金融審議会「投資信託・投資法人法制の見直しに関するワーキング・グループ」(第13回)議事録

1.日時:

平成24年12月7日(金曜日)13時30分~15時30分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館13階 共用第1特別会議室

○横尾企画官

開催に先立ちまして、事務局より資料の確認をさせていただきます。本日の資料といたしましては、最終報告案、それから参考資料といたしまして、同じく最終報告案ですけれども、下線のついたもの。それから、メンバー名簿。また、本日は永沢委員より意見の提出がございましたので、そちらも配付させていただいております。ご確認をお願いします。

○神田座長

よろしいでしょうか。

それでは、始めさせていただきます。本日は、投資信託・投資法人法制の見直しに関するワーキング・グループの第13回目の会合ということになります。皆様方には、いつも大変お忙しい中をお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

本日でございますけれども、お手元の議事次第にありますように、まず事務局から最終報告案について、25分程度ということだそうですが、ご説明をいただきます。そして、その後、皆様方にご審議をいただくという流れで議事を進めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

それでは、まず事務局からの説明をお願いします。

○横尾企画官

市場課企画官の横尾でございます。よろしくお願い申し上げます。

本日は、これまでの計12回の議論をまとめさせていただきまして、事務局がドラフトいたしました最終報告案を審議していただければと存じます。

お手元に最終報告案を2種類ご用意しておりますが、内容は全く一緒でございます。最終報告案は、中間論点整理で整えていただきました骨格に後半戦で議論されたことを付加する形でご用意させていただいております。そういった関係で、参考資料として、中間論点整理より変更になった部分に下線を引いたものをご用意させていただいております。

説明の時間もございますので、参考資料に沿いまして、中間論点整理より変更になった部分を中心に、議論を取りまとめさせていただいたポイントをご説明させていただきます。

まず参考資料1ページでございます。中ほどに、「様々な主体に対して適切な投資機会を提供するため」云々という記述を加えさせていただいております。各論の検討結果の報告を詳細に記載した最終報告案でございますが、そもそもそういった諸点を、何のためにやるのかという理念的なところを加えさせていただいております。その理念というのは、「資産運用業は、今後の金融・資本市場の発展や個人金融資産の拡大を担う中核的な業務の1つとして位置づけられるものであり、運用会社には、その運用力を強化し、個客に適切な運用サービスを提供していくことが強く求められる」。こういった記述を入れさせていただいております。

参考資料1ページの残りのところは、後半戦の議論を踏まえた検討経緯に関する記述の技術的な修正でございます。

1枚おめくりいただきまして、参考資料2ページ、上段の下線は、同じく経緯を記述した技術的な修正でございます。中ほどに加えておりますのは、ファンド・オブ・ファンズや外国運用業者への外部委託の進展といった最近の傾向を記述させていただいております。具体的には、「近年、投資割合が上昇しつつある外国資産による運用については、外国運用業者の運用力や当該国での投資信託の運営に関するインフラ基盤等を利用するため、外国運用業者への外部委託又は外国運用業者が運用するファンドへの投資がなされていることが多く、投資対象の多様化が進む一方で、商品性の複雑化の一因にもなっているとの指摘がある」という記述を加えさせていただいております。

続きまして、参考資料3ページでございます。上段にあります最初の下線は、冒頭に掲げました理念と呼応しているものでございます。「運用会社が、商品開発能力のみならず、国内外資産に対する運用力を強化することにより、投資家のニーズに応じていくことが求められる」という記述を加えさせていただいております。

中ほどには、業界慣行等の見直しに当たっては、「諸外国における状況も踏まえつつ」必要に応じて検討が行われるべきという点を加えさせていただいております。

さらに、参考資料3ページ下段にありますのは、前回のご議論の中で、投資信託の運営に関して、投資者保護を誰が担保するのか、どういったチャンネルで担保していくのかというご議論があったかと思います。その点を加えさせていただいております。「運用会社による投資信託の運営の適切性の確保について、投資家や受益者によるモニタリングを通じたガバナンスのみに期待することが難しい中、運用会社と受託会社は投資家や受益者に対する受託者責任を負う者として、適切な運営を行う必要がある。また、当局による規制や適切な検査・監督が求められる。さらに、関係業界を中心とした自主的なモニタリングを行うことも効果的である。具体的には、例えば投資信託協会が投資信託の運営につき、一層、幅広く投資家の声を集め、適切に運用会社間での共有を図るなど、多様な経路を通じて適切な投資信託運営が確保されることが望ましい」。こうした記述を加えさせていただいております。

参考資料4ページから各論の記述になりまして、後半戦の議論を反映させた形で記述させていただいております。まず(a)書面決議を要する約款変更範囲の見直しでございます。ワーキング・グループでご議論いただいたように、そこに3つの丸を掲げておりますけれども、こうした約款変更については、基本的な性格が変更しないものとして、約款変更に際し、書面決議を要しないこととするのが適当であると書かせていただいております。

また、「書面決議が不要となるこれらの変更と解される具体的な事例を、今後、明確化していくことが適当である」とも加えさせていただいております。

下段は、(b)書面決議を要する併合手続の見直しでございます。丸が同じように3つございますけれども、これもワーキング・グループでご議論いただきました要件を書かせていただいております。一番下段に、こういった要件を全て充足する場合には「商品としての基本的な性格」に相違がないものとし、書面決議を不要とすることが適当であると記述させていただいております。

それから、(c)受益者数要件の撤廃でございます。こちらについては、下線部の中ほど、「この点については、投資信託においては受益者の個性による影響が極めて限定的であることに加え、受益権の内容の均等性が担保されていることにも鑑み、約款変更や併合手続の見直しを促進する観点を踏まえ、受益者数要件を撤廃することが適当である」と記述させていただいております。

次に、(d)反対受益者の受益権買取請求制度の見直しでございます。こちらについては、同パラグラフの3行目ですけれども、「オープンエンド型投資信託においては、解約請求を行えば、解約時の基準価額に準じた価額によって償還金を受領することができる。よって、そのような投資信託については、反対受益者の受益権買取請求権を付与して投下資本の回収機会を追加的に設定しなくても反対受益者に与える不利益は乏しいことから、同制度を適用しないこととするのが適当である」と記述させていただいております。

それから、マル2同一投資信託における複数の報酬体系等の容認でございます。この点はいろいろ議論していただいたのですが、最後のパラグラフにありますように、「そうした仕組みを導入する場合には、かえって投資信託の運営のためのコストがかかるとの指摘もあることから、現時点においては、直ちに制度化を図るのではなく、引き続き、具体的なニーズを確認した上で、上記の論点等に関する検討を行うことが求められる」という形で記述させていただいております。

次に参考資料6ページでございます。マル4運用財産相互間取引の容認範囲の明確化でございます。これについては幾つかのセーフハーバー的に事例を加えていくということで記述をさせていただいております。具体的には下線部でございますけれども、「「必要かつ合理的」と認められるものとして、社内のリスク管理等の観点から投資制限を設定している場合にこれを超過することを避けるために行う取引などの例示を加えることが適当である」とさせていただいております。

加えて、「現在は上記の例外的な取引の対象とはなっていない外国金融商品市場に上場されている有価証券についても、一定の外国金融商品市場に上場されている場合には、運用財産相互間取引を容認することが適当である」と記述させていただいております。

参考資料6ページ最下段でございます。価格調査制度に関するところでございます。こちらは、次のページ、「価格調査によらずとも価格の公正性を確保することが可能であると考えられる類型の店頭デリバティブ取引について」も、価格調査制度の適用を除外することとさせていただいております。

それから、利益相反のおそれがある行為が行われた場合の受益者への通知につきましては、その丸の2行目の最後、「電子的方法等による公告及び運用報告書への記載等により受益者等に報告することを認めること」とさせていただいております。これらについて、適切な措置を講じることが求められるとさせていただいております。

その次のパラグラフはMRF等についてでございます。こちらは、「現在、基準価額が1口1円で固定されている。保有債券の突発的な価値の下落等により基準価額が1口1円を割り込んだ場合、手作業による対応が必要となる。国際的な規制改革の動向も踏まえつつ、受益者の円滑な追加設定・一部解約等を目的とした運用会社等による劣化運用財産の買取り等を損失補填の禁止の適用除外とすることを含め、MRF等の安定的な運営に資する措置の検討を進めることが適当である」とさせていただいております。

それから(3)一般投資家を念頭に置いた適切な商品供給の確保でございます。まずマル1の2パラグラフ目、「オープンエンド型投資信託の継続募集を行う場合に、1年ごとに提出することとされている有価証券届出書と、継続開示として提出が求められる有価証券報告書については、基本的に開示項目が重複していることを踏まえて、可能な限り両書面の統合を図っていくことが適当である」と記述させていただいております。

(a)運用報告書の二段階化のところは字句修正でございます。加えて、下から4行目の下線につきましては、運用報告書(全体版)を運用会社のホームページなど投資家にとってアクセスしやすい電子的方法による提供を原則とするという旨を加えさせていただいております。

参考資料8ページ、(b)運用報告書記載事項等の見直しでございます。「交付運用報告書においては、他の投資信託と比較可能な方式で当該投資信託の現在及び過去の状況を記載する。また、グラフや図を活用し、平易かつ簡素な表現で文章による解説を行うなどわかりやすい表示を行う」ということにしております。また、「運用報告書(全体版)においては、引き続き、必要な情報を詳しく記載する。なお、見直しの具体化に当たっては、交付運用報告書が既存顧客に運用状況に関する重要な事項を説明する大切な「コミュニケーション・ツール」であることを踏まえ、実務家を中心に、投資家の意見も交え、さらなる記載方法の検討を行うことが適当である」とさせていただいております。

それから、(c)有価証券報告書との関係でございます。こちらにつきましてはワーキング・グループで提示させていただきました2案を、中ほどの2つの丸で記述させていただいております。2つ目の丸の後のパラグラフですけれども、「なお、各案の検討においては、制度導入に要する費用等とその効果を比較検証することとし、その内容が合理的であり、かつ法制化が可能である場合には、後者の案により進めることが適当である」とさせていただいております。

また、その次のパラグラフにつきましては、報告書代替書面制度の柔軟な活用という点を触れさせていただいております。

次のページ、参考資料9ページにお移りいただければと思います。上段はトータルリターンに関する記述でございます。こちらは本文には現状をまとめており、それから「別紙の方向で業界において制度の実施を図ることが求められる」と記述させていただいております。具体的な中身につきましては、最後のページ、別紙という形で加えさせていただいております。ワーキング・グループにおきましてご議論いただいた内容に即し、各丸の要件に従って、そのような方向で制度の実施を図ることが考えられるということで記述させていただいております。

本文にお戻りいただきまして、参考資料9ページ後段、マル4販売・勧誘時等におけるリスク等についての情報提供の充実でございます。この点は、前半戦よりUCITS等の制度も参考に、いろいろご議論いただきました。それを総合いたしまして、中ほどのパラグラフにありますように、「これまでと同様に個々の投資信託における商品のリスクを定性的に説明することに加え、リスクの定量的な把握や比較が可能となるように、わかりやすく表示することが適当である」と記述させていただいております。

その具体的な記載内容につきましては、下のパラグラフですが、「投資信託における商品のリスクを投資家によりわかりやすく情報提供する観点から、実務的な検討を通じ、引き続き整理を行うことが望ましい」とさせていただいております。

それから次のページ、参考資料10ページをごらんいただければと思います。上段にございますのは、運用財産の内容についての制限(一定の類型のリスクに対する規制)でございます。ワーキング・グループでのご議論においては、いろいろなご意見があったと承知しておりますけれども、全体としては、ここに記述しているような方向であったと思います。読み上げさせていただきます。

「この点について、一般論としては、金融のイノベーションや商品組成の自由度は最大限尊重し、投資信託が内包するリスクについて十分な説明・開示を行うことを通じて、市場による競争を通じた商品の適切な選択が投資家によって行われることが望ましい。

しかし、ファンド・オブ・ファンズの普及等を通じて、商品の複雑化・リスクの複合化が進行しており、さらに、大きな信用リスクを抱えたいわゆる仕組債型の投資信託も存在している。

このような、複層化したリスクや信用リスクは、説明・開示によりあらかじめ投資家に認識させることは困難であり、そうしたリスクの軽減・分散が不十分な場合には、投資家にとって突発的・不連続な損失が発生し得ることになる。そのため、そうしたリスク量をあらかじめ制限するような仕組みを構築することが考えられる。」

具体的にはその下に3つ丸を書かせていただいておりますが、こうした仕組みが考えられるとしまして、「この点に関しては、投資信託の内包するリスクを一意的な定量的水準で規制することにより、投資信託の商品組成の自由度を阻害しないようにすべきであるとの指摘に留意しつつ、適切なルールの整備を行うことが求められる」と記述させていただいております。

続いて、参考資料10ページ後段以降、投資法人制度でございます。

参考資料10ページ後段の下線部分は、諸外国のREITに比べて資金調達・資本政策手段の面において制約が多いと指摘されることも踏まえて、その多様化を図るということを加えさせていただいております。

参考資料11ページ上段につきましては、資金調達・資本政策手段の多様化でございます。これもワーキング・グループのご議論を反映した記述にさせていただいております。結論といたしましては、一番最後のパラグラフ、「ライツ・オファリング、無償減資及び自己投資口取得に関しては、投資家間の公平性を害するものではないことからその利害の調整の必要性は低く、かつ投資法人の運営の安定に資するものであり、投資法人の性質を踏まえつつ、その導入に向けた制度整備を進めることが適当である」と記述させていただいております。

引き続きまして、参考資料12ページでございます。上段の下線部分は、ガバナンスについてでございます。投資法人のガバナンス強化のためには2つの方向があるとご議論いただいたかと存じます。最初のパラグラフでございますけれども、「投資法人の役員会の権限を強化・活用することで利害関係者との取引に対する監視機能の向上が期待される」とさせていただいております。具体的には、「投資法人と資産運用会社の利害関係者との間の一定の重要な取引については、投資法人の役員会の事前同意の取得を義務づけることが適当である」とさせていただいております。

また、監督役員については、「現行の資産運用会社の利害関係者でないこととの要件に加え、スポンサー企業の利害関係者でないことを要件とすることが適当である」とも加えさせていただいております。

それから2つ目のパラグラフでございます。鑑定評価書の概要の開示でございます。「資産運用会社の利害関係者との取引については、鑑定評価書の概要の開示項目の拡充を図るとともに、競争上の理由等により、公表がかえって投資家の利益を損ねることがないように留意しつつ、鑑定評価額の算出根拠に係るより詳細な情報を公表することが求められる」とさせていただいております。

それから、マル2インサイダー取引規制の導入でございます。参考資料12ページ中ほどの下線は字句修正です。下から10行目、「また、スポンサー企業については」というところからですけれども、結論といたしましては、下線部の3行目、「これにより、投資法人及び資産運用会社に加え、スポンサー企業の関係者がその職務等に関し、重要事実を知った場合及びこれら関係者からの情報受領者を規制対象とすることが適当である」とさせていただいております。

また、重要事実につきましては、4つ丸で書いてありますように、投資口あるいは投資法人への影響を踏まえて、具体的な制度化を進めることが適当であるとさせていただいております。

それから参考資料13ページ、(4)マル1海外不動産取得促進のための過半議決権保有制限の見直しでございます。まず、最初のパラグラフの後半部分でございますけれども、「投資法人制度の信頼性が確保されることを前提に、投資法人の性質及び事業支配を制限する趣旨などを踏まえつつ、実質的に投資法人が海外不動産を取得することと同視できるような場合について、当該海外不動産を取得するためのビークル(SPC)の株式に係る過半以上の議決権保有を認めていくことが適当である」とさせていただいております。

次のパラグラフは、もっと一般化して規制を構築すべきではないかというご意見があったことを踏まえた記述でございます。こちらのほう、事務局の手違いで文が通じていないところがございました。具体的には、2行目の「ビークルの過度な階層化」、こちらが文としては浮いた状態になっておりましたので、そこを後段に織り込んだ形で修正させていただければと思います。通じて読み上げます「なお、投資法人における不動産運用方式の柔軟化や投資効率の向上を目指すべきとの考えの下、国内不動産への適用や、ビークルの階層化を図るべきとの意見もあったが、投資法人の簡素なガバナンス構造や導管体としての性格も踏まえ、投資法人の投資対象の過度な複雑化を避けることも重要であり、引き続き検討が必要である」とさせていただければと思います。

「ビークルの過度な階層化」という部分が、後に続く部分がないままになっておりましたので、今申し上げたような修正をさせていただければと思います。

それから、参考資料13ページの残りの部分でございます。丸が3つございますけれども、1つ目は、役員任期に関してでございます。「あらかじめ投資主総会の開催時期を投資法人規約で定めた場合には、投資主総会の終結の時までとすること」と書かせていただいております。

それから2つ目は、投資主総会の招集に際して必要となっている公告についてでございます。こちらも「あらかじめ投資主総会の開催時期を投資法人規約で定めた場合、会社法における株式会社の株主総会の取扱いに準じて、当該投資法人の投資主総会について公告を省略できるようにすること」とさせていただいております。

最後の丸は、一般事務委託契約の内容変更の通知でございますけれども、「計算期間ごとにまとめて資産運用報告に記載することで代替できるようにすること」とさせていただきます。

これらに関する「適切な措置を講じることが求められる」とさせていただいております。

最後に、「4.おわりに」として、「以上の審議結果を踏まえ、本報告に示された考え方に基づき、適切な制度整備等を進めるとともに、その制度整備等を踏まえた関係業界の取組状況について、当局等において適切なフォローアップを行うことが期待される」と結ばせていただいております。

事務局からの説明は以上でございます。

○神田座長

どうもありがとうございました。

それでは、皆様方にご審議をお願いしたいと思います。2つのパートに分かれているというのでしょうか、投資信託関係と投資法人関係がありますので、2つに分けて、まず総論部分と投資信託制度の部分、具体的には、今の参考資料で言いますと10ページの真ん中までと、別紙と。それから後が、10ページの真ん中から14ページまでの投資法人制度という、それぞれのパートごとに皆様方からご質問やご意見をいただきたいと思います。

いつものように、まずは委員の皆様方からご発言をいただき、その後でオブザーバーの方々にご発言の機会を設けさせていただきます。

それで、本日は、できましたら最終報告の取りまとめということをしていただけますとありがたく思いますので、ご発言は、取りまとめを意識したご発言をいただけると大変ありがたいと思います。

それでは、まず10ページの真ん中までと別紙、総論と投資信託制度の部分につきまして、委員の皆様方からご質問、ご意見をお願いします。

大崎委員、それから井潟委員の順でお願いします。大崎委員、どうぞ。

○大崎委員

2点、表現の修正をしたほうがいいのではないかということを申し上げます。それから、ちょっと1点確認したいことがございます。

1つは、5ページですが、5ページのマル2の、「そうした仕組みを導入する場合には」以下、下線の部分です。「かえって投資信託の運営のためのコストがかかるとの指摘もある」という、この文章、意味はわかるのですけれど、コストが大きくなるとか何かにしたほうがいいのではないかと思います。それが1点目です。

それからもう1点ですが、7ページです。MRFの基準価額1円の問題について書いていただいているところですけれども、基準価額が1口1円を割り込んだ場合、手作業による対応が必要となるというのは、これはわかる人にはわかるのですけれど、わからない人には何のことやら全然わからない気がするので、もうちょっと、これはきちっと書いたほうが伝わるのではないかなと率直に思います。ちょっと、今すぐ、こう修文したほうがいいというのを思いつかないのですが。

それから確認が1点ございまして、それは別紙があるトータルリターン通知制度についてなのですが、これは業界において制度の実施を図ることが求められると書いてありますので、基本的には自主規制で対応してくれということをワーキングとして要請するという趣旨と受けとめたのですが、法令にこういうトータルリターンを通知するというような制度を定めるのかどうかということについては、とりあえず事務局として何かご意見があるのかどうか。

私は個人的には、こういうふうに提言をまとめるのであれば、特段、法令においてその通知を義務づけるということは必要はないのではないかと思うのですが、その点についてご見解を承れればと思います。

○横尾企画官

ありがとうございます。

本件に限らず、今後の具体の制度設計に当たっては、どういった法制度のたてつけにするのか、ソフトローをどう活用していくのか、といったことについて検討をしていかなければいけないと考えております。トータルリターン通知制度につきましては、現在既に関連する取組をなさっている販売会社さんもいらっしゃいますので、あまり行為のルールに関して、例えば法律ですとか、そういったレベルで事細かに決めてしまうと、現実の実務との乖離のような問題が生じてくるのかなと思っております。そういったことも踏まえまして、業界の取組というような記述もさせていただいております。

例えば何か通知内容の信憑性の確保を何らかの方法により法令で担保する必要があるのかどうかという、そこまでやるべきかどうかというのは、まだ検討できておりませんが、基本的には業界の自主ルールでという形で、もしそれで不足があるならば、法令ということも検討しなければいけないというのが、とりあえずの考え方でございます。

○神田座長

よろしゅうございますでしょうか。

それでは、井潟委員どうぞ。

○井潟委員

ありがとうございます。

本日の最終報告の取りまとめについては、神田座長、及び横尾企画官をはじめ、事務局の皆様のご尽力に対してお礼を申し上げたいと存じます。

この最終報告のいずれの部分も、適切な内容と納得いたしておりまして、特に異論はございません。今後、実務の詳細について、関連協会をはじめとする専門家、現場の方々と当局との検討について、期待したいと思っています。

ただ、確認を兼ねて質問がございます。7ページでございます。7ページ上段のMRFのところです。7ページ上段の、MRF等の安定的な運営に資する措置の部分ですが、この部分について、先日ある金融専門誌の記事に、当ワーキング・グループでの議論なく盛り込まれて意外感が強い、という記事を拝見いたしたのですが、私としては前半戦より、たしか4月の第3回だったと思いますが、論点として具体的に提出されていたということもありますので、そういう印象は持っていないのですが、この点については、事務局としてはどのように認識されていらっしゃるのかな、ということをお伺いいたしたい。

なお、これと別に、米国やIOSCOなどでの国際的な金融規制改革の動きのもとで、MMFについての議論も行われているわけなのですが、そうした動きとの関係については、事務局としてはどのようにお考えになっているのか。

この2点をお伺いしたいと思っております。

○横尾企画官

ありがとうございます。

今、委員よりご指摘のありました金融専門誌の記事については、私どもも承知しております。私どもといたしましても前半戦、今、委員よりご指摘のありました4月13日の会合から論点として提示させていただいて、中間論点整理でも記述して、その後、後半戦でももう少し具体的な内容を提示させていただいたつもりでございます。さらには事務局案へのサポートのご発言も委員の方からあったように記憶しております。また、ワーキング・グループの場以外でも、複数の関係業界といろいろお話し合いをさせていただいたところでございます。

一刀両断に「議論不在」といわれますと、少なくとも個人的には心外なところがございます。ただ、事の軽重に鑑みて議論すべき点がスルーされていたという印象が、もしワーキング・グループをごらんになっている方々にあるとすれば、事務局からの説明がまだ足りなかったということで、おわびさせていただきたいと思います。また、この機会に改めてこの論点についての事務局なりの考え方を説明させていただければと思います。

まず、ここに書いております損失補填の話でございます。まず、なぜ金商法にそういう規定があるのかということに関しては、諸説いろいろあると存じ上げております。主なものといたしましては、過去問題となった損失補填が、大口の投資家に対してのみ行われたことにより、金商業者の中立性・公平性が損なわれたとともに、投資家間の不公平感を招いて、投資家の証券市場への信頼を失墜させたということから、そういったことは防止しなければいけないという趣旨が1つあろうかと思います。

また、安易な投資判断を助長しかねないということで、市場の公正性と価格形成機能の公正性の阻害が問題になるので、禁止されているという趣旨もあろうかと思います。

これに対しまして、本件のMRFに対する運営会社の資金支援というものは、特定の投資家に対する利益供与ではなく、当該MRFの受益者にあまねく供与されるものであるので、そういった意味でも性質が異なると考えられます。また、仮に軽微な元本割れが生じた場合に、MRFという商品の性質上、投資家の証券決済が滞る可能性があることから、場面を限定して資金援助を認めるということが考えられるのではないかと考えた次第でございます。

それから2点目のご質問にありました、国際的な規制改革の動向との関係でございます。最終報告案本文中にも「国際的な規制改革の動向も踏まえつつ」とありますように、我々としても、現在IOSCO、それから米国、欧州において規制改正の動きがあるということは承知しております。IOSCOでは既に制度改正の提言が取りまとめられているところでもありますけれども、まだ現在、米国をはじめ、ヨーロッパにおいても各国がどのように制度改正の対応を行っていくのかについては、まだ不確定なところがございます。

我々としても、こうした諸外国の規制改革の動向を見極めて、追加的に制度改正を図っていく必要があると考えております。

以上でございます。

○神田座長

どうもありがとうございます。

よろしいでしょうか。ほかにいかがでしょうか。

どうぞ、永沢委員。

○永沢委員

最終報告案をおまとめいただきまして、どうもありがとうございました。意見が対立した部分もありましたので、取りまとめには大変ご苦労されたのではないかと拝察しております。

最終報告案に、修正の要望があるわけではありませんが、この機会に議事録に意見を残させていただきたいという趣旨で、少しお話をさせていただきたいと思います。

まず、全体を通しての感想ですけれども、今回、多くの論点について審議いたしましたので、審議が十分であったかという思いは残ります。しかし、十数年前に行われた改革のときに描かれた、我が国の投資信託はこうあるべきという姿、また、我が国の不動産投資はこう育ってほしいと描いた姿と、現状がどう違うかということを改めて今回見つめ直すことができましたので、よい機会であったと思っております。

投資信託につきましては、ファンド・オブ・ファンズやファミリーファンド方式の利用とか、仕組債を組み入れるなどの手法を利用するものが市場の多くを占めるようになっている現実、その結果、投資家が自分がどのような不確実性というリスクを、どのくらいとっているのかがわからなくなっているというリスク、この場合のリスクは文字どおり危険性という意味でのリスクですけれども、こうした状況が生じているという現状を、このテーブルに座っている方々と認識を共有することができたということは、大きな成果だったと考えます。

また、本ワーキング・グループの前半で、投資信託において投資家の負担するコストが上がっているということについて議論がありました。必ずしもそうとは言えないという意見もありましたが、投資家はコストやリスクに見合ったリターンを得ることができているのか、つまりは商品に合理性があるのかという点に関心を持っておるのでありまして、問題はその点に集約されていくのではないかと感じております。

それでは、時間も限られておりますので、最終報告案の記述に関して意見を述べさせていただきたいと思います。

まず3ページの上の下線部のところですけれども、商品開発という言葉が使われていますが、そもそも金融商品における商品開発とは何なのだろうかという思いが私ども投資家にはございます。投資家のニーズは、先ほども申し上げましたけれども、最終的には支払ったコスト、とったリスクに見合ったリターンを実現してくれているかどうかということに尽きます。そのためには、まずリターンの改善に貢献しないコストをどれだけ引き下げることができるのかというのが、商品開発の原点とも言っていいのではないでしょうか。

イギリスのFSAのターナー卿は、消費者が求めていないのに、商品が次から次へと開発される現状を問題視して、「世の中には運用の役に立たない商品がたくさん出回っている」と批判されたそうです。私自身も、商品開発に携わっていたことがございますので、私自身も反省していくべきでありまして、この言葉を事業者の皆さんとぜひとも共有させていただきたいと思い、この席で紹介させていただきました。

次に、3ページの後段になりますが、投資家や受益者によるモニタリング、ガバナンスのみに期待することが難しいという記述があります。このように踏み込んで書いていただいたことは評価できると考えておりますが、そもそも現行の契約型の投資信託において、投資家や受益者によるモニタリングとか、ガバナンスが働くような仕組みになっているのかという疑問もあります。受益者によるモニタリングやガバナンス機能を我が国の投資信託が具体的に備えていくためには、今は閲覧権というものはございますけれども、例えば、一定の要件を定める必要はあると思いますが、受益者の投信会社に対する報告会開催請求権なども今後検討されてもいいのではないでしょうか。これは今回の報告書に反映していただく必要はありませんが、議事録に、このような提案があったということを残していただきたいと思います。

また、規制緩和後にヘッジファンドに近い絶対収益追求型の投信も増えておりますが、そうした投信は投信会社の裁量が非常に大きく、またファンド・オブ・ファンズのような構造を採用していたり、デリバティブ取引を積極的に利用していることもあって、何をしているのかの情報開示が十分ではありません。そうでないものもあるかもしれませんが、伝統的な投資信託より情報開示の点で一般的に劣っていると言わざるをえません。

複雑な仕組みのファンドについては、投入前、投入後の両方において商品の合理性をチェックする必要があり、その審査も専門的かつ中立的に行われる必要があるように感じております。この最終報告案に書かれている金融庁の監督や、協会の自主的モニタリングも必要ですけれども、それだけでは十分ではないようにも感じております。中長期的には投資家や受益者にかわって商品の合理性や約款変更の合理性などを審査する専門的かつ中立的な機関の新設も視野に入れて、中長期的な検討をすることも必要ではないでしょうか。

今回、書面決議制度の見直しについても、かなりの時間をとって審議されました。私も、この手続を実効的なものとしていくことが必要であることに異論はありませんけれども、そもそもこの制度が導入されたのは、投資家や受益者のモニタリング、ガバナンスを期待してのことだったはずです。その出発点を忘れることのないようにお願いしたいと思います。

それから投信の併合については、小規模なファンドが乱立しているという状況を放置すると、日本の資産運用業の1つである投資信託業が一層衰退するという危惧を当局がお持ちになっていること、よく理解できます。しかし、「しかし」という接続語が適当かどうかわかりませんが、併合の目標数などを当局が掲げてチェックされたりなどされますと、受益者の気持ちを無視した強引な併合手続が行われないとも限りません。受益者への連絡、苦情処理等の状況も見るなど、その点の監視もぜひともお願いしたいと思います。

それから一般投資家を念頭に置いた適切な商品供給の確保については、私どもも、まずは情報開示により投資家や受益者の合理的な商品選択を促すことが必要だと考えております。その意味で、今回、運用報告書制度の見直しが俎上に上がり、広く利用者の意見を聞こうと事務局がご尽力されたことに大変感謝しております。

なお、本日、永沢意見ということで、皆様のお手元に配布されている資料ですけれども、以前にもご報告させていただきましたけれども、島田委員や、第1回のゲストスピーカーの竹川美奈子さんのご協力もいただき、個人投資家やファイナンシャル・プランナー、ファンドアナリスト、ジャーナリスト等、様々な利用者の方の意見を集めて、報告書をまとめさせていただいたものです。

時間が限られておりますので、内容に踏み込んでお話することは控えさせていただきますが、運用報告書に関して3つばかり意見を述べさせていただきたいと思います。1つは、運用担当者に関する情報開示です。これについては本ワーキング・グループでもいろいろな意見が出ましたが、この意見・要望書の3ページから4ページの下に書いておりますけれども、2008年春に投信協会は「投資信託懇談会報告書」というものを出されていまして、その中で、運用担当者の情報開示というのが非常に有効であり、必要であるということを提言されていらっしゃいます。この報告書が出されて5年を経過しようとしておりますので、ぜひ業界としても、積極的に一歩踏み出していただきたいと思っております。

また、投資家から開示してほしいという要望の多い投信会社情報につきましては、3ページの前半に書かせていただいておりますけれども、今回のワーキング・グループで、当局から報告書代替書面制度のご提案がありました。制度の導入の趣旨は違うのかもしれませんが、私は、これが投資家が投信会社情報を取得するのに非常に有効な手段となりうると期待しております。投信協会、投信会社の皆様に頑張っていただいて、協会及び各社のホームページでの情報開示の充実をぜひともお願いしたいと思います。

また、最終報告案の8ページにも書かれておりますし、私どもの要望書の「最後に」のところにもまとめさせていただきましたけれども、事業者及び投信協会におかれましては、投資家の意見を丁寧に聞いて、事業者と投資家が一緒になって運用報告書のあり方を検討してつくっていくというプロセスを大事にしていただくことをお願いします。投資家や受益者は、投信協会や業界の皆様にとって、嫌なことを言ううるさい存在ではあるとは思いますが、パートナーでもあります。恐れずに、その声に耳を傾けていただきたいと思っておりますし、それこそが業界への信頼の向上につながると考えます。

長くなりまして恐縮ですが、もう2つばかりございます。情報開示という点で、最終報告案の9ページ後段で、「リスクの定量的な把握や比較が可能となるように、わかりやすく表示することが適当である。さらにその後で、ファンド間の客観的な比較が容易になるよう統一化することが求められている」と、踏み込んで書いていただいた点を評価しております。

欧州のUCITSで行われようとしているリスク表示の方法は、日本で導入するには多くの課題があることは承知しておりますが、投資家がリスクを認識するのに助けとなるだけでなく、合理性のある商品を育てていく上でも、少なくない効果が期待できると私どもは考えます。どういうリスクがあると書かれるだけではなく、どの程度のリスクがあるのかの開示を義務づけることは、合理性を欠くほどに複雑な仕組みの商品、透明性の低い商品の組成を一定程度抑止することになるのではないか期待しております。

最後に、商品規制につきましては、いろいろな議論がありましたが、9ページ以下、その必要性について踏み込んで書いていただいたことを高く評価しております。もっと細かく規制すべきだという意見は、私どものグループの中にもございましたが、このワーキング・グループで、具体的なルールを審議をして定めることは適当だとは思いませんので、これは別の場を設けて具体的に検討していくことでよいのではないかと思います。

問題は、商品規制のあり方も含めて、今後も検討を継続するという項目が幾つか残っていることでございまして、どこでどのように行うのかという点が課題として残っていると思います。この点は後ほど事務局のお考えを聞かせていただきたいと思っております。こうした検討を投信協会で行うなら、検討には外部の専門家等の有識者にも参加していただいて、議事録も支障のない範囲で公開いただくことが必要と考えております。金融庁にご尽力いただいて、サブ・ワーキング・グループのような場を金融庁の下に開設いただくのも一法でしょう。

いずれにしても、この点、事務局のほうで今後どのように検討を継続されていくのか、お考えをお聞かせいただければ幸いでございます。

以上、大変長くなりましたが、意見と質問でございます。

○神田座長

どうもありがとうございました。

最後の点、事務局から、もしお考えがあればお願いします。

○横尾企画官

ありがとうございます。

ご指摘のように、具体的な制度の設計にあたりましては、さらなる検討を行うことが必要な項目が大変多うございます。ご質問は、その検討をどのような形で、どの場で進めていくかということだったと思います。

正直申し上げますと、まだ私どももそこの考えを固めているわけではございません。いずれにいたしましても、委員ご指摘のように、業界関係者だけでなく、当局もその検討には関与いたしますし、必要に応じて外部の有識者の意見もいただいて検討し、何らかの形で皆様方にフィードバックできるような、そういう仕組みを考えていきたいと思います。

○永沢委員

ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

○神田座長

よろしいでしょうか。

どうもありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。

それでは河野委員、お願いします。

○河野委員

今のご指摘にも近いのですが、背景というか、心はより具体的にわかりやすくのために、二、三、非常に簡単なところなのですけれども、3ページのところで、上から10行目あたりに下線が引いてある、「諸外国における状況も踏まえつつ、業界慣行等の見直しについても」という文章がありますけれども、これをより具体的に、業界慣行の、こういったことについてという二、三の事例を挙げていただいたほうが、より具体的でわかりやすいのではないかと思いました。

続きまして、4ページ、これはさっき永沢さんがおっしゃったことと同じかもしれませんが、4ページの真ん中です。(b)の上あたりに、今後、明確化していくことが適当であるということなのですけれども、こういうところに、せめていつまでにとか、いつごろまでにとか、何年をめどにというふうな具体的なものがあるほうがわかりやすいなと。

続きまして5ページでございますけれども、これも同じなのですが、マル2の中の文章で、ここで言うと為替ヘッジの有無等ということ、私もよく理解はできないのですが、こういったことというのは非常に常態化していっているだろうと現実的には思っていますので、ここのマル2の下線の下のほうでコストがかかる、大きいという話もあるのですが、現実には論点等に関する検討を行うことが求められるというのも、ちょっと先というよりは、早期にとか、やっぱりいついつまでにという時間をゴール設定していただきたいと思いました。

4点目は7ページ、これもそうなのですけれども、上から1つ目の丸、利益相反のおそれがある行為云々というところに、電子的方法等による公告及び運用報告書への記載等と書いてあるのですけれども、消費者側というか、受け手としては早く知りたいというニーズがあるわけですから、利益相反行為が見つかって、どれぐらいの期間、1年後なんですか、よくわからないのですけれども、ちょっと時期は速やかにとか何かというほうが、より消費者側というか、利用者側にわかりやすいのではないかなと。これは電子公告であれば早く出していただきたいと思いました。

あと、最後に9ページのところですけれども、マル4の最後のほうで、さっきもお話が出ておりましたが、これはやはりどこがするのかという主語、具体的な記載内容についてはと書いてあるのですけれども、一番最後の行で、ある程度統一化を行うことが求められるという意味では、統一化というのは個社ではできないと思いますので、ここに主語があったほうがわかりやすいのではないかと思いました。

以上です。

○神田座長

どうもありがとうございます。

事務局で今、お答えになりますか。少し考えて、後でまとめてお答えになりますか。

○横尾企画官

直ちにお答えを持ち合わせていない部分もございますけれども、今ご指摘いただいた点で、すぐ思いつきましたのは、参考資料7ページ上段の、利益相反のおそれがある行為が行われた場合の受益者等への書面交付でございます。同パラグラフ2行目の「例えば」以下のところでございますけれども、「利益相反のおそれがある行為をする度の電子的方法等による公告」ということで、これは1年後とか2年後とかいうことではなくて、その行為が行われたその度ごとに、電子的方法による公告を求めるという趣旨で書かせていただいております。

運用報告書への記載となりますと、これは決算時期ごとにある程度時間をおいてということになります。ここの趣旨としては、電子的方法等ですぐ公告する。ただ、それをお気づきにならない方もいる可能性がございますので、運用報告書という形で、お手元に届く書類で改めて報告するという二段階化を求めているつもりで記述させていただいております。

その他の点については、また検討させていただきます。

○古澤市場課長

1点だけ、3番目にご指摘いただいた、5ページの複数の報酬体系の容認のところですが、ここでは、最初のパラグラフで複数の報酬体系の容認をすべしとの指摘もあるとし、2つ目のパラグラフで信託報酬体系や為替ヘッジの有無等については、差異を認める事項に応じて新たな利害調整が必要だと整理しております。

それで、全体としてご議論いただいている中では、こういう場合については、先ほどございましたファンド・オブ・ファンズとか、それからファミリーファンド方式といった、ほかのやり方で今、対応されており、本件については複雑化、複層化という面もあるので、必ずしもどうかとのご議論が多かったように感じております。

そうした中で、最後のパラグラフですが、そうした仕組みを導入する場合には、かえって投資信託の運営のためのコストが大きくなるとの指摘もあることから、現時点においては、直ちに制度化を図るのではなく、少し時間をおいてという流れで整理しております。先ほどご指摘いただいた「早期」という表現のトーンとは若干ニュアンスが違っている文章の流れかと思います。

○神田座長

ありがとうございました。よろしいですか。また後で、どこを修文というか、どう変えるかについては、1つ1つまとめて確認させていただきたいと思いますので、それまでの間に河野委員のご指摘を踏まえて、横尾さんのほうで考えていただくということで、次の委員の方のご発言をいただきたいと思います。

それでは、お隣の小沼委員、それから清水委員の順で、小沼委員どうぞ。

○小沼委員

ありがとうございます。ここまでまとめ上げていただきましたご関係者の皆様に、改めて感謝をしたいと思います。

私から1点だけ、コメントをさせていただければと思います。10ページの真ん中のところでございまして、リスク規制の問題等に関する外国とのイコールフッティングの関係。真ん中の白丸が3つあるうちの3つ目の、我が国に持ち込まれる云々のところでございますが、こういったことをイコールフッティングということで整理していくということは、大変重要なことだろうと思っております。

その中で、我が国に「持ち込まれる」という概念の整理でございます。今後の議論でいろいろ細かいことをいうことだとは思っておりますけれども、国内で募集されるようなものも当然念頭にあると思いますが、外国で募集されるものに関しまして、日本の規制に服する証券業者さん等が、ある程度恒常的に投資家の皆様の注文を外国で募集されているマーケットにつなぐようなものにつきましても、大枠としてはこういうイコールフッティングの視野の中で検討が進み、整備が進んでいくといいなと考えております。

以上、1点だけコメントさせていただければと思います。

○神田座長

どうもありがとうございました。

それでは、清水委員どうぞ。

○清水委員

1つだけ意見と質問があります。全体的なトーンの話ですが、2ページの下のほうの下線部のところで、「ファンド・オブ・ファンズが多く、商品の複雑化の一因になっている。」と記載されており、それから、次の3ページの上の下線部で「運用会社は国内外資産に対する運用力を強化すべき」と記載されており、さらに、めくっていただきまして、10ページには、「ファンド・オブ・ファンズの普及等を通じて、商品の複雑化・リスクの複層化が進んでおり…このような、複層化したリスクや信用リスクは、説明・開示によりあらかじめ投資家に認識させることは困難であり、そうしたリスクの軽減・分散が不十分な場合には、投資家にとって突発的・不連続な損失が発生し得ることになる。と記載されており、「我が国に持ち込まれる又は我が国の投資信託に組み込まれる外国籍投資信託についても同様の取扱い(規制)とする。」となっています。

過度に複雑なファンドですとか、何階層にもなっているようなものは確かに投資家にとって理解しにくいと思いますが、例えば二段階ぐらいのファンド・オブ・ファンズであれば、マザーベイビーと同じような仕組みでございますので、記載の全体的なトーンとして、ファンド・オブ・ファンズまたは複層化されたファンド、イコール複雑過ぎてよくないファンドということではないと思います。また、日本独自の規定・慣行の存在のために、日本の投資信託で対応できないために、海外の投資信託を使ってきたということもあると思いますので、その辺も考慮して今後は具体的な規制を制定していただければと思います。

質問ですが、3ページの上のほうに、「諸外国における状況も踏まえつつ、業界慣行等の見直しについても必要に応じて検討が行われるべきである」と記載されていますが、日本の投資信託について、日本独自の計理上および業務上の規定・慣行があり、例えば基準価額の修正に関する基準がないですとか、日本独自の規定・慣行のために、業務の効率化が進まないということもあったと思いますので、その辺を考慮して、こういったコメントを入れていただいているという理解なのですけれども、そのようなことでよろしいでしょうか。

○横尾企画官

ご指摘の点を含め、おそらく日本の投資信託の運営につきましては、法制レベルでのルールというのは極めて抑制的になっておりますので、実務はさまざまな慣行で動いているということだと思います。

ですから、清水委員ご指摘にございました慣行も含めまして、場合によっては諸外国と違うものがありますし、またそれが、全て是正する必要があるという趣旨でご議論が行われているわけではないと認識しております。ここで見直しと書いておりますのは、その必要性、合理性を改めて見つめ直していくということだと思っております。

○神田座長

ありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。どうぞ、島田委員。

○島田委員

さまざまな意見がある中、ここまでおまとめいただきまして、どうもありがとうございました。

1点だけ、確認と言いますか、質問をさせていただきたいのですけれども、3ページの「第二に」というところでございますが、こちら新商品が続々と投入されていくということが、コストあるいは業務効率の向上を図る点でということが書かれておりますけれども、もう1つ、小さいファンドが償還に近くなってきたときなどに、想定外の値動きなどをして、実際に投資家が非常に基準価額が大きく上がって喜んだり、大きく下がってびっくりしたりというような実情もございまして、投資家にとっても迷惑をかけたり、公平ではない値動きをするといったような状態もございますので、ここにかかわってくると思いますけれども、以下の併合の部分で、実際にこういったことがきちんと併合されて整理されていくかということを、最終的な当局において適切なフォローアップを行うことが期待されるというところに反映していただけるとは思うのですけれども、その後、実際にこのような小さいファンドが残っていないか、あるいは増えていないかということ。

それから、合理的な新規設定においてファンドが増加している分には全く構わないと思うのですけれども、小さいファンドが多くなってしまったことの状況が実際には変わらないというようなことがないようにということも含めて、フォローアップをしていただけるのかどうかというところだけご確認させていただきたいと思います。

○神田座長

どうもありがとうございました。

ご発言ありますか。

○横尾企画官

ありがとうございます。

問題意識としては、島田委員ご指摘の点も、当局として踏まえながらフォローアップするということだと思います。

他方で、フォローアップの仕方として、非常に定量的な手法で行うと、副次的にかえってよろしくないことも招くというのは、別途、永沢委員からもご指摘であったところでございますので、そこは局面によって私どもの具体的な手法というのはいろいろ変わっていくかと思います。ご指摘のような問題意識も持って、今後のフォローアップ作業に当たりたいと思います。

○神田座長

ありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。どうぞ、村木委員。

○村木委員

ありがとうございます。

特に文章の修正等でお願いをする箇所はないのですが、あえて法制化を想定していない部分についてコメントをさせていただきたいと思います。2ページから3ページあたりが、前半戦で議論をしていた現状の課題についての言及箇所かと思いますが、ここに関しましては第2回のワーキング・グループで、私も現状の特に販売面での問題についてプレゼンテーションをさせていただきました。今、日本の販売会社では投信などの販売手数料でコストをカバーしているという状況でして、望ましくはアメリカのように残高ベースのフィーでコストがカバーできるようになればいいのですが、簡単にはいかないというようなご説明をさせていただきました。

ただ、このワーキング・グループの開催中にも大分変化が見えてきたと思っております。分配金の引き下げも起きていますし、あるいは一部の証券会社が販売スタイルを変えてきています。従来の販売手数料中心のビジネスモデルや収益管理を、残高フィーを重視するようなスタイルに変えるような動きが出ていますので、制度整備が終わって、この流れが逆行することのないように、ぜひ継続をしていただきたいと思っております。10%を超えるような分配金利回りを期待する投資信託というのは、どちらかと言うとハイリスク・ハイリターンの商品になるかと思いますが、もう少しミドルリスク・ミドルリターンの商品の厚みが増えてくるような商品投入というのもお願いをしたいと思います。

最後に、8ページの終わりから9ページですけれども、こちらについても、法制化を想定していないものが並んでいるかと思いますが、例えばトータルリターンの通知制度については、業界において制度の実施を図る。手数料の開示については、説明の充実を図る。リスクの開示については、今後実務的な検討を通じて引き続き整理と書かれておりますが、こういった検討を進めるに当たっては、投資家のリテラシーの向上に資するような開示の充実等を、ぜひお願いしたいと思っております。

以上です。

○神田座長

どうもありがとうございました。

ほかに委員の皆様方から、10ページの真ん中までについて、ご質問、ご意見等ございますでしょうか。上柳委員、どうぞ。

○上柳委員

3カ所発言させてください。1つ目は、3ページの下のほうの、投資信託協会のお名前が出ているところについて、ぜひ自主規制機関あるいは業界から、投資信託の問題について引き続き問題提起をいただきたいと思います。今回のワーキング・グループの設置も、投資信託についての不測の損害であるなり、あるいは仕組み投資信託を中心としたわかりにくい商品によるトラブルが1つの背景になっていると思いますので、そのような問題への対処を、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

2つ目は、7ページの上のほうのMRFの問題ですけれども、MRFはここに書いてあるような技術的な問題もあるのかもわかりませんが、私は、むしろ正面から証券会社における、いわゆる決済用の手段として独自の位置づけがあるのではないかと思っています。そういう点から、損失補填をしてはいけないという原則の例外になってよいと思っています。もちろん、その範囲が広がり過ぎるといろいろ問題が起こるとか、あるいは量の問題もあるので、現状の姿を前提にしてという留保をつけておいたほうがいいかもわかりませんが、諸業態との関係の問題はあるのでしょうけれども、決済性というところに注目をして、同意できると思っております。

3点目ですけれども、この参考資料ですと10ページの、商品規制の問題で、このワーキング・グループでかなり議論したことに比べて、少し記載が物足りないなというのが個人的な感想ですけれども、記載については、いずれも賛同できると思っております。信用リスクについては、ヨーロッパが1つの工夫として、5%を基準にしてやっているということ、それ以外の、いわゆる例外型の投資信託については、例外型であるということが投資者あるいは消費者によくわかるような工夫が必要だと思います。

デリバティブ取引については、報告ではその概要の情報を提供するとの記載があるので、多分大丈夫なのだとは思いますけれども、これは計算方法が開示されているというだけではなくて、その計算の概要が情報提供されるということが重要です。つまり、投資者側でこのリスク量計算について、一定の検証ができるということでないとまずいと思います。

10ページの下線部のところの最後の行に、適切なルールの整備とありますけれども、ここは、私、途中でも発言させていただいたのですけれども、ぜひ法律レベルでの対応も含めて考えるべき時期だと思っております。信用リスクとかデリバティブ取引の問題について、一定の配慮をするということ自体は、もともとこの法律の精神だと思いますので、それを今回明示することも含めて、法制としての実行段階においてはご検討いただきたいと思います。

以上です。

○神田座長

どうもありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。それで、すみませんが、報告書の修正部分については、後でまとめて、ご指摘いただいた点についてご確認というか、作業をさせていただきたいと思いますので、まず10ページの途中までの部分について、オブザーバーの方々からご発言があったら承り、10ページの途中以降、投資法人制度についても、まずご意見を伺って、最後に報告書の取りまとめということにさせていただきたいと思います。

それでは10ページの途中まで、総論及び投資信託制度の部分につきまして、オブザーバーの方々からご意見等あればお願いします。投信協会いかがでしょうか。

○投資信託協会(城川オブザーバー)

すみません、発言の機会をいただき、ありがとうございます。最終報告をお取りまとめいただき、神田座長並びに委員の皆様、金融庁の事務局の方々のご尽力に感謝申し上げます。

本年3月から10カ月にわたって精力的に有意義な検討をしていただき、またその場にオブザーバーとして参加させていただいたことをありがたく思っております。今日、ご報告いただいています報告書の全般の内容については、特に異論はございません。このたび、報告書の中で投資信託及び投資法人に対し、改善すべき点をさまざまお示しいただきました。今後、この具体化に向けた検討を行っていく上で、私どもとしてもお示しいただいた方向性に沿って努力してまいりますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。

今後、当業界は報告書における提言や、ワーキングでいただいた貴重なご意見等について真摯に受けとめ、受益者からの負託に応えるべき受託者責任を念頭に置いて最良の運用に努め、販売会社や受託銀行とともに適切な投資信託の運営、投資者にとって魅力ある商品の開発、適切な販売、投資家保護に資するさまざまな取組に努めていきたいと考えております。

また、投資信託・投資法人が、資産形成層の方々を含む多くの方々に安心して利用いただける国民の中核的な資産形成手段として、本来期待される役割を十分果たすことによって、さらに発展するよう努力していきたいと考えております。

ありがとうございました。

○神田座長

どうもありがとうございました。

ほかにオブザーバーの方々、ございますでしょうか。証券業協会、よろしゅうございますか。

○日本証券業協会(相澤オブザーバー)

ありがとうございます。

まず初めに、委員の皆様、事務局の皆様におかれましては、最終報告案を取りまとめいただきまして、投資信託の販売にかかわる者としては非常に感謝をしております。

内容につきましては、異論はございません。販売会社としては、今後この最終報告案に提言された施策によりまして、より投資家の皆様が投資信託を通して資産を安心して有効活用できるよう努力をしていきたいと思っています。

また、その報告書案においては、トータルリターンの通知制度とか、外国投信にかかわるルールの整備等につきましては、我々日本証券業協会に対して実務的な観点からの検討を要請されていると認識しております。これらの点につきましては、今後、日本証券業協会において鋭意検討していきたいと思っておりますので、委員の皆様やオブザーバーの皆様、また金融庁の皆様には引き続いてご指導いただきたいと思っています。

以上です。ありがとうございます。

○神田座長

どうもありがとうございました。

ほかはよろしいでしょうか。それでは、信託協会どうぞ。

○信託協会(笠原オブザーバー)

ありがとうございます。信託協会よりコメントをさせていただきます。三井住友信託の笠原でございます。

本年3月から今日の13回までのワーキングの貴重な場に参加をさせていただきまして、非常に感謝しております。また、本最終報告案の作成に関しましては、座長並びに委員の皆様方に多大なるご尽力をいただきまして、ありがとうございました。内容につきましては、異論なく考えてございます。

最終報告案について若干触れさせていただきますが、投資信託、投資法人制度が国民の金融資産の形成におきまして重要な役割を果たしていると考えられる中で、今後、本邦金融資本市場を活性化させ、さらに厚みのある市場形成につなげていくためにも、記載にありますとおり、さまざまな投資家の皆様方に安心して投資できる環境整備を進めることが極めて重要であろうということにつきまして、私ども信託銀行としても考えている次第でございます。

投資信託制度の一翼を担います受託者といたしまして、今回おまとめいただきました最終報告の内容を踏まえまして、受益者のために投資信託の適切な運営に資するべく、一層努力していきたいと考えてございます。

私からは以上でございます。

○神田座長

どうもありがとうございました。

ほかにオブザーバーの方々、10ページまでということなのですけれど、よろしいでしょうか。

そうしましたら、10ページの真ん中から、投資法人制度、14ページまでですけれども、委員の皆様方からご質問、ご意見をお出しいただければありがたく思います。

石黒委員、どうぞ。

○石黒委員

第1に、前半の投資信託と、それから後半の投資法人通じまして、この報告書につきましては、ここまで多数回にわたる、非常に広くて深い議論があった中から、全体の総意を適切に拾い上げていただいて、報告書にまとめていただいたと感じておりまして、大変ありがたいと思っております。後でちょっと申し述べる1点だけを除きまして、特に報告書の文言についてのコメントはございません。大変よくまとめていただきまして、ありがとうございます。

それで、第2点ですけれども、今のような形で全体の総意として、この報告書案の中に盛り込んでいただいた以外の論点で、今までの議論の中で出てきたものがあるかと思います。それは今回のこのワーキング・グループの文脈の中で、必ずしも取り上げるのが適切でなかったりとか、やや細かい孤立したような提案なんかも私も差し上げたのですけれども、そういったあたりも、今後投資法人制度を検討していくいろいろな文脈の中で、今までの議事録の中で埋もれているものも引き続き留意しつつ、議論を進めていかれればありがたいなと希望を申し上げておきます。

それから第3に、1つだけ、具体的な中身で12ページなのですけれども、下線が引いてある2つ目のパラグラフ「また」のところの3行目からの下線のところですけれども、資産運用会社の利害関係者との取引については、鑑定評価書の概要の開示項目の拡充を図るとともに、競争上の理由等により、投資家の利益を損ねることのないように留意しつつ、公表することが求められるということで、競争上の理由で場合によっては公表できないケースをカバーしていただいていると思いますけれども、この場の議論で、その場合には公表できない理由の開示というのを求めるのが適切ではないかという議論があったと記憶しておりまして、この「理由等により」という比較的広い例外も認め得る形になっておりますので、公表が必ずしも画一的に例外なく強制されるのではないという場合に、やはり理由の開示ということもセットで考えたほうがいいのではないかと思っております。

この報告書にどうしても文言で入れなくてはいけないかどうかというのは、また別の考慮だと思いますけれども、一応ポイントとして申し上げておきたいと思います。

以上です。

○神田座長

どうもありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。どうぞ、清水委員。

○清水委員

1つだけ述べさせてください。13ページの、海外の投資に関するSPCの話でございますが、こちらにつきましては何度か意見を言わせていただきましたが、確認でございますが、基本的に投資法人やREITでSPCを使うということですが、基本的に、こういった器につきましては、投資家レベルで課税されるということを予定しているビークルでございまして、こういったSPCを一段階、二段階使うというのは基本的には投資家の利益のために、こういったスキームを構築しているという理解です。過度に必要以上に複雑にする必要はないと思いますが、仮に二段階ぐらいになったとしても、それはあくまでも投資家の利益を最大化にするために行っていることなので、多段階になったから、必ずしも過度に複雑で、投資家にとって不利な状況になるわけではないと考えております。

したがって、こちらの文章のほうが順番が入れかわるので、よく結論がわからなくなっているのですが、私としましては、そういった方向でぜひ検討を、それから字句修正をしていただければと考えております。

それから、最後に補足ですが、国内の税法に合わせて投信法の改正を考慮されていると聞いていますが、匿名組合出資等につきましては、税法上完全に否定されているわけではないと理解しておりますので、その辺に影響がない形で改正していただければと考えております。

以上です。

○神田座長

どうもありがとうございました。

ほかに。小沼委員、どうぞ。

○小沼委員

ありがとうございます。3点コメントをさせていただきます。1点目は、12ページの1行目でございまして、こちらはガバナンスの関係でございますけれども、下線の一番冒頭に「まずは」と書いていただいているということでございますが、以前の審議会のときに何回かコメントをさせていただいておりますけれども、方向感としては、できるだけ外国、特に私どものマーケットの競争相手として意識をしているシンガポールや香港などと、ガバナンスの関係で見劣りがしないように、海外の大口の機関投資家様からも日本の市場をスキップする、そういうウイークポイントにならないように、大きな方向感としてはガバナンスについては適切な範囲でより充実をしていくという方向があるのではないかと思っています。

その中で今回は法制度を念頭に置いた中で、まずこういった範囲で対応していったらどうかということで、まとまっているという理解をしております。私のほうも、外国の投資家様との今後のコミュニケーションは、まずはというところは、アズ・ア・ファースト・ステップという形で説明し、これからも引き続きよりよい制度作り、あるいは必ずしも制度に限らず、いろいろな情報発信とか、推奨、あるいはリコメンデーションみたいな形で業界としてガバナンスを充実していくように努力をしていきたいと思っておりますので、何とぞご支援のほう賜ればと思っております。

2点目でございますが、これはちょっと技術面でございまして、12ページの下の重要事実の今後のさらに詰めた議論のところでは、前回も申しましたが、取引所が今持っております開示のガイドラインと、それから今度はこれを改めて重要事実として想定していくときの整理というのですか、少し水準も区分するということも念頭に、切り分けて考えて準備を進めていっていただけたらありがたいと思っております。

それから最後、3点目でございますが、13ページのその他の施策のマル1の過半以上の出資ができない、この基準の見直しでございますが、まず外国の不動産取得のためにというところから始めるという中で、後段のなお書きの中で、国内不動産への適用も図るべきとの意見もあったが、引き続き検討が必要ということでまとめていただいておりますが、是非こちらのほうも検討を進めていただければと思っておりますし、我々もそういうことを進めていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

先ほど、ここの文章の中で、ちょっと入り繰りを変更ということでございましたが、そのときに聞き漏らしてしまったので確認したいと思いますが、「目指すべきとの考えの下、国内不動産への適用や」の後は、「ビークルの過度な階層化」というふうに仰ったのかどうか。ここは「ビークルの階層化」で、「過度な」という部分は取られるということで。わかりました。ありがとうございます。

以上でございます。

○神田座長

ありがとうございました。

それでは、大崎委員どうぞ。

○大崎委員

今、小沼さんがご指摘になったところについての確認で、場合によってはちょっと修文が要るのかなと思ったのですけれども、ビークルの階層化というところになると、必ずしも不動産だけを階層化されたビークルで取得するということではないのだろうと思うのです。そこらの平仄を合せる意味で、その前の文章の「なお、投資法人における不動産運用方式の柔軟化や投資効率の向上」という文章を、「投資法人における資産運用方式の柔軟化」に変えてはどうかと思うのですが、いかがでしょう。

○神田座長

ありがとうございます。表題がマル1は不動産なので、ご指摘の箇所を変えますとおかしくなるというリスクもあるところなのですけれど、事務局が一生懸命集中して考えてくださると思いますので、その間、ほかの委員の方々からご意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。

どうぞ、上柳委員。

○上柳委員

すみません、今の点ですけれど、今回は不動産にとどめておいたほうがいいような気がします。もちろん実態によりまして将来的な方向というのはよくわかるので、議論があること自体、全然否定はいたしませんけれども、現時点では、投資法人は、実際には不動産を中心に日本の実態は進んできていますので、それを前提にして、今回の規制緩和の部分も含めて、それなりのコンセンサスができてきたのではないかと思います。先ほど大崎委員が指摘されたところを変えたからといって、全体が変わるわけではないのですけれど、ちょっと気になりました。

それからもう1点、11ページから12ページにかけまして、このワーキング・グループでも投資主総会と、それから役員会との役割分担について若干議論があったかと思います。先ほど小沼委員からご指摘があったように、この「まずは」というところで私は納得はしているのですけれども、やっぱり、いつになるのかわかりませんが、投資法人法の部分の根本的というのか、大きな検討も含めて、繰り返しですけれども、大崎委員がおっしゃった不動産投資に限定する実態をそのまま進めるのか、それとも、ほかの資産についても広く使われるようなビークルにするのかという議論とかかわっているわけですけれども、投資主総会の権限、あるいはその強化についても、かなり議論があったということは留意しておきたいと思います。

○神田座長

ありがとうございました。

石黒委員どうぞ。

○石黒委員

すみません、先ほど、特にございませんと申し上げたのですが、今、見ておりまして、ちょっと気がついた点なのですが、12ページの下のところで、「また、重要事実については」ということで例を挙げていただいておりまして、いずれも公募増資の「発表」、テナントの退去の「発表」等となっておりますが、「発表」が重要事実なのではなくて、公募増資計画が重要事実であり、退去という事実が重要事実であると思いますので、ちょっとそこは文言をお考えいただいたほうがいいのではないかと思います。

それから、この関係で事前に事務局とご確認させていただいたことを、念のため記録に残していただくという趣旨で申し上げますが、当然ここの具体的な制度化を進める過程において、今の例えば大口テナントの退去のケースなども、小さなビルの中のスペースを全部借りている人とかいうのも大口テナントですけれども、当然これは後ろのほうにある投資家の投資判断に影響を与えるというコンテクストの中で、その重要性、軽微基準が入ったりとか、例外事由が入るということが想定されていると理解しておりまして、その点を一応申し上げておきたいと思います。

○神田座長

どうもありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。どうぞ、事務局。

○横尾企画官

今、石黒委員からご指摘があったうちの、参考資料12ページ下段の「発表」のところでございます。ここは文の構成としては、ワーキング・グループでご議論いただいたような、現に適時開示等で発表されている事実が投資家の投資判断に影響を与えているという実態を踏まえて、具体的な制度化を進めていくことが適当というつもりで記述したところです。

ですから、重要事実については、○○○といった情報が今、実際適時開示されて、投資家の投資判断に影響を与えているということを踏まえて、そういったものは、もし適時開示される前に誰かが情報を有していれば、不公正な取引が行われる可能性があるので、具体的な制度化を進めていくことが適当であるという、こういうふうに読んでいただければと思います。

○石黒委員

影響を「与えている」という感じですか。

○横尾企画官

その通りです。

○神田座長

ほかにいかがでしょうか。

失礼しました、村木委員。

○村木委員

ありがとうございます。

12ページの下線が引いてある箇所についてですが、この「競争上の理由等により、公表がかえって投資家の利益を損ねることのないように留意しつつ」というのは、ワーキング・グループの議論の中では例示をされていたのは、費用等のかなり詳細な明細のことかと理解をしているのですが、その理解で正しいでしょうか。

と申しますのは、不動産鑑定評価基準の証券化対象不動産の鑑定評価は、主としてDCFで行うことになっていますが、DCFの中で極めて重要なパラメーターである将来キャッシュフローの前提と割引率、これはおそらく市場のガバナンスを働かせるためには極めて重要なものだと考えておりますけれども、これは直接そのテナント誘致上の競争力に影響しないように思えるのですが、そういったものも、この対象になり得るのかどうか、そのあたりを確認させてください。

○横尾企画官

ここで「競争上の理由等により」と記述しておりますのは、1棟借りのような、テナントがそのビルを丸ごと借りているといった場合に、その賃料を開示することによって、例えば競合不動産会社からのテナントの誘致等によって、かえってそのREITが保有する物件の投資価値が下がってしまうというような状況を想定しております。

直接的に村木委員のご質問に答えますと、その場合において、鑑定評価額の算出根拠を示すということは、ケース・バイ・ケースの判断もあろうかと思いますけれども、石黒委員ご指摘のように、理由の開示があれば、情報の公開を行わないという選択肢も用意しておくべきかという趣旨で加えております。

○村木委員

では、これは対応としては、かなり例外的な措置であるという捉え方でよろしいでしょうか。

○横尾企画官

そういうふうに理解しております。

○神田座長

よろしいでしょうか。

ほかに、この投資法人制度の部分について、ご意見等ございますでしょうか。

石黒委員どうぞ。

○石黒委員

細かいことですが、今のご議論の関係で、賃料への影響ということだけでなくて、過去の議論の中で私が申し上げたのですけれど、もう1つ具体的な事例としては、改修計画などが改修に携わる業者との契約交渉に影響を及ぼすといったこともあるというように、いろいろな事例があると思いますので、そこはまさに実務でよく検討した上で、適切なものについては拾い上げるような形で今後進めていただければありがたいなと思っております。

○神田座長

どうもありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。そうしましたら、オブザーバーの方々から、この投資法人制度の部分について、もしご意見とかございましたら、ご発言をいただきたいと思いますけれども。不動産証券化協会いかがでしょうか。

○不動産証券化協会(巻島オブザーバー)

ありがとうございます。最終報告書案の内容に異論はありません。特に資金調達、資本政策の多様化、それから海外不動産の間接投資について、規制緩和の方向性を明確に示していただいたことは、不動産投資市場の発展と、東京市場の国際競争力強化につながる重要な第一歩であると認識しております。

今後、法改正等が実効性のある形に成就するよう希望しておりますし、私ども協会としても、ご協力させていただきたいと考えております。

以上です。

○神田座長

どうもありがとうございました。

ほかにオブザーバーの方々、よろしゅうございますでしょうか。

そうしましたら、たくさんご指摘をいただきましたが、本日できれば報告書の取りまとめをお願いしたいと思います。さもないと、もう一度お集まりいただかなければいけないということにもなりますので、修文をしてはどうかと思われる部分を、順次確認させていただきたいと思います。

なお、皆様方から既にいただきましたご発言の中で、具体的に修文の提案をいただいた場合もありますし、修文の要請をいただいた場合もあります。しかし、ご質問をいただいた部分もありますし、あるいは、修文まではしなくても、関連しての意見なり、ご自分なりの解釈であるというふうに私が受けとめた部分もあります。漏れがあったら、また後でご指摘いただければと思いますけれども、前のほうから、このお手元の参考資料でいきたいと思います。

私が手元でとっていたメモによると、最初は3ページの上のほうからの「第二に」の、「諸外国における状況も踏まえつつ」というところに関連して、河野委員、清水委員、島田委員からそれぞれご発言をいただきまして、河野委員のご発言は、これだとちょっと抽象的なので、「例えば」という何か例が挙げられないだろうかと。例が挙げられている例としては、そのページで言いますと、「第四に」という下に例が挙がっています。

文章としては、間に「例えば」を入れるのは非常に難しいので、「第二に」はこのままにして、もし「例えば何々」というのを挙げることができるか、総論なので、ちょっと「例えば」にしても挙げにくいかということですか。そのあたりが1つですね。

それからもう1つは、島田委員のご指摘だったと思うのですが、業界慣行等の見直しと言っても、要するに小規模多数という、それに関連するということですね。ですから、例えば小規模多数という実態に関係する業界慣行とか、何かそういうふうにでも掲げて、しかし総論でとどめるかというやり方があり得ると思いますけれども、この3ページについてはどうしましょうか。

○横尾企画官

もう少しお時間をいただいて、先にほかの部分をよろしいでしょうか。

○神田座長

そうですね。修文ということでは、3ページは実は一番難しいところだと私は思っていまして。

そうしますと、ちょっと考えていただくことにして、4ページの真ん中あたりに、河野委員からのご指摘で、「今後」というのが、「今後」ではちょっと抽象的ではないか。

○横尾企画官

今、座長よりご指摘いただいた点のほかにも幾つか、今後の検討事項が残っておるところなのですけれども、時期を明確化せよというご指摘だったと思いました。実は、こういった中には法改正事項がございまして、それを受けた形での明確化になってくる部分も多うございます。私どもとしては制度施行までを早急にとは思っておりますけれども、法改正の時期につきましては、大きく言いますと立法府との関係もございますので、具体的な何年何月とか、そういった記述はしにくいなと思っている次第です。

○神田座長

ありがとうございます。

それでは、大変恐縮ですけれども、ちょっと今のようなことで、審議会の報告書でわかりにくくて恐縮ですけれども、今後の部分は、そういうことにさせていただければと思います。

次が5ページ目で、2点ありまして、1つは大崎委員から冒頭にご指摘をいただいた、「コストがかかる」という日本語の表現。

○横尾企画官

この点は、「運営のためのコストが大きくなる」との指摘という形で改めさせていただければと思います。

○神田座長

それともう1点は、河野委員ご指摘で、古澤課長からそれについてのコメントというか、お答えがあったところかと思いますけれども、その上の部分、為替ヘッジの有無等はもちろん行われているわけですが、複数のクラスというのがあるかどうかということです。これは非常に法制度的にはややこしくなるので、今の「コストがかかる」というところの話ですけれど、現時点においてはすぐに制度化は図らないということなのですけれども、具体的なニーズを確認する、ニーズがあるということであれば、そういった難しい問題に取り組むというか、検討を行うということで書いてありますので、ここもちょっと、早期にというのは、おそらくなかなか書きにくくて、具体的なニーズを確認しましょうというところから始めましょうという。ニーズがなければ、もちろん不要なのですけれども。ということかと思いますので、ここもちょっと、そういう意味では申しわけないのですけれども、速やかにという感じでは、おそらくないということかと思います。

とりあえず先に進ませていただいて、後でご指摘あれば承ります。

次が7ページの例のMRFの部分です。その前に、すみません、やはり河野委員からご指摘の、MRFの上の部分、利益相反のおそれがある行為を、これは「する度に」電子的方法による公告ということで、これはそういう意味では、速やかに、直ちにという感じだということです。

それからMRFですけれども、ここは大崎委員、それからほかにも上柳委員はご意見かもしれませんが、ご指摘いただきました。

○横尾企画官

「手作業による対応」という部分が読者にわかりにくいというご指摘でございました。ここは詳しく記述し始めますと、ちょっと切りがないというか、もう一パラグラフぐらい要りそうになりますので、「割り込んだ場合、追加設定・一部解約等に係る適切な対応に支障が生じるおそれがある」としてはどうかと思います。

○大崎委員

はい、大変結構です。

○神田座長

よろしいですか。そうさせていただきます。

それから、次が9ページの、これまた河野委員からのご指摘、マル4の一番下の傍線部、主体、主語がないと。これは確かにご指摘のとおり。

○横尾企画官

ここは「比較が容易になるように」という後に、「当局及び業界において、ある程度の統一化を行うことが求められる」とさせていただければと思います。

○神田座長

それで、投資信託は以上かと思います。投資法人につきましては、12ページの、まず一番上の「まずは」というところについて、河野委員からのご発言もあり、また上柳委員からもご指摘があり、ご趣旨は、これはちょっと私の思いつきの部分もあるのですけれども、確かに前のページから続けて読みますと、これでおかしくはないのですけれども、要するにガバナンスの改善に向けた取組をするということを書いたほうがいいと思いました。特に河野委員や上柳委員のご発言を聞いていて。

ですから、前の11ページの下から2行目に、後ろのほうに取組という言葉があります。「かからしめるなどの取組」という「取組」の前に「ガバナンスの改善に向けた取組」と、まずここで総論というか、方向を出して、それで12ページの「まずは」につながっていくということで、いかがでしょうか。

それから、一番難しい「競争上の理由等」のところについては、一方では石黒委員から、公表が利益を損ねる場合には、公表しない理由を公表すると、それは文章にするともっと長くなるのですけれども、そこから始まって、清水委員のご指摘その他ございましたが、ここは修文はできますかね。確かにちょっとわかりにくいと言えば、わかりにくいのですかね。競争上の理由等により……。この文章でも、間違っているわけでは全然ないので。

「競争上の理由等により、」というのが、何かちょっと、確かにどこに掛かるのか、というのがちょっとあるかもしれませんね。

ちょっと後にしましょうか。3ページとあわせて。もうあまりないと思います。

それで、一番下の重要事実なのですけれども、これは石黒委員からのご指摘で、これは二通りあると思うのです。1つは、端的に重要事実については、石黒委員ご指摘のように「の発表」というのを全部削除する。もちろん文章は通じるわけです。

それから他方、先ほど横尾さんがおっしゃったように、もともとは現在の適時開示で公表、発表がされていて、それが投資判断に影響を与えているということを踏まえて、重要事実を検討しますというやり方もあるので、どちらでいくかという問題かと思います。

この重要事実はどちらにしますか。

○横尾企画官

重要事実については、ワーキング・グループの議論を忠実に描写いたしますと、そういう現状を踏まえということだと思いますので、「投資判断に影響を与えていることを踏まえ」というふうに、後段のほうの修正をさせていただければと思います。

○神田座長

ありがとうございます。

そして13ページの、これは冒頭、事務局からの修正部分を読み上げさせていただいた部分です。「考えの下、」で「国内不動産への適用やビークルの階層化を」「図る」というより「認める」のほうがいいですね。「認めるべき」にさせていただきます。「認めるべきとの意見もあったが」ということに13ページはさせていただきます。

そうしますと、あと事務局で残ったのが3ページですね。一番難しいところ。

○古澤市場課長

先ほど3ページの最初の「第二に」のところの「諸外国における状況も踏まえつつ」というところです。

「その際」とございますが、「その際、諸外国における状況も踏まえつつ、小規模な投資信託の増加につながっている業界慣行等があれば、その業界慣行等の見直しについても」と、やや繰り返しのような感じでございますけれども、中身がそういうものにつながっているということで、慣行の中身をしっかり見るべきとの方向を示す形ではいかがかという提案です。

○神田座長

ありがとうございました。

よろしゅうございますでしょうか。私もそれがいいと思います。要するに、小規模多数というのは日本独特でして、なぜなんだろうかと。合理性があればいいのですけれども、やはりそこは見直して考え直す必要があるのではないかということを言っていると思いますので、具体的に何かという例は、なかなかちょっとそれ以上には挙げにくい。文章として、ということですけれども、ではないかなと思います。

私の見落としがなければ、以上をもって修正という箇所とさせていただきたいと思います。

○横尾企画官

参考資料12ページ、REITの部分があったはずです。

○神田座長

REITのさっきの部分。失礼しました。12ページ。

○古澤市場課長

参考資料12ページについての提案ですが、先ほど石黒先生からございました「競争上の理由等により、」のところです。参考資料12ページの「また、」のパラグラフの4行目、「競争上の理由等により、」ということで、まず座長からも、「理由等により」がどこに掛かっているのか見えにくいとのご指摘があったので、まず「理由等により、」の後の「、」を取りまして、「競争上の理由等により公表がかえって投資家の利益を損ねるような場合の取扱いにも留意しつつ、鑑定評価書の算出根拠云々」ということで、公表をしない場合がある、またその場合には、その理由の取扱いも考えるというニュアンスを出してはどうかとの提案でございます。

○神田座長

どうもありがとうございました。なかなかいいご提案だと思います。

以上で、一応皆様方からのご指摘との関係で、修正をする部分というのは、そういう方向でさせていただければということでございます。

皆様方から、ほかによろしいでしょうか。なお、恐縮ですけれども、最終的なてにをはは、もう一度事務局と私で確認させていただきたいと思いますので、最終的なてにをはは一任をしていただければと思います。

ということで、今の修正をした部分を含めて、本日のお手元の最終報告を、てにをはの確認を経て、最終報告とさせていただきたいと思います。

○吉野金融審議会会長

どうもありがとうございました。

会議の中で一度、販売会社と投資家が同じ方向を向いていなくてはいけないということを申し上げたのですけれど、こういうトータルリターンがきちんと出て、その指標が累積の分配金と、それからコストまで含めたものがしっかり出てくれば、両方が同じ方向を向くと思います。

それから、アメリカやドイツを見ていますと、やっぱり投資信託が出てからどんどん伸びているわけですけれども、日本はその後伸びていないというのは、やっぱりこれまで商品性も含めて運用のパフォーマンスもよくなかったと思いますので、ここに運用会社の方々もおられると思いますけれども、ぜひよりよい運用を。アジアに一番近いのは日本でありますから、アジアのデータを見ていますと、結構ヨーロッパが随分アジアに投資していまして、日本よりも大きいような気がいたしました。やっぱりそういう意味では、世界の市場を見ながら、全て外部委託するのではなくて、やっぱりこちらの日本の会社自身も運用するということを、ぜひ目指していただいて、この報告書を受けて、投資信託が今後大きく発展すれば、この報告書がすばらしいものになったということになると思います。

どうもありがとうございました。

○神田座長

どうもありがとうございました。

皆様方には、時間もちょうど守っていただきまして、また、過去13回にわたりまして、前半戦、後半戦と、大変貴重なご意見を、幅広い観点から数多くお寄せいただきまして、大変ありがとうございました。

なんとか皆様方のご協力と積極的なご議論のおかげで、本日、最終報告を取りまとめさせていただくことができました。厚く御礼申し上げます。これで終わりということではございませんので、報告書を取りまとめたら、これから始まるわけでして、そういう意味におきましても、今後皆様方からはさらに一層ご教示、ご示唆、ご鞭撻をいただかなければいけないと考えております。

そうは申しましても、ワーキング・グループのご審議は、本日で1つの区切りということでございますので、これまでの皆様方の精力的なご審議に対し、厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。

それでは、事務局から何かご連絡ございますでしょうか。

○横尾企画官

13回にわたりまして精力的なご審議をいただきまして、まことにありがとうございました。

今後、私どもといたしましては、最終報告案を踏まえ、関連法案の提出を目指して作業を進めてまいりたいと思っておりますので、引き続きご支援をよろしくお願いいたします。

ありがとうございました。

○神田座長

どうもありがとうございました。

それでは、これで散会いたします。

以上

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局市場課(内線3621)

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