第57回金融審議会総会・第45回金融分科会合同会合議事録
日時:
令和8年8月31日(月曜)13時00分~15時00分
場所:
中央合同庁舎第7号館13階 金融庁共用第1特別会議室 及び オンライン形式
○神作会長
それでは、定刻になりましたので、ただいまから、第57回金融審議会総会・第45回金融分科会の合同会合を開催いたします。
皆様方には、大変お忙しいところ御参加いただき、誠にありがとうございます。
本日の会議は、対面とオンラインを組み合わせたハイブリッド方式で開催しております。会議の模様はウェブ上でライブ中継をさせていただいております。議事録は通常どおり作成の上、金融庁のホームページにて後日公開させていただく予定でおります。
開会に当たりまして、岩田副大臣から御挨拶を頂戴いたします。
岩田副大臣、どうぞよろしくお願いいたします。
○岩田副大臣
金融担当の内閣府副大臣を務めております岩田和親でございます。神作会長をはじめ、委員の皆様におかれましては、お忙しい中、本日の金融審議会に御参加いただきまして、誠にありがとうございます。
高市政権では、日本経済の成長を加速させるために金融の力が不可欠であると位置づけております。このため、日本成長戦略会議の下に「新戦略策定のための資産運用立国推進分科会」を設置し、7月21日に「成長投資を促進するための金融戦略」を策定したところです。
この金融戦略は、これまでの「資産運用立国」の取組をさらに発展させ、企業には中長期的な企業価値の向上に向けた成長投資を促しつつ、国民が経済成長の成果を最大限享受できるようにするため、これらをつなぐ金融機関・市場の機能発揮を強力に促す環境整備を行い、資金の好循環を創出していくものです。今後、本戦略が掲げる施策の検討・実行を通じて、高市政権が掲げる「強い経済」の実現に貢献をしてまいります。
こうした中、本日の金融審議会では、新たな諮問事項といたしまして2点の検討をお願いしたいと考えております。
1点目は、成長企業への資金供給の在り方についてです。金融システムの信用維持や借り手の保護を前提にしつつ、今後拡大する成長投資の資金需要や社会情勢の変化に対応するため、資金供給主体の多様化等を図るための制度の検討が必要であると考えております。
2点目は、保険制度の在り方についてです。企業のリスクマネジメントの高度化や成長投資の後押しを図るため、再保険キャプティブ制度の創設について検討するほか、生命保険に関し、国民に安全安心なセーフティネットを持続的に提供していくための制度の在り方を検討する必要があると考えております。
以上2点につきまして、片山さつき金融担当大臣より諮問いたします。委員の皆様には、幅広い観点から御審議をいただければと思います。
それでは、諮問文を読み上げさせていただきます。
2026年8月31日
金融審議会
会長 神作裕之殿
金融担当大臣 片山さつき
金融庁設置法第7条第1項第1号により下記のとおり諮問する。
記
- 成長企業への資金供給の在り方等に関する検討
「日本成長戦略」(令和8年7月21日閣議決定)における戦略分野等への成長投資や、日本企業の事業再構築・再編を支える資金の好循環を創出するため、社会情勢の変化も踏まえつつ、資金供給主体の多様化等を図る観点から、事業者向け貸付けに係る貸金業の規制の柔構造化等について検討を行うこと。
- 保険制度の在り方に関する検討
近年の企業や家計を取り巻く不確実性の高まりを踏まえ、企業の成長投資を後押しするとともに、国民生活の安全安心を確保するための保険機能を強化する観点から、再保険キャプティブ制度の創設や、生命保険のセーフティネット制度の在り方について検討を行うこと。
以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○神作会長
岩田副大臣、誠にありがとうございました。
それでは、ここでカメラの方々には御退室をお願いいたします。
(報道関係者退室)
○神作会長
議事に入ります前に、本年2月に開催されました前回の総会以降、委員の御異動がございましたので、御報告をさせていただきます。
佐古和恵委員が金融審議会委員を御退任されまして、新たに中林真理子委員が任命されました。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、早速、議事に入らせていただきます。
まず、本日の会議について留意事項を申し上げます。御発言を希望される際は、対面で御出席いただいている方々は、ネームプレートを立てていただきますようお願いいたします。オンラインで御出席の委員の方々におかれましては、オンライン会議のチャット機能を用いて全員宛てにメッセージでお名前と発言希望の旨を送信していただきますようお願いいたします。そちらを確認させていただき、私のほうで御指名させていただきますので、御自身のお名前をおっしゃっていただいた上で、御発言をお願いいたします。
総会委員の皆様の名簿につきましては、配付した会議資料を適宜御参照ください。
本日の出席状況についてでございますけれども、北尾委員、渡辺委員が御欠席、川口委員、河野委員、小原委員、山本和彦委員はオンラインで御参加と伺っております。なお、山本和彦委員は、後の御予定との関係から14時55分頃までの御参加と伺っております。
最初に、今大臣から頂戴いたしました諮問事項につきまして、事務局から補足説明をしていただきます。その後、全体について皆様方に討議をお願いしたいと存じます。
それでは、まず、諮問事項の1つ目、「成長企業への資金供給の在り方等に関する検討」につきまして、横山信用課長から御説明をお願いいたします。どうぞよろしくお願いします。
○横山信用課長
信用課長の横山です。よろしくお願いいたします。私から、資料の1に基づきまして説明をさせていただきます。資料の1を御覧ください。
まず、1ページ目でございます。検討の背景でございますが、「強い経済」の実現に向けた17の戦略分野等への成長投資や、日本企業の事業再構築・再編を支える資金の好循環を創出するためには、金融機関の資金供給・成長支援機能の強化が必要であると考えられます。特に、大型M&A等に取り組む成長企業の大規模な資金需要を満たすため、資金供給主体の多様化を図る必要があると考えられます。
主な検討課題でございます。最初の黒四角のところですが、借り手の属性や貸付けの態様等にかかわらず、基本的に各種の規制を一律に課している貸金業法等について、資金供給主体の多様化を図る観点から、事業者向け貸付けに係る規制の柔構造化を検討いただければと考えております。
検討の具体例として3つ掲げております。
1番目、事業再編に取り組む大企業に対する貸付けなど、言わば「プロ向け」と言うべき貸付けについて、現行の規制が貸し手・借り手双方のビジネスに即したものになっているか。
2番目、海外企業との大型M&Aに取り組む日本企業の外貨を含む資金需要に対応するため、日本で銀行免許がない外国銀行等のシンジケートローンへの参加を促す観点から規制をどう考えるか。
3点目、ノンバンクが社債による資金調達を行う場合、ノンバンク社債法によって資本金等の要件を満たすことが求められているが、その在り方をどう考えるか。
2つ目の黒四角のところですが、あわせて、書面交付や物理的な掲示を前提とした規制などについて、デジタル化等の社会情勢の変化に伴い、見直しの検討をいただければと考えております。
2ページ目からは、参考となるデータをおつけしております。日本企業の事業再編の現状でございますが、我が国のM&Aの推移については、件数・金額ともに増加傾向にございます。拡大する資金需要に対応するため、資金供給主体を多様化し、厚みのある金融市場を目指す必要があると考えられます。
3ページ目でございます。事業再編に係る資金調達の手法について図解をさせていただいております。左側がシンジケートローンでの多様化のイメージということで、外国企業のM&Aに取り組む事業会社への資金供給をシンジケートローンで行う場合、アレンジャーとして国内銀行がまとめ役となり、国内銀行が実際の貸し手として参加するということが考えられ、ここに貸し手として外国の銀行ですとか機関投資家というのが加わることも想定されるわけですけれども、現行の規制ですと日本に拠点がない外国の銀行や機関投資家の場合、シンジケートローンに参加するためには貸金業の規制がかかるということで、その規制がやや参入しづらいというような声を頂いております。
右側がLBOローンでの多様化のイメージということでございまして、LBOによって企業を買収したいという場合、SPCを組成して買収資金を調達するということが多いと聞いておりますけれども、このSPCの資金調達としてシニアローンですとかエクイティのほか、メザニンとしての資金調達というのも考えられるということで、こういうメザニンファンド、リース事業者については貸金業者として登録を受けているということで、こういった形でのBtoBの貸出しについての規制の在り方ということを御検討いただければというふうに考えております。
4ページ目でございます。日米の事業者向けの貸付け市場の比較ということで、我が国の事業者向けの貸付けについては、預金取扱金融機関のシェアが非常に大きいという現状でございます。我が国の貸金業者による事業者向けの貸付残高は、米国のプライベートクレジットの貸付残高の約28分の1にとどまっているということでございます。
それから、5ページ目でございます。上がベンチャーデットの現状・課題ということで、ベンチャーデットの需要は堅調に推移しているということでございますが、左側にありますように、ノンバンク社債法という法律がございまして、ノンバンクが社債によって資金を調達する場合、資本金10億円以上といった要件が課されているということで、こういったベンチャーデットの貸し手が社債発行によって資金調達ということを円滑化する必要性というものが指摘されているということでございます。
下側がDX化に関するところでございますが、現行の貸金業法では、借り手によらず契約締結前・締結時に原則として書面を交付する義務がございます。ただ、米印にありますように、債務者等の同意を得れば電磁的方法による情報提供が可能ということになっております。消費者金融大手4社のWeb完結型の契約の割合というのは96%に達しており、その100%において電磁的方法による情報提供がなされているといった形が現状となっているということでございます。
6ページ目でございます。消費者向け貸付けの現状をお示ししており、このワーキング・グループでは主に事業者向けの貸付けについての御検討をいただきたいということで、こちらについては基本的に御参考という位置づけでございますけれども、2006年の貸金業法改正により総量規制、上限金利の引下げが導入されております。その結果、貸金業者から複数件の借入残高がある人数や、貸金業者の行政処分件数は大きく減少しているところでございます。なお、多重債務者対策については、「多重債務問題及び消費者向け金融等に関する懇談会」という場が設置されておりまして、ここにおいて継続的に御議論いただいております。
7ページ目、最後のところは、関連する政府文書をお示ししております。
私からは以上でございます。
○神作会長
御説明どうもありがとうございました。
続きまして、諮問事項の2つ目、「保険制度の在り方に関する検討」につきまして、守屋保険企画室長から御説明を頂戴いたします。どうぞよろしくお願いいたします。
○守屋保険企画室長
保険企画室長の守屋でございます。どうぞよろしくお願いいたします。私からは、資料の2に沿って保険制度に関する諮問について補足説明をさせていただきます。
初めに、諮問の背景と検討課題について、1ページを御覧ください。冒頭に記載しておりますとおり、近年、自然災害の頻発・激甚化、パンデミックの発生、人口減少・少子高齢化の進展、地政学リスクの高まりや金融市場の急変など、企業や家計を取り巻く不確実性が高まっております。こうした状況を踏まえまして、企業の成長投資を後押しするとともに、国民生活の安全安心を確保するための保険機能をより一層強化していくため、再保険キャプティブ制度の創設、生命保険のセーフティネット制度の在り方の2点について御議論をお願いしたいと考えております。
1点目の再保険キャプティブ制度の創設につきましては、企業を取り巻く不確実性が高まっている一方で、損害保険を活用した企業のリスク移転が従来と同様の条件では成立しにくくなっているとの指摘があります。そうした中でも企業のリスクマネジメントの高度化や成長投資の後押しを図る観点から損害保険業における再保険キャプティブ制度の創設について御議論いただきたいと考えております。こうした点につきましては、昨年12月から本年3月にかけて開催した「企業のリスクマネジメントの高度化に向けた検討会」の報告書においても、企業のリスクマネジメントの高度化に資するキャプティブの活用等について検討を進めるべきとされております。
2ページで再保険キャプティブ制度の現状をお示ししております。現在、国内では再保険キャプティブ制度は整備されておらず、国内で同一の企業グループのリスクのみを引き受ける再保険キャプティブ業務を行うためには、保険会社の免許を取得する必要がございます。ただ、この保険会社の免許の取得は、同一の企業グループのリスクのみを引き受けるという業務の特性に照らして負担が重く、相当数の国内の企業グループは米国ハワイ州等の国外に子会社を設立して、再保険キャプティブ業務を行っております。こうした背景を踏まえまして、国内での再保険キャプティブ制度の創設を検討するものでございます。
3ページを御覧ください。御議論いただきたい事項の2点目は、生命保険のセーフティネット制度についてでございます。生命保険会社が破綻した場合には、生命保険契約者保護機構が業界負担の財源から保険契約の移転等における資金援助を行うことができるとされておるところでございますけれども、保険契約者等の保護を的確に行うため、政府補助の特例措置が時限的に設けられております。その期限が来年、令和9年3月末に到来することから、生命保険会社が破綻した場合に備えるセーフティネット制度の在り方について御議論いただきたいと考えております。機構の補償財源につきましては、現在、業界負担枠として、生命保険会社各社が納付する事前積立の負担金と、各社が事後的に返済原資を負担する政府保証付借入が認められており、資金援助の規模がその合計額を超える場合には、一定要件の下で政府補助を受けられる仕組みとなっております。この政府補助の時限措置は、平成12年に措置をされてから現在まで期限延長を6回繰り返してきたところでございますけれども、今般、そうした経緯や近年の生命保険を取り巻く環境を踏まえつつ、今後のセーフティ制度の在り方について検討するものでございます。
以降のページでは、これら2つの検討課題に関連する閣議決定文書等をつけておりますので、御参照いただければと存じます。
私からは以上です。
○神作会長
御説明どうもありがとうございました。
それでは、討議に入りたいと存じます。御説明をいただきました諮問事項2点に関しまして、御質問や御意見等がございましたら、どなたからでも結構でございますので、御発言をお願いいたします。いかがでしょうか。
それでは、岩下委員、どうぞよろしくお願いします。
○岩下委員
どうもありがとうございます。今回のワーキング・グループの設置につきまして、基本的には賛成の立場でございますが、その中で、前半の成長企業への資金供給の在り方について、その内容と位置づけに関して2点申し上げたいと思います。
今回の議論は、基本的には事業者向け貸出の新しい参加者の導入と、それによる競争の促進を目的として、最終的には「強い経済」の実現に向けた成長投資を促していくということだと思います。もちろん、日本の金融において長年の課題であったリスクマネーの供給を巡る問題の解決に直ちにつなげるのは難しく、長い時間をかけた取組が必要だと思います。他方、今回のような取組はその第一歩というか、少しずつ環境を変えていくという視点からも価値のあることではないかと思います。
ちょっと長い目で日本の金融規制の変遷を振り返ってみますと、1980年代に金融自由化というのが随分進みました。このときは、法人向け、事業者向け金融とか金融機関間取引とかの変化が先行し、個人向けの金融は置いてきぼりになったという感じを私は受けていました。その後、時代が進みますと、今度はいわゆる社会のデジタル化という環境変化を背景として、ネット銀行であるとか、ネット証券であるとか、キャッシュレス決済であるとか、そういった新しいビジネスの登場によって個人向け金融のイノベーションは随分進んだように思います。
ところが、法人向け、事業者向け貸出のビジネスは、ある意味で長期継続的な取引関係を基礎とするマーケットであり、かつ特定の企業と金融機関との長いつながりが続いてきましたので、あまり変化が起きにくい業務形態であったと私は理解しております。その結果、個人向けのイノベーションが進む割には、法人向けのほうはなかなか10年、20年と変化が起きていないなという感じを持っておりました。ちょっとずつ進化はしているんですが、その進化というのは、個人向けの大きな変革に比べると歩みが遅かったと思います。この前提には当然、日本の金融が長年金利のない世界で貸出について新たな競争がなかなか起きにくかったという背景があったと思います。
その状況が、ここに来て変化し、金利のある世界となりました。そうなってくると、長年大きな変化が起きにくかった貸出の分野も、新たな変革を促していく非常によい機会ではないかと思います。もちろん、外国金融機関等が新たにシンジケートローンに参加する仕組みについては相応のリスクがあり、対応すべき課題もあります。しかし、特に日本の法人・事業者向け貸出市場における適切なリスク評価と価格形成を促進するという意味で、非常に意味のある取組なのではないかと考えます。
もう一点は、今回の検討課題の最後に、やや付言する形で書かれているデジタル化等の社会情勢の変化に伴う見直しについてです。この部分、特にデジタル化と消費者保護がしばしば対立する概念のように言われるわけですね。デジタルでは、紙と違って画面を閉じてしまうと、どんな契約をしたか分からなくなる。そうすると、デジタルにすることは消費者の保護につながらないのだという形の主張をされる方が多くいるように私は思います。ただ、紙も、考えてみれば適切に保管しなければ消費者保護には役立たないわけでありまして、他方、デジタルであれば、記録をきちんと後から検証する仕組みをつくることができます。そうした仕組みを利用するリテラシーというか、対応能力をエンドユーザー側に持っていただくことが、将来を考えると非常に価値のあることだと思います。このようにデジタルとアナログを対立させ、アナログのほうが消費者保護に資するからといって、アナログのほうを基本的な義務として残すような仕組みが今残っているように思いますけれども、そういう仕組みは将来の金融のイノベーションに対する大きな制約となり、結果として消費者や最終需要者の利益を害することにもつながると思います。その意味では、デジタルを前提として、その上で適切な消費者保護の在り方を考えることは非常に重要です。今回、貸金業法において、書面・対面・押印といった従来のスタイルから、デジタルを前提とした新しい在り方へと変えていくことができれば、非常に大きな一歩だと思いますので、こちらについても大いに支持したいと思います。
私からは以上です。
○神作会長
どうもありがとうございました。
それでは、続きまして星委員、どうぞ御発言ください。
○星委員
ありがとうございます。成長企業への資金供給ということと、それから保険制度の在り方ということで両方とも重要なことですので、こういうワーキング・グループをつくって検討するというのはいいことだと思いますけれども、それぞれコメントがありますので、両方述べさせていただきたいと思います。
1つは、成長企業の資金供給への在り方ということで、これは非常に大きいテーマなわけです、今岩下委員もおっしゃったように。それが結局は、ここでやっていることは貸金業法について検討するということかなということで大きいところから始まっているんですが、最終的には具体的な狭いところについて検討するという、そういうワーキング・グループということでいいのかどうか。ただ、1ページ目を見ると、検討の具体例のほうを見ると、貸金業法にとどまらないところもあるのかなと。外国銀行の参加をどうするかとかそういった、2番目、3番目とか、ノンバンク社債法とかも出てきますし、そういうところも考えると、貸金業法に集中するわけでもないのかなというところがあるので、その辺をワーキング・グループの最初ではっきりさせればいいんだと思いますけれども、そこを明確にする必要があるのかと思います。
それで、貸金業法だったら、それに集中して議論をするというのは僕はいいことだと思います。というのは、成長企業への資金供給の在り方、リスクマネーの供給の仕方とか、いろいろ、ここ15年から20年ぐらいいろんなところを議論していて、直近では、神作会長とも一緒になりましたけれども、全銀協でやっていた研究会とかありますので、そういった昔から繰り返されていることをまたやってもあまり意味がないところがあると思いますので、ここでフォーカスを貸金業法に当てて、それをどういうふうに、今の貸金業法がどんな制約を課していて、どういうふうに変えていく必要があるのか、そういった議論をするというのは非常に重要だと思います。
それで、3ページ目に例えばの例で、シンジケートローンのところですかね、事業再編に係る資金調達手法ということで、リスク許容度の高い資金を供給するためには、様々な資金供給者を取りまとめて最適なファイナンススキームを組成する必要があるとありますけれども、これは裏返せば、現状は最適ではないという解釈だと思いますので、それが具体的にどんな問題があるのか、その辺をきちんとしてから議論を深めるということが重要になってきていると思います。
ここで注意しなきゃいけないのは、貸金業法というのはここで言われているように、一律の規制を全ての金融機関に課すということですから、レベルプレイングフィールドになっているわけですね。そうすると、経済学者が簡単に考えると、出てくる結果は最適な結果に近いものが出てくるんだろうなと思われるので、それをあえてプレイングフィールドを傾けるような、そういった法律の改正というのは改悪なんじゃないかという気もするので、その辺を注意して議論しなければいけないと思います。
それから保険制度のほうは、これも自然災害とか、パンデミックとか、それから地政学リスクとか、結構大きい話から始まって、ただ、最終的にはかなり具体的な再保険キャプティブ制度の導入ということと、それから生命保険会社のセーフティネットの在り方という、その2つの具体的な問題に絞られるということで、これは焦点が当たっていていいんですけれども、だったら最初にそれほど大きい問題設定をする必要はないのかなとちょっと思いました。
2番目のほうの生命保険会社のセーフティネットですけれども、今まで発動されたことがないということで、これはどういうふうに検討するかということの中身になりますけども、これはもう発動されていないので期限を延長しなくてもいいのではないかという、そういうことも含めて検討するということでしょうか。それは正しい方向だと思いますけれども、もともと政府補助というのは、あるけれども使われないというのが一番いいと思うので、それを当てにするような経営とか、それから監督とかもあってはいけないことだと思いますので、それを廃止すべきではないかというような議論もするということであれば、それは望ましいことだと思います。
以上です。
○神作会長
どうもありがとうございました。
それでは、続きまして河村委員、どうぞ御発言ください。
○河村委員
ありがとうございます。成長資金の配分の問題と、それからキャプティブの再保険について、両方コメント申し上げます。
まず、前者の成長資金をどういうふうにアロケートするかという問題ですが、実務をやっていていつも非常に難しいと思うのは、情報の扱いの問題です。特に資金のアロケーションには3つの主体があって、1つは資金を受ける企業側の話があります。企業側の個別の案件とか、あるいは資金がどういうところに回るかということの情報開示の問題があります。例えばプロジェクトであれば、そのプロジェクトのどこにアロケートするかということがなかなか開示できないので、どうしても企業のほうに情報が偏って残ってしまうという情報の非対称性がある。説明責任も十分果たせないから、お金をもらうほうの企業がどうしても立場上、情報が非対称になってしまうということがあります。
それから今度は、金融仲介業者の問題があって、ここはどういう審査をしたかということが分からない、説明があまりないので。だから、審査をきちんとこういうことでやったということを説明する。それから、さらには利益相反がないということもきちんと説明する必要があります。それから今度は、資金を出す側の投資家としては、リスクをどのように理解しているかということもやっぱりちゃんと公開しなきゃいけないし、どういう計算をしたのか、さらにはガバナンスをどう考えているんだというようなことがなかなか出てこないものですから、結局、投資が失敗して場合によってはなくなってしまうかも分からないし、そういうところへお金が回らないということがマクロ的には起こってくるんだと思います。
こういうことを考えながら、個別に何があるかというと、今日ここに出ております特定投資家へのお金のアロケーション、これについて少し規制緩和できないかということ、私はこれは今申し上げたようなマクロの状況の中でやられたらいいと思うんですよね。特にプロ向けのお金の供給につきまして、例えば私募の規制緩和とか、勧誘の規制緩和とか、そういうことをやられたほうがいいように思います。
それからもう一つは、最近流れが出ていますけどなかなか難しいのは、投資型のクラウドファンディング。巨額の投資でなければこういう投資型のクラウドファンディングでファンディングはできますので、こういうこともさっき申し上げたような企業側の問題と仲介業者の問題と投資家の問題さえきちんと押さえておけばもっとできるのではないかなという感じがいたします。これが前半です。
それから、後半の生命保険のことは、キャプティブの再保険ですが、これも非常に企業の中では頻繁に議論している問題で、大体問題点は整理できているんですね。当社では採用できていませんが、何が難しいかというと、いい点は、保険コストを透明化できて自分たちで管理できるということと、それからリスクのデータがずっと蓄積できるというのは非常にいいんですが、一方で難しいのは、自家保有するリスクと外へ出すリスクをどこで切り分けるか、設計するかということが非常に大きな問題で、これを失敗すると大きな損失が出たり、あるいは税務上にも大きなインパクトが出ますので、ここの問題がいつも非常にネックになります。
もっと具体的に言いますと、キャプティブでつくった場合に、設計がうまくいかないので企業側でキャプティブでリスクを過大に取ってしまう。それから、キャプティブの再保険の採算性とか規模をどう考えるかという問題がある。それから、保険料をどのように設定したらいいか。キャプティブなものですから、マーケットではありませんから非常に難しいと。それから、ここにも議論がありますけど、これは往々にしてタックスヘイブンを使いにいきますので、そういうことと今の大きな国際税務の流れがマッチできるかどうかという問題。それから、元受の保険会社とのコンフリクトは相当出ますので、そこの関係をどう処理するか。それから、一番大きな問題は、流動性の問題があります。元受の会社からお金が入ってくるタイミングと自分のところで損を出すタイミングとのタイムラグがありますので、その間の流動性をどういうふうにカバーするかという問題があって、これはなかなか今まで、理屈の上では考えるんですが、ここまで何もできずに来たという状況があります。
以上です。
○神作会長
どうもありがとうございました。
それでは、続きまして小林委員、どうぞ御発言ください。
○小林委員
御説明ありがとうございました。与えられた検討課題に関しまして、私はどれも検討に資する重要な課題だと思います。その中で幾つか申し上げますと、例えば成長投資についてです。特に3ページ目に書かれている外貨の資金が必要な場合、日本の金融機関だけを調達の窓口とするのではやはり限界があります。特に現状の円安の状況下どこまで日本の金融機関のみで外貨を調達できるのかという課題もある中では、やはり積極的に検討していくべき課題だと思っています。その検討においては今まで外国の機関投資家が日本に拠点のないと参加できなかった理由は今後の議論として押さえておく必要があると思います。
ベンチャーデットにつきましては、そもそもDX化はもう待ったなしです。一方DX化に伴っていろいろな課題が発覚しており、例えばセキュリティーの問題、そしてDX化することによってどれだけ質の高いディスクロージャーが進むのかなどについても、フレームワークを考えながら議論していくべきことだと思います。
それから、2点目の保険制度の在り方についてですが、再保険キャプティブについては、私は基本的には賛成です。ただ、この再保険キャプティブを行える企業の、河村委員がいろいろ難しい点が企業側としてはあるんだという発言をされましたが、総じて求められるリスクマネジメントの能力の構築についてしっかりとした議論をしておく必要があると思います。リスクマネジメント機能が十分でない場合には、逆に企業に不要なリスクが残ってしまい、それが大きな破綻の原因となる可能性があります。この再保険キャプティブを行う企業に対して何を求めるのかという点についての議論をしっかりとしていただきたいと思います。
生命保険のセーフティネットの議論は、これまで一度も使われたことがない制度のあり方をどう考えるのかという点から始める必要があります。それを議論するに当たっては、現在の業界負担枠がどうあるべきかと。ここに金額は、4,000億と4,600億と出ていますけれども、そもそもこの金額の根拠が分からないと議論ができません。現状の業界負担枠がどういう根拠でつくられており、今後起こり得る生命保険の払出しをある程度想定した上で、そもそも業界負担枠がどれくらい必要なのか。それは業界として負担できるものなのか。もしそれが負担できないと結論された場合に、では政府補助という議論になるべきであり、いきなり政府補助をどうするかという議論ではないのではないと考えます。
これが私の意見ですが、一点直接的な議論とは外れますが、成長企業への資金供給の在り方について、先ほど挙げました日本に拠点を持たない外国銀行等の問題があります。もし日本の金融市場が外国の投資家あるいは外国の銀行にとって本当に魅力的なものであれば日本に拠点を置くのではないでしょうか。実は日本の金融市場の魅力を上げるために何かを根本的に考える必要があることがより深い課題ではないかと感じた次第です。
以上です。
○神作会長
どうもありがとうございました。
続きまして、加藤委員、どうぞ御発言ください。
○加藤委員
諮問事項1点目について意見を述べます。貸金業法について事業者向けの貸付けに係る規制の柔構造化を検討することに賛成いたします。今回の事務局の説明で挙げられた問題の中には、2024年に設置された「資金決済制度等に関するワーキング・グループ」において若干の検討がなされましたが、本格的な検討が先送りされている事項も含まれると理解しております。その際の検討で積み残しであった課題を今回のワーキング・グループで解決できればよいと思います。
また、貸付け、すなわち与信というものは一般的に金融の重要な構成要素の一つであります。そのため、今回のワーキングにおける検討で貸金業法の柔構造化に関する検討は終わりというわけではなくて、消費者向けを含めて貸付市場や貸付手法の発展に対応した検討を継続していくということが望ましいと思います。
最後に、成長企業への資金供給の在り方を考える際には、資金供給の原資がどのように調達されているのかも併せて考える必要があるかと思います。ノンバンク社債法の見直しはこのような観点からの見直しであるかと思いますけれども、資金供給主体の多様化を図る際には、様々な形で資金が調達され、それが成長企業への資金供給に向かっていくことになります。その結果として、現在の金融システムにおける資金の循環にどのような変化が生じるのかということも考える必要があると思います。
諮問事項で資金の好循環という言葉が使われていることは、事業者向け貸付けに係る規制の柔構造化を考える際に、このような貸付けを行う主体による資金調達の問題も併せて検討したほうがよいということを示しているかと思います。もちろんこの問題は非常に幅が広いものですので、今回のワーキングで全て解決できるというわけではありませんけれども、こういった点も意識した上で検討を進めていくことが望ましいのではないかと考えております。
以上です。
○神作会長
どうもありがとうございました。
続きまして、翁委員、どうぞ御発言ください。
○翁委員
御説明ありがとうございました。成長企業への資金供給の在り方についてコメントさせていただきます。これまで長い間規制の見直しがなかった貸金業法などの規制を見直して、時代や市場の変化に合わせた柔構造化を検討するという方向性は大変重要なステップだと思っております。いろいろな事例がありますけれども、例えば日本で銀行免許を持たない外国銀行等が国内銀行のアレンジャーの下でシンジケートローンに参加できるなど資金供給主体の多様化が図られれば、日本企業の成長にとって大きなプラスになると思っております。また、巨大なリスクや特に外貨が必要な分野において、調達手段が多様化してコストが抑制されるメリットというのも大きいと思っております。
先ほど河村委員が実態について少しお話しいただきましたけれども、まずはこういったプロ向けとも言うべき貸付けの大企業における現実に直面している資金制約とか、外貨建て資金調達の具体的なニーズとか実態、こういったことを実務家などからヒアリングをして、どのぐらいのコスト負担や機会損失とかがあるのかということを踏まえた議論が大変重要かと思っております。
その上で、何点か留意すべき点として挙げたいと思うんですけれども、まず、日本国内に拠点を置かない外国銀行等に対して、もし不適切な融資行動などがあったときに、どのように監督の実効性を担保していくかというような点とか、それから、先ほど星委員も御指摘になられた点と関連すると思うんですけれども、既に日本国内に支店を構え日本の銀行免許を取得して規制を遵守しているような既存の外国銀行などとの間でのイコールフッティングというか、規制の不公平感が生じないようにしていくこととか、それから国内に基盤を持たないという外銀等でございますので、もし本国市場でのいろんな金融危機とかそういったことがあったときにリスクがないようにしていくというような、そんなことも目配りが必要かなと思っております。
いずれにしましても、どのような企業に対して可能にするかなど、いろいろ段階的かつ実効性のあるような柔構造化というのを検討していくということが大事ではないかなと思っております。
以上でございます。
○神作会長
どうもありがとうございました。
それでは、続きまして松井委員、どうぞ御発言ください。
○松井委員
ありがとうございます。今般、諮問事項にございましたような成長企業への資金供給を円滑化し、成長投資を加速するという方向の下で、様々に提起されているこれらの改正事項につき検討するということについては、賛成をしたいと思います。その上で、各資料について何点か意見もしくは質問ということをさせていただければと存じます。
まず、ベンチャーへのデットファイナンスを充実するということとの関係では、先ほど加藤委員もおっしゃっておられましたが、資金の出し手に関する観点ということと両にらみで進めていくということが重要ではないかというふうに考えております。例えば、資料の5ページを見ていて思いましたのが、ノンバンク社債法というのは、ノンバンクの健全性を確保するという観点で、究極的には投資家――ここでは投資家と書かれていますけれども、ノンバンクに資金を供給する主体を守りつつ、かつ借入れも行わせるということが重要であったのかというふうに思いますけれども、この5ページの内容というのは、卒然と読むと、借り手、すなわち企業を適切に保護する、すなわちノンバンクから企業に対する貸付けのプロセスのDX化であるとか開示といったところを簡便にするといったようなことが書かれているような気もするわけでございまして、実際にはこういった今回の諮問事項全体を通じると、投資家がどのようなリスクテイクを通じて資産形成していくかということも大きく変わっていくということも考えると、成長企業への資金供給という視点と併せて、家計がどのような資産のポートフォリオ組みになるのかということも考えながら議論をするということが重要なのかと思いました。
第2点、保険に関してでございます。再保険キャプティブ制度というものにつきましては、先ほど河村委員が様々な企業が実際に行っていく上での課題ということを指摘されたかと存じます。企業グループ内で事業リスクをどのように自分たちが取っているかということを可視化した上で、さらにこれを金銭ベースで再分配といいますか、出していく保険料の拠出によってその部分というのを積み立てていくという仕組みなわけでございますので、リスクが増していく現代社会において重要な企業の活動の要素になるものというふうに思いますけれども、他方で、言ってみれば、昔にあった引当金に似たような発想だというふうに考えますと、この保険料の拠出の配賦をどうするかでありますとか、あるいは配当にどういう影響を与えるのかといったことを通じてコーポレートガバナンスにも大きな影響を生じさせる可能性があるものではないかと思いますので、租税であるとか配当といったような様々なところに及ぼす影響ということにも気をつけながら議論をすることが必要かと思いました。
それから、政府補助の枠についても、ほかの委員がおっしゃっておられたように、この制度自体の合理性、それから、これ6回にわたり期限を延長するという形で続いている制度でありますけれども、規模とか仕組みというものが従前ベースのまま、そのまま続けるのかどうかという議論をするのか、もう少し抜本的に議論するのかといったようなことも含めてもし議論をするということであれば、必要な情報というものをお示しいただいた上で議論ができればというふうに考えました。
以上です。
○神作会長
どうもありがとうございました。
それでは、ここでオンラインで御参加の委員の皆様から御発言をいただきます。川口委員、河野委員、山本和彦委員の順番で御発言ください。
初めに川口委員、どうぞ御発言ください。
○川口委員
私からは、保険制度のワーキングの2つ目のテーマである生命保険のセーフティネットについてコメントがあります。
先ほど事務局から説明があったとおり、現在は、業界負担と政府保証、それで足りない場合には政府補助という枠組みがあります。これはかつて生保が経営危機に直面した際に、対応の措置として導入されたと記憶しています。この措置について、6回にわたり形式的に期限の延長が繰り返されてきたわけですが、その後、生命保険会社の経営状況などが変化しておりますので、単に現状を恒常化するというだけでなく、仕組みの在り方についても議論をする時期に来ていると思います。その意味で今回、ワーキング・グループを設けて審議するという方向性に賛成いたします。特にセーフティネットの議論は、これは生保に限らないのですけれども、金融危機時では難しいわけでして、平時である現在において検討することが重要であると思います。
先ほど政府補助を不要とするといった議論があり得るという発言もありました。そういう議論もあるかもしれませんが、私は信用秩序の維持の最後のとりでとして、これは必要と思います。その上で、今回はまず、政府補助を可能とするシステムを時限的ではなくて恒常化するということが議論の対象になります。預金保険制度では、最終手段として政府補助を認める制度が恒常的に存在します。銀行の場合は特に、いわゆるシステミックリスクへの対応が課題になるわけですけれども、生命保険についてこの点で違いがあるのか、あるいは共通点があるのか、預金者と保険契約者の保護に違いがあるのか、すなわち、預金者については、最終的には預金を払い戻せばそれで十分なわけですけれども、生命保険は通常、長期契約ですし、支払った保険金を返すというだけでは保護は十分ではないわけです。支払った保険金を払い戻しもらっても同じ条件で別の保険には入れませんし、結局、保険契約の継続が重要となるわけです。これらは一例ですけれども、他のセーフティネットと比較しながら総合的に検討いただければと思います。
さらに、仮に政府補助を恒常化するといったような場合に、時限的な方策と比較して何が違うのかという点も重要かと思います。たとえば、考えられるものとして、モラルハザードの問題がより深刻化するというものです。時限的な方策では、その後、本当に救済を受けることができるか分からないのですが、恒常的な制度のもとでは、それを見通すことができます。その意味で、発動の基準ですとか、あるいは事後的な責任追及というものも検討する必要が従前よりもより高まるのではないかと思います。
また、今回どこまで深く議論するのか分からないのですが、金融機関のセーフティネットの制度設計を考える際に、業界負担の在り方も常に議論になります。先ほども述べられていましたが、総額が本当にこの金額でよいのかという問題ももちろんのことながら、拠出する保険会社の負担割合も大きな課題になります。例えば、基金の拠出が規模を基準とするならば、現在の制度はそうだと思いますが、健全な金融機関に過剰な負担を強いる可能性が出てくるわけです。保険というのは、保険事故が発生する可能性が高ければ、保険料が高くなり、反対に、その可能性が低ければ、保険料は安いはずです。そこで、預金保険では、リスクに応じた保険料を徴収するという可変料率というものが議論されます。生命保険にも同様の議論があり得るのではないでしょうか。しかし、例えば、ソルベンシー・マージン比率を基準にするとかが考えられるのですが、会社の格付につながる可能性もあり、なかなか難問ということは私も十分承知しております。
また、この点の対応は世界でも様々なようです。
いずれにせよ金融審で金融機関のセーフティネットを議論するのは久しぶりですし、さらに預金保険制度などと比較して、生命保険のセーフティネットの議論はあまり行われてこなかったようにも思います。せっかくの機会ですので、経営が安定して、余裕のあるこの時期に十分な議論を尽くしていただければと思います。
私からは以上です。
○神作会長
どうもありがとうございました。
続きまして、河野委員、どうぞ御発言ください。
○河野委員
日本消費者協会の河野でございます。今期の重要課題として御提案いただいた成長企業への資金供給の在り方と保険制度の在り方の検討については、消費者の日々の生活からは少し距離のあるテーマでございますが、その背景や必要性には納得感がありまして、多様な知見や経験を有するステークホルダーの皆様の参画で実効性のある方策が早期に策定されることを期待しております。
金融政策というのは、その時々の社会経済情勢とニーズを反映して、仕組みの陳腐化や技術の進展などの外部変化をしっかりと捉えることで時流に合った策を講じることが求められていると思っています。昨年度の議論の結果として、暗号資産の規制を金商法の対象とする法改正になりましたし、また、地域金融機関の役割強化策として金融連携プログラムや地域金融力強化プランなど支援の輪を広げる方向性が示され、それぞれ大きな前進だと思っています。
その上で、本筋からやや外れると思うんですけれども、私から2点申し上げたいと思います。まず、社会経済を回す血流としての金融システムには、先ほど申し上げたとおり、時代のニーズや変化に応じた最適解を手後れにならないように提供するという役割が求められており、その際、規制緩和や新しい仕組みの導入によって、より早く、より有益な効果を上げることに注力するのは当然です。
他方、現状の仕組みの中で顕在化しているリスクへの対処も厳格に行ってほしいと強く思うところです。特に地方金融機関の不正や保険会社の不正、インサイダー取引など、消費者の金融業、保険事業等への信頼を踏みにじり、怒りや不安を覚えるような事例が複数発生しています。強い日本経済構築のための攻めの金融政策への取組と同時に、既存の仕組みの中で起きている脆弱な立場にある消費者を巻き込んだ不正や腐敗に対して監視の目を強化することで個人の財産を守るという顧客本位の事業経営の徹底をお願いしたいというふうに改めてここで申し上げたいと思います。
次に、デジタル化等への社会情勢の変化に伴い、書面交付や物理的な掲示を前提とした規制などの見直しの件です。冒頭で岩下委員から、消費者も将来をちゃんと見なさいという御発言がございました。私もそれには賛成するところでございます。今後、ブロックチェーンを基盤に金融の中核機能を再設計する動きとして、オンチェーン金融の報道を目にするようになりました。近い将来にどのような制度が整備され社会実装に至るのか、足元の変更と併せて中長期的な在り方についても検討すべき時が来ているのではないかと思っているところでございます。
私からは以上です。ありがとうございました。
○神作会長
どうもありがとうございました。
続きまして、オンラインで御参加の山本和彦委員、どうぞ御発言ください。
○山本(和)委員
私は今回の御提案2点において、ワーキング・グループを設置して議論をしていただくということについては賛成です。1点コメントとしては、生命保険のセーフティネットの在り方についてコメントさせていただきたいと思います。
このセーフティネット制度というのは、これまで委員の皆様の御発言があったように、生命保険契約者を保護するための最後の手段、ラストリゾートとも言うべきものでありまして、ここが崩れますと契約者の保護が不十分になる。とりわけその際には、弱い立場の契約者の保護が不十分になってしまうということに注意する必要があるんだろうと思います。お金が仮に返ってきたとしても、病気がちの契約者であるとか、高齢者等は新たな保険を結ぶということはなかなか難しい状況になるわけでありますので、川口委員が御指摘にあったように、契約自体を継続していくという特別な要素が契約者保護のために重要であって、まさにこのセーフティネット制度というのはそこを担っているということになるんだろうと思います。
そのような観点から、現在のここに出ている業界負担枠、合計で今のところ8,600億というところですが、これが十分なのかどうかということがやはり問題になるんだろうと思います。バブル崩壊後、生命保険会社が相次いで破綻した時期については、私の承知している限り、保護機構、あるいはその前身である保護基金から、1社当たり3,000億とか2,000億とかの資金提供がされた事例もあるというふうに承知をしているところであります。セーフティネットという事柄の性質上、一時期、極めて短い時期に複数の会社が破綻するというまさにバブル崩壊のときにあったわけですが、そういう事態が想定されたときにこの金額をどういうふうに評価するかと。これは時々の保険会社の経営状況、それから経済状況全体に左右されるものでありまして、そういう意味では、私はこの時限措置としてその時々の状況を反映しながら検討をしていくという現在の制度の在り方にはそれなりの正当性というのはあるのではないかと思っているわけですが、今回の検討においても、今の枠組みというのがラストリゾートであるこのセーフティネット制度の在り方として十分か、専門的な観点からの検証をいただきたいと思います。
ただ1点、その際の検討において御注意いただきたいというのは、私自身、この制度の比較的創設、早い時期に議論に関わった経験がありますけれども、このような破綻処理における資金投入、公的な資金の投入というのは、これは極めてハードルが高いものであるということがあります。一度これを廃止してしまうと、あるいは期限を延長しないという決断をしてしまうと、もし本当に将来必要になったときに、それを復活させるというか、新たに制度を構築するというのは極めて難しい、ハードルが高い作業になるということについては、ぜひ認識しながら御議論をいただきたいということであります。
その意味で、こういう状況、そもそも業界負担枠がこれでいいのかという御議論、何人かの委員からの御指摘がありましたし、私もそれはそう思いますけれども、いずれにしてもその総体として、契約者保護が100%図れるような体制となるということが確信できるのかどうかというところが、将来の予測も含めて重要な点になるんだろうと思っております。
今回、このような議論が行われるわけですので、私自身は先ほど申し上げた現在の時限措置というのはそれなりの正当性はあるのではないかと思っていますけれども、これを場合によっては廃止するということもあるでしょうし、あるいは川口委員から御指摘もあったように恒久化するという議論もあり得るのかもしれませんし、以上のような観点から、ぜひ専門的に御検討いただければというふうに考える次第であります。
私からは以上です。
○神作会長
どうもありがとうございました。
それでは、再び会場に戻りまして、野澤委員、中林委員、上田委員の順番で御発言をお願いいたします。
野澤委員、どうぞ御発言ください。
○野澤委員
野澤です。私はこの2つのワーキング・グループの設置には賛成です。その上で2点コメントをさせていただきたいと思います。
1点目は、成長企業への資金供給の在り方についてですけれども、成長企業に対する資金供給の担い手を増やしていく、こういった点については全く異論ございません。少し気になるのが、預金取扱金融機関の預貸率上昇の影響が、金利水準の上昇もあって、市場運用であるとか、オルタナ投資を含めた貸出し行動にどのように影響してくるかといった点でございます。銀行の経営の関心が期間損益からバランスシートに移ってきていて、これまで以上に経営にとってALMですとか自己資本比率規制への対応といったところが非常に重要になってきていると思います。銀行はメザニンの担い手であるリース会社などにも相応の資金供給をしておりますし、PEファンドのLP投資家としても相応の地位を持っております。リスクに応じて様々な資金供給手段が一層広がっていくといったことについては、全体としては非常に好ましいものだと思いますし、そうした方向に進むべきだと思うのですが、一方で個別の金融機関について言えば、リスク管理、これはさらに高度化していく必要があると思います。ワーキング・グループではぜひそういったリスク管理の観点ですとか、非上場企業の中堅・中小企業への資金供給についても十分な目配りをした議論をしていただきたいと思います。
それから2点目は、生命保険のセーフティネット制度についてでございます。第1に業界の負担枠、これを適切な規模に見直していく必要があると、ほかの委員の方々と同様に思います。現在の業界の負担枠、大手生保の資産規模が数十兆という非常に大きなものになってきていることを考えますと、今の業界負担枠で本当にいいのかなと、直感的にも思うところであります。基本的には生保各社が過度なリスクテイクに走らないように経営努力すべきでありますし、現在導入されている経済価値ベースのソルベンシー比率、その実効性を高め、金融庁もそうした生保各社の取組をしっかりとモニタリングしていっていただく、これが非常に重要なのだと思います。
しかし、10年に一度、金融システムに大きなショックが来るといった経験則もございます。万が一に備えて例外的な措置として政府補助、この必要性はあると考えます。これを恒久的なものにするか、定期的に点検をしていくものにするのかといったところは、ワーキング・グループの中でしっかりと議論をしていただきたいと思います。先ほどの川口委員と同じ意見でございますけれども、生命保険会社のモラルハザードを生じさせないように、例外的な措置を取る場合、それがどういう場合なのかといったことですとか、取った場合の保険会社の責任の在り方といったようなところも検討していただくのがよいのではないかというのが私の意見でございます。
以上です。
○神作会長
どうもありがとうございました。
それでは、続きまして中林委員、どうぞ御発言ください。
○中林委員
御説明ありがとうございました。まず、全体としまして、2つのワーキング・グループを設置するということに関して賛成しております。私からは、保険制度の検討に関して、再保険キャプティブと生保のセーフティネットそれぞれについて意見を幾つか述べさせていただきます。
まず、再保険キャプティブについてですが、キャプティブを設置するという議論は今まで何度も行われながら、実際にはそれが実現したことがなかったという状況がございます。既に河村委員からも課題を御提示いただきましたが、いろいろと困難な点があるということは事実ですので、今回議論をするに当たり、今までなぜ実現しなかったのか明確にした上で議論を進める必要があると思っております。また、大企業については、海外でキャプティブを使うということは普通に行われていますが、中堅企業や中小企業がキャプティブを使いやすい状態にすることも重要と思っております。これらの点から、今回議論をすることは非常に重要と思います。それと同時に、既に他の委員の方々からもご指摘があったように、税制の問題であるとか、特にコーポレートガバナンス上の問題への影響というのも非常に大きな論点になると考えております。
次に生命保険のセーフティネットに関してですが、消費者保護という観点から考えて、信用秩序を守る最後のとりでとなるという意味で、この制度が存在することが非常に重要だと思っております。6回政府補助の期限の延長を繰り返しながら、今まで資金援助事例がなかったということは、非常にありがたい状況が続いてきたということです。しかし、これから先も同じ状況が続くとは言えません。それと同時に、現在の業界負担枠などが適切であるのかといったことについては、何か問題が起こってから議論をするということはできませんので、今だからこそ検討しておく必要があると思っております。特に今年の3月の決算から経済価値ベースのソルベンシー・マージン比率が導入されていますので、検討するのに適した時期になっているのではないかと思っております。
多くの委員から御指摘があったモラルハザードの問題はもちろん議論が必要な問題だと思います。制度を恒常化するべきなのか、それともそうでない形で残すべきかといったことも含めて、制度の在り方全体を検討した上で、こういった制度を維持することによる契約者保護を図る必要があると考えております。
以上となります。
○神作会長
どうもありがとうございました。
それでは、続きまして上田委員、どうぞ御発言ください。
○上田委員
ありがとうございました。まず、全体といたしまして、今回お示しいただきました2点の諮問事項に係るワーキング・グループの設置を含めた方向性については、賛同いたします。その上で、成長資金と保険制度についてそれぞれ2点ずつ申し上げます。
まず、成長資金の1点目なんですが、貸金業法の規制の見直しと貸し手の多様化についてでございます。貸金業法については、御説明にもありましたように借り手の属性とか借り手の態様にかかわらず、基本的に各種の規制が一律に課せられているものと理解しております。これを借り手の取引や借り手の性質であるとか取引の実態に応じた規制に見直す場合には、どのような借り手や取引をプロ向けというふうにするか、これを明確にする必要があるのではないかと思っております。そのため実態把握をしっかり行っていただいて、必要な制度と、そして実効的な監督の在り方というものをセットで御検討いただくことが望まれるのではないかと思います。
また、外国銀行の参加促進については、今回、この検討の中でも必要性が高いのではないかと考えております。資料の中では、日本企業による外国企業のM&Aの金額が25年には18兆円を超えているというふうな御説明があったかと思います。こうした大型のM&Aでは巨額の外貨が必要になるわけです。したがって、外国銀行の資金力の活用ということは、資金量の確保及び国内銀行に対するリスク集中という回避の観点から意味があるのではないかと思っております。
他方、現行制度においては、日本で免許を持たない外国金融機関が国内のシンジケートローンに参加する場合には、これも御説明にあったように原則として貸金業の登録が必要となるわけです。よって、国内営業所の設置とか専門人材の配置も求められてくるんですけれども、こうした要件が参加のハードルとなっていますので、これも実態とリスクに応じた規制に見直していくということが必要ではないかと思います。ただし、無条件に拡大するということではありませんで、対象となる外国金融機関の要件ですとか、海外当局との連携というところにも配慮する必要があると思っていますので、モニタリング上、何か空白というか、ということのないようにここも御検討いただきたいと思います。
2点目が資本市場の厚みの部分です。資金提供者に関わる部分でございます。こちらもなんですが、資料1においては、まず、LBOローン等への地銀の参加についても書かれていたかと思います。他方、こういう地銀というのを活用するということは大変意味があるとは思うんですが、そのリスクアペタイトの設定でありますとかリスク管理、あるいは様々な継続的なモニタリングというところで、地銀の力をどうするかといったところも一つの課題ではないかと思います。
また、シンジケートローンにおいても、アレンジャーの審査に依存することなく各参加行が返済可能性とか買収後の事業計画も自ら評価できるという体制も必要なのではないかと思います。したがって、ここは地銀の期待されるというような御議論もこれまでにもあったかと理解しておるんですけれども、それは企業の案件を見つける地域の活性化という点からは望ましいものの、あわせて地銀の力をどう伸ばしていくかといったところも御検討いただくとよろしいのではないかと思います。
ノンバンク社債についても言及がございました。資本金等の要件見直しと投資家の問題をセットで考える必要があるかと思っております。投資家が発行体の信用リスクを評価できるという環境の整備、これも必要であろうかと思います。とりわけ社債市場の活性化と投資家保護という観点が重要かと思っていますので、多様な投資家が参加できる仕組みづくり及び投資家の裾野を広げていくということも必要じゃないかと思っています。
最後に、保険制度について、まず1点目、再保険キャプティブです。これは今回御説明ありましたように、実態を踏まえますと、国内にキャプティブの制度を設けるということは意義があると思っております。ただ、これも資料にあったかと思うんですが、単なる保険料削減ということを目的とするのではなくて、リスク情報ハブという言葉もありましたけれども、リスクマネジメントというものの高度化という視点からの御議論というものを踏まえていただきたいと思っています。
次に、生命保険のセーフティネットに関してです。政府補助の特例、これも御説明にもありましたとおり、これまで期限が6回延長されているということ、そして現在まで発動されていることはないということでございました。この点もほかの委員の皆様方から御指摘がありましたけれども、今回単純に期限を延長するということではなくて、これを恒久化するべきかどうかというところまで、せっかくの機会ですので御整理いただいてもよろしいのではないかと思います。政府補助の発動条件ですとか負担の範囲について、やはり重要なのは契約者保護という視点及びモラルハザードの防止、これを踏まえた御議論をしていただきたいと思います。その上で、こういう延長の繰り返しというのは相応の行政コストがかかるというふうにも考えられますので、今のような平常時においてしっかりと御議論いただいて、これが必要あるということであるとすれば、恒久化という制度とするについてもよろしいのではないかと思います。
これらについて今回、一旦制度を何か見直しされるということですけれども、しっかり継続的にモニタリングいただいて、これを固定することなく、随時必要な見直しができるというような運用もしていただけるようにセットで御検討いただくとありがたく存じます。
以上です。ありがとうございました。
○神作会長
どうもありがとうございました。
それでは、続きまして山本眞弓委員、どうぞ御発言ください。
○山本(眞)委員
山本です。今回のワーキング・グループを設置して検討いただくということについては、もちろん賛成でございます。2点、それぞれのワーキング・グループの検討に際してお願い事項を1つずつ申し上げたいと思います。
1つは、まず成長投資の関係ですが、1ページ目に検討課題と書いていただいて、検討の具体例というので3つ挙げていただいていますけれども、最初と2番目の矢羽根の問題と3番目の矢羽根の問題はちょっと性質が違うのかなというふうに私は受け止めていて、1番目と2番目はどちらかというと大きな事業再編、M&A等をする場合の資金調達の問題だと思うんですが、3番目の点は、これは5ページかな、ベンチャーデットのところに書いてくださったノンバンク社債法の問題に恐らくなるんでしょうけれども、それはもっと大きな借り手というか、プロ向けというのがどの範囲か分かりませんけども、というよりもむしろ、7ページで言う、政府文書で言うと一番下のスタートアップに関係することなのかなとちょっと感じています。ですので、検討されるときに横並びにしないで、ちゃんとどういう問題についての検討なのかというところをもうちょっと明確化していただきたいなと思います。この資料だけ見ていると何だか横並びになっちゃっていて、何となく焦点がぼけているような気がするので、そこら辺、絞ってまとめていただければうれしいなと思いました。
それから、保険制度については、先ほど中林委員がおっしゃったことと同じ意見なんですけれども、再保険キャプティブ制度を整備されないままで来ていて、国外に皆さん子会社を設立してというような、一種、逃げて対応しているというようなところもあるので、何が理由で整備できなかったのかというところをもう少しきちっと整理をしていただいて、それをクリアすることができるから今回、国内でもやれるんだという多分流れになると思うので、そこをもう少し、なぜ今まで整備できなかったのかというところにフォーカスしていただければなと思いました。
以上です。
○神作会長
どうもありがとうございました。
オンラインで御参加の小原委員、どうぞ御発言ください。
○小原委員
ありがとうございます。まず、2つのワーキング・グループの設置については、賛同いたします。その上で、それぞれについて大きく3点のお願いを申し上げたいと思います。
まず、成長企業への資金供給の在り方に関する検討についてです。1ページ目、ワーキング・グループの検討の具体例として、これまで何度もありましたけど、日本で銀行免許のない外国企業などのシンジケートローンへの参画を促す観点から考えた規制やノンバンク社債法の資本金などの要件が挙げられていますが、検討に当たっては、まず資金供給主体の多様化が必要となる背景を共有する必要があるのではないかと思います。資料にはM&Aの件数や金額が増加していることや、日本の事業者向けの貸付けにおける預金取扱金融機関のシェアの高さが示されていますが、そのことが直ちに供給主体の多様化が必要、すなわち供給が足りないという背景にはならないように思います。あわせて、貸金業者から複数件の借入れがある人数はこの間大きく減少してはいます。これも資料にありますけれども、いまだに147万人もいることや、ここ数年は増加傾向にあることも考慮する必要があるのではないかと思います。また、具体的な規制や要件などの検討は、これは大臣の御挨拶にありましたけれども、借り手の保護や日本の金融システムの安定性を前提に十分配慮し、慎重に進めていただきたいと思います。
次に、保険制度の在り方に関する検討についてです。検討課題として挙げられている再保険キャプティブの創設について、これも何度もありましたけれども、既に相当数の国内企業グループが国外に子会社を設立し、再保険キャプティブ業務を行っている現状があるのであれば、創設を求める声が上がることは理解できます。一方で、資料にあるように、自然災害の頻発・激甚化をはじめ、企業を取り巻く環境の不確実性が高まっておりますので、投資余力の確保、すなわちコスト管理に偏ることなく、企業のリスクマネジメントの高度化に資するという趣旨に沿った制度となるよう検討を進めていただきたいと思います。あわせて、制度の創設が安易な設立、活用を促すことにならないよう、企業が適切なリスク管理を行っているか否かを確認するための仕組みについても検討していただきたいと思います。
最後に、生命保険のセーフティネットの制度の在り方についてです。資料からは、生命保険契約者保護機構の補償財源のうち、これも何度もありましたけれども、これまで期限延長を繰り返してきた政府補助が検討課題の中心となっているようにも見えますけれども、見直しに当たっては、保険業に対する信頼性の維持、国民生活や金融市場の安心に配慮して検討を進めていただきたいと思います。
以上、よろしくお願いいたします。
○神作会長
どうもありがとうございました。本日御参加の委員の皆様から御発言をいただいたと思います。大臣から諮問いただきました2つの事項について、ワーキング・グループを設置して具体的な検討を始めるべきだということについて、全ての委員の方々から御賛同いただいたと思いますけれども、ワーキング・グループの設置を前提にした上で、それぞれのワーキング・グループで議論するに当たって注意すべき事項、あるいは議論を開始するに当たって収集しておくべき情報ですとか、あるいは明らかにしておくべき事項についても大変貴重な御示唆を頂いたと思います。誠にありがとうございました。
本日、まだ若干時間があるようでございますので、皆様方の御意見を聞いて、さらに2回目の御発言を御希望される方がもしいらっしゃいましたら、どうぞ御遠慮なく御発言ください。いかがでしょうか。
特によろしゅうございますか。オンラインで御参加の皆様もよろしいでしょうか。どうもありがとうございます。
それでは、本日、大臣から頂きました諮問につきまして、それぞれワーキング・グループを設置し、具体的な検討を進めてまいりたいと存じます。
「成長企業への資金供給の在り方等に関するワーキング・グループ」の座長は、山本和彦委員にお願いしたいと考えております。また、「保険制度ワーキング・グループ」の座長は、同志社大学の洲崎博史教授にお願いしたいと考えております。山本和彦委員と洲崎先生からは事前に御了解を頂いております。
また、その他のワーキング・グループのメンバーですとか、ワーキング・グループの名称等につきましては、大変恐縮ではございますけれども、私に御一任をいただければ大変ありがたく存じます。
以上のような形で進めてまいりたいと存じますけれども、そのような進め方でよろしゅうございますか。
(「異議なし」の声あり)
○神作会長
どうもありがとうございます。それでは、そのように進めさせていただきます。
以上をもちまして、予定しておりました議事は全て終了いたしました。これにて金融審議会の総会及び金融分科会の合同会合を終了いたします。
本日の議事の模様につきましては、この後、事務局から記者レクを行います。今後の日程などにつきましては、後日、事務局より御連絡をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
皆様方、本日は大変お忙しいところ、非常に生産的な活発な御議論をいただき、誠にありがとうございました。
―― 了 ――
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