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金融審議会「サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ」(第11回)議事録
日時:
令和7年12月22日(月曜日)16時00分~18時00分場所:
中央合同庁舎第7号館 13階 共用第1特別会議室議題:
- (1)開会
- (2)事務局説明
- (3)討議
- (4)閉会
出席者:
- 【委員】
-
神作裕之(座長)、浅川健一、井口譲二、上田亮子、近江静子、柿原アツ子、清原健、小林いずみ、阪智香、
三瓶裕喜、関口智和、芹口尚子、髙村ゆかり、田代桂子、永沢裕美子、藤本貴子、堀江正之、松井智予、
森内譲、弥永真生、吉元洋志 - 【金融庁】
-
井上企画市場局長、新発田審議官、小長谷企業開示課長、繁本総務課長、
反町開示業務室長、倉持国際会計調整室長 - 【オブザーバー】
-
サステナビリティ基準委員会、東京証券取引所、日本監査役協会、関西経済連合会、日本公認会計士協会、
本労働組合総連合会、日本銀行、法務省、財務省、経済産業省、環境省
議事録:
【神作座長】
定刻より少し早いのですけれども、皆様おそろいでございますので、ただいまより、金融審議会サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ第11回会合を開催いたします。皆様、大変御多忙の中、御参集いただきまして誠にありがとうございます。
本日の会議におきましては、対面とオンライン会議を併用した開催とさせていただきます。また、本日の会議の模様も、前回同様、ウェブ上でライブ中継をさせていただきます。なお、議事録は、通常どおり作成の上、金融庁のホームページにて後日公開させていただく予定でおりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、会議を始めます前に、事務局から留意事項をお願いいたします。
【小長谷企業開示課長】
本日もどうぞよろしくお願いいたします。
留意事項を御案内させていただく前に、記者の皆様におかれましては、以降の撮影はお控えいただくようお願いいたします。
本日の会議におきましては、オンライン会議を併用した開催としておりますが、オンラインで御参加の委員におかれましては、御発言を希望される際には、オンライン会議システムのチャット上にて、全員宛てにお名前を御入力ください。そちらを確認の上、座長から指名いただきます。また、御発言される際には、冒頭にお名前をお願いいたします。なお、対面での御参加の委員におかれましては、お名前のプレートを立てていただければ、座長から御指名いただきます。なお、御発言後はお名前のプレートを元にお戻しいただくようお願いいたします。
【神作座長】
どうもありがとうございました。
それでは早速、議事に移らせていただきます。本日は、事務局より資料の御説明をいただいた後、質疑応答及び討議を行いたいと存じます。
それでは、事務局の金融庁から、本日の資料である本ワーキング・グループの報告書(案)について御説明をお願いいたします。
【小長谷企業開示課長】
それでは、事務局より報告書案の内容について、ポイントを絞って御説明いたします。
まず、目次を御覧いただけますでしょうか。報告書案は2部構成となっておりまして、Iではサステナビリティ情報の開示について、また、IIではサステナビリティ情報の第三者保証について、それぞれまとめております。
次に、2ページを御覧ください。まず、サステナビリティ情報の開示についてです。「国際動向及び我が国における制度導入に向けたロードマップ」では、中間論点整理までの議論を振り返るとともに、3ページの59行目以降で、10月の第9回会合で改めて御議論いただきました時価総額1兆円未満5,000億円以上のプライム市場上場企業に対する適用タイミングについてまとめております。
次に、3ページの「有価証券報告書の提出期限の延長」では、有報の提出期限を一律に1か月延長することの是非について、これまでの議論の結果をまとめております。4ページの123行目以降で、事業年度経過後3か月以内とする現行制度を維持することが適当と考えられるとまとめつつ、5ページの125行目以降でございますが、ここの段落で、現行法における延長承認の制度を柔軟に活用できるようにすることは、円滑な制度導入に資するものと考えられるという点に言及しております。
次に、5ページの134行目以降は、サステナビリティ情報の第三者保証についてでございます。ここでは、第三者保証制度に関する海外の動向に触れた上で、本邦では、国際的な信頼を確保する等の観点から、国際基準と整合性が確保された基準に準拠して保証を行うべきではないか、また、こうした保証を実施できる者を、監査法人であるかどうかにかかわらず保証業務実施者とすることを制度設計の基本的な考え方とすることが適当であるということに言及しております。
次に6ページでございますけれども、保証業務実施者に関する規律の在り方についてについてまとめております。
まず(1)では、保証範囲及び水準について、中間論点整理における提言を振り返った上で、その提言どおり制度設計することが適当と記述しております。また、7ページの193行目以降では、保証業務実施者が準拠すべき基準について、企業会計審議会において審議し、結論を出すことが適当であるとしております。
続いて、7ページの(2)でございますが、保証業務実施者に求める登録要件についてまとめております。業務執行責任者に対して、必要な専門的知識・経験及び能力を有することを求めること、品質管理部門または品質管理に主として従事する者を設置することを求めること、法人であることや、一定の財産的基礎を備えることを求めるなど、第9回会合において御議論いただいた点をまとめております。
次の8ページの(3)では行為規制についてまとめております。こちらについても、ローテーションルール、非保証業務との同時提供の禁止、守秘義務など、第9回会合において御議論いただいた点をまとめております。
9ページ(4)検査・監督等では、当面の間は、自主規制機関ではなく、金融庁において検査・監督すべきと言及しております。この点に関連して、将来自主規制機関を設けることを想定し、法制面での対応が必要であればあらかじめ検討しておくべきとの御意見がありましたので、その旨を脚注の18に記載しております。
次に(5)でございますが、保証業務実施者に対するエンフォースメントについてまとめております。
まず、①の行政上のエンフォースメントについてですが、業務改善命令、業務停止命令、報告徴求命令といった規定を整備するとともに、サステナビリティ情報について、虚偽があるにもかかわらず虚偽がないものと保証した場合における課徴金納付命令の規定を整備すべきであるということに言及しております。
10ページの②は民事上のエンフォースメントについてでございます。まず、298行目から309行目では、立証責任が保証業務実施者に転換された民事責任を規定すべきということを記述しております。また、311行目以降では、保証業務実施者とセーフハーバー・ルールとの関係について論じております。結論としては、前回の会合で御議論いただきましたとおり、11ページの338行目以降で、企業にセーフハーバー・ルールが適用される場合、保証業務実施者においても上記の金融商品取引法上の民事責任を負わないものとすることが適当であるとしております。
11ページの③は刑事上のエンフォースメントについてでございます。守秘義務違反について、公認会計士法の規定も参考にしつつ、罰則規定を設けるべきという点に言及しております。
また、354行目では、その他の論点についてまとめております。
その他の論点の1つ目は、任意の保証の取扱いでございます。こちらにつきましては、任意の保証がどのような要件を満たす場合に保証報告書の有報への添付を認めることとするかなど、第9回会合で御議論いただいた内容をまとめております。
また、その他の論点の2つ目は、保証業務の公正性・独立性を確保する観点からの対応についてでございます。この点につきましては、第9回会合において清原委員からいただいた「保証業務実施者の選定や報酬の決め方について独立性を確保した形で行う方法を示していくことができれば有用ではないか」との御示唆を踏まえまして、12ページの383行目以降でございますが、まずは「企業に対して保証業務実施者の選任理由及び保証報酬を開示することを求めることが考えられる」と記述させていただきました。
事務局からの説明は以上でございます。
【神作座長】
どうもありがとうございました。
それでは、これより委員の皆様方から御意見、御質問等をお伺いする討議の時間とさせていただきます。限られた時間ではございますけれども、全ての委員の方から5分以内で御意見等を頂戴できれば幸いでございます。なお、本日の会議では、経過時間をお知らせするため、御発言から5分が経過したタイミングで事務局員よりメモを差し入れさせていただきます。加えまして、御発言の順番については若干前後する場合があろうかと存じますけれども、あらかじめ御了承いただければと存じます。
それでは、どなたからでも結構でございますので、御発言の意思を表示していただけますでしょうか。
それでは、三瓶委員、どうぞ御発言ください。
【三瓶委員】
三瓶です。御指名いただきありがとうございます。また、今回このような報告書をまとめていただきありがとうございます。全般について異論はございません。その上で、2点ほどコメントさせていただきたいと思います。
1つは、本文ではないが、4ページの88行目に公表期限というところがあって、そこに注記5があります。注記5を見ると、正しく書いてありますけども、事業年度経過後4月以内という表現なんですけれども、このワーキング・グループでは数回にわたって、欧州企業のCSRDに基づく開示実施状況のエビデンス資料が提供され、適切なガバナンス及び管理体制を整えることによって見積りを有効活用して、決算期末後3月以内での開示が行われている状況というのを確認したと思います。なので、そういったこともどこかに付記しないと、情報として不完全であり、ミスリーディングを引き起こす可能性が出てくると思います。
なので、例えばですけども、脚注5は、これはこれで対応する本文に合っているんですけど、加えて、もしかすると97行目がいいのかもしれませんけれども、比較的早期に開示できているということ、ここに関連して、先ほど申し上げたような欧州での実例についてエビデンスがあると、議論されたというようなことで、そういった見積りの有効活用のことというのも、これから実務を柔軟にやっていく、または効果的に、効率的にやっていく上で重要だと思いますので、実際は3月以内に報告されている現状がありますよというようなことを書いていただくのがバランスがいいのかなというふうに思います。
2点目は、7ページの193行目から199行目に対応するところですが、ここでは基準策定の話で、ここに書いてあるとおりでいいですが、保証業務実施者について、公認会計士以外の新たな新規参入というものを考えているわけですから、そういったことを促すようなことが期待されていることを踏まえて、ぜひ企業会計審議会では審議していただきたいなと、そういう期待があるということを一応ここで言っておきたいと思います。
以上です。
【神作座長】
どうもありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。
それでは、近江委員、どうぞ御発言ください。
【近江委員】
近江です。御指名ありがとうございます。これまでのワーキング・グループでの様々な議論を踏まえまして、サステナビリティ開示に関する各国の対応は一様ではない中で、座長及び事務局の方々の御尽力によって、このような報告書をまとめ上げられたということ、まずは大変評価をしておりますということで、感謝をお伝えいたしたいと思います。
これによって、特に日本におけるサステナビリティ開示の実務を前進させ、国内外の投資家による投資先企業に対する理解を深める上でも非常に有益な内容であると、このように認識してございます。特に時価総額5,000億円以上の企業への義務化適用タイムラインの明確化、それから、有価証券報告書の提出期限の延長を行わないタイムリーな開示を求める方針としたことで、運用業務の実務に照らして非常に実効性の高い開示の枠組みが提示された点を評価させていただきます。また、サステナビリティ保証につきましても国際基準と整合させるという方針を明確にされたということ、それから、金融庁の監督の下、保証業務の品質確保について監査法人と同等の要件を求める一方で、監査法人以外も要件を満たせば登録を可能とすることにより、保証提供者の確保に向けた事業者間の競争を促す仕組みになっていると、そのように評価いたしております。
1点質問ですけれども、報告書に記載された今後の論点について、特に今後どのような時期にどのような形で見直しを行っていく御予定なのか、可能な範囲で御教示いただけますと幸いです。具体的には79行目から81行目において、将来的に時価総額5,000億円未満のプライム全企業への適用拡大について検討を続けるということが重要であると記載されております。また、166から169行においては、実務の蓄積を踏まえた保証制度の検討継続の必要性について記載されております。また、185から186行目では保証範囲について、保証適用開始から3年目以降の時期に国際動向を踏まえた検討の必要性といったところが指摘されておりますので、ここに関してどのような見直しを行う御予定なのかということについて御教示いただけますと幸いです。
以上になります。
【神作座長】
どうもありがとうございました。ただいま1点御質問がございましたけれども、今後検討すべき事項についてのタイムスケジュール感について、もし現時点でお答えできることがございましたら、事務局よりお願いいたします。
【小長谷企業開示課長】
ありがとうございます。今、近江委員から御指摘、御質問いただいた点、まず1点目の5,000億円未満のところについては、まずは5,000億円より上の時価総額の企業への適用状況を踏まえつつということかと思っております。あまりこれ以上具体的なタイムラインというものをまだ想定できておらず恐縮でございますが、そういったお答えになるかと思います。
あと160行目から169行目辺り、実務の蓄積を踏まえて保証制度の詳細や運用を引き続き検討していくという点でございますけれども、こちらも義務的保証の導入が2028年度、3兆円以上の企業からということですので、そういったところの実際保証の実務がどのように回るかというところを踏まえて、今後検討してまいりたいと思っております。
最後に御質問いただいた185行目から186行目に「3年目以降については国際動向を踏まえ」と記載しており、ここが特に、タイムラインという意味では一番差し迫っているところかなと思います。この場でいつから検討を始めますというのがなかなか具体的になくて恐縮ですけれども、これは一番先に期限が迫ってくるものですので、事務局においてしっかり検討していきたいと思っております。
【近江委員】
ありがとうございます。そうしましたら3年程度のところでまた見直しをするという方向性ということで承知いたしました。ありがとうございます。
【神作座長】
どうもありがとうございました。
続きまして、堀江委員、どうぞ御発言ください。
【堀江委員】
御指名いただきありがとうございます。まず冒頭、中間論点整理から始まり、今回の最終報告書まで、重要な論点を極めてコンパクトにおまとめいただきましたこと、神作先生はじめ事務局の方々に厚く御礼申し上げます。表現を含め、とても神経を使われる作業であったかと思います。
その上で、恐らくこれから細かな御質問等が出てくるかと思いますので、まずは総論的なところで、私がこれまで勉強してきました監査や保証の観点で、profession-agnosticという考え方について、あくまでも個人的な考え方になりますが、卑見を述べさせていただければというふうに思います。
このprofession-agnosticを規定しているISSA5000、この中身を見てみますと、これはもちろん職業会計士の団体という設定主体の特質もあるかと思いますけれども、監査業務、ここでは、あえて保証業務ではなくて、監査業務という言葉を使わせていただきますが、この知識、経験が相当程度求められる内容になっているのではないかというふうに読んでいます。そういう意味で、保証主体としての要件を緩めることとイコールではないということ、ここはやっぱりきちんと確認しておく必要があるのではないかというふうに思います。
これとの関連で、いわゆる限定的保証として保証業務をスタートさせるということでございますが、この限定的保証であっても保証主体としての要件を緩めるものではない。また、現行の制度上、この限定的保証というのは合理的保証とセットで使われていまして、財務諸表の監査を想定してみますと、期末の監査で、合理的保証があるから、限定的保証が期中レビューで使えると、こういう考え方もある。ただ、今回は合理的保証なくして、限定的保証だけでいきますので、この辺り、確かに海外の動向はそうかもしれませんけれども、実はここはちょっと慎重に、保証の対象がガバナンス、リスク管理、それからScope1・2に限定されるということと併せて、厳密に検討しておかないといけない。これはどういうことかといいますと、サステナ保証においても、仮に重要な虚偽表示の看過なんていうようなことが起こったときの責任問題とも関連してまいりますので、やはりここは整理しておく必要があるのではないかと思います。
このprofession-agnosticという考え方は、これまでの本ワーキング・グループでおおむね合意が得られてきましたが、その前提には、保証主体のイコールフッティングと、自主規制、この2つがキーワードとなっていたのではないかと思います。そういう意味で、イコールフッティング、これは最終報告書でも出てまいりますが、入り口、つまり参入要件としてのイコールフッティング、これは登録審査ということになると思うんですけれども、サステナ保証の特質に配慮しつつ、やはり相当厳格な運用がなされないと、実務に混乱が生じてしまうのではないかというふうな懸念を持っております。
それから、行為規制としてのイコールフッティングというのもあるかと思います。本報告書では、守秘義務の保持とか、それから保証業務と非保証業務との同時提供禁止、これらが明記されています。これらは当然だと思うんですが、本報告書では、あわせて、公認会計士法との関連もあると思うんですけれども、ローテーションルールまで踏み込んでいます。この問題を考えたとき、いわゆるprofession-agnosticを採用することの一つの論拠として、十分な保証主体の確保ということもありました。保証主体の十分な確保とかリソースの十分な確保ということがありましたので、報告書の注記でも書かれているとおり、関与期間は、必ずしも財務諸表監査と同じである必要はありませんので、うまく調整されるんだろうとは思いますけれども、この辺りprofession-agnosticの採用根拠と矛盾しないような方策が必要ではないかと思います。
さらに一歩踏み込みますと、このprofession-agnosticの良さとかメリットを生かせるような配慮が何かできないかということです。せっかくprofession-agnosticでいくわけですから、保証主体ごとの特性とか強みとか差別化要因、こういった一覧開示の仕組みですとか、要するに、何が言いたいかといいますと、保証コストがとにかく少しでも安いところに流れるということがないような、そういう仕組みが重要ではないかというふうに思います。
それから自主規制ですが、将来的に非職業会計士団体についても自主規制機関の設置ということが考えられているようでございますけれども、まずは自主規制の機能をどうやって充実させるかとあわせて、機能の「見える化」だと思います。これをはっきりと見せるということは、先ほど申し上げさせていただきましたprofession-agnosticとも関連してくることなのかなと。こういう意味で、これは保証の主体だけでなくて、金融庁でも少しお考えいただけるとよろしいのではないかというふうに思いました。
この自主規制というのは、私は、本来、ものすごく厳しいものだと思うんです。例えば、例としていいかどうか分かりませんが、海外でそもそも職業会計士の試験制度ができたことの背景を振り返ってみますと、いろんな理由がある中での一つの理由、見方であるかと思うんですけれども、資格制度がない中で、品質が良くない人とか組織を、自らのルールで排除する、それによって自分たちの身を守る、品質を維持するという、ここから自分たちで試験制度を考えてきたことを考えたとき、私は、ここまでの覚悟が自主規制ではないかと思っています。つまり、自主規制機能によって、場合によっては、自分たちで仲間の退場を促すという、こういう厳しい考え方まで本当はないと、自主規制ということの意味がないのではないかと、ちょっと厳しい言い方になりましたが、私はそのように考えております。
企業サイドでは、これからは手間暇がかかる開示対応をしないといけないわけでございまして、開示対応を経営にどういうふうに生かすか、ぜひ前向きの姿勢で考えていただく必要があるというふうに思います。同時に、保証主体サイドでは、ぜひ指導的機能の発揮を重視してご対応いただくことが重要ではないかと思うんです。決して、私はコンサルティング業務と混同するというふうなことを言っているわけではなくて、保証プロセスにおいて、より望ましい開示のあり方を会社と共に目指すスタンスが必要ではないかと思います。これまでもサステナ情報は任意保証だったわけですから、保証のニーズはあったわけですが、ニーズがなければニーズをつくっていくということも当然必要になってくると思いますので、そういった視点でお考えいただく必要があるのかなというふうに思います。
最後に、ロードマップですけれども、我が国において、米国の公認会計士制度が導入された当時、最初は内部統制の整備から始まって、監査対象を順次広げていって、現在行われている正規の監査に移行したという経緯があります。もちろん昭和20年代当時と今の時代を同質的に考えることはできないんですけれども、国際動向等も加味しながら、とりあえずご提案の方向性で、もし問題があれば少しずつ軌道修正していくというふうな形で進めていくのが現実的ではないかというふうに思います。
以上、ちょっと抽象的な議論になって恐縮でございますけれども、個人的な思いとして意見を述べさせていただきました。どうもありがとうございました。
【神作座長】
大変ありがとうございました。
続きまして、柿原委員、どうぞ御発言ください。
【柿原委員】
川崎重工の柿原でございます。発言の機会をいただきましてありがとうございました。
私からも、これまでの大変長きにわたる議論をまとめていただきましたことに対しまして、座長並びに事務局の皆様に感謝申し上げたいと思います。ありがとうございました。
では、資料に沿って幾つか御意見申し上げます。今の堀江委員の大局的な意見の後で恐縮でございますが、作成側としての意見でございます。
まず、サステナビリティ情報の開示について、3ページから5ページの有価証券報告書の提出期限の延長に関してでございます。報告書案におきまして、有報の提出期限の延長を行わないことが適当とする論拠の一つに、二段階開示の期間が2年間設けられていることが触れられておりますが、二段階開示の場合は訂正報告書を提出することになり、企業としましては、誤りを正すための書類でありますところの訂正報告書を使うことに、やはり違和感や抵抗感がございます。そのため、実務の習熟期間のために設けた二段階開示の制度があまり活用されず、多くの企業が期限内の同時開示を目指すこととなり、その結果、企業実務者や保証業務実施者に無理が生じ、不備の多発や労働時間の過度な長期化につながることを懸念いたします。そのため、制度上の後ろ盾として、有報の提出期限の延長が必要だと考えております。その意味で、有報提出期限の延長承認の制度を柔軟に活用できるガイドラインの整備というのは、方向性として賛同いたします。
ただし、現状この制度は、内閣総理大臣の承認が必要で、災害やシステム障害、不正会計が発生した場合など、特殊な場合にしか使われておりません。企業が活用を躊躇しないよう、分かりやすくて明確なガイドラインとして活用しやすくすることが大変重要と考えますので、その点どうぞよろしくお願いいたします。
なお、4ページ目の肯定的意見の3ポツ目(119行目)に記載されています、実務の状況を踏まえて、数年後に延長の要否を含めて検討する余地を残しておくのがよいとの意見ですが、こちらの意見を踏まえまして、二段階開示が終了した時点を含め、数年以内に再度、有報提出期限の延長の要否を改めて検討いただきますよう強く要望いたします。
次に、大きな2番のサステナビリティ情報の第三者保証について、細かな点を1点だけ申し上げます。11ページ目の注釈21の記載内容は大変重要であり、本文中で記載すべきと考えます。また、その内容は行政に関わるものであり、民事上のエンフォースメントではなく、行政上のエンフォースメントの箇所で記載するといいのではないかと思います。その際、セーフハーバー・ルールの説明が民事上のエンフォースメントに記載されているので、読み手の理解をスムーズにする観点では、本文の順番を変更し、初めに1番として民事上のエンフォースメント、次に2番として行政上のエンフォースメントの順とすることが望ましいと考えます。
報告書案への意見としては以上となりますが、最後に1つ申し上げさせてください。今回のサステナビリティ開示基準導入の議論に当たりましては、適用対象企業や保証範囲、また、先ほど申し上げました有報提出期限の在り方など、今後検討を要すべき事項が幾つか積み残ったかと思います。また今後、SSBJ基準において、人的資本や生物多様性といった、ほかのアジェンダを取り込んでいくこともあり得る話かと思います。このように、サステナビリティ開示はまだまだ柔らかい制度ですので、何年か経過後に振り返りを行うことが非常に重要になってくると考えます。ですので、例えばですが、経過措置期間として設けられた2年後をめどに、制度目的の達成状況を含め、全体のレビューを審議会の場で行い、必要な軌道修正を行うといった方向性についてもしっかりと報告書に記載をしておいていただけるとありがたいと考えております。
私からは以上です。ありがとうございました。
【神作座長】
どうもありがとうございました。
続きまして、井口委員、どうぞ御発言ください。
【井口委員】
御指名ありがとうございます。また、報告書の取りまとめ、ありがとうございました。これまでの委員会で各論点について既に意見を申し上げておりますが、報告書にありますサステナ開示、有報の提出期限、それから保証のあり方について、全て賛同いたします。本日は、これまでコメントしていない事項について、3点コメントさせていただければと思います。
発言する箇所は379行目以降の保証業務実施者の開示等の箇所となります。1点目は、これは本ワーキング・グループの権限を越えているとは思いますが、御存じのように、会計監査人の変更の場合、株主総会でその理由を開示して、それに基づき株主が賛否の判断をできるということになっております。投資家、株主にとってのサステナビリティ開示の重要性を考えれば、将来的になると思いますが、同様の仕組みを整えるということは必要と考えております。
2点目は開示のところとなります。投資家にとって監査、保証の実効性を判断するにおいて重要な有価証券報告書の監査役会等の活動状況では、当然のことながら、監査役等がどのようにこの保証に対応したかということは記載されるものと思いますので、これについては問題ないと考えております。一方、報告書にも記載していただいている保証人の選任の理由とか、あるいは交代の理由というのは、開示するようにルールで手当てする必要があると思っております。こういった透明性は重要と考えております。
3点目も開示に関することになりますが、監査・保証の信頼性確保の観点から、報告書にありますように、保証への報酬の開示も必要と考えております。ただし、有報の監査報酬等の開示においては、この保証への報酬がどこに入るかということを明確にする必要もあると思います。個人的には、開示の目的からいたしますと、保証への報酬は、非監査業務に入れるのではなくて、監査証明業務の報酬と同じ区分に入れるのが妥当と考えております。
なぜこのようなことを気にしているかと申しますと、これは金融庁の過去の審議会でも申し上げさせていただいた記憶があるのですが、グローバル含めて内外の投資家は、監査等の信頼性のバロメーターとして、この監査報酬と非監査報酬の金額を見ているからです。実際、グローバル機関投資家団体のICGNのグローバルガバナンス原則では、監査の独立性と客観性の確保の観点から、非監査業務の報酬は通常、監査業務報酬より低くなるべきとされていますし、議決権行使助言会社であるISSの海外の議決権行使ガイドライン、あるいは、グラスルイスの日本企業へのガイドラインでも同様のことが記載されていると理解しております。こういった国内外の投資家の視点を踏まえると、保証への報酬というのは当然のことながら開示すべきだというふうに思いますが、その開示の在り方、どこに開示するかということも重要になると考える次第です。
なお、その保証への報酬は、監査証明業務のほうに入るとしても、保証と監査の金額の内訳も開示すべきと思っております。
以上でございます。ありがとうございました。
【神作座長】
どうもありがとうございました。
それでは続きまして、弥永委員、どうぞ御発言ください。
【弥永委員】
ありがとうございます。それでは、3点ほど発言させていただきたいと思います。
まず、既に他の委員の方からも御指摘ありましたように、有価証券報告書の提出期限の問題というのは、別な視点からも、ちょっと将来検討しなければいけない可能性というのはあり得ると私は思っております。それはどういうことかと申しますと、現在の財務諸表の監査やレビューとの関係でも、監査人が意見不表明とか、あるいは結論の不表明という、こういう選択をなさることがあるわけですけども、これは情報利用者にとってみると、何らの追加的な情報も与えていない監査報告書、あるいはレビュー報告書になっていると思われるわけです。その意味において、このサステナビリティの保証との関係でも、仮に保証業務実施者の方が、結論不表明という選択肢を選ばれてしまいますと、それでは元も子もないので、この観点からは今後、将来的にもしかすると、保証業務実施との関係で考えてみると、有価証券報告書の提出時期について、今回御提案されていますように、内閣総理大臣の承認の下で延長する可能性を認め、期限を守ることによってかえって情報が与えられないというような事態はやはり避けなければいけないと考えております。
2つ目は非常に細かい点でございますけれども、226行目から227行目のところです。これはあくまでも「など」と書かれていますので、運用といいますか、金融庁におかれましてどのような監督をなさるかということによると思いますけれども、やはり会社法の研究者という立場から見ると、資本金とか出資金というのは、当初は会社の財産が確保されていても、その後どんどん減っていっても、我が国の法制というのは、言わばヨーロッパの法制と違いまして、純資産が減っていっても、それに対して何か会社が対策を講じなければいけないという法制になっていませんので、やはり純資産レベルが一定程度下落したような場合について、低下したような場合について監督上の措置が講じられるということが併せて必要なのではないかと考えております。
3点目として、私、今回事務局がまとめていただいたこの案というのはよくできていて、心から敬意を表したいと思っております。けれども、今回の報告書そのものの話ではありませんが、プライム市場に上場されている企業は一体どういう位置づけなのかということは、やはり東京証券取引所がお考えになっていらっしゃることと思いますので、そういう意味においては、仮に法制度として要求しないとしても、やはり金融商品取引所であられる東京証券取引所のほうでプライム市場という位置づけに沿って、現在の言わば四半期決算短信制度とかと同じように金融商品取引法上必ずしも要求されていなくても、自主規制と申しますか、証券取引所、金融商品取引所のルールの下で御検討いただく、そういう余地というのもあると非常にありがたいのではないか、ここでそういうことを申し上げていいのかどうか分かりませんが、そのように感じた次第でございます。
以上です。どうもありがとうございました。
【神作座長】
どうもありがとうございました。ほかに御意見はございますでしょうか。
それでは、関口委員、どうぞよろしくお願いいたします。
【関口委員】
まず、報告書をまとめていただいてどうもありがとうございます。本当に短期間の間に非常に整理されて、すばらしいなと思います。ありがとうございます。
1点だけ、7ページのところ、登録要件というのがあります。これは、本ワーキング・グループでも議論されてきましたが、今回profession-agnosticの仕組みを取るので、登録をするときにどういう方に登録がされるのかというのは非常に重要だということで、体制整備というのが強調されていると思います。この点、今後の実務の話として、登録をしっかりと審査いただいて、実効的な保証業務が実施されるようにしていただきたいなということで、ぜひよろしくお願いします。また、その際、恐らく保証業務をやるときにISQM1に準拠してということが想定されると思うので、登録に当たってもISQM1のフレームワークを想定しながら審査いただくといいのかなというふうに思っています。
以上です。
【神作座長】
どうもありがとうございました。
続きまして、藤本委員、どうぞ御発言ください。
【藤本委員】
御指名ありがとうございます。まず、報告書の取りまとめ、本当にありがとうございました。これまで多くのいろんな議論があったものをコンパクトに、丁寧にまとめていただいていると思います。本当に関係者の皆様ありがとうございます。その上で保証に関して幾つかコメントさせていただきたいと考えております。
まず大きな話としましては、保証業務実施者がprofession-agnosticということですので、先ほどもお話がありましたように、イコールフッティングをどうやって確保するかということがやはり重要かなと思っております。今回の取りまとめの中ではまだ具体的に明確化できないところも多いかと思いますけれども、今後具体的に詰めていく段階で、イコールフッティングが確保できるような検討をぜひ進めていただきたいと考えております。その上で、幾つかコメントさせていただきます。
まず6ページ目から7ページ目のところで、保証範囲について御記載いただいております。7ページ目の脚注11のところでも保証範囲について幾つかの意見が述べられているかと思います。やはり保証範囲を限定することが本当に望ましいのかどうかという点が気になっておりますので、3年目以降の保証範囲を拡大するのかどうかという点については、できるだけ早いタイミングで御検討いただくのがよろしいのではないかと考えております。拡大するに当たっては準備等も必要になりますので、タイミングについて検討するということや、あと、この場でもそういう御意見が複数あったと認識してございますので、その点も御考慮いただければと考えております。
それから、7ページ目の登録要件の上のところで、国際基準に相当するものを企業会計審議会で検討するということでございます。この点に関してはそうなるかなとは考えているけれども、審議会そのものは、基準の設定や調査、審議を行う機関ということでございますので、本ワーキングで検討を行ってもよかったのかなと考えているところでございます。今後、審議会の中でも、そういった点も含めて御議論いただくと考えておりますけれども、改めて、基準の在り方について、ここでも言及されたほうがよろしいのではないかなと考えたところでございます。
それから、登録要件のところになります。ここは財務情報とのつながりを確認するということで、研修等を通じて必要な会計知識を習得するというような記載があるけれども、財務情報とのつながりについて確認、検証できる能力というのは、これまで会計監査を行っていた公認会計士・監査法人の場合に、実務の中で蓄積してきたということもありますので、なかなか研修の受講だけでそれを身につけるというのは難しいのではないかと考えております。具体的に、資格試験が必要なのか、あるいはそのエビデンスというものを何に求めていくのか、もし書き込めるのであれば検討いただきたいと思っております。
あわせて、公認会計士資格を有する者に限定する必要はないという記載もあるけれども、必ずしもそれが総意ではないかなとも思いましたので、少し書きぶりについて御検討いただけたらと考えております。
それから、10ページ目の下のほうのセーフハーバーのところで、まずセーフハーバーの範囲については、これまでも言及しているとおり、見積り情報について含めてよいのかどうかというのは依然として懸念があるところでございますが、開示で、作成者のほうにセーフハーバーが入るということであれば、保証についてもそうなるだろうと考えております。
その中で、前回にもお示しがあった、例えば将来情報等に関する推論過程の開示を求めていくという言及がございまして、これについて保証を付す必要があるのかどうかといった話もあったようにも思っております。これが保証範囲になるとしたならば、かなり大きな話になってくるかなと思っておりますので、今後議論とか検討が行われるのかどうかということを、いま一度確認をさせていただきたいと考えております。
それから、次の11ページ目の334行目から、「サステナビリティ情報に関する保証を通じて企業へ過度な負担がかからないよう配慮する」という言及がございます。セーフハーバーの目的というのは、あくまで開示基準、あるいは保証基準に沿って開示なり保証すること自体が何か変わるわけではないと考えておりますので、保証を通じて過度な負担がかかるということは基本的にないと思っております。むしろ保証基準に沿った適切な保証を実施するということは必要ではないかと考えておりますので、この点少し誤解が生じないかという点が気になっておりますので、「サステナビリティ情報に関する保証を通じて」という文言を削除いただくのが適当ではないかと考えております。
それから、最後になりますけれども、12ページ目の一番最後の段落になります。保証業務実施者については、会計監査人とは異なりまして、選任プロセスについて企業のガバナンスの責任を有する者の関与が求められていないということでございます。これはどう捉えるのかによりますけれども、会計監査人と同様と考えるのであれば、保証業務実施者の独立性確保やガバナンスの強化、利益相反の回避や株主の利益保護等の観点から、金商法において選任プロセスに対する企業のガバナンス責任者の関与について規定を設けるということも考えられるかと思います。ただ、それが難しい場合においては、有価証券報告書の中で選任理由ですとか選任プロセスを開示するということを求めることによって、独立性の担保ができているということが確認できるとも思いますので、その点も含めて今後御検討いただきたいと考えております。
私からは以上でございます。
【神作座長】
どうもありがとうございました。1点、御確認事項があったかと思います。将来情報等の推論過程等について開示が保証の対象になるのかどうかということについて御質問があったかと思いますけども、この点についてお答えいただけますでしょうか。
【小長谷企業開示課長】
今御質問いただいた点ですけれども、企業会計審議会において保証基準を検討する際に、推論課程等を保証の対象に含めるかどうかも含めて議論・検討していきたいと考えております。
【神作座長】
よろしいでしょうか。
【藤本委員】
ありがとうございます。
【神作座長】
どうもありがとうございます。
それでは、続きまして田代委員、どうぞ御発言ください。
【田代委員】
ありがとうございます。このたびはサステナビリティ情報の開示拡充に当たりまして、関係者が多い中で、特に投資家のニーズ、企業側のニーズ、またそれぞれの負担のバランスを考えながら、非常によく、また現実的でリーズナブルなレポートになっているのではないかと思います。一方で、まだ実施されていない、さらには、日本だけではなくて、各国でまだ十分に熟していないという中ですので、最終的な目的でございます信頼性の確保、またはセーフハーバーにおける企業側の情報提供の萎縮を防ぐというものがまだ確認できていない、詳細まで詰められていないということもございますので、今後は、例えばScope3の排出量についてなども、実質的にどうなるかというものを見極めながら柔軟に対応していく必要もございますし、当初は5,000億円以上でも、企業数としては300社程度だと思います。それ以上に、任意を含めて拡充するには、この5,000億円以上の企業が、先ほど申しました信頼性を確保しながらやっていくというのが大切だと思いますので、こまめに情報提供するというのが必要になってくると思いますので、そちらの道しるべみたいなものもぜひ御検討を早めにいただければと思います。
以上でございます。
【神作座長】
どうもありがとうございました。
続きまして、オンラインで御参加の吉元委員、どうぞ御発言ください。
【吉元委員】
御指名ありがとうございます。まず、今回オンライン参加となってしまったことをおわびするとともに、これまでの本WGでの議論、意見を集約して報告書案を作成いただいた神作先生、金融庁事務局の皆様の御尽力に感謝を申し上げます。また、これまで長きにわたり本WGで御一緒させていただきました委員の皆様にも、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございます。
取りまとめ全体としては私も異論はございませんで、中間論点整理において残課題とされた事項、とりわけ第三者保証制度の全体設計について、ステークホルダー間でのバランスの取れた形での報告書にしていただいたのではないかと感じております。その上で、必ずしも今回の報告書案についてではない部分も含みますが、保証に関連する論点であまり議論されていなかったかなと思われる事項で、発行会社の立場から実務的に気になっている点について、質問とコメントを1点ずつさせていただきます。
1点目は質問で、サステナビリティ情報に関する内部統制報告書等の整理に関するものです。皆様御案内のとおり、現状の内部統制報告書は財務報告に係る統制のみを対象としており、第三者保証の対象にサステナビリティに関連するガバナンスやリスク管理を含めるものとしたこととの関係で、保証報告書、オピニオンの前提という意味合いで、例えばですけれども、発行会社に対してサステナビリティに対する内部統制に関する何らかの宣誓のようなものを制度として要求するような想定が事務局としてあるかという点が質問でございます。ディスクロージャーWGにおけるセーフハーバー・ルールの議論において、確認書の記載内容の拡充も議論されていると承知しておりますが、そちらの議論においても内部統制報告書との関係をどう整理するかという点は気になっておりまして、現時点で、もし事務局としてサステナビリティの内部統制の宣誓に関する整理、お考えがあればお伺いしたいというのが質問でございます。
それから2点目は、こちらは今後のSSBJのテーマ別基準拡大時の対応、検討プロセスに関するコメントでございます。先ほど来、ほかの委員からも複数指摘があった点ですが、今後、ISSBによるS3、S4の策定を受けて、SSBJがそれに対応する新たなテーマ別基準を策定、公表する場合、金融庁長官が改めて新テーマ別基準を告示指定する流れになると理解しております。この告示指定、すなわち新基準による開示を義務化するタイミングとの関係において、とりわけ保証範囲をいつどのように決めていくのかという点が実務的に気になっております。
より具体的に申しますと、本WGの取りまとめにおいて、保証範囲は当初2年間はScope1・2に限定し、3年目以降は今後検討とされている点について、例えば女性管理職比率などの人的資本や多様性に関するデータについても新たな保証範囲に含めるかどうかを、どういうプロセス、時間軸で決めていくかという点でございます。先ほど事務局の回答であったとおり、これから詰めていく部分も多いと理解いたしましたが、保証範囲の拡大は、発行会社、保証業務実施者いずれの負担も大きいので、まずは拡大の必要性が本当にあるかということを慎重に議論した上で、もし拡大する場合には、発行会社における内部統制の構築とか保証業務実施者側の対応を含めて準備ができるよう、十分な時間的余裕を持って議論を進めていくことが重要と思っております。
以上です。ありがとうございました。
【神作座長】
どうもありがとうございました。1点御質問があったかと思います。確認書と内部統制報告書との関係等につきまして、今の時点でもし事務局から御回答がございましたら、よろしくお願いいたします。
【小長谷企業開示課長】
ありがとうございます。サステナビリティの情報も確認書のほうのカバー範囲には含まれていると考えておりまして、その意味で、内部統制報告書の拡充ということは現時点では検討しておりません。
【神作座長】
ありがとうございます。吉元委員、よろしいでしょうか。
【吉元委員】
どうもありがとうございます。承知いたしました。
【神作座長】
どうもありがとうございました。
それでは続きまして、上田委員、どうぞ御発言ください。
【上田委員】
御指名ありがとうございます。まずは、このような意義ある会議に参加させていただき、議論に参加させていただきましたこと、御礼申し上げます。ありがとうございました。そして、サステナビリティ情報開示については、特にグローバルな動きが急速に加速して、そして変化してしまっているという中で、待ったなしの対応が必要だと思うんですが、そういった中で、サステナビリティ開示のみならず、ディスクロージャーの全般について今御議論いただいているかと思います。それも多くのステークホルダー、企業、投資家を巻き込んでこういう議論をしていただいたということに、改めて感謝を申し上げます。そして、この報告書につきましては、本当に神作座長はじめ事務局の皆様の御尽力と思いますので、ここは強く、改めてありがたく思うところです。
まず報告書についてですが、全般的に賛同させていただきます。その上で、個別論点について3点ほどコメントさせてください。
まず1点目、123行目以下でございます。有価証券報告書の提出期限についてでございます。3か月以内というのが国際的な信頼を得ているところであると、これは神作座長からも以前、お言葉があったかと存じます。本当にそのとおりと思っております。他方、企業サイド、特に実務サイドからは、新しく制度がある中で、3か月というのは大丈夫なのかという御懸念があるということも承知しているところです。その意味で、延長承認の制度の活用について今回言及がありましたが、ここについてはぜひ啓蒙活動をお願いしたいと思います。とりわけ、今まで目的が、ちょっと使いにくいのではないかというような御意見も本日ありましたので、そういう懸念を排して、これは新しい制度に伴う代替の、救済というと言い方が悪いんですが、心配せずに開示に臨んでくださいというような制度設計の方向であるということを御共有いただけるといいなと思いました。
2点目、保証業務実施者でございますが、今般、監査法人に加えて、それ以外のもの、組織による、法人による参入が可能となるというような御提案でございます。私は将来的にはそれであっていいと思ったんですが、正直、短時間で間に合うかなというところ、資格、資質、制度を懸念したところでございます。というのも、公認会計士法に基づく監査法人と、それ以外も含めた、Non-PAを含めた保証業務実施者については制度的にはイクイバレントな存在であるべきだと思っておりまして、国際基準に基づく厳しい独立性、専門性あるいは品質管理体制の確保というのが求められる、さらにエンフォースメントも求められると思っております。さらに言いますと、資格試験等含めて、資格の確認のあり方とか、あるいは当局によるモニタリングについての厳格な運用が求められると思っています。
ただ、これは一見するとすごく厳しい要件が課せられていて、参入障壁が高いようにも思われるが、有価証券報告書というのは法定開示文書であって、我が国の資本市場、資本主義国家でありますので、言ってみると日本の経済社会に対する国際的な信頼のベースとなる情報でもあります。そういう中で、もし新たにNon―PAが保証業務実施者として参入されるということになると、サステナビリティ開示の裾野が広がるだろうなというふうに思っているところです。また、今後プライム上場会社に対してこの対象を広げていくかどうかという議論をする際にも、インフラが整っていると、これは大きな安心材料としてあることでございますし、今は対象ではない5,000億以下の会社であっても、既にそういう事業者がいるということは議論がしやすいのかなというふうにも感じました。ただ、保証基準については、そうはいっても急ぎ策定を期待するところでございます。国際基準に基づいて、信頼感が得られるような制度づくりになられることを期待しているところです。
最後に、その他の論点、365行目以下の任意の保証についてコメントさせてください。この点については質的部分で、367行目以下の1から3に言及されているような場合には、企業の努力を後押しする、そして信頼性も確保するというバランスから、こういう開示を行っていくことは大変すばらしいことだと思います。他方で、372行目以下の部分、要件を満たさないものについて懸念しています。要件を満たさないものは任意の保証と書いていないので、投資家の誤認を避けるということは何より大事だと思っています。したがって、有価証券報告書はもとより、仮にこれを会社法上の事業報告書等にも記載するということがあれば、これはちょっと厳格に規律するべき必要があるかなということでも、法定文書に記載することは望ましくないと思っております。
さらに、個人的意見として申しますと、統合報告書等の任意開示文書においても、投資家や読者の誤認を避けるというような努力をぜひ企業には取り組んでいただきたいと思っております。その意味で1点、文章の流れが気になったところがございまして、372行目から73行目にかけては「認めるべきではない」という文脈の一文がありますが、373行目後半では、「上記の要件を満たさない場合」の開示というような場合の注意事項になっていますので、ここの記述については少し工夫をいただくか、あるいはこれを注記に落とすとか工夫いただくか、あるいは、実際、加えて具体的な制度化が始まった際には、この辺りは企業が現に努力している部分でもありますので、その辺り誤解がないようにというような啓蒙、啓発についてもぜひ御努力いただきたいと思います。
いずれにしても、最終的な取りまとめにつきましては、神作座長及び事務局の皆様に御一任したいと思います。また、これは終わりではなくて、恐らくこれから法律改正が控えておられるかと思います。そちらも大変な作業かと思いますが、引き続き御尽力を期待するところでございますので、引き続きよろしくお願いいたします。
以上です。ありがとうございました。
【神作座長】
どうもありがとうございました。続きまして、芹口委員、御発言ください。
【芹口委員】
ありがとうございます。報告書をまとめていただいて、ありがとうございます。様々な意見を反映いただいておりまして、感謝申し上げます。全体としまして、中間論点整理で残された課題の検討状況について、記載されている内容に異論はございません。その上で2点コメントをさせていただきます。
1点目は、全体観としまして、保証については、保証基準のように制度の開始までに別途検討が必要なものと、自主規制機関のあり方のように開示・保証の制度が開始してから実務の状況などを踏まえて検討していく部分があると認識をしております。保証の範囲につきましては、制度の開始後に見極めていく必要がある論点だと思っておりまして、7ページの注11に記載のとおり、3年目以降の対応について様々な意見があったと認識をしております。本ワーキング・グループの報告書の内容につきましては現在の記載でよいと思っておりますが、今後の実務の状況や国際動向などを踏まえまして、将来的な保証範囲の拡大について検討が行われるようにお願いしたいと考えております。
また、2点目は、保証の担い手についてでございます。国際基準を満たす保証とすることで業務執行責任者に公認会計士資格を求めないということに賛同しておりますが、7ページの注13に記載のとおり、登録審査や検査・監督において人的体制をしっかり確認いただくことが重要と思っております。従いまして、厳格な運用をお願いしたいと考えております。
最後に、細かい書きぶりに関するコメントで恐縮ですが、7ページの214行目に財務情報とのつながりについて記載がございますが、様々な議論をこれまで行ってまいりましたので、明確化のため、重要性のある情報に絞り込むプロセスについても明記いただいてはどうかと思っております。これは第9回の資料19ページにも記載されている内容でございまして、議論もしくは資料と齟齬はない内容だと思っております。
コメントは以上でございます。ありがとうございます。
【神作座長】
どうもありがとうございました。続きまして、森内委員、どうぞ御発言ください。
【森内委員】
森内でございます。私からは、172行目の保証業務実施者に関する規律のあり方で示されました3つの方針についてコメントさせていただきます。
まず、登録制度の創設です。保証業務実施者を登録制とし、要件を満たせば、監査法人・監査法人以外のいずれも登録可能である、そして事業者間の切磋琢磨により質の高い保証が提供されることを期待する旨が記載されました。
そして、業務執行責任者の資格要件については、サステナビリティ情報の保証において、財務情報とのつながりは重要であるものの、公認会計士資格を有する者に限定する必要はないと考えられるとされました。また、研修等を通じた会計知識の取得や外部専門家の活用などにより必要な能力を確保できると考えると取りまとめられております。
そして、体制整備に関する要求として、保証の質を確保するために、法人であることや、一定の財産的基礎、品質管理部門の設置、審査担当者の確保などが登録要件として求められることになりました。こうした保証業務実施者に関する規律のあり方の取りまとめに賛同いたします。
その理由は3点ございます。まず1点目、監査法人に限定しないProfession-Agnosticなアプローチが採用されたということです。サステナビリティ情報は、温室効果ガス、GHGの排出量などの科学的・技術的な知見を要する項目が当面は多く、これまでも任意保証の実務においてはその半数程度は監査法人以外の専門機関によって提供されてきた実績もあると認識をしております。既に蓄積された高度な環境測定、検証の専門性を制度内で活用することは、保証の信頼性確保において合理的と考えます。
第2に、業務執行責任者を公認会計士資格を有する者に限定する必要はないと考えられるとされたことです。将来的なリソース確保の観点からもこれは妥当と考えます。今後プライム市場全体に保証義務が拡大される可能性、それから開示と保証の対象となるサステナビリティ領域が国際的にも拡大していく動向を考えれば、業務執行責任者を公認会計士資格を有する者に限定した場合、リソースが不足するという懸念がありました。保証の担い手に門戸を広げつつ、実質的な人的体制を厳格に審査する方針は、健全な市場競争と参入促進を両立させるものと考えます。
第3に、保証基準が国際基準、ISSA5000、IESSA等と整合性が確保された基準に準拠して実施されるものとされた点です。日本独自の過度な参入障壁を設けず、国際的に認められた品質管理や職業倫理も求めることで、我が国の第三者保証がグローバルでも有効なものとして受け入れられる基盤が整うと考えます。今後の保証基準の策定に当たりましては、ISO、国際標準化機構においてサステナビリティ情報の妥当性確認・検証に特化したISO14019シリーズの最終化が進んでいることなども踏まえ、国際基準間の同等性について技術的に、また実務的な比較検討を進めることが適切であると考えます。
最後に、様々なステークホルダーから様々な意見が出され、相反するような意見も多々あった中、これらを公平かつ真摯に受け止めていただき、国際動向や市場ニーズなども勘案した上で客観的な報告書案を取りまとめていただいたことにつきまして、事務局の皆様の御努力に敬意を表しますとともに感謝申し上げます。
以上です。
【神作座長】
どうもありがとうございました。続きまして、阪委員、どうぞ御発言ください。
【阪委員】
阪と申します。これまでの様々な御意見、議論をバランスよくまとめいただきまして心より感謝いたしますとともに、御提案いただきました内容について、全体として賛同しております。細かい点もありますが、2つコメントをさせていただきます。
まず、1つ目です。今回の報告書案のIで、「サステナビリティ情報の開示」がまとめられています。この内容は中間論点整理のIの「サステナビリティ情報の開示」と比べてもかなりコンパクトになっております。例えば、中間論点整理の中にある「見積り情報の訂正の要否の考え方」においては、概算部分の確定値が有価証券報告書の提出後に判明したときに、訂正報告書の提出が必要になるわけではないという基本的な考え方が確認されたという内容がございます。これは、最終報告においても考え方としては中間論点整理のとおりで、提出が必要になるわけではないため、最終報告にはあえて書かれていないというふうに理解をしておりますが、この点のほかにも、中間論点整理に記載があり、最終報告書では明示的に言及されていない項目については、注記があったほうが分かりやすいと思う部分もございましたので、御確認をいただけると幸いでございます。
2つ目は、中間論点整理では「SSBJ基準に基づく」と書かれてあった書き方の一部が「SSBJ基準に準拠した」というふうになっていて、「準拠した」と「基づく」というのと両方の記載がございます。私個人的には、これは任意開示を含める場合には「基づく」になっていて、そうでなく、要求される場合には「準拠した」になっているのかなというふうに理解しながら読み進めていきましたが、そうであったとしても、例えば12ページの367行目辺りで有価証券報告書に保証報告書を添付できるケースとして(1)、(2)、(3)が挙げられているんですけれども、この場合は(1)として多分、「準拠して」になるのかなと思ったりしました。
あと、11ページ最終行からの「任意の取組として」とありますが、中間論点整理では、強制適用、早期適用、任意適用、任意開示という整理が確かあったかと思います。ここでは任意開示のことを話しているのかなと考えながら読みましたが、中間論点整理で分かりやすくまとめいただきました用語などについても、注記があったほうが分かりやすいものは含めていただいてもよいのかなと思いましたので、御確認いただけたらと思います。
私からは以上でございます。どうもありがとうございます。
【神作座長】
どうもありがとうございました。続きまして、浅川委員、どうぞ御発言ください。
【浅川委員】
ありがとうございます。JQAの浅川でございます。今般、事務局の皆様の御尽力によって報告書を取りまとめていただきました。誠にありがとうございます。
既に事前説明の場でもいろいろお話をお伺いしました。また、質問票等でも御見解をいただいておりますが、内容を拝見したコメントとして、細かいところですが、2点コメントさせていただければと思います。
まず1つ目ですが、任意保証とエンフォースメントについて、任意保証が(1)から(3)の要件を満たして有価証券報告書に添付された場合、そこで内容等の誤りがあった場合に3種のエンフォースメントの適用、これは法定の保証項目の場合と同様になるのでしょうかという御質問をさせていただきました。こちらは質問票において、基本的に御理解のとおりですが、必ずしもエンフォースメントが全てそのまま適用されるかというところについては、また法制局との調整も踏まえた制度化ということで御回答いただいております。この方針に賛同いたします。
それからもう一つ、同じようにエンフォースメントですが、セーフハーバー・ルールがある項目について、民事上のエンフォースメントや行政上のエンフォースメントのうちの課徴金、こちらについては責任を負いませんということが書かれているかと思いますが、行政上のもう一つのエンフォースメントである行政処分、業務改善命令や業務停止命令等、こちらについてはどうなるのでしょうかという御質問をさせていただきました。こちらにつきましても質問票の御回答で、保証業務実施者が行ったサステナビリティ情報において、虚偽の記載があった場合等において虚偽の記載がないものとして保証を行った際に、セーフハーバー・ルールが適用されて課徴金が課されない場合であっても、例えば保証業務実施者が適切な業務管理体制を整備してなかったなどの理由で行政処分が科される可能性は考えられますということで、具体的な状況はこの後の検討ということで御回答いただきました。この方針に賛同いたします。
その他、全般的な報告書案の記載には賛同させていただきたいと思います。
私からのコメントは以上です。どうもありがとうございました。
【神作座長】
どうもありがとうございました。それでは続きまして、髙村委員、どうぞ御発言ください。
【髙村委員】
神作先生、どうもありがとうございます。皆様もおっしゃっておりますけれども、非常に多様な意見があった中で、これまでの議論を丁寧にまとめていただいて、制度化に向けて非常に重要な取りまとめをしていただいているというふうに思います。こちらの内容について、基本的にこれまでの議論を反映したものとして賛同いたします。その上で、主に今後の検討課題、あるいは事務局で恐らく行われるであろう作業といいましょうか宿題について、幾つか申し上げたいと思います。
一つは、保証についてであります。これは堀江先生はじめ多くの皆さんがおっしゃったように、やはり日本の資本市場がしっかり投資家が中長期的な企業価値を評価して建設的な対話を行うに当たって必要となる情報の信頼性を確保するという意味で、保証の質の確保というのが非常に重要な論点であったと思います。取りまとめでまとめていただいていますように、PA、Non-PAの考え方に立っているわけですけれども、保証の裾野を広げることでその充実を図るとともに、しかしながら、同時に保証と資本市場に提供される情報の信頼性の水準を下げるものではないということは非常に重要な点だと思っております。その意味で本日のところで御提示いただいている登録要件、品質管理、統制等、イコールフッティングを原則としながらまとめていただいている方向に賛成する理由でもあります。
実際に保証の質と保証従事者の能力の水準を確保するという点でいきますと、7ページ辺りだと思いますけれども、やはり保証基準をどう整備していくか、つくっていくかという点が非常に重要だと思っております。これは保証の質、保証従事者の能力の確保ということと同時に、発行体あるいは作成者の観点からいくと、実際の開示の実務、準備を進めるに当たっても、保証についてどのような対応が求められるのかということを明らかにするという意味もあると思います。今回、7ページ目だと思いますが、企業会計審議会で保証基準、品質管理基準の検討をいただくということで示していただいているかと思います。ぜひ企業会計審議会での審議におきましては、本ワーキングで議論した内容、つまり、サステナビリティ開示に伴って出てくる情報と財務情報との違いや、あるいは逆に関連性、それから、国際基準との整合性が確保された基準等のこれまでの議論を踏まえた検討をお願いしたいと思っております。
2点目は、今回の取りまとめというよりは、先週のディスクロージャーワーキングのところでも議論になった点ですが、セーフハーバー・ルールの内容、適用条件についてであります。もちろんこれはディスクロージャーワーキングのところで議論をしたものではありますけれども、発行体、作成者の責任、エンフォースメントの発動要件であると同時に、保証業務実施者の責任のトリガー要件、範囲にも影響すると思います。
先般のディスクロージャーワーキングのところでも申し上げましたが、やはり「将来情報等」という中には様々な情報があり、かつSSBJ基準において一定のリクワイアメント、クオリフィケーションといいましょうか、情報の質について条件を提示しているものもございます。先般、見積り情報を例に挙げて発言をさせていただきました。今申し上げましたのは、やはりこのセーフハーバー・ルールは、先ほど言いましたように保証業務実施者の責任とも連関をしていくものでありますので、ディスクロージャーワーキングでも御意見がありましたように、やはりセーフハーバー・ルールの要件該当性の判断基準を明確化していくこと、それから好事例の普及の点もありましたが、継続的なフォローアップがこの点については併せて必要であろうかと思います。
3点目は、保証の範囲についてであります。当面、Scope1・2、ガバナンス及びリスク管理を保証の対象にしているわけでありますけれども、やはり基本的には開示項目全てという方向観を少なくとも持ってその範囲を拡大していくということが必要だろうと思います。保証の範囲を広げていくとしますと、当然今回議論してきましたように、保証の体制や保証の業務に関わる者の能力構築、それから、まさに議論をこれからする保証基準や、それから登録をする登録の要件等、保証の制度の検討見直しも必要というふうに思いますので、やはり保証の範囲をどうしていくか。私の意見は、基本的にはやっぱり開示項目全てという方向観を持って拡大をしていくということは重要な検討の方向性だと思っていますけれども、やはり早めの検討が必要だと思っております。その点ぜひ御検討いただければと思います。
最後は、今の3点目にも関わってまいりますけれども、柿原委員から2年を目途にといった具体的な御発言もありましたが、やはり運用状況を見て、早めの運用状況の確認、全体のレビューをしていく必要があるのではないかと思います。これは今回議論をして制度化されるものが本当に機能しているのかということを確認していくということ、あるいはさらに、先ほど保証の範囲を例にしましたけれども、今後の制度の発展の観点からどうしていくかを検討する。その中には、何人かの委員も御指摘ありましたけれども、既に11月にはISSBが自然関連の情報開示の基準開発について決定をしておりますし、同時に、民間ベースでと言いながら日本政府も積極的に参加をして経済や資源循環の開示に向けたグローバルサーキュラープロトコルの策定や社会関連のディスクロージャーのイニシアチブも始まっております。その意味で、先ほど申し上げました、運用状況を見て全体を早め早めにレビューしていくということが非常に重要だと思っております。
以上です。
【神作座長】
どうもありがとうございました。続きまして、清原委員、どうぞ御発言ください。
【清原委員】
発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。私のほうからも、3点大きくコメントさせていただければと思っています。
まず第1に、今回の報告の前に中間論点整理があって、そこでは中間論点整理とはなっていますが、一つ中間報告という面もあったと理解しておりました。先ほど阪委員からのご意見でも触れられていた最終報告と中間論点整理の関係についてですが、必ずしも明確には示されていない面があると思います。それから、資料でいうと、この報告のほうは「報告の概要」といった形でコンパクトにまとめたものがあるんですけれども、中間論点整理の段階では特にそういうものはありません。今回の議論の流れはやや複雑で、開示府令と開示ガイドラインのパブコメが現在進行していて、改正の動きが少し複雑で分かりにくい面が恐らくあるのではないかと思っております。こういったワーキングで議論に参加している者としても、こういった関係についてよく考えないとすぐには把握しにくいということもありますので、全体がコンパクトに分かるような形、統合された形になると非常に有用ではないかと考えており、少し明確化についてご検討いただきたいと思っています。
その点で、この報告に場合によっては中間論点整理を別添で添付するとか、そういった形でつけるような形もあるのではないか。ワーキングでの議論自体は、中間論点整理で一つ取りまとめており、かつ継続して検討すべきとされていたところについてこの報告のところでは結論をまとめたという意味で、両者を一体としてみていく面があると思います。もし添付ができないとしたら、リンクを含めた脚注でもいいと思いますが、両方があったことが、報告だけを見た方にも分かりやすく伝わるようにしておくことがよいのではないかなと考えております。それが1点目です。
2点目として、有報の提出期限の延長のところについて、企業の方を含めて御意見があります。大きな企業さんのところは、どうやって作業を前倒しにできるかということにご関心があると思います。その中ではワーキングでは、ヨーロッパなどで実際に行われているところの実務の工夫について以前の事務局資料にも記載されていて、そういったものが広く共有されることは有益で、提出期限の延長の決定を今行わなかったということの裏側として、作業の前倒しに向けて参考になる情報がすごくアクセスしやすい形で企業の方々等皆様に伝わるということ、こういった海外での工夫についての情報の共有についても、少しお考えいただきたいと思っております。
具体的には、見積りの方法をうまく活用することで、有価証券報告書の記載すべき情報を早めに取りまとめることが可能になるというやり方について、この点を十分認識されずに期限延長の御意見を述べられる方も恐らくおられるかと思われますので、注記でもよいので、見積りの活用という点について、特に期限延長のところに関連づけて明記していただき、場合によってはワーキング第7回の事務局資料の参照ページをも含めて入れていただくようなことを少し御検討いただければと考えているところであります。
先ほど3点と申し上げて4点になるかもしれないのですけれども、今回の議論でセーフハーバーのところがまたもう一つ重要な点となりますが、これまでこの論点、この用語についてのコメントをしてこなかったのですが、「推論過程」という言葉の使い方について、実はあまりよく分からないなと考えています。セーフハーバーの対象としている3種類、3類型の情報があるわけですが、そのいずれにも「推論過程」という言葉で表現するものが検討プロセスを表現するうえで毎回うまく当てはまるのか、このところを詰めてみると、実はよく分からないところがあると思っています。
数字を見積もったりする上で必要になったパラメーターとかそういうものはあるけれども、それをつなぐものが「推論過程」という用語で表現されるのかどうか、よく分からない面があるのです。現在の開示ガイドラインでは括弧書で「例えば推論過程」というふうに「例えば」と例示として示されてきたのですが、必ず推論過程を記載しなければならない、というふうに決め打ちのような形にしてしまうと、もしかするとぴったり当てはまらない場合があるかもしれないです。ですので、ここの部分についてフレキシビリティといいますか、この報告に取りまとめた文言が今後の作業で支障にならないように、そういったところはちょっと工夫といいますか柔軟性を残すことを御検討いただければと思っています。
長くなって恐縮ですが、一番最後のガバナンス絡みのところで、保証の質などを考えていったときに、先ほど委員からのご意見にもありましたように、易きに流れるといいますか、価格だとかそういったことに流れることがないようにするうえでどうするか、ということを考えていくと、やはり監査役や監査等委員などとの連携やその関与というところが当然重要になってきます。そこの部分について、報告案において開示についての記述はあるのですけれども、本来的にいうと、やはり会社法での手当てが望まれるところですが、対象企業がプライム市場上場でしかも時価総額で限定されているため、それを会社法的な規律とするのは難しい面があるのは確かです。そこの部分について、会社法での手当としては、開示項目、事業報告その他に記載する項目があるとすると、企業の方は非常に真剣に考えるという実情があります。
広く保証の在り方を考えるうえで、保証業務実施者の選任とか、それから報酬について、独立性を確保することには重要な意義があるということを、ガバナンスの面からの重要性の周知を図る上で、できるだけ広く取り上げていただけるようなことを金融庁のほうにも御検討いただきたいということと、また、法務省等ともご調整いただくなどもあわせて御検討いただければというところがあります。
長くなりましたが、私からは以上です。ありがとうございました。
【神作座長】
どうもありがとうございました。続きまして、オンラインで御参加の松井委員、どうぞ御発言ください。
【松井委員】
ありがとうございます。それでは、私もサステナビリティ開示につきまして、様々な方向性があり得るところ、株式時価総額3兆円、1兆円という閾値の設定とか、あるいは2段階開示を伴い、延長を行わないという方向性で調整を行ったこととか、様々な意見から何か一定の方向性を見いだして、中間論点整理に引き続き報告書を取りまとめていただけたということについて御礼を申し上げたいと思います。私も報告書の方向性について異論はございません。今後、監査を含め、保証を含め実施に移っていくわけですけれども、実施においてなお注視し、あるいは調整すべきポイントというのがあるかもしれないと思いますので、そういった点についてだけ少し述べたいと存じます。
まず第1に、適用範囲についてです。これは主として中間論点整理で議論された内容かと思いますけれども、今年度の株価の動きを見て感じたところということでございます。日本法は時価総額基準を取るということで、これは投資家の関心との連動を見るという点で非常に適切だと私は思っております。ただ、適用範囲が動きやすいという問題はあるかと思います。この点、注4にありますとおり、5年間の推移を見て決めるということであり、また、プライム企業である以上、5,000億円程度であったとしても比較的株価の推移は安定的になるであろうというふうに考えていたわけですけれども、今年度の株価というのは、日経とかTOPIXで20%程度の増加があり、通常、揺り戻し、調整局面があるかと思うんですけれども、海外での政治状況や経済状況がもし不安定化すれば、例えば東京に資本が逃避してくるというような形で、市場全体に、業績と関係なく、世界情勢によるインパクトが効いてくるという局面が出てくる可能性があるかと思っております。このように企業の実力と関係なく適用範囲が急に拡大いたしますと、プライムに残ってはいるけれども、開示については準備が間に合わないといったような企業が出てくるかもしれないという点が少し引っかかるようになりまして、理論的には調整が必要な状況が出てくるかもしれないなと感じたところであります。
第2に、事務的な問題として、有価証券報告書提出期限との関係でございます。これについては、各委員が了解され、かつ実施可能性を考慮された上でこのような方向にまとまったと承知しておりますけれども、先ほど弥永委員が御発言されたように、実際にこの制度を走らせてみると、保証を実施する方々の御負担との関係で期限内に情報を集め切ることができないとか、あるいは企業側が二段階開示のスティグマということを気にして無理やり合わせるなど、実際の運用で問題が起きるという可能性はないわけではないと感じました。したがって、制度を固めたといいましても、今後も引き続き状況が動いていきますため、日本としての規制の運用のやり方ということについて注視を続けていく必要があると思っております。
また、注16、保証業務の実施者のローテーション制度につきまして、サステナビリティ制度については、そもそも正確な開示が難しく、クライアントとなる企業で事業がどのように行われているかについて習熟が必要である一方で、癒着や不正が起きる道筋という点については、経済的なインセンティブでそれが起きるということは財務情報ほど明らかではないと思っております。能力不足ゆえに形骸化するという特徴はもしかするとあるかもしれないんですけれども、もし保証の範囲を広げるという将来的な方向性を志向するということであれば一層、形式的に財務情報と同様の制度を志向するというよりは、適切に運用するにはどうするかということを考えて、例えばローテーションの期限を長めに取るとか、報酬の制度について工夫をするとかといった工夫をしていく可能性があるというふうに思っております。いずれにせよ、エンフォースメントに際して監督にも様々な負荷がかかる制度であるかというふうには存じますので、引き続き様々な点での監督についてよろしくお願いいたしたいと思います。
以上です。
【神作座長】
どうもありがとうございました。本日御参加の委員のほぼ全員から御発言をいただいたのですけれども、オンラインで永沢委員、もし御発言ございましたら、おっしゃっていただけますでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。
【永沢委員】
御指名いただきありがとうございます。フォスター・フォーラムの永沢でございます。私は有価証券報告書の直接の利用者ではなく個人投資家の立場で入っておりますので、間接的な利用者としての立場で参加させていただいております。今回の皆様の議論は、実務のお話につきましても、法律の話につきましても、正直なところかなり難しく、どこまで自分として理解できているのかは分からないんですけれども、しかしながら、この非財務情報の開示に向けて、いろいろな実務も、それから専門の方々も、多様な意見をぶつけ、この場に出されて、真剣な議論がなされたことを通じて、改めて情報開示制度というこの制度が、多くの専門家、ステークホルダーの皆様の本当に高い専門性によって支えられているということを再認識させていただきました。その上で幾つか、要望的というよりも感想的なことをお話しさせていただきたいと思います。大きく2つでございます。
1つ目は、先般のディスクロージャーワーキング・グループでも企業負担のお話が出てきましたけれども、この非財務情報の開示に当たっては企業の負担がかなり大きいことも理解いたしました。また、それなりに費用も追加でかかることから、株主の負担も増えてくるということは避けられないということはよく理解できました。従いまして、この情報が、単に情報開示制度、法的な義務を果たすためだけにとどまらず、やはり投資家、機関投資家だけでなく個人投資家にも投資判断に役立つように有効に活用されることを強く願っております。その役割はアナリストやファンドマネジャー、それから企業御自身の御努力も必要かと思いますが、その点を切に望むところでございます。
2つ目でございます。多くの委員の方もお話しされておりましたけれども、私も今回、保証業務実施者が従来の監査法人や公認会計士から広がることにつきまして、その必要性は理解いたしておりますけれども、やはり、ややといいますか、かなり不安を感じていることは確かでございます。品質の確保について不安がないわけではありません。財務情報のように何が正確なのか、財務情報においても正確という概念がどうなのかという議論はあると思いますが、この非財務情報につきましては、正確なのかどうかというところの判断が非常に難しい領域だと思いますし、個人投資家にはその情報の品質を見極める力もございませんので、その意味で、この保証業務の必要性、それからこの保証業務が決して開示制度の信頼を揺るがすような事態を引き起こすようなことがあってはいけないというふうに感じております。
そのため、やはり、9ページの(4)の、金融庁が検査・監督をして厳格に運用していくというところでございますけれども、「当面は」というふうに書いてあり、恐らく自主規制という形に委ねるのが望ましいという考え方は正しいと思うんですけれども、この自主規制に委ねる段階の見極めというのは慎重にしていただきたいと思っております。本当に期待したような制度設計どおりになっているのかどうかを見極め、ここの部分は「当面は」とは書いてありますけれども、私としては金融庁にしっかりと見ていただきたいというのが希望でございます。
また、これもほかの方から出ておりましたけれども、金融庁だけに頼むことはできなく、やはり各企業がこの非財務情報の保証についてどこの実施者を使われるのかというところは各社の御判断でなるわけですけれども、数人の方からお話も出ておりましたけれども、易きに流れるのではないかとか、経営者にとって都合がいい実施者を使ってしまうのではないかというようなところは疑えば切りがないところでございます。やはりここのところも、どういうふうにしてガバナンスを利かせていくのかというときには、やはり方法としてはこういったところを丁寧に開示いただいて、多くの目に触れて、その判断、それから金額等が妥当なのかどうかというところを見ていくしかないのかなと思っておるところでございます。
いずれにしても新しいチャレンジではございますので、また、非財務情報は、個人投資家でもやはり目先の利益だけではなくて、自分が応援している企業が社会の一員としてやはり環境や人権に配慮した経営をしていってほしいと願っていることは当然のことですので、この非財務情報がよりよい方向に使われることを、そしてまた、よりよい方向に企業が動くように後ろから背中を押すようなものになってほしいと願っております。
雑駁ではございますが、以上でございます。ありがとうございました。
【神作座長】
どうもありがとうございました。本日御参加のすべての委員から御発言をいただきました。おおむね本報告書案の方向性につきまして御賛同いただいたと承りましたけれども、三瓶委員、柿原委員、それから藤本委員、上田委員、芹口委員、阪委員、清原委員からは、具体的な修正の御提案ないしは御要望をいただいたと思います。特に阪委員と清原委員からは、今年の7月に公表されました中間論点整理とのリンクとか、それへの言及等についての御質問、御意見があったかと思います。現時点でもし事務局からこれらの点について何か御回答できる点がございましたら、よろしくお願いいたします。
【小長谷企業開示課長】
中間論点整理で結論が出ている論点については、確かに必ずしもこの最終報告書の中に言及していなかったところがあるかと思いますので、いただいた御指摘を踏まえて、添付とするのか、リンクを貼るのか、考えてみたいと思います。
【神作座長】
どうもありがとうございました。
ここで、オブザーバーの方から御発言をいただきたいと思います。オブザーバーの方々でもし御意見がございましたら、どうか御発言をお願いいたします。
それでは、経団連の魚住さん、どうぞよろしくお願いします。
【日本経済団体連合会】
ありがとうございます。報告書の取りまとめをいただきまして、感謝申し上げます。簡単に発言をさせていただきます。
まずは、委員の皆様からも御指摘がありましたとおり、この制度が出来た後の評価・検証の部分は不断に行っていただきたいと考えます。その際、やはり諸外国と比べて、表面上の制度だけでなく実態としてどうなのか。開示側や保証側の実務的な負荷だけでなく、利用者側の活用方法を含めて費用対効果を十分に分析していただく事が重要と考えます。ぜひその辺りを踏まえる形で報告書の見直しをしていただければと考えております。
また、2つ目の指摘は、報告書における訂正報告書に関する記述についてです。事務局からの御説明の中では、訂正報告書を今回経過措置として扱っているものについては、誤りを訂正する公式文書ではないと整理されたと認識しております。ぜひこの辺り、報告書の中か、あるいはガイドラインなのか、ぜひ誤解のない形で十分な周知徹底をお願いいたします。
最後ですけれども、セーフハーバー・ルールに関しまして、先般開催されたディスクロージャーワーキング・グループでも発言をさせていただきました。やはりSSBJ基準に基づいて既に認められている合理的な方法による見積り、すなわち、最善の見積り、これを行っている限りにおいては、当該見積り値と事後的に判明した確定値がたとえ乖離したとしてもそれは虚偽記載には当たらないということで、これも報告書に御記載をいただくか、あるいは誤解のないように別途周知をいただくか、しっかりと工夫をいただきたいと考えます。
以上でございます。
【神作座長】
どうもありがとうございました。続きまして、日本公認会計士協会の太田さん、どうぞ御発言ください。
【日本公認会計士協会】
発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。また、報告書につきまして、短い時間で丁寧に取りまとめいただきまして、ありがとうございます。全体的な方向性に賛同しております。
何点かコメントさせていただきます。まず、保証業務実施者に関する規律の在り方について、委員の皆様からもありましたとおり、イコールフッティングを確保するというのが重要だと考えております。こちらの報告書におきましても、11ページの刑事上のエンフォースメントの部分で記載いただいていますけれども、この点は規律の基本的な考え方として記載をいただいたほうがいいのではないかと考えております。
また次に、登録要件についてですけれども、8ページ目の220行目の辺りに、品質管理部門を設置するとか、審査について触れていただいております。例えば国際的な品質管理基準のISQM1では、これ以外に、品質管理システムを整備・運用する、また、モニタリングをする。モニタリングの中では、定期的な検証といいまして、実際の業務が事務所の方針に基づいているかどうかをチェックする、そういったことも求められております。業務の品質を確保する上では、こういった点も非常に重要ですので、報告書においても言及していただくことも考えられるかなと思っております。
最後に、民事上のエンフォースメントに関してセーフハーバーの部分で、11ページ目の334行目、5行目の辺りに、投資判断に有用な情報が開示されるように、サステナビリティ情報の保証を通じて企業へ過度な負担がかからないよう配慮することも必要であるというふうに記載いただいています。この点、保証については、セーフハーバー・ルールの設定の有無にかかわらず、保証基準に基づいて適切に保証を実施するということですので、少し誤解を与える表現になっているとも考えられますので、「サステナビリティ情報の保証を通じて」という箇所は削除いただいたほうがいいのではないかと考えております。
以上でございます。
【神作座長】
どうもありがとうございました。続きまして、関経連の森さん、どうぞ御発言ください。
【関西経済連合会】
関西経済連合会でございます。事務局におかれましては、取りまとめにつき厚く感謝申し上げます。報告書案に関しましては、全体を通じてこれまでの議論をおおむね反映いただいておるかと存じますので、その上で幾つか申し上げたく存じます。
まず、3ページに記載のある時価総額5,000億円未満の企業への適用というところについては、ここはぜひ慎重な検討をお願いしたいと考えております。時価総額が必ずしも企業の本質的な実力を表すというわけではないとの前提ではございますが、時価総額の小さな企業においては、投資家の注目度が相対的に小さくて、結果として社内の体制も手薄といったケースも考えられますので、そうした中で一律に制度を適用してしまうと、期待される効果を上回る負担みたいなところにつながる懸念がございます。こういう不安の声も聞こえてくるところでございますので、引き続き、企業の実務、それから制度としての習熟度合い、これらに国際動向も注視して、どうしても必要性が確認できなければ、適用対象を広げないという方向性もぜひ御検討いただきたいと思っております。
2つ目は、先ほど何名かの委員からもございましたとおり、幾つかの論点については将来的な検証が必要な論点が残っておりまして、この検証を含めて制度の振り返りをしっかりと行うことが大事だと思っております。サステナビリティの取組の重要性については論を待たないところかと思いますけれども、これらの情報開示が投資家の投資判断にどのように活用されているのか、その効果に対して企業や保証業務の実施者の対応コストは見合っているのか、こういった点も含めて、数年たった段階で改めて関係者で全体をレビューして必要な修正を施す機会を設けていただくように強くお願いしたいと思います。
それから最後、1点だけ実務的なところで確認でございます。SSBJ基準の適用ロードマップとセーフハーバー・ルールの適用、その要件に関連する確認なのですけれども、時価総額で判定される強制適用の時期にかかわらず、SSBJ基準の早期適用や任意適用を行った企業、それから保証人においても、要件を満たした場合にはセーフハーバー・ルールも適用されるのだという点は念のために明らかにしておきたく、お伺いできますと幸いです。
このセーフハーバーの適用要件については、現在進めていただいているガイドラインや開示府令の改正案では確認書についてはまだ言及されていなかったかなと思いますので、もし推論過程や社内手続に関する有報上の記載と、それから確認書への追記がセットで行われることがセーフハーバー・ルールの適用の要件ということであれば、その点も含む全体観みたいなものを関係者に分かるように確認していただくといいのかなと感じた次第でございます。
私からは以上です。ありがとうございました。
【神作座長】
どうもありがとうございました。1点御質問があったかと思います。事務局から御回答お願いできますでしょうか。
【小長谷企業開示課長】
任意の保証の場合あるいは早期の適用の場合についても、もちろん要件を満たすことが前提ではありますが、制度導入後はセーフハーバー・ルールの対象になるものと考えております。
【関西経済連合会】
ありがとうございます。
【神作座長】
ほかに、オブザーバーの方で御発言を希望される方はいらっしゃいますか。それでは、東証の青さん、お願いいたします。
【東京証券取引所】
東証の青でございます。発言の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。全体的に非常に多様な議論、意見がある中で、現実を踏まえて必要な情報の開示が適切に行われるようにというところを十分に意識していただいた取りまとめをしていただいたものと認識をしてございます。今後、日本の上場会社が投資家から適切な評価を得るに必要なことが整ったという形になるのではないかというふうに考えてございまして、今回の取りまとめの内容について賛意を表させていただければと思うところでございます。
それであと、今後のところといたしましては、まず対象として、今回、東証プライム市場の中で時価総額で範囲を区切って段階的にしていただいたというところは非常に現実に即しているということだと思います。また先々、時価総額5,000億円未満のところをどうしていくかというところにつきましては、今後、現実に即しながら議論を重ねていくということになるのかと思います。その際に、プライム市場の位置づけというところで、グローバルな投資家と対話を通じながらその水準に対応していくということを各企業さんのほうでお考えになられてプライムを選んでいらっしゃるということを踏まえた上で、あと、現実も踏まえながらいろいろな御議論をいただければというふうに思うところではございます。
それから、サステナビリティの保証に関しましては、やはりしかるべき水準というところが重要だということで考えてございますので、提供する主体として監査法人だけじゃなくて非監査法人や公認会計士以外も対象になるということ自体は全く異論はございませんけれども、やはり保証の水準とか保証者の実務の体制が重要になってくるということかと思います。この辺りは、これまでのところでも機能に即して必要なことはしっかり求めていくという御議論をいただいたところでございますけれども、やはり重要なところとして、今回は自主規制的なところを、自主規制機関に任せるのではなくて最初のところは金融庁のほうで検査・監督を行っていただけるということになっているところにつきましては非常にありがたいところでございます。そこのところの実効性が非常に重要になってくるかと思いますので、何かと大変な部分があるかと思いますけれども、ぜひ適切な運用に努めていただければ、取引所のほうとしては幸いに存じます。
以上でございます。ありがとうございます。
【神作座長】
どうもありがとうございました。オブザーバーの方で、ほかに御意見、御発言はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
オンラインでの参加の方もよろしいでしょうか。
どうもありがとうございます。まだ少し時間がございますので、もし本日の皆様の御議論を聞かれて追加の御発言あるいは2度目の話がございましたら、どうぞ御発言ください。
堀江先生、どうぞ。
【堀江委員】
再度の発言、恐縮でございます。開示や保証が義務づけられていない企業であっても、取引先等から信頼のおける情報の提供が求められたりとか、こういうことが現実に起こっているはずでありまして、この問題について考えると、今回作ろうとされている制度というのは結構影響範囲が大きいと思うんです。
先ほど吉本委員から内部統制の問題が出て、内部統制報告書への影響はあるのかということで、小長谷課長のほうからは、一応現行の金商法上の内部統制報告制度とは切り離して、やるとしたら確認書ではないですかというふうな御回答があったかと思うんです。この点に関連して気になっていますのが、実務の現場では、内部統制イコール金商法上の内部統制報告制度というふうに非常に狭く解釈されていることです。
本来、内部統制というのは、業務の有効性と効率性を高める、そういう仕組みでもあります。私もこのワーキングの第1回目で内部統制という言葉を使ったらすぐに大量の文書化をまた要求するつもりかなんていう反応がありましたが、決してそんなことではありません。確かに、企業会計審議会におきまして、「内部統制の評価と監査の基準」を改訂する際に、前文の中で、中長期的課題として、非財務情報に係る内部統制、これはやっぱり将来的には検討していかなければいけないだろうということは確かに書かれたんですが、ひとまず今回のサステナ情報の開示と保証の議論とは切り離して考えざるを得ないと思います。
情報開示と保証の前提として内部統制は必須ですが、今、内部統制報告制度と絡めてしまいますと、実務対応は大変なことになってしまいますので、取りあえずは課長が言われるとおりに確認書レベルでの対応ということになると思います。この内部統制というもの、これは先ほど申し上げましたとおり、開示や保証が義務づけられていない会社であっても信頼される情報を提供しなければならないということを考えたときに必要ですし、さらにはガバナンス上の対応も必要だと思います。内部統制というのは文書化とイコールではありませんし、ガバナンスというと何か新たな組織をつくらなければいけないという、こういう誤解はぜひ解くようにしていただけますと幸いです。
以上でございます。
【神作座長】
どうもありがとうございます。
ほかに御発言はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
大変活発な御議論をいただき、誠にありがとうございました。先ほども申し上げましたように、本日事務局から御提示いただきました報告書案については、大筋において、その方向性と内容に御賛同いただいたと思いますけれども、様々な具体的な修正とか追加の御提案もいただいたと思います。
そこで、もしよろしければ、本日いただいた御意見等を反映して事務局においてまた修正案を作成していただき、各委員の皆様に改めてその案文をメール等でお送りさせていただき、その上でそれを御覧いただきチェックしていただいて、特段の御意見なく委員の方の御了解をいただけましたら、正式な取りまとめとさせていただければと考えております。
誠に恐れ入りますけれども、そのような進め方で進めさせていただいてよろしゅうございますか。
(「異議なし」の声あり)
【神作座長】
大変ありがとうございます。
また、本ワーキング・グループにおける取りまとめの結果につきましては、今後、金融審議会の総会において御報告をさせていただきたいと存じます。
本ワーキング・グループにおきましては、11回にわたって皆様方に御議論をいただきました。委員の皆様方には、大変御多忙のところ、毎回精力的な御議論を賜りまして、誠にありがとうございました。特に今年の7月に中間論点整理をとりまとめるに際しましては、第三者保証に関する専門的な論点について当ワーキング・グループの下に設置された専門グループにおいて集中的にご審議いただきました。堀江先生を中心とする専門グループのメンバーおよび事務局の皆様に厚く御礼申し上げます。最後に、本WGのメンバーと事務局の皆様に対し、重ねて御礼申し上げます。
ここで、井上企画市場局長から一言御挨拶をいただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
【井上企画市場局長】
ありがとうございます。本ワーキング・グループにおきまして、昨年の3月以来、11回と長期にわたり、座長の神作先生はじめ、委員の皆様に精力的に御検討いただきましたことを、事務局を代表して厚く御礼申し上げたいと思います。
また、この間、第三者保証に関する専門的論点については、専門グループでも4回にわたり御審議いただきました。座長を務めていただいた堀江先生はじめ、専門グループの委員の皆様にも感謝申し上げたいと思います。
事務局といたしましては、今後、報告書に示された内容に沿って法律改正を含めた制度整備等に取り組んでまいりたいと思います。今後も御指導いただくことがあろうかと思いますけれども、何とぞよろしくお願い申し上げます。
【神作座長】
どうもありがとうございました。
それでは、以上をもちまして、本日の会議を終了させていただきます。本日も活発な御議論を大変ありがとうございました。
―― 了 ――
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