金融審議会「投資信託・投資法人法制の見直しに関するワーキング・グループ」(第4回)議事要旨

1.日時:

平成24年4月27日(金曜日)13時00分~15時00分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館13階 共用第1特別会議室

3.議題:

  • 1.開会

  • 2.自由討議

  • 3.閉会

4.議事内容:

  • 第2回の議論の整理に関する事務局の報告、金子氏より信託報酬の変化について説明があった後、討議が行われた。

  • 討議における主な意見は以下のとおり。

  • 投資信託の主たる購入者として考えられる世代は20歳代から40歳代の資産形成層であるが、資産形成層においては資産を運用する余裕はなさそうであるのが現状。そのような中で、資産形成層への投資信託の普及のためには確定拠出年金制度の拡充が重要である。
  • 積立型投資信託の幅広い普及が必要だと考えている。海外の事例を参考にインセンティブをつけて、広く20歳代、30歳代の投資家が投資を始められるような制度に拡充すべきである。
  • 日本における投資信託の普及においては、税制面のサポートが弱い。法制の見直しをより有意義なものとするため、税制当局との連携を期待したい。
  • 投資家が自ら合理的な投資判断を行うための環境整備が重要。例えば、商品ごとに比較するための情報や投資家が自分のニーズに合っているかどうかを判断できる目安が提供されること、リスク総量やトータルリターン把握のための開示を導入・共通化していくことが上記環境整備に資するのではないか。ただし、新たな開示を導入する場合においては、諸外国でも指摘されているとおり、開示が投資家の不適切な行動を生み出すおそれがある点に留意する必要がある。様々な投資家の行動との関係で当該開示がどのような意味を持つのかということを検討した上で、投資家が合理的な投資判断ができる環境整備を進めていく必要がある。
  • 特に複雑な商品に関しては、組入資産が全体のパフォーマンスに対してどの程度寄与しているかという点について、開示を行うべき。
  • ボラティリティの階級表示を実施する場合、短期的には、表示されているボラティリティの幅を超えて変動する可能性があることを投資家に理解してもらう必要がある。また、長期的なボラティリティを計算するためには長期的なデータが必要となるところ、日本の投資信託は短命であるため、必要なデータがとれない可能性がある点に留意。
  • ボラティリティは、投資家にとってわかりやすい指標として重要だが、他の商品との相関性等、他にも重要な指標があることを投資家に理解してもらう努力は必要。
  • 中長期的には、独立のアドバイザー等、販売から独立してアドバイスをするようなサービスが合理的なコストで提供されるという環境が整備されていくことが必要。その上で、欧米において一部導入されているように、投資家のライフプランを精緻なデータに基づいて定量的にシミュレーションをした上でコンサルティングが行われるといったことが望ましい。
  • 透明性が高く、現状をよく理解することができる指標を作ることによって、日本の投資信託はより発展するものと思われる。
  • 運用会社においては、投資家はどうしたらいい商品を選べるのか、今保有している商品を継続的に保有すべきなのかがわかる物差しを提示してほしい。また、販売会社においては、投資家がどうしたらいいアドバイザーを選べるのかがわかるような物差しが提示されることが望ましい。
  • 投資信託の配当に関するルールについて議論を行うべき。その際、投資信託の定期解約サービスの拡充等の取組みによって、毎月一定額が手元に入ってくることを望む投資家のニーズにも応えていくべきことに留意。実際、元本を含む分配金が定期的に分配されるニーズは高く、定期引き出し機能を有する投資信託も増えている。
  • 現在の投資信託の投資者層を考えると、商品内容についての規制等パターナリスティックな規制の導入の是非についても議論の必要がある。ただ、商品内容についての規制は限定的なものとすべきであり、あくまで適合性の原則の遂行と十分な情報開示によって、投資者の保護を図っていくべきとする意見もあった。
  • 投資信託の組成・販売の局面におけるコストの高さが何によるものであるかを解明し、今後に生かしていくべき。
  • 運用資産の国際化が進んでいる現状を踏まえて、投資信託法制をどのようにすべきかを考えていくべき。
  • 信託報酬や販売手数料の高低やその使途の開示の是非について議論する前提として、信託報酬や販売手数料に関する正確な理解が必要。
  • どのような利益相反、インセンティブのゆがみが生ずるのかということをきめ細かく検討し、何らかの規律等が必要であれば、それについてもさらに見直しを行っていくというようなことが必要。
  • ファンド間取引に係る規制の明確化を図るに際しては、実務的が煩雑にならないように配慮が必要。
  • 海外のファンドは国内で販売されている反面、日本のファンドが海外で販売されていないという問題は今後の課題の1つ。

以上

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局市場課(内線3621)

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