せて、事務局資料②では、「貸出先が大企業等であって」とされていますが、この大企業等をどのような指標で線引きするかは、射程を決める重要な論点だと思います。
最後に、事務局資料①の6ページに示されているとおり、多重債務等の状況は2006年の法改正前後と比べ明らかに改善しています。消費者向け規制の全般の見直しは今回の主な検討対象とは異なると理解していますが、こうした成果を維持しつつ、足元の動向も注視しながら、デジタル化などの環境変化を踏まえ、消費者保護等効率的な業務運営の両立ができるよう、規制の在り方を継続的に点検することも重要だと考えております。
以上でございます。
【山本座長】
ありがとうございました。それでは、ただいま御紹介がありました家森委員の御意見の中で、質問として国際銀行協会様の資料3ページの一番下のところですかね、拠点がない貸し手の背後の実質的支配者の素性を確認することも重要ということにつきまして、具体的にどのようなリスクを想定されているのかという御質問があったかと思います。この点、恐縮ですけれども、国際銀行協会様より御回答をいただければと思いますが、いかがでしょうか。
【国際銀行協会】
お答え申し上げます。実質的支配者につきましては、貸し手となり得る外国金融機関などが例えば上場会社とか公開会社である場合には、一定程度以上実質的支配者を把握しやすいわけですけれども、これが例えば未公開会社というケースもあり得るかなと思っております。これは外国に限らず国内でも、そういったプレーヤー、資金の出し手としては潜在的にそういった未公開会社の形態であるという場合もございます。こうしたケースでございますと、さらに一手間も二手間もかけて実質的支配者の確認をする必要があろうかと、こういった問題意識でございます。
【山本座長】
ありがとうございました。家森委員、よろしゅうございましょうか。
【家森委員】
家森です。どうもありがとうございました。もう私は、退出しなければならないのですが、実質的支配者をはっきりさせないとどんな心配をされているのか、もう一言だけお願いできますでしょうか。
【山本座長】
お願いできますか。
【国際銀行協会】
金融機関、資金の貸し手ということでありますと、そもそもその元手がどこから来ているのかと。これは貸し手の法人形態にかかわらず、私どものような伝統的な金融機関であっても、この元手がどこから出ているのか、これは制裁対象者が入っていないかとか、こういったことは当然にして気を配るわけでございますけれども、その貸し手の支配株主、コントローリングシェアホルダーがどういった者であるのかというのは、例えば国籍とか、あるいは国の資本が入っているというケースもございますし、国の意思が影響しやすいと、こういった場合も世界にはございますので、その辺りが懸念ポイント、着眼点かなと存じております。
【家森委員】
どうもありがとうございました。
【山本座長】
よろしいでしょうか。ありがとうございました。
それでは引き続きまして、翁委員及び西原委員の意見についても御紹介をお願いいたします。
【横山信用課長】
それでは、資料7の翁委員の意見書について御紹介いたします。
これまで硬直的だった貸金業法の規制を見直し、時代や市場の変化に合わせた柔構造化を検討する方向性は、重要なステップと考える。特に政府の成長戦略・官民投資ロードマップで2040年度までの累計370兆円の投資が見込まれる中、企業の設備投資計画調査などを見ても、各産業で旺盛な設備投資意欲が示されている。一方で、邦銀は預貸率が上昇するなど、貸出余力が従来ほど大きいわけではなくなっている。
こうした環境の下で、日本で銀行免許を持たない無支店の外国銀行がシンジケートローンに参加ができれば、日本企業にとって調達手段が多様化し、調達コストが抑制されるメリットは大きく、企業の成長を後押しすると考えられる。邦銀にとっても外貨調達コストに悩まずに効率的に大型案件を動かすことができるメリットもある。したがって、貸出先を大企業等に限定し、国による監督の下、融資実行者の参入規制を緩和する方向で検討することには賛成。
ただし、以下のような点について留意と検討が必要と考えられる。
1番目として、貸出先をノウハウや交渉力のある大企業等に限定する場合、どのような具体的要件を考えるべきか。
2番目として、貸出先をある程度限定することにより、アレンジャー・エージェントなどへの追加的規制を強化する必要はないのではないか。
3番目、日本国内に拠点を置かない外国の金融機関等に対して、万一不適切な融資行動が発生した場合などに、日本として実効性のある監督を可能にするための検討が必要。外国の法令に準拠して設立されたものであること、日本における代表者を設置することなどは当然必要と考える。
最後に、既に日本国内に支店を構え、日本の銀行免許を取得して規制を遵守している既存の外国銀行との間で、大きな規制上の不公平感が生じないような配慮が必要ではないか。
以上でございます。
続いて、資料8の西原委員の意見書を御紹介いたします。
我が国の経済が金利ある世界への移行を進める下で、企業金融や銀行システムに大きな構造変化が起きている。この変化に対応するため、また、政府の日本成長戦略における戦略分野への成長投資促進策を実現していくためにも、本ワーキングに諮問された成長企業への資金供給の在り方等に関する検討は、必要かつ重要な政策だと考える。
企業金融については、企業の現金保有コストが高まり、設備投資は拡大局面に入っている。また、企業改革の進展もあって企業の事業再構築・再編が増加し、M&A、TOB、LBOなどの企業行動が活発化をしている。他方、家計は金融商品による資産運用を増やしている。この結果、預金の伸び率は減速しつつある。
こうした企業の資金需要が高まり、預金の増勢減速・減少という銀行システムの変化の下で、資金供給主体の多様化が待ったなしの課題となっている。特に、日本企業による大型海外M&Aや海外事業投資が増加する中、外国金融機関を貸し手として日本市場に誘致するための制度変更は適切だと考える。
したがって、第1回会合の論点である、日本で銀行免許がない外国銀行のシンジケートローンへの参加、国による監督の下、融資実行者の参入要件等緩和については、事務局案に賛成である。貸金業法上の取扱いを検討するというアプローチについても賛成する。
成長企業への資金供給を行う外国金融機関などのプロ向けの法律は柔構造化することが適切である。もっとも、プロ向けの定義は慎重に行う必要がある。外国からのシンジケートローンの貸し手に対しては、監督当局が一定の規制をかけることは、金融システムの信用維持、借り手保護及び市場の健全性を確保する観点から望ましいと考える。ただ、今回のアプローチで十分な実績につながるかについては、一定期間後に実績に基づく検証を行い、必要な制度変更を加えるのが望ましいと考える。
今回は第1回目の会合であるため、本ワーキング全体を通じた議論としては、プライベートクレジット市場の育成などによるリスク性資金供給力の課題も重要な論点だと考える。プライベートクレジット市場は、世界の調達額を見ると、米国が6、7割程度、欧州が1~3割程度のシェアを占め、日本を含むその他地域のシェアは限定的である。日本におけるプライベートクレジット市場の育成は、まずはプロ向けのクローズドエンドを中心とし、監督体制を整備し、将来的には、中でも同市場の6、7割を占めるダイレクトレンディングへと広げていくアプローチが考えられる。プレーヤーとしても、今回のワーキングでは外国の金融機関を対象に貸金業法の緩和を検討するが、将来的には持続的なリスク性資金供給のためには、国内プレーヤーの供給力も高めていく必要があると考える。
この点については、まずは外国ファンドの日本市場への参入によりリスク性資金の供給力が高まれば、市場の厚みの拡大を通じて、これまでデフレ経済下でリスク見合いとなっていなかった国内金融機関の与信のプライシングが正常化に向かい、国内金融機関によるリスク性資金供給の拡大につながる効果も期待される。リスク性資金供給が拡大すれば、企業の成長を後押しするほか、家計や年金・保険の資産運用のリターンにも寄与するという金融のエコシステム全体のプラス効果も見込まれると考える。
以上でございます。
【山本座長】
ありがとうございました。それでは、その他の各委員からの御意見を伺いたいと思います。どなたからでも結構ですので、御発言をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
伊藤委員、お願いいたします。
【伊藤委員】
弁護士の伊藤と申します。初回ですので、総論から述べさせていただきます。総論として規制の在り方について2点ほど申し上げた後に、本日の議論に入りたいと思います。
まず、規制の在り方について1点目ですが、目的に応じた手段であるべき、リスクに応じた内容であるべきという当然のことでございます。
そして2点目、規制には予見可能性が必要であるということ。どの行為がどの規制に服するのかを事前に判断するということは、事業者の予見可能性の問題と同時に、規制の実効性の観点からも重要であると考えています。
この点、現行の貸金業法を見ますと、特に規制の内容について消費者保護を目的とした規制が主なものとなっています。個人向けに適用される総量規制以外にも、詳細な書面交付義務であったり、取立て規制などは、いずれも借り手と貸し手の情報力・交渉力の格差を念頭に置いた規制です。これが法人、事業者向け貸付けとなってくると、リスク、規制の目的も変わってくるであろうと考えています。
この問題意識を受けて、今回新たに貸金業法の柔構造化という議論を提示いただいているわけですが、これは貸金業法に新たな役割が追加されるもので、貸金業法の進化であると私は受け止めております。多様な資金供給主体による健全な市場のために何が必要かということについては、次回以降、具体的に検討を続けていきたいと思っております。
ここから、本日のテーマであるシンジケートローンについての意見です。シンジケートローンについても、想定される場面が、邦銀がアレンジャーとなって、大企業が借り手となる取引ですので、リスクの構造がやはり違い、リスクと規制の内容が対応していないのではないかと思っております。したがって、本日御提案のシンジケートローンへの外国銀行の参加について、貸金業登録等の要件緩和には賛成をいたします。
ここから、簡単に各論を3点申し上げます。1点目、緩和には賛成なんですけれども、ただ規制を外すということではなくて、リスクに応じた規制に組み替えるべきであると考えています。
例えば、国内拠点という要件は、監督の実効性がその趣旨にあると思いますが、事務局資料にあるとおり、日本における代表者の選任を要件にすることでカバーできるのではないかと考えています。
財産的要件については、母国で銀行免許を受けている、あるいは財務の健全性について母国で規制を受けているのであれば、カバーできる範囲があると思っています。
また、人的要件についてですが、これは外国銀行がシンジケートローンの参加という限定された場面を考えるのであれば、例えば日本法令を遵守する責任を持つ者を法人単位で指定させるとか、あるいはアレンジャー・エージェントがそれを代替するといったことが考えられるのではないかと思います。
各論の2点目は、予見可能性と規制の実効性の観点です。ほかの先生の意見書の中にございましたけれども、適用範囲の明確化を強調しておきたいと思います。特に、事務局資料6の4ページにあります、貸出先が大企業等と言っている大企業等の「等」とは何か。それから、外国の金融機関等の「等」とは何か。また、シンジケートローンへの参加というのはどこまでの権利義務、単独権を持っている者が含まれるのかといったところを明確にしていくのは、制度設計上重要なことであると考えています。
最後に3点目は、イコールフッティングの観点です。これも翁委員の意見書の最後の部分の趣旨と同じでございますが、ただ、本日の議論に限られず、一連のこのワーキングの議論を通じて、同じ行為、同じリスクには同じ規制をという点については、私も留意して議論してまいりたいと思います。
以上でございます。
【山本座長】
ありがとうございました。それでは続きまして、オンラインで御参加の神作委員、お願いいたします。
【神作座長代理】
ご指名いただき、ありがとうございます。それでは、意見を申し上げさせていただきます。
現行の貸金業法は、確かに債務者が個人である場合を想定した規定も若干存在してはおりますけれども、基本的に債務者の属性を考慮しない一律の規制体系になっていると理解しています。これに対しまして、例えば証券市場・資本市場の中核的な法律である金融商品取引法は、特定投資家の制度など投資家の属性にも配慮した規制体系を採用し、規制の柔構造化が進められています。このような金融商品取引法の規制体系と比較しても、貸金業法の柔構造化はかなり遅れているように私には思われ、柔構造化を進めるということは一般的には正しい方向ではないかと考えています。本日の事務局説明資料の御提案も、貸金業法の柔構造化の方向に進むというものであって、そのような方向性は正しいと考えています。
貸金業法の柔構造化を進めるに当たって、特に巨額の外貨について具体的なニーズがあるということを先ほど全銀協からも御説明いただきましたけれども、そのような具体的なニーズがあるところから、もっと具体的に申しますと、クロスボーダーのシンジケートローンについて、資金供給者の範囲を国外の金融機関等に拡大し、貸付債権市場のプレーヤーを多様化することは、成長資金・リスク性資金の供給を拡大するものとして一般論としては賛成いたします。
本日は、シンジケートローンのクロスボーダー取引について、まず第1に、貸出先が大企業等であって、かつ第2に、国内法令上の貸付け・媒介の権限を有する者がアレンジャー・エージェントを務め、融資者は融資の実行のみを行うという役割が契約上明確なシンジケートローンに参加する形態に絞った上で、国による一定の監督の下、融資実行者の参入要件等を緩和する方向性をお示しいただいております。
始めに、プレーヤーの拡大について申し上げます。プレーヤーについても、先ほどプレーヤーの多様化を図ることは一般的には正しい方向であると考えていると申し上げましたけれども、シンジケートローンのクロスボーダー取引についてのプレーヤーとして満たすべき最低限の要件があると思われます。事務局説明資料にございますように、外国金融機関等から貸金業法にのっとって貸付けが行われるということを前提にした場合には、金融機関等が外国の法令に準拠して設立されたものであること、及び会社法上の外国会社と同様に日本における代表者を設置すること、以上の2点は、貸金業法の規制を柔構造化する場合に前提となるべきことであると思います。このような前提が満たされた上で、具体的にどのような規制をどこまで柔構造化することが可能か、適切かということを検討していくべきだと思われます。
その場合の検討の対象ですけれども、これも事務局説明資料にございますように、登録時の貸金業務取扱主任者設置等の人的要件や財産的要件、登録の更新制度、それから債権譲受人に対する規制等が、柔構造化を検討する際の有力な候補になると思います。
他方、債務者の属性につきましては、かなり大きな金額の外貨を必要とするといった場合が具体的なニーズとして挙げられているわけですけれども、そのようなニーズに照らしても、また、シンジケートローンが基本的に契約自由の原則の支配する契約法の世界であるということに鑑みれば、債務者の範囲はかなり制限されることになるのではないかと思われます。大企業等をどのように定義するか、その範囲をどのように画するのかというのが重要な論点になると思われますけれども、これも事務局資料にございますように、貸出先が十分な交渉能力を有しているかどうかがポイントになると思われます。債務者になろうとする者が、シンジケートローン契約の内容について実質的に交渉することができる、そういったパワーと能力を有していることが必要であると思われます。
また、事務局説明資料にも御指摘されておりますけれども、融資者は融資の実行のみを行うという役割が契約上明確なシンジケートローンに参加する形態を対象にするということも、一般論としては妥当であり、適切だと思われます。
しかし、他方で、先ほど述べましたように、シンジケートローン契約は、基本的に契約自由の世界であることに鑑みると、そのような形態と認められる、すなわち融資者の役割が融資の実行に明確に契約上限られるというシンジケートローン契約とは具体的にどのようなものであるのか、例えば標準的なシンジケートローン契約のひな形からの乖離がどこまでが認められるのかという点については検討しておく必要があるように思われます。
そして、大企業等の範囲とシンジケートローン契約の言わば定型性の程度というのは、貸金業法の規制の柔構造化と密接な関係があると考えられます。すなわち、大企業等の範囲を絞ってシンジケートローン契約の定型性についても厳格に考えるという場合には、大企業等の範囲が限定されて、また、そのシンジケートローンにおける参加金融機関の役割が明確になっているわけですので、先ほど述べたような貸金業法の所定の規制を緩和する余地がそれだけ大きくなるという関係にあるように思われます。
いずれにいたしましても、今回の見直しとは、貸金業法の柔構造化の第一歩になる重要な改正になると思われますけれども、貸金業の実態とか貸付け市場の環境変化などが激しい中で、規制の柔構造化について不断の見直しが行われるべきであり、しかし、今回はその第一歩として、例えば本日の論点になっているシンジケートローンのクロスボーダー取引のような具体的なニーズがある論点をはじめに取り上げて、具体的に検討していただければと思います。
最後に1点だけ、一般的なコメントを申し上げます。書面交付や物理的な掲示を前提とした規制についてデジタル化を進めることについても、ぜひ前向きに御検討いただけると幸いです。現在、会社法改正の議論が進んでおりまして、会社法の改正の方でも、様々なデジタル化の推進、たとえば株主総会関係書類のデジタル化に関連して書面交付請求権などの見直しなどがされようとしています。そのような立法や法改正の全体の方向性にも目を向けながら、デジタル化の推進についてぜひ前向きに御検討いただきたいと存じます。
少し長くなりましたけれども、私からは以上でございます。どうもありがとうございました。
【山本座長】
ありがとうございました。それでは続きまして、坂委員、お願いいたします。
【坂委員】
ありがとうございました。私の方からは、総論的な意見を中心に述べさせていただければと思います。諮問事項の課題認識は共有いたしますが、全体として制度の見直しに際して留意すべきと考える点について4点述べさせていただきます。
1点目ですけれども、制度の検討に際しては、あくまでも適切な資金供給の実現が重要であって、資金供給における審査とモニタリングの適正確保には留意すべきと思います。資金供給主体の多様化等は供給資金を量的に拡大すると考えられますが、審査とモニタリングが行き届かない資金供給が拡大するときには、実体経済における資源配分の適正を欠く、ゆがめる事態を生じ、かえって企業や経済の成長にネガティブな影響を及ぼすことになりかねません。シンジケートローンやLBOローン等では資金供給の仕組みが複雑化していますが、全体のスキームの中で審査やモニタリングが弱い部分が生じると、そこにリスクや負担が蓄積されることも懸念されます。
過去には世界的にサブプライムローン問題に起因する金融危機が生じましたが、これは金融のプロの間の取引において、審査やモニタリングが行き届かないままリスクが蓄積されたものと考えられます。我が国においても、金融庁の2025年の「国内LBOローンに係るモニタリングレポート」において、規定・マニュアルの整備、入り口審査、期中管理、メザニンローン等のリスク管理等において課題が指摘されています。金融庁や銀行等においてさらに対応が図られているものと承知しますが、継続的な取組と検証が必要な状況にあるものと思います。
また、銀行以外の主体についても留意が必要です。米国では、LBOについて、ノンバンクによる過度なリスクテークが広範化し、しかも捕捉が困難という問題が指摘された経緯もございました。さらに、債権譲渡により他にリスクを転嫁する場合における審査とモニタリングの適正確保についても、留意が必要と考えます。制度見直しにおいては、適切な審査とモニタリングの確保、複雑化する資金供給スキームの中において弱い環を生じさせないことが重要と考えます。
2点目です。大企業やプロ向けの貸付けについては、柔構造化の要請は理解できますけれども、中小企業や零細事業者については、基本的に現行の規制を維持すべきで、緩和をすべきでないと考えます。中小企業や零細事業者向けの貸付けについては、かつて商工ローン問題が大きな社会問題となりました。中小企業が事業上のしがらみの中で支払いに追われ、時間にも追われると、借入れの誘引には抗し難いところがございます。ここには、通常の対等な取引とは異なる関係の中で、資金供給者が窮状に乗じて利益を得やすいという状況がございます。現実に、貸金業法の改正前は元本返済以外の金員が様々な名目によって請求され、制限金利を超える多額の支払いを強いられる実態がございました。これは資金提供機能に伴う構造的な課題であるとも考えられます。こと、貸金業においては、中小企業や零細事業者における産業政策という観点からもこうした観点は重要と考えます。
3点目ですけれども、貸金業者、資金提供者の資金調達の問題です。調達方法によっては、投資者被害を生じることはないか、また、全体として適切な資金の流れを実現できるか否かが検討されるべきです。この点は、現行制度の規律が十分かも含めて検討されるべきと考えます。
4点目、デジタル化についてです。多重債務の現場から、支払いに追われる消費者にとっては借入れを冷静に考える機会が必要であり、紙の書面、契約締結時書面や受取証書は、いろいろな場面で重要なきっかけとなり得るという指摘がございます。借入れでは、消費者が通常の消費者契約とは異なる特殊に脆弱な状況にあることや、高齢の借入者もいることなどにも鑑みて、紙の書面をデジタルで代替できるかどうか、実態に即して慎重に検討されるべきと考えます。
上記を前提に本日の論点について結論だけ述べたいと思います。資料6の4ページの方向については、基本的に賛成いたします。ただし、4点留意すべきと考えます。1点目ですが、貸出先については、大企業及びこれに準ずる者に限定すべきです。2点目ですが、国内に拠点を持たない外国の金融機関等について、それ自体が適切な審査とモニタリングを行い得る者に限定することを検討すべきと思います。3点目ですが、日本における代表者が適切に監督対応できる環境を確保すべきと考えます。4点目ですが、債権譲渡規制の緩和については、継続的なモニタリングを確保できるか等の観点から慎重に検討すべきと考えます。
以上です。ありがとうございました。
【山本座長】
ありがとうございました。それでは、河野委員、お願いいたします。
【河野委員】
日本消費者協会の河野でございます。御説明ありがとうございました。今回諮問された、成長企業への資金供給の在り方として事業者向けの貸付けに係る貸金業の規制の柔構造化については、時代やマーケットの変化など社会経済の実態やニーズとも照らし合わせると、必要かつ重要な検討であると理解しております。経営方針や事業計画等の策定に当たって、企業が予見性を持って臨めるよう、実効性のある方策が早期に策定されることを期待します。
私は全くこの分野に専門的な知見はございませんけれども、今回提示されました初回の論点である日本で銀行免許がない外国金融機関のシンジケートローンへの参加については、制度の細部に関する判断というのは、これまでもほかの委員から指摘のあったような部分に関して慎重であるべきと思いますけれども、国による制度の適正な監督の下での参入要件の緩和という事務局案に賛成いたします。
その上で、専門的知見が乏しいため見当違いの発言となるかもしれませんが、今後のより広い柔構造化に向けて、質問も交えて3点申し上げたいと思います。
まず1点目は、全銀協様への質問です。柔構造化の手段として今回検討を進めるような規制緩和は、国内の金融機関がもろ手を挙げて賛同しているのかどうか伺いたいと思います。大口の資金供給元が現れることで、国内の金融業にとって脅威と受け取る事業者または企業はいないのかどうか気になっております。
2点目は、すいません、これも知識不足なんですけれども、事務局の方に施策の実行手段について、貸金業法の改正なのか、原則として法律は維持し、特例、例外として対応するのか、その制度の構造について教えていただければと思います。
それから最後に、杞憂かもしれませんけれども、こうした規制緩和がもたらす便益とリスクについて申し上げたいと思います。成長企業への円滑な資金調達に道を開くことを期待する施策ですが、その後に起こるかもしれない社会への負の影響についても想定して、一定の備えが必要ではないかと思っております。
シローンの件は、大企業対象でありプロ向けであるという制限があるものの、長年変わることなく使われていた貸金業法の一部が緩和されることで、制限を超えたところで制度の流用が起こるかもしれません。今回の規制緩和で期待される効果として円滑なM&A実行が挙げられていますが、このところM&A仲介業者での不適切な事案等の報道もあるところ、制度変更によってトラブルが引き起こされることのないように、リスクへの備えも考慮していただければというふうに思っております。
私からは以上です。
【山本座長】
ありがとうございました。
幾つか御質問をいただいたかと思いますが、まず、全銀協の方への御質問、お答えいただけますでしょうか。
【全国銀行協会】
今回の規制緩和がもろ手を挙げて賛成かどうかという話なんですけれども、先ほど図表等でもお示ししていますとおり、今回はシンジケートローンへの参加のみという形でございまして、かたがた、需給の関係が非常にタイトになっていますので、足りない部分をプラスで埋めるという発想のため、脅威とかそういう発想では全然捉えていないというふうに回答させていただきます。
【山本座長】
ありがとうございます。事務局の方はいかがでしょうか。
【横山信用課長】
今回のシンジケートローンの制度については、現行の貸金業法では対応できませんので、貸金業法を改正いたしまして、特別な枠組みというものを設けた上で対応していくということを想定しております。
【河野委員】
ありがとうございました。
【山本座長】
よろしいですか、河野さん。ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。井上委員、お願いします。
【井上委員】
発言の機会を与えていただき、ありがとうございます。
まず、貸金業法の柔構造化については、以前の資金決済ワーキングのときにも申し上げておりましたし、実はもう10年以上前から、当局から金融規制の在り方について意見を求められたときにも申し上げておりまして、ようやく検討に至ったことを非常にうれしく思っておりますし、総論としては大賛成です。ただ、具体的にどう進めるかについて、幾つかコメント申し上げたいと思います。
今回議論すべき事項として、4ページに、シンジケートローンに関し、①として貸出先が大企業等であることと、②として融資者が融資の実行のみしか行わないようにアレンジャー・エージェントが貸付けの媒介などをすること、という2つの要件が挙げられています。その1つ目、「大企業等」について、一般論としては賛成ですが、この「大企業等」の範囲がやはり問題となります。
この点、中小企業・零細企業などが入らないようにしなければいけないと考えますが、他方で、貸金業法の借主保護の観点から、いわゆる大企業と言われるところ以外にも、例えば、大企業がアレンジしてつくったSPCとか、大企業の要件を必ずしも満たさないファンド会社とか、そういったところについても緩和の余地があると思います。
その観点からすると、現在ある法令で言えば、特定融資枠契約に関する法律、いわゆるコミットメントライン法の借主の範囲が、そのままというわけではなく、一部調整する方がいいと個人的には思っておりますが、1つの参考になると思います。
次に、2つ目の「融資者が融資の実行のみを行うように、国内で権限があるプロがアレンジャー・エージェントを務める」という要件についてです。この要件は、シンジケートローン契約のひな形に沿ってやっていれば、貸付人と借主との直接のやり取りがあまり生じないという前提だと思うのですけれども、本当にそうなのかについて、検討の余地があると思います。
というのは、現在のJSLAのひな形によると、エージェントの役割は、平常時に借主が普通に払ってきたものをレンダー間に分配するとか、平常時に借主側と貸付人側とのコミュニケーションの間に立つとかいう業務には及びますが、一たび債務不履行が生じた以降は、弁護士法の問題がありますので、エージェントは他のレンダーのために取立行為をしたり私的整理の中で交渉をしたりといったことはやらない、やれないと理解しています。
国内の金融機関であれば、そういう場合、みんなで共通の弁護士を雇ったりサービサーを雇ったりすることのほか、制度的には、別に弁護士・サービサーを雇わなくても、全員がいっしょに借主との交渉等に関わっていくこともできるわけですが、今回のような国内に拠点のない、取立規制を受けない外国の金融機関が、同じように制度的な制約なしに自分自身でも取立てや交渉に関わることができるままでいいのかについては、検討の余地があります。極めて例外的だとは思いますが、それ以外にも、エージェントが解任されて後任がいない等のシンジケートの解体が万一起こったときも、国内の金融機関であれば自分で取り立てたり交渉したりすることができるわけですけれども、拠点のない外国の金融機関については、自分で取り立てたり交渉したりすることについて何の規制も受けないというのではなく、弁護士あるいはサービサーを雇うなどして、プロの手を借りて借主側との交渉等に当たるべきことも要件に加える必要があるかもしれないと思います。
逆に、そういった要件、すなわち、貸主が、国内にちゃんと代表・代理等を置いた上で、契約締結・回収・取立て・交渉等の過程を通じて借主に直接かかっていくことのないよう、業規制を受けるプロ、すなわち契約締結時にはアレンジャー、紛争時には弁護士・サービサーを入れるというのであれば、規制緩和の対象は、必ずしもシンジケートローンに限定する必要もないと個人的には思っておりまして、大企業等向けの融資一般について、貸金業法を緩和、柔構造化するという観点も重要ではないかと思います。
一般的な柔構造化は次回以降の検討課題だと思いますが、大企業等向けのローンについては、外国金融機関に限らず、国内外のファンドのような貸主からの規制についても、貸金業法の柔構造化を図ることがあってよいのではないかと考えております。
そのほか、本日のシンジケートローンのテーマからは外れるのですけれども、ほかにも検討すべき課題はあると思います。既に挙げられた点で言えば、例えば、ノンバンク社債法についても、実際上、私募債は金融機関が引き受けることが多く、シンジケートローンとそれほど異なりませんし、社債の場合だけ資本金要件などが課されるのはバランスが悪いと思っておりますので、これについても緩和あるいは撤廃に賛成します。
あと、より関心が高いのは金利規制です。今回どこまで取り上げていただけるか分かりませんが、金利規制、とりわけみなし金利規制に過剰な点があります。具体的には、様々なストラクチャード・ファイナンスやシンジケートローンにおけるアレンジャーフィー・エージェントフィーなどに関し、場合によってみなし金利規制の対象になるのではないかといった点、あるいは、ワラント付きの融資によりスタートアップに資金を供給しようとする際に金利規制が障害になっているという点などがありますので、貸出人の要件あるいは借入人の要件を定める前提で、金利規制についても適切な柔構造化を検討すべき時期に来ていると思います。
私からは以上です。
【山本座長】
ありがとうございました。
それでは、加藤委員、お願いいたします。
【加藤委員】
加藤でございます。私は外国金融機関などのシンジケートローン参加拡大について意見を述べます。
まず、前提として、日本国内の事業者の中で大規模な外貨調達の需要があり、そのような需要を満たす手段としては、シンジケートローンが現実的な手段であると理解いたしました。そのため、外貨の調達能力がある外国の金融機関などが日本国内で日本国内の大規模な事業者などを借主とするシンジケートローンにより参加していただけるような環境を整備するということは、非常に重要な施策であると理解いたしました。
そして、資料の6の3ページで、まず出発点としては、貸金業法の柔構造化によってこのような問題に対処していくということが提案されておりますので、まず、この点について意見を述べます。
貸金業法の柔構造化の方向性自体については、私も賛成です。その際に、シンジケートローンに融資者としてのみ参加する金融機関を対象として、一体どのような規制が必要なのかということを考える必要があるかと思います。この点については、既にほかの委員の先生方も御発言されていますけれども、シンジケートローンに限らず、プロ向け融資などを対象とする貸金業法の柔構造化がどういったものになるかと若干関係する論点ではありますので、それを踏まえた上で、例えば、シンジケートローンに融資者としてのみ参加する金融機関に最低限これだけは守っていただかなければならない要素は何かということを考える必要があるかと思います。
この点を考える際に、若干気になりましたのが、全国銀行協会様の資料4の6ページでは、シンジケートローンの仕組みを利用すれば既存の貸金業法が想定するような問題は存在しないという整理が示されている点です。日本国内のシンジケートローンの参加者を変えようとする議論をしているので、参加者が変われば実務も変わる可能性があります。したがって、既存のシンジケートローンの実務を前提とすること、どこまで前提とすることができるのかということについては慎重な検討が必要であるかと思います。
そういった観点からしますと、私も、資料の6の4ページで挙げられていますように、貸金業法のシンジケートローンに融資者としてのみ参加する外国金融機関について貸金業法の適用を全くしないという方向よりも、何らかの形で参入規制を設けて、監督の取っかかりのようなものを残しておく仕組みが望ましいかと思います。
こう考えますのは、これも既にほかの委員の先生方の意見と繰り返しになりますけれども、現在の貸金業法に何を期待するべきであるかを考えたからです。これまでの貸金業法は、国内の問題、すなわち、消費者の多重債務などの問題を契機として改正が繰り返されてきたと理解しております。その一方、近年の貸付け市場については、銀行以外のプレーヤーが増えていくことによって透明性が欠如しているのではないかが国際的にも問題となっています。
貸付け市場の透明性や公正性を確保すること、これも貸金業法の目的に含まれるのではないかと私は考えます。そのような目的を達成するためには、プレーヤーに対して何らかの規制の取っかかりのようなものがある仕組みが必要であるため、資料の6の4ページで挙げられているような、金融機関などが外国の法令に準拠して設立されたものであること、並びに、会社法上、外国会社同様、日本における代表者を設置するということは望ましいと思います。
ただ、これに加えてどのような規制が必要なのかということについても、神作委員がおっしゃったような検討を、第2回以降の検討も踏まえた上で考えていく必要があるのではないかと考えました。
最後に、資料6の3ページで、今回は貸金業法の見直しを中心とするということであり、銀行法の外国銀行支店による融資については見直しをしないということについて、1点意見を述べます。
外国銀行支店のライセンスは銀行業務を提供するためのライセンスです。この銀行業務を提供するためのライセンスを受けている外国銀行支店が融資を行うことについてどういった規制をするとかということは、突き詰めていくと、例えば、同じく銀行業務を行うライセンスを持っている国内の銀行が融資をすることの規制のあり方にもつながります。したがって、銀行規制全体に及ぶ非常に大きな問題というか、論点であると理解しております。
ただ、翁委員がおっしゃっているような問題意識を私も共有しております。金融資本市場には国境はありませんので、例えば、国内の金融機関が海外の資本市場に打っていく場合に適用される規制とのバランスを考えないと、将来的に、グローバルな資本市場の中で日本の固有の規制に対する理解を得ることが難しくなることが懸念されます。
ただ、銀行法の大枠自体を見直すことは難しいとしても、様々な政省令や監督指針のレベルの規制もありますので、その中で今回シローンの参加者規制の緩和、さらに言うと、プロ向けの事業者に対する貸付けも緩和するということと明らかに整合性を欠くような規制がもしあるのであれば、そういった政省令や監督指針についても、今回は明確な見直しの方向性というものを出すことはできないにしても、翁委員がおっしゃるような今後の課題として検討を続けていくということは必要ではないかと私も考えました。
以上です。
【山本座長】
ありがとうございました。
それでは、上田委員、お願いいたします。
【上田委員】
上田でございます。御説明ありがとうございました。御指名もありがとうございました。
まず、全体的なところになりますけれども、成長資金供給の担い手の多様化、及び、現時点における将来を見越した取引の実態に合わせて規制を見直していこうという方向性については賛同いたします。その上で3点ほどコメントさせていただきます。
まず、こういった成長資金の供給拡大について、全体的な前提というような観点でございます。こういうことで借り手にとってどういうメリットがあるか、何が変わっていくかという視点を持っていくということが必要ではないかと思っております。大型案件ですとかあるいは外貨建ての資金調達に対応するためには、まず参加する金融機関を広げる必要性という点については大変よく理解できました。
今後の検討においては、今の制度の下で具体的にどのような資金需要に応えにくくなっているのかということを確認しておくということも重要ではないかと思います。金額なのか、期間とか、調達のコストなのか、あるいは、調達までにかかる時間なのかとか、その辺りが見えてくると、どの規制をどう見ていけばいいのかといったところにも関わるのではないかと思います。
また、貸し手の数が多様化するということに加えて、様々なリスクを引き受ける主体が入ってくるということになります。したがって、今回、成長資金の調達の選択肢をどう広げるかというところを少し全体的に見ていくというところで、様々な制度の在り方というものを検討できるのではないかと思いました。
2点目以降は若干個別の内容になります。2点目は、これもほかの先生方からもコメントがありましたけれども、プロの借り手という定義についてでございます。貸出し先が大企業等であるということと貸出金額あるいは契約を十分に理解できる能力、交渉できる能力ということは決して一致しているものでもないのではないと思うのです。そういう意味で、この「等」の範囲、形式と実質というところについてどう考えていくかというところも重要なのではないかと思います。
例えば、財務とか法務の体制です。取引経験とかこういったものも踏まえて、実務で対象を判断しやすいという、こういう制度設計にしておくことも必要ではないかと思います。
また、これもほかの委員の先生方からもありましたけれども、債権譲渡がされた場合、あるいは、借り手の経営が悪化して条件変更が必要となったような場合、これをきちんと調整できるのかといった点についても重要かと思います。エージェントは貸し手の代理人でありますので、その存在によって借り手の保護を含めて全体の利益調整というものがどうできるかといった調整機能の面から、役割とか責任とかそういったものの整理も必要ではないかと思います。
3点目が、国内外の当局による監督の部分に関してです。参入要件を緩和しながら日本の当局による監督を残すという事務局からの方向性の御説明、これについては私も賛同いたします。その上で、母国の当局との監督をどう調整するかという、その関係について整理するかという視点も必要なのではないかと思います。
その点で、外国の法律に基づいて設立されているということと金融機関として十分な監督を受けているということはまた別なのではないかと思う面もあるわけです。例えば、銀行とノンバンクでは状況は違うのではないかと思います。母国でどういう監督、モニタリングを受けているのかというところを確認して、そこについて、日本の当局がどのようにここにリーチしていくかといったところの整理も必要ではないかと思います。
そういった面では、例えば、国内に代表者を置くということも、窓口があるというだけで果たして十分なのかとも考えます。必要な情報を海外の本部、本体から取得できるのか、問題が起きたときに対応を求められるのかといった点についても考えておく必要はないのでしょうかというところです。例えば、母国での処分とか、本国の本体の部分で経営状況が悪化したとかそういう変化があった場合、これをどう把握できるのかといった点についても重要ではないかと思います。
このように、当局間の情報交換の在り方とか、参加の金融機関がどのようにそれを報告していくかといった点も含めて、実際にどうこれをモニタリングしていくかというところも重要な論点ではないかと思います。
監督については、日本からしていくものもありますが、逆方向、海外当局からのモニタリングについても検討する必要はないのかなと思いました。海外の金融機関が参加することで、日本のアレンジャーにもこういった参加行を通じて、海外当局からの例えば情報提供とか説明の要請というものが及ぶことはないのでしょうか。これはこれでよしとされているのでしょうかということもあるのですが。この点、海外拠点が案件に関与している、現地当局の監督対象になっているという場合と、参加行への監督を通じて間接的に関係を持つという場合とではまた違っているのではないかということかと思います。
私は日本の当局と海外の当局というところの狭間の部分を若干見てきましたので、どういう場合に海外の監督が及ぶのか、日本側の実務、そして日本の当局との関係ということも整理しておかなくていいのかなと思った次第です。
こういう双方向の関係を踏まえて御検討いただきたいということで、当局の役割分担とか機能の連携というところも重要かと思います。
併せて、既存の在日の外国銀行との規制のバランス、この辺りも含めて、監督の在り方とか、あるいは実務のやりやすさや差し障りがないかといったところについても目配りが必要ではないかと思った次第です。
以上でございます。ありがとうございました。
【山本座長】
ありがとうございました。
それでは、松岡委員、お願いいたします。
【松岡委員】
発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。松岡でございます。経団連の方で資本市場部会長も務めておりますので、そういった観点からも発言をさせていただければと思っております。
今回示されました外国金融機関などのシンジケートローン参加拡大の方向性につきましては、我が国企業による大型M&Aや海外投資案件の増加、そして外貨資金需要の拡大などを踏まえますと、資金供給主体の多様化を図る必要性は十分理解できると思っております。特に邦銀のみでは対応が困難となる可能性のある大規模案件などにおきまして、国内営業拠点を有しない外国金融機関などの参加要件を緩和することで、我が国企業の成長投資を支援するという目的には合理性があると考え、支持をしたいと思っております。
他方、本論点において検討すべきポイントとして、外国金融機関などの参入の可否に加え、規制緩和後の市場がプロ向けの市場として健全に機能するかという点が挙げられます。
今回の制度見直しは大企業向けシンジケートローン前提としておりますが、多くの先生方も御指摘のとおり、対象となる大企業あるいはプロの借り手の範囲を明確にする必要があります。例えば、これを上場企業などに限定するのか、あるいは、非上場であっても一定規模以上の事業会社を対象とするのかなど、制度対象を明確に定義し、本来想定していない主体に影響が及ばないようにすることは重要と考えております。
更に、日本の信用市場は、リスクマネーの供給がどうしても投資適格領域に偏りやすいという構造にあります。このため、外国金融機関などの参入は市場全体に厚みを持たせ、流動性を高める観点から、基本的に前向きに評価できると考えます。
他方、資金の受け手側を見ると、投資適格企業は銀行融資や社債など複数の調達手段を持っているという一方で、中小企業などを含むハイイールド領域の企業は、銀行融資への依存度というのが実態的に高く、欧米のようないわゆるハイイールド市場というのが十分に育っていないということも課題です。
御案内のように、アメリカなどでは、シニアローン、メザニンファイナンス、各種の劣後ローン、またエクイティクッションなどを組み合わせて、企業のリスク特性に合わせた資金供給というのが行われているかと思います。これに対して、日本ではシニアローンとエクイティが中心であって、その中間に位置する供給手段が十分に発達しているとは言い難い状況にあると認識しております。
したがいまして、外国金融機関の参入を皮切りとして、ファンドを含むノンバンクが投資しやすい環境を整備し、幅広いリスク階層に資金を供給できる市場を形成するとともに、需要側におきましても各企業の成長段階や信用力に応じた調達手段を選択できる環境というのを全体として整えていく必要があると考えます。
更に、外国金融機関や海外ファンドの参入拡大に伴いまして、融資条件の形成メカニズムがどう変化するかと、その可能性についても留意が必要と考えます。市場参加者の中には、収益性のみならず、エクイティ投資先の支援や案件の成立そのものを重視するプレーヤーというのも存在すると思います。その結果、信用リスク対比で説明がしづらい低いスプレッドの条件が提示され、邦銀も競争上これに追随するということになりますと、預金者を含めた市場全体の健全なリスクリターンの関係性が損なわれる懸念というのもございます。
また、一部の市場参加者の影響力が過度に強まるということがありますと、借り手に不利な条件形成につながる可能性も考えられ、参加者の増加が直ちに適正な価格形成をもたらすとは限らないところも視野に入れる必要があると思います。
以上を踏まえますと、外国金融機関などのシンジケートローン参加拡大という方向性には基本的には賛同いたしますが、その実施に当たっては、幅広い調達市場を醸成させ、また、それを発展させるという取組をすることも重要ですし、また、誰をプロの借り手とするのか、また、大企業をどのように定義するかといった対象範囲の明確化、更には、市場競争の過熱によるゆがみや金融システムへの影響が生じないよう、市場規律を確保する制度設計及びモニタリングというのが十分に検討される必要があると考えます。
いずれにしましても、グローバルな競争下にある我が国企業の健全な成長と発展を下支えするようなバランスの取れた、かつサステナブルな金融市場の取組が重要であると考えております。
以上でございます。ありがとうございました。
【山本座長】
ありがとうございました。
それでは、杉浦委員、お願いいたします。
【杉浦委員】
発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。まず、多くの委員の方からいろいろな御意見があった中で、私が言いたかった部分を相当言っていただいているので、今日に限っては、資料の6の部分のところだけについて発言をさせていただきたいと思います。
まず、1つ大前提としてあるのは、今回のシンジケートローンを実際に行うに当たって、貸金業法を改正するというやり方という中で柔構造化の話と一緒に議論されているわけでありますけれども、2年前も同じようなことを申し上げ、再度申し上げることになりますが、そもそも、今回議論しているようなスキームを行うときに、それがそもそも貸金業法の改正であるべきなのかどうかという話はあるのかなと考えています。
参加する今回の想定として、要望としてあるものは、シンジケートローンの参加者がそもそも銀行であるというところがもともとにある場合、やはりそれは貸金業法の改正で処理する部分なのかという根本的な議論はなされるべきと私は考えています。
貸金業法の柔構造化という議論が必要か否かという話をすれば、それは、かつて改正貸金業法の改正に関わった身として申し上げるに、当時の改正があくまでも消費者寄りの部分のところの改正にあったことを考えてみれば、それとは別に産業寄り、アントレプレナー向けの貸金があった方がいいという議論も多重債務懇の中で再三私が申し上げたことなので、そのような仕組みは作られていくべきだと考えます。
ですから、柔構造化というのは行われるべきだと思いますが、先ほどお話したように、殊、このスキームの議論の中で誰が資金の出し手になるかで貸金業法の改正で実現すべきかどうかは考えなければいけないと思いますし、そこで、百歩譲ってとまで言いませんが、とりあえず、資金調達ニーズが高まっていて、そこに対して邦銀だけでは全てが賄えないという現実があるというふうに考えたときに、それを早期に実現するために、海外の銀行からの資金調達をしたい、その一環として貸金業法の改正で手当てをしましょうという考え方であるならば、それはそれで1つの政策論としては、あり得るというふうに考えています。
ただ、そうだとしても、そもそも、多くの委員からの御発言にもあったわけでありますが、そもそも大企業って何、そもそも成長って何というところはきちっと議論しなければいけませんし、また、2年前にも申し上げたと思いますけれども、そもそも諸外国においてこういった形のスキームをやるときにどういう規制を課しているのか、それが容易に行われているものなのかどうかということは再度確認・検討する必要があると思います。
あの時にも私も発言をしていますけれども、欧米諸外国においてこういったことが簡単に行われているわけではありません。そこには、支店なしに資金を出す形の外国銀行がそもそもどういうステータスで、どういう背景を持っているのか、そこについても既に委員の中から御意見があったことですけれども、そこは十二分に精査されるべきことであるというふうに考えます。
また、シンジケートローンの場合、金額がどうしても大きいので、取りあえず日本における代表者を置けばいいとかいう程度でいいのかということもあるかと思います。万が一のことがあった場合に、その程度の規制で対処が取れるというふうには到底思えないということがあります。
政策論として考えるなら――法律論としてではなくですが、今回、全国銀行協会の方で取り上げていただいた、日本企業における大規模インアウト型M&Aの事例という資料を出していただいていますが、私もこういった形での大規模なM&Aを、海外の企業に対して実行している会社の社外役員でもあるなか、確かに大企業には海外企業向けM&Aに関連する資金調達のニーズは存在をしています。ただ、様々な懸念点を考えれば、あえて政策論として考えるならば、とりわけ日本政府として、比較的コミュニケーションが取りやすい、ないしは法律的な仕組みや金融監督制度が似ているような国にある外国銀行から参加者にするシンジケートローンをまずは、1つサンドボックス的に優先的に実施を認めるという考え方はありなのかもしれないと思います。
実際に、そういった意味でいえば、既に金融庁内でも外国の監督機関と緊密なコミュニケーションを取り、若手の金融監督を担当している諸外国の担当官たちとの養成や交流にも尽力されている実態がある中で、それらの諸国での金融法制も以前と比べれば相当似通っているところも出てきています。となると、今回は、法改正で一度に、外国銀行はどこでも参加者になれるとやるのではなくて、少しずつ段階を踏んでいくという形はあるのではないかとも考えます。
その上で、最後にまた同じことを申し上げるわけですが、確かに、IBAの方からも御議論があった話ですし、翁委員やほかの委員からもお話があった話でもありますが、具体的に現状の日本にある外国銀行の支店がローンに参加する際と、それと今回のこの形をオーケーにすることによってどれだけの不平等感が出るかということについては、まだちょっと分かりかねている部分があります。幅広い調達ラインが出来上がっていくということは大事なわけですから、変な不平等感が存在しないような形というのは確かに検討しなければいけないというふうには考えます。
ということで、以上、取りあえず私の雑感的なところもありますけれども、意見を申し上げさせていただきました。ありがとうございます。
【山本座長】
ありがとうございました。
それでは、武田委員、お願いいたします。
【武田委員】
発言の機会をいただき、ありがとうございます。武田でございます。
資料6の4ページの御議論いただきたい事項に書かれていますように、今回の規制緩和によって、多様な資金供給主体が我が国のシンジケートローン市場に参入することによって、アレンジャー・エージェントにおいても案件組成能力が高まり、またこれから大型案件に関して、我が国のその他の金融機関においても参加余力が拡大することになろうかと思いますので、そういった資金需要の必要性も含めて考えますと、今回の規制緩和に関して、総論として賛成させていただきます。
各論としては、3点ほどお伝えしたいことがございます。
まず1点目は、今回の委員間の議論を拝聴しておりましても、資料6の4ページ①に書かれている貸出し先となる「大企業等」の内容が、各委員で考えておられる幅もかなり広い、いろいろな内容があるような状況であり、これが何らかある程度の方向性が見えない状況の中で議論するのは、かなり難しい状況ではないかと思っています。その意味で、このワーキング・グループの中である程度の方向性か、「大企業等」についての一定程度の枠組みを考えた上での議論とする必要性があるものと考えております。
2点目は、監督規制の実効性につき、通常時でない場合に関して、日本の監督当局にとって、「取っかかり」と他の委員がおっしゃったところですが、監督できるように規定しておくことは規制の内容としてはかなり重要なところと考えます。その点で、資料6の4ページには、金融機関等が外国の法令に準拠して設立されたものですとか、日本における代表者設置ということのみが書かれている状況ではございますが、少なくとも、外国の金融機関等において当該外国での業務の運営自体が適正になされていることが必要であり、それをどういう形でモニタリングできるのか、その点で、外国の法律に準拠して設置されたものプラス日本の代表者の設置のみでは、日本の監督を及ぼさせるには不十分な部分があろうかなと考えております。
3点目といたしましては、今回の内容として、融資者が融資の実行のみを行うという役割で、かつ、その内容が契約上明確なシンジケートローンに参加するというような、かなり限定的な内容で外国の金融機関等の参入を認めるという内容ではございますものの、我が国の金融の在り方として非常に大きな変革になろうかと思っております。
金融は、国際的にも国の枠組みのないような形で行われているところではございますので、国際的な金融市場がストレスに陥った状況のときに、実際には海外の投資家の投資行動がどうなるか、国内の金融市場にリスクがどういった形で及ぶかというところを考えて、金融機関間の相互連関を含めたマクロプルーデンスの観点で、監督当局の方でも継続的に検証していくことが必要かを考えていく必要がございます。その意味で、今回の緩和の部分をある程度段階的に考えていくということも検討する余地はあろうかと考えているのが3点目です。
以上でございます。
【山本座長】
ありがとうございました。
これで一通り委員の方々から御発言はいただいたかと思いますが、オブザーバーの方からもし何かございましたら御発言をいただければと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。特段よろしいでしょうか。
それでしたら、委員の方々、取りあえず第1回目の発言をしていただきましたが、もしほかの方々の御意見を伺ってもう一言、一言でなくてもいいですけれども、さらに御発言したいという御希望があれば承りたいと思いますが、いかがでしょうか。まだもう少し時間がありますので、御遠慮なくと思いますけれども。上田委員、どうぞ。
【上田委員】
ありがとうございます。先ほどは主に企業の資金調達のみでしたが、個人の部分も含めた貸金業の改正についても言及させてください。
デジタル化というところについては、方向性は賛同いたします。他方、ここから漏れてしまう方たちは大丈夫なのかといったところについてです。現在はウェブが中心であって、その部分は100%電子的提供であるという御説明もあったかと思いますが、ここから漏れてしまう場合はないですかという点についてだけ確認させてください。制度の全体最適と、個別の保護や取りこぼしがないような目配りの部分も、配慮ができるとよろしいのではないかと思いました。
以上でございます。機会をいただき、ありがとうございました。
【山本座長】
ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。加藤委員、どうぞ。
【加藤委員】
加藤でございます。私も資料の3の5ページで挙げられております消費者金融のDX化について1点だけ意見を述べたいと思います。
DX化自体には総論としては賛成ですが、ウェブ完結型の契約で実際に何か問題が起きているのかを一度調べた方がいいように思います。ウェブによる契約は便利ではありますが、消費者の真意が反映されたものになっているかについては、消費者取引一般について問題になっているかと思います。そういった消費者取引一般の政策との整合性をこの消費者金融のDX化を考える際には重要かと思いますので、この点とバランスを欠かないような方策を考える必要があるかと思いました。
以上です。
【山本座長】
ありがとうございます。
杉浦委員、どうぞ。
【杉浦委員】
すいません。ちょっと思い出したので1つ、次回のときでもいいんですけれども、ぜひ国際銀行協会さんの方に質問というか、確認したいことがあります。
今回の御指摘の中で、いわゆる拠点がない外銀であっても、シローンの参加に限定的とはいえ貸付け可能となるならば、在日外国支店、規制とのバランスを要確認すべきだという御主張は、それはそれで分かるのですが、昔と違って、日本でこれだけの成長資金のニーズがあるということを当然各外銀支店は本店に対して報告されているはずで、それに対応できる動きを検討できる体制になっているはずだし、かつてと比べれば、少なくともインバウンドとかいろいろな環境の変化の中で、外国銀行というか、外国銀行幹部・スタッフも含めて十二分に日本の状況・日本企業に対しての情報を持つ幅が広がり、以前と比べれば日本に進出していること自体がそもそもプロフィタブルではないとか、様々ないろいろな誤解・認識があった中で、現在、状況は変化してきていないかと考えるわけです。
と考えると、そうは言いながら、全国銀行協会の方のシンジケートローンの参画拡大についてというところを見ると、どんどん外国から資金がないという話がある中で、外国銀行の日本の在日支店、並びに外国銀行全体として日本に対してどういう形の投資なり融資を考えているのか、少しまとめていただいて、1回ここで御議論いただいた方がよろしいのではないかというふうに思いました。
御主張のように、ただの不平等感を言っているだけではなくて、こちらでも融資を増やしていくニーズがあるんだから等にすべきだという議論にしないと、いただいた御意見が生きてきませんし、融資・ニーズがないなら、本日御議論いただいた課題との比較での不平等感の話は成り立っていかないように思い、今回の議論の中では大事なポイントかと思いましたので、ぜひ御検討をお願いできればと思います。
【山本座長】
ありがとうございました。
よろしいですか。もしコメントがあれば。
【国際銀行協会】
コメントありがとうございます。そうしましたら、事務局様と御相談の上、対応を考えてまいりたいと思います。
【山本座長】
ありがとうございます。
ほかいかがでしょうか。よろしいでしょうか。よろしゅうございますか。ありがとうございました。
それでは、他に御発言がないようでしたら、討議についてはこの程度とさせていただければと思います。熱心な御議論、誠にありがとうございました。本日いただきました御説明あるいは御意見を踏まえまして、今後、さらに議論を深めていきたいというふうに考えておりますので、どうか引き続きよろしくお願いいたします。
最後に、事務局から連絡事項等よろしくお願いいたします。
【横山信用課長】
次回のワーキング・グループの日時につきましては、皆様の御都合を踏まえた上で、後日、事務局より御案内をさせていただきます。よろしくお願いします。
【山本座長】
それでは、以上をもちまして、本日のワーキング・グループは終了したいと思います。長時間にわたりまして御議論賜り、誠にありがとうございました。
―― 了 ――
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