金融審議会「投資信託・投資法人法制の見直しに関するワーキング・グループ」(第2回)議事要旨
1.日時:
平成24年4月6日(金曜日)14時00分~16時00分
2.場所:
中央合同庁舎第7号館13階 共用第1特別会議室
3.議題:
1.開会、メンバー等の紹介
2.プレゼンテーション
- 株式会社野村総合研究所 金融ITイノベーション研究部 金子上級研究員
- ドイツ証券株式会社 村木ディレクター・シニアアナリスト(本WG委員)
- LIFE MAP,LLC 竹川代表
3.自由討議
4.閉会
4.議事内容:
○投資信託の位置づけや我が国投資信託市場における運用会社・販売会社の在るべき姿について、金子氏、村木委員、竹川氏よりプレゼンテーションが行われた後、討議が行われた。
○自由討議における主な意見は以下のとおり。
- 投信の販売体制においては、投資家の運用ニーズの的確な把握と、投資家の属性・適合性に応じた販売勧誘が基本的な視点である。その中で、高齢者の投資家への販売が重要なポイントとなっており、その理解力や判断力が若干衰えている傾向がある点に留意する必要がある。また、通貨選択型投信などの販売体制については、その商品の複雑さに配慮した体制をとる必要がある。
- 各年代層のニーズにこたえるために、運用会社サイドは多様な商品の提供を行っている。ただ、全体的に投資信託の保有率は低く、特に資産形成層、いわゆる一般の給与所得者の方への投信のすそ野の拡大は、最重要の課題である。その観点から、確定拠出型年金制度の拡充が重要である。
- 運用会社が対応すべき課題として、情報開示をより充実させることが挙げられるところ、その具体的方策を検討するに当たっては様々な事情を勘案すべきである。
- 投資信託の商品性について検討する際には、現在の低金利環境下における商品開発の在り方、投資対象の多様化、商品の特性、といったことにも配慮すべきである。
- 毎月分配型投信を通じて、主に退職後の高齢者が、結果としてリスクをとって海外投資をするようになっていること、その投資家の多くは分配金の内実を正しく理解していないことは、不適切な商品供給があることを示しているのではないか。
- 世の中全体として金融商品に使われている表現(例えば、「毎月分配型」や「分配金利回り」等)が適切なものなのかどうかに関するチェックの在り方について検討する必要がある。
- 公募投信の8割が赤字という点は、投信の運用の質の低下につながるおそれがあるため、関心を持たなければならない。
- 今後、投信市場が発達・成長していく上で、若年層、資産形成層の取り込みが不可欠である。その理由として、残高を増やしていける若年層を取り込めば、証券会社が残高連動フィー重視の経営に移行できて、より安定的な市場が形成していけること、若年層は投信の長期保有ができ、その結果、分散投資の効果を十分に得られること、比較的判断能力が高いと思われる若年層を取り込むことによって適正な競争の促進、合理的な市場の形成に寄与することが挙げられる。
- 販売会社と運用会社と投資家が同じ目的関数となるよう、例えば、できる限り残高連動型報酬ではなく業績連動型報酬とする等の取組みを通じて、合理的な市場の形成が目指されるべき。
- 運用会社と販売会社が同じ方向を向いた報酬体系や開示の充実という点が達成できない理由を集約していくべき。
以上
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